4: 2023/07/19(水) 21:10:02.66 ID:Ba/K6vx2.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~回想~

かすみ「ねぇ~りな子ぉ~、みんながかすみんのことを、だぁ~い好き♡になってくれるような発明って、ないかなぁ~?」

璃奈「わかった。今から作るね」

かすみ「えっ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


かすみ「冗談で言ったのに、まさか本当に作っちゃうなんて……」

璃奈「えっへん」ムフー

7: 2023/07/19(水) 21:11:07.58 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「これを押すとかすみちゃんの近くにいる人が、みんなかすみちゃんのことを大好きになる」

璃奈「押す?」

かすみ「うーん……」


かすみ(りな子のことだから効き目は本物なんだろうけど……機械の力で人気になるのはズルだよね……)

かすみ(でも最近ファンクラブの数字も伸び悩んでるし……少しだけなら……)


璃奈「押さないなら持って帰るね」

かすみ「あっ、待って!」バッ

璃奈「あっ」

かすみ「あっ!」

ポチッ

10: 2023/07/19(水) 21:12:23.50 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「……押しちゃった」

璃奈「…………」

かすみ「えっと?これで、みんながかすみんのことを大好きになったの?」

璃奈「………………」

かすみ「……何も変わらないけど、りなk

璃奈「」バッ

かすみ「!?」ドサッ

ソファー「」ギシギシッ

11: 2023/07/19(水) 21:13:43.28 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「ちょっ、りな子……何を……!」

璃奈「……かすみちゃん……」ゴソゴソ

かすみ「……!まっ、どこ触って!」

璃奈「……かすみちゃん……かわいい……」

璃奈「すき……♡//」ペロッ

かすみ「っっっ!!!」ビクンッ

璃奈「……すき……♡ 繋がりたい……もっと……♡♡♡////」ググッ

12: 2023/07/19(水) 21:14:59.87 ID:Ba/K6vx2.net
~間~

かすみ「……ハァ、ハァ……」

かすみ「危なかった……本当に危なかった……りな子が私より非力で助かった……」

璃奈「かすみちゃん、酷い」←縛られた

璃奈「私は、大好きなかすみちゃんといっぱい触れ合いたかっただけなのに」

かすみ「『だけ』じゃない!!『だけ』じゃ絶対なかった!!」

13: 2023/07/19(水) 21:16:09.80 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「……え?もしかしてこのスイッチの効果?どんだけ好感度上げたらこうなるの?」

璃奈「好感度をどこまで上げればいいか、かすみちゃんから特に指定がなかったから」

璃奈「とりあえず身近な存在である、歩夢さんの侑さんへの好感度を参考にした」

かすみ「絶対に参考にしちゃいけない人!!!」

璃奈「歩夢さんに失礼だよ、かすみちゃん。でもそんなところも好き……」

かすみ「それブーメランだからね? いまのりな子の言動すべてが遠回しに歩夢先輩への失礼になってるからね?」

璃奈「エア璃奈ちゃんボード『病み』」

かすみ「病まないで!!!??」

14: 2023/07/19(水) 21:17:34.70 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「で?どれくらい待てばスイッチの効果は消えるの?」

璃奈「消えないよ?」

かすみ「……え?」

璃奈「このかすみちゃん愛されスイッチの効果は永続性。どれだけ待っても効果は消えない」

璃奈「ついでに言うと、効果を消すためのスイッチとかもない。作ろうと思えば作れるけど」

かすみ「……作るには、りな子の縄を解かないといけない?」

璃奈「うん」

かすみ「で、縄を解いたらりな子はかすみんを」

璃奈「襲う」グッ

かすみ「八方塞がりじゃん!!!!」

璃奈「かすみちゃん……」


璃奈「私、かすみちゃんとセ(ピーーー)したい」

かすみ「脈絡つけて喋って!?」

17: 2023/07/19(水) 21:18:53.04 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「今から私の家に行こ?今日、お父さんもお母さんもいないんだ。今日どころか数か月くらいまともに顔見てないけど」

