1: 2011/09/16(金) 01:50:00.20 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「あ、みおちゃん、麻衣ちゃん!スラマッパギ~!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「も~二人ともどうしたの?なんだか暗い顔しちゃってー!今日も一日うんじゃらけでいきまっしょー!!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「あはは……なになに~今日は二人して必殺挨拶保留?」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「も~二人ともどうしたの?なんだか暗い顔しちゃってー!今日も一日うんじゃらけでいきまっしょー!!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「あはは……なになに~今日は二人して必殺挨拶保留?」
4: 2011/09/16(金) 01:51:40.77 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「あ、あのさ~新作ギャグが出来たんだけど!今度のは自信ありだよ!ありありだよ~!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「ふっふふっ……!沈黙を守っていられるのもいまのだかんね……!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「このギャグを聞いたら最後……笑いの扉が開かれ顔面崩落間違いなしっ!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「二人とも頬肉の準備はOK!?」
みお「……」
麻衣「……」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「ふっふふっ……!沈黙を守っていられるのもいまのだかんね……!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「このギャグを聞いたら最後……笑いの扉が開かれ顔面崩落間違いなしっ!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「二人とも頬肉の準備はOK!?」
みお「……」
麻衣「……」
5: 2011/09/16(金) 01:53:31.03 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「じゃ……じゃあ、ご期待に応えてひとつ!!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「ばばん!トラックに轢かれて、トラくたばる!」ドヤッ
ゆっこ「なんつって!」
みお「……学校付いたね」
麻衣「……」
ゆっこ「恐ろしいよ!完全スルーだよ!頬肉微動だにしてないよ!!どころか目線すら頂けないよ!!」
みお「……」
麻衣「……」
ゆっこ「ばばん!トラックに轢かれて、トラくたばる!」ドヤッ
ゆっこ「なんつって!」
みお「……学校付いたね」
麻衣「……」
ゆっこ「恐ろしいよ!完全スルーだよ!頬肉微動だにしてないよ!!どころか目線すら頂けないよ!!」
6: 2011/09/16(金) 01:54:22.40 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ(……)
ゆっこ(ま、まぁ今のギャグ、身近にトラックに轢かれた人がいたら笑えないかもね……)
ゆっこ(少し不謹慎だったよ……反省反省)
ゆっこ「さ~てと一時間目は国語かって……あれ」
ゆっこ「なんだろう……この花」
・・・
ゆっこ(ま、まぁ今のギャグ、身近にトラックに轢かれた人がいたら笑えないかもね……)
ゆっこ(少し不謹慎だったよ……反省反省)
ゆっこ「さ~てと一時間目は国語かって……あれ」
ゆっこ「なんだろう……この花」
・・・
8: 2011/09/16(金) 01:57:17.68 ID:59Xm0V5b0
がらっ
桜井「おはようございます……」っっっ
