1: 2011/09/19(月) 13:03:29.49 ID:sSMejf5k0
京子「ブーン」タタタッ

京子「生徒会室に到着っ!」

京子「綾乃ーっ プリント持って来たよ」ガラッ

京子「あれっ、居ないのか。おっ、テーブルの上にジュースが!」

京子「いたただきま~す」ゴクゴク

西垣「さて、実験の続きだ。あの試作品は色からして誰も飲まないはずだ」テクテク

西垣「興味本位で飲む奴がいるとすれば……歳納ぐらいか。ハハッ」ガラッ

西垣「うおっ、歳納が倒れてる! そして試作品を入れたグラスが空! まさに想定内」

西垣「そんな事を言っている場合ではない。とりあえず保健室に運ぶか」

2: 2011/09/19(月) 13:03:59.47 ID:sSMejf5k0
結衣「で、試作品の効力は何ですか?」

西垣「記憶のみが過去に遡る」

綾乃「と言う事は、体はそのままで、記憶は小さい頃と言うことですか?」

西垣「その通りだ。今回はわりと自信がある。次は杉浦も被験者になるか?」

結衣(実験に没頭して、自分が教師と言う立場を忘れていないか?)

京子「う……」

結衣「気がついたか、京子」

京子「結衣……ここ、どこ?」

結衣「!!」

西垣「船見の記憶はあるが、中学校の記憶は無い。これは成功かもしれない」

8: 2011/09/19(月) 13:12:16.22 ID:sSMejf5k0
結衣「で、西垣先生。京子はいつになったら記憶が戻るんですか?」

西垣「24時間後に戻る。これは確実だ。一秒も誤差が無い」

綾乃「24時間後……土曜日の午後3時ジャストに戻るのね」

結衣「このまま家に帰したら心配だな。何が起きるか分からない」

西垣「だから歳納と仲が良い、お前達二人だけを呼び寄せたんだ」

結衣「その前に試作品を放って席を外さないで下さい!」

西垣「何となく歳納なら飲んでくれるかなと思ってな。そこまでが実験のつもりだった」

綾乃(もう西垣先生に生徒会室を貸すのはやめようかしら)

京子「結衣~。だれ、この人たち……怖い」

9: 2011/09/19(月) 13:12:57.41 ID:sSMejf5k0
西垣「そんな訳だから、後は任せた」

結衣「どんな訳なんですか! ……行っちゃったよ」

綾乃「どうしよう」

結衣「まいったな。今夜京子をうちに泊めるのは構わないけど、明日の朝には出かけないといけない」

結衣「ねぇ、綾乃。明日の朝から午後3時まで京子と一緒に居てあげてくれないか?」

綾乃「ええっ! わ、私が歳納京子と一緒に!」アタフタ

結衣「私と綾乃しかこの事は知らない。ねっ、お願い」

綾乃「し、仕方ないわね。く、クラスメートとして無責任な事は、で、出来ないからね」

保健室の外

千歳「何か楽しい事になってきたで~」

11: 2011/09/19(月) 13:13:34.64 ID:sSMejf5k0
結衣宅

結衣「全く、西垣先生はとんでもない物を作るな~」

京子「結衣~ここどこ?」

結衣「私のうちだよ」

京子「ええっ! ……ゆ、結衣のお父さんは? お母さんは?」

結衣(そっか。記憶だけが過去に戻ってるからな。説明が難しい)

結衣「ここは私が一人で住んでいるんだよ」

京子「そうなんだ~。結衣はすごいね。カッコいいね」ニコッ

結衣(な、何だ。今のスマイルは! 久々に見ると……ドキドキする)

結衣(そう言えば昔の京子はいつも私の後ろに居たからな……)

12: 2011/09/19(月) 13:14:02.49 ID:sSMejf5k0
京子「ねぇ、結衣~。結衣はなんで背が大きいの。何で~?」

結衣「背? 京子も同じぐらいだよ。立ってみなよ」

京子「ほんとだ~。いつこんなに大きくなったんだろ」

結衣「そ、それは。成長期だからだろ(何言っているんだ、私は)」

京子「このヒラヒラのお洋服かわいい~」ニコッ クルクル

結衣(!!)

