6: 2023/07/23(日) 19:10:33.27 ID:ylFZn/VV.net
梨子「ことの発端はそう、とある夜の日でした...」

梨子「私は、締め切りが近くに迫った新曲の歌詞を、千歌ちゃんに催促していたんです」

梨子「ようやく完成したとのことだったので、私は誰よりも早く千歌ちゃんの詞を読んでみたくて」

梨子「その日はもう夜遅く、歌詞ノートを直接受け取りに行くのも憚られたので、ひとまずLINEで歌詞を送ってもらったんです。今思えば、それは賢い選択でした。私の動揺を、千歌ちゃんに知られずに済んだのですから...」


ーー
ーーー

梨子「もう、いっつも歌詞の提出がギリギリなんだから。歌詞を待って曲作りする私の身にもなってほしいものね...」

梨子「えーっと、まず曲名は...『少女以上の恋がしたい』?ふふっ、千歌ちゃんったら背伸びしちゃって」

梨子「.........」

梨子「えっ.........」

梨子「なに、これ......」

7: 2023/07/23(日) 19:11:23.20 ID:ylFZn/VV.net
翌日。

梨子「みんな!集まってる!?」バーーーン!!!

曜「うわっ!梨子ちゃん!?びっくりしたー!!」

ダイヤ「ちょっと梨子さん?そんなに乱暴にドアを開けてははしたないですわよ。いいですか、浦の星女学院の生徒たるものですね」

鞠莉「ダイヤはほっといていいわよー。で、チカっち抜きで話したいことってなんデースか?」

善子「っていうか、千歌はなんで部室来てないのよ」

梨子「千歌ちゃんは今、音楽室の掃除をしているわ。一人で」

曜「...あれっ?梨子ちゃんも音楽室の掃除当番じゃなかったっけ?」

梨子「置いてきたわ。今はそれどころじゃないもの...」

花丸「ナチュラルにひどいずら」

8: 2023/07/23(日) 19:11:47.44 ID:ylFZn/VV.net
梨子「みんなに見てもらいたいのはコレよ」

ルビィ「これって...」

果南「あ、新曲の歌詞じゃない?千歌、ちゃんと期限内に完成させたんだー」

ダイヤ「歌詞が完成したのはいいことではないですか。どうしてそんなに血相を変えているんですの?」

梨子「とにかく、読んでみてください。話はそれからです」

善子「...なんか今日の梨子の様子おかしくない?」ヒソヒソ

曜「そうなんだよね。朝からずっと難しい顔して考え込んでるんだよ」ヒソヒソ

果南「へー。曲名は『少女以上の恋がしたい』かぁ。なんか、千歌が背伸びしてるみたいで可愛いね」

鞠莉「っていうか、梨子はチカっちにハートの絵文字送りすぎじゃない?よっ!このこのー!」

梨子「読んで欲しいのはその下」

鞠莉「あっはい」

花丸「なんだか可愛らしい曲ずらね」

ルビィ「王道ラブソングって感じだねっ!」

ダイヤ「そうですわ。何もおかしなことのない、素敵な歌詞...で...は........え?」

9: 2023/07/23(日) 19:12:06.65 ID:ylFZn/VV.net
全員「............」

曜「ちょ、ちょっと待って。これが新曲?千歌ちゃんが作詞した...?」

梨子「そうよ。昨日の夜、千歌ちゃんから送られてきたものよ」

善子「ま、まさかこれって...!!」

ルビィ「な、なんだかとっても......」

花丸「えOちずら」

善子「ちょっと!直接的過ぎ!!」

梨子「おこちゃま達がこんな反応になるのは想定済みよ。三年生組はこの歌詞、どう思いますか?」

曜「えっ。私もおこちゃま組?」

10: 2023/07/23(日) 19:12:41.89 ID:ylFZn/VV.net
鞠莉「どうって言われても...ねぇ...?」

ダイヤ「ま、まぁ、少々刺激的ではありますわね...」

梨子「......感想はそれだけですか?」

果南「......わかるよ。梨子の言いたいこと」

曜「...果南ちゃん?」

果南「千歌はね。賢くないの。はっきりいってバカなの。バカチカなの」

善子「......言い過ぎじゃない?」

果南「バカだから、千歌は歌詞を書くとき、自分が思ったことや経験したことしか言葉にできない。だからこそ、千歌の歌詞はまっすぐ心に刺さるの」

ルビィ「それって、つまり......」

果南「......これ、千歌の実体験だよ」

11: 2023/07/23(日) 19:13:56.42 ID:ylFZn/VV.net
鞠莉「ちょちょちょ!実体験ってなると話は変わってくるわよ!?」

花丸「あの千歌ちゃんが、こんなえOちな恋愛をしてるってことずら...?」

曜「」ブクブクブク

ルビィ「あーーーっ!!曜ちゃんが泡吹いて倒れちゃった!!!」

ダイヤ「な、なんて破廉恥な...!!」

梨子「そう、私も果南ちゃんと同意見...。だからこそ、みんなを集めたの」

善子「いや、別に人の恋愛事情なんてほっといたらいいでしょ」

梨子「バカッ!!千歌ちゃんに彼氏がいたらどうするの!?」

善子「ヒッ!ちょっと、パイプ椅子振り回さないでよ!普通に祝福すればいいでしょうよ!」

梨子「曜ちゃんを見て!それでもそんな温いこと言えるの!?」

善子「あれはレアケース!!」

12: 2023/07/23(日) 19:14:16.10 ID:ylFZn/VV.net
梨子「私だってね...私だって祝福したいわよ...!」

花丸「急に泣き出したずら」

ルビィ「こ、こわい...」

梨子「でもね、これだけは言える。この歌詞の最後に出てくる、少年?こいつだけはね、千歌ちゃんに相応しい男なんかじゃない。断じて。千歌ちゃんに相応しい男はね、身長が190cmを超えてて、20台中盤でIT企業の社長で年収は2千万を超えてて、女の子への気遣いが完璧で冬は白いトレンチコートを着こなして、夏はアロハシャツみたいな子供っぽい格好でギャップを演出するイケメンなのよ...!それ以外はね、千歌ちゃんには相応しくない」

