173: 2013/11/03(日) 23:40:13.58 ID:AjKBO5XQo


春香「弓と矢」『ジ・アイドルマスター』【前編】


………

……



ーン…

伊織「………」

春香「………」

ブシュ!

真「え!?」

あずさ「あっ!」

春香「う…」フラ…

春香「………」ドクドク

ガク

あずさ「『ジ・アイドルマスター』に…」

やよい「!」パチッ

やよい「春香さんに…」

真「ダメージが、あった…」



※このSSは「THE IDOLM@STER」のキャラクターの名前と「ジョジョの奇妙な冒険」の設定を使った何かです。過度な期待はしないでください。


春香「弓と矢」シリーズ

175: 2013/11/03(日) 23:44:22.87 ID:AjKBO5XQo
春香「ありえない…」

あずさ「春香ちゃん」

春香「『ジ・アイドルマスター』は最強のスタンド…誰にも破れはしない…なのに…」

伊織(よくわかんないけど、春香のヤツ動揺してるわ。今のうちに畳み掛ける!)グッ

真「!」

伊織「喰らえ春…」ヒュッ

真「違う、伊織! 春香に攻撃するな!」

伊織「え?」ピタッ

春香「チ…」

やよい「えっと…どうしたんですか?」

あずさ「『スモーキー・スリル』がいつの間にか集まっているわ…」

あずさ「伊織ちゃん、春香ちゃんのダメージは…あなたの攻撃によるものよ」

伊織「わ、私…?」

伊織「確かに、能力の前と後で状態が変わっているのは春香と私と『スモーキー・スリル』だけ…」

伊織「でも…どうやって? 能力を使われても攻撃できるなら、千早達がとっくに倒してるはずだわ」

177: 2013/11/03(日) 23:45:19.53 ID:AjKBO5XQo
真「わかった…」

伊織「真…? 何がわかったの…?」

真「春香の『アイドルマスター』で変わるのは傷や場所だけじゃない。千早の行動だって変わっていた」

真「『過去』の世界でみんなが自由に動けるのなら、いくらやり直せても伊織が言ったように千早達を倒すのは困難…逆にやられているはずだ」

真「それに今、ボク達の行動も変わっていないしね。『過去』の世界では自由に動けない…恐らく、一度行った行動と同じように動いている」

真「そして春香、キミが攻撃した…いや、恐らくスタンドが触れたものは『過去』の世界でも動けるようになる…だろう?」

春香「………」

真「触れても状態が変わらないのなら、『過去』に戻っても何もできない。人を動かす事もできなければ、攻撃することもできない。無意味だ」

真「『過去』の世界で触れたものは『過去』を離れ動き出す…だから春香、キミは…ボクに攻撃できなかったんだ」

真「ボクが動揺して、キミを殴れない状態になるまで…『ストレイング・マインド』を一撃で破れなければ、逆にやられる可能性があったから!」

春香「フン…」

179: 2013/11/03(日) 23:46:14.81 ID:AjKBO5XQo
あずさ「触れれば、動く…」

やよい「あ…そっか、だから伊織ちゃんの『スタンド』は…」

伊織「『スモーキー・スリル』は気体…空気中に広がったうちの一部分が、春香のスタンドに触れた…?」

真「『ジ・アイドルマスター』は『過去』を変える能力…」

真「だったら、その『過去』の中で攻撃を受ければ、それが現実となる」

やよい「これなら、いけるかも!」

春香「残念だけど、一つ見落としてるよ…」

真「…なに?」

春香「確かに真が説明した通り、『スモーキー・スリル』は私の『過去』の世界でも動ける」

伊織「!?」

伊織(肯定した…? 『公正さは力』…スタンドパワーはこっちの方が上がるけど、わざわざバラすほどのことなの…?)

春香「まさか、そんな方法で『ジ・アイドルマスター』の世界に踏み込んでくるなんて…」

春香「だけどね…無駄なんだよ、無駄。伊織が『ジ・アイドルマスター』の世界に足を踏み入れようが…ね」

181: 2013/11/03(日) 23:47:03.30 ID:AjKBO5XQo
春香「それに、『ジ・アイドルマスター』の能力に対抗できるのは私の『スモーキー・スリル』だけ。だったら…」

ゴゴゴ

伊織「…!」

春香「伊織さえ倒せば…もう怖いものは何もない」

ゴゴゴゴゴ

春香「『ジ・アイドルマスター』は正真正銘、無敵のスタンドになるってことだよ」

ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ

伊織「…やれやれだわ」

真「伊織、下がってて」ギギギギ

あずさ「春香ちゃんが伊織ちゃんを狙ってくるっていうなら、こっちもやりやすいわ」

春香「うーん、そっかそっか…」

ピタ…

春香「あれ?」

やよい「『くっつけ』ました。伊織ちゃんにはぜったい、近付かせません」

183: 2013/11/03(日) 23:48:16.29 ID:AjKBO5XQo
春香「そっか、『視覚支配』が解けちゃったんだね。だったら…」

パチン

やよい「う…!」ギュッ

春香「無駄無駄、目を閉じようが耳を閉じようが『六感支配』からは逃れられない」

あずさ「やよいちゃん、今『ミスメイカー』で…」

春香「それじゃ遅いよ」

ググ…

春香「…『くっつく』力が衰えない…?」

伊織「や、やよい…大丈夫なの?」

やよい「大丈夫じゃないかも…けど…」

やよい「伊織ちゃん達がみんな頑張ってるのに、私だけ怖がって何もしないのは…駄目かなって」

あずさ「やよいちゃん」

やよい「あずささん、私の目は『眠らせ』なくてもいいです」

やよい「響さんも貴音さんも、私がもっとしっかりしてれば…」

真「やよい…」

185: 2013/11/03(日) 23:49:07.60 ID:AjKBO5XQo
春香「フー…」

伊織「…っ」ゾワッ

やよい「ひっ…」ビクゥ

春香「伊織を守れば、どうにかなると…そう思ってる?」

真「そんなこと、思ってないさ」タッ

真(まずは『ジ・アイドルマスター』を使わせる! 『過去』の世界でなければ春香にはダメージを与えられない!)

春香「『過去』の世界でなら、私に攻撃できると…本当にそう思ってるの?」

真「え…?」

春香「それが見落としだって言ってるんだよ」

伊織(来る…)

春香「今からわからせてあげる」

春香「『ジ・アイドルマスター』」

ドォ



……

………

187: 2013/11/03(日) 23:49:54.53 ID:AjKBO5XQo
やよい「『くっつけ』ました。伊織ちゃんにはぜったい、近付かせません」

春香「…さて」ザッ

伊織「っ! 『過去』の世界に…入ったようね」

春香「え? あ、そっか。『ゲンキトリッパー』が目印になるんだね」

伊織(春香の傷が治ってない…この世界で与えた攻撃は、『なかったこと』にはできないようね)

ヒョイ

伊織(今なら、春香を倒せる…)

伊織「よし、『スモーキー・スリル』ッ!」グワゥン!

春香「無駄ァッ!!」

キィン!

伊織「なっ!?」

伊織(迷わず『スモーキー・スリル』が持ってるコンクリートの破片を弾いた…)

春香「さっきは伊織が違う行動を起こすと思っていなかっただけ…」

春香「わかっていればもう間違えたりはしない」

伊織「ち…!」

189: 2013/11/03(日) 23:50:21.57 ID:AjKBO5XQo
春香「さて…ここで問題です」

春香「私の『ジ・アイドルマスター』と伊織に『スモーキー・スリル』…正面から戦ったらどっちが勝つでしょうかッ!?」

伊織「『スモーキー…」モクモク

春香「無駄ァッ!!」ブオン

ボフゥ!!

