261: ◆f1paZe0QfUJl  2019/04/21(日) 23:14:16.26 ID:F2sOPAROo




前回はこちら


 【金剛改二丙が実装されるそうですよ?】

《鎮守府》執務室


漣「金剛さん改二丙、ですか」

提督「……う、うむ」

漣「漣の改二はいつになったら来るんですかねえコレ。下手したら年単位かかるんじゃないですかね」

提督「いや、さすがにそれはないと思う……思いたいのだが」

漣「金剛さんの改二丙案が届いた後、思いっきりガッツポーズしたの忘れませんからね」

提督「そ、それとこれとは話は別だと思うのだが」

漣「それはわかってるんですけどね。初期艦に選ばれたけどいまだに改二来てない人って結構いるのでー……」

提督「要望は出し続けるよ……」

漣「よろデース」

提督「……金剛の口調真似るのはやめてもらえないだろうか」

漣「サーセンwww」



※このお話は、個性的な艦娘たちと提督の鎮守府での日常をたんたんと描くだけのものです。
過度な期待はしないでください。

鎮守府での四方山話シリーズ



266: 2019/05/07(火) 00:27:40.50 ID:Takb+Emlo
【バトルフリートガールズ大運動会】
前回までのあらすじ:各鎮守府の威信をかけた戦い


<レース開始ぃ!!


《与太鎮守府》

山城「よ、よし、出撃よ!」

日向「うむ」

古鷹「ポイントの射撃は任せてください!」


山城「(障害物があるって言ってたし、旗艦の私がしっかりしないと……。見てて、姉様!)」


<グイッ


山城「――――あら?」

日向「どうした?」

山城「いえ、水面のすぐ下に細い縄が張ってあって……――――ええぇぇぇぇえぇごぶぶぶっ!?」

古鷹「ああっ、山城さんが水面をすごい勢いで!?」

日向「ふむ……縄に引っかかった奴を強制的に曳航するトラップか」

古鷹「ど、どうしましょうっ、早く救助に向かわないと……!」

日向「まあ、そうなるな」

日向「その前に古鷹、あそこに第一ポイントの的があるから撃っておいてくれ」

古鷹「あ、はぁい」


 ――――その後


山城(小破)「やだ機雷ぃー!? か、各艦は私を顧みず的を撃滅してくださぁーい!」

日向「おお……高いな、さすがは航空戦艦」

古鷹「航空戦艦ってそういう意味じゃないですよね……あ、第二ポイント。主砲狙って……撃てぇー!」


山城(中破)「うぅ、不幸だわ、どうして私ばっかりこんな目に……」

日向「だからさっきから先頭を代わると言ってるだろうに」

山城「いえ、いいえ、旗艦は提督に任されたんだから……ちゃんと、やり遂げない…とぉぉ↑おう↓!!!!?」

日向「ほう。顔面にパイとは、ずいぶんと骨董的なトラップだな」

古鷹「あっ、最後の的……よ~く狙って、えい!」


青葉『えー……与太鎮守府チーム、的を全部狙撃してゴール。タイムは、ええ、まあ、皆さんナイスファイトだったかと!』

霧島『もう途中からコメディ映画を見ているようでしたね。見物のお客様は大変、満足されてるようですが』

山城「もう誰も心配してくれてない……不幸だわ」



与太提督(他所)「前世の云々は信じてねえけど……なんで扶桑と山城ってあんなに運悪いんだろうな」

提督「こ、こればかりは人それぞれと言うしか……」

井戸端提督(メガネ)「適性のあった艦に引きずられちゃう、ってのはあるみたいだね」

放談鎮守府(オネエ)「そういう子のケアもしっかりしてあげるのが提督のお仕事、よね」

267: 2019/05/07(火) 00:28:46.92 ID:Takb+Emlo
《井戸端鎮守府》

雪風「雪風、がんばります!」

ヴェールヌイ「司令官の作戦通りに行こう」

五十鈴「作戦って言えるのかしら、アレ?」


<レース開始ぃ!!


雪風「絶対、大丈夫!」

五十鈴「あっ、ちょっともう少し慎重に……!」

ヴェールヌイ「大丈夫、雪風は沈まないよ。あ、一つ目の的は僕が撃つね」



<しかし なにもおこらなかった!


