1: 2015/07/14(火) 22:27:10.79 ID:QJDB4WsZ.net
店長「すみませんだぁ!?お前それ何回目だこら!おい!」
穂乃果「すみません…すみません…」
店長「てめぇこの店で一年以上働いてんのによぉ!今だにレジは打ち間違えるわ皿は割るし転んで客に迷惑をかけるしどういう神経してんだぁおい!」
穂乃果「すみません…次は必ず…」
店長「いっつもそればっかじゃねーか!ああ!?」
穂乃果「……」
店長「チッ……まあいい、おい」
穂乃果「……はい」
店長「トイレ掃除くらいなら出来んだろ?クビにされたくなきゃぁ今からやってこい」
穂乃果「……はい、申し訳ありませんでした」
店長「……チッ、給料泥棒が。オーナーもオーナだよ。昔ファンだったからってこんな愚図をずっと雇い続けるなんざ。ほんと酔狂な人だよ。」
穂乃果「……っ」
穂乃果「すみません…すみません…」
店長「てめぇこの店で一年以上働いてんのによぉ!今だにレジは打ち間違えるわ皿は割るし転んで客に迷惑をかけるしどういう神経してんだぁおい!」
穂乃果「すみません…次は必ず…」
店長「いっつもそればっかじゃねーか!ああ!?」
穂乃果「……」
店長「チッ……まあいい、おい」
穂乃果「……はい」
店長「トイレ掃除くらいなら出来んだろ?クビにされたくなきゃぁ今からやってこい」
穂乃果「……はい、申し訳ありませんでした」
店長「……チッ、給料泥棒が。オーナーもオーナだよ。昔ファンだったからってこんな愚図をずっと雇い続けるなんざ。ほんと酔狂な人だよ。」
穂乃果「……っ」
2: 2015/07/14(火) 22:28:04.84 ID:QJDB4WsZ.net
~19:07~
穂乃果「では、お先に失礼します」
店長「……チッ」
穂乃果「ふう…」
私、高坂穂乃果、21歳。
スクールアイドルで頂点だったのも今は昔。
音ノ木坂学院を卒業後、海未ちゃんやことりちゃんたちと違い商業系の専門学校に進学し卒業したものの、就職氷河期の影響か定職に就けずにこうしてフリータ生活を送っている。
時給は850円、月の稼ぎは14万弱、今住んでいるアパートの家賃は4万3000円。正直なところ、生活するだけでも一苦労だ。
穂乃果「今日もやらかしちゃったなぁ…あー…」
穂乃果「クビになっちゃったらどうしよう…実家に帰るのも一つの手だけど、成人しているのに親を頼るのもなんだかなぁ。」
穂乃果「……明日は休みかぁ。」
穂乃果(なんだか飲みたい気分。)
穂乃果(…ちょっとくらい贅沢したっていいよね。)
穂乃果(あーでもそうなると給料日までもやしと豆腐で乗り切らなきゃいけなくなるのかー)
穂乃果(まあでも、次の給料日は5日後だし問題ないか)
穂乃果(にしてもあっついなぁ…もうすぐ夏かぁ。)
穂乃果(…居酒屋に着いたら生ビールで喉でも潤そう。)
穂乃果(あ、飲みに行くなら一回家に戻って原付置いてこなくちゃ)
穂乃果「カブちゃんお待たせ!」カチッ
ブブブブ
穂乃果「…今日はお家でお留守番だよ。」
ブォオオオン
穂乃果(入学祝いの時にお父さんが買ってくれた私の自慢の愛車。ちょっと古いけどまだまだ現役。)
穂乃果(原付免許だけじゃなくて車の免許も余裕のあった学生のうちに取っておくべきだったなぁ…)
穂乃果「では、お先に失礼します」
店長「……チッ」
穂乃果「ふう…」
私、高坂穂乃果、21歳。
スクールアイドルで頂点だったのも今は昔。
音ノ木坂学院を卒業後、海未ちゃんやことりちゃんたちと違い商業系の専門学校に進学し卒業したものの、就職氷河期の影響か定職に就けずにこうしてフリータ生活を送っている。
時給は850円、月の稼ぎは14万弱、今住んでいるアパートの家賃は4万3000円。正直なところ、生活するだけでも一苦労だ。
穂乃果「今日もやらかしちゃったなぁ…あー…」
穂乃果「クビになっちゃったらどうしよう…実家に帰るのも一つの手だけど、成人しているのに親を頼るのもなんだかなぁ。」
穂乃果「……明日は休みかぁ。」
穂乃果(なんだか飲みたい気分。)
穂乃果(…ちょっとくらい贅沢したっていいよね。)
穂乃果(あーでもそうなると給料日までもやしと豆腐で乗り切らなきゃいけなくなるのかー)
穂乃果(まあでも、次の給料日は5日後だし問題ないか)
穂乃果(にしてもあっついなぁ…もうすぐ夏かぁ。)
穂乃果(…居酒屋に着いたら生ビールで喉でも潤そう。)
穂乃果(あ、飲みに行くなら一回家に戻って原付置いてこなくちゃ)
穂乃果「カブちゃんお待たせ!」カチッ
ブブブブ
穂乃果「…今日はお家でお留守番だよ。」
ブォオオオン
穂乃果(入学祝いの時にお父さんが買ってくれた私の自慢の愛車。ちょっと古いけどまだまだ現役。)
穂乃果(原付免許だけじゃなくて車の免許も余裕のあった学生のうちに取っておくべきだったなぁ…)
5: 2015/07/14(火) 22:28:58.94 ID:QJDB4WsZ.net
カランカランッ
女将「いらっしゃいませー、あ、穂乃果ちゃん、給料日前なのに珍しい。」
穂乃果「うん、ちょっと飲みたくなってね。」
女将「はい」コトッ
穂乃果「あれ?まだ頼んでませんよ?」
女将「どーせ生でしょ。一杯だけおごりにしてあげる。」
穂乃果「あ、ありがとうございます。」
女将「ウチの店に来る女の子は穂乃果ちゃんくらいだもの。サービスよサービス。」
穂乃果「あはは…」
女将「穂乃果ちゃんも今どきの女の子なんだから、こんな寂れた居酒屋じゃなくてもっとお洒落な店にでも行けばいいのに。」
穂乃果「あーゆーお店、なんか苦手で、それに生ビール、置いてないじゃないですか。カクテルとかよくわからないし。」
女将「あっはっはっは!今どきの女の子なのになんだかおっさん臭いわよ!」
穂乃果「いいじゃん別に、女将さんの店で飲む方が美味しいんだからさ。」ゴクゴクゴク
穂乃果「ぷはぁああ!!!」コトッ
女将「相変わらずいい飲みっぷりねぇ、おばさん感激しちゃうわ」
女将「それにしても、いつも一人よね、穂乃果ちゃん。たまには友達もつれてきて頂戴よ!いっぱいサービスしちゃうから!」
穂乃果「ははははっ…いつかね」
女将「いらっしゃいませー、あ、穂乃果ちゃん、給料日前なのに珍しい。」
穂乃果「うん、ちょっと飲みたくなってね。」
女将「はい」コトッ
穂乃果「あれ?まだ頼んでませんよ?」
女将「どーせ生でしょ。一杯だけおごりにしてあげる。」
穂乃果「あ、ありがとうございます。」
女将「ウチの店に来る女の子は穂乃果ちゃんくらいだもの。サービスよサービス。」
穂乃果「あはは…」
女将「穂乃果ちゃんも今どきの女の子なんだから、こんな寂れた居酒屋じゃなくてもっとお洒落な店にでも行けばいいのに。」
穂乃果「あーゆーお店、なんか苦手で、それに生ビール、置いてないじゃないですか。カクテルとかよくわからないし。」
女将「あっはっはっは!今どきの女の子なのになんだかおっさん臭いわよ!」
穂乃果「いいじゃん別に、女将さんの店で飲む方が美味しいんだからさ。」ゴクゴクゴク
穂乃果「ぷはぁああ!!!」コトッ
女将「相変わらずいい飲みっぷりねぇ、おばさん感激しちゃうわ」
女将「それにしても、いつも一人よね、穂乃果ちゃん。たまには友達もつれてきて頂戴よ!いっぱいサービスしちゃうから!」
穂乃果「ははははっ…いつかね」
9: 2015/07/14(火) 22:29:31.74 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果(友達…)
穂乃果(…専門学校を卒業して以来、海未ちゃんやことりちゃんとはすっかり疎遠になってしまった。)
