1: 2011/10/22(土) 23:00:46.74 ID:+JrUulF70

花子「櫻子は、姉妹だから」

花子「花子とは、姉妹だから」

花子「この気持ちはちょっと間違っただけ」

花子「ちょっと櫻子が近いだけ」

花子「バカで料理がヘタで役立たずな櫻子が」

花子「ときどきちょっと優しいだけ」

花子「……それだけだし!」

2: 2011/10/22(土) 23:01:25.88 ID:+JrUulF70

櫻子「花子とは、姉妹だから」

櫻子「私は、姉妹だから」

櫻子「だから違う」

櫻子「私より小さい妹を、可愛がっているだけ」

櫻子「妹だから、子どもだから」

櫻子「だから、可愛いと、思うだけ」

櫻子「それだけ、なんだもん……」

3: 2011/10/22(土) 23:01:52.48 ID:+JrUulF70

花子「……」モグモグ

花子(今日もいつもの朝)

花子(起きて、顔を洗う)

花子(牛乳を飲んで、パンを食べて、牛乳を飲んで)

花子「……んくっ」ゴクン

4: 2011/10/22(土) 23:03:04.31 ID:+JrUulF70

撫子「今日も、か……。なんでこうあいつは毎日学習しないかね」

花子(撫子お姉ちゃんが一緒にパンを食べて)

花子(ときどきニュースとか新聞を読んで)

花子(……櫻子が起きてこないとぼやく)

撫子「まぁ、起こしてくれる奴が隣にいるうちはいいか……」

6: 2011/10/22(土) 23:04:10.79 ID:+JrUulF70

花子(知ってるし)

花子(撫子お姉ちゃんが、櫻子のことを心配してるって)

花子(自分じゃ櫻子を起こせないことに、歯がゆく思ってるって……)

花子(……花子も同じだもん)

   向日葵「櫻子~!学校に行きますわよ~!」

撫子「ひま子も本当毎朝よく付き合うね……っと」
ガチャ
   撫子「あいてるぞ~、ついでにまだ寝てるぞ~」テクテク

8: 2011/10/22(土) 23:05:50.02 ID:+JrUulF70

花子(今日もいつもと同じ)

花子(ひま子お姉ちゃんが起こしにきて)

   向日葵「ほんとこの子は……ほら早く起きなさいな」ビシッ
   撫子「毎日毎日殴られて馬鹿に拍車がかかるな」

花子(慌ただしく櫻子が起きて……)

花子「……」ゴキュゴキュ

花子「ぷはっ」

花子(……でも、今日はいつもよりちょっと来るのが早いかも)

11: 2011/10/22(土) 23:07:22.97 ID:+JrUulF70

ガラッ
櫻子「おはよ花子」

花子「……ん、おはよ」

向日葵「おはようございます、花子ちゃん」

花子「……今日は落ち着いてるんだね」

撫子「いつもよりちょっと早いから……それでもあまり時間ないんだよ?」

櫻子「わかってるってー……ふぁぁ」

13: 2011/10/22(土) 23:09:01.74 ID:+JrUulF70

向日葵「まったく、わたくし低血圧で朝は辛いのに……たまには起こしてもらいたいですわ」

撫子「無理だって……」

櫻子「そんなことねーし!」

花子「……」ジー

撫子「ほら、みんな用意できてるんだからはやく」

撫子「……今日は櫻子がいつもより早いから途中まで一緒にいけるな」

14: 2011/10/22(土) 23:10:50.32 ID:+JrUulF70

花子(どうせやっても無駄だろうけど……)

花子(たまには花子が起こしにいってみようかな)

花子(挑戦、だし)

花子(……成功したこと、ないけど)

15: 2011/10/22(土) 23:13:31.06 ID:+JrUulF70

――通学路――

櫻子「んっん~~~、こんな優雅な朝は久しぶりな気がする!」

向日葵「あなたが少し早く起きるだけで毎日その優雅さを味わえますわよ」

櫻子「わかってないなぁ向日葵は!こういうのはたまにだからいーんじゃん!」

向日葵「……だから起こすほうの身になってほしいものですわ」

撫子「しかも櫻子に付き合ったがためにギリギリ、なんてこともザラじゃない」

花子「……ねぼすけにも程があるし」

櫻子「う~~!みんなしてうるさーーい!せっかくの爽やかな朝が……」ブツブツ

17: 2011/10/22(土) 23:17:15.07 ID:+JrUulF70

花子(確かに、久しぶりだし)

花子(櫻子といっしょに、登校なんて)

花子(ちょっとうれしい……けど)

花子(みんなもいるし、それに)

撫子「じゃあ皆、何も無いだろうけど気をつけて」

櫻子「あ、ねーちゃん道そっちか」

向日葵「えっと、花子ちゃんはもう少し先、だよね?」

花子「……」コク

撫子「私は一人さみしく……うぅっ」テクテク~

櫻子「その割に足取り軽やかじゃんか……」

18: 2011/10/22(土) 23:21:11.76 ID:+JrUulF70

花子(それに、途中で分かれちゃう)

花子(……それに…………)

花子(一緒にいけたらいいけど)

花子「じゃあ花子、いくね」

櫻子「……一緒に、くる?」

花子「……。バカ……」テクテク

向日葵「櫻子は何を言ってますの?ほんとにバカですわね」

櫻子「……はぁ。向日葵には、わかんないよ」テクテク

向日葵「はぁ?なにを言って……」テクテク

19: 2011/10/22(土) 23:22:44.25 ID:+JrUulF70

花子(……)ジーッ

花子(それ、に……)

花子(二人は、いつも一緒。進む道も、いっしょ)

花子(花子は、曲がっていく。櫻子と、はなれてく)

花子「はぁ……、学校、いきたくないなぁ」

20: 2011/10/22(土) 23:24:50.03 ID:+JrUulF70

――七森中1年2組教室――

あかり「おはよう二人とも~」

ちなつ「……ねぇねぇ!ここだけの話、向日葵ちゃんって櫻子ちゃんのことどう思ってるの!?」

向日葵「昔からの友達ですわ」シレッ

ちなつ「Oh..., しれっと……」

あかり「じゃ、じゃあ、櫻子ちゃんはどうかな!?向日葵ちゃんのこと、どう思う?」

櫻子「んー?友達だけど……」サラッ

あかり「Woo..., さらっと……あはは」

21: 2011/10/22(土) 23:27:06.02 ID:+JrUulF70

向日葵「はぁ……」

向日葵(わかってますの、昔は、とても仲が良かった)

