２

結衣「やぁ！　それっ！　あっ、まずい！　このままだと負ける」

ボスキャラ【そなたの運命は決まった！】　ｷｭｲｰﾝ　ﾄﾞｶﾞｶﾞｶﾞ　ﾄﾞｺﾞｫｰﾝ

結衣「あっ、超必殺技の瞬極滅殺！　ボスの背中に極の字が浮かんだ」

結衣「また負けたか。んっ、どうしたの？」

京子「この女ボスって……。似てるんだよな～」

結衣「気になるなら確認してみれば」

ﾋﾟｯﾎﾟｯﾊﾟｯ　ﾄｩﾙﾙﾙ　ﾄｩﾙﾙﾙ

あかり『はい、赤座です』

京子「あかり？　いきなりで悪いんだけど一つ聞きたいことがあるんだ」

京子「あかりのお姉さんって、人気格闘ゲームの新作に関わったことある？」

あかり『お姉ちゃんは直接関わってないけど、お姉ちゃんの友達の友達が関わってる』

あかり『いつか忘れちゃったけど、お姉ちゃんはその人と一度だけ食事したことがあるって聞いたよ』

京子（初対面でボスキャラのモデルになるなんて……。衝撃的な出会いだったんだな～）

おわり

３

櫻子「向日葵～。この新作格闘ゲームやろう」

向日葵「櫻子はゲームに興味がありましたの？」

櫻子「あまり興味はなかったけど、このゲームは登場キャラが可愛くて買った」

向日葵「そうですの。私もゲームはやらないけど、弱くても良いのなら相手になりますわ」

櫻子「望むとこ……って、いきなり説明書読んでるし！　絶対に負けたくないんだね……」

櫻子「よしっ。じゃあ、やるよ。私はこの魔法使いっ！　少女っぽいけど、まっいいか」

向日葵「私はこのキャラクターにしますわ」

櫻子「選びなおすならリセットするよ」

向日葵「えっ？　このキャラクターで良いですわ」

櫻子「そのキャラクターの説明文に、登場キャラで唯一の巨Oって書いてあるんだよ！」

向日葵「そんなことは勝負に関係ありませんわ！」

おっOい禁止！

４

結衣「京子。ボスキャラの使用は禁止だ」

京子「分かった。それじゃ結衣が苦手そうなキャラにするよ。誰にしようかな……。こいつだ！」

結衣（うっ。あのキャラは変則的な技を使うから苦手だ。でもいいや。勝てば良いんだし）

結衣「よし、勝負だ！」

京子「……。あれっ、まずい。このままじゃ……」

結衣「どうした京子？」ﾆﾔﾘ

京子「こ、こうなったら奥の手！」

ﾌｰｯ

結衣「わあぁぁぁっ！」

結衣「ひ、卑怯だぞ！　耳に息を吹きかけるな！」

京子「ごめん。こうするしかなかった」

結衣（危うく変な声を出すところだった）

おわり

５

結衣「１３勝１７敗か……。負け越しはくやしいな」

京子「修行せいっ！」

結衣「うっ。何も言い返せない」

京子「あ～目が疲れた。休憩しようか」

結衣「そうだね。ジュース持ってくるよ」

京子「このソフトって人気があるから、クリスマスプレゼントで貰う子供が多そうな気がする」

結衣「クリスマス……か」

京子「結衣。クリスマスは空いてるの？」

結衣「えっ？　クリスマス？　あ、空いてるって言ったらどうするの？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