善子「いるわけないでしょ!そんなもん!!」

鞠莉「でも、それじゃあ曜も梨子も、チカっちの相手に相応しくありまセーン」

梨子「え?女の子は別ですよね?」

鞠莉「...」

13: 2023/07/23(日) 19:14:36.64 ID:ylFZn/VV.net
梨子「はっ!話が脱線しちゃったわ」

ルビィ「そもそもの本筋がわかってない、ような...」

梨子「とにかく、この歌詞は千歌ちゃんの実体験をもとに書かれている可能性が高いということよ」

ダイヤ「しかし...」

梨子「...ダイヤさんほど聡明な方がまだわかりませんか?今の千歌ちゃんの状況が。この歌詞が千歌ちゃんの実体験だということを前提に、もう一度読んでください」

ダイヤ「......」

梨子「読みましたか?読みましたよね?」

ダイヤ「......えぇ、まぁ」

梨子「思いませんでしたか?少しでも思い浮かびませんでしたか?」

梨子「これ、千歌ちゃん遊ばれてるでしょ」

14: 2023/07/23(日) 19:16:47.33 ID:ylFZn/VV.net
ダイヤ「......」

果南「私も、梨子と同意見...。許せないよね、あんな純粋な千歌を弄ぶなんて」

善子「弄ばれてるって決まったわけじゃ...」

曜「じゃあこの部分は何だっていうの!?!?」

ルビィ「うわぁ!急に復活したぁ!!」

曜「ここだよ、ここ!『憧れだけじゃいられない 私が強く求める あぶない情熱』!?こんなのもう...!!教師と教え子の禁断の関係じゃん!!『消さないよ消さないよ』!?私は全力で消すよ!?」

曜「うわぁぁぁぁぁ!!千歌ちゃあああああぁぁぁぁぁあぁあぁん!!」

花丸「うっ、今の曜ちゃんには近づきたくないずら...泡飛んでるし」

鞠莉「そう言われてみれば確かに、そんな感じに聞こえるわねぇ」

15: 2023/07/23(日) 19:17:06.99 ID:ylFZn/VV.net
ルビィ「浦の星の先生と千歌ちゃんが、その、お付き合いしてるってこと?」

鞠莉「うーん、この浦の星にそんな不届き者がいるとは考えにくいけどねぇ」

果南「...いるんだよ。千歌を弄ぶ、人間の風上にも置けないクズ野郎が...!!」

善子「ちょ、果南...?あんた、言葉遣いが...」

鞠莉「...ま、もしもチカっちの相手が浦の星の教師なら、そんな不祥事、許すわけにはいかないわね」

曜「あー、もうなんも考えられなくなってきたや。『ひとりだけじゃできないこと』って何だと思う?ねぇ、なんだと思う?私は将棋だと思うんだけどさ、ルビィちゃんは何だと思う?」

ルビィ「え、えっと...た、卓球、とか...?」

曜「そんなわけないでしょー!!こんなのあれだよ!もうセッ

花丸「そこまでずら」

16: 2023/07/23(日) 19:17:39.78 ID:ylFZn/VV.net
梨子「部室にみんな集まってもらったのはね、この歌詞を見てもらうため。そして、千歌ちゃんの置かれた状況を把握してもらうため」

善子「状況って、あんたに置いてかれて一人で掃除してんでしょ?音楽室で」

梨子「今頃、悲しそうな顔で掃除してるでしょうね。私に置いて行かれた悲壮感に打ちひしがれながら...。ふふ、可愛いわね」

花丸「ゆ、歪んでるずら...」

梨子「じゃなくて。千歌ちゃんが悪い男に弄ばれてるってことよ」

梨子「あ、それと、この中に明日千歌ちゃんと沼津へ遊びに行く約束をしてる人はいる?」

善子「...どうして?」

梨子「千歌ちゃんが明日、沼津へ遊びに行くからよ」

曜「..................誰と?」

鞠莉「声低っ」

梨子「誰と遊びに行くかは教えてくれなかったそうよ」

17: 2023/07/23(日) 19:19:10.85 ID:ylFZn/VV.net
果南「ん、梨子ちゃんが聞いたんじゃないの?」

梨子「美渡さんから聞いたんです。あの歌詞が送られてきた後にすぐに美渡さんに連絡して、最近千歌ちゃんに変わったところないですかって」

花丸「それで教えてくれたずら?」

梨子「あー、なんか次の土曜に沼津に遊びに行くらしいよ?誰と行くのか聞いても教えてくんなかったし、みとねぇはその日沼津来ちゃダメ!とか言うしさぁ!私って姉だよね?」