桜井「今日は皆さんに……とても悲しいお知らせをしなければなりません……」っっっ
桜井「もう知ってる方もいるとは思いますが……昨日、このクラスの相生祐子さんが事故によりお亡くなりになりました……」っっっ
ざ わ…
ざ わ…
桜井「相生さんは……とても明るいクラスのムードメーカーで……皆さんも彼女との思い出は……」っっっ
ゆっこ(そ、そうだ……私は……私は……)
ゆっこ(昨日トラックにはねられて……)
ゆっこ(それで……それで……)
・ ・ ・ ・ ・ ・
桜井「おはようございます……」っっっ
桜井「今日は皆さんに……とても悲しいお知らせをしなければなりません……」っっっ
桜井「もう知ってる方もいるとは思いますが……昨日、このクラスの相生祐子さんが事故によりお亡くなりになりました……」っっっ
ざ わ…
ざ わ…
桜井「相生さんは……とても明るいクラスのムードメーカーで……皆さんも彼女との思い出は……」っっっ
ゆっこ(そ、そうだ……私は……私は……)
ゆっこ(昨日トラックにはねられて……)
ゆっこ(それで……それで……)
・ ・ ・ ・ ・ ・
11: 2011/09/16(金) 01:59:11.96 ID:59Xm0V5b0
桜井「沢山あると思いますが……」っっっ
ゆっこ「も、も~先生。先生は汗っかきなんだからそんなに泣いてたら脱水症状で氏んじゃいますよ~。って氏んだのは私か……」アハハ・・・
桜井「うっ……うっ……」っっっ
ゆっこ「ほ、ほら!みんなもそんな暗い顔しないで!私はここにいるよーって!」ピースピース
「まじかよ……」
「こんなのってないよ……あんまりだよ……」
「なんで……なんで相生さんが……」
ゆっこ「まいったな……辛気臭いのは苦手なんだけどな……」
ゆっこ「も、も~先生。先生は汗っかきなんだからそんなに泣いてたら脱水症状で氏んじゃいますよ~。って氏んだのは私か……」アハハ・・・
桜井「うっ……うっ……」っっっ
ゆっこ「ほ、ほら!みんなもそんな暗い顔しないで!私はここにいるよーって!」ピースピース
「まじかよ……」
「こんなのってないよ……あんまりだよ……」
「なんで……なんで相生さんが……」
ゆっこ「まいったな……辛気臭いのは苦手なんだけどな……」
12: 2011/09/16(金) 02:02:28.85 ID:59Xm0V5b0
休み時間 教室にて
みお「ほーんと馬鹿だよね、ゆっこって……」
ゆっこ「みおちゃん……」
みお「猫を助けるために道路に飛び込むなんてさ……どんだけベタなんだよつーか」
ゆっこ「えへへ……」
みお「しかも、猫だと思ったそれはただのビニール袋だったってオチだよ。無駄氏もいいとこじゃん」
ゆっこ「阪本とそっくりな真っ黒なやつだったんだよ……」・
みお「いや……馬鹿氏にだよ。こんな馬鹿な氏に方するのはゆっこくらいのものだよ」
みお「ありえない馬鹿だよ。奇跡の馬鹿だよ。あんな馬鹿は神様だってきっと呆れかえってるよ」
ゆっこ「ちょっとみおちゃん……」
みお「……馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿」
13: 2011/09/16(金) 02:05:12.62 ID:59Xm0V5b0
みお「いつもなら……ここらへんでゆっこがキレて喧嘩になるところかな……」アハハ
みお「ゆっこったら馬鹿の癖に妙に頑固で困っちゃうよね……」
みお「でもあの笑顔を見ると結局許しちゃって……」
ゆっこ「……」
みお「ゆっことまだ遊びたかった!まだ話したかった!まだいっぱい喧嘩したかったよ……!」
みお「なんで……なんで氏んだんだよ!!ゆっこの……ゆっこのばかぁーーーーーーーー!!!」
みお「ゆっこったら馬鹿の癖に妙に頑固で困っちゃうよね……」
みお「でもあの笑顔を見ると結局許しちゃって……」
ゆっこ「……」
みお「ゆっことまだ遊びたかった!まだ話したかった!まだいっぱい喧嘩したかったよ……!」
みお「なんで……なんで氏んだんだよ!!ゆっこの……ゆっこのばかぁーーーーーーーー!!!」
15: 2011/09/16(金) 02:07:59.38 ID:59Xm0V5b0
みお「うわあああああああああああああああん」
号泣し崩れ落ちる親友の肩に、私はもう手を掛けることすらできない。
ゆっこ「えへへ……ごめんね。みおちゃん」
麻衣「ゆっこ……」
いつも無表情の麻衣ちゃんでさえ、今日はなんだか憂いに沈んだ顔をしていたのは私のせいだったんだね。