伊織「く…!!」

モクモク

伊織(いくらフッ飛ばされてもこっちにはダメージなんてない、何度でも叩き込んでやる…!)

伊織「喰らえッ!」ビシュ

パシッ

伊織「え…」

春香「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

ブオゥン!

伊織「きゃ…!」ブワァァッ!!

伊織(パワーが…違いすぎる)

191: 2013/11/03(日) 23:50:43.20 ID:AjKBO5XQo
春香「こういうことだよ。例え伊織が動けても、私に攻撃は届かない」

春香「わざわざ私に倒されるためにこの世界に来たんだね」

伊織「ス、『スモーキー・スリル』…私を守…」スゥゥーッ

春香「ヴァイ!!」ブオン

ボフゥ!!

伊織「…っ…!!」

春香「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」ドゴ ドォ バオ ドギャ

伊織「きゃあああっ!!」ボコ

ドッシャァァーン

………

……



ーン

193: 2013/11/03(日) 23:51:07.88 ID:AjKBO5XQo
ドサァ!!

伊織「っが…」

真「伊織!」

やよい「伊織ちゃん…!」

伊織「は…? え…」

春香「ほら、無駄…」

伊織(は、春香のヤツ…ピンピンしてるわ…)

春香「例え『ジ・アイドルマスター』の世界に足を踏み入れてきても、伊織では私には勝てない」

春香「近接戦闘では伊織の『スモーキー・スリル』は私の『ジ・アイドルマスター』には遠く及ばない」

伊織(私の『スモーキー・スリル』じゃ…どうしようもない…?)

真「伊織! 何ボーっとしてるんだ!」

伊織「はっ!?」

春香「無駄ァッ」ヒュ

真「オラァッ!!」グン

スカッ

真「く…『視覚支配』か…春香の場所がわからない…!」

195: 2013/11/03(日) 23:51:36.19 ID:AjKBO5XQo
伊織「え…あ…」

やよい「『ゲンキトリッパー』!」

ワラワラ

ウッウー ウッウー ウー

真「うわっと」ピタァ

伊織「やよい…」

やよい「ぜんぶ『くっつけ』ました!」

あずさ「伊織ちゃん! 早く! 早く『スモーキー・スリル』を!」

伊織「え、ええ…」モクモクモク

スゥーッ

伊織(こんなことで立ち止まっては駄目だわ…何か…ないの…?)

ドォ



……

………

197: 2013/11/03(日) 23:52:11.45 ID:AjKBO5XQo
春香「『ジ・アイドルマスター』」

真「伊織! 何ボーっとしてるんだ!」

伊織「はっ!?」

春香「スキを見せたね、伊織。『ジ・アイドルマスター』の前じゃそれは命取りだよ」

真「オラァッ!!」グン

スカッ

真「く…『視覚支配』か…春香の場所がわからない…!」

伊織「え…あ…」

春香「伊織も『スモーキー・スリル』を広げてなければ、この世界で動く事すら出来ない」

やよい「『ゲンキトリッパー』!」

ワラワラ

ウッウー ウッウー ウー

春香「『過去』の世界で捕まった場所…『そこ以外』は全部安全地帯、絶対に攻撃を受けることはない」

スタスタ

199: 2013/11/03(日) 23:52:37.86 ID:AjKBO5XQo
真「うわっと」ピタァ

伊織「やよい…」

やよい「ぜんぶ『くっつけ』ました!」

あずさ「伊織ちゃん! 早く! 早く『スモーキー・スリル』を!」

春香「さて、『スモーキー・スリル』を出す前に片付けないと…ね」

春香「『ジ・アイドルマスター』」

ギュゥゥ…

春香「ヴァイッ!!」ドォッ

グバ…

ドサァ!

春香「はい、終わり」クルッ

201: 2013/11/03(日) 23:53:22.49 ID:AjKBO5XQo
モクモクモク…

春香「少し遅かったね伊織」

春香「腹に『ジ・アイドルマスター』の一撃を叩き込んだ、『スモーキー・スリル』を出した所で立てるわけがない」

春香「ここは私の世界…自由に動けるスタンドはこの一体でいい」

ガン!!

春香「…はい?」フラッ

バタン!

伊織「何を勝ち誇ってんのよ、アンタは」

春香「え、嘘でしょ…千早ちゃんくらい腹筋鍛えてても、耐えられないと思うんだけど」ムク…

伊織「はぁ? 何の話よ」

春香「だったらもっと徹底的に痛めつけてあげる…『ジ・アイドルマスター』!!」ドン

伊織「『ス…』」

バヒュゥ!!

ボギャアァァ

伊織「うぷ…!!」

春香「入った… ………」

春香「あれ…?」

伊織「え…? 全然痛くない…」

203: 2013/11/03(日) 23:54:20.53 ID:AjKBO5XQo
春香「何、今の手応えは…」

伊織「わ、私の腹の所になんかいる…? 気持ち悪いわ…」

?「セッカク助ケテヤッタノニ…気持チ悪イトハ随分ナ言葉ダナ、水瀬伊織」

伊織「ア、アンタは…!」

春香「『ファースト・ステージ』…」

FS「クタバレ、天海春香!」ヒュッ

グオン!

春香「くっ!」バッ

FS「チ…当タラナイカ、クソッタレメ」

伊織「な、なんでアンタそんなところにいんのよ…」

ニュルン

FS「萩原雪歩ノ願イダ。水瀬伊織、君ヲ守ッテクレトナ」

伊織「私を? 真とかじゃあなくて?」

FS「『ろっと・あ・ろっと』ガ天井ニ浮カンデイル。コノ煙デハ見エニクイ ダロウガ」

FS「萩原雪歩ハ コイツデ君達ノ様子ヲズット見守ッテイル。君ガ重要ダト言ウコトモ ワカッテイル」

伊織「そう…」

205: 2013/11/03(日) 23:54:33.77 ID:AjKBO5XQo
春香「ち…まさか『ファースト・ステージ』まで入ってくるとは…」

伊織(この好機を逃がすわけにはいかない、ここで…!)

伊織「『ファースト・ステージ』、ちょっと手出して」

FS「何ダ?」スッ

スバァ!!

FS「オオオオオオ!?」

伊織「こんなコンクリートの破片で簡単に切断できるのね。アンタにとってはその方がいいんでしょうけど」ガシッ

FS「オイ、何ヲ…」

伊織「『スモーキー・スリル』、発射しなさい!」

ドヒュゥゥゥゥン

FS「モ…『モノ』ミテーニ…」

春香「触れたらまずい…けど、こんなもの避ければ…」スッ

グググッ!

春香「! 『煙』で押さえつける気か…」

207: 2013/11/03(日) 23:54:52.56 ID:AjKBO5XQo
春香「せあっ!」グオッ

ヒュン

ポトン

春香「ふぅ、危ない危ない…なんとか避けられた。そして…」

スゥ…

春香「これで終わりじゃないんでしょ? 伊織…」

伊織「『スモーキー・スリル』」

ヒュン!

春香「無駄無駄無駄無駄」

ブオン

バファォ!!

