1: 2011/09/15(木) 23:55:18.22 ID:OMx/MLq00
~夜 橘家にて~
美也「にしししっ。お風呂、気持ちよかったなぁ~ ……うん?」
橘父『……純一、あとで少しいいか』
純一『どうしたの?』
橘父『あぁ、ちょっと大事な話があってな』
純一『今じゃダメなの?』
橘父『……美也が寝てからにしてほしいんだ、いいか?』
純一『わ、わかったよ、父さん』
美也(私に隠れて内緒話? そんなことさせるもんですか、にししっ)
美也「にしししっ。お風呂、気持ちよかったなぁ~ ……うん?」
橘父『……純一、あとで少しいいか』
純一『どうしたの?』
橘父『あぁ、ちょっと大事な話があってな』
純一『今じゃダメなの?』
橘父『……美也が寝てからにしてほしいんだ、いいか?』
純一『わ、わかったよ、父さん』
美也(私に隠れて内緒話? そんなことさせるもんですか、にししっ)
3: 2011/09/15(木) 23:56:21.95 ID:OMx/MLq00
美也「お風呂あがったよ~」ガチャッ
橘父「は、早かったな」
橘母「美也ちゃん、ちゃんと髪を乾かしなさい。またボサボサになっちゃうわよ」
美也「も~わかってるよぉ」
橘母「ほら、こっち来て」
美也「は~い」
純一「ぼ、僕もお風呂に入ってくるね」
橘母「純一が最後だから、お湯は抜いておいてね」
純一「わかった」
橘父「は、早かったな」
橘母「美也ちゃん、ちゃんと髪を乾かしなさい。またボサボサになっちゃうわよ」
美也「も~わかってるよぉ」
橘母「ほら、こっち来て」
美也「は~い」
純一「ぼ、僕もお風呂に入ってくるね」
橘母「純一が最後だから、お湯は抜いておいてね」
純一「わかった」
5: 2011/09/15(木) 23:57:28.02 ID:OMx/MLq00
~橘家 浴室にて~
純一(父さんが話って珍しいな……)
純一(大事な話ってなんだろう? 成績のことかな? 進路のことかな?)
純一(まさか……あのことがバレたのか?!)
純一(いやいや、だとしたら学校で何か言われてるだろうし……)
純一(梅原から、何か連絡があるはずだ……)
純一(う~ん……)
美也『それじゃ、もう寝るね。おやすみなさ~い』
純一(美也、寝るのか……今日はずいぶん早いんだな……)
純一(それにしても、美也が寝てから……か)
純一(美也に聞かれたら、何かマズいことでもあるのか……)
純一(…………)
純一(父さんが話って珍しいな……)
純一(大事な話ってなんだろう? 成績のことかな? 進路のことかな?)
純一(まさか……あのことがバレたのか?!)
純一(いやいや、だとしたら学校で何か言われてるだろうし……)
純一(梅原から、何か連絡があるはずだ……)
純一(う~ん……)
美也『それじゃ、もう寝るね。おやすみなさ~い』
純一(美也、寝るのか……今日はずいぶん早いんだな……)
純一(それにしても、美也が寝てから……か)
純一(美也に聞かれたら、何かマズいことでもあるのか……)
純一(…………)
6: 2011/09/15(木) 23:59:18.73 ID:OMx/MLq00
~橘家 廊下にて~
美也(にっししし~ 私だけのけ者にするなんて、許さないもんね~)
美也(気づかれなように……そーっと……)
…………
純一『えぇ!? 僕と美也の血が繋がってない?!』
美也(えっ!? どういうこと?)
橘父『こら、声が大きいぞ純一!』
純一『ご、ごめん』
美也(……な、なんの話)アセアセ
橘母『正確にいうとね……が私の姉の子供…………なの』
純一『そん……な話……なの?』
橘父『あぁ…………まで、美也には……だからな』
美也(よ、よく聞こえないよ……)
美也(にっししし~ 私だけのけ者にするなんて、許さないもんね~)
美也(気づかれなように……そーっと……)
…………
純一『えぇ!? 僕と美也の血が繋がってない?!』
美也(えっ!? どういうこと?)
橘父『こら、声が大きいぞ純一!』
純一『ご、ごめん』
美也(……な、なんの話)アセアセ
橘母『正確にいうとね……が私の姉の子供…………なの』
純一『そん……な話……なの?』
橘父『あぁ…………まで、美也には……だからな』
美也(よ、よく聞こえないよ……)
12: 2011/09/16(金) 00:01:46.67 ID:CmIkCSiS0
純一『う、うん……までは……内緒………………』
橘父『あぁ……そういう…………頼むぞ』
純一『そんな…………話、…………ね』
美也「(も、もう少し……)あっ!?」ガタッ
美也(……静かになっちゃった)
橘父『……美也か?』
橘母『……美也ちゃん?』ガチャッ
橘母「あぁ、やっぱり」
橘父「どうしたんだ? いきなり物音がしたから、泥棒かと思ったぞ」
美也「え、え~と、トイレに行こうとしたんだけど、寝ぼけちゃって……」
純一「あはは、美也はおっちょこちょいだな」
美也(にぃに……どうしてそんなに困った顔してるの?)
橘父『あぁ……そういう…………頼むぞ』
純一『そんな…………話、…………ね』
美也「(も、もう少し……)あっ!?」ガタッ
美也(……静かになっちゃった)
橘父『……美也か?』
橘母『……美也ちゃん?』ガチャッ
橘母「あぁ、やっぱり」
橘父「どうしたんだ? いきなり物音がしたから、泥棒かと思ったぞ」
美也「え、え~と、トイレに行こうとしたんだけど、寝ぼけちゃって……」
純一「あはは、美也はおっちょこちょいだな」
美也(にぃに……どうしてそんなに困った顔してるの?)
13: 2011/09/16(金) 00:03:00.34 ID:CmIkCSiS0
橘父「……ところで美也、私たちの話を……」
橘母「お父さん」
橘父「あ、あぁ……」
美也(お父さん、お母さん……どうしてそんなに困った顔してるの?)
美也「は、話って?」
純一「うん、僕の成績のことで……ちょっとね」
美也(にぃに! どうしてそんな嘘つくの!!)
橘父「……あぁ。実は近頃、純一の成績が芳しくなくてな」
美也「に、にししっ、にぃにはちゃんと勉強しないとダメだよ!」
純一「う、うるさいな」
橘父「うるさいとは何だ。美也の言うとおりだぞ」
純一「……ご、ごめん」
橘母「お父さん」
橘父「あ、あぁ……」
美也(お父さん、お母さん……どうしてそんなに困った顔してるの?)
美也「は、話って?」
純一「うん、僕の成績のことで……ちょっとね」
美也(にぃに! どうしてそんな嘘つくの!!)
橘父「……あぁ。実は近頃、純一の成績が芳しくなくてな」
美也「に、にししっ、にぃにはちゃんと勉強しないとダメだよ!」
純一「う、うるさいな」
橘父「うるさいとは何だ。美也の言うとおりだぞ」
純一「……ご、ごめん」
14: 2011/09/16(金) 00:03:56.83 ID:CmIkCSiS0
橘母「美也ちゃん、もう遅いから、おトイレに行って早く寝なさい」
美也「う、うん……」
橘父「どうした?」
美也「な、なんでもない…… おやすみなさい」
純一「おやすみ、美也」
橘父「おやすみ」
橘母「おやすみなさい、美也ちゃん」
美也「う、うん……」
橘父「どうした?」
美也「な、なんでもない…… おやすみなさい」
純一「おやすみ、美也」
橘父「おやすみ」
橘母「おやすみなさい、美也ちゃん」
16: 2011/09/16(金) 00:06:08.49 ID:CmIkCSiS0
~美也の部屋にて~
美也(さっきの話……どういうこと?)
美也(よく聞こえなかったところもあったけど……)
美也(にぃにが言ってたのは、ハッキリと……)
美也(……私とにぃにの血が繋がってない?)
美也(どういうこと……)
美也(お父さん! お母さん! にぃに!)
美也(……嘘、だよね)
美也(……わかんない、わかんないよ! 美也とにぃには兄妹じゃないの?)
美也(……盗み聞きなんてするんじゃなかった)
美也(……全部夢だったらいいのに)
美也(…………)
美也(明日になったら……全部……)
美也(……全部……夢……)
美也(にぃに…………)スゥスゥ
美也(さっきの話……どういうこと?)
美也(よく聞こえなかったところもあったけど……)
美也(にぃにが言ってたのは、ハッキリと……)
美也(……私とにぃにの血が繋がってない?)
美也(どういうこと……)
美也(お父さん! お母さん! にぃに!)
美也(……嘘、だよね)
美也(……わかんない、わかんないよ! 美也とにぃには兄妹じゃないの?)
美也(……盗み聞きなんてするんじゃなかった)
美也(……全部夢だったらいいのに)
美也(…………)
美也(明日になったら……全部……)
美也(……全部……夢……)
美也(にぃに…………)スゥスゥ
17: 2011/09/16(金) 00:07:46.57 ID:CmIkCSiS0
~翌朝 橘家にて~
美也(ね、寝坊しちゃった! 早くにぃにを起こさないと!)
美也「にぃに、早く起きないと……あれ?」
美也(にぃにがいない……)
純一「……美也~ 起きたのか~?」
美也(下からだ……)
純一「おはよう、美也。お前が寝坊なんて珍しいじゃないか」
美也「お、おはよう。……にぃに、起きてたの?」
純一「それじゃあ、まるで僕が寝坊ばかりしてるみたいに聞こえるぞ」
美也「う、うん……ごめん」
美也(ね、寝坊しちゃった! 早くにぃにを起こさないと!)
美也「にぃに、早く起きないと……あれ?」
美也(にぃにがいない……)
純一「……美也~ 起きたのか~?」
美也(下からだ……)
純一「おはよう、美也。お前が寝坊なんて珍しいじゃないか」
美也「お、おはよう。……にぃに、起きてたの?」
純一「それじゃあ、まるで僕が寝坊ばかりしてるみたいに聞こえるぞ」
美也「う、うん……ごめん」
19: 2011/09/16(金) 00:10:11.06 ID:CmIkCSiS0
純一「父さんと母さんは仕事に行っちゃったから、朝はトーストとハムエッグでいいよな?」
美也「もしかして、にぃにが作ったの、これ?」
純一「僕だってこれくらいは出来るさ。それより早く準備しないと、食べる時間がなくなっちゃうぞ」
美也「う、うん。ありがと……」
純一「ほら、待っててやるから」
美也(今日のにぃに……なんだか変)
美也(昨日の……あの話のせい?)
純一「どうしたんだ、美也? 気分でも悪いのか?」
美也「だ、大丈夫! わ、私、着替えてくるね!」
純一「うん、急げよ」
美也(やっぱり変だよ……今日のにぃに)
美也(確かに、にぃにはいつも優しいけど……)
美也(…………)
美也「もしかして、にぃにが作ったの、これ?」
純一「僕だってこれくらいは出来るさ。それより早く準備しないと、食べる時間がなくなっちゃうぞ」
美也「う、うん。ありがと……」
純一「ほら、待っててやるから」
美也(今日のにぃに……なんだか変)
美也(昨日の……あの話のせい?)