向日葵(ずっといっしょで、ずっと先も、幼馴染……それ以上の関係でいられると思ってた)

向日葵「……」

向日葵(花子ちゃんが、産まれるまでは)

櫻子(はぁ、花子……寂しそう、だったな)

櫻子(……)

櫻子(ううん、たぶん、ただの幻想)

櫻子(だって、あの子にとって、私は)

櫻子「ただの姉、だもん……」


向日葵「……はぁ」

24: 2011/10/22(土) 23:28:41.97 ID:+JrUulF70

あかり「じゃ、じゃあちなつちゃんはあかりのことどう思ってる?」

ちなつ「え?……薄くてよく見えない」

あかり「」


向日葵(友達……ですわよね)

櫻子(友達……そっか、友達かぁ)

櫻子(友達なら、相談とかしても、いいよね……)


25: 2011/10/22(土) 23:31:23.71 ID:+JrUulF70

――帰り道――

向日葵「はぁ……」テクテク

向日葵(一人で帰るというのも、侘しいものですわね)

向日葵「仕方ないですわ……無理に買い物に付き合わせるわけにもいきませんし」

向日葵(誰を……とは言いませんけど……あら?)

向日葵「あれは……」

27: 2011/10/22(土) 23:33:23.77 ID:+JrUulF70

撫子「今日の夕飯は何にするかな……」

撫子「麻婆豆腐……は前やったし」

撫子「なんかこう、秋っぽ……ん?」

   向日葵「撫子さ~ん……」

撫子「んん……? あぁ、ひま子か」

向日葵「今帰りですか?」

撫子「そう。ついでに夕飯の材料の調達も兼ねて、ね」

向日葵「だからこちらの道を……」

撫子「そういうひま子も……」

向日葵「えぇ、同じですわ」

28: 2011/10/22(土) 23:35:21.79 ID:+JrUulF70

向日葵「今日の食事当番は撫子さんですのね」

撫子「そう……何にするか迷って」

向日葵「私もですの……」

撫子「せっかくだから、何か、秋っぽいものにしようかと」

向日葵「秋……栗ご飯……秋刀魚……」

撫子「そうそう、そんな感じ……ん?」

向日葵「いかがいたし……商店街の、福引ですか?」

   おばちゃん「は~い、5等のティッシュね~」チリンチリーン
   あかね「あらあら……でもティッシュっていくらあっても足りないから助かるわ」
   おばちゃん「またきてね~」

