1: 2023/07/26(水) 19:21:59.30 ID:qsJfZ4hP.net


かのん「え?ちぃちゃんのたこ焼き屋さんの近くに100円たこ焼き屋さんが出来るの?!」

千砂都「そうなんだよ…大黒天物産って会社が経営してるスーパーが出来るんだって。お店の前でたこ焼きが100円で売るのが定番みたい」

かのん「でも何で 酷くない?
!そんなに安くしたら、たこ焼き屋さんの売上が減るじゃん!!」

千砂都「減るだろうね、今までライバル店がなかったし、ここらのお店ではかなりの安さだから……」

かのん「うぅ……酷い……私なら、絶対に許さないけどなぁ」

千砂都「大黒天物産って地方を中心にお店を出してるみたいなんだけど。なぜか東京にも進出してきたみたいだよ」

かのん「なんで!?」

千砂都「理由は分からないけど、まあ安いし、かのんちゃん行ってみたら?」

かのん「ダメだよ!ちぃちゃんのたこ焼き屋さんのライバルなんだよ!? ちぃちゃんのたこ焼き屋さんの敵は私の敵!!私が倒す!!!」

千砂都「いや、そう言われても……」

2: 2023/07/26(水) 19:22:57.01 ID:qsJfZ4hP.net
かのん「このまま、何もしないつもりじゃないよね?ちぃちゃん?」

千砂都「えっ?どういうこと?」

かのん「私、考えたんだけどさ、原宿はオシャレの街だよね?そこに激安スーパーは相応しくないと思うんだよね……。」

千砂都「たこ焼きもオシャレとは言えないような気がするけど……」

かのん「それは言っちゃダメだよ!ちぃちゃん!……でも、あのたこ焼き屋のたこ焼きは美味しいもん。それに、ちぃちゃんと私は運命共同体なんだから、一緒に戦おうよ!ちぃちゃん」

千砂都「どこぞの監督じゃないんだから…まぁ美味しいと言ってくれるのは嬉しいけど」

かのん「まずはライバルの事について調べないといけないね!その大黒様みたいな店の他のお店は近くに無いの?」

千砂都「どうなんだろう?確か金沢にはあったような気がしたけど遠いよね?関西とかには沢山あった気もするけどどうだっけ?」

かのん「金沢だね!分かった早速行こう!」

千砂都「え?行くの?今日学校あるよ?」

かのん「大丈夫だよ!学校はサボろう!」

千砂都「ダメだよ!サボったら怒られるよ!」

3: 2023/07/26(水) 19:23:34.61 ID:qsJfZ4hP.net
かのん「関係ないよ!ちぃちゃんのたこ焼き屋さんが優先だよ!私達が守るんだから」

千砂都「…………」

かのん「北陸新幹線を使えばあっという間だね!」

千砂都「…今更だけど、愛知県や岐阜県にもあったみたいだよ…」

かのん「大丈夫!金沢の大黒様が
1番怪しいから、そこを調べよう!ほら早く!」

千砂都「……意味がわからないよ」

かのん「ラ・ムー?」

千砂都「そういうお店のスーパーを大黒天物産が経営してるみたい、ほらあそこのお店の前にあるのが100円たこ焼き屋さんだよ」

かのん「へぇー、気が進まないけど食べてみようか?」

千砂都「うん、私買ってくるね」

かのん「ありがとう、ちぃちゃん」

4: 2023/07/26(水) 19:24:07.52 ID:qsJfZ4hP.net
店のおばあちゃん「いらっしゃい、隣の券売機で券を買ってね」

千砂都「はい!分かりました。はい、2人分お願いします!」

店のおばあちゃん「あいよ、あんたら学生さんかい?」

かのん「そうです!私たちは東京の高校に通ってます!」

店のおばあちゃん「そうかい、偉いねぇ、はい、たこ焼き2つだよ、熱いうちにおあがり」

かのん&千砂都「ありがとうございます」パクッ……モグモグ……ゴクッ

かのん「熱々だぁ、うん美味しい!ちぃちゃんのたこ焼きと同じ味だよ!凄い!」

5: 2023/07/26(水) 19:25:20.23 ID:qsJfZ4hP.net
千砂都「えっ…嘘でしょ?」パクっ

千砂都(100円でこのクオリティはすごいし、きっとこのたこ焼き儲けなんか無くてスーパーのお客さん呼び寄せる為のものだよね?)

