657: ◆f1paZe0QfUJl 2015/12/17(木) 00:52:46.31 ID:3rOJ0utOo
前回はこちら
【深海棲艦は静かな海の夢を見るのか】続き
南方海域《サーモン海域北方》東回りルート
敵空母機動部隊との会敵。
艦載機、陣形、護衛艦隊による対空射撃。万全を期して行った航空戦。
けれども、第一次攻撃隊が接敵した直後の報告は――――おおよそ考えられる中でも最悪のものでした。
南方海域《サーモン海域北方》東回りルート
敵空母機動部隊との会敵。
艦載機、陣形、護衛艦隊による対空射撃。万全を期して行った航空戦。
けれども、第一次攻撃隊が接敵した直後の報告は――――おおよそ考えられる中でも最悪のものでした。
658: 2015/12/17(木) 00:53:18.24 ID:3rOJ0utOo
空母《赤城》
艦妖精A「艦載機、三割撃墜! 制空劣勢ですー!」
艦妖精B「艦載機妖精より入電! 敵の新型艦載機の動きを捉えきれないとのこと!」
赤城「やられましたね……」
新型の艦載機……きっと、白い耳の生えた球形艦載機のことですね。
今までの甲虫に似たフォルムのものよりも硬く、そして変幻自在に飛行する艦載機の性能はこちらの予想を大きく上回っていました。
赤城「慢心、はなかったはずだけど」
熟練の艦載機妖精さんを乗せた震電改や烈風改、烈風(601空)でも歯が立たないなんて。
赤城「(これは、後で提督が相当に落ち込まれますね)」
歯噛みする私の耳に、《加賀》や《瑞鶴》からの通信が届いた。
加賀『赤城さん、どうする? 第二次攻撃隊、こちらは準備できているけど』
瑞鶴『まだ完全に制空を取られたわけじゃありません! 巻き返してやりましょう!』
赤城「そう……そうね。一航戦の、ううん、空母艦娘の誇り、この程度で失うわけにはいきません」
制空権を確保して空爆の心配を無くし、仲間を安全に戦わせてあげるのが、私たち空母を操る艦娘の役目。
赤城「数や性能の差ぐらい覆してみせます!」
私の意気込みに反応して、周囲の光のリングが回転速度を上げて瞬いた。
吹雪『近づいてくる艦載機は私たちに任せてください!』
満潮『こっの白饅頭、次から次にワラワラと……。ウザイのよッ!!』
護衛を務める駆逐艦《吹雪》《満潮》に設置された高射装置付きの10cm高角砲や12.7cm連装高角砲が火を吹き、接近してきた敵艦載機を的確に撃ち落としていく。
そして、海の方はというと――――
雷『逃げるならいまの内だよ?』
綾波『海の敵は私たちに任せてくださいね!』
敷波『こー見えて、アタシら生半可な鍛え方してないから! 砲雷撃戦、始めるよ!』
北上『安心しなよー。しばらくは駆逐艦一隻、第一艦隊に近づけないからさー』
大井『完っ全に作戦が悪いのよ……。けど、いいわ、冷たくて素敵な酸素魚雷の力、存分に味わわせてあげる!!』
こちらの心配を他所に、海の敵は前方に展開した第二艦隊のみんなが食い止め……いいえ、押し潰す勢いで沈めてくれている。
球磨『ま、そんなわけだから、赤城たちはお空の方がんばるクマー』
赤城「はい、ありがとうございます」
球磨さんからの通信はいつも通りの軽さで、それが逆に、私の闘志をさらに燃え上がらせる。
赤城「艦載機のみなさん、用意はいい? 第二次攻撃隊――――全機発艦!!」
艦載機妖精『あいさー!』
加賀『了解。航空戦……ここは譲れないわ』
瑞鶴『空母艦娘、舐めないでよ! 第二次攻撃隊、稼働機、全機発艦!』
私の号令に、艦載機妖精さんや加賀さん、瑞鶴の気合の入った声が返り、甲板からエンジン音を響かせて艦載機が飛び立っていく。
赤城「……」
艦載機の一つ一つに艤装を通じて指示を送りながら、頭の隅っこの方で主力連合艦隊のことを思う。
主力ではないはずの敵部隊でこの強さ。なら、提督が向かわれた敵本隊はどれ程、苛烈な攻撃を仕掛けてくるのか。
加賀『時間をかけるほど私たちが不利になりますね』
赤城「ええ、そうね」
こちらの装備は限られているし、それに……ここだけで戦いは終わりというわけにはいきませんしね。
だから、可能な限り被害を押さえてこの場を突き抜ける。
赤城「提督……」
私、艦隊のみんなと力を合わせて、必ず敵機動部隊に打ち勝ちます。だから、それまで持ちこたえてください!
艦妖精A「艦載機、三割撃墜! 制空劣勢ですー!」
艦妖精B「艦載機妖精より入電! 敵の新型艦載機の動きを捉えきれないとのこと!」
赤城「やられましたね……」
新型の艦載機……きっと、白い耳の生えた球形艦載機のことですね。
今までの甲虫に似たフォルムのものよりも硬く、そして変幻自在に飛行する艦載機の性能はこちらの予想を大きく上回っていました。
赤城「慢心、はなかったはずだけど」
熟練の艦載機妖精さんを乗せた震電改や烈風改、烈風(601空)でも歯が立たないなんて。
赤城「(これは、後で提督が相当に落ち込まれますね)」
歯噛みする私の耳に、《加賀》や《瑞鶴》からの通信が届いた。
加賀『赤城さん、どうする? 第二次攻撃隊、こちらは準備できているけど』
瑞鶴『まだ完全に制空を取られたわけじゃありません! 巻き返してやりましょう!』
赤城「そう……そうね。一航戦の、ううん、空母艦娘の誇り、この程度で失うわけにはいきません」
制空権を確保して空爆の心配を無くし、仲間を安全に戦わせてあげるのが、私たち空母を操る艦娘の役目。
赤城「数や性能の差ぐらい覆してみせます!」
私の意気込みに反応して、周囲の光のリングが回転速度を上げて瞬いた。
吹雪『近づいてくる艦載機は私たちに任せてください!』
満潮『こっの白饅頭、次から次にワラワラと……。ウザイのよッ!!』
護衛を務める駆逐艦《吹雪》《満潮》に設置された高射装置付きの10cm高角砲や12.7cm連装高角砲が火を吹き、接近してきた敵艦載機を的確に撃ち落としていく。
そして、海の方はというと――――
雷『逃げるならいまの内だよ?』
綾波『海の敵は私たちに任せてくださいね!』
敷波『こー見えて、アタシら生半可な鍛え方してないから! 砲雷撃戦、始めるよ!』
北上『安心しなよー。しばらくは駆逐艦一隻、第一艦隊に近づけないからさー』
大井『完っ全に作戦が悪いのよ……。けど、いいわ、冷たくて素敵な酸素魚雷の力、存分に味わわせてあげる!!』
こちらの心配を他所に、海の敵は前方に展開した第二艦隊のみんなが食い止め……いいえ、押し潰す勢いで沈めてくれている。
球磨『ま、そんなわけだから、赤城たちはお空の方がんばるクマー』
赤城「はい、ありがとうございます」
球磨さんからの通信はいつも通りの軽さで、それが逆に、私の闘志をさらに燃え上がらせる。
赤城「艦載機のみなさん、用意はいい? 第二次攻撃隊――――全機発艦!!」
艦載機妖精『あいさー!』
加賀『了解。航空戦……ここは譲れないわ』
瑞鶴『空母艦娘、舐めないでよ! 第二次攻撃隊、稼働機、全機発艦!』
私の号令に、艦載機妖精さんや加賀さん、瑞鶴の気合の入った声が返り、甲板からエンジン音を響かせて艦載機が飛び立っていく。
赤城「……」
艦載機の一つ一つに艤装を通じて指示を送りながら、頭の隅っこの方で主力連合艦隊のことを思う。
主力ではないはずの敵部隊でこの強さ。なら、提督が向かわれた敵本隊はどれ程、苛烈な攻撃を仕掛けてくるのか。
加賀『時間をかけるほど私たちが不利になりますね』
赤城「ええ、そうね」
こちらの装備は限られているし、それに……ここだけで戦いは終わりというわけにはいきませんしね。
だから、可能な限り被害を押さえてこの場を突き抜ける。
赤城「提督……」
私、艦隊のみんなと力を合わせて、必ず敵機動部隊に打ち勝ちます。だから、それまで持ちこたえてください!
