1: 2011/09/22(木) 23:33:59.51 ID:vwTqkNNj0

2: 2011/09/22(木) 23:34:24.41 ID:vwTqkNNj0


あかり「文化祭が始まる日が迫って来たね」

ちなつ「結衣先輩のクラスは何をやるんですか?」

結衣「貴族喫茶」

ちなつ「貴族喫茶?」

京子「メイド服を着た人と男装の人が接客する喫茶だよ」

ちなつ「メイドと男装!! ゆ、結衣先輩は、ど、どっちを」

京子「私はメイドだよ」ウフン

ちなつ「聞いてません!」

京子「予想はしていたけど」ガーン

結衣「私は、だ、男装だよ」

ちなつ「指名は出来るんですか!?」ハナイキ フーッ フーッ

あかり「ちなつちゃん……。目がマジだよ」

おわり
ゆるゆり: 22【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)
4: 2011/09/22(木) 23:35:12.36 ID:vwTqkNNj0


結衣「あかりたちのクラスは何をやるの?」

あかり「縁日だよ」

京子「夏の思い出をもう一度……う~ん、ノスタルジック感が良いね」

結衣「楽しそうだね。必ず行くよ」

ちなつ「ぜひ来て下さい! サービスしますから!」

結衣「あ、ありがとう」

結衣(指名とかサービスとか、何か違う意味に聞こえるのは気のせいだろうか)

