647: 2012/10/22(月) 21:46:01.05 ID:CWJ1aV1Mo





前話はこちら





真「お!」

タタッ

真「伊織、やよい、おはよう」

やよい「真さん、おはよーございます!」ガルウィーン

伊織「おはよう。元気そうね、あんた」

真「ん? そうかな?」

やよい「うー! 元気が一番です!」

伊織「あんた、左腕を…大丈夫なの?」

真「え、何? 心配してくれてるのか、伊織?」

伊織「べっ、別にそんなんじゃあないわよ!」

伊織「つーか『くっついた』ものを取るために腕を切り落とすって…そこまでやる? 普通…」

真「ボクを倒すために事務所をブッ壊した伊織に言われたくはないな」

やよい「えっ!? 前の事務所って…伊織ちゃんが…壊しちゃったの…?」

伊織「…その話は今度ね。とりあえず、壊したのはこいつよ」ビッ

真「まぁ、なんだ…それについてはお互い様ってことで」

伊織「そうね…」



※このSSは「THE IDOLM@STER」のキャラクターの名前と「ジョジョの奇妙な冒険」の設定を使った何かです。過度な期待はしないでください。


春香「弓と矢」シリーズ

649: 2012/10/22(月) 21:48:29.37 ID:CWJ1aV1Mo
伊織「で、どうなの…? 自分がそうなったと思っただけで痛いんだけど」

やよい「ちゃんと『くっつけ』たからだいじょーぶだと思うんですけど…」

真「そうだね。綺麗に切断されてたし、切り離した腕も固めてそのままだったから、思ってたよりは早くくっついた」

真「ほら見てよ、痕も残ってないだろ?」スッ

伊織「へぇ、色気のない引き締まった二の腕だこと」

やよい「けっこーガッシリしてますね」

真「二人とも、どこを見てるんだよ!」

やよい「えっ? ご、ごめんなさい?」

伊織「いいじゃない、アンタらしいわよ」

真「傷つくなぁ…」

伊織「そんなに嫌ならジム通いの回数減らせば?」

真「それはなんか…」

685: 2012/10/22(月) 22:05:24.23 ID:CWJ1aV1Mo

伊織「まぁ、とりあえず…平気みたいね、その腕は」

真「ああ。『ストレイング・マインド』も問題なく使える」

やよい「ちゃんと治ってよかったです!」

真「『ゲンキトリッパー』の治療、かなりのものだよ。体内の傷も『くっつけ』て治せるみたいだし」

真「ただ…やよいがくっついてる時のあの視線、あれにはちょっと参ったかな…」

やよい「?」

伊織(あれか…やよいが腕に抱きついて、まるでカップルのような…)

伊織(私も怪我すれば、やよいにくっついてもらえるのかしら…)

やよい「伊織ちゃん?」

真「伊織、なんか変なこと考えてないか…?」

伊織「はぁ? 何が? ぜーんぜん考えてないわよ、そんなこと。ばっかじゃないの?」

653: 2012/10/22(月) 21:49:40.34 ID:CWJ1aV1Mo
伊織「…それより」

伊織「『スモーキー・スリル』…『ストレイング・マインド』」

真「ああ」

伊織「そして『ゲンキトリッパー』」

やよい「はい?」

伊織「ここに、三人のスタンド使いが揃ったわ」

伊織「案外、もう春香は倒せるんじゃない?」

真「…どうやって?」

伊織「『ゲンキトリッパー』で足止めして、『スモーキー・スリル』で探知。あとは『ストレイング・マインド』でどうにでもできるでしょ」

真「そう、上手く行くとは思えないけどね。まず、『くっつけ』られるのか?」

伊織「床にバラまけば、大丈夫でしょ」

真「…あれの前ではどれが現実で、どれがそうでないかわからない。『くっつけた』と思っても、春香は踏み込んですらいないなんてことも考えられる」

真「間違えて伊織の頭をブチ抜いたら、ボクは二度と立ち直れない自信があるよ」

伊織「嫌なことに自信あるのねアンタ…」

真「慎重になりすぎるということはないと思うんだ。『アイ・ウォント』に対しては」

伊織「………」

655: 2012/10/22(月) 21:50:17.18 ID:CWJ1aV1Mo
やよい「あの、いいですか?」

伊織「? なに、やよい?」

やよい「あい…春香さんのすた…」

真「スタンド」

やよい「春香さんのすたんどって、どーいうのなんですか?」

伊織「『アイ・ウォント』を知らないの…?」

真「そういえば…やよいは、二つ返事で春香の要求を飲んだんだったか…」

伊織「春香のスタンドの能力は『五感支配』よ」

やよい「ごかん? えっと…?」

伊織「…って、どう説明したものか」

真「うーん…そうだな、何も見えてないのに何か見えるとか、何も食べてないのに食べ物の味がするとか…」

やよい「はわっ、何も食べてないのに食べ物の味が!? す、すごいです!」

真「そう、凄いスタンドなんだ。ボクはあの『アイ・ウォント』相手に…」

伊織「なんか認識に食い違いがあるみたいなんだけど」

657: 2012/10/22(月) 21:50:44.24 ID:CWJ1aV1Mo
……

………

千早「………」ゴソゴソ

春香「…千早ちゃん」スッ

千早「春香?」

春香「ちょっと、いいかな」

千早「ごめんなさい、これからレッスンに行こうと思っているの」

春香「そう…」

千早「春香も来る?」

ドドドド

春香「………」

ドドドドド

春香「ううん。私、後で仕事あるから…」

千早「そう。それじゃあ」

バタン…

659: 2012/10/22(月) 21:51:17.03 ID:CWJ1aV1Mo
春香「………」

あずさ「春香ちゃん…」

春香「あ…あずささん」

あずさ「約束のものだけど…持ってこれなかったわ、ごめんなさい」

春香「うん…知ってる」

あずさ「ごめんなさい…ちょっと、予想外のことがあって」

春香「いいですよ。あずささんにできないのなら、他の人にも無理ですから」

あずさ「そんなことは…ないと思うけど」

春香「………」

春香「約束のものは、また今度持ってきてくださいね。待ってますよ」

あずさ「ええ…春香ちゃん、この後…3時からお仕事よね? 頑張ってね」

春香「はい。ありがとうございました」

661: 2012/10/22(月) 21:51:44.81 ID:CWJ1aV1Mo
春香「ふぅ…っと」ドサ!

春香「やよいも、伊織の方に付いたみたいだね…ミイラ取りがミイラになっちゃったか…」

春香「『ゲンキトリッパー』なら『ストレイング・マインド』に負けるとは思わなかったんだけど…ちょっと予想外だったかな」

春香「だけど、それ以上に予想外だったのは…」

春香「千早ちゃん…あの『ミスメイカー』で捕まえられなかった?」

春香「捕獲力…その点においては、私はあずささんのスタンドをかなり信用している」

春香「だけど、連れてくることはできなかった…いや、『しなかった』のかも…」

春香「ま…仮にわざと見逃したとしても…それならそれで、逃がすに足る理由があるということ」

ドドドドド

春香「千早ちゃんは…『スタンド使い』だってことか」

ドドド

春香「どこかで、『矢』に触ったのかな…? それとも…」

春香「まぁ、いいや。考えても、事実は変わらない」

663: 2012/10/22(月) 21:52:16.97 ID:CWJ1aV1Mo
春香「当面の問題は伊織と…あっちの方か」

春香「特に伊織…真に加え、やよいまで引き込んでしまった」

春香「このまま行けば、いずれ千早ちゃんやあの二人とも合流し…どんどん勢力を伸ばしていくかもしれない」

春香「だったら、いっそ…」

ブブブブブ

響「わっ! ハチだ! 窓からハチが入ってきたぞ!」

真美「ほほう、我々の新秘密基地に侵入してくるとはいい度胸ですな」

亜美「これは制裁が必要ですな!」

P「おい、やめろ! 刺激すると刺されるぞ!」

あずさ「あらあら、どうしましょ~」

美希「あふぅ…うるさいの…」

ワー ギャー

春香「…結論を急ぐことはないよね」

春香「いくつか手は打ってある。そっちが失敗した時にまた考えればいい」ヒョイ

665: 2012/10/22(月) 21:52:44.24 ID:CWJ1aV1Mo
カチッ

シュボ

春香「それに…例え事務所のスタンド使い全員が敵に回ったとしても」

ブゥーン

フラフラ

春香「私が負けることは…ありえないからね」

ジュ!

