睦月「確かに清澄は強いし全国で注目を浴びてまさにアイドル超人です！」

睦月「今から私たちがアイドルを目指すのは無理でも、良きライバルポジションが狙い目ではないかと！」

睦月「そこで目をつけたのが７人の悪魔超人です！」

ﾊﾟｻｯ

ゆみ「ん、何か落ちたぞ」

モモ「今回の参考資料らしいっす」

ゆみ「『キン肉マン』…？随分昔の漫画じゃないのか…？」

モモ「数日前からむっちゃん先輩が目を輝かせて読んでたっすよ」

睦月「お気づきになりましたかこの名作に」

睦月「全巻お貸ししますから知らない人は是非読んでください！」

佳織「あ、ありがとー読んでみるねー」ﾖﾐﾖﾐ

睦月「注目は最新の３８，３９巻だけど、７人の悪魔超人は１０巻から登場しているよ！」

モモ「ちなみに最近、２０数年ぶりの続編が発表されて話題になったっす。四半世紀の時を越えてあの７人の悪魔超人が復活の大活躍！」

モモ「コミックスは３８巻～３９巻まで発売中、最新話はwebで無料購読できるっすよ！」

ゆみ「やけに宣伝口調だな…それってまるで」

モモ「ステマじゃないっす、ステルスモモっすよ！」ｷﾘｯ

ゆみ「あーもういい黙っててくれ」

佳織（…３倍のジャンプで1200万パワー…？）

睦月「では配役を発表します！」

睦月「まずモモは神出鬼没で影に隠れるのが得意なブラックホール！」

睦月「モモは日常でもなるべくｶｰｶｶｶと喋ってキャラ付けをしていくようにお願い！」


モモ「かーかか加治木先輩～」ｽﾘｽﾘ

ゆみ「ち、近すぎるぞモモ…人前で…」

モモ「私のブラックホールに吸い込んじゃいますよ～」

蒲原「ワハハー意外とノリノリだなー」

佳織（ジェロニモさんって２人いるのかなあ…？？）

睦月「妹尾さんはたまに見せる爆発力と、もうなんかいろいろ牛っぽいからバッファローマンです！」

佳織「ふえええ」

蒲原「ワハハー、一般的な乳牛はバッファローじゃないぞー」

佳織「にゅっ…智美ちゃん！そんな言い方恥ずかしいよー」

蒲原「うりゃーハリケーンミキサー」ｸﾞﾘｸﾞﾘ

佳織「む…胸に顔を押し付けないでー」

睦月「うむうむ」

ゆみ（それでいいのか…）

モモ「私もハリケーンミキサーしてほしいっすー」ｽﾘｽﾘ

睦月「そして私はステカセキング！」

睦月「私の唯一の取り柄といえばこのプロ雀士カード収集です！」

睦月「ステカセキングのようにカードに書かれたプロの力を使えるようになれば大活躍！」

睦月「名づけて「プロ雀士大全集」！」

蒲原「そのまんまだなー」

ゆみ「カードに書かれたプロの力をって…できるのかそんなこと」

睦月「大丈夫です！きっとできます！ステカセキングはできてるじゃないですか！」

蒲原（かわいそうに漫画と現実がごっちゃになｔｔ）

ゆみ（言ってやるな蒲原）

佳織（…鎧が重いと早く落ちるんだっけ…？？？）

ゆみ「他人の力を使うというなら、この前合宿に来てたあの中学生と被っている気がするが」

睦月「あれはいつ出るか分からない、その気がしたときの一局だけじゃないですか！」

睦月「自力で何局でも発動制御できるほうが最強に決まってます！」

ゆみ「できるのならな」

蒲原「どこからその自信が来るんだろうなーワハハ」

ゆみ「で、具体的にどうする気だ。お前の体にはカセットプレイヤーもカードリーダーも付いてないだろう」

睦月「口に咥えたらいいんじゃないですか？」

ゆみ「安易だな…」

睦月「習うより慣れろと言うじゃないですか！さっそく実践してみましょう！」

対局中…

ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

睦月「んー（ポン）！」

睦月「んんー（ロン）！！」

睦月「んーんんんんんんーんんー（1300オールです）！」

モモ「何言ってるかわかんないっす…」

ゆみ「やっぱり無理があるんじゃ…」

睦月「んー！んーんんんんーんんん（そ、そんなことな）んーんんうェッホｪﾎｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ　うええ・・・」