かすみ「さらっと闇を覗かせてこないで!?」

璃奈「家に来てくれたら、前に趣味で作った、ち(ピーーー)が生えるドリンクもあるよ」

かすみ「キュート系スクールアイドルが趣味でそんなもの作るな!!!!」

璃奈「かすみちゃんにキュートって言ってもらえた……嬉しい……♡//」テレテレ

璃奈「私が飲んでもいいけど……かすみちゃんが飲みたいって言うなら、あげる。かすみちゃんのこと、私、全部受け入れるから」

かすみ「飲むわけないでしょそんなの!!お願いだから話を聞いて!!!」

19: 2023/07/19(水) 21:20:19.23 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「……あれ、ちょっと待って?」

かすみ「私の近くにいる人がみんな“こう”なるってことは、これから部室に来るメンバーも……」


ガララッ

せつ菜「かすみさん!私とセ(ピーーー)しましょう!!」バーン

かすみ「今日も元気いっぱいですねぇせつ菜先輩!!?」

20: 2023/07/19(水) 21:21:40.37 ID:Ba/K6vx2.net
せつ菜「実は部室に来る途中、突然かすみさんへの大好きが止まらなくなってしまったんです!!」

せつ菜「なのでセ(ピーーー)しましょう!!」

かすみ「しません!!!」

かすみ「っていうか!なんでみんな私と、セ……したがるの!?なんか好感度とは違うものが上がってない!?」

璃奈「『好き』と『性欲』の違いとは、果たしてなんなのだろうか。エア璃奈ちゃんボード『哲学』」

かすみ「うっさい!!!」

璃奈「思わずセ(ピーーー)したくなるくらい、かすみちゃんがかわいいんだから仕方がない」

22: 2023/07/19(水) 21:24:14.74 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「それはそうと、かすみちゃんとセ(ピーーー)するなんて、いくらせつ菜さんでも許せない」

璃奈「かすみちゃんとするのは私。私が一番かすみちゃんの隣にふさわしい。誰にも奪わせない」


せつ菜「違います!かすみさんに最もふさわしいのは私です!」

せつ菜「私の方が璃奈さんより、かすみさんと活動していた時間が長いですから!その分絆が深いんです!璃奈さんは引っ込んでいてください!!」

璃奈「そんなもの、せいぜい数か月程度の差。大事なのは過去よりも未来」

璃奈「私とかすみちゃんは同い年。つまりかすみちゃんとこれから過ごせる時間は私の方が長い」

璃奈「だから私の方がかすみちゃんにふさわしい。エア璃奈ちゃんボード『Q.E.D.』」

せつ菜「たった一年差じゃないですか!!そんなことで私とかすみさんの愛を阻むことはできません!!」


かすみ「二人とも、かすみんの意思も尊重して……って言っても無駄なんだろうなぁ」

23: 2023/07/19(水) 21:26:05.12 ID:Ba/K6vx2.net
せつ菜「こうなったら、実力行使しかありませんね……」ゴゴゴゴゴ

璃奈「うん、そうだね」エアリナチャンボード『ゴゴゴゴゴ』

かすみ「!! ちょっと二人とも、部室でケンカは……!!」

せつ菜「先にかすみさんの唇を奪った方が、かすみさんとする権利を得ることにしましょう!!」

かすみ「なんで!!?」

璃奈「乗った」

かすみ「乗らないで!!?」


せつ菜「ふっ、しかし勝負はもう決まったようなものです!」

せつ菜「経緯はわかりませんが、既に璃奈さんは縄で縛られているのですから!勝算はあるのですか!?」

璃奈「えいっ」パラッ

せつ菜「!」

かすみ「……えっ、解けた?かなりキツく縛ったのに?」

璃奈「前にネットで縄抜けの方法を読んだ。これくらい余裕」

せつ菜「くっ……さすが璃奈さんですね……」

かすみ「いやちょっと待って!?じゃありな子とっくの昔に自由になれたじゃん!!さっきまでの会話なんだったの!?」

璃奈「かすみちゃんとのお喋りが楽しかったから、つい話過ぎてしまった。璃奈ちゃんボード『前戯』」

24: 2023/07/19(水) 21:28:35.71 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「これで準備万端」

せつ菜「ではスリーカウントで始めましょうか。かすみさんを奪われる覚悟はできていますか?璃奈さん」ペロリ

璃奈「いつでもいいよ。どうせ私が勝つから」ペロリ


かすみ(……このままじゃ、私の貞操が……!!)

