227: 2014/05/31(土) 00:55:56 ID:d52X7c9Y
前話はこちら
伊織「『リゾラ』…」
ドド ドドド
真「どことなく『南国』っぽい感じのスタンドだね…」
貴音「一つはっきりしているのは、このスタンドは『すもぉきぃ・すりる』ではない。つまり…」
真「こいつは、伊織じゃあない…」
伊織「………」
真「おまえは、何者だ!?」
伊織「さっきから、『誰』だの『何者』だの…」
伊織「いいわ。なら教えてあげる、私は…」
真「…!」
伊織「水瀬伊織よ。水瀬財閥の長女」
真「…は?」
ドド ドドド
真「どことなく『南国』っぽい感じのスタンドだね…」
貴音「一つはっきりしているのは、このスタンドは『すもぉきぃ・すりる』ではない。つまり…」
真「こいつは、伊織じゃあない…」
伊織「………」
真「おまえは、何者だ!?」
伊織「さっきから、『誰』だの『何者』だの…」
伊織「いいわ。なら教えてあげる、私は…」
真「…!」
伊織「水瀬伊織よ。水瀬財閥の長女」
真「…は?」
228: 2014/05/31(土) 00:57:20 ID:d52X7c9Y
伊織「両親は健在。兄が二人。お父様もお兄様達も、尊敬はしてるわ」
伊織「好きなものはオレンジジュースかしら…果汁100%のやつね。炭酸はダメ、ピリピリして口に合わないわ」
伊織「他は、旅行。色々な国の景色や文化に触れるのは好きよ。すぐ近所では手に入らないものだから」
伊織「宝物は、このぬいぐるみ…おべっか使う他人と違って、この子は普通に接してくれた。名前は…そう簡単に他人に話したりはしないわ」
伊織「アイドルを始めた理由は…まぁ、この美しさを放っておくのって世の中にとって損じゃない?」
真「なんだ…何をベラベラと…」
伊織「自己紹介だけど? アンタ達が、『誰?』なんて言うから」
真「自己紹介って…お前が言ってるのは…それは、伊織のことだろう!?」
貴音「貴女が水瀬伊織ではないのはとうにわかっています」
真「ボク達が聞いているのは、おまえのことだ! おまえは誰かと聞いているッ!」
伊織「はぁ。だから…」フルフル
首を横に振る。
伊織「好きなものはオレンジジュースかしら…果汁100%のやつね。炭酸はダメ、ピリピリして口に合わないわ」
伊織「他は、旅行。色々な国の景色や文化に触れるのは好きよ。すぐ近所では手に入らないものだから」
伊織「宝物は、このぬいぐるみ…おべっか使う他人と違って、この子は普通に接してくれた。名前は…そう簡単に他人に話したりはしないわ」
伊織「アイドルを始めた理由は…まぁ、この美しさを放っておくのって世の中にとって損じゃない?」
真「なんだ…何をベラベラと…」
伊織「自己紹介だけど? アンタ達が、『誰?』なんて言うから」
真「自己紹介って…お前が言ってるのは…それは、伊織のことだろう!?」
貴音「貴女が水瀬伊織ではないのはとうにわかっています」
真「ボク達が聞いているのは、おまえのことだ! おまえは誰かと聞いているッ!」
伊織「はぁ。だから…」フルフル
首を横に振る。
229: 2014/05/31(土) 00:58:45 ID:d52X7c9Y
伊織「私は正真正銘、伊織ちゃんだっての」
真「違う、おまえは伊織じゃない」
伊織「いいえ、私は水瀬伊織」
イオリ「…そう。私が本物の、水瀬伊織になる」
・ ・ ・ ・
真「『なる』…? なるって言ったのか、おまえ」
イオリ「確かにアンタ達の言う通り、私は以前この事務所にいた水瀬伊織じゃあないわ」
貴音「これはまた、面妖な表現をするものですね」
イオリ「でも…これからは私が、水瀬伊織として生きる。それだけの話よ」
真「伊織に成り代わる気か…? そんなこと、不可能だ」
イオリ「そう? 結構いけると思うけど」
真「いけるって? どこが。こうして、ボク達にバレてるだろう」
イオリ「はぁ、よく言うわ。この『一週間』…ずっと私のことに気づかなかったってのに」
真「は…」
真「違う、おまえは伊織じゃない」
伊織「いいえ、私は水瀬伊織」
イオリ「…そう。私が本物の、水瀬伊織になる」
・ ・ ・ ・
真「『なる』…? なるって言ったのか、おまえ」
イオリ「確かにアンタ達の言う通り、私は以前この事務所にいた水瀬伊織じゃあないわ」
貴音「これはまた、面妖な表現をするものですね」
イオリ「でも…これからは私が、水瀬伊織として生きる。それだけの話よ」
真「伊織に成り代わる気か…? そんなこと、不可能だ」
イオリ「そう? 結構いけると思うけど」
真「いけるって? どこが。こうして、ボク達にバレてるだろう」
イオリ「はぁ、よく言うわ。この『一週間』…ずっと私のことに気づかなかったってのに」
真「は…」
230: 2014/05/31(土) 01:00:15 ID:d52X7c9Y
イオリ「何よ、その顔。まさか、私がついさっき、ここに来たばかりだなんて思ってたの?」
ゴゴゴゴゴ
真「なんだって…『一週間』?」
真「おまえは一週間前から、伊織と入れ替わっていたっていうのかッ!?」
イオリ「ええ、そうよ。何も気づかずマヌケ面してるアンタ達と、仲良く仕事してましたァ~」
イオリ「貴音、アンタだってそうよ。さっきまで、私の…水瀬伊織の異変に、全く気づいていなかったんでしょう?」
貴音「それは…」
真「けど! ボク達は気づいた! お前の記憶の綻びから!」
イオリ「ええ、それは失敗だったわね。ちょうど入れ替わった時に、そんな出来事があったなんて知らなかったのよ」
ドドドド
イオリ「それ以前なら、水瀬伊織の記憶は全部ある…ボロを出すことはないわ。そのはずだった」
真「記憶は全部ある…どういうことだ? おまえが伊織の記憶を持っていると?」
貴音「それが本当だとして何故、一週間前の記憶だけがないのです?」
イオリ「アンタ達が知る必要はないわ」
ゴゴゴゴゴ
真「なんだって…『一週間』?」
真「おまえは一週間前から、伊織と入れ替わっていたっていうのかッ!?」
イオリ「ええ、そうよ。何も気づかずマヌケ面してるアンタ達と、仲良く仕事してましたァ~」
イオリ「貴音、アンタだってそうよ。さっきまで、私の…水瀬伊織の異変に、全く気づいていなかったんでしょう?」
貴音「それは…」
真「けど! ボク達は気づいた! お前の記憶の綻びから!」
イオリ「ええ、それは失敗だったわね。ちょうど入れ替わった時に、そんな出来事があったなんて知らなかったのよ」
ドドドド
イオリ「それ以前なら、水瀬伊織の記憶は全部ある…ボロを出すことはないわ。そのはずだった」
真「記憶は全部ある…どういうことだ? おまえが伊織の記憶を持っていると?」
貴音「それが本当だとして何故、一週間前の記憶だけがないのです?」
イオリ「アンタ達が知る必要はないわ」
231: 2014/05/31(土) 01:01:24 ID:d52X7c9Y
イオリ「そう、アンタ達は私の『正体』を知ってしまった」
ゴゴ
イオリ「でも…逆に言えば、真、貴音。アンタ達二人を始末すれば…」
ゴゴゴゴ
イオリ「この事務所に、私のことを知るヤツはいない。そうでしょう?」
ゴゴゴ ゴゴゴゴ
イオリ「元々、そうするつもりだったし」
貴音「…私達も始末し、伊織と同じように偽物に成り代わらせるのでしょうか?」
イオリ「だから、話聞いてんの? それを知ってどうすんのよ、時間のムダだわ」
真「本気で言っているのか?」ググ…
パキ!
右手の人差し指を曲げると、鎧に覆われた指が鳴った。
真「ボクと貴音を始末できるなんて、本気でそう思っているのか?」パキパキパキ
指を手の内側に押し込んで握り込み、拳を作る。
ゴゴ
イオリ「でも…逆に言えば、真、貴音。アンタ達二人を始末すれば…」
ゴゴゴゴ
イオリ「この事務所に、私のことを知るヤツはいない。そうでしょう?」
ゴゴゴ ゴゴゴゴ
イオリ「元々、そうするつもりだったし」
貴音「…私達も始末し、伊織と同じように偽物に成り代わらせるのでしょうか?」
イオリ「だから、話聞いてんの? それを知ってどうすんのよ、時間のムダだわ」
真「本気で言っているのか?」ググ…
パキ!
右手の人差し指を曲げると、鎧に覆われた指が鳴った。
真「ボクと貴音を始末できるなんて、本気でそう思っているのか?」パキパキパキ
指を手の内側に押し込んで握り込み、拳を作る。
232: 2014/05/31(土) 01:04:20 ID:d52X7c9Y
イオリ「出来もしないことを…」スッ
イオリのスタンド『リゾラ』が、制止するように手を出す。
真「オラァッ!!」ゴォ
真は構わず、右腕で外側から大きく引っ掛けるように、目の前に立つイオリに殴り掛かった。
イオリ「得意気に言ったりしないわよ、この伊織ちゃんは!」
バンッ!!
真「!?」
突然『ストレイング・マインド』を被っている真の顔付近で、爆発が起こる。
真「な…なんだ、今のは…爆発した!?」
その衝撃に怯んで、真の拳が止まる。左手で頭を押さえた。
イオリ「」カン カン カン
その隙に、イオリが階段を駆け上がっている。
貴音「『フラワーガール』」ヒュオッ
貴音のスタンドが、一瞬にして距離を詰めた。
イオリのスタンド『リゾラ』が、制止するように手を出す。
真「オラァッ!!」ゴォ
真は構わず、右腕で外側から大きく引っ掛けるように、目の前に立つイオリに殴り掛かった。
イオリ「得意気に言ったりしないわよ、この伊織ちゃんは!」
バンッ!!
真「!?」
突然『ストレイング・マインド』を被っている真の顔付近で、爆発が起こる。
真「な…なんだ、今のは…爆発した!?」
その衝撃に怯んで、真の拳が止まる。左手で頭を押さえた。
イオリ「」カン カン カン
その隙に、イオリが階段を駆け上がっている。
貴音「『フラワーガール』」ヒュオッ
貴音のスタンドが、一瞬にして距離を詰めた。
233: 2014/05/31(土) 01:05:08 ID:d52X7c9Y
イオリ「うお…」
ヒュバ!!
左手で、イオリの喉元に向かって手刀を繰り出す。
イオリ「リ、『リゾラ』ッ!」バッ
イオリのスタンドがその前に立ちふさがった。
チリッ
ドスゥ
イオリ「ぐえっ!」
『フラワーガール』の一撃は『リゾラ』の手に掠り、その鎖骨あたりに突き刺さった。
真「スタンドへのダメージは、本体へのダメージ…スタンドが殴られれば、本体も同じ衝撃を受ける」
ギャァァン
『リゾラ』が、本体のイオリごと階段の上まで吹っ飛ばされる。
ヒュバ!!
左手で、イオリの喉元に向かって手刀を繰り出す。
イオリ「リ、『リゾラ』ッ!」バッ
イオリのスタンドがその前に立ちふさがった。
チリッ
ドスゥ
イオリ「ぐえっ!」
『フラワーガール』の一撃は『リゾラ』の手に掠り、その鎖骨あたりに突き刺さった。
真「スタンドへのダメージは、本体へのダメージ…スタンドが殴られれば、本体も同じ衝撃を受ける」
ギャァァン
『リゾラ』が、本体のイオリごと階段の上まで吹っ飛ばされる。
234: 2014/05/31(土) 01:07:16 ID:d52X7c9Y
ドサァ!!
真「よし! 入った!」
貴音「いえ…」
イオリ「フゥー…」ムクッ
タタッ
イオリは地面に落ちてすぐに立ち上がると、真達から見て左側の廊下へと走り出した。
貴音「浅い…」
真「よし! 入った!」
貴音「いえ…」
イオリ「フゥー…」ムクッ
タタッ
イオリは地面に落ちてすぐに立ち上がると、真達から見て左側の廊下へと走り出した。
貴音「浅い…」
235: 2014/05/31(土) 01:08:07 ID:d52X7c9Y
タタタ
イオリ「あの二人、どちらに気をつけるべきかと言えば貴音の『フラワーガール』ね…」
イオリ「体力を大きく消費するという弱点はあるけど…あのパワー、あのスピードであの射程距離…どうかしてるわね」
イオリ「でも…これで『半分封じた』」
イオリ「そして…」
イオリ「あの二人、どちらに気をつけるべきかと言えば貴音の『フラワーガール』ね…」
イオリ「体力を大きく消費するという弱点はあるけど…あのパワー、あのスピードであの射程距離…どうかしてるわね」
イオリ「でも…これで『半分封じた』」
イオリ「そして…」
236: 2014/05/31(土) 01:09:02 ID:d52X7c9Y
カン!!
