1: 2011/10/29(土) 13:17:43.07 ID:sXfIzfVE0

猫「名前はまだない」

男「…」

男「猫耳コスプレ幼女が俺の部屋に居座っている…」

男「どこから入ったし」

3: 2011/10/29(土) 13:23:36.84 ID:sXfIzfVE0

猫「この家で厄介になることにした」

男「しっぽまで付いている…その年で調教済みかよ…」

猫「何の話だ?」

男「こんな変態を家に置いてはおけない」

男「出て行け」ヒョイ

猫「にゃっ!?襟首をつかむでない!おい、離せ!」ジタバタ

男「とりあえず外に出そう」ポイッ

ガチャ

猫「おい!入れろ!こいつ、鍵をかけおったな!いーれーろー!」バンバンッ

男「うるさいな…」

4: 2011/10/29(土) 13:26:54.04 ID:sXfIzfVE0

猫「おい!寒いぞ!早く入れろ!」バンバン

男(このままだと近所迷惑だ)

男(ご近所様がこんなところを見たら俺まで変態扱いされてしまう)

男(そうなったら俺の教員人生はめちゃくちゃだな…)

男(仕方がない、ひとまず家に入れるしかないか…)

15: 2011/10/29(土) 13:35:03.14 ID:sXfIzfVE0

男「おい、入れ」

猫「馬鹿め!突然外に放りおってからに!」

男「うるさいから一まず入れるだけだ」

猫「なんでもいい。それよりお前のせいで体が冷えた。温めろ」

男「…」

16: 2011/10/29(土) 13:39:07.16 ID:sXfIzfVE0

男(温めろ…?)

男(その格好でそのセリフはそうとしか聞こえないぞ)

男「お前、その年でビXチとか…」

猫「何か温かいものを持ってこいと言うのだ」

男「…」

猫「おい、聞いておるのか?」

男(熱い番茶でも入れてやるか)

22: 2011/10/29(土) 13:43:50.63 ID:sXfIzfVE0

男「ほれ、飲め」

猫「まったく、仕事の遅い奴だ」ズズ

猫「っに゛ゃっ!!?あっつ!!!」

男「お茶はちょっと熱いくらいが

猫「馬鹿もの!吾輩は猫舌なのだ!こんな熱いものが飲めるか!」

猫「温まるには人肌くらいがちょうどいいに決まっておろうが!」

男「…」

27: 2011/10/29(土) 13:50:08.92 ID:sXfIzfVE0

男(人肌…?)

男(こいつ、まさか俺の体温で温めろってのか)

男「悪いけど、おれは口リコンじゃないし、そんなコスプr

猫「早くふーふーしろ」

男「…」

猫「このお茶をふーふーしろと言っておるのだ!」

男「おまえな、他人んちに上がりこんどいて

猫「はやく!ふーふーせんか!」

男「こいつ…っ」




男「フーフー」

男(ふーふーとか…かわいいじゃねえか…)

30: 2011/10/29(土) 14:00:07.65 ID:sXfIzfVE0

猫「ふぅ、喉も潤って体も温まったし、そろそろ寝るかの」

猫「おい、主人。寝床を拝借するぞ」

男「おい、温まったなら帰れよ」

猫「だから、吾輩はここに住むのだ言っておろう」

猫「とにかく今は眠いのだ。寝床を貸せ」

男「おい、そしたら俺はどこで寝るんだよ」

猫「別に好きなところで寝たらよかろう」

男「…」

37: 2011/10/29(土) 14:04:21.02 ID:sXfIzfVE0

男(好きなところで…?)

男(こいつ、完全に誘ってやがるっ。『好きにしろ』と、『好きにふとんに入って来い』と!)

