668:  ◆tFAXy4FpvI 2013/02/18(月) 10:55:19.60 ID:UvgCKDDRo



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 キサラギクエスト  EP6.5 


黒井「……」

冬馬「……」

北斗「……」

翔太「……」

美希「……」

響「……」

黒井「貴様ら……お前たちが城に直接向かっていて何てザマだ!」

冬馬「何言ってんだ、それでも王は頃しただろうが」

黒井「愚か者め……美希ちゃんはともかく冬馬、お前がいながら一体何をしているんだ」



千早「キサラギクエスト」シリーズ



669: 2013/02/18(月) 11:00:21.71 ID:UvgCKDDRo
美希「ほんとその通りなの。邪魔ばーっかりするし」

冬馬「なんだと!? もとはと言えばお前が」

北斗「まぁまぁ冬馬。お言葉ですが、冬馬はよくやってましたよ」

黒井「ふん……まあいい」

響「あ、あの! 自分は……その……」

響「あ、あれはやりすぎなんじゃ……」

美希「やりすぎって自分でやったくせに?」

響「そ、そりゃあ命令されたからやるけれど……でもあんなの酷いぞ!」

響「いくらなんでも殺さなくても……」

黒井「クックックッ……情が移ったのか? 奴らと腑抜けた旅をしたせいで」

670: 2013/02/18(月) 11:05:31.86 ID:UvgCKDDRo
響「……そんなことないぞ」

美希「でも、響をスパイに送った美希の判断は最高だって思うな」

黒井「さすがは美希ちゃんだな」

響「……うぅ、自分だって頑張ったのに」

黒井「で、報告することは以上か」

北斗「そのようですね」

黒井「では解散とする」

黒井「響ちゃん……あのクズの手先の連中と絡んでいたことはもう忘れるんだ」

黒井「迷いは己を弱くする。さっさと迷いを断ち切るんだ」

黒井「響ちゃんのお兄さんも心配してしまうよ」

響「うぅ……。はい」

響「……千早たちは……クズなんかじゃない……」

美希「……」

671: 2013/02/18(月) 11:08:55.45 ID:UvgCKDDRo
美希「響。あの人達はもう敵なんだからね。次に会ったら頃すんだよ?」

響「わかってるよ」

美希「そう。ならいいけど」

響「あ、ねえ美希。美希の言ってたプロジェクト・フェアリー? って何?」

美希「……聞かれてたの」

響「え?」

美希「ううん、なんでもないの。響は気にしなくてもいいことなの」

響「えー! なんでよ! 教えてよ!」

美希「やだよー! 教えて欲しかったらここまでおいでー!」

響「あぁ、こら! 待てー!」

672: 2013/02/18(月) 11:12:07.43 ID:UvgCKDDRo
…………
……



響「ハァ、ハァ、美希の奴、真の身体能力までマスターしてたのか」

響「追いつけない訳だよ……」

響「って、あれ? ここどの辺だっけ?」

響「久しぶりにお城に来たからわからなくなったぞ……」

響「まぁ、いいや。とりあえずその辺の見回りにでも聞けばいっか」

響「ん? 誰かの話し声が聞こえるな」



「どう? 美味しい?」

「真、美味です。しかし、面妖な味ですね」

673: 2013/02/18(月) 11:15:20.97 ID:UvgCKDDRo
響「ねえ、ちょっと」

部下「っっ!! はい!」

響「ここで何してるの? っていうか誰? その人」

貴音「わたくし、ですか?」

部下「き、機密事項により言えません!」

響「ふぅーん、いぬ美!」

いぬ美「……グルルルルッッ」

部下「ひ、ひぃぃ!? こ、こちらはナムコ王国の姫であられる四条貴音です!」

響「ナムコのお姫様……」

響「そんなのが何でこんな所にいるの?」

部下「わ、わかりません。私はただこの姫の監視の業務にいるだけですので」

674: 2013/02/18(月) 11:19:19.15 ID:UvgCKDDRo
貴音「わたくしはどうやら攫われたようです」

響「誘拐? そっか、敵国だもんね」

貴音「あなたは……何か落ち込んでいるのですか?」

響「えっ? べ、別に自分は落ち込むことなんて何ひとつないぞ!」

貴音「いえ、わかります。立ち込める負のオーラ、染み付いた血の匂い」

貴音「わたくしと同じ匂いがしますので」

響「ちょっと席を外してくれない」

部下「はっ!」

響「……」

響「自分と同じ匂い? 一国の姫が?」


675: 2013/02/18(月) 11:24:42.86 ID:UvgCKDDRo
貴音「えぇ」

響「……あんたに何がわかるんだよ」

貴音「わからずとも、感じるのです」

響「……」

響「……ぷっ、変な奴! あははは!」

貴音「? 何かおかしなことでもありましたか?」

響「ううん、なんでもないよ。そう言えば自分の名前を教えてなかったね」

響「自分、我那覇響って言うんだ。よろしくね」

貴音「はい。よろしくお願いします」

貴音「ふふ、これでわたくしとお話してくれるお友達がまた増えました」

676: 2013/02/18(月) 11:27:49.75 ID:UvgCKDDRo
響「なんだそれ? まぁいいや」

貴音「しかして、どうしてそのように落ち込んでいたんですか?」

響「うーん、なんと話せばいいんだろうな」

響「仲の良かった友達と喧嘩別れ? よりももっと酷いような別れ方をしちゃってさ」

響「まぁ、自分が一方的に悪いんだけど」

響「でも、しょうがないんだ」

貴音「それは真ですか?」

響「え?」

貴音「その言葉に偽りはありませんか?」

響「い、偽りって言われれば……ないこともない」

貴音「でしたら仲直りはするべきです」

677: 2013/02/18(月) 11:33:15.23 ID:UvgCKDDRo
響「なんか変な気分だな。全部見透かされてるみたいで」

貴音「そのようなつもりはありません」

響「そっか。でもさ、貴音はじゃあどうしてこんな所にいるんだ?」

貴音「わたくしですか?」

貴音「……トップ・シークレットです」

響「本当に変わった奴だな! あははは!」

響「自分気に入ったぞ! ねえ、これからもちょくちょくここに来てもいい?」

貴音「えぇ、構いません。もっともそれはわたくしではなくそこの憲兵さんが決めることですが」

響「そっか、ありがとう。自分もうお仕事の時間だから行かなくちゃ!」

貴音「ええ、頑張ってきてください」

響「ありがとう! じゃあまたね!」

響(……ちょっと変わってるけど面白い人かも! なんか気が合いそうな気がするぞ!)



キサラギクエスト  EP6.5  番外編~運命の出会い~   END

678: 2013/02/18(月) 12:39:20.46 ID:j2oOOoy7o
おつ



続きます



引用元: 千早「キサラギクエスト」