伊織「きゃ…!」

コロン

春香「無駄無駄ァ…」

209: 2013/11/03(日) 23:56:01.29 ID:AjKBO5XQo
春香「逃しちゃったね、千載一遇のチャンスを。もしも当てられれば…」

春香「私に攻撃を『返し』て、大きなダメージを与えられたのかもしれないのにね」

伊織「春香、この世界がアンタのものだって言うなら…」

春香「ん?」

伊織「この空間全ては私の物よ」

トス…

・ ・ ・

春香「あ…?」

FS「上カラ…羽ヲ空気ニ舞ワセルヨウニ、一度避ケラレタ腕ヲ…落トシタ」

伊織「アンタの攻撃…」

伊織「返させて、もらった」

バリバリバリ

春香「うああっ!!」

235: 2013/11/18(月) 22:22:20.15 ID:upsDx0JUo
………

……



ーン

春香「く…」

伊織「え!? は、何!?」

春香「ごほっ、げほっ!」

やよい「な、何が起こったんですか…?」

FS「コウシテ 天海春香ガフラツイテイルト イウコトハ…上手クイッタヨウダナ」

伊織「ん?」

真「あっ!? 『ファースト・ステージ』、お前なんでここにいるんだよ!?」

FS「ナンデトハ随分ナ言葉ダナ…セッカク水瀬伊織ヘノ攻撃ヲ 防イデヤッタノニ」

あずさ「そうなの? それはえらいわねェ~」

伊織「ちょっと待ちなさい…私への攻撃を防いだ? アンタ今までどこにいた!?」

237: 2013/11/18(月) 22:24:58.46 ID:upsDx0JUo
春香「なんで…!」ダンッ

伊織「あん?」

春香「『弓と矢』があれば…『矢』の力なら、何でもできるはず…!」

春香「なんで思い通りにいかないの…? 私は全て思い通りにできる力を手に入れたのに…!」

あずさ「全て思い通りにできる? そんなもの、ありはしないわ」

やよい「自分でなんとかしないと駄目かなーって」

真「だからトップアイドルになるため…ずっと頑張ってきたんだろう、春香!」

春香「そうだよ…」

春香「だけど、いくら頑張っても私は芽を出せなかった…アイドルにはなれなかった…」

春香「それを『矢』の力で! 私は変わった、トップアイドルになった!」

春香「だからみんなにも同じ力を与えた! そしてこれからも! それの何が悪い!? 何が間違っているっていうの!?」

ハァ

伊織「アンタ、本当に何もわかってないのね」

春香「何…?」

239: 2013/11/18(月) 22:25:51.40 ID:upsDx0JUo
伊織「何が間違ってる、ですって? そんなちっぽけで薄汚い『矢』なんかを拠り所にしてるのがそもそも間違ってんのよ」

春香「く…」

伊織「私達はそんなものよりももっと強く、固い! そんな力で戦っている!」

春香「私の『矢』で得た『スタンド』で戦ってるくせに…」

伊織「うぐっ…! それは…」

春香「伊織だ…」

伊織「は…?」

ゴゴゴ

春香「伊織さえ、倒れれば…『ジ・アイドルマスター』に勝てるスタンドはない…」

ゴゴゴゴゴゴゴ

真「お、おい…なんか雰囲気がヤバくないか…?」

春香「伊織さえ倒せば…私の『矢』は無敵なんだ…!!」

ゴオッ

伊織「え?」

あずさ「!」バッ

伊織「あず…」

あずさ「『ミスメイ…」

春香「無駄ァッ!!」ヒュゴッ

ギャァァァァン

241: 2013/11/18(月) 22:26:10.89 ID:upsDx0JUo
ドサッ

あずさ「………」ピク…

真「あ…あずささん…!?」

やよい「そんな…」

伊織(あずさ、私をかばって…?)

春香「伊織ィィ…」

ゴゴゴゴ

伊織「…!」ブルッ

伊織「も、もうこの際どうでもいいわ! 盾になりなさい『ファースト・ステージ』!」

FS「心得…」

ガシィ!!

FS「タ…」

春香「邪魔だから…こっちから先に片付けておくよ…」

FS(頭ヲ捕マレタ…)

FS(コレハ…マズイナ)

243: 2013/11/18(月) 22:26:47.96 ID:upsDx0JUo
春香「消えなさい『ファースト・ステージ』」グググ…

FS「ガァァァ…ォォォ…」ギリギリギリ

伊織(あら? 春香の頭…)

チ…

伊織(何かついてる…?)

伊織(いや、それよりも5mは離れてるのに…怒りで、『ジ・アイドルマスター』の射程距離が伸びた…?)

真「伊織ィィィッ! 早く逃げろッ!!」

伊織「ッ!」ダッ

伊織(なんか知らないけど空いてる穴…ここから飛び降りる!)

春香「逃がさない…伊織だけは…」ポイッ

FS「ウグ…」

春香「あれ、消えてない…もうちょっと痛めつけなきゃ駄目だったか」

真「くそっ…春香を止めるぞやよい!」

やよい「はいっ! 『ゲンキトリッパー』!!」

ピタァ

春香「邪魔しないでよ、やよいィッ!!」ゴバァ

真「オラァッ!!」ヒュッ

キィィン!!

春香「チッ…」ビリビリ

やよい「真さん!」

真「大丈夫だ! やよい、ボクの後ろから離れないで!」

245: 2013/11/18(月) 22:27:09.45 ID:upsDx0JUo
ピョン

ボフッ

伊織(やよいと真が足止めしてるけど…大丈夫かしら)

伊織(それにしても春香の奴、相当プッツン来てるわね…どうする…?)

真美「いおりん!」

伊織「あら、真美。アンタまだここにいたの?」

真美「ひびきんとお姫ちんをりっちゃんの車に送らないといけなかったからね」

伊織「そう…」

真美「いおりんも逃げようよ! 上から聞こえてきたよ、はるるんが追いかけてくるんでしょ?」

伊織「逃げ…られるの?」

真美「それは…」

伊織「そもそも、やよいと真…そしてあずさも残っている。見捨てて逃げるなんて…出来ないわ」

真美「…だけど、今のはるるん相手じゃどうしようも…」

伊織(………)

伊織「真美。ちょっといい?」

真美「ほぇ?」

247: 2013/11/18(月) 22:27:21.44 ID:upsDx0JUo
………

真「どうした春香? 伊織を追いかけて捕まえるんじゃなかったのか?」

春香「こんなところで…いつまでも遊んではいられない」スッ

真(来るか…!)バッ

春香「『ジ・アイドルマスター』ッ!!」ヒュッ

真「え?」

ゴガン グガン!

やよい「はわっ!?」

真「地面を…殴って砕いた!?」

ヒュゥゥゥゥゥ

ドス

春香「これで、『ゲンキトリッパー』から逃れられた」

春香「破片が足にくっついて歩きにくいけど…」

249: 2013/11/18(月) 22:28:21.28 ID:upsDx0JUo
春香「さて、伊織は…」

・ ・ ・ ・

キュル

キュル キュル キュル

春香「これは…律子さんの『ロット・ア・ロット』! 一階の部屋中に大量に配置して…」

春香「…でも、それが何?」スッ

パチン

キュル キュル

春香(『映像』と『音』…二つを遮断すればいくらあっても無意味)

春香(まぁ、触ったら気づかれるかもしれない。少しは足止めにはなるけど)

春香「伊織はどこにいる…?」キョロキョロ

春香「ん!?」

春香(どこか外へでも逃げて行ったと思ったら…)

モクモクモクモク

春香(部屋の隅に、『煙』が集まっている…)