ギュサァーッ…

春香「………」チラ…

春香「あの~…プロデューサーさんって、煙草吸いましたっけ?」

P「え? ああ、そのライターはこの前の花火のやつだろ。俺は吸わないぞ」

春香「あっ、そうですよね! 吸ってるなら臭いがするはずだし」

亜美「…あれ? ハチは?」

P「ん…? あれ、どっか行ったか…?」

真美「ふ、真美達に恐れをなして逃げたか…ハチ、敗れたり!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ブ…ブッ

ピクピク…

667: 2012/10/22(月) 21:53:37.60 ID:CWJ1aV1Mo
………

伊織「向こうが騒がしいわね」

真「伊織。まずは、仲間を集めるのが先だ。三人じゃまだまだ少なすぎる」

伊織「…わかったわよ。とりあえず、春香のことは置いておくわ」

真「ああ。そうしてほしい」

伊織「だとすると、まずは…」

やよい「春香さん、頼んだらおいしいものの味やってくれるかなぁ…」

真「今はやめてくれよ…春香に酷い目に遭わされるかあずささんに眠らされるのがオチだ」

伊織「そうだ…何か忘れてると思ったらあずさのことだったわ」

やよい「あっ、あずささんもスタ…ンド使いです! 名前は確かみすめ…なんとか」

伊織「知ってるの?」

やよい「昨日、真さんを捕まえようとした時に春香さんから聞きました」

真「『近距離パワー』か『遠隔操作』かわかる、やよい?」

やよい「はい、きんきょりだったと思います」

669: 2012/10/22(月) 21:54:03.05 ID:CWJ1aV1Mo
伊織「『眠らせる』スタンド…『遠隔操作』だったらヤバいけど、近距離なのね。ちょっと安心したわ」

真「と、言うことは…昨日はあずささんを近づかせたってことだよね? 伊織…」

伊織「しょ、しょうがないじゃない! 遠くからコソコソやるなんてこの伊織ちゃんの性に合わないのよ!」

やよい「『パワー』は強いけど、『速さ』は私の『ゲンキトリッパー』よりちょっと遅いくらいです」

やよい「それと『眠らせる』ためにかちょっと時間かいるって…知ってるのはそれくらいかも」

伊織「そう…助かったわ、やよい」

真「あずささんのスタンド、大体見えてきたな。うん、不意打ちさえされなければ行けそうだ」

やよい「えへへ…役に立ったらよかったです」

伊織(私達『竜宮小町』は今日は午前で仕事は終わり。あずさはちょうど事務所にいるし…)

伊織「それじゃ、これからあずさをとっちめに行きましょ」

真「えーと…ごめん。ボクは行かない」

伊織「え!? どうしてよ?」

671: 2012/10/22(月) 21:54:25.44 ID:CWJ1aV1Mo
真「昨日は結局レッスンには行けなかったから、これから行こうと思って。アイドルの仕事を蔑ろにするわけにもいかないだろ」

伊織「アイドルの仕事って言うなら、私だってそうよ」

真「それとさ。最近戦い続きでちょっと精神的に疲れているんだよ」

伊織「あ…そう。はぁ…それじゃ仕方ないわ」

伊織「二人で行きましょ? やよい」

やよい「あーっと…私もちょっと今日は…」

伊織「え? やよい、今日仕事あったかしら…?」

やよい「仕事じゃあないんだけど、もうちょっと後で特売があって…」

伊織「ちょっ、ちょっと…特売とあずさを倒すのと、どっちが大事なの!?」

やよい「うぅ、でも…」

伊織(はぁ…無理強いはできないわね…)

伊織(ま、伊織ちゃん一人でもなんとかなるか…)

真「いざって時は連絡してくれ。できるだけ早く駆けつけるからさ」

伊織「そういう気があるんなら最初から手伝って欲しいわ、まったく…」

やよい「伊織ちゃん、私にも連絡してね! 忙しくなかったら、すぐに行くから!」

伊織「忙しかったら来ないのね…と言うか、やよいの家だと、歩くとなるとちょっと遠くないかしら…?」

673: 2012/10/22(月) 21:54:33.91 ID:CWJ1aV1Mo
………

……

伊織(さて、と…)

伊織(あずさのスタンド、名前は…なんて言ったかしら。『ミスメなんとか』?)

伊織(一回、油断して触られて『眠ら』されている…あずさには、触られたら終わり…だけど)

モクモクモク

伊織(『スモーキー・スリル』…)

伊織(この『煙のスタンド』なら、触られることなく一方的に攻撃ができる)

伊織(能力のことを考えなければ、あずさのスタンドはスピードの遅い『近距離パワー型』)

伊織(私は最初に『近距離パワー』では恐らく最強のパワーとスピードを持つ『ストレイング・マインド』と戦っている。負ける気はしないわ)

伊織(問題は、流石にみんなのいる中でドンパチやるわけにはいかないから、どうやってあずさをおびき寄せるかってこと…)

伊織(それと…この時間、まだ春香がいるはずなのよね…大丈夫かしら)

伊織(しかし、こうして長い廊下歩いてるとあの狭い事務所が懐かしいわね)

カツ…

ゴゴゴ

伊織「!」

伊織(足音…!)

675: 2012/10/22(月) 21:55:19.00 ID:CWJ1aV1Mo
カツ カツ カツ

伊織「………」

ゴゴゴゴゴ

伊織(近づいてくる…)

ス…

貴音「………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

伊織「貴音!」

ユラ…

パッ

ヒュン!

伊織(貴音の周りに小箱に『人工衛生』のパネルがくっついたような飛行物体が…)

伊織(ゆっくり動いては消えて…現れてを繰り返している)

伊織(あれが貴音のスタンド…?)

ゴゴゴゴゴゴゴ

677: 2012/10/22(月) 21:55:39.54 ID:CWJ1aV1Mo
伊織「貴音、止まりなさい!」

貴音「………」

カツ カツ

伊織(止まる気はない…か)

伊織「『スモーキー・スリル』」モクモクモク

伊織「止まらないなら…こっちも準備はできているわよ」

キュッ ウィーン

貴音「………」

伊織「その浮かんでるヤツがあんたのスタンドかしら?」

貴音「………」

カツ カツ カツ

ヒュン ヒュン

伊織(何も言わない…ゆっくりとこっちに歩いてくるだけだわ)

679: 2012/10/22(月) 21:55:56.64 ID:CWJ1aV1Mo
伊織「最後に一つだけ聞くわ。貴音、あんたも…春香の『仲間』ね?」

貴音「…!」ピク…

伊織「だったら、ブッ倒して…」

貴音「………」ズ…

伊織「え?」

伊織(貴音からスタンドが…あの浮かんでるやつとは違う…?)

貴音「『フラワー・ガール』」ヒュン

バキ!

ベキ! ベキ! ベキ!

伊織「え!?」

伊織(攻撃…した!?)

伊織「その浮かんでるやつ…あんたの仲間とかじゃないの…?」

貴音「違います伊織…私も狙われているのです、この面妖なるスタンドに」

702: 2012/10/29(月) 22:43:40.60 ID:aLSaL0IZo
ドドド

貴音「伊織、ただ今春香の名前を出しましたが…」

貴音「その口ぶり伊織は春香と敵対している…そういうことですね?」

貴音「ならば、私にとって伊織は『味方』と…そう考えて、いいのですね?」

伊織(貴音もこのスタンドに狙われている…ですって?)

伊織(経験上、スタンドは一人一体のはず…別のスタンドを出してはいるけど…貴音は信用してもいいの…?)

ブシュ!!

伊織「はっ!」

タラ…

伊織(破壊された『浮遊スタンド』から何か垂れてきてる…あの液体はッ!?)

伊織「貴音! その液体、なんか危険よ! 防がないと…」

伊織(でも、どうやって…? 『スモーキー・スリル』は気体、液体の盾にはならない)

伊織(そもそも、あの液体…スタンドでも触れればただでは済まないかも…貴音のスタンドだって…!)

貴音「『フラワー・ガール』」ヒュン

704: 2012/10/29(月) 22:44:30.22 ID:aLSaL0IZo
ベキッ…

伊織「え?」

伊織(何、今の音…?)クル…

貴音「伊織…少しの間動かずにいて貰えるとありがたいのですが」

伊織「えっ?」ピタッ

ヒュッ!

ドォーン

ギュルルル

伊織(貴音の頭上に板みたいなものが飛んできた!?)

ビチャ…ジュゥ!!

伊織(あれは…扉? 貴音は一瞬で、私の背後にあるドアを剥がしたの!? 全然見えなかったわ!)

伊織(なんて『スピード』と『パワー』! 私にドアをぶつけない『正確性』! そして『射程距離』!)

貴音「伊織、くれぐれも…」

貴音「この『液体』には触れないでください。この物体を破壊すると出て来るのですが」

貴音「これに触れると、少々厄介なことになります」

伊織(全てにおいて強力! 規格外! こんなスタンド…どういう『精神力』してんのよ、貴音は!?)

706: 2012/10/29(月) 22:45:31.60 ID:aLSaL0IZo
伊織(私達以外の、春香と敵対する『スタンド使い』の『2人』…)

春香『2人ともすっごく強い『スタンド』持ってて…』

伊織(貴音はそのうちの1人…なのかしら…)

伊織「ね、ねぇ、貴音…」

貴音「すみませんが伊織…」

ブオン

貴音「新手はすぐに湧いてきます。話は歩きながらでもよろしいでしょうか」カツッ

貴音「とりあえず…皆のいる事務室まで向かいましょう」

伊織「わ、わかったわ…」タッ

キュルキュル

伊織「結局、何なのこいつは? 誰のスタンドよ?」

貴音「それは私にもわかりませんが…動きは我々が『歩く』速さよりは遅いですね」

伊織「だったら、走って引き離せば…」ダダッ

ヒュン

伊織「歩く速さよりは…なんですって? 貴音…」

貴音「壊してもすぐに直ったものが出てくるので、ある程度の座標を選択して『転送』しているのではないかと」

708: 2012/10/29(月) 22:46:11.03 ID:aLSaL0IZo
貴音「して、伊織。何か言いかけておりましたが…何でしょうか?」

伊織(このスタンドの方が、味方のものという可能性もある…貴音を100%信用するのは危険…)

伊織(一応、確かめてみる必要はある…わね)

伊織「貴音…春香と敵対しているのよね…」

伊織「やっぱり、春香の『アイ・ウォント』で脅すやり方はよくないって…そう思う?」

貴音「ええ…現在、春香からは邪悪なる意志すら感じます」

貴音「しかし…それよりも、危険なのはあの『矢』…」

伊織「!」

貴音「『あれ』はこの地球上のものではありません」

伊織「は? 地球上のものではないって…どういうこと? 隕石かなんかで作られてるとでもいうの?」

貴音「何にしても…私の『フラワー・ガール』も『矢』によって発現したものですが…」

貴音「あれはこの765プロに災いを呼ぶ物。あってはなりません」

伊織「………」

伊織(貴音の言っていることはよくわからないけど…目的は『矢』! 味方である可能性は、かなり高いと思う…)

伊織(だ、だけど…春香は『2人』が『矢』を狙っているとはっきり言っていた…もしかしたら、それを聞いた上で騙しているのかも…)

伊織(って、なんでここまで来て貴音を疑わなきゃあならないのよ! これじゃ春香の思う壷じゃない…!)

