6: 2011/10/05(水) 21:02:26.92 ID:5bZ69DvY0
櫻子「なに黙ってんの? 友達だれかいたっけ?」

向日葵「…よ、吉川さんとか赤座さんとか…」

櫻子「2人って私を経由して話したから向日葵から進んで作った友達じゃないよね」

向日葵「…え、えっと…」

櫻子「あ、生徒会メンバーもなしね 友達って感じでもないし?」

向日葵「う……」

櫻子(珍しく向日葵に勝てそうな予感)

9: 2011/10/05(水) 21:07:38.25 ID:5bZ69DvY0
向日葵「べ、別に? 友達がいなくたって生活に支障はありませんわ」

櫻子「うわぁ ごまかしだした…」

向日葵「それに友達が多いだけで、他のことはまるでダメなあなたに言われたくありませんわ」

櫻子「ぐ、ぐぅ 違う方向で勝負か!」

向日葵「朝から騒がないでほしいんですけど… ただでさえ低血圧で朝弱いのに…」

櫻子(負けられん)

11: 2011/10/05(水) 21:11:38.79 ID:5bZ69DvY0
櫻子「友達がいないってことはさぁ 周りの人に好かれてはないってことじゃん?」

向日葵「またその話…」

櫻子「あかりちゃんとちなつちゃんに、私たちどっちが好きか聞いてみようか?」

向日葵「いいけど? 多分うやむやに答えるし… だってあなた、逆に赤座さんと吉川さんどっちが好きか応えられる?」

櫻子「あかりちゃんだけど」

向日葵「あ、そ、そう…」

櫻子「よーし 聞いてみる」

向日葵「ちょ、ちょっと! (急に不安になってきましたわ)」

13: 2011/10/05(水) 21:17:04.95 ID:5bZ69DvY0
櫻子「あかりちゃん!ちなつちゃん!私と向日葵どっちが好き?」

あかり「え、急にどうしたの…?また勝負?」

ちなつ「私は結衣先輩一筋だから嘘でも答えられないよー」

櫻子「じゃあ船見先輩がいないと考えて 私と向日葵しかいなかったらどっちがいい?」

ちなつ「うーん… ま、まぁ…櫻子ちゃんかな? 話してて飽きないし」

櫻子「向日葵とは話してて飽きるんだ? へぇー」

向日葵「…!」

ちなつ「そ、そういう意味じゃないからね? 向日葵ちゃん!?」

櫻子「あかりちゃんは?」

あかり「あかりは… どっちもじゃダメかなぁ?」

櫻子「ダメ 選んで!」

あかり「う、うぅぅん… 向日葵ちゃんごめんね 櫻子ちゃん、かな… あかりを目立たせてくれそうだし…」

櫻子「うっし 勝ったけど」

向日葵「……」

15: 2011/10/05(水) 21:20:21.58 ID:5bZ69DvY0
向日葵「そ、そう 良かったですわね」

櫻子「やーい 怒ってる怒ってるー」ヘラヘラ

向日葵「…櫻子の… バカ…」シュン

櫻子「…あれ? 暴力がこない…?」

向日葵「……」

あかり「ひ、向日葵ちゃん!向日葵ちゃんのことも好きだよ!大事なお友達だよ!」

櫻子「私の次だけどねー!」

ちなつ「あの…強いて言うなら、だから気にしないでね…?」

櫻子「強いて言われて私が勝ちました」

向日葵「……」

櫻子「あれ? ひ、ひまわり…?」

16: 2011/10/05(水) 21:23:46.76 ID:5bZ69DvY0
向日葵「…知らない あっち行って」

櫻子「え… いや私の席ここだし…」

向日葵「うるさいですわ 話しかけないで」

櫻子「な、なんだよー 負けたからって怒りだして! バーカバーカ!」

向日葵「……」

櫻子「無視すんなよ!」ドン

向日葵「いた……」

櫻子「あ、ごめん……」アセッ

向日葵「……」

あかり「な、なんかいつもらしくない空気だよ…?」

ちなつ「余計なことに参加しちゃったのかも…」ボソッ

18: 2011/10/05(水) 21:29:02.58 ID:5bZ69DvY0
櫻子(や、やば…完全に怒ってる… やりすぎたのかな…)

