4: 2011/09/22(木) 02:03:51.30 ID:gxPDUturO
ゴォオオオオ


なの「はかせが!!はかせがまだ中に!!」

阪本「バカ!!娘!氏ぬ気か!?」

なの「で、でも!!」


はかせ「なのぉおおおお、助けて!!のぉおおおお」

なの「はかせ!!はかせぇええええええええ!!」

阪本「だからやめろバカが!!この火だ!!お前が氏ぬだけだ!!」

なの「そんな・・・!!」

阪本「すぐに消防隊が来る!!それまで・・・!」

はかせ「なのぉおおおおおおお!!阪本ぉおおおおおおお!!」

阪本「っ・・・!!」

なの「はかせっ・・・はかせぇぇぇ・・・!!」


みお「あわわわわわ」
日常(11) (角川コミックス・エース)
8: 2011/09/22(木) 02:11:28.03 ID:gxPDUturO
なの「ぅ・・・ぅう・・・」

はかせ「なのぉおおおおお・・・なのぉおおおおぉぉぉ・・・!」

なの「はかせ・・・はかせぇ・・・」

阪本「・・・そうだ・・・もうこうなったら祈るしかないんだ・・・」


ビスケット2号「ここはボクにまかせて下さい!」

阪本「お前は!」

ビスケット2号「うぉおおおおおおおお」

阪本「おお!すごいぞ!」

ビスケット2号「ぇぎゃぁあぁぁぁぁぁ・・・!」

阪本「氏んだぁああああああああああああああ!?」

11: 2011/09/22(木) 02:16:07.95 ID:gxPDUturO
はかせ「ぁああぅぅ・・・なのぉ・・・阪本ぉ・・・熱いよ・・・熱いよぉ・・・」