結衣(い、今妄想が頭の中に……千歳の気持ちが何となく分かったな)

結衣「もう今日は変な汗かいたな~。京子、一緒にお風呂入るか」

京子「うん! 入る~」ニコッ

13: 2011/09/19(月) 13:14:51.91 ID:sSMejf5k0
結衣(何か恥ずかしいな~)ゴシゴシ

結衣(昔は一緒にお風呂に入っていたから平気だと思ったのに)ゴシゴシ

結衣(お互い体はそのままだからな)ゴシゴシ

京子「結衣~、早くこっち来て」バシャバシャ

結衣「わ、分かった。分かったから暴れるな」

バシャーッ チャポン

結衣「お風呂……熱くないか?」

京子「平気だよ~」ニコッ

結衣「それなら良かった」

結衣(私だけか……熱いのは)

15: 2011/09/19(月) 13:16:55.01 ID:sSMejf5k0
京子「あっ」

結衣「どうした?」

京子「結衣のここ、お山が二つあるよ~」ムニュ

結衣「ひゃああああ!」

結衣「む、胸を触るな!」

京子「ふぇっ! ご、ごめんなさい」グスッ

結衣「あ、ごめん。大声だして」

結衣(ちょっとだけ気持ち良かっ……ハッ!)

結衣「京子、もう上がろうか」アタフタ

16: 2011/09/19(月) 13:18:06.43 ID:sSMejf5k0
結衣「京子、こっちおいで」

京子「ここで寝るの~?」

結衣「今日だけね」

京子「結衣~、そばに居てくれる?」

結衣「そ、そばに居るよ」

京子「おトイレ行く時、一緒に行ってくれる?」グスッ

結衣「も、もちろんだよ。トイレだろうが地球の果てだろうが」

京子「ちきゅうのはて?」

結衣「い、今のは何でもない。さっ、寝よう」

18: 2011/09/19(月) 13:18:37.05 ID:sSMejf5k0
結衣(昔の京子ってこんなに可愛かったっけ?)

結衣(もの凄いドキドキするな)

結衣(べ、別に記憶が戻らなくても……)

結衣(な、何を考えているんだ私は!)

京子「結衣~」

結衣「ど、どうした京子?」

京子「眠れない~」

結衣「じゃ、じゃあこっちにおいで」

19: 2011/09/19(月) 13:19:22.33 ID:sSMejf5k0
京子「あったか~い」

結衣「お風呂に入ったからな」

京子「ねぇ、結衣~。頭なでなでして~」

結衣「な、なでなで!? わ、分かった」

ナデナデ

京子「ありがとう、結衣~」

結衣「あ、あまり近付かないで」ドキドキ

京子「えっ! ゆ、結衣……わたしのこと嫌い?」ウルッ

結衣(泣き顔は反則だー!)ガバッ

京子「く、苦しいよ~。結衣~」

20: 2011/09/19(月) 13:20:38.87 ID:sSMejf5k0
翌日


綾乃「ど、どうしたの?」

結衣「昨日は全然眠れなくて……」

綾乃「それは大変だったわね」

結衣「とにかく今日の3時には記憶が戻る……はず」

綾乃「それまでの辛抱ってことね」

結衣「じゃあ、もう時間だから行くね」

京子「結衣~、このお姉ちゃんだれ~?」

綾乃「!!」

結衣「!!」

結衣「記憶が昔に戻っているから当然か……」

22: 2011/09/19(月) 13:22:05.03 ID:sSMejf5k0
京子「結衣のお友達?」

結衣「そうだよ。私のお友達」

綾乃「す、杉浦綾乃よ」

京子「あやのちゃん?」

綾乃「あ、あ、綾乃ちゃん!?」

結衣「仕方ないだろ。3時までは綾乃ちゃんだ」

綾乃「全く……西垣先生の試作品のせいで休日が台無しだわ」

結衣「そんな風に言うなよ。それじゃ、そろそろ時間だから行くね」

綾乃「記憶が戻ったら電話するわね」

23: 2011/09/19(月) 13:23:45.36 ID:sSMejf5k0
綾乃「……」テクテク

京子「……」テクテク

綾乃「と、歳納京子! う、う、腕組んで歩かないでよ!」

京子「ふえぇっ! ご、ご、ごめんなさい」グスッ ウルウル

綾乃(!!!!!!!!)