向日葵「……」

あかり「向日葵ちゃん!ぷ、プリントきてるよ?」

向日葵「ああすみません はいどうぞ」バサッ

あかり「あ、うん… (投げられた…)」

櫻子「あかりちゃんに八つ当たりすんなよ!」

向日葵「……」

ちなつ「向日葵ちゃん、今のはちょっと…」

向日葵「すみません 私友達がいないので どう接すればいいかわかりませんわ」

櫻子「おい!ふざけんな!」

先生「授業中にケンカしないのー」

21: 2011/10/05(水) 21:33:04.47 ID:5bZ69DvY0
-昼食-

向日葵「……」カチャッ  スタスタ

ちなつ「向日葵ちゃん、どこいくの?」

向日葵「…? 給食を食べに生徒会室にですわ」

ちなつ「え… あ、あの さっきのこと怒ってる…?」

向日葵「別に 他人に何を言われようと気にしませんわ では」

あかり「あ、待ってよ向日葵ちゃん!」

ちなつ「完全に怒ってるね…」

櫻子「ごめん2人とも、私が余計なこと言ったせいで…」

あかり「ううん 勢いで答えたあかりたちも悪いもん…」

ちなつ「どうするの? たぶん櫻子ちゃんが謝らないと私たちの言葉なんかじゃ効かないと思う…」

25: 2011/10/05(水) 21:36:52.49 ID:5bZ69DvY0
櫻子「そうだよね うん あとで謝ってみる…」

あかり「あれっ… 今じゃないの?」

櫻子「ご飯はちゃんと食べたいからね へへ」モグモグ

ちなつ「今いくべきだと思うよ?」

櫻子「まぁまぁ… (覚悟決めないと急に行けないし…)」

ちなつ「後がいいならいいけど…」

あかり「あかり、謝ってこようかな…」

櫻子「い、いいっていいって 気にしないでよ!」

27: 2011/10/05(水) 21:41:03.82 ID:5bZ69DvY0
向日葵「……」モグモグ

綾乃「あ、あれ 古谷さんどうしたの? ここで食べてるの?」

向日葵「……すみません お邪魔ですか?」

綾乃「ううん 先生に頼まれて配布プリントのコピー取りに来ただけだからいいけど カギはしめておいてね」

向日葵「…ありがとうございます」モグモグ

綾乃「……大室さんと食べないの?」

向日葵「何故ですか?」

綾乃「ごめん 余計な一言だったわ…」

向日葵「………」

綾乃(え…なに? 古谷さんってあの良い子な古谷さんよね…? どうしたの…?)

28: 2011/10/05(水) 21:43:54.13 ID:5bZ69DvY0
綾乃「どうかしたの? 私が相談に乗れそうだったら聞くけど…

向日葵「いいえ… 杉浦先輩はお友達は多い方ですか?」

綾乃「…いえ そんなにいないわね 元々あまり集団でいるのとか好きじゃないし」

向日葵「そうですか… 安心しましたわ」ニコッ

綾乃「…? そ、そう じゃあ私もご飯食べたいから行くわね ごゆっくり」

向日葵「はい また」

向日葵(友達なんていなくたって… なんとかなりますわ…)

32: 2011/10/05(水) 21:49:26.22 ID:5bZ69DvY0
午後の授業

向日葵(わ、私としたことが……絵の具セットを忘れるなんて…)

向日葵「……」

先生「どうしたの? 絵の具は?」

向日葵「すみません… 忘れてしまいました」

先生「じゃあ隣の人から借りなさい」

向日葵「わ、わかりました…」

櫻子「!」

向日葵「……」

櫻子(うぐ…何も言ってこない…)

櫻子「絵の具…忘れたなら貸すけ…」

向日葵「結構ですわ」

櫻子「えっ?」

向日葵「だから結構です」

37: 2011/10/05(水) 21:53:01.39 ID:5bZ69DvY0
櫻子「じゃあ授業どうするの…?」

向日葵「先生 少しお腹が痛いので保健室に行っていいですか…?」

先生「そうなの…? まぁ行ってきなさい」

向日葵「…ありがとうございます」

あかり「向日葵ちゃん…」

ちなつ「わ、私も貸すよ? 筆いっぱいあるし」

向日葵「お気使い感謝しますわ でも結構です お腹痛いので」

櫻子「嘘つくなよ… 私のが嫌だとしても、意地はってないでちなつちゃんに借りればいいじゃん!」

向日葵「……では」スタスタ

40: 2011/10/05(水) 21:57:05.91 ID:5bZ69DvY0
放課後

ちなつ「結局戻ってこなかったね… 鞄はまだあるけど…」

櫻子「もういい 知らない」

あかり「だ、ダメだよ 元を作っちゃったの櫻子ちゃんなんだから謝らないと…」

櫻子「いいよもう ちょっとからかってやろうと思っただけなのに… こんな態度取られるなんて」

ちなつ「確かにやりすぎだと思うけど… 謝ろ?」

あかり「向日葵ちゃんのこと、大切に想ってるならあかりも謝るべきだと思うな…?」

櫻子「……」

46: 2011/10/05(水) 22:02:45.37 ID:5bZ69DvY0
櫻子「わかったよ、謝る …明日ね」

ちなつ「先延ばしにしちゃダメでしょ… 探して、今日謝らないと」

櫻子「普段謝らないから恥ずかしいんだもん… 心の準備がいるっていうか…」

あかり「そんなこと言わないで… あかりたちも探すの手伝うから ね?」

櫻子「…うん…」

櫻子(私が悪いのは分かってるけど… なんであんなにムキになってるんだよ向日葵…)