なの「はかせ・・・!阪本さん私やっぱり・・・!」

阪本「だから待て!ここまで火の周ってるんだぞ!無理だ!!」


なの「でもっ・・・でもっ・・・!!」


ウーカンカン ウーカンカン


阪本「来たぞ!!」

はかせ「なのぉぉぉぉぉ・・・なのぉ・・・」

なの「はかせ!消防車が来ました!すぐ!もうすぐですからね!!」



みお「こ、こんなはずじゃ・・・」

15: 2011/09/22(木) 02:23:08.79 ID:gxPDUturO

消防隊「危ないから下がってて下さい!」

なの「でもまだ中にはかせがっ!!はかせがっ!!はかせ!!はかせぇ!!」

消防隊「大丈夫ですから!後は我々にまかせて!!」

阪本「聞いただろ娘!これ以上は邪魔になるだけだ!!」

なの「はかせを!!はかせをよろしくお願いします・・・!!」



消防隊の人達がの活躍で無事に火は消し止められました

警察の人に放火の疑いがあるなどと言われたけど

私ははかせが無事に救出されたことが何よりも嬉しくて
私にはそんなことどうでもよかったんです



でもあれからはかせはまるで人が変わったようになってしまいました





はかせ「なのは・・・助けてくれなかった・・・はかせを・・・助けてくれなかった・・・」

18: 2011/09/22(木) 02:26:11.29 ID:gxPDUturO
なの「はかせ・・・」


はかせ「助けて・・・くれなかった・・・なのも・・・阪本も・・・助けて・・・助けて・・・」


阪本「ガキ・・・」

なの「そ、そうだ!みんなお見舞いに来てくれたんですよ!!相原さんがたくさんお菓子を」


はかせ「・・・いらない」

なの「はかせ・・・」

はかせ「出てって・・・」

阪本「・・・」

はかせ「出てってよ・・・」

28: 2011/09/22(木) 02:32:37.54 ID:gxPDUturO

なの「はかせ・・・どうしよう・・・どうしよう・・・どうしよう・・・っ」

阪本「お前まで取り乱してどうすんだ、ガキにはまだ落ち着く時間が必要なだけだ」

なの「でもはかせの言う通り・・・私は・・・はかせを助けられなかった・・・」

阪本「じゃあ聞くが娘、あの時お前に、俺やお前に何か出来たのか?」

なの「それは・・・」

阪本「何かしたところでビスケットの二の舞になっただけだ」

なの「でもビスケットさんは、ビスケットさんだけがはかせを・・・」

阪本「・・・お前ももう休め・・・あれからろくに寝てないだろう」



なの「・・・」

阪本「・・・」

30: 2011/09/22(木) 02:39:05.23 ID:gxPDUturO
翌日

なの「はかせ、調子はどうですか?」

はかせ「・・・」

なの「じゃーん!鮫チョコ買って来ましたよ~」

はかせ「・・・」

なの「・・・ほ、ほら3つも買って来ちゃいましたよ~!」

はかせ「・・・いらない」

なの「・・・そ・・・そんなこと言ってると食べちゃいますよ~?」

はかせ「・・・」

なの「・・・はかせ?」

はかせ「・・・なの」

なの「な、なんですか?はかせ!お腹空きましたか?」

なの「あっ、実はお弁当も持って来てるです!お医者様にも許可を」

はかせ「帰って」

32: 2011/09/22(木) 02:48:25.94 ID:gxPDUturO
学校

ゆっこ「なのちゃん・・・はかせは元気にしてる?」

なの「え、ええ、お陰様で・・・お医者様もしばらく入院して様子を見るだけだって」

ゆっこ「よかった~、みんな心配してたんだよぉ」

麻衣「・・・これ、お見舞い」


そういって水上さんがくれたのはいつものように木彫りの仏様だった

なの「ありがとうございます・・・でも出来れば直接渡してあげて下さいませんか?・・・その方がはかせも喜ぶと」

麻衣「・・・お見舞いに直接渡すのは別に彫ってるから、とりあえず、これ」

なの「・・・ありがとうございます」



確かに水上さんの気持ちは有り難いし、嬉しかった
でも私の手からはかせに何かを渡すのは正直怖かった


結局、お弁当も鮫チョコもはかせは一度も口にしてくれなかった


34: 2011/09/22(木) 02:53:03.74 ID:gxPDUturO
病院

なの「はかせ・・・来ましたよ」

はかせ「・・・」



なの「お加減はどうですか?お医者様の言うことはちゃんと聞いてますか?」

なの「あっ、着替え持って来ましたから着替えちゃいましょうね?服脱がしますよ?」

はかせ「触らないで」

なの「!」ビクッ

はかせ「・・・自分で出来るから」

なの「そ、そうですよね!え、偉いなぁ、はかせは!」

はかせ「・・・」

なの「・・・」

39: 2011/09/22(木) 02:57:21.99 ID:gxPDUturO
はかせは入院してから一度も私を見てくれていない

ずっと何もない壁を見つめている

私が
私がなんとかしなくちゃならない


なの「あっ、そうだはかせ!お土産があるんです!ほら!」

水上さんがくれた仏様
これならきっとはかせも笑顔に


はかせ「なの・・・」

なの「はかせ・・・」



はかせ「・・・なにそれ」

45: 2011/09/22(木) 03:07:47.66 ID:gxPDUturO
なの「えっ・・・?」

はかせ「・・・仏って・・・氏んだ人のことだよね・・・」

なの「あっ・・・」

はかせ「やっぱりなのもそう思ってるんだ」

なの「はかせ・・・何を・・・?」

はかせ「なのもはかせは氏んだ方がいいって思ってるんだ!!」

なの「はかせ・・・!?」

はかせ「だから助けてくれなかったんだ!!あんなに熱かったのに苦しかったのに怖かったのに怖かったのに怖かったのに怖かったのに怖かったのに」

なの「は、か・・せ・・・」

はかせ「はかせなんて氏ねばよかったんだ氏ねばよかったんだ氏ねばよかったんだ氏ねばよかったんだ氏ねばよかったんだ氏ねばよかったんだ」

なの「そんな、はかせ・・・!!それは・・・!!」

なの「うあああああああああああああああああああああああああああああああ」

ナース「これは・・・!?先生呼んで早く!!」

はかせ「ああああああああああああああああああああああああああああああ」

なの「は、か・・・せ・・・」

49: 2011/09/22(木) 03:15:33.08 ID:gxPDUturO
東雲研究所跡地


阪本「大丈夫か、娘?」

なの「・・・えっ・・・?」

阪本「なんだか思い詰めた顔してたが」

なの「いえ・・・」

阪本「やっぱあの状態のガキの相手は辛いか・・・?」

なの「い、いえ!どんな時だってはかせははかせですから!」

なの「今日もお菓子食べ過ぎだって叱って来た所です!」

阪本「そうか、ならいいんだが、すまんな・・・まさか病院が動物禁止とは」

なの「いえ、仕方ないですよ」

阪本「・・・昼間、警察が来てたぞ、さすがに応対はしなかったが」

なの「警察?」

阪本「お前も聞いてるだろ?あの家事、放火かも知れねぇんだとかなんとか・・・」

なの「・・・」

53: 2011/09/22(木) 03:20:47.73 ID:gxPDUturO
そうだ
はかせが無事ならそれでいいなんて思ってたけど


私達の家を燃やして、私達を殺そうとした人がいるんだ


私ははかせを助けてあげられなかった

はかせに作って貰って、目覚めたあの日から
はかせに尽くしていこうと、守っていこうと誓ったのに

だからそれが出来なかった私が
はかせに嫌われてもはかせに見捨てられても仕方がない


でも



はかせを殺そうとした人がいる
はかせを怖い目に合わせた人がいる
はかせを泣かせた人がいる
はかせから笑顔を奪った人がいる





許せない

58: 2011/09/22(木) 03:28:16.28 ID:gxPDUturO
学校

ゆっこ「なのちゃん!明日辺りはかせのお見舞いに行こうと思うんだけど!なんか都合とかある?」

なの「えっ?」

ゆっこ「だからそろそろはかせの様子が見たいなって!ねっ、麻衣ちゃん」

麻衣「うん」

なの「あ、ありがとうございます・・・」

ゆっこ「そんなやめてよお礼なんて、私達がはかせに会いたいだけなんだから」



その気持ちは何よりも嬉しい
だけど、あの状態のはかせを人に会わせて大丈夫なのだろうか
はかせの負担にはならないだろうか

でも、今のはかせには私よりも相生さん達の方がきっと・・・

なの「大丈夫ですよ、はかせもきっと喜びます!」

ゆっこ「じゃあ明日ね!ねえ!みおちゃんは明日大丈夫!?」




みお「」ビクッ

61: 2011/09/22(木) 03:37:49.04 ID:gxPDUturO
みお「わ、私・・・私・・・ごめん無理・・・!」ダッ

ゆっこ「ちょ・・・!みおちゃんまだ朝のHR終わったトコだよ!?どこ行くの!?」

ミオ「」ギュォォォォォォ

ゆっこ「みおちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!?」

麻衣「100m・・10秒フラット」

ゆっこ「みおちゃん・・・?」



高崎「おーい、お前ら席に着けー、んー長野原は?休みか?」

ゆっこ「あっ・・・うっ・・・み、みおちゃんは今、ジョイナーに挑んでます!!」

高崎「は?」

ゆっこ「廊下に!立ってます!!」






なの「・・・」

64: 2011/09/22(木) 03:45:26.80 ID:gxPDUturO
東雲研究所跡地

なの「ただいま帰りました」

阪本「おう」


なの「阪本さん・・・私・・・」

阪本「ん?」

なの「犯人を探そうと思います」

阪本「なに?」

なの「はかせをあんな目に合わせた人がいるなら、私は」

阪本「・・・ガソリン、だとさ」

なの「えっ?」

阪本「今日来てた警官の話ではここ一面にガソリンがまかれていたらしい」

なの「・・・っ!」

阪本「そうだ、『いるなら』じゃねぇ、いるんだよ放火犯は」

阪本「だがそれは警察の仕事だ、お前はガキの世話だけ・・・娘?」

なの「・・・許せない・・・許せない・・・許せない・・・」

68: 2011/09/22(木) 03:56:42.86 ID:gxPDUturO
阪本「娘・・・?」

なの「許せない許せない許せない許せない・・・」

阪本「おい」

なの「はかせに怖い思いさせた・・・はかせを泣かせた・・・はかせに悪意を向けた・・・許せない、許せない許せない・・・許さない」

阪本「おい・・・」

なの「そうだ・・・その人・・・その人を同じ目に、ううん、それよりもっと酷い」

阪本「娘!!!」

なの「えっ?」ビクッ

阪本「・・・いいか?その放火したクソ野郎を許せないのは俺も同じだ」

阪本「だがあまり思い詰めるな、ガキもお前も無事だった、今はそれで納得するしかない」

阪本「クソ野郎をどうにかするのは警察と法だ、お前はガキの世話のことだけ考えてろ」


なの「阪本さん・・・」


そうだ、今は
はかせに笑顔を取り戻さなくちゃ
それはきっと私にしか出来ないことだから

71: 2011/09/22(木) 04:05:35.63 ID:gxPDUturO
とある空地


ニャイニャイガヤガヤ




猫A「にゃあ(どうしました?オヤビン)」

猫B「にゃーん(オヤビンから集合かけるなんて珍しいじゃないスか)」

?「ああ、悪ぃな、ちょっと頼みたいことがあってよ」

猫C「にゃあん(オヤビン相変わらず人語っすねwwwww)」

?「うるせえ!!」

猫C「フニャッ(す、スミマセン!!)」

?「・・・まぁ、いい、お前らこの近所で火事があったのは知ってるな?」

猫D「にゃあにゃんにゃんにゃあにゃーにゃあにゃあにゃんにゃんにゃ(はい)」

猫E「だいぶ騒ぎになりましたからね、俺にエサくれる婆さんも騒いでました(にゃーん)」

76: 2011/09/22(木) 04:12:47.08 ID:gxPDUturO
?「その火事にゃあ、火を付けたクソ野郎ってのがいるらしい」


ざにゃ・・・

           ざにゃ・・・


?「そのクソ野郎が誰なのか知りたい、調べてくれ」

猫たち「ニャイサー!!(了解!)」


?「・・・ちっ」

カラス「カァ(荒れてますね)」

?「お前か・・・鳥目のくせにこんな夜更けに無理すんなよ」

カラス「カァ(・・・すいません、そんな事態になっていたなんて知りませんでした)」

?「・・・仕方ねえさ」

カラス「カァ(カラス仲間にも声をかけておきましょう、許せない気持ちは私も同じです)」

?「それでも・・・ケリをつけるのは俺だ」

カラス「アホー(あなたが?)」

阪本「ああ、俺がそのクソ野郎をぶっ頃す」

80: 2011/09/22(木) 04:20:18.13 ID:gxPDUturO
なの「そうだ・・・私がしっかりしないと・・・」

そう
今一番辛いのははかせなんだ
私が揺れている暇はない
はかせに笑顔を取り戻せるのは私だけなんだから


ゆっこ「みおちゃん残念だったね~」

麻衣「・・・用事があるなら、仕方ない」

ゆっこ「まぁ、そうなんだけどさ~」

今日は相生さんと水上さんがお見舞いに来てくれた


長野原、さんは、何か用事が、ある、らしい


そうだ
二人をはかせの病室に案内する前に今のはかせのことを伝えておかないと・・・

なの「・・・あの」



「あーっ!ゆっこだぁーーー!!」

83: 2011/09/22(木) 04:28:22.53 ID:gxPDUturO
はかせ「ゆっこだぁー!ゆっこだぁー!」

ゆっこ「おー!はかせー!元気ー?」

はかせ「元気ー!!遊ぼー!!」

やっこ「あっはー!でもここ病院だしぃー、あっそうだ!これお土産ー!」

はかせ「鮫チョコ!食べていい!?食べていい!?」



えっ?



麻衣「これ、お土産、彫りたて」

はかせ「うわあー!・・・なにこれ・・・でもありがとー!」


そこからのはかせと相生さん達の会話は覚えていない

でも
はかせのいつも通りの笑顔と
はかせの病室に、はかせの隣に、もう私の居場所がなかったことだけは

忘れられなかった

85: 2011/09/22(木) 04:35:11.25 ID:gxPDUturO
でもはかせが笑ってくれてよかった、とても嬉しい、凄く嬉しい
ちゃんとそう思えた自分に安心した

そして私は知ったのだ
はかせから笑顔を奪っていたのは私自身だったことを


それから私ははかせに直接会うのは止めた
着替え差し入れは看護婦さんに渡して貰うことにし
事情を知っている看護婦さんは何か言いたげだったかそれでも黙って了承してくれた


もう、私の居場所はどこにもない

だからもう迷う必要もない

例え、はかせが私を嫌いになっても、はかせのそばにいられなくても
私ははかせが大好きだ


だから

私は


放火犯を



許さない

88: 2011/09/22(木) 04:40:44.83 ID:gxPDUturO
東雲研究所跡地



阪本「娘ー、帰ったぞー」



阪本「そろそろガキも退院だろ?新しい家を探さ・・・娘?」


阪本「・・・まだ帰ってないのか?」


阪本「こんな焼け跡に隠れる場所なんざあるワケねえし」


阪本「じゃあ・・・食い物でも拾いに行くか」



阪本「今は俺に食費をかける余裕もねえしな」

91: 2011/09/22(木) 04:49:18.62 ID:gxPDUturO
この間の火事のこと・・・何か知りませんか?


「えっ、火事?知らないよ」


なんでもいいんです、何か知りませんか?

「だから、知らないって・・・」

犯人が、火をつけた人がいるはずなんです

「しつけえな!知らねえって言ってんだろ!!」

あぅっ
い、いるはずなんです、いるんです犯人が、はかせを酷い目に合わせた人が

「誰だよはかせって!放せよ!」

いるんです犯人が、犯人が犯人が犯人が
はかせを酷い目にはかせをはかせをはかせをはかせを酷いはかせをはかせをはかせをはかせを

「ひぃっ・・・な、なんなんだこのネジ女!!」

なんで逃げるんですかもしかしてあなたが犯人なんですか
あなたがあなたがあなたがあなたがあなたがあなたがあなたがあなたがあなたが

「うわぁあああああああ!?」

94: 2011/09/22(木) 04:56:18.19 ID:gxPDUturO
学校


ゆっこ「最近、なのちゃん学校来ないねー」

ゆっこ「電話にも出ないし、やっぱり看病って大変なのかなー」

麻衣「でも、はかせは元気そう」

ゆっこ「だよねー、安心したよー、でもなんかさー変じゃなかった?」

麻衣「ゆっこが?」

ゆっこ「違うよっ!はかせとなのちゃんが!」

麻衣「そういえばコレ、拾ってきた」

ゆっこ「えっ?何?鮫チョコ?そんなにたくさんどこで」

麻衣「ゴミ箱」

ゆっこ「えぇぇぇぇ!?ちょ!麻衣ちゃん何してんの!?いつからそんな浅ましいことを!?」



麻衣「はかせの病室の、ゴミ箱」


ゆっこ「えっ?」

97: 2011/09/22(木) 05:01:31.24 ID:gxPDUturO

ゆっこ「えっ?それ・・・どういう・・・」


麻衣「あと、私があげた阿弥陀如来も捨てられてた」


ゆっこ「そんな・・・」


麻衣「変だと思って昨日、病院に行ったんだけど」


麻衣「あれからなのちゃん、はかせと会ってないみたい」


ゆっこ「えっ・・・?なんで・・・」


麻衣「詳しくは教えて貰えなかった」


ゆっこ「なの、ちゃん・・・?」

101: 2011/09/22(木) 05:12:20.85 ID:gxPDUturO
空き地

阪本「まだわからねえのか?」

猫B「にゃん(すいません、まだはっきりとは・・・ただ)」

猫E「とりあえず今浮上した証言すると火を付けたのは若い女だったとか(にゃっ)」

阪本「女?」

カラス「カァ(ぼんやりとでも犯人の輪郭が見えて来ましたね、さらに犯人を絞り込む情報が欲しい所ですが)」

阪本「ちっ、世界に何人女がいると思ってるんだ、こんなもん絞り込めたとは言わねえよ」

カラス「カァ(ごもっとも)」

阪本「で?お前の方は?」

カラス「カァ(なにぶん深夜の犯行です、ほぼ全員鳥目のカラス業界では残念ながらあまり有益な情報は、それに)」

阪本「それになんだ」

カラス「アホー(あなたの物騒な発言を取り下げていただかないと、情報提供を躊躇わずにはいられません)」


阪本「ふん、そうかよ、なら別にいいさ、お前には頼らん」

カラス「カァ(取り下げる気はないと?)」

阪本「・・・我慢ならねえ・・・それだけだ」

104: 2011/09/22(木) 05:20:12.82 ID:gxPDUturO
はかせ


『なのー』


はかせはかせはかせ

『なのなのなのー』

はかせはかせはかせはかせはかせはかせ

『なのなのなのなのなのー!』


なの「はかせぇ・・・」



中村(な、ななななんダぁー!この状況なんダぁー!!なんデ東雲なのが道端で寝ているんダぁー!?)

中村(い、いやいやこれはチャンス、チャンスだろう、いや待てっ、待てっ、一度冷静になれぃ私ぃっ!)


中村「・・・」

なの「・・・スヤスヤ」


中村(罠だろぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!これは罠だろぉおおおおおおおおお!!)

106: 2011/09/22(木) 05:27:51.30 ID:gxPDUturO
中村(しかしだっ、これだけ無防備な東雲なのを目の前に、私は引き下がるのかっ!?)

中村(否っ!!それは出来ん!!よしっ、このままこの無防備な東雲なのを)

なの「・・・はかせぇ・・・」

中村(・・・無防備な東雲なのを!!)