果南「みとねぇのモノマネ全然似てないね...」

ルビィ「でも、お姉さんにも内緒ってなんだか...」

花丸「完全にデートずら」

善子「ちょっと、千歌がデート!?そんなわけないでしょ!?」

曜「千歌ちゃんが...デート...あは、あはは」

18: 2023/07/23(日) 19:19:30.39 ID:ylFZn/VV.net
梨子「私だってデートだなんて信じたくないわよ!!」

善子「うわっ!またパイプ椅子!!」

梨子「だから、私たちで救いましょう。いいように遊ばれてる千歌ちゃんを」

鞠莉「んー、なんだか楽しそうデース!!」

花丸「でも、本当に千歌ちゃんが遊ばれてたとして、どうするんずら?」

ルビィ「みんなで千歌ちゃんを説得するの?」

ダイヤ「............ましょう」

善子「ダイヤ、なんか言った?」

ダイヤ「じゃあ、頃しましょう」

19: 2023/07/23(日) 19:19:51.31 ID:ylFZn/VV.net
ルビィ「......え?お、おねぇちゃん?」

花丸「ダ、ダイヤさん、落ち着いて...」

ダイヤ「それが手っ取り早くありませんか?」

鞠莉「イーヒッヒッヒwwwピーーーーーーーーwwwww」

ダイヤ「いや、だってそうでしょう?純粋な千歌さんが悪い男に騙されていて、なおかつその相手は浦の星の教師なのかもしれないのです。それほどの不祥事、命で雪ぐしかありませんわ」

梨子「,,,,,,ですがダイヤさん、殺人は重犯罪ですよ。密漁とはワケが違うんです」

ダイヤ「ここは沼津で、私は黒澤ですわ」

梨子「だから気に入った」

鞠莉「ガッハッハwwwwwwピィーーーーーーーーーーーーwwwwww」

善子「ちょ、マリー!アンタも笑ってないで止めなさいよ!!!」

花丸「か、果南ちゃんも!このままじゃダイヤさんが捕まっちゃうずら!」

果南「............いや、私もどっちかっていうとダイヤ側だから」

ルビィ「...ひっ」

20: 2023/07/23(日) 19:20:15.89 ID:ylFZn/VV.net
梨子「まぁ、男の処遇はともかくとして。明日は朝イチで千歌ちゃんの家の前のセブンイレブンに集合です」

善子「ちょっとちょっと、その処遇が一番大事でしょ!?」

曜「......千歌ちゃんより大事なことなんてないよ。そうでしょ?」

花丸「二年生組が怖いずら...」

梨子「千歌ちゃんはバスで沼津に行くと思われます。私たちも同じバスに乗ってしまうと尾行になりません。なので、ダイヤさん?」

ダイヤ「かしこまりました。当日は家の者に車を出させましょう」

梨子「話が早くて助かります」

ルビィ「千歌ちゃんが何時に出かけるかわかってるんですか?」

梨子「残念ながらそこまでは。だから...そうね、朝6時には待機しときたいところね」

ルビィ「ぅゅ......早すぎる......」

21: 2023/07/23(日) 19:21:32.58 ID:ylFZn/VV.net
梨子「とにかく!今日は一日、千歌ちゃんに気取られない事!いいわね!」

花丸「そして明日は朝6時に集合ずら!」

ルビィ「花丸ちゃん、なんだか楽しそうだね」

花丸「千歌ちゃんを尾行なんて、探偵小説みたいずら」

鞠莉「みんな、明日はあまり目立たない恰好でくるのよ!」

ダイヤ「えぇ。目立つとコトですからね」

果南「...そうだね。極力動きやすい格好で来るよ」

善子「......まぁ、確かに気になるからね。朝6時は早すぎるけど」

曜「.........ごめん、なんか吐きそう。今日は練習休んでもいい?明日の朝には間に合うと思うから...」

22: 2023/07/23(日) 19:21:53.93 ID:ylFZn/VV.net
千歌「あーーーっ!!梨子ちゃんやっぱり部室にいた!!」バーーーン!!

梨子「ち、千歌ちゃん!?」

千歌「ひどいよ~チカを置き去りにするなんて!一人で音楽室の掃除頑張ったんだよ?」

梨子「え!?私って今日掃除当番だったっけ?」

千歌「え~忘れてたの~?ラインも送ったのに!!」

梨子「ごめんね千歌ちゃん。スマホを鞄に入れたままにしてたから気づかなくて...あ、ほんとだ」

千歌「ほら、褒めて褒めて!そして謝ってよね!」

梨子「ごめんね千歌ちゃん。今度コンビニでアイス買ってあげる」

千歌「チカはそんな安い女じゃないんだけどな~」

23: 2023/07/23(日) 19:23:07.19 ID:ylFZn/VV.net
ルビィ「梨子ちゃん、す、すごい...」

花丸「机の上に置いてたスマホがいつの間にか消えてるずら...。恐ろしく早い回収...まるでなきゃ見逃してたずら」

善子「ルビィ、覚えときなさい。あれが他者を欺く魔性の女よ」

曜「千歌ちゃん千歌ちゃん!!はやく練習いこ!今日の柔軟は私とだからねー!!」

鞠莉「曜は体調治っちゃってるし」

果南「まぁ、千歌見たら元気になったんでしょ。よくあることだよ」

鞠莉「幼馴染ってすばらしいわね」

ダイヤ「もしもし。明日の朝6時に2台ほど車を回してほしいのですが。いえ、夕方ではなく、朝の6時です」

24: 2023/07/23(日) 19:23:49.32 ID:ylFZn/VV.net
翌日。
セブンイレブン伊豆三津シーパラダイス前店駐車場。

梨子「よし。全員揃ってるわね」

花丸「今回はまるだけじゃなくてよかったずら」

曜「あー。今から千歌ちゃんの彼氏を見ることになるのかぁ。一応エチケット袋持ってこうかな。ねぇ、吐いてるところ千歌ちゃんに見られたら引かれるかな?心配してくれるかな?」

