1: 2014/08/02(土) 20:04:18.40 ID:QBean/qj0
春香「言えてないです」

P「……」

真美「せっかく言い直したのにねー」

亜美「滑舌のトレーニングコーチがそんなんでどうすんのさー」

P「むぐぐ」

やよい「あ、あの。落ち着いてもう一度言えばいいかなーって」

貴音「そうですね。深呼吸してみてはいかがでしょう」

P「スー……ハー……アイドルマシュター」

美希「全然ダメなの」
アニメ「 ぷちます! ! ‐ プチプチ・アイドルマスター ‐」 全話いっき見ブルーレイ【期間限定生産】 [Blu-ray]
2: 2014/08/02(土) 20:06:38.62 ID:QBean/qj0
真「でもさっきまでは問題なかったよね?」

雪歩「なんで突然言えなくなっちゃったんだろう」

あずさ「トレーニングで舌が疲れちゃったんじゃないかしら」

千早「確かに、今日のトレーニングは結構ハードでしたからね」

伊織「だからって威厳は保ってほしいわ。仮にも私たちのプロデューシャーなんだから」

響「うん?」

伊織「……」

P「なぁ、伊織」

伊織「な、何よ」

P「もっかい俺の事呼んでみて」

3: 2014/08/02(土) 20:08:38.37 ID:QBean/qj0
伊織「何でよ」

P「それを俺が言うのはなぁ」

伊織「……プリョデューシャー」

小鳥「……」

伊織「プリョデュ……プ口リュ……ピュロ……」

律子「伊織……」

伊織「……言いたい事があるなら言いなさいよ」

P「なんというか……疲れたな」

伊織「……そうね」

4: 2014/08/02(土) 20:10:31.81 ID:QBean/qj0
P「……」ズーン

伊織「……」ズーン

美希「二人して落ち込んじゃったの」

やよい「あ、あの! そんな伊織ちゃんもかわいいかなーって!」

千早「ふふ。さすがね、たかちゅきさん。しっかり水瀬さんをフォローして」

やよい「う?」

春香「千早ちゃん……?」

千早「何か?」

5: 2014/08/02(土) 20:11:49.93 ID:QBean/qj0
亜美「今やよいっちの事……」

千早「たかちゅきさんがどうかしたの?」

真美「Oh」

千早「何か驚くような事があったかしら」

亜美「え、えーっとぉ」

千早「私には良く分からなかったのだけれど」

真美(千早おねーちゃん、全力でしらばっくれるつもりだ!)

律子(有無を言わせず無かった事にするつもりね)

真「うーん、みんな大分疲れてるみたいだなぁ」

6: 2014/08/02(土) 20:13:19.91 ID:QBean/qj0
雪歩「そうだね」

真「ゆきぽは大丈夫?」

雪歩「うん、だいじょう……真ちゃん?」

真「ん?」

雪歩「今のところ、もう一回」

真「え? えーと、ゆきぽは大丈夫?」

雪歩「……」

春香(真、もしかして気付いてない!?)

美希(あの様子……間違いないの)

真「どうかしたの、みんな?」

雪歩「……う、ううん。何でもないよ」

7: 2014/08/02(土) 20:14:39.79 ID:QBean/qj0
あずさ(雪歩ちゃんが折れたわ~)

律子(あれだけ悪意がないと……そりゃ攻められないわね)

貴音「あにゃた様、少しお話が……」

P「にゃ?」

響「貴音もか!?」

貴音「むっ……貴方しゃま……あたたさま……あにゃ……」

小鳥(あぁ、段々貴音ちゃんの顔が赤く……これは録画しておかないと!)

貴音「…………」

P「あー、何か話があるんだよな」

貴音「……いえ、もういいのです」トボトボ

8: 2014/08/02(土) 20:15:31.55 ID:QBean/qj0
P「あっ……行ってしまった」

貴音「……」ズーン

響(あぁ、あの貴音が思いっきり落ち込んでるぞ)