なの「・・・グスッ・・・」

中村(・・・無防備、な)







なの「あ、れ?・・・ここは?」

中村「起きたか」

なの「えっ?中村先生?ここは?」

中村「私のアパートだ、安心しろ何もしてない」

なの「えっ、あれ?なんで私ここに・・・?」


中村「研究だなんだという前に私は一人の教師で一人の大人だったことをギリギリ思い出しただけだ」

109: 2011/09/22(木) 05:34:41.84 ID:gxPDUturO
中村「で、どうしたあんな場所で?」

なの「えっ?」

中村「あんな場所で寝ていた理由を聞いているんだが」

なの「寝て、た?」

中村「なんだ覚えてないのか?お前は道端でスヤスヤと寝息を立てていたんだぞ?」

なの「えっ?」


そうか力尽きて倒れちゃったんだ・・・

中村「あのな、お前の家に起きたことはお前の担任のもみあ、高崎先生から聞いている」

なの「あっ、はい」

中村「私だってギリギリ教師だ、何か問題があるなら相談して来い、私じゃ駄目ならもみあ、高崎先生や桜井先生でもいい」


なの「はい・・・ありがとう、ございます(もみあ?)」

112: 2011/09/22(木) 05:41:57.00 ID:gxPDUturO
有り難いけど
嬉しいけど
でも先生達にはどうしようもない
だって
今すぐ犯人を探し出して
それで

その犯人を

なんてお願いしても叶うハズもないし
先生が困っちゃうだけだ


だから


なの「いえ、大丈夫です、買い物途中に急に眠くなっちゃって」

中村「・・・そうかそれで東雲、最近お前学校にも来ていないらしいが」

なの「その、はかせが病院で寂しがっちゃって、こんな時だからそばにいてあげたくて」

中村「そうか、なら無理に来いとは言えんか」



そうだ
そばにいてあげたいのに
私にその資格はもう、ない

113: 2011/09/22(木) 05:51:06.29 ID:gxPDUturO
なの「なら私はこれで・・・わざわざありがとうございました」

中村「そうか、私のアパートはここだからな、また急に睡魔に襲われたら来るといい、昼寝場所ぐらいは提供する」

なの「はい、ありがとうございます、それでは失礼します」

中村「ああ」

バタン

中村「・・・」






中村(何やってんダァ私ィィィーっ!!チャンスだったじゃないか!!ものっそいチャンスだったではないくぁー!!)


中村(何が一人の教師で一人の大人・・・なんダァ!?あーっ!思わずカッコツケてしまっタァーっ!!)


中村(なんだよスゲェよ東雲なのぉ!急に眠くなるってドンな機能なんだぁー!?)


中村(調べたいぃっ・・・!超調べたいぃぃ!!研究したいぃぃぃっ・・・!)


中村「チックショー東雲なのぉおおおおおおおおおおおおお!!」

117: 2011/09/22(木) 05:57:34.22 ID:gxPDUturO
なの(中村先生に迷惑をかけてしまった)


これは私一人でやらなきゃいけないことなのに


やっぱり駄目だな私は


私ははかせが作ってくれた凄いコのハズなのに


そうだ、私が一人でやるんだ


はかせを酷い目に合わせた犯人を



早く





焼き殺さなくちゃ



119: 2011/09/22(木) 06:08:15.98 ID:gxPDUturO
とある空き地

猫B「にゃーん!(オヤビン!わかりやしたぜ!!)」

阪本「本当か!?」

猫E「それについては僕から、まず結論から言いましょう(にゃんにゃんにゃんにゃんにゃにゃにゃにゃやにゃん)」


猫E「まず火をつけたのは長野原みお、時定高校1年Q組の女子生徒で相生祐子の親友 16歳
 小柄で、瞳は青 水色の髪の毛を左右両側で小さな木製キューブの髪留めで縛っている
 相生祐子とは逆に運動は苦手だが勉強は得意 上級生の奇人・笹原幸治郎に片想い中
 また隠れ腐女子でもあり、BL系の漫画を書いている ペンネームは長野原大介(みゃー)」


阪本「えっ」


阪本「・・・そうか・・・あのツインテールか」

阪本「・・・あの野郎・・・」

猫E「しかしいくつか気になる点が」

阪本「いらん!これだけわかりゃあ十分だ!!」ダッ

猫A「にゃにゃん(いっちゃった・・・)」

121: 2011/09/22(木) 06:13:25.33 ID:gxPDUturO
あの野郎あの野郎あの野郎


あいつがガキを、娘を

許さねえぞ


しかし何故だ
あいつは娘の友達なんじゃないのか

クソ、だから人間のやるこたぁよくわからねえんだ

どうでもいい

許さねえのは変わらねえ

ぶっ飛ばしてやる






「ねえ、猫ちゃん?どこ行くの?」


阪本「!?」

122: 2011/09/22(木) 06:16:20.50 ID:gxPDUturO
こんなハズじゃなかった


みお「こんなハズじゃなかったんだ」


こんなハズじゃなかったんだ


こんなハズはなかった


だけどそれを言って誰が信じるだろう?



誰も氏んでいない


なら構わないじゃないか


私が黙ってれば誰にもわからない


そうだ


私は何も悪くない

125: 2011/09/22(木) 06:23:39.27 ID:gxPDUturO
カラス「カァ(すいません・・・遅れました)」


猫B「にゃ(あっ!カラスのダンナ!オヤビンが!カクカクニャアニャアでっ!!)」

カラス「カァ(なんですって・・・カァカァニャンニャンですって!?)」

カラス「カァ(くっ・・・なんて無茶な・・・猫一匹でヒトに叶うワケがっ・・・!)」

カラス「カァ(いけない!すぐに探しましょう!!)」

猫たち「ニャイサー!(わかったぜ!カラスのダンナ!)」




阪本「お前・・・!」

?「どこ行くの?」ガシッ

阪本「・・・!?てめっ・・・放っ・・・!!」

?「はは、知っちゃったんだ?」

阪本「・・・!」

?「じゃあ仕方、ないよね」

阪本(ガキ・・・!娘・・・!!)

126: 2011/09/22(木) 06:30:36.50 ID:gxPDUturO
カラス「カァ(くっ・・・阪本さんっ!!)」

カラス「カァ(ん?あれは・・・!)」



カラス「カァ(これは・・・阪本さんの・・・スカーフ)」


カラス「カァ(くそっ・・・!間に合わなかったのかっ・・・!?)」



カラス「・・・(阪本さん・・・あなたの代わり務めさせて頂きます)」


カラス「聞けっ!猫たち!カラスもだ!」

猫B「にゃん(ダンナ・・・その赤い布はオヤビンの・・・)」

カラス「今は何も言うな!近隣の猫を集めろ!カラスも!とにかく数を集めるんです!」

猫E「・・・まさか(にゃあにゃんにゃあにゃんにゃんにやーにゃにゃにゃにゃあ)」



カラス「そうだ・・・戦争だ!!」

130: 2011/09/22(木) 06:42:05.93 ID:gxPDUturO
学校

ゆっこ「先生!」

高崎「ん?なんだ相生」

ゆっこ「今すぐなのちゃんに会いたいんです!なのちゃん今どこに住んでるんですか?」

高崎「東雲、か・・・なんでも親戚の家に厄介になってるらしいが」

ゆっこ「それ何処ですか!?」

高崎「一応、住所は聞いている個人情報だから他人には言えん」

ゆっこ「いいから!教えて!下さい!」

高崎「ちょ・・・待っ・・・揺らすな・・・!」

麻衣「もみあげ」

高崎「もみあげェェェ!?っていたのか水上ぃ!!早く止めてくれ!!」

麻衣「揉んで、あげる、もみあげ」

ゆっこ「お!し!え!ろぉぉぉぉ!!」

高崎「ヘェェェェェェェェルプ!!」

131: 2011/09/22(木) 06:47:47.66 ID:gxPDUturO
ゆっこ「ここだよね、住所」

麻衣「うん」

ゆっこ「空き地じゃん・・・」

麻衣「うん」

ゆっこ「なのちゃん・・・一体どこに・・・」

みお「・・・」

ゆっこ「みおちゃん?」

みお「・・・」

ゆっこ「みおちゃん?」

みお「えっ?」

ゆっこ「どうしたのさ、最近変だよ?」

みお「えっ、あっ、わ、私帰るね!」

ゆっこ「あっ」


ゆっこ「みおちゃん?」

麻衣「・・・」

134: 2011/09/22(木) 06:55:18.88 ID:gxPDUturO
病院

なの「これ・・・はかせの着替えです・・・あとこれお菓子です・・・」

看護婦「確かに渡しておくわ・・・ねぇ、少し会っていかない?最近はあの子も・・・」

なの「・・・はかせをお願いします」

看護婦「・・・ええ、無理しちゃ、ダメよ?」


なの「・・・」

ゆっこ「なのちゃん!やっと見つけた!」

なの「相、生・・・さん」

麻衣「やっぱり病院で待ってれば、会える」

なの「水上・・・さん」

ゆっこ「なのちゃん、何してるのさ!こんなにボロボロになって!ちゃんとご飯食べてる!?寝てる!?」

なの「何を・・・してる・・・?」

ゆっこ「もし住む所で困ってるならウチにくればいいよ!お母さんにも許可取ってるから!!」

なの「そうだ・・・私・・・はかせの着替え・・・届けに・・・」

ゆっこ「なのちゃん・・・?」

136: 2011/09/22(木) 07:01:31.69 ID:gxPDUturO
なの「着替え・・・お菓子・・・はかせを・・・お願いします・・・着替え・・・はかせ」

ゆっこ「フラフラじゃん!ほら、私につかまって!」

なの「はかせ・・・はかせ・・・はかせ・・・」

ゆっこ「はかせ?はかせがどうしたの?」


なの「・・・はかせに・・・会いたい・・・会いたいよ・・・」

ゆっこ「えっ?は、はなせだね!今連れて・・・」

なの「やめてっ!!」

ゆっこ「わっ!?」ビクッ

なの「やめて・・・はかせは・・・私に・・・はかせ、と・・・」



会う資格はないんだから




141: 2011/09/22(木) 07:07:24.85 ID:gxPDUturO


なの「ぅ・・・」


ゆっこ「あっ、起きたー?」

なの「えっ?」

ゆっこ「ここ私の家ー」

なの「相生さん?」

麻衣「私もいる」

なの「水上さん・・・あれ?私なんで・・・」

ゆっこ「びっくりしたよー、なのちゃん急に気絶するだもん」

なの「えっ・・・ごめんなさい!私またご迷惑・・・」

ゆっこ「いいのいいの、気にしない気にしない」

麻衣「そう、だって」

ゆっこ「友達じゃん?」

144: 2011/09/22(木) 07:14:25.50 ID:gxPDUturO

なの「ぅ・・・ぅぅっ・・・」


ゆっこ「えっ?ちょ!?なんで泣くのさ!!」

麻衣「泣ーかした泣ーかした」

ゆっこ「えっ?あっ!どうしよ・・・そうだ!なのちゃんなのちゃん!」

なの「えっ」




ゆっこ「許 し て ヒ ヤ シ ン ス」


なの「・・・」

ゆっこ(あ、あれなんか間違えたかな?いやそんなバカなしかし)


なの「プッ・・・あはは・・・」

ゆっこ「ぅえ?あっ、あははははは」


なの(そっか・・・私、一人じゃないんだ・・・)

147: 2011/09/22(木) 07:22:29.57 ID:gxPDUturO
ゆっこ「じゃっ、ちょっとお茶入れてくるよー、麻衣ちゃん手伝って」

麻衣「わかった」


なの「・・・そっか」

私は
一人じゃなかったんだ

大丈夫、まだやれる

犯人を探し出して

私は

私はどうするんだったっけ?