善子「ヤバイ思考になってるわよ」

鞠莉「果南、ダイヤ。あなたたち、本気なのね...」

ダイヤ「果南さん。あなたは肝心な所で役に立たないなんちゃってお姉さんキャラだと思っていましたが、千歌さんを思いやる心は残っていたようですね。さすが、自慢の幼馴染ですわ」

果南「ダイヤにそんなふうに思われてたのは初耳だけど、その恰好、ダイヤも本気なんだね。今日はお互い、頑張ろう」

25: 2023/07/23(日) 19:24:09.38 ID:ylFZn/VV.net
善子「あのさ、一応聞いておきたいんだけどさ、これってツッコミ待ち?ツッコんでいいやつなの?」

梨子「ちょっと、朝から突っ込むとかそんな卑猥な言葉使わないでくれる?」

善子「いやいやいや!ダイヤと果南の恰好を見てみなさいよ!」

梨子「別に?今日の目的を考えたら普通じゃないかしら?」

善子「どこがよ!!まずダイヤからよ!なんなの!その服!!」

ダイヤ「何って...道着と袴ですが」

善子「もういっこさ、正直触れたくないんだけど...。その担いでるやつは何?」

ダイヤ「善子さんにはこれが魔法のステッキに見えまして?どう見ても薙刀でしょう?」

善子「どう見ても薙刀だから言ってんの!!それ、真剣じゃないでしょうね?」

ダイヤ「馬鹿なことを。競技用のおもちゃでは人っ子一人斬れませんわ」

善子「斬らんでいい!!」

26: 2023/07/23(日) 19:24:29.73 ID:ylFZn/VV.net
善子「そんで果南!あんたの恰好!」

果南「私はジャージじゃん」

善子「ジャージなのはわかってるわよ!問題はその配色!!なんでブルース・リーみたいなジャージ着てんのよ!?」

果南「あ、善子ちゃんも知ってるの?いいよね、氏亡遊戯」

善子「果南も完全に相手を殺る気じゃんって!!!」

果南「結構練習してるから大丈夫だよ、一撃でイケる」

善子「イケちゃダメなのよ!!」

果南「ホアアアアアァァァァァァァァ!!!!!アチョォォォゥゥゥ!!!!!」

ダイヤ「ふふ、仕上がっていますわね」

善子「あー、なんか頭痛くなってきた」

27: 2023/07/23(日) 19:25:14.43 ID:ylFZn/VV.net
善子「ルビィ、あんたがしっかりしてないからこうなんのよ!」

ルビィ「ぅゅ...ごめんね、善子ちゃん。正直昨日からおねえちゃあに近づきたくなくて...。今日もできれば他人のフリしたいんだぁ」

花丸「ルビィちゃんがここまで言うなんて初めてずら...」

梨子「まったく、ぎゃあぎゃあと騒がしいわね。とにかく、千歌ちゃんがバス停に来るまで待機するわよ」

善子「なんでこのまま行こうとしてんのよ!どう考えてもおかしいでしょ!?第一、こんなアホ引き連れてたら目立ってしゃあないわよ!」

善子「とにかくダイヤ!果南!あんたらは家近いんだからさっさと帰って着替えてきなさい!!薙刀は置いてきなさいよ!!あと、果南がいつの間にか振り回してるヌンチャクも!!」

