1: 2012/06/28(木) 17:54:28.64 ID:ivX5zFhx0
塞「ねぇ」ユサユサ

白望「・・・揺らすな」

塞「・・・あんた、そんな動かないでいたら太るよ」

白望「・・・余計なお世話」

塞「んもぅ! ほんとぐーたらなんだから!」

白望「・・・ふわぁ」

塞「一生そこで寝てなさいよっ!」タタッ

バタンッ

白望「・・・」

白望「・・・ねむねむ」スー

咲-Saki- 24巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)


2: 2012/06/28(木) 17:59:28.98 ID:ivX5zFhx0
---------------------

白望「・・・んん」

白望(もう夜・・・いや夕方か・・・)

白望(ここじゃ冷えるな・・・だるいけど帰ろう・・・)ガタッ

「あっ、シロ」

白望「・・・ん」

塞「まだあんたいたの?」

白望「・・・今帰るとこ」

塞「ふーん・・・傘は持ってるの?」

白望「・・・傘?」

どうぞ

3: 2012/06/28(木) 18:05:53.00 ID:ivX5zFhx0
塞「まさか知らなかったの? 外見てみなよ、ほら」カシャー

白望「・・・ユキだ」

塞「うん、そう・・・外すっごく寒いよ」

白望「・・・やっぱ帰るのやめようかな」

塞「なにいってんの。もうすぐ学校閉まっちゃうよ」

白望「・・・でも傘」

塞「・・・わ、私持ってる・・・けど」

白望「・・・じゃー入れて」

塞「・・・べ、別にいいけどっ」

みたいな感じでお願いします

7: 2012/06/28(木) 18:12:09.94 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・さむっ」ブルブル

塞「は、早く帰ろ・・・」バッ

白望「・・・うん」ズイッ

塞「ちょ・・・寄りすぎだってばっ///」

白望「・・・いや雪かかるし」

塞「こ、こっちだってかかんのよっ!」ズイッ

白望(ダルっ・・・)ササッ

塞「あっ、あんた何してんの!」

白望「・・・塞が押すから」

塞「いやそんなことでいじけないでよ・・・」

白望「・・・じゃ入る」

塞「だからくっつきすぎだっつのっ」

べろべろば~

12: 2012/06/28(木) 18:15:28.99 ID:ivX5zFhx0
塞「じゃここまでね」

白望「・・・わざわざさんきゅ」

塞「べ、別にいいけど・・・」

白望「・・・じゃまた明日」

塞「・・・うん、じゃあね」

タタッ

塞「・・・」

塞(ってなに見送ってんだ私っ)

塞(早く帰ろう・・・)ブルブル

19: 2012/06/28(木) 18:22:53.45 ID:ivX5zFhx0
翌日

塞(今日は晴れたわねぇ・・・)

胡桃「おはよう、塞」

塞「あ、おはよー胡桃」

胡桃「昨日の雪合戦はアツかったね!」

塞「豊音が格好の的になってたけどねー」クスクス

胡桃「エイちゃんの動き、あれはやばかったー」

塞「意外と運動神経あるよね」

白望「・・・おはー」

胡桃「お、おはようシロ。お手」

白望「・・・ダルっ」プイッ

胡桃「あっ、無視すんな無視ー」

塞「・・・ふふっ」

25: 2012/06/28(木) 18:29:01.51 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・塞」

塞「あ、おはよーシロ」

白望「・・・昨日はどうも」

塞「え、ああ! 別にいいよあれくらいっ」

白望「・・・っくしゅん」

塞「え・・・あんた風邪引いたの?」

白望「・・・じゅるっ」

塞「あ、私が送ったの家の途中までだったからか・・・」

白望「・・・」コクン

塞「ご、ごめんねっ」

白望「・・・塞は悪くない」

塞「で、でもっ」

胡桃「おい二人ともー、おいてくよー」

白望「・・・いこ」

塞「う、うん・・・」

27: 2012/06/28(木) 18:36:25.42 ID:ivX5zFhx0
---------------------

授業中

白望「―――エイスリン、ティッシュ貸ちて」

エイ「・・・」キュッキュ

エイ「ハイっ!」スッ ←ティッシュの絵

白望「・・・いやそういうのいいから」

スッ

姉帯「はいこれ。シロは風邪?」

白望「・・・ありがと・・・ん、そうっぽい」ズズッ

姉帯「そっかー・・・早く元気になるといいねっ」

白望「・・・ん」ブブーッ

塞(やっぱり家まで送ってあげるべきだったなァ・・・)