春香「そこか、伊織…!!」ダッ

ドォ



……

………

251: 2013/11/18(月) 22:28:44.01 ID:upsDx0JUo
春香「はっ!?」

春香「え!? あ、え…何!?」

あずさ「『ミスメイ…」グン

春香「!」

スッ

・ ・ ・

春香「ここか…」

ヒュオッ

ドサッ

あずさ「………」ピク…

春香「あずささん…『ミスメイカー』を私の頭にかすらせていたんだ…」ギリッ

春香「それでカウントが『ゼロ』になって、私の意識が落ちて…『ジ・アイドルマスター』が発動した」

真「あ…あずささん…!?」

やよい「そんな…」

春香「あと一歩のところで…」

253: 2013/11/18(月) 22:29:29.12 ID:upsDx0JUo
伊織「春香…」

春香「とうとう会えたね、伊織」

伊織「なんかヤバい雰囲気…」

ダッ

春香「今度こそ逃がさない…と言いたいけど…」

FS「心得…」

春香「伊織がどこに行くのかはもうわかってる。まずはこっちを確実に仕留めておかないと」

FS「タ…」

春香「さっきみたいに、伊織の攻撃をかばわれるかもしれない。不安要素は消しておかないとね」

グシャ

FS「ウブッ!?」

春香「消えるまで踏んであげるよ」ギリギリギリ

FS「グ…コノ…」

スゥ…

春香「これでよし」

255: 2013/11/18(月) 22:30:14.94 ID:upsDx0JUo
真「どうした春香? 伊織を追いかけて捕まえるんじゃなかったのか?」

春香「この世界では…私にはこれから何が起こるのか、誰がどう動くのか全てわかる」ヒョイ

スタッ

春香「こうして下に降りて…」

キュル

キュル キュル キュル

春香「…これは少し厄介かな。『ジ・アイドルマスター』で触れるとこの世界に入ってくるから」

春香「まぁ…入って来ても、大したことはできないだろうけど」

モクモクモク

伊織「げっ、春香…」

春香「伊織…なに、それ? 自分の体を『スモーキー・スリル』で覆ったりして…」

春香「そんなので隠れてるつもり? 逆に目立ってるよ」

春香「それとも、そんなので私の攻撃を防げるとでも思ってる?」

伊織「………」

春香「『過去』の世界に入って来ても…やっぱり、変わらないね。伊織はここに行き着く」

257: 2013/11/18(月) 22:30:46.15 ID:upsDx0JUo
春香「なんでここなの? こんな部屋の隅っこ…自分から追いつめられてるようなものじゃない」

伊織「………」

春香「答える気はないか…ま、いいよ。『ファースト・ステージ』も潰した、何を企んでるのか知らないけど、こうなったら伊織にはもうどうしようもない」

春香「『ジ・アイドルマスター』…やはりこの能力は『完璧』」

春香「そう…伊織さえ…『スモーキー・スリル』さえいなければ…」

伊織「………」

モクモクモク

春香「この距離なら避けられない! 氏ねッ、伊織ッ!!」ズォッ

ガキィィン

・ ・ ・ ・

春香「え」

春香(…これは…)

春香(この手応えは…)

?「やっぱり…」

春香「!?」クルッ

259: 2013/11/18(月) 22:31:10.00 ID:upsDx0JUo
春香(この『声』…そんな、どうして…どうして『上』の方から…!?)

?「アンタは追いつめられたらきっと私を狙ってくると思ってたわ…」ス…

ズズ…

ドドドドドドドドド

伊織「この、伊織ちゃんをね」

春香「い…伊織…ッ!?」

ドドドドドドドドドドド

春香「な…なんで伊織がそんなところにいるの…!?」

ズ…

春香(いや…それよりも…伊織が上の階にいるってことは…)

春香(私の目の前にいるのは…)

ズズズ…

春香(私が触れたのは…!!)

真「………」

春香「ま、真…」

261: 2013/11/18(月) 22:31:45.45 ID:upsDx0JUo
春香「なんで真が…ハッ!?」

春香(いや、真だけじゃない…『煙』の中にもう一人、誰かいる…!?)

真美「………」

春香「真美…!!」

春香(『スモーキー・スリル』で姿を隠して、『スタートスター』で伊織と真の位置を入れ替えていた…!?)

スタッ

伊織「こんな単純な手、正直不安しかなかったけど…アンタなら引っかかってくれると思ったわ、春香」

春香「ぐ…っ…!」

ゴゴゴゴ ゴゴゴゴ

真「これで…」

春香「あ…」

真「『ジ・アイドルマスター』はボクに触れた。こうして動けるってわけだ」

ゴゴゴゴゴ

263: 2013/11/18(月) 22:32:14.07 ID:upsDx0JUo
春香(逃げ…)

グイッ

春香「おっ!?」ビタッ

真「っと…」

春香「腕が…鎧に『くっついて』離れない…!?」

ピョコ ピョコッ

・ ・ ・ ・

ウー ウッウー

春香(ゲ…『ゲンキトリッパー』…)

やよい「捕まえました!」タタタッ

春香「や…やよいまで…」

やよい「真さんのすとら…すとれぅ…」

伊織「『ストレイング・マインド』に『ゲンキトリッパー』の一部をくっつけておいたわ。一応、私の体にもくっつけてあるけど」

265: 2013/11/18(月) 22:32:40.05 ID:upsDx0JUo
ウッウー ウゥー

春香(腕から『アイドルマスター』の体に這い昇ってくる…!)

ピタ…

春香「あ、足も…『くっつい』て…」

伊織「確かに…私の『スモーキー・スリル』じゃあ…悔しいけど、アンタの『ジ・アイドルマスター』には勝てない」

真「ボクだけじゃあ、『ストレイング・マインド』では春香と戦うことすらできない。例えこの世界に踏み入れたとしても、取り逃がしてしまう」

やよい「私が『ゲンキトリッパー』で捕まえても…何も出来ないかもです」

伊織「だけど、私一人じゃあ敵わなくても…二人なら」

ドドド

真「二人でも駄目だとしても…」

ドドドドド

やよい「三人なら!」

春香「あ…ああ…」

伊織「みんなとなら、勝てる」

267: 2013/11/18(月) 22:33:25.46 ID:upsDx0JUo
真「さぁ、覚悟しろ春香。キミを倒す」

春香「倒す…? ありえないよ、『ジ・アイドルマスター』は無敵なんだ、倒すだなんてできるわけがないんだ…」

伊織「確かにアンタの『ジ・アイドルマスター』は無敵かもしれないわ…事務所の中では最強、誰も敵わないでしょうね」

伊織「けどね、それでも…私達は勝てる」

伊織「どんなに無敵の『スタンド』だって! 真の『団結』の前には! 無意味なのよッ!!」ドッヤァァァァ

春香(まだ…まだ終わってない、私はまだ負けてはいない!)

春香(逃げられないのなら、目の前の真をどうにかすれば…!)

春香「『ジ・アイドルマスター』!」グワッ

真「!」

春香「無駄ァッ!」

ガキィ!!

春香「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

ビキ! ピシッ

パリィィィン

269: 2013/11/18(月) 22:33:46.57 ID:upsDx0JUo
春香(モロに入った! これで、倒れ…!!)

ガシャ ガシャン

真「………」ブシュッ

ドドド ドド

・ ・ ・ ・

春香(倒れ…)

真「『ストレイング・マインド…」ギギギギ

春香「う…」

ドドド

真「『チアリングレター』!!」ギッ

春香「うあ…」

春香(倒れ…ない)

真「終わりだ、春香」

春香「うおおおおおおおお」

真「オラァッ!!」ギュァァァアアア

春香「ああああああああああああああああ!!」

パッキィィ!!