京子「あかりの担当は輪投げか射的でしょ?」

あかり「何で分かるの? すご~い、京子ちゃん」

京子「担当とは言っても、ゲームの進行係じゃなくて、的でしょ? 一番目立つぜ!」グッ

あかり「京子ちゃ~ん」ウエーン

おわり

5: 2011/09/22(木) 23:36:23.67 ID:vwTqkNNj0


文化祭 当日

千歳「メイド服はちょっと照れるわ~」

綾乃「な、何で私が男装なのよ!」

結衣「メイド担当と男装担当を均等に分けるためだよ」

綾乃「それなら仕方ないわね。て、てっきり歳納京子の策略かと」

京子「誰の策略だって?」

綾乃「と、歳納きょう……こ!」

結衣「綺麗なメイド服だな。細部にまで凝ってる。さすがだね」

京子「褒めても何も出ないよ!」ニコッ

京子「さて、うちら4人は午前中自由行動だから、他のクラス見て回ろうよ」グイッ

綾乃「ちょ、ちょっと! 手を引っ張らないでよ!」ドキドキドキ

結衣「素直になれない実直な男装執事とわがままメイドの恋物語」ボソッ

千歳「船見さん。それはアカンよ」ブハッ

おわり

6: 2011/09/22(木) 23:39:09.23 ID:vwTqkNNj0


結衣「あかり~。ちなつちゃん」

ちなつ「結衣せんぱぁ~い! わぁ! 先輩の男装姿、超素敵ですぅ!」

女子生徒「あ、あれ誰? すごい格好良い」ドキューン

女子生徒「せ、先輩だよ。ちょ、ちょっとやばい。好きになりそう」ドキューン

ちなつ「何、この空気。私にとって邪魔にしか感じない!」クワッ

京子「結衣を諦めて私のものに」

ちなつ「なりません」

ちなつ「って、京子せんぱ……い。か、可愛い!」キュン

京子「あかりは?」

ちなつ「あそこで輪投げの担当をしています」

十字架の形をした木に縛られて、体のあちらこちらに輪投げの的を付けられているあかり

京子「あかりーっ!」

おわり

8: 2011/09/22(木) 23:41:46.08 ID:vwTqkNNj0


櫻子「らっしゃい、らっしゃい」

向日葵「どこの八百屋ですの?」

櫻子「私の好きにやらせてよ」

向日葵「楽しそうな櫻子の姿を見ると……」ドキ

櫻子「えっ?」ドキ

向日葵「お客さんですわ」

櫻子「いらっしゃいませ。射的の料金はこちらの表を見て下さい」

櫻子「もし前面の的より、隣にいるこのおっOいが憎かったら……」

向日葵「憎かったら?」 カチャッ 射的用の銃の銃口を櫻子の後頭部へ

櫻子「憎い気持ちを込めて前面の的を狙ってね」

向日葵「また変なことを言ったら問答無用で撃ちますわ」

おわり

9: 2011/09/22(木) 23:44:37.30 ID:vwTqkNNj0


綾乃「もう、歳納京子ったら。私の手を引っ張っておきながら途中でどこか行くなんて。信じられない!」

千歳「落ち着いた方がええよ、綾乃ちゃん」

綾乃「んっ?」

向日葵「どうやるんですの?」

櫻子「もっと銃口を的に近づけて」

向日葵「良いんですの?」

櫻子「そうしないと当たらないよ。ほんと、向日葵は不器用だね」

向日葵「や、やったことが無いものは仕方ありませんわ」

三年生徒「ねぇ見て、あの子達。手取り足取り教えあってる」

三年生徒「可愛いね」

向日葵「!! 櫻子のバカ!」

櫻子「痛っ! 何故だぁ」

綾乃「仲良いわね。あの二人」

おわり

12: 2011/09/22(木) 23:48:40.99 ID:vwTqkNNj0


綾乃「と、歳納京子っ! 置いて行くなんてひどいじゃない」

京子「ごめん、ごめん」

千歳「本当は歳納さんと一緒に見たかったって思ってるん?」ボソッ

綾乃「そ、そんなこと思ってないわよ!」

結衣「ちゃんと見られた?」

綾乃「歳納京子に振り回されなかったから、結構見られたわ」

千歳「振り回されたいのが願望と違う?」

綾乃「ち、違うわよーっ!」

京子「なあ、さっきから妙な気配を感じないか?」

西垣「今、私の研究に参加してくれたら参加賞をやる。但し、誓約書にサインをしてもらうぞ」

綾乃「西垣先生! 勝手に生徒会室を使用しないで下さい!」

結衣(誓約書は突っ込まないのか……)

おわり

13: 2011/09/22(木) 23:49:45.06 ID:vwTqkNNj0


ちなつ「あかりちゃん、交代の時間だって。他のクラスを見に行こう」

あかり「あかりは後で行くよ」

ちなつ「何で?」

あかり「だって、午後担当の誰かに十字架に縛られて輪投げの的になって……って、言えない」

ちなつ(それは言えない)

ちなつ「で、でも。交代は交代だし……」

あかり「ちなつちゃん。あかりの事は気にしないで早く結衣ちゃんの所の貴族喫茶に行きなよ」ニコッ

ちなつ(て、天使のような笑顔! 私の心が浄化されていく)ウル

ちなつ(やっぱり、あかりちゃんは天使なんだね。ありがとう!)ウルウル

ちなつ「じゃあ、あかりちゃん。先に行くね!」

あかり「ちなつちゃんが泣いてたよ~。あかり、何か変なこと言ったかな~」

おわり

14: 2011/09/22(木) 23:52:12.64 ID:vwTqkNNj0


櫻子「あかりちゃんは交代しないの?」

あかり「う、うん。ここは交代できないから。気にしないで」

櫻子(そう言えば、輪投げの的として十字架に縛られていたっけ……。何で先生は注意しないんだろう)

向日葵「次期生徒会副会長になる私が、そのような行為を見過ごす訳にはいきませんわ」

あかり「向日葵ちゃん?」

向日葵「その十字架は即撤去! 通常の輪投げにしなさい!」

女子生徒達「はい!」

櫻子「すげぇ…って、感心してる場合じゃない。聞き捨てならないセリフが聞こえた!」

向日葵「何かしら、櫻子?」フフン

櫻子「輪投げを知ってるなら、射的もやったことあるだろうー」

向日葵「そこですの!?」

おわり

16: 2011/09/22(木) 23:56:02.11 ID:vwTqkNNj0
10

ちなつ「今行きますよ~結衣せんぱ……って、凄い行列!」ウソーッ

ちなつ「結衣先輩と京子先輩の周囲に集まっている人の目がハートになってる!」

ちなつ「でも折角あかりちゃんが背中を押してくれたんだし。ここで足踏みは出来ない」

あかり「ちなつちゃ~ん。わっ、いっぱい人がいるね」

ちなつ「あかりちゃん! うん、そうなの。これじゃ入るまでに時間がかかるよ」

京子「ちなつちゃん! あかり!」

結衣「あっ、二人とも来たんだ。入ってきなよ!」

ちなつ「えっ、あっ、その……。あかりちゃん、先に行きなよ」

あかり「えっ? 良いの? じゃあ、遠慮なく先に入るね」

あかり「あれっ? 何か周りから冷たい視線を感じるよ」アタフタ

ちなつ「そりゃ順番を守らなかったからね。でも先輩達に招かれて入った訳だし……。う~ん」

おわり

17: 2011/09/22(木) 23:56:56.41 ID:vwTqkNNj0
11 

(あかりは一度出て、行列の最後尾に並び直し、ようやく入る事が出来ました)

