446: 2012/10/01(月) 20:54:04.92 ID:+YWv2rXMo





前話はこちら





ゴチャ…

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

真「………」

やよい「真さん、お団子みたいになっちゃってますね」

真「………」

やよい「そうなったらもう『すとれ…なんとか』でも動けないかなーって」

真「………」

ゴゴゴゴゴゴ

 千早の『ブルー・バード』とあずさの『ミスメイカー』が決着する頃…

 765プロ新事務所の建物内で行われていた、もう一つの戦闘に決着が着こうとしていた。

 時は、菊地真が水瀬伊織と別れレッスン場へ向かおうとする時まで遡る…



※このSSは「THE IDOLM@STER」のキャラクターの名前と「ジョジョの奇妙な冒険」の設定を使った何かです。過度な期待はしないでください。


春香「弓と矢」シリーズ

448: 2012/10/01(月) 20:59:15.02 ID:+YWv2rXMo
バカッ

真(トレーニングウェアと…タオルと…水は途中で買っていけばいいか)

真(新しい事務所は、ロッカールームがちゃんとあるのが嬉しいよね)

ガチャ

春香「あ」

ドドドドド

ドドドドドドドドド

ド ド ド ド ド ド ド ド ド

真「!!」バッ

春香「そう身構えられると傷つくなぁ」

真「…もう、出たんじゃなかったのか」

春香「ちょっと忘れ物を、ね…」

真「忘れ物…ボクのことかい…?」

春香「ちがうちがう。本当にただの忘れ物だって」

450: 2012/10/01(月) 21:04:05.63 ID:+YWv2rXMo
真「ボクを始末するか…?」

春香「え?」

真「もう、知ってるんだろう? ボクが伊織に負けたこと…」

真「そして、伊織の方に付くと決めたことを」

春香「まぁ、知ってるけど…」

真(春香と…ボクの間で…)

真(温度差がありすぎる…なんだ、この話したことのないクラスメイトを相手にした時みたいな反応は…)

春香「それなんだけどさ、真…聞いていいかな?」

真「なんだい?」

春香「どうして伊織の方に? 負けたから、逆らえないってこと?」

春香「だったら、すぐにでも真のために伊織を倒すよ」

452: 2012/10/01(月) 21:04:36.19 ID:+YWv2rXMo
真「…ボクのためだって?」

真「違うね。春香がやってるのは全部自分のためだろ」

春香「………」

真「春香は事務所のみんなを『仲間』にしたいんだろ?」

真「ならないのなら…『アイ・ウォント』で力づくでも…」

春香「どうしてか、みんな嫌がるからね…仕方ないよ」

真「ボクも伊織も、今の春香のそういうところが嫌なんだ」

真「伊織に負けた…それだけじゃ、キミを敵に回す理由にはならないよ」

春香「…真の中では、私はもう『敵』なんだね」

454: 2012/10/01(月) 21:05:07.62 ID:+YWv2rXMo
真「…春香は、事務所のみんなを『仲間』にしてどうするつもりなんだ?」

春香「どうもしないけど…同じ事務所でいがみ合ってるのって悲しいじゃない」

真「…春香。本当にそう思っているのなら、『矢』を壊すんだ」

真「もう『スタンド使い』になってしまったものは仕方がない…」

真「だけど、その原因である『弓と矢』は違う…あれさえなければ、みんなすぐにでも争うのをやめるはずだ」

春香「それは駄目」

真「どうしてだよ、わかってるのか!? ボク達が春香といがみ合ってる理由こそが、あの『矢』なんだぞ!」

春香「未知のものだもん、戸惑ってるだけ。最後にはみんなわかってくれるよ」

真「そんなこと…!」

春香「いや…ちがうか…」

春香「わかってもらう」

真「…!」ゾクッ

春香「もちろん、伊織にも…真にも…ね」

ゴゴゴゴゴゴゴ

456: 2012/10/01(月) 21:05:28.56 ID:+YWv2rXMo
真「だったら、ここでやるか…?」

真「わかっていると思うけれど、前の事務所を壊したのはボクだ…やりあえば、キミだってただでは済まないと思うけど?」

春香「あはは、真…それ、本気で言ってるの?」

真「………」

春香「別に…今は忘れ物を取りに来ただけ。いずれ、そういう時が来るかもしれないけど…今は違う」

春香「時間があればやってもよかったんだけど…そうだったら困るのは、真の方でしょう?」

ガチャ

春香「ふんふんふーん♪」ゴソゴソ

真(無防備…ボクのことなんて、まるで眼中にない…)

ゴゴゴゴゴゴゴ

春香「おとめよーたいしをいだっけー♪」

458: 2012/10/01(月) 21:05:49.78 ID:+YWv2rXMo
真(『不意打ち』は…正々堂々じゃあない、スタンドパワーを『弱く』する行為だ…)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

真(だけど、今の春香を倒すためなら…それに、少しくらい弱くなっても『ストレイング・マインド』の能力…)

真(…やるか?)

春香「やめといた方がいいよ、真。そんな震えた手じゃ何もできやしない」ボソッ

真「!!」ビクッ

真「『聴覚支配』…!」

春香「『視覚支配』だよ? 今、実際に真の耳元で話しかけてる」

ピト…

真「は…」

春香「『奪った』」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

460: 2012/10/01(月) 21:06:13.11 ID:+YWv2rXMo
春香「『ストレイング・マインド』…確かに、『破壊力』なら私が見たスタンドの中でも最強…」ズズ…

真(景色が元に戻る…いつ、奪われたんだ…?)

春香「真ほど事務所のビルを簡単に壊せる人はいない、私の『アイ・ウォント』でも不可能」

春香「でも」クルッ

真「うっ…!」バッ

ピキピキ

春香「そんな真のスタンドでも…私を倒すことは、もっと不可能。反抗するだけ無駄無駄無駄無駄…」

春香「そのことを忘れたって言うのなら…」

真「………」

春香「思い出させてあげる」

ゴゴゴゴゴゴゴ

真「………」タラ…

462: 2012/10/01(月) 21:06:33.47 ID:+YWv2rXMo
プルプル…

真(止まれ…)プル

真(止まれよ、ボクの手…!)プルッ

ゴゴゴゴゴゴ

春香「…と」

春香「言いたいところだけど…」

春香「本当に、もう行かないと。スタッフの人達や律子さんを待たせちゃいけない」

真「………」

春香「こんなことで穴を空けるのも…ね」

春香「それじゃあね、真」フリフリ

パタン…

464: 2012/10/01(月) 21:06:50.48 ID:+YWv2rXMo
シィーン…

真「………う」プハッ

真「はぁ、はぁ…!」ダラダラ

真(汗が…運動前だってのにビチャビチャだ)グイ

真「くそっ!」ドンッ!