712: 2012/10/29(月) 22:47:35.84 ID:aLSaL0IZo
貴音「しかし、こうして伊織と合流したので…余裕が出てきましたね」

伊織「え?」

貴音「このスタンドを観察しましょう。そうすれば色々な事柄が見えてくるはずです」

伊織「え、ええ…そうね」

伊織(…貴音は味方よ。今はそう思うことにしましょう)

貴音「とりあえず、私が知っているのは動きが遅いということ、攻撃すると液体が出てくること、それと…」

伊織「その前にいいかしら。これって5、6体浮かんでるけど、スタンドは一人一体じゃあ…」

貴音「いえ、厳密に言うと違います。スタンドは一人、一能力です。これにも例外はあるのかもしれませんが」

伊織「一人一能力、このスタンドはまとめて一つの能力ってこと?」

伊織(やよいの『ゲンキトリッパー』…これは少し違うわね。一個一個が完全に独立して動いてる)

伊織「っていうか、さっきから思ってたんだけどこいつ…逃げる必要あるの? 攻撃しなければ、液体も出てこないし…」

ガシャ!

伊織「へ?」

バヒュ!!

伊織(箱の開いてる一面から…野球の…硬球を射出してきた!?)

714: 2012/10/29(月) 22:48:01.62 ID:aLSaL0IZo
ガキィ!!

伊織「!」

貴音「…このように、」

貴音「伊織。そちらを守ることが出来ぬかも知れませんので、自分の身は出来る限り自分で守ってくださりますよう」

伊織「わ、わかってるわ。今のはちょっと油断しただけよ」

伊織(『パワー』はやはりと言うか少し劣るけど、攻撃の『スピード』は真の『ストレイング・マインド』と同じくらいか…?)

伊織(いえ、もしかしたら反応速度の分こっちの方が…)

伊織「…貴音、あんたのスタンド…」

貴音「はい? 『フラワー・ガール』がどうかしましたか」

伊織「パワーとかスピードの割に、結構射程距離が長いみたいだけど…どれくらいなの?」

貴音「射程距離は6丈3尺…20めぇとるに少しばかり届かぬくらいですかね」

伊織「………」

伊織「20…メートル…? 今、『20m』って言った、アンタ…?」

貴音「はい。その半分…10めぇとるくらいならばあまり性能を落とすことなく使用できます」

伊織「そ、そう…」

伊織(10mまで、あの出力が可能…? どう考えてもおかしい、道理に合っていない…)

716: 2012/10/29(月) 22:49:15.53 ID:aLSaL0IZo
>貴音「…このように、」
→貴音「このように、この『浮遊スタンド』…物体を飛ばして攻撃してきます」



伊織「じゃあ、『硬く』するだとか、『くっつける』だとか…そういう能力は?」

貴音「春香の『あい・うぉんと』みたいな、『能力』ですか? いえ、そういうことは…」

伊織「え、ない…?」

貴音「はい。強いて言うならば、この出力がそうと言えますが」

伊織(能力のないスタンド…?)

伊織(そういうのもあるのかしら? それとも、貴音は何か隠している…?)

伊織「だけど…そんなに強力なスタンドが、こんなスットロくてパワーもないスタンドに苦戦するの…?」

貴音「ええ。如何に優れた刀を持とうと、相手がいなければどうしようもありませんから」

伊織「本体がいなくても、スタンドを壊せば…」

貴音「それは私も試しました…が」

貴音「次々と出てきて限がありませんでした」

伊織「スタンドを攻撃しても本体にダメージがない…?」

貴音「全くない、というわけではないとは思いますが…恐らく数が多いため、1体や2体倒したところで、大した痛手にはなっていないのでしょう」

718: 2012/10/29(月) 22:49:38.30 ID:aLSaL0IZo
フッ

パッ

ドシュゥ!

伊織(さっき中身を出した個体が消えて…こうしてまた打ち出してくるってことは…)

伊織(別個体! 一体何体いるわけ、こいつは!?)

貴音「それに…見てください」プルプル

伊織「右手…?」

伊織(白くて細い指だこと…)

伊織「これがどうかしたの、なんか震えてるけど」

貴音「このスタンドから出てくる液体…あれは『麻酔液』です。触れると体を上手く動かせなくなる」

伊織「え!? あんた、もう触れ…」

貴音「触れてから時間が経過しているため、少し感覚は戻ってきてはいます。が、完全な状態とはとても言い難いですね」

貴音「そんなわけで…私がこれを倒すためには、本体を見つけなくてはならないのですが…」

伊織「本体が誰なのかも、どこにいるのかもわからない…強力な『フラワー・ガール』も身を守るのが精一杯と…そういうわけ」

貴音「はい。そういうものなのです、『スタンド』というのは」

伊織(確かに…この『浮遊スタンド』の射程距離がどれくらいなのかは知らないけど、本体にダメージを与える手段がないとなると…辛いわね)

720: 2012/10/29(月) 22:49:50.10 ID:aLSaL0IZo
ドシュ!

バッ

伊織「こいつは…やっぱ『遠隔操作』なのかしら?」

貴音「『自動操縦』…の可能性もありますが…」

伊織「え、『自動操縦』? なによ、それ?」

貴音「…いえ、忘れてください」

伊織「…?」

貴音「この物体には意識があるようには見えませんが、しかし正確な動きをしている。それに…」シュ

ドゴ

バキバキバキ

サッ

ビチャッ

貴音「力はほとんどありません。何の抵抗をされることもなく『破壊』できます。無論、この『麻酔液』には気をつけねばなりませんが…」

伊織「動きもかなり遅いわ。その分を射程距離だとか正確性に回しているのね…」

722: 2012/10/29(月) 22:50:04.62 ID:aLSaL0IZo
コツ コツ コツ

伊織「しかし、この動き…このスタンドの本体、何か特別な方法で私達を『見て』いるわね」

貴音「? どういうことでしょうか」

伊織「『遠隔操作』ってヤツは、よく見ないとこういう正確な動きはできないのよ」

伊織「他のスタンドがどうかは知らないけど、私のスタンドは遠くに行けば『正確性』は落ちるわ。性能自体もそうだけど、遠くのものは大雑把にしかわからないから」

貴音「伊織のスタンドも『遠隔操作』なのですか?」

伊織「ええ、こいつほど徹底した『遠隔操作』って感じではないけど」

伊織「仮にこのスタンドが一つ一つがものを見られるとしても…こんだけ多いと、本体は何が起こってるのかワケがわからなくなるはずだわ」

貴音「だから、何かの手段で私達の姿を見ていると…そういうことですか」

伊織「そうよ。そうやって聞いてるあたり、目星はついてないわね」

伊織「貴音でも気づいていない…となると、一体どうやって…」

ゴゴゴゴゴ

キュルル

ゴゴ

ジー

伊織「…貴音」

貴音「はい」

伊織「アンタ…本当にあれに気づかなかったわけ?」

貴音「あれ…とは…?」

724: 2012/10/29(月) 22:50:43.24 ID:aLSaL0IZo
伊織「あの横にカメラが付いてる個体よッ! ちょっと離れた場所に違う形、丸わかりじゃない!」

貴音「申し訳ありません、遠くのものを見るのは少し苦手でして…」

伊織「はぁ…もういいわ。とりあえず、あれをブッ壊せば…」

スゥ…

貴音「近くで見ると…これは、『煙』のスタンド…」

ドシュゥゥゥ

伊織「って、これも中身を発射してくるのね…!」

バ!

ギュルルルル

グ…

伊織「なるほど。確かに『パワー』はないわね、『スモーキー・スリル』で簡単に掴めたわ。当たったら痛いことには変わりないだろうけど」

貴音「『すもぉきぃ・すりる』と言うのですか…ぐれぇと…」

伊織「なにそれ?」

貴音「プロデューサー様の教えで英国語の練習を…『ぐろぉばる』の時代らしいので」

伊織(英語と言うか、単なる横文字じゃない)

726: 2012/10/29(月) 22:51:03.82 ID:aLSaL0IZo
伊織「さて、この球…あんたに返すわ…よっ!」ドシュゥゥゥ

貴音「あっ、伊織…」

ギュオォォォォォ

ガゴッ!!

伊織「へ?」

伊織(あっさりと受け止められた…ブルペンで投球を受けるキャッチャーみたいに…)

バシュ!!

伊織「うおおっ!?」サッ

ドス!

貴音「あの物体には、飛び道具の類いが通用しないのです」

伊織「そ、そういうことは早く言いなさいよ!」

貴音「止めようとは思ったのですが」

728: 2012/10/29(月) 22:51:50.82 ID:aLSaL0IZo
伊織(叩き付ければよかったわ…手放したら、攻撃できない…)

伊織「た、貴音…あんたの『フラワー・ガール』で…」

貴音「…わかりました。あの遠くにある、黒い物がついた個体を狙えばいいのですね?」

伊織「黒いものって…まぁ、それでいいわ」

貴音「『フラワー・ガール』」ドォーン

ヒュッ

バ! バッ!!

伊織「く、他の個体が盾に…」

バキ! ドキャァ

ビチャッ ビチャ

伊織「…も、ならないわね…速すぎでしょ…」

ス…

バギャァァ!!