純一「どうしたんだ、美也? 気分でも悪いのか?」
美也「だ、大丈夫! わ、私、着替えてくるね!」
純一「うん、急げよ」
美也(やっぱり変だよ……今日のにぃに)
美也(確かに、にぃにはいつも優しいけど……)
美也(…………)
21: 2011/09/16(金) 00:11:57.60 ID:CmIkCSiS0
~お昼休み 食堂にて~
中多「美也ちゃん?」
美也「…………」
中多「ど、どうかしたの、美也ちゃん?」
美也「……え? な、何?」
七咲「さっきから中多さんが呼んでるよ」
中多「美也ちゃん、具合でも悪いの?」
美也「だ、大丈夫、ほら! こんなに元気だから! にししし」
中多「そ、そう?」
七咲「美也ちゃん、何かイヤなことでもあった?」
美也「え? な、なにもないけど?」
七咲「ふ~ん、今日は一日上の空だったし、お昼もあまり手をつけてないし……」
美也「…………」
中多「美也ちゃん?」
美也「…………」
中多「ど、どうかしたの、美也ちゃん?」
美也「……え? な、何?」
七咲「さっきから中多さんが呼んでるよ」
中多「美也ちゃん、具合でも悪いの?」
美也「だ、大丈夫、ほら! こんなに元気だから! にししし」
中多「そ、そう?」
七咲「美也ちゃん、何かイヤなことでもあった?」
美也「え? な、なにもないけど?」
七咲「ふ~ん、今日は一日上の空だったし、お昼もあまり手をつけてないし……」
美也「…………」
22: 2011/09/16(金) 00:14:29.14 ID:CmIkCSiS0
七咲「橘先輩……お兄さんとケンカでもした?」
美也「そ、そんなことないよ~ 今日だって、にぃにと一緒に学校に来たし……」
七咲「そっか」
中多「美也ちゃん、何か悩み事でもあるの?」
美也「な、悩みなんてないよ~ にししし」
中多「だ、だったらいいんだけど……」
美也「ね、ねえ、逢ちゃんにちょっと聞きたいんだけど……」
七咲「……?」
美也「も、もしもだよ? 逢ちゃんが郁夫君と本当の姉弟じゃなかったとしたらどうする?」
七咲「ん~ 本当の兄弟だから、考えたこともないかな」
中多「やっぱり、今日の美也ちゃんおかしいよ?」
美也「だ、だから、もしもの話!」
中多「…………」ビクッ
美也「そ、そんなことないよ~ 今日だって、にぃにと一緒に学校に来たし……」
七咲「そっか」
中多「美也ちゃん、何か悩み事でもあるの?」
美也「な、悩みなんてないよ~ にししし」
中多「だ、だったらいいんだけど……」
美也「ね、ねえ、逢ちゃんにちょっと聞きたいんだけど……」
七咲「……?」
美也「も、もしもだよ? 逢ちゃんが郁夫君と本当の姉弟じゃなかったとしたらどうする?」
七咲「ん~ 本当の兄弟だから、考えたこともないかな」
中多「やっぱり、今日の美也ちゃんおかしいよ?」
美也「だ、だから、もしもの話!」
中多「…………」ビクッ
23: 2011/09/16(金) 00:15:31.56 ID:CmIkCSiS0
七咲「もしも…… 仮にそうだったとしても、郁夫とは姉弟だと思う」
美也「どういうこと?」
七咲「うん。たとえ血がつながってなかったとしても、今までずっと姉弟だったんだもの」
美也「…………」
七咲「だから、今までそうだったみたいに、これからだって姉弟のままなんだと思う」
美也「そっか…そうだよね……」
中多「美也ちゃん……」
七咲「何があったかのか、私にはわからないけど……」
美也「うん……」
七咲「美也ちゃんと橘先輩も、同じじゃないのかな?」
美也「そうだよね……心配かけてゴメンね、紗江ちゃん、逢ちゃん」
中多「ううん、早く元気出してね」
七咲「何か困ったことがあったら、いつでも言ってね」
美也「……ありがとう」
美也「どういうこと?」
七咲「うん。たとえ血がつながってなかったとしても、今までずっと姉弟だったんだもの」
美也「…………」
七咲「だから、今までそうだったみたいに、これからだって姉弟のままなんだと思う」
美也「そっか…そうだよね……」
中多「美也ちゃん……」
七咲「何があったかのか、私にはわからないけど……」
美也「うん……」
七咲「美也ちゃんと橘先輩も、同じじゃないのかな?」
美也「そうだよね……心配かけてゴメンね、紗江ちゃん、逢ちゃん」
中多「ううん、早く元気出してね」
七咲「何か困ったことがあったら、いつでも言ってね」
美也「……ありがとう」
24: 2011/09/16(金) 00:18:43.88 ID:CmIkCSiS0
~放課後 通学路にて~
美也(紗江ちゃんと逢ちゃんに心配掛けちゃった……)
美也(……元気出さなきゃ)
美也(また二人に心配掛けちゃう……)
美也(…………)
森島「み~やちゃん!」ギュッ
美也「きゃあ!?」
森島「あれ? どうしたの?」
美也「も、森島先輩?」
塚原「はるか、いきなり後から抱きついたら、美也ちゃんじゃなくても驚くよ」
森島「ふふっ、美也ちゃんの後姿がと~ってもキュートだったから、つい♪」
美也「塚原先輩も……」
塚原「今帰り?」
美也「は、はい。塚原先輩は部活じゃないんですか?」
塚原「うん。もう3月になったし、さすがにね。泳ぎたくなった時は顔を出させてもらってるけど」
美也(紗江ちゃんと逢ちゃんに心配掛けちゃった……)
美也(……元気出さなきゃ)
美也(また二人に心配掛けちゃう……)
美也(…………)
森島「み~やちゃん!」ギュッ
美也「きゃあ!?」
森島「あれ? どうしたの?」
美也「も、森島先輩?」
塚原「はるか、いきなり後から抱きついたら、美也ちゃんじゃなくても驚くよ」
森島「ふふっ、美也ちゃんの後姿がと~ってもキュートだったから、つい♪」
美也「塚原先輩も……」
塚原「今帰り?」
美也「は、はい。塚原先輩は部活じゃないんですか?」
塚原「うん。もう3月になったし、さすがにね。泳ぎたくなった時は顔を出させてもらってるけど」
27: 2011/09/16(金) 00:21:04.51 ID:CmIkCSiS0
森島「美也ちゃん……元気がないみたいだけど、何かあったの?」
美也「そ、そんなことないです!」
塚原「うん、橘君が言ってたとおりだね」
美也「にぃ……お、お兄ちゃんが?」
森島「今日のお昼に会った時にね。橘君が『美也の様子がおかしい』ってすっごく心配してたのよ」
美也「お兄ちゃんがそんなことを……」
森島「橘君が美也ちゃんのことをいじめたんなら、『めっ!』ってしなきゃ、って思ってたんだけど」
塚原「うん。二人の様子から、ケンカをしてる訳でもなさそうだし……余計な口出しだったかな」
美也「そ、そんなこと……ありがとうございます」
森島「こ~んなにキュートな美也ちゃんの元気がなかったら、誰だって心配するわよ」スリスリ
美也「そ、そんなことないです!」
塚原「うん、橘君が言ってたとおりだね」
美也「にぃ……お、お兄ちゃんが?」
森島「今日のお昼に会った時にね。橘君が『美也の様子がおかしい』ってすっごく心配してたのよ」
美也「お兄ちゃんがそんなことを……」
森島「橘君が美也ちゃんのことをいじめたんなら、『めっ!』ってしなきゃ、って思ってたんだけど」
塚原「うん。二人の様子から、ケンカをしてる訳でもなさそうだし……余計な口出しだったかな」
美也「そ、そんなこと……ありがとうございます」
森島「こ~んなにキュートな美也ちゃんの元気がなかったら、誰だって心配するわよ」スリスリ
28: 2011/09/16(金) 00:23:02.04 ID:CmIkCSiS0
塚原「えっと……美也ちゃんは、これから時間あるかな?」
美也「え、は、はい」
森島「あのね、これから、ひびきちゃんとお買い物に行くんだけど、よかったら一緒に行かない?」
塚原「はるかが、どうしても見たいお店があるっていうからね」
美也「で、でも……」
森島「ダッ君の新しいグッズが出たみたいなの♪ ね、美也ちゃんも一緒に見に行きましょ?」
塚原「美也ちゃんが来てくれると助かるんだけどな~ 私一人じゃ、はるかの相手をするのも大変なの」クスッ
森島「も~ ひびきちゃんたらヒドい!」プンプン
美也「そ、そういうことでしたら……」
森島「わお。ホントに? やったね♪」
塚原「ありがとう、美也ちゃん」
美也「え、は、はい」
森島「あのね、これから、ひびきちゃんとお買い物に行くんだけど、よかったら一緒に行かない?」
塚原「はるかが、どうしても見たいお店があるっていうからね」
美也「で、でも……」
森島「ダッ君の新しいグッズが出たみたいなの♪ ね、美也ちゃんも一緒に見に行きましょ?」
塚原「美也ちゃんが来てくれると助かるんだけどな~ 私一人じゃ、はるかの相手をするのも大変なの」クスッ
森島「も~ ひびきちゃんたらヒドい!」プンプン
美也「そ、そういうことでしたら……」
森島「わお。ホントに? やったね♪」
塚原「ありがとう、美也ちゃん」
29: 2011/09/16(金) 00:24:33.28 ID:CmIkCSiS0
美也(森島先輩と塚原先輩……すごく優しい……)ポロポロ……
塚原「ど、どうしたの!?」
美也「……何でもないんです。何だか、とても嬉しくって……」
森島「ひびきちゃん、美也ちゃんを泣かせたら『めっ!』なんだから!」
塚原「わ、わたしのせいなの?」
美也「…………」フルフル
森島「美也ちゃん、女の子が涙を見せていいのは、好きな男の子の前だけよ?」ニコッ
美也「……に、にしし」
森島「うん、グーよ美也ちゃん♪」ナデナデ
塚原「ど、どうしたの!?」
美也「……何でもないんです。何だか、とても嬉しくって……」
森島「ひびきちゃん、美也ちゃんを泣かせたら『めっ!』なんだから!」
塚原「わ、わたしのせいなの?」
美也「…………」フルフル
森島「美也ちゃん、女の子が涙を見せていいのは、好きな男の子の前だけよ?」ニコッ
美也「……に、にしし」
森島「うん、グーよ美也ちゃん♪」ナデナデ
31: 2011/09/16(金) 00:27:50.89 ID:CmIkCSiS0
~夜 帰り道にて~
桜井「……美也ちゃん?」
美也「あ、りほちゃん!」
桜井「こんな時間に珍しいね~ 今帰り?」
美也「うん、森島先輩たちと買い物してたの」
桜井「へ~そうなんだ? 純一は一緒じゃないの?」
美也「にしし 今日はみゃーと先輩たちだけだよ」
桜井「そっか~ 純一が聞いたらきっと悔しがるね~」
美也「……たまにはいいもん」
桜井「どうして?」
美也「先輩たちと一緒にいるにぃには、鼻の下が伸びてるから、あんまり好きじゃないの……」