真(『こんなこと』…春香にとっては、しょせんその程度でしかないのか)

真(実際…そうだろうな。仮に今、戦うことになっていたら…)

真(スタンドを身に纏ったところで、春香の『五感支配』は容赦なく襲いかかる…)

真(逃げるだけなら…出来ると思う。新しい事務所に穴が空くことになるけど…)

真(だけど、戦うとなると…)

真(………)

真(伊織は…春香と戦うつもりでいる…)

真(仲間と一緒なら、春香も倒せるはずだと…そう言っている)

真(ボクも春香を裏切り、伊織と一緒に戦うことを決めた)

真(それが、春香に相対しただけでこのザマだ…)

真(ボクは…)

真(ボクは本当に、春香と戦えるのか…?)

466: 2012/10/01(月) 21:07:13.77 ID:+YWv2rXMo
バタン

真「…レッスン、行くか」ス…

グイ!

真「………」

グググ…

真「なんだ…ロッカーから手が離れない…!?」

ゴゴゴゴゴ

真(この気配…)

真「誰だ!」クルッ

やよい「うっうー! 成功ですっ!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

真「やよい…」

468: 2012/10/01(月) 21:07:36.05 ID:+YWv2rXMo
真「これは…やよいがやったのか?」

やよい「えへへ…私のすた…すた…えーと…『ゲンキトリッパー』」

やよい「『くっつける』能力ですっ! 真さんの手をロッカーに『くっつけ』ました!」

真「はぁ…」

バキ!

やよい「へ?」

メキメキメキメキ

やよい「はわっ!?」

真「『くっつける』能力…それで、ロッカーに『くっつけた』のか…このままだと邪魔だな…」ス…

ゴン!

バリィィィン

真「くっついた部分だけは離れないか」

やよい「ロッカーのドアのところがコナゴナに…」

470: 2012/10/01(月) 21:07:54.33 ID:+YWv2rXMo
真「やよい…誰に頼まれてきた? さっき出て行った春香か?」

やよい「それは…えっと、はい…」

やよい「真さんや伊織ちゃん達、春香さんとケンカしてるって…」

真「伊織のことも…知ってるんだね」

やよい「ケンカは、よくないと思います! みんな仲良くしないと!」

真「喧嘩ね…」

やよい「春香さんに頼まれました。真」

真「そっか…で、さ…」

真「こうしてボクの前に出てくるってことは、覚悟はできてるんだろうな? やよい…」

ドドドドドドドドド

472: 2012/10/01(月) 21:08:14.94 ID:+YWv2rXMo
真「一つ警告すると…ボクの『ストレイング・マインド』の破壊力は春香も最強だと認めている」

やよい「さいきょー…ですか」

真「今見せたように、『ロッカー』を破壊することなんて、砂の城を崩すようにたやすい」

真「大怪我しないうちに逃げるか…降参した方がいいと思うけど」

やよい「そーしたら春香さんに怒られちゃうかもです…」

真「ボクの方ならどうこうできると思っているのか…?」

やよい「なんとかします!」

真(しかし…)

真(伊織の時は、ボクも必氏だったし…それに、倒したら春香に引き渡して治してもらうなんてわけにはいかない…)

真(ボクの『ストレイング・マインド』は、破壊力が高すぎる)

真(やよいの身体を破壊してしまえば、それを治す手段はあるのか?)

真(やりにくいな…)

474: 2012/10/01(月) 21:08:35.06 ID:+YWv2rXMo
やよい「うっうー、行きますよ!」

真「やる気か…いいよ。なら来い、やよい!」パキッ

やよい「『ゲンキトリッパー』!!」ドォーン

真(あんな入り口の離れたところから…)

真(伊織の『スモーキー・スリル』と同じ…『遠隔操作型』か。だから部屋に入る前からロッカーに仕掛けられた…)

やよい「うっうー!」ボヒュ

真(ロッカー…どうせ壊れてるなら、全部使うか)パキパキ

バキッ

真「オラオラァ」ドン! ドン!

パリィ!!

やよい「へっ!?」

ヒュン!

ドス!

やよい「あうっ!?」

ブシュゥ

真「ん!」

真(やっぱり、ボクの能力じゃあ殺傷力が高すぎるか…)

476: 2012/10/01(月) 21:08:58.13 ID:+YWv2rXMo
真(やよいをあまり傷つけたくはない…念のためだ、伊織を呼ぶか…)ピポパ

やよい「あれ…真さん、誰かに電話するんですか? えっと…伊織ちゃんかな?」

真(『スモーキー・スリル』なら、『くっつけ』られることはないはず…)

トゥルルルル…

・ ・ ・ ・ ・

真「出ない…?」

やよい「上では、あずささんが誰か捕まえるために何かやってるみたいです」

やよい「だから…真さんが伊織ちゃんを呼ぶのはちょっと無理かなーって」

真「あずささんが…?」

真(意識を落とすスタンド…それでか…?)

やよい「春香さんはそう言ってました」

真「春香ッ…!」

真(あの態度…『自分で手を下す必要はない』と…そういうことか…!)

真(電話が帰ってこないということは…伊織はあずささんと戦っているか…あるいは、もう…)

やよい「伊織ちゃん、もうあずささんに負けてたりして」

真「…あの伊織が負けるなんて想像できないな」

真(とはいえ…助けは期待できない。やよいの方はなんとかしますか、ボク一人で)

478: 2012/10/01(月) 21:09:20.68 ID:+YWv2rXMo
真「伊織の助けが期待できない以上…」

真「仕方ないな。ボクの手で『再起不能』にさせてもらうぞ、やよい」

やよい「うー、負けませんよ! 私も、ガンガンいっちゃいます!」タタタ

真(近づいてきた? 『遠隔操作』なのに…)

やよい「『ゲンキトリッパー!』」グオン

真(…ん?)

・ ・ ・

真(さっきロッカーを飛ばしてついたやよいの傷が…塞がっている? まさか…)

やよい「うー!」ヒュオッ

真「………」サッ

ゴシュ!

やよい「はわっ!?」ビリビリ

やよい「うぅ、この腕…硬いです…」

真「ボクのスタンド、『ストレイング・マインド』はこの世の何よりも『硬い』能力だ」

真「生半可な攻撃は通用しないと思った方がいいよ」

480: 2012/10/01(月) 21:10:17.38 ID:+YWv2rXMo
真「そして、この身に纏うスタンド…射程距離は短いけど、純粋な近接戦闘の『スピード』なら春香の『アイ・ウォント』よりも上」

真「『パワー』だって半端じゃあない。一撃食らえばやよいの体のパーツもさっきのロッカーようにフッ飛ぶ」

真「やよい。はっきり言ってボクは手加減している…これ以上やると言うなら身の安全は保証できない」

やよい「そーですか…」

ピト

真「!?」

真(今の攻撃、ダメージを与えるためではなく…)

真「くっ!」ブンッ!