ヴェールヌイ「はい、これで三つ目。任務終了、だね」

五十鈴「……あ、あれ? トラップは?」

雪風「雪風は(ネタキャラに)沈みませんっ!」

ヴェールヌイ「幸運か、幸運はいいな。いつだって、運のない奴に春は来ない……хорошо」

五十鈴「ふ、二人して発言が殺伐過ぎない?」



<Boo! Boo!

青葉『えー、現在会場からすさまじいブーイングの嵐ですが、トラップが発動しなかったことに関して運営が調査中ですのでー』

霧島『幸運艦の名は伊達じゃないということでしょうか? まあトラップに誰も引っかからなかった可能性も高いですからね。少なくともタイムに関しては暫定一位……というかコレ、他の鎮守府でも抜けない奴じゃ……』


他所「おいぃぃぃ!? なんだよアレ、ズルくねえ!? なんでトラップ一個も発動しないんだよぉ!!」

メガネ「ズルくないですぅ~! あれは単純に雪風ちゃんの運がカンストしてるだけで、トラップ発動しなかったのはたまたまですぅ~!」

提督「フィールドにいる間、トラップの発動・効果を無効にするということか」

オネエ「玖珂ちゃんは素直よねえ……。まあ、そういうところは無くさないでほしいんだけど」

276: 2019/08/18(日) 14:23:59.99 ID:p8aRzOmxo
《艦娘たちとコミュニケーション》

【これぞ改装の最終進化形!】


《鎮守府》工廠前

比叡「ひぇー……ひぇぇー……」ウロウロ

提督「ひ、比叡君おおお落ち着きたまままえ」オロオロ

漣「いやいやご主人様もめっちゃ動揺してるじゃないですか」

提督「う、うぬ、すまない。なにせ私も初めてなのでな。改二改装のもう一段階上の領域などというのは」

比叡「金剛姉様、大丈夫でしょうか……工廠妖精さんたちが珍しく『調整に集中したいのでー』なんて真剣な顔で……」

提督「我々は妖精君たちを信じて待つのみ、だよ……」

漣「(出産前の旦那と嫁妹みたいダナー……)」



妖精A「待たせたな! です」

妖精B「終わったですー」

妖精C「いい仕事しました」

提督「お、終わったのだね」

比叡「よよよ妖精さんたち~、金剛姉様は? 金剛姉様は~!?」

妖精A「ご安心を、我々のモットーは信用第一なので」

妖精B「ちゃんと指差し確認ヨシ! ってやりながら改造したです」

妖精C「自我を持たせる系は混ぜるな危険」

漣「こいつはすげぇや、何一つ安心できねーですよ」

比叡「アワワワ、金剛姉様~!?」

提督「さすがに私も不安になってきたのだが」

妖精A「見てください我々の改装」




金剛(第三改装)「本当にホントの私になれた気分デース!」ババーン

比叡「金剛姉様~! お怪我は!? 調子の悪いところはありませんか!?」

金剛「はいはい、落ち着くネー。どこも調子悪くないから」

比叡「よかったー!」

金剛「だから落ち着きなさいって! ンンッ、それはそうと……HEY提督ぅ、新しい私の艤装どうデスカ?」ジー

提督「む……」

277: 2019/08/18(日) 14:24:37.84 ID:p8aRzOmxo


妖精A「くるっと回った流れで前屈み上目遣い……だと……10点」

妖精B「上着とスカートの裾がふわーっと見えるか見えないかギリギリ攻めたあざといターンでした……10点」

妖精C「ガチの人以外がやるとSNSで燃やされる奴です……10点」

比叡「いままで以上にお綺麗ですよ金剛姉様!! もちろん10点ですとも!」

漣「あざといな、さすが金剛さん、あざとい……腹立ったから8点で」


提督「…………」

金剛「『な……なによ、だんまりして人のことじっと見て』」

提督「いや……何でも、ない」

金剛「…………あ」

金剛「『鋼太郎~? もしかしてあなた、ちょっと照れてる? 照れてるでしょ!』」

提督「……照れてなど、いない」

金剛「『なによー、もう~! 素直じゃないわね、言いたいことあるなら言っていいんだからね? ほーらー、ほらほらほら!』」

提督「や、やめたまえ、やめたまえ……」



漣「むっちゃテンション上げ上げですねー。まあ、気持ちはよっっっくわかりますが」

比叡「金剛姉様が幸せなら比叡は大丈夫です!」

漣「比叡さんって人生楽しそうで、たまーに羨ましくなりますよ、ええ」

比叡「そうなんですか!? ありがとうございます!」

278: 2019/08/18(日) 14:25:52.13 ID:p8aRzOmxo
【改二実装を巡る光と闇……改と改二の狭間で眠る哀しき艦娘たちよ。いまこそry】

