1: 2011/10/26(水) 09:09:21.37 ID:qxcGlSE/0
児童1「先生さようなら~!」

児童2「さよなら巴せんせ~」

マミ「はい、さようなら。気を付けて帰るのよ」

最後の子供たちを見送ってようやく一息つくことができる
ぐっと伸びをしてからかけた眼鏡を外して目を擦ると、ふとあの日のことを思い出す

ワルプルギスの夜が来たあの日から、もう15年経った

美樹さんはワルプルギスの夜が来る前に魔女となってしまい、佐倉さんは美樹さんと一緒に氏んだ
私と暁美さんで迎え撃ったワルプルギスの夜、しかし二人の力では勝てなかった
鹿目さんが契約して撃退していなければ、私はあの時氏んでいたのだろう

そこで氏んでおけばよかったのにと、今まで何度思ってきたことだろうか

?「ミナサンサヨナラー」

暁美さんは魔女化する前の鹿目さんのソウルジェムを撃った
そして暁美さんは――

?「イヤー、コノ星ノ子供達ハオ元気デスネ~」

マミ「……あの、あなた誰?」

2: 2011/10/26(水) 09:10:05.47 ID:qxcGlSE/0
いつからいたのか、当たり前のように児童用の椅子に座っていた
目の前の彼(?)は、ボウリングのピンから手足が生えたような姿をしている

?「ドウモ初メマシテ。私アナタ方ノ言葉デ言ウトコロノ、宇宙人トイウモノデス
  愛ニツイテ研究シテオリマス」

マミ「あー……QBのお仲間か何かかしら?」

宇宙人「オヤ?ソノ反応ハ珍シイデスネ」

マミ「宇宙人には一人というか、一匹知り合いがいるからかしらね
   あなたのような姿の人は初めてだけれど…」

マミ「自分でもあまり驚いてないことに驚いてるわ」

宇宙人「ソレハ、私ガコノ装置デ若干ノ精神操作ヲサセテ頂イテルカラデショウ」

宇宙人「あどれなりんノ分泌量ヲ押サエル電波を発生サテオリマス
    楽シクサセルコトモデキマスヨ」ポチッ

マミ「…ぷっ、ぷは、ふふ、あははははは!何言ってんのこの宇宙人!
   ピンみたいな癖に!あはははははは!愛とかあはははは!!」

宇宙人「元ニ戻シマス」ピッ

マミ「コホン…それで、私に何か御用かしら?」

宇宙人「ハイ、チョット窓ノ外ヲゴ覧クダサイ」

3: 2011/10/26(水) 09:10:51.93 ID:qxcGlSE/0
窓の外、上空、そこには夕焼け空を埋めつくさんとする無数の円盤が存在していた

宇宙人「地球制圧ハ後数分デ完了スルデショウ。巴マミサンニハ地球存続ノタメニ……」

宇宙人「愛ノ存在ヲ立証シテ頂キマス」

マミ「……意味がよく分からないのだけれど、なんのためにそんなことを?そもそも、どうして私なの?」

宇宙人「一ツズツ答エマショウ。私達ハ規約ニヨリ他種族ガ生息スル土地ニハ侵攻デキナイノデス」

宇宙人「ソシテ規定ニヨリ他種族ト認メラレルノハ相互間ノこみにゅけーしょんガ発達シタ存在
    スナワチ愛ヲ持ツ種族ノミトナリマス」

宇宙人「マミサンガ査定調査個体トシテ選ラバレタノハタマタマデス。オメデトウゴザイマス」

マミ「はあ……要するに私が愛を証明しないと人類が滅亡してしまう……
   と、まあ、こういうことでいいのかしら?」

宇宙人「飲ミ込ミガ早クテ助カリマス」

マミ「…………なんてことなの……」

昔は正義のためにと意気込んで魔法少女をしていた自分
あの頃の自分とはとっくに決別してしまい、今はもうただ生きるために魔女を狩るだけの存在
そんな自分がまた、世界のために戦わなければならないという

4: 2011/10/26(水) 09:11:22.81 ID:qxcGlSE/0
マミ「これが魔法少女の因果って奴かしらね……」

かつて自分が守りきれなかった仲間、町、未来……それら以上のものを今度こそ、この手で守らなければならない

マミ「いいわ、やってあげる……どうせ拒否権はないんでしょう?」

宇宙人「当然デス」

マミ「それで、私は何をすればいいのかしら?」

宇宙人「オオ!ソレデハサッソク屋上ニ向カイマショウ」

マミ「屋上?」

宇宙人「ハイ、私ノ船ヲ待タセテオリマス」

彼(?)についていき屋上へと向かう
扉の向こうには、見たこともない壮観な景色が広がっていた

マミ「わあ…綺麗ね……」

そのままゆっくりと、私は意識を失っていった

5: 2011/10/26(水) 09:12:27.61 ID:qxcGlSE/0
随分と不思議な夢を見た気がする
眠たい目を擦りながら、ベッドから起き上がる

いつもと違う、いや、昔使っていたような懐かしい感じのするベッドだ

ゆっくり立ち上がると、私はふと、部屋に置いてあった鏡に目を奪われた

マミ「……肌が瑞々しいわ」

宇宙人「気付クぽいんとハソコデスカ?」

マミ「きゃっ!びっくりした!」

宇宙人「マア大局的ニハ同ジ意味ナノデスカネ」

マミ「私、若返ってるんだけど!?あっ眼鏡もなくなってる」

宇宙人「ソウデス…私モ姿ヲ変えまショウカ」

6: 2011/10/26(水) 09:13:42.14 ID:qxcGlSE/0
そう言って彼…いや、彼女は小学生三年生、ちょうど私が受け持っている子供たちのような姿に変身した

宇宙人「この方ガコチラの世界では動きやすいですカラネ

宇宙人「そして、コノ世界でマミさんに試験ヲ受けて頂きマス」

マミ「ちょ、ちょっと待ってちょうだい……何が起こってるのかさっぱり分からないわ」

宇宙人「懐かしいデスか?マミさんが小学三年生の頃のぱられるわーるどデス」

マミ「えっ?いや、今の私、どう見ても中三の姿なんだけど……」


宇宙人「……オヤ?」

マミ「……あの、宇宙人さん?」

7: 2011/10/26(水) 09:14:27.40 ID:qxcGlSE/0
宇宙人「おかしいデスねえ、一番友達が作り易い時期デアル期間ヲ選んだハズなのデスが……」

マミ「友達?…どういうことなの?」

宇宙人「コノ星では子供時代に多くの友好の基盤が築かれると聞きマス
    生育期間によって心の扉の開き具合が違うのデス
    ツマリ、一番友達の作りやすい期間を選んだハズなのデス」

マミ「にも拘わらず、私は小三ではなく中三になってるのね……

マミ「それで、友達を作りやすいっていうのは、何か試験と関係があるのかしら?」

宇宙人「ソレは勿論。試験の内容は、マミさんにコノ世界で友達ヲ100人作って頂くコトデス」

宇宙人「できなかったら人類滅亡デス!」

マミ「友達を……100人も!?」

宇宙人「期間は小学校…はもう卒業してマスので、中学校を卒業するマデ」

マミ「短すぎるわよ!?もう中三なのよ!?」

9: 2011/10/26(水) 09:15:33.50 ID:qxcGlSE/0
???「マアマア、実ハソノコトニツイテ話ガアル」

マミ「また変な宇宙人!?なんなのよ一体!」

宇宙人「これはこれはシリウス議長直々にトハ、何事デスカ?」

シリウス議長と呼ばれた宇宙人は、やはりボーリングのピンのような姿をしており、目まで隠れるヘルメットのようなものを身につけている

シリウス「ドウヤラコノ星デハ、コノ時間ヲ中心ニ無数ノぱられるわーるどガ存在シテイルヨウデナ
     ココデ多クノ世界線ガ束ネラレテイルヨウナノジャ」

シリウス「無駄ニぱられるわーるどヲ増ヤサナイタメニモ、セッカクナノデコノ日カラヲ試験ニ採用スルコトニシタトイウ訳ダ」

12: 2011/10/26(水) 09:16:22.61 ID:qxcGlSE/0
宇宙人「ナルホド、そういうことデシタか。しかし不思議なコトもあるもんデスね~」

マミ(ここを中心にパラレルワールド?……きっと暁美さんのせいね、彼女が何度も繰り返しているはずだから)

宇宙人「期間はどうしマスカ?」

シリウス「中学校卒業デハ短イナ……高校卒業デイインジャナイカ?」

宇宙人「そうしマショウ…マ、高校に合格できれバ、の話デスけどネ」

宇宙人's「はっはっはっは」ゲラゲラゲラゲラ

マミ「私もう30歳なんだけど……もしかして馬鹿にされてる…?」

13: 2011/10/26(水) 09:16:47.96 ID:qxcGlSE/0
シリウス「ソレデハ失礼スルヨ」

そう言ってシリウスさんは窓の外へと飛び出していった

マミ「あの、ここ結構高いんだけど、あの人大丈夫なの?」

宇宙人「心配はゴ無用デス。それでは詳しい説明でもしまショウカ」

マミ「そうね……とりあえずお茶でも淹れましょうか」

そういえばこの人に地球の食べ物など与えても大丈夫なのだろうか

冷蔵庫を開けてみると、誰かに貰ったのか、買った覚えのない桜餅が入っていた

お茶を淹れ桜餅をお皿に乗せ、テーブルへと運ぶ

14: 2011/10/26(水) 09:17:22.32 ID:qxcGlSE/0
懐かしい台所、懐かしいテーブル、懐かしい部屋

本当に時を越えてきたのだと実感する

宇宙人「さてさて、マミさんの左腕をゴ覧ください。『かうんたー』ヲつけさせて頂いテおりマス」

マミ「この腕時計みたいなもののことね」

宇宙人「ソレを友達になりたい相手に向けて横のぼたんヲ押して『せっと』しマス
    すると親愛度が表示されマスので、ソレをMAXにして頂きマス」

マミ「親愛度がMAXになると、つまりお友達が成立する…ということかしら?」

宇宙人「流石デスネ。そういうことデス」

16: 2011/10/26(水) 09:18:29.23 ID:qxcGlSE/0
マミ「あなたは……私の味方なの?」

宇宙人「私は科学者として客観的ニでーたを取るだけデス。よって味方トハ言えまセンので、中立的な立場にありマス」

マミ「なるほどね……私がいるこの世界は、私の過去の世界なの?」

宇宙人「正確ニハたいむわーぷではなく、あったカモしれナイぱられるわーるどデス」

マミ「そう……なら、ここで何かを変えても私の世界には何の影響もないってことになるのかしら?」

さくら「ソノ通りデス」

マミ「でも、変えられるかもしれないのね…あの悲劇を……
   暁美さんが今も戦っているのかもしれない、あの悲劇を」

ワルプルギスの夜…あれと戦いその力を知っている今でも、勝てるかどうか分からない

どうにかできるのだろうか、この私に?

でも……例え私の世界が変わらなくても、暁美さんが選んだ世界に

できるのなら

せめて平和をあげたい

私が手に入れられなかった平和を、この手で

17: 2011/10/26(水) 09:18:45.97 ID:qxcGlSE/0
マミ「そういえば、あなたお名前はなんていうの?」

宇宙人「コレは失礼、自己紹介がまだデシタネ……ところで、コノ食べ物はなんという名前なのデスカ?」

マミ「それ?それは桜餅よ……確か道明寺の……だったかしら?」

宇宙人「ふむ、ナルホド……アリガトウゴザイマス」

マミ「それがどうかしたの?」

さくら「では、私の名前は道明寺さくら、というコトニしておきマショウカ」

マミ「今名付けるのね……」

19: 2011/10/26(水) 09:19:46.19 ID:qxcGlSE/0
マミ「道明寺さん…は、これから私と一緒にいることになるのかしら?」

さくら「できるカギリ一緒ニいることデショウ」

マミ「ふんふん…これを相手に向けてセット……」

さくら「マア実際にやって実物ヲ見た方が早いデスよ」

さくら「ソレデハ、私は帰りマスので、マタ明日オ会いしまショウ」

マミ「ちょっと待って!その前に……」

さくら「まだ何か?」

マミ「私の最初のお友達になってほしいの」

さくら「オオ!そういう反応も珍しいデスネ!」

マミ「これを道明寺さんに向けて……セット!」カチッ

ボタンを押すと画面に渦が現れる
両端から始まる二つの線は渦となって中心に向かって繋がっており、線をなぞるように光っている部分がある

20: 2011/10/26(水) 09:21:12.97 ID:qxcGlSE/0
さくら「左カラ始まる渦ノ光がマミさんから私への愛、右カラの光が私からマミさんへの愛デス」

さくら「中心に近づくホド、親愛度は高くなりマス」

マミ「私の光は少ししかないのに、道明寺さんの光は中心まで届いてるわね」

さくら「私、結構愛情深いんデス」

マミ「これがお互いに中心まで光ったらお友達成立、なのね…」

さくら「マアマア、時間はあることデスシ、ゆっくり友達ニなっていけばいいのデスヨ」

マミ「……ありがとう」

さくら「?」

21: 2011/10/26(水) 09:21:59.26 ID:qxcGlSE/0
マミ「一ヶ月後、ワルプルギスの夜が来るの……あの悲劇がまた繰り返されるかもしれない
   また皆が悲しい思いをするかもしれないのよ」

マミ「私はそれを、黙って見過ごすわけにはいかない!例えパラレルの世界だろうと、今度こそ、どんな悲劇も起させない……」

マミ「私一人では無理でも、仲間たちとなら一緒に戦えばきっと勝てるはず」

マミ「ありがとう道明寺さん、私にチャンスをくれて!これは人類を守るだけの戦いじゃない!私の運命を変える戦いでもあるの!」

マミ「だから、ここに連れてきてくれて本当にありがとう!!」

ピピピピ

マミ「私と、お友達になってください」

22: 2011/10/26(水) 09:22:15.44 ID:qxcGlSE/0
その瞬間、腕の機械に光が走り、カッと眩しく光った

マミ「……これからよろしくね、道明寺さん。私、あなたと出会えてよかったわ……」

さくら「……」ワクワク

さくら「ハイ、喜んで」

固い握手を交わす
その手は小学三年生とは思えないほど大きくなっていて、まるで同じ年のような……

マミ「――って、いつの間に成長してるわけ?」

さくら「流石に小三ノ格好デハ中学校に通えませんカラ」

マミ「転校してくる気満々なのね」

さくら「ところで、わるぷるぎすトハ一体何なのでショウカ?いまいちよく分からナイのデスガ…」

マミ「ああ、そうねえ……まずはそこから説明しないといけないみたいだけど……」

マミ「まずはQBを呼びましょうか」

23: 2011/10/26(水) 09:22:50.58 ID:qxcGlSE/0
マミ「久しぶりねQB。最近はグリーフシードを回収してもらう時くらいしか会ってなかったから」

QB「何を言ってるんだいマミ?昨日は僕と一緒に晩御飯を食べていたじゃないか」

マミ「……ホント、あの頃の私は何も知らなかったのよね、QB……

マミ「いえ、インキュベーターだったかしら?」

QB「……へえ、その情報をどこで手に入れたんだいマミ?」

マミ「そのことを説明するには、道明寺さんと一緒に話した方がいいかしら」

さくら「おやおや、コレは本当に珍しいデスネ…こんな星で私達以外の宇宙人に会うトハ……」

QB「……一体どういうことなんだい、マミ?そこにいるのは人間じゃないようだね」

マミ「あら?QBには分かるのね」

さくら「アナタは一体どうしてコノ星に?」

マミ「そうね、それも含めて、まずは三人で現状を整理しましょうか」

25: 2011/10/26(水) 09:23:59.46 ID:qxcGlSE/0
私達は現状を話した

私が未来から来たこと、私がQBの正体や魔法少女の真実を知っていること

道明寺さんの目的、そのために私が友達を作らなければならないこと

QBたちは宇宙のために効率のいいエネルギーを探し魔法少女のシステムを作ったこと

魔法少女と魔女、そのカラクリ、そしてワルプルギスの夜の生む悲劇

ただし、暁美さん達のことは上手くぼかして話した
QBならいずれ気づいてしまうだろうが、それは今ではない

マミ「こんなところかしら?」

さくら「なんと酷いオ話なのデショウ」ホロリ

27: 2011/10/26(水) 09:24:30.35 ID:qxcGlSE/0
QB「なるほどね…それでマミは色々と知っているわけだ」

マミ「QBには悪いけれど、あなたの思うようにはさせないから」

QB「まあ、未来になってもノルマ回収は済んでいないようだから、
  そうなると僕としてもマミには試験に合格してもらわなければならないわけだね」

QB「つまり、僕はむやみに君のマイナスになるようなことは極力しない方がいいのかな」

マミ「できればそれが一番助かるわね」

今日はこれでお開きになった
懐かしいベッドに横になって、暗い天井を見つめながら思う

絶対に悲劇は繰り返させない

地球も、きっと救ってみせる

マミ「お友達100人、できるかな」

━現在友達1人━

28: 2011/10/26(水) 09:25:27.14 ID:qxcGlSE/0
翌日

マミ「艶やかな髪と水晶の歯に曇りなき瞳…
   肌のハリツヤだけでなく15年の歳月がこんなにも私を蝕んでいたなんて……恐ろしいわ」

マミ「それに、当たり前だけど制服も着ないといけないのよね…中身は大人だというのに」

いそいそと着替えているとまるでコスプレでもしているかのような気分になったが、着替え終わった姿を鏡で確認すると、そんな気持ちも吹き飛んだ

マミ「うわー、ほんとに懐かしいわ……ちょっとテンション上がってきちゃったかも」

ピンポーンとチャイムの音がする
こんな朝から一体誰なのかと思いながら確認すると道明寺さんが制服姿で立っていた

さくら「オハヨウゴザイマスマミさん」

マミ「おはよう道明寺さん、随分と早いのね」

さくら「お隣デスカラ」

マミ「えっ!?」

外に出て標識を確認
いつの間にか住みつく準備まで整えていたようだ

さくら「あとスイマセン、ちゃいむ壊しテしまいマシタ」 ボロー

マミ「どんな力で押したのよ!?」

29: 2011/10/26(水) 09:26:15.73 ID:qxcGlSE/0
学校に着くと、今までの思い出が少しずつ蘇ってきた
ここでまた過ごすことになるのかと思えば、少しの楽しみとそれ以上の不安が押し寄せてくる

さて、そういえば私のこの教室での友達といえば……

?「おっはようマミちゃん、元気してる~?」

マミ「あっ、あ~、ええっと……氷室!氷室まつりさんよね!そうよ思い出したわ!うわ~懐かしい~!」

氷室「何?ボクのこと忘れちゃってたの?」

マミ「ううん、ちょっと懐かしくって……」

氷室「???」

マミ「それより、さっそく…セット!」カチッ

親愛度を示す光は順調に中心まで届き、無事友達成立となった

マミ「ありがとう氷室さん!やっぱり私達はお友達よね!」ガバァ

氷室「何言ってんのマミちゃん…やっぱおかしいよ?」

少しづつ思い出してくる…他に二人ほど仲のいい子がいたはずだ

30: 2011/10/26(水) 09:27:51.14 ID:qxcGlSE/0
マミ「セット」カチッ カッ

倉橋「おっはー巴~…今なんか光った?」

マミ「セット」カチッ カッ

天野「おはようマミ…なんか光らなかった?」

マミ「……ありがとう二人とも~!私達お友達よね!」ダキッ

天野「えっ…いきなりどうしたの?」

氷室「さあ?なんか来てからずっとこんな調子で」

倉橋「ふーん、まあいいけどさ。おい西村ー、ジュース買ってこいよー」

31: 2011/10/26(水) 09:28:06.48 ID:qxcGlSE/0
そんなこんなで、朝のホームルームが始まった

先生「はい、今日はみんなに転校生を紹介する」

さくら「道明寺さくらト言いマス。どうぞヨロシクお願いしマス」ペコリ

\カワイクネ?/ \ヘンナナマリアルネー/

見た目は普通の中学生だが……その正体はへんてこな宇宙人であることを知っているのは私だけだ

\ダレカコエカケロヨー/ \オマエイケヨー/

ああ、それにしても教室の空気が若い……

この空間に年上ではなく同学年としていることに、とても違和感を覚えてしまう

いつか慣れる日が来るのだろうか

━現在友達4人━

32: 2011/10/26(水) 09:28:58.21 ID:qxcGlSE/0
道明寺さんは私の後ろの席になった
やがて授業が始まり、しばらく静かな時間が訪れる

一時間目は英語だった

マミ(この人は確か……英語の、えっと……早乙女!早乙女先生ね!)

……それにしても、既に学力が身についてる私には授業を聞く意味が全くないというのは、どうにも面白くない

授業の仕方を参考にして学ぶというのはどうだろうか?

早乙女「つまり、関係代名詞とはある名詞がどんなものであるかを文で説明するときに使う接続詞なんですね。それから――」

マミ(早乙女先生の授業は結構分かりやすいわね……参考にしようかしら)

33: 2011/10/26(水) 09:29:40.29 ID:qxcGlSE/0
早乙女「例えば、『私は嫌味を言った彼をビンタしました』という文章ならば――」

マミ(……あぁ、少し思い出してきたたわ)

早乙女「とにかく!女子の皆さんはそういうなんでもかんでも塩じゃないと駄目だと文句を言うような、
    嗜好の偏った男子と交際してはいけませんよ!」

マミ(自分の恋愛事をよく絡めてくる人だったわね)

早乙女「男子の皆さんも、そういう偏見を持った大人になってはいけませんよ!」

マミ(まあでも、分かりやすいし授業が面白いのは事実よね……私にはちょっと真似できそうにないけど)

コツン
マミ「ッ!……?」

35: 2011/10/26(水) 09:31:02.16 ID:qxcGlSE/0
ふと、頭に何か軽くぶつかった
どうやら左隣の席から投げられてきたらしい丸まった紙だった……投げたのは当然隣の席の子だ

その子は手を合わせて謝りつつ、この紙を私の右隣の人に渡してほしい様子だ

マミ(えっと……誰だったかしらこの人、中三の時はあんまり話したことなかったはずよね?名前は…………)

マミ(駄目だわ、周りの皆はあだ名で呼んでたから全く思い出せない……)

マミ(こっちの人も……あだ名しか覚えてないわね…どうしようかしら)

そっと紙を渡しながら考える

そういえばこうして二人に挟まれて良く授業妨害をされていた
当時の私は怒りこそしなかったものの、少しイラついていたかもしれない

マミ(でも、決して悪い人たちじゃなかったはずよね……お友達に、なれるかな…?)