ピタァ…

真「近づいて来たのは…」

真「『くっつける』ためかッ!! 自分の体を直接ッ!」

やよい「えへへ…はい」

482: 2012/10/01(月) 21:10:47.07 ID:+YWv2rXMo
やよい「真さんのそれ…着る感じですよね?」

真(振りほどけない…! ボクの腕にピッタリくっついて…!)

やよい「だったら、こうしとけばもう私には攻撃できないかなーって」

真「そんな馬鹿な…」グイ!

やよい「んっ!」グ!

真「うぐ…」グイ!

真(確かに…こうくっつかれると打撃が加えられないぞ…!)

真(『ストレイング・マインド』は、身に纏っているスタンドは『硬く』できるがボクの体自体を『硬く』することはできない…)

真(やよいの『ゲンキトリッパー』にはそういう制限はない…のか)

やよい「とと…」モゾモゾ

真「うひゃぁ!?」ゾクゾクッ

真(腕はくっつけたまま…背中の方に…回り込んでる…)

やよい「後ろからなら、真さんは叩いたりできないからお得です!」

真「く、『くっついた』ままじゃ、やよいだって攻撃できないだろ?」

やよい「あ! 考えてませんでした…」

真「………」

484: 2012/10/01(月) 21:11:24.35 ID:+YWv2rXMo
真(だけど…もしかしたら、あずささんがこっちに来る可能性があるかもしれない…)

真(このままくっついていられるのは少しまずいか…?)

真(と、言っても…腕も『くっつけ』られているし…後ろにくっつかれたままじゃ攻撃できやしない)

やよい「あ、いいこと考えました」

真「なに?」

やよい「こうやって…」ギュッ

真「ん!」

ピタ…

真(指が…開かない…!)

やよい「真さんの体を、体の別のところに『くっつけ』れば、動けなくなるかなーって」

真「く…」

真(これは少しまずいな…このままくっついていられたら、全身封じられてしまうぞ)

486: 2012/10/01(月) 21:11:58.43 ID:+YWv2rXMo
やよい「えっと、次は腕を…」

真「そうはさせないよ」

やよい「!」

真「『ストレイング・マインド』ッ!」パキパキパキ

やよい「わ、なんかかっこいいです!」

真(『ストレイング・マインド』を全身に纏っても背中や指は『くっついた』まま…剥がせない…か)

真「だが…」グッ

やよい「へっ?」ガクッ

バヒュゥゥゥン

やよい「はわっ、すごいジャンプ力…」

真(背中から…飛び込む!)グラ…

488: 2012/10/01(月) 21:12:22.00 ID:+YWv2rXMo
ゴオオオオオオオオオ

真「さぁ、このままだと地面に叩き付けられるぞ! 離れるんだッ!」

ペタ

真「…え?」

やよい「じゃあ…背中の方にいなければ」ペタペタ

真「なっ!?」

真(『手』をくっつけて…空中で、ボクの体を登っているッ!?)

やよい「逆に、真さんが地面に叩き付けられることになりますよね」

真(『くっつける』能力! こんなこともできるのか…)

やよい「えへへ、真さんの胸にくっついてるとなんだかお姫様になったみたいな気分」

真「やよい…呑気なこと言ってて嬉しいやら悲しいやら複雑な気分だけど」

真「ボクがただやよいを地面にぶつけるために飛び込んだと思ったのかい」

やよい「えっ?」

真「オラァッ!!」ビュッ

ガン!!

パリィィィン

490: 2012/10/01(月) 21:13:02.79 ID:+YWv2rXMo
やよい「地面が『硬く』なって…割れ…」

真「破片が飛び散るぞッ! 離れろ、やよいッ!」

やよい「はい、そうします」グイ!

ヒョイ

真「な!?」

真「ぐっ!!」ドザァ!

バリバリバリ

ガシャァァァ

やよい「わ…散らかっちゃっいました…あとで片付けないと…」

真(やけにあっさり…離れていったな…)

真(と、とにかく、やよいからは離れることに成功…)グッ…

真「…え」グ…

真「ゆ、床が…『離れない』ッ!!」

やよい「『ゲンキトリッパー』。真さんを床に『くっつけ』ました」

492: 2012/10/01(月) 21:13:37.75 ID:+YWv2rXMo
真(あ、腕も足も頭もピッタリと…!)

真(くっ、『ストレイング・マインド』のパワーでもビクともしない!)

やよい「これでもう、動けません」

真「で、でもやよい…やよいのそのスタンド…『くっつける』能力は大したものだけど…」

真「パワーは全然ないじゃあないか。それじゃボクの『ストレイング・マインド』の防御は破れないだろ…?」

やよい「うーん…そうなんですよね…うぅー…」

真(やよいにボクをこれ以上どうこうすることはできない…まだ、負けたわけでは…)

やよい「それじゃ、あずささん…呼んでこよっかなー」クル!

真「何ィッ!?」

やよい「あずささんなら、真さんの…す…す…なんとかしてくれたりして!」タタッ

真「ま…待て、やよいッ!!」

パタン…

494: 2012/10/01(月) 21:14:07.81 ID:+YWv2rXMo
真(『くっつける』スタンド…)

真(思っていた以上に厄介だ、手加減なんてしている場合じゃあなかった…)

真(今の時点でも動けないが、あずささんのスタンド…もし呼ばれたら、完全に勝機はなくなる…!)

真「まずい…」

真「…なんて。これしきで焦ることなんて何もないな」

フ…

グイッ

真「『ストレイング・マインド』を解除した…身に纏うタイプのスタンドってのが幸いしたな」

真(ボクの体に直接『くっつけ』られたものは剥がせないが…スタンドにくっついたものなら別だ)

真(やよいは足は速い方だけど…あくまでも同年代の中でだ。ボクの足ならすぐに追いつける!)スッ

ガチャ

バァァーーンンッ!!

真「あがっ!?」バキィッ!!

真(ド…ドア…が…)

ドシャァ!!