659: 2015/12/17(木) 00:56:01.71 ID:3rOJ0utOo
南方海域《サーモン海域北方》西回りルート
伊勢「比叡、タイミング合わせて行くよ!」
比叡『ハイ!! 気合! 入れて! 撃ちます!!』
提督に任された西回りルート。意気揚々と向かったはいいけど、間の前のデカブツ相手に苦戦中。
港湾棲姫『…………』
横腹を狙った主砲の斉射は、艦を覆うフィールドに阻まれた。
クッソー、破れないわけじゃないんだけど、やっぱり面倒だなあアレ!
港湾棲姫『主砲…発射』
比叡『ヒェー!?』
お返しとばかりに撃ち返される弾幕は、
贔屓目に見積もってもこちらの倍はある。
情けない悲鳴を上げて、《比叡》が艦をジグザグ航行させて紙一重に回避。
同じく私も、《伊勢》で海面に白い筆跡を残しながらかわしていく。
重巡ネ級『ホラ…ホーラ! チャント避ケナイト痛イヨ~?』
川内『ッの……舐めんなァ!!』
木曾『クソ、魚雷が当たんねえ……ぐうッ!?』
弥生『木曾さん…! 妖精さん、援護を……砲撃…はじめっ』
軽巡棲鬼『クスクス、古臭イ艦ハ沈ンジャエー!』
多摩『宣戦布告と受け取ったニャ。……後悔させてやる』
那珂『違いますぅー! 那珂ちゃんの艦は~、クラシックなデザインなんですぅ~!』
文月『む~、文月たちの艦、古くないよぉ? 司令官がいつもピカピカにしてくれてるもん』
会敵から30分。第2艦隊は取り巻きにいた新型の重巡ネ級や鬼号軽巡とドンパチやりあってて、加勢には来れなさそう。
なら、第1艦隊の艦はというと……
空母ヲ級『艦載機…全機発艦……目標…艦娘ノ船』
駆逐イ級改『タタカウ→「影分身」回避率ガ上ガッタ「影分身」回避率ガ上ガッタ「影分身」回避率ガ(ry』
那智『ええい、ちょこまかと……!』
衣笠『わわっ!? もぉ~、積み技禁止!』
瑞鳳『なんなのそのお饅頭、どうやって飛んでるのよぉ~!?』
祥鳳『瑞鳳、落ち着いて! 後で残骸を回収して調べればいいじゃない!』
660: 2015/12/17(木) 00:57:02.29 ID:3rOJ0utOo
こっちはこっちで取り込み中。
どうやら、上手い具合に担当が決まっているみたいだね。
伊勢「仕方ない。比叡、二人で落とすよ、あのお姫様!」
比叡『まっかせて!』
モニター越しに比叡が力強くガッツポーズするのを見て、私の口許にも「いっちょやってやろう」的な笑みが浮かぶ。
金剛や大和ほどじゃないけど、私だって四方山鎮守府の戦艦を預かる艦娘。
「敵が硬くて装甲を抜けませんでした」なんて言葉、口が裂けても言えないんだよね!
比叡『行きますよッ! 三・式・弾!!』
別に三式弾は必殺技じゃないんだけど……まあいいか、実際基地とか要塞タイプの鬼号姫級によく効くってデータもあるし。
《比叡》に搭載された、提督と工廠妖精さんの愛とロマンの産物・試製35.6㎝三連装砲から三式弾が発射。
砲弾内部の焼夷弾子と非焼夷弾子が《港湾棲姫》正面で炸裂し、降り注いだ3.000度の炎と弾殻が《港湾棲姫》のフィールドを、石を投げ込まれた水面のように激しく揺らす。
伊勢「艦妖精さん、どう!?」
艦妖精A「観測終了! あと4秒ですー」
妖精さんの報告を聞いて、チ口リと唇を舌先で湿らせる。
頭の中で数えること三つ。
艦妖精B「――――いまです!」
妖精さんの合図とともに、《伊勢》の主砲が一斉に火を噴いた。
伊勢「主砲四基八門一斉射!!」
港湾棲姫『……!!』
艦橋の風防の向こうで、港湾棲姫が目を見開くのを視認できる距離。
艦首が触れるか触れないかのギリギリの距離から放たれた連撃は、さんざん手こずらせてくれた《港湾棲姫》のフィールドをあっさり貫き、艦橋に突き刺さる。
伊勢「どんなもんよ!!」
一呼吸おいて、三式弾の爆炎に包まれる《港湾棲姫》の艦橋。
グッ、と拳を握った私に《比叡》から通信が届く。
比叡『やりました! あとは周りの艦を蹴散らして、金剛姉様たちのところへ向かうだけですね!』
鼻息荒い比叡の声。
普通に考えれば、艦橋に三式弾の連撃を叩き込んだ状況。
たしかに比叡の言う通りなんだけど……これも物書きのサガっていうのかな。浮かれた気分が一転、背骨を嫌な寒気が撫で上げた。
伊勢「……」
艦妖精A「完璧フラグですね」
艦妖精B「やったか!?」
艦妖精C「やってない……のパターンです」
申し合わせたみたいに、一際強い風が海上を走る。
《港湾棲姫》の艦橋を覆っていた、化学成分由来の黒煙がゆっくりと横に流れていく。
風防が砕けて剥き出しになった艦橋。その中央に彼女は立っていた。誰も触れたことのなさそうな白い肌に、幾本もの流血に似た紋様を走らせた憤怒の表情で。
『――――無駄ダト…言ッテイルノニ』
《港湾棲姫》の艦橋、風に靡いた白髪を巨大な手で器用に押さえながら、港湾棲姫がそんな呟きを口にした気がした。
比叡『い、伊勢さん、避けてください!!』
切羽詰まった比叡の叫びはどこか遠くて。
艦妖精A「フィ、フィールド展開!」
艦妖精B「総員、衝撃に備え!!」
艦妖精C「伊勢さん! 呆けてたら氏ぬやつですよ、コレ!?」
伊勢「――――!!」
妖精さんたちの悲鳴で我に返る。
その時にはもう、《港湾棲姫》の全主砲が《伊勢》の……私が立っている艦橋に狙いを定めていて――――
港湾棲姫『異国ノ地…異国ノ海デ沈ムカ……寂シイナァ』
轟音、振動、それと洒落にならない衝撃。
艦とのリンクがぶった切られる。自分の体が後ろの壁に叩きつけられるのを、なぜか他人事みたいに眺めて、そこで――――私――の意――――識――――
678: 2015/12/25(金) 23:02:37.08 ID:YcKRWNGBo
【クリスマスネタ】
数年前《軍学校》ダンスホール
他所提督「そんじゃお前らー、用意はいいかー!?」
メガネ提督「タイミング合わせていくよー!」
オネエ提督「せーのー! メリークリスマーーーース!!」
<メリークリスマーーーース!!
