希「ニコっちお願い！一生のお願い！」

にこ「このまえも、のぞみんに一生のお願いされたよねー？」

希「し、したっけ……？」

にこ「うん。一生のお願いを二回するってことは、一回人生が終わるってことだよね？」

にこ「ニコはのぞみんのこと大好きだから、氏んじゃったらイヤだなぁ……」

希「えっ……いやいやいや…………」

にこ「だからぁ、ごめんね。お願いは聞けないニコ！」



希（ニコっちにフラらてしまった…………）

希（ここはエリちに…………あ、でも――）

絵里「希、そろそろ夏休みだけど、先に言っておくことがあるわ」

希「んー？なにー？」

絵里「ええとね、今年は三年ってこともあるから――」

希「あ！どこに遊びに行くか言うん！？ウチはやっぱり海がいい！」

絵里「ちがうちがう、宿題の話！」

希「しゅ、しゅくだ……」

絵里「昨年みたいに提出前日に泣きついてきても、一切助けないからね？」

希「ええっ！？」

――――――――
――――――



希（って…………）

希（さすがにエリちに聞くわけには…………）

希「宿題うつさせて！」

絵里「ダメ」

希「この通り！この通りだから！おでん、おごるから！」

絵里「私、夏休み前に言ったわよね？宿題に関しては助けないって」

希「い、言われたような気がしないでもないような……」

絵里「言いました」

希「だ、だけど…………」

絵里「希、この夏どうしてた？」

絵里「凛とふざけて、花陽と昼寝して、穂乃果と食べて――でしょう？」

希「お、エリちすごい。当たってる」

絵里「…………結局宿題やる素振りなんて、これっぽっちも見せなかったじゃない！」

希「それは…………それは…………」

希「で、でも、そしたらウチの宿題ちゃんはどうなるん！？」

絵里「自分でやりなさい。というより今年の宿題、自分でやるしかないやつじゃない」



希（エリちにもフラれてしまった…………）

希（しょうがないクラスメイトに頼もう）

希（むぅ……クラスメイトに頼もうとすると、エリちが止めに来る……）

希（このままじゃ、宿題が終わらないまま明日を迎えてしまう……）



海未「…………」ﾄｺﾄｺ

希（ん、廊下に海未ちゃんが……）

希（海未ちゃんなら、手伝ってくれるかも……？）

希（いやいや、二年生に宿題を教わる？）

希（………いくら何でも、ウチにもプライドってもんがあるやん？）

希「………………」

海未「――それで、話とはなんでしょうか？」

希「宿題を手伝って！」

海未「え、ええっ！？」

希「まだ終わってないんよ…………それで、お願い海未ちゃん」

海未「あ、あの……私、二年生ですし、三年生に教えたりは出来ないと思うのですが…………」

希「大丈夫、少なくともウチよりはできると思うから！」

海未「そんなに自信満々で言わないでください……」

希「それで海未ちゃん、いいかな？」

海未「ええと……できるのであれば、力になりたいのですが…………」

海未「あいにく先約がありまして……」

希（海未ちゃんにもフラれてしまった…………）

希（薄々そんな気もしてたけど、穂乃果ちゃんも宿題終わってなかった）



真姫「…………」ﾄｺﾄｺ

希（ん、廊下に真姫ちゃんが……）

希（真姫ちゃんなら……真姫ちゃんなら、手伝ってくれるかも……！？）

希（いやいや、一年生に宿題を教わる？）

希（………いくら何でも、ウチにもプライドってもんがあるやん？）

希「………………」

真姫「――それで希ちゃん、話って何よ」

希「宿題を手伝ってほしいんよ」

真姫「しゅく…………え！？」

希「まだ終わってなくて…………お願い真姫ちゃん！」

真姫「そんなの、エリーに頼めばいいじゃない」

希「それは…………」

真姫「ああ、とうとうエリーに愛想尽かされたのね……」

希「ま、まあ理由は何であれ……ね？」

真姫「………………」

希「いいかな、真姫ちゃん。今、重要なことはね？」

希「ウチがエリちではなく、真姫ちゃんに頼んでいるということなのだ！」

真姫「………………」

真姫「まあいいけど。でも私、一年生なんだけど？」

希「ほら、真姫ちゃんって賢いやん？いけるいける！」」

真姫「ま、まあ？わたしにかかれば三年生の範囲でも……」

真姫「三年生の範囲でも…………うん…………」

希「あ、別に無理ならいいんだけど……」

真姫「っ……できるわ！余裕なんだから！」

希「ホント？いやぁ、さすが真姫ちゃん！」

希「それじゃあ、真姫ちゃんお願いしてもらって――」

真姫「待って。確かにこの私なら、三年の範囲でも教えることくらい簡単だけど……」

真姫「でも、先約があるのよ」

希「先約…………まさかだけど、凛ちゃんやないよね？」

真姫「……そう、凛よ凛。まだ宿題が終わってないみたいなのよ……」

希「それじゃあウチは……？」

真姫「残念だけど、手伝えないわね」

希「そ、そんなぁ…………」



希（真姫ちゃんにもフラれてしまった…………）

希（あかん…………）

希（このままだと、先生には怒鳴られ、エリちには呆れられ……）

希（ニコっちには…………特にないけど、とにかくまずい…………）

凛「にゃにゃにゃーん♪」ﾄｺﾄｺ

希（ん、廊下に凛ちゃんが……ずいぶんゴキゲンな様子……）



希「凛ちゃん、どうしたん？なんかキゲンよさそうやね」

凛「あー！希ちゃん！聞いて聞いて、凛ねー、宿題終わったの！」

希「え！？」

凛「希ちゃん……そこまで驚かなくてもいいよね？」

希「さっき真姫ちゃんにあってね」

希「凛ちゃんが宿題がまだ終わってないって言ってて。だから驚いただけなんよ」

凛「ああ！そういうことかぁ」

凛「それでね、凛、宿題の範囲を勘違いしてて……えへへ、本当は終わってた！」

希「どうも凛ちゃん、宿題終わってるみたい」

真姫「そうなの？まあ、夏休み中に私から何度も、無理やり宿題をやらせたものね」

希「それで、どうなん？」

真姫「かよちんは大丈夫だし…………」

真姫「そうね……それなら手伝えるわ」

希「ありがと、真姫ちゃん。よし、これでウチも宿題から解放される…………」

真姫「いや、あなたがやるのよ！？私はあくまでサポートよ、サポート！」

希「まあ、とにかく手伝ってくれるっていうことやん？」

真姫「それはそうだけど…………」

希「やっぱり持つべきものは真姫ちゃんやね！」

真姫「持つべきものは友でしょ。なによ、そのピンポイントなことわざ」

真姫「それで、何の宿題が終わってないの？数学？英語？それとも化学？」

希「オープンキャンパスのレポート」

真姫「は？ちょっと待って、なによそれ」

希「うん？ああ、志望大学のオープンキャンパスに行って、その内容を書くんだけど」

希「ウチ、まだ見に行ってないから、まずは今から一緒に見学へ――」

真姫「ムリムリ！そんなの手伝えるわけないじゃない！！」



おわり

おわるのかよ

高3でオープンキャンパスのレポートってどこの底辺だよ

オープンキャンパスのレポートとか宿題であるの？

可愛かった
乙です