真が、階段に足をかける。
真「貴音、追いかけよう! あいつを野放しにするわけにはいかない」
貴音「ええ、わかり…」
トス
・ ・ ・ ・
貴音の身体が、左側にある手すりに寄りかかった。
真「さっきの『爆発』…あれが、あいつのスタンドの能力なのか…?」
真「………」
クルッ
貴音「………」ググッ
真が振り向くと、貴音は右腕で左手を押さえていた。
真「? どうしたの、貴音」
真が、階段に足をかける。
真「貴音、追いかけよう! あいつを野放しにするわけにはいかない」
貴音「ええ、わかり…」
トス
・ ・ ・ ・
貴音の身体が、左側にある手すりに寄りかかった。
真「さっきの『爆発』…あれが、あいつのスタンドの能力なのか…?」
真「………」
クルッ
貴音「………」ググッ
真が振り向くと、貴音は右腕で左手を押さえていた。
真「? どうしたの、貴音」
237: 2014/05/31(土) 01:09:43 ID:d52X7c9Y
ダラン
真「………」
ゴ ゴゴ
貴音「左腕が…動かないのです…」
真「なんだって?」
貴音「腕の筋肉が『弛緩』して元に戻らない。力が…入らない」
真「ど、どうして…」
貴音「先程、『フラワーガール』の左腕があのスタンドの手に触れた…ような気がします」
貴音「恐らく、これがあの者の能力なのでしょう」
真「おいおいおいおい、ちょっと待ってよ」
真「じゃあ、さっきの『爆発』はなんだっていうのさ? 間違いなく、ボクは攻撃を受けた」
貴音「ええ、私も見ました…が、なんらかの方法で私の腕が『弛緩』されているのも事実」
真「スタンドは、一人一能力のはずだろう!? 千早の『ブルー・バード』だって、『奪い』『与える』という同じ能力!」
真「あいつは、二つの能力を使えるのか!?」
真「………」
ゴ ゴゴ
貴音「左腕が…動かないのです…」
真「なんだって?」
貴音「腕の筋肉が『弛緩』して元に戻らない。力が…入らない」
真「ど、どうして…」
貴音「先程、『フラワーガール』の左腕があのスタンドの手に触れた…ような気がします」
貴音「恐らく、これがあの者の能力なのでしょう」
真「おいおいおいおい、ちょっと待ってよ」
真「じゃあ、さっきの『爆発』はなんだっていうのさ? 間違いなく、ボクは攻撃を受けた」
貴音「ええ、私も見ました…が、なんらかの方法で私の腕が『弛緩』されているのも事実」
真「スタンドは、一人一能力のはずだろう!? 千早の『ブルー・バード』だって、『奪い』『与える』という同じ能力!」
真「あいつは、二つの能力を使えるのか!?」
238: 2014/05/31(土) 01:10:56 ID:d52X7c9Y
貴音「同じ能力、かもしれません」
真「同じ能力…どういう能力なら、こんな現象を起こせるんだ…」
貴音「どのような能力を持っていようと…」
貴音「彼女が私達を狙っていること…そして、彼女が765プロにとって『敵』であることに、変わりありません」
真「やるしかない、か…随分離れてしまったけど、伊織と同じくらいの身体能力ならすぐ追いつける」コッ
二人が、階段を上り始める。
真「『リゾラ』だったっけ? あのスタンドの情報が少なすぎる。そして、あいつの言ったことが本当なら…」
貴音「私達の能力は筒抜けでしょうね。二対一でも、有利ということはない…」
ズッ
・ ・ ・ ・
貴音の足下。階段から、二本の手が出現した。
貴音(一つ…わかっていることがあった)
ズオッ
手が、貴音の足を狙って襲いかかる。
貴音(わざわざ私達から離れるということは…『遠隔操作型』のスタンド…!!)
真「同じ能力…どういう能力なら、こんな現象を起こせるんだ…」
貴音「どのような能力を持っていようと…」
貴音「彼女が私達を狙っていること…そして、彼女が765プロにとって『敵』であることに、変わりありません」
真「やるしかない、か…随分離れてしまったけど、伊織と同じくらいの身体能力ならすぐ追いつける」コッ
二人が、階段を上り始める。
真「『リゾラ』だったっけ? あのスタンドの情報が少なすぎる。そして、あいつの言ったことが本当なら…」
貴音「私達の能力は筒抜けでしょうね。二対一でも、有利ということはない…」
ズッ
・ ・ ・ ・
貴音の足下。階段から、二本の手が出現した。
貴音(一つ…わかっていることがあった)
ズオッ
手が、貴音の足を狙って襲いかかる。
貴音(わざわざ私達から離れるということは…『遠隔操作型』のスタンド…!!)
239: 2014/05/31(土) 01:12:34 ID:d52X7c9Y
貴音「『フラワー…」
ガッ!
貴音「!」
スタンドを出す前に、両足を掴まれる。
真「え?」
貴音「真…」
真「た、貴音…」
貴音「今…攻撃されました。しかし、見ていなければこのような正確な動きはできない…」
貴音「あの者は、すぐそこにいるはず。私には構わず…行ってください」
ガクン!!
貴音の膝が折れる。
ガンッ!
ゴロン ゴロン
ドギャァァァア!!
そのまま力なく崩れ、体を階段に叩き付けながら下まで転がっていった。
ガッ!
貴音「!」
スタンドを出す前に、両足を掴まれる。
真「え?」
貴音「真…」
真「た、貴音…」
貴音「今…攻撃されました。しかし、見ていなければこのような正確な動きはできない…」
貴音「あの者は、すぐそこにいるはず。私には構わず…行ってください」
ガクン!!
貴音の膝が折れる。
ガンッ!
ゴロン ゴロン
ドギャァァァア!!
そのまま力なく崩れ、体を階段に叩き付けながら下まで転がっていった。
240: 2014/05/31(土) 01:13:42 ID:d52X7c9Y
ドドドドド
真「え…」
貴音「………」
真「」クルッ
真は貴音が転げ落ちる様を見ていたが、すぐに、階段の上に視線を移す。
ドドドド
イオリ「………」
真「お…おまえ… …ッ!!」
階段の上、柱の影に、イオリが立っていた。
イオリ「私のスタンド、『リゾラ』。その能力は『弛緩』…『緩ませる』こと」
イオリ「身体に触れれば、もう力を入れられない。足が『弛緩』すれば、立つことすらできない」
真「何をベラベラと…! 貴音に不意打ちを仕掛けたくせに、これで正々堂々のつもりか!?」
イオリ「別に。貴音の『フラワーガール』さえ潰せれば後はどうだっていいわ」
真「え…」
貴音「………」
真「」クルッ
真は貴音が転げ落ちる様を見ていたが、すぐに、階段の上に視線を移す。
ドドドド
イオリ「………」
真「お…おまえ… …ッ!!」
階段の上、柱の影に、イオリが立っていた。
イオリ「私のスタンド、『リゾラ』。その能力は『弛緩』…『緩ませる』こと」
イオリ「身体に触れれば、もう力を入れられない。足が『弛緩』すれば、立つことすらできない」
真「何をベラベラと…! 貴音に不意打ちを仕掛けたくせに、これで正々堂々のつもりか!?」
イオリ「別に。貴音の『フラワーガール』さえ潰せれば後はどうだっていいわ」
241: 2014/05/31(土) 01:16:01 ID:d52X7c9Y
真「おまえを…ブッ倒すッ!」
イオリ「ハッ! そんなこと言う前にさっさとかかってきたら? だからダメなのよアンタは!」
真「」ダッ!!
『ストレイング・マインド』で向上した脚力で思い切り跳躍し、イオリに飛びかかる。
真「オラァッ!!」ドン
空中で真っ直ぐに拳を突き出す。
イオリ「そして、『ブッ倒す』…ね」
イオリ「残念だけど、アンタじゃあ無理よ、真。私の『リゾラ』には絶対に勝てない」スッ
真「!」ブルンッ
最小限の動きで、大振りの攻撃を避け…
イオリ「」サッ!
トン
空振った真の右腕に、『リゾラ』の左手が触れた。
イオリ「ハッ! そんなこと言う前にさっさとかかってきたら? だからダメなのよアンタは!」
真「」ダッ!!
『ストレイング・マインド』で向上した脚力で思い切り跳躍し、イオリに飛びかかる。
真「オラァッ!!」ドン
空中で真っ直ぐに拳を突き出す。
イオリ「そして、『ブッ倒す』…ね」
イオリ「残念だけど、アンタじゃあ無理よ、真。私の『リゾラ』には絶対に勝てない」スッ
真「!」ブルンッ
最小限の動きで、大振りの攻撃を避け…
イオリ「」サッ!
トン
空振った真の右腕に、『リゾラ』の左手が触れた。
242: 2014/05/31(土) 01:16:56 ID:d52X7c9Y
真「!」ガクン
右腕が落ちた。
イオリ「スタンドへの攻撃は本体への攻撃! 『鎧』を纏っていようが関係ないわ!」
真「く…」
イオリ「右腕を封じた、こうなったらもうアンタはポンコツよ」
真「駄目だな、これじゃ…冷静になるべきか」パキッ
左手を握り込む。
イオリ「フン…」
イオリ(冷静になったところで…右腕を失えば、あとは左腕しかないでしょう? 片足を封じられたら、もう終わりだから)
イオリ(真のスピードは速い…でも、左腕で来るとわかっていれば充分避けられ…)
真「オラァッ」グオッ
バリィィン!!
真が左腕で、柱を殴った。
イオリ「!」
右腕が落ちた。
イオリ「スタンドへの攻撃は本体への攻撃! 『鎧』を纏っていようが関係ないわ!」
真「く…」
イオリ「右腕を封じた、こうなったらもうアンタはポンコツよ」
真「駄目だな、これじゃ…冷静になるべきか」パキッ
左手を握り込む。
イオリ「フン…」
イオリ(冷静になったところで…右腕を失えば、あとは左腕しかないでしょう? 片足を封じられたら、もう終わりだから)
イオリ(真のスピードは速い…でも、左腕で来るとわかっていれば充分避けられ…)
真「オラァッ」グオッ
バリィィン!!
真が左腕で、柱を殴った。
イオリ「!」
243: 2014/05/31(土) 01:17:26 ID:d52X7c9Y
ヒュン ヒュヒュン
『ストレイング・マインド』の能力で『固く』なり、真の拳で砕かれた柱の欠片がイオリに向かって飛ぶ。
イオリ「そうか、『固く』した物体を殴り飛ばす『硬化散弾銃』…」
ゴォォォォ
イオリ「これがあったわね…!」ダッ
ゴロゴロ
横っ飛びして、転がりながら躱す。
真「」タンッ
イオリ「!」ムクッ
イオリが起き上がる前に、真が右足を踏み出している。
真「行くぞ『ストレイング・マインド』ッ!!」グッ
イオリ(左が来る…)
『ストレイング・マインド』の能力で『固く』なり、真の拳で砕かれた柱の欠片がイオリに向かって飛ぶ。
イオリ「そうか、『固く』した物体を殴り飛ばす『硬化散弾銃』…」
ゴォォォォ
イオリ「これがあったわね…!」ダッ
ゴロゴロ
横っ飛びして、転がりながら躱す。
真「」タンッ
イオリ「!」ムクッ
イオリが起き上がる前に、真が右足を踏み出している。
真「行くぞ『ストレイング・マインド』ッ!!」グッ
イオリ(左が来る…)
244: 2014/05/31(土) 01:19:06 ID:d52X7c9Y
グイッ
イオリ「ん?」
真は右足を軸足に、左の腿を振り上げ、右側に身体を捻る。
真「『緩ませる』スタンドだって…?」
ガッ
サイドスローのピッチャーが投球するように、右腕をしならせた。
イオリ「な…『右』!? 遠心力で…!」
真「鎧には緩む筋肉もないだろう! 叩き付けるッ!!」
イオリ「く…」
真「オラァ!!」グイン
イオリ「」ガクッ
イオリ(この立ち上がる体勢がまずい…前か後ろか、倒れ込まないと躱しきれない…)
イオリ(いや、でもそうしたらその隙に左腕を叩き込まれる…)
イオリ「ん?」
真は右足を軸足に、左の腿を振り上げ、右側に身体を捻る。
真「『緩ませる』スタンドだって…?」
ガッ
サイドスローのピッチャーが投球するように、右腕をしならせた。
イオリ「な…『右』!? 遠心力で…!」
真「鎧には緩む筋肉もないだろう! 叩き付けるッ!!」
イオリ「く…」
真「オラァ!!」グイン
イオリ「」ガクッ
イオリ(この立ち上がる体勢がまずい…前か後ろか、倒れ込まないと躱しきれない…)
イオリ(いや、でもそうしたらその隙に左腕を叩き込まれる…)
245: 2014/05/31(土) 01:20:29 ID:d52X7c9Y
イオリ「だったら…」
スッ
イオリのスタンドが、左手を肩あたり、真の右腕の軌道線上まで上げた。
真「!?」
イオリ「………」
真「受け止める気か…!?」
ゴォォォ
真(ボクの『ストレイング・マインド』は、触れたものを『固く』する…)
真(『固い』ものは割れやすい…その特性上、この拳は何だろうがブッ壊す凶器となる)
真(『リゾラ』の能力があっても、この腕は既に『緩んで』いる…能力で受け止められるわけがない、自殺行為だ!)