《鎮守府》工廠裏


大和(体育座り)「…………」ジメジメ…

漣「やほー」

大和「……ああ、漣さん」

漣「……漣も座るからちょっと脇によけてくださいな」

大和「どーぞどーぞ」

漣(体育座り)「いやー…………よもやよもや第三改装とは」ジメジメ…

大和「そこは改二の来ていない私たちが先なんじゃないですか、普通……」

漣「聞いた瞬間、漣クソアニメのあれみたいな顔になりましたからね」

大和「大和は気がついたら医務室のベッドて寝てました」

漣「……改二、ほしいですねー」

大和「……」コクコク



曙「ちょっと、どーすんのよあれ」

朧「漣もずっと改二を待ってるから、仕方ない」

曙「そりゃ、私だって早く改二改装来たらなーって思うけど」

朧「……あ」

曙「へ?」




漣大和「「…………」」ジーメー




曙「お、朧、なんか見てる! すっごい見てるんだけど!」




漣大和「「…………」」オイデ…オイデ…




朧「あ、手招きしてる」

曙「い、嫌よ私! あそこに加わるとか絶対に嫌だからね!」

朧「……そっか」ショボリ

曙「なんでちょっと残念そうなの!?」

279: 2019/08/18(日) 14:26:33.69 ID:p8aRzOmxo
【赤城さん改二】


旬彩『鳳翔』

瑞鶴「はいっ! というわけで、ついに来た赤城さんの改二を祝して――――」

加賀「乾杯」

<かんぱーい!!

瑞鶴「ちょっ、それ私の台詞なんですけどぉ!?」



鳳翔「おめでとう、赤城さん。今日はうんと食べて飲んで楽しんでくださいね」

赤城(改二)「ありがとうございます。まさか加賀さんや瑞鶴だけじゃなくて、空母組全員でお祝いしてもらえるなんて」

大鳳「だって、待ちに待った赤城さんの改二改装ですもの! 同じ空母としてお祝いせずにいられません!」

瑞鳳「そうだよねー。私なんかか先に改二改装してもらったりで、ちょっと気にしてたりしたし」

祥鳳「私は瑞鳳の改二改装、とっても嬉しかったけど、ね?」

蒼龍「大本営もいろいろ考えてるんだろうけど、やっぱり……ねえ?」

加賀「いつまでも二航戦や五航戦に負けていられません」

赤城「加賀さん、もう……。同じ鎮守府の仲間なんだから、改二のあるなしで勝ち負けなんて決まらないわ」

瑞鳳「とはいっても、やっぱり改二改装の性能アップは馬鹿にならないもんねー」

瑞鶴「そりゃあ、まあ、ねえ? 私の艦なんて装甲空母化したし」

大鳳「装甲空母仲間が増えたことを喜べばいいのか、専売特許じゃなくなってさらに影が薄くなったことを悲しめばいいのやら……です」

鳳翔「大鳳ちゃん、相手が提督だからって遠慮せず怒ってもいいんですからね?」

大鳳「あ、あはは……」


蒼龍「それでそれで、赤城さん! 赤城さんの改二改装ってどんな感じなのかな!?」

瑞鳳「あ、私も気になるぅ! 艦載機? 艦載機が違うのかな!? もしかして新型!?」

祥鳳「瑞鳳、落ち着いて、ね?」

赤城「い、一応、新型の艦載機も配備してもらえるみたいだけど……えっと、ちょっと待ってくださいね――――」

瑞鳳「?」

蒼龍「(どうしたんだろ、精神集中なんて始めて)」

280: 2019/08/18(日) 14:29:21.75 ID:p8aRzOmxo


赤城「慢心……一航戦の誇り……運命の5分間――――んんっ……ベストを尽くせぇ……!!」



 ゴッ!!