28: 2012/06/28(木) 18:41:52.98 ID:ivX5zFhx0
---------------------

昼休み

塞「―――あんた医者にいったら?」

白望「・・・え、ダルい」

塞「ダルいって、こんなときまであんたねぇ・・・!」

胡桃「まァまァ塞、シロだって伊達に雪国で育っちゃいないよ」

白望「・・・そそ」ズズッ

エイ「シロ、ツヨイコデスっ!」

白望「・・・エイスリン良いこと言った」ズズズーッ

塞「あんまこのバカを調子づかせないでよっ!」

姉帯「でもあんまり無理しないでねー」

白望「・・・ん」ブブーッ

29: 2012/06/28(木) 18:49:39.83 ID:ivX5zFhx0
---------------------

部室

塞「・・・あんた部活くらい休みなさいよ」カチッ

白望「・・・帰るのダルい」カチッ

塞「またそうやってっ―――」

トシ「まァ、移るような風邪じゃないみたいだしねぇ」

塞「先生まで・・・っ!!」

トシ「ただ、きついようなら無理はしないこと。すぐに周りの人に言うんだよ」

白望「・・・うん」

胡桃「塞は気にしすぎだってー」カチッ

エイ「コドモハカゼノコっ!」カチッ

塞「・・・むぅ」

白望「・・・」

31: 2012/06/28(木) 18:55:02.23 ID:ivX5zFhx0
ヴォオオオオオオオオオオ

姉帯「また降ってきたねー・・・」

トシ「強まる前に今日は早めに切り上げようかね」

胡桃「すでに強いっぽいけど・・・」

エイ「カエリマショウ!」

白望「・・・ダルゥ」

塞「ほら、あんたは私が送っていくからっ」

白望「・・・え・・・いいよ」

塞「どうせ今日も傘もってきてないんでしょ? 遠慮とかすんな」

白望「・・・」

トシ「じゃシロのことは任せたよ、塞」

塞「・・・はいっ」コクン

36: 2012/06/28(木) 19:01:49.18 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・うぅ・・・ごっさむ」

塞「あんた少しは防寒しなさいよ」

白望「・・・」

白望「・・・塞」

塞「・・・なに?」

白望「・・・まだ昨日のこと気にしてんの」

塞「えっ・・・?」

白望「・・・」

塞「・・・そ、そんなことないって! あ、あんたの方が気にしすぎっ!」

白望「・・・でも今日元気なかったし」

塞(あっ・・・)

塞「・・・もう・・・あんたってヘンに鋭いとこあるよね」

白望「・・・それは褒めてるの」

塞「まァ半々ってとこかな」

白望「・・・」

37: 2012/06/28(木) 19:07:54.30 ID:ivX5zFhx0
塞「そ、そりゃ少しは責任感じてるよ?」

白望「・・・」

塞「でも元々はあんたが傘忘れたのがいけないわけだしっ」

塞「わ、私にあんたを心配する義理はないっていうか・・・その・・・」

白望「・・・」

塞「私が心配してたのは・・・そういうんだからじゃなくって・・・」

塞「えっとつまり・・・あんたのことが・・・」

塞「って、あ、あたし何いってんだっ!! ごめっ、今の忘れて!!///」

白望「・・・」

塞「し、シロ・・・?」

白望「・・・」ガクッ

塞「し、シロ・・・っ!!」

39: 2012/06/28(木) 19:11:46.91 ID:ivX5zFhx0
---------------------

白望「・・・んん」

白望「あれ・・・ここどこ」

白望「・・・」ブルルッ

白望(あ、そうだ・・・私、帰る途中で倒れて・・・)

白望「ん、このお団子ヘアは・・・塞?」ポンッ

塞「・・・んっ」

白望「・・・寝てる」

塞「んん・・・シロ・・・」ゴロン

白望「・・・なに」

塞「・・・ううーん・・・むにゃ」

白望「・・・寝言かよ」

40: 2012/06/28(木) 19:15:52.80 ID:ivX5zFhx0
白望(しかし塞の寝顔って・・・なんかこう・・・)

白望(・・・いじいじしてみたくなる)ワキワキ

塞「・・・んん」

白望「・・・びよーん」グイッ

塞「わわわぁぁ・・・」

白望「・・・ブタ」グイッ

塞「ふごふごっ・・・」

白望「・・・ほっぺたぐにっ」

塞「うぶぶぅ・・・」

白望「・・・」

白望「・・・くすっ」

42: 2012/06/28(木) 19:18:47.68 ID:ivX5zFhx0
塞「シロォ・・・」

白望「っ!?」ビクンッ

白望(ば・・・ばれたか・・・?)