ダイヤ「薙刀無しでどうタマをとるというのです?」

善子「とらないから置いてきなさい!」

果南「アァータタタタタタタタタタタ!!!!!ホァァァァァァァァァ!!!ア↑チョォォォォォォォゥゥ↓」

善子「はよいけ!!!!」

32: 2023/07/23(日) 19:45:57.59 ID:ylFZn/VV.net
梨子「まったく。善子ちゃんが騒ぐからもう8時過ぎちゃったじゃない」

善子「逆に梨子はあんな目立つバカを引き連れていくつもりだったの?」

梨子「まぁ、確かに薙刀は目立ち過ぎだったかもしれないわね。ダイヤさん、拳銃とかはなかったんですか?」

ダイヤ「流石に市街地での発砲は方々に根回しが必要でして...今回はその時間が捻出できず...。申し訳ありませんわ」

梨子「それなら仕方ないですね。いざというときは果南さんの拳に頼りましょう」

善子「ねぇ、私Aqours続けていくの怖くなっちゃった。あんたの家って何者なの...?」

ルビィ「...............」

善子「え、なんで無言?」

ルビィ「ぅん?善子ちゃあ、何か言った?」

善子「いえ、なにも...」

33: 2023/07/23(日) 19:46:21.33 ID:ylFZn/VV.net
花丸「結局、あれから2時間近く駐車場で待ってるわけずらが」

梨子「うーん。美渡さんは出掛ける時間帯までは知らないみたいだったからね。粘り強く待つしかないわ」

鞠莉「果報は寝て待てっていうしね」

ルビィ「この場合は果報っていうのかな...」

ダイヤ「なんにせよ、今の私たちができることは辛抱強く待つだけ...あ、あれは千歌さんではありませんか!?」

曜「えっ!どこどこ!?千歌ちゃんどこ!?」

善子「ねぇ、曜って千歌ともう10何年の付き合いでしょ?未だにこのテンションって怖くない?」

ダイヤ「ほら、旅館から出てきて道路を渡っている...」

善子「あれ、あのワンピース......」

梨子「私は見たことないわよ、千歌ちゃんの今着てる服...!曜ちゃんは?」

曜「いや、私も見たことがない...。それに、こないだまではクローゼットの中にあんな服無かったよ」

34: 2023/07/23(日) 19:47:14.46 ID:ylFZn/VV.net
花丸「どうして曜ちゃんがクローゼットの中を知ってるのかは一旦置いておくとして、今日のために買ったってことずらか?」

ルビィ「だったらやっぱりデートなのかなぁ。ほら、千歌ちゃん楽しそうだし」

鞠莉「チカっちもやっぱり女の子ねぇ。好きな人の前では可愛い自分を見てもらいたいものよ」

曜「...いや、私の幼馴染力が言ってる。あれは千歌ちゃんのセンスじゃない」

梨子「...まさか!そういうことなの!?......そんなことって......!」

ダイヤ「どういうことですの?」

曜「......多分、相手からのプレゼントだよ。あんな服、千歌ちゃんには似合うはずないんだっ...!」

善子「...そう?似合ってると思うけど」

曜「善子ちゃんは一体誰の味方をしてるの!?」

善子「ヒッ!少なくともあんたの味方はしてない!!」

35: 2023/07/23(日) 19:47:34.23 ID:ylFZn/VV.net
果南「急ごう。バスが出ちゃうよ」

ダイヤ「そうですわ。万が一にも見失うわけにはいかないのですよ」

善子「これもずっと我慢してたんだけどさ、普通尾行って目立たない車で行くもんじゃないの?」

ダイヤ「...?目立たない車ではありませんか。ねぇ、ルビィ」

ルビィ「......そうだね」

善子「フルスモークの黒いベンツは内浦じゃ目立ちすぎるわよ!」

鞠莉「そうかなぁ?夜だと目立たなくていいんじゃない?夜闇に紛れるカンジで」

善子「今は朝!!しかもナンバーもダイヤとルビィの誕生日じゃん!隠す気あんの!?」

梨子「ほら、遊びはここまで。バスが発車するわ。急ぐわよ」

36: 2023/07/23(日) 19:47:54.04 ID:ylFZn/VV.net

ーー
ーーー

ららぽーと沼津

ルビィ「あれ、ここって...」

花丸「み、未来ずらぁ!」

鞠莉「ららぽーと沼津...。あんまり一人で来るような場所じゃないし、もうデート確定ね。疑いようがありまセーン!」

梨子「千歌ちゃんとのデートにこんな場所を選ぶなんて。減点1ね」

曜「...ほんとだね。千歌ちゃんのことをなんもわかってないんだから」

善子「じゃああんたらはどこに連れてくつもりなのよ」

梨子「決まってるじゃない。そんなの、なんか...雰囲気良くて...こう...おしゃれな...そう、すごいところよ」

曜「海」

善子「減点100」

37: 2023/07/23(日) 19:49:46.09 ID:ylFZn/VV.net
ダイヤ「ほら、見失わないうちに千歌さんの後をつけますわよ」

果南「そうだよ。はやく不届き者に正義の制裁を喰らわせるんだ」

ルビィ「どこかで待ち合わせなのかな?」

梨子「千歌ちゃんを待たせるなんて...!減点5ね」

善子「リリーは千歌に掃除押し付けてたじゃん」

花丸「うーん。フロアガイド見てるずらね。相手が先に待ってるのかも」

鞠莉「デートに先に到着する。最低限のマナーはクリアしているようね」

果南「ちょっと、鞠莉は相手の味方するわけ?千歌に手を出してる最低の口リコンだよ?」

曜「それは千歌ちゃんのパパにも刺さるからやめとこう」

38: 2023/07/23(日) 19:50:25.60 ID:ylFZn/VV.net
ダイヤ「...どうやら目的地はあそこのコーヒーショップのようですわね」

善子「コーヒーショップて。スタバでしょ?」

ダイヤ「まぁ、そういう言い方もありますわ」

ルビィ「喫茶店で待ち合わせなんて、なんだかデートのお手本みてるみたいだね!」

果南「...」

曜「...」

鞠莉「...ちょっと、幼馴染組が殺気立ってて鬱陶しいんだけど」

梨子「ほら、ついに相手の姿が見えるわよ!みんな、準備はいい!?丸太は持った!?」

果南「あいつだ...!ほら、千歌に手を振ってる...!」

曜「私が先鋒を。果南ちゃんは後詰をお願い」

果南「わかってる。一瞬でヤるよ...ってあれ?」

梨子「ん!?あれって...」

果南「しまねぇじゃん」

39: 2023/07/23(日) 19:50:46.27 ID:ylFZn/VV.net
ダイヤ「ど、どういうことですの?千歌さんをたぶらかす極悪非道の輩は、千歌さんのお姉さんだったということですの?」

