625: 2013/01/01(火) 02:02:24.86 ID:eC8BvKhUo





前話はこちら





貴音「………」カツカツ

ピタ…

貴音「何奴? 姿を現しなさい」クルッ

ビクゥ!

伊織「………」ス…

貴音「と…伊織でしたか。驚かせてしまい申し訳ございません」

伊織「いえ…」

貴音「双海亜美と双海真美…あの後、真と共に打ち負かすことができたとやよいから聞きましたが」

伊織「ま、私はあまり何かしたわけじゃあないけど」

貴音「そんなことはないと思いますが。少なくとも、一緒に戦った真はそう思っていないでしょう。見事なものです」

伊織「…その真だけど、ちょっと面倒な事になったわね…まぁ、これはどうでもいいわ」

貴音「ええ…早々に解決せねば…とは思うのですが」

伊織「それより、貴音。アンタが律子に協力を求めてなかったら…多分、逃げられていたでしょうね。感謝…するわ、ありがと」

貴音「私達も、伊織達に任せあの場に留まっているなどできませんから。当然の事です」



※このSSは「THE IDOLM@STER」のキャラクターの名前と「ジョジョの奇妙な冒険」の設定を使った何かです。過度な期待はしないでください。


春香「弓と矢」シリーズ

627: 2013/01/01(火) 02:11:57.96 ID:eC8BvKhUo
伊織「あの時…律子の『ロット・ア・ロット』の通信…」

伊織「律子は当然として…やよいとも話した」

貴音「………」

伊織「だけど貴音、アンタあそこにいなかったわよね。どこにいたの?」

貴音「その時かは正確にはわかりませんが…」

貴音「他のスタンド使いと交戦しておりました」

ドドドド ドドド

伊織「…!」

伊織「なんですって!?」

伊織(いえ…だけど、貴音はやよいと一緒に行動していたはずじゃあ…)

貴音「やよいと一緒に、律子嬢のいる事務室へ向かっている途中視線を感じまして…」

伊織「………」

貴音「律子嬢に双海亜美のこと…伊織と真のことを話し捜索を願った後、私は事務室の外に出て、そこで交戦することとなったのです」

629: 2013/01/01(火) 02:13:07.96 ID:eC8BvKhUo
伊織「ま、まぁ…だけど…『フラワーガール』なら負ける事はないでしょうし…勝ったのよね?」

貴音「………」

伊織「そいつは、『こっち側』に来た…そうよね? 貴音」

貴音「…いえ。決着はついておりません」

伊織「は…?」

ゴゴゴゴ ゴゴ

ゴゴゴゴゴ

伊織(貴音が、決着をつけられなかった…? 逃げるにしたって、あのスピードと射程距離から逃れられるとは考えられない…)

伊織(スタンドにも色々ある…だけど、『フラワーガール』で倒せないスタンドなんて考えられないわ…)

伊織「それって…一体、どんな奴…」

伊織「…いえ、こう聞いた方が早いわね。誰と戦ってたの、貴音」

貴音「それは…」

631: 2013/01/01(火) 02:14:21.90 ID:eC8BvKhUo
貴音「………」

伊織「貴音…?」

貴音「…すみません、伊織。それを今話すわけにはいかないのです」

伊織「え…!? ど、どうして…!」

貴音「………」

伊織(そりゃ人間、言いたくないことくらいあるでしょうけど…)

伊織(こんなことを隠す理由なんて、ないでしょう…!?)

伊織(今更貴音の事を疑いたくなんてない…だけど…!)

貴音「伊織」

伊織「へ?」

貴音「伊織は今、春香の『味方』は何人残っていると思いますか」

伊織「な、何よいきなり…」

貴音「答えてもらえますか」

伊織(え、えーと…?)

633: 2013/01/01(火) 02:15:08.87 ID:eC8BvKhUo
伊織(うちのアイドルは春香を抜いて12人…今、こっち側にいるのは私、真、やよい、貴音、律子、亜美真美の7人だから…)

伊織「5人…いえ、4人かしら…」

伊織「あずさ、雪歩、千早、美希、響…この中に春香と敵対する『もう1人』がいるはず」

貴音「果たして、そうでしょうか」

伊織「え?」

貴音「その『もう1人』はいるとして…彼女が、何もせず逃げ回っていると…そう思いますか?」

伊織「それは…いえ、そうか…あっちもあっちで動き回ってるはず…」

貴音「ええ。ならば、伊織と同じように『仲間』を増やしているでしょう…未だ春香に付いているのは4人よりは少ないのではないかと私は思います」

伊織「そう…かしら…逆に、もうやられて春香側にいる可能性も…」

貴音「春香の誘いに乗らず、かつ屈しなかった者…精神力は、他の者よりも上のはず。そうそう負けるとは思えません」

伊織「何よそれ、自画自賛?」

貴音「そういうわけではないのですが」

636: 2013/01/01(火) 02:16:31.07 ID:eC8BvKhUo
貴音「律子嬢のように、表面上は春香の『味方』でいる者もいます。恐らく、今となっては春香も正確に把握できているわけではないでしょう」

貴音「もしかしたら、既に『全員』春香のもとを離れている…とも考えられます」

伊織「そうだったら、そりゃあいい事なんでしょうけど…」

貴音「そうでしょうか」

伊織「何か、悪い事でもあるわけ…?」

貴音「例えば、伊織と真とやよい…そして律子嬢と双海亜美、双海真美。この6人は、私にとって『敵』ではないとわかっております」

伊織「………」

貴音「ですが、外部から見ればどうでしょうか。春香からは皆敵で構わないと思いますが、他の者は…」

伊織「ずっと前から… ………」

伊織「考えていたことね…見ただけでは、話しただけでは敵も味方もわからない…」

貴音「既に、話はそこまで来ています。ただ戦っているだけでは物事は好転しません」

伊織(………)

638: 2013/01/01(火) 02:18:43.75 ID:eC8BvKhUo
伊織「アンタの言ってることはわかる…」

伊織「だけど、それと相手の名前を明かさないことに何の関係があるのよ! 結局、肝心なことは…」

貴音「その『もう1人』を見つけた…かもしれません」

・ ・ ・ ・

ドドドドド

伊織「…!」

伊織「そ、それじゃあ…!!」

ドドド

貴音「ですが…相手は、私の事を信用してはくれませんでした」

伊織「え…」

貴音「恐らく、彼女は春香の『仲間』ではない…ならば我々にも戦う理由はない」

貴音「話し合おうとはしました。しかし、半信半疑…決着がつかぬまま、互いに別れました」

貴音「今日、この後…もう一度会って、話し合いをしたいと…そう思っています」

伊織「話し合いって…そいつ、信用してくれていないんでしょう? 駄目だったら…」

貴音「戦う事に…なるかも、しれませんね」

640: 2013/01/01(火) 02:19:53.25 ID:eC8BvKhUo
伊織「そ…」

伊織「そう…まぁ、戦う事になってもアンタなら大丈夫でしょ」

伊織「…大丈夫…よね?」

貴音「はい。彼女はなかなかに強力なスタンドを持っていますが…なんとか、してみます」

伊織「…どうしてもって言うなら、この伊織ちゃんが着いていってあげてもいいけど」

貴音「せっかくの厚意ですが、それはいけません伊織」

伊織「! なんでよ」

貴音「話し合いをするのに、相手が二人掛かりならば伊織はどう思いますか」

伊織「そ、そうね…少なくとも安心はできないわ…」

伊織「だけど…名前はこっそり教えてくれてもいいんじゃない…?」

貴音「『自分の事は人に言わないでくれ』という約束の事もありますが…」

貴音「話してしまえば『彼女は味方である』と安心してしまうでしょう。そして、話しかけにいくかもしれない」

貴音「教えた覚えのない相手に話しかけられる…自分の事が誰かに話されていると思えば、きっと彼女は警戒することでしょう」

伊織「私はそんなことしないわよ!」

642: 2013/01/01(火) 02:21:29.15 ID:eC8BvKhUo
貴音「話しかけずとも…きっと、意識はする。目線を送る。そのことが、相手にとっては逆に不安となる」

貴音「人間というものはそういうものです。私でも、誰かに話されればきっと意識してしまうことでしょう」

伊織「う…」

貴音「皆、春香のしていることで疑心暗鬼になってしまっている…」

貴音「しかし、春香を倒せばそれも終わる…そのために、話し合いに行くのです」

伊織「…わかったわ。終わったら…いえ、そうでなくてもなんかあったらちゃんと言いなさいよね」

貴音「………」フッ

伊織「な、何笑ってるのよ貴音…」

貴音「いえ。律子嬢に追いかけられていた時の事を思い出しまして」

伊織「…? 何言ってんのよ。あの時はこっちが律子を追いかける側だったじゃない」

貴音「ふふ…ええ、そうですね」

伊織「何なのよ、もう…」

644: 2013/01/01(火) 02:22:33.24 ID:eC8BvKhUo
貴音「心配無用です、伊織。きっと上手くいきますよ」

伊織「別に、心配なんてしてないわよ…」

貴音「それでは」ス…

コツ コツ コツ

伊織(………)