京子「聞いてみただけって返す」ﾆｺｯ

結衣「……」

京子「ゆ、結衣。落ち着いて！　冗談だよ！　ダ、ダメよ。いや～ん！」

結衣「そういう冗談を言う子には、お仕置きをするしかなさそうだね」

覚悟せいっ！

６

綾乃「買い物付き合ってくれてありがとう」

千歳「気にしないでええよ」

千歳「もう少しでクリスマス。一年ってあっという間やね」

綾乃「そうね……」

綾乃（クリスマスか……。いつか憧れの人と一緒に……なんてね）

千歳「何考えてるん？」

綾乃「べ、別にクリスマスは憧れの人と一緒になんて、これっぽっちも考えてないわよ」

千歳「フフッ。心の中で思った事を口にしたら意味ないで」

綾乃「えっ？　あっ！　それはその、憧れの人は、と、歳納京子じゃないからね」

千歳「そこは言わんでも分かるよ」

綾乃「」ｶｧｯ

京子（まさか帰りに寄り道したら、二人を目撃するとは思わなかった。さて、どうしようかな～）ｳﾌｯ

おわり

７

ちなつ「あっ、結衣先輩！」

結衣「ちなつちゃんにあかり。二人で買い物？」

あかり「クリスマスにうちでパーティをやるから、その準備のための買い物だよ」

ちなつ「結衣先輩は？」

結衣「私もクリスマス準備のための買い物だよ。２４日と２５日は実家に親戚が来るからね」

ちなつ（先輩もパーティに参加しませんか？って言おうと思ったのに）ﾑｯｷｰ

あかり「あれって……京子ちゃんかな？」

結衣「本当だ。またまっすぐ帰らずに寄り道したな。って、近くに綾乃と千歳がいる！」

ちなつ「京子先輩のあの表情。明らかに悪ふざけを考えてますって表情ですよ」

結衣「まぁ、綾乃に本気で怒られた方が少しぐらい反省するだろう。これは見なかった事にしよう」

あかり（ちなつちゃんて、黒いことならすぐ気づくんだね）

おわり

８

向日葵「明日の２５日は赤座さんの家でパーティですわね」

櫻子「そうだね」

向日葵「ところで櫻子。まだ家に帰らないんですの？」

櫻子「えっ？　ま、まだ……」

向日葵「私の勉強の邪魔をしようと考えて、チャンスを窺っているんですの？」

櫻子「じゃ、邪魔なんかしないよ。それに勉強って言ってるけどさぁ」ﾁﾗﾘ

櫻子「国語の教科書を出して、ノートは英語しか書かれてないけど、どんな勉強してるの？」

向日葵「えっ！？　こ、これは……」

櫻子「もう我慢の限界！　こ、これ。クリスマスプレゼント！　気に入らなかったら捨てて良いよ」

向日葵「さ、櫻子！　じゃ、じゃあ。私からもこれ……。クリスマスプレゼントですわ」

櫻子「ひ、向日葵。……ありがとう。開けても良い？」

向日葵「良いですわ。私のこれも開けて良いですの？」

櫻子「ちょっと待って。折角だから隣に座ってよ。それからお互いのプレゼント開けよ」ﾆｺｯ

おわり

９

綾乃「今日はイブ……か」ﾊｧ

綾乃「あっ、いけない。もう始まってるわ」ｶﾁｯ

綾乃「最近ラジオを聴くのが楽しみ～。いつか私もリクエストメールを送ろうかしら」

DJ「さて、クリスマス特集に戻りましょう。次のリクエストメールをくれたのは……」

DJ「女子中学生の様ですね。ラジオネームは……生徒会副会長アヤノさんからです」

綾乃「！！　だ、誰！？　私の事を知っている人？」

綾乃「あっ、この曲。私が大好きな曲だわ」

綾乃「う～ん……。千歳ね。このメールを送ったのは千歳しか考えられない」

綾乃「んっ。子機が鳴ってる。千歳かしら？」ﾋﾟｯ　ﾓｼﾓｼ

京子『綾乃～。今、ラジオから綾乃の大好きな曲が流れてるでしょ』

綾乃「と、歳納京子！　何であなたがラジオと私の大好きな曲の事を知ってるの！？」

京子『トナカイさんにお願いしたら教えてくれたんだよ』

綾乃「何故トナカイ……」

おわり

１０

京子『それは冗談で、本当は千歳から聞いた』

綾乃「全く。千歳もおしゃべりね」

京子『千歳は悪くないよ。私が強引に聞いたんだ。で、私からのプレゼントを受け取った感想は？』

綾乃「ビ、ビックリしたわよ。まぁ、それぐらいかしら」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

京子『サプライズだからね～。そう言ってくれて嬉しいよ』

綾乃「ねぇ、リクエストメールが採用されなかったらどうしてたの？」

京子『何も考えてない』

綾乃「えっ！？」

京子『その時は別なサプライズを急いで考える！』

綾乃「歳納京子らしいわね。素敵なクリスマスプレゼントだったわ。ありがとう！」

京子『惚れるなよ～』

綾乃「ほ、惚れないわよ！」ｶｧ

おわり

１１