伊織「! やったわ! 一瞬消えかけたけど、それすらも間に合わない!」

731: 2012/10/29(月) 22:52:20.55 ID:aLSaL0IZo
フッ

ブゥン

伊織「…え?」

貴音「こちらにも、予備が用意されているようですね」

ジー

ドシュ! バシュ!

ドシュゥゥゥゥン

伊織(隙が出来たと見るや一斉砲撃ッ!?)

貴音「………」

キィン! ガキャ!

ズドム!!

貴音「…ふぅ…」グイッ

伊織(私の『スモーキー・スリル』が行っていれば弾く必要もなかったんだけど…でも、貴音にも全然通用してないわね)

貴音「あのかめらがついているという個体からは『麻酔液』が出ませんでしたね」

伊織「どうせ殴っても無駄だから、何の役にも立たないわね…」

733: 2012/10/29(月) 22:52:55.21 ID:aLSaL0IZo
コッ コッ

伊織「!」

ザワ ザワ

伊織「着いたわ、事務室よ!」

伊織(ドアが開いてる…中にいるのは春香、あずさ、亜美、真美、響、小鳥!)

伊織(真が来る前には、美希とプロデューサーがいたと思ったけど…出ていったのかしら? いや、それより…)

伊織(春香がいる…それに、あずさも…貴音が本当に春香の敵だって言うなら、確実に介入してくるわね…)

伊織「貴音、本体をどうやって見分ける気? それに、この中に本体がいなかったら…」

カツ カツ

伊織「へっ!? な、なに通り過ぎてんのよ!? この『浮遊スタンド』の本体を探すんじゃあ…」

貴音「いえ、伊織。本体はこの事務所にはいません」

貴音「考えてもみてください。こんなスタンドを使うような者が、私達が近くにいるというのにのんびりとしているでしょうか」

伊織「そ、それはそうだけど…じゃあ、なんでここまで…」

貴音「『ここにいない者』が本体です。これで大分絞り込めました」

伊織「! そういうこと…」

735: 2012/10/29(月) 22:53:32.81 ID:aLSaL0IZo
貴音「さて、これから外に出ようと思っていますが…」

キュルキュル

ユラァ

伊織「…ここぞとばかりに待ち伏せてるわね。相手は私達が上の方に来るのを待っていたのかしら」

貴音「一気に走り抜けましょう。この数は脅威ですが…スタンドで身を守れば多少なら平気なはずです」

伊織「走る必要なんてないわ。飛び降りるわよ」

貴音「は」

ガラッ

ヒュオォォォ

貴音「伊織…本気で言っているのですか…」

伊織「大マジよ、アンタも早く飛び降りなさい!」ヒョイ

貴音「…わかりました」ヒュッ

ゴオオオオオ

伊織「『スモーキー・スリル』!」モクモク

ガシッ!!

貴音「わぷっ」モプッ

伊織「着地成功っと。じゃ、行くわよ」

貴音「ぐれぇと…」

737: 2012/10/29(月) 22:53:55.32 ID:aLSaL0IZo
パ!

キュルキュル

伊織「やっぱり、外に来ても追ってくるわねこいつら」

貴音「ええ…ですが、攻撃に関しては道が広い分避けやすくなったと言えるでしょう」

伊織「ところで貴音。絞り込んだはいいけど、どうやって本体を見つける気?」

貴音「それは…虱潰しに当たっていくしかないでしょうね」

伊織「家にいるのかもわからないわよ。そんなんじゃ、絶対捕まらないわ」

貴音「伊織、何か考えがあるのですね?」

伊織「ええ。貴音、あんた携帯持ってるでしょ? 貸して」

貴音「携帯…携帯電話、ですか? 構いませんが…」スッ

伊織「じゃあ、今からちょっと準備するけど…」

伊織「貴音…アンタの『フラワー・ガール』、カメラだけ壊すってこと、できる?」

貴音「近づけば可能だとは思いますが…伊織?」

伊織「じゃあ、近づきましょ。どうせ、あんなスットロいスタンドじゃあ私達の動きに対応できないわ」

貴音「…?」

740: 2012/10/29(月) 22:54:39.25 ID:aLSaL0IZo
………

ドドドドドドド

?「ん…」

ジィィィ…

ダダダ

伊織『行くわよ、貴音!』

貴音『はい…』

?「二人がこっちに向かってくる…」

?「また『カメラ』を狙ってくる気? 懲りないなぁ…」

………

ウィーン

バシュゥ

伊織「おっと!」パシ!

貴音「参ります…」ズ…

ヒュゥ

ドス!

ピキキキ

貴音「かめらを破壊…しました、伊織」

伊織「よし…喰らえッ!!」ドシュ

ガゴォ!!

フッ

貴音「!」

パッ!

貴音「伊織、また出てきましたが…」

伊織「いいのよこれで。このまま上手くいけば…」

742: 2012/10/29(月) 22:55:09.34 ID:aLSaL0IZo
………

?「よし、『転送』」ポチッ

?「何度壊しても、このスタンドに対しては無意味だって、どうしてわからないかなぁ」

?「さて、と…壊されたやつを『修復』しなくちゃ」

?「…あれ?」

ゴゴゴゴゴ

?「何か入ってる…」

ゴゴゴ

?「そういえば、カメラを破壊してから何かを投げられたみたいだけど…」ヒョイ

?「…携帯電話?」パカッ

『今いる場所を調べています』

・ ・ ・

?「こ…これはッ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

744: 2012/10/29(月) 22:55:21.13 ID:aLSaL0IZo
………

……

ブルッ

伊織「!」

伊織「来たわ。正直、上手くいくとは思わなかったけど」

貴音「何ですか、それは?」

伊織「GPSよ。あんたの携帯から電波を発信した」

伊織「その電波によると、この地図の、このポイントに本体がいるわ」

貴音「よくはわかりませんが、本体はこんなに離れた場所にいるのですね…」

貴音「それで水瀬伊織。私の携帯電話は?」

伊織「この場所には何もないはずだけど…こんなところにいるということは…」

伊織「恐らく、本体は車で移動しているのね。やれやれだわ」

伊織(この事務所で車が運転できるのは三人…プロデューサーと小鳥は事務所にいた…となると…)

伊織「本体は律子よッ! なるほど、言われてみれば律子らしいスタンド!」

貴音「携帯…」

747: 2012/10/29(月) 22:55:50.28 ID:aLSaL0IZo
………

ドルルルルル

律子「伊織の奴…! こんな方法で私の正体を見破るなんて…!」

律子「だけど、一度場所が分かったくらい…あんた達のスタンドでも、車には追いつけないでしょ!」

律子「携帯は…捨てる必要はないわね。GPSを切っておけばいいわ」ポチッ

グイッ

カタカタ

ブオン

律子「『ロット・ア・ロット』…」

律子「この大本の端末が壊されない限り、この群体スタンドは何度でも『修復』し、何度でも『転送』できる!」

律子「単純な『パワー』だとか『スピード』なんて…他の要因でどうとでもひっくり返せることを思い知らせてやるわ」

749: 2012/10/29(月) 22:56:19.65 ID:aLSaL0IZo
スタンド名:「ロット・ア・ロット」
本体:秋月 律子
タイプ:遠隔操作型・群体系
破壊力:E スピード:E 射程距離:A(数km以上) 能力射程:A(数km以上)
持続力:A 精密動作性:A 成長性:E
能力:羽のついた小箱のような小型スタンドを操作できる律子のスタンド。
PCのような端末型スタンドで『修復・転送・帰還』などの指示を出し、細かい動きは送られてきた映像を見て操作する。
小型スタンドは中に『麻酔液』が詰まった個体、『カメラ』で本体に映像を送る個体の二種類あり、そのどちらも箱の中のものを『射出』したり飛び道具を受け止めることが可能。
性能はどれもほぼ同じで、動きは非常に遅く、破壊力も皆無だが、射程距離はとても広く、数も多い。
遠隔操作だが、律子の真面目な性格を反映したように、非常に正確な動きが可能。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

今日の分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

現在、1週間おきに投下してますが…
なんか6日間他のことやって月曜の1日だけで書き上げてるのが現状なので、週2にしたいと思っています。
というわけで次回は金曜で

773: 2012/11/02(金) 23:31:18.72 ID:MEjqiiGBo
やれやれ 間に合ったぜ…

775: 2012/11/02(金) 23:33:36.71 ID:MEjqiiGBo
バキ!

貴音「取れましたよ、伊織」

伊織「『フラワー・ガール』…自転車の鍵のチェーンもあっさり引きちぎれるのね」

貴音「しかし、他人の所有物を勝手に使用するというのは、どうも…」

伊織「んなこと言って、『再起不能』させられたりしたら目も当てられないわよ」

伊織(相手は自動車、こんな自転車でどうこうなるとは思えないけど…)

伊織「…徒歩で移動するよりは全然いいわ。後ろに乗って、貴音」

貴音「二人乗り…一台でいいのですか?」

伊織「二台で行くと的が大きくなる。貴音の携帯も律子に奪われたし、一台の方がいいわ」

貴音「………」

貴音「ですが、私が乗っては運転する伊織の体力が…」

伊織「それなら、心配ないわ」

モクモクモク

ガシィ!

貴音「『すもぉきぃ・すりる』で… ………」

伊織「ペダルを回す。貴音、しっかり掴まっておきなさい」

貴音「…はい、了解しました」

777: 2012/11/02(金) 23:35:49.65 ID:MEjqiiGBo
グゥゥゥーン

伊織「思ったよりスピード出るわね、これ」

貴音「さて、伊織。どうやって律子嬢を…」

伊織「それは…」

伊織「ちょっと待って、前に何か…」

キュルキュル

伊織(律子からは私達が『自転車』で移動していることもわかっている…)

伊織(この『浮遊スタンド』では自転車のスピードには追いつけない、だから『待ち伏せ』…していたのね!)