せつ菜「3、2……」

かすみ「っっ!」ダッ

璃奈「!! かすみちゃんが逃げた!」

せつ菜「追いましょう!」


――――――

――――

――

25: 2023/07/19(水) 21:30:31.72 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「ハァ、ハァ……」タッタッ

かすみ「思わず逃げてきちゃったけど、これからどうしよう……」タッタッ

かすみ「なんとかするには、りな子に元に戻すスイッチを作ってもらわないといけないし……でもりな子もあんなだし……」タッタッ


栞子「ストーップ!!!」ピピーッ

かすみ「わわっ!!しお子!!?」キキーッ

栞子「何度言えばわかるのですか、かすみさん!廊下を走ってはいけません!!」

かすみ「ごめん!!ちょっとだけ見逃して!?実はせつ菜先輩とりな子から逃げてて……!」

栞子「また何かイタズラしたのですか?困った人です」

かすみ「ハ、ハハ……」

26: 2023/07/19(水) 21:32:16.58 ID:Ba/K6vx2.net
栞子「まったく、学園の風紀を乱す人は生徒会長として見過ごすわけにはいきません」

栞子「かすみさん、今から一緒に生徒会室に行って反省文を書きましょう。ちょうどみんな席を外しています」


栞子「誰にも邪魔されず……二人きりで……裸で

かすみ「失礼しますっっっっ!!!!」ダッ

28: 2023/07/19(水) 21:33:55.60 ID:Ba/K6vx2.net
栞子「待ちなさーーーい!!」ダダダダダ

栞子「かすみさんには、私と愛の反省文を作る適正があります!!!♡♡♡」ダダダダダ

かすみ「うわぁ!!意味わかんないこと言いながら追って来た!!」タッタッタッタッ

栞子「私と日常をナナイロ(意味深)にメイクアップ(意味深)しましょーーーう!!!♡♡♡」ダダダダダ

かすみ「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」ダダダダダ


――――――

――――

――

29: 2023/07/19(水) 21:36:10.35 ID:Ba/K6vx2.net
『あ、かすみちゃんだ』
『おーい、かすみちゃーん』

かすみ(……私は、とんでもないミスを犯したことに気づいた)タッタッタッタッ




『そんなに急いでどうしたのー?』
『あの子……スクールアイドル同好会の……?』
『今日のかすみちゃん、いつもよりかわいいような……♡』

かすみ(りな子は言っていた。「私の近くにいる人が、私のことを大好きになる」と)タッタッタッタッタッタッ

30: 2023/07/19(水) 21:38:37.99 ID:Ba/K6vx2.net
『あの子がかすみちゃん……♡♡』『かすみん……♡』
『ステキ……♡』『こっち見て♡かすみん♡』
『家に持って帰る……♡♡』

かすみ(こうして私が校内を移動すればするほど、“私の近くにいた人”は増えていく)ダッダッダッダッ




『かわいい♡♡♡』『かすみちゃん♡♡』『抱く♡♡』
『ガマンできない♡♡』『行かないで♡♡』『食べたい♡♡♡』
『待って♡♡♡』『私のもの♡♡♡』『逃げるな』『愛してる♡♡♡』

かすみ(私のことを、“大好き”な人が増えていく)ズダダダダダダ




かすみ(つまり、私を―――)チラッ

31: 2023/07/19(水) 21:42:02.74 ID:Ba/K6vx2.net
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミサン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミサン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミサン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスカス♡カスミチャン♡カスミンカスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミサン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡




かすみ「――――ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

かすみ(追って来る人が、どんどんどんどん増えていく!!!)ズドドドドドドドド

33: 2023/07/19(水) 21:44:47.07 ID:ubXp4tj1.net
『逃げるな』←こわい

34: 2023/07/19(水) 21:44:59.46 ID:Ba/K6vx2.net
カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡

かすみ(追っ手から逃げれば逃げるほど、私は校内を走りまわることになる!!)