千砂都(と言っても…明らかにうちのたこ焼きとは違うよ…比べるものじゃない)

かのん「美味しい!美味しい!コレ本当に100円?すごいね!ちぃちゃんのたこ焼きと変わらないよ!」

千砂都「そっそう……そうなんだ……」

かのん「ちぃちゃん、どうしたの?」

6: 2023/07/26(水) 19:26:08.90 ID:qsJfZ4hP.net
千砂都「うぅん、なんでもないよ、私ってバカだったなぁと思って」

千砂都(かのんちゃんってこんなに味オンチだったなんて知らなかったよ……)

かのん「どうしたの?私もう1個買ってくるよ?」

千砂都「いいよ、お金勿体ないし、もう帰ろっか……」

かのん「え?どうして?せっかく金沢まで来たのに?」

千砂都「100円のたこ焼き食べる為に1万円以上払っておいて今更だけど、早く帰った方がいいよ」

かのん「ちぃちゃん、どうしたの?急に冷たくなってない?それにまだ調べたいことがあるんだよ」

千砂都「別に……私は普通だよ、かのんちゃんがおかしいんじゃない?」

かのん「そんな事はないよ!ちぃちゃんが冷たいだけじゃん!」

千砂都「とにかく私は帰るね、かのんちゃんは勝手に調べれば?」

かのん「ちぃちゃん待ってよ!何怒ってるの!?」

千砂都「かのんちゃん、うるさいなぁ……」

かのん「ちぃちゃんのたこ焼き屋さんの敵は私の敵なんだから!絶対に許さない!!」

千砂都「何言ってるの!こんな100円たこ焼き食べて喜んでたくせに!」

かのん「それは違うよ!ちぃちゃんのたこ焼きの方が美味しいもん!」

千砂都「はぁ?!嘘ばっかりさっき私のたこ焼きと変わらないとか言ってたじゃん!」

かのん「言ったけど、でも本当はちぃちゃんのが美味しいんだから!」

千砂都「意味わかんないよ!」

かのん「ちぃちゃんこそ意味分からないよ!」

千砂都「もぉー!! 」
かのん「ちぃちゃんだって、もぉー!! 」

かのん&千砂都「フンッ!!」

プイッ かのん「ちぃちゃんが頑固だからいけないんだよ!私悪くないもん!」

千砂都「かのんちゃんが頭固いからでしょ!私が怒る事でもないし!」

かのん「ちぃちゃんのたこ焼き屋さんの為にやってるのに!なんで分かってくれないの!?」

千砂都「そう言うならせめて100円のたこ焼きと私の作ったのが区別つくようになってからにしてよ!この味オンチ!」

かのん「…うっ、そっそこまで言わなくてもいいじゃん……」

千砂都「……」

千砂都(な、泣いた?!)

7: 2023/07/26(水) 19:26:37.42 ID:qsJfZ4hP.net
かのん「……ごめんね、ちぃちゃん、うっ…うっ……ひくっ……」

千砂都(まじかよ…泣き顔そそるんだけど…)

千砂都「あー、えっと……私も言い過ぎたよ……ごめんね……」

かのん「ちぃちゃんのたこ焼き屋さんが潰れちゃったら、嫌だし……」

千砂都「大丈夫だよ、多分潰したりしないよ、きっと…大丈夫」

かのん「本当?」

千砂都(あー、ヤバい、可愛いすぎる……)

