26: 2010/10/13(水) 20:44:45.90 ID:1jx+DhWRO
きっと……

きっと迎えに来るから─────。

だから、待ってて……

絶対に……戻って来るから……。


─────────。

唯「むにゃあ……」

和「唯、ホームルーム終わったわよ」

唯「くぴー……」

和「はあ…、唯~部室にケーキが待ってるわよー」

唯「ッ!? ケーキ!!? どこ!?」くわっ

和「ケーキって単語に反応しすぎよ…。みんな先行っちゃったわよ?」

唯「なんですとっ! 酷いっ! 私達友達じゃなかったんだ…」

和「唯が掃除当番だからでしょ……」
けいおん!college (まんがタイムKRコミックス)
28: 2010/10/13(水) 20:45:43.27 ID:1jx+DhWRO
そそくさと掃除を終え部室へと向かう。

唯「今日のケーキはな~にかな~♪」

それにしてもさっきの夢なんだったろう。何だか懐かしい様な気が……。

唯「そんなことより今はケーキケーキ♪」

忘れかけた内容の夢を思い出すことやめ、現実のケーキにスイッチする。

唯「たのもー! 私のケーキは何処にありまするかぁー!?」

紬「お掃除お疲れ様。ちゃんと唯ちゃんの分もあるわよ」

唯「えへへケ~キィ~」

紋白蝶でも追いかけているウブな少女の様な顔つきでケーキを見据え席につく。

29: 2010/10/13(水) 20:46:34.20 ID:1jx+DhWRO
律「唯はほんとケーキ好きだよな~」

唯「りっちゃんは嫌いなの?!」

律「いや好きだけどさ。唯の好きとはレベルが違う気がするんだよね~」

唯「そうかなぁ?」

律「じゃあギー太とケーキどっちが大切?」

唯「それはギー太だよぅ」

律「じゃあ憂ちゃんとギー太は?」

唯「ういだよ~ギー太も大切だけどね」

律「じゃあ憂ちゃんと私は?」

唯「う~ん……選べないよ。どっちも大切だから」

律「じゃあギー太と私なら!?」

唯「りっちゃん!」

律「おーイェス!」ダキッ

唯「れっつかもんっ」ダキッ

32: 2010/10/13(水) 20:47:34.81 ID:1jx+DhWRO
澪「ケーキ関係なくなってないか?」

律「細かいこと気にすんなって~」

梓「唯先輩のケーキの話じゃないですけど、物事の優先順位って決めるの難しいですよね。私もこないだギターの雑誌選ぶのに迷っちゃって…結局1つは立ち読みしちゃいました」

澪「あるある。私も作詞の時にどっちのフレーズがいいかな~とかで迷ったりするよ」

紬「私もどっちのお菓子を持って行こう~とかあるわ」

唯「みんな優柔不断さんなんだね~」

澪「唯は違うのか?」

唯「私は物に関してはあんまり迷ったことないかなぁ」

34: 2010/10/13(水) 20:49:10.26 ID:1jx+DhWRO
紬「ケーキ見た時にどれにするか一番早く決めるのいつも唯ちゃんだもんね」

唯「えっへん!」

澪「こっちを食べたい、でもこっちも食べたら美味しいだろうな~とか考えないの?」

唯「考える前に決めちゃうからわかんないやぁ」

梓「羨ましいです」

澪「律もそういうこと悩んでなさそうだよな」

律「何かびみょ~にグサッと来たんだけど」

澪「気のせいだろ。で、どうなんだ?」

律「う~ん確かに迷ったりはしないな。ドラムやってるからか細々考えるのは苦手なんだよ」

澪「私もドラム叩いたら優柔不断治るかな……」

36: 2010/10/13(水) 20:51:03.09 ID:1jx+DhWRO
紬「ドラム治療法ね!」

梓「わ、私も叩きます!」

律「とうとうドラムに日の目が当たったか! よぅしみんな順番に並べーぃ! ドラム講義だ!」

10分後────

紬「私には無理みたい…」

澪「手に豆が出来そう…」

梓「う、腕がぁ……」

律「えぇい情けないなお前達! そんなことじゃいつまでたっても優柔不断は治らないぞっ!?」

澪「優柔不断でいいよ…もう」

梓「ちょっと迷うぐらいの方が楽しいってこともありますしね」

澪「梓良いこと言った!」

律「諦めはやっ」

唯「練習しないの~?」

37: 2010/10/13(水) 20:52:59.11 ID:1jx+DhWRO
そんなこんなで結局練習はドラムの練習だけとなり部活は終わった。
まだ残る暑さの中帰路につく。みんなでドラムを練習したのが嬉しいのかテンションそのままに律は熱くドラムを語っている。

律「ドラムって凄いよなぁ! この感じだと他にも効果がありそうだよな!」

紬「今日のりっちゃんはいつも以上にドラムスね」

澪「結局練習出来なかったな」

唯「私はやろうって言ったのに~」

律「まあまあ。いつも脚光を浴びない後ろのドラムにもたまには水をやってくださいな唯さん」

38: 2010/10/13(水) 20:54:24.58 ID:1jx+DhWRO
あどけた笑顔で嬉しそうに笑う律。その顔を見て、ふと、過るものがあった。

唯「(なんだろ……いつもと同じなのに……なんだか)」

その時だった。同じくその笑顔を見ていた梓がこんなことを漏らす。

梓「本当に大切なもの同士どうしても比べなきゃならない時……皆さんならどうしますか?」

声色が真面目だったのを瞬時に読み取った澪がいち早く返す。

澪「どうした梓、そんなこと急に言い出すなんて」

梓「先輩達はもう決めてるんですか…? 音楽をこれからも続けるかそうじゃないか…」

40: 2010/10/13(水) 20:56:16.25 ID:1jx+DhWRO
澪「私は大学でもやるつもりだよ。まあまずは推薦もらえるかどうかだけど」

梓「貰えるといいですね、推薦」

澪「ああ。ムギは女子大だろ? あっちじゃやらないのか?」

紬「元々合唱部に入ろうって思ってたから…。お父様開く食事会とかで歌ったりしたくて入ろうと思ったの。今は家でボイストレーニング受けたりしているけど…やっぱり一人でやるのは寂しいから」

澪「そっか……ごめんな。無理矢理入れちゃったりしちゃって。今更言うのもどうかと思うけどさ」

紬「ううん。私、ほんとに軽音部に入って良かったって思ってるの。こんな楽しかった三年間初めてだったわ。だから謝ったりしないで澪ちゃん」

43: 2010/10/13(水) 20:59:46.44 ID:1jx+DhWRO
紬「軽音部でなくなるのは寂しいけど、これでみんなとの関係がなくなるなんて思ってないから」

澪「ムギ……」

梓「律先輩と唯先輩はどうするんですか?」

律「き、来たぞ唯」

唯「き、来ちゃったねりっちゃん」

澪「まさかまだ決めてないなんてことないだろ? もう9月だぞ」

紬「さすがに決めないとさわ子先生も心配するんじゃない?」

律「と言ってもな~……私の頭じゃ澪やムギみたいにいいとこ行けないだろうし? だからって遊ぶ為にとりあえず大学行っとこう~ってのも親に迷惑だと思うし。でも今は就職難だしなぁ」

44: 2010/10/13(水) 21:00:38.67 ID:1jx+DhWRO
唯「全く同じ意見でビックリだよりっちゃん!」

律「我々はー!」

唯「ニートでいいやー!」

澪「おいおい…」

和「全く、まだそんなこと言ってたのね」

唯「和ちゃん! 生徒会終わったの~? お疲れ様!」

和「ありがとう。じゃなくて唯、さすがに決めないと不味いわよ? 大学行くならそれに似合った勉強していかないと。
テスト勉強みたいに全員一緒にやるってわけにもいかないからね受験勉強は」

唯「そ、そうなの?」

和「ある程度なら出来るけど…その大学によって問題の出し方の傾向とかあるから」

45: 2010/10/13(水) 21:02:47.25 ID:1jx+DhWRO
律「澪~。私達友達だよな!」

澪「私は推薦もらうから…」

律「澪先生捨てないでおくんなましぃぃ」

澪「暑いから離れろよ~」

和「とにかく進路は早く決めときなさい。学園祭のこともいいけど将来のこともそろそろちゃんと見据えないと。今が楽しいってだけじゃ駄目よ。じゃあ私塾があるから」

唯「あれ? 和ちゃん塾なんて行ってたの?」

和「私は国立行こうと思ってたんだけど今の成績じゃちょっと不安だから最近行くようにしたの。○○塾ってとこ」

澪「それって東大とか排出してる有名塾じゃないか! 和は凄いな…」

和「私もついていくのがやっとよ。じゃあねみんな」

46: 2010/10/13(水) 21:03:54.63 ID:1jx+DhWRO
みんなに手を振りながらそそくさと帰る和。

澪「○○塾ってここからだと遠いのに頑張るな…。それに比べて……」

唯「りっちゃん! アリさんがいっぱい行列作ってるよ!」

律「この先には巣穴があるハズだー追うぞ唯ー!」

唯「はいっ! りっちゃん隊員!」

梓「現実逃避ですね…。さっきは優柔不断がどうとか言ってたメンバーと真逆になっちゃいましたね」

澪「そう言えばそうだな」

梓「……律先輩と唯先輩は結局のところ何も考えてないんですよ。だから本当に決めないと駄目な大切なことをいつまでも後回しにしてるんです」

47: 2010/10/13(水) 21:05:51.87 ID:1jx+DhWRO
紬「梓ちゃん、それはちょっと言い方が悪くないかしら?」

梓「そう聞こえたなら謝ります。けどあんなに私達のこと優柔不断だって言ってた二人が一番大切なことを決めれてないなんておかしいなって思っただけです」

律「……なんだよ、その言い方。私も唯もそんなキツい言い方してないだろ? そんなに揚げ足とって嬉しいのか?」

紬「りっちゃん、落ち着いて。梓ちゃんも、ね?」

梓「私はただ二人のことが心配なだけで……」

律「ああ確かに進路なんて決めてないよ。私にとって一番大切なことは学園祭だからな!」

48: 2010/10/13(水) 21:07:45.92 ID:1jx+DhWRO
律「もっとも梓にとってはそうじゃなかったみたいだけどさ」

梓「っ…そんなこと言ってなっ…!」

澪「二人ともやめろ! こんなことで喧嘩してどうするんだよ? 律、進路のことで悩んでるのはわかるけど梓に当たるなよ」

律「なんだよ澪まで梓の仲間かよ? 優柔不断チーム結成ってか?」

紬「りっちゃん!」

律「唯も何か言ってやれよ」

唯「……違う」

律「…唯?」

唯「みんな…おかしいよ。いつもはこんなことじゃ喧嘩になんかならなかったよ…?」

律「こんなことってなんだよ…。お前のことだって入ってるんだぞ!」

49: 2010/10/13(水) 21:09:27.53 ID:1jx+DhWRO
ふと蘇る情景、
みんなが笑って、みんなが楽しかった記憶。
それは今なのか、何時なのか。