カスミン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡

かすみ(すると『近くにいた人』が、追っ手がさらに増える!!)


カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡
カスミチャン♡カスミン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミン♡

かすみ(このままじゃ、逃げた先に私を待っているのは――――!!!)




『カ ス ミ チ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡』


かすみ「だれか、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


ダダダダダダダダダダダダ……

――――――

――――

――

35: 2023/07/19(水) 21:47:59.75 ID:Ba/K6vx2.net
バタンッ カチャッ!!

かすみ「ハァ、ハァ、ハァ……もうダメ、ギブアップ……」バタッ




…ガチャ ガチャガチャガチャ
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

かすみ「……結局、どれくらい走り回ったんだろう。もうよくわからないや……」

かすみ「もしかして校舎に残ってた人、全員集めちゃったかなぁ……」




バン!!バンバンバン!!!バンバンバンバン!!!
ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!

かすみ「……あんなに人がいたら、こんな教室の扉なんて、すぐ壊されちゃうんだろうなぁ……」

36: 2023/07/19(水) 21:50:10.12 ID:Ba/K6vx2.net
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン

かすみ「こんなに……たくさんの人に、愛されてるなんて……」

かすみ「かすみん、とーっても…………幸せものだなぁ…………」






かすみ「……私……これからどうなっちゃうんだろうなぁ……」

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン

37: 2023/07/19(水) 21:52:12.15 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「かすみちゃん」ヒョコッ

かすみ「……あれ、りな子じゃん。どうしてここにいるの?鍵閉めたのに」

璃奈「かすみちゃんにあらかじめ発信機をつけておいた。そして逃走経路から、かすみちゃんが最後にたどり着きそうな場所を考え、先回りした」

璃奈「ここまでかすみちゃんのことを把握している。やはりかすみちゃんに最もふさわしいのはこの私」

かすみ「へぇー。やっぱりりな子はすごいなぁー……」


璃奈「やっと二人きりになれたね。かすみちゃん」

かすみ「そうだねー……たぶんもうすぐ二人きりじゃなくなるけど」チラッ

< バンバンバンバン

璃奈「……ねぇ、かすみちゃん」

かすみ「なぁにー?りな子ー?」

璃奈「この状況、どうにかしてあげられるって言ったら、どうする?」

39: 2023/07/19(水) 21:54:45.16 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「……そりゃあ、どうするって言われたら、どうにかしてほしいけど」

璃奈「わかった。どうにかしてあげる」

璃奈「その代わり、言って?」

璃奈「かわいいかわいい、とってもかわいいかすみちゃんは、これからずっと、私のことだけを見るって」

璃奈「私のことだけを愛するって」

璃奈「私のためになんでもしてあげるって、言って?」

かすみ「………………」

かすみ「もう、全部どうでもよくなっちゃった」

かすみ「何でもするから助けて、りな子」

璃奈「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

璃奈「オーケー。しかと聞いた。私に任せて。璃奈ちゃんボード『元気百倍』」

< バターーーン!!!!
カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡…

かすみ「あ、扉壊れた」

40: 2023/07/19(水) 21:57:02.88 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「それでどうするの?もうかすみんの貞操は風前の灯だけど」

璃奈「このツマミを使う」テッテレー

かすみ「何これ?これを回すとどうなるの?」

璃奈「いいから見てて」


カスミチャン♡カスミチャン♡カスミチャン♡

璃奈「えいっ」グイーーーーーーン

カスミチャン♡カスミチャ…!!

41: 2023/07/19(水) 22:01:25.10 ID:Ba/K6vx2.net
『『『『『『『『『 ――――!!!!!!!!!!!!!! 』』』』』』』』』


『『『『『『『『『 エンッ!!!!!! 』』』』』』』』』バタバタバタバタッ!!!!!


