1: 2011/09/12(月) 15:39:10.63 ID:1vh5661+0
櫻子「ひ、向日葵!起きて!私が向日葵になってる!」

向日葵「なんですの…朝から騒々しい」

櫻子「鏡見てみてよ…」

向日葵「なんですの、唐突に…」ボーッ…

櫻子「いいから!」

向日葵「ん… あぁ、間抜けな顔が映ってますわ」

櫻子「目の前には?」

向日葵「…え!わ、私…!?」
第11話 「わたしたちのごらく部」

7: 2011/09/12(月) 15:51:08.93 ID:1vh5661+0
向日葵「どうして!? 私、櫻子になってる!?」

櫻子「だから言ってるじゃん!ど、どうしよう!」

向日葵「くっ…というか櫻子!なんでうちにいるの?」

櫻子「昨日宿題やってて…そのまま寝ちゃったんだよ…」

向日葵「え…あぁそういえば2時くらいからの記憶が…」

櫻子「……」

向日葵「櫻子が(私だけど)真面目な顔で悩んでる…まさか…?」

櫻子「……!」キッ

向日葵「さ、櫻子!なにか思いついた?」

櫻子「おっOいって重いんだね」

向日葵「…この……あ!(自分の体を殴るわけには…)」

16: 2011/09/12(月) 15:58:18.77 ID:1vh5661+0
向日葵「こうなったら仕方ありませんわ。私は櫻子に、櫻子は私になりきるしか…」

櫻子「なんでそんなに冷静なの?」

向日葵「こんなときだからこそですわ」

櫻子「ま、まぁ仕方ないな…」

向日葵「そこは「仕方ありませんわね」で統一なさい」

櫻子「じゃあ向日葵も口調なおせよー」

向日葵「う…」

--数分後--

櫻子「こ、こんな感じでどうかしら櫻子!」

向日葵「仕方ないからそれで我慢し……するよ、向日葵」

櫻子「全然出来てないじゃんですの!」

向日葵「ひ、向日葵もできてないで…じゃん」

櫻子「うー…できるだけ黙ってればいいんじゃない…?」

向日葵「な、なるほど…たまには頭が回りますわ」

19: 2011/09/12(月) 16:09:16.03 ID:1vh5661+0
--学校--

向日葵「いい?基本無言で最悪の事態になったら私になりきること」

櫻子「仕方ないから今日はフォローしあってやるーですわー」

向日葵「…え、えぇ… じゃなくって、うん」

あかり「おはよー 櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」

櫻子「やっほー!おはようあかりちゃん!」

向日葵(櫻子のバカ…)

あかり「え、向日葵ちゃん…なんかいつもと違うね…?」

櫻子「あ、す、すみません…ちょっとまいあがっちゃったですわ!」

あかり「そ、そうなんだ…」

向日葵(お願いだから余計なこと言わないで…)

22: 2011/09/12(月) 16:18:26.74 ID:1vh5661+0
向日葵「ようやくお昼…疲れましたわ…」

あかり「え…なんか櫻子ちゃんも、今日変だね…?」

向日葵「そ、そんなことないで…だよ!」

あかり「え?」

ちなつ「なんか2人とも変だよね…」

櫻子「い、いや…別に何ともないでござる」

向日葵「さく…向日葵!ちょっとこい!」

櫻子「わーっ…ひ、引っ張るなよー」

ちなつ「ねえ、ござるって…」

あかり「それに引っ張るなよーって…へ、変すぎるよね…?」

27: 2011/09/12(月) 16:26:01.27 ID:1vh5661+0
向日葵「櫻子!あなたね!なりきる気と、黙ってる気ある!?」

櫻子「だって静かにしてらんないんだもーん…」

向日葵「とにかく「私」が教室で静かにしている分には不自然じゃないの。いい?」

櫻子「分かったよ…黙ってるってば」

向日葵「まったく…」

櫻子「も、戻ろう ご飯食べる時間ないよ」

向日葵「カ口リー量を考えて食べなさい?私の体なんだから」

櫻子「うっさいなぁ」

29: 2011/09/12(月) 16:35:18.31 ID:1vh5661+0
--放課後--

向日葵「変に感づかれる前に行きますわよ」ボソッ

櫻子「え…うん」

あかり「なんか今日、いつもみたいに言いあわないね?」

ちなつ「そういえば…今日やけに仲良いね。というか静かだよ?」

櫻子「ハッ」

櫻子「櫻子、私は先に生徒会室に行きますわ。杉浦先輩に手伝ってほしいことがあると昨日言われたから」

櫻子(…あれ?)