穂乃果(……定職に就けなかった気まずさからか、あの日以来、顔どころか連絡すら交わしていない。)
穂乃果(……)
穂乃果(……ことりちゃんはパリで服飾関係の学校に留学中、海未ちゃんは有名大学で成績優秀。私は無能なフリータ。)
穂乃果「ごくっ…ごくっ…ごくっ…」
穂乃果(……こんな惨めな姿、見せられないし見せたくもない。)
穂乃果(…家族にも、かつての仲間にも。)
穂乃果(……そう、誰にも。)
ドンッ
穂乃果「女将さん!もう一杯!」
穂乃果(…専門学校を卒業して以来、海未ちゃんやことりちゃんとはすっかり疎遠になってしまった。)
穂乃果(……定職に就けなかった気まずさからか、あの日以来、顔どころか連絡すら交わしていない。)
穂乃果(……)
穂乃果(……ことりちゃんはパリで服飾関係の学校に留学中、海未ちゃんは有名大学で成績優秀。私は無能なフリータ。)
穂乃果「ごくっ…ごくっ…ごくっ…」
穂乃果(……こんな惨めな姿、見せられないし見せたくもない。)
穂乃果(…家族にも、かつての仲間にも。)
穂乃果(……そう、誰にも。)
ドンッ
穂乃果「女将さん!もう一杯!」
10: 2015/07/14(火) 22:30:32.26 ID:QJDB4WsZ.net
チュンチュン
穂乃果「…あー、完全に二日酔い…頭痛い…」
穂乃果「…昨日どうやって家に帰ったんだっけか。」
穂乃果「…シャワーでも浴びよう。」
――――ザーーー
穂乃果「…あー冷水きもちー」
穂乃果「あ、シャンプーがそろそろ切れそう」
穂乃果「…仕方ない、あとでいらない漫画でも売って買って来よう。」
穂乃果「…あー、完全に二日酔い…頭痛い…」
穂乃果「…昨日どうやって家に帰ったんだっけか。」
穂乃果「…シャワーでも浴びよう。」
――――ザーーー
穂乃果「…あー冷水きもちー」
穂乃果「あ、シャンプーがそろそろ切れそう」
穂乃果「…仕方ない、あとでいらない漫画でも売って買って来よう。」
11: 2015/07/14(火) 22:32:16.10 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果(まさかあの漫画プレミアがついていたなんてなー)
穂乃果(2000円も手に入っちゃった。ラッキー。)
穂乃果「…とりあえずお目当てのシャンプーを買いにいかなきゃね。」カチャッ
ブォオオオン
アリガトーゴザイマシター
穂乃果「……もう夕方かぁ」
穂乃果(……帰ろう)
「あ!」
穂乃果「はぁ…」
「ちょっと!」
穂乃果「……いつまでこんな生活を続けなくちゃいけないんだろう」
「穂乃果!ちょっと!無視すんじゃないわよ!」
穂乃果「…誰かが私を呼んでいる?ないない…って、え?」
にこ「…奇遇ね。」
穂乃果「あっ、にこ…ちゃん?」
にこ「やっぱり穂乃果なのね、たく…別の人だったらどうしようかと思っちゃったわよ」
穂乃果「……久しぶりだね!元気だった?」
にこ「まあ、ぼちぼちね。あんたの方はどうなのよ?仕事は忙しいの?」
穂乃果「……まぁ、ね?」
穂乃果(2000円も手に入っちゃった。ラッキー。)
穂乃果「…とりあえずお目当てのシャンプーを買いにいかなきゃね。」カチャッ
ブォオオオン
アリガトーゴザイマシター
穂乃果「……もう夕方かぁ」
穂乃果(……帰ろう)
「あ!」
穂乃果「はぁ…」
「ちょっと!」
穂乃果「……いつまでこんな生活を続けなくちゃいけないんだろう」
「穂乃果!ちょっと!無視すんじゃないわよ!」
穂乃果「…誰かが私を呼んでいる?ないない…って、え?」
にこ「…奇遇ね。」
穂乃果「あっ、にこ…ちゃん?」
にこ「やっぱり穂乃果なのね、たく…別の人だったらどうしようかと思っちゃったわよ」
穂乃果「……久しぶりだね!元気だった?」
にこ「まあ、ぼちぼちね。あんたの方はどうなのよ?仕事は忙しいの?」
穂乃果「……まぁ、ね?」
13: 2015/07/14(火) 22:34:06.44 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果(……最悪だ)
穂乃果(……こんな、こんな…)
穂乃果(……誰にも姿を見られたくないから音ノ木より少し離れた外神田に住んでいるっていうのに)
穂乃果(……でも)
穂乃果(……かつての仲間の顔を見られるって言うのもなんだかうれしい)
穂乃果(……)
穂乃果(……複雑な気分には変わりないけど)
にこ「……穂乃果」
穂乃果「…ん?」
にこ「このあと、少し時間あるかしら?ひさしぶなんだからさ、あそこの喫茶店で話し込まない?」
――――
――
―
穂乃果(……こんな、こんな…)
穂乃果(……誰にも姿を見られたくないから音ノ木より少し離れた外神田に住んでいるっていうのに)
穂乃果(……でも)
穂乃果(……かつての仲間の顔を見られるって言うのもなんだかうれしい)
穂乃果(……)
穂乃果(……複雑な気分には変わりないけど)
にこ「……穂乃果」
穂乃果「…ん?」
にこ「このあと、少し時間あるかしら?ひさしぶなんだからさ、あそこの喫茶店で話し込まない?」
――――
――
―
14: 2015/07/14(火) 22:35:33.85 ID:QJDB4WsZ.net
にこ「それにしてもほんと久しぶりね。なんだかすごい美人になっちゃってるじゃない。」
穂乃果「にこちゃんは…その…あまり変わらないね」
にこ「どういう意味よそれ」
穂乃果「なんだろうね」
にこ「なんか癪に障るわね」
穂乃果「ははっ…」
にこ「まあいいや。喫茶店に入ったんだし何か頼まないとね。」
穂乃果「あ、じゃあ…アメリカンで」
にこ「にこも同じのにしようかな」
にこ「というか何年振りよ。すっごい久々にアンタの顔を見かけたからつい興奮して話しかけちゃったわよ。」
穂乃果「…最後に会ったのは一年半くらい前、かな?ことりちゃんの留学記念パーティ以来?」
にこ「あー、そういえばそうねー…懐かしいわね」
にこ「ことり、元気かしら?」
穂乃果「最近連絡とってないからわかんないけど、元気だと思うよ。」
にこ「え?連絡とってないの?あんたらあんなに仲良かったじゃない。」
穂乃果「ちょっと…ね?別に喧嘩したとかそういうのじゃないから安心して。穂乃果の、ちょっとした…ううんなんでもない」
にこ「……?」
穂乃果「にこちゃんは…その…あまり変わらないね」
にこ「どういう意味よそれ」
穂乃果「なんだろうね」
にこ「なんか癪に障るわね」
穂乃果「ははっ…」
にこ「まあいいや。喫茶店に入ったんだし何か頼まないとね。」
穂乃果「あ、じゃあ…アメリカンで」
にこ「にこも同じのにしようかな」
にこ「というか何年振りよ。すっごい久々にアンタの顔を見かけたからつい興奮して話しかけちゃったわよ。」
穂乃果「…最後に会ったのは一年半くらい前、かな?ことりちゃんの留学記念パーティ以来?」
にこ「あー、そういえばそうねー…懐かしいわね」
にこ「ことり、元気かしら?」
穂乃果「最近連絡とってないからわかんないけど、元気だと思うよ。」
にこ「え?連絡とってないの?あんたらあんなに仲良かったじゃない。」
穂乃果「ちょっと…ね?別に喧嘩したとかそういうのじゃないから安心して。穂乃果の、ちょっとした…ううんなんでもない」
にこ「……?」
17: 2015/07/14(火) 22:36:45.66 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果「そうだ!にこちゃんの方は最近どうなの?お仕事とか!アイドルってなんか大変そうだし!」
にこ「…うん、まぁ、ぼちぼちよ。ぼちぼち…」
穂乃果「…何かあったの?」
にこ「…うん、まぁ。」
にこ「……久々に会って早々なんだけどさ。」