金剛「……」(キョロキョロ
金剛「……鋼太郎の奴どこにいるのよ」
(会場隅っこ)
提督「……」(ポツーン
金剛「見~つ~け~た~!」
提督「こ、金剛、ど、どうした、なにか用か」
金剛「なにか用か、じゃないわよ。せっかくのパーティーなのに姿が見えないから捜してあげたのよ」
金剛「みんな楽しくやってるのに、どうしてこんな端っこでチビチビやってるのよ、もう!」
提督「く、癖になっているのだ、パーティーで気配を頃して潜むのが」
金剛「なんなのアナタ、誰に負い目を感じて生きているの?」
提督「……生まれてきてしまって申し訳ない」
金剛「」
金剛「あー、もう! こういう日までネガティブなの禁止! 顔見知りだっているんだから、お酒飲みながら適当にお喋りすればいいのよ!」
提督「そ、そのお喋りの話題を捻り出すのが一番の難関なのだが」
金剛「そんなの私が一緒にいてあげるからへっちゃらよ!」(グイッ
提督「ひ、引っ張るのはやめたまえ……!」
金剛「却下でーす♪ ほら、行くわよ鋼太郎!」
提督「ぬ、ぬう……」
金剛「そういえば、向こうにすっごく美味しいケーキあったわよ」
提督「な、なに、それはどれだね」
金剛「……そういう食いつきだけはいいのよね。まあいいわ、こっちよ。行きましょ♪」(腕組み
提督「う、うむ」
数年前《軍学校》ダンスホール
他所提督「そんじゃお前らー、用意はいいかー!?」
メガネ提督「タイミング合わせていくよー!」
オネエ提督「せーのー! メリークリスマーーーース!!」
<メリークリスマーーーース!!
金剛「……」(キョロキョロ
金剛「……鋼太郎の奴どこにいるのよ」
(会場隅っこ)
提督「……」(ポツーン
金剛「見~つ~け~た~!」
提督「こ、金剛、ど、どうした、なにか用か」
金剛「なにか用か、じゃないわよ。せっかくのパーティーなのに姿が見えないから捜してあげたのよ」
金剛「みんな楽しくやってるのに、どうしてこんな端っこでチビチビやってるのよ、もう!」
提督「く、癖になっているのだ、パーティーで気配を頃して潜むのが」
金剛「なんなのアナタ、誰に負い目を感じて生きているの?」
提督「……生まれてきてしまって申し訳ない」
金剛「」
金剛「あー、もう! こういう日までネガティブなの禁止! 顔見知りだっているんだから、お酒飲みながら適当にお喋りすればいいのよ!」
提督「そ、そのお喋りの話題を捻り出すのが一番の難関なのだが」
金剛「そんなの私が一緒にいてあげるからへっちゃらよ!」(グイッ
提督「ひ、引っ張るのはやめたまえ……!」
金剛「却下でーす♪ ほら、行くわよ鋼太郎!」
提督「ぬ、ぬう……」
金剛「そういえば、向こうにすっごく美味しいケーキあったわよ」
提督「な、なに、それはどれだね」
金剛「……そういう食いつきだけはいいのよね。まあいいわ、こっちよ。行きましょ♪」(腕組み
提督「う、うむ」
679: 2015/12/25(金) 23:03:45.79 ID:YcKRWNGBo
<ほら、鋼太郎、アーン♪
<じ、自分で食べるから、そういう悪ふざけは止めたまえ……
他所提督「金剛ってアレで隠せてるつもりらしいぜ?」
メガネ提督「気づかないというか、全部揶揄ってるだけとか思っちゃう玖珂君も大概だけどね」
オネエ提督「全力でバック走しちゃう玖珂ちゃんだし、あれぐらい強引に迫られる丁度いいと思うけど、妬けるのは確かね」
他所提督「まあそれはいいとして、そろそろ隠し芸大会の時間だけど、お前らなにする?」
メガネ提督「僕はマグロをナイフでバラすよ」
オネエ提督「アタシは電話帳を縦に引き裂くわ」
他所提督「俺は鉄骨を居合でぶった斬る」
三人「…………」
他所提督「ち、ちなみに玖珂の奴はなにするって?」
メガネ提督「たしか艤装の早バラしと早組み立て(性能10%向上)だったかな」
オネエ提督「普段からやってることと変わらないわねえ」
モブ候補生ズ「「(それはぎょっとしてギャグで言っているのか!?)」」
687: 2015/12/26(土) 01:11:42.42 ID:1OsGq1lVo
【深海棲艦は静かな海の夢を見るのか】復活の「S」
《西回りルート》
――――――――さん……伊…さん! 伊勢さん!!
遠くから聞こえる妖精さんの声。
真っ暗闇の中、目を覚ました私の意識は水面に向かって急速に浮上する。
伊勢「――――ッ、くぁ……!? げほ……あぐ、ぐぅ……!」
背骨を中心に響く鈍痛に息が止まり、涙が滲む。
喘ぐ私に、周りを囲む妖精さんたちが心配そうに声をかけてくれる。
艦妖精A「大丈夫ですかー?」
艦妖精B「衝突実験用ダミー人形よろしく壁にぶつかってました。無理は禁物」
艦妖精C「さあっ、いまこそ提督さんのお薬を飲む時!」
艦妖精D「お水はこちら」
ザラザラと手のひらに白い錠剤を溢される。
正常な判断ができない状態、勧められるまま錠剤を口に放り込んで水で流し込んだ。
伊勢「――――――――あ、あれ?」
嚥下して数秒。
あれだけ全身に鳴り響いていた痛みが、かじかんだ体をお湯に浸けたみたいに、じんわりと溶けていく。
伊勢「え、うそ? あれ……あれ?」
あまりに劇的な効果に、体のあちこちを触って確かめる。
幸い、角や鱗が生えるようなことはなかった。
艦妖精A「艦娘さんがお風呂の時に使用する高速修復剤を応用した鎮痛剤です」
艦妖精B「昔の艦娘の血を引いてる提督さんにはよく効きます」
伊勢「……提督、そんなの常用してたんだ」
前からきつそうな薬だとは思ってたけど、まさかそこまでとは。
そんなに辛かったんだね、胃痛。
ちょっとしんみりしかけた私だったけど、すぐにそんなことしている時じゃないと思い出す。
伊勢「そうだっ、戦況! 私、どれくらい気を失ってた!?」
艦妖精B「伊勢さんが気絶してたのは7分ほどですー」
伊勢「7分も……みんなは? みんなは無事なの!?」
艦妖精C「そ、それはー」
艦妖精D「那智さんたちは現在も敵空母やその護衛艦の相手を務めてくれています」
艦妖精F「第2艦隊は《川内》《木曾》小破、《多摩》《那珂》は損害軽微……敵の新型重巡や鬼号軽巡とほぼ五分の状態ですー」
聞いた限り、戦況はそこまで悪くない。
けど、言い淀んだ妖精さんに、嫌な予感が止まらない。
ぶわっと全身から汗が溢れだす。
伊勢「――――比叡、ゴメン、いま起きた! すぐに戦闘再開するから……比叡? 比叡!」
一緒に《港湾棲姫》の相手をしていた比叡に通信で呼びかける。
けど、応答はなし。モニターもザーザー、テレビの砂嵐みたいな画面だけ。
妖精さんたちが艦に搭載してくれてる防御フィールドのお陰だろう、半壊程度で済んだ艦橋の風防まで駆ける。
風通しのよくなった風防から身を乗り出した私の目に飛び込んできたのは――――大破し、艦のあちこちから黒煙を吐き出す《比叡》の姿だった。
伊勢「ひ、比叡……」
艦妖精A「伊勢さんが意識を失った後、《港湾棲姫》と《伊勢》の間に割り込んで、真正面から砲撃戦を始めて……」
艦妖精B「わ、我々も止めようとはしたのですがー」
艦妖精C「援護砲撃ぐらいしかできなかったのです……」
私だ……私のせいだ……。
私が気絶なんかしたから、比叡が無茶をするしかなくて……。
足の力だ抜けて、膝から崩れ落ちる。
艦橋の床に飛び散ったガラスが膝に刺さったけど、痛みは感じなかった。
《西回りルート》
――――――――さん……伊…さん! 伊勢さん!!