真(…けど、こいつは伊織じゃない、それにこの『緩んだ』腕はボクにも止めようがない)
真(構わない、このままブチ抜くッ!!)
スッ
イオリのスタンドが、左手を肩あたり、真の右腕の軌道線上まで上げた。
真「!?」
イオリ「………」
真「受け止める気か…!?」
ゴォォォ
真(ボクの『ストレイング・マインド』は、触れたものを『固く』する…)
真(『固い』ものは割れやすい…その特性上、この拳は何だろうがブッ壊す凶器となる)
真(『リゾラ』の能力があっても、この腕は既に『緩んで』いる…能力で受け止められるわけがない、自殺行為だ!)
真(…けど、こいつは伊織じゃない、それにこの『緩んだ』腕はボクにも止めようがない)
真(構わない、このままブチ抜くッ!!)
246: 2014/05/31(土) 01:21:03 ID:d52X7c9Y
真「オラァァッ!!」
イオリ「『リゾラ』ッ!」
バシィィィィッ!!
真「………」
イオリ「………」
ボロ…
カラン カラ
破片が、崩れ落ちる。
ブシュ
真「バ…」
指先から、血が吹き出す。
真「バカな…」
イオリのスタンドには、傷ひとつ、ついていない。
イオリ「やっぱり、無理ね…アンタには。私を倒すなんて…」
イオリ「『リゾラ』ッ!」
バシィィィィッ!!
真「………」
イオリ「………」
ボロ…
カラン カラ
破片が、崩れ落ちる。
ブシュ
真「バ…」
指先から、血が吹き出す。
真「バカな…」
イオリのスタンドには、傷ひとつ、ついていない。
イオリ「やっぱり、無理ね…アンタには。私を倒すなんて…」
251: 2014/06/07(土) 22:55:41 ID:QUA.v9s6
真「」ズル…
ダラン
勢いを失った真の右腕が、床の方向へ垂れ下がる。
イオリ「やっぱ、『765プロ』の中で相手にするなら… ……」ザッ
真から距離を取った。
イオリ「アンタが一番楽ね。いくら『パワー』があっても、その『身に纏う』スタンドじゃあね…」
真「ぐっ…!」
ポタ ポタ
真(『鎧』が…あいつのスタンドの手に触れた部分が、クッキーみたいにボロボロになっている…)ボロッ
真「『ストレイング・マインド』の指先が…崩れるッ!」パラ パララッ
真「何故だ!? ボクのスタンドの能力は『固く』すること、その能力の中心にあるこの鎧は最強の硬度を持つ…」
真「割れることはあっても、こんな風に崩れるなんて! 一体何をしたッ!? なんなんだ、そのスタンドはッ!」
イオリ「全部言ったわ。私のスタンド、『リゾラ』の能力は『緩める』こと。ただ、それだけよ」
真「それだけ…だって…?」
ダラン
勢いを失った真の右腕が、床の方向へ垂れ下がる。
イオリ「やっぱ、『765プロ』の中で相手にするなら… ……」ザッ
真から距離を取った。
イオリ「アンタが一番楽ね。いくら『パワー』があっても、その『身に纏う』スタンドじゃあね…」
真「ぐっ…!」
ポタ ポタ
真(『鎧』が…あいつのスタンドの手に触れた部分が、クッキーみたいにボロボロになっている…)ボロッ
真「『ストレイング・マインド』の指先が…崩れるッ!」パラ パララッ
真「何故だ!? ボクのスタンドの能力は『固く』すること、その能力の中心にあるこの鎧は最強の硬度を持つ…」
真「割れることはあっても、こんな風に崩れるなんて! 一体何をしたッ!? なんなんだ、そのスタンドはッ!」
イオリ「全部言ったわ。私のスタンド、『リゾラ』の能力は『緩める』こと。ただ、それだけよ」
真「それだけ…だって…?」
252: 2014/06/07(土) 22:57:57 ID:QUA.v9s6
真「『鎧』には、筋肉のように緩む部分なんてない…」
真「それだけのスタンドが、『ストレイング・マインド』を破壊できるわけがないだろうッ!」
イオリ「この世のあらゆる物質は原子で構成されている」
真「………」
真「なに?」
イオリ「『スタンド』だって、恐らく例外ではないわ。エネルギーが発生している以上はそこにはなんらかの原子があるはず」
イオリ「そして、原子同士は『電磁気力』という力で結びついている。だから物体は形を保ってられるわけ」
イオリ「それを『緩め』たら…」ズゥッ
『リゾラ』が真に近付きながら、右手を伸ばす。
イオリ「どうなると思う?」
真「」ピキャン
左手の指を、壁に突っ込む。
イオリ「!」
真「それだけのスタンドが、『ストレイング・マインド』を破壊できるわけがないだろうッ!」
イオリ「この世のあらゆる物質は原子で構成されている」
真「………」
真「なに?」
イオリ「『スタンド』だって、恐らく例外ではないわ。エネルギーが発生している以上はそこにはなんらかの原子があるはず」
イオリ「そして、原子同士は『電磁気力』という力で結びついている。だから物体は形を保ってられるわけ」
イオリ「それを『緩め』たら…」ズゥッ
『リゾラ』が真に近付きながら、右手を伸ばす。
イオリ「どうなると思う?」
真「」ピキャン
左手の指を、壁に突っ込む。
イオリ「!」
253: 2014/06/07(土) 23:03:59 ID:QUA.v9s6
ググ…
ギ ピキン
真「オラァッ」
パリィィン
指の力で引っ掻くように、壁を抉り取り、飛ばす。
イオリ「」スッ
『リゾラ』の右腕を上げ、手のひらを飛んでくる破片に向けた。
ヒュォォォ
イオリ「原子が『弛緩』した物体は、非常に不安定な状態になる」
スッ
イオリ「そして、一瞬でも不安定になった物体は、元に戻る際自らの原子同士を結びつける力によって…」
ボロッ…
真「!」
イオリ「鉄だろうがダイヤモンドだろうが、焼き菓子みたいに簡単に崩れる!」
イオリ「触れただけで、どんな物体でも破壊できるのよ! 真、アンタの『ストレイング・マインド』以上にね!」
ギ ピキン
真「オラァッ」
パリィィン
指の力で引っ掻くように、壁を抉り取り、飛ばす。
イオリ「」スッ
『リゾラ』の右腕を上げ、手のひらを飛んでくる破片に向けた。
ヒュォォォ
イオリ「原子が『弛緩』した物体は、非常に不安定な状態になる」
スッ
イオリ「そして、一瞬でも不安定になった物体は、元に戻る際自らの原子同士を結びつける力によって…」
ボロッ…
真「!」
イオリ「鉄だろうがダイヤモンドだろうが、焼き菓子みたいに簡単に崩れる!」
イオリ「触れただけで、どんな物体でも破壊できるのよ! 真、アンタの『ストレイング・マインド』以上にね!」
254: 2014/06/07(土) 23:09:14 ID:QUA.v9s6
パラパラ
飛ばした壁の破片が、砂のようになって地面に落ちる。
イオリ「そして、『スタンドはスタンドでしか倒せない』。それがルール」
イオリ「鎧を破壊すれば、アンタの攻撃は『リゾラ』には届かない」
真「原子を『緩める』か…」
真「随分と、スケールが大きい話だね…いや、小さいのか?」
イオリ「スタンドは精神力のエネルギーよ。発想のスケールが小さいヤツじゃあスタンドの能力をフルには引き出せない!」
真「だとすると、ひとつ…妙なことがあるなぁ」パキッ
ダッ
左手を握りしめ、イオリに向かって走り出す。
イオリ「話聞いてたのかしらァ~ッ?」バッ!
イオリのスタンドが、両手を持ち上げた。
真「オラァッ!!」ビュバッ
構わず、左手の拳を突き出した。
飛ばした壁の破片が、砂のようになって地面に落ちる。
イオリ「そして、『スタンドはスタンドでしか倒せない』。それがルール」
イオリ「鎧を破壊すれば、アンタの攻撃は『リゾラ』には届かない」
真「原子を『緩める』か…」
真「随分と、スケールが大きい話だね…いや、小さいのか?」
イオリ「スタンドは精神力のエネルギーよ。発想のスケールが小さいヤツじゃあスタンドの能力をフルには引き出せない!」
真「だとすると、ひとつ…妙なことがあるなぁ」パキッ
ダッ
左手を握りしめ、イオリに向かって走り出す。
イオリ「話聞いてたのかしらァ~ッ?」バッ!
イオリのスタンドが、両手を持ち上げた。
真「オラァッ!!」ビュバッ
構わず、左手の拳を突き出した。
255: 2014/06/07(土) 23:22:18 ID:QUA.v9s6
イオリ「アンタの攻撃は…」
ゴォォォォォ
イオリ「通用しないって言ったでしょうが!」
ォォォォォォ
真の腕は止まらない。
イオリ「…チッ!」
グアァーッ
『リゾラ』が向かってくる腕の内側に身を捻って、ギリギリで躱す。
イオリ「」バッ
左腕に向かって、手を伸ばす。
真「」ガッ パギィィ!
右足を地面に叩き付け、めり込ませる。
イオリ「!」
真「」ギュルン!!
その足を支点として、身体を回転させた。
ゴォォォォォ
イオリ「通用しないって言ったでしょうが!」
ォォォォォォ
真の腕は止まらない。
イオリ「…チッ!」
グアァーッ
『リゾラ』が向かってくる腕の内側に身を捻って、ギリギリで躱す。
イオリ「」バッ
左腕に向かって、手を伸ばす。
真「」ガッ パギィィ!
右足を地面に叩き付け、めり込ませる。
イオリ「!」
真「」ギュルン!!
その足を支点として、身体を回転させた。
256: 2014/06/07(土) 23:29:09 ID:QUA.v9s6
イオリ「………」ス…
リゾラが伸ばした腕は空を切り…
真「」グオォォォォッ
遠心力で勢いを持った真の右腕が、イオリに襲いかかる。
イオリ「」パシィ!!
ポロッ パラパラ
・ ・ ・ ・
『リゾラ』の右手で受け止め、『ストレイング・マインド』の鎧を崩壊させる。
ク…グンッ
鎧を破壊された真の右腕が、手をすり抜けた。
グルン
真「オラァッ!」ドン
回った勢いのまま、再び左腕で殴り掛かる。
イオリ「」バッ
後ろに飛んで躱した。
リゾラが伸ばした腕は空を切り…
真「」グオォォォォッ
遠心力で勢いを持った真の右腕が、イオリに襲いかかる。
イオリ「」パシィ!!
ポロッ パラパラ
・ ・ ・ ・
『リゾラ』の右手で受け止め、『ストレイング・マインド』の鎧を崩壊させる。
ク…グンッ
鎧を破壊された真の右腕が、手をすり抜けた。
グルン
真「オラァッ!」ドン
回った勢いのまま、再び左腕で殴り掛かる。
イオリ「」バッ
後ろに飛んで躱した。
257: 2014/06/07(土) 23:39:49 ID:QUA.v9s6
真「うおっ」ブルンッ
ガシャァァァァン!!