男「しかし、そんな餌に釣られ

猫「ほれ、窓際のひなたなど心地良さそうではないか。
  「ああ、好きなところとはいっても吾輩の布団には入ってくるなよ。狭いからな」モゾ

男「…」クマー

39: 2011/10/29(土) 14:09:14.89 ID:sXfIzfVE0

猫「zzz」

男「この隙に警察に通報するか」

男「家出少女が上がり込んできたって、説明すれば大丈夫…か?」

男「こういう場合は、少年課?だっけ?とにかく最寄りの警察署の番号はっと…」

ピーンポーン

男「客か?こんなときに…」

女「入るよー!」

男「女っ!?やばい、あいつに見られたら俺が通報されるっ…」

女「もう見てますけど」ニヤニヤ

男「!?」

40: 2011/10/29(土) 14:15:52.70 ID:sXfIzfVE0

男「ちがう、これはあれだぞ」

女「どれよ」

男「これは決して犯罪ではない」

女「そう」

男「いいか、こいつが勝手に入り込んできたわけだ」

女「そう」

男「聞いてるか?」

女「そう」

男「まずはその薄笑いを止めろ。そして話を聞け」

女「そう」ニヤニヤ

41: 2011/10/29(土) 14:21:56.60 ID:sXfIzfVE0



男「つまり斯く斯く云々なわけだ」

女「なるほどね。そんなら置いてあげればいいじゃない」

男「いいじゃないって、そんな簡単に行くもんか」

女「いくわよ。これはただのssだもの。とにかく置いてやんなさいよ」

男「しかしだな…」

女「じゃなきゃ、幼女を家に連れ込んだって言いふらしちゃわよ?」ニヤニヤ

男「…」

男「お前はいつも人をからかって面白がるな…」ハァ

42: 2011/10/29(土) 14:30:01.90 ID:sXfIzfVE0



男「まあ仕方がない。こいつはここに置いておくか」

男「こいつの仕草もいちいち面白いしな」

猫「…にゃん」ゴロリ

男「…面白いしな…」ゴクリ

44: 2011/10/29(土) 14:38:25.84 ID:sXfIzfVE0



猫「ん…」ムックリ

男「おお、起きたか」

猫「…うむ…」ボケー

男「おい、寝ぼけてんのか。顔がだらしないぞ」

猫「む…腹が減った…」zzz

男「ほれ、シャキッとしろ、また二度寝すんのか?」

猫「主人……が食べたい…」ムニャムニャ

男「…」

46: 2011/10/29(土) 14:43:20.47 ID:sXfIzfVE0

男(俺が食べたい…?)

男(こいつ、寝ぼけて俺を求めて…)

男「いやいや、俺はどっちかと言うとリードしたい派、っていうか、お前を食べるつもりとかも全然

猫「腹が減った。主人、夕飯が食べたいぞ。ん~~~っ」ノビー

男「…」

男「…今夜は鍋だ」

47: 2011/10/29(土) 14:50:41.47 ID:sXfIzfVE0



男「さあ、できたぞ、今日の夕飯だ」ナベー

猫「…」

男「ん?どうした、嫌いなものでも入ってたか?」

猫「…煮えたぎっておる…」

男「ああ、そっか。猫舌だったな」

猫「…」ジトー

男「そう睨むなよ。ほら、アレすればいいだろ?アレ」

猫「ふーふーか?」

男「それそれ」///

猫「何をニヤついておる。気色が悪いぞ」

男「…」

49: 2011/10/29(土) 14:59:50.10 ID:sXfIzfVE0

男「じゃ、いただきます」

猫「いただこう」

男「フーフー」

男「あーん」

猫「あ~ん」パク

猫「ふむ、まあまあだな」

男「…」

猫「おい主人、はやく次をふーふーしてくれんか」

男「ああ、悪い」

男(勢いであーんしたけど、すんなり食いやがった…)

男「フーフー、あーん」

猫「あ~」パク

猫「むぐむぐ」

男(なんかこれ…いいかも…)

50: 2011/10/29(土) 15:12:48.80 ID:sXfIzfVE0


男「フーフー、あーん」

猫「あ~」パク

猫「もぐもぐ…ん?」ウニョーン

猫「な、なんだ、これは!?」

男「ああ、餅だよ。噛みきれないならもう少し細かくしt

猫「ん~っ」ウニョーン

猫「あはははっ伸びる伸びる、面白いのお!」ニューン

男「…フーフー、あーん」

猫「パクッ、ん~~っ」ウニョーン

男「…フーフー」

男(…面白い…)