遠くから聞こえる妖精さんの声。
真っ暗闇の中、目を覚ました私の意識は水面に向かって急速に浮上する。
伊勢「――――ッ、くぁ……!? げほ……あぐ、ぐぅ……!」
背骨を中心に響く鈍痛に息が止まり、涙が滲む。
喘ぐ私に、周りを囲む妖精さんたちが心配そうに声をかけてくれる。
艦妖精A「大丈夫ですかー?」
艦妖精B「衝突実験用ダミー人形よろしく壁にぶつかってました。無理は禁物」
艦妖精C「さあっ、いまこそ提督さんのお薬を飲む時!」
艦妖精D「お水はこちら」
ザラザラと手のひらに白い錠剤を溢される。
正常な判断ができない状態、勧められるまま錠剤を口に放り込んで水で流し込んだ。
伊勢「――――――――あ、あれ?」
嚥下して数秒。
あれだけ全身に鳴り響いていた痛みが、かじかんだ体をお湯に浸けたみたいに、じんわりと溶けていく。
伊勢「え、うそ? あれ……あれ?」
あまりに劇的な効果に、体のあちこちを触って確かめる。
幸い、角や鱗が生えるようなことはなかった。
艦妖精A「艦娘さんがお風呂の時に使用する高速修復剤を応用した鎮痛剤です」
艦妖精B「昔の艦娘の血を引いてる提督さんにはよく効きます」
伊勢「……提督、そんなの常用してたんだ」
前からきつそうな薬だとは思ってたけど、まさかそこまでとは。
そんなに辛かったんだね、胃痛。
ちょっとしんみりしかけた私だったけど、すぐにそんなことしている時じゃないと思い出す。
伊勢「そうだっ、戦況! 私、どれくらい気を失ってた!?」
艦妖精B「伊勢さんが気絶してたのは7分ほどですー」
伊勢「7分も……みんなは? みんなは無事なの!?」
艦妖精C「そ、それはー」
艦妖精D「那智さんたちは現在も敵空母やその護衛艦の相手を務めてくれています」
艦妖精F「第2艦隊は《川内》《木曾》小破、《多摩》《那珂》は損害軽微……敵の新型重巡や鬼号軽巡とほぼ五分の状態ですー」
聞いた限り、戦況はそこまで悪くない。
けど、言い淀んだ妖精さんに、嫌な予感が止まらない。
ぶわっと全身から汗が溢れだす。
伊勢「――――比叡、ゴメン、いま起きた! すぐに戦闘再開するから……比叡? 比叡!」
一緒に《港湾棲姫》の相手をしていた比叡に通信で呼びかける。
けど、応答はなし。モニターもザーザー、テレビの砂嵐みたいな画面だけ。
妖精さんたちが艦に搭載してくれてる防御フィールドのお陰だろう、半壊程度で済んだ艦橋の風防まで駆ける。
風通しのよくなった風防から身を乗り出した私の目に飛び込んできたのは――――大破し、艦のあちこちから黒煙を吐き出す《比叡》の姿だった。
伊勢「ひ、比叡……」
艦妖精A「伊勢さんが意識を失った後、《港湾棲姫》と《伊勢》の間に割り込んで、真正面から砲撃戦を始めて……」
艦妖精B「わ、我々も止めようとはしたのですがー」
艦妖精C「援護砲撃ぐらいしかできなかったのです……」
私だ……私のせいだ……。
私が気絶なんかしたから、比叡が無茶をするしかなくて……。
足の力だ抜けて、膝から崩れ落ちる。
艦橋の床に飛び散ったガラスが膝に刺さったけど、痛みは感じなかった。
688: 2015/12/26(土) 01:13:10.29 ID:1OsGq1lVo
『――――だ…ぃ…じょ…ぶ……ですよ』
伊勢「比……叡?」
打ちひしがれていた私に、雑音交じりの比叡の声が届いた。
ところどころでノイズが入るけど、モニターに比叡の姿も映っている。
伊勢「大丈夫なの、比叡!? 怪我はしてない!?」
比叡『あ、ハイ、それはなんとか。鋼太郎兄様と妖精さんが改造してくれた艦ですから! ちょっとやそっとで沈んだりはしません! ……テテッ』
力強くガッツポーズした比叡の顔が歪む。
平気そうにしているけど、どこか怪我をしているのかもしれない。
伊勢「《比叡》は動かせる? できるなら、すぐに距離を取って」
比叡『は、はい!』
こちらの指示に従って《比叡》がノロノロと動き出す。
……見た目の損傷は酷いけど、機関部は無事みたいでホントによかった。
《比叡》が視界から消える。私の視線の先には、気絶する前とあまり変わらない《港湾棲姫》が待ち構えていた。
伊勢「妖精さんたち、《伊勢》の状態は」
艦妖精A「船体中破、主砲2門使用不可能、機関出力は60%まで低下しています」
わかっちゃいたけど、耳を塞ぎたくなる報告だね。
けど、それでもやらなきゃ……こいつを倒して、みんなで提督のところに行かなきゃ……。
伊勢「《港湾棲姫》は私が相手をする! 《那智》《衣笠》は大破した《比叡》の護衛任せたよ!!」
那智『む、だ、大丈夫なのか!?』
衣笠『一人であんなの止められるわけないでしょ! 無茶したらダメなんだからね!?』
祥鳳『瑞鳳、敵の艦載機は私に任せて、あなたは伊勢さんの援護に回って!』
瑞鳳『う、うん! 伊勢さんっ、一緒にあのおっきいのやっつけましょ!』
《瑞鳳》のカタパルトから発艦した艦載機が数機、《港湾棲姫》を取り囲むように旋回を開始する。
姫級を相手にするには心許ない、けど、ありがと。これ以上ないぐらい心強い支援だよ。
威勢のいい言葉を吐きながら、小さく震えていた私に勇気をくれた。
港湾棲姫『マダ…続ケルノカ……』
《港湾棲姫》の艦橋から、憐れむような視線を送ってくる港湾棲姫を真っ直ぐに睨み返す。
伊勢「提督が勝てるって信じて送り出してくれたんだ、それで勝たなきゃ女が廃るってもんよ!」
私の叫びに応えるように、《伊勢》が鋼の咆哮を上げた。
689: 2015/12/26(土) 01:46:05.44 ID:1OsGq1lVo
《東回りルート》
空母《赤城》
――――日が落ちてきた。
敵空母機動部隊との会敵。幾度目かの航空戦が終了して、格納庫の妖精さんたちが艦載機の整備補充に駆け回ってくれている中、私は艦橋の真ん中で、はしたなく大の字になって倒れていた。
赤城「ハァ……ハァ……!!」
加賀『ハ……ァ……赤城さん、瑞鶴……大、丈夫?』
瑞鶴『か……加賀さんこそ、大丈夫ですか? 息上がってるじゃ……ないですか……』
赤城「瑞鶴……こ、こんな時まで喧嘩を売らないの……」
顔の正面、天井方向に現れたモニターには、私同様、息も絶え絶えな加賀さんと瑞鶴の姿が映っている。
それでも普段の調子で加賀さんに軽口を叩く瑞鶴をたしなめる。
ふと、口元に違和感を覚えて、グイと手の甲で拭う。
視線を向けて少し驚いた。中途半端に固まったゼリー状の鼻血で、手の甲が赤黒く汚れていたから。
赤城「ず……と、艦載機に指示を送っていましたからね……」
ズクンズクンと頭の芯に刺さるような頭痛を堪えて身を起こす。
気づけば、加賀さんや瑞鶴もこめかみの辺りを押さえて顔を顰めている。
赤城「それに、ちょっと……お腹も空きましたね」
こんな状況で、と思われるかもしれませんけど仕方ないんです。
他の艦種の艦娘と違って、空母艦娘は空母と艦載機、その両方の戦闘を知覚して処理しないといけないから、エネルギー消費が激しいんです。
赤城「こ…れが終わったら、提督のところへ向かいがてら、鳳翔さんと間宮さんが積んでくれたご馳走をいただきましょうね」
艦妖精A「らじゃーですー」
艦妖精B「赤城さん、濡れタオルです」
艦妖精C「奇麗なお顔が台無し」
艦妖精D「あと、お水と黒砂糖です。これ齧ってエネルギー補給してください」
赤城「あ、ありがとうございます」
妖精さんが運んできてくれた濡れタオルで顔を拭い、黒糖を噛み砕いて水で流し込む。
本当はもっとじっくり味わいたいけど、そんなこと言ってる場合じゃないですからね。
艦妖精E「《空母棲姫》より新たな艦載機の発艦を確認! こちらも艦載機、発艦します!!」
赤城「休ませてくれるつもりはないみたいですね。加賀さん、瑞鶴、準備はいい?」
加賀『ええ、もちろん』
瑞鶴『私に任せて赤城さんたちは回復のために休んでてくださいよ!!』
赤城「フフ、頼もしいわね」
強い子ね、瑞鶴。
私たちと同じか、それ以上に疲労しているはずなのに。
加賀さんが、先輩として負けられないと対抗意識を燃やしちゃうのもわかるわ。
赤城「……加賀さん」
加賀「ええ、赤城さん」
どうやら同じことを考えていたみたい。
通信モニターの向こうで、珍しい悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
赤城「正規空母一航戦《赤城》!」
加賀「同じく一航戦《加賀》……」
「「押し通らせていただきます!!」」
二人、声高らかに宣言する。
瑞鶴「あっ!? なんかズルいッ、そういう格好いいの五航戦も混ぜてよ~!!」
赤城「……」
加賀「……プッ……ふく、ふふ」
少し締まらなかったけど、これはこれで……四方山鎮守府らしいんじゃないかしら?