にこ「……愚痴、聞いてくれない?」
穂乃果「……いいよ」
にこ「…ありがとう」
にこ「…最近、仕事が減ってきたの」
穂乃果「え?でもにこちゃん冠番組もってんじゃん」
にこ「…それもね、もう打ち切りなの」
穂乃果「え!?」
にこ「…視聴率が取れなくなってきているのよ」
にこ「…それに、ライブをやっても、前より見に来てくれるファンの数が…」
にこ「……はぁ、天下のニコニーにこちゃんもここまでなのかなぁ。それでも、諦めるのはまだ早いんだけどさ。」
穂乃果「……」
にこ「まぁ、生活が苦しいってほどでもないし。これでも大半のアイドルたちと比べたら稼いでる方だと思うから。」
にこ「それでも、つい弱気になっちゃうのよねぇ…駄目ね、私って」
穂乃果「……にこちゃんは凄いし全然ダメじゃないよ。それに比べて私は…」
にこ「私は……?」
穂乃果「……ううん、なんでもない!」
にこ「…うん、まぁ、ぼちぼちよ。ぼちぼち…」
穂乃果「…何かあったの?」
にこ「…うん、まぁ。」
にこ「……久々に会って早々なんだけどさ。」
にこ「……愚痴、聞いてくれない?」
穂乃果「……いいよ」
にこ「…ありがとう」
にこ「…最近、仕事が減ってきたの」
穂乃果「え?でもにこちゃん冠番組もってんじゃん」
にこ「…それもね、もう打ち切りなの」
穂乃果「え!?」
にこ「…視聴率が取れなくなってきているのよ」
にこ「…それに、ライブをやっても、前より見に来てくれるファンの数が…」
にこ「……はぁ、天下のニコニーにこちゃんもここまでなのかなぁ。それでも、諦めるのはまだ早いんだけどさ。」
穂乃果「……」
にこ「まぁ、生活が苦しいってほどでもないし。これでも大半のアイドルたちと比べたら稼いでる方だと思うから。」
にこ「それでも、つい弱気になっちゃうのよねぇ…駄目ね、私って」
穂乃果「……にこちゃんは凄いし全然ダメじゃないよ。それに比べて私は…」
にこ「私は……?」
穂乃果「……ううん、なんでもない!」
18: 2015/07/14(火) 22:37:35.70 ID:QJDB4WsZ.net
にこ「……そう、話したくないなら別にいいわ。でも、話したくなったらいつでも付き合うわよ。」
穂乃果「ごめんね」
にこ「別に謝るようなことでもないでしょ。こっちこそ暗い話ばっかしちゃってごめんね。」
穂乃果「ううん、久々に話せただけでも楽しかったし。」
にこ「ふぅ…なんだか気が晴れたわ。ありがとね、穂乃果。愚痴に付き合ってもらっちゃって。」
にこ「お礼におごってあげるわ。感謝しなさい。」
穂乃果「うん、ありがとうにこちゃん。」
にこ「そうだ穂乃果、たまには連絡寄越しなさいよ、最近暇してんのよ。」
穂乃果「…うん、わかったよにこちゃん。」
穂乃果「ごめんね」
にこ「別に謝るようなことでもないでしょ。こっちこそ暗い話ばっかしちゃってごめんね。」
穂乃果「ううん、久々に話せただけでも楽しかったし。」
にこ「ふぅ…なんだか気が晴れたわ。ありがとね、穂乃果。愚痴に付き合ってもらっちゃって。」
にこ「お礼におごってあげるわ。感謝しなさい。」
穂乃果「うん、ありがとうにこちゃん。」
にこ「そうだ穂乃果、たまには連絡寄越しなさいよ、最近暇してんのよ。」
穂乃果「…うん、わかったよにこちゃん。」
19: 2015/07/14(火) 22:39:23.31 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果(……矢澤にこといったら巷を騒がせた有名アイドル。でも、それも今は昔のことらしい。)
穂乃果(……芸能界は生存競争が激しい、それがアイドルとなったらなおさらだ。例え枕なんかしても実力とニーズが伴っていなければすぐに他のアイドルに喰われてしまう。)
穂乃果(……って、にこちゃんが言ってた。)
穂乃果(そのあと、冗談半分で「なんだか知ったような口ぶりだね、まさか…!」って言ったら)
穂乃果(……「んなわけないでしょうがこのドアホー!!そんなファンを裏切るような行為、にこがするわけないでしょうが!!」って)
穂乃果(……滅茶苦茶怒られた。しょぼーん。)
穂乃果(……楽しかった。本当に。)
穂乃果(……久しぶりに笑った気がした。)
穂乃果(……先ほどのやり取りを思い出すだけでもつい口元が緩んでしまう。)
穂乃果(にこちゃんも、苦境に立たされているけど腐らずに頑張っている…)
穂乃果「…なんだか負けてられないなぁ。」
穂乃果「いつまでも不貞腐れているわけにはいかないよね…がんばろう」
穂乃果「あ…携帯、さっきの喫茶店に忘れた…」
穂乃果(なんだかしまらないなぁ…)
穂乃果(……芸能界は生存競争が激しい、それがアイドルとなったらなおさらだ。例え枕なんかしても実力とニーズが伴っていなければすぐに他のアイドルに喰われてしまう。)
穂乃果(……って、にこちゃんが言ってた。)
穂乃果(そのあと、冗談半分で「なんだか知ったような口ぶりだね、まさか…!」って言ったら)
穂乃果(……「んなわけないでしょうがこのドアホー!!そんなファンを裏切るような行為、にこがするわけないでしょうが!!」って)
穂乃果(……滅茶苦茶怒られた。しょぼーん。)
穂乃果(……楽しかった。本当に。)
穂乃果(……久しぶりに笑った気がした。)
穂乃果(……先ほどのやり取りを思い出すだけでもつい口元が緩んでしまう。)
穂乃果(にこちゃんも、苦境に立たされているけど腐らずに頑張っている…)
穂乃果「…なんだか負けてられないなぁ。」
穂乃果「いつまでも不貞腐れているわけにはいかないよね…がんばろう」
穂乃果「あ…携帯、さっきの喫茶店に忘れた…」
穂乃果(なんだかしまらないなぁ…)
21: 2015/07/14(火) 22:40:49.49 ID:QJDB4WsZ.net
~五日後~
店長「高坂、お前最近皿割らなくなったな。何か悪いもんでも食ったのか?」
穂乃果「いえ、別にそういうわけじゃ…」
店長「ま、この調子で頑張ってくれや。そうだ、はい。」
穂乃果「…封筒…ですか?」
店長「たった2万円程度だが俺からのお小遣いだ。何だかんだで一年以上働いてもらっているからな。」
穂乃果「え!?な、なんでそんな急に!?」
店長「愚図なバイトが一年経ってようやくまともになってきてくれたからな。ご褒美だよご褒美。」
穂乃果「うっ…」
店長「それに、何だかんだでお前、一度も休むどころか他のバイト連中のシフトの穴も埋めてくれてたじゃないか。」
穂乃果「あ、ありがとうございます!!」
店長「ま、せいぜい俺の胃に穴を開けないでくれよ。こっちも嫁が妊娠して大変なんだからよ。」
穂乃果「…お子さん、無事に生まれるといいですね。」
店長「…ふん」
店長「高坂、お前最近皿割らなくなったな。何か悪いもんでも食ったのか?」
穂乃果「いえ、別にそういうわけじゃ…」
店長「ま、この調子で頑張ってくれや。そうだ、はい。」
穂乃果「…封筒…ですか?」
店長「たった2万円程度だが俺からのお小遣いだ。何だかんだで一年以上働いてもらっているからな。」
穂乃果「え!?な、なんでそんな急に!?」
店長「愚図なバイトが一年経ってようやくまともになってきてくれたからな。ご褒美だよご褒美。」
穂乃果「うっ…」
店長「それに、何だかんだでお前、一度も休むどころか他のバイト連中のシフトの穴も埋めてくれてたじゃないか。」
穂乃果「あ、ありがとうございます!!」
店長「ま、せいぜい俺の胃に穴を開けないでくれよ。こっちも嫁が妊娠して大変なんだからよ。」
穂乃果「…お子さん、無事に生まれるといいですね。」
店長「…ふん」
22: 2015/07/14(火) 22:41:43.64 ID:QJDB4WsZ.net