赤城(改二戊)「ふぅ……これが私のもう一つの改装、改二戊です。時間がかかってすみません、まだこの変化に慣れてなくて……」

鳳翔「あ、あらあら……」

大鳳「(変身した)」

蒼龍「(え、気合で改二改装って変化するものなの?)」

瑞鳳「――――そっか、これが、これが提督の言ってた改二をさらに超えた改二……」ゴクリ

祥鳳「瑞鳳やめて、普通に理解を示すのやめて」

瑞鳳「エヘヘ~、冗談だよ祥鳳姉ぇ。瑞鳳とか瑞鶴さんのコンバート改装と同じだよね、知ってる!」

赤城「コンバー……? いえ、知らない子ですね」

瑞鳳「え」

赤城「よ、妖精さんたちが『鎮守府のみんなには内緒だよ? ですー』って……」

一同「「「えぇ……」」」




瑞鶴「……どうしましょうか、この空気」

加賀「自身の気合だけで艤装をコンバート改装させるなんて、さすが赤城さんね」

瑞鶴「何でもかんでも赤城さんすごいで流せると思ったら大間違いだかんね、一航戦!」

加賀「この(精神的)ダメージは完治に少し時間がかかるわ……ごめんなさいね」

瑞鶴「えーと……あ、赤城さん、コンバート改装で使う資材ってどうやって調達したんだろ?」

加賀「妖精さんの分け前になったんじゃないかしら」

瑞鶴「そんな天使の取り分じゃあるまいし」




※後日、提督宛にコンバート改装で消費する資材の請求書がきっちり届いた。

297: 2019/10/17(木) 22:33:02.45 ID:v+pNoMRpo
【提督メンタルヤバメノッキング解除海外艦娘マシマシ】

《大本営》


元帥「自分たちがなにをしているかわかっているのか」

霧島「申し訳ありません元帥、私だけでは止めることができませんでした」


北方棲姫「ホポォ……霧島、イタイノイタイノトンデケ~」

霧島「あ、どうもご丁寧に。そろそろオヤツの時間ですね、後でカステラと大和印のラムネを出しましょうね」

北方棲姫「カステラ! ホッポ、霧島ノコト好キダト思ウ!」

霧島「あらあら~、私も好きですよ、はいどーぞ召し上がれ!」

北方棲姫「ヽ(*≧ω≦)ノ」



ローマ「悪く思わないでね、これは私たちにとって必要なことだから」

グラーフ・ツェッペリン(以下グラーフ)「恩のある貴方に害をなすこと、我々も心苦しく思っている」

元帥「だからといって……だからといって、いきなり人の執務室に来てストライキを起こすかね普通」

イタリア「ストライキ……って言うんでしょうか、今回の」

U-511(以下ユー)「ユーたち…お仕事、したいです」

ローマ「もういい加減! うんざりなのよ! 毎日毎日毎日毎日、居住区の娯楽室で朝から晩までご飯食べてゲームしてティータイムして本読んでご飯食べてお風呂入って軽くお酒を楽しみながら談笑して寝るなんて生活は!」