唯「違う……違うよ……」

澪「唯、どうかしたのか?」

紬「唯ちゃん……?」

優しく差し伸べられる手が、今は自分を突き落とす様に思えた。

拒む様に後ずさる唯。さすがに異常を感じ取ったのか澪や紬の表情も真剣になっている。
澪が唯の元へ走って近づき、両肩に手を遣りながら宥める。

澪「唯……震えてるぞ。寒いのか?」

夏明けの9月に言う台詞ではないが、それほど唯の体は冷たかった。

50: 2010/10/13(水) 21:10:21.72 ID:1jx+DhWRO
紬「保健室で見てもらった方がいいんじゃない?」

澪「そうだな…。唯、歩けるか?」

頭を抱え震えるに優しく付き添う澪。

憂「あれ? お姉ちゃん?」

遠くから見知った声が聞こえる。

梓「あれ? 憂、まだいたんだ」

憂「うん。純ちゃんにジャズ研で作った曲聴いて欲しいって言われて。それよりお姉ちゃんどうしたの? 具合悪そうだけど…」

澪「ちょっとさっき色々あってさ…。それで唯が癇癪気味になって…」

憂「そうなんですか!? お姉ちゃんっ! 大丈夫?」

すぐさま駆け寄る憂。

51: 2010/10/13(水) 21:11:21.94 ID:1jx+DhWRO
憂「お姉ちゃん……」

唯「うい……?」

憂「うん。大丈夫?」

憂が声をかけてくれた瞬間震えも消え、落ち着きを取り戻す。

唯「うん。ちょっと暑さにやられちゃったかな」テヘヘ

憂「でも心配だから一応保健室で見てもらおっか」

唯「うん…ごめんね、憂」

憂「ううん。いいよ、お姉ちゃん」

憂は唯に寄り添うと保健室の方へと一緒に歩き出す。

澪「私達も……」

唯「ううん、大丈夫だから。先に帰ってて」

紬「唯ちゃん…」

律「……」

梓「……」

澪「…わかった。唯をよろしく。憂ちゃん」

53: 2010/10/13(水) 21:13:04.76 ID:1jx+DhWRO
憂「はい」

そう言うと校舎の中に消えて行く二人。残されたメンバーにはさっきの気まずい空気が流れたままだ。

澪「唯……大丈夫かな」

紬「さっきの唯ちゃん…ちょっと変だったから。心配ね…」

澪「律、梓。明日唯に会ったらちゃんと謝るんだぞ」

律「…ああ。唯にはな」
梓「唯先輩には謝ります」

律「ふんっ」
梓「ふんっ」

澪「お前らまだそんなこと…!」

紬「澪ちゃん、放って置きましょう。これ以上話してもまた言い合いになりそうだから…」

澪「……ああ」

噛み合わない歯車の様にバラバラだった。

55: 2010/10/13(水) 21:15:23.11 ID:1jx+DhWRO
律「私寄りたいとこあるから」

澪「律……」

スタスタと歩いて行く律を見ることしか出来ない歯痒さに顔を少し歪める澪。

紬「梓ちゃん。確かにりっちゃんも悪いけどあなたも悪いと思うわ。二人を心配してるのはわかるけど、今は学園祭前と受験生ってことでナイーブになってるんだから…」

梓「そうやって私だけ叱るんですね、ムギ先輩は」

紬「梓ちゃん…」

梓「帰ります…」

澪「おい梓っ」

逃げる様に駆け足で帰る梓。

澪「何でこんなことに…」

紬「澪ちゃん…。私達も帰ろ。きっと明日にはみんな仲直り出来るわ」

澪「…うん」

57: 2010/10/13(水) 21:17:27.38 ID:1jx+DhWRO
書きためオワタ

ジャンプのサイレン何か読んだこともないwwwwww

59: 2010/10/13(水) 21:23:11.32 ID:1jx+DhWRO
保健室──

憂「お姉ちゃん大丈夫?」

唯「うん…だいぶ楽になったよ」

憂「…みんなと何かあったの?」

唯「…わかんないや。でも…何だか嫌だった。何が嫌なのか…わからなくて…段々頭が痛くなって」

憂「そっか…。大丈夫だよ…お姉ちゃん」よしよし

唯「うん…ありがと」

憂に撫でられると何故か落ち着く…。

憂「あっ、いけない! 買い物しないと商店街のお店閉まっちゃう!」

唯「私はもう少し寝てるから憂は行きなよ」

憂「でも…」

唯「大丈夫だから、ね?」

憂「うん…。じゃあねお姉ちゃん。一人で帰るのが辛かったら電話してね!」

唯「うん。わかった」

64: 2010/10/13(水) 21:30:54.29 ID:1jx+DhWRO
───??? PM18:00:00

始まる……。

いよいよ……。

もう戻れない。

だけど……やらなくちゃ。


仇を取るんだ…私が。

65: 2010/10/13(水) 21:38:07.69 ID:1jx+DhWRO
───桜ヶ丘 大手スーパー 内部本屋

律「きゃふは、やっぱりマンガタイムキララは面白いよな~」

律「…梓のやつ勝手なこと言ってさ。私だってちゃんと……。この先か……」

考えてみたら軽音部のことだけでその先なんて考えてなかったな…。
いや、考えたくなかったんだ…きっと。

律「このまま時間が止まればいいのに…」

グラッ…

律「えっ…」

ゴオオオッ────

律「じしっ…」

少し揺れた後に訪れる強烈な縦揺。
次第に立っていられなくなり必氏に何かに捕まる。

怒号さえ遠くなるような揺れの中で……


私は聴いた。

67: 2010/10/13(水) 21:44:24.11 ID:1jx+DhWRO
澪「律…、梓…」

心配だ。今まであんな険悪な空気は中々ないだけに心配だ。
手にしている勉強もままならないまま私はただヘッドホンから流れる音楽に身を任せていた。

澪「明日…ちゃんと話し合わないとな。律と唯の進路のことも考えないと」

そう切り分けて勉強に集中し直し、ノートの上に転がっているシャーペンを手に取ろうととした時だった。

ガタタ……

澪「ん…?」

勝手に揺れるシャーペン。

ガタタタタタタ…

それは次第に自らをも震わす振動に変化していく────

澪「じ、地震!? 隠れなきゃ……ッ」

急いで机の下に隠れる。
しかし更に揺れ続ける地震に私は段々気が遠くなり……そして、

聴いた。

72: 2010/10/13(水) 21:54:47.58 ID:1jx+DhWRO
──琴吹邸

紬「はあ…」

斎藤「お嬢様。どうなされましたか? 溜め息なんてらしくないですよ」

紬「ごめんなさい。ちょっと考え事を…ね」

斎藤「左様ですか。では、下がった方がよろしいでしょうか?」

紬「……あなたは機械みたいな人ね」

斎藤「よく琴吹様に言われます。自分の父親とは正反対だと」

紬「あなたの父親もここで?」

斎藤「そうらしいですね。もっともかなり前のことなので存じてませんが」

紬「そ…。じゃあいいわ。下がって」

斎藤「はい、お嬢様。何かありましたらまたお呼びください」

そう言い扉を閉める前に一礼。本当に機械の様な人、でもそれが一番楽なのかもしれない…。
何も考えなければ…こんな苦しむことも…。

紬「何考えてるのかしら…私は。軽音部のみんなは何よりも大事で…」

大事? 何よりも? 何で?

……わからない。

76: 2010/10/13(水) 22:04:29.46 ID:1jx+DhWRO
紬「りっちゃんと梓ちゃん…仲直りするといいな」

そうじゃないといけない気がする。
軽音部はみんなが仲良しで、みんなが一人一人を大切にしなきゃいけない。

紬「澪ちゃんに電話してみようかな…」

携帯を手に取り、アドレス帳から澪ちゃんの名前を探しだし…かける。

…………。

紬「あれ…? 繋がらない…」

グラッ…

紬「きゃあっ」

突然の揺れに椅子から崩れ落ちる。

紬「地震…! 斎藤! 地震よ! 斎藤!」

返事はない…。

次第に強くなる揺れの中で私はただ床に這いつくばったまま、あの音を聴いた。

79: 2010/10/13(水) 22:14:38.63 ID:1jx+DhWRO
──中野宅

梓「何であんなこと言っちゃったんだろ…」

梓「私はただあの二人に早くこの先のことを決めてもらいたくて…」

梓「ただそれだけだったのに…」

明日謝ろう。

梓「音楽続けて欲しいな…」

バラバラの道を選んだとしても…音楽だけは続けて欲しい。
音楽は、私達が繋がってる証だから。

梓「…勉強しよ」

リビングから階段に上ろうとした時、世界が揺れた。

梓「地震…」

すぐ止むと思い階段の手すり掴まるも一向に止まず、

梓「ダメ…………、謝りたいの! お願いだから…………!」

もう自分が立ってるのかどうかもわからなくなった頃に、響き渡る音。

80: 2010/10/13(水) 22:17:11.29 ID:1jx+DhWRO
──保健室

夢を見ていた。

いつのことだろう。

私達みんなでただ遊んでる。

みんな楽しそう。

なのに…………

あの音が、全てを奪い去ったんだ────

81: 2010/10/13(水) 22:19:04.01 ID:1jx+DhWRO
ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ────────




唯「サイレンが鳴ってる・・・」

83: 2010/10/13(水) 22:30:19.22 ID:1jx+DhWRO
桜ヶ丘高校 保健室 PM19:00:01

平沢唯
終了条件1 学校からの脱出
──────────

唯「さっきの音…何だったんだろう」

私はいつまで寝てたのか…いつの間にか外も暗くなっていた。

唯「帰らなきゃ…憂が心配してる」

ゆっくりと慣らすように地面に足をつけ、立ち上がる。

──【ギェギェ…】──
唯「うっ……何……今の」

頭に一瞬過ったそれはまるで誰かの目線を自分が見たような様だった。

唯「…さっき保健室って見え…」




「ハヘァハアッヘーヘッヘッへ!!! ネテナキャダメデスヨオオオオ!!!!!」

唯「ひいっっっ」

85: 2010/10/13(水) 22:37:45.56 ID:1jx+DhWRO
カッターナイフを持った白衣の女の人が危なげな表情で近寄ってくる…!