伊織「貴音!」

貴音「はい? 何でしょうか」

伊織「わた…」

伊織「………」

伊織「…いえ、なんでもないわ。忘れて」

貴音「…はい、承知致しました」クルッ

カツ カツ カツ

伊織(『私は、アンタのことを信頼している』…)

伊織(ここで口に出したら、まるで自分に言い聞かせてるみたいじゃない…)

伊織(思っているだけでいい。私は、貴音のことを信頼している、それだけで…いいわ)

646: 2013/01/01(火) 02:23:36.38 ID:eC8BvKhUo
………

……



あずさ「じゃあ…今日も始めようかしら」

千早「はい。よろしくお願いします」ペコ

千早(私は、春香の『アイ・ウォント』に対抗するため…)

千早(あらゆる感覚で物事を捉える訓練をしている)

千早(………)

千早「あずささん、春香は私達の『視覚』を奪う能力を持っているんですよね…」

あずさ「ええ。本物なら、私の『ミスメイカー』のように触る必要もないし…『眠ら』せてシャットダウンするだけでもない、見ている光景が変わっていることにも気づかないほどだけど」

千早「…それなのに…こんなことをして春香に勝つ事が出来るのですか」

あずさ「こんなこと?」

648: 2013/01/01(火) 02:24:34.21 ID:eC8BvKhUo
千早「特訓自体は構いません、仮想トレーニングというものは有効な手段です」

千早「ですが…私は実際に春香と戦ったわけではない…」

千早「私は一度春香の『アイ・ウォント』を知っておくべきかと…そう思います」

あずさ「いいえ。それは違うわ、千早ちゃん」

千早「違う…? 何故ですか…」

あずさ「対策を立て…挑んで行くのも確かに有効でしょう」

あずさ「だけど、『スタンド使い』は逆境を乗り越えようとする事で精神的に成長するわ…それがそのままスタンドの強さに繋がる」

あずさ「少なくとも、知って対策をしたところで…『アイ・ウォント』には勝てないわ。打ち破るための力が必要なの。知らないからこそ、脅威になりうるのよ」

千早「………」

あずさ「それに…春香ちゃんも千早ちゃんの能力を知らない」

千早「話したんですよね? 確か」

あずさ「ええ、まぁ…だけど春香ちゃんだって聞いてはいても、実際に体験したわけじゃあない…」

あずさ「ほら、そう考えるとある意味互角とも言えるんじゃないかしら~?」

千早「はぁ」

650: 2013/01/01(火) 02:26:09.95 ID:eC8BvKhUo
カチ!

千早「!」フッ

千早(『目』が『眠っ』た…)

あずさ「今は…我慢する時。こうして、特訓をするしかないわ」

あずさ「じゃあ…行くわよ、千早ちゃん。今日は本気で行っていいわね?」

千早「…ええ」

キュ… ザリ…

ゥゥゥゥウウゥ…

カッ

千早「『ブルー・バード』!!」ドォン

あずさ「!」スオッ

千早「そこよ…!」バチィ!!

千早(音で周囲を判断することにも、慣れてきたわ)

千早(最初は方向くらいしかわからなかった…だけど、今では、なんとなくだけれど距離をつかむことも出来るようになった)

652: 2013/01/01(火) 02:26:49.05 ID:eC8BvKhUo
あずさ「…!」ゴォォッ

フワ…

あずさ(自分を『軽く』して天井に…)

千早「はぁっ…!」ビュッ

シン…

千早「!?」

千早(音が…)パチ…

トン

千早「あ…」

あずさ「このように…」

あずさ「『アイ・ウォント』は『視覚』以外の感覚も奪ってくる。目が見えないからって、『聴覚』だけに頼ってもいけないわよ~」

千早「あ、あずささん…『耳』にも触っていたのですね」

あずさ「うふふ…スタンド相手に『ずるい』なんて理論は通用しないわよ~」

654: 2013/01/01(火) 02:28:47.32 ID:eC8BvKhUo
千早「そうではなく…」

あずさ「何?」

千早「『目』も『耳』も封じられたら、一体どうすれば…」

あずさ「どうしようもないのなら…」

あずさ「そこまでよ。あなたは春香ちゃんには勝てないわ」

千早「…!」

あずさ「『アイ・ウォント』は、今やった事を遥かに高いレベルでやってくるわ。一つずつなら、『視覚』も『聴覚』も自由自在」

あずさ「少なくとも…『視覚』と『聴覚』がON/OFFされること。あなたは、これをどうにかできなければならない」

千早「………」

ズキッ

千早「う…!?」クラッ

千早(目が…眩しすぎる…!)

あずさ「あ…! ごめんなさい、千早ちゃん!」

千早「こ、これは一体…」

あずさ「『眠ら』せた部分を個別に解除しようとすると、こうなるのよ…練習はしてきたのだけど…」

656: 2013/01/01(火) 02:30:32.34 ID:eC8BvKhUo
あずさ「次は、少し休んでからにしましょう。次はこうならないようもっと気をつけるわ…」

千早「私は大丈…」

千早「う…」クラッ

あずさ「『眠って』いた目が急に『起こされ』たから…普段よりも大量に光が飛び込んできて、脳の『視覚』を司る部分がショックを受けたのよ」

あずさ「少し、横になった方がいいわ」

千早「そうさせて…もらいます」フラフラ

あずさ「あ、そうだわ。膝枕はどうかしら?」

千早「え…い、いえ…そこまでは…」

あずさ「あらあら~、遠慮しなくてもいいのよ~?」グイッ

千早「きゃっ!?」

ポスッ

千早「…別にいいと言ったのに」

あずさ「千早ちゃんはよく頑張ってるわ、本当に…」ナデナデ

千早「………」

658: 2013/01/01(火) 02:31:36.28 ID:eC8BvKhUo
………

……



千早「ふぅ、ふぅ…」

あずさ「今日はこれくらいにしておきましょう」

千早「はい…ありがとうございました」

あずさ「ううん、みんなのためだもの。頑張って、春香ちゃんを止めましょう」

千早「ええ…」

千早(私の『ブルー・バード』…強くなったと、思う。射程距離は『10m』に伸びた、『重量』を『奪う』こともできるようになった。他の性能も上がっている)

千早(だけど…春香の『アイ・ウォント』は『ミスメイカー』を遥かに超えるという…こんな程度では、勝つ事などできやしない…)

ズズ…

千早(…ごめんね、『ブルー・バード』。あなたが悪いわけじゃあない)

千早(だけど、足りない…何か、決定的なものがなければ…春香を止める事はできない)

660: 2013/01/01(火) 02:33:21.24 ID:eC8BvKhUo
千早(………)

あずさ『千早ちゃん、この後レッスンに行こうと思っているのだけど…一緒に来る?』

千早『いえ、少し考え事をしたいので…』

あずさ『そう…』

千早(あずささんとはそこで別れた…考えたい事というのは…)

千早(高槻さん…)

千早(我那覇さんが『敵』だとすると…高槻さんは…?)

千早(もしかしたら、あずささんと同じように…私の味方をしてくれるかもしれない…)

千早(しかし…スタンドを使えるということは、やはり…)

千早(…高槻さんは、まだ事務所にいるのかしら)

千早(いえ、やめておきましょう。もしも、そうじゃなかったら…)

千早(この間は『くっつける』スタンド相手に手も足も出なかった)

千早(春香の『アイ・ウォント』。私の『ブルー・バード』が本当に、勝てるのかしら…)

662: 2013/01/01(火) 02:34:59.65 ID:eC8BvKhUo
ザワザワ

千早「…?」

貴音「………」ペラペラ

?「………」ボソボソ

千早(あれは、四条さん…一緒にいるのは…)

千早(…誰かしら? 壁の陰に隠れてよく見えない…)

千早(流石に、ここからでは話の内容は聞き取れないわね…相手の声も、ボソボソ声なのと四条さんの声でよくわからない)

千早(…何故だか、気になる。見てみようかしら…)

ドッ

千早「…!!」ゾワッ

千早(何…この、突き刺すような視線は…)

クル…

千早(待合室…)

ドドドド ドド ドド

美希「………」

ドドドドド

千早「…美希」

美希「やっほー、千早さん」ヘラッ

664: 2013/01/01(火) 02:35:47.68 ID:eC8BvKhUo
千早「何か…用かしら」

美希「うーん…用ならあるんだケド、廊下で話すのもナンだし…」

美希「こっち来てよ」クイッ

千早「………」

千早「…わかったわ」

テッ テッ テ…

カチャ… パタン

千早「…何? 話でもあるのかしら…?」

美希「話さなくても…」ズ…

千早「…!!」

ドドドドド ドドド

美希「わかってるでしょ? 千早さん…」

千早「美希…あなた…」

美希「同じ『スタンド使い』として」

ドドドドド

666: 2013/01/01(火) 02:36:30.44 ID:eC8BvKhUo
千早(『スタンド』を見せてきた…)

美希「ミキの『リレイションズ』♪ オシャレでしょ」

千早(美希と同じような身長と体格…『近距離パワー型』…かしら)

千早「戦う…理由は…?」

美希「千早さんが響を倒したから…かな」

千早「!」

千早(私を襲ってきた我那覇さんの『仲間』…)

千早「我那覇さんの敵討ちと…そういうわけ…?」

美希「んー…それもあるけど、違うカナ」

ドドドドド

美希「ミキね、ミキの『リレイションズ』がどこまでイケるのか試してみたいの」

ドドド

美希「千早さんのスタンド…響を倒せるってことは、スッゴイ強いってことだよね?」

ドドドドド

美希「だから…ミキが倒す」

・ ・ ・ !