撫子「……」

29: 2011/10/22(土) 23:37:51.66 ID:+JrUulF70

向日葵「いきますか?」

撫子「いや、買い物終わってからにしよう。……確か、福引券が、もう少しでキリがいい」

向日葵「そうなんですの……では先にお店に」

撫子「行き先は同じでいい?」

向日葵「えぇ。……福引、タッチの差で景品が無くなってたり」

撫子「うーん、どうせ福引の景品なんていいものないし、そもそも当たらないし……」

向日葵「ティッシュが関の山、でしょうか」

撫子「そうそう。……こう考えると貰えるティッシュが増えるだけ、か」

向日葵「まぁ、消耗品、何れ使うものですし……」

撫子「……だな」

30: 2011/10/22(土) 23:40:04.29 ID:+JrUulF70

イラッシャイマセー

撫子「で、なんにするの?」

向日葵「う~~ん、今日は純和風に行こうかと……あ、かぼちゃ」

撫子「かぼちゃ……かぼちゃか、うん」

向日葵「撫子さんかぼちゃにしますの?」

撫子「そうしようかな……同じ材料でも、ひま子の方が美味しくできあがるんだろうけど」

向日葵「へ!?そ、そんなことありませんわ……」

撫子「いや、ひま子の腕前は大したもんだよ……楓と櫻子が、うらやましいな」

31: 2011/10/22(土) 23:43:25.18 ID:+JrUulF70

向日葵「そそ、そんな……でも前にいただいた撫子さんのロールキャベツ、とても美味しかったですわ」

撫子「あれはたまたま会心の出来だったんだよ……ひま子にも食べさせるくらいに、ね」

向日葵「それでも……」

撫子「いや、自分でもやっぱりわかるよ、ひま子のほうが上手い」

向日葵「撫子さん……」

撫子「だから……さ、美味しくかぼちゃを料理するコツでも、教えてくれない?」

向日葵「……はい!そういうことなら、喜んで!」

33: 2011/10/22(土) 23:46:55.83 ID:+JrUulF70

アリガトーゴザイマシター

撫子「……ひま子もかぼちゃにすることなかったのに」

向日葵「いえ、私も食べたくなったもので……」

撫子「櫻子に比べられでもしたら……」

向日葵「大丈夫ですわよ……あ、福引」

撫子「あぁそうだった……あれ?」

向日葵「あら……閉まってますの?」

34: 2011/10/22(土) 23:49:00.23 ID:+JrUulF70

おばちゃん「あらー、福引?」

撫子「えぇっと、そうなんですけど……」

おばちゃん「あらあら!ごめんねぇ、今日はもう終わっちゃったのよ!」

向日葵「そうなんですの……」

おばちゃん「あのガラガラも!さっき本部に持って帰っちゃってできないのよ!」

撫子「仕方ないですね」

36: 2011/10/22(土) 23:51:05.04 ID:+JrUulF70

おばちゃん「ほんとごめんねぇ!でも大丈夫よ!福引券の配布は今日までだけど」

おばちゃん「福引自体は明後日までやってるから!」

向日葵「あら」

おばちゃん「それに、ここだけの話……」ボソッ

撫子「……」ゴク

おばちゃん「まだまだいいもの!残ってるのよ~~!!」

撫子「そ、そうですか……」

おばちゃん「それじゃあおばちゃんも帰るけど!福引券があるならぜひきてね~!!」

向日葵「豪快ですわね……」

39: 2011/10/22(土) 23:54:00.42 ID:+JrUulF70

撫子「仕方ない、また明日くるか……」

向日葵「あ、それなら撫子さん」ガサゴソ

向日葵「……しょっと、これを」

撫子「……福引券?ひま子の?」

向日葵「えぇ。……生憎私は明日、明後日も間に合いそうにないので」

40: 2011/10/22(土) 23:56:22.24 ID:+JrUulF70

撫子「いいの?」

向日葵「ふふ、ティッシュ引換券にしかならないでしょうけど……」

撫子「まぁ、ね……でもありがとう」

向日葵「当たるといいですわね」

撫子「ティッシュが?」

向日葵「ふふ!なにかいいものが、ですわ」

撫子「ありがと」

向日葵「どういたしまして」

41: 2011/10/22(土) 23:56:57.82 ID:+JrUulF70


…………

……。



42: 2011/10/22(土) 23:59:45.70 ID:+JrUulF70

――大室家食卓――

撫子「我ながら……かぼちゃうまい」

花子「ほんと……ほっくりしてて、すごくおいしいし」

櫻子「うめー!」バクバク

花子「撫子お姉ちゃん、すごい」

撫子「といっても、ひま子にコツを教えてもらったんだけどね」

花子「ひま、子、お姉ちゃん……」ピクッ

櫻子「ほー、向日葵も役立つときは役立つんだなー」

花子「……っ」ピクピクッ

撫子「」

撫子(こ、これは、地雷を踏んだか……)

45: 2011/10/23(日) 00:01:46.43 ID:F+UoZhLb0

撫子(こいつら……お互い鈍すぎだろう)

撫子「えっと、明日は花子が当番だけど、どうするの?」

花子「あー、あしたは花子が当番かー、何作ろう」

花子「花子そんなにうまくないし……花子もひま子お姉ちゃんに教えてもらおうかな……」ユラァ

撫子(なんだか花子の周りに妙なオーラが見える……!?)

撫子「えーと、思いつかないのなら、たまにはリクエストにこたえてみるとかどう?」

撫子「ほら櫻子、なにかないの?」

櫻子「へ?じゃあ……」

花子「!」ピクッ

花子(櫻子のリクエスト……櫻子の、食べたいもの……!)

46: 2011/10/23(日) 00:04:54.19 ID:F+UoZhLb0

櫻子「うーん……あ、そうだ、あれつくってよ!あれ!」

花子「……なに」

櫻子「えっと……ソーミンチャンプルー!」

花子「?」

櫻子「この間調理実習で作ったんだけどさー、うまかった!」

花子「え、なにそれ……花子作り方知らないし、食べたいなら櫻子にも手伝って欲しいし」

櫻子「えー……まぁ、いいけど」

花子「じゃあ明日はそれで決まり!」

櫻子「よっしゃー!」

撫子(……よかった、立て直したか)

48: 2011/10/23(日) 00:08:23.75 ID:F+UoZhLb0

櫻子「ふぅ~、ごちそうさま!」

花子「……ごちそうさま」

撫子「お粗末様」

花子「じゃあ花子、先お風呂入らせてもらうし」

櫻子「お~。 ってら~」

撫子「櫻子、食ってすぐ寝っころがってるとデブまっしぐら」

櫻子「え゛。ひ、向日葵みたいになっちゃうの……?」ガタガタ

撫子「……胸は無理だぞ」


…………。

……。


49: 2011/10/23(日) 00:11:45.09 ID:F+UoZhLb0

花子「はふぅ……出たよー」ホコホコ

櫻子「おー」

撫子「おかえりんこ」

花子「? ただいま……んこ?」

櫻子「」ブホァッ

花子「ちょ、櫻子、きたないし!!」

櫻子(ね、ねーちゃん何言ってんだ……)

撫子(……ちょっと花子には早かったか)

花子「まったく、せっかくお風呂はいったのに……」ブツブツ

51: 2011/10/23(日) 00:14:02.76 ID:F+UoZhLb0

櫻子(それにしても湯上りの花子……)

撫子「じゃあ櫻子、つぎ入るか?」

櫻子「んー……」

撫子「櫻子?」

花子(なんだか見られてる気がするし)

櫻子「ん?あぁ、うん」

撫子「先、お風呂はいる?」

櫻子「んー、後でいいや」

撫子「……じゃあ行ってくるけど、夜更かしして次の日辛いのは自分だからね?」

52: 2011/10/23(日) 00:18:32.02 ID:F+UoZhLb0

櫻子(花子……髪も長いし、それが更にお風呂上りで艶めいて……)ドキ

花子「牛乳牛乳~っと」トテトテ

櫻子(ちょ、ちょっと……触ってみたいな)スクッ

花子「んきゅ、んきゅ……ん?なに?櫻子」

櫻子「ちょっとくらい……ちょっとくらい……」ハァハァ

花子「え、なに……、ち、近いし……」

櫻子「」サワッ

花子「!?」ビクッ

櫻子(あ、これ……、きもちいー……)サワサワ

花子「!?  !!?   !!?!?」

54: 2011/10/23(日) 00:21:51.13 ID:F+UoZhLb0

花子(さっ、さくらこに゛ッ!?髪、撫ぜられ……!?)ワタフタ

櫻子(すごい……手櫛でも、こんなサラサラ……)

花子「んっ、ふ……!」ピクッ

花子(ゆびで、梳かれ……!)

櫻子「ふわっ……ふわ……!!」

55: 2011/10/23(日) 00:26:07.56 ID:F+UoZhLb0

花子「ちょ……さ、櫻子っ!?」

櫻子「おわ!?ど、どうした花子」

花子「どうしたじゃないし!な、なにをいきなり……」ドキドキ

櫻子「えと、えっと……は、花子、顔まっかだぞ」

花子「お風呂あがりだからだし!」

櫻子「そ、そっか……」

櫻子(私も……お風呂上りだから、だよ)

花子「だから、なんでこんな、急に……!」

56: 2011/10/23(日) 00:29:40.84 ID:F+UoZhLb0

櫻子(お風呂……)

櫻子「お風呂、あがりだからだよ」

花子「はぁ?わけわかんないし……」

櫻子(わ、私なにを言って!?……えっとえーーっと)

櫻子「そ、そう、お風呂あがりで、髪乾かさないまま寝たら風邪引くじゃん?」

櫻子「髪の毛も痛むし……特に花子はこんな長くて、綺麗な髪してるんだからさっ!」

花子「き、きれいっ!?」ドキッ!

櫻子「そ、そう!花子はきれいなんだから……」ドキドキ

花子「き、きれい……花子が、きれい……」ドキドキ

櫻子「……」ドキドキ

花子「……」ドキドキ

58: 2011/10/23(日) 00:34:15.07 ID:F+UoZhLb0

花子(ききき、きれいだなんて、な、なにを突然……!)