伊織(足下を狙って…)

伊織「ちっ!」ガッ!

キィィッ

グルルルル

伊織「っぶないわねぇ、この伊織ちゃんが怪我したらどうすんのよ!」ギュン

779: 2012/11/02(金) 23:36:55.21 ID:MEjqiiGBo
貴音「伊織、右後方からです!」

伊織「へっ?」チラ…

ドシュゥ!!

伊織(今度は私を狙ってきたか、だけどこれはちょっとスピードを落とせば…)グイッ

伊織(避けられる!)

ヒュゥゥン

伊織(よし…)

ガコッ!!

・ ・ ・

伊織「え?」

伊織(球を飛ばした先に…『浮遊スタンド』が…)

ボヒュ!

伊織「うっ!?」バッ

ガゴ!

バヒュン! ドシュン!

伊織「うおおおおおおおおお」

伊織(そこら中から攻撃が飛んでくる…! 避けられ…!)

ガキン!

バキャ!!

貴音「大丈夫ですか、伊織」

伊織「え、ええ…」

781: 2012/11/02(金) 23:37:56.07 ID:MEjqiiGBo
貴音「ふぅ…」

伊織(『フラワー・ガール』、この『スピード』…どの方位から来てもおかまいなしね)

貴音「敵スタンドからの攻撃…」

貴音「出来る限りは対応させて頂きます。伊織は運転に集中してください」

伊織「…わかったわ」

伊織(私は、貴音のことを99%信用している…)

伊織(だけど、1%…完全に信用しきれてはいない)

伊織(少なくとも、律子を追っている間は安全だと思う…だけど、もしも律子を倒した後…)

伊織(貴音が私を襲ってくる…そんな可能性がないと言い切れるか…?)

伊織(そうなったら、『フラワー・ガール』…私の『スモーキー・スリル』でどうこうできるの…?)

伊織(…貴音が、『そう』でないことを願うしかないわね…)

伊織(それより…このままでは、律子を倒すことすらできない…か)

783: 2012/11/02(金) 23:39:01.58 ID:MEjqiiGBo
伊織「律子は…どこにいるのかしら」

貴音「町中のどこかにいるとは思うのですが。『遠隔操作型』とは言え、このスタンドが県外まで届くとは思えませんし」

伊織「町と言ったって、かなり広いわよ。何か、律子を引きずりだす策を考えないと」

貴音「引きずり出す策、ですか…どのような?」

伊織「例えば…『ガソリン』が切れるまで待ってmガソリンスタンドで待ち伏せるとか…」

貴音「がそりん…『燃料』ですか? なくなるまで、どの程度耐えればいいのでしょうか」

伊織(律子なら、仕掛ける前に『満タン』にしているわよね…)

伊織(それなら、いくらうちの車がオンボロの中古車でも少なくとも2時間以上はかかる…そんなに耐えられるか…?)

伊織「じゃあこのスタンド、攻撃するためには何かを『飛ばす』必要があるから、それがなくなるまで…」

伊織「…いえ。これも難しいわね。さっきのを見る限り、飛ばした球はまた再利用してるみたい」

伊織(どうする? このまま無闇に探しまわっても、いずれこっちがやられるわ)

785: 2012/11/02(金) 23:41:03.87 ID:MEjqiiGBo
貴音「伊織、さっきの携帯電話の画面…」

伊織「GPS? あの場所からはもう移動してるでしょ」

貴音「じぃぴぃえすはよくわかりませんが…地図を見せてください」

伊織「地図…いいけど、はい」スッ

貴音「ありがとうございます」グッ

伊織「地図なんか見ても、どの辺にいるのかもわからないわよ」

貴音「いえ、律子嬢の現在位置についてはまずは置いておきましょう」

貴音「この自転車でも、『自動車』に追いつくことはやはり不可能です」

伊織「ええ、そうね…」

貴音「相手もそれをわかっている。ですから、私達がある程度近づくか…何か行動を起こすまでは移動はしないはず」

伊織「…だから?」

貴音「道を塞ぎましょう。あらかじめ、退路を断っておくのです」

貴音「この地図を見てください。仮に律子嬢がこちらの領域にいるのならば、ここと…ここと、ここを封じれば…」

伊織「律子は『カメラ』で町中の情報を手に入れられるわ」

伊織「私達がそこらの道を封鎖してる間に、他の道を通られて逃げられるだけよ」

貴音「そうですか…いえ、そうですね…」

伊織「…いや、やっぱ待って。いけるかも、それ。携帯返して」

787: 2012/11/02(金) 23:41:52.57 ID:MEjqiiGBo
…………

カタカタカタ

律子「止まっている間はエンジンは切る…ガソリンが勿体ないからね」

律子「自転車に乗られて、追いつけないから音はちょっと拾いにくいけど…」

律子「『ロット・ア・ロット』は町中の全てに『監視カメラ』をつけているようなもの」

律子「あんた達がどこで何をしようと、その情報は私に筒抜けよ」

ジーッ

ヒュン ヒュヒュン

律子「ん?」

ガララ…

律子「工事現場から、木材を道路に…」

律子「道を通行止めにでもしようってのかしら? 無理無理、この一帯に何本の道があると思って…」

ジー

ブロロロ…キキィッ

律子「………」

789: 2012/11/02(金) 23:43:15.51 ID:MEjqiiGBo
………

キィッ

貴音「伊織…近くに木材や鉄骨が見当たらないのですが…」

伊織「じゃ、そこの塀を崩せばいいわ」

貴音「了解しました」ドヒュ

ガキッ!

貴音「………」ガガガガガガガ

パッ

ドシュゥゥゥ

ボフッ!

伊織「『スモーキー・スリル』。邪魔はさせないわ」ギュルルル…

伊織(私達が止められるのは、道のほんの一部だけ…)

伊織(でも、どの道にも『車』は通っている…少しの通行止めも、思った以上の渋滞を引き起こすものよ)

伊織(しかも、邪魔をするのは車体そのものだけではなく、『車の流れ』…車に乗っているアンタはこの流れを意識しながら移動しなければならない)

伊織(…別に、それで捕まえられるとは思っていない…だけど、それを知ったらアンタは何か行動を起こすはずでしょう? 律子…)

ジー…

………

791: 2012/11/02(金) 23:45:22.03 ID:MEjqiiGBo
律子「私を包囲するつもり…? 伊織、貴音…」

律子「無駄な行為ね。他人の迷惑になるだけだわ」カタカタ

ヒュン

ジー…

律子「…だけど、自転車とは言え移動速度が結構速い…しかも、的確なポイントに仕掛けてくる…」

律子「それに、伊織達から逃げるように動き続けるのは…この地理じゃよくないわね」

律子「念のため…移動するか」カタッ

パッ

・ ・ ・ ・

律子「よし、OK…普通に車は通っている…」

律子「大通りには、あんた達が道を塞げるようなものはないわ。せいぜい、ガードレール程度。まさか、人が乗ってる車をどうこうするわけにはいかないでしょう?」

律子「それに、この広い道を完全に封鎖する…そんなことに時間をかけてる場合でもないわよね?」

カタッ

律子(進行方向を見るに、私がここに来ることを読んでいるのか、伊織達も少しずつ大通りに向かっているみたいね…)

律子(だったら、あえてここを通る! あんた達のスタンドも、行動も、『情報』の前では無力よッ!)

793: 2012/11/02(金) 23:46:25.83 ID:MEjqiiGBo
ブロロロロロ…

律子(こういう時、脇道からこっそりと移動するのもいいけれど…)

律子(こっちの方が、選択肢は多いわ。このまま進んでいきましょう)

キィィーッ! プオーッ

律子「!?」

律子(ブレーキ音…それにクラクション! まさか、事故!? こんな時に…)カタカタ

ヒュン!

律子(前方の映像は…)

ジー

律子「な…何ィッ!!」

キキィッ!

律子(事故でも起きたのかと思ったら…何も起きていない!)

律子(そう、何も…たくさんの車が止まっていて、その一台も動いていない…!!)バタン

律子「ちょ、ちょっと…何故こんなところで止まっているんですか!?」

「そんなこと、こっちが聞きたいぜ!」

「急に地面にピッタリと『くっついた』ように動かなくなっちまったんだッ!」

「買ったばかりの新車なのにッ!! ローンもたっぷり残ってるッ!」

「通してくれーっ、大事な会議があるんだよォォ~ッ!」

律子(車が動かない…!? 『スモーキー・スリル』や『フラワー・ガール』にそんな能力は…)

律子(伊織の仲間…他の、スタンド使い…!?)

律子「どこもかしこも大渋滞じゃない…! 伊織の奴ッ…」

795: 2012/11/02(金) 23:47:45.87 ID:MEjqiiGBo
律子(ん…あれは…!)

やよい「『ゲンキトリッパー』」

やよい「車を道路に『くっつけ』ました。なんか、凄いことになっちゃったけど…」

律子(やよい…!?)

律子(まずいわ、やよいのスタンドが何なのかはわからないけど、あんなことをできるほどのスタンド…近づいては勝ち目はない!)

律子(と言うか、私の『ロット・ア・ロット』…不用意に近づかれたら、誰が相手でも勝てない!)