思い切り体勢を崩し、地面に叩き付けられる。
真「………」
ドドドドドド
真「…やっぱりな」ムクッ
すぐに立ち上がる。ダメージが入った様子は全くない。
真「どんな物質でも破壊できる…と言ったね」
真「だったら、なぜボクの右腕や貴音の足の原子を『緩めて』破壊しないのか」
イオリ「………」
パキ パキ パキ
黒い鎧が、破壊された部分を埋めるように真の右腕を覆っていく。
真「できないんじゃあないのか? 最初、ボクの右腕に触った時は『鎧』は破壊されなかった」
真「なにか他に『緩む』ものがあれば…より大きな『緩む』ものがあったら…そちらを優先するしかないんじゃあないのか?」
イオリ「フン!」
ガシャァァァァン!!
思い切り体勢を崩し、地面に叩き付けられる。
真「………」
ドドドドドド
真「…やっぱりな」ムクッ
すぐに立ち上がる。ダメージが入った様子は全くない。
真「どんな物質でも破壊できる…と言ったね」
真「だったら、なぜボクの右腕や貴音の足の原子を『緩めて』破壊しないのか」
イオリ「………」
パキ パキ パキ
黒い鎧が、破壊された部分を埋めるように真の右腕を覆っていく。
真「できないんじゃあないのか? 最初、ボクの右腕に触った時は『鎧』は破壊されなかった」
真「なにか他に『緩む』ものがあれば…より大きな『緩む』ものがあったら…そちらを優先するしかないんじゃあないのか?」
イオリ「フン!」
258: 2014/06/07(土) 23:53:35 ID:QUA.v9s6
真「『鎧』には緩む部分がないと言ったけど」
真「逆なんだね。『緩む』部分がないからこそ、原子まで『緩め』させ…『ストレイング・マインド』を破壊できた」
イオリ「ええ、そうね。どの道、腕の筋肉が緩めば終わりだけど」
真「いや、全然違うよ。腕の筋肉が『緩んだ』としても、『ストレイング・マインド』が破壊されなければ…」
ゴゴゴ
真「一発分…キミの腕をフッ飛ばすくらいはできるからね」
ゴゴゴゴゴ
イオリ「………」
真「」ダッ!!
真っ直ぐに、イオリの方に突っ込んでいく。
イオリ「」ズズッ
真「!」
『リゾラ』が、横の部屋の、開いているドアの根元に触れている。
真「逆なんだね。『緩む』部分がないからこそ、原子まで『緩め』させ…『ストレイング・マインド』を破壊できた」
イオリ「ええ、そうね。どの道、腕の筋肉が緩めば終わりだけど」
真「いや、全然違うよ。腕の筋肉が『緩んだ』としても、『ストレイング・マインド』が破壊されなければ…」
ゴゴゴ
真「一発分…キミの腕をフッ飛ばすくらいはできるからね」
ゴゴゴゴゴ
イオリ「………」
真「」ダッ!!
真っ直ぐに、イオリの方に突っ込んでいく。
イオリ「」ズズッ
真「!」
『リゾラ』が、横の部屋の、開いているドアの根元に触れている。
259: 2014/06/07(土) 23:59:15 ID:QUA.v9s6
ギュルン
シュパッ シュパン!!
ドアの金具を留めているネジが思い切り『緩み』、真の方に飛び出していく。
真「………」
グラッ
いつの間に触れていたのか、天井にある蛍光灯も『緩み』…
ズオォッ
真の頭上へと落ちていく。
イオリ「『リゾラ』!」
イオリが一緒に、スタンドを突っ込ませた。
真「………」
ガシャァァァン!!
蛍光灯が頭にぶつかって割れる。
ガシャ ガシャン
破片が地面に落ちた。
シュパッ シュパン!!
ドアの金具を留めているネジが思い切り『緩み』、真の方に飛び出していく。
真「………」
グラッ
いつの間に触れていたのか、天井にある蛍光灯も『緩み』…
ズオォッ
真の頭上へと落ちていく。
イオリ「『リゾラ』!」
イオリが一緒に、スタンドを突っ込ませた。
真「………」
ガシャァァァン!!
蛍光灯が頭にぶつかって割れる。
ガシャ ガシャン
破片が地面に落ちた。
260: 2014/06/08(日) 00:05:31 ID:ggTkoY.g
カッ! ガガッ!!
飛んできたネジが、『鎧』に弾かれる。
避けたり、反応したりはしない。
イオリ「」ピタッ
そんな真の様子を見て、『リゾラ』の動きを止めさせた。
真「こんな…」
イオリ「………」
真「こけおどしが通用すると思ったのか」
イオリ「流石に冷静みたいね…肝の据わったヤツ」
真「」パラッ
顎を引き、頭の上に残っていた蛍光灯の破片を落として、左手に乗せる。
パキッ!!
握り潰した。
飛んできたネジが、『鎧』に弾かれる。
避けたり、反応したりはしない。
イオリ「」ピタッ
そんな真の様子を見て、『リゾラ』の動きを止めさせた。
真「こんな…」
イオリ「………」
真「こけおどしが通用すると思ったのか」
イオリ「流石に冷静みたいね…肝の据わったヤツ」
真「」パラッ
顎を引き、頭の上に残っていた蛍光灯の破片を落として、左手に乗せる。
パキッ!!
握り潰した。
261: 2014/06/08(日) 00:17:20 ID:ggTkoY.g
真「オラァッ」
ヒュゥォン!!
手の中でコナゴナになった破片をイオリに投げつける。
タッ!
同時に身をかがめて、長距離ランナーがスパートをかけるように加速した。
イオリ「来た来た来た来た…」
イオリ(破片を避ければその後に攻撃が来る、攻撃を避けるためには破片は受ける覚悟が必要…)
真「」ガッ ガ ガ ガ
イオリ(どっちも避ける…なんて無理ね。このスピードじゃあ、避けて体勢を崩した瞬間ジ・エンド)
イオリ「私が同じことやってもこけおどしにしかならないのに…チッ、パワーもスピードもあっていいわねぇアンタのスタンドは…!」
ゴォォォォォ
イオリ「でも…この伊織ちゃんの美しい顔に傷をつけるなんてできやしない…わッ!」タッ
イオリは左方向…真から見ると、腕が動かない右方向に飛んで躱す。
ヒュゥォン!!
手の中でコナゴナになった破片をイオリに投げつける。
タッ!
同時に身をかがめて、長距離ランナーがスパートをかけるように加速した。
イオリ「来た来た来た来た…」
イオリ(破片を避ければその後に攻撃が来る、攻撃を避けるためには破片は受ける覚悟が必要…)
真「」ガッ ガ ガ ガ
イオリ(どっちも避ける…なんて無理ね。このスピードじゃあ、避けて体勢を崩した瞬間ジ・エンド)
イオリ「私が同じことやってもこけおどしにしかならないのに…チッ、パワーもスピードもあっていいわねぇアンタのスタンドは…!」
ゴォォォォォ
イオリ「でも…この伊織ちゃんの美しい顔に傷をつけるなんてできやしない…わッ!」タッ
イオリは左方向…真から見ると、腕が動かない右方向に飛んで躱す。
262: 2014/06/08(日) 00:24:27 ID:ggTkoY.g
真「」ス…
ガンッ!
ピキ パリ ピキィッ
左腕を下げ、右の膝を腕へと叩き付ける。左腕の鎧にヒビが入った。
イオリ(……… …? 何やってんの? ついに気が触れた?)
真「オラァッ!!」ビュァッ
地面から掬い上げるような拳が、イオリへと襲いかかる。
イオリ「…やっぱり…」
横に飛んだばかりだ。避けることはできない。
イオリ「…無傷で勝とうなんて虫のいい話だったわね」バッ
『リゾラ』の右手で受け止めようと、手を出す。
グシャァァァァ
そのまま、真の拳が右手に入った。
ガンッ!
ピキ パリ ピキィッ
左腕を下げ、右の膝を腕へと叩き付ける。左腕の鎧にヒビが入った。
イオリ(……… …? 何やってんの? ついに気が触れた?)
真「オラァッ!!」ビュァッ
地面から掬い上げるような拳が、イオリへと襲いかかる。
イオリ「…やっぱり…」
横に飛んだばかりだ。避けることはできない。
イオリ「…無傷で勝とうなんて虫のいい話だったわね」バッ
『リゾラ』の右手で受け止めようと、手を出す。
グシャァァァァ
そのまま、真の拳が右手に入った。
263: 2014/06/08(日) 00:37:56 ID:ggTkoY.g
イオリ「ただし…」グググ
真「!」
ポタ…ポタ
パラ パラパラ
左手の鎧が崩れている。
『リゾラ』の右手の後ろに、左手が重なっていた。
イオリ「右手だけよ…それ以上は許さない」
ブシュ
右手がコナゴナに破壊され、血が吹き出す。
イオリ「両腕はこれで封じた! アンタもこれで終わりよッ!」
真「これで終わり?」
真「気が早いなぁ。まだ何も終わっちゃいないってのに」
イオリ「ハッ! 手がでなけりゃあ足でも使う?」
真「!」
ポタ…ポタ
パラ パラパラ
左手の鎧が崩れている。
『リゾラ』の右手の後ろに、左手が重なっていた。
イオリ「右手だけよ…それ以上は許さない」
ブシュ
右手がコナゴナに破壊され、血が吹き出す。
イオリ「両腕はこれで封じた! アンタもこれで終わりよッ!」
真「これで終わり?」
真「気が早いなぁ。まだ何も終わっちゃいないってのに」
イオリ「ハッ! 手がでなけりゃあ足でも使う?」
264: 2014/06/08(日) 00:47:58 ID:ggTkoY.g
ピ…
・ ・ ・ ・
イオリ「…その、腕…」
真「スタンドを破壊することで、攻撃は無力化できるみたいだけどさ…受け止めた時の衝撃まで消えるわけじゃあないよね」
ピキ ピシピシ
真「『鎧』の『硬化散弾銃』…」
『ストレイング・マインド』の左腕のヒビが大きくなっていく。
真「この距離なら、まぁ…届くだろ」
パァリリリィィン
左腕の鎧が割れ、その破片が、手の横を抜けイオリの顔面へと飛んでいく。
イオリ「な…何ですってェーッ!!」
真(よし…! これで…)
シュー…
・ ・ ・ ・
真(なんだ、この音は?)
・ ・ ・ ・
イオリ「…その、腕…」
真「スタンドを破壊することで、攻撃は無力化できるみたいだけどさ…受け止めた時の衝撃まで消えるわけじゃあないよね」
ピキ ピシピシ
真「『鎧』の『硬化散弾銃』…」
『ストレイング・マインド』の左腕のヒビが大きくなっていく。
真「この距離なら、まぁ…届くだろ」
パァリリリィィン
左腕の鎧が割れ、その破片が、手の横を抜けイオリの顔面へと飛んでいく。
イオリ「な…何ですってェーッ!!」
真(よし…! これで…)
シュー…
・ ・ ・ ・
真(なんだ、この音は?)
265: 2014/06/08(日) 00:56:22 ID:ggTkoY.g
ドボンッ!!
真「!?」
突如、真のイオリの間に爆発が起こる。
イオリ「きゃぁっ!!」ブアッ
真「ぐっ」ガシャン!
その衝撃で、真とイオリが引きはがされるように吹っ飛んだ。
真「な…なに…!?」
『硬化散弾銃』は命中していない。
真(まただ…なんだ、今の爆発は…)
イオリ「やってくれるわね、真…」
真「く…」
真(左腕も…落とされた、両腕が使えない…)
イオリ「でも、やっぱり…アンタは、もうこれで終わりよ」
真「うおおおおおっ!」
真「!?」
突如、真のイオリの間に爆発が起こる。
イオリ「きゃぁっ!!」ブアッ
真「ぐっ」ガシャン!
その衝撃で、真とイオリが引きはがされるように吹っ飛んだ。
真「な…なに…!?」
『硬化散弾銃』は命中していない。
真(まただ…なんだ、今の爆発は…)
イオリ「やってくれるわね、真…」
真「く…」
真(左腕も…落とされた、両腕が使えない…)
イオリ「でも、やっぱり…アンタは、もうこれで終わりよ」
真「うおおおおおっ!」
269: 2014/06/13(金) 19:25:39 ID:s0UDF0os
前回までのあらすじ
なんやかんやあって高槻さんと戦うことを決意した千早!
三回戦の種目は、歌! 千早の得意分野!