伊織「……」ズーン

亜美「あちゃー。いおりんまだ落ち込んでるね」

真美「んっふっふー。さすがにさっきのは堪えたみたいだねぇ」

伊織「……アンタたちだけには言われたくないんだけど」

亜美「ん?」

9: 2014/08/02(土) 20:16:16.82 ID:QBean/qj0
真美「それ、どーいう意味?」

伊織「『仕方ない』」

亜美「!?」

真美「……」

伊織「言ってみなさいよ」

亜美「……ちかたない」

伊織「ほらね。素直にこっち来なさい」

亜美「うぐぐぐ……」

伊織「真美は?」

真美「……」

10: 2014/08/02(土) 20:17:45.42 ID:QBean/qj0
亜美「真美?」

真美「しかたない」

亜美「!?」

伊織「!?」

真美「悪いけど、真美はやよいっちの側だから」

やよい「ふぇ?」

亜美「そ、そんな……真美?」

千早「ふふ。真美も私やたかちゅきさんと同じ側だったのね」

春香「千早ちゃん、そろそろ現実見ようかー」

雪歩「な、なんだか被害が広がってきておかしな感じに……」

小鳥「これはもしや、765プロ分裂の危機!?」

11: 2014/08/02(土) 20:19:09.51 ID:QBean/qj0
響「大げさだぞ。っていうか、そろそろ打ち止めじゃないか?」

美希「でも響も怪しいと思うな」

あずさ「ありゃありゃ、美希ちゃん、そんなこと言っちゃダメよ」

美希「!?」

あずさ「あ、ありゃ~?」

小鳥「まさかあずささんまで……私も気をつけないといけないれすね」

律子「れす?」

あずさ「……小鳥さん?」

小鳥「その目はなんでしょう。私は別に問題ないれすよ」

響「いや、普通にアウトだと思うぞ」

12: 2014/08/02(土) 20:20:22.10 ID:QBean/qj0
律子「……念のため確認しますが、小鳥さんは飲酒とかしてないですよね?」

小鳥「私だけ疑いがあらぬ方向に!? 神に誓って飲んでないれす!」

春香「いやぁ、その噛み方は疑われても仕方ないと思いますよ」

小鳥「事務員なのにトレーニング参加させられてこの扱い……ひどい」ズーン

伊織「……」ズーン

あずさ「……」ズーン

亜美「……」ズーン

貴音「……」ズーン

千早「……」

真「……?」

春香「うわわ、いつの間にか暗い雰囲気が渦巻いてる……!」

13: 2014/08/02(土) 20:22:27.50 ID:QBean/qj0
美希「あふぅ。みんなの落ち込みようが酷いの」

P「ば、馬鹿な……たった数分で我が765プロの精鋭が半壊しただと……!?」

雪歩「へ?」

P「俺たちは滑舌トレーニングを侮っていた……何ていう強力な敵だったんだ……」

真美「にーちゃんは滑舌トレーニングがバケモノにでも見えてるのかな」

P「まずトレーニングで心身ともに消耗させ、仲間割れを誘い……」

響「トレーニングやろうって言い出したのプロデューサーなんだけど」

P「隙を見せた者から一人ずつ確実に仕留めていく……とんでもない策士だ」

春香「プロデューサーさん、疲れ過ぎて幻覚でも見えてるんじゃ……」

P「俺がもっと早くヤツの策略に気付いていればこんな事には……」

美希「あふぅ。流石についていけないの」

14: 2014/08/02(土) 20:23:52.44 ID:QBean/qj0
P「くそぉ……くそぉ、滑舌めぇ……!!」

律子「みんな大げさ過ぎなのよ。プロデューサーまで、もう!」

やよい「……」

響「貴音ー、そろそろ戻ってこーい」

雪歩「真ちゃん……」

やよい「……わ、私決めました!」スクッ

伊織「やよい?」

やよい「私が伊織ちゃんやプロデューサーたちのカタキを取ります!」