鞠莉「そんなワケないでしょ?姉妹で遊びにきただけじゃないの?仲が良くていいじゃない」

曜「え、え、じゃあ、千歌ちゃんに彼氏なんていなかったってこと!?」

ルビィ「ちょ、声が大きいよぉ」

善子「なーんだ。心配して損したわね」

梨子「...いや、おかしくない?」

果南「なにが?」

梨子「どうして、志満さんと出かけるだけなのに私たちに秘密にしてるの?しかも、姉の美渡さんにまで」

花丸「考えてみれば、たしかに不思議ずら」

梨子「それに、あの歌詞の謎だってまだ解けてない。もう少し尾行を続けましょう」

ルビィ「この状況を楽しんでるだけのような...」

40: 2023/07/23(日) 19:51:12.64 ID:ylFZn/VV.net
花丸「あ、二人がお店を出そうずら」

ルビィ「ほんとに待ち合わせてただけみたいだね」

梨子「しっ...!二人とも静かに。プロ意識に欠けるわよ」

曜「そうだよ。あと、目線はずっと対象に合わせちゃだめ。ずっと目の端でとらえるの」

善子「ねぇ。なんでこの二人はこんなに尾行慣れしてんの?柱にヤモリみたいに引っ付いてるけど」

ダイヤ「ははぁ。家ではなく、千歌さんを守ってるわけですね」

善子「はぁ?何言ってんの?」

鞠莉「緊張が解けて、パッパラパーになっちゃったみたいね。このダイヤはレアよ。三ヶ月に一回ぐらいしか見れないわ」

善子「まぁまぁ見れんじゃない」

果南「ん、今二人が入った店って...」

鞠莉「どうみてもランジェリーショップねぇ」

41: 2023/07/23(日) 19:51:37.00 ID:ylFZn/VV.net
ルビィ「やっぱり、ただのお買い物じゃないかなぁ」

花丸「千歌ちゃんの下着選びにお姉さんが着いてきてくれたってことずら?」

梨子「初めてのブラじゃあるまいし、そんなことあるのかしら」

曜「ま、千歌ちゃんが初めてブラ買うときは私が付き添ったけどね!一緒にお揃いのやつ買ったんだー」

梨子「...だから何だってんのよ」

ルビィ「...え?り、梨子さん...?」

曜「べっつにー。ただ思い出しただけー」

善子「今の曜見てたら、そのあとこっそり自分のと取り換えてそうね」

曜「......」

善子「ちょっと!否定しなさいよ!?」

42: 2023/07/23(日) 19:51:58.84 ID:ylFZn/VV.net
梨子「...美渡さんには内緒で、志満さんについてきてもらう理由...買うものは下着...」

鞠莉「こんなに考え込む梨子は初めて見るわね...」

果南「作曲の時もこんな真剣な顔してないよ」

梨子「...!!わかったわ。真相のすべてが...。刑事さん、みんなをここに集めてください」

花丸「もう集まってるずら」

梨子「千歌ちゃん、今日は彼氏のための下着を買いに来たんじゃない?」

曜「...!!」

果南「どういう、こと...?」

梨子「それだと辻褄が合うのよ。志満さんて大人っぽいし、経験豊富そうだし...。そんな人に下着を買うためについてきてもらうって...。つまり、そういう下着を買いに来たんじゃないかな」

ダイヤ「はっ!ルビィ!こんな話は聞いてはいけません!」

ルビィ「おねえちゃん、抑えてるの目...」

43: 2023/07/23(日) 19:52:37.54 ID:ylFZn/VV.net
曜「う、そ、それならなんで、みとねぇには内緒なの?」

梨子「いや、美渡さんって明らかにそういう経験なさそうじゃない。着いてきても戦力にならなさそうだし、むしろ千歌ちゃんを茶化しそうでしょ?」

花丸「し、辛辣すぎるずら...」

曜「た、確かに...。あ、あぁ...!こぼれてゆく!私の、私の手のひらから!」

善子「......何が?」

曜「希望が!夢が!!あぁ...あああぁぁぁあ!」

鞠莉「ちょっと善子、なに恥ずかしがってるの?」

善子「衆人環視が...!今全力で他人のフリしたい...!!」

果南「あぁ!遊んでるうちに二人とも店でちゃったよ!」

梨子「...!チャンスよ!何を買ったか店員から聞き出すわよ!」

ルビィ「そういうのって教えてくれるのかなぁ」

44: 2023/07/23(日) 19:53:00.55 ID:ylFZn/VV.net
梨子「すみません!さきほどの女の子が購入した商品を教えてほしいのですがかまいませんね!」

善子「フーゴ?」

花丸「凄みで押し切るつもりずら」

店員「え、えっと...」

ダイヤ「梨子さん、店員さんが怯えているではありませんか。こういうことは、きちんとお願いしなければならないのです」

ダイヤ「こほん。店員さん、ここに百万あります。これを受け取って情報を流すか、この百万で貴方のお葬式を挙げるか、10秒以内にお選びください」

店員「あ...あ...」

果南「ちょっとダイヤ!全然ダメじゃん!私が壁ドンで堕とすから任せてよ」

果南「ねぇ、店員さん。お願いがあるんだ」ドンッッッッ!!!