唯「先生…だよね? 危ないよぉ…そんなもの…」

「ゆいチャンハは病気ダカラ手術シナイトイケナイノヨォ?」

カチッ、カチッ、とカッターの刃を出し、それを楽しそうにしてる先生。
顔も真っ青で唇も青白い……とてもじゃないけど正気だとは思えなかった。

唯「わ、私帰ります!」

脇を抜けて帰ろうとした時────

「アアアアアッ!」

ザクッ────

唯「い、あっ……」

振られたカッターナイフで右腕に浅い切傷をつけられる。

唯「あ、ああ……」

本気だ。この人は本気で私を頃すつもりだ。

98: 2010/10/13(水) 23:27:42.47 ID:1jx+DhWRO
唯「……あっ…あああ!!!!」

脱兎の様に逃げ出す。人間の本能、一番奥にある氏と云う恐怖から逃れる為に。

「ハヤクこっちにおいでエエエエエエエ」

体を反りながら吠える様に鳴いた後、唯の追跡を開始する。

その足取りはもはや人間のもではなく、一歩一歩歩く度に血の様なものが目から流れ出ている。

「ユイチャアアアアアアン!!! ヒャッエッハア」

100: 2010/10/13(水) 23:33:32.79 ID:1jx+DhWRO
夢中になって走る…。
誰か…人を見つけて助けてもらおう。

足は自然と職員室に向かっていた。
職員室ならさわちゃんが…!
勢いよく扉をスライドさせ、

唯「さわちゃん! 助けて!!!」

…………

唯「嘘…………」

誰もいない。
電気もついてない薄暗い職員室は奇妙な程に静かだった。

トントン、

唯「えっ」

肩を叩かれ、不意に振り返る。

校長「ヤァ」

101: 2010/10/13(水) 23:39:41.08 ID:1jx+DhWRO
唯「校長先生…………も」

校長「コワクナイ…………こっちはスバラシイ世界ダヨ」

目から赤い血を流し、ニコニコと笑っている。
手には自分のものだろうか、ゴルフクラブを握っている。

唯「やめて…………よぉ……」

泣き出しそうな心を抑えつけながら後退る。氏にたくない……その一心で体は逃げ場を模索していた。

校長「コッチニオイデェェェェ!!!」

振りかぶられたゴルフクラブを見てようやく私の体は動き出した。

唯「ひゃうっ」

ガシャアアンッ

咄嗟に避けたのが効をそうしたのかゴルフクラブは空を切り、誰かの机を粉砕した。

105: 2010/10/13(水) 23:47:16.71 ID:1jx+DhWRO
校長「アヘへ…………ウヒャアアアア!!!」

ブンッ! と目の前をゴルフクラブが通過、

ガシャアンッ───

職員室のガラスが派手に割れる。

唯「ひぃぃっ」

尻餅をつくような体制でなんとかかわす、も、それはかわしたと言うよりただ腰が抜けてしまったと解釈した方が自然だろう。

校長「ウヘアッ………ウウ?」

またゴルフクラブを唯に定めようとするも職員室の窓に引っかかり中々抜けずにいる。

唯「(今の内に……!)」

尻餅をついたまま下がって行くと立ち上がり、職員室を抜け出す。

校長「待てエエエエエエエエエエ」

109: 2010/10/13(水) 23:54:41.08 ID:1jx+DhWRO
唯「はあ…はあ…どうなってるの……」

走りながらこの全くわからない状況を整理してみる。

唯「みんな目から血を流してた……考えたくないけど感染病とかかな……」

そう考えた瞬間キュッと胸を締め上げるものがきた。
友達のこと、家族のこと、憂のこと……。

まるで迷ってしまって家がどこかわからなくなったような不安感が押し寄せてくる。
誰もいない、いるのは私を殺そうとするわけのわからない人達だけ。

この世界は一体なんだ。私は……一体どこへ来てしまったのだろう。

112: 2010/10/13(水) 23:59:52.78 ID:1jx+DhWRO
駄目……。ここで挫けたら私は多分氏んでしまう。
そしたらもうみんなにも会えない……。

唯「……」

思いついたように携帯を開く。

圏外

その二文字に心を折られそうになる。
でも…待ち受けのみんなで撮った写真を眺めていると自然とさっきまでの不安は幾らか和らいでくる。

唯「みんなを探そう…」

生きてる保証はない。だけど生きているのならみんなも同じことを考える筈だ。

唯「まずは学校を出よう」

買い物に行った憂も心配だ。

117: 2010/10/14(木) 00:08:00.23 ID:aaTgFN2yO
──【ドコダー??】──

唯「うっ……」

また頭に過る映像。さっき見たのとは違って職員室辺りが映し出されていた。

唯「あの声……もしかして校長先生の目から見えてる景色が私に見えた……?」

何故かはわからない、けれどやってみる価値はあるだろう。

目を閉じ、意識を集中する……。

──【手術シマショウネー】──

これはさっきの保健の先生…。
何を切り刻んでるんだろうか、人形のようなものがズタズタになっている。

更に頭を別のチャンネルに切り替えてみる。
テレビに映っている番組を変える様なイメージ。

──【オーーーーーーイ】──

いた、校長先生だ。さっきよりこっちに近づいて来てる…。
間違いない、これは相手の視界に割り込む能力…!

唯「言うなら視界ジャック…!!!」

121: 2010/10/14(木) 00:15:03.78 ID:aaTgFN2yO
唯「これを利用したら上手く逃げられるかも…」

校長先生は今一階の職員室前…、保健室の先生は保健室。
校長先生は動き回ってるから注意しとかないと。

学校を出るだけなら色々道はあるけど…他の先生達もああなってるかもしれない。
なるべく見つからない様に正門は避けよう。

裏門から脱出だ。

122: 2010/10/14(木) 00:23:23.75 ID:aaTgFN2yO
どうやら他にはいないようであっさりと裏門にまで辿りついた。

唯「後はここを出て…あっ」

裏門には金色の錠がかかっていた。

唯「もうっ!」

こんな大事な時なんだから鍵ぐらい外しておいてほしいよ!
ここで苛立っても仕方ないので危険を承知で体育館の裏を抜け、正門の方を覗き込む。

唯「誰かいる…」




体育教師「遅刻するヒトはユルシマセン」

木刀のようなものを持ちながら正門のど真ん中に立っている。

唯「正門は抜けれない…」

唯「壁は私じゃ乗り越えられそうにないし…」

私は鍵探しを開始した。

小目的 裏門の鍵の入手

123: 2010/10/14(木) 00:30:15.02 ID:aaTgFN2yO
再び職員室の近くのトイレまで戻って来るも……。

──【ウヒャッヒャア】──

唯「どこか行ってよ校長先生!」

トイレの一室で一人作戦会議なのです。

唯「鍵は職員室にかかってる……それは校長先生の視界から確認したけど…」

職員室を出たり入ったし続ける校長先生を何とかしない限り鍵は手に入らない…。

唯「何とか注意を引けないかな…」

唯「……何か音が出せれば…そうだ!」

125: 2010/10/14(木) 00:40:30.76 ID:aaTgFN2yO
「来週のゴルフタノシミダナァ……」

ゴルフクラブをひたすら磨いている校長先生。

ガタンッ───

「アヒャッ!?」

隣の教室で大きな音が鳴り響いた。
それを聴いた校長先生は餌の臭いを嗅ぎ付けた野犬のようなスピードで早歩きで音の発信源へ向かう。

「みいいいいいつけたァァァァァァ」

ガラッ

教室の中はただ机が散乱しているだけで、中には誰もいない。

「いるノハワカッテルンダ」

「デテキナサイ」

そのまま扉を閉め、教室の中を物色し始めた。


127: 2010/10/14(木) 00:49:41.91 ID:aaTgFN2yO
唯「上手く行った…!」

唯は仕掛けを打っていた。隣の教室に静かに入りこんだ後、机や椅子を重ねる。
なるべく入口近くにして音が響く様に窓も開けておく。
教室を調べビニールの紐の様なものを入手した後、その机の足にビニールの紐を結ぶ。

それをトイレまで引っ張り込み、一気に引っ張た。

重ねた机や椅子は見事に崩れ、盛大に音が響いたのだ。

視界ジャックで校長先生が教室に入った所を確認してからトイレから職員室へ。

唯「かぎぃ~かぎぃ…あった!」

裏門の鍵を見つけると一目散に職員室を脱出した。

129: 2010/10/14(木) 00:56:44.31 ID:aaTgFN2yO
カチャリと音を立てて錠が落ちる。

唯「開いた! とりあえず憂を……」

でも闇雲に探して見つかるかな…入れ違いになるのも怖いし…。

唯「家で待とう…。それにもう帰ってるかもしれないし」

そう決めると私は学校を飛び出して自分の家を目指した。



終了条件達成

131: 2010/10/14(木) 01:06:05.85 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 大手スーパー 本屋
PM18:30:30

田井中律
終了条件1 スーパーからの脱出
小目的 武器の入手
──────────
律「う…なんだ?」

生きてる…?