塞「むにゃむにゃ・・・」

白望「なんだ・・・また寝言か」

塞「シロ・・・きだよ」

白望「??」

塞「シロォ・・・好きだよ・・・むにゃ・・・」

白望「!?」

白望「・・・」

白望(塞って実はドMか・・・?)

43: 2012/06/28(木) 19:24:37.46 ID:ivX5zFhx0
白望(そんなことより・・・)

塞「うにゃ・・・」スピー

白望(こんな姿勢で寝てたら風邪引くなぁ・・・)

白望「・・・ダルいけど起こすか」

白望「・・・塞、起きろ」ユサユサ

塞「・・・むにゅ・・・ねむ」

白望「・・・おい」ピシピシ

塞「やめぇ・・・やめろぉ・・・」ブンブン

白望「・・・」

白望「・・・だ、ダルい」

白望(こうなったら・・・)

白望「・・・こしょこしょ」コチョコチョ

塞「んひゃ・・・くふっ・・・あははっ!!」

白望「・・・ほいほい」コチョコチョ

塞「やめっ・・・ひひっ・・・はっ・・・や、やめれっ!!」ジタバタ

44: 2012/06/28(木) 19:27:52.65 ID:ivX5zFhx0
塞「ってうわぁ!!」バッ

白望「っ!? お、起きた・・・」

塞「え・・・ここ・・・」キョロキョロ

白望「お前んちだろ。てかお前の部屋」

塞「あ、そうだった。倒れたあんたを家まで運んで・・・」

塞「んでベッドに寝かせて看病してたら途中で寝ちゃって・・・」

白望「・・・看病してくれてたの?」

塞「え、いや・・・まァ・・・」

白望「・・・塞、ありがと」

塞「えっ・・・べ、べべべべ別に・・・?///」

47: 2012/06/28(木) 19:32:20.25 ID:ivX5zFhx0
塞「てかあんた今さっき何やってたの・・・?」

白望「・・・っ! いや特に・・・」

塞「私、急激な笑いとともに目覚めたんだけど・・・」ギロッ

白望「・・・あァダルいそろそろ寝るわおやすみ」バッ

塞「ちょこらっ!! 正直に言いなさいっ!!」ガシッ

白望「・・・い、いや少しくすぐっただけだって」

塞「え、くすぐりってあんた・・・まさかへ、変なとこ触ってないでしょうねっ!?」

白望「・・・? 変なとこ?」

塞「・・・い、いいわよっ! なんでもないっ!」プイッ

白望「・・・??」

48: 2012/06/28(木) 19:37:57.31 ID:ivX5zFhx0
白望「そういえば塞・・・寝言いってた」

塞「寝言・・・?」

白望「うん。私がどうとか・・・」

塞「っ!? な、なんて言ってた!?」

白望「え・・・いや、私のことが好きとかなんとか・・・」

塞「・・・っ!!///」カァアア

白望「・・・好きなのか?」

塞「・・・ぬ・・・っ」

白望「ぬ・・・?」

塞「ぬぎゃぁあああああああああああああああああああ!!!」バンバンッ

白望「え、ちょっ・・・た、叩くな・・・っ」

塞「シロのバカぁあああああああああああああああ!! うわぁあああああああああ!!」バンバンッ

白望「い、いたいっつの・・・やめっ・・・!」

50: 2012/06/28(木) 19:41:28.30 ID:ivX5zFhx0
塞「・・・」

白望(お、落ち着いた・・・)ホッ

塞「・・・ねぇ」

白望「な、なに・・・」

塞「今の・・・みんなには黙っといてよ・・・」

白望「え・・・なにを・・・?」

塞「だからっ・・・!! その・・・えっと・・・っ!!」

白望「私を好きだってことか」

塞「ぬぎゃぁああああああああああああああ!!! 言うなぁあああああああ!!」バンバンッ

白望「おいっ・・・やめってバカっ・・・」

52: 2012/06/28(木) 19:47:03.43 ID:ivX5zFhx0
塞「・・・ハァ・・・ハァ」

白望「・・・私、病人だぞ」

塞「・・・ふん、自業自得なくせに」プイッ

白望「・・・否定できない」

塞「・・・ん、まァ・・・思ったより元気そうでよかったわ」

白望「・・・ん・・・ありがと、塞」

塞「・・・っ///」

塞「じ、じゃあ私もそろそろ寝るから・・・っ」

白望「え・・・お前どこで寝んの?」

塞「床よ。ベッドにはあんたいるし」

白望「・・・別に二人で寝ればいいだろ」

塞「は・・・」

塞「・・・は、はぁああああああ!!!????」

55: 2012/06/28(木) 19:52:49.26 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・お前さっきからうっさいぞ」