向日葵「ムッ」

向日葵「あーん!私も行くー!向日葵に先越されてたまるかー」

向日葵(…え?)

あかり「あれ?いつも通りな気も…」

31: 2011/09/12(月) 16:43:30.28 ID:1vh5661+0

向日葵「口喧嘩のときだけは…上手でしたわ、櫻子」

櫻子「向日葵こそ…」

向日葵「…普段、どれだけケンカしてるか分かりますわね」

櫻子「…べ、別に今日くらいは…言い合わなくてもいいと思うけど…」

向日葵「ふ、ふん!櫻子次第ですわ 櫻子がずっと黙ってれば問題ないでしょう」

櫻子「…わかった」

向日葵(やけに素直ですわね…)

33: 2011/09/12(月) 16:51:58.28 ID:1vh5661+0
--生徒会室--

綾乃「古谷さん、大室さん、手伝いに来てくれたのね」

櫻子「…はい」

向日葵「なにをすればいいですかー?」

綾乃「えーと、まずこの体育祭のやりたい種目調査をまとめてほしいんだけど…」

千歳「あ、3年生のは会長がやっとったよー」

綾乃「あらそう。じゃあ1年生と2年生の分を頼める?」

向日葵「じゃあ、私は2年をやるー…やりますー」

櫻子「私は1年」

綾乃「…? えぇ、お願い」

34: 2011/09/12(月) 16:58:18.38 ID:1vh5661+0
櫻子「………」サッ、サッ

向日葵「あら…やけに仕事が早いですわね」

櫻子「ちゃんとなりきって 私はできるだけ黙ってるんだから」

向日葵「ご、ごめんなさい… じゃなくって ごめん」

櫻子「………」サッ、サッ

千歳「なんやー? ケンカでもしとるん?ってケンカはいつものことやね」

向日葵「い、いえ… 向日葵、のどの調子が悪いみたいで」

櫻子「そんなことないですわ」サッサッ

千歳「ん~? 仲良くなぁー?」

37: 2011/09/12(月) 17:02:08.14 ID:1vh5661+0
向日葵「ご、ごめん…ねぇしゃべってよ、櫻子…」

櫻子「…必要ない時以外はしゃべらない」

向日葵「………」

櫻子「………」


綾乃「ね、ねぇ…あの子たち不自然すぎるくらいに会話ないわよ…?」

千歳「なんかおかしいんよー。うちも変やとはおもうんやけど…」

綾乃「なにかあるのかもしれないわね…」

40: 2011/09/12(月) 17:09:54.26 ID:1vh5661+0
櫻子「終わりましたわ 先輩」

向日葵「え、はやい…」

櫻子「櫻子はしゃべるばかりで腕が動いていないからよ。ちゃんとやりなさいな」

向日葵「う…(い、いつも私と話しててこんな気持ちだったんだ…)」

綾乃「あーあのね? 2人とも今日はそれだけでいいわよ! 実はほとんど今週やること終わっちゃっててね」

千歳(ナイスフォローや綾乃ちゃん!すごく忙しいけどなぁ!)