48: 2011/10/05(水) 22:07:12.62 ID:5bZ69DvY0
生徒会室

向日葵(5時間目も6時間目もさぼってしまいましたわ…)

向日葵「さて… そろそろ先輩方も来る頃だしいつまでもいるわけにはいかないですわね…」スタッ

綾乃「それで歳納京子ったらまた私の卵焼きを勝手に食べてー もう許せないわぁ?」

千歳「えぇー? よかったやん?」ガララ…

綾乃「全く今度は私がもらって… って古谷さん…?」

向日葵「…ど、どうも…」

綾乃「まさかさっきからずっといるの…?」

向日葵「いえ、その… はい…」

綾乃「授業でないとダメじゃない! サボるような人を生徒会に入れるわけにはいかないわよ?」

向日葵「あ、そ、それだけは…」

向日葵(生徒会までなくなったら私の居場所が…)

49: 2011/10/05(水) 22:11:37.80 ID:5bZ69DvY0
向日葵「すみません!反省します… だから、生徒会には入れていてください…」

綾乃「そ、そんなに真剣に言われたら断れないけど… 授業はサボっちゃダメだからね」

千歳「1年の間からサボると癖になってまうよー それに、少し罪悪感もあるやろ?」

向日葵「…わかりました… 確かに、サボったことに少し胸が痛みましたわ…」

綾乃「その気持ちがあるならいいんだけど… じゃ 仕事するわよー」

千歳「結局優しいなぁ綾乃ちゃんはー」

向日葵「……」

52: 2011/10/05(水) 22:20:33.04 ID:5bZ69DvY0
あかり「櫻子ちゃん! 向日葵ちゃん、普通に生徒会室にいたよ」

櫻子「え、ホント…? 確かに目立つけど逆にバレなそうだなぁ…」

ちなつ「ほら早く行って! 遅れれば遅れるほど、どうしようもなくなっちゃうよ?」

櫻子「うん… いってくる… ありがと」

あかり「頑張って!」

ちなつ「……ふぅ… うかつにああいうこと言っちゃダメだね…」

あかり「そうだね? あかりたちも、明日ちゃんと謝ろうよ」

ちなつ「うん …部室、いこ?」

53: 2011/10/05(水) 22:22:12.50 ID:5bZ69DvY0
櫻子「……こんちゃっす…」ガララ…

綾乃「ああ来たわね大室さん ちょっと今日は仕事が面倒だから時間かかるわよ 大丈夫?」

櫻子「あ…はい、暇なんで大丈夫です」

綾乃「良かった その古谷さんがやってる仕分け手伝って 1人じゃ時間かかって仕方ないから」

櫻子「わかりました」

向日葵「……」サッサッ

櫻子「向日葵、半分貸してよ」

向日葵「1人でやった方が早いですわ」

櫻子「ここでくらい普通にしろってば… ほら半分貸して」

向日葵「……」スッ

櫻子「…ふんだ」

綾乃「…?」

千歳「なんか普段とは違ったケンカやね…?」

綾乃「そうよね 私もなんだか見てて落ち着かなかったわ」

56: 2011/10/05(水) 22:30:29.82 ID:5bZ69DvY0
向日葵「…終わりました 他に、なにかありますか?」

綾乃「大室さんが終わってないわね… それが終わったら頼むから休憩してて」

向日葵「わかりました」

櫻子「ぐぬぬ… 池田先輩、名前順って言っても読み方わかんない人が…」

千歳「待ってー 今すこし手が離せへん」

櫻子「杉浦先輩…」

綾乃「ちょっと待って これ17時までに提出って言われてるから先生に出してくるわ?」

櫻子「ひ、向日葵… これって、しがつついたち?」

向日葵「……わたぬき」

櫻子「え?」

向日葵「四月一日で、わたぬき」

櫻子「お、おお! さんきゅー」

向日葵「……」

櫻子(この勢いで謝るっ)