律「さっきのサイレンは何なんだ…」

──【フッヒャア】──

律「うっ…頭が痛い」
さっきのは…?

わからないことづくめだ。

ともかくみんなが心配だ。

律「……圏外ね」

地震の影響だろうか。携帯は使えそうにない。

律「直接確かめに行くしかないか」

周りを見回しながら私は携帯をポケットにし舞い込み、ここを出る為に動き出した。

134: 2010/10/14(木) 01:15:00.58 ID:aaTgFN2yO
「うああああああああ」

律「なんだ!?」

下の方から叫び声が聞こえると、直ぐ様下を覗き込んだ。
吹き抜けになっている二階から一階の様子はよく見えた。

律「おいおい嘘だろ……」



「アヒャッヘハァ!!!」

「助けてく……」

グチャリ……

律「うっ……」

思わず目を背けてしまう。こんなの澪じゃなくても怖いっての……!
……男が持っていた包丁が他の人の心臓に刺さり込んでた……。

つまり……頃してたってことか。

律「地震に乗じたにしてはタチが悪すぎんだろ……!」

自分の身にも危険を感じつつ、私はその場を後にする。

律「武器がいる……自分を守るための武器が」

135: 2010/10/14(木) 01:20:25.73 ID:aaTgFN2yO
隠れつつ、何とかスポーツコーナーまで辿りつけた。

律「思ったらスポーツコーナーって武器の宝庫だよな」

バットにゴルフクラブ、テニスラケット……はちょっと威力がないか。

さて、どれにしようかな。

1 金属バット
2 木製バット
3 ゴルフクラブ
4 テニスラケット
5 卓球のラケット

>>137

137: 2010/10/14(木) 01:22:39.66 ID:2cFVZ8hd0
3

138: 2010/10/14(木) 01:23:05.84 ID:aaTgFN2yO
武器は安価の方が面白いと思ったのでちょっとやってみました。
やめた方がいいって声が多かったら廃止にしようかな。
武器によってそのキャラが屍人になるかならないかの可能性が変わってくるって感じです

安価なら下

139: 2010/10/14(木) 01:26:58.83 ID:aaTgFN2yO
律「ゴルフクラブにしよう」

ドライバーはすぐ折れそうだからアイアンにしよっかな。

適当に一本引き抜くと軽くスイングしてみる。

ブンッ!!!

律「ナイショット」

ゴルフなんてしたことはないけど自分を守るためだ。

律「後で返せたら返しに来ます!」

誰もいないカウンターに一礼した後スポーツコーナーを出る。

142: 2010/10/14(木) 01:32:45.96 ID:aaTgFN2yO
──【コッチニオイデ~】──

律「うっ……またかよ」

誰かの目線が頭に過る。

律「地震のせいで超能力に目覚めちゃったのか私」

試しに目を瞑り、一階にいるであろうさっきの男の視界を見ようとしてみる。

──【ケェッケェッケェッ……】──

律「見えた……本当に」

何でかはわからないけどどうやら他人の視界を盗み見ることが出来るらしい。

律「一体どうなってんだよ……」

律「澪……みんな」

無事でいてくれよ……!

144: 2010/10/14(木) 01:40:02.40 ID:aaTgFN2yO
それからも隠れながら何人もさっきの様な男を見た。
警察は何やってんだ! こんな時の為の警察だろ!

律「って言っても電話も出来ないし…いざとなったら私も…」

やるしかない。

殺されるなんてごめんだ。

でも命乞いをして……変なことされるのも嫌だ。
私だってただの女子高生だ、みんなの前では強がってるけどやっぱり怖いものは怖い。
体が無意識に震える…けど、
それでも怖がってたらいいようにされるだけだ…。

律「来るなら来い…私も容赦しない」

ゴルフクラブを握る手が一段と強くなった。

146: 2010/10/14(木) 01:47:33.26 ID:aaTgFN2yO
律「エレベーターは…まずいか」

音がなるし…下に参りまーすって言ってるようなもんだしな。

律「ということはエスカレーター…または階段だけど」

エスカレーターは中央にありすぎて降りた時に目立ち過ぎる。
なら階段か…。

律「階段は…こっちか」

どうやら二階にはいないらしく一階から見えないよう二階の吹き抜け部分にかけられている手刷りから離れて少し屈みながら歩く。
手刷りの下は白いガラスになっている為あっちから見られることはないだろう。

律「……」ビクッ

律「なんだ……」

階段に差し掛かった時、一瞬体が震えた。

律「もしかして……」

私は静かに目を閉じる。

147: 2010/10/14(木) 01:54:20.69 ID:aaTgFN2yO
──【ハア……ハア……また怒らレチャッタ……氏ねばイイノに……あんなヤツ】──


律「いる…」

目線から階段が見えた…ってことは多分正面のレジ辺りにいるのだろう。
言葉を聞く限り正気とは思いづらい。というよりここにいる人達はみんな信用出来ない。
下に居たってことはさっきの叫び声も聴いてるはずなのに…何の焦りも感じられない。
ってことは奴らの仲間か……。

律「わかんないけど早く逃げた方がいいな…。警察とかにこの事を伝えないと」

このスーパーの近くに交番があった筈。
まずはそこに駆け込もう。

律「さて…下のやつをどうするか」

148: 2010/10/14(木) 02:02:42.71 ID:aaTgFN2yO
女店員「服をタタミマショウネーイソガシイイソガシイ」

ウイーーーーン

女店員「!!!?」

エレベーターが動いているのに気付いたのか急いで駆け寄る。

女店員「降りてラッシャアアアアアアアい」

↓のボタンを狂うように連打しまくる女店員。

上の文字盤は2から1へ。そしてつきましたよと言う合図、ポーンという間抜けな音がした後、ゆっくりと扉が開いた。

女店員「アハハハハハ!!!」

勢い良く乗り込むものの、そこには誰もいない。
しかし、エレベーターの鏡に写った自分を他の誰かと勘違いしたのだろうか、ハンガーを振りかぶり襲いかかる。

女店員「キャエエエイ!!!」

バリンッ

ガチャン───

そうしてエレベーターの扉は閉まり、上に向かった。

律「行ってらっしゃい」

150: 2010/10/14(木) 02:08:31.39 ID:aaTgFN2yO
律「さて、早く行かないと。しかし便利だな~これ」

律は片目を瞑ったままでいる。
その瞑った片目にはさっきの女店員の視界がジャックされていた。
こうすることにより動きながら視界をジャック出来ると律は気付いたのだ。
それを利用し、女店員の様子を見ながら階段を降り、階段の隣のエレベーターに夢中になってるのを見て扉を閉めたのだ。

律「あはははバカだな~それじゃ上がっちゃうだろ」

ひたすら上のボタンを連打している女店員を後目に、律は出口を目指した。

152: 2010/10/14(木) 02:16:29.26 ID:aaTgFN2yO
それからも視界ジャックを駆使し、相手が見てない内に後ろを通ったりを繰り返した。

律「何人いるんだよ……しかも全員目から……あれ血か?」

信じられないけど……どうやらとんでもないことになってるのは確かみたいだ。

律「まともな人間はいない……いたらさっきみたいに殺されてる? 何かの病気か……映画じゃあるまいし」

いくら考えても答えは出ない。たかだか十数年生きただけの私には引き出しが少なすぎる。

律「勉強しとくんだったな……」

こんな時に思い出すのはやはりみんなの顔だった。

律「梓の言う通りだよな……」

「ウヒャアアアアアアアアア!!!!!!」

律「しまっ……」

見つかった!!!

157: 2010/10/14(木) 02:26:31.79 ID:aaTgFN2yO
凄い速度でこっちに来る!
よく見るとそれはさっきの包丁を持った男だった。

律「クソッ」

自分のノロマさに悪態をつきながら出入口に走る。

騒ぎを聞き付けた同じような奴等が次々と追いかけるのに参加しているようだ。
視界を盗み見るまでもない。後ろに感じる気配でわかる。

律「ヤバいヤバいヤバいヤバい」

前からも来たッ!

「サカナァ……」

律「ど……、けえええっ!」

魚を持ったおじさんを容赦なくゴルフクラブで殴りつける。

律「正当防衛ってことでよろしく!」

そのまま出口から一目散にスーパーを出ると私は急いで交番に走り込んだ。


終了条件達成

158: 2010/10/14(木) 02:28:29.64 ID:aaTgFN2yO
サイトジャック……だと?

みんなしかいジャックしかいジャック言ってたから視界ジャックだと思ってた

なんてこった……どう足掻いても絶望か……

160: 2010/10/14(木) 02:41:55.05 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 秋山宅 澪の部屋
PM18:30:00