桜井「しょうがないよ~ 森島先輩たちはあんなにキレイなんだもん」
美也「キレイなだけじゃなくて優しいの……にぃにが鼻の下を伸ばすの、わかるんだけど……」
桜井「う~ん……」
桜井「……美也ちゃん?」
美也「あ、りほちゃん!」
桜井「こんな時間に珍しいね~ 今帰り?」
美也「うん、森島先輩たちと買い物してたの」
桜井「へ~そうなんだ? 純一は一緒じゃないの?」
美也「にしし 今日はみゃーと先輩たちだけだよ」
桜井「そっか~ 純一が聞いたらきっと悔しがるね~」
美也「……たまにはいいもん」
桜井「どうして?」
美也「先輩たちと一緒にいるにぃには、鼻の下が伸びてるから、あんまり好きじゃないの……」
桜井「しょうがないよ~ 森島先輩たちはあんなにキレイなんだもん」
美也「キレイなだけじゃなくて優しいの……にぃにが鼻の下を伸ばすの、わかるんだけど……」
桜井「う~ん……」
34: 2011/09/16(金) 00:31:24.63 ID:CmIkCSiS0
美也「りほちゃんみたいに可愛い幼なじみがいるのに……にぃにったら、どうしようもないんだから」
桜井「そ、そんなことないよ~///」
美也「ううん、最近だってりほちゃんのこと、ほったらかしだし」
桜井「でも、昔は三人でよく遊んでたよね~」
美也「うん、毎日三人で遊んでたもんね」
桜井「また三人で遊べたら楽しいだろうな~」
美也「……うん。りほちゃんはお買い物?」
桜井「そうなの。お醤油が足りなくなっちゃったから、買ってきてって頼まれちゃって」
美也「……ねえ、りほちゃん」
桜井「な~に、美也ちゃん?」
美也「りほちゃんは、にぃにのことどう思ってるの?」
桜井「ふえ? じゅ、純一は幼なじみだし……い、今でもいいお友達かなって///」
美也「そうじゃなくて……りほちゃんはにぃにのこと好き?」
桜井「え、えと……ぁ……///」
桜井「そ、そんなことないよ~///」
美也「ううん、最近だってりほちゃんのこと、ほったらかしだし」
桜井「でも、昔は三人でよく遊んでたよね~」
美也「うん、毎日三人で遊んでたもんね」
桜井「また三人で遊べたら楽しいだろうな~」
美也「……うん。りほちゃんはお買い物?」
桜井「そうなの。お醤油が足りなくなっちゃったから、買ってきてって頼まれちゃって」
美也「……ねえ、りほちゃん」
桜井「な~に、美也ちゃん?」
美也「りほちゃんは、にぃにのことどう思ってるの?」
桜井「ふえ? じゅ、純一は幼なじみだし……い、今でもいいお友達かなって///」
美也「そうじゃなくて……りほちゃんはにぃにのこと好き?」
桜井「え、えと……ぁ……///」
36: 2011/09/16(金) 00:34:21.98 ID:CmIkCSiS0
美也「……にぃにのこと、好き?」
桜井「……うん、好きだよ///」
美也「そっか……良かった」
桜井「……どうかしたの、美也ちゃん?」
美也「うん、なんでもないの……」
桜井「純一と……何かあったの、かな?」
美也「…………」
桜井「…………」
美也「りほちゃん」
桜井「なにかな?」
桜井「……うん、好きだよ///」
美也「そっか……良かった」
桜井「……どうかしたの、美也ちゃん?」
美也「うん、なんでもないの……」
桜井「純一と……何かあったの、かな?」
美也「…………」
桜井「…………」
美也「りほちゃん」
桜井「なにかな?」
37: 2011/09/16(金) 00:35:57.62 ID:CmIkCSiS0
美也「……また三人で遊びたいね、昔みたいに」
桜井「……うん、遊べたらいいね」
美也「そうだ! 今度、三人で遊園地に行かない?」
桜井「三人で? で、でも、純一が……」
美也「にぃにには、みゃーが話をするから、ね?」
桜井「……美也ちゃんがそう言ってくれるなら……喜んでお願いするよ」
美也「うん、約束だからね!」
桜井「わかった、約束だよ」ニコッ
桜井「……うん、遊べたらいいね」
美也「そうだ! 今度、三人で遊園地に行かない?」
桜井「三人で? で、でも、純一が……」
美也「にぃにには、みゃーが話をするから、ね?」
桜井「……美也ちゃんがそう言ってくれるなら……喜んでお願いするよ」
美也「うん、約束だからね!」
桜井「わかった、約束だよ」ニコッ
39: 2011/09/16(金) 00:38:12.04 ID:CmIkCSiS0
~夜 橘家にて~
美也「ただいま~」
純一「おかえり、美也。ずいぶん遅かったな」
美也「にしししっ 森島先輩と塚原先輩と三人で買い物してたの♪」
純一「も、森島先輩たちと……何てうやらましい」
美也「ダッ君の新しいグッズが出たから、森島先輩と一緒に買ったんだ~♪」
純一「も、森島先輩とお揃い……ずるいぞ、美也!」
美也「はい、にぃにには、これ!」
純一「こ、これは……」
美也「にしし、まんま肉まんだよ♪」
純一「ま、まんま肉まんかぁ……」
美也「いらないなら、みゃーが食べちゃうよ」
純一「い、いらないなんて言ってないだろ……ありがたくもらうよ」
美也「そうそう、素直なのが一番だよ、にししし」
純一「…………」
美也「ただいま~」
純一「おかえり、美也。ずいぶん遅かったな」
美也「にしししっ 森島先輩と塚原先輩と三人で買い物してたの♪」
純一「も、森島先輩たちと……何てうやらましい」
美也「ダッ君の新しいグッズが出たから、森島先輩と一緒に買ったんだ~♪」
純一「も、森島先輩とお揃い……ずるいぞ、美也!」
美也「はい、にぃにには、これ!」
純一「こ、これは……」
美也「にしし、まんま肉まんだよ♪」
純一「ま、まんま肉まんかぁ……」
美也「いらないなら、みゃーが食べちゃうよ」
純一「い、いらないなんて言ってないだろ……ありがたくもらうよ」
美也「そうそう、素直なのが一番だよ、にししし」
純一「…………」
41: 2011/09/16(金) 00:40:38.40 ID:CmIkCSiS0
美也「どうしたの、にぃに?」
純一「うん、美也が元気になったみたいで良かったな、って」
美也「にぃに……みゃーのこと、心配してくれてたんだよね、ありがと」
純一「……バカ、妹のこと心配しない兄がどこにいるんだ」
美也「にぃに……」
純一「どうした、美也?」
美也「お願いがあるんだけど……聞いてくれる?」
純一「お願い? なんだよ」
美也「今度のお休みなんだけど……」
純一「うん」
美也「遊園地に連れてってほしいの」
純一「遊園地に? どうしたんだ急に?」
美也「どうもこうもなくて……にぃにと遊園地に行きたいの!」
純一「う~ん」
純一「うん、美也が元気になったみたいで良かったな、って」
美也「にぃに……みゃーのこと、心配してくれてたんだよね、ありがと」
純一「……バカ、妹のこと心配しない兄がどこにいるんだ」
美也「にぃに……」
純一「どうした、美也?」
美也「お願いがあるんだけど……聞いてくれる?」
純一「お願い? なんだよ」
美也「今度のお休みなんだけど……」
純一「うん」
美也「遊園地に連れてってほしいの」
純一「遊園地に? どうしたんだ急に?」
美也「どうもこうもなくて……にぃにと遊園地に行きたいの!」
純一「う~ん」
42: 2011/09/16(金) 00:42:37.83 ID:CmIkCSiS0
美也「……だめ?」
純一「……いいよ、今度の日曜だな」
美也「やった! にぃに、だーい好き!」
純一「こ、こら、現金なやつだな」
美也「それでさ……りほちゃんも一緒なんだけど、いいかな?」
純一「り、梨穂子も?」
美也「昔みたいに、三人で遊びたいの……だめ?」
純一「で、でも梨穂子が何て言うか……」
美也「りほちゃんには、みゃーから話をするから!」
純一「わ、わかったよ。美也がそこまで言うなら」
美也「にしししっ。約束だからね、にぃに」
純一「わかった、約束する」
純一「……いいよ、今度の日曜だな」
美也「やった! にぃに、だーい好き!」
純一「こ、こら、現金なやつだな」
美也「それでさ……りほちゃんも一緒なんだけど、いいかな?」
純一「り、梨穂子も?」
美也「昔みたいに、三人で遊びたいの……だめ?」
純一「で、でも梨穂子が何て言うか……」
美也「りほちゃんには、みゃーから話をするから!」
純一「わ、わかったよ。美也がそこまで言うなら」
美也「にしししっ。約束だからね、にぃに」
純一「わかった、約束する」
43: 2011/09/16(金) 00:45:20.52 ID:CmIkCSiS0
~土曜日夜 美也の部屋にて~
美也(にぃにと、りほちゃんと三人で遊園地かぁ)
美也(なんだか昔に戻ったみたい……)
美也(血が繋がってるとか本当の兄妹とか……)
美也(そんなこと……)
美也(紗江ちゃん、逢ちゃん……)
美也(森島先輩、塚原先輩……)
美也(りほちゃん、にぃに……)
美也(……ありがとう)
美也(…………)
美也(早く日曜日にならないかな……)
美也(すごく……楽しみ……)
美也(約束……だからね……)
美也(…………)スゥスゥ
美也(にぃにと、りほちゃんと三人で遊園地かぁ)
美也(なんだか昔に戻ったみたい……)
美也(血が繋がってるとか本当の兄妹とか……)
美也(そんなこと……)
美也(紗江ちゃん、逢ちゃん……)
美也(森島先輩、塚原先輩……)
美也(りほちゃん、にぃに……)
美也(……ありがとう)
美也(…………)
美也(早く日曜日にならないかな……)
美也(すごく……楽しみ……)
美也(約束……だからね……)
美也(…………)スゥスゥ
44: 2011/09/16(金) 00:46:58.01 ID:CmIkCSiS0
~日曜日 橘家にて~
美也「ほら、にぃに早く早く!」
純一「そ、そんなに急かすなよ」
美也「だって、遅くなっちゃうよ!」
純一「まだ、約束の時間まで、かなりあるじゃないか」
美也「りほちゃん、絶対に早く来てるはずだから。だから、は~や~く!」
純一「こ、こら、引っ張るな、美也!」
美也「ほら、にぃに早く早く!」
純一「そ、そんなに急かすなよ」
美也「だって、遅くなっちゃうよ!」
純一「まだ、約束の時間まで、かなりあるじゃないか」
美也「りほちゃん、絶対に早く来てるはずだから。だから、は~や~く!」
純一「こ、こら、引っ張るな、美也!」
47: 2011/09/16(金) 00:49:27.35 ID:CmIkCSiS0
~待ち合わせ30分前 駅前にて~
桜井(は、早く来過ぎちゃったかな……)
桜井(でも、遅刻するよりはいいよね?)