果南「あ、隣の店に貫通しちゃった」

店員「ひっ...あ...」

梨子「いい加減に喋らないと店の前で潮吹かすわよ」

45: 2023/07/23(日) 19:53:17.85 ID:ylFZn/VV.net
ルビィ「店員さん、泣いてたね...」

花丸「泣きながらお母さんに電話してたずら...。お仕事辞めるって...」

善子「もうららぽに来れない...。どうしてくれんのよ!」

鞠莉「...ウチの方でフォローはいれとくわ...」

ダイヤ「仕方ありませんわ。必要な犠牲というものです。そのおかげで、千歌さんが買った下着がわかったのですか...こ、これですか」

果南「な、なんていうかこれは...」

曜「えっろ」

鞠莉「......高校生がつけるようなものではない、わね...」

善子「マリーが赤面するほどって...うわ。確かにこれは...ヤバイわね」

梨子「......確定よ。完全に真っ黒。これは彼氏に見せる用のもの...」

46: 2023/07/23(日) 19:53:46.67 ID:ylFZn/VV.net
梨子「千歌ちゃんにこんなものを着せて喜ぶなんて生粋の変態よ。口リコンよ!」

曜「そうだ...!守るんだ。私たちで千歌ちゃんを...!」

果南「千歌は騙されてるんだ。誰かが目を覚まさせてあげないと」

ダイヤ「追いかけましょう。千歌さんならまだ近くにいるはずです。」

梨子「行くわよみんな!千歌ちゃんの貞操は私たちの手にかかってる!」

善子「デカい声でなんてこと言ってんのよ!」

曜「そうだよ!私たちが千歌ちゃんの純潔を!処Oを守るんだ!!」

善子「デカい声でなんてこと言ってんのよ!!」

花丸「もうめちゃくちゃずら」

鞠莉「みんな楽しそうでいいじゃない」

ルビィ「目が虚ろになってる...」

52: 2023/07/23(日) 20:18:03.42 ID:ylFZn/VV.net
梨子「いた!!千歌ちゃん!!!」

千歌「梨子ちゃん?あれ、みんなも!?どうしたの、そんなに慌てて」

曜「あれ、しまねぇは?」

千歌「トイレだけど...。え、なんでしまねぇと来た事知ってるの?」

梨子「今日一日、千歌ちゃんの後をつけさせてもらったの」

千歌「な、なんで?」

花丸「当然の疑問ずら」

梨子「千歌ちゃんを、変態口リコン野郎の魔の手から救うためよ」

千歌「へんた、なに?ごめん、今日の梨子ちゃんが何言ってるかあんまりわかんない」

ルビィ「ルビィもあんまりわからない、かな」

53: 2023/07/23(日) 20:18:28.03 ID:ylFZn/VV.net
梨子「千歌ちゃん、隠さなくてもいいの。最近、彼氏ができたのよね?」

千歌「...え?彼氏?」

梨子「別に、千歌ちゃんの恋愛を邪魔するつもりなんてないわ。でも、相手についてはよく考えてほしいの」

曜「そう、だよ...。千歌ちゃんが幸せなら私だって祝福する。でも、千歌ちゃんを弄ぶような悪い男が相手なら黙ってられないよ...!」

果南「千歌、私たち幼馴染でしょ?私はお姉ちゃんなんだから、何でも相談してほしいな...」

花丸「今までの狂乱が嘘みたいにしおらしいずら...」

千歌「いや...。彼氏なんていないけど...」

梨子「千歌ちゃん...。そんなに相手を守りたいのね...。でも私たちはあなたたちを別れさせたいわけじゃない。私たちを信じて...?」

千歌「え、いやほんとに彼氏なんていないんだってば!」

曜「...ほ、ほんとなの?」

千歌「そうだよ!大体、みんなどうしてそんな勘違いしてるの!?」

54: 2023/07/23(日) 20:18:46.00 ID:ylFZn/VV.net
梨子「だったら、後ろ手に隠してるその紙袋はなに!」

千歌「うっ...これは...。そのー、レシピ本だよ。最近お料理の練習始めたんだー」

梨子「千歌ちゃん、その中身、下着でしょ?しかもかなり過激な」

千歌「そうだ、尾行されてたんだった」

梨子「その下着、彼氏のためのものじゃないの?」

千歌「違う違う!大体、男の人はブラとかつけないじゃん!」

鞠莉「うっ!チカっちの純粋さが今は胸に刺さる...!」

梨子「じゃあ、どうしてそんな過激な下着買ったの?志満さんについてきてまでもらって...」

千歌「それはー、そのー、まぁ、なんといいますか...」

梨子「千歌ちゃん?」

55: 2023/07/23(日) 20:19:10.84 ID:ylFZn/VV.net
千歌「もう!大人っぽくなりたかったの!こないだ梨子ちゃんが貸してくれた雑誌に、オトナの女性は見えないところもオシャレに決めるって書いてあったから...。梨子ちゃんもこういうの持ってるんじゃないの...?」

梨子「うっ...!ピュアすぎてダメージがっ...!」

千歌「えっ、どしたの」

梨子「いえ、何でも。もしかしてそのワンピースも?」

千歌「あ、わかるー?どう?似合っててオトナっぽいでしょー、えへへ」

曜「かわいいよ千歌ちゃん!とっても似合ってる!」

善子「朝のあんたが聞いたらブチギレそうね」

梨子「じゃ、じゃあどうして私たちに内緒で...?美渡さんにまで」

千歌「そんなの、恥ずかしいじゃん...。みとねぇはなんかこういうの知らなさそうだし、絶対茶化してくるし」

ルビィ「美渡さん...」

花丸「無情ずら」

梨子「そう...なんだ、そうだったのね...」

56: 2023/07/23(日) 20:19:33.52 ID:ylFZn/VV.net
千歌「まったくもー!大体、どうしてチカに彼氏がいるなんて勘違いしたの?」