赤城「(フフ、なんて提督に言ったら、またお腹を痛くされちゃいますね)」
圧倒的な敵戦力。艦載機はボロボロ。
それでも、こうして笑って戦いに赴ける自分がどこか誇らしかった。
空母《赤城》
――――日が落ちてきた。
敵空母機動部隊との会敵。幾度目かの航空戦が終了して、格納庫の妖精さんたちが艦載機の整備補充に駆け回ってくれている中、私は艦橋の真ん中で、はしたなく大の字になって倒れていた。
赤城「ハァ……ハァ……!!」
加賀『ハ……ァ……赤城さん、瑞鶴……大、丈夫?』
瑞鶴『か……加賀さんこそ、大丈夫ですか? 息上がってるじゃ……ないですか……』
赤城「瑞鶴……こ、こんな時まで喧嘩を売らないの……」
顔の正面、天井方向に現れたモニターには、私同様、息も絶え絶えな加賀さんと瑞鶴の姿が映っている。
それでも普段の調子で加賀さんに軽口を叩く瑞鶴をたしなめる。
ふと、口元に違和感を覚えて、グイと手の甲で拭う。
視線を向けて少し驚いた。中途半端に固まったゼリー状の鼻血で、手の甲が赤黒く汚れていたから。
赤城「ず……と、艦載機に指示を送っていましたからね……」
ズクンズクンと頭の芯に刺さるような頭痛を堪えて身を起こす。
気づけば、加賀さんや瑞鶴もこめかみの辺りを押さえて顔を顰めている。
赤城「それに、ちょっと……お腹も空きましたね」
こんな状況で、と思われるかもしれませんけど仕方ないんです。
他の艦種の艦娘と違って、空母艦娘は空母と艦載機、その両方の戦闘を知覚して処理しないといけないから、エネルギー消費が激しいんです。
赤城「こ…れが終わったら、提督のところへ向かいがてら、鳳翔さんと間宮さんが積んでくれたご馳走をいただきましょうね」
艦妖精A「らじゃーですー」
艦妖精B「赤城さん、濡れタオルです」
艦妖精C「奇麗なお顔が台無し」
艦妖精D「あと、お水と黒砂糖です。これ齧ってエネルギー補給してください」
赤城「あ、ありがとうございます」
妖精さんが運んできてくれた濡れタオルで顔を拭い、黒糖を噛み砕いて水で流し込む。
本当はもっとじっくり味わいたいけど、そんなこと言ってる場合じゃないですからね。
艦妖精E「《空母棲姫》より新たな艦載機の発艦を確認! こちらも艦載機、発艦します!!」
赤城「休ませてくれるつもりはないみたいですね。加賀さん、瑞鶴、準備はいい?」
加賀『ええ、もちろん』
瑞鶴『私に任せて赤城さんたちは回復のために休んでてくださいよ!!』
赤城「フフ、頼もしいわね」
強い子ね、瑞鶴。
私たちと同じか、それ以上に疲労しているはずなのに。
加賀さんが、先輩として負けられないと対抗意識を燃やしちゃうのもわかるわ。
赤城「……加賀さん」
加賀「ええ、赤城さん」
どうやら同じことを考えていたみたい。
通信モニターの向こうで、珍しい悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
赤城「正規空母一航戦《赤城》!」
加賀「同じく一航戦《加賀》……」
「「押し通らせていただきます!!」」
二人、声高らかに宣言する。
瑞鶴「あっ!? なんかズルいッ、そういう格好いいの五航戦も混ぜてよ~!!」
赤城「……」
加賀「……プッ……ふく、ふふ」
少し締まらなかったけど、これはこれで……四方山鎮守府らしいんじゃないかしら?
赤城「(フフ、なんて提督に言ったら、またお腹を痛くされちゃいますね)」
圧倒的な敵戦力。艦載機はボロボロ。
それでも、こうして笑って戦いに赴ける自分がどこか誇らしかった。
691: 2015/12/26(土) 03:02:14.00 ID:1OsGq1lVo
《中央ルート》
軽巡洋艦《神通》
神通「ぅ……」
提督「神通君、大丈夫か!?」
神通「へ、平気……です。他のみんなも頑張っているんです、私だって……まだ……!」
そう言う神通君の顔色は悪い。
額に玉の汗を浮かべ、荒い息をつく彼女は、既に立つことも困難な様子だ。
離島棲鬼『……貴方達ノ戦イ、素晴ラシカッタワ』
こちらの通信機能に割り込んできたらしく、離島棲鬼の顔がモニターに映し出される。
おざなりに手を打ち鳴らし、言葉を続けた。
離島棲鬼『艦隊ノ練度モ、想定外ノ戦略モ。ケド、ソレデモ、マルデ全然! コノ子ヲ倒スニハ程遠イノヨネェ!』
北方棲姫『エ、エヘヘ……。パパ、北方ガンバッタヨ!』
離島棲鬼に抱きかかえられた北方棲姫が、頬を紅潮させながら報告してくる。
こちらに向けられた照れと、褒めてもらいたいという期待の混じった視線は、文月君や弥生君、不知火君、そして……レ級によく似ていた。
中間棲姫『誘爆シテ…沈ンデイケ!』
蒼龍『キャアアァッ!!』
大鳳『そ、蒼龍さん! 艦載機のみんなッ、蒼龍さんのフォローに向かって……!?』
中間棲姫『馬鹿メ……貴女モ捉エテイルワ…』
中間棲姫の猫型艦載機(神通君曰く)に囲まれた《蒼龍》の甲板で大きな爆発が起こる。
すぐに《大鳳》が救援に向かうが、その《大鳳》も数時間に及ぶ戦闘で船体に軽くない損傷を受けていて、中間棲姫の攻撃を凌ぐのがやっとだ。
金剛『提督ゥ、大丈夫デスカ! すぐにそっちへ向か……NOーッ!?』
大和『さっきからっ、チクチクと……!! 正々堂々、私と勝負なさい!!』
《金剛》《大和》の両艦も、北方棲姫から発艦する黒い猫型艦載機から浴びせられる爆撃に立ち往生している。
青葉『くっ……待っててください、すぐに支援に……!』
熊野『人の心配している場合じゃありませんわ! そっちに戦艦クラスが行きましたわよ!?』
曙『ああっ、もう! 敵、多すぎよ!』
朧『そこまで強くはないけど……ちょっと、多勢に無勢』
潮『み、みんな、諦めちゃダメ……!』
陽炎『不知火ッ、そっちは大丈夫!?』
不知火『ハァッ、ハァッ……! この程度じゃ《不知火》は…沈まない!!』
軽巡洋艦《神通》
神通「ぅ……」
提督「神通君、大丈夫か!?」
神通「へ、平気……です。他のみんなも頑張っているんです、私だって……まだ……!」
そう言う神通君の顔色は悪い。
額に玉の汗を浮かべ、荒い息をつく彼女は、既に立つことも困難な様子だ。
離島棲鬼『……貴方達ノ戦イ、素晴ラシカッタワ』
こちらの通信機能に割り込んできたらしく、離島棲鬼の顔がモニターに映し出される。
おざなりに手を打ち鳴らし、言葉を続けた。
離島棲鬼『艦隊ノ練度モ、想定外ノ戦略モ。ケド、ソレデモ、マルデ全然! コノ子ヲ倒スニハ程遠イノヨネェ!』
北方棲姫『エ、エヘヘ……。パパ、北方ガンバッタヨ!』
離島棲鬼に抱きかかえられた北方棲姫が、頬を紅潮させながら報告してくる。
こちらに向けられた照れと、褒めてもらいたいという期待の混じった視線は、文月君や弥生君、不知火君、そして……レ級によく似ていた。
中間棲姫『誘爆シテ…沈ンデイケ!』
蒼龍『キャアアァッ!!』