元帥「必氏に働いて食生きてる人にケンカ売ってるな」

イタリア「贅沢を言ってる……というか、手厚く保護してもらってるのはわかるんですけど、最近自分たちが艦娘だっていう自覚が薄れてきていて……」

グラーフ「ビスマルクの奴の話になるが、久しぶりに艤装の調整でもしようと海に飛び込んだ瞬間、沈んだんだ」

元帥「は?」

グラーフ「……艤装とリンクするのを忘れていたんだ」

イタリア「ビスマルクは風邪をひくし、艤装も水没してオーバーホールしなきゃで妖精さんもカンカンでした」

元帥「」

ローマ「さすがにここまで来ると、ね……」

グラーフ「艦娘としての自分を見つめ直すためにも元帥、我々をどこかの鎮守府に着任させてほしい」

298: 2019/10/17(木) 22:34:45.90 ID:v+pNoMRpo
元帥「……もし許可できないと言った場合は」

グラーフ「我々も鬼にはなりたくないのだが……」キッ

ローマ「ホッポの就寝時刻を20時から22時に変更するわ」キリッ

イタリア「ゲームも1日5時間……3時間まで許可しちゃいますよっ!」

グラーフ「食事やおやつの時の飲み物を牛乳やお茶からジュースに変えるのも吝かではない。ああ、安心してくれ、歯磨きの仕上げはちゃんとチェックする」ドヤァ

ユー「えっと…えっと…お布団入った後、寝るまでお話…します」

霧島「いつから大本営は託児所になったのかしら……」

元帥「なんて恐ろしいことを考えるのだ君たちは。そんなことを言われたら手続きを取らざるを得ないではないか(棒)」イソイソ

霧島「ウキウキで着任に必要な書類を準備しているように見えますが?」

元帥「いやー、正直大本営の中でも穀潰しの海外艦娘を国に送り返しては、みたいな話が出るようになっててなあ」

ローマ「なにそれ聞いてない」

イタリア「なんとなく周りの視線が冷たいなーとは思っていましたけど、トホホ……」

グラーフ「メーは口ほどにものを食うという奴だな」

元帥「君たちの生活費もタダではないのだよ。特に酒代」



ポーラ「へぇーちょっ! んー……ん~? 誰かポーラの噂してます~?」

ザラ「してないしてない、だけろさっさと服を着なさいっ!!」

ポーラ「うへへへぇ、ポーラ寒くないですよ~? 体ポカポカしてます~」

ザラ「も~! 憲兵さん、憲兵さーん!」

憲兵A「はいはい……おい、毛布持ってこい」

憲兵B「さーポーラちゃん、お部屋に戻ろうねー」

憲兵C「窓に鉄格子ついた殺風景なお部屋だけどねー」

ポーラ「はれぇ? わたしぃ、どこ連れていかれるんですか~? ウヘ、ウヘヘヘ~」

ザラ「うぅ……許してポーラ、あなたのためなの……」サメザメ

あきつ丸「……なんか絵的にきっついものがあるでありますな」

憲兵A「言ってやるな」




『前略 そういう訳で海外艦をまとめて着任させるので覚悟を決めるように』

提督「ま、まるゆ、まるゆ意味が……理解がわからんぞ…意味が……」

漣「バグってますよちょっと落ち着きましょうご主人様」

提督「こ、これが落ち着いていられるものか」

漣「えーと、懐かしのグラーフ・ツェッペリンさんに、ローマ、イタリア、U-511、コロラド、プリンツオイゲン、アイオワ、イントレピッド、ガングート……なんか読み上げてて可愛そうになってきましたよ」

提督「な、何人か着任を断った艦娘なのだが」

漣「あくまで保留扱いだったつーことでしょうなー」

提督「こ、ここのような小さな鎮守府に貴重な海外艦を着任させる必要性は……」

漣「向こうに置いとけなくなったから、こっちに預ける的な? これは漫画で例えるならあれですねー、停止させていたダメージを一気に噴出させられてお亡くなりになったノッキングマスターを彷彿とさせますなー」

提督「着任拒否……着任拒否の書類を……」

漣「あ、なんかおまけでイタリア重巡とアメリカ軽空母もつけてくれるそうですよ。おかしくって草生えるわァwww」

提督「……私は、まったく、これっぽっちも笑えないのだが」



(大本営)
ビスマルク「――――私は?」

元帥「あ」

317: 2020/03/08(日) 00:06:56.42 ID:s3CsBmKVo
【大和、初期艦試験を受けたい】


大和「大和、初期艦試験を受けようと思うんです!」

漣「はぁ……がんばってくらはいバリバリ」

大和「おせんべい食べながら応援されても嬉しくないんですけど……」

漣「そんなこと言われましても。漣、ここの初期艦ですし? 今更あのメンドーくさい試験を受けたいとは思わないのでー」

大和「……そんなに?」

漣「そんなに」

大和「…………あのう、漣さん」

漣「だが断る」

大和「ま、まだ何も言ってないじゃないですか!」

漣「いやー、どうせ初期艦試験対策の勉強教えてほしいとかだろうなーって」

大和「そうですけど、その通りですけど!」

漣「だいたい、なんで今になって急に初期艦試験なんて受けようと考えたんです?」

大和「だってぇ……初期艦試験に受かれば、名実ともに大和が四方山鎮守府の初期艦になれると思って……」

漣「まーた電波なことを言い出しましたよこの人……。初期艦試験受かっても別の鎮守府の初期艦ガチャができるだけですって」

大和「むー……」

漣「可愛らしく口を尖らせんな、この戦艦ダ級が!」

大和「ひどいっ、深海棲艦みたいな呼び方しないでください!!」

漣「ええい、やかましい! 初期艦試験に受かったとこで漣がココの初期艦である事実は揺るがないのですよー」

大和「そんなことないです、大和が初期艦試験委受かればきっと大和も初期艦に……」

漣「うっわ、自分に暗示かけ始めましたよ……。自分を初期艦だと思ってる異常者かよ……」


通りすがりのゴトランド「ひっどーい、そんな言い方しなくてもいいじゃない! 初期艦が何人いたっていいでしょう?」


漣「…………誰ですかあれ」

大和「……さあ?」


《結局、初期艦にはなれないので初期艦試験は諦めた》

324: 2020/06/11(木) 01:17:59.14 ID:mE0RTglGo
【バトルフリートガールズ大運動会】
前回までのあらすじ:幸運艦は伊達じゃない