秋山澪
終了条件1 秋山宅からの脱出
──────────

澪「おさまった…?」

机の下からひょこっと顔を出すと辺りをリスの様に軽快に確認する。

澪「凄い地震だったな…。ああっ、本棚がぐちゃぐちゃ…」

澪「ってそんなことよりみんなが無事かを確かめるのが先だろう!」

散乱した本を退かしやっとの思いで携帯を見つけるも圏外。

澪「こんな時は災害コールセンターに電話だ!」

プープープー

澪「その災害地の真っ只中にいるの忘れてた…。かけられる側だろ私は」

地震の時に聴こえたあのサイレンの音…何だったんだろう。

──【フフ、澪ちゃんゴハン作らなきゃ……】──

澪「な、なに? ママの声が……」

163: 2010/10/14(木) 02:51:56.02 ID:aaTgFN2yO
──【ダンッ! ダンッ! ダンッ! 中々切ナイいわねぇ…………】──

澪「なに…………これ……」

──【澪ちゃんが待ってルノニ……】──

澪「ママ……何切ってるの……」

──【キレナイワネェ……】──

それが何かわかった瞬間に胃から土砂物が逆流してきた

澪「オェ…………」


間違いない…………ママが切ってるのは…………

あれは…………パパの手だ

165: 2010/10/14(木) 02:57:35.59 ID:aaTgFN2yO
澪「ゴホッ……アッ……ア…ア…アッ!」

これは夢だ。

澪「ママがそんなことするわけ…」

でも……あの薬指にあった指輪はパパの……。

澪「パパとママが愛し合った記念のものなのに……」

喧嘩になってママが勢い余って頃して……、

澪「ううん……家の家族は仲が良かった。それだけは間違いない。頃すだなんて……」

そもそもさっき見えたのはなんだ?
ママがいるのは一階なのにどうしてそれが見えたんだ?
それに地震があったって言うのに暢気にご飯……それもパパの手を……。

澪「考えちゃダメだ…! 頭がおかしくなる…」

こんな時、頭に浮かんだのは律の顔だ。

澪「助けて…律…」

169: 2010/10/14(木) 03:03:54.88 ID:aaTgFN2yO
──【後はコレヲ煮込んで……】──

目を閉じると自然に浮かぶこの光景。

──【出来たら澪ちゃんに持って行ってアゲナキャ……】──

もう理性のブレーカーが飛んでいるのか私はその光景を黙って眺めていた。

澪「パパ……ママ……律……」

会いたい。律に。

怖かったろ? って慰めてもらいたい。

澪「逃げなきゃ……。そして律のとこに行くんだ」

そう決めた瞬間、頭のブレーカーを入れ直し、物事を冷静に考える。
律に会うためにはここで氏ぬわけにはいかない。

澪「あのママはもう……ママじゃない!」

172: 2010/10/14(木) 03:06:25.03 ID:aaTgFN2yO
土砂wwwwww

吐瀉物ね
寝ぼけてるな

179: 2010/10/14(木) 03:15:34.69 ID:aaTgFN2yO
しかしこの能力は便利だ。相手の視界を盗み見ることが出来るらしい。
だがこんなアニメじみた能力があること自体異常だ。
つまり……

澪「もしかしたらもう……私は……」

よそう、そんなことを考えるのは。今はとにかく律やみんなの安否が心配だ。
携帯が使えない今直接会いに行くしかない。

澪「家を出るには下を抜けなきゃ……でも下には包丁を持ったマ……人がいる」

澪「窓からは……無理だ。とてもじゃないけど降りられない」

澪「下を抜けるしかない……」

ゆっくりと部屋のドアを開けると、階段を覗き込む。

澪「……」

そして目を静かに閉じた。

180: 2010/10/14(木) 03:21:13.72 ID:aaTgFN2yO
──【ウフフ……出来タ……ハヤク澪チャンに持っテ行っテアゲナイト……】──

鍋で煮た腕をお椀によそいおぼんの上に置いている。

澪「まさか……こっちに来る?!」

慌てて隠れる場所を探す。
いっそのこと飛び降りた方が助かる見込みはあるか、元はママなんだから話せばわかってくれるんじゃないか、なんてバカみたいな提案が頭の中で立案されては却下されて行く。

トス……トス……トス……

スリッパが階段を噛む音が聞こえる……!

澪「ここしかない……!」

私は一番隠れられそうな所に身を滑らせた。

183: 2010/10/14(木) 03:27:22.12 ID:aaTgFN2yO
澪ママ「澪ちゃん、ゴハンよ」

シーン────

澪ママ「オカシイワネェ……ドコに行っタノカシラ」

澪ママ「ヨイショ…………」

おぼんを机の上に置くママ。

澪「(うっ…………)」

ママの手には………包丁が握られていた。


澪ママ「ハヤクコッチニ来レバイイノにネー…………リッチャンと一緒ニ」

澪「(律………)」

澪ママ「遊ビニ来ナイカシラネー…………リッチャン。ソシタラ一緒ニコッチニ来サセテアゲルノニ」

ガタッ…………

澪ママ「アラ……」

澪「(しまった……ッ!)」

185: 2010/10/14(木) 03:31:11.07 ID:aaTgFN2yO
澪ママ「澪チャンイルノー?」

澪ママがクローゼットを覗き込むようにして見ている。

澪「ッ…………!」

心臓はもう耳障りな程に脈を打っている。

澪ママ「かくれんぼカシラ? 澪チャンったら子供ネー…………」

澪ママ「ミ~ツケタ」

澪ママは両手でクローゼットを開け放つとそのまま一気に包丁を中に突き立てた。

ザクッ─────

189: 2010/10/14(木) 03:36:41.73 ID:aaTgFN2yO
澪ママ「…………」


澪「…………」


澪ママ「澪ちゃんの服ヤブイチャッタわー…………後で縫ワナイト…………」

澪「(…………ほっ)」

その破いた服を持ったまま澪ママは下へ降りて行った。


それを視界ジャックで確認した後、澪がベッドの下から出てくる。

澪「クローゼットに隠れてたら氏んでたかな……」

これでしばらくは上には来ないだろう。考える時間が出来た。

澪「酷い臭い……」

机に置かれたそれを鼻をつまみながらゴミ箱に入れた。
そしてすかさずその周りに消臭剤を振りかけた。

193: 2010/10/14(木) 03:49:15.28 ID:aaTgFN2yO
澪「今は……ご丁寧にさっき破いた服を縫ってる……。ママなのかママじゃないのか……」

さっき殺そうとしたんだ、ママだろうがママじゃなかろうが危険には変わりないか…。

澪「台所じゃなくなったぶん逃げやすくなったな……」

台所の勝手口から逃げればすぐ外だ。

澪「これで準備はよし……!」

鞄に食べ物や飲み物を詰めておく。きっと律は何も考えなしに外に飛び出してるだろうからな。
お腹が減ってたりしたら大変だ。

澪「…………」

念入りにママの視界を盗み見る。

──【澪ちゃんの服カワイイワァ………】──

相変わらずミシンで私の服を縦横無尽に縫っている。こうなるともう頭がどうかしたとしか思えない。

澪「夢なら覚めてよ……」

そう呟いた後、私は静かに階段を下った。

196: 2010/10/14(木) 03:55:17.64 ID:aaTgFN2yO
階段の壁際から肉眼で覗き見る。
ママは背を向けたままリビングでミシンを縫っている。

澪「(よし……)」

今だとばかりにゆっくりと屈みながら台所に行き、勝手口に手をかける。

澪「(あれ……スリッパがない。いつもならここにあるはずなのに…)」

こんな非常自体だ、靴下だけでも何とかなるだろうとドアノブを回そうと……

ガチャ

澪「えっ」

澪パパ「タダイマァァァ」

澪「パ…パ…?」

目の前に立つのは片腕のない私のパパだった。

203: 2010/10/14(木) 04:05:38.11 ID:aaTgFN2yO
澪パパ「ウヒャッヒャヒャッ」

澪ママ「アラァ澪ちゃん……帰ってタナライッテクレナイト」


挟まれた……。

澪パパ「コッチハスバラシイゾ~澪」

澪ママ「コッチニオイデ……澪ちゃん」

澪「あ、ああ……」

そうだ……これは夢なんだ。
きっと悪い夢で……起きたらまたあの楽しい日々が待ってるんだ。

目を瞑る。

澪ママ「澪チャアアアアアアアアアアアアアアン」

覚めたらきっと……会いに行くから、律。



斎藤「そんなんじゃ生き残れませんよ、澪さん」

この声の後、銃声が二つ響いた。

終了条件達成

251: 2010/10/14(木) 17:08:24.16 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 琴吹邸
PM??:??:??

琴吹紬
終了条件1 琴吹邸からの脱出
終了条件2 斎藤を倒す

紬「ここは……」

見渡せばそこは私の部屋だった。

紬「地震があって……その後……」

どれぐらい私は気を失ってたんだろう。辺りはもう真っ暗で夜と言うことだけしかわからない。

紬「携帯…、駄目ね。壊れてる」

地震のせいでクローゼットが倒れて携帯を踏み潰したのだろう。画面は無惨にひび割れている。
自分がこうなっていないだけでもよしとしておこう。

紬「お父様は出張で遠くに行かれてるから大丈夫だけど…他のみんなが心配ね」

252: 2010/10/14(木) 17:09:58.80 ID:aaTgFN2yO
耐震設備が完璧なこの家でさえこの有り様だ。一般家庭の家がどうなっているか…なんて考えたくもない。

紬「とにかく斎藤に車か何かを出してもらってみんなの安否を確かめに行きましょう」

着替えようと思ったけどクローゼットから服を出すのは一苦労だろう。
ネグリジェのまま彷徨くのも恥ずかしいけど事が事だけにそんな場合ではない。

紬「斎藤…無事かしら」

部屋を出ようとドアノブに手を回した時だった。

──【琴吹家は……オワリダ…】──

紬「何…さっきの」

一瞬頭に浮かんだのは猟銃の様なものを構えた誰かだった。

254: 2010/10/14(木) 17:11:38.84 ID:aaTgFN2yO
紬「あの声は……斎藤?」

もう一度見れないか試みるも、見えない。

紬「……気のせいにしては鮮明だった気がする…」

それにあれはエントランスの二階から見た私の部屋じゃなかった…?
私の部屋の扉を猟銃で狙いを定めてた…?
なんで……?