51: 2011/10/29(土) 15:21:16.32 ID:sXfIzfVE0


猫「ふぅ、食った食った」

男「あーんしてたら、全部猫が食っちまった…」

猫「飯を食べたら眠くなってきたな」

男「またかよ。まあいいや、じゃあお前が寝てるうちに、俺は銭湯に行ってくる」

猫「セントウ?なんだそれは?」

俺「いいから、お前は寝てろよ。小一時間で帰ってくるから。じゃあ」ガチャ

猫「あ、おい」

猫「セントウ…どんな場所なのだ?…主人のあとを着いて行ってみるか」

55: 2011/10/29(土) 15:30:18.04 ID:sXfIzfVE0



男「おっちゃん、こんばんわ」

番頭「おぅ、男。温まっていきな」

男「はい。…さて、ひと風呂浴びるかな…」

猫「ほお、ここが銭湯か。なんだか湿気が多いな」ヒョッコリ

男「っな!お前、家で寝てたんじゃないのかよ」

猫「主人よ、ここは何をして遊ぶ所なのだ?」

男「いや、遊ぶとこじゃない、ってか、男湯の脱衣所に入ってくんなよ。女湯はあっちだ!」

猫「え~、吾輩、主人と一緒がいいのだ」ブー

男「いや、あのな…

番頭「おい、男。なんだぃ、その子は?」

男「! いや、この子は、親戚の子でして…」

番頭「おお、じゃあ、一緒に入って洗ってやんねぇ。うちは7歳以下はOKだからよ」

猫「吾輩は2歳である」

男「え、いや、ちょっと…」

56: 2011/10/29(土) 15:38:35.20 ID:sXfIzfVE0

カポ――――――ン

男「お前って2歳だったのな。てかタオル巻け」

猫「うむ、吾輩は猫であるからな。人間よりも成長が早いのだ」エッヘン

男「胸を張るな、タオルを巻け」

猫「で、ここでどうやって遊ぶのだ?」キョロキョロ

男「だから、ここは遊ぶ場所じゃない。体を洗って、お湯に浸かって温まるところだタオル巻け」

猫「体を洗う?顔だけではないのか?」

男「そうだ、ここに座って、体中を洗うんだ。それから湯に入る。まずはタオルを巻くところからだ」

猫「ほぅ、では主人洗ってくれ」チョコン

男「…」タオルマケー

59: 2011/10/29(土) 15:47:28.96 ID:sXfIzfVE0

男(洗ってくれって…)

男(俺がこいつの体を隅々まで洗い…撫でまわす…!?)

男(隅々…体の隅々…体の…スミズミっ!!」

男「い、いやいや、いいか猫っ、自分の体は自分で洗うものだろっ!そんな他人に洗ってもらうとか

猫「そうか、では背中だけ頼む」

男「…」

62: 2011/10/29(土) 15:53:46.22 ID:sXfIzfVE0

男「…」ゴシゴシ

猫「ん~」ゴシゴシ

男「…」モクモク

猫「んにゅ」クシクシ

男「…おまえ、さっきから顔しか洗ってねえじゃねえか。しかもなんで手の甲で顔こすってんだよ」

猫「吾輩は顔しか洗い方を知らんのだ。体の洗い方なんぞ知らん」

男「…し、しょうがないな!じゃあ俺が洗ってやるしかない

猫「そうだ、主人が隣で洗うのを見ながら洗うとしよう。背中はもう良い。体の洗い方を見せてくれ」

男「…」

64: 2011/10/29(土) 16:03:29.25 ID:sXfIzfVE0

男「…」ゴシゴシ

猫「ふむふむ」ゴシゴシ

男「…」キュッキュ

猫「ほうほう」キュッキュ

男「…」ゴシゴシ

猫「…おい、股の間の洗い方がよく見えんぞ」

男「い、いや、それは勘弁願いたい…」

猫「ちゃんと見せんか。吾輩が股が洗えんではないか」ムゥ

男「…えっと、じゃあ、俺が洗ってやるよ」

猫「ふむ、それなら良かろう」

男「…」

65: 2011/10/29(土) 16:09:17.47 ID:sXfIzfVE0

男(い、勢いでとんでもないことになってしまった…)

猫「おい、早くしてくれんか」

男「お、おう」ソーッ

男(あ…やわらけぇ)スリスリ

猫「ん、ふみゅっ…」

男(うわ、なんか、これ…)

猫「も、もう良いぞ、充分である!」ギュッ

男「お、おおう!スマン!」バッ

男「さ、さて、お湯につかるか!」

男(危なかった…)