千早「『ブルー・バード』!!」ドォン

イィン

美希「あはっ、千早さんのスタンド、ちっちゃくて可愛いの♪(あんま強そうじゃないケド)」

千早「くっ」

668: 2013/01/01(火) 02:37:28.73 ID:eC8BvKhUo
美希「………」カツ…

千早「………」スッ…

カツ カツ カツ

スタ スタ スタ

ピタ…

シィーン…

美希「………」

ドドド ドドド

千早「………」

ドドドド ドドド

グ…

千早「!」サッ

ゴォッ

バ ギ ャ ァ ァ ァ ァ ン

千早「う…ぐ…っ!?」グォッ

バガン!!

美希「あはっ」

689: 2013/01/11(金) 23:31:44.43 ID:KxUXOFQMo
………

伊織(貴音が見つけたという『もう1人』…)

伊織(一体、誰なのかしら…あずさは…違うわよね、真の話もある)

伊織(千早…? 『やよいを操った奴』がそうである可能性もあるけど、なんだかんだで千早が一番可能性が高い気がする…)

伊織(…貴音を信頼している、そう思ったばかりだというのに…)

伊織(気になって仕方ないわ…! 貴音、連れて来られるわよね…!?)

やよい「伊織ちゃん?」ヒョコ

伊織「うひっ!? や、やよい…」

やよい「どーしたの、難しい顔してるよ?」

伊織「え、ええ…ちょっと考え事を…やよいは…?」

やよい「あ、今ちょっと真さんと話してて…」

真「へへへ…やぁ、伊織」ニコニコ

伊織「…上機嫌ね、真。なんかいいことでもあった?」

真「ええ? あはは…やっぱり、顔に出ちゃうかな?」

伊織(こっちは色々悩んでんのに、能天気な奴…)

691: 2013/01/11(金) 23:39:39.61 ID:KxUXOFQMo
伊織「その顔…何かいいことでもあったわけ?」

真「えっと、何かって言うと…えへへへ…」ニヤニヤ

伊織「…やよい、何があったのか教えてくれる?」プイッ

やよい「真さん、今度放送されるドラマの主演に決まったんです!」

真「あ、男性役じゃあないよ! ちゃんと女性役!」

伊織「ドラマの主演女優ね…へぇ、アンタもようやくそこまできたわけ」

真「う、上から目線だなぁ…もっと素直に『おめでとう』って言ってくれてもいいじゃあないか」

伊織「ま、せいぜい頑張りなさいよ。成功したらその時言ってやるわ」

真「ああ! 最近ドタバタしてたからね、ここらでバリバリ気合い入れていかないと!」

伊織「なんだ、元気そうじゃない。亜美真美の件はもういいのね」

真「え、何が? ………」

真「………」

真「あああ…」ドヨォン

やよい「はわっ!? ま、真さん…大丈夫ですか!? 頭痛いんですか!?」

伊織「うわっ、再発した…余計なこと口走るんじゃあなかったわ…」

693: 2013/01/11(金) 23:42:22.75 ID:KxUXOFQMo
真「くぁーっ…聞いてよ伊織、やよい…あれ以来双子の距離が露骨に遠いんだよ…」

伊織「知らないわよ、アンタの自業自得でしょうが。そこまで面倒見きれないわよ」

真「そりゃ、あんな暴力振るってくるようなヤツ、怖がって当然だよなぁ…」

やよい「えっと…私、画面でしか見てなかったからよくわからないんですけど…」

やよい「真さんは怖くないです! すっごい優しいですよ!」グッ

真「ありがとうやよい、少し心が軽くなったよ…」ズーン

伊織「はぁ…」

伊織「落ち込むのは勝手だけど、仕事貰ったんでしょ? そこに持ち込むのはやめなさいよね」

真「それは…わかってるけどさ…」

伊織「はいはい、亜美とは今度私が話しておくわよ。アンタがそんなんじゃ765プロの評判にも関わるじゃないの」

真「え、あ…うん」

やよい「ふふ…」

伊織「…何笑ってんのよ、やよい」

やよい「えへへ、なんでもないよ!」

伊織(貴音といいやよいといい…何なのよ、もう…)

695: 2013/01/11(金) 23:42:47.92 ID:KxUXOFQMo
伊織(貴音か…)

伊織「ねぇ、やよい…真…」

やよい「?」

真「どうしたの?」

伊織「…いえ、やっぱりいいわ」

伊織(やよいに話したところで、私が何かできるわけでもない…)

真「伊織、なんか悩みでもあるのかい?」

伊織「別に悩みってほどじゃないけど…」

やよい「伊織ちゃんが言いたくないなら、言わなくていいと思うけど…」

やよい「言いたいのにガマンしてたら、よくないかなーって」

伊織「………」

伊織「そうね。その通りだわ」

真「何かあったのか、伊織」

伊織「それは…貴音のことなんだけど…」

………

………

697: 2013/01/11(金) 23:43:40.73 ID:KxUXOFQMo
真「『もう一人』が見つかった…んだ…」

やよい「うー、考え事ってそのこと?」

伊織「まぁ、そうね…」

真「よし、ボクも助太刀に…」

伊織「だから、一人で行かなきゃだって言ったじゃない。話聞いてないでしょあんた」

真「冗談だよ。それにしても、その相手も心配性と言うかなんと言うか」

やよい「伊織ちゃんは、貴音さんが心配なの?」

伊織「心配と言うか…」

真「もどかしいのかな。自分は何もできないってのが」

伊織「………」

やよい「伊織ちゃん…」

真「…伊織はさ、貴音さんは失敗すると思う?」

伊織「そんなことないわ、想像もできない」

真「そうだよね。ボクもそう思うよ」

699: 2013/01/11(金) 23:44:19.05 ID:KxUXOFQMo
やよい「貴音さんなら、きっと大丈夫です!」

真「そうだよ、上手くいくはずさ」

伊織「楽観的ね…アンタ達は心配にならないの…?」

真「ならないよ。伊織が貴音さんは失敗しないって言ってるから」

伊織「は」

やよい「伊織ちゃんは、できることがないって…それが不安なんだよね」

真「それだけで…貴音さんが心配なわけじゃあないんだろ?」

伊織「………」

真「ボクは伊織のことを信頼してる。だから伊織が上手くいくって言うならボクもそれを信じる」

伊織「そ…」

伊織「…そういうこと、本人の前で軽々しく言うもんじゃあないわ…」プイ

やよい「そうかな? 言わなきゃわかんないことってあるかも」

やよい「私も、伊織ちゃんのこと、しん…しん…信じてるよ!」

伊織「やよい…」

真「あれ、ボクは?」

701: 2013/01/11(金) 23:46:50.63 ID:KxUXOFQMo
真「信じて待つことも、ボク達にできることなんじゃないか」

伊織「信じて待つ…か」

やよい「うん!」

真「うじうじ悩んでても何も意味なんてないよ。なら、いっそ考えるのをやめた方がいい」

伊織「…誰がうじうじ悩んでるですって?」

真「お」

伊織「はぁ…思えば、我ながらくだらないことを考えてたわね」

伊織「そうよ、最初から貴音がやるって言ってるんだから任せればいいじゃない。にひひっ」

やよい「伊織ちゃん!」

真「よかった、悩みはもう解決したみたいだね」

伊織「まったく、大げさね。アンタだって双子のことでうじうじ悩んでるくせに」

真「う…それは伊織がなんとかしてくれるって…」

伊織「アンタの問題なんだから、アンタの方もちゃんとやりなさいよ」

真「はい…ん…? あれ?」

703: 2013/01/11(金) 23:47:51.30 ID:KxUXOFQMo
伊織「で、これからどうするわけ?」

真「どうするって?」

伊織「仕事の話よ。番組出演が決まったのに、遊んでるわけないでしょ?」

真「当然。本格的に撮影するのはまだ先だけど…これからスタジオに行って練習するつもりさ」

やよい「私も、一緒に行こうかなーって」

伊織「なら、私も付き合うわよ。この伊織ちゃん大先生がアンタの悪いところを隅々まで探してやるわ」

真「ええ? なんだよ、それ…」

伊織「あら、文句言うわけ? むしろ感謝してほしいくらいよ」

真「ま、いいか。確かに伊織にも見てもらった方がよさそうだ」

やよい「えへへ、なんだか賑やかです!」

伊織(もう考えるのはやめたわ。アンタのこと…今度こそちゃんと、信じて待つことにする)