大鳳『そ、蒼龍さん! 艦載機のみんなッ、蒼龍さんのフォローに向かって……!?』
中間棲姫『馬鹿メ……貴女モ捉エテイルワ…』
中間棲姫の猫型艦載機(神通君曰く)に囲まれた《蒼龍》の甲板で大きな爆発が起こる。
すぐに《大鳳》が救援に向かうが、その《大鳳》も数時間に及ぶ戦闘で船体に軽くない損傷を受けていて、中間棲姫の攻撃を凌ぐのがやっとだ。
金剛『提督ゥ、大丈夫デスカ! すぐにそっちへ向か……NOーッ!?』
大和『さっきからっ、チクチクと……!! 正々堂々、私と勝負なさい!!』
《金剛》《大和》の両艦も、北方棲姫から発艦する黒い猫型艦載機から浴びせられる爆撃に立ち往生している。
青葉『くっ……待っててください、すぐに支援に……!』
熊野『人の心配している場合じゃありませんわ! そっちに戦艦クラスが行きましたわよ!?』
曙『ああっ、もう! 敵、多すぎよ!』
朧『そこまで強くはないけど……ちょっと、多勢に無勢』
潮『み、みんな、諦めちゃダメ……!』
陽炎『不知火ッ、そっちは大丈夫!?』
不知火『ハァッ、ハァッ……! この程度じゃ《不知火》は…沈まない!!』
692: 2015/12/26(土) 04:22:07.46 ID:1OsGq1lVo
余裕のない艦娘たちの叫び。
着々と敵の包囲網が狭まってきていることが理解できた。
提督「……っ」
離島棲鬼『随分ト旗色ガ悪クナッテキタミタイネ?』
ニヤニヤと心底楽しそうな離島棲鬼の顔がモニターいっぱいに広がる。
離島棲鬼『ココデ援軍ガ到着スレバ話ハ変ワルンデショウケド…残念』
そう言って、新たに二つのモニターが開かれる。
好き勝手に《神通》の通信機能を使われるのはまったく業腹だが、そこに映し出された映像は私を沈黙させるに十分なものだった。
神通「そ、そんな……」
モニターに映し出された、深海棲艦の猛攻に炎上する《伊勢》や《赤城》の姿を目にした神通君が、打ちひしがれたような声を漏らす。
離島棲鬼『向コウノ子達モ頑張ッタミタイダケド、戦力不足。アト戦艦空母ガ3~4隻アレバイイ勝負モ出来タノニネ?』
離島棲鬼の指摘に唇を噛む。
練度は十分だった。資材も、艦娘たちの士気も。作戦だって上手くいったと考えていい。
それなのに劣勢に追い込まれているのは……私の責任だ。
離島棲鬼『気ニ病ム必要ハナイワ。ダッテ、ショウガナイ事ダモノ』
私がどういう人間か。それを誰よりも理解している言いたげな優越感を溢れさせながら離島棲鬼が告げた。
離島棲鬼『ソロソロ降伏シテモイイノヨ。コレ以上続ケテ艦娘ニ轟沈サレタラ、今度コソ貴方ハ立チ直レナクナルデショウシ』
私のような人間のなにが気に入ったのか、以前拉致された時と同じ熱の籠った瞳が向けられる。
離島棲鬼『部下ヲ無駄氏ニサセルノハ嫌デショウ? 貴方ガコチラニ来テクレルナラ、艦娘達ハ見逃シテアゲテモイイワ』
提督「――――」
その言葉に揺れなかったというと嘘になる。
私の身一つでみんなが助かる。それは、とても魅力的な言葉だったから。
金剛『……なに考えてるの? そんなの冗談じゃないんだからね』
だが、そんな私に釘をさしたのは金剛だった。
……どうやら離島棲鬼からの通信は《神通》以外の艦にも届いていたらしい。
金剛『私もみんなも、貴方の信頼に応えるために戦ってるのよ。提督の身柄と引き換えに助かるなんて、嬉しくもなんともないんだからね!』
絶対にそんなことは許さないと、モニター越しにこちらを睨みつけていた。
神通「そうです……もう、嫌です。絶対に、奴らに提督を渡したくないです……」
金剛の言葉に触発されたように、神通君が袖を掴んで引き留めてくる。
大和『提督、ご安心ください。大和が必ず提督をお守りいたします!』
曙『バカなこと考えるんじゃないわよ、このクソ提督!』
蒼龍『そ…うですよ……! 提督がいなくなったら、文月ちゃんたちが悲しむんですからね!』
いくつもモニターが開いて、艦娘たちが訴えかけてくる。
一瞬たりとも気を抜けない状況で、それでも私を思い留まらせるために、自分の身の危険さえ顧みずに。
693: 2015/12/26(土) 04:26:45.15 ID:1OsGq1lVo
離島棲鬼『……チョット煩イワネ』
離島棲鬼が面白くなさそうに提案した。
離島棲鬼『ソウネ……丁度イイカラ、ココデ貴方ノシガラミヲ断ッテオキマショウカ』
金剛『――――ウアッ、アアァァァッ……!?』
提督「こ、金剛!! 大丈夫か……聞こえるか、金剛!?」
離島棲鬼の呟きと同時に、《北方棲姫》の艦載機が《金剛》に殺到し、爆撃を開始する。
モニターの向こうで、衝撃に金剛がもんどりうって倒れるのが見えた。
慌てて金剛へ呼びかけるが応答はなく、揺れる画面からは断続的に爆発と振動音しか届かない。
大和『金剛さん……! 仕方ないですね、私が――――きゃあ!?』
離島棲鬼『貴女モ大人シクシテテ。ソノ戦艦ガ沈ンダラ相手シテアゲルカラ』
金剛『く……ぐ、この程度、で……』
助けに向かおうとした《大和》は砲撃に足止めされ、《金剛》の船体には雨のような爆撃が行われる。
提督「やめろ……やめてくれ……!!」
恥も外聞もなく懇願した私に、離島棲鬼は冷たく言い放つ。
離島棲鬼『結局信ジキレナクテ逃ゲタンデショウ? 今更失ッタトコロデ問題ナイワヨ』
提督「――――――――!!」
違う、そんなつもりはなかった……その言葉を口にすることはできなかった。
離島棲鬼の言う通り、私は逃げたのだから。
言葉に詰まった私の視線の先で、黒い猫型の艦載機が《金剛》に致命的な一撃を放つべく接近するのが見えた。
金剛「(これは……さすがに沈んだわね)」
艦橋に向かって迷いなく、一直線に突っ込んでくる深海棲艦の艦載機。
氏に際の集中力という奴だろうか、その動きはゆっくりしていた。
遠くで提督……ううん、鋼太郎の声がする。
避けろとか逃げろとか、無理だとわかっているのに必氏に叫んじゃって……。
金剛『訳:馬鹿ね、最後くらいもうちょっとロマンチックなこと言いなさいよ』
例えば、ずっと好きだったとか愛してるとか。
まあ、期待するだけ無駄でしょうけど、ね。
どことなく愛嬌のある艦載機を眺める私の胸中は、妙なぐらい穏やかだった。
人間、どうやっても氏ぬと理解した時はこんなものなのかもしれないわね。
比叡や霧島、榛名……妹たちに聞かれたら激怒されそうなことを考えながら、私は目を瞑った。
金剛「提督……どうか武運長久を……。私……ヴァルハラから見ているネ……」
視界が暗闇に包まれる。
そして、《金剛》の艦橋に接近した艦載機が爆弾を投下して――――――――とはならなかった。
「――――もう大丈夫、私が来た!」
聞こえたのは、懐かしい声。
金剛「…………へ?」
恐る恐る目を開けた私が見たのは、次々に撃ち落とされていく敵の艦載機。
慌てて確認したレーダーには、いつの間にか新手の駆逐艦が一隻出現していた。