穂乃果(…やった!やった!給料と合わせて17万も稼いじゃった!今月はかなり余裕が出来るよ!しかも明日は休み♪)
穂乃果(にこちゃんと会って気持ちが入れ替わったのか、ミスも少なくなったし良いことばっか♪)
穂乃果(ふんふんふ~ん♪今日はいっぱい飲むぞ~♪)
穂乃果(そういえば女将さん、前に友達を連れてきてくれたらサービスしてくれるって言ってたなぁ…)
穂乃果(でも、私に友達なんて…もう…)
穂乃果(……頑張ってはいるけれど、就職活動だってしてないし、未だにフリーター)
穂乃果(……逃げだってことはわかっている、海未ちゃんたちだってそんな下らない事を気にしないのもわかっている)
穂乃果(……でも、でも)
プルルルル
穂乃果「…にこちゃんからだ」
穂乃果「もしもし…?」
『あ、穂乃果?今暇?』
穂乃果「うん、ちょうど…仕事が終わったとこだよ」
穂乃果(仕事だなんて見栄を張ってはいるけれど、ただのバイト。虚勢だ。)
穂乃果(だけど、そんな虚勢を張らなければ、なんだか壊れてしまいそうになる。)
『ちょっと付き合いなさいよ。飲みたい気分なのよ。わたし。』
穂乃果(どうしようかな…でも…)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
にこ「……そう、話したくないなら別にいいわ。でも、話したくなったらいつでも付き合うわよ。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
穂乃果「…!?」
穂乃果「……にこちゃん」
『ん?』
穂乃果「……お店、穂乃果が選んでもいいかな?」
穂乃果(にこちゃんと会って気持ちが入れ替わったのか、ミスも少なくなったし良いことばっか♪)
穂乃果(ふんふんふ~ん♪今日はいっぱい飲むぞ~♪)
穂乃果(そういえば女将さん、前に友達を連れてきてくれたらサービスしてくれるって言ってたなぁ…)
穂乃果(でも、私に友達なんて…もう…)
穂乃果(……頑張ってはいるけれど、就職活動だってしてないし、未だにフリーター)
穂乃果(……逃げだってことはわかっている、海未ちゃんたちだってそんな下らない事を気にしないのもわかっている)
穂乃果(……でも、でも)
プルルルル
穂乃果「…にこちゃんからだ」
穂乃果「もしもし…?」
『あ、穂乃果?今暇?』
穂乃果「うん、ちょうど…仕事が終わったとこだよ」
穂乃果(仕事だなんて見栄を張ってはいるけれど、ただのバイト。虚勢だ。)
穂乃果(だけど、そんな虚勢を張らなければ、なんだか壊れてしまいそうになる。)
『ちょっと付き合いなさいよ。飲みたい気分なのよ。わたし。』
穂乃果(どうしようかな…でも…)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
にこ「……そう、話したくないなら別にいいわ。でも、話したくなったらいつでも付き合うわよ。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
穂乃果「…!?」
穂乃果「……にこちゃん」
『ん?』
穂乃果「……お店、穂乃果が選んでもいいかな?」
25: 2015/07/14(火) 22:42:35.24 ID:QJDB4WsZ.net
書き溜めここまで
88: 2015/07/15(水) 00:56:56.39 ID:7v8KcBeC.net
女将「いらっしゃーい、穂乃果ちゃん、そろそろ来ると思っていたわよ。」
穂乃果「女将さん、こんばんわ」
女将「さ、席に着いて、どうせ今日も一人…あら?」
にこ「ど、どうも」
女将「あらあら、珍しいことがるもんだねぇ。穂乃果ちゃんがお友達を連れてくるだなんてさ。」
穂乃果「あ、あはは…」
女将「こんな暑いのに明日は雪かね。」
穂乃果「お、女将さんがこの前連れて来てって言ったんじゃん!もう!」
女将「あっはっはっは!ほんの冗談だよ!冗談!」
穂乃果「むぅ…」
女将「それにしても今日はやけに元気じゃない。何かいいことでもあったのかい?」
穂乃果「ふっふ~ん!ボーナスが入っちゃってね!」
女将「あら!それはよかったわね!…じゃあ、約束の方は別に無かったことにしても」
穂乃果「お、女将さん!」
女将「冗談冗談♪ちゃんとサービスするわよ。お友達もいるみたいだし、今日はカウンター席じゃなくて座敷の方でいいわよね?」
穂乃果「あ、はい。お願いします。」
にこ「随分と仲がいいじゃないの、穂乃果。」
穂乃果「う、うん、まあ、ここの常連だし…ね?」
にこ「何だか意外ね、穂乃果が個人経営の居酒屋で飲むなんて。しかも一人で。」
穂乃果「……おじさんくさいのは自覚してるからこれ以上言わないでよぉ」
穂乃果「女将さん、こんばんわ」
女将「さ、席に着いて、どうせ今日も一人…あら?」
にこ「ど、どうも」
女将「あらあら、珍しいことがるもんだねぇ。穂乃果ちゃんがお友達を連れてくるだなんてさ。」
穂乃果「あ、あはは…」
女将「こんな暑いのに明日は雪かね。」
穂乃果「お、女将さんがこの前連れて来てって言ったんじゃん!もう!」
女将「あっはっはっは!ほんの冗談だよ!冗談!」
穂乃果「むぅ…」
女将「それにしても今日はやけに元気じゃない。何かいいことでもあったのかい?」
穂乃果「ふっふ~ん!ボーナスが入っちゃってね!」
女将「あら!それはよかったわね!…じゃあ、約束の方は別に無かったことにしても」
穂乃果「お、女将さん!」
女将「冗談冗談♪ちゃんとサービスするわよ。お友達もいるみたいだし、今日はカウンター席じゃなくて座敷の方でいいわよね?」
穂乃果「あ、はい。お願いします。」
にこ「随分と仲がいいじゃないの、穂乃果。」
穂乃果「う、うん、まあ、ここの常連だし…ね?」
にこ「何だか意外ね、穂乃果が個人経営の居酒屋で飲むなんて。しかも一人で。」
穂乃果「……おじさんくさいのは自覚してるからこれ以上言わないでよぉ」
89: 2015/07/15(水) 00:57:36.96 ID:7v8KcBeC.net
にこ「…あんた、しょっぱなから生とか完全におっさんね。」
穂乃果「あ、また言った!もう!にこちゃんだって生じゃん!」
にこ「いいのよ私は、アイドルなんだから。」
穂乃果「…なんか納得いかないなぁ。…まあいいか、とりあえず、乾杯、しよ?」
にこ「ええ、乾杯よ。」
カチャンッ
穂乃果「んぐ…ごくっ…ごくっ…」
穂乃果「ぷはああああ!!!染みるぅううう!!!」ドンッ
にこ「…アンタも女の子なんだからさぁ」
穂乃果「え?何か言った?」
にこ「…なんでもないわ」
穂乃果「あ、また言った!もう!にこちゃんだって生じゃん!」
にこ「いいのよ私は、アイドルなんだから。」
穂乃果「…なんか納得いかないなぁ。…まあいいか、とりあえず、乾杯、しよ?」
にこ「ええ、乾杯よ。」
カチャンッ
穂乃果「んぐ…ごくっ…ごくっ…」
穂乃果「ぷはああああ!!!染みるぅううう!!!」ドンッ
にこ「…アンタも女の子なんだからさぁ」
穂乃果「え?何か言った?」
にこ「…なんでもないわ」
90: 2015/07/15(水) 00:58:13.74 ID:7v8KcBeC.net
にこ「聞いてよ穂乃果ぁ」
穂乃果「ん?」
にこ「にこね、新曲を出すことになったの。」
穂乃果「ほんと?おめでとー」
にこ「でもねぇ、その新曲がさぁ。にこのイメージと全然違くてさぁ。」
にこ「なんか社長が工口スで客を集めるとかなんとか言っちゃっててさぁ」
穂乃果「うんうん」
にこ「あーーーもう!!こんなのにこの求めていたアイドル像とはかけ離れてるわよーーー!!!あーーー!!!」