66: 2011/10/29(土) 16:12:44.23 ID:sXfIzfVE0

ザブ――――

男「ふぅ、温まるなぁ…。ほら、猫も入れよ」

猫「…」フルフル

男「ほら、熱いのがダメなのは舌だけだろ?来いよ」

猫「…こわい」

男「え?」

猫「み、水に浸かるのがこわいといっておるのだ!」

猫「主人、吾輩を抱きかかえて湯に入れてくれ!」

男「…」

69: 2011/10/29(土) 16:23:38.17 ID:sXfIzfVE0

男「こうでいいのか?」

猫「うむ、離すでないぞ」ビクビウ

男(こいつ、こうやって見ると、以外に肉付きいいかも…)

男(背が小さいくせに、何となく女っぽさが…)

男(抱きかかえた感じも、オンナノコって感じだし)

猫「主人?どうしたのだ?」

男「! いや、どうもしないが…」

猫「だって、吾輩をジロジロと見ていたではないか」

男「そんな事ねえよ。ってか、大きい声で言うな」

客A&B「ヒソヒソ」

男「…くっ」///

男(やばい、俺の社会的立場が…)

70: 2011/10/29(土) 16:31:18.34 ID:sXfIzfVE0

猫「ん?なにやらお尻に当たるものが…なんだ?」ギュッ

男「はぅっ」

猫「!? どうしたのだ、主人!?」

男(や、やばい…これ以上は…)

客A&B「コショコショ」

男「も、もう上がるぞ、猫!充分温まっただろ!」

猫「う、うむ?」

ザバ――――

男(色々とまずい…)

72: 2011/10/29(土) 16:46:41.79 ID:sXfIzfVE0



男「はぁ、疲れをとるための風呂のはずが、余計に疲れた気がする…」

男「猫は猫で、帰るなり布団を占領して寝ちまうし…」

男「はあ、俺も寝るか…仕方がないからソファで…」

・・・

75: 2011/10/29(土) 17:05:45.69 ID:sXfIzfVE0

猫「zzz」

男「zzz」

………ガタッ

猫「んぅ?」ピクッ

猫(主人か?まだ起きておるのか)

猫(いや、主人はアソコの長椅子に寝ておるの…何の音なのだ?)

???「…」ヌッ

猫(!??)

猫(な、なんであるかあいつは?もしや泥棒!?)

???「…」ガザゴソ

猫(何やらタンスを探っているである…というか、怖くて声が出ないっ)ブルブル

猫(こ、腰も抜けてしまった…主人、早く起きるのだ!)

男「zzz」

???「…」スタコラサッサー

猫(い、行ってしまったのだ…)ハァ

79: 2011/10/29(土) 17:13:43.24 ID:sXfIzfVE0



朝日「アサデスヨー」



男「で、一晩中腰を抜かしたまま泣いていたと」

猫「本当に怖かったのだぞ!」

男「いや、起こしてくれればよかったのに」

猫「恐怖のあまり声が出なかったのだ!起きない男が悪いのではないか!」

猫「…酷いではないか…こわかったのに…」グスッ

男「あー……ごめんごめん」ナデナデ

猫「…」ダキッ


男(でも、俺のうちのタンスをあさるのって…)