桜井(…………)
桜井(服……変じゃないよね?)キョロキョロ
桜井(……うん、大丈夫、かな)
桜井(純一と美也ちゃんと三人で遊ぶなんて、久しぶりだよ~)
桜井(ど、どうしよう……緊張してきちゃった~)
美也「……ほら。やっぱり、りほちゃん来てるよ」
純一「ほ、ほんとだ……」
桜井(あ……)
桜井「純一、美也ちゃん、はお~♪」
美也「はお~♪」
純一「それ、もう流行ってないんだろ?」
桜井「いいじゃない、別に~」
桜井(は、早く来過ぎちゃったかな……)
桜井(でも、遅刻するよりはいいよね?)
桜井(…………)
桜井(服……変じゃないよね?)キョロキョロ
桜井(……うん、大丈夫、かな)
桜井(純一と美也ちゃんと三人で遊ぶなんて、久しぶりだよ~)
桜井(ど、どうしよう……緊張してきちゃった~)
美也「……ほら。やっぱり、りほちゃん来てるよ」
純一「ほ、ほんとだ……」
桜井(あ……)
桜井「純一、美也ちゃん、はお~♪」
美也「はお~♪」
純一「それ、もう流行ってないんだろ?」
桜井「いいじゃない、別に~」
48: 2011/09/16(金) 00:52:22.66 ID:CmIkCSiS0
美也「りほちゃん、今日の服すっごく可愛いね~」
桜井「えへへ。そ、そうかな?///」
美也「うん、その帽子もすっごく可愛くて似合ってる!」
桜井「あ、これはお母さんが似合うからって。美也ちゃんも今日の服、すごく可愛いよ」
美也「にしし、ありがと///」
純一(何だか……話に入っていけない……)
純一(確かに今日の梨穂子は……ちょっと見違えた感じがする、かな?)
純一(美也も今日は……朝から頑張ってたみたいだし)
美也「にぃにも黙ってないで、りほちゃんに何か言ってあげたら!」
純一「え?」
桜井「ふえ?」
桜井「えへへ。そ、そうかな?///」
美也「うん、その帽子もすっごく可愛くて似合ってる!」
桜井「あ、これはお母さんが似合うからって。美也ちゃんも今日の服、すごく可愛いよ」
美也「にしし、ありがと///」
純一(何だか……話に入っていけない……)
純一(確かに今日の梨穂子は……ちょっと見違えた感じがする、かな?)
純一(美也も今日は……朝から頑張ってたみたいだし)
美也「にぃにも黙ってないで、りほちゃんに何か言ってあげたら!」
純一「え?」
桜井「ふえ?」
49: 2011/09/16(金) 00:54:24.47 ID:CmIkCSiS0
美也「ほら、早く!」
純一「え、えーと、なんだ……」
桜井「う、うん///」
純一「その……うん、似合ってるんじゃないか///」
桜井「あ、ありがと///」
美也「にししし。良かったね、りほちゃん♪」
桜井「う、うん///」
純一「ほ、ほら、そろそろ行くぞ」
桜井「そ、そうだね///」
美也「は~い♪」
純一「え、えーと、なんだ……」
桜井「う、うん///」
純一「その……うん、似合ってるんじゃないか///」
桜井「あ、ありがと///」
美也「にししし。良かったね、りほちゃん♪」
桜井「う、うん///」
純一「ほ、ほら、そろそろ行くぞ」
桜井「そ、そうだね///」
美也「は~い♪」
51: 2011/09/16(金) 00:57:45.73 ID:CmIkCSiS0
~キビトランド園内~
桜井「遊園地に来るのなんて、久しぶりだよね~」
純一「そうだな、たまにはいいかもな」
美也「ねぇねぇ、最初は何に乗ろっか?」
純一「11時からきびにゃんショーがあるみたいだけど、見るんだろ?」
美也「もっちろん!」
桜井「それなら、最初はあまり並ばない乗り物の方がいいかな?」
純一「そうだな、じゃあこれなんか……」
美也「あれがいいよ! 行こっ!」
純一「こ、こら! 引っ張るな」
桜井「み、美也ちゃん、転んじゃうよ」
桜井「遊園地に来るのなんて、久しぶりだよね~」
純一「そうだな、たまにはいいかもな」
美也「ねぇねぇ、最初は何に乗ろっか?」
純一「11時からきびにゃんショーがあるみたいだけど、見るんだろ?」
美也「もっちろん!」
桜井「それなら、最初はあまり並ばない乗り物の方がいいかな?」
純一「そうだな、じゃあこれなんか……」
美也「あれがいいよ! 行こっ!」
純一「こ、こら! 引っ張るな」
桜井「み、美也ちゃん、転んじゃうよ」
52: 2011/09/16(金) 00:59:31.42 ID:CmIkCSiS0
美也「いいから、早く~」
純一(何だか昔に戻ったみたいだな……)
桜井(美也ちゃん……ありがとう)
美也「ほら! にぃにとりほちゃんも手をつないで!」
純一&桜井「……え!?」
美也「ほら、早く!」
純一「え、えと……ほ、ほら///(さ、流石にこれは……あり、なのか?)」ギュッ
桜井「ん、んと……う、うん///(ちょ、ちょっと積極的過ぎ、だよね?)」ギュッ
美也「にししし!」
純一(何だか昔に戻ったみたいだな……)
桜井(美也ちゃん……ありがとう)
美也「ほら! にぃにとりほちゃんも手をつないで!」
純一&桜井「……え!?」
美也「ほら、早く!」
純一「え、えと……ほ、ほら///(さ、流石にこれは……あり、なのか?)」ギュッ
桜井「ん、んと……う、うん///(ちょ、ちょっと積極的過ぎ、だよね?)」ギュッ
美也「にししし!」
53: 2011/09/16(金) 01:01:11.17 ID:CmIkCSiS0
~お昼 園内食堂にて~
桜井「あの爆発が起きた時は、もうダメかと思ったよ~」
純一(僕にもダメに見えたぞ。ぬいぐるみに火がついてたし)
美也「ほんと、ほんと! きびにゃんがガケの上から出てきた時はびっくりしちゃったもん」
純一(いや……あれは別のきびにゃんだろ……火がついてるきびにゃんは池に飛び込んでたから)
桜井&美也「ほんと、面白かったよね~」
純一(色んな意味で面白かったのは確かだな)
桜井「このあとはどうしようか?」
美也「う~ん、観覧車は……ダメだよね」
純一「うん、乗るなら二人で行ってくればいいよ、僕は下で待ってるから」
桜井&美也「そっかぁ……う~~~ん」
純一(二人とも、まるで小さな子供だな……)
桜井「あの爆発が起きた時は、もうダメかと思ったよ~」
純一(僕にもダメに見えたぞ。ぬいぐるみに火がついてたし)
美也「ほんと、ほんと! きびにゃんがガケの上から出てきた時はびっくりしちゃったもん」
純一(いや……あれは別のきびにゃんだろ……火がついてるきびにゃんは池に飛び込んでたから)
桜井&美也「ほんと、面白かったよね~」
純一(色んな意味で面白かったのは確かだな)
桜井「このあとはどうしようか?」
美也「う~ん、観覧車は……ダメだよね」
純一「うん、乗るなら二人で行ってくればいいよ、僕は下で待ってるから」
桜井&美也「そっかぁ……う~~~ん」
純一(二人とも、まるで小さな子供だな……)
54: 2011/09/16(金) 01:03:17.76 ID:CmIkCSiS0
純一「ほら、二人ともついてる」スッ
桜井&美也「えっ?」
純一「ほっぺたに食べかす。ほら?」
美也「に、にぃに!///」
桜井「は、恥ずかしいよ~///」
純一「あはは、恥ずかしいのは二人の方だろ。まるで、子供みたいだよ」
美也「むぅ~~~」
純一「それで、どうするか決めたのか?」
桜井「やっぱり、三人で遊べるのがいいよね~」
美也「うんうん」
純一「う~ん……じゃぁ、これなんてどうだ?」
桜井「あ、あはは。これは……どうなのかな?」チラッ
美也「だ、大丈夫……だと思う」チラッ
純一「じゃあ、これに決まりだな」
桜井&美也「えっ?」
純一「ほっぺたに食べかす。ほら?」
美也「に、にぃに!///」
桜井「は、恥ずかしいよ~///」
純一「あはは、恥ずかしいのは二人の方だろ。まるで、子供みたいだよ」
美也「むぅ~~~」
純一「それで、どうするか決めたのか?」
桜井「やっぱり、三人で遊べるのがいいよね~」
美也「うんうん」
純一「う~ん……じゃぁ、これなんてどうだ?」
桜井「あ、あはは。これは……どうなのかな?」チラッ
美也「だ、大丈夫……だと思う」チラッ
純一「じゃあ、これに決まりだな」
55: 2011/09/16(金) 01:05:31.63 ID:CmIkCSiS0
~ホラーハウスにて~
桜井「ね、ねえ、思ってたより怖そうじゃない?」
美也「う、うん……」
純一「そうかな? 三人で入るんだから平気だよ」
桜井「あはは、平気……だよね?」
美也「い、いざとなったら、にぃにが助けてくれるよ!」
純一「う~ん、どうだろう?」
桜井「じゅ、純一?」
美也「に、にぃに?」
純一「あはは、僕で良かったから助けてやるから」
桜井&美也「……ほっ」
純一「それじゃあ、入ろうか?」
桜井&美也「う、うん……」
…………
桜井「ね、ねえ、思ってたより怖そうじゃない?」
美也「う、うん……」
純一「そうかな? 三人で入るんだから平気だよ」
桜井「あはは、平気……だよね?」
美也「い、いざとなったら、にぃにが助けてくれるよ!」
純一「う~ん、どうだろう?」
桜井「じゅ、純一?」
美也「に、にぃに?」
純一「あはは、僕で良かったから助けてやるから」
桜井&美也「……ほっ」
純一「それじゃあ、入ろうか?」
桜井&美也「う、うん……」
…………
59: 2011/09/16(金) 01:08:50.31 ID:CmIkCSiS0
美也「く、暗いね……」
桜井「そ、そうだね……」
純一「暗くないと雰囲気が出ないだろ」
美也「そ、そうだけど……」
桜井「きゃっ!?」
美也「り、りほちゃん?」
桜井「きゅ、急に床が……」
純一「何だこれ……床が柔らかくなってる」
美也「大丈夫、りほちゃん?」
桜井「へ、平気だけど……歩きにくいね」
美也「う、うん……」
純一「二人とも大丈夫か?」
桜井&美也「う、うん」
桜井「そ、そうだね……」
純一「暗くないと雰囲気が出ないだろ」
美也「そ、そうだけど……」
桜井「きゃっ!?」
美也「り、りほちゃん?」
桜井「きゅ、急に床が……」
純一「何だこれ……床が柔らかくなってる」
美也「大丈夫、りほちゃん?」
桜井「へ、平気だけど……歩きにくいね」
美也「う、うん……」
純一「二人とも大丈夫か?」
桜井&美也「う、うん」
60: 2011/09/16(金) 01:11:01.57 ID:CmIkCSiS0
純一「じゃあ、先に進もうか」
桜井「ま、待ってよ、純一」ギュッ
美也「お、置いてかないで、にぃに」ギュッ
純一(はぁ……仕方がないか)
…………
美也「あ……向こうの方、なんだか明るくなってる」
桜井「ほんとだ~ もう終わりかな?」
純一「いや、まだ真ん中ぐらいじゃないかな? かなり大きな建物だったから」
桜井「そっかあ……」
美也「なんだろう、これ?」
純一「いかにも怪しい台の上に、怪しい水晶玉が置いてあるな」
桜井「何か書いてあるよ? えっと『宝を求める者。我に手をかざせ』だって」
美也「お宝は欲しいけど……やっぱり罠だよね?」
純一「うん、どこからどう見ても罠だろうな」
桜井「ま、待ってよ、純一」ギュッ
美也「お、置いてかないで、にぃに」ギュッ
純一(はぁ……仕方がないか)
…………
美也「あ……向こうの方、なんだか明るくなってる」
桜井「ほんとだ~ もう終わりかな?」
純一「いや、まだ真ん中ぐらいじゃないかな? かなり大きな建物だったから」
桜井「そっかあ……」
美也「なんだろう、これ?」
純一「いかにも怪しい台の上に、怪しい水晶玉が置いてあるな」
桜井「何か書いてあるよ? えっと『宝を求める者。我に手をかざせ』だって」
美也「お宝は欲しいけど……やっぱり罠だよね?」
純一「うん、どこからどう見ても罠だろうな」
61: 2011/09/16(金) 01:13:38.12 ID:CmIkCSiS0
桜井「どうしよう?」
純一「せっかくだし、三人一緒に手をかざさないか?」
美也「……わ、わかった」
桜井「ふ、二人がそういうなら……」
純一「それじゃあ」スッ
桜井&美也「う、うん」スッ
ゴゴゴゴゴッ!