穂乃果「ほわっ!?」
にこ「…あーどうにかして軌道修正しなくちゃならないのもわかるけどぉ!あー、中々自分の思い通りにはならないものねぇ…」
穂乃果「ん?」
にこ「にこね、新曲を出すことになったの。」
穂乃果「ほんと?おめでとー」
にこ「でもねぇ、その新曲がさぁ。にこのイメージと全然違くてさぁ。」
にこ「なんか社長が工口スで客を集めるとかなんとか言っちゃっててさぁ」
穂乃果「うんうん」
にこ「あーーーもう!!こんなのにこの求めていたアイドル像とはかけ離れてるわよーーー!!!あーーー!!!」
穂乃果「ほわっ!?」
にこ「…あーどうにかして軌道修正しなくちゃならないのもわかるけどぉ!あー、中々自分の思い通りにはならないものねぇ…」
91: 2015/07/15(水) 01:00:13.28 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「に、にこちゃんも大変なんだねぇ」
にこ「全くもってそうよ!自分勝手出来てたスクールアイドル時代が恋しいわぁ~」
穂乃果「…楽しかったよねぇ、μ's。」
にこ「…そうねぇ。本当に、楽しかったわねぇ…」
穂乃果「…NYに行った時も、本当に。」
にこ「ねぇ…あれであそこまで有名になるとは思ってもいなかったわ。」
穂乃果「そうそう!なんだか神格化みたいなこともされちゃってさ!」
にこ「まさに歌の女神、みたいな扱いだったわねぇ。」
穂乃果「雪穂なんて新入生歓迎会の時、なんだか宗教の勧誘みたいな感じでやっちゃったみたいでさぁ!」
にこ「えー、それマジィ?あははは!」
穂乃果「あはははは!あはは…はは……」
にこ「……どうしたの?急に?」
穂乃果「……」
穂乃果「……ほんと、輝いてたなぁ、私…」
にこ「ええ、にこも輝いてた、みんなそう。みんな、輝いてたわ。」
穂乃果「……」
穂乃果「……えいっ!」ゴクッゴクッゴクッゴク
にこ「ちょ!?一気飲みは不味いわよ!」
穂乃果「ぷはぁあああ!!!」
穂乃果「にこちゃん…」
にこ「…どうしたのよ、そんな真剣な顔をして」
穂乃果「前に、話を聞いてくれるって、言ってたよね?」
にこ「ええ、もちろんよ」
穂乃果「…穂乃果の愚痴、聞いてほしいなぁ、なんて。」
にこ「全くもってそうよ!自分勝手出来てたスクールアイドル時代が恋しいわぁ~」
穂乃果「…楽しかったよねぇ、μ's。」
にこ「…そうねぇ。本当に、楽しかったわねぇ…」
穂乃果「…NYに行った時も、本当に。」
にこ「ねぇ…あれであそこまで有名になるとは思ってもいなかったわ。」
穂乃果「そうそう!なんだか神格化みたいなこともされちゃってさ!」
にこ「まさに歌の女神、みたいな扱いだったわねぇ。」
穂乃果「雪穂なんて新入生歓迎会の時、なんだか宗教の勧誘みたいな感じでやっちゃったみたいでさぁ!」
にこ「えー、それマジィ?あははは!」
穂乃果「あはははは!あはは…はは……」
にこ「……どうしたの?急に?」
穂乃果「……」
穂乃果「……ほんと、輝いてたなぁ、私…」
にこ「ええ、にこも輝いてた、みんなそう。みんな、輝いてたわ。」
穂乃果「……」
穂乃果「……えいっ!」ゴクッゴクッゴクッゴク
にこ「ちょ!?一気飲みは不味いわよ!」
穂乃果「ぷはぁあああ!!!」
穂乃果「にこちゃん…」
にこ「…どうしたのよ、そんな真剣な顔をして」
穂乃果「前に、話を聞いてくれるって、言ってたよね?」
にこ「ええ、もちろんよ」
穂乃果「…穂乃果の愚痴、聞いてほしいなぁ、なんて。」
93: 2015/07/15(水) 01:02:08.81 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「穂乃果ね、今、定職には就けていないの」
にこ「え?そうなの?」
穂乃果「……専門学校を卒業したはいいんだけど、就職…できなくてね。所謂就職氷河期ってやつかな…」
にこ「だったら、穂むらを継げばよかったじゃない。」
穂乃果「…穂むらを継ぐ権利はね、雪穂にあげちゃった。それに、穂乃果はあまり親を頼りたくはないの。これは私なりのけじめ…かな?」
穂乃果「で、日々の暮らしを送るためにファミレスでバイト…最近はあまりドジをしなくはなったんだけど、それでも店長に怒られてばかり…」
にこ「……」
穂乃果「まあそれは悩みのひとつで……一番の………悩みは……」
穂乃果「……っ」
にこ「……」
にこ「……無理に、言わなくてもいいのよ?」
穂乃果「……」
穂乃果「……ううん、ずっと、隠し通して来たけど、多分、誰かに聞いてほしかったんだと思うんだ…」
穂乃果「……お願い、聞いて。」
にこ「……ええ、ちゃんと一字一句見逃さないで聞いてあげる。」
穂乃果「…ありがとう、にこちゃん。」
にこ「え?そうなの?」
穂乃果「……専門学校を卒業したはいいんだけど、就職…できなくてね。所謂就職氷河期ってやつかな…」
にこ「だったら、穂むらを継げばよかったじゃない。」
穂乃果「…穂むらを継ぐ権利はね、雪穂にあげちゃった。それに、穂乃果はあまり親を頼りたくはないの。これは私なりのけじめ…かな?」
穂乃果「で、日々の暮らしを送るためにファミレスでバイト…最近はあまりドジをしなくはなったんだけど、それでも店長に怒られてばかり…」
にこ「……」
穂乃果「まあそれは悩みのひとつで……一番の………悩みは……」
穂乃果「……っ」
にこ「……」
にこ「……無理に、言わなくてもいいのよ?」
穂乃果「……」
穂乃果「……ううん、ずっと、隠し通して来たけど、多分、誰かに聞いてほしかったんだと思うんだ…」
穂乃果「……お願い、聞いて。」
にこ「……ええ、ちゃんと一字一句見逃さないで聞いてあげる。」
穂乃果「…ありがとう、にこちゃん。」
95: 2015/07/15(水) 01:03:17.03 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「……穂乃果がことりちゃんと連絡を全然取ってないって話、前にしたの覚えてる?」
にこ「確かそんなことも言ってた気が…」
穂乃果「…それね、海未ちゃんともなんだ。ううん、海未ちゃんだけじゃない。他の皆にも、以前のにこちゃんにも。」
穂乃果「……くだらないことだって事はわかってる。でも、やっぱり、ちゃんと自分の夢に向かって走っている皆を見ていると…」
穂乃果「……なんだか、壊れちゃいそうで。」
穂乃果「……穂乃果だけ、時間が止まっているの。みんなは前へ、前へと進んでいるのに…」
穂乃果「……穂乃果だけ、飛べなくて……それで、皆に顔を合わせたくなくて…」
穂乃果「……音ノ木からは離れた場所に引っ越して…みんなに会わないようにと…」
穂乃果「……にこちゃんに会うまで、こうやってずっと逃げてきたの…」
にこ「……穂乃果」
にこ「確かそんなことも言ってた気が…」
穂乃果「…それね、海未ちゃんともなんだ。ううん、海未ちゃんだけじゃない。他の皆にも、以前のにこちゃんにも。」
穂乃果「……くだらないことだって事はわかってる。でも、やっぱり、ちゃんと自分の夢に向かって走っている皆を見ていると…」
穂乃果「……なんだか、壊れちゃいそうで。」
穂乃果「……穂乃果だけ、時間が止まっているの。みんなは前へ、前へと進んでいるのに…」
穂乃果「……穂乃果だけ、飛べなくて……それで、皆に顔を合わせたくなくて…」
穂乃果「……音ノ木からは離れた場所に引っ越して…みんなに会わないようにと…」
穂乃果「……にこちゃんに会うまで、こうやってずっと逃げてきたの…」
にこ「……穂乃果」