82: 2011/10/29(土) 17:18:35.64 ID:sXfIzfVE0

男「お前だろ、女」

女「へへへ~、猫ちゃんにばれちゃってたか」

男「いいかげん俺の服を勝手に持って行くのはやめれ」

女「だってさー、洗濯物が溜ると服がなくなっちゃうんだもんさ」

男「こまめに洗濯すればいいだろう…」

女「あはは。でもごめんね~、猫ちゃんを怖がらせちゃったみたいで」スッ

猫「っ」ササッ

女「あれ、嫌われちゃったかな」

男「猫も、ずっと俺の後ろでしがみつくのは止めてくれよ。シワになっちゃうだろ」

猫「~~っ」ギュッ

89: 2011/10/29(土) 17:28:09.57 ID:sXfIzfVE0

男「なあ、そうへそを曲げてばかりいないでさ」

猫「…」ツーン

男「ほら、いつも猫語でなんか話してる友達の所でも言ってくれば?」

猫「…」

男「ほら、あの三毛猫だよ、向かいのうちにいる…」

猫「…三毛子」ボソッ

男「そうそう、三毛子。気晴らしにあの子のとこにでも

猫「もうよい、主人のバーカ!」ベーッ

男「なっ」

猫「」ダッ

男「…何なんだ全く…」ハァ

92: 2011/10/29(土) 17:40:11.85 ID:sXfIzfVE0



猫「…というわけでな?酷いと思わんか、うちの主人は!?」

三毛子「はあ、そうなの」

猫「吾輩は一晩中恐怖で震えておったというのに、ちょっと頭を撫でただけで機嫌を直せだなどと…」

三毛子「はあ…」

猫「もっとこう、ぎゅってするとか、黙ってそばにいるとかあろうに!」

三毛子(ははーん、なるほど…)ニヤリ

猫「あの主人はダメダメである!」

三毛子「…猫ちゃん、そういうときはこちらから甘えてやらなくちゃだめよ」

猫「な、なんでそうなるのだ!吾輩は別に甘えたいわけじゃ!」

三毛子「ふーん、ならいいんだけど」

三毛子「でも、猫ちゃんみたいな可愛い子が甘えれば、ご主人さんもきっとやさしくなると思うわよ」

猫「別に吾輩は…」

93: 2011/10/29(土) 17:44:11.04 ID:sXfIzfVE0

三毛子「まあ、気が向いたら試して御覧なさいな……ゴホゴホ」

猫「風邪か?大丈夫なのか…?」

三毛子「ええ、ちょっと風邪気味なんですの。まあ、そのうち治りますわ…」

猫「そうか…お大事にするのだぞ」

三毛子「ええ、そちらの『患い』こそ、お大事に」フフフ

猫「?」

96: 2011/10/29(土) 17:51:44.25 ID:sXfIzfVE0

猫「ただいま帰ったのである」

男「お帰り。今夜はカレーだよ。猫ってカレー食えるのかな…?」

猫(こちらから甘える…か…)

男「さあ、食べるぞ」

男「いただきます」
猫「いただきます」

猫(甘えるって言っても、どう甘えればよいものか…)

男「フーフー、あーん」

猫「あ~ん」パク

男「どうだ?」

猫「もぐもぐ…まあまあである」

男「そうか、フーフー、ほれ、あーん」

猫「にゃあ~~」パク



猫(甘え方なんて…良く分からぬ…)

99: 2011/10/29(土) 17:56:51.21 ID:sXfIzfVE0



男(さて、今日もこの時間がきてしまったか…)

猫「セントウに行くぞー!」♪

男(未だに股は俺が洗わなきゃいけないし、お湯に入る時は抱きかかえなきゃいけないし…)

男「いい加減やばいんだけど…」ハァ

猫「ほれ、主人。早く行くぞ」

男「ああ、はいはい」

102: 2011/10/29(土) 18:04:32.82 ID:sXfIzfVE0

カポ―――――ン

男「さて、体洗えたか?」

猫「股の間がまだである」

男「…そんじゃ、洗うか…」

猫「うむ」

男「…」スリスリ

猫「…ふぁっ」ピク

男「ん?しみたか?」スッ

猫「い、いや、大丈夫である。続けるのだっ」

男「ん、そうか」スリスリ

猫「っ…っっ~~~っ!」ピクピクッ

猫(な、なんか、ドキドキするのぅ…)

男(なんなんだよ、その反応は…)

男「さっ、流すぞっ」ドキドキ

ザパ――――

103: 2011/10/29(土) 18:14:16.13 ID:sXfIzfVE0

猫「は、離すなよっ、絶対だぞっ」

男「はいはい、大丈夫ですよ、…よ」

猫「ふにゃぁ、温かいのだ」

男「おお、いい湯だ。ふぃーっ」

猫(こうやって後ろから抱きかかえられていると、なんだか安心するのだ…)

猫(もっとぎゅってされたい…)

―――『こちらから甘えてやらなくちゃだめよ』

猫「……」ダキッ

男「ちょ、いきなりどうしたんだっ!?」アセアセ

猫「…甘えているのだ」

男「ちょ、これはヤバい。ここではちょっと…」///

猫「甘えているのだから、やさしくするのだっ…」

男(え、なに突然…どうしちゃったんだよ…)