なの「相生さん……なんで……どうして……」
なのちゃん……。ロボットなのにそんなに涙を流せるなんて……人間となにも変わらないよ。はかせはすごいね。ちっこいのに。
ゆっこ「エヘヘ……みんなごめんね……」
号泣し崩れ落ちる親友の肩に、私はもう手を掛けることすらできない。
ゆっこ「えへへ……ごめんね。みおちゃん」
麻衣「ゆっこ……」
いつも無表情の麻衣ちゃんでさえ、今日はなんだか憂いに沈んだ顔をしていたのは私のせいだったんだね。
なの「相生さん……なんで……どうして……」
なのちゃん……。ロボットなのにそんなに涙を流せるなんて……人間となにも変わらないよ。はかせはすごいね。ちっこいのに。
ゆっこ「エヘヘ……みんなごめんね……」
17: 2011/09/16(金) 02:10:41.84 ID:59Xm0V5b0
放課後
みお「んじゃ、いこっか」
麻衣「……」
なの「はい」
私はフワフワと三人の跡を付いていく。
三人は私がトラックにはねられた場所にお参りに向かってくれてるらしい。
道中、口数は少ないがポツポツとみおちゃんが私との思い出話を語り始める。
みお「そんでゆっこ馬鹿だからさー……何故か焼き鯖を買ってきちゃって」
そんな話に笑いも起る。目の前で自分の噂をされるのは少しこそばゆい。
みお「んじゃ、いこっか」
麻衣「……」
なの「はい」
私はフワフワと三人の跡を付いていく。
三人は私がトラックにはねられた場所にお参りに向かってくれてるらしい。
道中、口数は少ないがポツポツとみおちゃんが私との思い出話を語り始める。
みお「そんでゆっこ馬鹿だからさー……何故か焼き鯖を買ってきちゃって」
そんな話に笑いも起る。目の前で自分の噂をされるのは少しこそばゆい。
18: 2011/09/16(金) 02:11:52.80 ID:59Xm0V5b0
そうだ……。考えようによっては悪くないかも知れない
おばけにゃ学校も試験もなんにもない。宿題だってない。
人の目を気にする必要もない……恥ずかしいことをしても誰にも見えないんだから。
このままフワフワ漂って生きていくのも楽しそうかも。
みお「なーんてこと考えたりして。ゆっこはポジティブ馬鹿だから」
うぐ!さすがみおちゃん!お見通しだね。
なの「あ……付きましたよ」
おばけにゃ学校も試験もなんにもない。宿題だってない。
人の目を気にする必要もない……恥ずかしいことをしても誰にも見えないんだから。
このままフワフワ漂って生きていくのも楽しそうかも。
みお「なーんてこと考えたりして。ゆっこはポジティブ馬鹿だから」
うぐ!さすがみおちゃん!お見通しだね。
なの「あ……付きましたよ」
19: 2011/09/16(金) 02:13:34.90 ID:59Xm0V5b0
みお「あ……こんにちわ……」
「あら……みんなでお参りに来てくれたの……」
なの「あ、あの……このたびは……御愁傷様です……」
「ありがとう……ゆっこもみんなが来てくれて喜ぶわ……」
ゆっこ「お母さん……」
お母さんの顔はいつもよりやつれていて老けて見えた。
麻衣「ゆっこに……これ……持ってきました……」
母「あら……綺麗なヒヤシンス。ありがとうね」
「あら……みんなでお参りに来てくれたの……」
なの「あ、あの……このたびは……御愁傷様です……」
「ありがとう……ゆっこもみんなが来てくれて喜ぶわ……」
ゆっこ「お母さん……」
お母さんの顔はいつもよりやつれていて老けて見えた。
麻衣「ゆっこに……これ……持ってきました……」
母「あら……綺麗なヒヤシンス。ありがとうね」
21: 2011/09/16(金) 02:16:44.89 ID:59Xm0V5b0
母「昔から目が離せない子だとは思ってたけどねぇ……」
ゆっこ「へへ……馬鹿な娘でごめんなさい……」
母「あの子がいないと家が静かで……」
みお「教室でもそうですよ……。ゆっこがいないとはりあいないっていうか……」
母「ふふ……みおちゃんのことはよく聞いてるわ。麻衣ちゃん、なのちゃんのこともね」
なの「あの相生さんは、とっても優しくて……とっても明るくて……」
母「ゆっこはいい友達を持ったね……。貴方達これからの人生ゆっこの分も頑張ってね……」
ゆっこ「お母さん……」
ゆっこ「へへ……馬鹿な娘でごめんなさい……」
母「あの子がいないと家が静かで……」
みお「教室でもそうですよ……。ゆっこがいないとはりあいないっていうか……」
