198:  ◆tFAXy4FpvI 2012/12/08(土) 01:44:50.27 ID:2EpI2431o



前回はこちら



 キサラギクエスト EP2.5  番外編



響「そういえば雪歩は他にどんな魔法が得意なんだ?」

雪歩「私? えっと……”お茶”かなぁ?」

千早・真「お茶!?」

千早(……何それ?)

雪歩「えっと、簡単に言うと……お茶を出す、魔法、かなぁ?」

千早「…………」

響「…………」

雪歩「うぅ……そんな風に疑わなくてもぉ」

真「じゃ、じゃあ、ちょっと休憩にしようよ!
  ほら、お茶の魔法も試してみたいし!」



千早「キサラギクエスト」シリーズ



199: 2012/12/08(土) 01:45:55.20 ID:2EpI2431o
…………
……


千早「というわけで……出してもらうんだけど、いいかしら?」

雪歩「うん、大丈夫だよ。一番得意だし」

千早(……それでいいのか魔術名門萩原一族)

雪歩「”お茶”よ!」


コポコポコポ……。


真「ほ、本当だ! 杖の先からお茶が出てる!!」

千早「しかも、極東でしか取れない緑茶の葉を使用してるじゃない……!」

200: 2012/12/08(土) 01:46:26.35 ID:2EpI2431o
雪歩「あ、じゃあ千早ちゃんにはレモンティーで。”お茶”よ!」


コポコポコポ……。


千早(お茶というかティーならなんでもいいの!?)

雪歩「はい、どうぞ」

千早「ありがとう……」

響「自分、さんぴん茶がいいぞ!」

雪歩「はーい、”お茶”よ」

コポコポコポ……。

響「おお~! ありがとう雪歩! すごいな!」

201: 2012/12/08(土) 01:47:05.59 ID:2EpI2431o
真「本当に……美味しい」

千早「た、確かに味も本物だわ……」

雪歩「えへへ、ありがとう」

響「じゃあじゃあ食べ物も出せたり……」

雪歩「ごめんなさい。それはできないの……」

雪歩「魔法にもいくつかちゃんとルールがあって、
   元素のしっかりと存在するものなら出せるんだけど、
   元からない物質を作り出すということはできないんだ……」

響「そ、そうなのか……」

202: 2012/12/08(土) 01:47:55.55 ID:2EpI2431o
雪歩「うん、だからほら、元素のある”炎”」

ポォッ

千早(指先から小指の先ほどの炎を出して……保っている)

響「おお、なんか異世界のガス会社のコマーシャルみたいだぞ」

真「響はそういう本に影響されすぎなんだよ」

響「えー!? 別にいいじゃん」

雪歩「こういうのは簡単にできるんだけどね」

203: 2012/12/08(土) 01:48:53.47 ID:2EpI2431o
雪歩「一応お茶は水属性のものだからそこにお茶の葉の味を
   生成するための複合術式を脳内で組み込んで……。
   あっ、でも普通の魔法使いさんは術式を目の前で見えるように
   出すんですけど、私はそんなことはしなくても術式をダイレクトで
   完成させられるから」

響「あうー、なんか頭が……」

真「僕も頭がイタタタ」

千早「萩原さんもう大丈夫、なんとなくわかったから。
   二人の脳がショートする前にやめてあげて」

雪歩「えぇ!? だ、大丈夫?」

千早「つまり、水とか炎とか元素的なものは出せるってことね」

雪歩「複合術式の簡略方法は普通、腕を動かす時は脳で考えてから
   腕に信号が行って動く所を反射神経みたいに、直接、動かす、みたいな。
   謂わばショートカットみたいなものなの」

204: 2012/12/08(土) 01:49:55.85 ID:2EpI2431o
真「そのショートカットって誰でもできるってわけじゃないんでしょ?」

雪歩「うん、私の家の特殊な術式だともっと簡単にできるし、
   すごく使いやすいんだけど」

響「あ、でもでも自分も召喚獣は契約を結んでるんだけど、
  召喚の時は魔法を使ってるんだぞ!」

響「ほらっ」

真「うわっ、すごい、響の手のひらって今まで注目しなかったけど
  魔法陣がビッシリ描いてある……」

響「うん、これ、にぃにに描いてもらったんだ。これで呼び出せるんだ」

雪歩「へぇ~、なるほどぉ」

千早(やっぱりあの意味不明な文様を全て解読できてるのかしら?)