─どうするって、頃すんでしょう?

えっ?


─だってそうじゃない、許せないじゃない

そんな、でも

─頃すしかないじゃない、だって生かしておいたらまた

148: 2011/09/22(木) 07:28:23.43 ID:gxPDUturO
また

はかせを


させない
もうはかせを危ない目には合わせない


─でもそうするには邪魔になる

犯人が
はかせに悪意を向ける人間が

─排除しなきゃ

でも、そんなの

─あなたが言い出したことよ?


私が



ゆっこ「おっ待たせー!・・・なのちゃん?」

麻衣「・・・いない」

151: 2011/09/22(木) 07:34:30.89 ID:gxPDUturO
カラス「バカな・・・いや、それも人間なのか」


カラス「こんな結末で終わるなんて・・・」


猫B「にゃあ(ダンナ・・・)」

カラス「全軍に伝えろ・・・解散だ」


猫E「了解です(にゃ)」


カラス「・・・なんて茶番だ・・・!」


カラス「阪本さん・・・ん?アレは?」



なの「・・・私は・・・」


カラス「・・・なのさん」

なの「えっ?・・・カラスさん?」

152: 2011/09/22(木) 07:39:48.15 ID:gxPDUturO
カラス「大丈夫ですか?お疲れのようですが」

なの「大丈夫です・・・あ、れ?それ阪本さんの・・・」

カラス「・・・ええ」

なの「え?アレ?阪本さんは?」

カラス「・・・すいません、彼は今行方が知れません」

なの「えっ?」

カラス「消息を絶ったと思われる現場にこれが・・・」

なの「そんななんで・・・阪本さんは・・・」

カラス「・・・彼は犯人を突きとめたのですよ、そしておそらくその犯人に」

なの「・・・!」

154: 2011/09/22(木) 07:46:27.18 ID:gxPDUturO
なの「そんな阪本さんが、犯人は犯人は誰、何処に、阪本さん阪本さんは・・・ぁあああっ・・・」

カラス「落ち着いて下さい、まだそうと決まったワケではありません・・・それと」

なの「・・・?」

カラス「我々は犯人を知っています」

なの「えっ?」

カラス「ですが、私はその人物を貴女に教えないことも出来る、聞かなければよかった貴女がそう思い悩むぐらいなら・・・」

なの「誰ですか!?誰なんですか!!はかせを阪本さんを誰なんですか!!!」

カラス「どうか落ち着いて下さい・・・いやそれも無茶な話ですね、わかりましたお話しましょう」

カラス「犯人は」


カラス「長野原みおさんです」



なの「えっ?」

163: 2011/09/22(木) 07:52:54.10 ID:gxPDUturO
カラス「ですが・・・」

嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

長野原さんなワケがない
長野原さんがはかせを阪本さんを私を

─裏切られた

長野原さんがそんな

─友達だと思ってたのに

そんなワケが

─裏切って、傷つけて

だって長野原さんは友達で

─許せない

許せない

─許さない


なの「うわぁああああぁぁぁああぁああぁぁぁあああああああ」

165: 2011/09/22(木) 07:57:31.96 ID:gxPDUturO
許さない許さない
許さない許さない
許さない許さない


カラス「どこへ行くおつもりですか・・・?」


長野原さんが長野原さんが長野原さんが

長野原さん長野原さん長野原さん長野原さん


─そうだ、あいつを



頃してやる



カラス「待って下さい・・・!」

どいて下さい

カラス「お断りしま・・・ぐっ!?」


すいません
でも、急がないと

167: 2011/09/22(木) 08:02:09.27 ID:gxPDUturO
みお「そんなつもりじゃなかった」

みお「こんなハズじゃなかった」

でも火をつけたじゃない

みお「あれは!・・・あんなに燃えるなんて思わなかったし!」

それが何だっていうの?

みお「私は悪くない!」

それ、本気で言ってる?

みお「そうだよ!だって・・・」


本気で、言ってる?


みお「・・・悪くないわけないじゃない」


下手をしたらなのちゃん達は氏んでたかもしれない
頃してたかもしれない

私が

169: 2011/09/22(木) 08:05:54.13 ID:gxPDUturO
じゃあさ

わかるよね



罪には罰が必要だ



みお「わかってるよ・・・!わかってる!」


どんな罰がいいだろう


みお「こんな」


こんなハズじゃなかった


それでも罪だ


私の罪だ

なら罰も、私の罰だ

171: 2011/09/22(木) 08:13:55.11 ID:gxPDUturO
なの「ここだ・・・長野原、さん・・・の家・・・」

ここが
ここだ
ここにいるんだ

許してはいけない
逃してはいけない
もう二度とさせはしない

玄関を抜けて前に通された『あいつ』の部屋を目指して

なの「うあああああああああああああああああああ」


部屋に踏み込んで
あいつを
頃すんだ





それなのに
部屋にいたのは



天井からぶら下がってゆらゆら揺れる長野原さん

177: 2011/09/22(木) 08:17:58.46 ID:gxPDUturO
こんなハズじゃなかった
こんなハズじゃなかった
こんなハズじゃなかった
こんなハズじゃなかった
こんなハズじゃなかった
こんなハズじゃなかった

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい






氏ん



お詫



します


181: 2011/09/22(木) 08:23:18.52 ID:gxPDUturO
なの「そん、な・・・」


─やった、犯人が氏んだ

違う

─頃す手間が省けた

違う

─これではかせも安心だ

違う違う違う

─何が?目の前にいるのは憎い犯人でしょう?

そうだ
それなのに

違う
こんなのは違う

だってこんなに悲しくて苦しくて

痛いハズがない

185: 2011/09/22(木) 08:26:46.10 ID:gxPDUturO
なんで?


頃すって

本気で思ってたハズなのに


今、目の前で揺れる長野原さんを見たら動けなくなった


なんで?
この人ははかせを泣かして、阪本さんを


なの「長野原さん!?長野原さん!!」


そうだ早く降ろしてあげないと
救急車を呼ばないと


長野原さんを助けないと

190: 2011/09/22(木) 08:30:03.17 ID:gxPDUturO
それからの事はあまり覚えていない

確か、すぐに長野原さんのお母さんが来て
救急車・・・
そうだ警察で事情聴取もあった

自筆の遺書が見つかったらしく
自殺ということになったらしい

なんで?
なんでこんなことに
こんなハズじゃなかったのに

なの「こんなハズじゃなかったのに」



191: 2011/09/22(木) 08:30:34.11 ID:4+OVLwti0
えっ

192: 2011/09/22(木) 08:31:12.33 ID:ngBpacac0
おい

198: 2011/09/22(木) 08:33:13.34 ID:gxPDUturO
─こんなハズじゃなかった

─なんて

─誰しもみんなそう思うんだよ

─万事思い通りになることの方が少ないんだから

─だから終わってからそんな後悔してみたりして

─でもそれじゃあ駄目なの


─だからキミはそんな言葉で終わらしちゃあ駄目だよ?

─せめてキミはこう続けよう



なの「なんでこんなことに・・・」

203: 2011/09/22(木) 08:34:53.70 ID:gxPDUturO
なの「なんでこうなっちゃったんだろう」


はかせの家が燃やされて

阪本さんが殺されて

その犯人が長野原さんで



もうわからないよ



カラス「だから、行くなと言ったのに」

205: 2011/09/22(木) 08:39:30.67 ID:gxPDUturO
なの「カラス、さん」

カラス「犯人の自殺、陳腐な幕引きでしたね、せめて貴女が知らずに・・・いや、せめてその目で済むようにと思ったのですが」

なの「・・・」

カラス「ああ、なんて茶番なんでしょう、仇も討てず、恨みも言えず、笑えませんね」

なの「やめて・・・」

カラス「人は勝手だ、罪を犯して自らに罰を与えるなどと言って放り出す、馬鹿げてる」

なの「やめて・・・!」

カラス「何をです?」

なの「長野原さんを・・・友達を悪く言わないで」


206: 2011/09/22(木) 08:45:54.19 ID:zdmmWbXn0
どういうことなんだ…
続いているぞ…

207: 2011/09/22(木) 08:47:23.18 ID:gxPDUturO
カラス「友達・・・ですか?彼女は阪本さんを」

なの「それでも・・・!」

カラス「言ってはなんですが、貴女は彼女に殺意を抱いていたハズですが」

なの「っ・・・そうです、今でも許せません・・・もし長野原さんがあんなことにならなかったら」

本当に私は


カラス「ふぅむ、やはり鳥類の私に人間の機微はわかりかねますね・・・やはり阪本さんには叶わないな」

なの「人間?私は・・・」

カラス「人の心を持っている、カラスに言わせればそれ以上の人である証はないでしょう」

なの「・・・」

カラス「わかりました、私も怒りを納めます、そして」

カラス「貴女に一つ、教えて差し上げますよ」

210: 2011/09/22(木) 08:51:23.25 ID:gxPDUturO
カラス「単刀直入に言いましょう、火をつけたのは間違いなく長野原みお、彼女です」


カラス「しかし、猫たちの話を聞く限り、彼女は火をつける以外の事はしていない」


なの「えっ?」


カラス「つまり」


カラス「ガソリンなど撒かれているハズがないのですよ」


なの「そんなハズは・・・」

カラス「しかし、確かにガソリンは撒かれていました、ならこれをどう説明するか」

なの「そんな・・・」




カラス「そう、犯人はもう一人います」



214: 2011/09/22(木) 08:57:02.98 ID:gxPDUturO

なの「じゃあ・・・」

カラス「そうですね、長野原みおさんともう一人、いや一人とは限りませんが」

カラス「仮にミスターXと呼びましょうか、彼、もしくは彼女が放火の下地を作り、そして長野原みおさんが火をつける」


カラス「この歪な放火方法が今回の火事の顛末です」


なの「・・・」


この方は本当にカラスなのか
なんて思う余裕はなくて

そんな
そんなそんな
じゃあ、今回の事件は


カラス「ええ、まだ終わっていませんね」

221: 2011/09/22(木) 09:06:42.00 ID:gxPDUturO
ラス「さぁ、これからどうするかは貴女の自由です」

なの「カラスさんは・・・?」

カラス「私ですか?私はミスターXを探しますよ、もしかしたら彼こそが阪本さんを・・・」

なの「・・・」

私はどうするか
そんなこと決まっている

私は全てが知りたい

こんなハズじゃなかった、で終わりたくない


カラス「そうですか・・・では、これを」

なの「えっ?阪本さんのスカーフ?」

カラス「えぇ、これがないと彼が帰って来た時に困るでしょうからカァ」

なの「そっか・・・そう、ですよね」

カラス「カァカァ(これで私は貴女に情報を与える事は出来ない)カァ(関わらずに済むならその方がいい、それに)」

なの「えっと・・・ごめんなさい、何を言ってるのか・・・」

カラス「カァ(今なら阪本さんの気持ちがわかる・・・許せない・・・それだけです)」

223: 2011/09/22(木) 09:13:23.50 ID:gxPDUturO

─駄目だよね


─火をつけるなんて悪い子だ


─それは紛れもなく罪だよね?