猫「主人…?」ジッ

男(ぐはっ)「…帰ってからいくらでもやさしくするから、ちょっと待って…」プルプル

107: 2011/10/29(土) 18:22:15.15 ID:sXfIzfVE0

番頭「じゃあな、男!」

男「あ、はい、どうもッス」

猫「さあ、早く帰るぞ」グイグイ

男「ああ、はいはい」

猫「…」テクテク

男「…」

猫「…」ピタッ

男「ん?どした?」

猫「…おんぶしてくれ」ボソ

男「え?」

猫「おんぶだ」

男「えっ、ええと…はい、どうぞ」スッ

猫「うむ」ダキッ

猫(…安心するのぅ…)

男(本当にどうしちゃったんだ?こいつ…)

109: 2011/10/29(土) 18:27:02.90 ID:sXfIzfVE0

男「ただいま」ガチャ

猫「すやすや」

男「寝ちゃったか」

男「とりあえず布団に寝かせて…と」

男(…こいつ、なんかあったのかな。言えない悩みでもあるんじゃないか…?)

猫「すやすや」

男「…」ヨシヨシ

猫「…」

猫(…やさしいのだ…)

110: 2011/10/29(土) 18:31:51.23 ID:sXfIzfVE0

太陽「マタデテキチャッタヨ」



猫「ん、あさである…」

猫「あ、主人」

男「zzz」

猫「一晩中そばに居てくれたのだな…」

猫「…三毛子の言うとおりである。甘えたら主人がやさしいのだ」

猫「…」ギュ

男「zzz」


112: 2011/10/29(土) 18:41:08.33 ID:sXfIzfVE0



猫「…というわけなのだ。お前の言うとおりだったぞ」

三毛子「そう、それは良かったわ…ゴホ」

猫「しかし、三毛子の風邪は治らんのぅ…吾輩にもなにか出来ぬか?」

三毛子「なに、そっちの病よりは早く治りますわよ、ホホホ…ゴホゴホ」

猫「吾輩は何も患ってなどおらんが…三毛子の方が心配じゃ」

三毛子「フフフ、なに、私のなんて軽い病気ですよ。あなたの方が心配です…ゴホ」

猫「わ、吾輩もなにか病気をしているのであるか!?ど、どうしよう…」オロオロ

三毛子「フフフ…冗談ですよ、気にしちゃいけませんわ…ゴホン」

猫「…?」

……

113: 2011/10/29(土) 18:48:26.88 ID:sXfIzfVE0

三毛子「…いい?猫ちゃん、ご主人さんに目いっぱい甘えなさい…」

猫「目いっぱいであるか?…それはちょっと恥ずかしいのだ…」

三毛子「うんうん、そんな猫ちゃんだから、こんなことを言うのよ…ゴホ」

三毛子「猫ちゃんは、ご主人さんのことが大好きなんでしょう?」

猫「な、いや、そんなことは…」///

三毛子「フフフ、分かりますよ。私も、私のご主人様が大好きだもの…」

猫「…吾輩も、主人が大好きである」テレテレ

三毛子「ウフフ…そうね。そうでしょうね……ゴホゴホ」


116: 2011/10/29(土) 19:00:52.04 ID:sXfIzfVE0

猫「ただいまである…て、くさっ!?」

女「お~、お帰り~ぬこた~ん」ヒック

男「おい、お前は猫がこわがるから止めろ」

猫「な、なんでこいつがここに居るのだ!それになんだこの匂いは!?」フーッ

女「ん~?二人でビール飲んでたんら~っ、大石ぃよぉ?」ウイィ

男「ほれ、猫、こっちおいで。女から守ってやるよ」ニコニコ

猫「う、うむ」

女「ちょっと~、なんで?あたしもぬこたんちゅっちゅしたい~!」

女「あ~ぬこたん行っちゃうぬこたん~」ヒック

男「あははっ、猫は渡さんぞっ」ギュ

猫「ふにゃあ!なんだイキナリ!」ドキッ

男「はははっ、猫~よしよ~し!」クシャクシャ

猫「な、紙が乱れるである!止めるのだ!」///

猫(甘えてないのに主人がやさしいのだ…)

猫(でも…ちょっと臭いのだ…)

120: 2011/10/29(土) 19:13:06.25 ID:sXfIzfVE0



女「んじゃ、あたし帰るわ~、まぁたね~」

男「またねってお前、歩くことすら出来てねえじゃねえか」

男「ほら、肩貸せよ。猫、すぐ戻るから、ちょっと待っててな」ガチャ

猫「うむ…」ポー

猫(ギューってされたりナデナデされたり、忙しかったのだ…)

猫「…これがビールというやつか。どうやら匂いの元はこれらしいな」

猫「クンクン…口に入ると匂いが増すのだな…」

猫「…」

猫「…ものは試しというしの…ちょいとだけ舐めてみるか…?」

142: 2011/10/29(土) 20:18:10.56 ID:sXfIzfVE0

猫「…ペロ」

猫「…に゛ゃっ!?」

猫(な、なんか、舌がピリピリするのだっ!?)