母「ふふ……みおちゃんのことはよく聞いてるわ。麻衣ちゃん、なのちゃんのこともね」
なの「あの相生さんは、とっても優しくて……とっても明るくて……」
母「ゆっこはいい友達を持ったね……。貴方達これからの人生ゆっこの分も頑張ってね……」
ゆっこ「お母さん……」
22: 2011/09/16(金) 02:20:56.50 ID:59Xm0V5b0
麻衣「あの……これ」
みお「麻衣ちゃんそれ……」
麻衣「うん……阿弥陀如来像……ゆっこのために作った……」
みお「へぇ特製なんだ」
麻衣「そう……ゆっこが……成仏……出来ますように……」
麻衣「昨日……一晩かけて……掘った……」
麻衣「成仏して……極楽浄土に行けますようにって……」
麻衣「私達……ずっと……ずっと……友達だよって……」
みお「そっか……ゆっこも喜ぶよきっと」
なの「はい、私もそう思います」
ゆっこ「麻衣ちゃん……」
みお「じゃ、みんなで祈ろうか……」
みお「麻衣ちゃんそれ……」
麻衣「うん……阿弥陀如来像……ゆっこのために作った……」
みお「へぇ特製なんだ」
麻衣「そう……ゆっこが……成仏……出来ますように……」
麻衣「昨日……一晩かけて……掘った……」
麻衣「成仏して……極楽浄土に行けますようにって……」
麻衣「私達……ずっと……ずっと……友達だよって……」
みお「そっか……ゆっこも喜ぶよきっと」
なの「はい、私もそう思います」
ゆっこ「麻衣ちゃん……」
みお「じゃ、みんなで祈ろうか……」
24: 2011/09/16(金) 02:24:09.91 ID:59Xm0V5b0
麻衣ちゃんの作った阿弥陀如来像はとても優しい顔をしていた。
仏像趣味なんて変なのと思ってたけど麻衣ちゃんの気持ちが今なら解る気がするよ
こんなに気持ちを落ちつけてくれるものだったんだね……。
もっと生きたかったなぁ……まだまだ人生を続けたかった。
運動して……勉強して……遊んで……親孝行して……恋をして……。
もっともっとみんなと笑いたかった……。
でも、もうそれは……出来ないんだ……。
・・・
・・
・
気付くと私は阿弥陀如来像に囲まれていた。
仏像趣味なんて変なのと思ってたけど麻衣ちゃんの気持ちが今なら解る気がするよ
こんなに気持ちを落ちつけてくれるものだったんだね……。
もっと生きたかったなぁ……まだまだ人生を続けたかった。
運動して……勉強して……遊んで……親孝行して……恋をして……。
もっともっとみんなと笑いたかった……。
でも、もうそれは……出来ないんだ……。
・・・
・・
・
気付くと私は阿弥陀如来像に囲まれていた。
26: 2011/09/16(金) 02:25:19.66 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「う、うわっほい!なんだこれ!」
阿弥陀如来像「……」
ゆっこ「えっと……何か御用でしょうか……」
阿弥陀如来像「……」
ゆっこ「え……?天からの使い?」
阿弥陀如来像「……」コクコク
ゆっこ「私を天国に連れて行くのが役目?」
阿弥陀如来像「……」コクコク
阿弥陀如来像「……」
ゆっこ「えっと……何か御用でしょうか……」
阿弥陀如来像「……」
ゆっこ「え……?天からの使い?」
阿弥陀如来像「……」コクコク
ゆっこ「私を天国に連れて行くのが役目?」
阿弥陀如来像「……」コクコク
28: 2011/09/16(金) 02:27:20.73 ID:59Xm0V5b0
そっか……きっと麻衣ちゃんの阿弥陀如来像が呼んだんだ。
ゆっこ「まったく麻衣ちゃんには敵わないや……」
もうちょっと幽霊ライフを楽しんでみるのも面白そうだったけど仕方ない。
私……成仏して……空からみんなを見守ってるよ!
そう思ったと同時に、体が風船のように軽くなり阿弥陀如来像と共に天上へと運ばれていく。
ゆっこ「う、うわ~空飛んでるみたいで気持ちいいー!」
空から私が生まれ育った街を見回す。
ミニチュアみたいな家々、人形みたいな人々。
相も変わらず日常は続いている。
もし生まれ変わることが出来たら私はまたこの町で生きたいと思う。
この町でみんなと生きたいと思う。
なんだか眠くなってきた……。
ゆっこ「まったく麻衣ちゃんには敵わないや……」
もうちょっと幽霊ライフを楽しんでみるのも面白そうだったけど仕方ない。
私……成仏して……空からみんなを見守ってるよ!