─だから罰が必要だ

─じゃあ友達を殺そうと思うのは?


─駄目かな?罪かな?


─自分を大切に思ってくれる人を拒絶して傷つけるのは?


─それは罪かな?





はかせ「・・・スヤスヤ」

?「だったら罰が必要だよね?」

227: 2011/09/22(木) 09:22:54.74 ID:gxPDUturO
なの「でも・・・どうしよう・・・手がかりなんて・・・」

猫B「にゃあ」

なの「あ、猫さん、そういえばカラスさんが猫さん達が情報をって・・・そうだ、この阪本さんのスカーフを使えばお話が出来るハズ・・・」

なの「あの~すいません」

猫B「にゃあ」

なの「ちょっとこのスカーフを首に・・・」

猫B「にゃっ」

なの「あっ、逃げちゃった」

猫E「・・・」

なの「あっ、すいません、このスカーフを首に」

猫E「ごめんなさい、首に何か巻くの苦手で・・・」

なの「あっ、こっちこそごめんなさい・・・!」

猫A「にゃっ」
猫C「にゃーん」

なの「みんな逃げちゃうなぁ、やっぱり猫さんに話を聞くのは無理かな」

230: 2011/09/22(木) 09:28:14.39 ID:gxPDUturO
なの「駄目か・・・全然手がかりが・・・」

でも
犯人を見つけてどうしよう


─頃すに決まってる

ううん、もうそんなのはたくさんだ


─どうして?


誰かが氏ぬのはもう見たくない
それが誰であっても


─悲しい?人間でもないくせに


関係ない、そんなの




なの「そうだ、そろそろはかせの所に行かなくちゃ」

231: 2011/09/22(木) 09:33:07.00 ID:gxPDUturO
はかせの所、か

我ながらよく言うな
はかせには会えないのに、会わないのに
もう怖くて顔も見れないのに



なの「ん?なんだか病院が騒がしいような・・・」

看護婦「あっ!東雲さん!?」

なの「えっ?」

看護婦「お、落ち着いて聞いてね」

なの「は、はい」


看護婦「はかせちゃんが・・・はかせちゃんが・・・!」


なの「・・・えっ・・・?」

237: 2011/09/22(木) 09:42:00.14 ID:gxPDUturO
看護婦「あっ!東雲さん!?」

はかせがいなくなった?書き置きを残して?

違う、話を聞く限りそるは書き置きなんて生易しいものじゃないみたいで

気づけばはかせの病室に向かって走り出していた
これがはかせだったなら「病院は走っちゃいけません」なんて注意してあげるのに

そして、もう二度と立ち入ることはないと思っていた病室には
はかせのお気に入りのクレヨンで乱暴に殴り書いたような文字が壁一面にあった





ごっめーん

はかせは預かっちゃた

返して欲しかったら
東雲研究所まで一人で来てね

ってもう研究所はないんだけどねっ

ごめんね急にこんなこと


なのちゃん許してヒヤシンス
                  』

242: 2011/09/22(木) 09:45:12.53 ID:gxPDUturO
頭が真っ白になった


─殺さないんじゃなかったの?


そうだけど


─また裏切られた?

だってこんなの


─許せない?


許せるハズがないじゃない!!


はかせが!


はかせを!!





カラス「・・・カァ」

245: 2011/09/22(木) 09:54:00.81 ID:gxPDUturO
はかせを助けないと

─できるの?

やるんだ

─だって助けられなかったじゃない

っ・・・

─はかせを傷つけたじゃない

それでもやるんだ!

─どうやって?


決まってる、相生さんを殺・・・

みお『また?』

!?

みお『また殺そうと思うの?私みたいに』

でも長野原さんは!

みお『うん、自分で自分を頃したよ、でもさ』

みお『なのちゃんが殺そうとした事実は消えないよね』

249: 2011/09/22(木) 10:00:24.38 ID:gxPDUturO
なの「それは・・・」

みお『友達だったのに』

なの「裏切ったのは長野原さんじゃないですか!!」

みお『・・・』

なの「なのに・・・そんなズルい・・・私は・・・」

みお『悪くないんだよね』

なの「・・・!」

そ、そうだ、私は何も悪くなんかない

─本当に、そう?

えっ?

─友達を殺そうと思ったくせに
─今から、友達を頃すくせに

それは!