猫「あうぅ………でも…」

猫「…クセになりそう……ペロペロ」

猫「…無くなってしまったのだ……あ、こっちの缶にまだ入ってるのだ…ヘペロペロ…」

ペロペロ…

          …ペロペロ…
  ペロペロ                 ペロ  ペロ
       ペロペロ…






150: 2011/10/29(土) 20:30:59.24 ID:sXfIzfVE0
……


(あれ、なんかフワフワする…)

「…っ…」

(?声が聞こえるな…なんか、苦しそうなのだ…)

「あっ…んっあっ…」

(ずいぶん近くで聞こえるのだな……)

「あっ!あん!んっにゃあっふにゃっ、ああん!!」

―――『猫ちゃんは、ご主人さんのことが大好きなんでしょう?』

(…好きである)

「あ、んきであるぅっ」

―――『フフフ、分かりますよ。私も、私のご主人様が大好きだもの…』

(吾輩も…主人が大好きである…)

猫「わらはぃもっ!、主人がっ、だ、あっ好き・・であるぅっ!にゃ、あっふにゃぁぁああっ!!」

(三毛子…なんだか、『好き』が止まらないのだ…っ)

152: 2011/10/29(土) 20:38:46.74 ID:sXfIzfVE0

……



猫「…んっ…朝…?」

猫「吾輩…ビールを飲んで、それから…寝てしまったのか…?」

猫「…三毛子の夢を見た気がするのだ…って、あれ、主人ではないか」

猫「なんで吾輩の横に、素っ裸で寝ておるのだ?」

猫「…吾輩も裸なのだ……あれ?ど、どうなっておるのだ…?」

男「zzz…んん…猫ぉ…」ムニャムニャ

猫「…主人…」

猫(なんなのだ、この感じ…胸のあたりがキュッってなって…)ドキドキ

猫「……ちゅ」

男「ん…zzz」ゴロン

157: 2011/10/29(土) 20:47:37.16 ID:sXfIzfVE0

猫「…はっ、吾輩は何をっ」///

猫「服を、服を着よう。主人が起きぬうちにな」イソイソ

猫「よし…とりあえず、主人を起こさねば。おーい、主人、起きろ。腹が減ったぞ」

男「ん?…あ、猫。おはよう…てか、あれ、俺なんで裸なの…?」

猫「知らん。とにかく飯をくれ。無性に腹が減っておる」クゥ

男「ああ、なんか俺も腹減ってるな…どれ、なんか作るか」

猫「焼き魚がいいのである!シャケはあるか、シャケは!?」

男「えーっと、冷蔵庫に…


160: 2011/10/29(土) 20:56:17.39 ID:sXfIzfVE0

猫「ごちそうさまであった」

男「はい、お粗末さま。じゃあ俺はゴミ出してくるわ」ガチャ

猫「うむ、行ってらっしゃいだ」

猫(…昨晩の記憶が全然ないのだ…三毛子が夢に出た気がするのだが…何か言っておったな…)

猫「なんだったかのぅ…?」

ガチャ!