律子(『ロット・ア・ロット』で…いえ、変に攻撃したら警戒されてここにいることに気づかれる可能性が…)

やよい「これでいいんですよね、伊織ちゃん?」ゴソッ

伊織『ええ、お手柄よやよい。これで律子はこの道を通ることはできない』

伊織『封鎖の難しさ、私達からの距離…そして、行ける道の多さ…律子だったら、必ずこの道を通る』

伊織『だけど、律子には他のスタンド使いの…やよいの「情報」はない。この道は抜けられないわ』

やよい「こんなことやって大丈夫なのかなぁ…」

797: 2012/11/02(金) 23:48:45.47 ID:MEjqiiGBo
律子(車を止めて道を封鎖するなんて、やってくれるわね、やよい…!)

律子(だけどこれくらい、なんてことはないわ! そのためにあえてこの大通りを選んだんだもの!)

律子(私の車は『くっつけ』られていない、バックして横道に入れば…)

「回り道だ、引き返せばまだ会議には間に合う…」

キキィ…

・ ・ ・ ・

「うわぁーッ! なんで後ろから来るんだよぉぉっ!!」

「てめーらこそ、なんでこんなところで止まってんだッ!!」

「ぶつけるぞオラァ!」

「なんだと!? オレに新車にキズをつけようってなら、ただじゃあおかねぇッ!」

律子(は、挟まれた…)

律子(まずい、いつまでも留まってたらやよいに気づかれる…)

律子(伊織や貴音もここに来る…)

律子(くっ…車を捨てて、隠れるしか…)タッ

799: 2012/11/02(金) 23:49:58.98 ID:MEjqiiGBo
やよい「あれ?」

タタタ

やよい「あれって…」

伊織「やよい!」キィッ

やよい「あ、伊織ちゃん! それと貴音さん!?」

貴音「おはようございます、やよい…律子嬢は?」

やよい「あっ! 律子さんなら、さっきそっちに走っていきました!」

伊織「近くにいるのね? こうなっちゃあ車に乗ってるわけにもいかないわよね」

貴音「逃げられても困ります、追いかけましょう」

やよい「頑張ってください、伊織ちゃん! 貴音さん!」

貴音「やよいは来ないのですか?」

やよい「えっと、もうすぐ特売があって…その…」

伊織「ああ、わかったわ。いいわよ、行ってきて」

伊織(やよいも来た方が心強いけど、この自転車に三人乗りなんてするわけにもいかないし…)

801: 2012/11/02(金) 23:50:59.11 ID:MEjqiiGBo
律子「ふぅ、ふぅ…」

律子(まずい…まずいまずい、しくじった…!)

律子(とにかく、近くにいたらまずい…逃げなくては…逃げて隠れなくては…!)

………

貴音「あちらの方…とやよいは話しておりましたが」

伊織「いない…どっちへ行ったのかしら…」

貴音「…二手に分かれますか?」

伊織「分かれたところで。右? 左? まっすぐ? 右行ってから左? 見つけられる可能性は少ない」

貴音「ですが、追いかけぬことには始まりません」

伊織「…近くにはいるのよね? だったら…」

803: 2012/11/02(金) 23:52:27.77 ID:MEjqiiGBo
………

律子(追ってこない…?)

律子(…このまま隠れれば、いけるか…?)

律子(そうよ、私のいる正確な位置を、伊織達は知りようがない!)

律子(同じ場所にいたら最近だと『twitter』だとかで場所を突き止められる可能性があるから、車で移動していたってだけで…)

律子(時々移動する必要はあるけど…あんた達が私の居場所を突き止める方法はないわ!)

律子(さて…そこらの喫茶店で一息つかせてもらうとしますか)

ボヤ…

律子(ん…?)

律子(何か、視界がぼやけてるわね…眼鏡が曇ってるのかしら…?)

805: 2012/11/02(金) 23:53:07.62 ID:MEjqiiGBo
ブルルルルル…

律子(!)ビクッ

律子(電話? 伊織から…)

律子(出るわけないでしょ。それに、マナーモードだから音も聞こえない。私の場所がわかるわけでも…)

律子(………)

律子(違う! これは…まずい、伊織に居場所がバレた…!!)

………

伊織「! 携帯のバイブレーションが聞こえた…律子はあっちの方にいるわ!」

貴音「『すもぉきぃ・すりる』で…聞いたのですね、伊織」

伊織「『見る』ことはできないけど、『音』は空気の振動でわかる。律子が逃げる『足音』を捉えたわ」

伊織「さぁ…もう逃がさないわよ、律子」

807: 2012/11/02(金) 23:53:48.88 ID:MEjqiiGBo
律子「はぁ、はぁ…」

ビィィィーッ

律子「あ…!」

伊織「! いたわ!」

貴音「距離を詰めてください、伊織。私の『フラワー・ガール』で…」

伊織「いえ、それくらい近づけば私の『スモーキー・スリル』で十分よ!」

律子(相手は自転車、しかもスタンドの力で速度を上げている!)

律子(このまま走っていたらすぐに追いつかれるわ…!)

律子「く…この手は使いたくなかったけど…!」カタカタ

ヒュン

伊織「ん!?」

バシャァ

伊織「『浮遊スタンド』から液体が…『麻酔液』!?」

貴音「いえ、この臭いは…」

キュルキュル

シュボッ

ポイッ

伊織「まさか…!!」

ボウッ!!

伊織「ガソリンかっ…!」キィィィィッ

809: 2012/11/02(金) 23:54:48.58 ID:MEjqiiGBo
タッタッタ…

ゴオオオオオ…

伊織「ち…!」

伊織「この道が塞がれたら、また遠回りしなきゃじゃない…! その間に逃げられるッ!」

貴音「伊織のスタンドでどうにかなりませんか?」

伊織「どうにかしたいところだけど…」モクモク…

伊織「熱っ!!」

伊織「難しいわ…スタンドでも、自分から触ろうとすると炎は熱いのね…」

貴音「では、私がやるしかないようですね…」タラ…

伊織(貴音が汗をかいてる…? この炎じゃ仕方ないか…)

貴音「『フラワー・ガール』、心頭滅却すれば…」ブオン

伊織「ちょ、ちょっと!? 何する気よアンタは!?」

貴音「冗談です。直接触らずとも…」

811: 2012/11/02(金) 23:55:35.83 ID:MEjqiiGBo
ドオン ヒュゥ バオッ

シュゥ…

貴音「風圧で火を弱めました、あとは伊織のスタンドで…」

伊織「え、ええ…!」バッ

貴音「………」タッ

クギュゥゥゥーン

伊織「飛び越えるッ!!」

スタッ!!

伊織「よし」

貴音「ふぅ…」

伊織「自転車はもう使えないけど…走って追いかけるわよ、貴音」

貴音「………」

伊織「貴音?」

813: 2012/11/02(金) 23:56:32.04 ID:MEjqiiGBo
貴音「…伊織、少々よろしいでしょうか」

伊織「何? 早く追いかけないと…」

貴音「お腹が空きました。何か食べるものを持ってはいないでしょうか」

伊織「………」

伊織「今はないわ。律子をブッ倒すまで我慢してちょうだい」

貴音「そうですか…」

貴音「ならば、私はここまでのようですね…」

伊織「は? 何よそれ、また冗談? 今はそんなこと言ってる場合じゃあないわ」

貴音「しかし…」

伊織「何よッ! お腹が空いたのはわかったわよ、でもこの一刻を争う状況で言うようなことじゃあないでしょうが!」

貴音「…そうではありません、伊織…」

貴音「『フラワー・ガール』が『つぼみ』になってしまいました」シュン

ヴ…

伊織「え?」

815: 2012/11/02(金) 23:57:09.82 ID:MEjqiiGBo
貴音「私のスタンド…『フラワー・ガール』は非常に燃費が悪く…」

伊織「え…何? 『燃費』が何ですって…?」

貴音「私の体力を常に吸い続け…吸い尽くせばこのようにつぼみに戻ってしまう」

貴音「そろそろ限界です…何かを口にしなければ、これ以上、行動はできません…」

伊織「貴音、あんた…」

貴音「伊織…まこと勝手な願いですが、このまま律子嬢を倒してください」

貴音「伊織が倒してくれれば、私は助かります」フラ…

伊織「あんた、何を言って…」

貴音「律子も…私の命を取るまではしないでしょう」

貴音「私のことは置いていって…ください。足手まといになるだけです…」ドサ

伊織「た…貴音ッ!」

ジーッ

………

817: 2012/11/02(金) 23:57:35.96 ID:MEjqiiGBo
律子「はぁ、はぁ…よし」

律子「あの『フラワー・ガール』、何かあるかと思ったけど…やっぱり、そういうことか。そして…」

律子「あんたが貴音を見捨てていくわけないでしょう? 守りながら戦えるかしら、伊織」

律子「それとも、案外貴音を置いて追いかけてくる? ま、どっちでもいいけど…」

………

伊織「貴音…」

貴音「………」

伊織「アンタ黙ってたのね、『フラワー・ガール』の弱点…」

伊織「恐らく、使用を温存することで私に負担をかけさせないために…」

伊織(私は…アンタのことを信用できるかどうか、ずっと考えていたってのに…)

貴音「………」

伊織「く…」グッ

伊織「フザけんなッ! 無理して倒れられたら、そっちの方が迷惑に決まってるでしょうがッ!!」

819: 2012/11/02(金) 23:58:25.84 ID:MEjqiiGBo
ドォ-ン

キュルキュルキュル…

伊織「貴音はもう戦えない…なら…」

伊織「なんとかするしかないようねぇ~っ、この伊織ちゃん一人で…」

バシュッ!

伊織「ここぞとばかりに一斉に出してきたわね…チャンスだと思った、律子…?」

伊織「だけど…」フワ…

貴音「………」フワ

ガスン! ドギャ!