青葉『さてさて、井戸端鎮守府の驚異的な記録を塗り替えることのできる鎮守府はあるのか!? 続いて放談鎮守府の挑戦です!!』

霧島『すべての障害を最速で突破できればあるいは……というところですが、頑張ってほしいところです』



阿賀野「よーし、阿賀野がんばっちゃうんだから!」

筑摩「え、ええ、そうですね……。その、あまり気合を入れ過ぎない感じで、ほどほどに――」

阿賀野「え~? 提督さんにいいところを見せるチャンスなんだから! 阿賀野型の本領発揮しちゃうんだからね!」キャピッ☆

筑摩「あ、はい……とっても頼もしいですね、ウフフ……」

山風「(筑摩さん……がんばって)」




能代「あぁ~もう阿賀野姉ぇったら、調子に乗って筑摩さんに迷惑かけてるんじゃないでしょうね……」ハラハラ

矢矧「そんなに心配なら筑摩さんの代わりに能代姉さんが参加すればよかったんじゃない?」

能代「ち、筑摩さん頑張って~!」

利根「意外と薄情じゃのお、阿賀野型……」


<レース開始ぃ!!



阿賀野「さあ、最新鋭軽巡・阿賀野、出撃しまーす!」

筑摩「ほ、本当に大丈夫かしら」ハラハラ

山風「あたしは……自分の役目を果たすね」



阿賀野「あ、あれ、艤装のスクリューに何か絡まって――――うきゃあぁっ!?」

筑摩「ああ、ロープが絡んじゃってますね……。ちょっと待っててください、ロープを外しますから……」

山風「的、見つけた……えい、え、えい!」



阿賀野「ごっふぅ!? 駆逐イ級サイズのバルーンが海の中から!?」

筑摩「あ、造形が凄いですね。妨害を毎回変えるの競技としてどうなのかと思いますけど……」

山風「次の的どこぉ?」キョロキョロ



阿賀野「あーっ、最後の的みーつけた!」

筑摩「山風ちゃん!」

山風「う、うんっ……えい!」

阿賀野「あれぇ!? 阿賀野が格好よく決めるつもりだったのになんでー!?」



青葉『放談鎮守府、すべての的を撃破してゴール!』

霧島『筑摩さんのフォローっぷりと山風さんの堅実な射撃能力が光りましたね。特に一生懸命な山風さんの姿が非常に好ましかったです』




阿賀野「ねえねえ、阿賀野は? 阿賀野の活躍は~?」



青葉『えー……身を挺しての妨害突破、実にお見事でした』

霧島『艦隊旗艦としての役割をきっちり果たしていたと思います、ええ』

325: 2020/06/11(木) 01:18:33.88 ID:mE0RTglGo



提督「……君のところの艦娘はずいぶんと賑やかだね」

オネエ提督「ま、まあ、ウチは明るくて元気な子が多いからね!」



青葉『とうとう水上射撃最後、四方山鎮守府の出撃です!』

霧島『四方山鎮守府からは球磨さん、朧さん、敷波さんが参加されるようですね。井戸端鎮守府の記録を抜くことができるのか期待です』


球磨「おーし、いっちょやってやるかクマ」ノビー

朧「がんばる」グッグッ

敷波「(二人とも準備運動に余念がない……)」


綾波「敷波~、頑張って~。ほらほら、司令官も応援してあげてくださいよぉ」

提督「む? う、うむ…………うむっ」

漣「いや、ちょー控えめに拳をグッと握っても伝わりませんて」


敷波「ア、アハハ、変わんないなあ司令官」

球磨「そうだなクマー」

朧「あれでも本人的には頑張って打ち解けようとしてくれてる、たぶん」

敷波「まあ…………初期の初期に比べたら、だいぶ、いやほんのちょびっとは、うん」

球磨「と、とにかく球磨たちの番だ! 提督に勝利をお届けするクマー!」

朧「おー」

敷波「お、お~」


<レース開始ぃ!!