向日葵「すみません先輩!すぐにやりますので…!」

櫻子「……5組の分、かして 私最後から戻ってやってくから」

向日葵「え… いいんで… いいの?」

櫻子「待つくらいなら手伝いますわ」

向日葵「あ、ありがとう…」

42: 2011/09/12(月) 17:18:19.20 ID:1vh5661+0
--帰り道--

櫻子「あー なりきり疲れた… あと黙ってるのも疲れた」

向日葵「あ、あの…櫻子…」

櫻子「なに?私疲れてるんだけど」

向日葵「さっきはごめんなさい… ずっと黙ってればっていうのは言いすぎだった…」

櫻子「別にいいよ 喋らないのも案外楽と言えば楽だったし」

向日葵「お、怒らないで… あなたとの会話が少ないと…その…」

櫻子「…怒ってない」

向日葵「絶対に怒ってる!」

櫻子「…違うよ!」

44: 2011/09/12(月) 17:26:54.31 ID:1vh5661+0
向日葵「え…?」

櫻子「向日葵がいつもどんな感じでいるのかって思ってちょっと本気で真似してみたけど」

櫻子「…向日葵って本気で私と勝負してるんだ」

向日葵「だって…櫻子には負けたくない…張りあってほしいから…」

櫻子「でも、今日は手が動いてなかったじゃん。私のが早かったし」

向日葵「それは私も…櫻子の気持ちが分かったから…」

櫻子「え…」

向日葵「いつも、私は櫻子に言いすぎてた。それも謝りますわ、ごめんなさい」

櫻子「な、なんだよっ!向日葵らしくない!キモいよ!」

向日葵「き、きも…?」ピクッ

櫻子「やっぱり、私はいつもみたいにどこでも向日葵とケンカしたいよ」

向日葵「そ、それは…」

櫻子「帰って、元に戻る方法かんがえよう」

向日葵「え、えぇ…」

46: 2011/09/12(月) 17:30:15.85 ID:1vh5661+0
--櫻子の家-

櫻子「ただい… おっと、おじゃましまーす」

向日葵「た、ただいまぁー…」

櫻子「冷蔵庫に飲み物あるから適当に持ってきて」

向日葵「え、でも」

櫻子「私が行ったら変でしょ うちの家族から向日葵の株が下がるよ」

向日葵「わ、わかったわ…」

48: 2011/09/12(月) 17:37:43.60 ID:1vh5661+0
櫻子「あー肩いた…」

向日葵「これでいい? オレンジしかなかったけど」

櫻子「なんでもいいよ」

櫻子「それにしても…汗溜まるね おっOい」

向日葵「なっ…!?」

櫻子「ちょっと風呂入ってくる」

向日葵「ま、待って!それって私の体を…///」

櫻子「なんだよー…汗臭いんだもん。向日葵って結構汗かいてたんだ」

向日葵「そんなこと言ったら櫻子も… 汗…くさくはないけど! は、恥ずかしいから!」

櫻子「じゃあ向日葵も一緒に入ればいいじゃん それでお互い様だけど」

向日葵「え……そ、そうする…」

櫻子「えっ」

52: 2011/09/12(月) 17:50:19.92 ID:1vh5661+0
--風呂--

向日葵「考えてみると「私」が櫻子の家のお風呂に入るのはおかしいですわ 隣なのに」

櫻子「結局一緒に入ってるんだからいいじゃん…」

向日葵「そ、そうだけど…」

櫻子「あぁもう洗いづらいなー なんだよこのおっOい!ぼいーんぼいーん!」バシンバシン

向日葵「ちょっと!人の体で遊ばないで!///」

櫻子「うへへー 私の体じゃ遊べまい!!」

向日葵「えぇ…何も…」

櫻子「…自滅した気がする」

向日葵「それは間違いなく」

54: 2011/09/12(月) 17:52:58.09 ID:1vh5661+0
向日葵「遊ぶなら…私の体は私が洗うから…そこに座って!///」

櫻子「え!」

向日葵「おとなしくしていて!」ゴシゴシ

櫻子「うぅ…///」ピクピク

向日葵「…///」ゴシゴシ

櫻子「くすぐったい…」

向日葵「我慢なさい」キュッ

櫻子「ひゃああ///」

向日葵「わ、私の声で変な声をあげないで!///」

55: 2011/09/12(月) 17:59:05.21 ID:1vh5661+0
櫻子「ふうー…ふぇー…よくもやったなぁー やり返してやる…」

向日葵「え? 櫻子の体ならむしろ洗いやすかったですわ あぁうらやましい もう終わりましたわ」

櫻子「むきーっ!私にも洗わせろ!!」

向日葵「ちょ、ちょっと!」ゴツン!