伊織(だから…いい報せを期待してるわよ、頑張りなさいよね貴音)

真「ところで、伊織って最近仕事はないのかい? なんか、いつも事務所にいる気がするけど」

伊織「ん? 何かしら、なんか今凄い生意気なこと言われた気がするんだけど?」

伊織「気のせいよねー、この売れっ子アイドルの伊織ちゃんに向かってそんなこと言うヤツがこの世にいるわけないし?」

やよい「伊織ちゃんはレギ…レユ…いっつも出てる番組あるから大丈夫ですよー」

真「…そうみたいだね」

705: 2013/01/11(金) 23:50:03.51 ID:KxUXOFQMo
………

……

ズリ…

千早「うっ、く…」

千早(同時に手を出したのに…)

美希「ふふん、ミキの『リレイションズ』の方が速かったね」

千早(いや…でもスピード自体は私の『ブルー・バード』を大きく上回っているというわけではない)

千早(我那覇さんの『トライアル・ダンス』と比べれば蠅が止まるようなレベルだわ)

千早(それに、パワーもあずささんの『ミスメイカー』に比べれば弱い。これなら『ブルー・バード』を『重く』すれば…)

<LOCK!

・ ・ ・ ・

千早「! これは…!?」

千早(殴られた部分に、うっすらと円形のマークが浮かんで…)

美希「今ので…千早さんの肩に『ロック』したよ」

千早(『ロック』…? どういうこと…?)

707: 2013/01/11(金) 23:52:48.09 ID:KxUXOFQMo
クイッ グイ

千早(腕は動く…『ロック』とは『ミスメイカー』のように動きを封じるというわけではなさそうね…)

千早(ならば一体…)

美希「一気に行くよ! 『リレイションズ』!!」ズズッ

千早「そうはさせないわ」ガッ

ヒョイ

美希「! ロッカーがカンタンに…響が言ってた『軽く』する能力…」

千早(ロッカーを『軽く』したわ。これで美希の視界を封じ、下から…)グアッ

千早「『ブルー・バード』!」ドォッ!!

美希「…えいっ!!」バシュ

千早(そっちではないわ、美希。どこを狙って…)

クオン…

千早「…!?」

ヒュッ

バキィ!!

千早「ぐぅっ!?」ズサッ

709: 2013/01/11(金) 23:55:03.75 ID:KxUXOFQMo
スタァ

千早「ぐ、げほっ、がほっ…」

千早「い…今のは…!?」

美希「うーん、これジャマなの!」グイッ

千早「美希から、私の姿は見えないのにどうして攻撃が…」

千早(『ロック』というのは…まさか、美希のスタンドは…)

美希「どーせ、すぐわかることだから言っちゃうけど…」

美希「これがミキの『リレイションズ』の能力だよ。『ロック』したトコロにもう一度パンチできるの」

千早「は?」

千早「…えーと…スタンドの攻撃が誘導ミサイルのように『ロック』した部分に自動的に引き寄せられる…ということよね」

美希「そうとも言うの」

千早「………」ス…

美希「ま、そんなワケだから…見えなくても、方向さえ合ってれば…」ボヒュ

千早「『ブルー…」

グシャァ!

千早「かふっ…!!」ズギン

美希「ゼーッタイ外すことはないの」

711: 2013/01/11(金) 23:57:07.04 ID:KxUXOFQMo
千早(今の攻撃…ちゃんと見てみると、最初よりも速かった…)

千早(『ロック』した分引き寄せられる…ということもあるのでしょうけど…ためらいが一切ない!)

千早(撃てば当たる…何も考える必要がないから、その分攻撃の速度が速くなるのね…それに…)

千早「今のダメージ…だんだんと重くなっている…」ビリビリ

美希「あ、わかった? 『ロック』した場所を殴ると、ダメージが増えるの」

千早(私は最初に『ロック』された部分しか殴られていない…)

千早「『ロック』の数は増えていない…しかし、この衝撃は…」

美希「そう、同じ場所を殴っても、重ねて『ロック』されるんだよ」

千早「…ということは…」

美希「殴れば殴るほどお得なの!」

千早(つまり、次に肩…同じ所を殴られたら、単純にダメージは『4倍』! ということ!)

千早(今はそこまでの『パワー』はない…)

千早(けれど、多く攻撃を受ければ…)

千早(一発一発が致命傷になりかねない…!)

713: 2013/01/11(金) 23:59:04.12 ID:KxUXOFQMo
ズザッ

千早(とりあえず…美希の間合いに入っているのはまずい…)

ババッ

千早(美希のスタンド…『射程距離』はどれくらいなのかしら)ピト

ゴゴゴゴ ゴ ゴ

千早(壁から『重量』を『奪う』…恐らく、これで向こうよりパワーを出せるわ…)

美希「ふふん、逃がさないの」

カツ カツ

千早(この距離で、わざわざ自分から歩いて近づいてくる…スタンドを出せる距離は相当短いようね)

美希「なのっ!」ゴォ

千早「そこよ」スッ

パシィ!

美希「あ!」

千早(止められた…)

715: 2013/01/12(土) 00:00:31.16 ID:ntViEotto
バッ

千早「あっ」

千早(距離を取られたわね…できれば捕まえておきたかったのだけれど、まぁいいわ)

美希「わ…」フワ

美希「うわ、ホントーに『軽く』なってるの…」フラフラ

千早「『ブルー・バード』…私の体を『重く』したわ。パワーは私の方が上」

千早「攻撃がこの『ロック』した部分に来るとわかれば、受け止めることは容易よ」

千早「そして、あなたの体を『軽く』した。これで…」

<LOCK!

・ ・ ・ ・

千早「…!」

美希「受け止める、ってことは…触るってこと…だよね? 千早さん」

千早「『手のひら』に『ロック』したのね…」

千早(私の手のひらにもマークが浮かんできた…スタンドを『ロック』すれば本体にも影響が及ぶ…)

千早「しかし、その『軽く』なった体では上手く動けないでしょう。『パワー』もさらに低下している」

美希「問題ないってカンジ。これで『ロック』は二カ所…千早さんの方が不利なの」

千早「………」

717: 2013/01/12(土) 00:02:04.45 ID:ntViEotto
フワ フワ

千早(美希は今、足がつくかつかないかの状態…移動もままならないはず)

千早(そして、あの『射程距離』…攻撃のためには近づかなければならない)

美希「あはっ、なんかちょっと楽しいカモ」フワッ

千早(だけど…何? あの美希の余裕は…)

美希「『リレイションズ』!」ヒュッ

グッ!

千早「!?」

ゴォッ

千早(! 私の『ロック』した部分に自分を引っ張らせて…飛んできた!?)

美希「えいっ!」ゴォッ

千早「くっ!」ヒュッ

美希「よっと」キュイン

千早「え?」スカッ

千早(手の方の『ロック』を使って空中で方向転換を…)

ピシッ!

<LOCK!

美希「もーひとつ。今度は足なの」

千早「くっ…」

719: 2013/01/12(土) 00:03:45.10 ID:ntViEotto
美希「ドンドン『ロック』を増やしていけば…」

美希「このままでもけっこーダメージは与えられるって思うな」フワリ

千早(美希を捉えにくい…『軽く』したのが仇になったわね…)

千早(『ロック』が一カ所ならばまだなんとかなるのだけど)

美希「それっ」グイッ

千早(ならば…美希が近づいてきたら…)

美希「えいっ! なの!」ゴォォ

千早(能力を解除する)

スゥ

美希「えっ?」ズシッ

千早(そこに…)

千早「『ブルー・バード』!」ヒュォッ

美希「うぇっ!?」ボギャ

ククッ

千早(くっ、入り方が浅い…『軽』かったわ…)

721: 2013/01/12(土) 00:04:58.94 ID:ntViEotto
ビュゥ

千早「!」パァン

美希「ふふん」

千早(ここで反撃…抜け目ないわね)ビリッ

千早(けれど、皮膚の厚い手のひらで受け止めれば『倍』になっても痛みはそれほどでも…)

千早「え」ズキッ

千早「がっ、うぁぁ…!?」ビリビリビリ

千早(肩と、足に…! 殴られた衝撃が…!!)