かすみ「………………」

かすみ「全員、奇声をあげて倒れた……」ポカーン


璃奈「これにて一件落着。璃奈ちゃんボード『めでたしめでたし』」

かすみ「いや、ちょっと待って? いったい何が起きたの、いま」

42: 2023/07/19(水) 22:02:24.87 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「もしかして電流とか……?」

璃奈「同好会のみんなもいるのに、そんな手荒なことはしない」

かすみ「あ、そこは気を遣ってくれたんだ。全員倒れてる時点で手荒すぎるほど手荒な気がするけど」


璃奈「実はかすみちゃん愛されスイッチの効果は、無効にはできないけど、強弱はつけられる」

璃奈「このツマミは、その強弱を調整するためのツマミ」

璃奈「ずっと『弱』に設定していたけど、いまその効果を『強』を超えて限界以上まで引き上げた」

璃奈「その結果が、これ」


かすみ「…………」

かすみ「えっ?つまりそれって」

43: 2023/07/19(水) 22:04:49.19 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「そう、あそこで倒れているみんなは、」




璃奈「かすみちゃんがかわいすぎて失神した」

かすみ「何それ!!!!????」

45: 2023/07/19(水) 22:07:00.44 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「いやちょっ、待って、たしかにかすみんは世界一かわいくなりたいと思ってたけど」

璃奈「かすみちゃんはいま世界一、いや、宇宙一とも言えるかわいさを手に入れた。おめでとうかすみちゃん」パチパチパチ

かすみ「ちがっ、かすみん、そんなつもりじゃ……!!」

かすみ「っていうか……見たら失神するって、もう悪霊とかそういうたぐいじゃん!!」

かすみ「かすみん、かわいいを通り越してホラー映画の化け物みたいになっちゃってない!!??」

璃奈「誰もが目を奪われてく。かすみちゃんは完璧で究極のアイドル」

かすみ「黙れ!!!!!」


かすみ「それを言うんだったら、りな子だって失神してるはずじゃないの!?かすみんのかわいさで!!」

璃奈「大丈夫。私には効かないようになってるから」

かすみ「都合よすぎない!!?」

璃奈「これで、私は宇宙一かわいいかすみちゃんを手に入れることができた」

璃奈「もう私を邪魔するものは何もない。璃奈ちゃんボード『計画通り♡♡♡』」

46: 2023/07/19(水) 22:10:06.20 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「さて、行こうかかすみちゃん。私たちの愛の巣へ」グイッ

かすみ「……えっと、その。あまりの衝撃にツッコんでたら、なんだか生きる気力が湧いてきたというか……」

璃奈「ダメ。もう遅い。言質はとった」

かすみ「イヤー!!やっぱさっきの無しーーー!!!かすみんまだキレイなままでいたいーーー!!!」

璃奈「往生際が悪い。こうなったら、特製のロボットアームで力づくで……」




???「待って?二人とも」




璃奈「!? えっ!?」

かすみ「!? この声は……!?」

47: 2023/07/19(水) 22:11:46.38 ID:Ba/K6vx2.net
???「侑ちゃんが突然私を置いてどこかに行っちゃったから、あとを追ってきたんだけど」


@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「これはいったい、どういう状況なのかな?」




かすみ「歩夢先輩!?」

璃奈「なぜ……どうして歩夢さんが立っているの!?」

璃奈「みんなみたいに、かすみちゃんのかわいさで気絶するはずじゃ……!」

48: 2023/07/19(水) 22:13:51.76 ID:Ba/K6vx2.net
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「何言ってるの? たしかにかすみちゃんはかわいいけど……」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「私にはこの地球、いや全宇宙のあらゆる生命体で最も魅力的と言える存在、侑ちゃんがいるのに」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「私だって侑ちゃんの笑顔で5秒に1回は気を失いそうになるのを愛の力でギリギリ持ちこたえてるんだよ?」

@cメ*˘ ᴗ ˘ リ「そんな侑ちゃんを差し置いて他の子で気絶なんてするわけないよ。もちろん侑ちゃんが私以外の子で気絶するのも許さないよ」

₍₍ 🌸cメง*˶ˆ ᴗ ˆ˵リว ⁾⁾「侑ちゃんには私の愛だけあればいいんだから。そしていつか二人で遥かな愛の頂き《ヘヴン》へと到達するの」


かすみ「何言ってんのこの人」

49: 2023/07/19(水) 22:16:00.86 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「……はっ!わかった」