P「な!?」

伊織「なんですって!?」

15: 2014/08/02(土) 20:24:59.96 ID:QBean/qj0
響「や、やよい……いきなり何を言ってるんだ!?」

やよい「だって、落ち込んでる伊織ちゃんたちをこれ以上見てられないから……」

千早「たかちゅきさん……」

やよい「それに、みんなを苦しめている滑舌が許せないから!」

P「やよい……」

やよい「私にできる事はこれしかないから……ッ!!」

真美「や、やよいっち……?」

やよい「だから伊織ちゃん、見てて! 私、滑舌なんかに負けないから!」

伊織「やよい……っ」

やよい「行きます! 生麦生米なみゃたみゃご! なみゃみゅ……」

17: 2014/08/02(土) 20:26:46.69 ID:QBean/qj0
P「……」

やよい「う……」

伊織「や、やよい……」

やよい「うぅ……」ポロポロ

P「やよい!?」

やよい「伊織ちゃん、プロデューサー、ごめんなさい……私じゃ勝てなかっ――」ガクッ

伊織「やよいいいぃぃぃぃっ!!!」ダキッ

千早「た、たかちゅきさあぁぁぁぁん!!」ガシッ

真美「そんな……やよいっちまで……」

律子「あーもう。何が何だか」

響「……律子はあれを見ても何も思わないのか?」

18: 2014/08/02(土) 20:28:48.11 ID:QBean/qj0
律子「え? 響?」

真美「ひ、ひびきん?」

春香「響の様子がおかしい……」

響「自分、恥ずかしいぞ。やよいが勇気を振り絞って戦ったのに、見てただけなんて」

律子「あの、ちょっ……」

響「自分だって765プロの一員だからな! 貴音やみんなの為に戦うぞ!」

貴音「響……」

雪歩「わ、私もやりますぅ!」

19: 2014/08/02(土) 20:30:53.21 ID:QBean/qj0
真「ゆきぽ!?」

雪歩「だから見てて真ちゃん! 私、真ちゃんの分まで頑張るから!」

真「ゆきぽ……」

響「よぉし、行くぞ雪歩! 滑舌なんかに負けるもんか!」

雪歩「はい! せーのっ!」

響「隣の客はよくかきゅきゅ――!?」ガリッ
雪歩「隣の客はよくきゃきゃきゅう……ぅぅ……」

貴音「ひ、響っ!!!」

真「ゆきぽ!」

響「~~~ッ!!!」ジタバタ

雪歩「……」ザックザック

20: 2014/08/02(土) 20:32:43.46 ID:QBean/qj0
真美「あぁ……ひびきん、思いっきり舌噛んじゃったんだ……」

亜美「ゆきぴょんは無言で穴掘り始めた……」

真「ゆきぽ! ここ屋内だから! 穴掘っちゃダメだよ!」

律子「ああぁ……なんだかどんどんおかしな方向に……」

美希「まったく、しょうがないの」

あずさ「美希ちゃん?」

律子「あっ、美希! 良かった、美希はまだまとも――」

美希「ハニーのカタキを取るのはミキしかいないって思うな」

律子「じゃなかった……」

21: 2014/08/02(土) 20:34:32.18 ID:QBean/qj0
P「美希……お前、さっきまで他人事みたいだったのに」

美希「響や雪歩の姿を見て何も感じないわけがないの」

真美「……」

美希「だからここはミキがバシッと決めるから、ハニーはちゃんと見ててね」

真美「待ってよ!」

亜美「真美?」

真美「真美も……ミキミキと一緒に戦う」

亜美「ま、真美!? 一体何を言ってるのさ!?」

真美「……亜美、さっきはごめん。バカにしたみたいな態度とって」

亜美「……」

22: 2014/08/02(土) 20:36:53.97 ID:QBean/qj0
真美「真美もひびきんたちの戦いを見て目が覚めたよ。二人の姿、カッコよかった」