297: 2013/11/30(土) 23:28:30.41 ID:0XTCm1sho
結構重要なことですが、やよいの「ゲンキトリッパー」は小さく分ければ分けるほど精密動作性が上がるという設定をどこかで出すつもりでしたが忘れてましたてへぺろ

完結は無理だったよ…
残りの半分くらい終わったのでもう投下します。

299: 2013/11/30(土) 23:32:25.52 ID:0XTCm1sho
春香「はっ…?」

真「………」

シュゥゥゥゥ…

春香「は…外した…?」

伊織「真…!!」

春香「あ…あはは! そうだよ…真が私に直接攻撃できるわけが…」

ビキ…

春香「え…」

ピキピキピキ

春香「あ、あれ…?」

伊織「『ジ・アイドルマスター』の左手が…」

パリン

春香「は…」

春香「あああああああああ!?」

301: 2013/11/30(土) 23:51:10.22 ID:0XTCm1sho
カラン

伊織「真! 『矢』のついてる部分だけ叩き落としても意味はないわ!」

真「わかってる」

春香「な、なんてことを…これじゃ私の腕も…」

春香「…ありゃ?」プラプラ

やよい「春香さんの左手、割れてないかも」

真「ボクが春香の頭を砕いた時、『ジ・アイドルマスター』は無事だった」

真「だったら、逆でもそうだってことだ」

春香「は…」

伊織「よし、真! 『ジ・アイドルマスター』を…」

真「…ああ」

ギリッ

真「『弓と矢』を…ブッ壊すッ!」ギ ギ ギ ギ

303: 2013/11/30(土) 23:52:41.37 ID:0XTCm1sho
春香「う…」

やよい「あっ、真さん! まだ来ます!」

春香「うおおおお…!!」

グオン!!

真「オラァッ!!」ビジュッ

春香「くおっ…」

ピキィィィン

パラパラ

春香「つ、強…すぎる…」

伊織「行け…」

やよい「真さん!!」

伊織「行け、真ッ!!」

春香「やめ…」

真「オラァッ!!」

ダバァ!!

305: 2013/11/30(土) 23:52:58.36 ID:0XTCm1sho
ヂヂヂヂ

バキィ!!

春香「あ…」

バリバリバリ

春香「『ジ・アイドルマスター』…が」

真「オラオラオラオラオラオラオラオラ」

バキャッ! ドギャァ!!

ガシャ ガシャ

春香「あああああああああああああああああああ」

真「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

ド ド ド ド ド ド ド ド ド

春香「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

真「オラァーッオラオラオラオラオラオラ」

バキ ベキ ボキ メキ ガシャ グシャ グギャ ベギャ

春香「あああああああああああああああああああ」

307: 2013/11/30(土) 23:53:13.14 ID:0XTCm1sho
メキョ

真「オラァッ!!」

ズッギャァァーン

春香「あああああああああああああああああああああああッ!!!!」

ドッパァーッ!!

春香「あ…ああ…あああああ…」

春香「私の…『ジ・アイドルマスター』が…私の、『矢』が…!!」

パラ パラパラ

ガシャン!!

伊織「終わった…わね」

真「そうだね」

やよい「春香さん…」

309: 2013/11/30(土) 23:53:38.58 ID:0XTCm1sho
ドォ



……

………

春香「んっ!!」

キュルキュル

春香「へっ!?」

モクモクモク

春香「こ、これは…? 『戻って』いる!?」

春香「そ、そっか…『ジ・アイドルマスター』が粉々にされたから戻ったのか…」

春香「『過去の世界』では自分からは能力を使えなかったけど、『自動発動』なら別ってこと…?」

伊織「やっぱり…」

春香「! 伊織のこの台詞は…」

伊織「アンタは追いつめられたらきっと私を狙ってくると思ってたわ…」ス…

ズズ…

伊織「この、伊織ちゃんをね」

春香「『この世界』では、私は真に触れていない…いや、伊織にもやよいにも…」

311: 2013/11/30(土) 23:54:06.77 ID:0XTCm1sho
春香「ふ…」

春香「ふふ、ふ…」

春香「あはははははははははは」

春香「やっぱり、『ジ・アイドルマスター』は無敵だ! 誰にも倒せはしない!」

スゥ…

春香「もう、何かに怯える必要なんてない! 私が正真正銘の『頂点』なんだ!!」

真「さぁ、覚悟しろ春香。キミを倒す」

春香「真は待っていれば自分からガードを開ける! モグラ叩きのように、じっくりと待ってそこを叩けばいい!」

真「『ストレイング・マインド・チアリングレター』!!」ギッ

春香「ここだッ! 『ジ・アイドル…」

ピシ!

・ ・ ・ ・

春香「え?」

メキ

メキ メキ メキ

春香「『ジ・アイドルマスター』にヒビが…?」

313: 2013/11/30(土) 23:54:21.90 ID:0XTCm1sho
真「オラァッ!!」ギュァァァアアア

スカッ

春香「こ、攻撃は受けてないはずなのに…まさか…」

パリパリパリパリ

春香「ダメージは…治っていないの!?」

ガシャァァン

ドォ



……

………

春香「はっ!?」

千早「わからないでしょうね。今の貴女には」

春香「ち…千早ちゃん…!? ここは…」

千早「やはり、わかってないわね。私は…強くなんてないわ」

春香「私は事務所にいるの!? また『戻って』いる…!?」

315: 2013/11/30(土) 23:54:43.61 ID:0XTCm1sho
ピシッ!

春香「は…」

ピシピシピシピシ

春香「こ、これは…『ジ・アイドルマスター』が勝手に壊れていく…」

ドォ



……

………

春香「!」

律子『え!? 貴音を追いつめろって…ちょっと、はる…』

ブツッ!

電話『つー、つー、つー』

パリン

春香「うお…」

ガシャァァン

317: 2013/11/30(土) 23:54:56.03 ID:0XTCm1sho
ドォ



……

………

伊織「嫌よ」

春香「はぁ、はぁ…」

伊織「私の体…ボロボロよね」

春香「い、伊織…」

伊織「あんたがやったのよ」

伊織「相手を思いやれないヤツに、本当の『仲間』なんてできるわけがない」

春香「う…」

伊織「以前のあんたはそれができる奴だった…でも今のあんたは違う! 相手を恐怖で『支配』して、それが『仲間』であると思い込んでいるだけよッ!!」

伊織「アイドルとして…人として、あんたの仲間になんて絶対にならないわ…!」

春香「うわあああああああ!!」

パキッ!

319: 2013/11/30(土) 23:55:11.10 ID:0XTCm1sho
ドォ



……

………

パリン

ピキピキピキ

春香(私は…どこまで『戻る』の…?)

春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」

春香(私が喋っている…)

春香「これ、プロデューサーさんの?」

春香(だんだんと、過去の私と現在の私の精神が解離していく…)

P「いや、社長の私物だよ。社長室に飾っておくんだとさ」

春香(意識だけが、どんどん『過去』へ…)

……

………

321: 2013/11/30(土) 23:55:26.01 ID:0XTCm1sho
千早『inferno』

春香「あ、千早ちゃんがテレビに出てる」

順二朗「おっと、録画録画…」バタバタ

小鳥「社長、録画ならしてありますから落ち着いて見てください」

千早『全て燃える愛になれ 赤裸に今焦がして』

春香「………」

真「どうしたの、春香?」

春香「ううん、なんでもない。私も、頑張らないと!」

…………

……………

順一朗「合格は2番の君!」

真「くぁーっ…やっぱダメかー…」

雪歩「へっ!? わ、私が合格…? あの…」

春香「あ…」

順一朗「うーむ、いや、しかし…1番の娘も元気があったし、3番の娘も一生懸命さが…」

順一朗「そもそもオーディション開いたのに3人しか来ないし…しかもそのうち1人は飛び入り参加…」

律子「社長?」

順一朗「ええい、君達全員合格だ!」バンッ!