璃奈「歩夢さんは既に侑さんのことが、失神しそうなくらい……いや、それ以上に大好きなんだ」

璃奈「既にそれだけの愛を持っていたから、かすみちゃん愛されスイッチの効果が打ち消されてしまった」

璃奈「歩夢さんの愛は、私の計算を遥かに超えて、強大で――重かったんだ……!!」

かすみ「えぇ……(ドン引き)」

璃奈「私の発明が、負けた――。璃奈ちゃんボード『これが愛の力――』」


@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「それでね、さっき侑ちゃんが倒れてるのを見つけたんだけど」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「『カスミチャン♡カスミチャン♡』ってうわ言を言い続けて、全然目を覚まさないの」


@cメ*◉ _ ◉リ「いったい、侑ちゃんに何をしたのかな?教えてくれる?」

かすみ「」ガクガクブルブル

璃奈「」リナチャンボード『ガクガクブルブル』

50: 2023/07/19(水) 22:19:50.21 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「実は、かくかくしかじかで……」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「へぇ~、璃奈ちゃんの発明のせいだったんだ。いけない子だね」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「――璃奈ちゃん?」

璃奈「ヒャイッ!?(裏声)」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「みんなを元に戻すスイッチ、作ってくれるよね?」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ「天使天才天王寺だもんね?5分もあれば簡単に作れるよね?」

璃奈「……さすがに、5分は無理

@cメ*◉ _ ◉リ「作ってくれるよね?」

璃奈「やります!!!!」


かすみ(その後りな子は爆速でスイッチ作った。ビックリするくらい早かった)

かすみ(そのスイッチでみんな元通り。もうかすみんを見ても襲ったり失神することはなかった)

かすみ(歩夢先輩は侑先輩をかついで帰っていった。次の日二人は学校を休んだ)

かすみ(………………)

かすみ(……これが、愛の力かぁ……)


――――――

――――

――

52: 2023/07/19(水) 22:23:58.82 ID:Ba/K6vx2.net
~後日 璃奈の家~

璃奈「かすみちゃん、この前はごめんなさい。私のせいであんなことになってしまって」

かすみ「もういいよりな子。元はと言えば、かすみんがあんなスイッチが欲しいって言ったのがきっかけだし……」

璃奈「かすみちゃん、優しい……すき」

璃奈「あの後、栞子ちゃんからも怒られた。校内にいたほとんどの生徒をノックアウトした罰として、反省文を書かされた」

かすみ「反省文で済むんだ、あれ……」

53: 2023/07/19(水) 22:26:59.46 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ「まぁ、今日はせっかく久しぶりにりな子の家に遊びに来たんだし!いろいろ忘れて楽しもっか!」

璃奈「うん!私、かすみちゃんと遊びたいゲームがいっぱいある!」

かすみ「ふっふっふっー、ゲームはかすみんも最近特訓してますからねぇー。りな子には負けないよぉー?」

璃奈「じゃあ私、飲み物持ってくるね」

かすみ「行ってらっしゃーい」

バタンッ


かすみ(ふぅ。りな子もいつも通りのりな子だし、これにて一件落着だね)

54: 2023/07/19(水) 22:28:03.32 ID:Ba/K6vx2.net
かすみ(……やっぱり、機械の力で好きになってもらおうだなんて、よくないよね)

かすみ(自分の力で、みんなにかすみんのことを大好きになってもらわないと、なんの意味もないや)

かすみ「――うん!かすみん、いつか本当に宇宙一かわいいスクールアイドルになって、全世界中の人をファンにして見せます!」

かすみ「そうと決まれば、また明日から頑張ってかわいさを磨かないと!!」

かすみ「かすみんの魅力で、みんなのことを虜にしちゃいますよー!……失神させない程度に」


…パサッ

かすみ「――あれ?なんだろこれ」

かすみ「アルバムですかね? にひひっ、りな子の恥ずかしい写真がないか、勝手に見ちゃおーっと」パラッ




かすみ「――――――えっ?」

55: 2023/07/19(水) 22:30:22.84 ID:Ba/K6vx2.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