純一「な、何だ!?」
桜井「な、何の音?」
美也「わ、わかんないよ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
純一「だんだん、音が大きくなってきてる……」
??『我が財宝を盗みに来たのはお前か~~』
美也「きゃあ!?」
桜井「な、えっ?」
純一「せっかくだし、三人一緒に手をかざさないか?」
美也「……わ、わかった」
桜井「ふ、二人がそういうなら……」
純一「それじゃあ」スッ
桜井&美也「う、うん」スッ
ゴゴゴゴゴッ!
純一「な、何だ!?」
桜井「な、何の音?」
美也「わ、わかんないよ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
純一「だんだん、音が大きくなってきてる……」
??『我が財宝を盗みに来たのはお前か~~』
美也「きゃあ!?」
桜井「な、えっ?」
62: 2011/09/16(金) 01:15:57.22 ID:CmIkCSiS0
??『我が財宝を盗みに来たのはお前か~~』
ウオオオ~~~~~ン!
桜井「み、ミイラ!?」
美也「に、にぃに!」
キング『我が財宝を盗みに来た愚か者よ! 千年王国の呪いをその身で受けるがいい!』
ウオオオ~~~~~ン! ボゥーン!
純一「うわっ!? な、何だこの煙!?」
美也「ごほっ、ごほっ、に、にぃに! りほちゃん!」
桜井「ごほっ、じゅ、純一? 美也ちゃん? ……ごほっ、大丈夫?」
純一「ぼ、僕は大丈夫……」
桜井「わ、私も……け、煙が晴れてきたみたい……」
美也「すごい煙だったね……」
純一「……あ、あれ?」
ウオオオ~~~~~ン!
桜井「み、ミイラ!?」
美也「に、にぃに!」
キング『我が財宝を盗みに来た愚か者よ! 千年王国の呪いをその身で受けるがいい!』
ウオオオ~~~~~ン! ボゥーン!
純一「うわっ!? な、何だこの煙!?」
美也「ごほっ、ごほっ、に、にぃに! りほちゃん!」
桜井「ごほっ、じゅ、純一? 美也ちゃん? ……ごほっ、大丈夫?」
純一「ぼ、僕は大丈夫……」
桜井「わ、私も……け、煙が晴れてきたみたい……」
美也「すごい煙だったね……」
純一「……あ、あれ?」
63: 2011/09/16(金) 01:18:40.06 ID:CmIkCSiS0
美也「どうしたの、にぃに?」
純一「い、いや……美也、だよな?」
美也「何言ってるの! みゃーはみゃーだよ!」
桜井「あれ……?」
純一「こ、こっちは……梨穂子か?」
桜井「う、うん……ふ、ふぇ? ……美也ちゃん?」
美也「う、うん……あれ? えっと……りほちゃん?」
純一「ふ、二人が小さな子供になってる?!」
桜井&美也「えええぇぇぇぇぇえええ!!」
美也「こ、これ……どういうこと?」
桜井「わ、わかんないよ~」
美也「どうして、にぃには何も変わってないの?」
純一「それはこっちが聞きたいよ。どうして二人は子供になってるんだ?」
桜井&美也「……わかんない」
純一「い、いや……美也、だよな?」
美也「何言ってるの! みゃーはみゃーだよ!」
桜井「あれ……?」
純一「こ、こっちは……梨穂子か?」
桜井「う、うん……ふ、ふぇ? ……美也ちゃん?」
美也「う、うん……あれ? えっと……りほちゃん?」
純一「ふ、二人が小さな子供になってる?!」
桜井&美也「えええぇぇぇぇぇえええ!!」
美也「こ、これ……どういうこと?」
桜井「わ、わかんないよ~」
美也「どうして、にぃには何も変わってないの?」
純一「それはこっちが聞きたいよ。どうして二人は子供になってるんだ?」
桜井&美也「……わかんない」
65: 2011/09/16(金) 01:19:57.12 ID:CmIkCSiS0
??『宝を求めし愚か者よ。呪いを解きたければ先に進むがよい』
純一「……アトラクションの仕掛けなのか?」
美也「こんなアトラクション、聞いたことないよ!」
桜井「どうしよう……」
純一「あ、アトラクションなら、とにかく先に進むしかないんじゃないか?」
桜井「そ、そうだよね」
美也「……うん」
…………
純一「……アトラクションの仕掛けなのか?」
美也「こんなアトラクション、聞いたことないよ!」
桜井「どうしよう……」
純一「あ、アトラクションなら、とにかく先に進むしかないんじゃないか?」
桜井「そ、そうだよね」
美也「……うん」
…………
67: 2011/09/16(金) 01:23:20.72 ID:CmIkCSiS0
純一「今度はガレキで足場が悪くなってきたな……」
美也「きゃっ!?」ドテ
桜井「み、美也ちゃん?」
純一「大丈夫か、美也?」
美也「いたたたたっ……大丈夫だけど、歩きにくくて……」
純一「ほら。美也、手をかせ」
美也「ありがと、にぃに」ギュッ
純一「梨穂子も。歩きにくいだろ?」
桜井「あ、ありがとう、純一///」ギュッ
純一「転ぶと危ないから、ゆっくり先に進もう」
桜井&美也「う、うん」
純一「……どうしたんだ、梨穂子?」
桜井「こうして純一に手を引かれていると、小さい頃のこと思い出すな~」
美也「うん……遊びに行く時も帰る時も……こうしてにぃにが手を引いてくれたよね……」
純一「ああ……そんなこともあったかな……」
美也「きゃっ!?」ドテ
桜井「み、美也ちゃん?」
純一「大丈夫か、美也?」
美也「いたたたたっ……大丈夫だけど、歩きにくくて……」
純一「ほら。美也、手をかせ」
美也「ありがと、にぃに」ギュッ
純一「梨穂子も。歩きにくいだろ?」
桜井「あ、ありがとう、純一///」ギュッ
純一「転ぶと危ないから、ゆっくり先に進もう」
桜井&美也「う、うん」
純一「……どうしたんだ、梨穂子?」
桜井「こうして純一に手を引かれていると、小さい頃のこと思い出すな~」
美也「うん……遊びに行く時も帰る時も……こうしてにぃにが手を引いてくれたよね……」
純一「ああ……そんなこともあったかな……」
70: 2011/09/16(金) 01:26:48.83 ID:CmIkCSiS0
美也「もっと遊びたい時でも、帰る時間になったら、みゃーたちの手を引いて……」
桜井「あの頃の純一は、時間にうるさかったもんね~」クスッ
純一「それじゃあ、今の僕が時間にルーズみたいじゃないか」
桜井「えへへ、そんなこと言ってないよ」
美也「に、にぃに……」
純一「うん? どうした美也」
美也「も、もしもだよ? みゃーたちが元に戻れなくても……」
純一「うん……」
美也「にぃには、みゃーたちと一緒にいてくれる?」
桜井「み、美也ちゃん……」
美也「これからも……みゃーが困ったら、こうして手を引いてくれる?」
純一「……それは無理だよ」
美也「……え?」
桜井「あの頃の純一は、時間にうるさかったもんね~」クスッ
純一「それじゃあ、今の僕が時間にルーズみたいじゃないか」
桜井「えへへ、そんなこと言ってないよ」
美也「に、にぃに……」
純一「うん? どうした美也」
美也「も、もしもだよ? みゃーたちが元に戻れなくても……」
純一「うん……」
美也「にぃには、みゃーたちと一緒にいてくれる?」
桜井「み、美也ちゃん……」
美也「これからも……みゃーが困ったら、こうして手を引いてくれる?」
純一「……それは無理だよ」
美也「……え?」
73: 2011/09/16(金) 01:30:50.97 ID:CmIkCSiS0
純一「美也には美也の、梨穂子には梨穂子の、僕には僕の人生があるんだから……」
美也「で、でも……」
純一「それに……まだ先の話かもしれないけど……」
美也「……?」
純一「大学生になったら、家を出ようかって考えてるんだ」
美也「う、うそ……」
純一「まだ、大学に受かった訳じゃないから、わから……」
美也「そ、そんな話聞いてない!」
桜井「……美也ちゃん?」
美也「で、でも……」
純一「それに……まだ先の話かもしれないけど……」
美也「……?」
純一「大学生になったら、家を出ようかって考えてるんだ」
美也「う、うそ……」
純一「まだ、大学に受かった訳じゃないから、わから……」
美也「そ、そんな話聞いてない!」
桜井「……美也ちゃん?」
74: 2011/09/16(金) 01:31:51.30 ID:CmIkCSiS0
美也「にぃにと離れ離れなんてイヤ! みゃーはにぃにとずっと一緒がいいの!」
純一「……美也」
美也「そんなこと言うにぃになんて、だいっ嫌い!」ダッ
純一「み、美也! どこに行くんだ!」
桜井「み、美也ちゃん」
純一「一体どうしたっていうんだ……」
桜井「は、早く美也ちゃんを追いかけないと!?」
純一「そ、そうだな。行こう!」
純一「……美也」
美也「そんなこと言うにぃになんて、だいっ嫌い!」ダッ
純一「み、美也! どこに行くんだ!」
桜井「み、美也ちゃん」
純一「一体どうしたっていうんだ……」
桜井「は、早く美也ちゃんを追いかけないと!?」
純一「そ、そうだな。行こう!」
75: 2011/09/16(金) 01:33:47.98 ID:CmIkCSiS0