こんなことを考えている間にも私の頭上を紙が行ったり来たり、たまに当たったりしているわけだった

さて、どうしたものか……

36: 2011/10/26(水) 09:32:05.24 ID:qxcGlSE/0
キーンコーンカーンコーン

?「いやあ、ごめんごめん。ちょっと手元が狂っちゃって」

?「気をつけなきゃダメっすよ、ラブやん。すいませんね、巴さん」

マミ「いいのよ、気にしないで」

ラブやん「いやいや、みのっちだって二回くらい当ててたし」

マミ「でも、授業はちゃんと聞いた方がいいわよ。将来苦労することになるって、大人になってから思うのよ」

ラブやん「おお、なにやら上から目線な大人な発言……成長しているのは胸の脂肪だけではなかったということね」ジトッ

マミ「もうっ、からかわないでよ!そんなことより、私が仲介してあげるから投げるのは勘弁して頂戴」

みのっち「それは助かるっスね。これからは巴さんも仲間っスよ」

マミ「んー……仲間というよりは、」

マミ「お友達になりましょう」

38: 2011/10/26(水) 09:32:49.58 ID:qxcGlSE/0
ラブやん「フゥ~何を言ってるの…私達はすでにこの教室で同じ釜の飯を食い同じ空気を吸い日々を過ごす烏合の衆…!
     その先にある未来は…オオ、輝かしい栄光への花道なのでは!?」

みのっち「よく分かんないっスけど、烏合の衆は違うと思うっス」

ラブやん「とにかく!私達はすでにお友達になっているのではないかしら!?ということよ!!」

マミ「な、なるほど……そういうものなのかしらね?じゃあさっそく…セット!」カチッ

キーンコーンカーンコーン
みのっち「じゃあ次の授業はよろしく頼むっス」

ラブやん「ほんじゃねー」

マミ「……あら、おかしいわね…?」

親愛度は私が7割、ラブやんが5割といったところだった

マミ「お友達になれたと思ったのに」

さくら「そう簡単ニハいきマセンよ」

39: 2011/10/26(水) 09:34:09.40 ID:qxcGlSE/0
さくら「どうやら私も含めテ四人ハ一気に友達になったカラ勘違いしたのカモしれマセンガ、これが本来なのデス」

さくら「言葉だけノ友情デハなく、心で繋がってコソの友達デス。ユックリ近づいてイケバいいのデス」

マミ「そうよね……お友達って、そういうものよね」

ならばこれからどうすれば友達になれるのか考えなければならない

しかし、結局何も思い浮かばないまま放課後になってしまった

マミ(ちょくちょく話してみてもなかなか親愛度は上がらないわね…どうすればいいのかしら)

倉橋「じゃあね巴ー、あたし西村達と野球してくるわー」

天野「あたしは部活行かなきゃ」

氷室「ボクもワンゲルに呼ばれてるんだった」

マミ「さようなら」フリフリ

40: 2011/10/26(水) 09:35:27.07 ID:qxcGlSE/0
さくら「オヤ、というコトは、マミさんは帰りハいつもオ一人だったのデスカ?」

マミ「そうだったわね。まあ魔女退治もあったから仕方ないんだけど……」

さくら「ウゥ、ナルホド寂しい時代ヲ過ごされてイタのデスネ」ホロリ

マミ「そんな可哀相な目で見ないでよ……別に寂しくなかったわよ」

ラブやん「みのっち帰ろー、帰りにアメリカン寄ってかない?」

みのっち「またっスか…相変わらずチャレンジャーっスね」

マミ(そういえばお友達と放課後どこかに遊びに行くなんてこと、全然してなかったわね……)

マミ「あの、二人とも……」

ラブみの「?」

マミ「その、私も、たまには一緒に帰ってもいいかな~?なんて、思ったり……」

ラブやん「別にいーんじゃない?あっ、さくらちゃんも一緒に来る?」

さくら「オオ!私モ連れて行ってくだサルのデスネ?」ワクワク

41: 2011/10/26(水) 09:37:30.83 ID:qxcGlSE/0
ラブやん「決まりね…皆でアメリカンに挑戦するわよ!」グッ

みのっち「なるほど、それは名案っスね」ギラリ

マミ「ありがとう二人とも…ところで、そのアメリカンってなんなの?」

ラブやん「フフン……それは行ってからのお楽しみよ」ニヤリ

数十分後、私は地獄を見ていた……

私が頼んだ『アメリカン牛たたき』は見るも無残な姿の……
道明寺さんは、この不可思議かつグロテスクな料理を異様に喜んでいて、なぜか店長らしき人に気に入られていた

ラブやんとみのっちは、普通っぽい料理を喜々として食べ続けていた

マミ「うっぷ……なんて危険…いえ、デンジャラスなお店なのかしら…」

さくら「どちらも同ジ意味デスヨ。いやー、トッテモいいお店デシタネ!是非また今度行きマショウ、マミさん!!」

マミ「絶っ対に無理!」

ラブやん「いやあごめんごめん、いきなりあんなレベルの高い料理に挑戦するとは思ってなかったからさー」

みのっち「知ってて黙ってたくせによく言うっスね」

ラブやん「セイッ」プルリ みのっち「目がッ!」

42: 2011/10/26(水) 09:38:22.75 ID:qxcGlSE/0
マミ(でも、こうやって誰かとはしゃぐのって久しぶりな気がするわね……大人になってからは騒ぐことなんてなかったし)

ラブやん「じゃあねー今日は楽しかったわ」

みのっち「今度は普通の料理食べにまた皆で行こうっス」

マミ「え、えぇ……私も今日は楽しかったわ…さようならラブやん、みのっち」

ラブやん「おっ?やっと呼んでくれたね」

マミ「?…何のこと?」

ラブやん「何って、あだ名よあだ名!マミちゃんったら全然呼んでくれないんだもの」

みのっち「皆呼んでるから抵抗ないかと思ってたっスよ。やっぱり呼んでくれた方が嬉しいっスね」

ラブやん「オオ、夕日をバックに何やら溢れんばかりの力を貰っている気がするわ…これが友情パゥワーってやつなのかしら!?」

ピカッ

マミ「みのっち、ラブやんが何を言ってるのかよく分からないのだけれど……」

みのっち「面倒なので突っ込みはなしっスよ?」

43: 2011/10/26(水) 09:38:51.22 ID:qxcGlSE/0
マミ「あらっ、いつの間にか友達になってる…?」

さくら「オメデトウゴザイマス、マミさん。元々好意を抱かレテいたようデスシ、今日ノ交流で一気ニ距離が縮まったようデスネ」

マミ「気が付いたらお友達になってる、のね……」

さくら「コレが友情ぱわーなのデスネ!」

マミ「感化されてるわよ」

みのっち「さて、あたしらもそろそろ帰るっスかね」

マミ「みのっちにも…セット」カチッ ピカッ

ラブやん「また明日ねー」


ラブやん「ところでみのっち、なんで体育会系みたいな口癖なわけ?一応同学年なのに」

みのっち「これが私の個性っスから」

ラブやん「ソ、ソウデスカ……」

44: 2011/10/26(水) 09:39:22.85 ID:qxcGlSE/0
マミ「……そういえば」

さくら「どうかシマシタ?」

マミ「二人の本名って結局何だったかしら……」

さくら「ズコー!」

マミ「古いわよ、それ」

さくら「まあ結果おーらいトいうやつデスネ…しかし一日で一気ニ5人も成立トハ、カナリノはいぺーすデスネ」

マミ「そうね、これなら100人も夢じゃない気がするわ!」

さくら「果たシテそうウマクいきマスかね……」

━現在友達6人━

46: 2011/10/26(水) 09:42:36.37 ID:qxcGlSE/0
翌日

マミ「あっ」

さくら「?ドウカなさいマシタカ?」

さやか「はっはっはー。まどかはあたしの嫁になるのだー!」

まどか「もう、さやかちゃんってばー」

仁美「まあ、いけませんわお二人とも」

キャッキャキャッキャ

マミ「……よかった…二人とも、ちゃんと生きてるのね……」グスン

さくら「ナルホド、ゴ自分に一緒に登校されるオ友達がいなかったコトを後悔なさっているのデスネ」ホロリ

マミ「違うわよ!……でも、ほんとによかったぁ……」

47: 2011/10/26(水) 09:44:16.98 ID:qxcGlSE/0
一週間後、暁美ほむら転校予定日の前日

マミ「はぁ……」ズーン

さくら「ドウカされマシタカ?何ヤラ暗い顔をしておりマスガ」

マミ「ちょっとね、今セットしてる子なんだけど……なかなか親愛度が上がらなくって」

さくら「どの方デスカ?」

マミ「委員長のメテ・ルーさん。帰国子女で成績も優秀
   ちょっと喋りが変だったり子供っぽい見た目だったりするけど、美人だから結構男子からの人気もあるのよ」

さくら「ナルホド…親愛度はマミさんが6割、ルーさんが3割といったところデスカ」

マミ「一緒に帰ったりお昼食べたり休み時間に話しかけたり、結構友達っぽいことしてると思うんだけどなあ……」

さくら「私ハ中立の立場なのでアマリ言イたくはありマセンガ、『友達』とシテ言わせて頂くナラ……」

さくら「マミさんの態度ニ少々問題がアルのデハないデショウカ」

49: 2011/10/26(水) 09:45:02.33 ID:qxcGlSE/0
マミ「私に?」

さくら「ソウデス。これ以上は言えマセンガ、モウ一度よく考えてみた方が良いト思いマス。何度も言いマスガ、ゆっくりでよろしいのデスヨ」

マミ(そうはいっても、もうすぐ暁美さんが転校してくるはず。そこから全てが始まるのだとしたら、うかうかなんかしていられないわ)

放課後

マミ「ルーさん、一緒に帰らない?」

ルー「ああ、別にかまわんが、そのルーさんというのはやめれ……普通に委員長で頼む」

マミ「ごめんねル…委員長」

マミ「じゃあ皆で帰りましょうか……って、あら?道明寺さんは?」

ラブやん「ああ、なんか見たいテレビがあるとか言って真っ先に帰って行ったわ」

マミ(道明寺さん、友達を作りやすいように気を使ってくれたのかな?)

50: 2011/10/26(水) 09:46:47.43 ID:qxcGlSE/0
ラブやん「じゃあ、あたしらこっちだから」

みのっち「また明日っス」

マミ「さようなら…さ、私達も帰りましょうか」

ルー「……そうじゃな」

マミ(暁美さんの転校日は確か明日のはず…なんとしても今日中にルーさんと友達に……)

ルー「なあマミ、一つ聞いてもいいかの?」

マミ「あら、なあに?」

ルー「何をそんなに焦っておるのじゃ?」

マミ「焦って…?私が?」

51: 2011/10/26(水) 09:47:54.58 ID:qxcGlSE/0
ルー「何か分からんが、私にはマミが随分焦っているように見えるというか、全然別のことばかり気にしているように見えるのじゃ」

ルー「それがどうして私と一緒にいようとしてくれることに繋がるのかは分からんがな……」

ルー「マミと話したり遊んだりするのは楽しいが、こっちをちゃんと見てくれんと、どうにもむず痒くてな」

マミ「あっ……」

ルー「良く分からんが、あまり無理をする必要はないと思うぞ…まあ、言えない理由があるんじゃろうが……な」

言い返せなかった

元々委員長を選んだのだって、人気があったから誰とでも友達になれるのではないか、という安易な理由だけだ

一緒にいても、委員長と本気で接したことなどなかったのかもしれない


ならば、私も本気で接する必要があるということ

52: 2011/10/26(水) 09:48:51.76 ID:qxcGlSE/0
マミ「……ねえ、委員長ってさ」

あれは昨日の夜のこと、魔女退治をした帰り道で、偶然ジョギングをしていた委員長を見かけたのだ
そして今まで一緒に食べた時に見た昼食が、全て控え目だったこと

これらのことを顧みれば、彼女が今何をしているかは明白である

マミ「ダイエットしてるでしょう?」

ルー「なっ…!?どうしてそれを!?」

マミ「お昼御飯はパン一個だし、それに夜はジョギングしてるみたいだし」

ルー「そんなことまで!?……ま、まあ、白状すると、そうじゃな。確かにしとるよ」

マミ「フフッ、やっぱりね」

ルー「笑うなー!マミはスタイルが良いからそんな風に笑えるんじゃ!」

マミ「えっ?そ、そんなことないわよ?///」

ルー「ヌヌゥ…自覚のないところがまた腹立たしい……」

53: 2011/10/26(水) 09:50:16.59 ID:qxcGlSE/0
マミ「本当だってば!……ちょっとこっちに来て」

物陰に隠れて、私はおもむろに委員長の腕を取ってお腹を掴ませた

ルー「えっ!?……あれ、意外と…柔らかい?」ムニィ

マミ「ね?///……その、ちょっと最近、甘い物食べすぎて危ないかなって思ってたのよ」

将来的に危ないことになることはなかったが、それでもやはり気になる物は気になるのだ

ルー「まさかじゃ…マミは胸以外に脂肪がいかない生き物かと思っとったぞ」

マミ「そんな生物いるわけないでしょ!もうっ!」

マミ「とにかく、ものは一つ相談なんだけど……」

56: 2011/10/26(水) 09:51:46.78 ID:qxcGlSE/0
その夜

マミ「お待たせ!家が近くてよかったわね……」

マミ「それじゃあ、張り切って走るわよ!」

ルー「そんなに気合入れると途中でばてるぞ……」

マミ「大丈夫よ、これでも結構運動には自信あるんだから」

これからできるだけ毎日、委員長のジョギングに付き合うつもりだ

その中で、心を開いていけたら、きっと友達になれると思うから……

魔法少女のことは、まだまだやりようはあるはずだ

とにかく今は、委員長と本気で向き合うことだけを考えようと思う

57: 2011/10/26(水) 09:53:01.53 ID:qxcGlSE/0
マミ「はぁ……ちょ、ちょっと待って委員長……はぁ、はぁ……」

マミ「ちょっと休んでいかない?」

ルー「早っ!?まだあんまり走っとらんぞ」

マミ「悪いけど…はぁ……あとから追いつくから、先に行っててくれない?」

ルー「……分かった、この先の公園で待っとるぞ」

マミ「フゥー…………さてと、こんな時にまで出てこないで貰いたいわね」シュパァァン

やはり魔女だった

ここで委員長を戦いに巻き込むわけにはいかない

vs芸術家の魔女

マミ「さっさと片付けてあげるわ!」

58: 2011/10/26(水) 09:54:18.11 ID:qxcGlSE/0
思っていたよりも、あっけなく蹴りがついた

長年の経験は、魔女を倒すのに必要十分な魔力を使った戦い方を教えてくれる

戦闘時間も、昔とは比べ物にならないほど早くなったと思う

マミ「ま、こんなところね」

それほど長い時間はかからなかったおかげで、委員長にも怪しまれずに済みそうだ

マミ「早く委員長のところに行かなくっちゃ……」

ルー「その必要はないぞ」

マミ「いっ、委員長!?どうして戻ってきて……」

ルー「何か隠しとるのは分かっとったからな
   マミのこと何か分かるんじゃないかと思って戻ってきてみれば……」

59: 2011/10/26(水) 09:55:16.75 ID:qxcGlSE/0
マミ「……ごめんなさい」

ルー「なんで謝るんじゃ?マミはあの化け物から街を守っとるんじゃろ?
   人にはとても言えそうにないし、仕方なかろう」

マミ「でも」

ルー「昼のことは気にせんでほしい、私もちょっと言い過ぎた…すまん」

マミ「……ううん、本気で言いたいことが言えるのはお友達の特権だもの
   委員長のことを見る余裕がなかった、私が悪かったのよ」

ルー「………まあ、なんじゃ、その……」

ルー「走るか」

マミ「……そうね」

またしばらく走った後、私達は集まった場所に戻ってきた

ルー「フゥ~、今日はこんなもんかの。誰かと走ると手が抜けんからいいのー」

マミ「確かに…私一人だったら絶対に諦めてたわね」

ルー「しかしあれじゃな……揺れとったな~」

マミ「何が?」

ルー「いや、別に」

60: 2011/10/26(水) 09:56:34.40 ID:qxcGlSE/0
ルー「じゃあ、私は帰るが…あのことは、やっぱり言わん方がいいんじゃろ?」

マミ「そうしてくれると助かるわ」

ルー「そう心配そうな顔をするでない。友達の秘密は守るのが当り前じゃろ?」

ピカッ

ルー「うおっまぶし!なんじゃあ今の光はぁ!?敵か!?」

マミ「……さあ、なんなのかしらね……」グスン

ルー「どうしたマミ、なぜ泣いておるのじゃ…?私なんかしたか?」

マミ「ううん、違うの…なんでもないのよ……」

こうして私達は友達になった
勿論これからも、ランニングには付き合うつもりだ
きっとそれが友達だと思うから……


さくら「マミさんマミさん、ポ○モンって面白いデスネ!今度一緒ニげーむを買いニ行きマショウ!」

マミ「…あれ、気を利かせたんじゃなくて本当に見たいテレビがあっただけなの!?」

━現在友達7人━

61: 2011/10/26(水) 09:57:56.22 ID:qxcGlSE/0
暁美ほむら転校の日、放課後

さくら「それで、一体コレカラ何が始まるんデス?」

マミ「ここが全ての始まりだったの、もうすぐ鹿目さんと美樹さんが魔法少女に関わる事件が起こるはず
   だから二人を見失わないように後をつけていたのに……」

マミ「道明寺さんのせいで見失っちゃったじゃない!いろんなものに目を奪われすぎよ!」

さくら「いやハヤ、スミマセン。コノ星にはトテモ珍しい物が沢山あるものデスカラ……
    思わず色々買ってしまいマシタ!」ズラー

マミ(QBには出歩かないように言ってあるから暁美さんに襲われることはないはず
   だから二人がQBの声を聞いて迷い込むことはないけれど、もし使い魔に襲われるようなら、私が……)

「きゃああぁぁぁああぁああああ!!!!」

マミ「!出たわね、使い魔!」

まどか「なんなのこれ…」

さやか「ヤバいよこれ、早く逃げよう!」

マミ「そこまでよ!二人とも動かないでね!!」シュパアァン

まどか「誰?」 さやか「変身した!?」

62: 2011/10/26(水) 10:00:15.20 ID:qxcGlSE/0
所詮使い魔だ、苦労することもなくあっさり倒すことができた
暁美さんはまだ来ていないようだ

さやか「なんだったんだ今の…」

さくら「うおおお!格好いいデス!私、始めてマミさんが魔法少女とシテ戦う雄姿を見たのデスガ、感動しマシタ!!」

まどか「マミさん…?」 さやか「魔法少女…?」

マミ「二人とも、怪我はない?
   ……あっ…うぅっ、良かったぁ、やっぱり生きてるんだぁ…」グスッ

まどか「ええっ!?あの、どうして泣いてるんですか!?あなたが助けてくれたから、何とか無事だったんですけど……」オロオロ

さやか「えっと、大丈夫ですか?そっちの人も、とりあえず慰めてあげてくださいよ!」

さくら「まあまあ、クヨクヨすんなよ」バシバシ

さやか「えぇ~、適当だなぁ~…」

二人がまだ生きていることは確認をしたから当たり前なのに、こうして会話をしただけで、思わず涙がこぼれた

ここ数日何度も話しかけようと思ったが、ずっと勇気が出せずにいたままだったから

結局今日二人を追いかけようやく話すことができて、やっぱり私は泣くことを止められなかった

63: 2011/10/26(水) 10:01:44.76 ID:qxcGlSE/0
ほむら「一体どういうことなの?QBもいないし、巴マミはそこで号泣しているし……」

まどか「あ、ほむらちゃん」

さやか「転校生まで!?っていうかなんなのその格好?コスプレ?」

マミ「暁美さんも無事だったのね~~!」グスン

ほむら「!?……どういうこと、どうして私の名前を知っているの?」

まどか「ほむらちゃん、この人と知り合いなの?」

ほむら「……いいえ、会ったことはないわ。その人の勘違いじゃないかしら」

さくら「そうなのデスカ?マミさん?」

マミ「……そうね…この世界では初めましてよね」フキフキ

まどか「あの、もう平気ですか?」

マミ「ありがとう鹿目まどかさん、それに美樹さやかさんも」

さやか「どぇ!?なんであたしらの名前まで!?」

64: 2011/10/26(水) 10:02:54.97 ID:qxcGlSE/0
マミ『暁美さん、聞こえてるでしょう?』

ほむら『……あなた、一体何者なの?本当に巴マミ?』

マミ『勿論そうよ。私のことを知りたかったら、後で話しましょう……夜の見滝原公園で待ってるから』

ほむら『その間に、二人を魔法少女に勧誘するつもりなの?』

マミ『そのことは、とりあえず保留にしておきましょう。私から誘うつもりはないわ』

ほむら『信じられないわ……一つだけ聞かせて。あなたは…私の敵なの?』

マミ「味方に決まってるでしょう……」

まどか「えっ?」

マミ「いいえ、なんでもないわ。とりあえず、二人とも今日は家に帰った方がいいわよ」

さやか「でも」

ほむら「大丈夫よ二人とも、その人はあなた達の味方らしいから」

さやか「いや、転校生に言われてもなんか信じられないっていうか…その前にこの状況について説明してよ!何がなんやらわけ分かんない!」

65: 2011/10/26(水) 10:04:32.61 ID:qxcGlSE/0
マミ「軽く説明すると……私達は魔法少女、世界に絶望を振りまく魔女を退治しているのよ」

さやか「まっさかー……さすがに嘘ですよね?」

まどか「でもさやかちゃん、さっきの見ちゃったら嘘とは思えないよ」

さやか「そりゃまあ確かに……」

マミ「信じるも信じないもあなた達次第よ
   どうしてももっと詳しく知りたかったら、明日放課後に、校門で待ってるから」

ほむら「!やはりあなたは……」

マミ「そこで全てを話してあげるわ……全てを、ね」

ほむら「……あなたがそのつもりなら、私も容赦しないから」ヒュン

さやか「あれ?転校生どこ行った?」

さくら「コレはスゴイ!瞬間移動してしまいマシタ!魔法少女とは本当に面白いデスネ」

まどか「ほむらちゃん…」

66: 2011/10/26(水) 10:05:55.87 ID:qxcGlSE/0
マミ「じゃあ、二人とも家まで送って行ってあげるから」シュパァン

まどか「あっ、同じ学校の人だったんですね」

マミ「ええ。見滝原中の三年生、巴マミよ。こちらが同じクラスの道明寺さくらさん」

さくら「ドウゾよろしくお願いシマス」

まどか「お二人とも先輩だったんですか…私、鹿目まどかです」

さやか「あたし美樹さやかっていいます!って、なんだか私達のこと知ってる風でしたけど……」

マミ「勿論知ってるわ。だって……」

言いかけた口を閉じてしまった
ここで未来から来た事を言うのはまだ早い、暁美さんとしっかり話し合ってからにしなければ

マミ「それは秘密。明日、もしかしたら教えてあげるかもね」

さやか「ええー、もしかしたらって何ですか!」

マミ「いろいろと事情があるのよ。さ、二人とも帰りましょう!」

67: 2011/10/26(水) 10:07:34.90 ID:qxcGlSE/0
夜、見滝原公園

マミ「あら、随分と早かったわね。じゃあ道明寺さん、悪いんだけど二人っきりにしてもらえないかしら」

さくら「分かりマシタ、健闘をオ祈りしておきマス」スタスタ

ほむら「……彼女は何者なの?夕方にも一緒にいたけれど」

マミ「ふふ、ただの友達よ……そんなに殺気を放たないでよ、私は何も争うつもりはないのだから」

ほむら「単刀直入に聞くわ…あなたは誰なの?」

マミ「見滝原中の三年生巴マミ、QBと契約した魔法少女……と、ここまではあなたの知っている通りの巴マミよ」

マミ「ただし、中身は私であって私じゃない……私は15年後の未来から来たの」

ほむら「!?何を言ってるの……ふざけると容赦しないわ」チャキ

マミ「一ヶ月後、この町にワルプルギスの夜が来るでしょう?」

ほむら「そんなもの、調べればいくらでも知ることができるわ」

マミ「あなたの能力も知っているわ、時間遡行の魔法よね?それに、時間停止ではとても私に勝ち目はない……」

ほむら「…………」

68: 2011/10/26(水) 10:08:37.41 ID:qxcGlSE/0
マミ「ふぅ~、今になって暁美さんの気持ちがよく分かるわ
   確かに『未来から来た』なんて言っても全然信じてもらえないわね」