しかし、高槻さんもめきめきと実力をつけてきた侮れない相手!
千早は、どう立ち向かっていくのか!
誰のためでない、自分のために! 進め、歌姫如月千早!
負けたらプロデューサーのセクハラ地獄が待っている!
なんやかんやあって高槻さんと戦うことを決意した千早!
三回戦の種目は、歌! 千早の得意分野!
しかし、高槻さんもめきめきと実力をつけてきた侮れない相手!
千早は、どう立ち向かっていくのか!
誰のためでない、自分のために! 進め、歌姫如月千早!
負けたらプロデューサーのセクハラ地獄が待っている!
270: 2014/06/13(金) 19:28:23 ID:s0UDF0os
シュゥゥゥゥ…
イオリ「」クイッ
左手で、顔についた焦げ目をなぞる。
ポタ ポタ
イオリ「ああ、痛い…肌に傷がついたし、右手が…人差し指と中指が千切れてるわ…」プルプル
身をかがめて、右手の小指と薬指で落ちた指を拾い上げる。
イオリ「けど…」スッ
顔を上げた。
イオリ「これでアンタを倒せると思ったら…あんまり悪い気はしないわね」
真「はーっ…」
真(両腕の…筋肉が…)
ガクン
真(『緩み』きって…動かせない…!)
プルプル…
真はふらつきながらも、足の力だけでゆっくりと立ち上がった。
イオリ「」クイッ
左手で、顔についた焦げ目をなぞる。
ポタ ポタ
イオリ「ああ、痛い…肌に傷がついたし、右手が…人差し指と中指が千切れてるわ…」プルプル
身をかがめて、右手の小指と薬指で落ちた指を拾い上げる。
イオリ「けど…」スッ
顔を上げた。
イオリ「これでアンタを倒せると思ったら…あんまり悪い気はしないわね」
真「はーっ…」
真(両腕の…筋肉が…)
ガクン
真(『緩み』きって…動かせない…!)
プルプル…
真はふらつきながらも、足の力だけでゆっくりと立ち上がった。
271: 2014/06/13(金) 19:29:48 ID:s0UDF0os
真(体の動きというのは、つまるところ筋肉の収縮作用だ…)
真(『縮む』『緩む』…どちらか片方しかできなくしてしまえば、体は動かなくなる…それはわかる)
シュゥゥゥ…
真(だが…! 今の爆発は…なんだ?)
真(あいつの能力が本当に一つだけなら…これも『緩ませる』能力によるもののはず…)
真(気になるのは、さっきの『シュー』とかいうあの妙な音…あれは、確か…)
ゴゴゴ
ゴゴゴゴゴ
真(あいつの持っているうさぎのぬいぐるみ…)
真(よく見ると、鼻の辺り…なにかおかしいぞ、パイプか…? パイプが伸びている)
真(爆発…パイプ…)
真「………ガス?」
イオリ「あら」
真「その中にガスボンベでも仕込んであるのか」
イオリ「察しがいいわね、そうよ」
真(『縮む』『緩む』…どちらか片方しかできなくしてしまえば、体は動かなくなる…それはわかる)
シュゥゥゥ…
真(だが…! 今の爆発は…なんだ?)
真(あいつの能力が本当に一つだけなら…これも『緩ませる』能力によるもののはず…)
真(気になるのは、さっきの『シュー』とかいうあの妙な音…あれは、確か…)
ゴゴゴ
ゴゴゴゴゴ
真(あいつの持っているうさぎのぬいぐるみ…)
真(よく見ると、鼻の辺り…なにかおかしいぞ、パイプか…? パイプが伸びている)
真(爆発…パイプ…)
真「………ガス?」
イオリ「あら」
真「その中にガスボンベでも仕込んであるのか」
イオリ「察しがいいわね、そうよ」
272: 2014/06/13(金) 19:31:27 ID:s0UDF0os
真「『リゾラ』の能力で…可燃性ガスの分子を『緩め』ているのかッ!」
イオリ「ええ。『緩んだ』状態になったガスを空気中に放出しておく…」
イオリ「そして、能力を解除する。すると、元に戻る時に発生するエネルギーで、反応が起こる」
イオリ「一度反応が起こってしまえば、その際に発生するエネルギーで連鎖的に反応を起こし…大きなエネルギーが発生する」
真(そして、爆発する…ってわけか)
イオリ「私の『リゾラ』…能力は申し分ないけど、ちょっと『パワー』が足りなくてねぇ…」グイッ
左腕のぬいぐるみを持ち直す。
イオリ「これで補ってるってわけ」
真「」パキッ
膝が鳴った。
真(両腕が上がらない)
真(…『チアリングレター』を使うか?)
真(いや、『チアリングレター』を使うには『ストレイング・マインド』のガードを下げる必要がある)
真(今は『鎧』に包まれているから無傷だったけど、あの『爆弾』がある以上…規模によっては、ただじゃあ済まないか)
イオリ「ええ。『緩んだ』状態になったガスを空気中に放出しておく…」
イオリ「そして、能力を解除する。すると、元に戻る時に発生するエネルギーで、反応が起こる」
イオリ「一度反応が起こってしまえば、その際に発生するエネルギーで連鎖的に反応を起こし…大きなエネルギーが発生する」
真(そして、爆発する…ってわけか)
イオリ「私の『リゾラ』…能力は申し分ないけど、ちょっと『パワー』が足りなくてねぇ…」グイッ
左腕のぬいぐるみを持ち直す。
イオリ「これで補ってるってわけ」
真「」パキッ
膝が鳴った。
真(両腕が上がらない)
真(…『チアリングレター』を使うか?)
真(いや、『チアリングレター』を使うには『ストレイング・マインド』のガードを下げる必要がある)
真(今は『鎧』に包まれているから無傷だったけど、あの『爆弾』がある以上…規模によっては、ただじゃあ済まないか)
273: 2014/06/13(金) 19:35:00 ID:s0UDF0os
イオリ「両腕が使えないアンタなんて…」ズッ
イオリは自らのスタンドを、真に近づけていく。
真「…!」
イオリ「羽根を取られたトンボと同じよッ!」
真(向こうから来た…もう、ボク相手に受け身に回る必要なんてないってことか…)
イオリ「」グオッ
『リゾラ』が真に向かって手を伸ばす。
真「オラァ…!」
ブルンッ
真はその腕に向かって、右足を蹴り上げる。
ヒュ
イオリ「………」
ビィィ…ンッ
真「うっ…!」クラッ
しかし、蹴り上げた足は狙いを外して空を切った。体がぐらついてしまう。
イオリは自らのスタンドを、真に近づけていく。
真「…!」
イオリ「羽根を取られたトンボと同じよッ!」
真(向こうから来た…もう、ボク相手に受け身に回る必要なんてないってことか…)
イオリ「」グオッ
『リゾラ』が真に向かって手を伸ばす。
真「オラァ…!」
ブルンッ
真はその腕に向かって、右足を蹴り上げる。
ヒュ
イオリ「………」
ビィィ…ンッ
真「うっ…!」クラッ
しかし、蹴り上げた足は狙いを外して空を切った。体がぐらついてしまう。
274: 2014/06/13(金) 19:40:38 ID:s0UDF0os
真(駄目だ、両腕の筋肉が緩みまくってるせいで身体のバランスが安定しない!)
真(こんなんじゃあ、腰の入った蹴りも撃てやしない!)
イオリ「右足! 貰ったッ!」ゴォ
真「オラァッ!!」ヒュッ
イオリ「!」サッ
真が上がった足を振り下ろしたのを見て、咄嗟に『リゾラ』の手を引っ込める。
ガギィィン
ヒュン ヒュン
『ストレイング・マインド』の鎧の覆われた踵が床を砕き、破片が飛び散る。
イオリ「『リゾラ』」パシ パシ
ポロ…
スタンドの手で掴み取って、難なく対処する。手の中でボロボロになった破片が、床に落ちた。
イオリ「で、次は?」
真「………」
イオリ「ないわよねぇ。転ばないようにバランスを整えるのが精一杯よ」
真(こんなんじゃあ、腰の入った蹴りも撃てやしない!)
イオリ「右足! 貰ったッ!」ゴォ
真「オラァッ!!」ヒュッ
イオリ「!」サッ
真が上がった足を振り下ろしたのを見て、咄嗟に『リゾラ』の手を引っ込める。
ガギィィン
ヒュン ヒュン
『ストレイング・マインド』の鎧の覆われた踵が床を砕き、破片が飛び散る。
イオリ「『リゾラ』」パシ パシ
ポロ…
スタンドの手で掴み取って、難なく対処する。手の中でボロボロになった破片が、床に落ちた。
イオリ「で、次は?」
真「………」
イオリ「ないわよねぇ。転ばないようにバランスを整えるのが精一杯よ」
275: 2014/06/13(金) 19:53:10 ID:s0UDF0os
パシィィッ!!
『リゾラ』の左手が、真の右足を引っ叩いた。
真「うおっ…」グラッ
右足が『緩み』、膝をつきそうになるが、片足で踏みとどまる。
イオリ「そんな状態で何ができるんだか…」
イオリ「チェックメイトよ! もうアンタは詰んだ!」
真「く…」フラ…
イオリ「ん?」
ピョコ ピョコッ
真が片足でケンケンしながら、イオリに背を向け動き出す。
イオリ「あら、逃げようっての? もう打つ手がないから、私から逃れようっての?」
ピョコ ピョコン
イオリ「逃がすか、バーカッ! 『リゾラ』!」ズォォッ
イオリのスタンドが回り込み、真の進行方向正面に立ちふさがる。
『リゾラ』の左手が、真の右足を引っ叩いた。
真「うおっ…」グラッ
右足が『緩み』、膝をつきそうになるが、片足で踏みとどまる。
イオリ「そんな状態で何ができるんだか…」
イオリ「チェックメイトよ! もうアンタは詰んだ!」
真「く…」フラ…
イオリ「ん?」
ピョコ ピョコッ
真が片足でケンケンしながら、イオリに背を向け動き出す。
イオリ「あら、逃げようっての? もう打つ手がないから、私から逃れようっての?」
ピョコ ピョコン
イオリ「逃がすか、バーカッ! 『リゾラ』!」ズォォッ
イオリのスタンドが回り込み、真の進行方向正面に立ちふさがる。
276: 2014/06/13(金) 19:57:21 ID:s0UDF0os
真「く…」ギリッ
『鎧』に覆われた中で、歯ぎしりをした。
真「オラァッ」グオン!
イオリ「おっと」サッ
せめてもの抵抗とばかりに前方の『リゾラ』に頭突きをかますが、これも避けられた。
ガシャア!!
頭から地面に叩き付けられる。
真「」ゴロゴロゴロ…
そのまま二、三回前方に回転し…
グバッ カラァァン!
仰向けになって倒れた。
イオリ「無様ねぇ…ええーっ、真!?」コツ コツ
真「気安くボクの名前を呼ぶな…」
イオリがスタンドの後から、ゆっくりと真に近付いていく。
『鎧』に覆われた中で、歯ぎしりをした。
真「オラァッ」グオン!
イオリ「おっと」サッ
せめてもの抵抗とばかりに前方の『リゾラ』に頭突きをかますが、これも避けられた。
ガシャア!!
頭から地面に叩き付けられる。
真「」ゴロゴロゴロ…
そのまま二、三回前方に回転し…
グバッ カラァァン!