花子(あ~~もう!まともに櫻子の顔見れないし……!!)

櫻子(あ、花子、俯いちゃって……イヤだったのかな)

花子「…………あ~~もう!」

櫻子「!」ビクッ

花子「ささ、櫻子に心配してもらう必要ないし!」

花子「花子、もう寝る!」ダダダ

ガチャバタン!

櫻子「あ…………」

60: 2011/10/23(日) 00:37:11.09 ID:F+UoZhLb0

櫻子「花子……」

櫻子(やっぱり、イヤ……だったんだ)

...ガチャ

花子「……えっと」

櫻子「!  えと、花子?首だけだして何を……」

花子「明日!」

櫻子「う、うん」

花子「学校終わったらすぐくること!いい!?」

櫻子「……へ?」

花子「忘れんなし!買い物!行くんだからね!!」

櫻子「……!! うん!いく!ぜったいいく!」

花子「当然だし……じゃあ、おやすみ……」ボソッ


...パタン



61: 2011/10/23(日) 00:42:05.64 ID:F+UoZhLb0

櫻子(ふふふ~!明日は、花子とおかいもの!)

櫻子「やったやった~~!」

ガチャ

撫子「ふぅ……いい湯だった」ホックリ

櫻子「あ、ねーちゃん……おかえりんこ!」

撫子「くたばれ」

櫻子「へへ~!」

撫子「!?」

62: 2011/10/23(日) 00:46:29.22 ID:F+UoZhLb0

撫子(なんだコイツ)

撫子「……ってあれ?花子は?」

櫻子「もう寝るってさー!」

撫子「そっか……テンション高いな」

櫻子「へっへーん!」

撫子(……と、いうことは、今ここには、私と櫻子の、ふたりきり……!)

櫻子「ふんふ~ん」

撫子「な、なぁ櫻子……」

櫻子「あ!私も早く風呂はいって寝ないと!」

撫子「ちょっと二人で……ん?」

櫻子「じゃあいってくるねぇ~い!」バピューン

撫子「あ…………櫻子ぉ」ガクッ

63: 2011/10/23(日) 00:49:32.97 ID:F+UoZhLb0

撫子(でも……仕方ない)

撫子(もともと、わかってる)

撫子(寂しくも、なんとも、ない……)


64: 2011/10/23(日) 00:52:10.49 ID:F+UoZhLb0

――花子の部屋――

花子「い、いきなり、あんなことしてくるなんて……!」

花子「もう、びっくりしたし!」

花子「まったく櫻子はなに考えてるんだか……」

花子「……」

花子「櫻子、花子のこと、どう思ってるんだろ……」

花子(明日……買い物、かぁ)

花子「……えへへ」

花子「髪の毛、もっと、ケアしよっと……!」

66: 2011/10/23(日) 00:55:06.53 ID:F+UoZhLb0

――櫻子の部屋――

櫻子「はぁ、花子、よかったなぁ……」

櫻子「ちょっと怒られたけど」

櫻子「でもその後買い物の約束したし!」

櫻子「へへーん」

櫻子「……」

櫻子「嫌われては……たぶん、ないよね……」

櫻子(明日は、いっぱいお姉ちゃんしてみようかな!)

櫻子「ふふーん!」

櫻子「はやく明日にならないかな~♪」

68: 2011/10/23(日) 01:00:03.61 ID:F+UoZhLb0

――大室家の朝――

櫻子「寝すぎた」

向日葵「ほら櫻子!はやく支度しなさいな!」

櫻子「わわ、わわー!ちこくするー!!」

向日葵「自業自得にもほどがありましてよ!!撫子さんと花子ちゃんとっくに出てますわよ!!」

櫻子「ふたりとも非情だよー!!…………ん?」

櫻子「書置き……花子だ」

櫻子「『ちゃんと起きろし  約束、忘れないでね  花子』」

向日葵「ぼーっとしてる暇はありませんわよ!」

櫻子「花子……よっし!」グッ

向日葵「ちょっと櫻子!?」

69: 2011/10/23(日) 01:04:44.07 ID:F+UoZhLb0

――七森中1年2組教室――

...ダダダダダダ
ガラッ!!

櫻子「と~ぅちゃ~~く!」

向日葵「はぁ、はぁ、さく、さくら、こ……元気よすぎですわ……」ゼェゼェ

櫻子「まったく向日葵はだらしないなー!」

ちなつ「おはよう櫻子ちゃん、向日葵ちゃん!今日は寝坊でもしたの?」

櫻子「ギリギリセーフだね……!向日葵がもうちょっと早く走れたら余裕もあったのに!」

向日葵「ぜぇ、ぜぇ……」

ちなつ「向日葵ちゃん、突っ込む気力もないみたいだよ……」

向日葵「はぁぁ、ふぅぅぅ……」

87: 2011/10/23(日) 01:58:40.83 ID:F+UoZhLb0

――放課後――

向日葵「櫻子、今日はどうしますの」

櫻子「へ?」

向日葵「最近生徒会に顔を出さない日が増えましたけれど……」

櫻子「あぁー……」

向日葵「はぁ……で、どうしますの」

櫻子「ごめん、今日も」

88: 2011/10/23(日) 02:02:23.49 ID:F+UoZhLb0

向日葵「何かありまして?」

櫻子「今日、夕飯の当番花子なんだけどさ、それ手伝うんだ」

向日葵(花子……ちゃん……っ)ピクッ

向日葵「へ、へぇ……それで?」

櫻子「うん、それで、買出しに一緒にいってくる」

89: 2011/10/23(日) 02:02:46.65 ID:F+UoZhLb0
あれ応援スレ落ちた……?

