1: 2016/08/29(月) 02:26:12.074 ID:zNZnDLpO0.net
雪歩「はい、お茶どうぞ」

真美「ありがと」

雪歩「……」

真美「……」ずずーっ

雪歩「ねえ真美ちゃん、今日はなんだか静かだけど……どうしたの?」

真美「なんでもない。ゆきぴょんの横、座ってもいい?」

雪歩「うん、どうぞ」

真美「よいしょ、っと……」

雪歩「……」ずずーっ

真美「……」
ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)
3: 2016/08/29(月) 02:29:50.487 ID:zNZnDLpO0.net
雪歩「ま、真美ちゃん」

真美「ん?」ギューッ

雪歩「そんなにくっついたら、暑いよ……」

真美「んっふっふ……ドキドキする?」

雪歩「えっ……いや、特には?」

真美「っ……」つねっ

雪歩「いひゃっ!?」

真美「……」ずずーっ

雪歩「うぅ……いきなりほっぺたつねらないでよぉ……」

真美「ふーんだ」

4: 2016/08/29(月) 02:35:30.063 ID:zNZnDLpO0.net
真美「ゆきぴょんはさ」

雪歩「?」

真美「真美のこと、どういうふうに思ってる?」

雪歩「真美ちゃんは、そうだなぁ……よく懐いてくる妹、みたいな……」

真美「そっか」

雪歩「うん」

真美「……」ずずーっ

雪歩「あ、あの……本当に今日はどうしたの?」

真美「べつに……『雪歩お姉ちゃん』」

雪歩「お姉ちゃん……なんかそれ、いいね。えへへ」

真美「……」ずずーっ

雪歩「うぅ……」

5: 2016/08/29(月) 03:28:43.300 ID:zNZnDLpO0.net
真美「あ、そーだ。ゆきぴょん」

萩原「は、はい」

真美「ゆきぴょんのお茶、一口ちょーだい?」

雪歩「え、もう全部飲んじゃった?じゃあおかわり淹れて……」

真美「違うの!ゆきぴょんのがいいの!」

雪歩「あ、うん、どうぞ……」

真美「……」ずずーっ

雪歩「……」

真美「えへへ……これで間接キスだね」

雪歩「?うん、そうだね」

真美「……」

6: 2016/08/29(月) 03:41:04.709 ID:zNZnDLpO0.net
真美「はぁ、なんか暑くなってきた……」

雪歩「こんなに近くにいるからだよ……」

真美「ゆきぴょんは名前に雪が入ってんだから、冷たくなきゃダメっしょ!」

雪歩「無茶言わないでよぉ……」

真美「あー、暑いから脱いじゃおっかなぁ」

雪歩「だ、ダメだよ、あんまりはしたないカッコしちゃ」

真美「よいしょ……」ぬぎぬぎ

雪歩「ま、真美ちゃん……」

真美「ふう、すずし~」

雪歩「……」

真美「おやおや、ゆきぴょんも真美のせくち~ぼでぃ~が気になる?ほれ、うっふ~ん♪」

雪歩「……小学生の頃からずいぶん成長したよねぇ」しみじみ

真美「……」

7: 2016/08/29(月) 04:01:15.268 ID:zNZnDLpO0.net
―――――
真美「ナットクいかない!」

千早「そう」

真美「ゆきぴょんは女の子が好きなハズなのに、なんで真美のカラダを見てもドキドキしないのさー!」

千早「それは偏見じゃないかしら……」

真美「ちょっと年上だからって真美のこと子供扱いしてさぁ……」

千早「萩原さんも、小学生の頃から真美のことを見てるものね」

真美「そーだけど、今はもう中学生なんだし、ちゃんとオンナとして意識してほしいんだよー……」

千早「そう……真美の悩みは分かったけれど、どうして私に相談を?」

真美「千早お姉ちゃんなら誰にも喋らなそうだから」

千早「……」

9: 2016/08/29(月) 04:53:44.042 ID:zNZnDLpO0.net
真美「ね、どうしたらゆきぴょんは真美にドキドキしてくれると思う?」

千早「それは、難しいわね……」

真美「千早お姉ちゃんをもってしてもムズカシーかぁ……」

千早「私にとってもそうだけれど、真美は妹のように身近な存在だから……なかなかそういうふうに意識できないわよ」

真美「うーん……なんとかなんないかなぁ」

千早「そうね……少し無理矢理だけれど、思い切り脅かしてみたらどうかしら」

真美「おお……千早お姉ちゃんからそういう言葉が出るとは思わなかったよ」

千早「わ、私なりに、真美の気持ちになって考えてみただけよ」

真美「千早お姉ちゃんって、たまに変な方向にマジメだよね」

千早「くっ……」

11: 2016/08/29(月) 05:20:57.610 ID:zNZnDLpO0.net
真美「でもさ、ムリヤリ脅かしてドキドキさせても、それは真美の求めてるドキドキとは違うんだよねぇ」