そう思ったと同時に、体が風船のように軽くなり阿弥陀如来像と共に天上へと運ばれていく。
ゆっこ「う、うわ~空飛んでるみたいで気持ちいいー!」
空から私が生まれ育った街を見回す。
ミニチュアみたいな家々、人形みたいな人々。
相も変わらず日常は続いている。
もし生まれ変わることが出来たら私はまたこの町で生きたいと思う。
この町でみんなと生きたいと思う。
なんだか眠くなってきた……。
29: 2011/09/16(金) 02:31:23.10 ID:59Xm0V5b0
その制服に初めて袖を通す時、私はワクワクした気持ちだったことを今でもよく覚えている。
けれど今日は違う。それとは正反対のとても憂鬱な気分で袖を通さなければならない。
「はかせ~。準備できましたか?そろそろ行きますよ」
普段は学校に来ていくための制服だが、時として別の役割もある。
「なの~。どこ行くの~?」
「も~はかせ。昨日言ったでしょー」
私は、はかせの服を棚から取り出しながら答える。
「今日は、相生さんのお葬式だって……」
けれど今日は違う。それとは正反対のとても憂鬱な気分で袖を通さなければならない。
「はかせ~。準備できましたか?そろそろ行きますよ」
普段は学校に来ていくための制服だが、時として別の役割もある。
「なの~。どこ行くの~?」
「も~はかせ。昨日言ったでしょー」
私は、はかせの服を棚から取り出しながら答える。
「今日は、相生さんのお葬式だって……」
31: 2011/09/16(金) 02:34:12.55 ID:59Xm0V5b0
なの「さ、はかせ。これに着替えてください」
はかせ「えー!こんなまっくろのやつやだ!」
なの「も~はかせ。我儘言わないでくださいよー。今日はお葬式なんだから黒い衣服じゃないとだめなんです!」
はかせ「なののふくは白いんだけど!」
なの「私は学生だから制服でいいんです」
はかせ「はかせは、はかせです!だから白くてもいいんです!」
なの「もーはかせってば……」
阪本「ちっ。相変わらず聞きわけのガキだな」
なの「ほら、はかせ!阪本さんを見習ってください!もう真っ黒ですよ!」
阪本「別にオレは喪に服してやってるわけじゃねーがな……」
なの「阪本さんとおそろいですよ~」
はかせ「……」
なの「……」
はかせ「やだ!」
はかせ「えー!こんなまっくろのやつやだ!」
なの「も~はかせ。我儘言わないでくださいよー。今日はお葬式なんだから黒い衣服じゃないとだめなんです!」
はかせ「なののふくは白いんだけど!」
なの「私は学生だから制服でいいんです」
はかせ「はかせは、はかせです!だから白くてもいいんです!」
なの「もーはかせってば……」
阪本「ちっ。相変わらず聞きわけのガキだな」
なの「ほら、はかせ!阪本さんを見習ってください!もう真っ黒ですよ!」
阪本「別にオレは喪に服してやってるわけじゃねーがな……」
なの「阪本さんとおそろいですよ~」
はかせ「……」
なの「……」
はかせ「やだ!」
33: 2011/09/16(金) 02:37:06.67 ID:59Xm0V5b0
なんとかはかせをなだめて、黒い服を着て貰う。そして重い足取りで私達は会場に向かった。
そう今日は、相生さんとの最後のお別れをいう日なのだ。
私の家族を助けようと道路に飛び込んだ、優しくて勇気があってちょっとおっちょこちょいな大切な友達。
私がロボットでも、変わらずに付き合ってくれた大切な友達。
これからもずっと一緒に居られると思っていたのに……。
はかせ「なの……手痛いんだけど」
なの「あ、ごめんなさい……」
はかせと繋いだ手がつい強くなってしまっていた。
35: 2011/09/16(金) 02:38:42.11 ID:59Xm0V5b0
なの「……着きましたね」
阪本「オレはここで待ってるぞ」
なの「阪本さん……」
阪本「オレが入るわけにゃぁいかないからな。焼香あげることもできねーし」
なの「はい……。じゃあ行ってきますね」
阪本「ああ……」