球磨「おっしゃ~、出発だクマー!!」

朧「球磨さん、あんまり突出するとトラップが……」

敷波「あ、危ないって――――!?」

球磨「フンンンーッッ!!」



青葉『お、おおーっと、四方山鎮守府の球磨選手、海中から飛び出してきた駆逐イ級のダミー人形を受け止めて素手で引き裂いた~!?』

霧島『あれ訓練の的に使うから結構、丈夫なんですけどね』


球磨「だらっしゃーッ!! だクマ!」


青葉『そのまま駆逐イ級人形の残骸で的を殴り倒しましたね……』

霧島『無茶苦茶やりますね』



球磨「ぃよーし、次いくクマ~♪」

朧「……なるほど、これが攻防一体」

敷波「いや、絶対違うでしょ」

326: 2020/06/11(木) 01:19:06.37 ID:mE0RTglGo

<オラァ!! もう一発だクマ~!!
<もう全部、球磨さん一人でいいんじゃないかな
<そ、そういうわけにもいかないでしょ



漣「……えー、大井さん、球磨型を代表して何か一言」

大井「お願いだから今、話しかけないでください!」

北上「ウハハ、大井っちってば顔真っ赤~」

多摩「球磨はあれでケッコー雑な奴だからニャ」

木曾「(多摩姉もそっくりじゃねーか……って言ったら殴られるんだろうな)」

提督「(艤装そのものが近接用の武器やプロテクターになるギミックを追加してみるのもありか……)」







1500水上棒倒し


青葉『えー……球磨さんの嵐のような暴れっぷりに会場ドン引きですが、惜しくもタイムは井戸端、放談鎮守府に及ばず!』

霧島『一進一退、どの鎮守府も点差がほぼ横並びの状態。どこが優勝するのか、まったく予想ができない状況ですね』



他所「くあー、最初はぶっちぎりで優勝してやるつもりだったのになー」

メガネ「優勝がきっちり決まってくれれば良い方かもね」

他所「あ? どういう意味だよ」

オネエ「点数をよくご覧なさいな。さっきから私たちの鎮守府、程よく勝って負けてばっかりでしょ」

提督「このままでは最悪、みんな同じ順位の可能性が……」

オネエ「応援合戦の特別ポイントで妙な具合に調整入っちゃった感じよねえ」

他所「や、やべえよやべえよ、全員同着で終了したら俺たちみんな先生の訓練待ったなしじゃね?」

メガネ「やるね、先生はそういうことやる人だ」

オネエ「むしろ都合がいいぐらいに考えてると思うわ……見なさい」

他所メガネ「「?」」





元帥「――――――――ムフフ」カキカキ

327: 2020/06/11(木) 01:20:33.14 ID:mE0RTglGo


他所「……むっちゃキモイ笑顔を浮かべてらっしゃる」

メガネ「メモ帳になにか書いてるけど、あれってたぶん思いついた訓練メニューを片っ端から書き留めてるんだよね」

提督「て、提督代行の手続きをお願いしておくか……」

オネエ「早い早い、覚悟を完了するの早すぎるわ玖珂ちゃん」

他所「そ、そうだぜ、こっからの競技でキッチリ順位を決めてやればいいんだよ」

メガネ「……ちょっと僕、ウチの子たち激励してくる」

他所「あ、テメエ、ズルいぞ! 俺もちょっと行ってくるわ!」

オネエ「どうやら、競技の建前を捨て去った血を血で洗う戦いが始まっちゃうみたいね」

提督「と、止めなくては……」

オネエ「まあまあ、いい機会じゃない。私たちの中で誰が一番、艦娘ちゃんたちの気持ちを燃えさせてあげられるのかを知るね」

提督「そ、そういうものは競うものでは……」

オネエ「もちろん、どっちが上だーみたいな格付けをしたいわけじゃないんだけど。でも、やっぱりね――――」

提督「ぬ?」

オネエ「私たちだって燃えるじゃない、鎮守府の自慢の子たちがどこよりも活躍してくれるのって!」

提督「――――そ、そうかな……そう、かもな」

オネエ「提督っていうのは見栄っ張りで自慢しいの艦娘バカでなきゃダメよ♪」ウインク


<それでは棒倒し開始ぃ!!

329: 2020/06/12(金) 20:33:49.38 ID:zS5YJJJWO

330: 2020/06/21(日) 11:45:00.55 ID:nnenD3jlo
待ってた


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引用元: 終:鎮守府の四方山話