美希「『リレイションズ』。同じ千早さんの体なら…」

美希「『ロック』したトコロを殴れば『ロック』した部分全体にダメージが行く」

美希「防ぎたいなら、『ロック』されてない別の場所に当てないとって思うな」

千早「な…んですって…」

美希「『重さ』が元に戻った。またフルパワーなミキなの」

美希「それと、今の攻撃…さっきミキの攻撃を止められた時はなんか『ヘビー』ってカンジだったけど…」

美希「千早さんのスタンドって『軽く』してるんじゃなくて…『重さ』を『奪って』るんじゃないかな? 違う?」

千早「………」

723: 2013/01/12(土) 00:06:47.38 ID:ntViEotto
ツカ…

美希「千早さん、まるで逃げるみたいに戦うんだね」

美希「それでホントーに響を倒したの? なんかガッカリってカンジ」

千早「………」

千早(好き勝手言ってくれるわね。しかし近距離ならば美希の方が圧倒的に有利…)

千早(どうする…? 半端な小細工では美希には通用しないわ…)

美希「行くよ!」ドォ

千早「考えてる時間は…」フ…

美希「ん!」フラッ

千早「ないようね…」フワ…

美希「外した…『リレイションズ』が…」

千早「『体重』を空気と同じくらいに軽くした…あなたの攻撃は当たらないわ」フワフワ

美希「ふーん…」

千早(さぁ、どう出るかしら…美希)

美希「『体重』がないってことは、そっちから殴られてもゼーンゼン痛くないってことなの」

美希「押し付ける『重量』もないから、ミキの体重を『奪っ』て『軽く』することしかできないってことなの」

千早「………」

725: 2013/01/12(土) 00:08:52.42 ID:ntViEotto
スッ

美希「ミキは『ロック』された部分に…」ジ…

美希「亀が歩くように…千早さんがタンポポの綿毛みたいに飛んでいっちゃわないように…」ジリ…

美希「ゆっくりと腕を伸ばせばいい」スーッ

ゴゴゴゴ ゴゴ

千早(ゆっくり…近づいてくる…)

美希「そっちから触って、ミキの体重を『奪う』…そうしてもいいよ」ズ…

美希「千早さんの体重が殴れるくらいまで戻った瞬間…」ズズ…

美希「ミキの『リレイションズ』を叩き込む」

ズズズズズズズ

ゴクリ…

千早(タイミングを…『ブルー・バード』がすぐに出せる距離に来るまで待つ…)

ジ…

千早(ここ…!)ス…

美希「そこなの」カッ

ドゴァ!!

千早「うっ、ぐうぅっ!?」グギャッ

バリバリバリ

ドサァ

727: 2013/01/12(土) 00:11:07.63 ID:ntViEotto
美希「体重を元に戻す…」

美希「そう来ると思ってたよ。今千早さんができることなんて、それしかないから」

美希「だから、千早さんが体重を戻した瞬間に『リレイションズ』を叩き込んだ」

美希「えーと、こういうのなんて言うんだっけ…ユーゲンジッコー? だっけ?」

千早「み…美希…」

千早(『ロック』するという能力だけあって動きが超正確…その反応速度で『ブルー・バード』より先に攻撃を加えてきた…)

千早(超シンプル…だから、強い…)

美希「そして、もう一回! なの!」ギュン!

千早(う…)ギュッ

スッ

メキャ

千早「…え?」ブシュッ

ズ…

ゴゴゴゴ ゴゴ

美希「あ、千早さんのスタンドの顔…仮面に当たった…」

美希「でも…おんなじことか。スタンドへのダメージは本体へのダメージなの」

美希「千早さん、鼻血出てる」

タラ…

ゴゴゴゴゴ

千早(『ブルー・バード』…今、かばったの、私を…?)

…ピシ…

729: 2013/01/12(土) 00:13:16.42 ID:ntViEotto
本日分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

>>686
どんな者だろうと人にはそれぞれその個性にあった適材適所が云々
子供が遊びで話す「スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?」のレベルで言えば、みんな言ってますけどセガールが最強ですね

755: 2013/01/15(火) 01:43:20.11 ID:rwaYDOVLo
タラ…

千早「『ブルー・バード』…」グイッ

千早(あなた今…動いたの? 自分の意志で…)チラ…

………

千早(反応はない…何だったの、今のは…?)

美希「右肩、右手、左足、そして顔。これで『ロック』は4つ…順調なの」

千早「くっ…」

千早(自分を『軽く』して回避する手段は、美希には通用しなかった…)

千早(近くにいるのはまずい…距離を…)タッ

美希「逃がさないよ」グイッ

ズイ…

・ ・ ・

千早(逃げようとしても、私につけた『ロック』で自分の体を引き寄せてくる…)

美希「『リレイションズ』!」バァン

千早(距離をとらせても…くれないのね)

757: 2013/01/15(火) 01:45:38.69 ID:rwaYDOVLo
ゴォォッ

千早(『スピード』はほぼ互角、美希のスタンドが正確無比な動きをするというのなら…)

千早(こっちはスタンドパワーをスピードに集中させれば…)

千早「はっ!!」バヒュ

美希「!」

チリッ

・ ・ ・

千早(外した…)

ドグォ

千早「がふっ」

ウィン…

ガシュ ガシュ ガシュ ガシュ

千早「きゃぁぁぁぁああああああああ」バァン!!

ドサァ

美希「ふーん」

759: 2013/01/15(火) 01:46:23.69 ID:rwaYDOVLo
千早「う、ぁ…」ズキズキ

千早(どんどん、ダメージが大きくなる…)

美希「1メートル」ズッ

千早「…う…」チラ…

美希「ミキの『リレイションズ』を出せる距離は1mくらいなの」

美希「でも、その中なら…誰にも負けない」

千早(今度は…外さない、ド真ん中に突っ込ませる…)

美希「行くの!」ダッ

千早「来なさい…『ブルー・バード』!」ビュッ

ゴォォォォ

美希「…なーんて」クイ…

スッ

千早「うっ!?」スカッ

美希「ふふん」

761: 2013/01/15(火) 01:48:01.50 ID:rwaYDOVLo
千早(くっ…読まれていた…)

美希「わっと」グラッ

千早(だけど、美希は今のでバランスを崩した!)

バシュ

美希「そんなの当たらないの」グッ

スッ…

千早「はっ!?」ブオン

千早(この距離で…あの体勢から避けられた…これは)バッ

キィーン…

千早(壁に『ロック』のマークが…これに引っ張らせている…!?)

クンッ

美希「なのっ!」ビュォ

ドゴォォ

千早「うっ」ビシッ

千早(ボクサーがリングのロープを利用するように…背後の『ロック』で反動をつけ、私につけた『ロック』に攻撃を…)パリッ

美希「えりゃっ!!」ヒュン

千早「がっ」ドボォ

千早「ああああああああああああ」バリバリバリバリ

763: 2013/01/15(火) 01:49:53.03 ID:rwaYDOVLo
美希「あはっ」

千早(『強』… ………)フッ

千早(『すぎる』…)ズル…

ガクン

千早(『ブルー・バード』は確かに成長している…)

美希「今、ちょっとかすったけど…」

美希「その程度? これなら響の方がゼンゼン強かったの」

千早(だけど…美希の『リレイションズ』はそれとは比べ物にならないほど、強い)

千早(私の『ブルー・バード』がまるで子供扱い…全然敵わない…)

美希「ま、でも…響がやられたってのはジジツみたいだし」ズズズ

千早「………」

美希「千早さんは『再起不能』させてあげるの」フ…

ドヒュ!

ゴォォォォォォ

765: 2013/01/15(火) 01:50:42.02 ID:rwaYDOVLo
千早(駄目…やられる…)

千早「くっ」ギュッ

ガシィ!!

美希「ん!」

千早「え…?」パチ…

シュゥゥゥゥ…

ドドドド ドド

千早「『ブルー・バード』…」

ドドドドド

<LOCK!

美希「へぇ、まだ守る余裕はあるんだね千早さん」

千早(また、『ブルー・バード』が勝手に…)

シン…

千早(私に諦めるなと…戦えと、そう言うの…?)

767: 2013/01/15(火) 01:51:50.51 ID:rwaYDOVLo
美希「ふっ!」ゴォォ

パシッ

<LOCK!

美希「これで両手…『ロック』したの。もう手で受け止めたりできないね」

千早「…わかったわ」

美希「へ? 何が?」

ドド

千早(私がここで諦めたら、春香を止めることはできない)

ドドドド

千早(今までやってきたこと…あずささんの想いも無駄になってしまう)

ドドドドドドド

千早「あなたを倒すわ、美希」

美希「千早さん…?」

美希(目つきが変わった…)

769: 2013/01/15(火) 01:52:37.59 ID:rwaYDOVLo
千早「行け…!」ヒュン

ゴオオ

美希「真っすぐ来ても、ミキには効かないよっ!!」シュッ

スッ

美希「!?」

ガギャァ!!