阪本「あいつに……ありがとうって伝えておいてくれ。勘違いとはいえオレを助けるために無茶しやがったんだからな」
なの「はい……!必ず伝えておきます」
はかせ「なのー。はやくー」
38: 2011/09/16(金) 02:42:23.88 ID:59Xm0V5b0
南妙法蓮華経~チーン
はかせ「ぷぷぷ。あの人つるっぱげなんだけど。けっさく」
なの「はかせ!シッー!」
はかせ「あ、ゆっこの写真だ!みてみてあのえがお。てんさいてきなんだけど」
なの「そうですねー……ってはかせ静かに!空気読んでください!」
南妙法蓮華経~チーン
なの「ほ、ほら。はかせ。私達の番ですよ」
はかせ「ぷぷぷ。あの人つるっぱげなんだけど。けっさく」
なの「はかせ!シッー!」
はかせ「あ、ゆっこの写真だ!みてみてあのえがお。てんさいてきなんだけど」
なの「そうですねー……ってはかせ静かに!空気読んでください!」
南妙法蓮華経~チーン
なの「ほ、ほら。はかせ。私達の番ですよ」
40: 2011/09/16(金) 02:45:04.14 ID:59Xm0V5b0
はかせ「うわ!お花のお布団だ!いいないいなー」
なの「相生さん……綺麗な顔してます……」
はかせ「ねーねーゆっこ寝てないであそぼあそぼ!」
なの「ちょ、ちょっとはかせ揺らしちゃだめですよ!」
はかせ「ゆっこー!はかせだよ。なのもいるよ。おきておきて」
なの「はかせってば!」
なの「あわわ……。すいません。すいません」
はかせ「かっこいいことばいっていって!」
42: 2011/09/16(金) 02:46:54.55 ID:59Xm0V5b0
なの「はう……。追い出されてしまいました……」
阪本「ちっ……。しようのないガキだな……」
なの「相生さんとの最後のお別れなのに……」
はかせ「さいごってゆっこどっかいっちゃうの?」
なの「……そうです。相生さんは、遠くに旅にでかけるんです」
はかせ「たびってー?」
なの「遠い遠いところです……。だから今日はお別れを言わなくちゃいけないんです」
はかせ「そんなのやだよ!はかせまだゆっことあそびたいんだけど!」
なの「
しょうが……ないんです」
阪本「ちっ……。しようのないガキだな……」
なの「相生さんとの最後のお別れなのに……」
はかせ「さいごってゆっこどっかいっちゃうの?」
なの「……そうです。相生さんは、遠くに旅にでかけるんです」
はかせ「たびってー?」
なの「遠い遠いところです……。だから今日はお別れを言わなくちゃいけないんです」
はかせ「そんなのやだよ!はかせまだゆっことあそびたいんだけど!」
なの「
しょうが……ないんです」
43: 2011/09/16(金) 02:48:15.01 ID:59Xm0V5b0
はかせ「ねぇーねぇーなんでゆっこ起きないの。もうお昼なんだけど」
なの「あのですね……」
はかせ「ねぇーなんでなんで」
阪本「ガキにはまだ氏がわからんか……」
はかせ「もしかして、でんち切れ?」
なの「……」
はかせ「じゃあ、でんちかえればいいんだけど」
なの「はかせ!いい加減にしてください!」
なの「相生さんは、人間の女の子なんですよ!私みたいな……ロボットとは違うんです!」
なの「壊れても修理して直せたりしない!一度氏んじゃったらもう直らないんです!もう動かないんですよ……!」
なの「あのですね……」
はかせ「ねぇーなんでなんで」
阪本「ガキにはまだ氏がわからんか……」
はかせ「もしかして、でんち切れ?」
なの「……」
はかせ「じゃあ、でんちかえればいいんだけど」
なの「はかせ!いい加減にしてください!」
なの「相生さんは、人間の女の子なんですよ!私みたいな……ロボットとは違うんです!」
なの「壊れても修理して直せたりしない!一度氏んじゃったらもう直らないんです!もう動かないんですよ……!」
45: 2011/09/16(金) 02:50:20.40 ID:59Xm0V5b0
はかせ「できるよ」
なの「はかせ……!!」