~ホラーハウス 出口にて~
純一「で、出口か? 美也は……い、いない」
桜井「……あっ!? も、元に戻ってるよ~」
純一「ほ、本当だ。ってことは美也も」
桜井「うん、きっと元に戻ってるはずだよ~ で、でも……」
純一「……ほっとけばいいよ。あいつが一人で勝手に怒り出して、どこかに行ったんだから」
桜井「純一!」
純一「な、なんだよ……」
桜井「本気でそんなこと言ってないよね?」
純一「……っ!?」
純一「で、出口か? 美也は……い、いない」
桜井「……あっ!? も、元に戻ってるよ~」
純一「ほ、本当だ。ってことは美也も」
桜井「うん、きっと元に戻ってるはずだよ~ で、でも……」
純一「……ほっとけばいいよ。あいつが一人で勝手に怒り出して、どこかに行ったんだから」
桜井「純一!」
純一「な、なんだよ……」
桜井「本気でそんなこと言ってないよね?」
純一「……っ!?」
76: 2011/09/16(金) 01:36:09.78 ID:CmIkCSiS0
桜井「ねえ……私の知ってる純一は、そんなこと言わないはずだよ?」
純一「…………」
桜井「もし、もし、本気で言ってるなら……」
純一「……すまない。僕が悪かった」
桜井「うんっ」ニコッ
純一「それにしても美也のやつ……一体どこに行ったんだ」
桜井「手分けして探した方がいいかな?」
純一「そうだな……いや。中を探す前に、出口で係員に美也を見かけていないか確認しよう」
桜井「そ、そうだね」
純一「よし、行くぞ!」
桜井「うん!」
純一「…………」
桜井「もし、もし、本気で言ってるなら……」
純一「……すまない。僕が悪かった」
桜井「うんっ」ニコッ
純一「それにしても美也のやつ……一体どこに行ったんだ」
桜井「手分けして探した方がいいかな?」
純一「そうだな……いや。中を探す前に、出口で係員に美也を見かけていないか確認しよう」
桜井「そ、そうだね」
純一「よし、行くぞ!」
桜井「うん!」
78: 2011/09/16(金) 01:38:40.59 ID:CmIkCSiS0
~キビトランド 出入り口ゲートにて~
純一「そ、そうですか、ありがとうございます!」
桜井「ど、どうだった?」
純一「うん、美也らしい女の子が、凄い勢いで走って出て行くのを見たって」
桜井「ど、どうしよう……」
純一「うん、多分だけど……そんなに遠くには行ってないと思う」
桜井「どうして、そんなことがわかるの?」
純一「美也が……僕の妹だから」
桜井「純一……」
純一「梨穂子。悪いけど、もう少しつきあってくれないか?」
桜井「もちろんだよ! 行こう、純一」
純一「ありがとう、梨穂子」
純一「そ、そうですか、ありがとうございます!」
桜井「ど、どうだった?」
純一「うん、美也らしい女の子が、凄い勢いで走って出て行くのを見たって」
桜井「ど、どうしよう……」
純一「うん、多分だけど……そんなに遠くには行ってないと思う」
桜井「どうして、そんなことがわかるの?」
純一「美也が……僕の妹だから」
桜井「純一……」
純一「梨穂子。悪いけど、もう少しつきあってくれないか?」
桜井「もちろんだよ! 行こう、純一」
純一「ありがとう、梨穂子」
79: 2011/09/16(金) 01:40:52.91 ID:CmIkCSiS0
~夕方 繁華街にて~
伊藤「どうしたの、梅原君?」
梅原「いや……今の美也ちゃんか?」
伊藤「……美也ちゃん? もしかして、橘君の妹さんの?」
梅原「ああ、その美也ちゃんだな」
伊藤「その……梅原君は、橘君の妹さんとも仲がいいの?」
梅原「まぁ、大将とは昔からのつき合いだからな」
伊藤「うん」
梅原「だから、『梅ちゃん』って呼ばれてるぐらいには、仲がいいと思うぜ?」
伊藤「『梅ちゃん』かぁ……なんていうか、梅原君は交友関係が広いよね」
梅原「もしかして、妬いてる?」ニヤッ
伊藤「ば、バカ言わないでよ///」
梅原「それにしても……凄い勢いで走って行ったけど、何かあったのかな?」
伊藤「うん、ちょっと普通じゃない感じ……だったよね?」
伊藤「どうしたの、梅原君?」
梅原「いや……今の美也ちゃんか?」
伊藤「……美也ちゃん? もしかして、橘君の妹さんの?」
梅原「ああ、その美也ちゃんだな」
伊藤「その……梅原君は、橘君の妹さんとも仲がいいの?」
梅原「まぁ、大将とは昔からのつき合いだからな」
伊藤「うん」
梅原「だから、『梅ちゃん』って呼ばれてるぐらいには、仲がいいと思うぜ?」
伊藤「『梅ちゃん』かぁ……なんていうか、梅原君は交友関係が広いよね」
梅原「もしかして、妬いてる?」ニヤッ
伊藤「ば、バカ言わないでよ///」
梅原「それにしても……凄い勢いで走って行ったけど、何かあったのかな?」
伊藤「うん、ちょっと普通じゃない感じ……だったよね?」
81: 2011/09/16(金) 01:43:18.60 ID:CmIkCSiS0
梅原「そうだな……って今度は大将と桜井さんか?」
伊藤「さ、桜井!?」
純一「くそ……美也のやつ、どこに行ったんだ……」ハァハァ
桜井「ご、ごめんね。私の足が遅いから……」ハァハァ
梅原「おーい大将!」
純一「う、梅原? それに……伊藤さん??」
桜井「あ、あれ? ……香苗ちゃん?」
梅原「よぉ、どうしたんだ? 二人して血相変えて」
伊藤「さ、桜井……どうかしたの?」
桜井「えへへ、ちょっとね」
純一「み、美也を、美也を見なかったか?」
伊藤「さ、桜井!?」
純一「くそ……美也のやつ、どこに行ったんだ……」ハァハァ
桜井「ご、ごめんね。私の足が遅いから……」ハァハァ
梅原「おーい大将!」
純一「う、梅原? それに……伊藤さん??」
桜井「あ、あれ? ……香苗ちゃん?」
梅原「よぉ、どうしたんだ? 二人して血相変えて」
伊藤「さ、桜井……どうかしたの?」
桜井「えへへ、ちょっとね」
純一「み、美也を、美也を見なかったか?」
83: 2011/09/16(金) 01:44:55.57 ID:CmIkCSiS0
梅原「ああ、美也ちゃんなら、あっちの方に走って行くのを見たぜ」
純一「そうか……梨穂子、行けるか?」
桜井「うん!」
梅原「なあ、大将」
純一「うん?」
梅原「……大丈夫か?」
純一「ああ、さっきので十分だ」
梅原「……そっか。頑張れよ」
純一「……あとでちゃんと聞かせろよ? 行くぞ、梨穂子!」ダッ
桜井「香苗ちゃん、またね」ダッ
…………
純一「そうか……梨穂子、行けるか?」
桜井「うん!」
梅原「なあ、大将」
純一「うん?」
梅原「……大丈夫か?」
純一「ああ、さっきので十分だ」
梅原「……そっか。頑張れよ」
純一「……あとでちゃんと聞かせろよ? 行くぞ、梨穂子!」ダッ
桜井「香苗ちゃん、またね」ダッ
…………
84: 2011/09/16(金) 01:48:50.81 ID:CmIkCSiS0
伊藤「あっ、行っちゃった…… ねえ、良かったの?」
梅原「ああ。大将が『十分』って言うんだから、大丈夫なんだよ」
伊藤「そうなの?」
梅原「本当に助けが必要なら、ちゃんと言うだろうからさ、大将は」ニカッ
伊藤「へえ、男の友情ってやつ?」
梅原「まあ、そんなもんかな」
伊藤「こっちの方が妬けるなぁ……私じゃちょっと太刀打ち出来そうにないもん」
梅原「『先輩のことなんて、私が忘れさせてあげる!』んじゃなかったっけ?」
伊藤「ばーか/// ……橘君は特別なんでしょ?」
梅原「まあ、親友で心友かな大将は」
伊藤「そっか……やっぱり妬けちゃうなぁ……」
梅原「ああ。大将が『十分』って言うんだから、大丈夫なんだよ」
伊藤「そうなの?」
梅原「本当に助けが必要なら、ちゃんと言うだろうからさ、大将は」ニカッ
伊藤「へえ、男の友情ってやつ?」
梅原「まあ、そんなもんかな」
伊藤「こっちの方が妬けるなぁ……私じゃちょっと太刀打ち出来そうにないもん」
梅原「『先輩のことなんて、私が忘れさせてあげる!』んじゃなかったっけ?」
伊藤「ばーか/// ……橘君は特別なんでしょ?」
梅原「まあ、親友で心友かな大将は」
伊藤「そっか……やっぱり妬けちゃうなぁ……」
85: 2011/09/16(金) 01:51:27.17 ID:CmIkCSiS0
~夕方 公園にて~
美也「にぃにのばーか……」
美也「……おたんこなす」
美也「……嘘つき」
美也「…………」
美也(せっかく、三人で楽しかったのに……)
美也(りほちゃんに、悪いことしちゃったよ……)
美也(ちゃんと謝らないと……ダメだよね……)
美也(……二人とも、今頃どうしてるかな?)
美也(…………)
純一「……やっぱり、ここだったか」ハァハァ
美也「えっ!?」
桜井「美也ちゃん!」ハァハア
美也「り、りほちゃん……にぃに……どうして」
美也「にぃにのばーか……」
美也「……おたんこなす」
美也「……嘘つき」
美也「…………」
美也(せっかく、三人で楽しかったのに……)
美也(りほちゃんに、悪いことしちゃったよ……)
美也(ちゃんと謝らないと……ダメだよね……)
美也(……二人とも、今頃どうしてるかな?)