ほむら「?そんなこと、私は言ってな――」

マミ「私の世界では言ってくれたわ……魔法少女の、カラクリと一緒にね」

ほむら「なっ!?」

マミ「ソウルジェムは私達の魂の器。魔力が尽きるか絶望が溜まり完全に濁りきってしまえば、私達は魔女になる」

ほむら「……QBに、聞いたのね…?」

マミ「この世界のQBではないわよ…それに、実際に美樹さんが魔女になってしまうところも見たわ」

ほむら「バカな…ありえないわ、そんなこと……そんなこと、不可能に決まってるじゃない!」

マミ「暁美さんが今から一ヶ月後の未来から来た事も、どうして戻ってきているのかも勿論知ってるわ」

ほむら「えっ…?」

マミ「鹿目さんを救うため、よね」

ほむら「…………」

70: 2011/10/26(水) 10:09:48.03 ID:qxcGlSE/0
随分と長い沈黙が流れた

暁美さんは途中から俯いたまま、じっと動かなかった

ほむら「……仮に…仮にその話が本当だとして、どうしてその話を私にするの?あなたの目的は何?」

マミ「一つはあなたと同じ、一ヶ月後の悲劇を防ぐため」

マミ「そしてもう一つは、暁美さん……」

マミ「あなたともう一度お友達になるためよ」カチッ

ほむら「……何を言ってるの?」

マミ「少し、昔話をしましょうか…暁美さんは、もう覚えていないかもしれないけれど……」

72: 2011/10/26(水) 10:10:59.20 ID:qxcGlSE/0
~~~~~~~~~~
とある時間軸にて

街は水に浸り建物はすべて崩壊して、元々そこに街など無かったかのような壊滅状態だった

私は絶望に打ちひしがれながら、暁美さんが孵化しそうな鹿目さんのソウルジェムを破壊するところを見ていた
やがて、顔をぐしゃぐしゃに濡らした暁美さんが私のもとに歩んできた

泣いているせいなのか雨のせいなのか、声を聞くまでは分からなかった

ほむら「あなたのソウルジェム…もはや濁りすぎていつ魔女になってもおかしくないわ」

やっぱり、泣いていた

ほむら「だから…そうなる前に私が、壊してあげる……」

マミ「暁美さんは……暁美さんは、どうするつもりなの…?」

ほむら「私は繰り返す…もう一度やり直す……だからきっと、この世界から私はいなくなるわ」

マミ「そうだったわね…暁美さんなら、こんな結末を、変えられるのよね……」

ほむら「早くして……これ以上は限界のはずよ」

私は、そっとソウルジェムを差し出した

73: 2011/10/26(水) 10:12:18.00 ID:qxcGlSE/0
ほむら「必ず、次の世界ではこの結末を変えてみせるから……」

マミ「ねえ、待って…………」


マミ「グリーフシード、持ってないかしら?」

ほむら「……無駄よ、これ以上生きていたって、あなたではとても」

マミ「いいから!!!」

ほむら「!」

私に威圧されたのか、暁美さんは素直にグリーフシードを差し出してくれた

マミ「私が美樹さんと佐倉さんのことで魔女になりそうだった時も、こうやってグリーフシードを渡してくれたわよね……」

ほむら「あれは、ただあなたに魔女になられるよりは、ましだと思って……」

マミ「だったら、さっさとソウルジェム撃てばよかったのよ……あなたなら簡単にできた」

マミ「でもしなかった……」

74: 2011/10/26(水) 10:14:40.60 ID:qxcGlSE/0
マミ「魔法少女の真実を話してくれた時、初めは全然あなたのことを信じてあげられなかった……
   ごめんなさい、あなたは私達を信じて話してくれたのに」

マミ「……あなたを信じてあげられなかったばっかりに、こんな…うぅっ…こんなことになっちゃって……」グスッ

ほむら「……もういいの、その話は終わったことだから」

マミ「だからね……今度こそ私は、あなたを信じてみたいの」

マミ「あなたがどこか別の世界を救ってくれること、こんな結末を変えてくれることを」

マミ「ひょっとしたら、何度も繰り返すうちに、誰も信じられなくなってしまうかもしれない…私のことも、当然ね……」

マミ「それでも、私はあなたを信じることに決めたわ」

ほむら「……なんで……もう、私が何をやっても…何をやってもっ、マミさんには関係なんてないのに……

ほむら「どうして……どうして私を信じようとするの!?」グスッ

マミ「……ありがとう。やっと皆みたいに呼んでくれたわね……私の名前を」

75: 2011/10/26(水) 10:15:28.42 ID:qxcGlSE/0
マミ「言ったでしょ?あなたと、あなたの救う世界を信じると絶対に決めたの
   そこに希望があるって信じてる限り、私はずっと生きていくから……」

マミ「だから、もう泣かないで?それに、私のことは気にしないで……どうせあなたにとっては、もう終る世界だもの…」

ほむら「ごめんなさい……ごめんなさい、マミさん……」

私の胸元で泣きじゃくる暁美さんを撫でながら、私も上を向いて泣いていた

マミ「さあ、もう行って……早くしないと、戻れなくなるんでしょ?」

ほむら「はい…ありがとうございます……ごめんなさい、こんな結末になっちゃって……」

涙を拭って、暁美さんは盾に手を掛けた

ほむら「本当に、ごめんなさい」

マミ「謝らないで?暁美さんのせいじゃないわ……私は大丈夫だから」

マミ「いってらっしゃい…できれば、また皆と仲良くしてあげてね?」

ほむら「……行ってきます……必ず、この結末を変えてみせます」

カチリ、と音を立て、暁美さんは消えてしまった
~~~~~~~~~~

86: 2011/10/26(水) 10:53:51.64 ID:qxcGlSE/0
マミ「暁美さんは災害で行方不明扱いとなって、ずっとそのままだったわ」

マミ「私の場合は、しばらく何もできないくらいひどい状態だったわ
   ご飯も碌に食べず学校にも行かず……ソウルジェムも結構危なかったわね」

マミ「そんな状態にあっても、今もどこかで暁美さんは頑張ってる…あったかもしれない世界を守るために戦ってるって……」

マミ「だから私も諦めなかった」

マミ「何度も何度も氏のうと思って、その度にあなたや鹿目さん達のことを思い出して……
   『あなたを信じる』、それが私の決意」

マミ「それが、たった一つだけ最後に残った、道しるべだったの」

ほむら「!…………」

マミ「私の世界は変わらなくてもいい、ただ暁美さんが笑っていられる世界を見つけられればそれでいいって思ってきたの」

ほむら「……そう…………そんなことも、あったのかもしれないわね」

マミ「やっぱり、暁美さんにとっては気の遠くなるような昔のことだから、もう覚えてもらってないかな?……」

マミ「暁美さんは、私の生きた15年よりも長く生きているの?」

ほむら「さあ……数えるのなんて、途中でやめたから」

87: 2011/10/26(水) 10:54:34.08 ID:qxcGlSE/0
マミ「他の世界の私はどうだった?ちゃんと先輩っぽくやってくれてた?」

ほむら「そうね……正直に言わせてもらうなら」

ほむら「無理にまどか達を勧誘したり、まどか達の前で魔女に食べられてトラウマを植えつけたり、
    魔法少女の真実を知って発狂して佐倉さんを頃したり、私を殺そうとしたり……
    それはもうひどかったわ」

マミ「あら……随分な言われようね」

ほむら「全て事実よ」

マミ「その様子だと……やっぱり私のことも信じられなくなっちゃったのかしら?」

ほむら「ええ、あなたが取り乱すから信じるのを諦めようと思ったくらいだわ」

マミ「……ふふっ、ホント、随分嫌われちゃってるのね」

ほむら「……どうして笑っていられるの?あなたの言う通り、私はあなたをまだ信用していないというのに」

マミ「可愛い後輩に多少嫌われたって余裕を見せる……それが大人の対応よ」

マミ「それに私、暁美さんのこと結構好きだもの」

ほむら「なっ!?」カァ

89: 2011/10/26(水) 10:56:00.41 ID:qxcGlSE/0
ほむら「なぁなな何を言ってるの!?わた、私達は女の子同士であって、あなたのこと、を、けっ決してそんな風には……」アセアセ

マミ「やあねえ暁美さん、好きっていうのはお友達としてって意味よ?
   ひょっとして……男女の好き、みたいなものだと思った?」

ほむら「!?べ、別にそういうわけじゃ……」

マミ「そうやって必氏に否定するところがますます可愛いわね」

ほむら「か、からかわないで!」

マミ「あはは、ごめんなさい……ねえ、暁美さん」

ほむら「な、何かしら…?」

マミ「私、将来教師になって、眼鏡をかけるようになるの

マミ「暁美さんに一度見せてもらった昔かけてたっていう赤い縁の眼鏡…あれにそっくりな……」

マミ「それを見るたびに、あなたのことを思い出して、いろんなことを乗り越えてきた」

マミ「私の世界ではみんな氏んでしまった……
   でも、暁美さんは違うわ。私の世界の暁美さんと同じなのよね、ずっと」

ほむら「私は……」

91: 2011/10/26(水) 10:57:06.09 ID:qxcGlSE/0
マミ「私は暁美さんの味方よ」

ほむら「っ…!」

マミ「あなたがまだ私を信じてくれていなくても、いつまでも変わらず、あなたの味方だから…だから……」

マミ「いつでも私を頼ってね?私は、ずっとあなたの先輩で、お友達なんだから」

ほむら「マミさん…!」 ピピピピピ

カッ

ほむら「マミさん!マミさんっ!」ダキィ

マミ「暁美さん!……ありがとう…私達、本当にまた、お友達になれたわね」グスン

ほむら「うぁあぁああっ、うわあああぁっああぁあぁぁぁん!!」

夜の公園で、二人抱きあって泣き続けた
友達になれたことも勿論、一緒に戦える仲間ができて、本当によかった

これからのことを二人で話し合っていけたら、

それはとっても嬉しいことよね……と、思ってしまうのだ

━現在友達8人━

92: 2011/10/26(水) 10:58:02.28 ID:qxcGlSE/0
翌日昼休み

ほむら「何かしら巴マミ?話って」

マミ「あらあら、せっかく仲良くなれたと思ったのに、結構素っ気ない態度をとってくれるのね?」

マミ「昨日みたいに、マミさんって呼んでくれてもいいのに」

ほむら「別に、もう今の私に慣れてしまっただけよ」

マミ「まあそれはいいとして……鹿目さんと美樹さんのことなんだけど、
   今日の放課後魔法少女のことを知りたがって私を待っていたら……」

マミ「全て話そうと思うの」

ほむら「全てって……まさか、ソウルジェムのことも?」

マミ「勿論、QBのことも彼らの目的も……全て」

93: 2011/10/26(水) 10:59:16.00 ID:qxcGlSE/0
ほむら「それで彼女達が魔法少女を諦めると思っているの?私は何度かそうしたこともあった……」

ほむら「でも結局、彼女達は叶えたい願いのために魔法少女を選んできたわ」

マミ「そこなのよね……結局、なりたいかどうかは彼女達次第なんだから、私達が止められるわけじゃないのよね」

マミ「二人の様子はどうだった?昨日のこと聞きたがってた?」

ほむら「ええ勿論…やたら二人に話しかけられて、正直戸惑ったわ」

マミ「やっぱりね……QBもいるし、これが運命ってやつなのかしらね……」

94: 2011/10/26(水) 11:00:38.03 ID:qxcGlSE/0
マミ「でも、できるだけ契約させないように頑張りましょう」

ほむら「そうね……私も協力するわ」

ほむら「ま………」

マミ「?」

ほむら「……マミさん」ボソッ

マミ「!……ふふ、ありがとう暁美さん」

ほむら「だから、その、私のことは…………」

ほむら「…ほむらで、いいわよ……」カアァ

マミ「あら……分かったわ、ほ・む・ら・ちゃん!」

ほむら「――っ!?もう///やっぱりいつも通り暁美さんでいいわよ!」

マミ「何よ、それじゃあ不公平じゃない?」

ほむら「いいったらいいのよ!」プイッ

96: 2011/10/26(水) 11:02:20.82 ID:qxcGlSE/0
放課後、マミの家

マミ「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」

まどか「お邪魔します……うわぁ素敵なお部屋」

さやか「お邪魔しまーす……それにしても転校生までついてくるとは…今度こそバッチリ説明してくれるんだよね?」

ほむら「そうね、そのつもりよ」

さくら「マミさん、今日はアノ桜餅ハないのデスカ?」

マミ「残念だけど、今日は別のやつよ」

さくら「ソレは残念デス!まあ私は甘い物ナラ何でも大歓迎デスけどネ!」

ほむら「マミさん、どうしてこの人までついてくるの?」

マミ「心配しなくても、彼女も魔法少女のことは知っているし二人を誘うつもりはないはずよ」

ほむら「そうだとしても、彼女は一般人じゃ……」

マミ「それについては、また今度話してあげるわ……今日はそれよりこっちの話ね」

97: 2011/10/26(水) 11:03:15.82 ID:qxcGlSE/0
さやか「いよっ、待ってました!」

マミ「魔法少女っていうのはね――」

まずは一通り、魔法少女の表向きについて話す

さやか「願い事をなんでもか~、金銀財宝とか不老不氏とかあんなこともこんなことも!」

まどか「それじゃあほむらちゃんも、ソウルジェム持ってるんだね」

ほむら「ええ、これがそうよ……ただし、このソウルジェムには秘密があるの……」

まどか「秘密?」

マミ「ここからが、QBが語らない魔法少女の本当の姿……」

ソウルジェムの性質、魂の器であることや魔女になることを話す

まどか「そんな…なんてひどいことを……」

さやか「それじゃあ、もうマミさんも転校生も、もうゾンビみたいなものだってことですか?」

ほむら「……その通り、私達はもはや人ではないの」

98: 2011/10/26(水) 11:04:35.40 ID:qxcGlSE/0
マミ「信じられないようなら、これが私達の魂である証明をしてあげるわ」

ほむら「!マミさん、まさか」

マミ「ソウルジェムから100メートルほど離れてしまうと、私達は氏んでしまうの……それをやってみせましょう」

まどか「そんな、危ないんじゃ……」

マミ「大丈夫よ、またこの手に戻ってくれば生き返ることができるから…暁美さん、私のソウルジェムをお願いね」

ほむら「いいの…?」

マミ「二人に同級生が氏ぬところなんて、見せられないわよ」

ほむら「……分かったわ、行ってくる」スクッ

ガチャッ バタン

さくら「マミさん、ちなみにモシ生き返られナカッタら試験終了となりマスノデあしからず」

マミ「平気だってば、暁美さんはちゃんと戻ってくるわよ」

さやか「そういえば、いつの間に二人とも仲良くなったんですか?なんか昨日に比べてフレンドリーというか……」

マミ「それはきの――」

99: 2011/10/26(水) 11:05:40.86 ID:qxcGlSE/0
暁美さんの声が聞こえる
朦朧とした意識が次第にはっきりしてきて、私は本当に氏んでいたのだと知った
そういえば、氏んだのはこれが初めてだった

当たり前ではあるけれど

マミ「う、んっ…………ほら、この通り元通りに――」

ほむら「マミさん!」ガバァ

マミ「…って、あの、みんな平気?」

まどか「あ、えっと、その……」

さやか「マミさんの言うとおり、確かに氏んでました……」

マミ「そう…分かったでしょう?これが魔法少女なのよ……ソウルジェムが砕けるだけでも私達は氏んでしまうの」

さくら「うぅ、なんて可哀相なオ話なのデショウ…生きテテ本当に良かったデス」オイオイ

マミ「あなたは知ってたでしょう……」

さやか「なんでこんなこと非人道的なできるんですか!?その、きゅーべーとかいう奴は!」

マミ「彼らには感情がないって、自分で言ってるからね」

100: 2011/10/26(水) 11:06:44.79 ID:qxcGlSE/0
マミ「これで分かったでしょう?あなた達が踏み込んではいけない世界なの」

ほむら「マミさんの言う通りよ」

さやか「でも、二人は契約したんでしょ?」

ほむら「知っていたなら契約していなかったかもしれないわよ」

まどか「そうだよね……こんな怖いことになるんなら、契約なんかしないよね」

さくら「コノ星には、怖いもの見たさトいう言葉があるそうデスネ?」

マミ「なんで今言うのよ!」

マミ「でも確かに……人でなくなって、命の危険を冒してもなお叶えたい願いがあれば、話は別かもしれないけどね」

ほむら「マミさん!?あなた――」

さやか「あの!!魔法少女の戦い、見せてもらえませんか!?」

103: 2011/10/26(水) 11:07:56.90 ID:qxcGlSE/0
マミ「危険よ。やめた方がいいわ」

さやか「でも、やっぱり気になるっていうか……まだ決まってはないんですけど、願い事があるかもしれないし」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「大丈夫だよ、マミさんに転校生もついてるんだもん……お願いします!一回でいいんです!!」

マミ「……私はいいわよ」

ほむら「マミさん!」

マミ「暁美さん、あなたはどう?」

ほむら「私はあくまで反対よ」

ほむら『何か策でもあるの?』

マミ『うまくいくかは分からないけど、例えば私がぼろぼろに負ける姿を見せるとかどう?』

ほむら『……なるほど、危険だということを見せつけられるし、魔法少女に幻滅するかもしれないわね』

マミ『あの頃は幻滅なんてされたくないって思ってたのに……皮肉なものね』

104: 2011/10/26(水) 11:09:00.11 ID:qxcGlSE/0
ほむら「いいわ、そこまで言うのならついてきて」

さやか「ありがとう」

さやか「でも、その前に一つ聞きたいんだけど……」

さやか「どうしてそこまでして止めてくれるの?あたし達の名前を知ってたことと、何か関係があるの?」

マミ「それは……」

ほむら「悪いけど、それはまだ教えられないわ……時が来たら、いずれ必ず言うから」

さやか「……分かった、とりあえず二人の戦いっぷりを見せて貰おうじゃんか」

マミ「ありがとう、美樹さん」

105: 2011/10/26(水) 11:10:10.93 ID:qxcGlSE/0
まどか「あの、私も行くよ、さやかちゃん」

さやか「平気なの、まどか?たぶん、結構怖い思いすると思うよ」

まどか「ううん、さやかちゃん一人に怖い思いさせる方がよっぽど怖いよ、私」

さやか「ありがとう、まどか」

さくら「イヤハヤ、素晴らしい友情デスネ!これも愛の為せる技なのデスカネ?」

まどか「愛ッ!?」

さやか「そんな大層なもんじゃ……」

マミ「いえ、結構そういうものよ……愛っていうのは」

ほむら「……もういいかしら?早く行きましょう」

マミ『妬いてるの?』

ほむら『……馬鹿言わないで…!』

さくら「美しいデスネ~」キラキラ

108: 2011/10/26(水) 11:13:02.53 ID:qxcGlSE/0
vs薔薇の魔女 エェーエーエーェー エェーエーエーェー♪

さやか「あれが魔女……グロテスクだなー」 イーツーカ キミガ ヒトミニ トモス♪

さくら「ホホゥ、中々興味深いふぉるむデスネ!」 アイノ ヒカリーガ トーキーヲコーエーテ♪

マミ「これから私が戦って、三人は暁美さんに守ってもらうわ……
   どれだけ危険な戦いか、よく見ておいてね」 ホーロービイソグ セカイノ ユメヲ タシカニ ヒトツ♪

戦闘を開始する
氏なない程度に攻撃を受けつつ、こちらも魔女にダメージを与えていく
もっとも、全力でやらなければ本当に氏んでしまうかもしれないので、いざとなったら必殺技で始末するしかない

マミ(そろそろまずいわね…こうなったら………アレ、でとどめを刺してあげるわ!) オトギバナーシヲー シンージター♪

魔女をリボンで捕獲し、巨大な砲台を作り上げる

マミ「……ハアァッ!!!!」ドシュゥーーン

魔女は消滅し、結界は解かれグリーフシードを手に入れる

マミ「はぁはぁ……分かった?これが、魔法少女なのよ」 ネーガーイー♪

まどか「カッコいい…」ホケー

マミ「……えっ?」

115: 2011/10/26(水) 11:25:57.08 ID:qxcGlSE/0
マミ「ね?危険だったでしょ?だから、魔法少女なんて目指すようなものじゃないのよ…?」 イーツーカ キミガ ヒトミニ トモス♪

マミ「っていうか、BGM流さないでよ!」 アイノ ヒカポチッ

さくら「スイマセン、先日買ったしーでぃートイウ物に興味があったノデ」

マミ「だからってなんで戦ってる最中に……」

さくら「しかし人間という生き物は面白いデス!音楽という概念は、人間の生み出した文化の極みデスネ!」

マミ「そ、そうかしら?」

マミ「とにかく二人とも、魔法少女なんて碌なものじゃないって分かってくれたかしら?」

まどさや「そう、ですね……」

マミ(あら?歯切れが悪いわね……もうちょっとやられとくべきだったかしら…?)

QB「おや、今日はずいぶんと大所帯だねマミ」

マミ「QB!」

さやか「なっ!こいつか!マミさんや転校生を騙くらかしたQBってやつは!」

117: 2011/10/26(水) 11:39:23.71 ID:qxcGlSE/0
QB「騙すとは失礼だな、僕らは宇宙のためを思ってだね……」

ほむら「戯言を抜かさないで……それ以上言うと撃つわよ」チャキン

マミ「待って暁美さん…QBを頃しても意味はないでしょう」

ほむら「でも」

QB「君が暁美ほむらか…おかしいね、僕は君と契約した記憶はないんだけどなあ……マミは彼女について教えてくれないのかい?」

マミ「あなたなら自分で気づけるはずよ」

QB「なるほど、そういうつもりなんだね……」

QB「そして美樹さやかと鹿目まどかか……どうやら二人とも魔法少女の素質があるみたいだね」

マミ「残念だけれど、二人には魔法少女のことは全部話してあるから、契約しようとしても無駄だと思うわよ」

QB「……分かったよ、僕としては善意でやってあげていることなんだけど、マミがそういうなら仕方ない…今日のところは引き上げるよ」

さくら「一昨日来やがれってんダ!」

マミ「そういうのどこで覚えてくるの?」

119: 2011/10/26(水) 11:40:56.59 ID:qxcGlSE/0
マミ「とにかく、もう魔法少女になろうなんて考えない方がいいわよ」

まどか「分かりました……」

さやか「そうですね、願い事の代償は、ちょっと大きすぎる気もしますし……」

マミ「その代わりってわけでも全然ないんだけど、二人とも、私のお友達になってくれないかしら?」

まどか「友達…ですか?」

マミ「せっかく知り合えたんですもの、良かったらこれからもお付き合いしてほしいかな、って思ってるんだけれど……
   どうかしら?」

さやか「はい、私達でよければ!」

まどか「是非なりましょう!」

マミ「ありがとう、二人とも!…セット!」カチッ

120: 2011/10/26(水) 11:41:45.09 ID:qxcGlSE/0
帰り道

マミ「うーん…鹿目さんの親愛度が6割程度か……ま、いきなり変な先輩に友達になってくれって言われても普通は困るわよね」

ほむら「ねえマミさん、聞きたいことがあるのだけれど」

マミ「えっ?ああ!道明寺さんのことね」

ほむら「いえ、そうじゃなくって……」

マミ「暁美さんになら話した方がいいかしらね、私がどうして未来から来たのかを……構わない?道明寺さん?」

さくら「私ハ構いマセンよ。未来から来たナドトいう話が通じるノハ非常に珍しいけーすデスシネ」

道明寺さんが宇宙人であること、この世界で友達を100人作らなければならないことを話した

さくら「地球のためトハイエわざわざ過去に……本当ニお疲れ様デス」

マミ「いや、連れてきたのあなた達でしょう」

ほむら「そういうことだったの……ところでマミさん」

マミ「なあに?まだ何かあるの?」

ほむら「『ティロ・フィナーレ』はどうしたんですか?」

121: 2011/10/26(水) 11:42:59.76 ID:qxcGlSE/0
マミ「…………さ、さあ……なんのことかしら…?」

さくら「なんデスそれは!?一体どういうものなのデスカ!?」

ほむら「マミさんが最後に放った大技があったでしょう?あれには『ティロ・フィナーレ』という技名がついていて、
    どの時間軸でもマミさんは必ずそれを叫んでいたのよ」

さくら「オオ!格好いいデスネ!?一体どんな意味が込めラレテいるのデスカ?」

ほむら「『最後の射撃』という意味だそうよ」

マミ「ちょっ!?……あの…暁美、さん……?」

さくら「益々格好いいじゃないデスカ!!どうして叫ばれなかったのデスカ?」

マミ「いや、だって、私ほんとは30歳よ?この歳でさすがに技の名前を叫ぶというのは……ちょっとね」

ほむら「マミさん、今は中三なのよ?気にしなくてもいいかと……まあ、中三でもどうかとは」

マミ「それ以上言わないで!」

さくら「私は素敵ダト思いマスヨ!是非次の戦いデハ叫んで頂きたいデスネ!」

マミ(恥ずかしい///……若気の至りって、怖いわ……)

123: 2011/10/26(水) 11:45:27.74 ID:qxcGlSE/0
マミ「はぁ~、今日は疲れたわね……そういえば、昔いろいろ書いたノートがまだ残ってた気がするわ……」

マミ「……今度捨てておきましょうか」

マミ「それにしても、鹿目さんとはどうすれば友達になれるのかしら…私の元々の世界では確か……」

~~~~~~~~~~
「マミさん!カッコいいです!」

「こんな私でもマミさんみたいになれますかね?」

「マミさんみたいなカッコいい技が欲しいな~……なんて、まだ魔法少女じゃないんですけどね」テヘッ

「スーパー…いやいやどうせならハイパー……」ブツブツ

まどか「きゃっ!もうマミさん!勝手に覗かないでくださいよ~」ウゥ

「えっ!?一緒にですか?……いえ、ぜひお願いしたいです!」
~~~~~~~~~~

マミ「……まさか…ね……」

124: 2011/10/26(水) 11:46:53.66 ID:qxcGlSE/0
翌日

マミ「ごめん二人とも!昨日あんなこと言っといてなんだけど、今日も魔女退治に付き合ってくれないかしら!?」

まどか「私は大丈夫ですけど……さやかちゃんはどうする?」

さやか「そりゃまあ、今日は暇ですし構いませんけど……」

マミ「ホント!?ありがとう二人とも!」

ほむら「……」ジトー

マミ『……ごめんなさい、言いたいことは分かってるから!これっきりだから!』

ほむら『あまり二人に幻想を抱かせないようにね……頼むわよ?』

マミ(難しいかもしれない……)

さくら「ソレデハ皆デれっつごーデス!」

vs暗闇の魔女

マミ(昨日みたいにまずはやられておかないと……)

マミ(――来たっ!!勇気を出すのよ巴マミ!恥を捨てるのよ……巴マミ!!!)