496: 2012/10/01(月) 21:14:46.50 ID:+YWv2rXMo
やよい「わっとっと」フラ…

真(やよい…もう行ってしまったと思わせて…待ち伏せしていたのか…)

真(『くっつけた』扉に、思い切り体重をかけて…)

真(う、腕が…折れたか…? それに顔も焼けるようだ…)

真(今のダメージはまずい…モロに喰らってしまった…)

真(い…一度スタンドを身につけてから行くべきだった…)ポタ…

やよい「わっ、真さん鼻血が出てます! だ、大丈夫ですか!?」

真「白々しいぞ…やよい…」

真「こうなることがわかってやったんだろ、今のは…」グイッ

やよい「でも…」

真「あーもう…本当やりにくいなァァ~ッ! 戦ってる相手の心配なんてするなよッ!」バキィ

やよい「はわっ!?」

498: 2012/10/01(月) 21:15:13.38 ID:+YWv2rXMo
やよい「うぅ…そ、そーですよね…」

やよい「わかりました、ファイトで行きます!」グッ

真「と…気合いを入れてもらったところ、悪いんだけど…」

やよい「へ?」

真「手が届くくらいの距離…ボクの射程圏内だ」

やよい「あ…」

パキパキパキパキ

やよい「『ゲンキトリッパー』、もう一度くっつけ…」

真(こんなドア…)

真「『ストレイング・マインド』!!」ゴオッ

パリィ!!

ヒュ ヒュン

やよい「わっ!!」バッ

ゴロゴロゴロォォ

ドズドズドズ!

500: 2012/10/01(月) 21:15:41.00 ID:+YWv2rXMo
やよい「ふぅ…」ムク…

真「何を安心しているんだい?」ス…

やよい「うっ!」

ドドドドドド

真「ボクとまともにやりあおうだなんて…」

やよい「う…」

真「思うんじゃあないぞ、やよい…」

ドドドドドドドド

真「待ち伏せなんてしてないで、さっさと逃げるべきだったね。この距離なら…」

真「負ける理由がないよ」

やよい「………」

ドドドドド

514: 2012/10/08(月) 21:28:00.51 ID:wZh97r7Io
「助け」が必要だ…読んでくれる者がいるのなら…
俺のレスのあとに支援をくれ

516: 2012/10/08(月) 21:31:43.67 ID:wZh97r7Io
ドドドドド

やよい「真さんのすた…えーと…」

真「ボクのスタンドの名前は『ストレイング・マインド』…だが」

やよい「それ、ズバババーって感じですごいパワーですね」

ドドドド

やよい「でも、だからこそ真さんは私に攻撃できないんじゃないですか…?」

真「だから?」

やよい「だから、そんなこと言われてもあんまり怖くないかなーって」

やよい「真さんがそういうつもりなら、『ゲンキトリッパー』の方が有利かも!」

真「そう思うか?」

やよい「………」ビク!

真「そう思っているのなら、好きなだけ飛び込んでくるといいよ」

真「そうでないなら、逃げろ。まずはやよいの両腕をブッ飛ばしてやる」

やよい「う…」ジリ…

ヒョイ

やよい「『ゲンキトリッパー』!」バシュ

真「『ストレイング・マインド』」

パキパキパキ

コン!

519: 2012/10/08(月) 21:32:29.18 ID:wZh97r7Io
ダダッ

真(逃げる方を選んだみたいだが…)

真(やよいは結構やんちゃなところがある)

真(目を離したら、『くっつける』能力…何をしてくるかわからない怖さがある)

真(逃がしはしな…)グッ…

真「………」

ゴゴゴゴゴゴゴ

真(足が『くっついて』いる…?)

真(何故だ…? ボクはやよいに触れられていないぞ)

やよい「これで、追って来れないです!」タタタッ

真「だが…逃がすか」

バキッ

521: 2012/10/08(月) 21:32:55.65 ID:wZh97r7Io
真「ドアを壊した言い訳は…後で考えるか」

ポイッ

真(左腕が動かないな…ダメージは流石に大きい)

真「オラァッ!!」パルィィ

真「オラオラオラオラオラオラオラオラ」ズガ ドグォ バリバリバリ

やよい「!」

ヒュ ヒュン

やよい「うっうー!」ドォ-ン

真「スタンドで身を守るか? この量! そんなスピードで、叩き落とすことは不可能だろ!」

ドス!

やよい「うっ!」ブルッ

523: 2012/10/08(月) 21:33:25.88 ID:wZh97r7Io
グニュ…

真「!」

ピタ… ピタリ

・ ・ ・ ・

グニュ…

真(『硬化散弾銃』を…『くっつけ』て止めたのか…?)

ガシャ ガシャン

やよい「はぁ…ふぅ…」

グニャリ グニャリ

真「!」

真(そして、やよいのスタンドが傷を塞いで…『くっつけ』ている…!)

タタタッ

真「やっぱりあのスタンド、普通の人型じゃあない…」

真「伊織の『スモーキー・スリル』みたいに…特殊な形状をしているのか」

525: 2012/10/08(月) 21:34:03.59 ID:wZh97r7Io
グイッ

バリィ!!

真「『ストレイング・マインド』、さっきみたいに剥き出しのコンクリートにくっつけられたならともかく…」

真「たかが床のビニール一枚程度、簡単にひっぺがせる」

真(とはいえ…)

やよい「『ゲンキトリッパー』!!」ズ…

ズズズ

真(やよいのスタンドが床に触れながら移動している…)

ズズズズズズ

真(あそこを通ればまた足が『くっつく』…ってことか)

真(飛び込んで行って、いちいち足を取られてたら追いつけるものも追いつけないな)

527: 2012/10/08(月) 21:34:32.63 ID:wZh97r7Io
真「だけど、ま…幸い」

真「ちょうど引っ越し直後、ダンボールがそこら中に置いてある」ヒョイ

ドドドドドド

真「これを…」バッ

真「『硬く』する!」

ドドドド

真「オラオラオラオラオラオラオラオラ」

ガシャ! パリ

パリィィィン パラパラ

ガシャァァァ

真「この上を歩けば… ………」

真「床を剥がす必要はない」

529: 2012/10/08(月) 21:35:12.83 ID:wZh97r7Io
グニュ! ググッ

真「………」ス…

パキパキパキ

ポイ!

グイッ

ドバァァァ

やよい「わっ! 真さん、もう追いついて…」

真「止まれ、やよい! 大人しくしていれば何も危害は加えたりしない」

真「『くっつける』能力、大したものだが…ボクには通用しない!」

やよい「………」

やよい「いえ、私、なんかいいこと思いついちゃいました」

やよい「もう真さんは私に勝つのは無理かもです」

・ ・ ・

真「…なんだって?」

531: 2012/10/08(月) 21:35:30.89 ID:wZh97r7Io
ドサ!

真「ん?」

ヒュゥゥ ヒュルルル

真「これはッ!」

真(天井に物を『くっつけ』て…)

真(『遠隔操作』で、そこらの部屋から持ってきているのか!)