92: 2011/10/23(日) 02:05:07.40 ID:F+UoZhLb0

向日葵「……何を買うんですの?」

櫻子「えっと……ソーミンチャンプルーの材料!」

向日葵「この間の調理実習の?」

櫻子「そうそう!あれ美味しかったから作ってみようと!」

向日葵「確かに美味しかったですけど……あなた、作り方とか材料とか、覚えてまして?」

櫻子「え?たぶんだいたい!」

向日葵「はぁ……もうすぐに行くのでしょう?メモを用意する時間はないし……後でメールを送りますわ」

櫻子「向日葵……ありがとー!」


向日葵(私も馬鹿ですわね。わざわざ敵に塩を送るような真似を……)

向日葵(全部櫻子のため……ですけれども)

93: 2011/10/23(日) 02:08:36.27 ID:F+UoZhLb0

あかり「櫻子ちゃん行っちゃったね……」

向日葵「あら赤座さん!?てっきり本日はお休みかと……」

あかり「あかり、朝からいたよおぉぉぉ!!?」

ちなつ「ほらそんなのいつものことだし部室いくよー」

あかり「うぅ……向日葵ちゃん、またね!」

向日葵「えぇ、また明日」

95: 2011/10/23(日) 02:12:01.90 ID:F+UoZhLb0

向日葵「……さて」

向日葵「えっと、レシピは、と」

向日葵「……あの子、材料と作り方、理解できるのかしら……?」

向日葵「まぁ撫子さんも花子ちゃんもいるし、大丈夫でしょう……送信っと」

向日葵「……」

向日葵「はぁ。私じゃ、傍に居れないんですのね……」

97: 2011/10/23(日) 02:17:02.60 ID:F+UoZhLb0

――帰り道――

櫻子「ふんふふ~ん、きらいじゃないもんきらいじゃないも~ん」

花子「……なにその歌」

櫻子「あ、花子!待っててくれたんだ」

花子「花子の方が早く終わっただけだし」

櫻子「じゃあ早速買いにいこー!」

花子「……ん」

花子(これはただの晩ご飯の買出し……)

花子(別に、ロマンティックなものじゃ、ない……)

櫻子「花子~?」

花子「いまいくし!」テテテッ

98: 2011/10/23(日) 02:19:30.87 ID:F+UoZhLb0

テクテク

花子「で、櫻子」

櫻子「んー?」

花子「なにかうの?」

櫻子「えー、と……」

花子「……」ジロッ

櫻子「いや、大丈夫!だいじょぶだって、すぐにわかるから!」

花子「?」

99: 2011/10/23(日) 02:21:52.99 ID:F+UoZhLb0

デイバイデーワータークシーカラーアイヲコーメーテー(ウーデスノ!)
櫻子「あ、きたきた」

花子(……い、いまの、ひま子お姉ちゃんの声?)

花子(やっぱり、櫻子は、ひま子お姉ちゃんのことが……!)

櫻子「ふんふん……ほぉほぉ……」

花子「メ、メール……誰から?」

櫻子「向日葵から!」

花子「!!」

101: 2011/10/23(日) 02:26:24.24 ID:F+UoZhLb0

花子(そっか、そうだよね、ずっと一緒だもんね……)

櫻子「いやー、向日葵の奴が親切にも色々教えてくれてさー」

花子(ひま子……ひま子お姉ちゃん……ずるいよ……っ!!)

櫻子「これ、メール見ながらだと買出しも調理もあっちゅうまだよ!……花子?」

花子「………………なに」

櫻子「いやー、なんかぼーっとしてるみたいでさー」

102: 2011/10/23(日) 02:29:11.18 ID:F+UoZhLb0

花子(櫻子は……花子のことなんか、見てないし……)

櫻子「それにしても楽しみだなー!私あれ好きになっちゃったんだよー!」

花子(花子が怒ってても、きっと気付かない)

花子(気付いても、たぶん、ワケはわかってくれない)

櫻子「うまいんだぞー!たのしみだー!」

櫻子「花子もきっと好きになるよ!」

花子「っ」ドキ

104: 2011/10/23(日) 02:34:29.77 ID:F+UoZhLb0

花子(櫻子は、どうしてそんなに楽しそうなの?)

花子(その料理が好きだから?)

花子(ひま子お姉ちゃんに色々教えてもらったから?)

花子(……花子といっしょに、ばんごはんを作るから?)


花子「そんな笑ってたら……」

櫻子「んー?」

花子「花子、怒れないよ……」

櫻子「?? 変な花子ー」

花子「ん……ほら、急がないと、撫子お姉ちゃん待ちくたびれちゃうし!」ダッ

櫻子「私だってペコいぞー! まったく、急に走りだして……」ダダッ


櫻子(なんか落ち込んでたみたいだけど、機嫌直したようでよかった!)

105: 2011/10/23(日) 02:36:10.99 ID:F+UoZhLb0

…………。

……。

ガラガラ...コロン

おばちゃん「お!お嬢ちゃんすごいね!当たりだよこれ!」

撫子「…………へ?」

おばちゃん「おめでとう~~~~~!!」チリンチリーン

撫子「……どうするかな」



…………。

……。




106: 2011/10/23(日) 02:40:35.86 ID:F+UoZhLb0

櫻子「いざすすめやキッチン!」

花子「お料理、開始だし!!」

櫻子「じゃあ花子、任せた!」

花子「えぇ!?」

櫻子「何事も経験だし!」ドヤァッ

花子「一緒に作るし!!」

108: 2011/10/23(日) 02:42:42.48 ID:F+UoZhLb0

撫子(あいつら……大丈夫かな)


櫻子「え~と、……なんだこれ」

花子「櫻子まえにもつくったんでしょー!」

櫻子「あぁそうだ!たしかこうだ!!」

花子「それサラダ油じゃなくてバターだし!レシピみて!!」

櫻子「てへぺろ☆」

花子「」イラッ


撫子(……胃薬、あったよな……)


110: 2011/10/23(日) 02:50:04.55 ID:F+UoZhLb0

櫻子「いただきます!」

撫子「見た目はいい感じだな」

花子「なんだか一人よりも疲れた……」

櫻子「じゃあねーちゃん食ってみてよ」

撫子「え」

櫻子「いや、『え』じゃないし」

撫子「いや、なんで私が」

櫻子「いーじゃんいーじゃーん、可愛い妹がつくったものがくえないのかー」ブーブー

撫子(くっ、可愛い妹の頼みとあらば……!)