ミシミシミシ

<LOCK!

美希「なっ…」

千早「『ロック』された部分でなければ…」

美希(自分の腕で、スタンドへの攻撃をかばって…)

千早「防ぎたいなら、別の場所に当てないと…でしょう、美希…!」

美希「う…」

千早「叩き込めッ、『ブルー・バード』ッ!!」ドヒュッ

美希「ーッ!!」ボゴォォ

771: 2013/01/15(火) 01:53:11.73 ID:rwaYDOVLo
美希「く…!」ズザザザ

千早(今度こそ入った…だけど『ロック』はこれで両手両腕…ダメージも大きい…)

クラ…

美希「………『軽く』も『重く』もなってない。どういうつもり、千早さん…」

千早「『軽く』してもあなたには無意味…」

千早「『重く』するのも、限界がある。下手に『重く』しては『リレイションズ』のパワーを上げるだけ」

千早「正面から挑み、倒す…これしかないと思ったのよ」

美希「それは…できるの?」

千早「わからないわ、そんなこと」

美希「………」

千早「………」

ズォッ

ドシュゥゥゥッ

千早「…!!」ビリッ

773: 2013/01/15(火) 01:53:54.28 ID:rwaYDOVLo
バァッ

美希「『リレイションズ』! 両腕への衝撃でガードを空けた!」

千早「ぐあっ」バリバリバリバリ

美希「がら空きなの!」ヒュォッ

千早「………」カッ

ドッガァァーン

美希「ぶっ」

千早「手足を封じても…」

美希「うげぇぇぇえっ」

千早「頭は出るわ、美希…」

美希「うーっ、うーっ…」バタバタ

美希「ふー…なりふり構わないね、千早さん」

千早「なりふり構っていたらあなたには勝てないと思ったから」スッ

775: 2013/01/15(火) 01:54:50.13 ID:rwaYDOVLo
ススス

美希「離れて『ロック』を解除するつもり…?」ゴシゴシ

美希「逃がさないの!」タタッ

千早「違う…」ユラ…

フッ

美希「また自分を『軽く』…なら、『リレイションズ』で!」ス…

千早「…もっと『軽く』する」

ブワッ!!

美希「!」

クル! タッ

美希(天井にくっついて…逆さまなの)

バ!

千早「そして、ここで『重く』する…!!」キュゥゥゥ…

ダッ

ゴォォォォォオォ

美希「上から攻撃…か!!」

千早「行け…!」シュボ

777: 2013/01/15(火) 01:55:23.66 ID:rwaYDOVLo
美希「『リレイションズ』! 腕を挟み込んで…」ガバッ

千早「おおおっ!」

美希「潰すッ!!」ドォン

グギャン

千早「っ!!」ガガガガガガ

美希(重…)

ズズ ザ ザザザ

美希(止まら…ない)

千早「んあっ!!」ドボォ

美希「うげっ」ボゴォ

ギャギギギギ

千早「うおおおおおおおおお」

ズガン

ドッバァァーッ

779: 2013/01/15(火) 01:55:40.96 ID:rwaYDOVLo
美希「あうっ」ガシャン

千早「うあっ」ガギッ

バリバリバリバリ!

千早「ーーーーーっ!!」ギュゥゥゥゥ

ガチ! ガチ! ガチ!

千早「はぁっ、はぁっ!」

美希「う…うぅ…っ」フラフラ

美希「ふっ!」スタッ

千早「ゼェ、ハァ…」

美希「千早さん…今のは効いたよ…」

千早「ハァーッ、ハァーッ」

美希「だけど…千早さんの方がもっと効いてるよね。もう『ロック』は全身についてる」

千早「フゥッ、フゥ…」

781: 2013/01/15(火) 01:56:06.09 ID:rwaYDOVLo
美希「このままだと、千早さんの方が先に倒れる」

美希「ミキにもダメージはある。でも、『リレイションズ』で受けるダメージは千早さんの方が大きい」

美希「ヤケになっても余計に傷つくだけなの」

千早「……… そうかもしれない…」

千早「だけど…私は立ち止まるわけにはいかないのよ」

美希「………」

千早「自分のためにも…春香のためにも」

美希「…千早さん」

千早「行くわよ、『ブルー・バード』…!!」

シン…

千早「………」

千早「…え?」クル

ブラン…

千早(『ブルー・バード』が…動かない…?)

ピシ…

783: 2013/01/15(火) 01:56:23.82 ID:rwaYDOVLo
パラ…

千早「!」

ピキ! ビキビキビキ

千早(『ブルー・バード』の仮面に、ヒビが…)

パリン

ポロ…

ガシャン!

千早「割れた…」

サラ…

千早「あ…!」

サラサラサラ…

千早「あああ…!!」

千早「く…崩れていく…『ブルー・バード』の体が…!!」バッ

千早「あ…」サラ…

千早「あああああああああ…」スルスルスル

千早(砂のように…指の間から落ちていく…!)

千早「そんな…」

千早「『ブルー・バード』が氏んでしまった…!!」

785: 2013/01/15(火) 01:57:07.61 ID:rwaYDOVLo
美希「うーん…」

千早「もう、ボロボロなのに無理をさせてしまった…私の『ブルー・バード』が…!」

美希「本当に、氏んだのかな?」

千早「え…?」チラッ

美希「スタンドのダメージは本体のダメージ…」

美希「本当に氏んだなら、千早さんも氏なないとヘンだって思うな」

千早「なら、これは一体…」

シュボ!

千早「!?」ビクッ

美希「!」

ゴオッ

メラメラメラメラ

千早「火…?」

美希「千早さんのスタンドが『燃え』てる…」

ォォォオオォォ…

千早(『ブルー・バード』の残骸が…炎に飲み込まれていく)

787: 2013/01/15(火) 01:57:28.40 ID:rwaYDOVLo
ビキ!

千早「!」

ヒュゥゥゥゥ…

美希「何、この風…『寒い』…」

ビシ ビシ ビシ ビシ

千早(今度は『凍って』いるの…? 炎が『凍り』付いて…)

ビキ ビキビキ

千早(形になっていく…)

パラ…

千早「これは…」

ゴゴゴゴ ゴ ゴ

美希「変わった…大きくなったの」

プシュゥゥウゥーッ

コォォォォ…

ゴゴゴゴゴ

ゴゴ ゴゴ ゴゴ

美希「千早さんの…新しい『スタンド』…?」

千早「新しい…『ブルー・バード』…!?」

789: 2013/01/15(火) 01:59:02.69 ID:rwaYDOVLo
スタンド名:「リレイションズ」
本体:星井 美希
タイプ:近距離パワー型・標準
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m) 能力射程:D(5m)
持続力:A 精密動作性:A(やる気がない時E) 成長性:B
能力:殴った対象を「ロック」し、狙った相手は逃がさない美希のスタンド。
「リレイションズ」の攻撃の軌道は自身がつけた「ロック」に、引っ張らせるように向かわせることができる。複数の「ロック」があっても方向は自由。
一度「ロック」してしまえば、相手に対し思い切った行動が出来るため、肉体的にも精神的にも本来よりも上のパワーやスピードが出せる。
また、「ロック」した部分へのダメージは他の「ロック」した部分に拡散し、一カ所に複数の「ロック」があればダメージが倍増したり、別の部分にもダメージを与えることができる。
射程距離はかなり短いが、その分精密な動きをする。また、「ロック」を重ねることでその破壊力とスピードは際限なく上がっていく。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

本日分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

822: 2013/01/26(土) 01:51:19.44 ID:315TVhGko
ドドドドド ド ド

美希「変わった…」

美希「千早さんのスタンドが、『成長』したの…?」

シュゥゥゥゥ-ッ

千早(腕についている『穴』から、煙が吹き出ている…)

スラァ…

千早(以前とは、姿形がまるで違う! これが、本当に…)

グッ

シュババババ!

美希「!」ピクッ

シュー シュー

コォォォォ

千早「………」

千早(動く…)

ドドドド ドドド

千早(やはり、あなたなのね…『ブルー・バード』)

824: 2013/01/26(土) 01:52:47.51 ID:315TVhGko
ビュ!