マミ「これでとどめよ!!!ティロ・フィナーレ!!!!!」ボシュゥーーン

125: 2011/10/26(水) 11:48:14.66 ID:qxcGlSE/0
さくら「オオ!これがアノ『てぃろ・ふぃなーれ』というヤツデスネ!」

まどか「かっ……」 ピピピピピ

まどか「カッコいい…!」

カッ


マミ「ふぅ……ど、どうだった?今日の戦いも氏にかけたでしょう?だからやっぱり魔法少女には……」

さやか「でも、昨日よりすごかったですよ!特に最後のやつとか!」

マミ「えっ」

ほむら「そ、そうね…昨日より良かったと思うわ……」プルプル

マミ「笑いを堪えるほど!?」ガーン

まどか「マミさん……凄かったです!」

マミ「あ、ありがとう……その言葉だけで何とか勇気を出した甲斐があったというものよ」ホロリ

126: 2011/10/26(水) 11:49:36.60 ID:qxcGlSE/0
マミ「それじゃあ二人とも気をつけてね」フリフリ

さくら「イヤア!素晴らしかったデスネ!次も是非叫びマショウ!」

マミ「できたら遠慮したいわ」

ほむら「やっぱりあれがないと、マミさんって感じがしないわね」

マミ「もういいの!とにかく、これで鹿目さんとはお友達になれたし…って、私ったら美樹さんにセットするの忘れてたわ……」

ほむら「彼女も『ティロ・フィナーレ』にいい印象を持っていたようだから、すぐ友達になれると思うわよ」

マミ「そうね……ほむほむの言うとおりね」ニヤリ

ほむら「ほむっ!?」

さくら「ソウソウ、前カラ思っていたのデスガ、私のこともソロソロ『さくらちゃん』と呼ンデ頂いて欲しいのデスガ」

マミ「ええ、いいわよさくらちゃん!」

ほむら「マミさん、ほむほむは絶対にやめてください」

マミ「えぇ~?どうしようかしらね~?」

ほむら「勘弁してくれませんか」

━現在友達9人━

132: 2011/10/26(水) 12:18:22.06 ID:qxcGlSE/0
キリがいいから飯にしてくる
さるさんうざくて泣きそう

139: 2011/10/26(水) 13:19:45.71 ID:qxcGlSE/0
後日

マミ「美樹さんが魔女の結界に!?そんな、一人じゃ……QBも一緒なの?分かったわ、すぐに行くから待っててね」ピッ

マミ「ほむほむ、鹿目さんからの電話の通りよ。すぐ見滝原病院に行きましょう!このままだとQBに勧誘されちゃうかもしれないわ」

ほむら「その名前で呼ばないで」

タッタッタ

ほむら「ところでマミさん、そのことで一つ忠告があるの……
    今までループしてきた世界のほとんどで、マミさんはその魔女に殺されているわ」

マミ「私が!?そんなに強力な魔女なの?」

ほむら「ええ…でも、マミさんが油断しなければ勝てる相手だし、今回は私もいるから問題はないはず」

さくら「ソレはいけマセンねえ」シュタッ

マミ「さくらちゃん!いたの?」

さくら「観察対象者を氏なせるワケにはいきマセンから、私も同行しマショウ」

マミ「気をつけてね……そんなに強力なら、守りきれるかどうか分からないから」

さくら「御心配には及びマセンよ」

140: 2011/10/26(水) 13:20:08.49 ID:qxcGlSE/0
vsお菓子の魔女

まどか「さやかちゃん!大丈夫!?」

さやか「まどか!皆も、来てくれたんだ」

QB「ギリギリだよマミ、ちょうど今魔女が孵化するみたいだ」

マミ「ふぅ…間に合ってよかったわ、美樹さんがQBと契約しちゃうんじゃないかと思った」

さやか「私は大丈夫です……それより、早く魔女をやっつけちゃってください!」

シャルロッテ「……」ドーン

マミ「あれが私を……強そうには見えないけど、油断は禁物なのよね…行くわよ暁美さん!」

ほむら「ええ」

戦闘を開始する……が、どうにもおかしい
全く抵抗する気配も攻撃する気配も感じられない

マミ「ならこれでどう!ティ…ティロ・フィナーレ!」ボシュゥーーン

ほむら「マミさん気をつけて!」

マミ「はっ!?」

141: 2011/10/26(水) 13:21:34.20 ID:qxcGlSE/0
気がつけば目前にまで迫っている形態を変えた魔女
しかし次の手は打ってある、既に出しておいたマスケット銃で牽制しつつ距離をとる

――つもりだったのだが、気がつけば目の前で大爆発が起こっていた

マミ「きゃあ!」カチッ

どうやら暁美さんの仕業のようだ

ほむら「大丈夫ですか、マミさん?」

マミ「もう、爆発させるならそう言ってくれないと…かつての美樹さんの気持ちがちょっと分かったわ……」

ほむら「あれがやつの本性よ。一気に叩けば問題なく倒せるはず」

マミ「オーケー!二人なら何とかなりそうね」

さくら「マミさんマミさん」ツンツン

マミ「さくらちゃん!ここは危険よ、二人と一緒に隠れてないと……」

さくら「ソレよりかうんたーを見た方がいいデスヨ」

マミ「カウンターを?……って……えっ?何、これ…?」

142: 2011/10/26(水) 13:22:53.97 ID:qxcGlSE/0
いつの間にか友達候補がセットされている
その相手とは、まさか……

さくら「どうやらアノ魔女のようデスネ」

マミ「えええぇええぇぇぇええええぇぇええええぇぇええぇぇえぇ!?!?」

さくら「アノ魔女が倒されてしまえバ、友達候補の氏亡にヨリ試験失格となりマスのでご注意を……」

マミ「……これ、セットの変更は…?」

さくら「不可能デス。友達とは本来選ぶものデハありマセンので」キッパリ

ほむら「これで終わりよ…!」スッ

マミ「暁美さん!ストップスト―プ!!」

ほむら「なっ…何なの?これから魔女にとどめを……」

マミ「これ見てこれ!あの魔女を頃しちゃ駄目なのよ!」

ほむら「なっ……あなたはどこまで愚かなの?」

さくら「恐らくアノ爆発のセイだと思いマスガ……」

143: 2011/10/26(水) 13:23:51.09 ID:qxcGlSE/0
シャルロッテ「グアアアン」

ほむら「しまった!間に合わ――」

カチーーーーン

ほむら「……あれっ?私はまだ時を止めてはいないのに、止まってる……?」

さくら「ヤレヤレ……時間停止(たいむろっく)」

ほむら「まさか、あなたが?」

さくら「ええソウデス。ココで観察対象者に氏なれるワケにはいきマセンから」

さくら「ちょっと遠くに飛ばしておきましょう」

ピーン ズガガガガガガ

ほむら「なっ!?でこピンだけであの巨体が…あんなに吹っ飛ぶなんて……」

さくら「せっかくデスノデ氏なナイようにアノ魔女の傷モ治しておきマショウ……コレでヨシ、ソレでは時を進めマス」

カチーーーーン

マミ「あれ!?今後ろに魔女がいたような……暁美さんが助けてくれたのね?」

ほむら「……いいえ、それについては後で説明してあげるわ」

144: 2011/10/26(水) 13:24:52.44 ID:qxcGlSE/0
親愛度は私が1割未満、魔女はどういうわけか8割もある

ほむら「一旦態勢を立て直すわ。煙幕を張るから、逃げましょう」

全員で魔女の結界から脱出し、病院の敷地まで戻ってきた

さやか「はぁ…はぁ……どうしたんですか?もう少しで勝てそうだったのに、急に逃げたりして」

マミ「ちょっとね…倒せない理由ができちゃったのよ……」

ほむら「どうするつもりなの?魔女を懐柔できるとは、とても思えないのだけれど……」

マミ「なぜか私への親愛度がとても高いの……あの魔女は私に好意を持っているみたいね」

まどか「うぇ!?そうなんですか?」

さやか「魔女に好かれるって……一体どういうこと?」

QB「それは僕にも分からない……マミを食べようとしていたにも拘らず、だね」

さくら「それでは、実際に食べてモラエバ友達になれるカモしれマセンネ」

マミ「縁起でもないこと言わないでよ!」

ほむら「……なるほど、そういう感じなのかしら」

145: 2011/10/26(水) 13:26:31.94 ID:qxcGlSE/0
まどか「話がよく分からないんですけど、魔女と仲良くなりたいからどうすればいいか……ってことですか?」

さやか「そんな流暢なこと言ってないで早く何とかしてくださいよ!」

ほむら「その前に、マミさんっぽい食べ物を考えて!それで恐らく魔女を大人しくさせられるはずよ」

さやか「はぁ?なんだそりゃ……マミさんっぽい食べ物といえば…みかん…伊予柑…レモン…グレープフルーツ…八朔……」

マミ「なんで柑橘系ばっかり……」

まどか「チーズケーキに紅茶、バームクーヘンにそれから……」

マミ「私の家で食べたものばかりじゃない…っていうか、本当に私が好きだから食べようとしたかどうかも分からないのに」

さくら「とりあえず、片っ端カラ与えてみてはドウデショウカ?」

ほむら「私が家にある物を全部持ってくるわ、その間はここをお願い」ヒュン

マミ「じゃあ私が中で相手をしておくから……とにかく、逃げ回るしかないわね」

さやか「あたしらはどうすれば……」

まどか「とりあえず任せてみようよ……ここで待ってよ?」

146: 2011/10/26(水) 13:27:37.65 ID:qxcGlSE/0
10分後、暁美さんが大きな袋を抱えて結界内に帰ってきた

ほむら「はぁ…時間を止めながら帰ったから早めに戻ってこれたわ……マミさん、とりあえずどれを与えてみますか?」

マミ「じゃあ……とりあえずみかんで」

黒い大きな身体の魔女の前に赴き、そっとみかんを投げる
魔女はそれをひとしきり眺めた後、食べた……しかし親愛度は変わっていない

マミ「駄目みたいね…次行きましょう、どんどん行くわよ!」

次々に食べ物を与えてみるが、どれも親愛度は変わらない

ほむら「まずいわ、次が最後よ」

マミ「最後はチーズね……」

半ば祈りつつチーズを与えてみる
口に含んだ瞬間、魔女から私への親愛度がMAXになった

マミ「……どうやら好物はチーズだったみたいね」

ほむら「大きさも元に戻っているわね……さて、これからどうしましょうか」

147: 2011/10/26(水) 13:28:33.52 ID:qxcGlSE/0
シャルロッテ「……」ヨタヨタ

マミ「!!!」ズキューン

マミ「う、うちで飼ってみようかしら……」ドキドキ

ほむら「何を言ってるの!?魔女なのよ?いつ人を襲うか……」

マミ「責任持って家で飼うから!ほら、よく見ると可愛らしいし毎日チーズあげてれば懐いてくれると思うし!
   たまにお散歩もさせてみるから!ねえいいでしょう!?」

さくら「マルデ犬を飼うタメの許しを乞う子供のようデスネ」

ほむら「でも……」

シャルロッテ「……?」キョトン

ほむら「っ!!」ドキーン

ほむら「……分かったわ、そこまで言うのなら気をつけてね……
    でも、万が一の時は躊躇わないで欲しい…マミさんに氏なれては困るのよ」

マミ「ありがとうほむほむ!」

ほむら「その名前で呼ばないでって言ってるでしょう」

148: 2011/10/26(水) 13:29:44.30 ID:qxcGlSE/0
さくら「オ名前はアルのデスカ?」

マミ「どうしましょうか…魔女にも名前はあるらしいけれど、話すわけもないでしょうし」

QB「僕が聞いてあげるよ」

マミ「QB!」

QB「……ふむふむ、どうやら名前はシャルロッテというらしいね、マミ」

マミ「じゃあ、今日からシャルちゃんって呼ぶわね!よろしく、シャルちゃん!」

カッ

マミ「やったわ……これで私たちもお友達ね」

さくら「オオ!コレガ『しゃるチャンげっとダゼ!』というやつデスネ!」

マミ「あなた時々こっちのことよく知ってるわよね……前もポ○モンがどうとか言ってたし……」

ほむら「今さらなのだけれど、人以外でもいいのね…」

さくら「愛は平等デスカラ」

━現在友達10人━

154: 2011/10/26(水) 14:05:20.02 ID:qxcGlSE/0
私達は結界から出て、病院で待っていてくれていた二人に事情を説明した

二人とも魔女を見たときはびっくりしていたが、危険がないと分かってくれて安心したようだ
特に心配していた美樹さんには、念入りに危険がなくなったことを伝えた

ほむら「ねえ、ちょっといいかしら」

さくら「ハイ、なんデショウ?」

ほむら「ワルプルギスの夜を倒すのに協力してもらえないかしら?あなたのその力があれば、きっと勝てると思うのだけれど」

マミ「暁美さん……」

さくら「残念ながらソレは無理デス。私はあくまで中立的立場にある観測者なのデス」

ほむら「そう……ごめんなさい」

さくら「マアマア気にスンナヨ!誰でも凄いモノ見たラ欲しくなるもんダッテ!」バシバシ

ほむら「何様のつもりよ」

マミ「まあまあ」

155: 2011/10/26(水) 14:07:11.26 ID:qxcGlSE/0
今日はそこで解散となった

私は帰りにチーズを大量購入して家路についた
シャルちゃんと一緒にチーズ尽くしの夕飯を済ませ、しばらくのんびりしながら、ふと思い出す

マミ「結局美樹さんにセットしてないじゃない……」ズーン

まだ大丈夫……そう自分に言い聞かせ、新しい住人が増えたので少し部屋を片付けることにした

マミ「あら、このノートはまさか……」

マミ「うわぁ、やっぱりいろいろ考えてた設定ノートだわ……どれどれ……」ペラッ

マミ「あらぁ、これはこれはなかなか…目を覆いたくなるようなものばかり……あ、でも、『別れの挨拶』?
   これなんか結構格好いいような気もするけど……やっぱり言えないわよね」

マミ「まあでも、今は見た目は中三なんだし、ちょっとくらいはっちゃけても平気かしら
   ……いえ、駄目よ、また暁美さんになんて言われるか分かったものじゃないし」

さくら「マミさんチョットよろしいデスカ?」

マミ「ひゃわぁ!さくらちゃん!?びっくりさせないでよ!……っていうか、どうしたの!?
   なんで黒い方のシャルちゃんの口の中から現れてるのよ!!」

さくら「チョットお口をお借りシテ宇宙空間に繋いでおりマス」

マミ「ええっ!?あ、ほんとだわ…微かに少し宇宙っぽい空間が見えてる……」

156: 2011/10/26(水) 14:08:15.00 ID:qxcGlSE/0
マミ「じゃなくて!一体どうしてうちに来たの?普通に玄関から来ればいいのに」

さくら「今回で10人の友達成立とナリマシタ…そのササヤカなぷれぜんとデス」

さくら「サアどうぞコチラのお口ノ中へ!」シュン

マミ「そこから!?…って、もう消えちゃった……ちょっとごめんねシャルちゃん、お邪魔するわよ」

マミ(なんだか頭から食べられてるみたい……)

マミ「いっ…!いやあああああぁぁあぁああああぁあぁああ!!!!!」 グワングワン


マミ(う、ん…ここは一体……あれは宇宙船…?)

マミ「あらっ?ここは屋上かしら?……ん?眼鏡してる…?」

さくら「オヤ、お肌は気にならナイのデスカ?」

マミ「きゃあ!…あなたは……さくらちゃんよね?ちょっと背が縮んでないかしら?」

さくら「ハイ、マミさんは再び戻って参りマシタので小学校に似合う変装をしてみマシタ」

マミ「戻って……そっか、ここは元の時代なのね」

158: 2011/10/26(水) 14:10:22.89 ID:qxcGlSE/0
さくら「滞在期間は一時間、これが我々からのぷれぜんとデス。ソレカラもう一つ――」

マミ「何かしら?校庭が騒がしいような……」

そこには騒いでいる児童達、それを収めようとしている先生達、避難場所として非難しに来たらしき地元の人達
誰もが混乱しており、収拾のつかない状態になっていた

マミ「大変!早く私も手伝いに行かないと!」タッタッタ

さくら「……ヤレヤレ、今から言うことの方が大事だというノニ」

階段を駆け降りると、外の騒音が少し静かになる程度に静かだった
ほとんどの児童は既に帰宅していたからだろう

?「ああ!!!巴先生こんなとこにいたんですか!?」

マミ「あっ、相生先生!もう子供たちは避難しているんですか?」

相生「もうみんなとっくにしてますよ!それよりどこ行ってたんですかぁ!?探しましたよ~!」

マミ「えっと、それには深い事情が……」

マミ(あれ、カウンターはそのままなのね……)

159: 2011/10/26(水) 14:12:54.00 ID:qxcGlSE/0
相生「もう子供たちはいないと思うんですけど、とにかく、校庭で子供たちを大人しくさせるの手伝ってください!」

マミ「ねえ相生先生、私達って友達だったわよね?」

相生「へぁ!?……そりゃまあ、私達はツーと言えばウンで分かるほど仲が良くって――」

相生「――って、今はそれどころじゃないでしょぉ!なんかあのUFOのせいでスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルヤバいんですってば!!」

マミ(大丈夫、いけるはず…!)「……セット!」カチッ ピカッ

相生「ななな何なの今の光!?もしかして、宇宙人の大侵略が始まっちゃったの!?」

マミ「相生先生!!私もあなたのこと友達だと思ってるからね!大好きだからね!」ダキィ

相生「ええっーー!?いやいやいやいやいやいや巴先生それやめて!氏亡フラグっぽいからそういうのやめて!とにかく校庭に来てくださいね!!!」タッタッタ

さくら「現在世界規模で同様のぱにっくが起こってイマス」

さくら「我々はマミさんの試験終了まで手を出しマセンガ、人々は集団ひすてりーを起こし、事態はさらなる混沌へと向かうデショウ…」

さくら「そこで我々がマミさんに用意したぷれぜんとトハ、コノ混乱を抑えるべく世界に向けて事情を説明する『あなうんす権』デス」

160: 2011/10/26(水) 14:15:01.44 ID:qxcGlSE/0
マミ「アナウンス権…?私が世界に向けて……?」

さくら「全世界に配置された宇宙船の下に映像発信ぱねるが展開サレ、マミさんが世界に語りかけることができるのデス」

マミ「なっ……」

私が過去に戻っている間に、どうやらとんでもないことになっているようだった
よりによって私が世界に向けて話すことになるなんて……

そんな大それたことが私にできるだろうか?

校庭の騒ぎはさらに大きくなっているようだ
もはやとっくに先生たちだけで止められる規模ではなくなっている

私がこの試験を受けようと思ったあの時、私は何を考えていただろうか

再び正義のために立ち上がる、そう決めたのではなかったか

マミ「…………分かったわさくらちゃん、アナウンス権…使うわ」

さくら「オオ!それでは行きマショウ!」

今の私は、再び魔法少女としての正義を取り戻したのだ

マミ「なってみせるわ……正義の味方に!」

161: 2011/10/26(水) 14:16:30.31 ID:qxcGlSE/0
校庭にて

教頭「みなさん落ち着いて!落ち着いてください!…相生先生!この忙しい時に、巴先生はどうしたんですか!?」

相生「知りませんよ!さっきちゃんと来てって言ったのにー!もうなにやってんの!」

<コホン…えーっと…き、聞こえていますか?>

相生「ぎゃっ」

<全世界の皆さん、こんにちは…あ、おはようございますかしら?
 ……と、とにかく、初めまして!わたくし、巴マミと申します>

相生「……」ポカーーーン

教頭「巴先生……?」

162: 2011/10/26(水) 14:16:52.04 ID:qxcGlSE/0
<この度の事情についての説明、私がさせていただきます>

<この宇宙船は宇宙からの侵略者たちのものです…といっても、彼らは凶悪な存在ではありません
 ただ一つ、私達に証明してもらいたいものがあると……>

<それは、愛です!愛の存在が証明できれば、彼らは侵略する気はないとのことです>

<さながら、『シュレデインガーの愛』と言ったところでしょうか…?>

教頭「……何を言っているんだ、巴先生は?」

相生「巴先生…なんか生き生きして見える……」

163: 2011/10/26(水) 14:17:48.45 ID:qxcGlSE/0
<その為の判断材料として私が選ばれました…世界の運命は、私に託されることとなってしまいました>

<しかし、この世界に愛が存在しないはずはございません>

<私は信じております>

<愛のために、いつもどこかで、誰かが誰かのために戦っていることを……私達がそれを忘れない限り、私達は決して一人じゃない>

<愛ある限り、世界は終わらない、と>

<だから私は信じております。愛の存在を>

<必ず私が、世界を救ってみせましょう…>

<ヴェスナ・エスタ・ホリシア……命に限りあれど、愛は永遠なり>

<それではみなさん、エル・プサイ・コングルゥ>

164: 2011/10/26(水) 14:18:33.47 ID:qxcGlSE/0
Tokyo
<エル・プサイ・コングルゥ>

NY
<エル・プサイ・コングルゥ>

Palis
<エル・プサイ・コングルゥ>

Shanghai
<エル・プサイ・コングルゥ>

Gunma
<エル・プサイ・コングルゥ>

プツン

ざわっ…ざわっ…

教頭「な、なんなんだ最後のは…?」

相生「……巴先生…………色々と、全開すぎるよ……」

174: 2011/10/26(水) 15:00:23.99 ID:qxcGlSE/0
マミ(やっちゃったわあああああああああああああああああ!!!!)

マミ(なんか話してる途中でテンション上がってきちゃってノートにあった言葉つい言っちゃったわああああああああああああああ!!!!)

マミ(なんなのよヴェスナって!コングルゥって!!意味が分からないじゃない!!!!)