璃奈「歩夢さんは既に侑さんのことが、失神しそうなくらい……いや、それ以上に大好きなんだ」

璃奈「既にそれだけの愛を持っていたから、かすみちゃん愛されスイッチの効果が打ち消されてしまった」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


かすみ「何……これ?」

かすみ「全部、私の……写真……?」

かすみ「…………しかもこれ、もしかして……盗撮……」




バタンッ ガチャッ

璃奈「お待たせ、かすみちゃん」

かすみ「っっ!!?」ガタッ

56: 2023/07/19(水) 22:32:59.87 ID:Ba/K6vx2.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

かすみ「りな子だって失神してるはずじゃないの!?かすみんのかわいさで!!」

璃奈「大丈夫。私には効かないようになってるから」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


璃奈「かすみちゃん。私、反省した」

璃奈「あんなスイッチに乗じて思いを伝えようとしても、うまく行かない」

璃奈「言質も取って、これでずっとかすみちゃんを独り占めできる、って思ったのに」

璃奈「やっぱり正々堂々、正面から思いを伝えないと、意味がないってわかった」


かすみ「え、えっと……りな子?」

かすみ「なに? 手に持ってる……その変な色のドリンク……」ガタガタ

璃奈「これはね。かすみちゃんと、体も心も、もっともーっと繋がるためのドリンク」

璃奈「かすみちゃんに、私を受け入れてもらうための、ドリンク」




璃奈「――こういう時は、やっぱりこういう表情かな」

スッ

璃奈「璃奈ちゃんボード、『ハイライトオフ』」从[◉ - ◉]从

57: 2023/07/19(水) 22:35:39.75 ID:Ba/K6vx2.net
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璃奈「私は、大好きなかすみちゃんといっぱい触れ合いたかっただけなのに」

かすみ「『だけ』じゃない!!『だけ』じゃ絶対なかった!!」

かすみ「……え?もしかしてこのスイッチの効果?どんだけ好感度上げたらこうなるの?」

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かすみ「……そんな……そんな……!」

かすみ「全部……元に戻ったはずじゃ……!」ガタガタ

かすみ「何もかも、あのスイッチのせいで、それで……!」ガタガタガタガタ




璃奈「ねぇ、かすみちゃん」

58: 2023/07/19(水) 22:37:17.79 ID:Ba/K6vx2.net
璃奈「いつから、私があのスイッチの影響下にあるって、錯覚してた?」

59: 2023/07/19(水) 22:40:13.58 ID:Ba/K6vx2.net
ダッ ガチャガチャガチャガチャ

かすみ「!! 開かない!!なんで!?鍵なんてついてないのに!!」

璃奈「先に言っておくと、壁に防音加工もしておいた。電波も遮断済。これでこの部屋は外から完全に隔離された」

かすみ「誰か、誰かぁぁぁ!!!」ダンダンダンダン

璃奈「もちろん、今日も親は帰ってこない。私とかすみちゃんの二人きり」

璃奈「この日のために、ドリンク()とかゲーム()とか、いろいろ準備しておいたの……いっぱい楽しもうね」

璃奈「璃奈ちゃんボード『しあわせ』」

かすみ「ダメッ!!!!こっちに来ないで!!お願っ――!!」


璃奈「歩夢さんの、侑さんへの愛には、かなわないかもしれないけど……」

璃奈「私なりに、かすみちゃんのこと……」

かすみ「ああああ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




从[◉ ᴗ ◉]从「いっぱい、愛してあげるね……♡♡♡」

62: 2023/07/19(水) 22:42:36.83 ID:Ba/K6vx2.net
おわりなりー


ありがとうございました
最初の方にコメントしてくれた方々がおそらく想定してなかっただろう方向に突っ走ってすまなかった

ヤンデレりなりーもきっとかわいい

63: 2023/07/19(水) 22:43:36.75 ID:sYhSI3VH.net

これは純愛ss

64: 2023/07/19(水) 22:46:46.24 ID:ojMVWcKV.net

夏にぴったりなホラーssだね

引用元: 璃奈「できた。みんなのかすみちゃんへの好感度が爆上がりするスイッチ」