男「おい!猫っ!!」ハァハァ

猫「おお、おかえり主人。早かったな」

男「大変だ!大変なんだっ!」

猫「なんだ、騒々しい。今ちょっと考え事を

男「三毛子が!三毛子が氏んだ…っ!」

猫「…」

165: 2011/10/29(土) 21:05:45.89 ID:sXfIzfVE0

猫「…うそだ」

男「今、向かいのうちからお経が聞こえてきて…」

男「ご近所さんに『どなたか亡くなったんですか』って聞いたら、ペットの猫がって…」

猫「嘘だ…だって、昨日、一緒に話したのだ…」

猫「ただの風邪だって言ってたのだ…そのうち治るって…」

男「猫…」

猫「うそだぁっ!」ダッ

男「おい、猫っ!」

169: 2011/10/29(土) 21:12:50.45 ID:sXfIzfVE0

猫「三毛子!三毛子!」

男「おいっ猫、やめろっ」

猫「三毛子!出てくるのだ!三毛子!」

飼い主「…どなたですか?」

男「あ、すみません。向かいの家の者で

猫「三毛子は?三毛子はっ!?」

男「おいっ猫!」グイッ

飼い主「…三毛子のお友達ですか?」

猫「そうだ、三毛子に合わせてくれ!」

飼い主「…どうぞお上がりなさい」

175: 2011/10/29(土) 21:32:19.14 ID:sXfIzfVE0

飼い主「三毛子は…昨晩無くなりました」

猫「…」

飼い主「今朝早くに火葬にしてもらって…こうやってお仏壇に…」

男(すげえ立派な仏壇…三毛子のことが相当に好きだったんだな…)

猫「…三毛子」グスッ

飼い主「…私に出来るのは…これくらいです」

飼い主「私の三毛子への愛情は、こういう風にしか、行動でしか表せない…言葉では伝わりませんから…」

飼い主「いえ、むしろ、撫でたり、抱いたり、欠かさず餌をやったり…そういうことでしか伝わらないこともありましょう」

猫「…」

飼い主「まあ…伝わってはいたかは、はっきりしませんがね…」

猫「…きっと、伝わっていた…きっと…」

飼い主「…そうですね…きっと…」

男「…」

177: 2011/10/29(土) 21:39:50.39 ID:sXfIzfVE0

男「お邪魔しました」

飼い主「はい、お友達にお線香をあげてもらって、きっと三毛子も喜びんでます」

男「…」ペコリ

……

男「猫…」

猫「三毛子は、ご主人様が大好きだと言っていた」

猫「昨日、話しているとき…それから、夢の中でも…」

猫「でも、それはなんだか、三毛子のご主人には言ってはいけない気がしたのだ…」

猫「口に出しては…いけない気がしたのだ…」

男「…そうだな…俺も、そんな気がするよ」ナデナデ

猫「うむ…」ギュッ

178: 2011/10/29(土) 21:41:54.14 ID:sXfIzfVE0

男「お邪魔しました」

飼い主「はい、お友達にお線香をあげてもらって、きっと三毛子も喜んでます」

男「…」ペコリ

……

男「猫…」

猫「三毛子は、ご主人様が大好きだと言っていた」

猫「昨日、話しているとき…それから、夢の中でも…」

猫「でも、それはなんだか、三毛子のご主人には言ってはいけない気がしたのだ…」

猫「口に出しては…いけない気がしたのだ…」

男「…そうだな…俺も、そんな気がするよ」ナデナデ

猫「うむ…」ギュッ

181: 2011/10/29(土) 21:56:56.06 ID:sXfIzfVE0

猫「主人っ…」ダキッ

男「猫…どうし

猫「ん~~~っ」ギュゥウ

男「……ふっ」ナデナデ

猫「主人…んーっ」

男「……猫…ん」

チュ

猫(好きだ。主人が、大好きだ)

男(ああ、そっか。俺、猫のことが好きなんだな…)

188: 2011/10/29(土) 22:23:25.19 ID:sXfIzfVE0

猫「…ぷはっ」

猫「…」ポー

男「猫…?おーい?」

猫「…にゅ、んっ」チュゥ

男「んっ…」ドサ

猫(伝わってるか…?)
男(伝わっるはず…)

猫「ん、ちゅ…はむっ、ちゅ」

男「ふむ、ん、ちゅ…」

猫(伝わってくる…)
男(伝わってるよ…)

猫・男(好きだ)

209: 2011/10/29(土) 23:04:27.16 ID:sXfIzfVE0



男「…なあ、猫」

猫「うむ…?」

男「言ってもいいか?」

猫「……駄目だ…」

男「いや、言う」

猫「主人……」

男「猫…」





男「銭湯…行かないか?」

猫「なっ…」

男「」ニコ

猫「……うむっ、行こう」ニコ

END

213: 2011/10/29(土) 23:05:58.36 ID:ouhsRyUG0
乙でした

引用元: 猫「吾輩は猫である」 男(猫耳幼女…)