かのん「じゃあ、今日は帰ろうか?」

千砂都「うーん、でもせっかく来たんだし、もう少し金沢を満喫して帰ろうよ!お土産も買ってさ!」

かのん「うん!分かった!じゃあ、行こうか!」

千砂都「まだまだ食べれられるよね?」

かのん「もちろん!」

9: 2023/07/26(水) 19:27:15.73 ID:qsJfZ4hP.net
翌日
ホテル🏩💕

かのん「あれ?ここは?」

千砂都「…ごめん、かのんちゃんまた学校サボっちゃったみたい」

かのん「あはは……そっか…昨日私達…///」

千砂都「……うん、まぁ……その……///」

かのん「いっそ今日も1日遊んじゃう」

千砂都「ダメだよ、みんなに連絡しないと」

かのん「そうだよね...」

千砂都「……どうしよう?なんて説明すればいいと思う?」

かのん「どうしよっか?」

千砂都「いっそ正直に話す?」

かのん「……うん、それしかないよね」

千砂都「取り敢えず、すみれちゃんで良いかな?電話してみるね」

かのん「私が話すよ」

千砂都「そう?お願い」

プルルルル……
かのん「もしもし?すみれちゃん?」

すみれ『ちょっと、かのん!あんたどこよ今?千砂都も居るの?』

かのん「ちぃちゃんも居るよー。ごめんね心配かけて、実は私達……今金沢に居るんだ」
すみれ『え?どういう事よ』

千砂都「かのんちゃん、私から説明するよ?」

かのん「ありがとう、ちぃちゃん、よろしく!」

千砂都「あのね、かのんちゃんがどうしてもって言うから、学校に行かずにそのまま来ちゃったんだ」

すみれ『はぁ?それで今はどこにいるのよ?』

10: 2023/07/26(水) 19:27:43.99 ID:qsJfZ4hP.net
千砂都「今?今は、ホテル…かな///」

すみれ『……ホテル?!』

かのん「〇〇〇ってホテルだよ」

すみれ『知らない名前ね』

かのん「えへへ、ラブホだよ♡」

すみれ『……ラ……ブ……ホ?!……ちょ、え、えぇーーー!!!!///』

千砂都「かのんちゃん?!!何言ってるの!?」

かのん「えっ、だって本当の事だよ?」

千砂都「そうだけど、言い方ってものがあるじゃん!」

かのん「でも事実だし……」

千砂都「そうかもしれないけど……ほら、色々と誤解があるかもだから……」

すみれ『誤解も何も無いわよ!!学校サボってナニやってるのよ!このバカ!!』

かのん「べ、別にな、何もヤッてないかも知れないじゃん!」

千砂都「……かのんちゃん……それは無理があるよ」

すみれ『とにかく今すぐ帰ってきなさい!分かったわね?絶対よ!』

プツリ……プープープー

11: 2023/07/26(水) 19:28:20.74 ID:qsJfZ4hP.net
千砂都「あはは、恋ちゃん達には正直に言わない方が良さそうだね」

かのん「すみれちゃんがどうせ言っちゃうよ」

千砂都「そうだよね…どうしよう?」

かのん「別にいいよ、堂々としてようよ」ギュッ

千砂都「かのんちゃん///」

千砂都(一夜でこんなに変わるとは思わなかったよ)

かのん「ねぇ、ちぃちゃん……」

千砂都「なぁに?かのんちゃん」

かのん「大好きだよ」

千砂都「……私も……大好き」

チュ……

12: 2023/07/26(水) 19:29:56.55 ID:qsJfZ4hP.net
それからしばらくして…


ありあ「いつの間に私の家はたこ焼き屋さんになったのよ」

千砂都「ごめんね、前のたこ焼き屋さんが閉店しちゃって途方に暮れていた所をかのんちゃんが助けてくれたから」

かのん「私は何もして無いよ、お母さんが良いって言ってくれたからだし、ありあもごめんね」

ありあ「まぁ 私も別に良いけどね」

かのん「ちぃちゃん、はい♡私の作ったたこ焼きだよ、あーんして?」

千砂都「あーん……モグモグ……美味しい♡」

千砂都「はい、今度は私から あーん」

かのん「あーん……んぐっ、美味しい!」

13: 2023/07/26(水) 19:31:26.59 ID:qsJfZ4hP.net
かのん「最近、私も上達したよね?ね?ね?」

千砂都「うん、前より断然上手になってるよ!」

かのん「良かったー!」

千砂都「でも…私のたこ焼きと同じだとは、まだ言わせないからね!」

かのん「分かってるよ!でもいつかは追いついてみせるんだからね!」

千砂都「無理だとは思うけど、頑張ってね」

かのん「うん!頑張る!」

千砂都(かのんちゃんって本当に可愛いな)
千砂都(家族も家も全部売り払ってかのんちゃんちの隣にお店作って良かったよ)

千砂都(これからもずっと大好きなたこ焼きとかのんちゃんと一緒に居られたら良いなぁ )