真「下の次は上かッ!」バッ

ドス! グァシャァ!

やよい「うっうー!」テトテト

真(く、いちいち避けていたら逃げられるか!)

533: 2012/10/08(月) 21:36:09.12 ID:wZh97r7Io
真(やよいがわかっててやってるとは思えないが、天井に張り付いてる物には『重力』がかかっている…)

真(離せばさっきのドアのように、かけられた分の重力が降り注いでくるだろう)

真「だが…それがどうした」

ヒュン!

バキ!!

真「『最硬度』ッ! これしきの衝撃で砕けはしな…」

ピタ…

真「………」

真(くっついて…いる…?)

ヒュン ヒュン ヒュン

真「うっ!?」サッ

バキ! バキ! バキィィ!

真「!」

ウー

真(これは…)

真(落ちてくるもの一つ一つに、ように小さなスタンドが『くっついて』いるッ!)

ウッウー

真(やよいの『ゲンキトリッパー』は、この小さなスタンドが蜜柑の粒みたいに集まって構成されているのか!)

535: 2012/10/08(月) 21:36:52.25 ID:wZh97r7Io
真(天井から落ちてくる物体に、小さく切り離されたスタンドの一部分がくっつけられている…!)ググッ

ピタァァ

真(『くっつける』のはやはり『スタンド能力』…力では離れない…)

真(やよいの狙いは、ダメージではなく…こうして、『くっつける』ことか…?)

真(このまま進んでいけば、一体いくつの物がボクにまとわりつくことになることになる?)

真(この数…避けるのは至難の業だ、いちいち避けていては追いつくこともできない…)

真(スタンドを解除もできない…落ちてくるものによっては生身だとシャレにならない)

真(…引くわけにはいかない。ここで引いたところできっと春香やその仲間はもっと周到にボクを潰しにくるだろう)

真(何より、スタンドは『精神のエネルギー』…これしきで逃げてしまうような『精神力』では…)

真(ボクは春香になんて、絶対に勝てやしない!)

真「このまま…進むッ!!」

ドス!

ペタ…

537: 2012/10/08(月) 21:37:51.00 ID:wZh97r7Io
ドドドドドドドド

やよい「はわっ」バババッ

真(引き離されはしないが…)

ドドドドド

真(距離が縮まらない…)

ドス!

真(…『くっつく』ものの数が多くなってきたな。このままだとまずいか…一気に距離を縮める!)

ドバァ

やよい「あ、真さん…近くまで来ましたね」

ス…

やよい「えいっ!」ヒョイ

真「うおおっ!?」

真(地球儀!? 誰が持ってきたんだよ、亜美真美か!? これも、当たったら『くっつく』…!)

真(いきなり横からも来られたから避けられ…ブチ砕くしかない!)

539: 2012/10/08(月) 21:38:27.76 ID:wZh97r7Io
真「オラァ!!」ドゴォ

バリィ!!

ウッウー ウー

ビタ ピタァ

真(破片が…)

ビタァァ!

真「う…」

真(これ…)

真(ヤバく…ないか…?)

真(『ストレイング・マインド』はこうやって動きを封じられ…距離をとられながら戦われては何も対抗する手段がない…一方的に)

真(引き離されはしないが、距離が縮まらない…逆だ)

真(距離を空けすぎると、能力は無力化するし、こうやってやよいから攻撃することもできない…)

真(道中に罠を仕掛け、逃げながら戦う…これが、『くっつける』能力の真骨頂…!)

541: 2012/10/08(月) 21:39:03.91 ID:wZh97r7Io
真(このままでは、いくら『ストレイング・マインド』のパワーでも、いずれ動けなくなり…負ける)

真(『くっつける』能力を解除するためには…『射程距離』の外に出るくらいしか方法はない)

真(『ゲンキトリッパー』の『射程距離』はどれくらいだ? 『遠隔操作』…結構な距離はあるはず…)

真(そもそも…そうしようとしたなら、やよいは逆にボクを追ってくるはず…逃げたところでどうしようもない)

真(例えそうでも、進行方向には罠が仕掛けられている以上ここは引くべき…と思うかもしれないが、それはNOだ)

真(何故なら…)チラ…

ゴゴゴゴゴ

ゴゴゴゴゴゴゴ

真「罠は、既にッ! 退路の天井にまで仕掛けられているッ!!」

真(やよいにはそうする余裕があるということ…! 『ストレイング・マインド』のスピードが、もうそこまで落ちているのかッ!)

543: 2012/10/08(月) 21:39:38.25 ID:wZh97r7Io
真(どうする…)

バラッ

真(近づかなければ、ボクがやよいに勝つことはまずできない…)

ササッ

真(この状況で、どうすればやよいに近づける! 考えろ!)

やよい「うっうー! 『ゲンキトリッパー』!!」ヒョヤッ

真「くっ…」ドッ

ヒュン ドス!!

真「う!」

ピタァ…

真(ああ、くそっ!)

546: 2012/10/08(月) 21:42:23.58 ID:wZh97r7Io
スタンド名:「ゲンキトリッパー」
本体:高槻 やよい
タイプ:遠隔操作型・分裂系
破壊力:E スピード:C 射程距離:B(60m) 能力射程:B(60m)
持続力:A 精密動作性:E 成長性:B
能力:物体を「くっつける」ことができるやよいのスタンド。
小さな粒が細胞のように固まっている集合体で、「ゲンキトリッパー」が何かに触れる事でその一部が切り離され、それが「くっつける」素となる。
そのため、スタンドの一部を罠のように仕掛けることもできる。
スタンド自体のパワーはほとんどないが、「くっつける」能力は真の「ストレイング・マインド」でさえ剥がせない。
「くっつけた」ものに加えられた負荷は「ゲンキトリッパー」に蓄えられ、能力を解除した瞬間に解き放たれる。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

酉はあまりつける気はありませんね、なりすましが出るとも思いませんし…ただ報告の方は可能性があるかもしれませんが
つけるとしたら名前欄が長くなるな…

本日の分はこれで終了です。いつも支援ありがとうございます。
イーモバが連投規制されて2年目みたいなんですが解除する気はあるのだろうか…

549: 2012/10/08(月) 21:47:13.93 ID:wZh97r7Io
なるほど、クサレ脳みそだからそこまで考えがいかんかったですわ
じゃあ今後の報告の際はこれで行きたいと思います

565: 2012/10/15(月) 22:06:48.50 ID:RxvUmgtoo
これは 「支援」だ
続きを書くための「支援」を オレは受け取った

567: 2012/10/15(月) 22:13:03.73 ID:RxvUmgtoo
やよい「えいっ!」ドシュッ

ヒュン ヒュン

真「ぐっ…!」ガクッ

真(『上』と『前方』…)

ズ…

真(そして『横』からも…! 『ゲンキトリッパー』が襲ってくる…!)