結衣「この曲は確か綾乃が好きな曲。確か京子が千歳から聞いたって言ってたな」

結衣「メールを送ったのは間違いなく京子だな」

結衣「憎めない奴だよ、ほんと」ﾌﾌｯ

DJ「では続いてのリクエストメールです！」

DJ「ラジオネームは、ラブユイさんからのリクエストですね」

結衣「こ、この曲は、私が好きな曲！」

結衣「しかもラブユイって……。もっと違う何かがあるだろ、全く」

結衣「あっ、電話だ」　ﾀﾀﾀｯ　「はい、船見です」

京子『へへへっ、お姉さん。今履いているパンツは何色？』

結衣「……白だ」

京子『バ、バカ！　聞いたこっちが恥ずかしくなる！』

おわり

１２

結衣「ラジオ聴いてたよ」

京子『それじゃ、もう気づいてるよね』

結衣「ああ」

京子『いつも色々迷惑かけてるなって思ったから』

京子『さっきのがクリスマスプレゼントってことで』

結衣「ありがとう京子。凄く嬉しかったよ」

京子『結衣……』

結衣「それにしても二回連続でリクエストメールが選ばれるなんて凄いな」

京子『もしかしたら来年や再来年の運まで使い切ったかも』

京子『それでも選ばれる私は正真正銘のラッキーガールだね』ﾍﾍｰﾝ

結衣「京子らしい答えだな」ﾌﾌｯ

京子『忙しいんでしょ？　もう切るね。じゃあ！』

おわり

１３

あかり「皆で集まると楽しいね」

ちなつ「そうだね！」

櫻子「ねぇ、あかりちゃん。この格闘ゲームやろう！　ハードも持ってきたよ」

あかり「今日の櫻子ちゃんは準備万端だね」

ちなつ「この前私とあかりちゃんは結衣先輩の家でやったよ。ちなみに私は前作も少しやったことある」

向日葵「二人ともプレイしたことがあると、私が不利ですわ。ほぼ初心者ですから勝てる気がしませんわ」

櫻子「向日葵はハンディをあげるよ」

向日葵「櫻子……」

向日葵「ハンディなんて不要ですわ！　ハンディをもらうと言うことは櫻子に負ける事を意味しますわ！」

ちなつ「二人とも落ち着いてよ～。あかりちゃん、先に二人で遊ぼう。誰使う？」

あかり「あかりはこの主役キャラのお団子が可愛い格闘家の女の子を使うよ。技も出しやすいからね」

ちなつ「……チッ。今度は負けないよ」

あかり「舌打ちこわいよ～」

おわり

１４

櫻子「あ～、負けたぁ」

ちなつ「勝ったぁ！」

あかり（ちなつちゃんが使ってるキャラクターって、技もコスチュームもちょっとエOチで性格が黒い気がする）

ちなつ「じゃあ、次は誰を使おうかな……」ｶﾁｶﾁ　ﾄﾞｵｫｫｫﾝ

向日葵「突然現れるなんて……。これは隠しキャラクターですの？」

櫻子「詳しくは分からないけど、二人が凄く驚いてるからそう見たいだよ」

あかり「これって前作のボスキャラだったっけ？」

ちなつ「そうだよ。コイツ強いから超嫌い」

ちなつ「結衣先輩の家でやった時、こんな裏技があるなんて言ってくれなかった」ｸﾞｽｯ

ｿﾅﾀﾉ……ｳﾝﾒｲﾊ……ｷﾏｯﾀ

ちなつ（何、今の？　わりと近くから聞こえたけど）

おわり

ラスト

櫻子「じゃあね、あかりちゃん！」

向日葵「楽しかったですわ」

ちなつ「またね～」

あかり「皆、今日はありがとう。気をつけてね～。バイバ～イ」

あかり（やっぱり皆でパーティやると楽しい！）

あかり（理想の恋人の話をした時、ちょっと大人みたいな感じがしてドキドキしたな～）

あかり（さて、お片付けしよっと）

あかり「えっ、ドアが閉まらない。何で？　きゃっ！　背後から手が！」

あかり「誰……」ｸﾙﾘ

あかり「あっ、お姉ちゃ」

ｿﾅﾀﾉ ｳﾝﾒｲﾊ ｷﾏｯﾀ

あかり「えっ？」

ｷﾞｨｨｨ　ﾊﾞﾀﾝ

Bonus Track

＼ｱｯｶﾘｰﾝ／

あかり「は～い」

あかり「今まで短編集を支援してくれた方に感謝します」ﾍﾟｺﾘ

あかり「すでに何個も作ってるから、もう短編集じゃないかも……」

あかり「こういうのを書くのはやっぱり難しい。上手く書ける人がうらやましいよ」

あかり「それじゃあ、そろそろタイトルコールを」

あかり「ゆるゆり、はっじま……。えっ？　今日はエンディングの収録？」

あかり「あ～！　皆すでに向こう側でエンディングのスタンバイしてるよ～」

あかり「何で誰も言ってくれないの～。あかり一人だけ間違えて恥ずかしいよ～」

あかり「とにかく、あかりもそっちに行くから待って……って、あっ！　きゃあ！！」ｶﾞﾂｰﾝ　ﾄﾞｻｯ

カメラさん「」

いつもミラクル（ｲｪｲ！）

END

ネタ切れです。ちょっと休憩します。
またお会いしましょう～

支援感謝

乙

またあなたか
いまから読む