57: 2011/10/05(水) 22:34:18.73 ID:5bZ69DvY0
櫻子「ひ、向日葵!聞いて!」

向日葵「……?」

櫻子「あ、あのさ 朝言ったことなんだけど…」

千歳「大室さんなにー? なんか質問?」

櫻子「え? あっおわりました! どうもっす!」

千歳「お疲れさーん 綾乃ちゃん戻ってくるまで待ってなぁ?」

櫻子「はーい!」

向日葵「……」

櫻子「あ、えっと…なんだっけ…」

59: 2011/10/05(水) 22:38:10.78 ID:5bZ69DvY0
櫻子「…朝言ったこと、はんせ…」

ガララ
綾乃「危なかったぁ あの先生すぐ怒るから…」

千歳「生徒会が先生の愚痴はあかんよー」

綾乃「それもそうね… あら、あなたたち終わった?」

向日葵「ええ 終わりました」

櫻子「あう…」

綾乃「…え、あれ お邪魔したかしら…?」

櫻子「いえ…大丈夫っす…」

62: 2011/10/05(水) 22:42:54.34 ID:5bZ69DvY0
櫻子(なんかさっきから先輩たちタイミング悪い…)

向日葵「こんな感じでいかがでしょうか?」

綾乃「うん、いい感じかも 文章のところは私がパソコンで打っとくから」

千歳「綾乃ちゃんパソコンなんてかっこええなぁ」

綾乃「ふ、ふん! 生徒会副会長だもの、当然よ!」

櫻子「…私はもうないですか?」

綾乃「あ、そうね… 今ので終わりかしら」

千歳「ほな2人ともお疲れさーん 明日は活動ないから、ゆっくり休んでなぁ」

向日葵「ありがとうございます …では、お先に失礼します」

櫻子「待ってよ! し、しつれいしまっ!」

64: 2011/10/05(水) 22:47:06.16 ID:5bZ69DvY0
櫻子「待ってよ向日葵!」

向日葵「…なに」

櫻子「あ、あのさ 朝のことなんだけど… ごめん」

向日葵「………」

櫻子「向日葵、友達がいないなんて言ってごめんなさい」

向日葵「……事実でしょう」

櫻子「ち、違うよ 言いすぎて本当にごめんなさい」

向日葵「いいですわ 別に 生活もそんなに変わらないから」

櫻子「…変わったよ…」

向日葵「…?」

67: 2011/10/05(水) 22:53:01.16 ID:5bZ69DvY0
櫻子「つまんないよ!向日葵と話せないと!」

向日葵「……そう」

櫻子「友達くらいなんだよ! その…いなくたって向日葵は向日葵だろっ!」

向日葵「それはそうですわね」

櫻子「そ、それに… 友達なら私がいるじゃんか!」

向日葵「……」

櫻子「もしかしたら向日葵は友達って思ってないかもしれないけどさ…」

向日葵「…違う」

櫻子「…え…」

向日葵「私が聞きたいのはそんな言葉じゃありませんわ」

71: 2011/10/05(水) 22:58:04.55 ID:5bZ69DvY0
櫻子「じゃ、じゃあなんだよ… 友達は…」

向日葵「友達とかじゃない…友達がほしいとかじゃない…」

櫻子「……?」

向日葵「私は… 私には…」

向日葵「櫻子がいれば、十分だった 櫻子がいれば、他の友達なんていらなかった」

櫻子「あ……」

向日葵「なのに、あなたは… 自分はどうなのか言ってくれない…」

櫻子「ごめん…」

向日葵「あなたは、どうなの? 私がいるだけでは不満なの? だからあんなに友達を…」

櫻子「ち、違うよ!」

81: 2011/10/05(水) 23:09:21.18 ID:5bZ69DvY0
向日葵「じゃあなんで…」

櫻子「私は別に友達を作ることに理由とか考えてないよ 勝手に仲良くなっちゃうのは仕方ないし」

櫻子「でも… わ、私だって…はっきり言って向日葵がいればいいんだよ…」

櫻子「ただ 友達が多いくらいしか勝てるところがなかったから… その…」

向日葵「……ふふ…」

櫻子「ま、真面目に話してるのに笑うなよ!」

向日葵「いえ… 櫻子も思ってくれてたのね」

櫻子「…じゃ、じゃなきゃ毎日一緒にいないっての…///」

向日葵「…そう じゃあ友達の数しか私に勝てない櫻子は私と話せないと寂しいの? 仕方ないからお話してあげますわ」

櫻子「ななな… 調子に乗りおってぇ!」

向日葵「ふふ…… さあ、帰りますわよ? その… 今日ハンバーグだけど…食べてく?」

櫻子「え、い…行っちゃおうかな… へへ…」

櫻子(私のニブさから生まれた変な向日葵は、私が気づけたことで元に戻ってくれた)

~end~

93: 2011/10/05(水) 23:15:30.24 ID:ZLjg89x+0

引用元: 櫻子「向日葵って友達いないよね」向日葵「……」