塞「あ、あああんたがバカなこと言うからでしょっ!」ベシッ

白望「た、叩くな・・・っ」

塞「叩くよっ!!」ベシベシッ

白望「いた・・・べっ、別にいいじゃん」

塞「な、なんでよ・・・っ!?」

白望「・・・好きなんだろ? 私のこと」

塞「・・・っ!! ま、またあんたは・・・っ///」

白望「私も好きだし・・・塞のこと」

塞「な・・・っ!!///」ボシュゥ

白望「・・・お前の方こそ熱あるんじゃないのか?」

塞「う、うるさいっ!」

67: 2012/06/28(木) 20:17:36.33 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・いいからいいから、ほら」ポンポン

塞「・・・うぐぐぅうう・・・///」

白望「・・・いいのか? 寝ちゃうけど・・・」

塞「えっ・・・ちょっ・・・!」

白望「?? どっちだよ」

塞「あ、えっと・・・その・・・」

白望「まァ、塞の好きにしたらいい。私はダルいからもう寝る」バッ

白望「・・・ぐごご」スピー

塞(は、はやっ・・・!)

塞「・・・」

塞「・・・///」ゴクリ

塞「・・・」ソーッ

モゾモゾ

塞「・・・っ///」

塞(ひ、ひゃぁあっ・・・!! ち、近いって近いって・・・っ!)ドキドキ

68: 2012/06/28(木) 20:26:38.00 ID:ivX5zFhx0
白望「・・・むにゃ」

塞「・・・///」

塞(し、シロの寝顔・・・こんな近くに・・・)ドキドキ

白望「んん~・・・」モゾ

塞「ひゃっ・・・!」

白望「んにゃ・・・」

塞「・・・っ!!///」

トクントクン

塞(うひゃぁ・・・!! シロの胸の鼓動が聞こえる距離に・・・っ!!)

塞「・・・///」ゴクリ

塞(も、もう少しくらい近づいても大丈夫・・・だよね・・・?)

塞(えいっ・・・)ズイッ

70: 2012/06/28(木) 20:29:26.82 ID:ivX5zFhx0
塞「・・・っ!!!///」

塞(やばい、やばいよこれぇ~! 夫婦だよっ、これじゃま完全に夫婦だよォ・・・!!)

塞「・・・///」ドッキンドッキン

白望「・・・」

白望(塞の鼻息が顔にあたってうっとおしい・・・)

塞「くふふっ・・・///」

白望「・・・」

白望(まァなにやら楽しそうだし、水差して怒られんのもダルいから黙っとこ・・・)

白望(おやすみィ・・・塞・・・)

塞「・・・っ///」

塞(お、おやすみ・・・シロ・・・)

ギュッ

75: 2012/06/28(木) 20:48:10.73 ID:ivX5zFhx0
---------------------
翌朝

塞「ほら行くよっ、シロ!」タタタッ

白望「・・・はいはい」タッタッ

塞「もっとキビキビ走るっ!!」

白望「・・・ダルっ・・・病み上がりだぞォ」

塞「甘えないのっ! ほら遅刻しちゃうっ!」

白望「・・・へーい」

胡桃「あっ、きた! おはよー!」

姉帯「おはー!」

エイ「オハヨウゴザイマスっ!」

塞「みんなおはよーっ!」

白望「・・・おーっす」

「なんかいつにもまして二人とも仲良しだなー」「え・・・そ、そんなことないよ! ねぇ、シロ!?」
「・・・(ダルい)」「キタホウガクガイッショデスっ!」「そ、それってどういうことー!?」
「い、いやそれは・・・っ!!」「なんだなんだー教えろよー」

ワイワイガヤガヤ―――

76: 2012/06/28(木) 20:52:35.87 ID:ivX5zFhx0
塞「・・・」チラッ

白望「い、いやだからァ・・・」

塞「・・・」フフッ

――もしかしたら、シロのいう“好き”ってのと、私のいう“好き”っていうのとでは、意味合いがちょっと違ってるのかもしれない
けど昨日の出来事以降、私とシロとの距離はグッと縮まった―――それだけは確かだと、私の方は勝手に思ってる
いつか彼女に本当に気持ちを伝えられる日がくるだろうか・・・そのときシロはどう思うのだろう・・・?

でも今はまだこんなでいい・・・そんな風に思ってしまうのでした―――

fin

77: 2012/06/28(木) 20:53:00.14 ID:AI76RPn00

80: 2012/06/28(木) 20:55:27.35 ID:HclVPSwh0

引用元: 塞「ねぇシロ、雪合戦しようよ」白望(ダルっ・・・)