真「オラァ!」ドオ

ヒュバ

真(『ゲンキトリッパー』は近くには来るが…)

真(ボクの射程距離内には決して踏み込んではこない)

ドス! バス

ピタァ…

真「く…」フラ…

ゴトリ

真(『くっついて』いる物質が…)

真(『ストレイング・マインド』のパワーで支えきれないほど多くなっている…!!)

569: 2012/10/15(月) 22:13:50.68 ID:RxvUmgtoo
ガタ ガタッ

やよい「うっうー!」

真(部屋の中から…今度は何だ…!?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

真(椅子…ローラーがついてる…あれを並べて…)

やよい「えいっ!」

ガァァァァッ

真「うおおおおおおおお」

真(椅子が転がってきたッ!! これをくっつけられたら…)

真(しかし、触れたら『くっつく』! 飛び越えるしか…今の状態でできるのか…?)

フワ…

バサ バサッ

真「何ィッ!?」

ビタッ

やよい「にんぽー、紙吹雪! ですっ!」

真(ま、前が見えない…! タイミングが…)

ガス!

真「あ…!!」

571: 2012/10/15(月) 22:14:26.86 ID:RxvUmgtoo
真「あああああああああああああ!!」

真(前が見えない! 体も重い! 怪我もある…!)

真(やよいはボクに近づかない! 罠も万全、どうすることもできない!)

真(『ストレイング・マインド』と『ゲンキトリッパー』、相性が悪すぎる! ボクは『被食者』だッ!!)

ウッウー ウゥー

真「ちくしょう…うおおっ!」ブンッ

ヒョイッ

真(見なくてもわかる! また避けられ…)

パキ…

真「……ん?」

真(椅子の重みが…消えた?)

真(そして、この手応え…ブッ壊したものがくっついていない…)

真(今ので椅子を破壊したのなら、『くっついて』いる『ゲンキトリッパー』がボクの腕に破片を『くっつける』はずじゃあ…)

真(いや、待てよ…もしもそうだったら、そもそもボクにくっついている『ゲンキトリッパー』はボクの足を『くっつけ』ている…少し『くっつけ』られたら、その時点でアウトだ)

真(『くっついて』いる部分は、離すことはやはりできないようだが…)

真(一度くっつけた『ゲンキトリッパー』は二度『くっつける』ことはできないのか…?)

真(つまり、一度『くっついた』ものは、『くっついて』いる部分以外が『くっつく』ことはない…)

573: 2012/10/15(月) 22:14:57.69 ID:RxvUmgtoo
真「………」

やよい「真さん、もうやめましょう」

やよい「ちゃんと春香さんと仲直りしないと、めっ! ですよ」

真「春香に何を吹き込まれてるのか知らないけど…」

真「可能性がある限り、ボクは諦めないよ」

やよい「うぅ~、やっぱりダメなんですね…」

やよい「って、可能性ってなんですか?」

真「オラァッ!」

バキョァ!!

やよい「へっ!?」

パラ…

真「視界は良好」タラ…

やよい「自分の顔に…パンチした…?」

575: 2012/10/15(月) 22:15:31.94 ID:RxvUmgtoo
真「行くぞ、やよい…!」

ザッ

やよい「うっ!」

やよい「で、でもここから先は…『ゲンキトリッパー』を置いてあります!」

やよい「さっきみたいにダンボール置かないと…」

グ!

真「うお…」

ピタァ…

真「おおおおおおおおおおおおお」

バリ!

バリィ

やよい「はわっ…」

577: 2012/10/15(月) 22:15:56.10 ID:RxvUmgtoo
タタタッ

やよい(だ、大丈夫…あんなんじゃ真さんは私のとこまで近づいてこれないから…)

やよい「真さん! そんなムチャやっても意味ないかもですよ!」

真「…ふふっ」

やよい「あ、あれ…真さん、どーして笑ったんですか?」

真「いや、奇妙なもんだと思ってさ…」

真「ボクと戦った時…無茶をやろうとする伊織相手にボクは『自棄』だと言った」

真「今、ボクはその伊織と同じ『自棄』みたいなことをやろうとしている」

やよい「? ?」

真「やよい…キミにはボクと戦うための意志がない。春香の頼みを聞いて来ただけだから当たり前だが」

やよい「え、えっと…?」

真「ボク達は明確な意志を…『覚悟』を持って春香に反抗している」

真「その『覚悟』を今から見せてやるよ」

579: 2012/10/15(月) 22:16:43.58 ID:RxvUmgtoo
やよい「真さんの言ってるのはよくわかんないですけど…」

やよい「いっぱいくっつければ、動けなくなっちゃうはずです!」

真「来い…!」

やよい「はいっ、行きます!」ポポイ ポイ

ヒュドド

ガラァァァ

真「オラァ!」バシィ

ビタァ

ビッ

やよい「うっうー!!」ヒュゥ

バッシャァァァ

ゴッ

真「オラオラァ!!」バヒュォ

ピタ!

真「オラ…」グイ

グ…

真(………)

フラ…

ズゥン

ガシャァァァン

581: 2012/10/15(月) 22:17:09.83 ID:RxvUmgtoo
やよい「ふぅ、止まりました…」

真「………」

やよい「真さん、お団子みたいになっちゃってますね」

真「………」

やよい「そうなったらもう『すとれ…なんとか』でも動けないかなーって」

真「………」

やよい「亜美と真美が事務所でよくやってる…『かたまりだましい』ってゲームありますよね」

やよい「ちっちゃいボールにいろんなものをくっつけて、おっきくしちゃうやつです」

やよい「最初はスーパーボールとかみたいにちっちゃいんですけど…そのうち、家とかもくっつけられるくらいでかくなりますよね」

やよい「でもあれって、ヘンですよね? 色々くっついちゃうと、動けなくなっちゃうと思います、今の真さんみたいに」

真「………」

やよい「動けなくなったら…」

やよい「夜、春香さんが戻ってくるまで待って、春香さんとちゃんと話してもらいます」

583: 2012/10/15(月) 22:17:41.74 ID:RxvUmgtoo
シーン…

やよい「………」

やよい「え、えっと…真さん、大丈夫ですかー? ちょっとやりすぎちゃったかも…」トテトテ

ズ…

やよい「?」

「オラァッ!!」

バッキャァァァ

バヒュゥ

やよい「へっ!?」

ババッ

やよい「えっ、あれっ!?」

「ようやく、近くまで来たねやよい」グイ!