蒲原「あーあー」ｻｽﾘｻｽﾘ

睦月「カードがよだれまみれに…」

ゆみ「見事に予想通りだな」

モモ「プロっぽい感じも別にしなかったっす」

睦月「しかしこんなこともあろうかと！咥えたのは１７ダブりの藤田プロ【通常版】ですから１枚くらい平気です！」

睦月「いくら藤田プロでも１枚しかないプリズムレアカードは咥えませんよ！」

ゆみ「そうか…」

蒲原「藤田プロを尊敬してるのかしてないのか」

ゆみ「で、よく知らないが、その通常版というやつもそんなにキラキラしてるのか？」


睦月「えっ…。あっ、ああああああああああああああああーっ！！」

睦月「私のレアカード…」ｽﾞｰﾝ

蒲原「落ち込んでしまったなー」

ゆみ「やはり口に咥えるのは現実的でないな、別のやり方を考えたらどうだ」

蒲原「ワハハ、カードを使うこと自体にツッコミ入れるのは諦めたのかユミちん」

ゆみ「この際やれるだけやらせてやろう」

睦月「別の…体に入れる……」

睦月（……///）ｶｧｧｧ

睦月「え、っと、血が付いちゃうと思うんですけど、ラップで包んだりしたら効果なくなっちゃいますかね？」

ゆみ「お前は何を言っているんだ」

ゆみ「結局断念したか」

蒲原「能力コピーもできてなかったしなー」

睦月「私なりに精一杯、がんばって考えたのに…」ｼｮﾎﾞｰﾝ

モモ「なんか不憫っすね」

ゆみ「まあなんだ、そんなに気を落とすな」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

ゆみ「今回は上手く行かなかったかもしれないが、睦月が麻雀部の為を思ってくれたんだ、私はうれしいよ」

モモ「先輩かっこいいっすー」

蒲原「男前だなーユミちん」

睦月「ありがとうございます！見守っていてくださいね、かじゅラマンにワハシャイン！」

蒲原「ワハハーユミちん、こいつ殴っていいかー」

ゆみ「ブレイクだ蒲原」

モモ（加治木先輩のラマン（愛人）ならむしろ私のことじゃないっすかね？）

睦月「私のステカセは後回し！メンバーの充実からいきましょう！」

ゆみ（まだやるのか）

睦月「まずはマウンテンに来てもらいました」

深堀「？」煎餅ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

ゆみ「帰ってもらいなさい」

睦月「なんでですか！見た目といいパワフル感といいぴったりじゃないですか！」

ゆみ「風越の深堀じゃないか！ライバル校の選手なんてダメに決まってるだろ！」

睦月「レンタル移籍なら転校しなくてもいいんじゃないかしら？って風越の元キャプテンが言ってましたよ？清澄の制服着てましたけど」

ゆみ「あのアマ…」ｷﾞﾘｯ

モモ「先輩？」

睦月「ですから一日プロ麻雀煎餅２袋で契約しました」

ゆみ「帰ってもらいなさい」

睦月「えぇー？出たカードは文堂さんにあげるっていう破格の待遇なのにー！？」

ゆみ「帰ってもらいなさい」

睦月「じゃあ次、スプリングマンに来てもらいました」

はるる「？」黒糖ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

ゆみ「どちら様だ」

睦月「永水女子の滝見春ちゃんです、全国で清澄と対戦してたのに忘れたんですか？先輩も意外と物覚えが悪」ﾌﾟﾌﾟｯ

ゆみ「久の対戦相手を忘れるか！鹿児島なんだからいきなり本人とは思わないだろ普通！大体なんで彼女がスプリングマンなんだ！」

睦月「それは勿論、春はスプリングだからに決まってます」ｷﾘｯ

ゆみ「頭が痛い…」

睦月「先輩、英語は苦手でしたか？受験生なのに」

ゆみ「（ｲﾗｯ）…で、どうやって連れてきたんだ」

睦月「プロ麻雀黒糖を出さないかって言ったら二つ返事で釣れました」ﾆﾔﾘ

ゆみ「帰ってもらいなさい」

ゆみ「まあハルちゃん繋がりでどこぞのレジェンドを連れて来られるよりマシだったか…」

睦月「？　何言ってるんですか先輩、あの人は高校生じゃないですよ？（失笑）」

ゆみ「…」ｲﾗｯ

睦月「それにあの人は春絵じゃなくて晴絵ですからスプリングじゃないですー」ﾄﾞﾔｧ

ゆみ「おいこいつ殴っていいか」

蒲原「ワハハーブレイクだぞユミちん」


深堀（煎餅ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ）