春香「ええーっ!?」

323: 2013/11/30(土) 23:55:43.49 ID:0XTCm1sho
……………………

…………………………

春香(どこまで遡っていくんだろう…)

春香(私が生まれる前まで…? それとも、もっと前に…)

春香(戻りきったら、私は…どうなる?)

~♪

春香「…?」

春香(なにか、聞こえる)

「~♪」

春香(公園の滑り台の上で、女の子が一人で歌っている)

「~♪ ~~♪」

春香「………」

春香(なんだろう…目が離せない)

325: 2013/11/30(土) 23:55:58.31 ID:0XTCm1sho
春香「………」

「おねえちゃん!」

春香「………」

「ねぇ、おねえちゃんってば!」

春香「え? …私?」

春香(歌ってた女の子だ。ぼーっとしてたら、いつの間にか終わってたみたい)

「おねえちゃん、どうしたの? おなかいたいの?」

春香「ううん、別に痛くないけど…あれ?」

「そっか、よかった!」

春香(まぁ、いいか…なんでも)

春香「歌、上手だね」

「ありがとう! おねえちゃん、きいてくれてたんだ!」

「だれもきいてくれてないかとおもってたのに」

春香「?」

327: 2013/11/30(土) 23:56:15.45 ID:0XTCm1sho
「わたし、いつもここでうたのおねえさんやともだちとうたってるんだけど…」

「きょう…ともだちとケンカしちゃって」

「うたのおねえさんといっしょにうたおうかとおもったけど、おねえさんもいないからひとりでうたってたの」

春香「そう…なんだ」

「おねえちゃんは?」

春香「私も…かな。友達とケンカしたの」

「そうなんだ。いっしょだね」

春香「うん。一緒…」

春香「…ねぇ、歌が好きなの?」

「うん! わたし、うたうのだいすき!」

春香「だれも聞いてくれなくても?」

「へ?」

春香「自分一人だけで歌ってても、虚しいだけじゃなんじゃないかな…」

329: 2013/11/30(土) 23:56:33.79 ID:0XTCm1sho
「よく、わかんないけど…だいじょうぶだよ」

春香「なんでそんなことが言えるの?」

「だって、いまだっておねえちゃんがきいててくれたじゃない!」

春香「私が…?」

「だから、だいじょうぶだよ!」

春香「………」

春香「ねぇ、なんで歌が好きなの?」

「えっと、みんなによろこんでほしいから…」

春香「それだけ?」

「ううん、それより…わたしのうたでみんながわらってくれると、うれしいから!」

春香(………あ)

カラン

春香「…………『矢』が」

331: 2013/11/30(土) 23:56:43.20 ID:0XTCm1sho
……………………………………………………………

……………………………………………………………

………………………………………………………

………………………………………………………

…………………………………………………

……………………………………………

………………………………………

…………………………………

……………………………

………………………

…………………

……………

………


333: 2013/11/30(土) 23:57:19.08 ID:0XTCm1sho
春香「はっ」

キョロキョロ

真「春香にダメージがない…?」

伊織「まさか、失敗…?」

春香「戻っ…てきた…」

………

やよい「あっ、春香さんのスタンドが戻ってます!」

春香「『アイ・ウォント』…『ジ・アイドルマスター』じゃあない」

キョロキョロ

春香「『矢』もない…あそこに置いてきた…?」

伊織「『矢』が消滅した…?」

真「よし、やった!」

トタタタ

亜美「真美!」

あずさ「あ、亜美ちゃん…ちょっと待って…」

亜美「あっ! はるるんのスタンドが『アイ・ウォント』に戻ってる!」

あずさ「やったのね、みんな…」

真美「うん。真美達、はるるんに勝ったんだ」

335: 2013/11/30(土) 23:58:06.57 ID:0XTCm1sho
春香(嬉しかった…)

春香(私はアイドルになりたかった。けど、私はどこまで行っても平凡で…)

春香(皆にも喜んでもらえると思ってた、歌だって…)

春香(トップアイドルとして舞台に立つ千早ちゃんの歌を聴いた時…)

春香(わかっちゃったんだ。私は本物にはなれないんだって)

春香(けど、『弓と矢』に出会って…変わった。そして思ったんだ)

春香(私には、才能があるんだって)

春香(私は…小さい頃から憧れていたアイドルに…ちゃんと、なれるんだって)グッ

春香「『アイ・ウォント』…」ドォン!!

真美「へ?」

真「おいおい…」

春香「まだ終わりじゃない。まだ、終わりたくない…!」

やよい「春香さん、こーさん…してください。誰も、春香さんにケガとかさせたいって思ってないです」

春香「降参なんてしないよ。この『アイ・ウォント』がある限り…」

伊織「…いいわ、この際はっきりと白黒つけましょう…春香ッ!」

春香「この『スタンド』がある限り、私は!」

337: 2013/11/30(土) 23:58:29.58 ID:0XTCm1sho
伊織「『スモーキー・スリル』!!」

春香「私に力を貸して、『アイ・ウォント』!!」

シィン…

・ ・ ・

春香「え? ア…『アイ・ウォント』?」

………

春香「う、動いてよ…なんで、動かないの…?」

スゥ…

春香「あ…」

真「『アイ・ウォント』が…消えた…?」

ツカツカツカ

あずさ「伊織ちゃん…?」

伊織「『スタンド』が使えない? こうなったらアンタもただの人ね…春香」

春香「う…! ま、待って…」

伊織「『降参なんてしない』…アンタが言ったのよッ! 誰が待つかッ!」

339: 2013/11/30(土) 23:58:48.38 ID:0XTCm1sho
伊織「春香ッ…」

ドドドド ドド

春香(もう駄目だ…)

春香(『スタンド』がなくなってしまった…もう、私には『才能』なんて残っていない)

春香(もう誰も、私のことを見てくれない。誰も私のことを認めてくれないんだ)

伊織「春香ァァァァッ!!」

春香「………いいよ…」

春香「もう、どうでも…全部失ってしまった」

春香「好きにすればいいじゃない! 『スタンド』も『矢』もない私なんて…」

伊織「いい加減…」モクモクモク

スゥ…

伊織「目を覚ませッ!!」ドォッ

ガン!!