96: 2015/07/15(水) 01:05:41.62 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「……馬鹿みたいだよね!ごめんね!こんな話しちゃって!さ、なんか頼もうか!」
にこ「ふふっ…いいじゃない、逃げたって。」
穂乃果「……え?」
にこ「……逃げたっていいじゃない。誰だって、何かしらから逃げて生きているんだから。」
にこ「……大体の人は、逃げたら駄目だ!頑張れ!立ち向かえ!とか何かしら言うと思うけどさ。そんなのただの綺麗事、でたらめよ。」
にこ「にこだってそう!将来の事とか、家族の事とか、仕事の事とか、些細な事とか、いろんなことから逃げてる。」
にこ「…私も、あんたも、簡単に物事から逃げないで立ち向かえるほど、器用な人間じゃないのよ、きっと。」
穂乃果「にこちゃん…」
穂乃果「…でも、逃げてばかりじゃ…道なんて…前になんて…」
にこ「…なんか勘違いしているよね。逃げ道だって、立派な道よ。」
にこ「……後ろに進んでいるように感じるけど、十分前に進んでる。」
にこ「いずれ出口だって見つかるわ。」
にこ「……私自身、高校時代の二年間は逃げてばっかりで後ろに進んでいるように感じていた。」
にこ「……でもそれは違うの。」
にこ「逃げ道をしっかり進んだからこそ、μ'sという素敵な仲間たちに出会えたの。」
にこ「……まあ、そういうことよ。」
穂乃果「……」
にこ「人生何が起きるかわかったもんじゃないわ。」
にこ「…きっと、アンタが今進んでいる逃げ道にも、光は見えてくるはずよ。」
穂乃果「……ありがとう、にこちゃん。」
にこ「ま、逃げ道が必ずしも正解ってわけじゃないんだけどね!」
穂乃果「がくっ!」
にこ「ふふっ…いいじゃない、逃げたって。」
穂乃果「……え?」
にこ「……逃げたっていいじゃない。誰だって、何かしらから逃げて生きているんだから。」
にこ「……大体の人は、逃げたら駄目だ!頑張れ!立ち向かえ!とか何かしら言うと思うけどさ。そんなのただの綺麗事、でたらめよ。」
にこ「にこだってそう!将来の事とか、家族の事とか、仕事の事とか、些細な事とか、いろんなことから逃げてる。」
にこ「…私も、あんたも、簡単に物事から逃げないで立ち向かえるほど、器用な人間じゃないのよ、きっと。」
穂乃果「にこちゃん…」
穂乃果「…でも、逃げてばかりじゃ…道なんて…前になんて…」
にこ「…なんか勘違いしているよね。逃げ道だって、立派な道よ。」
にこ「……後ろに進んでいるように感じるけど、十分前に進んでる。」
にこ「いずれ出口だって見つかるわ。」
にこ「……私自身、高校時代の二年間は逃げてばっかりで後ろに進んでいるように感じていた。」
にこ「……でもそれは違うの。」
にこ「逃げ道をしっかり進んだからこそ、μ'sという素敵な仲間たちに出会えたの。」
にこ「……まあ、そういうことよ。」
穂乃果「……」
にこ「人生何が起きるかわかったもんじゃないわ。」
にこ「…きっと、アンタが今進んでいる逃げ道にも、光は見えてくるはずよ。」
穂乃果「……ありがとう、にこちゃん。」
にこ「ま、逃げ道が必ずしも正解ってわけじゃないんだけどね!」
穂乃果「がくっ!」
97: 2015/07/15(水) 01:06:52.70 ID:7v8KcBeC.net
にこ「アンタの人生はアンタだけの物よ。あんたは馬鹿なんだから馬鹿らしく馬鹿みたいな悩み抱えて生きて行けばいいの!」
にこ「アンタ達が私を拾って掬い取ってくれたみたいに、アンタを拾って掬い取ってくれる人達だって、必ずいるはずだから。」
穂乃果「なんかいいこと言っているけど、穂乃果、にこちゃんに馬鹿にされてない?それに、なんかどっかの漫画で聞いたことがあるような…」
にこ「……ニコッ☆」
穂乃果「あーーー!!誤魔化したーーー!!」
にこ「あっはっはっは!やっぱあんたは笑顔が一番よ!!似合っているわ、穂乃果」
女将「なんだか楽しそうに話しているわねぇ…お邪魔だったかしら?」
穂乃果「あ、女将さん!」
女将「はい、これ、サービスのやつ」コトッ
穂乃果「お刺身!?」
にこ「い、いいんですか…?お刺身だなんて」
女将「いいのよいいのよ。いつも遊びに来てくれてるし。」
穂乃果「わー!ありがとうございます!」
にこ「…よし!気を取り直して!今日はじゃんじゃん飲むわよーーー!!!」
穂乃果「いえーーーい!!!」
にこ「そうそう穂乃果!」
穂乃果「ん?」
にこ「今度アンタの家に遊びに行くから、住所教えなさい。」
にこ「アンタ達が私を拾って掬い取ってくれたみたいに、アンタを拾って掬い取ってくれる人達だって、必ずいるはずだから。」
穂乃果「なんかいいこと言っているけど、穂乃果、にこちゃんに馬鹿にされてない?それに、なんかどっかの漫画で聞いたことがあるような…」
にこ「……ニコッ☆」
穂乃果「あーーー!!誤魔化したーーー!!」
にこ「あっはっはっは!やっぱあんたは笑顔が一番よ!!似合っているわ、穂乃果」
女将「なんだか楽しそうに話しているわねぇ…お邪魔だったかしら?」
穂乃果「あ、女将さん!」
女将「はい、これ、サービスのやつ」コトッ
穂乃果「お刺身!?」
にこ「い、いいんですか…?お刺身だなんて」
女将「いいのよいいのよ。いつも遊びに来てくれてるし。」
穂乃果「わー!ありがとうございます!」
にこ「…よし!気を取り直して!今日はじゃんじゃん飲むわよーーー!!!」
穂乃果「いえーーーい!!!」
にこ「そうそう穂乃果!」
穂乃果「ん?」
にこ「今度アンタの家に遊びに行くから、住所教えなさい。」
192: 2015/07/15(水) 16:33:52.21 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「…あー頭痛い…完全に二日酔いだこれ…」
穂乃果「……今日が休みで良かったよ」
穂乃果「……シャワー浴びよ」
ジャーーーー
穂乃果(……昨日は酒の勢いでつい自分の中の醜い部分をさらけ出してしまった。恥ずかしい限りだ。)
穂乃果(……きっと怒られるんだろうなぁ。って思ってた。)
穂乃果(……でも、それは違った。)
穂乃果(……にこちゃんは私に対して失望し、軽蔑するどころか、肯定的な返事を返して私を慰めてくれた。)
穂乃果(……全くもって予想外だった。)
穂乃果「……逃げ道も立派な道、かぁ。」
穂乃果(……これでも、前に、前にしっかりと進んでいるんだよね?)
穂乃果(……逃げた先に何があるのかはよくわからない。)
穂乃果(……必ずしもその道が正解ではないとも言ってた。)
穂乃果「……あーなんかよくわかんないよぉ」
穂乃果「……」
穂乃果(……馬鹿は馬鹿なりに馬鹿な悩みを抱えて生きていきなさい、…か。)
穂乃果(……どっかの漫画で聞いたちょっと臭いセリフ。でも、なんか…吹っ切れた感じ。)
穂乃果(……にこちゃんとお話しで来て、本当によかったなぁ。楽しかったし。)
穂乃果(……二日酔いで頭が痛いって言うのに、なんだか気分がいい。)
穂乃果「……穂乃果の事を拾って掬い取ってくれる人、本当にいたらいいなぁ。」
穂乃果「……今日が休みで良かったよ」
穂乃果「……シャワー浴びよ」
ジャーーーー
穂乃果(……昨日は酒の勢いでつい自分の中の醜い部分をさらけ出してしまった。恥ずかしい限りだ。)
穂乃果(……きっと怒られるんだろうなぁ。って思ってた。)
穂乃果(……でも、それは違った。)
穂乃果(……にこちゃんは私に対して失望し、軽蔑するどころか、肯定的な返事を返して私を慰めてくれた。)
穂乃果(……全くもって予想外だった。)
穂乃果「……逃げ道も立派な道、かぁ。」
穂乃果(……これでも、前に、前にしっかりと進んでいるんだよね?)