はるる（黒糖ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ）

佳織「あ、お茶いれますねー」

ゆみ「とにかく！他所に迷惑をかけない範囲にしなさい！」

睦月「しかたないですね…じゃあ校内で新入部員を勧誘していく方向で」

ゆみ「そうそう」

睦月「とりあえずアトランティスを勧誘しに水泳部へ」

ゆみ「ダメだ」

睦月「別に対局中には水を吐かなくてもいいですから…」

ゆみ「水を吐く人を前提にするんじゃありません」

睦月「セントヘレンズ大炎上とかかっこよくありません？」

ゆみ「炎上したらダメだろ…」

睦月「亀のつく人を勧誘して愛称カーメンにするとか」

ゆみ「ダメだ」

睦月「マキのつく人にマキマキと名乗ってもらうとか」

ゆみ「ダメだ」

睦月「この際ストローで点棒を吸い取るパフォーマンスでも有りにしｍ」

ゆみ「ダメだ」


睦月「……」ｸﾞｽﾝ（；ω；）


モモ「あーまた落ち込んじゃうっすよー」

蒲原「ユミちん全否定はひどいなー」

ゆみ「いやっ…だからそのっ……私のせい……？」ｵﾛｵﾛ

咏「話は聞かせてもらったよっ！」ｶﾞﾗｯ

睦月「み、三尋木プロ？どうしてここに」

咏「ちょろんっと通りすがりっさ！丁度キミにピッタリのアイテムがあるんけど、よかったらプレゼントするよ？」

睦月「アイテム？」

咏「これさっ！」ｼﾞｬｰﾝ

ゆみ「何ですかその遊○王が腕に付けるアレみたいなグローブは」

咏「よくわかんねーけどグローブはめてカードを入れると、その人の人格が降りてくるとかこねーとか。知らんけど。」

睦月「おおっ！まさに私が求めていた！」

咏「なんかいわくつきのシロモノらしくってさー、大沼プロから処分を押し付け…じゃねー頼まれたんで、善光寺さんにでも持っていこっかーって道中だったんよ。」

ゆみ「善光寺はそういうお寺じゃないです」

咏「いや知らんし」

咏「オカルトとかよく知らんけど、気分だけでも違うんじゃねー？知らんけど。」

睦月「あ、ありがとうございます！やってみます！」

咏「いいっていいってー。私もゴミ処分ができｔ…じゃねーキミの役に立てて嬉しいっさ！」


蒲原「あんなんでいいのかーユミちん？」

ゆみ「ま、まあ本人が納得するなら」

モモ「あんなの付けて試合していいんすか？」

咏「ボウリンググローブにペンギンに帯刀までOKなのに今更っさねー」

モモ「ですよねー」

咏「じゃ、私はこれで！頑張るんだよ青少年！」

睦月「あ、そんなお礼もまだなのに」

咏「お気遣い無用！せっかく長野来たし近くのツ○ヤでスモークチーズ買うからいいさ！あでゅー」ﾋﾗﾋﾗ

ゆみ「長野県民にしか分からないネタは止めてください」

蒲原「嵐のように去っていったなー」


深堀（煎餅ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ）

はるる（黒糖ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ）

佳織（お茶おいしい）

睦月「こ、これで本当にステカセ能力ができるかも…」

ゆみ「眉唾ものだがな」

睦月「とにかくやってみましょう！試しに藤田プロのカードを…」ｶﾞｼｬｺﾝ


…ﾂﾄﾞﾝｸｲﾃｰｶﾂﾄﾞﾝｸｲﾃｰｶﾂﾄﾞﾝｸｲﾃｰｶﾂﾄﾞﾝｸｲﾃｰ


睦月「ひいっ！？頭の中に何か聞こえてくる！？」


ｺﾛﾓｶﾜｲｲｺﾛﾓｶﾜｲｲｽﾘｽﾘﾍﾟﾛﾍﾟﾛｳｯﾋｯﾋ


睦月「うわあああああ！」ｶﾞｼｬｺﾝ


ゆみ「大丈夫か？」

睦月「何だか無性にカツ丼と幼女が欲しくなった気が…」

ゆみ「大丈夫じゃなさそうだな」

睦月「じゃあ小鍛冶プロで…」ｶﾞｼｬｺﾝ


ｶﾚｼﾃﾞｷﾅｲｹｯｺﾝﾃﾞｷﾅｲｶﾚｼﾃﾞｷﾅｲｹｯｺﾝﾃﾞｷﾅｲｱｯﾄｲｳﾏﾆｱﾗｻｰｱﾗﾌｫｰｱﾗﾌｨﾌｱﾗｼｸ


睦月「なんだろう…胸が締め付けられる…」


ｺｰｺﾁｬﾝｾｷﾆﾝﾄｯﾃｺｰｺﾁｬﾝｾｷﾆﾝﾄｯﾃｺｰｺﾁｬﾝｾｷﾆｨｨｨｨﾝﾄｫｫｫｫｯﾃｪｪｪｪｪｪｪｪﾖｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ


睦月「いやああああああ！！！！！」ｶﾞｼｬｺﾝ

睦月「み、三尋木プロなら！」ｶﾞｼｬｺﾝ







ﾜｯｶﾝﾈｰ!!