「ふっ……ふふふ……ククッ!」
【No IMAGE】と表示されたモニターから漏れてくる笑い声。
その笑い声に、この場の誰もが心当たりがあった。
提督『さ……漣……君?』
信じられないといった風に、提督がその名前を口にする。
《金剛》の……ううん、きっとこの海域にいる全艦のモニターに、我らが鎮守府の誇る最強の駆逐艦艦娘が、Vサインと共にアップで現れた。
漣「ぬはははははははははッ!! 初期艦参上ォ!!」
離島棲鬼が面白くなさそうに提案した。
離島棲鬼『ソウネ……丁度イイカラ、ココデ貴方ノシガラミヲ断ッテオキマショウカ』
金剛『――――ウアッ、アアァァァッ……!?』
提督「こ、金剛!! 大丈夫か……聞こえるか、金剛!?」
離島棲鬼の呟きと同時に、《北方棲姫》の艦載機が《金剛》に殺到し、爆撃を開始する。
モニターの向こうで、衝撃に金剛がもんどりうって倒れるのが見えた。
慌てて金剛へ呼びかけるが応答はなく、揺れる画面からは断続的に爆発と振動音しか届かない。
大和『金剛さん……! 仕方ないですね、私が――――きゃあ!?』
離島棲鬼『貴女モ大人シクシテテ。ソノ戦艦ガ沈ンダラ相手シテアゲルカラ』
金剛『く……ぐ、この程度、で……』
助けに向かおうとした《大和》は砲撃に足止めされ、《金剛》の船体には雨のような爆撃が行われる。
提督「やめろ……やめてくれ……!!」
恥も外聞もなく懇願した私に、離島棲鬼は冷たく言い放つ。
離島棲鬼『結局信ジキレナクテ逃ゲタンデショウ? 今更失ッタトコロデ問題ナイワヨ』
提督「――――――――!!」
違う、そんなつもりはなかった……その言葉を口にすることはできなかった。
離島棲鬼の言う通り、私は逃げたのだから。
言葉に詰まった私の視線の先で、黒い猫型の艦載機が《金剛》に致命的な一撃を放つべく接近するのが見えた。
金剛「(これは……さすがに沈んだわね)」
艦橋に向かって迷いなく、一直線に突っ込んでくる深海棲艦の艦載機。
氏に際の集中力という奴だろうか、その動きはゆっくりしていた。
遠くで提督……ううん、鋼太郎の声がする。
避けろとか逃げろとか、無理だとわかっているのに必氏に叫んじゃって……。
金剛『訳:馬鹿ね、最後くらいもうちょっとロマンチックなこと言いなさいよ』
例えば、ずっと好きだったとか愛してるとか。
まあ、期待するだけ無駄でしょうけど、ね。
どことなく愛嬌のある艦載機を眺める私の胸中は、妙なぐらい穏やかだった。
人間、どうやっても氏ぬと理解した時はこんなものなのかもしれないわね。
比叡や霧島、榛名……妹たちに聞かれたら激怒されそうなことを考えながら、私は目を瞑った。
金剛「提督……どうか武運長久を……。私……ヴァルハラから見ているネ……」
視界が暗闇に包まれる。
そして、《金剛》の艦橋に接近した艦載機が爆弾を投下して――――――――とはならなかった。
「――――もう大丈夫、私が来た!」
聞こえたのは、懐かしい声。
金剛「…………へ?」
恐る恐る目を開けた私が見たのは、次々に撃ち落とされていく敵の艦載機。
慌てて確認したレーダーには、いつの間にか新手の駆逐艦が一隻出現していた。
「ふっ……ふふふ……ククッ!」
【No IMAGE】と表示されたモニターから漏れてくる笑い声。
その笑い声に、この場の誰もが心当たりがあった。
提督『さ……漣……君?』
信じられないといった風に、提督がその名前を口にする。
《金剛》の……ううん、きっとこの海域にいる全艦のモニターに、我らが鎮守府の誇る最強の駆逐艦艦娘が、Vサインと共にアップで現れた。
漣「ぬはははははははははッ!! 初期艦参上ォ!!」
713: 2015/12/29(火) 13:15:03.69 ID:mFvtO7vco
【サンタが遅れてやって来た】
(深夜)
《鎮守府》提督の家
提督「スゥ……グゥ……」
ガ…チャ………キィィ…
提督「……!」(カッ
提督「(いま……家の扉が開いたな)」
ズル……ズル……
提督「(近づいてくる。や、大和君か?)」(偏見
提督「(ね、念のため警報ブザーを持っておこう)」
?「そ~っとだよ、そ~っと」
?「は…い」
提督「(なん……だと……)」
文月クロース「司令官、ちゃんと寝てるよね~?」(髭モフモフ
弥生クロース「弥生…確かめます」(髭モフモフ
弥生クロース「司令…官……寝てますか?」(ユサユサ
提督「(弥生君、それはかえって逆効果ではないだろうか)」
提督「ぐ……ぐぅぐぅ」
弥生クロース「ちゃんと…寝てるみたい」
文月クロース「よかったぁ~♪」
弥生クロース「ふ、文月ちゃん、しー…」
文月クロース「ほわぁ……シー」
提督「…………」
文月クロース「いい子にしてる司令官にぃ……えっとぉ、はい、プレゼント~」
弥生クロース「喜んでくれると…いいね」
文月クロース「うん~!」
弥生クロース「しー…!」
文月クロース「え、えへへ、ゴメンね~」
弥生クロース「司令官…おやすみなさい……ホゥホゥホゥ」(コソコソ
文月クロース「フォッフォッフォッ……おやすみぃ~」(コソコソ
<よぉし、次は漣ちゃんたちのお部屋だよぉ~!
<眠いけど…みんなにプレゼント、頑張ります
<でもぉ、プレゼントの袋重いねぇ~
<よいしょ……よいしょ……
(カーテンの隙間)
提督「…………」(ジー
リボンを巻いた工具箱<俺はレアだぜ
提督「……メッセージカードもついているな」
『司令官 いつもありがとぉ』
『艤装の整備に使ってください』
提督「なんだ、この……なんだ、身悶えしそうなこの気持ちは」(顔押さえ
(深夜)
《鎮守府》提督の家
提督「スゥ……グゥ……」
ガ…チャ………キィィ…
提督「……!」(カッ
提督「(いま……家の扉が開いたな)」
ズル……ズル……
提督「(近づいてくる。や、大和君か?)」(偏見
提督「(ね、念のため警報ブザーを持っておこう)」
?「そ~っとだよ、そ~っと」
?「は…い」
提督「(なん……だと……)」
文月クロース「司令官、ちゃんと寝てるよね~?」(髭モフモフ
弥生クロース「弥生…確かめます」(髭モフモフ
弥生クロース「司令…官……寝てますか?」(ユサユサ
提督「(弥生君、それはかえって逆効果ではないだろうか)」
提督「ぐ……ぐぅぐぅ」
弥生クロース「ちゃんと…寝てるみたい」
文月クロース「よかったぁ~♪」
弥生クロース「ふ、文月ちゃん、しー…」
文月クロース「ほわぁ……シー」
提督「…………」
文月クロース「いい子にしてる司令官にぃ……えっとぉ、はい、プレゼント~」
弥生クロース「喜んでくれると…いいね」
文月クロース「うん~!」
弥生クロース「しー…!」
文月クロース「え、えへへ、ゴメンね~」
弥生クロース「司令官…おやすみなさい……ホゥホゥホゥ」(コソコソ
文月クロース「フォッフォッフォッ……おやすみぃ~」(コソコソ
<よぉし、次は漣ちゃんたちのお部屋だよぉ~!