撫子「……まぁ味見ぐらいしたんでしょ?」

花子「……櫻子、いっさいしなかったし、させてくれなかった」

撫子「……」

111: 2011/10/23(日) 02:55:09.04 ID:F+UoZhLb0

花子「たぶん、食べられないものでは、ないと思うし……」

撫子「そ、そっか、じゃあ……いただきます」ハムッ

撫子「……」ムグムグ

撫子「」ゴクン

櫻子「どう?どう!?」

撫子「あー、うん、うまいよ……」

撫子(感動するほど上手くもない、普通の味だな……)

櫻子「どれどれ……もぐもぐ……」

櫻子「うん!…………うめー!」

花子「なに今の間」

花子「まぁでも、うん……美味しい。無難に」

櫻子「前はもっとうまかったんだよー!」

撫子「じゃあ櫻子のせいだ」

花子「まったくだし」

112: 2011/10/23(日) 02:58:08.94 ID:F+UoZhLb0

花子(たまには……こういうのもいいかも)

花子(櫻子は料理ベタだけど……たぶん)

花子(たぶん、二人で作ったから、楽しかったし、美味しい)

花子(……たぶん、きっと)




櫻子(前の方が美味しかったけど)

櫻子(でも、こっちもこっちで、美味しい!)

櫻子(……花子と二人で作ったから、だなんて)

櫻子(ちょっと夢見すぎかな……)テヘヘ


115: 2011/10/23(日) 03:03:22.87 ID:F+UoZhLb0

櫻子「ごっそーさま!」

花子「ごちそうさま」

撫子「ごちそうさま。……さて二人にお知らせがあります」

櫻子「なーに、ねーちゃん」

撫子「これ」ペラリ

花子「遊園地のチケット……?どうしたの、それ」

撫子「福引で当てた」

櫻子「ほんと!?すごいじゃん!」

花子「強運だし……」

撫子「いや私もびっくりした」

116: 2011/10/23(日) 03:06:23.57 ID:F+UoZhLb0

撫子「だから、こんどの休み、遊園地いく?」

櫻子「すごいすごい!いく!いきたい!」

花子「……! 花子も、一緒にいきたい!」

撫子「で、この券で、4人までいけるんだけど……」ヒラヒラ

撫子「ひま子でも、誘う?」

櫻子「楓はー?」

撫子「そう、そうなるんだよね……まぁ4人で楽しんでおいで」

櫻子「えー!ねーちゃんも一緒にいこーよー!」

撫子(櫻子……!お前ってやつは……!)ドキッ

撫子「じゃ、じゃあ、私の分は自分でチケット買うとして」

櫻子「私もちょっと出そうか?」

撫子「いや、大丈夫。……なにせ、お姉ちゃんだからね!」グッ

花子「わけわかんないけどかっこいい」

櫻子「やったー!みんなで遊園地ー!!」

119: 2011/10/23(日) 03:14:04.57 ID:F+UoZhLb0

櫻子「というわけでいくよ!」

向日葵「また唐突ですわね……でもいいんですか?撫子さん」

撫子「あぁ、ひま子がくれた福引券で当たったんだしな」

向日葵「そんな、私の差し上げた分なんて微々たるものですのに……」

向日葵「でも、ありがとうございます」

楓「楓、遊園地すっごくたのしみなの!」

櫻子「よかったなー楓!」

向日葵「一番楽しみにしてるのは櫻子ですわね……」

花子(みんな一緒だけど)

花子(櫻子と一緒に)

花子「遊園地っ!」


向日葵「あ、あら、花子ちゃんもすごく目が輝いてますわ……」

121: 2011/10/23(日) 03:18:15.79 ID:F+UoZhLb0

――なもりらんど――

櫻子「本日晴天なり!」

向日葵「今日は陽射しがあたたかいですわね」

花子「……っ」ウズウズ、ウズウズ

楓「すっごい!ひろいの!」ワー!

撫子「高校生1枚ください」

122: 2011/10/23(日) 03:21:54.99 ID:F+UoZhLb0

櫻子「いっくよーーーー!!!」ダダダダダ

楓「わ~~~~!」テトテト

向日葵「ちょっと楓!あまり走らないの!」

花子「は、花子も!」ダダダッ

撫子「こいつら……子どもだな」ダダダダダダダダ

向日葵「撫子さん全力ダッシュ!?」

124: 2011/10/23(日) 03:28:56.14 ID:F+UoZhLb0
花子ちゃん身長何cmだろ

126: 2011/10/23(日) 03:31:27.46 ID:F+UoZhLb0

櫻子「さいしょはやっぱこれっしょー!」

向日葵「絶叫マシン……」

撫子「なもラッシュマウンテン……」

花子「花子ビッグなもりーマウンテン乗りたい」

楓「……」

撫子「いや、身長制限考えろ」

129: 2011/10/23(日) 03:34:16.67 ID:F+UoZhLb0
120cm制限のアトラクションと130cm制限のアトラクションとかあるらしい

132: 2011/10/23(日) 03:38:41.84 ID:F+UoZhLb0

撫子「じゃあ楓、お姉ちゃんと一緒に待ってよう」

楓「楓もおっきくなったら一緒にのるの……!」

向日葵「いいんですの?撫子さん……私がみてましょうか」

撫子「いや、私は前にも来たことあるし、楽しいでおいで」

櫻子「ひゃっほーぅ!ならびにいこー!!」

花子「花子、ぎりぎりのれるし!」

向日葵「……遠慮もなにもありませんわね」

134: 2011/10/23(日) 03:42:15.41 ID:F+UoZhLb0

ガタンゴトン...ガタンゴトン...

櫻子「あ、ああ、案外すんなりたどり着いちゃったね」

向日葵「あ、あら、さく、さ、櫻子、震えてましてよ?」

櫻子「べべ、べつに怖くなんてないし!楽しみなだけだし!」

向日葵「私、こ、怖いとか聞いてませんわよ?やっぱり怖がってま、ますのね」

花子「……不毛だし」

ガタンゴトン...ガタン!

136: 2011/10/23(日) 03:44:13.49 ID:F+UoZhLb0


櫻子「ひっ!」

向日葵「あ、いや……っ!」

花子「……くるっ!」



137: 2011/10/23(日) 03:44:53.42 ID:F+UoZhLb0


いやああぁぁああぁぁぁぁぁぁ

きゃああぁぁぁぁぁあぁああぁぁ


おっOいがあああぁぁぁぁぁぁぁぁ
  ぶるんぶるんんんんぅぅぅぁぁぁぁおおおぁぁぁ

こんの、ばかさくらこおおぉぉぉぉぉぉおぉぉ




撫子「何を叫んでるんだ……」

楓「結構スピードでてるの……」ガクガク



140: 2011/10/23(日) 03:48:02.78 ID:F+UoZhLb0

櫻子「あ、あーたのしかったし!!」フラフラ

向日葵「櫻子ったら、足、フラフラです、わ……」ヘロヘロ

花子「……たのしい!」フンスッ

楓「おつかれさまなの!楓、のらなくてよかったの……」

撫子「ビデオ持ってくればよかった」

櫻子「さーて!次はなにのろっか!」

撫子「回復はやいな」

142: 2011/10/23(日) 03:51:38.38 ID:F+UoZhLb0

花子(今日は、とことん楽しむし!)