紬「琴吹家は…終わりだって言ってた…」

もしかしたらこの地震に便乗して私を頃して財産を盗みだそう…とか。

紬「斎藤は信用してるけど…あり得ない話じゃないわ…」

どうしよう…。

1 扉を開け斎藤に話を聞いた後、斎藤と共にみんなを探しに行く。

2 部屋から何とか外に脱出し、自力でみんなを探しに行く。

>>255

256: 2010/10/14(木) 17:15:06.34 ID:MfXvgi3mO
2

265: 2010/10/14(木) 17:28:32.48 ID:aaTgFN2yO
紬「やっぱり危険だわ。この部屋から何とか脱出出来ないかしら…」

そう言えば昔お父様がもし火事になってこの部屋から出られなくなったりした場合に使いなさいって言われてたものが…。

紬「え~と…確かここに」

お父様が買ってくださった絵画を外すの何種類ものボタンが現れる。

紬「確か…」

その中の赤いボタンを押すと何やら窓の下から何かが勢いよく中庭に降り、固定される。
スロープ状に伸びたそれはまるでプールのスライダーのようになっている。

紬「わぁ…」

楽しそう…。

紬「家にこんな滑り台が…ずっと隠しておくなんてお父様も意地悪だわ」

ゆっくりとクリーム色のそれに体を預けてみる。

紬「1.2.3…ッ!」

手を離し、私は滑降を開始した。

終了条件達成

268: 2010/10/14(木) 17:40:33.76 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 中野宅
PM19:15:44

中野梓
終了条件1 侵入した屍人を倒す
──────────
梓「う…ううん」

梓「……はっ」

梓「地震……はもう止まってる」

梓「凄い地震だったけどどれぐらいの震度だったんだろう」

散乱している物の中からテレビのリモコンを探しだしてつけてみる。
ザアーーーーー

砂嵐。
梓「お父さんとお母さんは大丈夫かな? 仕事先で怪我とかしてなきゃいいけど…」

梓「唯先輩達にも電話してみよ……」

圏外。

梓「はあ……」
携帯やテレビがないだけでこれ程まで何も出来なくてわからないなんて……ちょっと自分が嫌になる。

ガタタッ……

梓「何…? リビングの方からだ…」

271: 2010/10/14(木) 17:50:23.59 ID:aaTgFN2yO
「ウヒャアッヒャアッハァ」

グチャグチャ……


梓「(何…あれ……)」

冷蔵庫のものをひたすら口に運んでいる…。
強盗…?

梓「(どうしよう!!! とりあえず警察に……って電話使えないんだったよぉ!)」

「タリナイータリナイイイイイ」

グチャクチャグェップブチャ

梓「(自分の身は自分で守らなきゃ…。追い払ってやるです!)」

そそくさと部屋に戻ると武器になりそうなものを探す。

梓「後ろから思いっきり殴って気絶するぐらいのものがいいかな…」

1ムッタン
2ギターケース
3MDコンポ
4部員募集のポスター

>>273

273: 2010/10/14(木) 17:53:00.34 ID:ghjHVviW0
2

279: 2010/10/14(木) 18:01:28.95 ID:aaTgFN2yO
梓「ギターケースなら思いっきり殴っても氏んじゃったりしないよね」

ムッタンは外に出して置き、空のギターケースを両手で担ぐ。


梓「……」

恐る恐る覗いて見ると……。

「ウメエ……ウメエ……」

まだお食事中のようだ。冷蔵庫の方を向いたままひたすら口に物を運んでいる。

梓「(よっぽどお腹がすいてたのかな…。でも強盗は良くないですよ!)」

正面から行けば何されるかわからないのは明白だ。そして力のない私はただそれに従うしかなくなる。
そうならないようにこの一撃を見舞ってやるです!

梓「……」

「クヒャッヒャ」

梓「このっ!!!」

ガツーーーーン

280: 2010/10/14(木) 18:07:06.78 ID:aaTgFN2yO
「ウア……?」

梓「ひいっ……」

ギョ口リと瞳だけが動き蒼白の男がこちらを見据える。

「邪魔スルナアアアアアアア」

梓「あっ……あ……」

食事を邪魔されたのがよっぽど気に障ったのか物凄い力で私の首を締め上げてく……る……。

梓「あ……うあ……」

両手で……何とか……振りほどこうとしても……全く……動かな……。

「コッチニオイデ……」

梓「(こっちって……どこ……?)」

もう何も……見えない……よ。

284: 2010/10/14(木) 18:14:54.43 ID:aaTgFN2yO
意識が遠くなって行く。

梓「…………」

もう腕にも力が入らない。元々こんな細い腕じゃ敵いっこない……。
私は余りにも無力だ……。

梓「…………」

涙が溢れた。

悔しくて、こんな所で氏んじゃう自分が情けなくて。

「ウヒャアッヒャアッハァ!!!!」

ギリギリ……と首を圧迫していく。
もう折れてしまいそう……。


285: 2010/10/14(木) 18:16:06.94 ID:aaTgFN2yO
梓「…………」

言葉も出せない。

そのまま、目を閉じた。最後くらいこんな奴の顔じゃなくて……私の大好きなみんなの顔を思い浮かべながら氏にたい。

──【はっ……はっ……】──

何だろう……この景色は。私の家?

──【っつはっ……はっ……!】──

中に入って来た……。走馬灯かな……?

──【このっ……!】──

あれ……私が見える……。


純「梓を離せっ!!! この化け物!!!!!」

ガスンッ!!!

289: 2010/10/14(木) 18:24:32.81 ID:aaTgFN2yO
「ゴオッ………」

純の振りかぶったバットが屍人の脳天にクリティカルヒットした。
余りの威力にそのまま土下座するように地に伏した。

純「梓っ!」

梓「ゲホッゲホッ……ゴホ…ッ……あ、純」

純「命がけで助けに来た友達に向かって第一声がそれ!?」

梓「ごめん……何だか夢みたいで。ほんとにもう氏んだかなって思ってから」

純「私のウルトラCがなかったら間違いなく絞め殺されてたよ! 立てる?」

梓「……無理っぽい」

純「全く……。よいしょっと」

純に肩を貸してもらい立ち上がる。

純「とにかくここを出よう。またこいつが起きる前に」

梓「でも……さすがにあれじゃ…」

バットで思いきり殴ったのだ。幾ら女の力でも…。

純「…こいつらは氏なないんだよ。どういうわけか知らないけど」

292: 2010/10/14(木) 18:31:06.34 ID:aaTgFN2yO
梓「氏なない…?」

純「そ。多分後10分もすればまた起き上がるよそいつも」

梓「そんな…」

純「詳しい話は車でしよう。そっちの方が安全だから」

梓「車?」

純「乗ってきたの」

梓「純って運転出来たっけ…? そもそも免許は…?」

純「あんなの簡単簡単。こうやってぐわーってやった後、ぶしゃーって踏んで後は曲がりたい方にハンドルを切るだけ」

幾ら非常時? といっても正直……

梓「………乗りたくないなぁ」

純「つべこべあべこべ言わずに来るのっ!」

梓「あっ、ちょっと! 純! バットは?」

純「いいのいいの。また探せばいいから(……間に合って良かった……)」

終了条件達成?

298: 2010/10/14(木) 18:43:52.43 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 平沢宅
PM19:30:33

平沢唯

終了条件1 わかりやすい置き手紙を書き残す

唯「隠れながら帰ったから時間かかっちゃった…」

もう辺りは真っ暗で、ちらほら街灯が灯り初めている。

唯「憂~いる~?」

家に入ると一目散に憂を呼びながら部屋に行く。

唯「憂~」

そこには憂の姿はなく、ただ可愛らしい部屋が薄暗く映し出されていただけだった。

唯「まだ帰ってないんだ…憂」

心配だ。

もしも憂があの変な人達に襲われたのかもしれないと思うと心臓がキュッと締め付けられる。

待ってられないっ!

唯「探しに行こう…!」

300: 2010/10/14(木) 18:48:38.52 ID:aaTgFN2yO
唯「でも入れ違いになったら困るなぁ……。携帯も使えないし」

唯「う~ん……」

唯「!」

唯「そうだ! 置き手紙をしておこう!」

何て書こうかな~。これを見たら家にいなさい! とかかな~?



>>305

305: 2010/10/14(木) 18:53:06.66 ID:2cFVZ8hd0
憂が家にいないので外に探しにいっています
20:30までには私も帰ります
もしも20:30までに私が帰ってこなかったらあずにゃん達と一緒に隠れてて!

309: 2010/10/14(木) 18:59:12.72 ID:aaTgFN2yO
憂が家にいないので外に探しにいっています。
20:30までには私も帰ります。
もしも20:30までに私が帰ってこなかったらあずにゃん達と一緒に隠れてて!

唯「……と、これで完璧!」

唯「よし! 探しに行こっと!」

手紙をわかりやすくリビングの机の上に置くと着替えるのも忘れて再び真っ暗闇へと体を投じる。

唯「憂……みんな……無事でいてね」


終了条件達成

置き手紙の内容◎

318: 2010/10/14(木) 19:22:49.99 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 大手スーパー前の交番
PM19:10:00

田井中律

終了条件1 警察官からの逃亡
──────────

律「大変なんだよお巡りさん!!! スーパーの中がもうてんやわんやで…」

警察官「……」

律「聞いてんのかよ!!! 早くしないとあいつらが……」

ジリリリ……

ジリリリ……

時代に似つかわしくない黒電話が鳴り響く。その音に一旦間を取られた私は仕方なくその電話が終わるのを待つことにした。

警察官「もしもし…………」


律「(早くしろよな~……)」イライラ

警察官「……了解…射頃します…」

律「は…?」

320: 2010/10/14(木) 19:32:55.60 ID:aaTgFN2yO
律「何言って……」

カチャリ……カチャリ……

律「なんで弾なんて込めて……」

そうか……、

警察官「イイアーッ」

こいつもか。

踵を返すと急いで交番を出る。

律「銃なんて卑怯だろ!!」

走りながら片目を閉じ視界をジャック。

──【無駄ナ抵抗ハやめなさい】──

照準が見事に私の背中を捉えてるのを見て、
律「くっ……!」

思いきり体を揺さぶりながらジグザグに走る。

パァンッ
パァンッ

二発の銃弾はどちらも私を捉える事なくどこかへ消えていく。
律「相手が狙ってる場所がわかるなら避けるのも意外と簡単だな…」

321: 2010/10/14(木) 19:37:29.98 ID:aaTgFN2yO
上手くやれば拳銃を奪えるかもしれない…。

律「どうする……」

拳銃があればこの先楽になるかもしれないけど……その分リスクはあるか。


1 警察官を倒し、拳銃を奪い取る

2 いくら相手の視界を盗み見れると言って弾が完璧に避けられるとは限らない。危険だ、このまま逃げよう

>>322

322: 2010/10/14(木) 19:38:28.34 ID:urBWLwE/O

327: 2010/10/14(木) 19:49:24.07 ID:aaTgFN2yO
律「危険は承知の上だ!」

またまた踵を返すと来た道を逆走する。
視界ジャックで相手の手の位置、指のかかり具合などを見ていつ撃つかなども見落とさないようにする。
警察官「アファアアアアア」

パンッ──

律「(よし!)」
小刻みに動いてる為か相手の狙いは定まってない。
しかし近づくほどどんど的は大きくなる為油断は出来ない。

律「(もうちょい…!)」

パンッ──

5発目も何とかわきに逸れてくれた。

律「もらったあああああっ!!!」

329: 2010/10/14(木) 19:50:39.22 ID:aaTgFN2yO
パンッ──

律「…………あれ?」

警察官「アッヒャハッヒャッハァ!!!!」

よろよろと崩れ落ちる体。

律「おっかしいな~……何か体に……力が入らないや」

ゴルフクラブが手から滑り落ち、赤い何かが私の胸辺りから沸き出ている。

律「ああ……血か……」

撃たれたんだな……私。
そう気付いた時にはもう意識は遠退いていた。

終了条件未達成

339: 2010/10/14(木) 19:57:38.61 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 秋山宅
PM19:30:00