<眠いけど…みんなにプレゼント、頑張ります
<でもぉ、プレゼントの袋重いねぇ~
<よいしょ……よいしょ……
(カーテンの隙間)
提督「…………」(ジー
リボンを巻いた工具箱<俺はレアだぜ
提督「……メッセージカードもついているな」
『司令官 いつもありがとぉ』
『艤装の整備に使ってください』
提督「なんだ、この……なんだ、身悶えしそうなこの気持ちは」(顔押さえ
714: 2015/12/29(火) 13:16:12.06 ID:mFvtO7vco
(翌朝)
漣「昨日の晩は……萌え氏ぬかと思いました」(賢者顔
朧「可愛すぎたよね」
曙「サンタの真似してみんなにプレゼント配るとか……なんなの? 天使なの?」
潮「はぅ~、色違いのお揃いミトン、すごく嬉しいよ~」
神通「ウ、ウサギさん柄のパジャマ貰っちゃいました」
那珂「那珂ちゃんはネコだったよー♪」
川内「……私、ナマケモノなんだけど」
神通「あ……」
那珂「それが文月ちゃんたちから見た、昼間の川内ちゃんのイメージなんだよ」(真顔
川内「!?」
球磨「特売品のハチミツ貰ったクマ(´(ェ)`)」
多摩「親子の血は争えないニャ」
木曾「多摩姉、なんで木の棒かじってんだ?」
多摩「マタタビ……フヒ、フヒヒ、世界が虹色ニャ~」
木曾「な、なるほど。……ラブリー眼帯か、これはさすがに着けらんねーよなぁ」
大井「酸素魚雷キャンティー……ンッ、太くて……ハム、れぅ……固くて……フフ、美味しぃ……」
北上「大井っち、なんかえOちぃ~。んー、アタシは提督と一緒に食べよっかな」
赤城「さすがに気分が高揚します」
加賀「赤城さん、それは私の台詞よ」
瑞鶴「夜中に誰か入ってくるから何事かと思ったら……すごいサプライズでしたね」
瑞鳳「エヘヘー、烈風改のプラモデル、うれしいな~」
祥鳳「私はリボンだったわ」
蒼龍「私も私も! あー、もう! 可愛すぎて氏ぬかと思っちゃったなー!」
大鳳「ランニングシューズ、サイズもピッタリでした。これはいつもより多めに走らないと!」
赤城「私は湯呑み」
加賀「色違いですね」
瑞鶴「私はグラス! ほら見て見て、これ飲み物いれたら飛んでる鶴が浮かび上がるの!!」
大和「桜の髪留め……」
金剛「センスいいネー。やっぱり提督の影響でしょうカ?」
比叡「金剛姉様はティーコジーですか! 私はサッカーボールでした! 『また一緒にサッカーしようね』ってカードもついてました!!」
伊勢「万年筆……ちょっといいんじゃない? これってば」
不知火「不知火はハスキーのぬいぐるみでした」
陽炎「私はシェルティー♪」
雷「豆しばだったわ!」
満潮「テリア……どういう選出なのかしらね」
吹雪「な、なんで私だけタヌキ!?」
綾波「なんででしょうねえ」(ミニチュアダックス
敷波「かわいいからいいじゃん」(テリア
漣「昨日の晩は……萌え氏ぬかと思いました」(賢者顔
朧「可愛すぎたよね」
曙「サンタの真似してみんなにプレゼント配るとか……なんなの? 天使なの?」
潮「はぅ~、色違いのお揃いミトン、すごく嬉しいよ~」
神通「ウ、ウサギさん柄のパジャマ貰っちゃいました」
那珂「那珂ちゃんはネコだったよー♪」
川内「……私、ナマケモノなんだけど」
神通「あ……」
那珂「それが文月ちゃんたちから見た、昼間の川内ちゃんのイメージなんだよ」(真顔
川内「!?」
球磨「特売品のハチミツ貰ったクマ(´(ェ)`)」
多摩「親子の血は争えないニャ」
木曾「多摩姉、なんで木の棒かじってんだ?」
多摩「マタタビ……フヒ、フヒヒ、世界が虹色ニャ~」
木曾「な、なるほど。……ラブリー眼帯か、これはさすがに着けらんねーよなぁ」
大井「酸素魚雷キャンティー……ンッ、太くて……ハム、れぅ……固くて……フフ、美味しぃ……」
北上「大井っち、なんかえOちぃ~。んー、アタシは提督と一緒に食べよっかな」
赤城「さすがに気分が高揚します」
加賀「赤城さん、それは私の台詞よ」
瑞鶴「夜中に誰か入ってくるから何事かと思ったら……すごいサプライズでしたね」
瑞鳳「エヘヘー、烈風改のプラモデル、うれしいな~」
祥鳳「私はリボンだったわ」
蒼龍「私も私も! あー、もう! 可愛すぎて氏ぬかと思っちゃったなー!」
大鳳「ランニングシューズ、サイズもピッタリでした。これはいつもより多めに走らないと!」
赤城「私は湯呑み」
加賀「色違いですね」
瑞鶴「私はグラス! ほら見て見て、これ飲み物いれたら飛んでる鶴が浮かび上がるの!!」
大和「桜の髪留め……」
金剛「センスいいネー。やっぱり提督の影響でしょうカ?」
比叡「金剛姉様はティーコジーですか! 私はサッカーボールでした! 『また一緒にサッカーしようね』ってカードもついてました!!」
伊勢「万年筆……ちょっといいんじゃない? これってば」
不知火「不知火はハスキーのぬいぐるみでした」
陽炎「私はシェルティー♪」
雷「豆しばだったわ!」
満潮「テリア……どういう選出なのかしらね」
吹雪「な、なんで私だけタヌキ!?」
綾波「なんででしょうねえ」(ミニチュアダックス
敷波「かわいいからいいじゃん」(テリア
715: 2015/12/29(火) 13:18:21.69 ID:mFvtO7vco
青葉「…………」
衣笠「手作りの可愛いアルバムだねー。なになに? 『青葉ちゃんの写真だい好き!』……やったじゃん!」(ヘアバンド
青葉「――――グスッ」
那智「か、感極まって泣いてるぞコイツ!?」(ウコンのパワー
熊野「意外と打たれ弱いですわねぇ」(袋うんまい棒
イムヤ「手作りの竹とんぼと独楽……」
イムヤ「外に出て遊べってことだね、うん」
喫茶《間宮》
間宮「まさか私たちまでプレゼント貰えるなんて、ビックリしました」
伊良湖「ちょうど新しいエプロン、欲しかったんですよね」
羽黒「で、でも、なんだか悪いような……」
鳳翔「しばらくはみんな、二人に頭が上がりませんね」
《鎮守府》執務室
文月「くぅー……かー……」
弥生「すぴ~……すぅ~……」
提督「(昨日、本当にあれから全員にプレゼントを配って回ったのだ、仕方あるまい)」(毛布カケカケ
提督「……この子たちが優しいままでいられるよう、頑張らなくてはな」(シャキーン!
【なお、プレゼント袋は通りすがりの恰幅のいいおじいさんが貸してくれた模様】
716: 2015/12/29(火) 13:20:27.81 ID:mFvtO7vco
今年の投下はこれで終了
来年もよろしくお願いいたします
来年もよろしくお願いいたします
718: 2015/12/29(火) 14:24:45.71 ID:pLM/dwpw0
お疲れさまでした
よいお年を
よいお年を
719: 2015/12/29(火) 15:39:46.39 ID:0xFoOcnAO
乙。
来年も玖珂提督&麾下艦娘に幸あらんことを
良いお年を
来年も玖珂提督&麾下艦娘に幸あらんことを
良いお年を
次回はこちら
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