綾乃(な、何? 今のドキドキ感は……)

千歳「そんな扱いじゃダメやで、綾乃ちゃん」

綾乃「ち、千歳!」

千歳「話は十分に知ってるから、早く綾乃ちゃんの家にいこか」

25: 2011/09/19(月) 13:24:35.16 ID:sSMejf5k0
綾乃宅


綾乃「千歳が居てくれて助かったわ」

千歳「こんな状況を見過ごす訳にはいかへんよ」

千歳(ある意味やで)

綾乃「さて、これからどうしようかしら」

千歳「まず呼び方は京子ちゃんにしないとアカンね」

綾乃「きょ、京子ちゃん!?」

千歳「フルネームだと歳納さんも怖がるで。ねぇ、京子ちゃん」

京子「?」

千歳「ほら、京子ちゃんでええって言ってるよ」

綾乃「何も言ってないでしょ!」

26: 2011/09/19(月) 13:25:09.32 ID:sSMejf5k0
京子「あ、綾乃ちゃん」

綾乃「な、何かしら」ドキドキ

京子「お腹すいた」

綾乃「えっ? ああ、もう11時か。ちょっと早いけどお昼にしようかしら」

千歳「京子ちゃんは何食べたい?」

京子「ホットケーキ!」

綾乃「ほ、ホットケーキ!?」

千歳「子供なら誰でも大好物やで」

綾乃(そっか、歳納京子は記憶だけ子供なのよね。気を抜くと忘れるわ)

27: 2011/09/19(月) 13:26:10.57 ID:sSMejf5k0
綾乃「出来たわよ」

京子「おいしそーっ」ニコニコッ

綾乃「!!!!!」

千歳「」ブハッ

京子「あっ、綾乃ちゃん……千歳ちゃんが」

綾乃「だ、だ、大丈夫。いつものことだから」ドキドキ

綾乃(あんな笑顔。み、見たことないわね)ドキドキ

千歳(うちはとんでもない場所に来てしもうたな。でも、この体験は二度とないから楽しみや)ダラーッ

綾乃「千歳……ホットケーキが赤く染まってるわよ」

30: 2011/09/19(月) 13:27:42.04 ID:sSMejf5k0
綾乃「きょ、京子ちゃん。お、美味しい?」

京子「美味しい! 結衣のホットケーキと同じぐらい美味しい~」

綾乃「そ、そ、そう。それなら良かったわ」

京子「ねぇ、綾乃ちゃん。食べさせて」アーン

綾乃「な、何ですって!!!!!!!」

千歳「」バタッ

京子「また千歳ちゃんが!」アタフタ

綾乃「千歳なら大丈夫よ……」

綾乃(逆に私の身がもたない……)

31: 2011/09/19(月) 13:28:27.14 ID:sSMejf5k0
京子「」アーン

綾乃「は、はい」プルプルプルプル

京子「」パクッ

京子「美味しい!」ニコッ

綾乃(修学旅行で出来なかった事が、こんな形で実現するなんて)ドキドキ

京子「ごちそうさまでした」

綾乃「ち、千歳。もう片付けるけど良い?」

千歳「」グッ 仰向けに倒れたまま指でOKサイン

綾乃「喋る気力もないのね……」

32: 2011/09/19(月) 13:28:59.58 ID:sSMejf5k0
京子「綾乃ちゃん」

綾乃「な、何?」ドキッ

綾乃(何回呼ばれても慣れないわ)

京子「あのお洋服、綾乃ちゃんの?」

綾乃「あ、あのマキシ丈のワンピースなら私のよ」

京子「可愛い~!」

綾乃「あ、ありがとう」

京子「着たい~」

綾乃「と、歳納京子が私の洋服を着たいですって!!」

京子「ふえっ!?」ドキッ ウルウル

33: 2011/09/19(月) 13:29:58.56 ID:sSMejf5k0
綾乃「あっ、お、驚かせてごめんね。着たいなら良いわよ」

京子「やったぁ!」

綾乃「はい、どうぞ」

京子「……」

綾乃「どうしたの?」

京子「どうやって着るの? 綾乃ちゃん、着させて」

綾乃「なっ!!! じ、自分で着なさいよ!」

千歳「記憶が子供だから、着方が分からなくても仕方ないで」

綾乃「あ、そうか。で、でも体は今のままよ。わ、私が恥ずかしいわ」

千歳「承諾したのも、あのワンピースの所有者も、綾乃ちゃんやで」ニヤリ

綾乃「ち、千歳~」アタフタ

35: 2011/09/19(月) 13:31:33.19 ID:sSMejf5k0
綾乃「そ、それじゃあ制服を……ぬ、脱がすわよ」ドキドキドキ

京子「綾乃ちゃん、手がプルプルしてるよ? 大丈夫?」

綾乃「だ、だ、だ、大丈夫よ」 バサッ

綾乃「!!!」

綾乃(体がそのままだから、と、と、当然下着も!)