205: 2012/12/08(土) 01:50:44.24 ID:2EpI2431o
響「ちょっと待って、自分、召喚獣を召喚できるってことは、
  普通の魔法も結構センスあったりするんじゃないか!?」

千早「でも今は何も知らないわけでしょ?」

響「ふふん、まぁまぁ、ねえ、雪歩! 何か教えてよ!」

雪歩「えぇ!? じゃ、じゃあ火属性の一番最下級のものでいい?」

雪歩「松明代わりくらいにしか役に立たないんだけど」

響「ふっふっふ、それを鍛えれば炎使いとしていろいろできるんだよね!?」

響「大丈夫大丈夫!」

雪歩「えっと、まず、初心者から中級者までは術式のスペルを
   手元に描いた方が間違いがなくちゃんとできるからそこから教えるね」

響「うんうん!」

206: 2012/12/08(土) 01:51:40.92 ID:2EpI2431o
雪歩「スペルを書くには体内の魔力エネルギーを書くもの……。
   本当は杖は書きやすいからそのためにあるんだけど、
   でも今は響ちゃんは杖がないから指に集めてry」

響「う、うん……! んん~~」

千早(萩原さんは指先で全く読めない文字を自分の目の前、空中に書きだした)

雪歩「まず火の元素記号を作成するために、この文字とこの文字を描いて、
   それから発動の条件である、記号と文字を描いてry」


響「ん、んん~~…………」

207: 2012/12/08(土) 01:53:07.17 ID:2EpI2431o
雪歩「それから呪文である”炎”を唱えるの」

響「うぎゃーー! 全然わかんないぞーー! 自分には無理! やめた!」

千早「まぁ、我那覇さんのは見え透いたオチだったけれど、
    私も今のを聞いても最後の呪文を唱えるって所しかわからなかったわ」

真「今の動作を雪歩はやらなくても出せるんでしょ……?」

千早(……やはり、天才だったか)

千早「って、真、何か肩についてるわよ?」

真「えっ!? って、うわぁぁあああ!! む、虫! 虫ぃい!」

響「げっ、それ、吸血虫だぞ! 早くどかさないと血、全部抜かれるぞ!」

208: 2012/12/08(土) 01:53:44.71 ID:2EpI2431o
真「うわぁぁ! 早く言ってよ!」

パンッ

千早「ちょ、やだっこっち飛ばさないでよ」

雪歩「大丈夫、真ちゃん!? 今やっつけるからね!」

雪歩「よくも真ちゃんの血を……。てぇぇぇいっ!!」



ボゴォォンッ!


千早「へ?」

真「……はい?」

響「……えっ」

209: 2012/12/08(土) 01:55:26.42 ID:2EpI2431o
千早(虫がいたと思われる空間が丸ごと……なくなった。
   飲み込まれた? どこに?)

真(いやいや、虫がいた周りの土とか草とかも丸ごと逝ってるよコレ)

響(きっと、別の亜空間に飛ばしたんだぞ……)



3人は雪歩には逆らわないようにしようと、心に誓った。



キサラギクエスト EP2.5  番外編~萩原先生の魔術講座~  END

210: 2012/12/08(土) 02:02:16.73 ID:2EpI2431o
今回はここまでにします。

EP2.5は30分も時間かけずに描いたから雪歩の口調に違和感を感じますが、勘弁してください。
精進します。


211: 2012/12/08(土) 09:27:34.50 ID:QNQFtFZFo
おつ



続きます




引用元: 千早「キサラギクエスト」