さくら「オ疲レ様デスマミサン。ナニヤラ聞キ慣レナイ言葉がアリマシタガ、一体ドウイウ意味ナノデスカ?」

マミ「やめて!……これ以上、傷口を広げないで」

さくら「チナミニ仲間ニハ大ウケデシタヨ」 \ハッハッハッハッハッハ/

マミ「何これ氏にたい……もしかして私、世界中で笑われてるんじゃないかしら……」

さくら「仮ニソウダッタトシテモ、人々ヲ和マセルトイウ意味デハ大成功ナノデハナイデショウカ」

マミ「……だといいわね」

さくら「サア過去ニ戻リマショウカ…ソレデハミナサン、サヨウナラ……オット、間違エマシタ、える・ぷさい・こんぐるぅ!」

ドッ \ゲラゲラゲラゲラ/

マミ「もうやめてよ!」

━現在友達11人━

175: 2011/10/26(水) 15:07:26.53 ID:qxcGlSE/0
数日後、美樹さんからとある相談に乗って欲しいとの連絡を受けたので、喫茶店で待ち合わせた

マミ「それで、話って何かしら?」

さやか「えっと、その……マミさんは、願い事どうやって決めたんですか?」

マミ「願い事?そういえば話してなかったわね」

マミ「昔、家族とドライブ中に事故に合っちゃって氏ぬかもしれないってところにQBが現れて、考える間もなく契約しちゃったの」

さやか「そうだったんですか……ごめんなさい、変なこと聞いちゃって」

マミ「いいのよ、もう昔のことだし」

さやか「じゃあやっぱり、ご両親はその事故で……」

マミ「そういうこと。一時はQBと契約するときに一緒に助けてもらえばよかったっていうのも考えてたけどね……
   魔法少女をやっているうちに、残される家族がいる辛さを考えるようになってしまって、
   今は一人でもよかったのかな、なんて考えたりもするわ」

さやか「そうなんですか……」

176: 2011/10/26(水) 15:11:03.06 ID:qxcGlSE/0
さやか「いや~、ほむらに理由聞いても教えてくれないし、魔法って言葉聞いただけで、
    『あなたはなっては駄目よ』って相談にも乗ってくれなくて」タハハ

マミ「あら、そうだったの?」

マミ(暁美さん、うまくやれてるのかしら?名前で呼んでもらえる仲ぐらいまでには進展しているみたいだけど……)

マミ「美樹さん、ひょっとして魔法少女になりたいって考えてる…?」

さやか「こないだQBと一緒にいた時も考えてたんですけど……」

さやか「魔法少女になりたいというよりは、叶えたい願いがあるというか、でも、それは自分のことに関する願い事じゃなくって……」

そういえば、私のいた世界でも美樹さんは同じことを言っていたはずだ

マミ「確か、入院中のお友達がいるって……」

さやか「ありゃあ、そんなことも知られちゃってるわけですか…恥ずかしいな~」

さやか「……そうです、マミさんの言うとおり、大切な友達のために願い事を使いたいって思ってて
    でも、そういうのはどうなのかなって……」

マミ「美樹さんは…その人の夢を叶えたいの?それとも夢を叶えた恩人になりたいの?」

マミ「他人の願い事を叶えるのなら、なおのことはっきりさせておくべきだわ……同じようなことでも全然違うことよ、これ」

さやか「っ!……そう、なんですかね……」

179: 2011/10/26(水) 15:16:36.90 ID:qxcGlSE/0
マミ「それにやっぱり、美樹さんには魔女になって欲しくないと思ってるし……あっ…」

さやか「?……なんだか、まるで私が魔女になるって分かってるような口ぶりですけど」

マミ「違うの、そういう意味じゃないのよ?」

さやか「いつか教えてくれるって言ってましたよね?どうして私達の名前を知ってたのか……
    私の願い事まで知ってることと、やっぱり関係してるんですか?」

マミ「それは」

さやか「まだ駄目なんですか?そうやって私達ばっかり置いてけぼりにして、自分達ばっかり知ってる風な口きいて!」

マミ「美樹さん……」

さやか「……いえ、すいません…言いすぎました……」

マミ「分かったわ……私のことについては少しだけ話してあげる
   でも、暁美さんのことは、やっぱり暁美さんが言うべきだと思うから、そこはお願いね」

さやか「あ、ありがとうございます」

マミ「と言っても、信じてもらえるとは思えないんだけど……」

私は未来から来た事(友達のことは伏せて)、ワルプルギスの夜による悲劇について話した

182: 2011/10/26(水) 15:20:02.87 ID:qxcGlSE/0
さやか「マミさんが未来から……確かに信じられないけど……でも待ってください!
    それだと、私はワルプルギスとの戦闘に参加してないんじゃ……」

さやか「もしかして……?」

マミ「ええ、美樹さんはワルプルギスの夜が来る前に魔女になってしまって、それでいなくなってしまったわ」

さやか「それでさっきあんなことを…でも、どうしてそんなことになったんですか?
    教えてください!分かってればひょっとして回避できるかも――」

マミ「美樹さん…魔法少女が魔女になる条件、覚えてる?」

さやか「え?確か、魔力が尽きるのと、絶望が溜まるのと……」

マミ「美樹さんは、あることに絶望して魔女になったの」

マミ「それを聞きたいの?あなたにとって、とても辛い話になることは間違いないのよ」

185: 2011/10/26(水) 15:25:38.73 ID:qxcGlSE/0
さやか「……それでも、私は……聞きたいです」

マミ「そう……覚悟は、いいわね……」

私は話した、美樹さんが友達のために願い事を叶えたこと
魔法少女の真実を知り、彼に思いも伝えられず世界に絶望して、魔女になったことを

マミ「あなたは誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪ってしまうようになった……これが私の見てきた、あなたの姿よ」

さやか「…………」

さやか「……マミさんも、私が魔法少女になったら、魔女になるって考えてますか?」

マミ「私は……お友達のことを信じているわ、当然美樹さんのことも」

さやか「なんですかそれ……でもやっぱり、魔法少女にはなってほしくないって思ってるんですよね?」

マミ「それは、あなた達にこんな辛い思いをしてほしくないから――」

さやか「それでもあたしは!!」ダン

マミ「美樹さん……落ち着いて、ね?」

さくら「ソレナラ私にお任せを!」ポチッ

マミ「さくらちゃん!?いたの?」

188: 2011/10/26(水) 15:30:51.45 ID:qxcGlSE/0
さやか「あはー、そうですねー、ちょっと熱くなっちゃいましたーあはははー」ホワー

さくら「精神を落ち着け和やかにさせる電波を発しておりマス」

マミ「もー、さくらちゃんたらー、盗み聞きしないでよーうふふふー」ホワー

さやか「あはははー、私だっていろいろ考えてるんですよー」ホワー

マミ「でもでもー、もっと大変だしー、よく考えないとー」ホワー

さくら「シカシ、何ヤラ話が進みそうにないノデ戻しマスネ」ポチッ

さやか「あれ?私何してたんだっけ……?」

マミ「コホン……美樹さんは、本当に魔法少女になりたいの?」

さやか「……ごめんなさい、ちょっといろいろ考えたくなってきちゃったんで、私もう帰りますね」ガタッ

マミ「美樹さん待って!……セット」カチッ

さやか「なんですか…?」

マミ「良く考えて、それから決めてほしいの」

190: 2011/10/26(水) 15:37:51.64 ID:qxcGlSE/0
マミ「あなたが覚悟を…つらい運命を受け入れ、家族も友達も、その後の人生も犠牲にして、どうしてもなりたいっていう覚悟があるなら……」

マミ「私はなってもいいと思っているわ」

さやか「えっ…?」

マミ「でもその前に、あなたの本当の気持ちと向き合わなくては駄目よ……これが絶対の条件」

さやか「……ありがとうございました」ペコリ

美樹さんが出ていってから、私は深いため息をついた

マミ「やっぱり、言わない方がよかったのかしら……」

さくら「ソレにしても、あの方にソノヨウナ辛い過去があったトハ」オイオイ

マミ「それより、今度から変な毒電波発するのやめてね」

さくら「大切なオ友達のタメニ願い事を叶えたいトハ……コレも愛なのデショウカ」

マミ「もう……そういえば、美樹さんとの親愛度は…私は8割近いけれど、美樹さんは2割程度
   あんまりいい空気じゃなかったものね……」

192: 2011/10/26(水) 15:41:29.67 ID:qxcGlSE/0
さくら「ソウソウ、言い忘れてマシタガ、親愛度が0になった時点で試験終了デスノデ、オ気を付けて」

マミ「そうなの…………」

マミ「って!今さら結構重要なことをさらっと言わないでよ!」

さくら「スイマセン、ウッカリしてマシタ」ペカー

マミ「どうして宇宙人って…宇宙人って皆して大事なことを言わないのかしら……もう他にないわよね?」

さくら「エエー、試験終了になる条件とシテハ、後言ってないノハ、1か月間セットをしなかったら試験続行の意思ナシと見て強制終了トカ……」

マミ「もうやだ、宇宙人って」ブワァ

マミ「……でも、美樹さんの親愛度が0になるなんてことはないはずよ……信じてるもの」


その日の夜

マミ「あら、鹿目さん?……えっ、魔女の口付けをつけた人たちに!?場所は町外れの廃工場ね!すぐ行くから!」ピッ

195: 2011/10/26(水) 15:49:01.09 ID:qxcGlSE/0
vsハコの魔女

マミ「ここね……鹿目さん!今助けに来たわ!……って、あら?随分静かね」

さやか「遅いですよ、マミさん」

マミ「美樹さん!その格好、もしかして…!」

さやか「ごめんなさい、マミさん……なっちゃいました、魔法少女に」

まどか「さやかちゃん、どうして……」

さやか「そんな顔しないでよ、まどか…私は全然、後悔してないんだから」

マミ「美樹さん……覚悟は、決まったのね?」

さやか「はい、告ってきました」

まどか「ええっ!?もしかして上条君に!?」

さやか「うん……まあ、フラれちゃったんだけどね」

マミ「美樹さん……」

さやか「マミさん…私には、全部を犠牲にする覚悟なんてないんです」

196: 2011/10/26(水) 15:49:36.67 ID:qxcGlSE/0
さやか「それでも、私はあいつのためにじゃなくって……多分、また恭介の音楽が聞きたいっていう、私のために……
    私の本当の願いのために、願い事を叶えました」

さやか「だから、後悔なんてあるわけない」

さやか「確かに好きだったし、できれば一緒にいたいって思ってたけど……まあ、フラれちゃったらさすがにもう無理ですもんね」タハハ

マミ「……」

さやか「これで、私が絶望する一つの理由は消えちゃいましたよ、マミさん……」

さやか「私は、私を信じてくれるマミさんを、信じてみようと思うんです」

さやか「それにやっぱり、これから危険なことがあるっていうのに、黙って指咥えて待ってることはできませんからね」

さやか「友達として」

カッ

201: 2011/10/26(水) 15:54:03.33 ID:qxcGlSE/0
さやか「う~ん、初めて戦ったから疲れた~…さ、帰ろっか、まどか」

まどか「さやかちゃんごめんね、私……」

さやか「なんでまどかが泣きそうな顔するの!私は自分のために願いを叶えたんだよ
    まどかはさ、無理しなくていいから……ね?」

まどか「……うん」

マミ「美樹さん!……これからも、一緒に頑張りましょう!ありがとう!」

さやか「はい!よろしくお願いします!」


数分後、工場内

ほむら「結局、さやかは魔法少女になってしまったのね……迂闊だったわ、もっと注意しておくべきだったのに」

マミ「ええ……でも、あの様子だと魔女になるとは思えないわ」

202: 2011/10/26(水) 15:54:53.49 ID:qxcGlSE/0
ほむら「初めはみんなそういうものよ……覚悟を決めたのはさやかだけじゃないようね」

マミ「……流石ほむほむね、私も覚悟を決めないと」

もし美樹さんが魔女になった時、再び倒す覚悟を

ほむら「普通に呼んでちょうだい」

マミ「暁美さんも、いつか真実を言う覚悟はあるのよね?」

ほむら「……分かってる、近いうちに言うつもりよ……」

マミ「……さてと、とりあえず警察に連絡しないとね」

ほむら「あら、志筑仁美がいるわね」

マミ「誰なの?」

ほむら「同じクラス、まどかとさやかの友達で、最近は私ともよく話をするわ」

マミ「そうだったの…ああ、それで鹿目さんがここに……志筑さんってどんな人?」

ほむら「志筑さん?彼女はクラスの委員長で――」

━現在友達12人━

203: 2011/10/26(水) 15:55:23.77 ID:qxcGlSE/0
数日後、帰り道

マミ「あら、4人も揃ってどうかしたの?」

まどか「あ、マミさんとさくらさん」

仁美「えっと、まどかさん、こちらの方はどなたですの?」

さやか「そっか、仁美は初対面だったね。この人は先輩の巴マミさんと道明寺さくらさん
    ちょっと前にお世話になって、それから友達になったんだ」

マミ(美樹さん、普通に振る舞ってる様子だけど、やっぱりちょっと無理してるわね……)

仁美「そうなんですの?初めまして、私志筑仁美と申します」

マミ「初めまして、志筑さん…このあいだは大丈夫だった?怪我とかしてないかしら?」

仁美「あら、ご存知ですの?わたくしが大勢の人と倒れていて警察やらで大変だったことを……」

マミ「えっ?それは、その……ほら、仲のいい暁美さんに聞いたからよ!」

ほむら「えっ!?…そ、そうなの。ごめんなさい、勝手に話しちゃって……」

仁美「いいんですのよ、全然気にしておりませんわ」

ほむら『私に振らないで』

マミ『ごめんなさい、ついうっかり……』

204: 2011/10/26(水) 15:55:52.43 ID:qxcGlSE/0
さくら「トコロデ、何事なのデスカ?」

まどか「そうなんですよ!猫ちゃんが!」

マミ「猫ちゃん?」

猫「にゃー」

マミ「黒猫…可愛いわね。あ、でも怪我してるの?」

まどか「そうなんです!こんなところで怪我してて可哀相で……」

ほむら「おまけに誰かに捨てられてたみたいで」

さやか「どうにかなんないかなー、ってみんなで話してたんです」

マミ「そうだったの…どれどれ――痛ッ!」

さくら「コレハ綺麗に引っ掻かれマシタネ」

仁美「あら大変!すぐに絆創膏を用意しますわ」

208: 2011/10/26(水) 16:00:51.08 ID:qxcGlSE/0
さやか「ありゃー、マミさん嫌われちゃってますねー」

仁美「さやかさん、からかっては駄目ですわよ」

まどか「私達にはおとなしかったのにね」

ほむら「……可哀相」ボソリ

仁美「ほむらさんも!」

ほむら「おいで猫ちゃん…ふふ、可愛いわね」

さやか「おっと、これはなかなかレアな絵が取れましたな~」

仁美「ほむらさんが笑ったところ初めて見ましたわ……」

ほむら「なっ…///別に、そんなことは……」

まどか「ほむらちゃんも猫好きなんだね!次私にも抱かせて~……あは、くすぐったいよー」

さくら「私にも抱かせてクダサイ!…オオ!コレは何とも言えぬ手触り」サラサラ

さくら「伏せとかお手とかシマスかね?」サッ

マミ「そんな犬じゃあるまいし……って、めちゃくちゃやってるし!」

210: 2011/10/26(水) 16:06:30.18 ID:qxcGlSE/0
まどか「さくらさんすごーい!猫あやすのうまいんですね!」

さやか「それにしても、ほんとどうする?怪我は(魔法で)何とかなるからともかく、捨てられたまんまっていうのもねー」

仁美「私にも抱かせてください…とりあえず、しばらく怪我が治るまでみんなで様子を見に来てあげませんか?」

仁美「それとビラを配って飼い主を募集してはどうでしょう?」

まどか「うん、いいねそれ!私明日までにビラいっぱい作ってくるね」

さやか「仁美、あんた習い事とかあるのに大丈夫なの?」

仁美「少々ならお休みしても問題ありませんわ……今は猫ちゃんが心配です」

マミ「志筑さん優しいのね。私にも抱かせて――」

猫「シャー!」

マミ「きゃっ…やっぱり、私には懐いてくれないのね?」

さくら「トコトン嫌われてイマスネ」

マミ(猫ちゃんはともかく、志筑さんとはなんとなく気が合いそうだし、お友達になれそうね……)

マミ「志筑さんに…セット!」カチッ

211: 2011/10/26(水) 16:11:13.24 ID:qxcGlSE/0
マミ「……あら?親愛度が1割ちょっとしかない…っていうか、私からの親愛度も全然ないじゃない……」

仁美「どうかなさいました?」

マミ「いえ、別になんでもないの!」

マミ(まあ、いきなり心を開いてくれるわけでもないし、これから仲良くなっていけばいいわよね……)

翌日

まどか「ビラ作ってきたよー」

ほむら「私も手伝ったの」

さやか「おっ、写真と絵があるのか…まどかの絵は相変わらず可愛らしいなー
    っていうかほむらの絵、激ウマじゃん!殆ど実写だよ!」

仁美「とりあえず、これを貼っていきますか?」

マミ「そうね、二手に分かれて貼りましょうか
   私とさくらちゃんと志筑さん、鹿目さん美樹さん暁美さんでいいかしら?」

ほむら「えっ?」

マミ「さあ!さっそく配りに行きましょう!志筑さん、さくらちゃん、行くわよ!!」

仁美「え、ええ……」

214: 2011/10/26(水) 16:16:58.02 ID:qxcGlSE/0
さくら「マミさん、コノ時代ならばモット効率的に募集する方法がアッタのデハないデスカ?」

マミ「そうとも限らないわよ?いつの時代でも、こういうのって効果あると思うわ」

マミ「確かにネットとか便利だとは思うけどね」

この時代、私はまだパソコンを持っていなかったのだった

仁美「巴先輩、猫ちゃんにあまり懐かれていなかった様子でしたのに……優しいんですのね」

マミ「そ、そんなことないわよ…志筑さんこそ、習い事休んでまでこんなことしてくれるなんて、素敵だと思うわ」

仁美「……本音を申しますと、皆さんと遊ぶ時間があまりとれませんので、
   たまにはゆっくり皆さんと一緒にいてみたいと思いまして
   勿論、猫ちゃんも心配ですけど」

マミ(そうだったの……悪いことしちゃったかしら……)

215: 2011/10/26(水) 16:19:24.40 ID:qxcGlSE/0
マミ「ねえ、今度うちにケーキを食べにこない?」

仁美「ケーキ、ですか?」

マミ「そうなの!最近皆も来てくれるし、志筑さんにもぜひ来てほしいわ!お茶も用意して待ってるから…ね?」

仁美「いいですね!わたくし、お茶菓子結構好きなんですの」

マミ「そうなの?じゃあ、駅前のあれとか――」

仁美「勿論好きですわ!他にも『U&me』の――」


マミ「……終わったわ~、今日はここまでね」

仁美「はい。それではみなさんと合流しましょうか、巴先輩」

マミ「ふふっ、皆みたいに気軽に呼んでくれて構わないわよ?」

仁美「そうですか?それではお言葉に甘えて……行きましょうか、マミさん」

217: 2011/10/26(水) 16:24:19.83 ID:qxcGlSE/0
マミ(結構話もあったし、仲良くなれた気がするわ……って、あら?親愛度が全然変化してないじゃない!私の親愛度まで増えてないなんて……)

まどか「三人ともお帰り~」

仁美「そちらも終わりですのね」

まどか「早く飼い主が見つかるといいね、エイミー」ナデナデ

さやか「エイミー?」

まどか「あっ!いや、これは、その、私が勝手に呼んでただけだから…///」

ほむら「私はいいと思うわ」

マミ「エイミー、いい名前ね」ソッ

エイミー「シャー!」

マミ「きゃっ!でもやっぱり、私には懐いてくれないのね……」

まどか「マミさんには相変わらずなんだね」

マミ(相変わらず、か…………あ!もしかして……)

219: 2011/10/26(水) 16:30:29.58 ID:qxcGlSE/0
その日の夜、委員長とのジョギングの後

マミ(シャルちゃんのこともあるし、ひょっとして猫ちゃんに…エイミーにセットしちゃったのかも)

マミ「あら、ソウルジェムが反応してる……こっちの方向って、エイミーがいたところに近いわね……」

予想通り、エイミーのいる場所には魔女がいた

vs犬の魔女

エイミー「フシャー!」

マミ「近いどころかど真ん中じゃない!大変、エイミーを助けなきゃ!」

エイミー「にゃぁ…」

エイミーは少し怯えているような表情でこちらを見ていた

マミ「もう大丈夫よ、今からこの魔女を退治してあげるからね!」

エイミーを抱きかかえて庇いつつ魔女との戦闘を繰り広げ、何とか怪我をさせることもなく勝利することができた

220: 2011/10/26(水) 16:33:25.07 ID:qxcGlSE/0
マミ「はぁ~、危なかったわ……大丈夫?怪我はない?エイミー」

エイミー「にゃー」ペロペロ

マミ「ふふ、くすぐったいわよエイミー……」

そういえば今までの警戒心もなく、エイミーはすんなり私に抱っこされていた

マミ「よしよし……飼い主、見つかるといいわね」ナデナデー

ピカッ

マミ「あっ」

エイミー「にゃぁ」

マミ「ありがとう、エイミー……うちがマンションじゃなかったらよかったんだけどね……」

マミ「あ、でもシャルちゃんがいるからどっちにしても無理かしら……」

222: 2011/10/26(水) 16:38:43.05 ID:qxcGlSE/0
翌日

マミ「飼い主が見つかったの!?」

まどか「見つかったというか、その……」

さやか「まどかが親に話したらエイミーを飼うこと許してくれたんですって。あたしらの昨日の努力はなんだったんだか~」

まどか「ごめんなさい、手間かけさせちゃって」

仁美「まあ、本当によかったですわ」

マミ「そうね、鹿目さんなら安心だわ……そうだ、志筑さんに…セット」カチッ カッ

仁美「?なんですの?」

マミ「良かった…もう友達になれてたのね……志筑さん、今度皆でうちに来てね?約束よ」

仁美「はい!ぜひ行かせていただきます」

━現在友達14人━

223: 2011/10/26(水) 16:43:41.41 ID:qxcGlSE/0
次の土曜日のお昼、私と暁美さんはパトロールに出掛け、魔女を退治した
私達はそこである物と、泣いている女の子を見つけた

vs影の魔女

マミ「もう大丈夫、危なくないわよ」

女の子「ふぇぇ…グスン…ほんとぅ?おねーちゃんがやっつけてくれたの?」

マミ「お友達のみんなには内緒よ」クスッ

女の子「おねーちゃんすごーい!プリッキャーみたーい!かっこいー!」ピカッ

女の子「おねーちゃんばいばーい!!」フリフリ

マミ「ばいばーい……ふぅ、なんとか友達になれて良かったわ」

ほむら「流石未来の先生ね、子供の扱いはお手の物と言ったところかしら……それより、気になることが」

マミ「分かってるわ……あの氏体、魔法少女のものみたいだけど、魔女にやられた傷じゃなかったわね?」

QB「そのことでマミに話があるんだ」

ほむら「QB…!」スッ

マミ「ストップよほむほむ」

ほむら「その名前で呼ばないで」

マミ「なんなのQB、どういうこと?」

226: 2011/10/26(水) 17:00:10.86 ID:qxcGlSE/0
QB「最近、ここらで魔法少女頃しが発生しているみたいでね。どうも犯人は魔法少女のようなんだ……
  だから、マミには気をつけてもらいたいと思ってね」

QB「犯人の特徴は『黒い魔法少女』であるということ以外は不明だよ。じゃ、このままだと撃たれそうだから、僕はこの辺で失敬するよ」ヒョイッ

マミ「忠告ありがとう…頃しだなんて……物騒ね」

ほむら「魔法少女頃し……どこかで聞いたことがあるわね」

マミ「そうなの?」

ほむら「どこかのループでも同じことが起こっていたはずなの……ただ、頻繁に起こることじゃないから
    資料が残っていないか帰って探してみるわ…」

ほむら「マミさんも手伝ってくれるかしら?」

マミ「あ、ごめんなさい、私これから鹿目さんの家にお呼ばれしてて……」

ほむら「あらそうなの?なら仕方が………………」

ほむら「はい?」

マミ「じゃあ、私そろそろ行かないといけないから、さっきのことお願――」

ほむら「ちょっと待って」ガシッ

227: 2011/10/26(水) 17:07:14.26 ID:qxcGlSE/0
ほむら「どういうことなの?どうしてあなたがまどかの家に呼ばれているの?私でさえまだ呼ばれたことないのに!」ユサユサ

マミ「おお落ち着いてほむほむぅう!!」

ほむら「その名前で呼ばないで!」

マミ「……どうしてって、何か相談したいことがあるって言われて」

ほむら「くっ……ずるいわ、あなたばっかり……」

マミ(本気で残念そう……)

ほむら「分かったわ、さっきのことは調べておくから……あなた達がイチャイチャしている間にね」

マミ「いや、別にイチャイチャするわけじゃないから」

ほむら「もういいわよ!」ダッ

マミ「……ま、行きましょうか」

鹿目さんの家に着くと、庭先で父親に挨拶され鹿目さんが出てきた
部屋に案内され、持ってきてくれたお茶で一息つく

まどか「ごめんなさい、大したおもてなしもできないんですけど……」

マミ「いいのよ、気にしないで……それで、相談っていうのは?」

まどか「その、さやかちゃんとほむらちゃんのこと、なんですけど……」

229: 2011/10/26(水) 17:13:49.41 ID:qxcGlSE/0
鹿目さんの話は大体予想通りだった
魔法少女になった美樹さん、そして遂に全てを話してくれたらしい暁美さんを手伝いたいというものだ