仰向けになって倒れた。
イオリ「無様ねぇ…ええーっ、真!?」コツ コツ
真「気安くボクの名前を呼ぶな…」
イオリがスタンドの後から、ゆっくりと真に近付いていく。
277: 2014/06/13(金) 20:04:10 ID:s0UDF0os
真「………」モゾモゾ
真は大の字になったまま、体を捻らせている。
イオリ「悪足掻きはもうやめなさいよ。苦しみが長引くだけだわ」スッ
パシッ
『リゾラ』の左腕が真の『ストレイング・マインド』に覆われた左腕に触れると…
ボロッ
真「ぐ…!!」ブシュ
その部分が崩れ、血が噴き出す。
イオリ「ほらほら!」 パシ パシッ
真「うあああっ!!」ブシュゥゥッ
イオリのスタンドが体のあちこちに触れ、真の鎧を破壊していく。
真「………」フッ
真の身に纏っていた『鎧』が、消えた。
イオリ「あら。気絶しちゃった? 『ストレイング・マインド』が解除されたわ」
真は大の字になったまま、体を捻らせている。
イオリ「悪足掻きはもうやめなさいよ。苦しみが長引くだけだわ」スッ
パシッ
『リゾラ』の左腕が真の『ストレイング・マインド』に覆われた左腕に触れると…
ボロッ
真「ぐ…!!」ブシュ
その部分が崩れ、血が噴き出す。
イオリ「ほらほら!」 パシ パシッ
真「うあああっ!!」ブシュゥゥッ
イオリのスタンドが体のあちこちに触れ、真の鎧を破壊していく。
真「………」フッ
真の身に纏っていた『鎧』が、消えた。
イオリ「あら。気絶しちゃった? 『ストレイング・マインド』が解除されたわ」
278: 2014/06/13(金) 20:18:30 ID:s0UDF0os
イオリ「この状態で何かできるとは思わないけど…」
イオリ「念のため、『リゾラ』の能力を解除しても動けないくらいには痛めつけておくか」コッ コッ
イオリが真の傍に立ち、ぬいぐるみの口を向ける。
イオリ「これで、私の勝ちよ。所詮、『ストレイング・マインド』もこの伊織ちゃんの敵じゃなかったわね」
真「いや、違う。ボク達の勝ちだ」
・ ・ ・ ・
イオリ「なんだ、まだ起きてたの。アンタ」
真「やけに勝負を急いでるね…もっとゆっくり、気をつけながら事を運べばいいのにさ」
イオリ「…?」
真「まぁ、それもそうか。もたもたしてれば騒ぎが大きくなるかもしれない」
真「他の誰かが駆けつけてくるかもしてない。ボクを始末するなら、さっさと決着をつけたいはずだ」
イオリ「…何? アンタ、今の状況わかってんの?」
真「わかってるよ。文字通り、手も足も出ない…」
真「おまえの言う通り、ボクの『ストレイング・マインド』でその『リゾラ』に勝つのは不可能みたいだ」
イオリ「………」
イオリ「念のため、『リゾラ』の能力を解除しても動けないくらいには痛めつけておくか」コッ コッ
イオリが真の傍に立ち、ぬいぐるみの口を向ける。
イオリ「これで、私の勝ちよ。所詮、『ストレイング・マインド』もこの伊織ちゃんの敵じゃなかったわね」
真「いや、違う。ボク達の勝ちだ」
・ ・ ・ ・
イオリ「なんだ、まだ起きてたの。アンタ」
真「やけに勝負を急いでるね…もっとゆっくり、気をつけながら事を運べばいいのにさ」
イオリ「…?」
真「まぁ、それもそうか。もたもたしてれば騒ぎが大きくなるかもしれない」
真「他の誰かが駆けつけてくるかもしてない。ボクを始末するなら、さっさと決着をつけたいはずだ」
イオリ「…何? アンタ、今の状況わかってんの?」
真「わかってるよ。文字通り、手も足も出ない…」
真「おまえの言う通り、ボクの『ストレイング・マインド』でその『リゾラ』に勝つのは不可能みたいだ」
イオリ「………」
279: 2014/06/13(金) 20:20:47 ID:s0UDF0os
真「けれど、おまえの言った通り、そのスタンド自体にパワーはほとんどない。攻撃を止めたのだって直接受け止めてるわけじゃあないし」
真「鎧の原子を『緩めて』破壊すればボクにもダメージはあるけど…」
真「『ストレイング・マインド』を解除したボクに決定的なダメージを与えるには、その『爆弾』を使うしかない」
イオリ「それがどうしたってのよ! この氏に損ないがッ!」
真「いや…つまり、おまえがボクを倒したかったら、自分自身で近付くしかないってことさ」
イオリ「………」
真「ボクはただ、ここに誘き寄せたかっただけだ」
真「そしておまえは『射程距離内』に…入った」
イオリ「『リゾラ』の能力は解除してないわよ?」
真「まだ、わからないかなぁ」
・ ・ ・ ・
イオリ「…『達』? ………」
ドド
イオリ「アンタ、さっき…『ボク達』って言った…!?」
真「………」
真「鎧の原子を『緩めて』破壊すればボクにもダメージはあるけど…」
真「『ストレイング・マインド』を解除したボクに決定的なダメージを与えるには、その『爆弾』を使うしかない」
イオリ「それがどうしたってのよ! この氏に損ないがッ!」
真「いや…つまり、おまえがボクを倒したかったら、自分自身で近付くしかないってことさ」
イオリ「………」
真「ボクはただ、ここに誘き寄せたかっただけだ」
真「そしておまえは『射程距離内』に…入った」
イオリ「『リゾラ』の能力は解除してないわよ?」
真「まだ、わからないかなぁ」
・ ・ ・ ・
イオリ「…『達』? ………」
ドド
イオリ「アンタ、さっき…『ボク達』って言った…!?」
真「………」
280: 2014/06/13(金) 20:26:29 ID:s0UDF0os
イオリ「」バッ!
イオリは自分の立っている位置…ちょうど、廊下の突き当たり。そこから右の方…階段の下に、目を向けた。
ドドドドド
貴音「ぐれぇと」
ドドドド
イオリ「貴音…!!」
先程階段から転げ落ちた貴音が、そこに座り込んでいた。
イオリ(私を…見上げているッ…!!)
真「スタンドなら引っ込めればいいけど…自分の体はそうもいかないだろう」
イオリ(真の奴…貴音から私の姿が見えるように、自分を囮にしたッ!)
貴音「『フラワーガール』」キュル
ギュン!!
イオリ「あああああ!!」
貴音のスタンドが、戦闘機のような勢いで突っ込んでくる。
イオリは自分の立っている位置…ちょうど、廊下の突き当たり。そこから右の方…階段の下に、目を向けた。
ドドドドド
貴音「ぐれぇと」
ドドドド
イオリ「貴音…!!」
先程階段から転げ落ちた貴音が、そこに座り込んでいた。
イオリ(私を…見上げているッ…!!)
真「スタンドなら引っ込めればいいけど…自分の体はそうもいかないだろう」
イオリ(真の奴…貴音から私の姿が見えるように、自分を囮にしたッ!)
貴音「『フラワーガール』」キュル
ギュン!!
イオリ「あああああ!!」
貴音のスタンドが、戦闘機のような勢いで突っ込んでくる。
281: 2014/06/13(金) 20:35:36 ID:s0UDF0os
ドォ
イオリが、スタンドを自分の正面に立たせる。
イオリ(突っ込んでくるなら、私に攻撃が突き刺さる前に…逆に『リゾラ』で…体をフニャフニャのグニャグニャにしてやるッ!)
イオリ(できる! できなかったら…終わるッ!)
イオリ「うおっ、おおお『リゾラ』ッ!」ヒュン
スカッ
左手で手刀を繰り出したが、その腕は空振る。
イオリ「へ…」
『フラワーガール』の軌道がイオリを外れ、背後まで飛んでいったからだ。
クルン
イオリが首だけ振り向くと、フラワーガールの体がこちらに向いて、花弁が花開くように舞っていた。
貴音「感謝いたします」
イオリ「あ…」
貴音「貴女が私を早々に動けなくしてくださったことで…逆に、体力に余裕ができました」
イオリが、スタンドを自分の正面に立たせる。
イオリ(突っ込んでくるなら、私に攻撃が突き刺さる前に…逆に『リゾラ』で…体をフニャフニャのグニャグニャにしてやるッ!)
イオリ(できる! できなかったら…終わるッ!)
イオリ「うおっ、おおお『リゾラ』ッ!」ヒュン
スカッ
左手で手刀を繰り出したが、その腕は空振る。
イオリ「へ…」
『フラワーガール』の軌道がイオリを外れ、背後まで飛んでいったからだ。
クルン
イオリが首だけ振り向くと、フラワーガールの体がこちらに向いて、花弁が花開くように舞っていた。
貴音「感謝いたします」
イオリ「あ…」
貴音「貴女が私を早々に動けなくしてくださったことで…逆に、体力に余裕ができました」
282: 2014/06/13(金) 20:37:05 ID:s0UDF0os
真「手に触れるだけで攻撃を無力化するスタンド…どうやって倒すべきか?」
真「答えは簡単だ、正面から突っ込まずに回り込めばいい」
真「ボクの『ストレイング・マインド』では少し難しいけど、『フラワーガール』のスピードなら…」
真「楽勝だ」
貴音「ここ…」グッ
イオリ「ひ…」
ヒュオッ
イオリ「うべらっ!!」ゴギッ
『フラワーガール』の右拳が、イオリの右顎に突き刺さる。
グ ギギ
貴音「この角度が、いい」
グギャァ!!
ギュルルルン!
ドグシァァア
その一撃はイオリの頭を揺らしながら、体ごと回転させ、地面に叩き付けた。
真「答えは簡単だ、正面から突っ込まずに回り込めばいい」
真「ボクの『ストレイング・マインド』では少し難しいけど、『フラワーガール』のスピードなら…」
真「楽勝だ」
貴音「ここ…」グッ
イオリ「ひ…」
ヒュオッ
イオリ「うべらっ!!」ゴギッ
『フラワーガール』の右拳が、イオリの右顎に突き刺さる。
グ ギギ
貴音「この角度が、いい」
グギャァ!!
ギュルルルン!
ドグシァァア
その一撃はイオリの頭を揺らしながら、体ごと回転させ、地面に叩き付けた。
283: 2014/06/13(金) 20:43:18 ID:s0UDF0os
イオリ「う…うが…あ…!!」
真「!」スクッ
貴音「………」スッ
真と貴音が、同時にその場から立ち上がった。
イオリ「あ、ああうううあああああ…がほっ、げほっ…!」
貴音「『緩める』能力が…」カツ カツ
貴音が階段を上がってくる。
真「…解けた。スタンドを保ってられなくなったようだね」クルッ
イオリ「ひ…」
真が、イオリの方を見下ろす。
イオリ「ひいーっ」ズルズル
イオリは体を引きずりながら、廊下の方に逃げようとする。
真「逃がさないよ」スタッ
イオリ「うあ…」
その前に、真が回り込んだ。階段から上がってくる貴音とは、挟み撃ちの形になる。
真「!」スクッ
貴音「………」スッ
真と貴音が、同時にその場から立ち上がった。
イオリ「あ、ああうううあああああ…がほっ、げほっ…!」
貴音「『緩める』能力が…」カツ カツ
貴音が階段を上がってくる。
真「…解けた。スタンドを保ってられなくなったようだね」クルッ
イオリ「ひ…」
真が、イオリの方を見下ろす。
イオリ「ひいーっ」ズルズル
イオリは体を引きずりながら、廊下の方に逃げようとする。
真「逃がさないよ」スタッ
イオリ「うあ…」
その前に、真が回り込んだ。階段から上がってくる貴音とは、挟み撃ちの形になる。
284: 2014/06/13(金) 20:55:51 ID:s0UDF0os
真「さて…おまえには聞きたいことが山程ある」
イオリ「はぁーっ、はぁーっ」
イオリ(まだ…まだよ、まだ私は『負けていない』…何か、逆転の手が…)
貴音「真。スタンドを出せぬうちに『固く』して手足を封じてしまいましょう」
真「そうだね。その方がよさそうだ」ス
パキ パキ
真がイオリに右腕を伸ばす。その腕が、『ストレイング・マインド』に覆われていく。
イオリ(手が…!)
???「あっ!?」
真「!?」
貴音「!」
やよい「な…なに、やってるんですか…? みなさん…!」パタパタ
真「やよい」
イオリ「…!」
真の背後、廊下の奥の方からやよいが走ってきた。
イオリ「はぁーっ、はぁーっ」
イオリ(まだ…まだよ、まだ私は『負けていない』…何か、逆転の手が…)
貴音「真。スタンドを出せぬうちに『固く』して手足を封じてしまいましょう」
真「そうだね。その方がよさそうだ」ス
パキ パキ
真がイオリに右腕を伸ばす。その腕が、『ストレイング・マインド』に覆われていく。
イオリ(手が…!)
???「あっ!?」
真「!?」
貴音「!」
やよい「な…なに、やってるんですか…? みなさん…!」パタパタ
真「やよい」
イオリ「…!」
真の背後、廊下の奥の方からやよいが走ってきた。
285: 2014/06/13(金) 20:59:51 ID:s0UDF0os
やよい「真さんと貴音さんが、伊織ちゃんを…え?」
イオリ(これよ…誰かが来るのを待っていた!)