伊織「『スモーキー・スリル』」スゥ…

伊織「こうやって『煙』をまとめれば、人の1人や2人くらいなら余裕で動かせるわ」フワァ

伊織「『足手まといになるから置いていけ』…ですって? 貴音…」

伊織「見くびらないでちょうだい、こんなもの『足手まとい』になんてなりはしないわよ!」

伊織「見てんでしょ? さぁ、覚悟しなさい律子…この伊織ちゃんを敵に回すとどうなるのか、思い知らせてやるわッ!」

821: 2012/11/02(金) 23:59:44.98 ID:MEjqiiGBo
スタンド名:「フラワー・ガール」
本体:四条 貴音
タイプ:近距離パワー型・標準
破壊力:A スピード:A 射程距離:C(19m) 能力射程:C(19m)
持続力:E 精密動作性:A 成長性:D
能力:高い戦闘能力と、それに見合わぬ非常に広い射程距離を持つ貴音のスタンド。
通常、「スタンド」は本体からの「精神力」や、本体が存在しないようなスタンドでも、この世に残った「恨み」などの…要するに、「精神のエネルギー」によってパワーを得て行動する。
「フラワー・ガール」は、「精神力」だけでなく体内の「熱量エネルギー(要するにカ口リー)」もスタンドのパワーとして使うことが可能であり、そのために、通常のスタンドとは桁違いの出力が可能である。
しかし、その消費量は激しく、「フラワー・ガール」を出しているだけで貴音のエネルギーは著しく消費されていく。
「エネルギー」供給が尽きると花は枯れ、「つぼみ」へと戻ってしまい、また本体である貴音も力を使い果たし倒れてしまう。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

>>763
カメラのついている個体からは聞こえます。

本日の分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

843: 2012/11/05(月) 23:11:26.52 ID:axzqICZAo
ジー…

律子「伊織…」

モクモクモク

律子「『煙のスタンド』に乗って移動している…?」

律子「筋斗雲に乗る孫悟空かあんたはぁ~っ」

グオォォォン…

律子「まずいわね、移動スピードが結構速い!」カタカタカタ

ヒュン

律子「『ロット・ア・ロット』で妨害はするけど… ………」

律子「このままだといずれ追いつかれるわね…!」

律子「相手はあと伊織一人…あの場所へ…」

律子「あの場所へ行きさえすれば…」

………

……

845: 2012/11/05(月) 23:12:31.90 ID:axzqICZAo
ギュイィーン

伊織(『スモーキー・スリル』、歩くよりはマシだけど…)

伊織(自転車と比べるとスピードも遅いし、流石にパワー使うわね…)

ヒュン ヒュヒュン

伊織「出たわね…」

ドシュウ バフォ

伊織「移動にスタンド使ってるから無防備に見えた? 止める」ニュ…

ガシ! バシ!

シュゥゥゥ…

伊織(『移動』『探知』『防御』…一度に色んなことをやるのは流石に疲れるわね…)

伊織(まず、律子を視界に収めれば…『探知』の分のエネルギーは使わなくて済む…)

伊織(でも、飛ばしているとすぐにバテる…もどかしいわ…)

ヒュン!!

847: 2012/11/05(月) 23:13:08.91 ID:axzqICZAo
パッ

伊織(また出たか…)

伊織「こいつら…しつっこいのよ…!」

キュルキュル

バオン!!

伊織(この角度なら、防御するまでもない。最小限の動きで…)スッ

伊織(避ける!)

ゴォ

伊織「さて、反対側…これは流石に防…」

ゴギャ!

伊織「え?」

ミシミシミシ

伊織(受け止めず…そのまま、ぶつけた…の?)

伊織(何のために…って、決まってるでしょうが、そんなもん!)

849: 2012/11/05(月) 23:13:32.24 ID:axzqICZAo
バキャ!

バシャァッ

伊織「うわああああああああ」

伊織(『麻酔液』が降ってくる! 防がないと…どうやって!?)

モクッ

ス…

パシャ!

伊織「ぐっ!」バッ

伊織(『麻酔液』が…煙の『スモーキー・スリル』じゃ防げない…)

伊織(とっさに左手でかばったけど、これでまた動きにくく…)

キュルキュル

伊織「う…」ズズズ…

………

律子「やった、かかったわ!」

律子「これは、上手くやればいけるか…?」

律子「まだ距離はある、攻撃の手を緩めないでいけば…」カタカタカタ

851: 2012/11/05(月) 23:13:44.89 ID:axzqICZAo
ズオッ

伊織「!」

コォォ…

キュラキュラ

伊織(また『麻酔液』が来る…いや、直接撃ってくるかも…避けられるの…?)

伊織「避ける…」チラ…

貴音「………」

伊織「………」

伊織「避けるだとか…バテるだとか…」

伊織「そんなこと考えてたら、いつまで経っても追いつけないわね」

ズズズ

伊織「『スモーキー・スリル』」

853: 2012/11/05(月) 23:14:01.93 ID:axzqICZAo
グオン!

伊織「叩きつけるのなら硬球でも充分。片っ端から…」

バキャァッ

伊織「ブッ壊すッ!!」

バッシャァァァ

伊織「そして…」グゥゥゥ…

伊織「飛ばすわよ『スモーキー・スリル』!」

ギュン!!

バチャァァン

………

ジーッ

律子「な、何をやってんのよ伊織は、あんなに飛ばして…」

律子「それに『ロット・ア・ロット』をいくら壊したって、すぐに…」

律子(いや、あのスピード…攻撃してももうあまり当たらないだろうし、『修復』するにしろ、新しく『転送』するにしろ走りながら操作していたら…すぐに…)

律子(これ以上の妨害は難しい、やっぱり、行くしかないかっ…!)

律子(伊織はこれでまた疲労するわ…辿り着きさえすれば100%勝てる!)

律子(あーっ、もう! デスクワーク派だってのになんでこんな走らなきゃならないのよ!)

律子(もう少し、あと少しよ…! 追いつかれる前に…!)

855: 2012/11/05(月) 23:14:13.64 ID:axzqICZAo
伊織(律子の奴、ペースを上げたみたいだけど…私の方が全然速い! もうそこに近づいてる)

伊織(視界に捉えれば、またスピードは上げられる…)

伊織(この速度なら、こっちの体力が切れる前に追いつくわ!)

ゴォォォォ

タッタッ

伊織(この角を曲がれば…)

律子「はぁ、はぁ…」

伊織(見えた…!)

クルッ

伊織「ん!?」

律子「ふぅ…」ガチャ…

バタン!!

伊織(家の中に入っていった…?)

857: 2012/11/05(月) 23:14:26.77 ID:axzqICZAo
ヒョイッ

伊織「ここは…」

伊織(『秋月』…ここが、律子の家なのかしら…?)

伊織(元々はアルバイトだったらしいし、前の事務所の近くにあったのね。今のからもそこまで遠くはないけど)

グッ

ガガッ…

伊織(鍵をかけていったか…)スゥゥ…

ガチャッ!

キィ…

伊織「…スタンド使いって、不法侵入し放題よね」

859: 2012/11/05(月) 23:14:40.75 ID:axzqICZAo
伊織「お邪魔します…」

シーン…

伊織(返事がないわ…)

伊織(人の気配もあまりない。今、家には誰もいないのね…律子以外は)

貴音「………」フワ…

トサッ

伊織(流石に…疲れた。体もボロボロ…)

伊織(けど、貴音はもっと…こんな、倒れるまで無理してスタンドを使っていた)

伊織(こんなんで弱音吐いちゃいられないわ)モクモク

スゥーッ

伊織(律子は…上にいるわね)

貴音「………」

伊織「貴音、ここでしばらく休んでなさい。決着をつけてくるわ」

861: 2012/11/05(月) 23:15:04.79 ID:axzqICZAo
カチャッ…

律子「ノックくらいしたらどう、伊織…?」

伊織「律子…アンタのスタンド、相当厄介なもんだったけど…」

伊織「こう近づいたら、自分の身を守るには物足りないわ…袋の鼠ってやつね」

律子「袋の鼠…?」

律子「それを言うなら、伊織…あんたの方がネズミ取りの罠に引っかかった哀れな鼠よ」

伊織「なんですって?」

バタン!!

伊織「は…」クル!

ガタガタ

伊織(細工してある…? ホテルのドアのようにビクともしない!)

ゴトゴト

伊織(『スモーキー・スリル』でも駄目か…!)

863: 2012/11/05(月) 23:15:16.72 ID:axzqICZAo
伊織(…だから何よ、元から逃げるなんて選択肢はないわ)

律子「私はね、伊織。あんたを少し甘く見ていたのよ」

伊織「は…? 何よ、いきなり」

律子「貴音の『フラワー・ガール』…あれと比べたら、『スモーキー・スリル』は大したスタンドだとは思わなかった」

律子「だけどあんたの決断力、そして実行力…正体を見破られ、車を止められ、場所を見つけられ…」

律子「私の行動は次々と裏目に出て、ここまで追いつめられた」

伊織「………」

律子「けど、もう油断はない。最後には勝つわ」

伊織「私を閉じ込めたくらいで…何を勝ち誇ってんのよアンタは?」

律子「残念だけどね伊織…この部屋に入った時点で、もうあんたの負けよ」

伊織「はぁ…? そういうことはね…」

伊織「勝ってから言うもんよ、このウスバカがッ!」

865: 2012/11/05(月) 23:15:32.87 ID:axzqICZAo
伊織「行け、『スモーキー・スリル』!」ボウッ

律子「硬球で頭カチ割るつもり…? 野蛮ね」

伊織「んっ!?」クラ…

ピタ…

律子「やれ」

シューッ

伊織「んぷっ!? うあっ…あ…」

ダラダラ

伊織(これは、催涙スプレー…!? 目が…)

伊織(いや、それもそうだけど…今の目眩は、律子が『何か』したの…?)