カラス「カァ!!」

なの「」ビクッ

251: 2011/09/22(木) 10:04:52.68 ID:gxPDUturO
カラス「カァカァカァ」

なの「えっ?カラスさん?」

カラス「カァカ?」

なの「ありがとうございます、そうですよね、ぼーっとしてる暇なんてない」

カラス「カァ」

なの「そうだ、このスカーフ、はかせの病室においといてくれませんか?阪本さんが無事ならきっとはかせの所に行くと思うんです」

カラス「・・・カァ」

なの「じゃあ行ってきますね」

カラス「カァ」





カラス「返したものをまたすぐ突き返されるとは格好がつきませんね・・・とはいえ確かに承りました」

256: 2011/09/22(木) 10:11:36.46 ID:gxPDUturO
そうだ
今はただはかせを助けることを考えないと



ゆっこ「来て、くれたんだね」

なの「相生さん、本当に・・・はかせは何処に」

ゆっこ「はかせは・・・!・・・どうすれば返して貰えるかわかるよね?」


そう言うと相生さんは金属バットを構えた

ああ、本当にそうなんだ

なの「・・・わかりました、容赦はしませんよ」


こういうことなら


はかせを助ける為に

頃してしまっても


構わないよね

258: 2011/09/22(木) 10:18:14.48 ID:gxPDUturO
ゆっこ「ぅぐっ・・・」

ドカッ

なの「どうしたんですか?その程度なんですか?」

ゆっこ「うっ・・・ぁ・・・」

ガッ グシャ

なの「血なんか流して、それで苦しがってるつもりですか?」

ゆっこ「・・・ぁ・・・ん・・・」

ガッ メリッ

なの「・・・!」

ドカッ

なの「あはは、こんな棒きれで私をどうにか出来ると思ってたんですか?」

ゆっこ「」

なの「あれ?どうしたんですか?氏んだ振りですか?そんなので私が・・・」

ゆっこ「」

なの「・・・相生、さん?」

263: 2011/09/22(木) 10:24:34.20 ID:gxPDUturO
なの「ちょっと・・・何氏んでるんですか?はかせは、はかせは何処ですか」

なの「はかせはかせはかせは・・・」



「あは、はは、はははは、はははは、ははははははは、はははははははははは」

なの「・・・!?」

「いやぁ、面白いねぇ!面白い!最高のショーだったよ!!」

「頃しちゃったねぇ友達を!それは悪いコトだよねぇ」


なの「あなた、は・・・?」


「アレ?あなたとは、はじめましてじゃないよね?まぁ、いっか」




よしの「私は長野原よしの、みおのお姉さんですっ!よろしく~!」

270: 2011/09/22(木) 10:31:01.28 ID:gxPDUturO
なの「なに、を・・・?」

よしの「あ~ぁ、面白かった!楽しい時間をありがとうね~?」

なの「な・・・」

よしの「最高だったよぉ、特に 何 の 罪 も な い 友達を頃すシーンは~」


なの「えっ?」

よしの「えっ、あははは、本気で気づかなかったんだ・・・あのチビっ子さらったのはわ・た・し・でーす!」

よしの「ゆっこちゃんはねぇ・・・私が特別なお願いしてさぁ」

よしの「犯人のフリして貰っただけ!」

なの「そんな・・・」

276: 2011/09/22(木) 10:38:02.10 ID:gxPDUturO
ゆっこ『なんでみおちゃんのお姉さんが・・・』

ゆっこ『えっ、はかせと麻衣ちゃんを・・・?』

ゆっこ『そんな・・・わ、私にどうしろっていうの?』

ゆっこ『そんな・・・なのちゃんを・・・?』

ゆっこ『・・・っ・・・わかりました』

ゆっこ『・・・やります・・・』




よしの「笑っちゃうよねぇ?それで氏んじゃうなんて、ぷっ、ダっサぁい!」


なの「なんで・・・こんな・・・」


よしの「あれ?意外に冷静だあ、まぁ、ついでに教えてあげるとさ、ガソリンまいたのも私なのだー!!」


293: 2011/09/22(木) 10:47:18.57 ID:gxPDUturO
みお『なんで!?あんなんなるなんて聞いてないよ!?』

よしの『え?そりゃあ言ってないし』

みお『ちょっとしたドッキリって言ったじゃん!!あそこに火をつけたら煙出るだけって!!』

よしの『でも火をつけたのはみおだよね?』

みお『それは・・・』

よしの『みおさぁ、なのちゃんのこと嫌いだよね?』

みお『えっ・・・?』

よしの『みおがあんな馬鹿げたドッキリにノってくるなんてさ』

みお『違っ・・・』

よしの『なのちゃんなんて驚かされればいいんだって』

みお『・・・』

よしの『本当は氏ねばよかったんだって思ってるでしょ?』

みお『そんなワケが・・・』

よしの『本 当 に?』

301: 2011/09/22(木) 10:54:53.22 ID:gxPDUturO
よしの『あんたはさ、なのちゃんが嫌いだったんだよ』

みお『違う・・・違う!』

よしの『笹原くんと仲良く話してた、とか聞いて』

みお『・・・!』

よしの『嫉妬したでしょ?いなくなればいいって思ったでしょ?』

よしの『氏ねばいい、って』

みお『違うっ・・・違うぅっ・・・!!』

よしの『泣いてるの?泣きたいのはなのちゃん達だよ?』

みお『・・・ぅぅ・・・』

よしの『ねぇ?言える?絶対に、そんなこと、欠片も思ってないって』

よしの『あーあ、こんなこと知られたら皆に嫌われちゃうよねえ?』

みお『・・・ぅぁぁあっ・・・』

よしの『大丈夫、お姉ちゃんはみおの味方だよ?お姉ちゃんの言う通りにしてれば大丈夫だから』



よしの「なんて遊んでたら氏んじゃってさぁ、まさか本当に氏ぬとは思わなかった!」

303: 2011/09/22(木) 10:59:34.73 ID:gxPDUturO
よしの「本当にバカばっかって感じ?」

なの「やめて・・・やめてよ・・・」

よしの「まぁ、でも楽しかったから許してあげるけどねぇ」

なの「なんで・・・!なんでこんな・・・!」


よしの「なんでって・・・飽きちゃたからかな?」

よしの「このつまんない日常ってやつに?」

よしの「だったら何か変えないと駄目でしょ?」

よしの「だからちょっと身近な所から変えてみたのだー!!」

308: 2011/09/22(木) 11:06:13.69 ID:gxPDUturO
なの「そんなことで・・・皆を・・・!」

よしの「みんなってゆっこちゃん頃したの貴女じゃない?」

なの「・・・」

よしの「そんでね・・・この家焼いたのはねー、あれ?どこだっけ、あっ、あったあった」

なの「?」

よしの「この研究所さー。地下に隠しスペースあるんだって!」

なの「え?」

よしの「そんな噂聞いたらさー、確かめたくなるじゃない?」

なの「そんなことの為に・・・」

よしの「そんでさっき見てきたんだけど、結構面白いものあってさー、案内するから今から遊びに来なよ!チビっ子もいるよ?」

なの「・・・!」

311: 2011/09/22(木) 11:14:33.35 ID:gxPDUturO
よしの「ほら見なよ!意外に広いでしょう?」

なの「研究所の地下にこんな場所が」



はかせ「なのー!!!なのー!!」ジタバタ

なの「は、はかせー!!」

よしの「あっはは、感動のご対面ってやつ?」

なの「はかせ!助けに来ましたよ!」

はかせ「なの・・・!なのぉ・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

なの「はかせ・・・?」

はかせ「やっぱり嘘だったのに!はかせは!なのをぉ・・・!」

なの「はかせ・・・?」


よしの「ああ、そういえば暇潰しに入院してたチビっ子に教えてあげたんだっけ?」

よしの「なのちゃんと猫ちゃんが、あなたを殺そうとしてるよー、って」

なの「!?」

はかせ「ぅぅ・・・」

313: 2011/09/22(木) 11:20:15.12 ID:gxPDUturO
よしの「なんだかんだ言って信じてんだもん、笑っちゃったあ!」

なの「・・・」

よしの「でもさ、必氏に自分助けようとして、助けてられなくってさ」

よしの「その人達に「助けてくれなかった」なんて言っちゃうのはないよね、アレは紛れもないチビっ子の気持ちだもんね?」

よしの「まぁ大切な人も守れないのはもっとないかあ?」


はかせ「ぅぅ・・・ぅぁあああああ・・・」

よしの「あっはははははは、泣いちゃったあ」


なの「・・・」ガシッ
よしの「何?痛いよ、放して」

なの「・・・はかせ・・・泣いてるじゃないですか」

よしの「だから何?放してよ」

なの「はかせが泣いてるじゃないですか」

317: 2011/09/22(木) 11:24:14.05 ID:gxPDUturO
よしの「ウザイなぁ?怒ったの?早く放して」

なの「はかせが泣いてるんですよ」

ミシミシッ

よしの「だから?痛いんだけど」


なの「あなたが泣かしたんですよ?」

ミシミシッミシッ

よしの「だから・・・くっ・・痛いって・・・」

なの「私が、許すハズ、ないですよね」

メリメリッ

よしの「ぁあああああああっ・・・!痛い!痛いってばぁ!!」

325: 2011/09/22(木) 11:30:12.52 ID:gxPDUturO
なの「許さない許さない許さない許さない許さない」

よしの「っくぅぅっ・・・いいよ、そうやって調子乗ってなよ、でもさ」


よしの「チビっ子の足下にあるのはなーんだ?シンキングタイム10秒ー!」

なの「・・・!?」

よしの「10ー、7ー、4、1、0ー!!正解はー・・・爆弾でしたー!!わーぱちぱちー」

はかせ「なのー・・・」

よしの「わかってると思うけどさ、私の気分一つで爆発だよお?だからあ」


よしの「放せよ」

なの「くっ・・・」

よしの「はいはい、わかればよろしいー!」


329: 2011/09/22(木) 11:36:34.93 ID:gxPDUturO
なの(どうすれば・・・)

よしの「痛ぁーい、アザできちゃったー、そうだ、やられたらやり返さなきゃね!」

よしの「何がいいかなー?」

はかせ「な、なの・・・」

なの「大丈夫ですよ、はかせ」


私はこんな人には負けません


よしの「そうだ!なのちゃん?アレ見える?」

なの「小さい、プール?」

よしの「そう!アレに溜まってるのねー、硫酸だか塩酸だかのー、なんかとっても強い酸なんだってー!」

なの「・・・?」

よしの「ねぇ、なのちゃーん、お願いがあるんだけどー?」




よしの「飛び込め」

338: 2011/09/22(木) 11:42:45.13 ID:gxPDUturO
なの「えっ?」


よしの「あれ?聞こえなかった?」

そういってよしのさんは何かのボタンに手をかけた
そのボタンを押せばどうなるかぐらいはわかる


なの「わ、わかりました」

はかせ「なのっ!駄目ー!!なのぉー!!!」

なの「はかせ、私は大丈夫ですから」


よしの「ねぇねぇ、早くぅー」



言われ、酸のプールの目の前まで歩み出る


・・・怖い


けど
大丈夫、はかせが見てくれてるから

346: 2011/09/22(木) 11:47:50.65 ID:gxPDUturO
大丈夫
例え私がここで終わっても

はかせさえ助かってくれればきっと


─こんなハズじゃなかった


なんて言わずに消えられる

よしの「ほら早く早くぅー」

私はどうなったっていい

だから、私がいなくなった後


はかせをお願いしますね?



よしの「ワクワク」




?「今だてめえら!!かかれぇぇぇぇぇぇ!!」

猫たち「にゃああああああああああああん」

354: 2011/09/22(木) 11:55:17.27 ID:gxPDUturO
猫B「にゃあああ!」バリバリッ

猫A「みゃあああ!」ガリガリッ

カラス「カァ!カァ!」ザクッザクッ

猫E「お氏になさい!お氏になさい!」ノーン ノーン

よしの「な、なによ!こいつら!?痛いっ痛い痛い痛いぃっ」

なの「あっ・・・!ああ・・・!」

はかせ「阪本ぉおおおおおお!!」


阪本「へっ、遅くなっちまったな」


よしの「こいつらぁ・・・!」

よしの「わかってんの!?調子に乗って!ガキが氏ぬわよ!?」

なの「!?」

阪本「なめんなぁ!」


はかせ「実ははかせ助かってるんだけど」

よしの「はあ!?」

359: 2011/09/22(木) 11:58:41.12 ID:gxPDUturO
はかせ「縄解いてもらったんだけど」

よしの「誰にっ!?」

麻衣「私」

なの「水上さん」

よしの「あんた!!ボコボコにして縛っといたハズでしょ!?」

麻衣「実は平気、解いて貰ったし」

よしの「誰にっ!?」





ゆっこ「えっへへー!あったしー!!」

よしの「!?」

370: 2011/09/22(木) 12:04:28.37 ID:gxPDUturO
よしの「は・・・?」

ゆっこ「あれ!?氏んだと思った!?思っちゃった!?」

ゆっこ「実は生きてましたー!ウププッびっくした?」

よしの「は?なっ・・・何よこれ・・・」

ゆっこ「ねぇねぇ!よしのさんよしのさん!」




ゆっこ「許 し て ヒ ヤ シ ン ス」



阪本「だぁっはっはっはっはっはっはっ」

カラス「カァ!カァ!カァ!」

ゆっこ「あっははははははははははははははは」

麻衣「ぷっ・・・」

はかせ「プクク、ゆっこに騙されるんだけど、間抜けっぽいんだけど」


よしの「・・・」

377: 2011/09/22(木) 12:17:19.00 ID:gxPDUturO
ゆっこ「あのさー、もうわかってると思うけど、私氏んだ振りしてただけなんだよねー」

ゆっこ「なのになのちゃんが、氏んだ振りですか?とか聞くから超焦ったー」

なの「ごめんなさい・・・リアリティが出るかと思って・・・」

よしの「なんだそりゃ・・・」

よしの「なんだそりゃあああああああ!?ワケがわかんねえよ!!」

よしの「組んでたってのかお前ら!いつ!いつだよ!?」

ゆっこ「だから私が殴られてる時だよー、なのちゃん途中まで結構本気だったよね?」

なの「ご、ごめんなさい・・・頭に血が昇ってて・・・」

よしの「だからいつだよ!そんな会話してる素振りもヒマも!!」

ゆっこ「だからー、私は一言言っただけだよ」




ゆっこ『・・・ぅあっ・・・なの、ちゃん』

ゆっこ『・・・私達』



『ずっと、友達だからね』

383: 2011/09/22(木) 12:24:36.09 ID:gxPDUturO
よしの「ふざけんな・・・ふざけんな・・・友達ぃぃ!?ふざけんじゃねええええよ!!バカにしやがって・・・!」

阪本「終わりだな、女」

カラス「カァ」


よしの「・・・っは」

ゆっこ「?」

よしの「あは、ははは、はははは、ははははは、は、はは、ははははははは、ははははは」

なの「!?」

よしの「もういいや・・・だって、みんなそうなんだもん」
麻衣「?」

よしの「ねえ?私の邪魔をするのは罪だよね?」

はかせ「・・・意味がわかんないだけど」

よしの「じゃあさあ?罪には罰が必要だよねぇ?」カチッ



どぉおおおおおおおおおおん!!



394: 2011/09/22(木) 12:33:41.48 ID:gxPDUturO
なの「なっ、なに?」

よしの「あは、あはははぁ、ごめーん入口壊しちゃたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、はい残念、ここからは誰も出れませーん!」
阪本「てめえっ・・・!」