はかせ「はかせならできるよ」
阪本「ガキ。いい加減に……!」
はかせ「だってはかせははかせだもん。なんだって直せるもん。ロボットだって。にんげんだって」
なの「はかせ……!もう……!」
はかせ「だって……なのだってそうやって直したんだから」
なの「え!?」
なの「はかせ……!!」
はかせ「はかせならできるよ」
阪本「ガキ。いい加減に……!」
はかせ「だってはかせははかせだもん。なんだって直せるもん。ロボットだって。にんげんだって」
なの「はかせ……!もう……!」
はかせ「だって……なのだってそうやって直したんだから」
なの「え!?」
50: 2011/09/16(金) 02:52:46.47 ID:59Xm0V5b0
なの「はかせ……今なんて」
はかせ「なののときといっしょだもん!からだがうごかなくてもあたまがあれば、はかせなら直せます」
なの「は、はかせ……。それ本当ですか……?」
はかせ「ほんとうです」
阪本「ば、馬鹿な……またでたらめを……」
なの「そ、そうですよ……。私が、人間……だったなんて……」
はかせ「はかせにふかのうはないのです」
なの「じゃ……じゃあ相生さんも本当に直せるんですか……?」
はかせ「だからさっきからそういってるんだけど!!」
はかせ「なののときといっしょだもん!からだがうごかなくてもあたまがあれば、はかせなら直せます」
なの「は、はかせ……。それ本当ですか……?」
はかせ「ほんとうです」
阪本「ば、馬鹿な……またでたらめを……」
なの「そ、そうですよ……。私が、人間……だったなんて……」
はかせ「はかせにふかのうはないのです」
なの「じゃ……じゃあ相生さんも本当に直せるんですか……?」
はかせ「だからさっきからそういってるんだけど!!」
53: 2011/09/16(金) 02:55:36.43 ID:59Xm0V5b0
東雲研究所
ゆっこ母「ねぇ……あんた大丈夫なのかね……」
ゆっこ父「ゆっこの友達があんなに真剣に頼んできたんだ。馬鹿な話だが、信じてみようじゃないか……」
はかせ「では、いまからゆっこのしゅうりをします」
なの「はい!私も手伝います!」
はかせ「じゃあ、このかっこいい白い服に着替えてください。阪本の分はないので、そのままでいいです」
阪本「そうかよ……」
はかせ「では、はじめます!でもその前におやつ食べてから」
みんな「ズコー!!」
ゆっこ母「ねぇ……あんた大丈夫なのかね……」
ゆっこ父「ゆっこの友達があんなに真剣に頼んできたんだ。馬鹿な話だが、信じてみようじゃないか……」
はかせ「では、いまからゆっこのしゅうりをします」
なの「はい!私も手伝います!」
はかせ「じゃあ、このかっこいい白い服に着替えてください。阪本の分はないので、そのままでいいです」
阪本「そうかよ……」
はかせ「では、はじめます!でもその前におやつ食べてから」
みんな「ズコー!!」
58: 2011/09/16(金) 03:00:45.74 ID:59Xm0V5b0
はかせ「あとはこのラッパを吹けば……」
パップパップー
「……」
「……」
「……ここが……天国?」
はかせ「ちがいます。ここは東雲研究所です」
なの「相生さん!!」
ゆっこ「う、うわ!やっぱなのちゃんとはかせじゃん!」
阪本「ちくしょー!!ガキの言う通りじゃねーか!!」テアシバタバタ
ゆっこ「あ、阪本も!って喋ってる!猫なのに!すご!」
なの「相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!」
ゆっこ「も、も~なのちゃんどうしたの~?って私なんでなのちゃん家いるの?」
なの「相生さん……!お帰りなさい……!」
ゆっこ「あ……うん。なんだかよくわからないけど」
ゆっこ「ただいま。」
パップパップー
「……」
「……」
「……ここが……天国?」
はかせ「ちがいます。ここは東雲研究所です」
なの「相生さん!!」
ゆっこ「う、うわ!やっぱなのちゃんとはかせじゃん!」