穂乃果(……逃げた先に何があるのかはよくわからない。)
穂乃果(……必ずしもその道が正解ではないとも言ってた。)
穂乃果「……あーなんかよくわかんないよぉ」
穂乃果「……」
穂乃果(……馬鹿は馬鹿なりに馬鹿な悩みを抱えて生きていきなさい、…か。)
穂乃果(……どっかの漫画で聞いたちょっと臭いセリフ。でも、なんか…吹っ切れた感じ。)
穂乃果(……にこちゃんとお話しで来て、本当によかったなぁ。楽しかったし。)
穂乃果(……二日酔いで頭が痛いって言うのに、なんだか気分がいい。)
穂乃果「……穂乃果の事を拾って掬い取ってくれる人、本当にいたらいいなぁ。」
194: 2015/07/15(水) 16:34:40.03 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「…あーさっぱりした。」
ピンポーン
穂乃果「あ…」
穂乃果(……どうせ新聞か宗教の勧誘でしょ、無視無視。)
穂乃果「…喉乾いたなぁ、確か冷蔵庫にコーラがあったような。」
ピンポーン
穂乃果「…無視無視。」
ピンポーン
穂乃果「…しつこいなぁ」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン
穂乃果「あああもううっさいなぁ!」
穂乃果「はい!ウチはテレビも置いてないし新聞もとる気はないしモルモン教徒ですので早くお引きと……!?」
穂乃果「あ…あ…あ…」
「お久しぶりですね、穂乃果。」
「久しぶり、穂乃果ちゃん。」
穂乃果「……な、なんで…」
ピンポーン
穂乃果「あ…」
穂乃果(……どうせ新聞か宗教の勧誘でしょ、無視無視。)
穂乃果「…喉乾いたなぁ、確か冷蔵庫にコーラがあったような。」
ピンポーン
穂乃果「…無視無視。」
ピンポーン
穂乃果「…しつこいなぁ」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン
穂乃果「あああもううっさいなぁ!」
穂乃果「はい!ウチはテレビも置いてないし新聞もとる気はないしモルモン教徒ですので早くお引きと……!?」
穂乃果「あ…あ…あ…」
「お久しぶりですね、穂乃果。」
「久しぶり、穂乃果ちゃん。」
穂乃果「……な、なんで…」
196: 2015/07/15(水) 16:35:12.25 ID:7v8KcBeC.net
「久しぶりに会ったのにも関わらず第一声がそれですか。あなたは。」
「あ、あははは……」
穂乃果「……久しぶりだね。」
穂乃果「……海未ちゃん。」
穂乃果「……ことりちゃん。」
海未「ええ、お久しぶりです。お元気、でしたか?」
ことり「あの日以来だね♪」
「あ、あははは……」
穂乃果「……久しぶりだね。」
穂乃果「……海未ちゃん。」
穂乃果「……ことりちゃん。」
海未「ええ、お久しぶりです。お元気、でしたか?」
ことり「あの日以来だね♪」
197: 2015/07/15(水) 16:36:13.58 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「どう…して…ここに…この場所が……な、んで……」
ことり「穂乃果ちゃん、私たちはね」
海未「馬鹿なあなたを拾いに、掬い取りに来ただけです。」
穂乃果「ことりちゃん…海未ちゃん…わ、わたし…」
ことり「何も言わなくて大丈夫だよ、事情は全部わかっているつもりだから。ね?」
穂乃果「……え?」
海未「まぁ、それは追々話します。とりあえず、上がってもいいですか?」
穂乃果「……うん」
海未「まあ、ダメと言っても上がるつもりだったんですけどね。ふふっ。」
ことり「おじゃましまーす」
ことり「穂乃果ちゃん、私たちはね」
海未「馬鹿なあなたを拾いに、掬い取りに来ただけです。」
穂乃果「ことりちゃん…海未ちゃん…わ、わたし…」
ことり「何も言わなくて大丈夫だよ、事情は全部わかっているつもりだから。ね?」
穂乃果「……え?」
海未「まぁ、それは追々話します。とりあえず、上がってもいいですか?」
穂乃果「……うん」
海未「まあ、ダメと言っても上がるつもりだったんですけどね。ふふっ。」
ことり「おじゃましまーす」
198: 2015/07/15(水) 16:37:24.34 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「そ、粗茶ですが」コトッ
海未「うっ……」
ことり「これ、お、お茶じゃなくてコーラだよ、穂乃果ちゃん。」
穂乃果「だ、だって、コーラしかないんだもん…」
海未「あ、あの…水でいいですから…とりあえず、炭酸以外のものを…今だに苦手ですので…」
穂乃果「あ、うん。ごめんね。」
穂乃果「…ところで、全部知ってるって…?」
海未「にこから聞きました。ここの住所も。昨日二人で楽しく飲んだそうですね。私とはここ一年近く連絡もよこさなかったのに。」
穂乃果(に、にこちゃん…!?)
海未「まあでも、その事について責める気はありません。穂乃果も、色々考えがあっての事だったみたいですし。」
穂乃果「……なら、なんで……惨めな穂乃果を、笑いに来たの?」
ことり「うん!そうだよ!二人で一緒に笑いに来たの♪」
穂乃果「……そ、う…なんだ…」
海未「ええ、その通りです。あなたを笑いに来ました。ことり、精一杯笑ってあげましょう。あははははははは!」
ことり「あはははは!」
穂乃果「……ッ!」ギリッ
海未「うっ……」
ことり「これ、お、お茶じゃなくてコーラだよ、穂乃果ちゃん。」
穂乃果「だ、だって、コーラしかないんだもん…」
海未「あ、あの…水でいいですから…とりあえず、炭酸以外のものを…今だに苦手ですので…」
穂乃果「あ、うん。ごめんね。」
穂乃果「…ところで、全部知ってるって…?」
海未「にこから聞きました。ここの住所も。昨日二人で楽しく飲んだそうですね。私とはここ一年近く連絡もよこさなかったのに。」
穂乃果(に、にこちゃん…!?)
海未「まあでも、その事について責める気はありません。穂乃果も、色々考えがあっての事だったみたいですし。」
穂乃果「……なら、なんで……惨めな穂乃果を、笑いに来たの?」
ことり「うん!そうだよ!二人で一緒に笑いに来たの♪」
穂乃果「……そ、う…なんだ…」
海未「ええ、その通りです。あなたを笑いに来ました。ことり、精一杯笑ってあげましょう。あははははははは!」
ことり「あはははは!」
穂乃果「……ッ!」ギリッ
201: 2015/07/15(水) 16:39:15.00 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「…か…よ…」
穂乃果「…えって…よ…」
穂乃果「……帰ってよ、もう…帰ってよ…!!最低だよ!!この…この…!!」
海未「絶対に帰りませんよ。あなたが、笑うまで。」
穂乃果「……は?」
海未「あなただって私たちを笑う権利があります。だって、私たちも色んなことから逃げているんですから。」
穂乃果「……え?」
ことり「えっとね?穂乃果ちゃん、恥ずかしながら…その…パリから逃げてきちゃった♪」
穂乃果「……え!?…そういえば、ことりちゃん、言いそびれてたけど、なんで日本に…」
ことり「ま、まあ、ね?…思った以上にみんなのレベルが高すぎて…その、惨めになちゃって…」
ことり「で、でも…デザイナーの夢は諦めたわけじゃないんだよ!…日本でもうちょっと修業を積んでから…もう一回…ね?」
海未「私もそうです。家元を継ぐなんて大層なことを言っていますが、まだまだ私も未熟でして…」
海未「た、鍛錬は毎日していますが…その恥ずかしながら、勉強や…作詞作りに夢中になることで、その現実から逃げるように、と…それに、たまには妄想…とかに…」
穂乃果「で、でも……それでも私より……」
海未「同じですよ、私たちは。同じです。」
ことり「少なくとも何かから…逃げている点では…ね?」
穂乃果「……海未ちゃん、ことりちゃん」
穂乃果「…えって…よ…」
穂乃果「……帰ってよ、もう…帰ってよ…!!最低だよ!!この…この…!!」
海未「絶対に帰りませんよ。あなたが、笑うまで。」
穂乃果「……は?」
海未「あなただって私たちを笑う権利があります。だって、私たちも色んなことから逃げているんですから。」
穂乃果「……え?」
ことり「えっとね?穂乃果ちゃん、恥ずかしながら…その…パリから逃げてきちゃった♪」