梨子「だって、ほら。こないだもらった『少女以上の恋がしたい』って曲の歌詞...」

千歌「あー!あれねー、どうだった?」

梨子「あれの歌詞がちょっとほら...なんていうか、大人っぽすぎるというか、過激というか...。果南ちゃんは、千歌ちゃんの歌詞は全部実体験だって言うし...」

千歌「えぇー?そんなことないんだけどなぁ。あれねー、みとねぇが部屋に隠してたレディコミ?ってやつ読んでて思いついたの。いっつも読んでる少女漫画よりちょっと...その、えOちな部分が多かったから...かな」

千歌「あ!これってパクリになっちゃう!?ラブライブの予選で発覚!炎上!ってなったりしない!?」

梨子「ふふっ、ならないわよ...。まったくもう、心配させて...」

千歌「変なことはしてないはずなんだけどなー」

梨子「まぁ、千歌ちゃんはいつまでたっても千歌ちゃんってことね」

57: 2023/07/23(日) 20:19:52.20 ID:ylFZn/VV.net
ダイヤ「これにて一件落着、ですわね」

果南「えー、私は物足りないなぁー」

曜「えぐ...えっぐ...よかったぁ...千歌ちゃんに彼氏が居なくて...ほんとによかっだぁ...!!」

ルビィ「曜ちゃん、ほら立ってください」

花丸「安心したらなんだかおなか減ってきたずら」

鞠莉「そうねぇ、せっかく沼津まで来たんだし、なにかみんなで食べてから帰りましょうか」

花丸「賛成ずらー!」

曜「待って...起こして...!腰が抜けて...!!」

果南「ほら、みんな行くよー!鞠莉のおごりだってー」

鞠莉「まっかせなさーい!ダイヤと果南が犯罪者にならなかったお祝いパーティーよ!」

花丸「治安悪すぎずら」

58: 2023/07/23(日) 20:21:28.44 ID:ylFZn/VV.net
ワイワイ
ガヤガヤ

善子「まったく...。常識人の身にもなってほしいもんだわ」

千歌「よーしーこーちゃん」

善子「ヨハネ。なによ?」

千歌「びっくりした?」

善子「だから、なにがよ」

千歌「ふふ、私が善子ちゃんの知らない誰かとデートするんじゃないかって」

善子「やっぱりあの時、部室の外で聞いてたのね。入ってくるタイミングも絶妙だったし」

千歌「いつデートじゃないって気付いたの?」

善子「私がプレゼントしたそのワンピースを着て家から出かけるのを見たときよ」

千歌「あぁ、セブンイレブンの駐車場でみんな集まってたね」

善子「付き合ってる相手にもらった服着て、別の誰かとデートなんてありえないでしょ?そんなの速攻で堕天龍鳳凰縛よ」

60: 2023/07/23(日) 20:21:49.30 ID:ylFZn/VV.net
千歌「どう?似合ってる?」

善子「そりゃあ、私のセンスだからね。似合ってるに決まってるでしょ?」

千歌「えー、チカが可愛いからだよー」

千歌「ねーねー、善子ちゃん」

善子「だからヨハネ。何なのよ」

千歌「『少女以上の恋がしたい』の歌詞も、今日買った下着も、ぜーんぶ善子ちゃんのためだよ?」

善子「............まったく。あんたと付き合ってると、いくつ命があっても足りないわよ。昨日と今日で痛感したわ」

千歌「そうかなぁ?」

善子「あんたはほんっとーに、他者を欺いて狂わせる、魔性の女よ」

千歌「善子ちゃんもチカに狂ってくれる?」

善子「愚問ね。私は「魔」そのものよ?魔性なんかに狂わされるわけないでしょ?」

千歌「ちぇーー」

善子「もう行くわよ。怪しまれちゃかなわないわ」

61: 2023/07/23(日) 20:22:07.31 ID:ylFZn/VV.net
千歌「あ、じゃあ最後に一つだけ!」

善子「もう、なによ」

千歌「チカはねー、善子ちゃんのこと大好きだけど、善子ちゃんはどう?チカのことすき?」

善子「ふんっ。それこそ愚問というものよ。じゃあね」

千歌「あー!誤魔化した!......まったくー!可愛いんだからっ!」

62: 2023/07/23(日) 20:23:54.95 ID:ylFZn/VV.net
終わりです
久しぶりに書いたらキャラの呼称バラバラになっちゃいました
もう一回読むと、善子の反応がみんなと少し違うことに気付く...はずです
ありがとうございました

63: 2023/07/23(日) 20:30:56.77 ID:Rb+4r5jB.net
まさかのちかよし

64: 2023/07/23(日) 20:31:18.15 ID:0FK00x0r.net
まさかのちかよしエンドでびっくりした

82: 2023/07/23(日) 22:31:17.07 ID:xreD/RT8.net
過去作は

85: 2023/07/23(日) 22:49:32.48 ID:FyXyt7Sf.net

引用元: 梨子「千歌ちゃんが持ってきた新曲の歌詞がエグい」