秋山澪

終了条件1
──────────

澪「あ、あの…助けてもらってありがとうございました」

斎藤「別にいいさ。探し物のついでだしな。あんたは確か琴吹嬢の友達だろ? どこ行ったか知らないか? てかここどこ?」

澪「ムギの知り合いなんですか!?」

斎藤「おっ、おお……まあな。あそこの執事だよ俺は」

澪「家にいなかったんですか?」

斎藤「いなかったから探しに来てるんだろうが。全くどこほっつき歩いてんのやら。おてんばの世話はこれだから…」

澪「おてんば…?(ムギが?)」

344: 2010/10/14(木) 20:08:25.15 ID:aaTgFN2yO
斎藤「そんじゃあ悪いけど探しに行くから」

澪「わ、私も行きます!」

斎藤「……そいつは無理だ。二度は助けない主義なんでね。それに足手まといにしかならい」

澪「そんな…」

斎藤「澪さん、誰かに助けてもらおうなんて思わない方がいい。じゃあな」

背中を向けたままひらひらと手を振る。

斎藤「ちなみに、この家は出た方がいい。多分そいつらは時期に起き上がってくる。そうしたら次こそあんたは氏ぬ」

澪「……」

斎藤「じゃあな」

バタンッ

閉められた扉が……まるで私を拒絶しているように思えた。

345: 2010/10/14(木) 20:13:41.95 ID:aaTgFN2yO
澪「ここは……どこだろう」

家を出た方がいいと言われただ闇雲に歩き回った。

律には……会えなかった。

他のみんなにも。

どれぐらい歩いただろうか……。

数時間かもしれないし……数十秒かもしれない。

そしてたどり着いた場所は……崖だった。

まるで街がくり貫かれたようにそこで終わっている。

そしてそこから下は……一面の赤い海。

澪「……」

私は静かに崖の縁に腰を下ろすと、それをぼんやりと眺めていた。

347: 2010/10/14(木) 20:19:54.86 ID:aaTgFN2yO
澪「綺麗だな……まるで夕陽が落ちたみたいに真っ赤だ……」

いい詞が浮かびそうだな……。


澪「あれ……?」


よく見ると遠くの方に何やら人影が見える。
それは群れをなして赤い海を渡っていた。

澪「!?」

その中に見知った顔があった。

澪「律……やっと……やっと見つけた」

あの黄色いカチューシャ……間違いなく律だ。

澪「おーい律。今そっちに行くからなー」

山彦を呼ぶように両手で口周りを塞ぎ大声でそう行った。

澪「よっと」

私はそのまま、赤い海に飛び降りた。

ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──────────

359: 2010/10/14(木) 20:31:12.64 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘高校
PM20:00:00

琴吹紬

終了条件1 追跡者を倒す
──────────

紬「どこにもいない……」

いるのは氏んだような顔をしてる人達だけ。あれは多分人間じゃない…。

紬「ここはどこなの!!!? 私達の日常を返してよ!!!」

紬「はあ…はあ…」

避けんでも誰もいない。

唯ちゃんもりっちゃんも澪ちゃんも梓ちゃんもみんないなくなっちゃったの?

紬「後いるとしたらもう…ここしかない」

学校…もしかしたらみんなここに

バンッ───カァンッ───
紬「ひっ…」

校門に銃弾が当たり火花が散る。

追ってきた…!?

362: 2010/10/14(木) 20:46:29.89 ID:aaTgFN2yO
すぐさま正門から校庭に入り、職員室の窓から学校の中に入る。

紬「信じてたのに…!」

溢れそうになる涙を堪えながら職員室を出る。目指すのは勿論軽音部の部室。


校長「ゴルフ楽シミダナァ……」


紬「(校長先生も……)」

職員室の外を徘徊している校長先生がゴルフクラブを磨いている間に後ろを抜けていく。何故かはわからないがこの人達はかなり注意力が散漫だ。
なので足音を立てずゆっくりと歩けば大抵はバレずに済む。

365: 2010/10/14(木) 20:54:54.68 ID:aaTgFN2yO
紬「あれは保健の先生…………」

保健の先生「ハァーイ唯ちゃん内臓カエマショウネー」

人形になりやら詰め込んでるみたい……ここからじゃよく見えないわ。

紬「唯ちゃん……無事かしら」



何人もの人をやり過ごし、ようやく部室にたどり着いた。

紬「お願い…誰か居て」

祈る思いで扉を開ける───




紬「……ふふ、遅れてごめんね。すぐにお茶入れるから」


紬「唯ちゃん」

377: 2010/10/14(木) 21:05:19.28 ID:aaTgFN2yO
紬「みんな見つからないから心配したんだから」

紬「今日はね、ローズティーにしたの。とっても香りがいいのよ?」

紬「お菓子はね~……なんと飴玉!」


紬「ごめんね、急いでてこれしか持って来れなかったの」


紬「美味しい……? ねえ……唯ちゃん……」

コロン…………
口から転げ落ちる飴玉。

紬「返事してよ…………唯ちゃん………」

部室に血だらけで横たわっていた唯を抱きしめる。

強く……強く……。

紬「唯……ぢゃん゛……一緒にお菓子食べようよ……」

返事はない。

紬「唯ちゃん冷たいね……ほら、私の手……暖かいでしょう?」

唯の頬に両手を当てる紬。

383: 2010/10/14(木) 21:13:48.17 ID:aaTgFN2yO
紬「唯ちゃんが寒くならないように……ずっと……ずっと暖めてあげるから……」

何にも思えない。
もう声にもならない。
ただあの元気で明るかった唯ちゃんがこんなに冷たくなって横たわっているのを受け止められない。

寝てるんじゃないかな……?

なんて思ったりもする。

紬「唯ちゃん……」

頭を撫でると、可愛らしい唯ちゃんの顔が少しだけ微笑んだように見えた。

そんな筈……ないのに。

384: 2010/10/14(木) 21:15:16.60 ID:aaTgFN2yO
ドンッ──

ドンッ────

ドンッ──────

部室のドアが叩かれる。
多分あいつだろう。

紬「邪魔しないでよ……!」
私はそこら辺にあるものを武器として使うために掴み上げた。

1 キーボード
2 ドラムセット
3 トンちゃんの水槽
4 ケロちゃんの人形
5 ホワイトボード

>>386

386: 2010/10/14(木) 21:16:25.27 ID:ecHm42wj0
3

391: 2010/10/14(木) 21:24:28.26 ID:aaTgFN2yO
怒りに任せて掴みあげる。
入って来たらこれで……

「スイースイー」

紬「あ……」


唯『可愛いね~トンちゃ~ん』
「スイースイー」
梓『飼うからにはちゃんと面倒みてくださいね!』

紬「あ……あ……」

ガチャン……

紬「駄目……このままじゃみんなが大切にしてたトンちゃんが……」

ダァンッ───

紬「ヅッ────」

体に風穴が開く。
糸が切れたマリオネットみたいに膝から崩れ落ちた。

バシャアアアアア

水槽が派手にひっくり返りその勢いでトンちゃんも床に投げ出された。
トン「パタパタ……パタパタ……」
仰向けになったまま動けないでいるトンちゃんに最後の力を振り絞って手を伸ばす。

400: 2010/10/14(木) 21:29:09.40 ID:aaTgFN2yO
紬「はい……これで……だいじょうゲフッ……」

トン「…………」

そのままトンちゃんはどこを目指しているのか這って進み始めた。

紬「ごめんね……トンちゃん……ごめんね……みんな」



最後に私が見たのは……この軽音部であった色々な出来事だった。


終了条件未達成

446: 2010/10/14(木) 22:24:50.43 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 住宅街
PM19:45:45

中野梓

終了条件1 屍人を10体以上倒す
──────────

梓「わあっ純!!! ぶつかるうううっ」

純「大丈夫大丈夫~」

キキィ~!!!ドンッ

梓「!?」

純「……でさあ~」

梓「今なんかはねたよね!?」

純「えっ? 気のせいじゃない?」

梓「気のせいじゃないよ!!!」

純「まあまあ。で、これからどうする?」

梓「いいからせめて前見て運転して!」

純「はいはい」

447: 2010/10/14(木) 22:29:08.31 ID:aaTgFN2yO
>>444
>>1乙
乗っ取ってすまなかった

449: 2010/10/14(木) 22:32:48.98 ID:aaTgFN2yO
梓「とりあえずみんなを探さない?」

純「みんなって言うとー軽音部の?」

梓「うん」

ドンッ

純「……生きてるのかな」

梓「……わかんない」

純「私の親は駄目だったよ。私を見て化け物!化け物! って言いながら襲って来てさ。どっちが化け物だってーの」

ドドンッ

梓「もしかして……」

純「そ。頃したの。両親を…。けど…また起き上がって来てさ」

梓「……そっか」

ドンッ───

451: 2010/10/14(木) 22:38:12.28 ID:aaTgFN2yO
ドンッ

純「それで梓が心配になって来たってわけ」

ドンッ

梓「ありがとね、純」

ドンッ

純「気にしないでよ。友達じゃない」

梓「純『ドンッ』……」

純「……」

梓「純!!! 前見て運転してって言ったでしょ!! もし唯先輩達だったら…」

純「大丈夫大丈夫」

ドンッ──

純「ちゃんと確認してからはね飛ばしてるから」

梓「そういう問題じゃなーーーい!!!」


終了条件達成

466: 2010/10/14(木) 22:52:52.31 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘 国道
PM21:00:00

中野梓

終了条件1 二人でこの世界を脱出する。
──────────

純「いないね~」

梓「うん……」

街をひたすら走ってみるもいるのはあの頭のおかしい人達ばかりだ。

純「まるで屍人だよね」

梓「屍人……?」

純「昔どっかの本で読んだことがあるんだよね~…タイトル何だったかな~。羽がどうのことのだったような。まあそれに書いてた屍人って奴らに似てるな~って」

梓「ふーん…」

純「あっ、ガソリン無くなりそう。ちょっとガソスタ寄るね」

梓「なんかもう手慣れてて怖い」

472: 2010/10/14(木) 23:01:30.65 ID:aaTgFN2yO
純「あ~お金ないや。ちょっとスタンドの中から拝借してくるよ」

梓「えっ、ちょっと! 純!」

一人でそそくさと行ってしまう。

全く頼りなるんだかならないんだか。

梓「不思議だな…」

こんな恐ろしい世界に来てるのに…自然と怖くなかった。
誰かが側に居てくれる、ただそれだけでこんなにも違うんだ…。

純もそう思ってくれてるのかな?