貴音「やよい。これは…」
イオリ「助けて、やよいッ!」
やよい「え…」
真「なに?」
イオリ「こいつらがおかしいのよッ! 突然私を襲ってきて…殺されるわッ!!」
やよい「伊織ちゃん…? あ、あの…」
真「な…何を言ってるんだ! おまえはッ!」
イオリ「ほら、このケガ…ひどいでしょう!? こいつらにやられたのよ!」
やよい「え、えっと…治そっか…?」
イオリ「そんなのは、後でいいわ! それより、はやくこいつらを『くっつけ』て止めて!!」
真「…!」
イオリ(これよ…誰かが来るのを待っていた!)
貴音「やよい。これは…」
イオリ「助けて、やよいッ!」
やよい「え…」
真「なに?」
イオリ「こいつらがおかしいのよッ! 突然私を襲ってきて…殺されるわッ!!」
やよい「伊織ちゃん…? あ、あの…」
真「な…何を言ってるんだ! おまえはッ!」
イオリ「ほら、このケガ…ひどいでしょう!? こいつらにやられたのよ!」
やよい「え、えっと…治そっか…?」
イオリ「そんなのは、後でいいわ! それより、はやくこいつらを『くっつけ』て止めて!!」
真「…!」
286: 2014/06/13(金) 21:05:12 ID:s0UDF0os
イオリ(やよいの『ゲンキトリッパー』…『くっつけ』る能力で、真と貴音を足止めしてもらえば…)
イオリ(『アイツ』を連れて来れる…)
イオリ(『アイツ』さえ来てくれれば…真と貴音、そしてやよいを始末すれば…!!)
真「やよい! 言うことを聞いちゃ駄目だ、そいつは伊織じゃあない!」
貴音「やよい。『くっつけ』るのなら、そちらの方です。逃がしてはなりません」
やよい「あう…」
イオリ(やよいは何も知らない! 私が以前の水瀬伊織でないだなんて、わかりっこないわ!)
イオリ(私とあいつらのどっちが正しいのかなんて、咄嗟に判断できるわけがない!)
やよい「…『ゲンキトリッパー』」
ウッウー ウー ウッウー
やよいの体から大量の細かいスタンドが現れ、真達の足下に広がっていく。
ピタッ
貴音「足が…『くっつい』た」
真「や…やよい…!」
イオリ(やったわ!)
イオリ(『アイツ』を連れて来れる…)
イオリ(『アイツ』さえ来てくれれば…真と貴音、そしてやよいを始末すれば…!!)
真「やよい! 言うことを聞いちゃ駄目だ、そいつは伊織じゃあない!」
貴音「やよい。『くっつけ』るのなら、そちらの方です。逃がしてはなりません」
やよい「あう…」
イオリ(やよいは何も知らない! 私が以前の水瀬伊織でないだなんて、わかりっこないわ!)
イオリ(私とあいつらのどっちが正しいのかなんて、咄嗟に判断できるわけがない!)
やよい「…『ゲンキトリッパー』」
ウッウー ウー ウッウー
やよいの体から大量の細かいスタンドが現れ、真達の足下に広がっていく。
ピタッ
貴音「足が…『くっつい』た」
真「や…やよい…!」
イオリ(やったわ!)
287: 2014/06/13(金) 21:08:17 ID:s0UDF0os
イオリ(さぁ、今のうちに逃げ…)
ピタ
イオリ「え…」
イオリ(足が…動かない)
グ
イオリ「わ…」ググ
イオリ「私も『くっつけ』られている…!?」
やよい「………」
やよい「なんか、伊織ちゃんと真さん達…どっちが正しいのか、よくわかんないから…」
やよい「みんな、『くっつけ』ることにしました」
イオリ「な…何してんのよッ、アンタッ!」
やよい「へ…!? い、伊織ちゃん…?」
真「いや、いいぞやよい! それでいい、そいつを逃がさないで!」
貴音「………」
イオリ(まずい…まずい、まずい!! どうすれば…)
ピタ
イオリ「え…」
イオリ(足が…動かない)
グ
イオリ「わ…」ググ
イオリ「私も『くっつけ』られている…!?」
やよい「………」
やよい「なんか、伊織ちゃんと真さん達…どっちが正しいのか、よくわかんないから…」
やよい「みんな、『くっつけ』ることにしました」
イオリ「な…何してんのよッ、アンタッ!」
やよい「へ…!? い、伊織ちゃん…?」
真「いや、いいぞやよい! それでいい、そいつを逃がさないで!」
貴音「………」
イオリ(まずい…まずい、まずい!! どうすれば…)
288: 2014/06/13(金) 21:15:21 ID:s0UDF0os
やよい「とりあえず…伊織ちゃん、そのケガ『くっつけ』て治さないと」ヒョコッ
やよいがイオリのすぐ近くまで歩いていく。
イオリ「…!!」
真「や…やよい! そいつに近付かないでッ!」
やよい「へ?」
イオリ「『リゾラ』ッ!!」グイッ
やよい「はわっ!?」
『リゾラ』の腕が、やよいの首に手を回す。
真「やよいッ!!」
イオリ「アンタ達…よくも…よくもやってくれたわね…」
やよい「あ、あれ…これ、伊織ちゃんのスタンドじゃな…」
イオリ「さぁ、やよい…アンタのかわいい顔に傷をつけたくなかったらこいつらの『くっつけ』る能力を解除するんじゃあないわ」
イオリ「アンタ達も…変な動きを見せたら『リゾラ』の手がこいつの細胞を引き裂くわよ」
貴音「…外道」
やよいがイオリのすぐ近くまで歩いていく。
イオリ「…!!」
真「や…やよい! そいつに近付かないでッ!」
やよい「へ?」
イオリ「『リゾラ』ッ!!」グイッ
やよい「はわっ!?」
『リゾラ』の腕が、やよいの首に手を回す。
真「やよいッ!!」
イオリ「アンタ達…よくも…よくもやってくれたわね…」
やよい「あ、あれ…これ、伊織ちゃんのスタンドじゃな…」
イオリ「さぁ、やよい…アンタのかわいい顔に傷をつけたくなかったらこいつらの『くっつけ』る能力を解除するんじゃあないわ」
イオリ「アンタ達も…変な動きを見せたら『リゾラ』の手がこいつの細胞を引き裂くわよ」
貴音「…外道」
289: 2014/06/13(金) 21:25:42 ID:s0UDF0os
イオリ「こんな足を『くっつけ』たくらい…分子の結合すら『緩め』られる『リゾラ』に、通用はしない」
ス…
やよいを連れたまま、イオリが歩き出す。
イオリ「逃げてやる…逃げ延びて、アンタ達を始末してやるわ…にひひ…!!」
貴音の横を抜け、階段の方にゆっくりと向かっていく。
やよい「………」チラッ
真「……!」
貴音「………」
やよいが、二人に目配せをした。
真「」チラッ
貴音「」コクッ
真と貴音が、目を合わせる。
ス…
やよいを連れたまま、イオリが歩き出す。
イオリ「逃げてやる…逃げ延びて、アンタ達を始末してやるわ…にひひ…!!」
貴音の横を抜け、階段の方にゆっくりと向かっていく。
やよい「………」チラッ
真「……!」
貴音「………」
やよいが、二人に目配せをした。
真「」チラッ
貴音「」コクッ
真と貴音が、目を合わせる。
290: 2014/06/13(金) 21:32:50 ID:s0UDF0os
真「逃げ切ったとして…」
イオリ「ん?」クルッ
イオリが足を止め、真の方に振り返る。
真「おまえは伊織にはなれないよ。絶対に」
イオリ「フン。負け犬の遠吠えね」
真「負け犬ってのは誰のことかな?」
イオリ「そりゃ、もちろん…」
真「ああ、おまえか」
バキッ!!
イオリ「!?」
貴音「『フラワーガール』」メリメリ
貴音のスタンドが、貴音のすぐ傍でドアの板を持ち浮かんでいる。
イオリ「ん?」クルッ
イオリが足を止め、真の方に振り返る。
真「おまえは伊織にはなれないよ。絶対に」
イオリ「フン。負け犬の遠吠えね」
真「負け犬ってのは誰のことかな?」
イオリ「そりゃ、もちろん…」
真「ああ、おまえか」
バキッ!!
イオリ「!?」
貴音「『フラワーガール』」メリメリ
貴音のスタンドが、貴音のすぐ傍でドアの板を持ち浮かんでいる。
291: 2014/06/13(金) 21:37:14 ID:s0UDF0os
イオリ(足が『緩ん』だりして動かなくなっても、スタンドは感覚で動かすもの…だから関係はない)
イオリ(けれど足を『くっつけ』ていればスタンドの足も『くっつい』ているも同然…その場から動かせなくなるはず…)
イオリ「『ゲンキトリッパー』を解除したなッ、やよい!」
やよい「えへへ…わかってもらえてよかった」
真「」パキ パキ パキ
真の体が再び、『ストレイング・マインド』の黒い鎧に覆われていく。
貴音「………」
イオリ「ハッ…で、そのドアをどうすんの? 『硬化散弾銃』で撃ち出すつもり?」
イオリ「やよいが人質になってんのよッ! まさかやよいごとやるつもりじゃあないでしょうねェ~ッ!?」
真「」パキッ
両手の拳を握りしめる。
貴音「真」ポイッ
タッ
真「オラァッ!!」ドォッ
貴音が投げたドアに向かって、思い切り殴り掛かった。
イオリ(けれど足を『くっつけ』ていればスタンドの足も『くっつい』ているも同然…その場から動かせなくなるはず…)
イオリ「『ゲンキトリッパー』を解除したなッ、やよい!」
やよい「えへへ…わかってもらえてよかった」
真「」パキ パキ パキ
真の体が再び、『ストレイング・マインド』の黒い鎧に覆われていく。
貴音「………」
イオリ「ハッ…で、そのドアをどうすんの? 『硬化散弾銃』で撃ち出すつもり?」
イオリ「やよいが人質になってんのよッ! まさかやよいごとやるつもりじゃあないでしょうねェ~ッ!?」
真「」パキッ
両手の拳を握りしめる。
貴音「真」ポイッ
タッ
真「オラァッ!!」ドォッ
貴音が投げたドアに向かって、思い切り殴り掛かった。
292: 2014/06/13(金) 21:46:02 ID:s0UDF0os
バッギャァァァーァン
コナゴナになったドアの破片が、イオリに向かって飛んでいく。
イオリ「しょ…」
やよい「………」
イオリ「正気か、アンタ達はッ!!」
ゴォォォォ
イオリ「だったら…お望み通り、やよいを盾にしてやるわッ!!」バッ
やよい「わっ」
イオリはやよいの体を掴んで前に出し、その陰に隠れた。
ドス ドッ ドグァッ
『硬化散弾銃』が、やよいの身体に突き刺さる。
コナゴナになったドアの破片が、イオリに向かって飛んでいく。
イオリ「しょ…」
やよい「………」
イオリ「正気か、アンタ達はッ!!」
ゴォォォォ
イオリ「だったら…お望み通り、やよいを盾にしてやるわッ!!」バッ
やよい「わっ」
イオリはやよいの体を掴んで前に出し、その陰に隠れた。
ドス ドッ ドグァッ
『硬化散弾銃』が、やよいの身体に突き刺さる。
293: 2014/06/13(金) 21:48:44 ID:s0UDF0os
真「やよい!」
イオリ「なーにが『やよい!』よッ! こうなることも予想できないの!?」
イオリ「これはアンタ達がやったのよ! アンタ達が悪いのッ!!」
イオリ「アンタ達が…」
モゾモゾ
イオリの腕あたりで、何かが蠢いている。
ウー ウッウー ウー ウー
やよいを掴んでいる腕から、欠片を持った、粒のような『ゲンキトリッパー』が這い上がってきた。
イオリ「…………… な…」
ピタッ ピタ ビタァァ
イオリ「! ………」
『ゲンキトリッパー』は次々とイオリの身体に這い回り、ドアの破片を『くっつけ』ていく。
イオリ「なーにが『やよい!』よッ! こうなることも予想できないの!?」
イオリ「これはアンタ達がやったのよ! アンタ達が悪いのッ!!」
イオリ「アンタ達が…」
モゾモゾ
イオリの腕あたりで、何かが蠢いている。
ウー ウッウー ウー ウー
やよいを掴んでいる腕から、欠片を持った、粒のような『ゲンキトリッパー』が這い上がってきた。
イオリ「…………… な…」
ピタッ ピタ ビタァァ
イオリ「! ………」
『ゲンキトリッパー』は次々とイオリの身体に這い回り、ドアの破片を『くっつけ』ていく。
294: 2014/06/13(金) 21:54:42 ID:s0UDF0os
真「オラァ!!」パリン
イオリ「う!」
ヒュン
そうしているうちに、次の『硬化散弾銃』が撃ち出される。
イオリ「リ…『リゾラ』!」バッ
ポロ ポロ
破片は『リゾラ』の手に触れ、さらに小さな欠片になって崩れ落ちるが…
ウッウー ウーウー
・ ・ ・ ・
ピタ ピタ
それも『ゲンキトリッパー』が拾い上げ、イオリの体にどんどん『くっつけ』られる。
真「物体を触れただけでバラバラに崩してしまうおまえの『リゾラ』に『硬化散弾銃』は通用しない…」
真「でも、その破片を『くっつけ』てしまえばどうだ?」
貴音「やよいを人質にしている以上…『くっつけ』る能力からは逃れられない」
イオリ「あ…あああ…あ…!!」
イオリ「う!」
ヒュン
そうしているうちに、次の『硬化散弾銃』が撃ち出される。
イオリ「リ…『リゾラ』!」バッ
ポロ ポロ
破片は『リゾラ』の手に触れ、さらに小さな欠片になって崩れ落ちるが…
ウッウー ウーウー
・ ・ ・ ・
ピタ ピタ
それも『ゲンキトリッパー』が拾い上げ、イオリの体にどんどん『くっつけ』られる。
真「物体を触れただけでバラバラに崩してしまうおまえの『リゾラ』に『硬化散弾銃』は通用しない…」
真「でも、その破片を『くっつけ』てしまえばどうだ?」
貴音「やよいを人質にしている以上…『くっつけ』る能力からは逃れられない」
イオリ「あ…あああ…あ…!!」
295: 2014/06/13(金) 21:59:45 ID:s0UDF0os
ビタ ビタァ
イオリ(まずい、このままじゃ…落とさなくては…体に『くっつい』た破片を『緩め』て落とさなくては!)