律子「伊織。あんたの『煙』のスタンドって、吸い込んだら体に害はあるのかしら?」

伊織「は…? 何を…」ボタボタ

867: 2012/11/05(月) 23:15:59.83 ID:axzqICZAo
律子「『ロット・ア・ロット』の『麻酔液』は…」

律子「地面に落ちれば、温度ですぐに揮発してしまうわ」

伊織「…!」

律子「だけど、蒸発しても気体になるだけで、なくなるわけじゃあない」

伊織「ま、さか…」

律子「この通り、この空気中に漂う…『麻酔ガス』に早変わりよ」

伊織「律子…!!」

律子「もっとも、こうやってある程度密封されていて広さもない場所じゃないと使えないけど」

クラ…

伊織(頭が…またクラっと来た…)

律子「ま、念のためってこともあるし…『催涙スプレー』であんたの動きは二重に制限させてもらった」

伊織「ぐ…」ボタボタ

伊織「り…律子ォォォォォォォォォッ!!」

869: 2012/11/05(月) 23:16:14.75 ID:axzqICZAo
伊織(息を抑えなくては…肌に触れても効果があるのかもしれないけど、多く吸い込むのはヤバい!)

伊織(ドアから外に…は出られない、そのための鍵かッ…!)

伊織(なら…)

伊織「あああ、ああああ…!」ダラダラ

ドドドド

伊織(『スモーキー・スリル』!)

スゥッ…

伊織(『窓』! 目が見えなくても…場所くらいはわかる…)

伊織(こいつに硬球を投げつけて窓ガラスを割る…!)

ドシュゥーッ

律子「おっと」

ガゴォ

伊織(あ…)

871: 2012/11/05(月) 23:16:42.61 ID:axzqICZAo
律子「これで窓ガラスを割られて終わり、ってのもなんだか間抜けじゃない」

律子「『ロット・ア・ロット』。数体をあらかじめこの部屋に配置しておいたわ」

伊織(律子の…『浮遊スタンド』…)

伊織(闇雲に投げても、あれに阻まれる…)

律子「貴音やあんたには結構な数がやられちゃったけど…」

律子「飛び道具ならどんな力で襲ってこようが、痛くも痒くもないわよ」

伊織「く…」

伊織「だったら、直…接…」グラ…

ガクン

伊織「え、あ…」ガクガク

伊織(な…体が…)

伊織(どうしてこんな急に…吸い込む量は抑えてるはず…)

律子「この部屋の『麻酔ガス』、正直吸い込んだだけで影響があるような濃度じゃあないわ」

伊織「え…?」

873: 2012/11/05(月) 23:16:58.11 ID:axzqICZAo
律子「自分のスタンドだから大丈夫だとは思うけど…濃すぎると、先に部屋にいた私が倒れる可能性もあるし…」

律子「それに、多く撒くためにはその分『ロット・ア・ロット』を壊さなければならないし、そんな量を破壊したら私にまでダメージが及ぶ」

伊織(え…じゃあ…どういうこと…?)

律子「もし貴音の方がここに来ていたら、こんな手段は取らなかった。あの『フラワー・ガール』相手にこんなことをしても無意味だもの」

律子「でも伊織、あんたが相手なら話は違う。こっちの方が残ったのは、私にとって幸運だった」

伊織「一体どういう…私は… …!」

モクモクモク

伊織「まさ、か…」

律子「『スモーキー・スリル』は『煙』のスタンド! そして、スタンドと本体は一心同体!」

律子「気体の『スモーキー・スリル』にこの『麻酔ガス』が混ざったら…それはもう、あんたの体内にあるのと同じこと」

律子「ただの薬品とかじゃあ同じことはできないでしょうけど…『麻酔ガス』は『ロット・ア・ロット』の一部…この空気中に漂っているガスも、スタンドなのよ」

伊織(意識が朦朧としてきた…立て、ない…)フラ…

ドサアッ

875: 2012/11/05(月) 23:17:12.44 ID:axzqICZAo
律子「はぁーっ…」クタ…

律子「やった、やってやったわ…ギリギリだったけど…」

律子「あとは、念のために下の階に置いてきた貴音にも『麻酔液』をかけて…それで終わりね」

カタカタ

ジーッ…

・ ・ ・

律子(あれ…)

律子(貴音が…いない…?)

ガチャッ!!

律子「!?」

律子(ドアノブが…まさか、そんなはずは…)

ゴトッ ゴドォ

律子(でも、もし本当にそうなら…鍵が閉まってても、ドアを破ってくる…!!)

877: 2012/11/05(月) 23:17:31.31 ID:axzqICZAo
バキャッ!!

?「私が…どうかしましたか?」

キラ…

律子「『ロッ…」

ヒュッ

パリィン!!

律子「は…速すぎ…でしょうが…」

スゥゥーッ

伊織「うっ…」パチ

伊織「ふぅ、はぁ…」フラ…

伊織「う…目痛っ…」ググ…

?「『フラワー・ガール』。この距離、窓硝子を割るくらいならば雑作もありませんね」

律子「あんたは…」

伊織「た…貴音…!」

貴音「いえす、あいあむ」チッチッ

879: 2012/11/05(月) 23:17:50.70 ID:axzqICZAo
伊織「貴音…アンタ、どうして…」

律子「貴音はエネルギーを使い果たして『再起不能』したはずでしょうッ!?」

ドドド

貴音「冷蔵庫の中に…」

ドドドドドド

貴音「食材があったので…」

ドドドドドドドドド

カッラァァーン

貴音「頂かせてもらいました。生のままだったのであまり美味ではありませんでしたがねッ!」

伊織「火くらい通しなさい…腹壊すわよ…」

律子「それより、人ん家のもの勝手に食べないでちょうだい!」

貴音「緊急事態でしたので…やむを得ないことです」

881: 2012/11/05(月) 23:18:02.74 ID:axzqICZAo
貴音「さて、満腹となり…これで私の『フラワー・ガール』も全力を出せます…が」

ゴゴゴゴ

伊織「どうするわけ、律子…? 私も、まだちょっとは戦えるわ…」フラ…

律子「降参、降参よ!」バッ

律子「こんな距離で私の『ロット・ア・ロット』があんた達に勝てるわけないでしょうが!」

貴音「なるほど、正体が掴めぬ間は恐るべきスタンドでしたが…この距離となれば話は違うようですね」

伊織「でも、ここで逃がしたら、また仕掛けてくるんじゃ…」

律子「正体もバレてるし…同じようなことをして同じように負けるほど馬鹿じゃあないわよ」

伊織「手変えてくればいいんじゃない? あんたのスタンド、応用性高そうだし」

律子「また窓割られたり、冷蔵庫の中身を食べ尽くされるのは勘弁願いたいわ…あんた達のこと、最悪車も壊されかねないし…」

貴音「懸命ですね」

伊織「否定しなさいよ、そこまで野蛮じゃあないっての」

伊織「あーっ…目洗ってきていいかしら…」

伊織(一応元、ってことになってるけど自分の担当アイドルに催涙スプレーなんて吹きかけて…痛くて仕方ないわ…)

883: 2012/11/05(月) 23:18:26.40 ID:axzqICZAo
………

……



伊織「それで、律子…」

伊織「あんたは春香側よね」

律子「…ええ、そうよ。笑いたきゃ笑いなさい」

伊織「あーっはっはっはっは!」

律子「あんたね…はぁ…」

貴音「律子嬢は…本日は休日だったのでは?」

律子「ええ、そうよ…久々の休暇だったのに、春香から貴音を倒せってね…」

伊織(もう貴音のことは100%信じていたけど…これでちゃんとした確証を持てた、101%信じられる)

伊織(なんか…変に疑ってた自分がバカみたいね)

伊織「貴音」

貴音「はい? なんでしょうか」

伊織「…一緒に春香をブッ倒しましょ。そして、『矢』を壊す」スッ

貴音「ええ、そのつもりです。よろしくお願いします、伊織」ギュッ

885: 2012/11/05(月) 23:19:25.60 ID:axzqICZAo
グー

貴音「…お腹が空きました」

伊織「さっきまで戦ってたってのに、緊張感ないわねまったく…」

伊織「じゃ、そこらの店に食べに行きましょ。律子の奢りで」

律子「はぁ? ちょっと待ってよ、なんで私がそんなこと…」

伊織「私達に負けたんだからそれくらいいいじゃないの」

律子「あーもう…わかったわかった、近くの食べ放題でいいわね? 普通の店じゃ財布が持たないわ…」

To Be Continued…

887: 2012/11/05(月) 23:19:50.06 ID:axzqICZAo
四条貴音…バイキングの料理を食べ尽くした後、帰っていった。

水瀬伊織…バイキングの食事が口に合わず大いに愚痴を吐く。食後は町を回り、滅茶苦茶やった場所を直しに行く。

秋月律子…道のど真ん中で放置していたため、レッカーで移動させられていた車を回収。その後もバイキングで嫌な視線を店員に向けられたり、伊織達に町の修復に付き合わされたりで、せっかくの休暇は散々な結果に終わった。

高槻やよい…この後、特売に行った。

菊地真…昨日の分も合わせ、無事予定していたレッスンを終える。絶対に途中で呼び出されると思っていたので、少し複雑な気分だったらしい。


本日分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

890: 2012/11/05(月) 23:26:42.47 ID:bitmJzLQo
りっちゃん散々ww
乙でした

891: 2012/11/05(月) 23:33:37.64 ID:Y7/e74kmo

お姫ちんが春香の敵確定で後一人は多分あの二人のどっちかかな…楽しみ



To Be Continued...





引用元: 春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」