花子(ひま子お姉ちゃんがどうとか)

花子(櫻子がどうとか)

花子(櫻子がひま子お姉ちゃんをどう思ってるかとか)

花子(櫻子が花子をどう思ってるか)

花子(全部どっかぽいしちゃうんだし!!)

花子「櫻子と、いっぱいあそぶんだし……!」


櫻子「おーい花子!つぎはアッカリンのハニーハントいくよー!」

花子「花子それのりたーーい!」テテッ

144: 2011/10/23(日) 03:59:44.96 ID:F+UoZhLb0

花子「う、このお化け屋敷、ちょっとこわいかも……」

櫻子「どーすんの?みんなでいくのー?」

楓「えっとここは……」

分 一の位:櫻子
秒 十の位:花子
秒 一の位:向日葵
コンマ秒 十の位:撫子
コンマ秒 一の位:楓

3で割ったあまり
0:グー
1:チョキ
2:パー

でペア決め

145: 2011/10/23(日) 04:01:27.57 ID:F+UoZhLb0

櫻子:グー
花子:チョキ
向日葵:チョキ
撫子:グー
楓:グー


楓「これでいくの!」

146: 2011/10/23(日) 04:05:14.69 ID:F+UoZhLb0

――櫻子・撫子・楓ペア

櫻子「ここ、こんなん余裕だし、作り物だし?」

楓「楓、ちょっとこわいの……」

撫子「ほら、手ぇつないで」ギュッ

楓「ありがと、撫子お姉ちゃん……」ギュ~~ッ

櫻子「は、はは……か、楓はこわがりだ、なぁ、あははー」

撫子「……櫻子も手、つなぐ?」

櫻子「いら、いらないし!!」



※楓→撫子 は「櫻子お姉ちゃんのお姉ちゃん」じゃなく「撫子お姉ちゃん」で

150: 2011/10/23(日) 04:10:44.07 ID:F+UoZhLb0

撫子「前に来たときよりも凝ってる……」

楓「撫子お姉ちゃん、前も、ここ入ったの……?」

撫子「うん、その時より、雰囲気でてる」

櫻子「……それ、」

楓「前より、こわくなったってこと……!?」ブルブル

撫子「大丈夫大丈夫。……抱っこ、する?」

楓「……」コク

撫子「はいせ……っと。ほら、これでこわくない」

楓「……うん」

152: 2011/10/23(日) 04:14:04.53 ID:F+UoZhLb0

櫻子「よ、よかったなー、楓」

撫子「さすがに櫻子は抱っこできないから」

櫻子「だからいらねーし――――


バッ
ホンギャーーーー!!


櫻子「あふぁあぁっ!?でたぁ!?は、はなこおおぉぉぉおおおおお!!!」

楓「ひやぁっ!……櫻子お姉ちゃんにびっくりしたの」

撫子「花子いないし……」


153: 2011/10/23(日) 04:18:05.30 ID:F+UoZhLb0

――花子・向日葵ペア

向日葵「じゃ、じゃあそろそろ私達もいきましょうか」

花子「ひま子お姉ちゃん……こわいの?」

向日葵「そ、そんなことありませんわ!」

花子「だって、震えてるし……」

向日葵「こ、これは、そう!ウォーミングアップですわ!」

花子「?」

向日葵「全身の筋肉をあたためておくことで、何が突然起こっても対処できるよう――――


...アァッ!?...コオォォォ...


向日葵「ひっ!?」

花子「櫻子の声?だらしないし……」

向日葵(……いま、『花子』って、叫んでたような……)

154: 2011/10/23(日) 04:20:42.68 ID:F+UoZhLb0

向日葵「な、なかなか、よくできてますのね」

花子「結構、いい出来……」

向日葵「ま、まぁこういうのは?雰囲気を整えて後は突然驚かすものばかr


バッ
ホンギャーーーー!!


向日葵「」

花子「このゾンビ、すごいリアル……」

158: 2011/10/23(日) 04:26:24.85 ID:F+UoZhLb0

向日葵「」

花子「ひま子お姉ちゃん、起きて」ユサユサ

向日葵「……ハッ!?わた、わたくしはなにを……?」

花子「よかった、じゃあまた進むよ」

向日葵「ひっ!?」

花子「……進まなきゃ、出られないし」

向日葵「そ、そうですわよね、別に、何もありませんでしたし……!」

花子(……)

159: 2011/10/23(日) 04:27:25.17 ID:F+UoZhLb0

花子(今日は、みんな忘れて、とことん遊ぼうとおもってたけど)

花子(ふたりっきりだし)

花子(ちょっと、聞いてみてもいいかもしれない)

花子「ねぇ……ひま子お姉ちゃん」

160: 2011/10/23(日) 04:29:34.60 ID:F+UoZhLb0

向日葵「……なんですの?」

花子(ひま子お姉ちゃんがちょっと硬いのは)

花子(何かを感じ取ったからか、この場所のせいか……)

花子「ひま子お姉ちゃんは……」

向日葵「……」

花子「……」

向日葵「……」

161: 2011/10/23(日) 04:31:25.09 ID:F+UoZhLb0

花子(どうしよう)

花子(このまま……続けていいのかな)

向日葵「……花子ちゃん?」

花子(……うん。ちょっと、だけ)

花子「ひま子お姉ちゃんは、櫻子のこと」

向日葵「……!」

花子「どう……思ってるの?」

166: 2011/10/23(日) 04:53:52.94 ID:F+UoZhLb0

向日葵「どうって……どうですの」

向日葵(なんだか、似たようなことを、前にも聞かれたような……)

花子「櫻子のこと……」

向日葵「……」

花子「……好き?」

向日葵「…………ふぅ」

167: 2011/10/23(日) 04:54:19.24 ID:F+UoZhLb0

向日葵(私の見立てですけれど)

向日葵(櫻子は花子ちゃんのことが好き。これはまず間違いない)

向日葵(でも、あの子は自分自身の気持ちをどれだけ理解しているのやら)

向日葵(もちろん思いを告げることも、現状、ない)

向日葵(そして……花子ちゃん)

向日葵(花子ちゃんも、櫻子のことが、好き。だと思う)

向日葵(でも、こちらも、とても消極的)

向日葵(はぁ……きっと櫻子の想い人が私だとでも思ってるのでしょうか)

向日葵(そうだったら、どれほどいいことか……!)