バ! バ! クイッ

ピタ…

千早「………」

美希「ミキを無視して何やってるのかな、千早さん」

千早「素振り…みたいなものかしら」

美希「千早さんの新しいスタンド…」

美希「スタンドの大きさは『コドモ』から千早さんくらいの『オトナ』っぽい体格に変わってるけど…」

美希「本体の千早さんは変わってない。『ロック』した部分もそのままなの」

千早「そうね。能力が解除されたわけでも、傷が治ったわけではない。だけど…」

ドドドドド

千早「あなたには負けられない。行くわ…美希」ズズ…

美希「負けられないのはこっちも同じなの」

ドド ドドドド

美希「『リレイションズ』!」

ギャン

826: 2013/01/26(土) 01:53:21.38 ID:315TVhGko
千早(『軽い』わ、とても…『重量が』じゃあない…)

美希「おおおおおお」ゴォォォ

千早(何かしら、今まで体を縛っていた何かが消え去ったような…)

美希「そこっ!」ゴオ!

千早「そんな、気分」

ヒュ

・ ・ ・ ・

ズバァ!!

美希「…え?」

グシャ メシャ

美希「うっ!? あぐっ…?」ズババ

美希(腕が…一瞬で攻撃を叩き落とされた…)バギャォ

ガクッ

千早「遅いわ…美希」

828: 2013/01/26(土) 01:53:37.13 ID:315TVhGko
美希「『速い』…」

美希「それに『重い』! 指先がぶつかっただけなのに、パワーが全然違う…!」

千早「それだけではない」

ジュゥッ

美希「熱っ!?」ブンッ

千早「空気中の『熱』を集め…あなたに『与え』た」

美希「あ…『熱い』! 右手が焼ける…!」ジュウウゥゥ

千早「このスタンドは『重量』ではなく『温度』を『奪い』『与える』ようね」

美希「ふーっ、ふーっ…」シュゥゥ…

美希「そのスタンドは、一体…」

千早「熱を奪って『凍らせ』…熱を与えて『焼き尽くす』…」

千早「進化した『ブルー・バード』…」

千早「地獄の業火…灼熱の炎。名付けるならそう、『ブルー・バード・インフェルノ』」

美希「ち、千早さん…」

千早「何かしら」

美希「いや、なんでもないの」

830: 2013/01/26(土) 01:54:11.78 ID:315TVhGko
ズキン ズキン

美希(うぅ、ヒリヒリする…)

千早「熱はすぐに逃げる。だけど、それによってつけられた『火傷』はいつまでも残るわ」

美希「…こんなの、大したことないの」

千早「そう。それなら、今から大した痛みにしてあげるわ」

コォォォォ

美希(腕から…白い空気が出てる)

チリ…チリ

美希(外に冷たくして、腕をあっためてるの…?)

千早「………」

美希(だったら、『熱く』なる前に攻撃すれば!)

美希「えりゃっ!!」ズオン

グワン

千早「ふっ!」ギュン!

美希「ッ!」クンッ

ザザッ

千早「…!」ピタッ

832: 2013/01/26(土) 01:54:42.61 ID:315TVhGko
美希(動いた瞬間そこを攻撃してきた…やっぱり、前とは桁違いの『スピード』なの…)

美希(それに、『熱く』なりきらなくても『パワー』は充分…前よりすごくパワーアップしてる…)

美希(その代わり、弱くなった部分もあるケド。それは…)

千早(私が攻撃したと見れば攻撃を止め、回避に移る…『リレイションズ』の正確性、やはり単純なスピード以上のものがあるわ)

千早(そして、このスピードを避けるのね…『反応速度』が尋常じゃない…)

千早(対して、こちらの『インフェルノ』…全体的な能力は遥かに上がっている。しかし…)

千早・美希((『射程距離』!))

美希(前のと比べれば、すっごく短い…ミキの『リレイションズ』よりちょっと長いくらいなの)

千早(『インフェルノ』が届くのは『2mまで』ってところね…)

千早(だけど、これなら…近接戦闘ならこっちのスタンドの方が強い。充分勝てるはず)

美希「………」サッ

千早「?」

千早(美希が距離を取った…どういうつもり?)

834: 2013/01/26(土) 01:55:15.11 ID:315TVhGko
千早(『リレイションズ』の射程距離は1m…そこからでは攻撃はできないでしょう)

美希「これを使うことになるとは思わなかったケド…」ゴソゴソ

ジャラ…

千早「…何、それは」

美希「とっておきなの」グッ

バッ

ジャラララァーン

千早(ビーズ…? 大量のビーズを投げてきた…)

ドォォォォォ

千早(当たっても痛みはないだろうけど…一応、避けた方がよさそうね)スゥ…

グイィーン

千早(! 避けても私の顔の『ロック』に向かってきている…こういうこともできるのね)チラ

美希「ふふん」

千早(美希は動かない…隙を作ったり、そういうことが目的ではない…これ自体に何かあるのね)

ォォォォオオ

千早(『ロック』に向かって自動的に追ってくるのなら、部屋の中では逃げ切れないわ…叩き落とす)

千早「『インフェルノ』!!」ドォン

836: 2013/01/26(土) 01:56:23.20 ID:315TVhGko
ズババババババババババ

パラ…パラパラ…

千早「………」

<LOCK! LOCK! LOCK!

千早「…!!」

千早(これは…! ビーズを叩き落とした腕に新たな『ロック』が…!)

美希「『リレイションズ』が投げたものは、(勢いがなくなるまで)勝手に『ロック』に飛んで行って…」

美希「飛んだものについていた『ロック』は、当たったら一つにまとまるの!」

千早「これが…あなたのとっておきなのね…」

美希「そうだよ。今ので、けっこーいっぱい『ロック』がついたと思うけど」

千早「………」

美希「攻撃しなよ、千早さん。そのスタンドで」

千早「はぁっ!!」ヒュ

美希「なのっ!!」ドォン

ガキン!!

千早(ぶつかった!? 『インフェルノ』のパワーと正面からやりあうつもり…?)

838: 2013/01/26(土) 01:56:48.68 ID:315TVhGko
ビッ

バチィン!!

千早(『ロック』のお陰でこっちに合わせられるくらいのスピードにはなったようだけど…)

千早(こちらの方がパワーは圧倒的に上! 簡単に弾いた!)

ドボォ

美希「!」

美希「ごふっ…」メリャ

千早「う…」ピタ…

千早「ぐぅ…っ…!」ズギャ メリメリメリ

美希「ふぅ…」

美希「どうしたのかな、千早さん…思いきり殴り抜ければ千早さんの勝ちだったのに」

千早(こっちが…)

千早(こっちが、『リレイションズ』の腕を弾き飛ばしたのに…この腕の痛みは…!)

美希「こうなったら、もう」ジュッ

美希「千早さんが攻撃してきても…その飛んでくる方向に合わせて手を出すだけで、千早さんの方に大きなダメージが行く」シュゥゥゥゥ…

千早(やはり…強い…何も考えずに勝てる相手じゃあないわ…)

840: 2013/01/26(土) 01:57:45.16 ID:315TVhGko
千早「くっ…」フラフラ

ガッ

千早「はぁ、はぁ…」

シュー シュー

コォォォォォ

美希(壁によりかかって、またスタンドが腕から空気を出してる)

美希「千早さんのそのスタンド…」

美希「前のスタンドと同じなら…すっごく『熱く』したりはできないはずなの」

美希「だって、あんまり『熱く』しすぎると千早さんの体が耐えられないからね」

千早(………)

美希「いくら強くても、それだけの能力じゃミキには勝てない…のっ!」ドォッ

千早(もう、私の体のほとんどの場所に『ロック』がついている…)

千早(受け止めようが、どこかに当たれば私の腕は保たない。だけど)

ムワッ

美希(! 部屋の空気が…千早さんの場所だけ暑くなってる…)

美希(でもこれくらいの温度、大したことないし…ただの熱じゃスタンドにはなんともない!)