阪本「ちくしょー!!ガキの言う通りじゃねーか!!」テアシバタバタ
ゆっこ「あ、阪本も!って喋ってる!猫なのに!すご!」
なの「相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!相生さん!」
ゆっこ「も、も~なのちゃんどうしたの~?って私なんでなのちゃん家いるの?」
なの「相生さん……!お帰りなさい……!」
ゆっこ「あ……うん。なんだかよくわからないけど」
ゆっこ「ただいま。」
61: 2011/09/16(金) 03:02:23.01 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「うわーーー!宿題忘れた!!みおちゃん!うつさせて!」
みお「もー。仕方ないなぁゆっこは」
ゆっこ「えへへ!ありがとみおちゃん!やっぱ持つべきものは親友だね~」
なの「あ、相生さん、長野原さん、 水上さんおはようございます!」
みお「おはよーなのちゃん」
ゆっこ「おはよー」
麻衣「おはよ……」
ゆっこ「って麻衣ちゃん!さりげなく私のネジまわさないでよ!くすぐったいよ!」
みお「もー。生き返ったと思ったらそのネジどうしたのよ。なのちゃんとおそろい?」
ゆっこ「はかせに付けられちゃって……寝返り打てないの不便なんだよ~!」
ゆっこ「ねーなのちゃん。はかせにとって貰えるようお願いできないかな~?」
なの「たぶん無理だと思います……」
みお「もー。仕方ないなぁゆっこは」
ゆっこ「えへへ!ありがとみおちゃん!やっぱ持つべきものは親友だね~」
なの「あ、相生さん、長野原さん、 水上さんおはようございます!」
みお「おはよーなのちゃん」
ゆっこ「おはよー」
麻衣「おはよ……」
ゆっこ「って麻衣ちゃん!さりげなく私のネジまわさないでよ!くすぐったいよ!」
みお「もー。生き返ったと思ったらそのネジどうしたのよ。なのちゃんとおそろい?」
ゆっこ「はかせに付けられちゃって……寝返り打てないの不便なんだよ~!」
ゆっこ「ねーなのちゃん。はかせにとって貰えるようお願いできないかな~?」
なの「たぶん無理だと思います……」
63: 2011/09/16(金) 03:04:34.25 ID:59Xm0V5b0
ゆっこ「って話してるうちにもう写す時間ねぇーーーーーー!!」
みお「もーゆっこは本当に馬鹿だなぁ。なにせ生き返ってくるレベルだもんね。奇跡の馬鹿だよ」
ゆっこ「えへへ……ご心配をかけて申し訳ない。お詫びにとっておきのギャグを……!」
みお「いいから、いいから。それより、はかせに頭も直してもらいなよ」
ゆっこ「それも頼んだけど無理って言われたよ……」トホホ
みお「って頼んでたんだ。へーはかせにも無理なんだ」
なの「ええ……はかせのあんな渋い顔はじめて見ましたよ。科学の限界を超えてるらしいです」
みお「まぁ仕方ないか……馬鹿は氏んでも直らないって言うもんね」クスッ♪
おしまい
みお「もーゆっこは本当に馬鹿だなぁ。なにせ生き返ってくるレベルだもんね。奇跡の馬鹿だよ」
ゆっこ「えへへ……ご心配をかけて申し訳ない。お詫びにとっておきのギャグを……!」
みお「いいから、いいから。それより、はかせに頭も直してもらいなよ」
ゆっこ「それも頼んだけど無理って言われたよ……」トホホ
みお「って頼んでたんだ。へーはかせにも無理なんだ」
なの「ええ……はかせのあんな渋い顔はじめて見ましたよ。科学の限界を超えてるらしいです」
みお「まぁ仕方ないか……馬鹿は氏んでも直らないって言うもんね」クスッ♪
おしまい
71: 2011/09/16(金) 03:08:30.88 ID:Yufr0PLJ0
乙
75: 2011/09/16(金) 03:11:19.03 ID:3gjv6u3+0
乙だ
引用元: 日常「馬鹿は死んでも直らない」
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