向日葵(花子ちゃんも、櫻子の観察が足りませんわね)

花子「ひま子、お姉ちゃん……?」

172: 2011/10/23(日) 04:59:16.75 ID:F+UoZhLb0

向日葵(そして今この場で、私はどう答えるべきか)

花子「……」ジッ

向日葵「……ふぅ」

向日葵(駆け引きは、向きませんわね……)

向日葵「好きですわ」

花子「!」

向日葵(あくまで正直に……といっても、手助けもしませんけれど)

175: 2011/10/23(日) 05:01:15.63 ID:F+UoZhLb0

花子(やっぱり、そうなんだ……)

花子(ひま子お姉ちゃんも、櫻子も……!)ウルッ

向日葵「落ち込むのは早いですわ」

花子「えっ……?」

向日葵「別に、櫻子が私のことをどう思っているかとか、知りませんもの」

花子「でも、きっと……!」

向日葵「それは、確実な言質がございまして?」

向日葵「確かめたわけじゃないのなら、まだ」

向日葵(……この言葉は、誰に向けているのか)

向日葵「希望はあるはずですわ」

176: 2011/10/23(日) 05:02:48.98 ID:F+UoZhLb0

花子「で、でも……!」

向日葵「許されない想い」

花子「!」

向日葵「関係が壊れるのが怖い」

花子「……!」

向日葵「そんなもの、捨ててしまいなさい」

向日葵「……ちょっと難しいお話だったかもしれないけど」

向日葵「覚えておくと、いいですわ」

花子「う、ん……」コク...

177: 2011/10/23(日) 05:06:42.01 ID:F+UoZhLb0

向日葵「さて!はやくいきましょう!」

向日葵「きっと外で櫻子たちが待ちくたびれてますわ」

向日葵「……難しいことは忘れて、とことん楽しみましょう?」

花子「……うん!」



キャアァァァァ......




撫子「……お、やっと出てきた」

櫻子「さっきの悲鳴、向日葵だったんじゃないの~?」

向日葵「そ、そんなこと、ありませんわ……」フラッ

花子「……まぁ、頑張ったほうだし」

撫子「櫻子も面白かったよ、なんせ……」

櫻子「う、うわああぁぁ!?ねーちゃん何言うつもり!?」

179: 2011/10/23(日) 05:11:43.72 ID:F+UoZhLb0

櫻子「あ~、あっという間に一日終わっちゃったなぁ……」

撫子「おいしょっと……楓なんかすっかりおねむだし」

楓「くー、くー……」

向日葵「撫子さん、本当に大丈夫ですの……?楓をおぶっていただいて」

撫子「ん、軽いもんだし」

花子「……」チラッ

花子(花子も、櫻子に、おんぶされたりしたいな……)

花子(えっと……こうかな)

花子「」ウツラ...ウツラ...

櫻子「んー?ありゃ、花子も眠いの?」

181: 2011/10/23(日) 05:17:58.26 ID:F+UoZhLb0

花子「んー、さくらこぉ……」

櫻子「!」

櫻子「よ、よーしよし、櫻子お姉ちゃんがおぶってやろう!」

花子(や、やった!)

撫子「……できるの?」

向日葵「あまり体格かわりませんわ……」

櫻子「だいじょぶだいじょー……ぶっ!?」

撫子「無理すんな」

櫻子「いけ、いけ……!」

向日葵「何かあったら二人ともケガしますわよ」

櫻子「ぐぬぬ……」

花子「……」

花子(花子、そんな重くないもん)プイッ

向日葵(……やっぱり寝たフリですのね)

183: 2011/10/23(日) 05:25:12.22 ID:F+UoZhLb0

櫻子「結局こうなるのかー」

撫子「ほら櫻子、楓を落としたりするなよ」

櫻子「ねーちゃんこそ花子を丁重にあつかえよ!」

向日葵「や、やっぱり私も……」

撫子「いいよひま子。こいつはまだまだ元気が有り余ってるから、疲れさせるくらいがちょうどいい」

櫻子「楓かっるいな~、ちゃんとご飯たべてるのかー?」

櫻子「姉とはおおちが―――

向日葵「」ギロッ

撫子「二人とも……寝てる子がいるんだから」

186: 2011/10/23(日) 05:35:49.43 ID:F+UoZhLb0

花子(結局こんな感じになっちゃったけど)

花子(このぐらいの関係で、このぐらいの距離感で)

花子(それも、いいのかも)

花子(ひま子お姉ちゃんはむずかしいこといってたけど)

花子(この、距離)

花子(こわさないように、たいせつに。相手にふれない、距離で)

花子(大事に、大事に、愛でましょう……)


花子「櫻子とは、姉妹だから」




 第一部
――完――


187: 2011/10/23(日) 05:37:04.87 ID:F+UoZhLb0

――幕間――

楓「それは、淡くせつない恋物語」

楓「結ばれることのない、ただの姉妹。性も、続柄も、思いを告げるべきでないと心を抑制する」

楓「相手の思いに、気付かない。思いを告げることも、ない」

楓「最後に、しかし、そんな二人の関係に進展が」

楓「それは、一人の少女の尽力によって…………本当にいいの?撫子お姉ちゃん」

撫子「それで、いい」

楓「でも……」

撫子「妹の幸せが、姉の幸せ。……二人分ともなれば、尚更」



幕間 了


188: 2011/10/23(日) 05:40:11.22 ID:3vFaXqX50
乙!

192: 2011/10/23(日) 05:49:31.56 ID:F+UoZhLb0
一区切り。
全体は二部構成です。第二部もラストまでのプロットは完成してるのであとは気力次第……

194: 2011/10/23(日) 06:01:47.22 ID:WiW1UHYN0
俺は何時まででも付き合うぜ

195: 2011/10/23(日) 06:03:22.31 ID:yoykXHfw0
櫻子がモテモテで生きるのが辛い

196: 2011/10/23(日) 06:04:40.91 ID:F+UoZhLb0
ちょっと(ちょっと?)寝ます
落ちてたらまた立てます……

引用元: 花子「櫻子とは、姉妹だから」