それらを踏まえた上で、自分にも何かできることはないかという

まどか「私は皆みたいに叶えたい願いがあるわけでもなくって、魔法少女にもなるなって言われて、どうすればいいのかなって……」

マミ「鹿目さん…無理に魔法少女になる必要はないのよ?むしろならない方がいいって、何度も言ってるでしょう?」

まどか「そうなんですけど……」

マミ「願い事の引き換えに失うものは計り知れないわ……暁美さんも何度も言ってるんでしょう?」

まどか「でも、マミさんもほむらちゃんも、さやかちゃんまで命がけで頑張ってるのに、私だけ見てるだけしかできないなんて……
    特にほむらちゃんは、何度も私のために繰り返してくれてるのに……」

周りはみんな魔法少女で、いつ氏ぬか分からない戦いに身を投じている
ますます仲間外れなのは鹿目さんだけ……

その中で見ていることしかできないのが辛いのかもしれない

マミ「……鹿目さんにも、私のことは話しておいた方がいいかしらね」

231: 2011/10/26(水) 17:21:44.47 ID:qxcGlSE/0
まどか「あっ……そういえばほむらちゃんもさやかちゃんも教えてくれなくて…話して、もらえるんですか?」

マミ「……実は――」

バターーン

タツヤ「ねーちゃん、あーそーぼー!」

まどか「たっくん!駄目でしょ、勝手に入ってきちゃ!お姉ちゃんたちは、これから大事なお話をするの」

タツヤ「やーだやだー!ねーちゃと遊ぶのー!こっちのねーちゃとも遊びたいー!」バタバタ

まどか「ごめんなさいマミさん、パパと遊んでもらうように行って来ますから」

マミ「いいじゃない、せっかくだから三人で遊びましょ!」

まどか「えっ?」

タツヤ「やったー!なにするー?なにして遊ぶー!?」

まどか「でも……」

マミ「まだ時間あるんだもの…焦らなくても、必ず話してあげるわ……それに、私子供は好きよ?遊んであげるのも得意なんだから!」

まどか「…そうですか?……じゃあたっくん!マミさんと一緒に遊ぼっか!」

232: 2011/10/26(水) 17:27:08.54 ID:qxcGlSE/0
タツヤ「マミ?このねーちゃマミなの?」

まどか「こらたっくん、呼び捨てにしないの!」

マミ「いいのよ鹿目さん。たっくん?おねーさんのことはマミって呼んでいいわよー?」

タツヤ「マミマミ!じゃあねー…みんなでアクアごっこやろー!」

マミ「アクアごっこ?」

まどか「たっくんが嵌まってる特撮ヒーロー、『仮面ダイバー・アクア』のことですよ」

まどか「えぇっと…なんでも、海を無くしてしまおうとする怪人『首領・グラー』と戦う使命を負った戦士だとか…そんな感じみたいです」

マミ「ああ、あれね!そういえばシリーズも長いし、『ダウン』とかやってたわね」

タツヤ「だうん?そんなのいないよ!なに言ってんのマミ?」

マミ「あら?そ、そうだったかしら?……じゃあ、私も一緒にアクアごっこをしてあげるわね!」

マミ「でもその前に、セット!」カチッ

234: 2011/10/26(水) 17:33:58.90 ID:qxcGlSE/0
タツヤ「じゃあねえ、たっくんはダイバーやるから、ねーちゃんたちはカイジンね!」

マミ「怪人?……が、がおー……こんな感じかしら?」

タツヤ「ええー?なにそれ全然ちがーう!ねーちゃのほーがうまいよー!ねーちゃんやってー」

まどか「えっ!?いやあ、でも、マミさんもいるし……」

マミ「私のことは気にしないで?鹿目さんの真似をしてやってみるから」

まどか「ほんとですか?絶対マミさんにもやってもらいますからね!」

まどか「……フゥーハハハハハハァ!!!!現れたなアクアァ!貴様の命、それも今日までダァ!
    我が名は『マドマギカー』!!ぐぅへへへぇ!覚悟しろぉ、アクアァ!」

タツヤ「でたな!アクアがやっつけちゃるー!アクアキーック!」ペシッ

まどか「ぐわぁー!おのれアクアめぇ!お~の~れ~!!!!」バタッ

タツヤ「わっはっは!アクアの前には海すら道をひらくのだぁ!」

まどか「……こ、こんな感じです……///」

237: 2011/10/26(水) 17:40:19.35 ID:qxcGlSE/0
マミ「な、なぁるほど、ね~……」

まどか「ああ、マミさんちょっと引かないでくださいよー!マミさんがやろうって言いだしたんですから!絶対やってもらいますよ!」

タツヤ「次はマミね!マミ!」

マミ(うぅ…学校でもこんなことしたことはなかったのに……いえ、年齢なんか関係ないわ。子供のために一肌脱いであげないと…!!)

マミ「フッ……よくぞ我が手下『マドマギカー』を倒した…褒めて使わすぞ」

まどか「おおっ、なんかすごく迫力出てる…!」

マミ「だが、所詮奴は我が手下の中でも最弱」

まどか「えっ」

マミ「この私が直々に相手をしてしんぜよう…!さぁ!かかってこい!我が名は『ティロマーミン』!!!そして我が腕の中で息絶えるがよい!」

タツヤ「なにをー!アクアの力がある限り!アクアは負けないのだー!アクアシュマッシュー!」ペシッ

マミ「くっ…!そんな馬鹿な……この私が~~~~!!!」バタッ

タツヤ「まいったか!アクアの前には海すら道をひらくのだぁ!」

まどか「最弱……」

238: 2011/10/26(水) 17:46:25.32 ID:qxcGlSE/0
マミ「ど、どうだったかしら……///」

タツヤ「マミすごーい!もっかいやろうもっかいやろう!」

マミ「えぇ、いいわよ」

カッ

タツヤ「あれ~?今の光なにー?もっかいやって、もっかい!」

コンコン ガチャ

知久「まどか、タツヤいる?…って、こらタツヤ!やっぱりここにいたのか……お姉ちゃん達の邪魔しちゃだめだぞ」

タツヤ「えぇー?もっとねーちゃんたちと遊ぶのー」

マミ「私達のことはお気になさらないで下さい」

知久「そういうわけにもいかないよ。ほらタツヤ、お姉ちゃん達にはまた後で遊んでもらおうなあ」バタン

まどか「ティヒヒ、ごめんなさいたっくんの相手までしてもらっちゃって」

マミ「ううん、私も久しぶりに本気が出せて楽しかったわ」

まどか「本気…?」

239: 2011/10/26(水) 17:50:29.60 ID:qxcGlSE/0
マミ「それじゃあ、話の続きをさせてもらうわね……」

私は美樹さんに話したことと同じようなことを話した

まどか「そんな…マミさんも未来から来てたなんて……」

マミ「ワルプルギスの夜を必ず倒してみせるわ……誰の犠牲もなく、鹿目さんを魔法少女にすることもなく」

まどか「私は……」

エイミー「にゃぁ」

マミ「あら、エイミー!元気にしてた?もう怪我は大丈夫なのね?」ナデナデ

エイミー「ふにゃぁ」ゴロゴロ

まどか「うわー、いつの間にかマミさんに懐いてますね?」

マミ「ふふ、だってもう友達だもの…ね、エイミー?」

エイミー「にゃー」

240: 2011/10/26(水) 17:51:49.51 ID:qxcGlSE/0
それからしばらく談笑した後、帰り際に夕飯ができたと言うので一緒にどうかと誘われた

断ろうかとも思ったが、両親がいないことを知るとますます引き止められたので迷っていると、鹿目さんの母親が帰宅してきた

詢子「ただいまー!あれ?まどかのお友達かな?」

マミ「初めまして、わたくし巴マミと申します。鹿目さんとはいつもご一緒に遊ばさせていただいており、お母様にはご迷惑をおかけしております」フカブカ

詢子「おおぅ、なかなか中学生とは思えない立派な子だねぇ…あなたがまどかがよく話してる巴さんかぁ」

知久「せっかくだから晩御飯を一緒にどうかな、って誘ったんだけど」

タツヤ「マミ!いっしょにたべよ!たべよ!」

詢子「うん、そりゃいいな!まどかがいっつもケーキごちそうになってるって言ってた先輩だろ?たまにはこっちにおもてなしをさせてよ」

マミ「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えさせて頂いて……」

ワイワイガヤガヤ

詢子「ええー!?マミちゃん親御さんいないの?そらまた大変だろー?せっかくだからうちに泊まっていきなよ?」

詢子「遠慮すんなって、服くらいまどかの貸して……え?サイズ?だったらあたしの使ってもいいからさー!よし!お泊り決定な!」

242: 2011/10/26(水) 18:01:10.10 ID:qxcGlSE/0
マミ「ご、強引なお母さんだったわね……」

まどか「ごめんなさい、ご迷惑でしたか?」

マミ「ううん、いいのよ…そういえば、子供の頃は誰かの家にお泊りなんてしたことなかったから、結構新鮮ね」

まどか「そうなんですか……えへへ、喜んでもらえて嬉しいです」

鹿目さんの部屋に泊めてもらうことになった私は、またしばらく遊んだり勉強を教えたり

鹿目さんが恥ずかしそうに持ってきた秘密のノートを見て、ああしたらこうしたらと言い合ったりしていた

まどか「今日は楽しかったです…ありがとうございましたマミさん……おやすみなさい」

マミ「おやすみなさい、鹿目さん……」

━現在友達16人━

244: 2011/10/26(水) 18:08:14.27 ID:qxcGlSE/0
マミ(………ちょっと寝付けないわね…お手洗い借りようかしら)

マミ(……あら?リビングの明かりが……)

詢子「おっ?マミちゃーん、どったのこんな夜中に?眠れないの?」

マミ「ええ、少し……」

詢子「ブランデーでも飲む?なんつって……」

マミ「いいんですか!?是非いただきたいです!」

詢子「へっ?いやぁ冗談のつもりだったんだけど、マミちゃん結構いくねぇ……ちょっとだけだぞ?」

マミ「いただきます……」コクン

マミ「~~っ!くぅ~っ!久しぶりに効くわ~!」

詢子「久しぶり?もしかしてよく飲んだりするんじゃ……」

マミ「!いや、違うんです!その、子供の頃少し飲まされて以来だから、久しぶりだなーって…決して頻繁に飲んでるわけじゃ!!」

詢子「ま、いいけどね……私も、まどかやマミちゃんぐらいの年にはやんちゃしたもんさ」

245: 2011/10/26(水) 18:13:15.51 ID:qxcGlSE/0
マミ「なんだかこういうのっていいですね」

詢子「急にどうしたの?」

マミ「いえ、なんだかちょっと懐かしい感じがして……」

詢子「……そっか、お母さんのこと、思い出しちゃったかぁ~…なんならお母さんと呼んでもでもいいんだぞ?」

マミ「えっ?それはちょっと……詢子さん、でどうですか?」

詢子「なんだそりゃぁ、ちょっと照れ臭いなぁ」ポリポリ

マミ(なんだか同僚と飲んでる気分を思い出したわ……多分30歳の私と近いぐらいの年齢のはずだし)

詢子「そうだよ!ずっと言おうと思ってたんだけど、まどかのことはまどかって呼んでやってよ!
   うちは皆鹿目さんなんだし、その方がまどかも喜ぶって」

マミ「そ、そうですかね……明日、呼んでみたいと思います…」

詢子「まどかはさぁ……ちゃんと元気でやってるのか?何か迷惑とかかけてるんじゃないか?」

マミ「そんなこと……鹿目さ…まどかさんは、本当にいい子ですよ。誰よりも優しい子だと思います」

246: 2011/10/26(水) 18:21:00.83 ID:qxcGlSE/0
詢子「そりゃぁあたしの自慢の娘だからねぇ……
   でも、まどかは優しすぎるから、人の分まで悲しみ背負って生きてるんじゃないかなぁ、なんて考えちゃってさ」

詢子「こないださ、詳しくは話してくれなかったんだけど、みんなの役に立てなくてどうしようって相談されたんだ……」

マミ「あ、そのことは、私にも責任があるんです…私がまどかさんを、色々と連れ回しちゃったから……」

詢子「そうなの?ま、でも、それは大した問題じゃないよ。まどかは、誰かのために自分も何かしてあげたいって考えてる……」

詢子「それはとても大事なことだけど、同時に辛いことでもある……そいつらの分の苦しみも悲しみも背負うってことになるんだからな」

マミ「……そうですね、友達として何かしてあげたいというのは必要ですけど
   友達だからこそ、責任を一緒に背負ってくれとは言えない時もあると思います」

詢子「でもさ、たまには間違えるってのも大事だよね」

マミ「……間違える?」

248: 2011/10/26(水) 18:23:40.70 ID:qxcGlSE/0
詢子「みんなで不幸になるなんて間違ってるかもしれない…けど、後になってその方が正しかったって分かることもある
   まどかは嘘もつかないし、ほんとにいい子に育ってくれた……」

詢子「けど、大人になる前に間違い方の練習をしとかないと、将来もっと辛いことになるからさ……
   間違いって分かってようが、無理にでも一緒に背負ってやるくらいのことをしてもらわなきゃな」

マミ「もし……絶対に正しくないって分かってたら…どうすればいいんでしょうか」

詢子「それを学ぶのが子供ってやつでしょ?」

マミ「いえ、大人ならどうするべきでしょうか、という意味です」

詢子「何?急に大人の話?……そうだなぁ、私だったら、失敗するって分かってることに手を出そうとは思わないかなぁ
  
詢子「……あ、でも」

マミ「でも…?」

詢子「その先にさらなる可能性があるっていうんなら、やってみるかもしれないね……
   ま、私一人の責任ってわけにもいかなくなるから、皆と相談して決めることにはなるだろうけどさ」

マミ「皆で、ですか……責任を負うのは、やっぱり何歳になってもきついですね……」

249: 2011/10/26(水) 18:24:50.71 ID:qxcGlSE/0
詢子「マミちゃんも、なんか背負ってるんだ…?」

マミ「えぇ、ちょっと見滝原のこととか世界のこととか色々と……」

詢子「は?」

マミ「でも、友達がいるから乗り越えていけるような気がします」

詢子「そっか……ね、もう一杯どう?」

マミ「!……い、頂きたいです……」ゴクリ

詢子「フフン…これで最後ね?あんまりやっちゃうとまどかに怒られちゃうから」トクトク

マミ「~~っ!いい……!」

詢子「あはは、なーんか、マミちゃんおばさんみたいだねぇ」

マミ「そ、そんなこと!………あるんですけど……」

詢子「なんだそりゃ……そうそう、まだあれやってなかったね」カラン

マミ「あれ?……あ、そうでしたね……」コロン

「 乾 杯 」コツーン

250: 2011/10/26(水) 18:26:11.60 ID:qxcGlSE/0
結局その後私の宇宙人やら仕事やらの愚痴を聞いてもらいつつ、詢子さんの愚痴も聞き、

再び布団に入ったころには2時を回っていた

翌朝

詢子「悪いねこんな朝早くに……ちょっと仕事でなんかあったみたいだから、行ってくる」

知久「いってらっしゃい」

マミ「あ、待って詢子さん…セット」カチッ カッ

詢子「どうかした?」

マミ「よかった……お仕事、頑張ってください。またいつか、ゆっくりお話したいです」

詢子「ん…じゃ、行ってきます」ガチャ バタン

知久「巴さん、ママとなんかあったのかい?」

マミ「いえ、なんでも……いい人ですね、詢子さん」

知久「そりゃぁそうさ、なんせうちの大黒柱だからね」

252: 2011/10/26(水) 18:27:36.06 ID:qxcGlSE/0
まどか「ふぁぁ~……あれ、ママ早いな~、お仕事行っちゃったんだ……あっ、マミさん、おはようございます」

マミ「おはよう、まどかさん」

まどか「ふぁい…………ふぇっ!?今、私の名前…!」

マミ「ふふ、鹿目さんは幸せね……いい家族に囲まれて」

まどか「マミさん、もう一回言ってください!」

マミ「んー……恥ずかしから、やっぱりいつも通りにするわね」

まどか「そんな~」

知久「よしっ、それじゃあタツヤも起して、皆で朝ごはんにしようか」

━現在友達17人━

253: 2011/10/26(水) 18:30:16.14 ID:qxcGlSE/0
キリがいいので風呂入る&飯の準備してくる
予定よりかなり長引きそうでヤバい

270: 2011/10/26(水) 19:41:38.28 ID:qxcGlSE/0
その日、鹿目さんの家から一旦帰宅した私は、暁美さんからの連絡を受けてさくらちゃんと待ち合わせ場所に向かった
どうやら魔法使い頃しの犯人について見当がついたらしい

既にそこには暁美さんと美樹さんが来ていた

ほむら「さやかも当事者だもの……真っ先にやられるならさやかだと思うし」

さやか「ひどいなあ!そんな言い方ないっしょ…そりゃぁ、まだ未熟だけどさ……」

さくら「コレカラ何をするのデス?」

ほむら「これから隣町に行って佐倉杏子にワルプルギスの夜への協力を要請するのと、一緒に魔法少女頃しについても言及するわ」

さくら「私の名前ト同じ名字デスネ……どんな方なのデスカ?」

マミ「佐倉さんは……昔私の弟子をしていたの」

さくら「オオ!師弟関係とは熱い展開デスネ!」

ほむら「そうはいかないわ、彼女はちょっと捻くれてるから……さやかに来てもらったのはそのためでもあるの」

さやか「は?」

271: 2011/10/26(水) 19:43:19.89 ID:qxcGlSE/0
ほむら「大丈夫、経験上あなたと佐倉杏子は仲良くできるはずよ」

さやか「どんな経験だよ」

さくら「マミさん、カツテのお知り合いナラバ友達になり易そうデスガ……あまり気乗りしてオリマセンね?」

マミ「佐倉さんとは、喧嘩別れしたようなものだから……今でも友好的に話してくれるかどうか」

隣町の風見野に到着し、佐倉さんを探し始めた私達は、

意外にもあっさりと人の少ない公園で見つけることができた

杏子「なんだてめーら……って、なんだよマミの知り合いかよ」

マミ「久しぶりね佐倉さん……あら?その子は?」

ゆま「ち、千歳ゆまです」モジモジ

杏子「別に、訳あってちょっと面倒見てるだけさ……それより、なんか用かよ?ぞろぞろと雁首揃えて」

ほむら「話があるの佐倉杏子……『黒い魔法少女』の噂を知ってるかしら?」

杏子「誰だおめー…まあ、噂は聞いてるよ」

272: 2011/10/26(水) 19:44:30.86 ID:qxcGlSE/0
暁美さんは『黒い魔法少女』と一連の事件の真相について話し始めた

犯人は呉キリカと美国織莉子
呉キリカは速度を低下させる魔法、美国織莉子は未来を予知する魔法を使うという

そして、二人の狙いは魔法少女を頃すことではなく、鹿目まどかの排除であるという

さやか「なんでまどかが狙われるのさ!なんのメリットがあるっていうの?」

ほむら「それは……いえ、ここで言うのはまずいわ」

さやか「どういう意味――」

ほむら『二人は魔法少女の真実を知らないの…下手に刺激しないで』

さやか『あっそっか、ごめん……ん?二人?』

さやか「そのちっちゃい子も魔法少女なの!?」

杏子「なんだ藪から棒に…ま、そうだけどよ」

マミ「そんな……いつ契約したの?」

ゆま「え、えっとえっと……こないだ!」

マミ「アバウトね……でも、最近QBを見ないと思ったらこんなところまで来てたのね」

275: 2011/10/26(水) 19:45:45.10 ID:qxcGlSE/0
杏子「なんでてめーらがそんなこと知ってんだよ?あたしらのことまで……
   それに、なんでそのまどかとか言う奴が狙われるんだ?つーかまず名を名乗れ」

さやか「なんだよ、偉そうに……せっかくいろんな情報を教えてあげてるのに!」

杏子「うぜー、さっさと質問に答えろ」

さやか「何をー!」

ゆま「てぇい!」ガバァ

さやか「きゃぁっ!///」バッ

ゆま「キョーコをいじめるやつはゆまが許さないから!」

さやか「だからってスカートめくるなぁ!」

ほむら「一つずつ答えてあげるわ……私は暁美ほむら、そしてしましまが美樹さやか」

さやか「おいこら!!」

ほむら「巴マミは知ってるわよね…そしてこの人が道明寺さくらさん」

さくら「ドウモ初めましてデス」ペコリ

276: 2011/10/26(水) 19:47:15.54 ID:qxcGlSE/0
ほむら「狙われる理由となぜ知っているかはまだここでは言えないわ」

杏子「なんだよそりゃ…信用できねーな
   だが、織莉子ってやつの情報はたぶん間違いねー……ゆまが名前を知ってたしな」


マミ「こらっ!女の人のスカートをめくるなんて、お行儀悪いわよ!」

ゆま「ふんだ!このねーちゃんが悪いんだもん!」


さくら「マアマア、ぱんつを見られたくらいでへこまないでクダサイ…たかが布デスヨ」

さやか「そういう問題じゃないの!」

277: 2011/10/26(水) 19:48:15.73 ID:qxcGlSE/0
ほむら「今は確かにまだ信用してほしいとは言えないわ……でも、あなたには協力してもらわなければならないことがあるの」

杏子「協力だと?そいつらをぶっ飛ばすのか?」

ほむら「いえ、それとは別の問題よ」


マミ「いい?そういうことばっかりやってると、いろんな人に嫌われちゃってお友達ができなくなるわよ?」

ゆま「ゆまはキョーコがいればいーもん」


さくら「私の見マス?」

さやか「誰が得するの?」

さくら「しかし昔懐かしい『ぶるまー』という代物ですし」ペロリ

さやか「だからって見せられても……」

279: 2011/10/26(水) 19:49:41.30 ID:qxcGlSE/0
ほむら「……ちょっといいかしら?」

杏子「……ああ、こっちもちょっと時間をくれ」


マミ「あら、佐倉さんだっていつか愛想を尽かしちゃうかもしれないわよ?」

ゆま「!そ…そんなことないもん……ゆまを一人にしないって、言ってくれたもん!」


さくら「ぱんつでなケレバ恥ずかしくナイのデハ?」

さやか「え?いや、うーん、どうだろ……」

280: 2011/10/26(水) 19:51:11.23 ID:qxcGlSE/0
ほむら「外野の皆さん、ちょっと静かにしててもらえないかしら?私達は今大事な話をしているの」

マミ「あ、ごめんなさい…つい教育的指導したくなっちゃって」

杏子「ゆま、ちょっとうるさいぞ」

ゆま「ふぇ!?キョーコ!キョーコはゆまがスカートめくってもゆまを一人にしないよね?ね?」

杏子「はぁ?」

マミ『佐倉さん……する、って言って』

杏子『……は?』

281: 2011/10/26(水) 19:52:37.25 ID:qxcGlSE/0
マミ『ゆまちゃんは、このままだと誰これ構わずスカートをめくる不良少女になってしまうわよ?そうなったらあなたにも何をするか……』

杏子『意味が分からねー…久しぶりに会って何を言い出すかと思えば……なんであたしが』

マミ『いいから言うの!間に合わなくなっても知らないわよ!』

杏子「!………ゆま、あんまり人のスカートめくってばっかだと置いてくぞ」

ゆま「そんな!?……」ガーン

マミ「ほらね?言った通りでしょ?……めくられることで悲しい思いをする人もいるの
   だから美樹さんにちゃんと謝って?」

ゆま「うん……あの、ごめんなさい」

さやか「うぇ?ああ、いいんだよ別に!お姉さんの寛容な心で許してあげるから」

マミ「良かったわね?……ありがとう、佐倉さん」

杏子「……ふん」

ほむら「…………本題に入っていいかしら?」

283: 2011/10/26(水) 19:54:31.12 ID:qxcGlSE/0
ほむら「……そういうわけで、ワルプルギスの夜を倒すために協力してほしいの」