櫻子「あ、ご…ごめ…」

向日葵「いたた…… …自分の体なんだから、丁寧に扱いなさいな」

櫻子「ごめん…洗い終わってるならいっか…」シュン

向日葵「……」

向日葵「か、髪の毛…」

櫻子「え?」

向日葵「このウェーブヘアーは扱い方が分からないから…洗ってほしい…」

櫻子「え、えへへ… やるー!」

57: 2011/09/12(月) 18:04:12.43 ID:1vh5661+0
櫻子「あーさっぱりした!」

向日葵「えぇ…」

櫻子「なにうっとりしてるの?」

向日葵「し、してません!///」

撫子「櫻子… なに、向日葵ちゃんと一緒に入ったの?」

櫻子「げっ…」

向日葵「あ…べ、別にいいでしょお姉さん!」

撫子「おねえさん…? 櫻子、あんた熱でも…」

櫻子「あ、櫻子は疲れてるみたいですわー!!」タタタ

58: 2011/09/12(月) 18:09:20.61 ID:1vh5661+0
--部屋--

櫻子「あぶな…もう帰ってたのか…」

向日葵「櫻子、お姉さんことなんて呼んでるの?」

櫻子「な、なんでもいいじゃん… なでしこー!って呼び捨てでいいよ」

向日葵「ふーん… それで、そろそろ考えたいんだけど。どう戻る?」

櫻子「なんか珍しいこととかしたっけ」

向日葵「別に何も…」

櫻子「分からないから遊ぼう」

向日葵「なんでそうなるの…」

60: 2011/09/12(月) 18:14:37.25 ID:1vh5661+0
向日葵「でも確かに、本当に寝ていただけなのにいつの間にか…」

櫻子「寝るしかないじゃん」

向日葵「まったくどうしてそう楽な方へ…」

櫻子「あ、ごはんを食べよう」

向日葵「元に戻る気ある…?」イラッ

櫻子「だってどっちにしたって私たちっていつも一緒じゃん!」

向日葵「え…」

櫻子「戻りたいけど、戻らなくても一緒にいればお互いに見てられるから大丈夫っていうか…」

向日葵「さ、櫻子…///」

櫻子「あぁもう何言ってるのか分からなくなってきた!」

向日葵「言いたいことはわかったから… ゆっくり方法を探していきましょう」

64: 2011/09/12(月) 18:19:52.88 ID:1vh5661+0
--夜--

櫻子「12時だ。そろそろ寝る?」

向日葵「もうちょっと…なんだか櫻子の体になってから、頭の回転まで遅くなってきた気がしますわ」

櫻子「そ、そういえば…なんで私もう宿題終わってるの?」

向日葵「えっ!?」

櫻子「こ、これってまさか… 記憶だけしか入れ替わってない!?」

向日葵「そうじゃなくちゃ…櫻子の宿題がこんなに早く終わるわけがない!」

櫻子「なんかラノベのタイトルみたいになってる」

向日葵「思考まで近づいてる…!?」

櫻子「ね、ねぇ!怖いよ向日葵!なんで私こんなに勉強できるの!?」

向日葵「わ、私だって… これ…本当に早く戻らないと大変なことに…」

65: 2011/09/12(月) 18:23:22.84 ID:1vh5661+0

--朝--

向日葵「…はっ!い、いつの間に寝て…?」

向日葵「あ、は、早く元に戻る方法を」アタフタ

櫻子「すー…すー…」

向日葵「あ…(櫻子を起こしてしまいますわ)」

向日葵「…?」

向日葵「え?櫻子が寝てる…? ということは…?」チラッ

向日葵「も、戻ってる!戻ってますわ!櫻子おきて!!」

櫻子「んーなんだよーあと2時間」

向日葵「体が戻ってるの!もとに戻ってる!」

櫻子「えっ!うそ!」

67: 2011/09/12(月) 18:25:16.56 ID:1vh5661+0
櫻子「ホントだ!戻ってる!やったー!!」

向日葵「あぁ、この胸の重み…嫌でしたけど、懐かしいですわ」

櫻子「こんのぉ…朝から自慢かっ!ぼいーん!」バシン

向日葵「ひぁっ!ちょっと櫻子!」

櫻子「あ…」ピタッ

向日葵「え?(また櫻子が真面目な顔をしてる…けどだまされませんわ)」

櫻子「結局原因はなんだったんだろうね」

向日葵「あ…えーと… 私にも分からない

68: 2011/09/12(月) 18:26:44.04 ID:1vh5661+0
櫻子「まぁいっか!なんだかんだで楽しかったし」

向日葵「…まぁ…嫌では…」

櫻子「…!」ピタッ

向日葵「ど、どうしたの…?」

櫻子「やば…もう8時なんだけど」

向日葵「は、早く言いなさい!急ぎますわよ!」

櫻子「あーん、待ってよー」


~おわり~

70: 2011/09/12(月) 18:28:29.75 ID:Npg/uUYt0
素晴らしかった
おつおつ

71: 2011/09/12(月) 18:28:57.70 ID:GCk/K99h0

78: 2011/09/12(月) 18:40:22.08 ID:1vh5661+0
実は戻り方が思いつかず荒業でした…

ひまさくは比較的考えにくいと思います
ご購読感謝ー

引用元: 櫻子「朝起きたら向日葵と身体が入れ替わってた」