春香「うがっ…!!」

やよい「はわっ、頭ぶつけちゃった…」

あずさ「あら…」

341: 2013/11/30(土) 23:59:29.58 ID:0XTCm1sho
真美「なんでいおりん、『スモーキー・スリル』で叩かなかったの?」

亜美「だって、『煙』だからそのままじゃ殴れないじゃん」

真「いや…」

バタバタバタ

響「これは…」

貴音「どうやら…決着がついたようですね」

雪歩「四条さん…響ちゃん…まだそんな動いちゃ…」

律子「…伊織?」

伊織「春香、アンタいつか言ってたわね! 私が怯えてると! ビクビクしてると!」ビリビリ

伊織「ええ、確かにアンタの言う通りよ! いつファンのみんなに見放されやしないかと、いっつも不安になるわ! でもね!」

伊織「こんな、『スタンド』なんてなくたってね…」

伊織「『自信』なんてちゃんと持ってるわよ…!! この伊織ちゃんはッ!」

伊織「アンタのは『自信』なんかじゃない! 自分の『不安』を全部、『スタンド』に押し付けて目を逸らしていただけよッ!」

春香「……………」

351: 2013/12/02(月) 01:56:55.27 ID:E96zfgt1o
遅くなりましたが…始めます。

353: 2013/12/02(月) 02:00:24.05 ID:E96zfgt1o
伊織「そもそも…最初から疑問だったんだけど」

伊織「春香。アンタ、自分が成功したのは『スタンド』のお陰だと…本当に、そう思ってる?」

春香「だって、今までずっと芽が出なかったのに、『スタンド』を身につけたら急に上手くいくようになったんだもん」

春香「そりゃ…『スタンド』以外に考えられないでしょう。みんなだって…」

伊織「はぁ…どう思う? 雪歩」

雪歩「春香ちゃん、それは違うと思うよ…?」

春香「何が? 雪歩だって、『スタンド使い』になってから仕事を取れるようになったじゃない」

雪歩「だって私、『スタンド』のことなんて全然知らなかったから」

春香「あ」

やよい「私、春香さんがすごくがんばってたから、私もがんばらなきゃって…」

真美「いつまでも亜美に置いてかれるわけにはいかなかったからね」

春香「え」

響「自分は最初から、すぐに舞台に立てるって思ってたぞ!」

貴音「社長がいなくなり、事務所があのようなことになってしまい…私達でなんとかしなければ、という気持はありました」

355: 2013/12/02(月) 02:01:50.41 ID:E96zfgt1o
春香「嘘だ…」

あずさ「春香ちゃん?」

春香「嘘だよ…」

伊織「まだ強情張るつもり?」

春香「だって、だったら…私が今までやってきたことは…」

美希「間違いだよ。最初からそう言ってる」

伊織「って、美希?」

千早「私もいるわ」

伊織「アンタ達、いつの間に…」

千早「徒歩で来た。どうやら、既に終わっていたようね」

やよい「ち、千早さん、その腕…! すぐ『くっつけ』ます!」

千早「ええ…ありがとう、高槻さん」

伊織「アンタ…その腕でここまで歩いてきたの…?」

千早「ええ、こんな状態でタクシーを使うわけにもいかないでしょう」

伊織「そういうことじゃないんだけど…」

357: 2013/12/02(月) 02:03:31.43 ID:E96zfgt1o
美希「ねぇ春香。春香はさ、テレビにも出てるし、歌も歌ってるよね? みんな、春香のコト知ってるよね?」

春香「うん…」

美希「それが、全部スタンドのおかげでした? 私は本当は何もできない人間なんです? なにそれ」

春香「だって…」

美希「春香が言ってるコトは、春香のコトが好きで応援してくれてるファンのみんなを裏切ってるの。わかる?」

春香「それは…」

真「ボク達は、ずっと頑張ってきたじゃないか。レッスンだって真面目に受けてきたし、オーディションにはいつも気合いを入れて臨んでいった」

真「それが全部『スタンド』のお陰だって? 自分の努力を、そんなもので汚されたくないよ」

千早「春香。貴女がトップアイドルに上り詰めたのは『スタンド使い』になったからじゃあない」

千早「貴女の日々の積み重ねが、貴女の頑張りが実を結んだ…ただ、それだけのことなのよ」

律子「偽りでも、自信が出た…ってのは理由のうちだと思うけど。それだけで自分の番組貰えるほど甘い世界じゃないわね」

359: 2013/12/02(月) 02:04:21.42 ID:E96zfgt1o
春香「みんなを『スタンド使い』にしたのは…」

春香「それがアイドルとしての『才能』を証明できるものだと思ったから。けど、そうでないなら…」

伊織「ま、全部が全部間違いってわけじゃあないわよ。ねぇ真?」

真「え? ボクに振らないでくれよ」

亜美「亜美は『スタートスター』大好きだよ!」

真美「うんうん、面白いしね!」

律子「そうね。私だって『ロット・ア・ロット』でこいつらを監視できるようになったわけだし」

亜美真美「「うげ…」」

伊織「中には雪歩の『ファースト・ステージ』のようにはた迷惑な奴もいるけど」

雪歩「あぅ…」

FS(失礼ナ…)

あずさ「『スタンド使い』になることが幸か不幸か、それはわからないけど」

あずさ「今回の事件に限って言えば…よかったのかも、ね。私達が、『スタンド使い』になって」

貴音「春香が私達を『スタンド使い』にしなければ…春香が一人だけ『スタンド』を独占していたなら…」

伊織「きっと、誰もアンタを止めることはできなかったでしょうね」

千早「………」

361: 2013/12/02(月) 02:05:35.00 ID:E96zfgt1o
春香「ねぇ、みんな…私は『スタンド』でみんなを…」

真「………」チラ

伊織「………」チラッ

真「ああーっ! そうだったね、酷い目に遭わされたよね!!」

伊織「そうね! とても許せることじゃないわ!」

春香「うっ…」

律子「さ! 終わったんだし、みんなで帰りましょう」クルッ

ゾロゾロ

春香「あ…」

美希「何やってんの? 春香」

春香「え?」

亜美「ほらほら! はるるんも一緒に帰ろうよ!」

春香「え? え?」

真美「もう、はるるんが笑ってないとみんな暗くなっちゃうじゃーん」

春香「許して…くれるの? こんなことした私を」

やよい「許すとか許さないとか、そういう話じゃないかなって」

伊織「私達は…仲間でしょうが」ドン!!

春香「仲間」

あずさ「『スタンド』なんてなくても、私たちはずっと…でしょう?」

363: 2013/12/02(月) 02:06:46.14 ID:E96zfgt1o
響「春香は自分のライバルだ! 今はまだまだだけど、すぐ追いつくからな!」

響「だから、しょぼくれて自滅なんてしないでくれよ!」

春香「響ちゃん…」

真「みんないるから頑張れるんだ、ボク達…765プロは」

春香「765プロ…みんな…」

貴音「そう。私達は皆で競い合い…支えあってやってきたのではありませんか」

雪歩「春香ちゃんも、その一人だよ」

春香「私も…」

千早「春香、手を」スッ

春香「…あ」ス…

キュッ

春香「ご…」トサッ

春香「…ごめんなさい、みんな…」

春香「………ただいま…みんな…」

千早「おかえりなさい、春香」

365: 2013/12/02(月) 02:07:13.76 ID:E96zfgt1o
律子「一件落着…ってとこかしら」

あずさ「そうですね。これで…やっと、全部終わった」

雪歩「………はい、そうですね。よかったです」

美希「春香は、世話が焼けるの」

伊織「まったくね。やれやれ…」フラ…

伊織「だわ…」

パタン

真「伊織!?」

やよい「伊織ちゃん!?」

真美「いおりーん!!」

伊織「静かにして、疲れた…」

To Be Continued→

367: 2013/12/02(月) 02:08:24.70 ID:E96zfgt1o
小鳥「千早ちゃん! 美希ちゃん!」

美希(ああ…すっかり忘れてたの…)

千早(事務所に帰ってくるなり、これ…)