貴音「真!」ヒョイッ
貴音がドアを剥ぎ取って持ってきて…
真「オラァッ!!」バギャィィン
真が殴って撃ち出し…
やよい「『ゲンキトリッパー』」ウッウー
やよいが『くっつけ』る。
ピタッ ピタ
イオリ「うおっ」
イオリ(こ…こいつらのペースの方が圧倒的に早い…全然間に合わない…)
ガチッ ガチ
イオリ(そして…もう腕が曲がらない! ドアの破片がくっついて…)
イオリ(まずい、このままじゃ…落とさなくては…体に『くっつい』た破片を『緩め』て落とさなくては!)
貴音「真!」ヒョイッ
貴音がドアを剥ぎ取って持ってきて…
真「オラァッ!!」バギャィィン
真が殴って撃ち出し…
やよい「『ゲンキトリッパー』」ウッウー
やよいが『くっつけ』る。
ピタッ ピタ
イオリ「うおっ」
イオリ(こ…こいつらのペースの方が圧倒的に早い…全然間に合わない…)
ガチッ ガチ
イオリ(そして…もう腕が曲がらない! ドアの破片がくっついて…)
296: 2014/06/13(金) 22:03:09 ID:s0UDF0os
イオリ「こ、この…この伊織ちゃんが…こんなヤツらにッ!!」
真「おまえの存在そのものが、伊織に対する侮辱だ。ゲス野郎め」
真「オラオラオラオラオラオラオラオラ」
バギ バギュ バガスッ バギャァァ バギュン
ビタ ビタァ ビタッ ビタァン
イオリ「きゃあああああああああああああ」
ドドドドドド
体がどんどん破片に覆われていく。
イオリ「ま…負ける…私が…『負け』…あああっ」
ドドドドド
イオリ「あああああああああああああああッ!!」
ガァァーン!!!!
そして、イオリはドアに包まれ、団子のようになった。
真「おまえの存在そのものが、伊織に対する侮辱だ。ゲス野郎め」
真「オラオラオラオラオラオラオラオラ」
バギ バギュ バガスッ バギャァァ バギュン
ビタ ビタァ ビタッ ビタァン
イオリ「きゃあああああああああああああ」
ドドドドドド
体がどんどん破片に覆われていく。
イオリ「ま…負ける…私が…『負け』…あああっ」
ドドドドド
イオリ「あああああああああああああああッ!!」
ガァァーン!!!!
そして、イオリはドアに包まれ、団子のようになった。
297: 2014/06/13(金) 22:07:53 ID:s0UDF0os
貴音「どうやら、これで…もう動けなくなったようですね」
やよい「ふぅ…」ヘタッ
やよいがその場に座り込む。
真「大丈夫だった、やよい?」
やよい「はい~っ、ちょっと怖くてドキドキしちゃったかも」
真「ごめんごめん」
貴音「さて…まだ、これで終わったわけではありません」
真「そうだね」クルッ
イオリ「………」
瓦礫の山に顔を向ける。
真「話してもらおうか、色々」
やよい「ふぅ…」ヘタッ
やよいがその場に座り込む。
真「大丈夫だった、やよい?」
やよい「はい~っ、ちょっと怖くてドキドキしちゃったかも」
真「ごめんごめん」
貴音「さて…まだ、これで終わったわけではありません」
真「そうだね」クルッ
イオリ「………」
瓦礫の山に顔を向ける。
真「話してもらおうか、色々」
298: 2014/06/13(金) 22:09:56 ID:s0UDF0os
真「今から質問をする。ボク達の聞いたことに答えろ」
真「答えるたびに、その瓦礫をどかしてあげるよ」
イオリ「…………」
真「まず…本物の伊織はどこだ?」
イオリ「…………」
貴音「どうやって伊織に化けたのです? 他に、仲間が…顔を変える『スタンド使い』でもいるでしょうか」
イオリ「…………」
やよい「あの、重くないですか…?」
イオリ「………………」
真「返事をするつもりはない、か…」
やよい「このまんまじゃ、苦しくて答えられないのかも…」
真「そうだなぁ…うーん…」
イオリ「」
貴音「…? 待ってください、何かが妙です」
真「答えるたびに、その瓦礫をどかしてあげるよ」
イオリ「…………」
真「まず…本物の伊織はどこだ?」
イオリ「…………」
貴音「どうやって伊織に化けたのです? 他に、仲間が…顔を変える『スタンド使い』でもいるでしょうか」
イオリ「…………」
やよい「あの、重くないですか…?」
イオリ「………………」
真「返事をするつもりはない、か…」
やよい「このまんまじゃ、苦しくて答えられないのかも…」
真「そうだなぁ…うーん…」
イオリ「」
貴音「…? 待ってください、何かが妙です」
299: 2014/06/13(金) 22:15:35 ID:s0UDF0os
貴音「やよい、『くっつけ』る能力を解除してくれませんか」
真「え、でも貴音…」
貴音「…中から、息をする音が聞こえないのです」
真「え!」
やよい「そ、それって…まさか…」
貴音「わかりません。ですが………嫌な予感がします」
真(まぁ…何かあっても、貴音の『フラワーガール』がいれば大丈夫か…)
真「わかった。それじゃ、やよい」
やよい「は、はい」
ガラララララ…
『ゲンキトリッパー』の能力が解除され、瓦礫が重力に引っ張られていく。
真「ボクがどかすよ。貴音、見張りをお願い」パキッ
貴音「ええ」
ガラガラ…
真が『ストレイング・マインド』に覆われた腕で、山をかきわけていく。
真「え、でも貴音…」
貴音「…中から、息をする音が聞こえないのです」
真「え!」
やよい「そ、それって…まさか…」
貴音「わかりません。ですが………嫌な予感がします」
真(まぁ…何かあっても、貴音の『フラワーガール』がいれば大丈夫か…)
真「わかった。それじゃ、やよい」
やよい「は、はい」
ガラララララ…
『ゲンキトリッパー』の能力が解除され、瓦礫が重力に引っ張られていく。
真「ボクがどかすよ。貴音、見張りをお願い」パキッ
貴音「ええ」
ガラガラ…
真が『ストレイング・マインド』に覆われた腕で、山をかきわけていく。
300: 2014/06/13(金) 22:22:19 ID:s0UDF0os
真「……………ん?」
ガサッ ガサッ
真のかき分ける手が早くなっていく。
ガシャ! ガシャァッ!
乱暴なまでに激しく割いていく。
真「なんだって…」
やよい「真さん、なにかあったんですか?」
真「…ない」
真「いないんだ、奴が!」
貴音「いない…?」
やよい「たいへん、探さなきゃ!」
真「逃げたのか、この状況から!? どうやって!?」
ガシャ ガシャ
真「くそっ、出てくるのは破片と砂ばかりだ!」
貴音「………」
ガサッ ガサッ
真のかき分ける手が早くなっていく。
ガシャ! ガシャァッ!
乱暴なまでに激しく割いていく。
真「なんだって…」
やよい「真さん、なにかあったんですか?」
真「…ない」
真「いないんだ、奴が!」
貴音「いない…?」
やよい「たいへん、探さなきゃ!」
真「逃げたのか、この状況から!? どうやって!?」
ガシャ ガシャ
真「くそっ、出てくるのは破片と砂ばかりだ!」
貴音「………」
301: 2014/06/13(金) 22:29:47 ID:s0UDF0os
貴音「逃げた………」
貴音が瓦礫の中に手を入れ、掬い上げた。
貴音「いえ、彼女がこの瓦礫の山からどうにかして逃れたとは考えにくい。逃げたところを誰も見ていないのですから」
貴音「何かのスタンド能力だとしても…体中に『くっつけ』られたこれから人間だけを抜き出すのは不可能かと思われます」
貴音「…と、なると…」サラ…
貴音の指から、砂がこぼれ落ちる。
貴音「何故…扉の欠片の中に、このように大量の砂があるのでしょう」
真「……… まさか…」パサッ
・ ・ ・ ・
真が何の気もなしに払った砂の下から、服が顔を出す。イオリが身につけていたのと同じものだ。
貴音「これが…この砂が、恐らく…先程まで水瀬伊織を名乗っていた者です…」
真「そんな馬鹿な!? 人間が砂になったって言うのか!?」
やよい「うそ…」
真「くそっ! なんだっていうんだ一体!? 何が起こってるんだッ!!」
To Be Continued...
貴音が瓦礫の中に手を入れ、掬い上げた。
貴音「いえ、彼女がこの瓦礫の山からどうにかして逃れたとは考えにくい。逃げたところを誰も見ていないのですから」
貴音「何かのスタンド能力だとしても…体中に『くっつけ』られたこれから人間だけを抜き出すのは不可能かと思われます」
貴音「…と、なると…」サラ…
貴音の指から、砂がこぼれ落ちる。
貴音「何故…扉の欠片の中に、このように大量の砂があるのでしょう」
真「……… まさか…」パサッ
・ ・ ・ ・
真が何の気もなしに払った砂の下から、服が顔を出す。イオリが身につけていたのと同じものだ。
貴音「これが…この砂が、恐らく…先程まで水瀬伊織を名乗っていた者です…」
真「そんな馬鹿な!? 人間が砂になったって言うのか!?」
やよい「うそ…」
真「くそっ! なんだっていうんだ一体!? 何が起こってるんだッ!!」
To Be Continued...
302: 2014/06/13(金) 22:37:22 ID:s0UDF0os
スタンド名:「リゾラ」
本体:ミナセ イオリ
タイプ:遠隔操作型・標準
破壊力:E スピード:C 射程距離:B(50m程度) 能力射程:B(50m程度)
持続力:B 精密動作性:D 成長性:C
能力:謎のまま消滅した伊織の偽物のスタンド。
触れたものを「弛緩」させる。そこには縮んだもの、くっつけられたもの、固定されたものがなければ始まらない。
それらを「弛緩」させるということは、つまりは緩みっぱなしにしたり、無理矢理引き離したり、不安定な状態にさせたりするということだ。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ
本体:ミナセ イオリ
タイプ:遠隔操作型・標準
破壊力:E スピード:C 射程距離:B(50m程度) 能力射程:B(50m程度)
持続力:B 精密動作性:D 成長性:C
能力:謎のまま消滅した伊織の偽物のスタンド。
触れたものを「弛緩」させる。そこには縮んだもの、くっつけられたもの、固定されたものがなければ始まらない。
それらを「弛緩」させるということは、つまりは緩みっぱなしにしたり、無理矢理引き離したり、不安定な状態にさせたりするということだ。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ
303: 2014/06/14(土) 01:04:47 ID:JDcp1g6k
おつー
To Be Continued...
引用元: 千早「『弓と矢』、再び」
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