結衣「ごめんね、あかり。綾乃からひいきは無しって言われた」

あかり「あかりは平気だよ」ニコッ

結衣「これ、お詫び」

あかり「結衣ちゃん。それもひいきになるかもしれないよ」

あかり「あかりは何も不愉快に思ってないからね。お詫びは不愉快を与えたお客さんにするものだよ」

あかり「それより、結衣ちゃんの男装は素敵だね。人が集まる理由が分かるよ」ニコニコッ

結衣「あ、ありがとう」

結衣(な、何だろう。こんなあかりは見たことがない。胸の鼓動が……)

京子「結衣~。携帯鳴ってない? 胸ポケットに入れてるやつ」

結衣(あっ、このバイブレーションか)

結衣「紛らわしい。この落し物は京子が持っててくれ」

京子「?」

おわり

19: 2011/09/22(木) 23:59:15.08 ID:vwTqkNNj0
12

京子「いらっしゃい、あかりお嬢様」

あかり「京子ちゃん。そのメイド服ってもしかして自分で作ったの?」

京子「既製品にちょっと手を加えただけだよ」

あかり「それでも凄いよ。やっぱり京子ちゃんは手先が器用だね」ニコッ

あかり「改めて京子ちゃんの技術力の高さが凄いって感じるよ」ニコニコッ

京子「あ、ありがとう」

京子(な、何だ。本物のあかりか!? ま、まるで天使だ。体が熱くなって……)

結衣「京子。いくら足が寒いからって、電気ストーブの前に突っ立ったままサボるな」

京子(あっ、この電気ストーブのせいか)

京子「紛らわしいなぁ」

結衣「?」

おわり

21: 2011/09/23(金) 00:00:54.83 ID:geKtUSC70
13

京子「皆、お疲れさま~」

結衣「慣れない格好で疲労困憊だよ」

綾乃「でもこういうのは楽しかったわね」

千歳「来年もやる? うち賛成やで」

結衣「少しアレンジしてやるなら良いかもね。評判も良かったし」

京子「そうだ。今の服装のまま写真撮らない? 4人で」

綾乃「しゃ、写真!!」

千歳「ええね。私は左端に行くわ」

結衣「じゃあ、メイドと男装は交互が良いな。千歳の隣は綾乃だ」

綾乃「私の隣は……」

京子「私でございます、綾乃様。……スカートの両端を掴んでのご挨拶ってやりたかったんだよね」

綾乃「や、やらなくて良いわよ!」

結衣「京子の隣は私だね。あっ、ごめん。写真お願いして良い? ありがとう」

カシャッ

22: 2011/09/23(金) 00:01:43.78 ID:geKtUSC70
14

櫻子「やっと終わった~。疲れた~」

向日葵「そのセリフは私のセリフですわ」

向日葵「朝から始めた準備、射的の係、交代した後、他のクラスを回る時」

向日葵「全て櫻子と一緒だった私の身の事も、少しは考えてほしいものですわ」

向日葵「おまけに子供のようにはしゃいで……」

向日葵「あんな可愛い無邪気な笑顔は反則ですわ!」

向日葵「いくら文化祭とは言え、少しは大人になりなさい」

櫻子「向日葵……」

向日葵「何ですの?」

櫻子「そのセリフは私のセリフだよ」ドキッ

向日葵「さ、櫻子!」ドキッ

櫻子「か、帰りも一緒だけど……良い?」ドキドキ

向日葵「……し、仕方ありませんわ」ドキドキ

おわり

23: 2011/09/23(金) 00:02:13.67 ID:geKtUSC70
ラスト

京子「片付けは明日?」

結衣「先生がそう言ってたよ。さぁ、帰ろう」

京子「何か……。何か、忘れてないかな」

ドカーン

綾乃「な、何? 今の爆発は!?」

千歳「生徒会室で起きた見たいやな」

結衣「生徒会室? 生徒会室で爆発するものなんてある?」

京子「ま、まさか!!」

西垣(校内放送)「あーっ、あーっ。校内にいる生徒に告ぐ。今の爆発は気にするな。ケアレスミスだ」

綾乃「西垣先生!!」

京子「研究に参加した人が居たのか……」

おわり

25: 2011/09/23(金) 00:05:05.84 ID:NcGIM71K0
もうこんな時間だったか
乙だ

26: 2011/09/23(金) 00:07:02.51 ID:unEXWcEV0
だんだん短編集じゃな(ry


27: 2011/09/23(金) 00:08:04.84 ID:5Nt6bafU0

引用元: 綾乃「ゆ、ゆるゆり短編集、始めるわよ」