かのん「ちぃちぃちゃんご機嫌だね?」

千砂都「かのんちゃんと一緒に過ごせて幸せだからね」

かのん「えへへ、私も!」

かのん「絶対に大黒を見返すようなたこ焼き屋さんを作ろうね」

千砂都「うん、約束するよ」

15: 2023/07/26(水) 19:32:25.37 ID:qsJfZ4hP.net
一方1年生達は…

きな子「…」キョロキョロ

メイ「大丈夫だ…誰も居ないぞ……」
四季「はい、1人2つずつ買ってきた」
夏美「ナイスですの!」

パクっ


メイ「やっぱ美味いな、100円って分かってても手が止まらないぜ」

夏美「寧ろ、もうこれ無しでは生きていけない身体になってしまいましたの……」

きな子「最近 このたこ焼きのせいで体重が大変っす……」

メイ「お前は食い過ぎなんだよ」

きな子「でも美味しいんすもん!」

メイ「確かにな、でも毎日食べてると流石に飽きるけど」

きな子「そうなんすか?きな子は全然飽きないっすよ」

メイ「…」

メイ「はぁ…千砂都先輩が見たら悲しむんだろうなぁ……」

きな子「こんな時に千砂都先輩 の話をするのはダメっすよ」

夏美「そうですの、もっと空気を読んで欲しいですの」

メイ「……悪かったよ」

四季「昨日 かのん先輩のお店に行ったけど、隣の千砂都先輩のお店あんまりお客さん来てなかった」

夏美「私達が何が言える立場じゃないですの」

メイ「でも先輩達に顔向け出来ないよな……」

きな子「そうっすね……」

夏美「このままじゃ まずいですの……」

恋「そうです。マズイです…」

16: 2023/07/26(水) 19:32:35.49 ID:qsJfZ4hP.net
四季「…恋先輩?!」

メイ「ちょっとまじかよ、まさか見られるなんて…って え?」

恋「このたこ焼きが美味し過ぎて、大変マズイです😭」パクパク


夏美「意外な展開になりましたの……」

メイ「恋先輩が仲間だとは思わなかった」

恋「皆さん!この事は墓場まで持っていきますよ!絶対ですよ!絶対!もし破ったら切腹しますからね!」

きな子「恋先輩、それは重いっす」

夏美(めんどくさい事になりそうですの)

17: 2023/07/26(水) 19:34:31.60 ID:qsJfZ4hP.net
可可「やっぱり千砂都のたこ焼きは世界一デスネ!」

千砂都「ありがとう、嬉しいよ」

すみれ「どうしてこんなに美味しいのにお客さんが来ないのよ!おかしいわよ!」

千砂都「すみれちゃん……ありがとね」

かのん「そうだよ、こんなに美味しいのにみんな知らないだけだよ」

可可「皆さんがこの味に気づくまでクゥクゥは宣伝し続けマス!」

千砂都「ありがたいけど、そんなに無理しないでね」


すみれ「そうよ、こんなに美味しいんだもの、きっと皆すぐに気付くはずよ」

千砂都「ふふ、そうだね」

かのん「……ねぇ、ちぃちゃん」

千砂都「どうしたの?」

かのん「私達はいつまでも一緒に居られるかな?」

18: 2023/07/26(水) 19:35:15.01 ID:qsJfZ4hP.net
千砂都「急にどうしたの?」

かのん「ううん、ただ不安になっただけだよ」

千砂都「……私はね、かのんちゃんと一緒なら何処までも行ける気がするよ」

かのん「……そっか」

ギュッ……


すみれ「……」

可可「何見ているデスカ?すみれ」

すみれ「別に何でもないわよ」

可可「……もしかして、羨ましいんデスカ?」

すみれ「は?違うし!」

可可「すみれは素直じゃないデスね」

すみれ「うるさいわよ!」

19: 2023/07/26(水) 19:36:15.00 ID:qsJfZ4hP.net
すみれ「ちょっと!2人ともこんな事してばかりじゃちっともたこ焼きなんて売れないわよ!さっさと働きなさい!」

かのん「あはは、はーい!」

千砂都「はい!」

タッタッタ……


すみれ「さぁ私たちも全力サポートするわよ!」

可可「仕方ないデスネ、すみれだけじゃ頼りないから手伝ってあげマス」

すみれ「一言余計よ」


その後、かのんちゃんの急成長やみんなの協力のお陰で私達のたこ焼き屋さんは大繁盛し、地域の新聞にも取り上げられた。そして、予選で夏美ちゃんがやらかして敗退したはずのラブライブ本戦を何故か特別枠という名の不思議な力で出場を決めることが出来たのでした。

千砂都「それにしてもたこ焼き屋さんが繁盛し始めてから恋ちゃんと2期生のみんながめちゃくちゃ謝ってたのは何でなんだろう…?」


恋「ノーコメントでお願いします」



お終い

20: 2023/07/26(水) 19:40:58.28 ID:eyE+Oxp1.net
おつ

21: 2023/07/26(水) 19:41:34.70 ID:g4KofOBz.net
お疲れ様です

引用元: かのん「100円たこ焼き屋…?」