よしの「いやぁ、猫ちゃんにはビックリしたなぁ・・・せっかく生き埋めにしてあげたのに、まさか出て来るなんて」

阪本「埋めが甘えよ、俺をどうにかしてえならマントルまで掘りな」


よしの「ゆっこちゃんにはガッカリだぁ・・・氏んだゆっこちゃんは可愛かったのにぃ」

ゆっこ「・・・」

よしの「麻衣ちゃんだっけ?なんで動けるの?お腹刺してあげたよね?」

麻衣「これに刺さった」

なの「み」

ゆっこ「弥勒菩薩!?」


よしの「あっはは、奇跡だねえ、奇跡の連続、それが日常・・・」




よしの「クソ食らえだよ」

399: 2011/09/22(木) 12:40:12.56 ID:gxPDUturO
よしの「ねぇ、みんな氏んでよ?」

よしの「あんたらがさぁ、そうやってくだらないもの寄せ集めてさぁ・・・日常とかほざくから私みたいなのが退屈するんだよ」

よしの「最近はさ?面白いと思ってたよ?チビっ子博士とかネジの女の子とか喋る猫とかさぁ・・・」

よしの「でも、飽きちゃた」


よしの「だから私が壊してあげるんだー!うふふ、みんな助けてあげなくちゃ」

よしの「日常を壊すのは簡単だよ」

よしの「一つでも非日常を持ち込んであげれば、さ」


よしの「例えば、これとか」チャキッ


なの「!?」


ゆっこ「ぴすとる!?」

407: 2011/09/22(木) 12:47:15.30 ID:gxPDUturO
よしの「誰に、しよう、かなぁ~?」

よしの「君に決ぃめたっ」チャキッ

はかせ「えっ・・・」

なの「はかせ危ないっ・・・!」


パンッ


なの「ぅあっ・・・!?」

はかせ「なのっ!?」

よしの「ありゃあ、なのちゃんに当たっちゃたかぁ」

よしの「にしてもバキューンとか言わないだねぇ、なんか間抜けな音だなあ、ガッカリ」

なの「うぅっ・・・」

はかせ「なの!?なのぉ・・・!?」

ゆっこ「な、なのちゃん!」


よしの「つまんないからさ、全部なのちゃんにあげるよ」

パンッ パンパンッ パンッ

415: 2011/09/22(木) 12:54:48.00 ID:gxPDUturO
なの「っぐぅ・・・」ドサッ

はかせ「なのぉっ!!!」

ゆっこ「なのちゃん・・・!」

よしの「ありゃあ、弾切れかぁー」


麻衣「・・・今・・・!」

パンッ

麻衣「えっ・・・」

よしの「はい、麻衣ちゃん残念ー!実は・・・まだ弾残ってましたぁー!」

麻衣「うっ・・・」

よしの「今度は菩薩様も守ってくれなかったみたいねえ?」

ゆっこ「麻衣ちゃん!!」

麻衣「大、丈夫・・・急所外れてるから」

よしの「わかったぁ?調子に乗るとこうなるんだよ?」

阪本「こいつ・・・」

猫E「万事休すか・・・」

422: 2011/09/22(木) 13:01:11.84 ID:gxPDUturO
ゆっこ「・・・どうすれば・・・」

よしの「なぁに?もう終わり?つまんないつまんないつまんないぃぃぃ」

よしの「やっぱさ、こんな日常の中じゃ生きてても仕方ないよね・・・」

よしの「なんか疲れちゃったや」

阪本「疲れたんなら終わりにしようぜ」

よしの「うん、じゃあもうここ丸ごとぶっ飛ばすね?」

カラス「!?」

よしの「だって私はこんなに頑張ってるのにみんなして邪魔するんだもん、もうそんなのいらないよ」

麻衣「・・・」

ゆっこ「そんな・・・」

よしの「ねぇ、みんなで終わりにしない?」

なの「」

はかせ「なのぉぉ・・・なのぉぉぉぉぉ・・・」

428: 2011/09/22(木) 13:12:21.03 ID:gxPDUturO
よしの「芸術は爆発だー!ってね!じゃあ!3、2、1!ゼ・・・」

ガ シ ッ

よしの「何?」

なの「・・・」

よしの「はなしてよ」

はかせ「な、なのぉ・・・?」

よしの「何?さっきからさぁ、そんなボロボロになってまで、ウザイよ?」

なの「・・・だから、はかせが、泣いて、るん、ですよ」

よしの「うん、で?」

なの「は、かせ、が泣い、、る、、です」

よしの「はぁ?」

なの「はかせ、、私が守、、んで、す」

なの「あなた、、許さ、ない」


メ゙キィッ

よしの「えっ?」

435: 2011/09/22(木) 13:22:42.89 ID:gxPDUturO
よしの「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?腕がぁあああああああ!?」


なの「許、、ない、、さな、い、許さ、、い」


阪本「娘・・・」

よしの「痛いぃぃぃぃぃぃ痛いよぉぉぉぉぉぉぉ!!放せ放せ放せよぉっ!!」

なの「み、んな、、もっと、、痛かっ、、た、」

ギリギリッ・・・ミシッ

よしの「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?謝る!!謝るからぁああああああ!!」

なの「駄目、で、、す、」

よしの「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ・・・クソっ、ポンコツのくせにっ・・・!!放せよっ・・・!」
パンッ

パンッ

なの「」

よしの「はっ、放す気になったかよ?」
なの「いい、え」

よしの「ひぃっ!?」

441: 2011/09/22(木) 13:30:02.98 ID:gxPDUturO
なの「・・・」

ズルズル

よしの「お、おい、なぁ、おい待てよ、引っ張んな、どこ連れていく気だ」

なの「知って、ま、す、、?ここ、、硫酸だ、か、塩、酸だかの、プー、ル、。ある、、で、」

よしの「お、おいまさか、待てよ、冗談だよな」


なの「水、泳、、しま、しょ、、、う、?」

よしの「や、やめろ!?やめろぉ!!放せ!放せぇ!!」




ああ

あんなに怖かったのに

もう怖くない

はかせが


みんながいるから

いてくれるから

449: 2011/09/22(木) 13:35:41.02 ID:gxPDUturO

なの「さぁ、着、、、ま、した、よ、」

よしの「お、おい・・・なんだよ・・・よせよ・・・!」

なの「な、ら、質、問、、答え、て、、」

よしの「こ、答える、なんでも答えるよ!!だからっ!」

なの「爆、弾、、位置、と解除、方、法、、」


よしの「は、爆弾だな、ああ、いくつかあるよ、えっとまずはだな」


なの「・・・」


よしの「チビっ子博士の足下とかなあ!」カチッ

なの「!?」


はかせ「・・・!」


どおおおおおおおおおおおんん!!