千早「そうとも言い切れないわよ」

真美「え、どーゆーこと?」

千早「ある研究によると、人は驚きや恐怖による生理的な興奮を恋愛感情による興奮と誤認することがあるらしいの」

真美「……千早お姉ちゃん、日本語でおねがい」

千早「……要するに、驚いたとか怖いとか、そういう感情を、恋によって興奮していると勘違いしてしまうことがあるのよ」

真美「ほえ~」

千早「一般に『吊り橋効果』といわれるものね」

真美「あ、それ聞いたことある!二人で吊り橋渡るときのドキドキを恋のドキドキと勘違いしちゃうやつ!」

千早「そう、それと同じことよ」

真美「そっかぁ、なるほどねぇ、とにかく脅かしちゃえばこっちのもん……んっふっふ~」

千早「……よからぬことを教えてしまったかしら」

真美「ゆきぴょんを脅かすっていえばアレしかないよね、この前のお仕事で使った……」

真美「……よっしゃーカンペキ!ありがとねー千早お姉ちゃん、さっそく行ってくる!」

千早「健闘を祈るわ……萩原さん、ごめんなさい……」

13: 2016/08/29(月) 05:38:49.915 ID:zNZnDLpO0.net
―――――
雪歩「うぅ、真美ちゃんに呼び出されちゃった……」

雪歩「なんだろう、怒られるのかなぁ……やっぱり私がダメダメだから……あうぅ……」

真美「わおおおおおおん!!!!」

雪歩「ひいいぃぃぃぃぃぃ!?!?」

真美「ぐるるるるる、ばうばうばう!!!」

雪歩「いぃやぁぁぁぁぁ!!!いぬぅぅぅぅぅ!!!」

真美「んっふっふー!」

雪歩「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

真美「……ゆきぴょん?」

雪歩「ゆるしてくださいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

真美「おーい、ゆきぴょーん!」

雪歩「へえっ……!?」

15: 2016/08/29(月) 05:51:47.409 ID:zNZnDLpO0.net
真美「じゃじゃーん!犬じゃなくって、真美だよん!」

雪歩「ま、真美、ちゃん……」

真美「どう?ビックリしてドキドキしてる?」

雪歩「うぅぅぅ……」

真美「……だ、大丈夫?」

雪歩「心臓、止まるかと思った……」

真美「そ、そんなにビックリしたんだ」

雪歩「はぁ……でも……えへへ、真美ちゃんでよかったぁ……」

真美「……ゆきぴょんっ!」ドンッ

雪歩「えっ……」

16: 2016/08/29(月) 06:04:19.900 ID:zNZnDLpO0.net
真美「真美、もう子供じゃないよ」

雪歩「真美ちゃん……」

真美「ほら……こんな近くで真美の顔見て、ドキドキするっしょ?」

雪歩「……」

真美「……」

雪歩「うん……なんだか、すっごく……ドキドキする……」

真美「!」

雪歩「えへへ……」

真美「ま、真美のへろもん、感じる?」

雪歩「……それはわかんない」

真美「むぅ」

17: 2016/08/29(月) 06:31:02.433 ID:zNZnDLpO0.net
真美「とにかく!真美だっていつまでも子供じゃないんだから」

真美「もう子供扱いしちゃ、やだかんね!」

雪歩「……」

真美「子供じゃない証拠に……キスだってできるもん」

雪歩「えっ……き、キス?」

真美「ほら、目つぶってよ」

雪歩「う、うん……」

真美「いくよ!んーーっ」

雪歩「っ……」

雪歩「………」

雪歩「…………」

19: 2016/08/29(月) 06:46:47.533 ID:zNZnDLpO0.net
真美「……なーんちって」

雪歩「……………」

真美「ほ、ほら、真美もまだ中学生だし、キスはやっぱりまだ早いかなって」

雪歩「……んっ!」ちゅっ

真美「んんん!?」

雪歩「……ふふっ、真美ちゃんはまだまだ子供だね」

真美「う、うあうあ……」

20: 2016/08/29(月) 07:58:49.385 ID:zNZnDLpO0.net
真美「もーなんなの!!ゆきぴょんのくせにぃー!!」ぐにぐに

雪歩「い、いひゃいぃ!!ひゃへへぇ!!」

真美「うぅー……ズルいってあんなの……」

雪歩「いたたた……ま、まあ、今のは私を脅かしてくれたお返しってところかなぁ」

真美「なにそれ……」

雪歩「ほら……真美ちゃん、今すごくドキドキしてるでしょ?」

真美「……」

真美「うん……」

雪歩「ねっ」

真美(ごめんね千早お姉ちゃん、やっぱりゆきぴょんには勝てなかったよ……)


21: 2016/08/29(月) 11:34:10.388 ID:7e/duGtV0.net

引用元: 真美「ゆきぴょんをドキドキさせたいのに……」雪歩「?」