「完全に封じ込めたと思ったら…ボクの様子を見に近づいてくると、そう思った」ス…

真「『再起不能』にされることが、やよいに近づくための唯一の方法だった」

やよい「えーっ!? 真さん…!?」

585: 2012/10/15(月) 22:18:02.31 ID:RxvUmgtoo
やよい「な、なんで…あんなに『くっつけ』てあったのに…」

やよい「それに、『ゲンキトリッパー』でくっつけたものは私しか離せないのに…」

真「ああ、そうだね…今の状態でも結構色々『くっついて』るよ」

やよい「どうやって、離したんですか!? ここに転がってる団子みたいなのはどうやって…」

真「知りたいなら、『ゲンキトリッパー』の『くっつける』能力を解除してくれ。種明かしをしよう」

真「今、ボクに『くっついて』いるものは、もはやボクの動きを制限するようなもんじゃあないしな…」

やよい「わ、わかりました…」

ズギュン

ガラ…

真「素直だな、やよいは…だからこそ、この『くっつける』力も強力なんだろうが」グボッ

ガラガラ

587: 2012/10/15(月) 22:18:45.27 ID:RxvUmgtoo
ドドドドドド

真「折れてしまって動かないなら…」ガサガサ

やよい「え…?」

ドドドドドドドドド

真「くっついて離れないなら…」ヒョイ

やよい「…!!」

真「そんな部分、取り払ってしまえばいい」

ドドドドドドドドドドドドドド

やよい「あ、ああ…」

真「ここで転がってたのはボクの片腕だ…キミが投げてきた『ゲンキトリッパー』の一部でこっちにくっつけて切り離した」

真「『くっついて』いない部分を砕いて動かない左腕の方にまとめてくっつけるのは、結構骨が折れたけどね」

やよい「真さん、左腕が…!!」

真「そして『ストレイング・マインド』…」スッ

真「紙を折ってカッターを作った。刃は通るほど薄く、腹は折れないくらい厚いのがいい」

ポイ

真「血は液体だから『固め』られる。片腕あれば…」

真「充分、だ。やよいを倒すためにはね」

589: 2012/10/15(月) 22:19:38.40 ID:RxvUmgtoo
やよい「だ、だいじょーぶですっ!」

ビュッ

真「!」

ウー ウッウー

ビタ ピッタァァ

真(瓦礫の中に『ゲンキトリッパー』を仕込んだのか、いつの間に…)

やよい「また、『くっつけ』ました! これで真さんの手もお団子みたいに…」

真「オラァ!」ガンッ!!

パリ…パリ

やよい「はわっ!? 床が…」

真「試してみるか?」

ドドドドド

やよい「え?」

真「これしきで…ボクの『ストレイング・マインド』のパワーを封じられるかどうか…試してみるか、やよい」

ドドドドドドドドド

591: 2012/10/15(月) 22:20:06.63 ID:RxvUmgtoo
やよい「う…」

やよい「うっうー!! 『ゲンキ…」バオン

真「オラァッ!!」ドギャァ!

やよい「うっ、ううっ!?」グラッ

真「やっぱり…そこまでの威力はないな。色々まとわりついたせいで先の方まで『硬く』する能力が届いてないのかな」

真「この右腕にくっついているもの…これらが衝撃を吸収しているってのもあるか」

真「まぁ…逆に好都合だよ」

やよい「あ…」

真「思いっきり殴ってもいいんだからなッ!!」

593: 2012/10/15(月) 22:20:31.16 ID:RxvUmgtoo
やよい「『ゲンキトリッパー』! 真さんの腕にくっつ…」ビュッ

真「オラァ!!」ビシィ

バチィッ!!

やよい「えっ…あっ…」

真「オラァッ!」バシュゥ

やよい「あう…!」ビクッ

ピタ…

トン

やよい「あ…」ヘナ…

ガクン

真「ボクの、勝ちだね」

596: 2012/10/15(月) 22:20:51.52 ID:RxvUmgtoo
やよい「ま…」

やよい「真さん…なんで、最後止めたんですか…? 思いっきり殴るとか言ってたのに…」

真「単なる脅し文句だよ。無意味に傷つける必要なんてないだろ?」

真「やよいだって、色々『くっつけ』てもボクを傷つけることはしなかったしね。まぁ、ドアの一撃は効いたけど」

やよい「ご、ごめんなさい…」

真「いいよ。できればもっと穏便に済ませたかったけど、ボクのスタンドがこれじゃあな…」

真「はぁ…ボクもやよいみたいなスタンドがよかったよ」

やよい「………」

やよい「あの、真さん…」

真「ん?」

やよい「真さん、春香さんと仲直りするの…そんなに嫌なんですか…?」

真「そのことだけど…やよい、一つ言っておく」

やよい「え?」

598: 2012/10/15(月) 22:21:12.54 ID:RxvUmgtoo
真「やよいは、ボク達と春香が喧嘩していると言ったが…別に喧嘩してるわけじゃあない」

やよい「でも、春香さんは…」

真「…やよいは、春香に『仲間』になろうと言われたのか?」

やよい「はい、私達はずっと仲間ですよって言いました」

真「それを断った場合、どうなるか知ってるか?」

やよい「え…?」

真「やよいのやった『くっつけ』て捕まえようだなんて生易しい。『恐怖』と『力』で相手を『支配』するのがあいつのやり方さ」

やよい「え、えっと…?」

真「喧嘩っていうのはさ、対等な者同士でやるものなんだよ。もしも自分の方が上なら、喧嘩なんてする必要はない。一方的に言うことを聞かせられる」

真「春香はそれができるくらいの力を持ってしまった。そういうのを通り越した先に春香は行ってしまったんだ」

やよい「………」

真「喧嘩すらできない。そんな冷たい関係が『仲間』だなんて、ボクは認めない」

真「だからボク達は春香と対立している。これは『反乱』だ」

600: 2012/10/15(月) 22:21:46.90 ID:RxvUmgtoo
真「やよい、春香のところに戻るのなら…」

真「春香にも話をよく聞いておくんだ。何も知らないまま流されてちゃダメだ」

やよい「………」

真(さてと、この左腕)

真(やよいを上手く引き込めれば『くっつけ』てもらえると思ってたんだけど…)

真(『固めて』あったから血は出てない、すぐ病院に行けば大丈夫か…?)