穂乃果「……え!?…そういえば、ことりちゃん、言いそびれてたけど、なんで日本に…」
ことり「ま、まあ、ね?…思った以上にみんなのレベルが高すぎて…その、惨めになちゃって…」
ことり「で、でも…デザイナーの夢は諦めたわけじゃないんだよ!…日本でもうちょっと修業を積んでから…もう一回…ね?」
海未「私もそうです。家元を継ぐなんて大層なことを言っていますが、まだまだ私も未熟でして…」
海未「た、鍛錬は毎日していますが…その恥ずかしながら、勉強や…作詞作りに夢中になることで、その現実から逃げるように、と…それに、たまには妄想…とかに…」
穂乃果「で、でも……それでも私より……」
海未「同じですよ、私たちは。同じです。」
ことり「少なくとも何かから…逃げている点では…ね?」
穂乃果「……海未ちゃん、ことりちゃん」
202: 2015/07/15(水) 16:42:07.11 ID:7v8KcBeC.net
ことり「だから、ね?穂乃果ちゃんも私たちの事を笑ってくれたら、うれしい…なぁ、なんて。」
穂乃果「…あ、はは…」
穂乃果「あはっはっはっはっは!!ことりちゃんも海未ちゃんも逃げてんじゃん!あっはっはっは…はは…は……」
穂乃果「……」
海未「…穂乃果?」
穂乃果「……笑え…ない…よ…」
穂乃果「……」
ことり「た、確かに…あはは」
海未「確かに笑えないですね…ふふっ」
海未「ですが、笑いましょう。笑ってから、考えればいいじゃないですか。面倒なことは先延ばしです!ふふふふっ!」
ことり「そうだよ!笑おうよ!そうだ、海未ちゃんこの前迷子の子供に話しかけたら泣かれちゃったんだよ!あははは!」
海未「ちょ、こ、ことり…!」
穂乃果「……」
穂乃果「……クスッ」
ことり「あ、ちょっと笑った!あはは!」
穂乃果「わ、笑ってないもん!ふふっ!」
海未「今笑ったではないですか!嘘は行けませんよ!むふっ!」
穂乃果「あ!海未ちゃんなんか笑い方変!あははは!」
海未「なっ…!べ、別にいいじゃないですか!」
ことり「あはははは!」
穂乃果「…あ、はは…」
穂乃果「あはっはっはっはっは!!ことりちゃんも海未ちゃんも逃げてんじゃん!あっはっはっは…はは…は……」
穂乃果「……」
海未「…穂乃果?」
穂乃果「……笑え…ない…よ…」
穂乃果「……」
ことり「た、確かに…あはは」
海未「確かに笑えないですね…ふふっ」
海未「ですが、笑いましょう。笑ってから、考えればいいじゃないですか。面倒なことは先延ばしです!ふふふふっ!」
ことり「そうだよ!笑おうよ!そうだ、海未ちゃんこの前迷子の子供に話しかけたら泣かれちゃったんだよ!あははは!」
海未「ちょ、こ、ことり…!」
穂乃果「……」
穂乃果「……クスッ」
ことり「あ、ちょっと笑った!あはは!」
穂乃果「わ、笑ってないもん!ふふっ!」
海未「今笑ったではないですか!嘘は行けませんよ!むふっ!」
穂乃果「あ!海未ちゃんなんか笑い方変!あははは!」
海未「なっ…!べ、別にいいじゃないですか!」
ことり「あはははは!」
203: 2015/07/15(水) 16:43:36.23 ID:7v8KcBeC.net
穂乃果「あはははは!ひぃ~!お腹痛い!」
海未「やっぱり、穂乃果には笑顔が一番ですね」
穂乃果「へ?」
ことり「最初に言ったはずだよ?拾いに、掬い取りに来たって。」
海未「逃げ道を闇雲に進むだけではやはり光は見えてきません。一人では大変です。」
ことり「でもね、その道をもし、三人で進んで、いや、三人だけじゃなくて9人で進んで行けたら?きっと効率よく出口が見つかるはず。」
海未「ですから、あなたを、拾ってあげます。掬い取ってあげます。皆で。一緒に、前へと進みましょう。」
穂乃果「……逃げ道、だけどね」
ことり「ま、まぁね、でも立派な道だよ。きっと大丈夫だよ。」
海未「そうですよ、何の心配もありません。」
穂乃果「……うん!」
海未「やっぱり、穂乃果には笑顔が一番ですね」
穂乃果「へ?」
ことり「最初に言ったはずだよ?拾いに、掬い取りに来たって。」
海未「逃げ道を闇雲に進むだけではやはり光は見えてきません。一人では大変です。」
ことり「でもね、その道をもし、三人で進んで、いや、三人だけじゃなくて9人で進んで行けたら?きっと効率よく出口が見つかるはず。」
海未「ですから、あなたを、拾ってあげます。掬い取ってあげます。皆で。一緒に、前へと進みましょう。」
穂乃果「……逃げ道、だけどね」
ことり「ま、まぁね、でも立派な道だよ。きっと大丈夫だよ。」
海未「そうですよ、何の心配もありません。」
穂乃果「……うん!」
205: 2015/07/15(水) 16:44:52.51 ID:7v8KcBeC.net
ピンポーン
穂乃果「ん?今度こそ新聞勧誘?」
海未「いえ、違います。」
『はやくあけなさーい!こっちは二日酔いで頭痛いのよ~!』
『ほーのーかーちゃーん!あーそーぼー!』
『り、凛ちゃん!ちょっとアパートなんだからそんな大声出しちゃ!』
『ほーのーかー!あーけーてー!』
『えりち、もう社会人なんやから…』
『全く、この真姫ちゃんが来てやったんだから早く開けなさい!』
穂乃果「!」
ことり「あ、じゃあことりが開けてくるね~」
穂乃果「ううん、待って。」
ことり「ん?」
穂乃果「……穂乃果が、開ける」
穂乃果「穂乃果が開けたいの!!」
ことり「…わかった!」
タッタッタッタ
海未「こ、こら!穂乃果!いくら自分の家でもアパートなんですから走っては!」
穂乃果「すぅ~…」
穂乃果「……よし!」
ガチャ
穂乃果「みんな!!久しぶりっ!元気だった?」
穂乃果「ん?今度こそ新聞勧誘?」
海未「いえ、違います。」
『はやくあけなさーい!こっちは二日酔いで頭痛いのよ~!』
『ほーのーかーちゃーん!あーそーぼー!』
『り、凛ちゃん!ちょっとアパートなんだからそんな大声出しちゃ!』
『ほーのーかー!あーけーてー!』
『えりち、もう社会人なんやから…』
『全く、この真姫ちゃんが来てやったんだから早く開けなさい!』
穂乃果「!」
ことり「あ、じゃあことりが開けてくるね~」
穂乃果「ううん、待って。」
ことり「ん?」
穂乃果「……穂乃果が、開ける」
穂乃果「穂乃果が開けたいの!!」
ことり「…わかった!」
タッタッタッタ
海未「こ、こら!穂乃果!いくら自分の家でもアパートなんですから走っては!」
穂乃果「すぅ~…」
穂乃果「……よし!」
ガチャ
穂乃果「みんな!!久しぶりっ!元気だった?」
206: 2015/07/15(水) 16:46:20.36 ID:7v8KcBeC.net
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――――――
――――
『次の方どうぞ』
穂乃果「…はい!」
―――ガララッ
穂乃果「…失礼します!」
「では、腰をかけてください」
穂乃果「はい!ありがとうございます!」
「…高坂…穂乃果さん、ですか…」
穂乃果「はい!」
「……二年前に○○専門学校を卒業したとありますが…職歴もないようですね…」
「…お聞きしたいのですが、この空白の二年間は、いったいどのようにして過ごしてしたのですか?」
穂乃果「………」
穂乃果「はい!」
「逃げ道から逃げ出さずに、前へ前へと、歩みを止めることなく、前だけ見て生きてきました!」
―おわりー
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『次の方どうぞ』
穂乃果「…はい!」
―――ガララッ
穂乃果「…失礼します!」
「では、腰をかけてください」
穂乃果「はい!ありがとうございます!」
「…高坂…穂乃果さん、ですか…」
穂乃果「はい!」
「……二年前に○○専門学校を卒業したとありますが…職歴もないようですね…」
「…お聞きしたいのですが、この空白の二年間は、いったいどのようにして過ごしてしたのですか?」
穂乃果「………」
穂乃果「はい!」
「逃げ道から逃げ出さずに、前へ前へと、歩みを止めることなく、前だけ見て生きてきました!」
―おわりー
277: 2015/07/16(木) 19:23:29.53 ID:T/AUcCmD.net
幼馴染み2人が来たところで少しウルっときてしまった…
乙!
乙!
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