美也(…………)
純一「……やっぱり、ここだったか」ハァハァ
美也「えっ!?」
桜井「美也ちゃん!」ハァハア
美也「り、りほちゃん……にぃに……どうして」
86: 2011/09/16(金) 01:54:02.78 ID:CmIkCSiS0
純一「小さい頃、三人でよく遊んだ公園だからな。ここじゃないかって思ったんだ」
桜井「無事で良かった……すっごく心配したんだよ」
美也「りほちゃん……」
純一「美也、まずは梨穂子に謝るんだ」
桜井「じゅ、純一!? わ、私はいいから」
純一「良くない。僕は美也の兄だからいいけど、梨穂子に心配を掛けたことは謝らなきゃダメだ」
美也「…………」
純一「梨穂子は美也のことを心配して、僕と一緒に美也のことを一生懸命に探してくれたんだ」
桜井「み、美也ちゃんは、私にとっても妹みたいなものだから……」
純一「なぁ、美也がそんなに怒っているのには、理由があるんだろうけど……」
美也「…………」
純一「だけど、梨穂子に心配を掛けたことはちゃんと謝るべきじゃないか? それはわかるよな?」
美也「……うん」
桜井「美也ちゃん……」
桜井「無事で良かった……すっごく心配したんだよ」
美也「りほちゃん……」
純一「美也、まずは梨穂子に謝るんだ」
桜井「じゅ、純一!? わ、私はいいから」
純一「良くない。僕は美也の兄だからいいけど、梨穂子に心配を掛けたことは謝らなきゃダメだ」
美也「…………」
純一「梨穂子は美也のことを心配して、僕と一緒に美也のことを一生懸命に探してくれたんだ」
桜井「み、美也ちゃんは、私にとっても妹みたいなものだから……」
純一「なぁ、美也がそんなに怒っているのには、理由があるんだろうけど……」
美也「…………」
純一「だけど、梨穂子に心配を掛けたことはちゃんと謝るべきじゃないか? それはわかるよな?」
美也「……うん」
桜井「美也ちゃん……」
90: 2011/09/16(金) 01:56:33.67 ID:CmIkCSiS0
美也「…………りほちゃん、ごめんなさい」
桜井「……うん、いいの」
純一「美也……どうしてこんなことをしたのか、理由を聞かせてくれないか?」
美也「…………」
純一「……最近、元気がなかったことと、何か関係あるのか?」
美也「そ、それは……」
純一「僕には言えないことなのか?」
美也「に、にぃにだって……」
純一「……えっ!?」
美也「……にぃにだって、みゃーに隠しごとしてるじゃない!」
純一「ぼ、僕が? 美也に? そんなものあるはずないだろ!」
美也「にぃにの嘘つき!」
桜井「ふ、二人とも落ち着いて!」
美也「ふーーっ!」
桜井「……うん、いいの」
純一「美也……どうしてこんなことをしたのか、理由を聞かせてくれないか?」
美也「…………」
純一「……最近、元気がなかったことと、何か関係あるのか?」
美也「そ、それは……」
純一「僕には言えないことなのか?」
美也「に、にぃにだって……」
純一「……えっ!?」
美也「……にぃにだって、みゃーに隠しごとしてるじゃない!」
純一「ぼ、僕が? 美也に? そんなものあるはずないだろ!」
美也「にぃにの嘘つき!」
桜井「ふ、二人とも落ち着いて!」
美也「ふーーっ!」
91: 2011/09/16(金) 01:58:41.25 ID:CmIkCSiS0
純一「……どうして僕が嘘をついてるって思うんだ?」
美也「みゃーは知ってるんだよ! ちゃんと聞いてたんだもん!」
純一「……ま、まさか、お前」
美也「にぃにたちが『血が繋がってない』って言ってたの、聞いてたんだから!!」
桜井「え? あ……ど、どういうことなの、純一?」
純一「やっぱり……」
美也「みゃーとにぃにが本当の兄妹じゃないって!」
純一「……聞いてたのか」
美也「そうだよ! みゃーだけのけ者にして……」ポロポロ
桜井「み、美也ちゃん、泣かないで……」
純一「美也……あれは違うんだ」
美也「何が違うの? にぃにが本当の兄妹じゃないって……だから、怖くて……うぇ……」
純一「…………」
美也「みゃーは知ってるんだよ! ちゃんと聞いてたんだもん!」
純一「……ま、まさか、お前」
美也「にぃにたちが『血が繋がってない』って言ってたの、聞いてたんだから!!」
桜井「え? あ……ど、どういうことなの、純一?」
純一「やっぱり……」
美也「みゃーとにぃにが本当の兄妹じゃないって!」
純一「……聞いてたのか」
美也「そうだよ! みゃーだけのけ者にして……」ポロポロ
桜井「み、美也ちゃん、泣かないで……」
純一「美也……あれは違うんだ」
美也「何が違うの? にぃにが本当の兄妹じゃないって……だから、怖くて……うぇ……」
純一「…………」
92: 2011/09/16(金) 02:01:04.96 ID:CmIkCSiS0
美也「すっごく怖くて……どうしたらいいか……ぐすっ……わからなくて……」
純一「ごめんな……美也に辛い思いをさせて……」
美也「いやぁ……ぐすっ……もぅ……いやなのぉ……」
桜井「あのね、私には何の話かよくわからないんだけど……」
純一「あ、あぁ」
美也「うっ……ぐすっ……」
桜井「『違う』って言うなら、ちゃんと説明してあげないと、美也ちゃんもわからないと思うな」
純一「そうだな……聞いてくれるか、美也?」
美也「ぐすっ……うぅっ……」
純一「あの話は本当に違うんだ。僕と美也の『血が繋がってない』なんてことはありえない」
美也「じゃ、じゃあ、どうしてあの時……」
純一「美也……お前、去年のこと憶えてるか?」
美也「……きょ、去年?」
純一「ごめんな……美也に辛い思いをさせて……」
美也「いやぁ……ぐすっ……もぅ……いやなのぉ……」
桜井「あのね、私には何の話かよくわからないんだけど……」
純一「あ、あぁ」
美也「うっ……ぐすっ……」
桜井「『違う』って言うなら、ちゃんと説明してあげないと、美也ちゃんもわからないと思うな」
純一「そうだな……聞いてくれるか、美也?」
美也「ぐすっ……うぅっ……」
純一「あの話は本当に違うんだ。僕と美也の『血が繋がってない』なんてことはありえない」
美也「じゃ、じゃあ、どうしてあの時……」
純一「美也……お前、去年のこと憶えてるか?」
美也「……きょ、去年?」
95: 2011/09/16(金) 02:03:11.03 ID:CmIkCSiS0
純一「ああ、父さんと母さんがお前のことを騙そうとして、すぐにバレたことがあっただろ?」
美也「……もしかして、エイプリルフールの時?」
純一「美也に言うのもなんだけど、父さんと母さんは相当悔しかったらしくてさ」
純一「『今年は絶対に美也を騙してやるんだ!』って馬鹿みたいに張り切って……」
美也「で、でも、まだ3月になったばっかりだよ?」
純一「だから、成功させるために準備をするから、僕にも『協力しろ』って……」
…………
純一『えぇ!? 僕と美也の血が繋がってない?!』
橘母『正確にいうとね、純一が私の姉の子供って設定なの』
純一『そんバカな話、本気なの?』
橘父『あぁエイプリルフールまで、美也には内緒だからな』
純一『う、うん。それまでは、美也に内緒……』
橘父『あぁ……そういうことだから頼むぞ』
純一『そんなふざけた話、よく思いつくね』
…………
美也「……もしかして、エイプリルフールの時?」
純一「美也に言うのもなんだけど、父さんと母さんは相当悔しかったらしくてさ」
純一「『今年は絶対に美也を騙してやるんだ!』って馬鹿みたいに張り切って……」
美也「で、でも、まだ3月になったばっかりだよ?」
純一「だから、成功させるために準備をするから、僕にも『協力しろ』って……」
…………
純一『えぇ!? 僕と美也の血が繋がってない?!』
橘母『正確にいうとね、純一が私の姉の子供って設定なの』
純一『そんバカな話、本気なの?』
橘父『あぁエイプリルフールまで、美也には内緒だからな』
純一『う、うん。それまでは、美也に内緒……』
橘父『あぁ……そういうことだから頼むぞ』
純一『そんなふざけた話、よく思いつくね』
…………
96: 2011/09/16(金) 02:05:46.25 ID:CmIkCSiS0
純一「美也が聞いたのは、その話なんだ」
美也「じゃあ、私とにぃにが『血が繋がってない』って……」
純一「父さんと母さんの悪ふざけ……じゃ、済まないよな」
美也「バカ!」ドン
純一「うっ!?」
美也「お父さんのバカ! お母さんのバカ! にぃにのバカ!」ドンドンドン
純一「うぐっ……悪かった、美也が気の済むまで叩いてくれていい」
美也「バカ! バカ! バカ! バカ……うぅっ……」
純一「…………」
美也「じゃ、じゃあ、みゃーとにぃには本当に?」
純一「あぁ、正真正銘血の繋がりのある兄妹だよ」
桜井「……良かったね、美也ちゃん」
純一「変なことに巻き込んで、悪かったな、梨穂子」
桜井「ううん、いいの。でも、純一のお父さんとお母さん、ちょっと酷いんじゃないかな?」
美也「そうだよ! ヒドいよ!」
美也「じゃあ、私とにぃにが『血が繋がってない』って……」
純一「父さんと母さんの悪ふざけ……じゃ、済まないよな」
美也「バカ!」ドン
純一「うっ!?」
美也「お父さんのバカ! お母さんのバカ! にぃにのバカ!」ドンドンドン
純一「うぐっ……悪かった、美也が気の済むまで叩いてくれていい」
美也「バカ! バカ! バカ! バカ……うぅっ……」
純一「…………」
美也「じゃ、じゃあ、みゃーとにぃには本当に?」
純一「あぁ、正真正銘血の繋がりのある兄妹だよ」
桜井「……良かったね、美也ちゃん」
純一「変なことに巻き込んで、悪かったな、梨穂子」
桜井「ううん、いいの。でも、純一のお父さんとお母さん、ちょっと酷いんじゃないかな?」
美也「そうだよ! ヒドいよ!」
98: 2011/09/16(金) 02:08:57.32 ID:CmIkCSiS0
純一「……流石に僕もどうかな?って思う。それでどうするんだ、美也?」
美也「え? どうするって?」
純一「父さんと母さんに仕返しでもするのか?」
美也「ん…… 確かに許せないと思うけど」
純一「うん」
美也「……仕返しなんて意味ないもん」
桜井「うん……そう、だよね」
美也「でも! ちゃんとみゃーに謝ってほしい!」
純一「そうだな……じゃぁ、まずは僕から……ごめんな、美也」
美也「に、にぃにが謝ることなんてないよ!」
純一「いや、美也に辛い思いをさせてたことには、変わりはないからさ。ごめん」
美也「……だめ、許してあげない」
桜井「美也ちゃん……」
美也「え? どうするって?」
純一「父さんと母さんに仕返しでもするのか?」
美也「ん…… 確かに許せないと思うけど」
純一「うん」
美也「……仕返しなんて意味ないもん」
桜井「うん……そう、だよね」
美也「でも! ちゃんとみゃーに謝ってほしい!」
純一「そうだな……じゃぁ、まずは僕から……ごめんな、美也」
美也「に、にぃにが謝ることなんてないよ!」