P「春香! どうしたんだ、急にいなくなったりして!」

春香「プ、プロデューサーさん…戻ってきてたんですね」

P「あれ…? なんだ、みんな一緒だったのか…?」

小鳥「もしかして、私達に秘密で集まってたの…!? ショック…!」

律子「はは…まぁ、当たらずも遠からずですかね…」

小鳥「あっ、そんなことより! 千早ちゃん、美希ちゃん!」

千早「はい。なんでしょうか」

小鳥「なんでしょうかって…どうして、あんなケガを…」

千早「ケガ? なんのことですか?」

美希「小鳥、ワケわかんないの」

P「…二人とも、ケガなんてしてないみたいだな」

小鳥「あれ? え? でも…」

369: 2013/12/02(月) 02:09:20.69 ID:E96zfgt1o
小鳥「お、おかしいわね…確かにひどいケガを負っている二人を見たような…」

伊織「夢でも見てたんじゃないの?」

やよい「えへへ…そーだね!」

P「いやいや、ちょっと待った!」

春香「プロデューサーさん?」

P「待合室のあの状態! テレビも壊れてたし…あれって、小鳥さんの言っていたことと何か関係があるんじゃないのか!?」

春香「あっ…」

貴音「それは、大変ですね…我々はずっと一緒に別の場所にいたので、初耳です」

P「へ?」

真「あ、うん。そうなんですよ。ボク達、真美達の秘密基地に集まってたんです。ねぇ、真美?」

P「ひ、秘密基地…?」

真美「そーそー、近くのちょっとしたとこに…ね、亜美?」

亜美「うんうん、そこでジュース飲んだり、お菓子食べたり。ね、ゆきぴょん?」

雪歩「う、うん。そうですぅ。私達、ずっと一緒にいました」

371: 2013/12/02(月) 02:11:56.12 ID:E96zfgt1o
P「あ、あのー…あずささん…何かあったんですか?」

あずさ「あらあら、プロデューサーさんったらそんなこと聞いちゃいます?」

P「え!? 俺、何か変なこと聞きました!?」

小鳥「みんな、何か隠してない…?」

春香「え、えーと…その…」

千早「なんでもないんです」

小鳥「へ?」

P「ち、千早?」

響「そうだな。なんでもないぞ」

美希「なんでもないの」

P「り、律子…?」クルッ

律子「はい、そう! なんでもないんです!」

P「お、おう…?」

小鳥「り、律子さんがそう言うなら…」

373: 2013/12/02(月) 02:14:16.36 ID:E96zfgt1o
春香(こうして…)

春香(『弓と矢』と765プロをめぐる事件は、幕を閉じました)

春香(私、天海春香は…なんと言うか、戻ってきました。『弓と矢』と出会う前まで…色々な意味で…)

春香「乙女よー大志をいだっけー♪」

「なぁ、最近の天海春香…なんか、前と違くね?」

「あの冷たい感じがよかったんだよなー。ああ、春香様カムバーック…」

春香(人気は、若干落ちました。番組の視聴率も…)

春香(うーん、やっぱり『スタンド』は何か関係あったんじゃ…?)

春香(なんて、ね)

春香「乙女よー大志をいだっけー♪」

「春香ー! こっち向いてくれー!!」

「こっちの春香ちゃんも年頃の女の子って感じでいいよな!」

春香(それでも。私に会いにきてくれるファンの人達はたくさんいてくれました)

春香(そんな人達のために、私は今日も歌います。みんなに喜んでほしいから)

春香(そして私も、みんなと一緒に…喜びたいから)

春香「立ーちー上がれ、女諸君♪ ハイ!!」

375: 2013/12/02(月) 02:15:58.62 ID:E96zfgt1o
春香『もうすぐ仲間と君にー♪ 会えー♪ るよー♪』

ワァァァァ…

伊織「春香の単独ライブ、盛り上がってるわね。生放送の熱気がこっちまで伝わってくるわ」

千早「最近の春香、前よりも活き活きしてるように見えるわ」

千早「不安から解放されたような…そんな感じ」

伊織「結局の所…春香は『スタンド使い』になってからも、ずっと不安だったのね。自分が必要とされてないんじゃないかって」

伊織「だからみんなを同じ『仲間』にしようとした。みんなを『スタンド使い』にして…そうすることで、不安から逃れようとした」

ヒュン

真美「んっふっふ~、やったぜ…盗ってきてやったぜ、りっちゃんのメガネ!」

亜美「でかした、真美二等兵!」

キュルキュル

亜美「って、これ…見られてるじゃん!!」

バタン!!

律子「亜美! 真美! まーたあんた達はイタズラばっかして!」

真美「ゲッ…! もう来た!」

377: 2013/12/02(月) 02:17:03.46 ID:E96zfgt1o
亜美「逃げろッ!」

ヒュン

律子「ふふふ…眼鏡がなくたって、私から逃げられるわけがないでしょう…?」カタカタカタカタ

スタスタスタ…

伊織「そういや春香のヤツ、あれ以来、『アイ・ウォント』を出せなくなったみたいね。『スタンド』は見えるらしいけど」

千早「水瀬さん、春香の『アイ・ウォント』は勝手に消えてしまったのよね?」

伊織「ええ。この伊織ちゃんに恐れをなして消えたのね、きっと」

千早「私、『アイ・ウォント』は…春香の戦いを止めるために、自らいなくなったんじゃないかと思うの」

千早「春香も、心のどこかでわかっていたんじゃないかしら。あれ以上戦う意味なんてないって」

伊織「そうかしら? それはちょっと都合よく考えすぎなんじゃあないの?」

春香『いーつーもーありがとう♪ 頑張ーってー♪ 胸がー♪ 詰まって言えーないー♪』

伊織「でも、ま…そうかもね」

379: 2013/12/02(月) 02:18:10.75 ID:E96zfgt1o
春香「何故かな、あなたをー♪ 想うと満ーたーされるからー♪ 頑張ろう、今をー♪」

春香「………」

シン…

パチパチパチパチパチパチパチパチ…

春香「みなさーん! そろそろ、終わりの時間が近付いてきました!」

エェー…

春香「最後の曲に移るその前に、ちょっと話したいことがあります」

ザワ…

春香「すぅーっ…」

春香「はぁーっ…」

春香「私、結構前から友達とケンカしていました」

ムゥン…?

春香「あっ、それはもう仲直りしたんですけど…」

春香「私は友達に酷いことをしたのに、友達は、私のことを思って色々なことをしてくれていたんです」

春香「それに気づいた時にはなんだか自分が恥ずかしくなったけど…」

春香「それよりも、その…嬉しかったんです! みんなが、私のために何かをしてくれていたのが…」

381: 2013/12/02(月) 02:19:15.88 ID:E96zfgt1o
春香(このライブのように、私のアイドル人生にもいつかは終わりが来る)

春香「その時、気づいたんです。私は、色んな人に支えられて、ここにいるんだって」

春香「事務所の仲間達、プロデューサーさん、歌や衣装を作ってくれる人達、会場設営をしてくれる皆さん、そして、ファンのみんな!」

春香(いつまで、こうしていられるのかはわからないけど…)

春香「いっぱい、ドジしたり間違ったりするかもしれませんけど…」

春香「それでも、みんなが応援してくれるから、私は頑張れるんです!」

春香「これからもずっとずっと、天海春香を見ていてください!」

オォォォォォ!

春香(でも、大丈夫。もう、道を見失ったりはしない。だって私は…)

春香「さぁ、最後の曲はもちろんこれ! 行っくよー!!」

春香「『THE IDOLM@STER』!!」

ワァァァァァァ…

春香(だって私は、765プロの、アイドルだから!)

383: 2013/12/02(月) 02:19:59.37 ID:E96zfgt1o


『弓と矢』第一部

春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」




385: 2013/12/02(月) 02:21:03.00 ID:E96zfgt1o
これで完結です。
ここまで読んでくださったみなさん、支援してくださった方々、ありがとうございました。

386: 2013/12/02(月) 02:22:23.95 ID:bg2THTES0
乙です
とても楽しめました

387: 2013/12/02(月) 02:32:41.66 ID:zMQqrh3m0
長い間本当にお疲れさま

最初のスレから追ってたけどジョジョとアイマス両方の愛に溢れててすごく楽しめた!
この作品を読めて本当に良かったよ!

392: 2013/12/02(月) 07:26:30.83 ID:SBACid2mo
乙!
ずっと楽しみに読んでたよ!

393: 2013/12/02(月) 08:06:17.24 ID:JVD0qBahO


ついに終わってしまったか楽しみが一つ減るなあ

引用元: やよい「『弓と矢』と765プロ」