睦月「…却下」ｶﾞｼｬｺﾝ

睦月「幻聴が聞こえるだけで麻雀の力は特に変わってない感じ…」

ゆみ「やはり当てにならんか」

モモ「SOAっすね」

蒲原「三尋木プロのプレゼントだしなー」

睦月「そんなぁ…」

ｸｲｸｲ

睦月「ん？」

はるる「…巫女ならできる」

睦月「ほんと！？」

ゆみ（まだ帰ってなかったのか…）

蒲原「鹿児島に今すぐ帰れって酷な話だぞユミちん」

ゆみ「心の声を読むな」

はるる「巫女修行、する…？」

睦月「うん！お願いします！」

ゆみ「えっ」

はるる「鹿児島行く」

睦月「わかった！じゃあ今すぐ行こう！善は急げ！」

ゆみ「ちょ、おい」

睦月「ちょっと鹿児島行ってきます！しばらく留守にしますが心配しないで！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


・・・・・・。


蒲原「佳織ー、それじゃがんばってなー。」

ゆみ「鶴賀麻雀部をよろしく頼むぞ、妹尾。」

佳織「えっ、ふぇえええええ！？？」

モモ（加治木先輩いい匂いっすー）ｽﾘｽﾘ

一年後…
そこには見事に遊○王のアレを使いこなすむっきーの姿が！

実況「さあ県予選団体戦決勝の先鋒戦！昨年と同じ４校の顔合わせとなった決勝戦ですが、展開は全くの逆！
鶴賀学園の津山が２０万点を超えトップ独走中！
その圧倒的連続和了は、さながら今春プロデビューを果たした宮永照を思わせます！」

純（くっ…　こいつ雰囲気が去年と全然違う…）

タコス（咲ちゃんのおねーさんと同じ感じとか軽くトラウマ再発だじぇ…）

みはるん（華菜ちゃん…この人、強い…）

睦月（フッフフ…今年デビューしたプロを集めた『ルーキーシリーズ』も既にコンプ済み…
中でも今日用意したのはマニア垂涎の「宮永照ｺｰｸｽｸﾘｭｰｻｷﾁｬﾝﾀﾞｲｽｷﾂﾓ激レアプレミアムバージョン」…
これに勝てる高校生はいない！）

純（だがいつまでも…調子に乗らせるか！）チー！

睦月（む…セオリー外…）

タコス（！ノッポが流れを！ここは乗っかるじぇ！）ポンだじぇ！

純（誰でもいいから和了れ！）もういっちょ、ポンだ！

みはるん（！　華菜ちゃん！来たよ！）ツモ！

実況「おっと、ここで遂に連荘が止まった！しかし依然鶴賀が大差でリードです！」

睦月（まあ一度くらい仕方なし）

睦月（気持ちを切り替えて一旦別のカードにするか…。なんか連続和了が止まると打点低くなるし）

睦月（…どれにしようかなーあれも好きだしこれも捨てがたいしｳﾋﾋ）ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ


審判「君、何してるの？はやくしなさい」

睦月「あっ、はいすみません」ｱﾀﾌﾀｶﾞｼｬｺﾝ

睦月（しまった…慌てて誰のカードだったかよく見てなかった…）

睦月（でもこのルーキーシリーズは本当に強い人ばかり…、穴は無い！）


…ｿﾞｸｯ


睦月（…何、今の感じ…？）

ｿﾞｸｿﾞｸｿﾞｸｯ

睦月（え、やだ、怖い…）


純（何だ？急に雰囲気が変わったが…）

タコス（あんまし怖くなくなったじぇ？）

みはるん（華菜ちゃん…）


ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

睦月（嫌…ここに居たくない…）


純（何か知らんが今のうち！取り戻させてもらう！）ツモ！ツモ！ロン！

タコス（南場だからって好きにさせないじぇ！）ロン！ツモ！ロン！

みはるん（華菜ちゃん…）ロン！ツモ！ロン！ツモ！ロン！ロン！ロン！


睦月（あわあわあわ…）ﾋﾞｸﾋﾞｸｶﾞﾀｶﾞﾀ

実況「先鋒戦終了ー！終わってみれば前半の大差が嘘のよう！３校が巻き返し横一線の展開です！」


純「おい、大丈夫か？いくらなんでも顔色悪すぎだぞ」

タコス「医務室行くかー？それともタコスか？」

みはるん（華菜ちゃん…）


睦月「ﾊｧ…ﾊｧ…」

睦月「わ…私は一体誰のカードを…」

ｶﾞｼｬｺﾝ

睦月「…これは……！」


『十年前の赤土晴絵』


睦月「な…」

睦月「なんじゃこりゃーー！！！」


おしまい

乙

やっぱレジェンドってクソだわ

というか足りない部員見つかったのかよｗ