綾乃「じゃ、このワンピースを……う、腕はここから、頭はここから、だ、出すのよ」

京子「わぁ、このお洋服可愛い!」クルリ ヒラヒラ

綾乃(と、歳納京子が、か、か、可愛い!!!!)

千歳「」チーン

綾乃「千歳……自分でこうなるって分かってるなら止めれば良いのに……」

38: 2011/09/19(月) 13:32:30.76 ID:sSMejf5k0
綾乃「ま、まるでお人形さん見たいだったわよ」

京子「ほんとっ!? ありがとう!」ニコッ

綾乃(歳納京子にホットケーキを食べさせ、洋服を着させて、そしてあんな笑顔が見られるなんて)

綾乃(まるで夢見たい!)

千歳「好きな人のためにする事は、全てが美しいものやね」

綾乃「そうね……って、千歳気がついてたの!?」

綾乃「んっ、今もしかして、心の中読んだ?」

千歳「心の中なんて読めへんよ。何となくそう感じたから言っただけやで」

綾乃「当たってる。やっぱり千歳は恐ろしいわ」

39: 2011/09/19(月) 13:33:06.25 ID:sSMejf5k0
京子「綾乃ちゃん……」

綾乃「へっ? な、何?」

京子「眠くなってきた」

綾乃「眠い? それなら私のベッドに」

京子「ここで寝るぅ……おやすみなさい」

綾乃「ちょ、ちょっと! ここで寝たらダメ! ……遅かった」ハァ

千歳「膝枕がええと思うで」ボソッ

綾乃「ひ、膝枕ぁ!? な、何を言ってるのよ!」

千歳「チャンスは今しかないと思うで」ニヤリ

41: 2011/09/19(月) 13:34:08.44 ID:sSMejf5k0
綾乃(千歳の奴、膝枕した直後に鼻血を出して気絶するなら言うなって)

綾乃(で、でも……歳納京子の寝顔がこんなに近くで見られるなんて)ドキドキ

綾乃(何か、変な気分になる)ドキドキドキ

京子「」スースー

京子「綾乃ちゃん…」スースー ムニュッ

綾乃(ひいっ! ひ、膝を触らないでよ!)ドキドキ

綾乃(と、歳納京子は甘えん坊だったのかしら)

綾乃(……今なら、き、キスとかしても……平気かしら)

綾乃(な、な、な、何を考えているの私ったら)

42: 2011/09/19(月) 13:34:28.07 ID:sSMejf5k0
綾乃(さ、さっき千歳もチャンスは今しかないって言ってたし)

綾乃(よ、よし。と、と、歳納京子に……キスを、す、する)

カチッ

3時

京子「んっ……ここは?」

綾乃「!?」

京子「あれっ、綾乃~?」

綾乃「も、もしかして記憶が戻った?」

京子「記憶? 何の事言ってるの?」

京子「って、膝枕してくれてるの? 綾乃の太もも肌触り最高~」スリスリ

綾乃「ちょ、ちょ、調子に乗るんじゃない! 歳納京子っ!」

43: 2011/09/19(月) 13:34:59.02 ID:sSMejf5k0
最後 学校にて


西垣「で、3時に記憶が戻った訳か」

綾乃「はい……」

西垣「何か二人とも疲れ切ってるな」

結衣「記憶が子供の頃に戻った訳ですから、世話が大変で……」

西垣「そりゃそうだよな。非現実的な事が起きて、疲労困憊にならない方がおかしいか」

西垣「ちなみにこの前の試作品をさらに進化させて、記憶と体が子供の頃に戻る薬を完成させた」

西垣「ここに置いておけば歳納がまた飲むだろ」

綾乃「もう勘弁して下さいよ!」

京子「綾乃~、アイス食べさせて~」ガラッ

結衣「京子! 入ってくるな!」

京子「?」

おわり

45: 2011/09/19(月) 13:37:29.77 ID:U+DcrVYH0
お疲れ!
これで心置きなく勉強できるよ!

50: 2011/09/19(月) 13:42:10.79 ID:sSMejf5k0
こんな作品なのに読んでくれてありがとう。

あかり「あかりがスレタイ言ったのに出番がない~」

俺「あっ……」

51: 2011/09/19(月) 13:42:49.78 ID:Gulb5/9L0
何言ってるんだ
これ全部あかり視点なんだろ・・・?

引用元: あかり「京子ちゃんの記憶が!」