454: 2011/09/22(木) 13:42:45.25 ID:gxPDUturO
阪本「ガキ!?」

はかせ「えっ・・・?」

よしの「あっははは!嘘だよバーカ!!床の隅っこ吹き飛ばしたぐらいでビビんなよ!」

なの「・・・、、あぅ、ぅ・・、・・・」

ゆっこ「なのちゃん!?」

よしの「効くだろぉ?私特性回路ショートくんは?動けないよなぁ!?」


阪本「てめえ!!」
よしの「おっと動くなよぉ!?ちょっとでも動けばこのポンコツは酸の海にドボンだよ?」

麻衣「・・・!」

ゆっこ「くそ・・・」


よしの「まぁ?動かなくてもドボンだけどぉ!?」

ドガッ

なの「」ザブンッ

はかせ「なのぉおおおおおおおおおおおおおお!!?」

458: 2011/09/22(木) 13:50:24.08 ID:gxPDUturO
はかせ「なのぉっ!?なのぉぉぉぉっ!?」

ゆっけ「なのちゃぁぁぁぁん!?」

よしの「あっはははは、は、ははは、ははは、あひゃははは、はは、はははははははは」

よしの「あっははは、そうだ溶けろ溶けろ」

阪本「娘・・・!」

よしの「さぁて、てめえらさぁ?随分コケにしてくれたなぁ?」

よしの「まずは、あのポンコツの大好きクソガキ・・・あなたからにしよっか?」

はかせ「ひっ・・・」

よしの「あら?怯えてるのカワイイ♪」

はかせ「ぁ・・・ああ・・・なの・・・」

ゆっこ「はかせ!今助」

パンッ

よしの「だから動くなっつってんだろうが!次は当てるぞクソゆっこ!!」

ゆっこ「・・・うっ・・・」

460: 2011/09/22(木) 13:51:26.52 ID:gxPDUturO
ゆっけてお前

466: 2011/09/22(木) 14:04:44.93 ID:gxPDUturO
よしの「ねえ?お姉さんと遊ぼうよ」

はかせ「やだ・・・なのぉ・・・なのぉ・・・」

よしの「ふふ、バカねぇ?なのちゃんは氏・ん・だ・の」

はかせ「なの・・・助けて、なのぉおお・・・!」

よしの「だぁかぁらぁ・・・もうバカ嫌ーい!氏んじゃ」


ガ シ ッ

よしの「えっ?」

なの「は、かせ、…か、ら、、…離、れ、、て・・・、」

よしの「えっ?なんだよこれ」

なの「み…、、…ち、、…、づ、、…れ、、、で、…、す、」

よしの「はなせ!はなせよ!!ふざけんな!!嫌だ・・・嫌だぁぁぁ・・・!」
はかせ「なの・・・?」

なの「は、か…せ・・・」



なの「大好き、です」
ザブンッ

472: 2011/09/22(木) 14:13:57.75 ID:gxPDUturO
はかせ「えっ・・・なの・・・?」

阪本「娘・・・!?」

ゆっこ「なの、ちゃん・・・?」


カラス「カァ!カァカァ!」

麻衣「駄目・・・もう間に合わない・・・」

はかせ「な・・・の・・・」

阪本「ガキ・・・」

どおんっ

どおおおんん

どおおおんっ

阪本「爆発!?」

ゆっこ「あいつ!直前でスイッチを・・・!」

阪本「ちっ、逃げるぞ!」

麻衣「どこから?」

阪本「そんなもん出口、が・・・塞がれて・・・そうだったクソぉ!!」

475: 2011/09/22(木) 14:23:11.88 ID:gxPDUturO
カラス「カァ!カァ!カァ!カァ!」

猫E「言いたいことがあるからスカーフを貸してくれだそうです!」

阪本「はぁ?なんだこんな時に・・・仕方ねえな、そらよ!」

カラス「お心遣い感謝します」

阪本「にゃあ!にゃあにゃー!」

カラス「ええ、簡潔に言いましょう、必ず他に脱出口はあります、それを探してください」

ゆっこ「えっ?どゆこと?」

カラス「考えても見て下さい、長野原よしのは口では自殺願望、破滅願望を語ってはいましたが」

カラス「同時に醜いほどに生へ執着を見せていた、さらにこの爆発です」

カラス「全てをふき飛ばすなどと言いながら、爆発から崩壊までのかなりラグがある、これは自身が脱出することを計算してのことでしょう」

カラス「だから結論として我々もその脱出口を利用すればいいのです」


ゆっこ「か、カラスすげー」

483: 2011/09/22(木) 14:34:46.20 ID:gxPDUturO
阪本「にゃあ!にゃああ!!」

猫たち「ニャイサー!!」

ゆっこ「麻衣ちゃん、立てる?」

麻衣「楽勝」フラリ

ゆっこ「駄目じゃん」

麻衣「私より、はかせ」

ゆっこ「あっ・・・」


はかせ「なの・・・なのぉ・・・・・・」

ゆっこ「はかせ・・・」


ゆっこ「はかせ!麻衣ちゃんをお願い」
はかせ「えっ?」


484: 2011/09/22(木) 14:35:49.58 ID:gxPDUturO
ゆっこ「えっと、棒でもなんでもいいから・・・あった!」

阪本「にゃあ!にゃあにゃあ!」

猫E「お前!そんなもん持ち出して何しする気だよ!と、言ってます」


ゆっこ「なのちゃん助けるに決まってんだろぉ!」


カラス「何を仰っているのですか?・・・彼女はもう・・・」


ゆっこ「それでも!例え一欠片になってたってなのちゃんはなのちゃんだよ!!連れて帰らないと!」



猫E「ゆっこ先輩・・・」

カラス「・・・脱出口は我々で探します、それでもあまり時間は取れませんよ?」

ゆっこ「ありがとカラス!」

485: 2011/09/22(木) 14:40:38.33 ID:gxPDUturO
ゆっこ「なのちゃん、今助けるからね!えいっ」


ザブッ

ジュゥゥ


ゆっこ「うわっ!?もう溶けた?もっと頑丈な奴は・・・!」


阪本「おい!急げよ!!」

カラス「カァ!」

ゆっこ「わかってるよ!!」


ゆっこ「なのちゃん、なのちゃん!」



はかせ「ゆっこ・・・」

麻衣「ゆっこも、なのちゃんも、大丈夫だから」グラグラ

はかせ「・・・うん」

阪本「お前が大丈夫かよ」

488: 2011/09/22(木) 14:46:59.18 ID:gxPDUturO
猫E「にゃあああああ!(にゃあああああああ!)」

阪本「脱出口を見つけたらしいぞ!」

カラス「カァ!」

麻衣「・・・ゆっこ」

ゆっこ「ごっめん!先行ってて!」

はかせ「ゆっこ・・・何言ってるの・・・!?」

阪本「何してる!早く来い!」

ゆっこ「だからぁ!なのちゃん助けたら行くってば!!」

カラス「カァ!?」

ゆっこ「いいから先行ってて!!」

阪本「馬鹿!」

麻衣「・・・ゆっこ」

ゆっこ「えっ?なに?」

麻衣「待ってるから」

ゆっこ「えっへへ、オッケー!」

491: 2011/09/22(木) 14:50:19.65 ID:gxPDUturO
ずずずずん


阪本「クソ、やべえ!走れ!!」

はかせ「ゆっこは!?」

阪本「くっそ・・・早く追いつけよ馬鹿!」

ゆっこ「まっかせなさ~い!」


ずずずんっ


カラス「カァ!」


阪本「走れぇぇ!!」


はかせ「ゆっこぉ・・・」

496: 2011/09/22(木) 14:55:48.77 ID:gxPDUturO

阪本「・・・はぁはぁ」

はかせ「お外だ・・・」

麻衣「脱出成功」ドサッ

阪本「おいっ!?ガキ!救急車だ!こいつのケガを診せねえと!」

はかせ「わかった・・・!」

麻衣「いい」

阪本「はぁ!?」

麻衣「ここでゆっこを待つ」



麻衣「約束、だから」

500: 2011/09/22(木) 15:00:58.68 ID:gxPDUturO
ゆっこ「へへ・・・脱出口とやらがこんなに複雑な造りとかきいてないよぉ」

ゆっこ「出口はどっだぁ~・・・?」


ずずぅぅんん


ゆっこ「うわわっ!?危ない危ない・・・」

ゆっこ「へへ・・・こんな所じゃ氏ねないよーだ!」


ゆっこ「せっかくなのちゃんを見つけたんだから!!」


ゆっこ「さっ、なのちゃん、一緒に帰ろっか」



どおんっ



ゆっこ「えっ?」


ゆっこ「あっ」

ずずんっ

502: 2011/09/22(木) 15:03:46.92 ID:gxPDUturO
どぉんっ



阪本「また爆発か・・・クソ」


はかせ「ゆっこぉ・・・なのぉ・・・」

カラス「カァ・・・」





麻衣「うん、そうだね」


麻衣「ゆっこ一人じゃ駄目かもしれない」



麻衣「だから」




麻衣「うん、ありがとう」


506: 2011/09/22(木) 15:09:28.58 ID:gxPDUturO
「くぅっ・・・?」



ゆっこ「おおぉ・・・あたしスゲー・・・生きてるよー」


ゆっこ「あっ、痛ぅ・・・ああ駄目かもこれ」


ゆっこ「・・・ちょっと立てないかも知れない」


ゆっこ「ああ、ごめんねなのちゃん?ここまで来たのに」

ゆっこ「麻衣ちゃんも・・・約束したのに」


ゆっこ「今度ばかりは許してヒヤシンスじゃ済まないよね」


ゆっこ「一応やっとくか、なのちゃん、麻衣ちゃん許してヒヤシ・・・」


『もー、相変わらず馬鹿だなゆっこは』

511: 2011/09/22(木) 15:14:12.61 ID:gxPDUturO
ゆっこ「うるさいなー、もうこうなっちゃったら馬鹿とか関係ないじゃん」

『素直にみんなと逃げてればよかったんじゃん』

ゆっこ「だからみんなで逃げてるよ、ねっ、なのちゃん?」

『ゆっこは変わんないなぁ』

ゆっこ「まぁね」

『立てないの?』

ゆっこ「ちょっと無理」

『うーん、どうしようか』

ゆっこ「どうしようもないんじゃない?」

『いや、そりゃあそうかもだけどー』

514: 2011/09/22(木) 15:20:02.35 ID:gxPDUturO
ゆっこ「あのさ、なのちゃんだけでも連れてってくれない」
『そうやってすぐ私頼るんだからー、でも今の私には無理、ゆっこが頑張ってよ』

ゆっこ「えぇー?」


ゆっこ「・・・あの、さ?」

『ん?なに?』

ゆっこ「私がそっち行ってもさ」

ゆっこ「友達だよね?」

『もー、いきなり何言ってんのさ』

ゆっこ「ダメなの?」

『あのね、私達お互いが何処にいたってさ、ずっと友達でしょ?』

ゆっこ「あっ・・・うん」


『だからさ、ゆっこは生きてよ』

516: 2011/09/22(木) 15:24:00.71 ID:gxPDUturO
ゆっこ「じゃ、ちょっと頑張っちゃおっかな?」

『おっ?立てるの?』

ゆっこ「無理」

『なんだよー』

ゆっこ「大丈夫だって這ってでも脱出するから」

『おーおー、頼もしい限りだよ』

ゆっこ「さぁ、行くぞー!!」

『おー!』

522: 2011/09/22(木) 15:28:23.65 ID:gxPDUturO
『そこ右だよー』

ゆっこ「右だね」

『次左ね』

ゆっこ「おっほほ、これは便利っすなあ」

『もー、人をカーナビ扱いして』

ゆっこ「いつも感謝してますってー」

『調子いいなー』

ゆっこ「へっへー」

『あ、そこから出れるみたい』

ゆっこ「ついにゴールかぁ!」

『やったね』


ゆっこ「いやぁ、ありがとねー」


『いーえー』

528: 2011/09/22(木) 15:35:18.04 ID:gxPDUturO
ゆっこ「ひ、光が見えて来た・・・」

『ねぇ、ゆっこ』

ゆっこ「んー?」

『ごめんね、いろいろ・・・なのちゃんも』

『私どうかしてたんだ、なんて言い訳にもならないけど』

ゆっこ「・・・いいよ、友達だもん」

ゆっこ「なのちゃんだってきっと・・・」

『・・・ありがとう、そろそろさよならの時間みたい』

ゆっこ「そっか・・・でもこれでさよならじゃないからね?きっとまた会うんだ」

『・・・うん、そうだね』

『でもあんまり寂しいからって早めに会いに来たら怒るよ』

ゆっこ「私が遅刻魔だって知ってるくせにー」


『あはは、またね、ゆっこ』


ゆっこ「うん、またね、みおちゃん」

535: 2011/09/22(木) 15:44:28.22 ID:gxPDUturO
麻衣「うん、そっか・・・いいよ、大丈夫・・・またね」




ずずずずずずずんっ

阪本「っ・・・!?もうダメか・・・!?」

はかせ「ゆっこ・・・!!」

麻衣「大丈夫」




ガサッ


ゆっこ「ぷっはぁー!!相生祐子!ただ今参上!!」


はかせ「あ・・・ああ・・・ゆっこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


ゆっこ「へっへー!ただいまー!!」


麻衣「おかえり」

538: 2011/09/22(木) 15:50:40.47 ID:gxPDUturO
─こんなハズじゃなかった

─なんて

─誰しもみんなそう思ってしまうのかも知れない

─どうしたって全て思い通りになることの方が少ないんだから

─だから終わってからそんな後悔しちゃったりするのだ

─だから、せめて少しでも後悔の少ないように生きたいんだ


─それでも

─こんなハズじゃない所に落ちたとしても

─それが望まないものだったとしても

─例え端から見ればそれが非日常であってもだ



─それが私の日常ならば



─私はそれを大事にしたいと思うんだ


541: 2011/09/22(木) 15:54:13.53 ID:gxPDUturO

「ねぇー本当に大丈夫なのー?」

ん?

「大丈夫なんだけど、はかせは天才なんだけど」

ここは何処だろう

「あっはは、そうだよねー」

私は誰?

「うん」

えっと

「とりあえず早く起こしてやろうぜ」


なんだか懐かしい声がするような

544: 2011/09/22(木) 15:58:44.61 ID:gxPDUturO

あれ?

私は


「エネルギー・オーン!!」


「おっ!カッコイイ!」


私は


誰で


なんだろう

自分が誰だかわからないのに

会いたい人がいっぱいいる気がする

だけど
なんだか今は
凄く眠いや

545: 2011/09/22(木) 16:05:02.92 ID:gxPDUturO
「おい・・・起きねえぞ?」

「あれ?」

「ちょっと、はかせー?」

誰? 誰の声?

なんだろう何かとても大切な


「・・・コレ」

「そっか!コレを忘れてたんだけど!」

「おい、ガキ」

「はいはーい、じゃあ背中向けてー、よっといいよーはかせー」

えっ?

いや、ちょっと

「じゃ!いっくよー!ネジ!装ー着っ!!」

だから!



なの「だからネジはやめてくださいぃぃぃ!!?」

550: 2011/09/22(木) 16:11:15.51 ID:gxPDUturO
なの「えっ?アレ・・・?」

はかせ「なのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ゆっこ「なのちゃん」

麻衣「よかった」


なの「あれ?はかせ?皆さん?なんで?」

阪本「やっと、やっと起きやがったかよぉぉぉ・・・ちくしょぉぉ・・・」

なの「えっ?なんで阪本さん泣いてるんですか?」

はかせ「なのなのなのなのなのなのー!」

なの「はかせ?」

ゆっこ「なのちゃぁぁぁぁん!!」

麻衣「・・・」


なの「えっ?相生さんに水上さんまで・・・」

553: 2011/09/22(木) 16:18:37.60 ID:gxPDUturO
なの「あれ?私はあの時に・・・」

はかせ「ゆっこがなのを連れ来てくれたの!」

ゆっこ「メモリーっていうのかな?よく知らないけど私が連れて来たなのちゃんはなのちゃんの塊だったみたいでー、そんではかせがそこから新しいなのちゃんの体を作ってー」

麻衣「完全復活」

阪本「ぅぉぉおん・・・よかったよかったなぁ娘・・・!」

なの「そ、そうだったんですか、はかせ、相生さん、水上さん、阪本さん、皆さんありがとうございました」

ゆっこ「お礼なんかいいよー、私達はまたなのちゃんに会えた、それだけで嬉しいんだ」


なの「相生さん・・・」

556: 2011/09/22(木) 16:21:03.61 ID:gxPDUturO
ゆっこ「ね、なのちゃん」



なの「はい?」



ゆっこ「私達の日常へ、おかえりっ!!」


なの「・・・はい!」



なの「ただいま、です!!」





558: 2011/09/22(木) 16:22:08.13 ID:G3OKmohR0
今度こそ乙

即興?お疲れさん
面白かった

引用元: みお「なのちゃんの家に火を付けたら全焼した」