やよい「待ってください、真さん!」

真「! やよい…」

ウー

ピョコ ピョコ

ウッウー

真「『ゲンキトリッパー』が…」

ピタ…

やよい「とりあえず、その手は…『くっつけ』ておきます」

602: 2012/10/15(月) 22:22:43.42 ID:RxvUmgtoo
モゾモゾ

真「わっ、傷口から中に!?」

やよい「はい、治すときはこうやってやるのが一番いいんです」

真「な、なんか変な感覚だな…」

ピク

真「! 指が動く…」

真「骨も折れてたのに…」

真「神経までくっつけられるのか…滅茶苦茶痛いけど…」

やよい「真さん、あんまり無茶しちゃダメですよー」

真「『くっつける』能力…凄いなぁ…ありがとう、やよい」

やよい「はい! どういたしまして!」

真(………)

604: 2012/10/15(月) 22:23:08.89 ID:RxvUmgtoo
真「…やよい、ボク達の方に協力してくれないか。キミの力が必要だ」

やよい「え?」

真「春香と一緒にいたら、きっとボクか伊織は、またやよいと戦うことになるかもしれない…」

やよい「え、えっと…」

真「ボクはキミを傷つけたくないんだ」

やよい「うー、あう…」

真「やよい。ボク達と一緒に、春香と戦ってほしい」

やよい「うっうーっ!!」

真「わっ!?」ビクッ

やよい「真さんが言ったことの意味はよくわかんないですけど…」

やよい「ケンカもできないって…それがよくないことだっていうのはわかります」

やよい「さっきの真さん、プロデューサーみたいな『いっしょーけんめいなひと』の目でした」

やよい「だから…真さんのこと、信じてもいいですよね!」

真「! それじゃ!」

やよい「はい! 私も、真さん達と一緒に春香さんと戦っちゃいます!」

真「やよい…!」

606: 2012/10/15(月) 22:24:03.93 ID:RxvUmgtoo
真(こうしてボク、伊織、そしてやよい…ボク達の仲間は三人になった)

真(これで一件落着ってとこかな…)

真「………」

やよい「………」ピタ…

真「あのさ…やよい。なんでボクの腕に…そんなぴったりくっついてるんだ?」

やよい「すた…えと…『ゲンキトリッパー』って、遠くに行きすぎると『くっつける』のがなくなっちゃうんです」

真「うん?」

やよい「だけど、近づけば近づくほど『くっつける』力がぐぐぐ~って強くなるんです」

真「そ、そうなんだ…」

真(元々『遠隔操作』だからか…そこまで『くっつく』力の差は感じなかったけど)

やよい「体がかってに治らないと、『くっつけ』ても元に戻っちゃうんですけど…」

やよい「だけど、『くっつける』力が強いと、体の治る力も強くなって、キズも早く治るんです!」

真「そ、そっか…」

真(長引くと色々面倒なことになりそうだし、やよいの言う通りなら、まぁ…このままでいいか…)

608: 2012/10/15(月) 22:25:09.80 ID:RxvUmgtoo
千早「ふぁ…」

千早(眠いわ…あずささんの『ミスメイカー』、どうして解除しても眠気が残るのかしら…)

あずさ『千早ちゃん…あなたの「ブルー・バード」はいずれもっと強力なスタンドとなるはずよ』

あずさ『いつか、「アイ・ウォント」を超えるまで…千早ちゃんは、春香ちゃんと戦っては駄目…いいわね…?』

千早(私を止めるために『眠ら』せるなんて…)

千早(春香のスタンド…そんなに、ヤバいものなの…?)

真「………」スタスタ

千早「あら…あれは真…」

千早「!?」

やよい「他のキズも塞ぎましたよー」

真「なんか…鼻、ちょっと変になってないか?」

真「ところで、事務所の方は…どうにかならないかな…」

やよい「できるだけ、やってみます」

千早「高槻…さん…?」

610: 2012/10/15(月) 22:25:40.32 ID:RxvUmgtoo
千早「真…!」バッ

真「ち、千早…!? どうしたんだい、そんな血相変えて…」

千早「どうして高槻さんとそんなにくっついているのかしら…」

真「え!? そ、それは…」

千早「高槻さんも、アイドルがそんな恋人みたいに人とくっついていてはいけないわ…!」グイッ

やよい「わっ、だ、駄目ですよ!」ピトッ

千早「いいから…ほら、高槻さん、離れて…!」

やよい「嫌です! 離れません!」

千早「くっ…」

ギリギリギリギリ…

真(ち、千早…なんか怖いぞ…)

真「や、やよい…あっち行こうか…」

やよい「はいっ、真さん!」

千早「………」ギリギリギリ…

真(ひぇぇ…)

612: 2012/10/15(月) 22:26:26.57 ID:RxvUmgtoo
響「ふぁぁ…」

真「あ、響。なんだか眠そうだね」

響「おー、真かー…」

響「なんか眠くて…さっきまで事務所の床で眠っちゃってたぞ…」

真「せめてソファか何かに寝なよ」

やよい「響さん、おねむなんですか?」ピトッ

響「!? ま、真! なんでやよいと腕組んでるんだ!? ずるいぞ!!」

真「あのさぁ…」

響「やよいー、自分とも腕組んでほしいぞー!」

やよい「えっと、すみません…真さんは特別ですから」

響「と、特別!?」

真(な、なんか変な誤解受けてるような…)

響「そんな…うう…」

真(う、うーん…)

614: 2012/10/15(月) 22:27:08.05 ID:RxvUmgtoo
伊織「ちょっと、真!」

やよい「伊織ちゃん?」

真「あ、伊織! 無事だったのか!」

伊織「気がついたら廊下で眠ってて…服が汚れちゃったわ」

やよい「伊織ちゃんも? もう、みんなちゃんとお布団敷かないと駄目だよ」

伊織「それとなーんかやることがあった気がするけど思い出せないのよね…なんだったかしら…」

真(やよいの話によると、上にはあずささんがいたはず…その口ぶりだと、伊織は『眠ら』されていたのか…)

真(しかし、伊織は無事…狙いはなんだ…?)

真(あずささんが絡んでいることは間違いなさそうだが…上の階で何があった…?)

伊織「それより真…」

真「え?」

伊織「私が眠ってる間に…」

伊織「やよいとそんなにくっついて…一体どういうことよッ!!」

真「ああ、もう…」

To Be Continued…

616: 2012/10/15(月) 22:30:35.63 ID:RxvUmgtoo
本日分はこれで終了、おまけはないです。
支援ありがとうございました

617: 2012/10/15(月) 22:32:23.29 ID:U9oX1ASro

やよいのスタンドは回復系も努められるのか。

618: 2012/10/15(月) 23:40:21.94 ID:Z+B3N+97o


オリジナルスタンド物は、いいものだなぁッ!



To Be Continued...





引用元: 春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」