純一「いや、美也に辛い思いをさせてたことには、変わりはないからさ。ごめん」
美也「……だめ、許してあげない」
桜井「美也ちゃん……」
99: 2011/09/16(金) 02:10:47.16 ID:CmIkCSiS0
美也「みゃーとりほちゃんに、まんま肉まんご馳走してくれなきゃ、許してあげないもん」
純一「美也はわかるけど、どうして梨穂子まで」
美也「さっき自分で言ったでしょ。りほちゃんにも迷惑掛けたって!」
純一「た、確かに…… くっ、仕方がない。みんなで今からまんま肉まんだ!」
桜井「もう、純一ったら」クスクス
美也「やった♪ まんま肉まん祭りだぁ~♪」
純一「……ほら、二人とも行くぞ」
美也「待って。こうしてみゃーが真ん中で……こっちがにぃに、こっちがりほちゃん」
桜井「えっと、これでいいかな?」ギュッ
美也「ほら、にぃにも早く!」
純一「美也はわかるけど、どうして梨穂子まで」
美也「さっき自分で言ったでしょ。りほちゃんにも迷惑掛けたって!」
純一「た、確かに…… くっ、仕方がない。みんなで今からまんま肉まんだ!」
桜井「もう、純一ったら」クスクス
美也「やった♪ まんま肉まん祭りだぁ~♪」
純一「……ほら、二人とも行くぞ」
美也「待って。こうしてみゃーが真ん中で……こっちがにぃに、こっちがりほちゃん」
桜井「えっと、これでいいかな?」ギュッ
美也「ほら、にぃにも早く!」
100: 2011/09/16(金) 02:12:24.95 ID:CmIkCSiS0
純一「うう……遊園地でもないのに、三人で手を繋いで歩くなんて……さらし者だ」
美也「にぃに!」
純一「わかったよ……これでいいんだろ?」ギュッ
美也「にししし まんま肉まん、おなかいっぱい食べちゃうもんね~♪」
桜井「わあ、好きなだけ食べていいの?」
純一「こ、こら! 僕の懐も少しは考えろ」
美也「だって、お祭りだも~ん。ね、りほちゃん?」
桜井「うん、お祭りだもんね、美也ちゃん」
純一「僕は不幸だ……」
美也「にしししっ♪」
美也「にぃに!」
純一「わかったよ……これでいいんだろ?」ギュッ
美也「にししし まんま肉まん、おなかいっぱい食べちゃうもんね~♪」
桜井「わあ、好きなだけ食べていいの?」
純一「こ、こら! 僕の懐も少しは考えろ」
美也「だって、お祭りだも~ん。ね、りほちゃん?」
桜井「うん、お祭りだもんね、美也ちゃん」
純一「僕は不幸だ……」
美也「にしししっ♪」
102: 2011/09/16(金) 02:13:59.02 ID:CmIkCSiS0
~それから数ヶ月後~
純一(あれから、美也と梨穂子にお店の在庫と財布の軍資金が尽きかけるほど……)
純一(大量のまんま肉まんを買わされてしまった)
純一(痛い出費だったけど、梨穂子に迷惑を掛けたのは確かだし……)
純一(何より、美也の機嫌を直すことが出来たから『良し』としておいた)
純一(それよりも、家に帰ってからの方が大変で……)
純一(『本当の兄妹じゃない』だ『家を出て行く』だのと、美也が大騒ぎをして……)
純一(父さんと母さんが平謝りに謝り倒して、ようやく美也の機嫌が戻った)
純一(まあ、騒ぐように美也に吹き込んだのは、僕なんだけど……)
純一(二人のせいで、しばらくは極貧生活を送る羽目になったんだから、これぐらいは当然だと思う)
純一(でも、本当のところ……)
純一(……いや、関係ないよな)
純一(…………)
純一(あれから、美也と梨穂子にお店の在庫と財布の軍資金が尽きかけるほど……)
純一(大量のまんま肉まんを買わされてしまった)
純一(痛い出費だったけど、梨穂子に迷惑を掛けたのは確かだし……)
純一(何より、美也の機嫌を直すことが出来たから『良し』としておいた)
純一(それよりも、家に帰ってからの方が大変で……)
純一(『本当の兄妹じゃない』だ『家を出て行く』だのと、美也が大騒ぎをして……)
純一(父さんと母さんが平謝りに謝り倒して、ようやく美也の機嫌が戻った)
純一(まあ、騒ぐように美也に吹き込んだのは、僕なんだけど……)
純一(二人のせいで、しばらくは極貧生活を送る羽目になったんだから、これぐらいは当然だと思う)
純一(でも、本当のところ……)
純一(……いや、関係ないよな)
純一(…………)
103: 2011/09/16(金) 02:15:52.80 ID:CmIkCSiS0
純一(そうそう、梅原と伊藤さんのことだけど……)
純一(あの事件の少し前から、二人はつき合い始めていたらしい)
純一(卒業間近だった憧れの剣道部の先輩に対して、未練たっぷりの梅原に……)
純一(『先輩のことなんて、私が忘れさせてあげる!』『だから、私とつき合ってよ!』と……)
純一(伊藤さんが、強引に梅原のことを押し切ったそうだ)
純一(そのことで伊藤さんは……)
純一(ことあるごとに、梅原のやつにからかわれているみたいで……)
純一(『あんな告白、するんじゃなかった……』って……)
純一(梨穂子にグチをこぼす伊藤さんを、見かけることが増えたと思う)
純一(ただ、僕と梨穂子から言わせれば、どう見てもあれは伊藤さんの『ノロケ』なんだけどね)
純一(…………)
純一(あの事件の少し前から、二人はつき合い始めていたらしい)
純一(卒業間近だった憧れの剣道部の先輩に対して、未練たっぷりの梅原に……)
純一(『先輩のことなんて、私が忘れさせてあげる!』『だから、私とつき合ってよ!』と……)
純一(伊藤さんが、強引に梅原のことを押し切ったそうだ)
純一(そのことで伊藤さんは……)
純一(ことあるごとに、梅原のやつにからかわれているみたいで……)
純一(『あんな告白、するんじゃなかった……』って……)
純一(梨穂子にグチをこぼす伊藤さんを、見かけることが増えたと思う)
純一(ただ、僕と梨穂子から言わせれば、どう見てもあれは伊藤さんの『ノロケ』なんだけどね)
純一(…………)
105: 2011/09/16(金) 02:17:26.18 ID:CmIkCSiS0
純一(そういえば、今回の事件のお陰って訳じゃないんだろうけど……)
純一(あれから梨穂子とは、昔のように遊ぶ機会が増えたと思う)
純一(もちろん二人っきりという訳ではなく、美也と梅原や伊藤さんも一緒のことが多いけど……)
純一(今も……)
美也「にぃに、早くしないと置いてっちゃうよ!」
梅原「なんだ大将、もうお疲れかあ?」
伊藤「ほら、橘君。早く早く!」
桜井「純一、大丈夫?」
純一「うん、僕がしばらく荷物を見てるから、みんなで遊んできなよ」
純一(……こうして、高校生活最後の夏休みを、みんなで満喫している)
純一(どこで調べてきたのか、梅原オススメの穴場スポットらしく……)
純一(海もキレイな上に人も少なく……)
純一(おまけに、今日泊まる宿には温泉までついてるらしい)
純一(あれから梨穂子とは、昔のように遊ぶ機会が増えたと思う)
純一(もちろん二人っきりという訳ではなく、美也と梅原や伊藤さんも一緒のことが多いけど……)
純一(今も……)
美也「にぃに、早くしないと置いてっちゃうよ!」
梅原「なんだ大将、もうお疲れかあ?」
伊藤「ほら、橘君。早く早く!」
桜井「純一、大丈夫?」
純一「うん、僕がしばらく荷物を見てるから、みんなで遊んできなよ」
純一(……こうして、高校生活最後の夏休みを、みんなで満喫している)
純一(どこで調べてきたのか、梅原オススメの穴場スポットらしく……)
純一(海もキレイな上に人も少なく……)
純一(おまけに、今日泊まる宿には温泉までついてるらしい)
106: 2011/09/16(金) 02:18:28.68 ID:CmIkCSiS0
純一(もちろん、大学入試を控えているから、たった一泊の旅行だけど……)
純一(『高校最後の夏だから』と、皆の家も快く僕たちを送り出してくれた)
純一(家の場合は、美也が一緒に行くっていうのが、決め手だったんだけど……)
純一(…………)
純一(『高校最後の夏だから』と、皆の家も快く僕たちを送り出してくれた)
純一(家の場合は、美也が一緒に行くっていうのが、決め手だったんだけど……)
純一(…………)
112: 2011/09/16(金) 02:37:51.33 ID:wxspTSMK0
純一(それにしても、女の子たちの水着姿はいいなぁ……)
純一(揺れる胸、弾けそうなお尻、眩しいフトモモ……時間を忘れてしまいそうになる)
純一「(この時間が永遠なら……)……うげっ?!」バフッ!!
純一「……な、なんだ? ビーチボール?!」
美也「にぃに。……また鼻の下が伸ばしちゃって。エOチなこと考えたんでしょ?」
伊藤「橘君……いったい何しに来たの?」
梅原「いつまでもボーッとしてないで、大将も一緒にビーチバレーやろうぜ?」
桜井「ほら~純一もおいでよ」
純一「くそっ、よくもやってくれたな……いくぞ!」
美也「にしし、にぃになんかに負けないよ~♪」
おわり
『ドキドキ♪ イチャイチャ♪ 夜の湯けむり温泉宿編』に……続かない
純一(揺れる胸、弾けそうなお尻、眩しいフトモモ……時間を忘れてしまいそうになる)
純一「(この時間が永遠なら……)……うげっ?!」バフッ!!
純一「……な、なんだ? ビーチボール?!」
美也「にぃに。……また鼻の下が伸ばしちゃって。エOチなこと考えたんでしょ?」
伊藤「橘君……いったい何しに来たの?」
梅原「いつまでもボーッとしてないで、大将も一緒にビーチバレーやろうぜ?」
桜井「ほら~純一もおいでよ」
純一「くそっ、よくもやってくれたな……いくぞ!」
美也「にしし、にぃになんかに負けないよ~♪」
おわり
『ドキドキ♪ イチャイチャ♪ 夜の湯けむり温泉宿編』に……続かない
113: 2011/09/16(金) 02:38:27.56 ID:re90WRUT0
素晴らしかった乙
114: 2011/09/16(金) 02:41:35.84 ID:wxspTSMK0
最後IDが変わりましたが、さるになったので、回線をつなぎ直したり色々したせいです
支援、さるよけ、ご覧いただいた方々ありがとうございました。
最初の頃に指摘されてましたが
橘さんの誕生日が12月14日で、美也の誕生日が6月22日という、
ちょっと不可思議な点がヒントのお話です
支援、さるよけ、ご覧いただいた方々ありがとうございました。
最初の頃に指摘されてましたが
橘さんの誕生日が12月14日で、美也の誕生日が6月22日という、
ちょっと不可思議な点がヒントのお話です
115: 2011/09/16(金) 02:47:24.58 ID:i0seduJu0
乙
さて続きに期待するとしますか
さて続きに期待するとしますか
116: 2011/09/16(金) 02:55:33.75 ID:IRy7sdOQ0
乙
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