842: 2013/01/26(土) 01:58:36.79 ID:315TVhGko
ドォォォォォォ

スルッ

・ ・ ・

美希(あれ…)

バゴォ

美希「千早さんを通り抜けて…これは…!?」

スゥ…

千早「『ブルー・バード・インフェルノ』」

美希「!」

美希(目の前の千早さんが…右側にズレてく…)

千早「空気の『熱』を操作したわ。右側は『熱く』、左側は『冷たく』」

千早「極端な温度差は『蜃気楼』を生み出す…『冷気』から『熱気』に引き込まれた私の像、あなたが見ていたのはそれよ」

美希「た…叩いていたのは壁の『ロック』…」

844: 2013/01/26(土) 01:59:17.09 ID:315TVhGko
千早「そして、確かに私自身に『温度』を溜めておくのは確かに難しい…」

千早「けれど、この『冷やした』空気…この短距離で『蜃気楼』を見せるほどの『冷気』」

千早「この冷たさを貴女にそのまま押し付ければ」

コォォォォォ

千早「何の問題もないわ」

美希「『リレ…」

千早「『インフェルノ』ッ!!」

ズドドドドド

美希「あぐわああああっ、うげっ!」ボコ ボコ ボコ

ドギャァァァッ

美希「うぎっ…」ガァァーン

キィィィン

美希「こ…『凍って』る…」

カチ コチ コチ

美希「うはぁぁぁぁ…」

千早「あなたの腕から『熱』を『奪った』。勝負あったわね、美希」シュー シュー

846: 2013/01/26(土) 01:59:57.83 ID:315TVhGko
美希「………」ギャン

千早「!」

ガキッ

千早「その腕では能力も使えないようね。簡単に受け止められたわ」

美希「これは攻撃するためじゃないの」

千早「え?」

シュゥゥゥーッ

美希「空気の温度を移したって言っても…」

美希「直接空気の冷たさを押し付けたわけじゃあない。千早さんが間に入ってる」

美希「だったら、その腕からは『あったかい空気』が出てるはず」

ジュゥゥゥ…

千早「…! 美希…」

美希「あはっ、溶けてきたの」

848: 2013/01/26(土) 02:00:31.53 ID:315TVhGko
千早「離れ…なさい!」ブンッ

美希「わっと」バッ

クイッ

美希「あっ!」

千早「…!」

美希「ちょっとだけど、溶けた…これで『リレイションズ』も使えるみたい」ギ ギ ギギ

千早(くっ、なんという対応力…! 何をやっても、すぐに反撃の手を思いついてくる…)

美希「ミキは負けない…」

千早「………」

美希「千早さんのスタンドがいくら強くても、ミキはその上を行く!」

千早「やはり…」ズザッ

ゴゴゴゴゴゴ

美希「!」

千早「簡単に勝たせてはくれないようね…美希…」

美希「千早さんこそ。すっごいダメージを受けてるはずなのに、まだ立ってられるなんてビックリなの」

ゴゴゴゴ ゴ ゴ ゴ

850: 2013/01/26(土) 02:01:08.31 ID:315TVhGko
千早「白黒つけましょう、美希…!」

美希「望む所なの!」

千早「あなたを倒して…その次は春香よ。絶対に止めてみせる」

美希「それはこっちの………」

美希「………」

美希「…え」

千早「…?」

美希「……あの、千早さん…今なんて?」

千早「え?」

美希「なんか…春香を止めるとか…聞こえた気がするんだけど」

千早「え、ええ…そうよ。私はそのために戦っているのだけれど」

美希「い…」

美希「いや…もう、細かいことはどうでもいいの! 決着をつけよう、千早さん!」グオオォ

千早「? ??? え、ええ…」

852: 2013/01/26(土) 02:02:16.13 ID:315TVhGko
美希「行くの!!」ダッ

千早「…!」ビリッ

千早(正面から突っ込んでくる…狙いはどこ…?)

美希「『リレイショォォォォォンズ』!!」ゴォォォォ

千早(いえ、正面から来るのなら…こちらも正面からねじ伏せる!)

千早「行けッ、『ブルー・バード・インフェルノ』!!」ドォン

ヒュオッ

バキ!!

美希「うがっ」メキョ

千早「げふっ」メキャア

千早(ク…クロスカウンター…)

・ ・ ・ ・

美希「あうっ」クラッ

バタン!

千早「はぁー、はぁー…」ガクガク

美希「千早さん…千早さんも無理しないで倒れていいよ」

千早「仲間…我那覇さんがいるでしょう」

美希「ああ…そうだね。響なら今の千早さんくらいならカンタンそう」

千早「ええ、だからそうさせるわけにはいかない…」フラフラ

美希「そんなつもりないケド…あんまり無理しない方がいいって思うな」

854: 2013/01/26(土) 02:02:40.90 ID:315TVhGko
千早「あなたが彼女を呼ぼうとすれば…その瞬間『インフェルノ』を叩き込むわ」

美希「はいはい、わかったから」ゴソゴソ

千早「!」バッ

ポイ

千早「え!?」

千早(携帯電話を捨てた…?)

千早「どういうつもり、美希…?」

美希「どーもこうも…千早さん、春香を倒そうって思ってるんだよね?」

千早「え、ええ…そうなるわね」

美希「ミキもそう」

千早「え」

美希「春香を倒すために戦ってるの。目的は同じ…タブン」

千早「は…」フラ…

バタン

美希「あふぅ…やっぱり千早さんも限界だったの」

856: 2013/01/26(土) 02:03:38.52 ID:315TVhGko
千早「はぁ、はぁ…」

美希「あはっ、なんか二人一緒に昼寝してるみたいなの」ゴロン

千早「み、美希…あなたにとって春香は?」

美希「敵だよ。ミキが『リレイションズ』を使えるようになってから、ずっと」

千早「…我那覇さんは?」

美希「響は、最初ミキを襲ってきたけど…仲間になってもらったの」

千早「そう…なの」

美希「千早さんは、あずさとよく話してたからてっきり春香の方だと思ってたんだけど…」

千早「どうしてそう思ったのかしら…」

美希「ミキはあずさに何かされて、気づいた時には『スタンド使い』になってたから」

千早「『ミスメイカー』…私の時も、そうしようとしていたのかしら…」

美希「千早さんはなんであずさと一緒に?」

千早「私があずささんと戦って、勝ったから。そして、今二人で春香を倒すために特訓をしているのよ」

美希「そっか…」

858: 2013/01/26(土) 02:05:37.92 ID:315TVhGko
美希「うーん…」

千早「美希?」

美希「千早さん、二人より四人! なの!」

千早「え、えーと?」

美希「千早さんがいればヒャクニンリキなの! ミキ達と一緒に春香と戦って欲しいな」

千早「それは…その前に美希、あなたはどうして春香と戦っているの?」

美希「へ?」

千早「あずささんの話だと、事務所のみんなはほとんどが春香に従っているって話だけど…」

千早「何故貴女はそうせずに、春香に逆らおうと思ったの? それを聞かないまま、返事をするわけにはいかない」

美希「ミキの『リレイションズ』はベンリだけど…」

美希「あの『矢』のせいで、春香がダメになっているから」

千早「………」

美希「スタンドは確かにいいものカモしれないケド、春香のやってるコトは許せない。それだけ」

千早「…そうね。その通りだわ」

860: 2013/01/26(土) 02:06:08.43 ID:315TVhGko
美希「千早さんは…さっき言ってたね」

千早「ええ、貴女と同じようなものね。春香のやっていることを見逃すわけにはいかないわ」

美希「千早さんが『春香のため』そう言ってたときは『やっぱり』って思ったんだけど」

美希「『春香を止める』って…そういうことだったんだね。紛らわしいの」

千早「待って、美希…わかっていたのなら最後の一発は何だったの」

美希「なんとなく。千早さんも手出したからおあいこだよ」

千早「あのね、美希…」

美希「何?」

千早「いえ…もういいわ」

美希「それで、千早さん。一緒に戦ってくれる?」

千早「…言わなくてもわかっているでしょう」

美希「えー? わかんないの」

千早「もう…断る理由もないわ。よろしく、美希」

美希「あはっ」

862: 2013/01/26(土) 02:06:41.94 ID:315TVhGko
美希「さてと、そうと決まれば」スタッ

千早「美希?」ムクッ

美希「響にも説明しないと。千早さんとあずさは敵じゃあないって」

千早「ええ、そうしてくれると助かるわ。また襲われるのは…」ガッ

千早「きゃっ!?」ズルッ

ビタァァァン

美希「千早さん、手が滑ったの? 痛そうなの」

千早「え…」

千早「これは…うそ…」

美希「…? どうしたの、千早さん」

千早「折れてる…腕が…」プラン

美希「あ…」

To Be Continued…

864: 2013/01/26(土) 02:08:32.15 ID:315TVhGko
スタンド名:「ブルー・バード・インフェルノ」
本体:如月 千早
タイプ:近距離パワー型・標準
破壊力:A スピード:A 射程距離:E(2m) 能力射程:D(7m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C
能力:猛り狂う吹雪のような力強さと、燃え盛る炎のような素早さを併せ持つ千早の新しいスタンド。
「ブルー・バード」が一段階上の存在へと進化し、「重量」を「奪い」「与え」る能力から、「温度」を操作する能力へと変化した。
触れたものの温度を徐々に変えていく「温度変換」と、「温度差」を一瞬で押し付ける「熱転移」の二種類の「温度操作」能力を持つ。
温度を変化させる対象の数に制限はない。また、度を超えた「熱」は腕についている穴から勝手に出ていく。
射程距離は大幅に下がったが、体格は千早と同程度まで成長しており、性能は以前とは比べ物にならないほど上がっている。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ


865: 2013/01/26(土) 02:09:04.65 ID:wK8vH5Zio

866: 2013/01/26(土) 02:10:28.00 ID:xeRENiUmo



To Be Continued...





引用元: 伊織「スタンド使いを生み出す『弓と矢』…」