響「う、うぅ……」

雪歩「……」

真美「真美が間違ってたんだ。だから、亜美のカタキを取るのは真美じゃないとダメなんだ」

亜美「それは違うよ……真美は噛まずに言えた。それはただの事実で、真美は悪くないよ!」

真美「だとしても、今戦わないと真美は自分を許せないから」

亜美「真美が危険な真似をする必要なんてこれっぽっちもないんだよ!」

真美「ううん。もう決めたから。亜美は見てて。真美の戦いを」

亜美「真美……」

23: 2014/08/02(土) 20:38:09.48 ID:QBean/qj0
美希「あふぅ。亜美はそこで黙って聞いていればいいの」

真美「そうだよ。真美もミキミキも絶対に負けないもん」

亜美「……」

美希「それじゃ、準備はいい?」

真美「オッケー! それじゃやるよ!」

美希「とーきょーとっきょきょきゃきょきゅきょきゅ――ッ」
真美「とーきょーとっきょきょきょきゃきゅ――」

美希「……」ドサッ

真美「……」グラッ

24: 2014/08/02(土) 20:39:22.82 ID:QBean/qj0
P「み、美希!?」

亜美「真美ぃぃ!!」

美希「は、ハニー……ミキ、頑張ったよ?」

P「あぁ……あぁ! ちゃんと見てた、見てたぞ!」

真美「亜美……ごめん。カタキは取れなかった……よ……」

亜美「そんなのいいよ! 亜美のために戦ってくれただけで十分だよぉっ!」

美希「あふぅ……ハニー……でもこれで……」ガクッ

真美「真美たちも……一緒だ……よね……」ガクッ

P「美希いいいぃぃぃぃ!!!」

亜美「真美いいいいぃぃぃぃぃ!!!」

律子「……もう好きにして」

25: 2014/08/02(土) 20:42:33.18 ID:QBean/qj0
小鳥「……」ジー

あずさ「……」ジー

律子「……あの、何ですかその視線は」

小鳥「別に……」ジー

あずさ「特に意味はないですよ」ジー

律子「……」

P「……」ジー

律子「……ああもう! 分かりましたよ! 私もやればいいんでしょ!」

P「律子、別に俺達のために無茶をする必要なんてないんだぞ?」

律子「どの口がそれを……いえ、もういいです。決めましたから」

26: 2014/08/02(土) 20:44:43.53 ID:QBean/qj0
あずさ「律子さん……」

律子「分かってます。本当は分かってたんです」

あずさ「え?」

律子「私は澄ました顔で眺めてればいい立ち位置なんだって、自分に言い聞かせてただけなんです」

小鳥「律子さん……」

律子「でも……やっぱり私も765プロの一員ですから」

P「律子……」

律子「すぅ……はぁ……それじゃ行きます!」

あずさ「律子さん……っ!」

小鳥「律子さん、頑張って!!」

律子「かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ! 合わせてぽこぽこみゅぴょきょきょ……」

27: 2014/08/02(土) 20:45:54.54 ID:QBean/qj0
P「……っ」

あずさ「……あ」

律子「……やっぱり、こうなるんですよね」

小鳥「律子さん」

律子「言いたい事があればどうぞ、言ってください」

P「あー、その……可愛かったぞ」

律子「!!?」プシュー

小鳥「ああっ! 最後の砦が!」

あずさ「真っ赤になって落ちちゃったわ~」

伊織「今とどめを刺したのって……いえ、なんでもないわ」

28: 2014/08/02(土) 20:47:24.87 ID:QBean/qj0
千早「でも、まさか律子まで……となると残っているのは……」

春香「とうとう私の出番が来ちゃったかぁー」

P「春香かぁ」

春香「え!? なんですか、そのとっくに諦めてるみたいな感じ!?」

伊織「誰もそんな事言ってないでしょ」

亜美「でも無理そうならやらなくてもいいと思うよ」

千早「えぇ。あと、別に無理して噛まなくてもいいから」

真「舌噛むのは痛そうだから、もつれさせる程度にした方がいいよ」

春香「ちょ、ちょっと待って。私、わざと噛もうとしてるとか思われてない?!」

30: 2014/08/02(土) 20:49:56.46 ID:QBean/qj0
貴音「……そんな事はありませんよ」

春香「今、微妙な間があったよ!」

あずさ「やるならサラッとやった方がいいと思うわ~」

小鳥「そうね。何気なく流した方がいいわね」

春香「あ、あの言っときますけど! 私、別にわざと噛みょ――ッ!?」ガリッ

P「あっ」

千早「!?」

春香「~~~~っ!?」ジタバタ

31: 2014/08/02(土) 20:51:13.80 ID:QBean/qj0
亜美「あちゃー」

真「今のは本気噛みだね」

貴音「えぇ。春香の様子を見れば一目瞭然です」

小鳥「まさか戦う前にやられちゃうなんて……」

千早「春香……っ!」ガシッ

春香「むぐぐ……ち、千早ちゃん……」

千早「春香、大丈夫?」

春香「心配……してくれるの?」

千早「当たり前でしょ」

春香「……あのね、正直に言うと、わざと噛もうかなってちょっとだけ考えたんだ」

32: 2014/08/02(土) 20:52:37.26 ID:QBean/qj0
千早「そう」

春香「だって私だけ仲間はずれなんて……」

千早「……」

春香「でもね……」

千早「分かってる。春香は本番でわざと噛んだりなんてしないわ」

春香「千早ちゃん?」

千早「私の知る天海春香は、大事な場面でふざけたりはしないもの」

春香「千早ちゃぁぁん」ウルウル

34: 2014/08/02(土) 20:53:56.38 ID:QBean/qj0
千早「さっきはごめんなさい。春香をおちょくるような事を言ってしまって」

真「……そうだよね。ボクたちも謝るよ」

伊織「悪かったわ。自分達の事を棚に上げて」

あずさ「ごめんなさい、春香ちゃん」

貴音「申し訳ありません」

小鳥「思わず調子に乗っちゃって……本当にごめんなさい」

春香「みんな……ううん、もういいの。だって私たち――」

全員「「仲間だもんね!」」

35: 2014/08/02(土) 20:55:55.20 ID:QBean/qj0
P「…………」

P(こうして、俺達765プロと滑舌との戦いは765プロの完敗という形で幕を閉じた)

P(765プロ史上最強の敵を前にして……しかし俺たちは絶望していなかった)

P(何故なら、俺達の胸には……より深く、熱く紡がれた絆が生まれていたのだから)

P(俺たちは仲間なんだ。ともにこれからも切磋琢磨して歩み続ける仲間なんだ)

P「そう。俺達のたたきゃいはこれからだ!!」


終わり

36: 2014/08/02(土) 20:56:59.72 ID:QBean/qj0
読んでくれた方、ありがとうございます。

久しぶりに熱血友情モノが書けたので満足です。

37: 2014/08/02(土) 21:01:53.21 ID:0ESRua0eo

38: 2014/08/02(土) 21:02:18.97 ID:vOYu1CYh0
ワロタ

引用元: P「アイドルマシュ……マシュター」