杏子「なるほどね……話は大体分かったよ。でも、それを手伝うメリットがないね」

ほむら「当分の衣食住とグリーフシードを提供するわ……それでどう?」

さやか「頼むよ杏子!この通り!」

杏子「ふーん……ま、あたしだって魔法少女なんだ、たまには最強の魔女ってやつに喧嘩売ってみてもいいかもな」

ほむら「杏子…ありがとう」

杏子「なんだよ急に名前で……まあなんだ…とりあえず、食うかい?」

さやか「あ、ロッキーじゃん!あたしにも頂戴!」

ゆま「ずるい!ゆまも欲しい」

さくら「甘いものデスカ!?私も欲しいデス!」

杏子「群がんなよ!……ったく、調子狂うよな…」

マミ「佐倉さん」

杏子「……なんだよ」

285: 2011/10/26(水) 20:01:16.41 ID:qxcGlSE/0
マミ「あなたにも、守るものが見つかったのね」

杏子「そういうんじゃねーって……ゆまはバカなんだよ、あたしなんかのために願い事決めやがって……
   他人のために使うもんじゃねーのによ」

マミ「佐倉さん、あなただって……」

杏子「うっせー、その話はもういいんだよ」

ゆま「キョーコごめん、全部なくなっちゃった」

杏子「ったくもう……しゃあねーな」

佐倉さんは少し穏やかな表情を見せるようになったと思う
あんな別れ方をしたけれど、やっぱり心根では昔のままの佐倉さんなのだと感じた

その日は私の家に佐倉さんとゆまちゃん、暁美さんとさくらちゃんを招いた

美樹さんは残念ながら帰ってしまったので、5人で食事をすることにした

ちなみに、ゆまちゃんと相性の良さを感じてセットしたところ、
帰り道に話しているうちに仲良くなり、家に着く頃には無事友達になることができた

━現在友達18人━

287: 2011/10/26(水) 20:07:39.63 ID:qxcGlSE/0
皆で食事をしてからのんびりしていると、いつのまにかゆまちゃんが眠りについてしまった
私のベッドにそっと運び、再びリビングに戻ってくると、暁美さんと佐倉さんが真剣な顔をして待っていた

杏子「そんじゃあ、話してもらおうか……どうしてあたしらのことを知ってたのか、まどかってやつが狙われるのか」

ほむら「ええ……あなたにも話しておくべきよね、私の目的と魔法少女の真実について」

杏子「魔法少女の…?どういう意味だ?」

暁美さんの話が終わるまで、佐倉さんは黙って聞いていた

さくら「ナント酷いお話なのデショウ…いんきゅべーたーメ!例え宇宙人が許しテモ、そうは問屋が卸しマセンヨ!」

マミ「あなたもでしょ……さくらちゃん、そういうのどこで覚えてくるの?」

杏子「ん?」

マミ「えっ?」

杏子「あ、いや……そっか、あたしらの正体がそんなもんだったとはね……ゆまは寝てて正解だな」

288: 2011/10/26(水) 20:15:17.30 ID:qxcGlSE/0
マミ「ねえ、佐倉さん」

さくら「呼びマシタか?」

マミ「えっ?」

杏子「おい、ややこしいから呼び方変えてくれよ」

マミ「じゃあ……杏子」

杏子「あたしの方変えんのかよ……それで、なんだってんだよ?」

マミ「今も、あの時みたいに自分のためだけに魔法を使おうって考えてるの?」

杏子「そうだな……魔法なんてのは、徹頭徹尾自分のために使うもんさ
   そうすりゃ何が起きても自業自得にできるんだよ」

杏子「どいつもこいつも正義の味方気取って誰かのために魔法を使うだなんて
   そういう甘っちょろいこと言ってると皆不幸になって早氏にするんだ」

マミ「……セット」カチッ

杏子「何したんだよ……つーか、反論しねーのか?」

マミ「いえ、それも一つの考え方だし、私にもそういう時期があったわ……否定なんてできない」

290: 2011/10/26(水) 20:20:39.40 ID:qxcGlSE/0
親愛度は私からが5割、杏子からは――

マミ「でも、今はまた正義の、世界のために戦うと決めたの…あなたもゆまちゃんのために、戦っているんでしょう?」

杏子「はぁ?そんなんじゃねーっての。あいつが勝手についてきてるだけだよ」

ほむら「その割には、千歳ゆまと話すときの杏子は嬉しそうよね」

さくら「アア分かりマス分かりマス!愛に溢れてイマスネ」

杏子「違うっつーの!……あたしのために願い使っちまったのに、勝手に氏なれたら後味悪いってだけだよ
   ゆまといいさやかといい、ホント馬鹿ばっかだな」

マミ「ならそういうことにしておきましょうか……杏子とまた一緒に戦うことができて、私は嬉しいわ」

杏子「フン……」

マミ「もう誰も不幸になんかさせない……私は、みんなを信じて生きていくの」

杏子「所詮綺麗事だね……ほんと甘ちゃんだよ、マミは」

マミ「ふふ、ありがとう杏子……これからも、お友達でいましょうね」ピピピピピ

カッ

292: 2011/10/26(水) 20:26:20.68 ID:qxcGlSE/0
杏子「チッ……もういいよ、風呂借りるぞ」ガチャッ バタン

マミ「いいわよ…って聞く前に行っちゃった」

さくら「お友達成立オメデトウゴザイマス、随分とお早かったデスネ
    やはり昔の知り合いダッタというのが関係しているのデショウカ」

マミ「それもあるけど……杏子からの親愛度が、もうほぼ10割近かったの」

さくら「ナント…ソレは素晴らしいデスネ」

マミ「杏子も、ゆまちゃんや美樹さんみたいに誰かのために願いを使ったの
   こうして一人じゃなく皆と一緒にいることで、昔を思い出してくれたのかも」

マミ「だから、後は私の気持ち次第だったの。私が、杏子とまた一緒にいたいって思えれば、それで良かったのよ」

さくら「ナルホド、それは素晴らしい……マミさんの周りは愛溢れる方が多い様でなによりデス」

ほむら「これでワルプルギスの夜に勝てる算段はずっと高くなってきたわ……今回こそ、必ず運命を変えましょう」

マミ「そうね…でも、まだできることがあるはずよ……」

ほむら「どういうこと?」

マミ「それは――」

294: 2011/10/26(水) 20:32:51.00 ID:qxcGlSE/0
杏子「おい!なんか風呂に魔女いるんだけどどうなってんだよ!?」ガチャッ

マミ「魔女?ああ、シャルちゃんね?可愛いでしょ?」

杏子「可愛くねーよ!なんで魔女がこんなとこにいるんだよ!おかしいだろ!?」

シャルロッテ「……」ヨタヨタ

マミ「そういえば今日のご飯まだだったわね…はい、チーズ」

シャルロッテ「……」モグモグ

杏子「無視すんなこら……馴染みすぎだろ」

マミ「いい?シャルちゃんはね……お友達なの!」

杏子「え?あ、ああそうなのか……って納得できるか!」

296: 2011/10/26(水) 20:35:19.60 ID:qxcGlSE/0
ほむら「心配しなくてもチーズさえあげていれば無害よ」

ゆま「んんっ…キョーコうるさいぃ…なんで裸でなの?」

杏子「しまっ…!///」バッ

マミ「何よ、女の子同士なんだから気にしなくてもいいんじゃない?」

杏子「そういう問題じゃねーよ!」

ゆま「あっ!何その歩くぬいぐるみ!可愛い!!ゆまにも抱っこさせて!」

シャルロッテ「……」モグモグ

ゆま「はぁ~~~~~~……癒されるぅ~~~~~」スリスリ

300: 2011/10/26(水) 20:42:44.92 ID:qxcGlSE/0
杏子「おいゆま、そいつはなぁ……」

シャルロッテ「……?」キョトン

杏子「うっ!」ズキュン

ほむら「今、不覚にも可愛いって思ったわね」

さくら「思ってマシタネ」

マミ「思ったわね」

杏子「うっせー!///……風呂入るから、そいつ入れるなよ!?」バタン

マミ「シャルちゃんはチーズあげると喜ぶわよ」

ゆま「ほんと!?……うわぁ、食べたぁ!ねえマミ!シャルちゃんと一緒に寝ていい!?」

マミ「ええ、いいわよ。おやすみ、ゆまちゃん」

その後、杏子はムスッとしたままベッドに向かっていった
さくらちゃんは家に帰り、暁美さんも帰ってしまった

そういえば、暁美さんと話の続きをできていなかった事を思い出した

マミ(まあ、明日以降でいいわよね)

301: 2011/10/26(水) 20:47:34.05 ID:qxcGlSE/0
QB「やれやれ、ようやくマミの部屋に入ることができるよ」ピョイッ

マミ「QB……もしかしてずっと待ってたの?」

QB「こうでもしないと僕に危害を加えられそうだからね……まともに話ができるのは、今はマミだけさ」

マミ「今までのつけが回ってきたのよ」

QB「理不尽な理由だね……人というのは本当に稀有な生き物だよ」

マミ「それはこっちの台詞よ。宇宙人はみんな感情なんかないのかと思ってたけど
   さくらちゃんみたいなのもいるみたいだし…あなた達が例外なんじゃないの?」

QB「まあ、僕達としては、それで宇宙のエネルギー事情が解決されれば万事問題ないんだぐぇっ」

さくら「マミさん、しばらくコノ生き物を拝借しても宜しいデショウカ?」

マミ「い、いいわよ……でも、いきなりタンスの中から現れないでよ…びっくりするじゃない」

QB「せめてもう少し丁重に扱ってくれないかな?」

━現在友達19人━

303: 2011/10/26(水) 20:54:30.59 ID:qxcGlSE/0
某日、宇宙船の中

さくら「ソレデハ、定例報告を行いマス
    今回は地球の人間の中でも特殊な分類に当たる、『魔法少女』という者がさんぷるでありマス」

さくら「そこで、趣向を凝らして彼女達の戦う『魔女』の空間を再現してみマシタ
    発表はコレマタ趣向を凝らして、あにめーしょんで行いたいと思いマス」

宇宙人1「wぜrtyぐいじょ!pklくぇgdびうqy1q3w」
(訳:なんだこの空間は!このような形式にする必要性が感じられない)

宇宙人2「rちぃおp!q4kwgんち、4wm;おmfぴっ!くぇwpfjskcもfれの……」
(訳:その通りだ!それに、その言葉も不愉快だ!私達なりの簡略化された情報伝達が……)

さくら「てぃろ・ふぃなーれ!」 宇宙人1、2「!?」ビクッ

さくら「…コノように、魔法少女は魔女に対して必殺技に名前をつけて攻撃しマス……
    さんぷるを理解する上で、後々必要になる知識かと思われマス」

宇宙人1(bsなお32@いうdfpm:f「@pl)ドキドキ
(訳:なんだ今のは……ちょっと楽しかったかも)

さくら「議長、コノ方式での発表の許可を申請シマス」

シリウス「よろしい、始めたまえ」

306: 2011/10/26(水) 21:01:13.15 ID:qxcGlSE/0
カワシタ ヤークソクー ワスレーナイヨー♪ メーヲトジー タシカメルー♪

宇宙人4「なんだこの音は?随分チープに感じられるが……」

さくら「地球では、省略することもあるそうデスガ、基本的にあにめーしょんの始まりに彼らの生み出した音楽トイウものを流すそうデス」

宇宙人5「確かに変ではあるが……悪くないかもしれないな」

さくら「ちなみに、地球時間にしておおよそ30分、もしくは1時間程であにめーしょんは終わりマス
    今回は1時間形式とさせて頂いておりマス」

さくら「また、始まりの音楽をおーぷにんぐ、終わりをえんでぃんぐと申しマス」

宇宙人1「この映像は何なのだ?本当にこのようなことが起こっているのか?」

さくら「あにめーしょんは基本的ニふぃくしょんの産物デス。私が発表させて頂くものは9割ガのんふぃくしょんデスガ……」

さくら「声は人口声帯を用いてホボ100%で再現しておりマス」

宇宙人3「これはこれで興味深い……それよりも早くさんぷるの形態を見せてくれ」

さくら「焦らないでくだサイ……もうすぐ始まりマスノデ」

クージーケーナーイ♪

308: 2011/10/26(水) 21:08:43.80 ID:qxcGlSE/0
~~~~~~~~~~
とある朝、学校にて

マミ「さくらちゃん何描いてるの?……って、それ私?」

さくら「ドウカお気になさらず、私の新しい趣味とデモ」

マミ「そんなこと言ってもペンを動かすスピードが尋常じゃないわよっ!!それ只の絵じゃないわよね!?」

さくら「ハイ、あにめーしょんデス」

マミ「何を作るつもりなの!?」

放課後
さくら「さて、今日で既に絵コンテは仕上がりマシタ。おっと、マミさんの写真も撮らせて貰いマス」パシャパシャ

マミ「良く分からないけれど、世のアニメーターがあなたを泣いて欲しがるわよ……」

さくら「帰ってあにめーしょんを製作しマス。恐らく1話分ならば余裕でしょう」

マミ「なんの話よ!……それはともかく、私もやっと19人ね――きゃっ!!」ドタッ カチッ

男「おっとすいません、お怪我はありませんか?」

310: 2011/10/26(水) 21:14:36.68 ID:qxcGlSE/0
マミ「!い、いえ、大丈夫ですので……」

さくら「本当に大丈夫デスカ?顔が熱そうデスが」

マミ「な、何言ってるの!私は学生とかの男性には興味ないのよ!」カー

女「あなたも学生でしょ!っていうか、星野くん気をつけないと……」

星野「すいません、根岸さんしか目に入っていなかったもので」

根岸「そう言うことを堂々と言うな!」バキッ

マミ「えぇっ!?何も殴らなくても……」

根岸「いや、ごめんなさい!気にしないでください、これは突っ込みみたいなもので、なんというか、その~」

星野「不器用な根岸さんなりの愛情表現なので許してやってください」

根岸「何様のつもりだっ!っていうか不器用言うな!」バシッ

マミ(ば…バイオレンスな彼女さんね……)
~~~~~~~~~~

さくら「と、コノようにさんぷるが出会ったのは、この星の言語で言う『ばかっぷる』というものデシタ」

さくら「そしてこの後、彼らを見つめるさんぷるの心境に変化が訪れマス」

311: 2011/10/26(水) 21:19:34.72 ID:qxcGlSE/0
~~~~~~~~~~
マミ「あの、本当に大丈夫ですからお気になさらず」

根岸「ホントごめんね!じゃ、行こっか根岸くん」テクテク

マミ「行っちゃったわね……はぁ、それにしても、恋人かぁ~……甘酸っぱいわね」

さくら「マミさんマミさん」ツンツン

マミ「なあにさくらちゃん?私達もそろそろ行く?」

さくら「腕のかうんたーをご覧ください」

マミ「えっ……え、あれ……も、もしかして、さっきの人に……!」

さくら「どうやらセットされてしまったようデスネ」

マミ「そこの二人!ちょっと待って!」

星野「はい?まだ何かご用でしょうか!ま、まさか汚れた制服のクリーニング代を請求するおつもりですか?」ガクガク

根岸「そんなヤクザな中学生いるわけないでしょ!」

マミ「あの、ええっと……」

マミ(な、なんて言えばいいのかしら……彼女さんの手前、お友達になってなんて言い出しにくいけど……)

313: 2011/10/26(水) 21:23:42.75 ID:qxcGlSE/0
マミ(あっ、この制服私が通ってた見滝原北高校の……こうなったら)

マミ「あ!お二人とも、ミタキタの人ですよね!?私、実は見滝原中学の三年生で、お二人の高校を目指してるんです」

マミ「だからですね!ぜひ高校生活のこととか入試の際に気をつけることとか、ご教授していただきたいなと思いまして!
   あ、申し遅れましたが、わたくし巴マミと申します」ペコペコ

さくら「マミさん、敬語になってマスヨ」

マミ「仕方ないでしょ!一応先輩ってことになってるんだから!」

根岸「一応ってなんだよっ!」

マミ「あの、駄目でしょうか?」

星野「どうして俺達なんでしょうか?暇そうな友人なら紹介できますが」

根岸「あいつらはやめといたほうがいいでしょ」

マミ「お二人じゃないと駄目なんです……でないと、地球がどうなるか……」

根岸「急に話が大きくなったよっ!?」

マミ「お願いします!」ペコリ

さくら「スイマセンが、こうしてマミさんも頭を下げてることデスしここはドウカお一つ……」

マミネギ「なんであなたが偉そうなのっ!」

315: 2011/10/26(水) 21:30:34.55 ID:qxcGlSE/0
根岸「じゃあ、どこか喫茶店でも寄ってく?」

マミ「!ありがとうございます!それじゃあ、お言葉に甘えて……」

星野「ごめんなさい根岸さん……」

根岸「いや、別に星野くんは悪くないし」

星野「巴さん(?)もごめんなさい、話してる途中でつい乳ばっかり見てしまうと思いますが」

マミ「ちちっ!?///」

根岸「なんてこと言ってんだお前はっ!!!」バシッ

星野「いえ、しかしこの先一緒にお話をすることになるとしますと、自分の中の内なる獣を抑制できる自信がありませんので……」

根岸「そうだとしても初対面の子に言うな!」

マミ「あ、あははは……」

316: 2011/10/26(水) 21:31:31.84 ID:qxcGlSE/0
喫茶店
マミ「ごめんなさい、二人のお邪魔をしてしまって……」

根岸「ううん、いいのいいの。未来の後輩のためだもん!私達が一肌脱いであげるからね」

星野「俺としては根岸さんとの二人っきりの時間が減ってしまうので、いい迷惑ですけどね」

根岸「そういうこと言わないの!」ビシッ

マミ「お二人とも仲がいいんですね……えっと、根岸さんと星野さん?」

星野「はい、僕達は恋人ですので」

さくら「それは見れば分かりマス」

星野「まあ、S○Xはまだなんですけどね」

マミ「セッ!?///」

根岸「だからそういうこと堂々と言うな!TPOわきまえろよ!」バシッ

マミ「あの、学校のこと聞いてもいいですか!」(話題変えよう……)

根岸「そ、そうね!そうだったね!」(ナイスよマミちゃん!)

319: 2011/10/26(水) 21:37:47.01 ID:qxcGlSE/0
そしてしばらく学校のことについて話を聞いていた……
もっとも、見滝原北高校は一度通っていたことがあるので概ね事情は理解していたのだが

星野「――とまあ、こんな感じですよ」

マミ「はあ、えっと……お二人がラブラブだということはよく分かりました」

根岸「ちょくちょくあたしらの思い出話を挟むな!紛らわしいでしょっ!!」

星野「すいません……でも、なんだか話をしていると懐かしくなってしまって……僕らももう受験生ですから」

マミ「そうだったんですか?ごめんなさい、忙しくなる時期に……」

マミ(そうだとは思ってたけど……こんなに有名そうな二人の噂が流れてこなかったわけだし、
   私が入る頃には卒業してたってことよね)

根岸「どうかな?参考になったかな?」

マミ「はい、とっても勉強になりました。私も絶対入学したいと思います!」

さくら「マミさんなら楽勝デスヨ、大人デスから」

マミ「それは言わないの」

星野「それは……身体が大人に近づいているということの言い回しですか?」

根岸「イヤラシイ聞き方すんな!」バキッ

321: 2011/10/26(水) 21:43:45.62 ID:qxcGlSE/0
星野「それでは、お話も終わったことですし、俺達はそろそろ……」

マミ「あ、あの!せっかくですから、私達とお友達になってくれませんか?」

星野「根岸さんがいるので無理です」

根岸「即答かよっ!別にいいでしょ、お友達くらい!」

星野「じゃあオッケーです」

根岸「軽いよっ!」

マミ「ありがとうございます!これで地球は救われると思います!!」

根岸「だから話がなんか壮大だよっ!」

マミ「お二人の馴れ初めとか、他にもいろいろもう少し聞きたいんですけど……いいですか?」

さくら「マミさん今日は少してんしょんが高いといいマスカ、食い付きますね」

マミ「そう、かな……なんか、二人を見てたら、忘れてた感情がまた芽生えてきちゃったみたいで……」

さくら「ヒュゥ~♪」

マミ「また変な表現覚えてきたわね」
~~~~~~~~~~

323: 2011/10/26(水) 21:49:37.82 ID:qxcGlSE/0
さくら「さんぷるは所謂『恋愛感情』、というものに再び興味を抱いた模様デス」

さくら「二人のらぶらぶっぷりに心を揺さぶられたようデスネ」

宇宙人2「こんな事故みたいなセットの仕方で地球人は友達になれるのか?さんぷるは大丈夫なのか?」ドキドキ

さくら「マダマダこれからデスヨ」

~~~~~~~~~~
星野「そこで根岸さんから頂いたものがチョコだったのですが、あれは何と言うか、さながら二酸化マンガンのようでして」

根岸「赤裸々に語りすぎだよっ!」

マミ「あの、軽い料理でよければ、今度教えますけど……」

根岸「うわーん、後輩にまで同情されたくなーい!」

さくら「ナルホド、マミさんと一緒では気付けない愛の話が聞けて大変参考になりマス」

マミ「悪かったわね!男っ気がなくて!」

根岸「ええー、マミちゃん彼氏いないの?モテそうなのになー」

マミ「いや、そう言うのとは縁がなくって……将来的にも、結婚するつもりはないんですけど」

326: 2011/10/26(水) 22:01:22.80 ID:qxcGlSE/0
エェーエーエーェー エェーエーエーェー♪

宇宙人6「なんだ!?これで終わりなのか!?」

宇宙人7「そうだそうだ!ここからがいいところじゃないか!」

さくら「慌てないでください、あにめーしょんの1話分が終了しただけデス。すぐに2話が始まりマスので、それまでお待ちを」

宇宙人4「しかし、さんぷるはここからどうやって距離を縮めるつもりなのだ?」

宇宙人8「この時点での互いの親愛度はどうなっているんだ?」

さくら「さんぷる4割、対象者6割といったところデス」

宇宙人9「なんだ、さんぷるの方が愛情が少ないではないか!」

宇宙人1「所詮野蛮人ということか」

\アッハッハッハッハッハッハ/

さくら「てぃろ・ふぃなーれ!」 宇宙人's「!?」ビクッ

さくら「みなさんお静かに……さあ、第2話が始まりマス」
~~~~~~~~~~

328: 2011/10/26(水) 22:02:14.17 ID:qxcGlSE/0
根岸「そうなの!?結婚は女の人みんなの夢って思ってたけど、やっぱり人それぞれ何だねー」

星野「夢見すぎですよ根岸さん。俺は将来的に根岸さんとしたいと思ってはいますが」

根岸「なっ、こんなところで何言ってんの!///」

星野「そのためには夢の実現からですけどね。必ず宇宙に行ってきます!」

根岸「夢見すぎなのはそっちもでしょ!……もうっ!」

さくら「ホホゥ、宇宙に興味がお有りなのデスカ?私宇宙には詳しいのデスガ、宜しければ色々と伝授いたシマショウカ?」ギラリ

マミ(そりゃあ、宇宙人だものね)

星野「そうなんですか?ぜひお願いします!」

さくら「それでは準備をして参りマスノデ、少々お待ちクダサイ。トイレに行って参りマス」

根岸「教えるのにどんな準備がいるのよ……」

マミ「あの、二人に聞いてみたいことがあるんです。例えば、例えばの話なんですけど……
   もしどちらかがある日突然、目の前からいなくなってしまったら……どうしますか?」

根岸「えっ…?」

to be continue
~~~~~~~~~~

331: 2011/10/26(水) 22:14:00.75 ID:qxcGlSE/0
マミ「例えば、例えばの話なんですけど……もしどちらかがある日突然、目の前からいなくなってしまったら……どうしますか?」

根岸「えっ…?」

星野「何も言わずに突然ですか?んー、うーん…………うーーーーーん……」

根岸「あたしなら、そうだなー、やっぱり探しに行くわね!そんで見つけ出して一発喝を入れる!」シュッシュッ

星野「俺も探し出して、どうして突然だったのか、なぜいなくならなければならなかったのかを議論したいと思います
   なぜそのような行動に出たのか理解できませんので」

根岸「なんか硬いなー」

マミ「じゃあ、もう二度と会えないとしたら…?」

星野「多分俺も氏ぬでしょう」

根岸「えぇっ!?いやいや早まらない方がいいよ!!氏んだとは言ってないし!」

星野「そしてあの世でまた、どうして突然だったのか、なぜ氏ななければならなかったのかを議論したいと思います」

根岸「やっぱり硬いよっ!」

マミ「……ありがとうございます、いい人ですね星野さんは」

星野「残念ながら付き合うことはできませんので」キッパリ

マミネギ「そこまで言ってないでしょっ!!」

335: 2011/10/26(水) 22:22:19.22 ID:qxcGlSE/0
根岸「あたしは、なんだかんだでずっと生きてると思うんだよねー」

星野「そ、それは俺以外の誰かと一緒にということですか…?」ガクガク

根岸「それは分かんないけど、多分一人だと思う……うん、二人の思い出とか絆とか全部大切にして、生きていくと思う」

星野「そうですか……しかしよく考えると、子供がいるかによって答えは変わってきますよね?
   俺達はまだS○Xしているわけではありませんが……」

根岸「だからオブラートに包めっ!!!」バキッ

星野「すいません……」

マミ「ありがとうございます……それからごめんなさい、変なこと聞いちゃって」

星野「いえ、俺達の距離がまた一歩近づくことができたと思いますので、そこは感謝ですね」 ピピピピ
~~~~~~~~~~

宇宙人7「うーむ、地球人はなかなか愛情深いのか…?」

さくら「私がいない間のコノしーんには小型かめらヲ設置していたノデ、ホボ事実デス」

さくら「さんぷるは魔法少女という不条理な存在でありナガラ、一体何を思っていたのか?後で聞いたものを参考に仕上げてみマシタ」

339: 2011/10/26(水) 22:31:11.97 ID:qxcGlSE/0
~~~~~~~~~~
マミ(魔法少女はいつ氏ぬか魔女になるか分からない存在……だから恋人や家族はいらないと思ってた)

マミ(でも、ひょっとしたら私にもそういう素敵な人ができて、子供を産んだりなんかする…そういう明るい未来があるのかもしれない)

マミ(……なんて、ちょっとセンチになりすぎたわね。もう恋なんてしないつもりだったのに)

マミ(二人を見てたら、こういうのもいいのかも……って思えてくるわ)

マミ(そして、絶対に二人の未来を守らないと、って思ったの)
~~~~~~~~~~

宇宙人3「何やら決意したぞ」

宇宙人8「これはつまり、二人のひたむきさに心を撃たれた、という解釈でいいのか?」

宇宙人9「まあまだ分からん、続きを見よう」
~~~~~~~~~~

342: 2011/10/26(水) 22:39:59.01 ID:qxcGlSE/0
星野「それではせっかくの機会ですので、俺からも質問をさせて頂きます」

マミ「なんでしょうか?」

星野「女子の会話に入れなくて困っているんですが、どうにかなりませんか?」

根岸「星野くんあれ気にしてたんだ……」

マミ「えっと、どういうことなんですか?」

星野「最近昼休みに根岸さんと根岸さんの友人と冴木さんの三人がよく集まるのですが」

根岸「陽子ちゃんね、陽子ちゃん」

星野「俺以外の三人でトークを始めてしまって…俺が聞いても、男には分かんないよねー、と退けられてしまうのです……
   どうすればいいのでしょうか?」

マミ「はぁ……無理なんじゃないですか?」

根岸「意外とズバッというね」

星野「な、なぜですか!?俺はただ、根岸さんを一人占めしたいけどそういうわけにもいかないので
   仕方なく妥協してみんなで会話をしたいだけなのに!」

根岸「そういう欲望丸出しだからでしょ!」

マミ「その通りね、女子には女子にしかできない会話があるの……そこに入り込もうだなんて到底無理よ!」キリッ

345: 2011/10/26(水) 22:46:21.51 ID:qxcGlSE/0
星野「なんてことだ……それじゃあ、俺は一生根岸さんとお昼ご飯中に会話できないのか……」

根岸「いや、学校以外ならできるでしょ」

星野「それはすなわち、卒業するまでは無理ということに……」

根岸「そこまで言ってないよ!普通にしてればいいんだって」

マミ「それだけ大事に思われてるってことですよね……なんだか、妬けちゃうわ」

マミ「ほんと、二人ともお似合いのカップルだと思いますよ」

カッ

根岸「あれ、今何か光った?」

星野「そうでしたか?根岸さんの方に気を取られていたもので全く気がつきませんでした」

根岸「それはもういいよ!」ビシッ

さくら「イヤ~、オ待タセシマシタ」スタスタ

マミ「きゃあっ!!さくらちゃん変装はどうしたの!?」

さくら「コノ姿ノ方ガ宇宙ノ説明ニ向イテイルカト思イマシテ」

348: 2011/10/26(水) 22:50:23.30 ID:qxcGlSE/0
さくら「スイマセン、コノお店のみなさんの記憶は消しておきマスネ」ピッ

マミ「また毒電波……大丈夫なのかしら、なんかみんな生気が抜けたような顔してるけれど……」

さくら「トコロデ、無事にお友達になれたようですが如何デシタか?」

マミ「そうね、恋愛もやっぱり悪くないのかなって思えたわ……」

さくら「20人目にして初めての異性のお友達デスネ!オメデトウゴザイマス、遂にマミさんにも男っ気が出てきマシタね!!」

マミ「そういえばそうねえ……って、大きなお世話よ!」

さくら「ヒュゥ~♪」

マミ「それ流行ってるの?よく考えたら、鹿目さん家のたっくんが……って、子供相手に何を言ってるのかしら私は……
   それより、さくらちゃんはどう思うの?地球人の恋愛に関して」

さくら「私デスカ?ンー……そのお話はよしマショウ、私は中立的観測者デスカラ」

マミ「そうなの?さくらちゃんにもそういう恋愛感情とかあるのかなって期待してたのに……」
~~~~~~~~~~

349: 2011/10/26(水) 22:52:52.41 ID:qxcGlSE/0
さくら「こうして、見事さんぷるは対象者と友達を成立させマシタ」

宇宙人6「地球人の恋愛というものは、中々に甘酸っぱい物なのだな」ドキドキ

宇宙人9「ああ……なんというか、こう、キュンとするな」

さくら「さらにさんぷるは、もう一人のメスの方にもかうんたーをせっとシマシタ」

\ナ、ナンダッテー!?/ \ダガタシカニ、フンイキハヨカッタゾ/

~~~~~~~~~~
根岸「そうなのそうなの、あれったらさー」キャピキャピ

マミ「えー、そうなんですか?意外ですねー」キャピキャピ

さくら「ホント男の子っタラー」キャピキャピ

星野「……あの、一体何の話をしているのですか?」

女子「男には分かんない話よ?ねー?」ねー

カッ
~~~~~~~~~~
さくら「女の子同士話が盛り上がったのか、あっさりと友達を成立サセテしまいマシタ」

宇宙人4「やるなーさんぷるは!」
~~~~~~~~~~

350: 2011/10/26(水) 22:55:22.95 ID:qxcGlSE/0
根岸「そうだ!マミちゃんメアド教えてよ!」

マミ「えぇ、どうぞ」

マミ(根岸由美子さんか……あれ?どこかで聞いたことがあるような…………あっ!)

マミ「あの、星野さんの下の名前って、ひょっとして星野一さんではないですか!?」

星野「えっ、そうですけど、どうしてそのことを……ま、まさか俺のことをストーカーしてたんじゃ……」ガクガク

根岸「明らかに今までの反応はストーカーじゃなかったろっ!」ビシッ

マミ「……夢、きっと叶うと思いますよ」

星野「はい、ありがとうございます」

マミ(10年後、日本人初の火星探査船のクルーとして選ばれたのが星野一さん……
   そして、ヒューストンに向けて放った第一声が……)


「根岸さん!!!火星から帰ったら俺と結婚して下さい!!!」


マミ(その相手が根岸由美子さん……この世界でも、二人が結ばれるといいわね)

fin
~~~~~~~~~~

352: 2011/10/26(水) 22:57:45.33 ID:qxcGlSE/0
エェーエーエーェー エェーエーエーェー♪

さくら「参考あにめーしょんは以上デス」

宇宙人1「さんぷるが恋愛感情を取り戻しただけで本当に友情が成立するのか?」

宇宙人2「確かに、あのオスの気持ちもよく分からない、感謝だけで親愛度が上がるとは……」

宇宙人3「元々事故のようなせっとだった。不注意で世界を危険に晒していたし……」

さくら「デスガみなさん中々楽しんでおられたノデハ?」

宇宙人4「確かに、こういう甘酸っぱい話は聞いてて面白かったかも……」

さくら「さんぷるは持っていたのです……愛を!」

さくら「そして気付いたのです。愛に立ち向かうコト、それもまた愛なのデアルと!
    愛がある故に、人の愛を知ることができ、互いに歩み寄ることができるのデアルと!」

宇宙人5「バカな!いくらなんでも決め付けすぎではないか!?試験はまだ始まったばかりだぞ」

さくら「あくまで私のふぃーるどわーくを通しての個人見解デス。シカシ新たな視点から見ることで分かるコトもあるのデス
    さんぷるが恋愛感情に気付いたように、私もまた彼らの立場に立って気付きマシタ。さんぷる……イヤ」

さくら「マミさんは確かに愛を持っている」

さくら「私はマミさんが大好きです」

\オオー!/ \キャーキャー/

354: 2011/10/26(水) 22:59:44.41 ID:qxcGlSE/0
さくら「今回で一気に21人目…20人達成のぷれぜんと、及び先程の報告の理由により……」

さくら「早期試験終了を視野に入れた試験第二段階へのすてっぷあっぷを申請しマス」

シリウス「……よかろう」

\オオー!/ \イイゾイイゾー/

さくら「ソレとシリウス議長、実はもう一つ頼みたいコトがあるのデスガ……サアサア、入ってきてくだサイ」

QB「やあ、お邪魔させてもらっているよ……僕らと同じくらいか、それ以上に文明が発達しているようで大変興味深い」

シリウス「ふむ、これはまた珍しい客だ……なぜ地球人以外の異性人がここに?」

さくら「ハイ、ソレには宇宙のエネルギー問題と先程の魔法少女が関係してくるので、少々説明させて頂きマス」

356: 2011/10/26(水) 23:01:19.67 ID:qxcGlSE/0
ざわっ…ざわっ…

\ソンナコトニナッテタノカ/ \オレモキイタコトガアルゾ/ \タイヘンソー/

さくら「そこで、試験中の例の装置をさんぷるの30人達成記念に、実用実験も兼ねてぷれぜんとしたいと思うのデス」

シリウス「……確かにいいアイデアかもしれないが、アノ装置を任せるにはまだまだ時期尚早ではないかね」

さくら「しかし、コノ短期間で友人の数は既に20人を超えておりマス……十分責任を持てる…信頼できると私は考えマス」

QB「僕らとしても、見せてもらったあの装置の有用性が証明されれば、
  より効率よくエネルギー回収ができるわけだから、お願いしたいところなんだけどな」

シリウス「うーむ…………いや、やはり早すぎる。せめて50人の友達を作るまでは見送ろう」

\ソウダソウダー/ \マダワカンナイシナ/ \ヤバンナシュゾクダッタラタイヘンダ/

さくら「……分かりマシタ……それでは、これにて報告は終了デス」

━現在友達21人━

359: 2011/10/26(水) 23:08:51.15 ID:qxcGlSE/0
それから数日後

今日は呉キリカについて調べるつもりだった
暁美さんの資料によると、私とクラスは別で、どうも不登校になっているらしい
様々な人に聞いてみたが、あまり期待した答えは返ってこなかった

放課後、帰り道

マミ「はぁ~、結局まともな情報はなかったわね」

さくら「一体ドノような情報をお求めだったのデスカ?キリカさんのお友達を探していたようデスガ」

マミ「呉さんのお友達なら呉さんのことをよく知っているでしょう?
   そこから友達になれるチャンスが出てきたかもしれないのに」

さくら「オヤ?マミさんは敵であるハズのキリカさんトモお友達になるおツモリで?」

マミ「正直、まだまだワルプルギスの夜に向けて戦力が足りないのも事実だもの……仲間になってくれれば心強いわ」

マミ「それに、鹿目さんが魔法少女にならないよう私達が動いてきたもの
   これであの二人の目的はなくなるわけだから、話せば分かってくれるはずよ」

さくら「フゥー…敵でアルと向こう側が認識してイル以上、ソウうまくいくとは思えマセンガ……」ヤレヤレ

マミ「やってみなくちゃ分からないでしょう?」

361: 2011/10/26(水) 23:18:47.06 ID:qxcGlSE/0
さくら「そういえば、私が今朝ぷれぜんとしたアレはお使いにならないのデスカ?」

マミ「ああ、『グループセット』機能のこと?タイミングがあればね……」

~~~~~~~~~~
パチン

マミ「はぁ~…腕が軽い……こんな気持ち久しぶり……!」

さくら「これでヨシっと……マミさん、もう一度腕を出してもらえマスカ?」

マミ「お風呂とか入る時も辛かったのよね…もう何もこわ――」パチン

さくら「トッテモお似合いデスヨ!ソチラのかうんたーが20人達成記念のぷれぜんととなりマス!」

マミ「せめて……せめてもう少し、夢を見せてくれたって……」グスン

マミ「それで、これは何が変わったのかしら?見た目は同じだけれど」

さくら「全くの別物デスヨ…今後のマミさんの試験の行方にも大きく関わる素晴らしい新機能がついておりマス」

362: 2011/10/26(水) 23:19:41.46 ID:qxcGlSE/0
マミ「グループセット…?」

さくら「ハイ、これまで一人ずつでしかせっとできなかったものが複数にん同時にできるようばーじょんあっぷされました」

さくら「経験上お気づきかもしれまセンガ、愛とは不変の確固たるものではありマセン
    マミさんのお友達の中には心変わりされた方もいるのではないでショウカ?」

マミ「そんなことないわ!今でもみんな大切なお友達よ!」

さくら「マアマア、怒らずに聞いて下サイ。これは唯の例え話デスカラ」
    時に流動し不安定な人の心……友情成立の機を逃さないためにコノ新機能が役に立つのデス」

マミ「……なんとなく分かってきたわ…あらかじめ複数人セットできれば、
   ある瞬間だけ友達になれたような人とのチャンスを逃さないってことね」

さくら「その通りデス。これでマミさんも一気にウッハウハデスヨ」

マミ「言い方がいやらしいわね……その機能、もう少し早く手に入っていれば星野さん達との成立も少しは楽だったわね……」

さくら「ヤレヤレ、いやらしいのはドチラなのデショウカ……」

マミ「うっ……ま、まあ、そんなことより学校があるんだから!早く準備しましょう!」
~~~~~~~~~~

364: 2011/10/26(水) 23:24:32.30 ID:qxcGlSE/0
マミ「仕方ないわね、今日は帰って――」

?「ぅああぁあぁあぁぁぁぁ!ないよ!ないよぅー!」

マミ(?何かしらあの子……!あの顔、もしかして)

?「どうしよう!ないよ!ないっよー!もう駄目だ生きていられない!さようなら私!」

マミ「ひょっとして……探し物はこ――」ヒョイ

?「あったー!会いたかったよ!もう離さないから!」

?「君!ありがとう!おかげで私の愛は氏なずに済んだよ!お礼をさせてくれないかな、恩人?」

マミ「お礼なんてそんな……」

?「頼むよ!私の愛を見つけてくれたんだから!何かさせてよ!」

マミ「それじゃあ………私とお友達になってくれないかしら?呉キリカさん…?」

キリカ「!…………名乗った覚えはないけど……いや、それより、私に友達は必要ないよ」

マミ「あら、どうして?」

367: 2011/10/26(水) 23:30:18.77 ID:qxcGlSE/0
キリカ「興味がないんだ……くだらない友情ごっこや恋愛ごっこ…そんなくだらないものには、全部興味がない……
    ま、それは今の私になるまでの考えだけどね」

マミ「だったら」

キリカ「けど、やっぱり必要ないよね……只一人愛を傾けられる人がいればね」

マミ「そう……なら、その落し物は、それができる大好きな人からの贈り物か何かなのかしら?」

キリカ「……好きとか………そんな軽々しいものじゃない!愛は全てだ!!」

キリカ「好きだの大好きだの愛を単位で表わすような奴は愛の本質を知らない!君は何もわかっちゃいない!」

さくら「ホホゥ、興味深い意見デスネ…デハ、あなたの考える愛とは何なのデスカ?」

キリカ「教えてあげるよ恩人の友人……愛は、無限に有限なんだよ……だから、私は、彼女に無限に尽くす……それが愛だよ」

さくら「ナルホド…愛の形は人ソレゾレと申しマスシ、キリカさんのような考え方もやはり愛というものデショウカ……」

キリカ「へぇ…君は話が分かるね、恩人の友人……でも、恩人は知らないみたいだね」

マミ「そのために、誰かを頃すの?」

キリカ「!?」

368: 2011/10/26(水) 23:34:41.09 ID:qxcGlSE/0
その瞬間、私達の周りに魔女の結界が現れた
話していたとはいえ、魔女の気配に全く気付かなかった

そして、呉さんは魔女に取り込まれてしまった

vs猫の魔女

さくら「オヤ、飲み込まれてしまいマシタが……助けなくてヨロシイのデスカ?」

マミ「大丈夫なはずよ……彼女も魔法少女だもの」パアァン ヘンシーン

さくら「オォ、そうデシタネ」ポン

魔女を内側から切り裂き、呉さんが再び姿を現す
その姿はまさに、『黒い魔法少女』である

キリカ「これは驚いた……私が魔法少女だと既知なんだね…それに、どうやら恩人も魔法少女のようだ」

マミ「ご明察……だったらどうする?私を頃すの?」

キリカ「うんっ!恩人を故人にするのも、無限の中の有限にすぎないよ」

370: 2011/10/26(水) 23:39:18.44 ID:qxcGlSE/0
マミ「その行為に意味がないと知ってても?」

キリカ「!……どういう意味だい?私が魔法少女を頃す理由を恩人が知ってるとでも?」

マミ「えぇ……あなたはただ、美国織莉子さんの言いなりに動いているだけ」

キリカ「織莉子?…織莉子を知っているんだね?」

マミ「まあね。そして、この行為自体に意味はなくって、本当の目的はQBの気を逸らして――」

キリカ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

さくら「随分と長いため息デスネ」

キリカ「もういいや殺そう」

マミ「!?ちょっと、まだ話は終わって――」

キリカ「黙れぇ!!!」

373: 2011/10/26(水) 23:48:06.91 ID:qxcGlSE/0
キリカ「恩人はもはや邪魔者だよ……消えて♪」ヒュン

呉さんの爪状の武器から繰り出される攻撃を受け止める
しかし待ったなしの攻撃は続き、こちらが攻撃する暇を与えない
動きが速すぎる……いや、確かこちらが遅くされているらしいのだったか

キリカ「次っ次々つっぎ次ぃ!どうしたの?反撃しないの?邪魔者のくせに慎み深いのかな!?あっははははあははははは!!!」

マミ「待って呉さん、話を聞いて!」

キリカ「うるさいなぁ!早くくたばっちゃえよ!あはは、はははははっ!」

魔法の相性は確かに悪いようだ
火力に分があっても私が狙いをつけ発射するまでに彼女は射線から逃れてしまう
拘束魔法もあの武器の前には無力だろう

キリカ「はぁ……飽きたなあ…ここまで氏ななかった魔法少女は君が初めてだけど
    そろそろ氏んでくれないかな?友人はどうっしよっかなー」

マミ「よそ見する余裕があるのかしら?まだ何の決着もついてないのに……結構子供っぽいのね」

キリカ「っ!……だ れ が ここ、子供だぁ!!!!」

マミ「事実でしょう?人の話も最後まで聞かないで、自分に都合の悪いことから目を逸らそうとして、嫌なことから逃げてるだけじゃない」

キリカ「うるさいぃ!!これで終わりだあああ!」

マミ「!しまっ――」

375: 2011/10/26(水) 23:52:18.63 ID:qxcGlSE/0
ガキィィン

キリカ「なっ、なんだぁ!?友人!?」

マミ「さくらちゃん!素手で武器を…!」

さくら「アノままではマミさんが氏ぬことにナリそうダッタもので……」

キリカ「そっか……友人も魔法少女なんだね?だったら話が早いや…二人とも頃すよ?」

パシィン

キリカ「なっ…ぶったね!?今すぐころ――」

パシィィン

さくら「二度もぶった……親父にもぶたれたことナイのにぃ!」

マミ「そういうところが子供なのよ、呉さん……黙って話を聞きなさい!分かったら返事!!」

キリカ「!お、おぅ……」

さくら「教師の血が騒いでるようデスネ」

マミ「さくらちゃんもちょっと黙ってて!」

378: 2011/10/26(水) 23:55:05.02 ID:qxcGlSE/0
マミ「人の話は最後まで聞きなさい。生きていれば人と違う意見になることはしょっちゅうあるわ
   それを相手の意見を聞きもしないで自分の意見を推し進めようだなんて、まるで駄々を捏ねる子供のようね」

マミ「人の話を聞いて、そのうえで自分の意見を改めるなり貫こうなり考えていかなければならないの?そういう大人の余裕を持ちなさい」

キリカ「だからって――」

マミ「以上を踏まえたうえで私の話を聞いてもらうわよ?でも、その前に情報を整理しましょうか」

マミ「一つ、あなたと美国さんは見滝原に訪れる災厄を知っている
   それと同時に、鹿目まどかが最悪の魔女となることも知っている…そうね?」

キリカ「……知ってるよ」

マミ「二つ、魔法少女の正体を知っているあなた達は鹿目まどかを排除することにした……間違いないわね?」

キリカ「……」コクン

マミ「そこで、QBの気を鹿目さんから別のことに向けさせるために魔法少女を頃したりゆまちゃんの存在を教えたりした……」

キリカ「どうやら邪魔者は優等生らしいね……まるでストーカーだよ」

380: 2011/10/26(水) 23:56:38.92 ID:qxcGlSE/0
マミ「三つ、あなたは美国さんのためになんでもしてきた……これも間違いないわね?」

キリカ「君はネネちゃんのママの料理かい?……話が終わったんなら、早く続きをやろうよ…?」

マミ「これからが大事な話なの……ワルプルギスの夜は、倒せるのよ」

キリカ「へぇ……そんなわけないだろ?私は織莉子から聞いてるんだよ
    それはまさに絶望そのものだって…だからターゲットは契約するんだよ」

マミ「あなたは美国さんの言うことを信じるつもりね……
   今、この見滝原に何人の魔法少女がいるか知ってる?あなた達も入れて7人よ
   美国さんがどんな未来を見たのか詳しくは知らないけれど、戦力としては十分な数だと思わない?」

キリカ「くくっ、邪魔者は面白いことを言うんだね……もうじっとしてるのも疲れたよ…そろそろ動いていいかな?うん、いいだろ?」

マミ「そうね、いきなり信じてもらうのはちょっと無理な話よね……
   なら、信じてもらうために、まずは私とお友達になってもらえないかしら?」

キリカ「まだ言うんだ?言ったでしょ、私には必要ないって」

マミ「いいえ……絶対に呉さんとお友達になってみせる…セット!」カチッ

383: 2011/10/27(木) 00:00:53.52 ID:qxcGlSE/0
キリカ「君は随分酔狂な人だよね……私は魔法少女を頃してるんだよ?」

キリカ「そんな人間とお友達になろうだなんて、優等生というのは訂正した方がいいかな?」

マミ「呉さん…あなた、興味がないだなんて言って、ただ逃げ道を作ってるんじゃないの?
   本当は、もっといろんな人とお友達になってみたかったんじゃないの?」

キリカ「んぁ~?逃 げ て る……?くふっ、あははは、あはははははははあっははは!!!!!!!!!!!」

キリカ「あははははぁ~ぁ……………………やっぱり散ねっ!!!!」

呉さんは爪の数を増やし、私に再び斬りかかってきた
受け止めきれず、私は傷を負ってしまった

その瞬間、魔女の結界が一気に崩壊を開始した

キリカ「チッ……しまったなぁ、殺せなかったよ……

キリカ「結界外だと織莉子に迷惑がかかるからね、これ以上はやってらんないよ」シュパァン

マミ「うっ……ちょっと、話は途中だって」

キリカ「次は必ず頃すから、ぜひまた会ってほしいな?絶対、だよ…?」

そのまま走ってどこかへ行ってしまった

マミ「お友達100人できるかな」【後編】

引用元: マミ「お友達100人できるかな」