純「ヘイッお姉ちゃんガソリン何オクだい!? 今ならレギュラーもついてくるよ!!!」

梓「ふふ、混ぜちゃダメでしょ」

純も笑ってる。

だから私も笑うんだ。

こんな世界でも。

479: 2010/10/14(木) 23:07:43.76 ID:aaTgFN2yO
純「ハイオクの方がよく走るかなー?」

梓「わかんない。レギュラーでいいんじゃない?」

純「梓がそういうならレギュラーにしとくよ。お金もあんまりないしねー」


あの時…律先輩に酷いこと言ったのを今頃思い出した。

本当に大切なものと本当に大切なものを比べなきゃいけない場合どうするか……なんてそんなの決まってる。

どっちも守ろうとするだろう。
きっと律先輩も唯先輩もそうしてる筈だ。

だから私もそうしよう。

純「お待たせ~」

梓「うん」

純のこと、守ろう。
氏ぬ間際まで……。

487: 2010/10/14(木) 23:14:22.00 ID:aaTgFN2yO
どれくらい純と走っただろう。
私達は一向に誰も見つけられず、そしてとうとう……。

見てしまった。

梓「……」

純「……行き止まり…だね」

梓「そうみたい…」

純「……実は薄々気づいてたんだよね。こんなオチじゃないかって…」

梓「……私も。だってここ…おかしいもん」

純「だね」

梓「……」

純「多分どこもこうなってると思う。ここは現実世界じゃないんだよ…多分。あの地震か…」

梓「サイレンのせい?」

純「梓も聴いたんだ」

梓「うん。地震の最中に…ね」
純「そっか…」
梓「降りてみない?」
純「ん」

489: 2010/10/14(木) 23:22:36.87 ID:aaTgFN2yO
純「な~んにも見えないね」

梓「そうだね…」

純「これ海? 何で真っ赤なのさ」

梓「知らないよ」

純「だよね…」

立ち上がって眺めていた純も飽きたのか私の隣に座り込む。

純「どっこらしょっと」

梓「ぷぷ。おばさんくさいよ純」

純「なんだとー!? 花の女子高生捕まえてその言い種はなんだー!」

梓「あはは、ごめんごめん。純は可愛らしいよ」

純「わかればよろしい」
梓「……純、ありがとね」
純「ん」
梓「純だけは生きて」
純「何言ってんの梓。生きるのも氏ぬのも一緒だよ。ここまで来たら」

梓「うん……そうだね」


「ウアアアアアアアアア」「ウヒャアッヒャアッハァ」「クヒョアアアア」「コッチニオイデエエエエエ」「タノシイヨオオオオ」「キッキャッキャッ」

491: 2010/10/14(木) 23:27:58.07 ID:aaTgFN2yO
純「さて、やりますか」

梓「武器は?」

純「ほら、車に積んであった角材」

梓「はねた方が早くない?」

純「あの数じゃ車が止まっちゃうでしょ」

梓「そっか」

純「ここで氏んだら私達…どこに行くんだろうね」

梓「わかんない。普通に天国とか地獄とか?」

純「じゃあ梓とは会えないか~私頃しまくっちゃったし」ニヒッ

梓「私もこれからそうなるから一緒だよ。純」

神様、どうかいるのであれば……彼女だけは助けてあげてください。

私は一生ここに閉じ込められてもいいから…

純「桜ヶ丘軽音部~~~」
梓「ファイトッーーー!」

純は軽音部じゃないでしょってツッコミは、次に会った時にしよう。

終了条件未達成

500: 2010/10/14(木) 23:37:33.24 ID:aaTgFN2yO
桜ヶ丘高校
PM19:45:00

平沢唯

終了条件1 憂をみつける
──────────
唯「はあ…はあ…商店街も通りながら来たけどすれ違わなかった…」

もしかしたらまだ私が寝てると思って学校に来てるかもしれない。そう思い私は学校の前にいる。

唯「視界……」ピシッ

唯「ジャック!!!」

まるで正義のヒーローの変身の様な動作をつけながら目を瞑る。

唯「……保健の先生は……と」

──【ゴルフ~……】──

唯「これは校長先生だ!」

唯「もうちょっとあっちかな?」

──【唯ちゃん手術シマショウネー】──

唯「まだやってる…。人形に私の名前までつけるなんて…。好かれてるのかな…」ブルブル

唯「憂はいないみたい…もしかしたら部室かな?」

504: 2010/10/14(木) 23:43:58.29 ID:aaTgFN2yO
唯「体育の先生がいない……忍び込むならイマノウチ」

辺りを見回しながら学校の中へ。

唯「そう言えば学校のみんなはどこに行ったのかな? あの時私と保健の先生と校長先生と体育の先生だけしか学校いなかったのかな~」

唯「それで巻き込まれちゃったんだね…きっと」

唯「?? 巻き込まれる?? 何に?」

わかんない。

唯「それより憂だよ! 先生達に見つかってないといいけど…」

508: 2010/10/14(木) 23:49:55.41 ID:aaTgFN2yO
唯「え~と…見つからないように部室に行くにはと」

保健室と職員室には先生達がいるから通りたくないんだけど……あそこ通らないと部室に行けないから…。

唯「バレないように行かなきゃ!」

「オーイ……遅刻はダメヨー」

唯「えっ……あっ」

しまった…!
まさか体育の先生が学校の中に居たなんて!
見つかった…。早く逃げないと!!!

「ウフフー」

唯「あれ?」

「体育ハタノシイヨー」

唯「襲ってこない?」

何で?

顔は相変わらず怖いままだけど…あっ! そっか!

唯「体育タノシイヨネー」オメメツリアゲ

仲間だと思われてるんだ!

509: 2010/10/14(木) 23:53:14.30 ID:aaTgFN2yO
唯「ジャア私ハコレデー」トッタッタ


唯「何だかよくわかんないけど良かった!」

多分保健の先生も校長先生もこれで行けば私のことを仲間だと思って何もしてこないはず!

唯「フンスッ!」オメメツリアゲ

唯「憂~!!! 待っててねーーーー!!!」

513: 2010/10/14(木) 23:56:03.25 ID:aaTgFN2yO
とうとう部室までやって来ました。

唯「いるかな…憂。いなかったらどうしよう…。まあその時はその時だよね」

書き置きもしてるしいなかったら一回家に帰ればいいか。

ガチャン

いつものように軽くノブを捻る。

唯「憂~いる~?」











憂「……お姉ちゃん?」

516: 2010/10/14(木) 23:59:59.51 ID:aaTgFN2yO
唯「憂っ!!!!」

憂「お姉ちゃん……どうしてここに?」

唯「どうしてじゃないよ! 憂を探しに来たんだよ! 心配したんだからね!」

憂「うん……書き置き見たよ。ありがとうお姉ちゃん」

唯「見たのにここにいるなんて、も~憂ったら! 世話がかかる妹なんだから」

憂「妹……」

唯「無事で良かったよぉ……憂」

優しく抱きしめる、

憂「お姉ちゃん……血が」

唯「えっ? ああこれはちょっと擦りむいちゃって」エヘヘ

とても擦りむいたと云うレベルの血の量じゃないが……それでも唯は笑みを絶やさなかった。

523: 2010/10/15(金) 00:07:25.62 ID:BPpZnIIJO
憂「……」
唯「憂~……よしよし」
抱き締めながらよしよしと撫でる。憂はこれが大好きなのだ。
憂「お姉ちゃん……ごめんね」
唯「いいんだよ。謝らなくて」
憂「ううん…違うの。私は…わたしは…!」
唯「憂……?」

憂「……ゴメンナサイ……オネェチャン……」

グサッ─────

唯「えっ……」

お腹が熱い。
まるでインフルエンザにかかった時のおでこ……みたい……。
ああ……刺されたんだ……わたし。

唯「憂……」

それでも……

憂「ごめんね……ごめんね……」

唯「……私は憂を信じてるから」

大丈夫だよ、憂。

終了条件達成?

527: 2010/10/15(金) 00:13:26.34 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM$%?`_=^);<<=_<

平沢憂

終了条件????????
──────────
憂「…………」

憂が家にいないので外に探しにいっています。
20:30までには私も帰ります。
もしも20:30までに私が帰ってこなかったらあずにゃん達と一緒に隠れてて!

憂「お姉ちゃん……」

532: 2010/10/15(金) 00:17:41.83 ID:BPpZnIIJO
唯「憂っ!!!!」

憂「お姉ちゃん……どうしてここに?」

来ると思ってた…多分お姉ちゃんが一番大事に思ってる場所がここだから。

唯「どうしてじゃないよ! 憂を探しに来たんだよ! 心配したんだからね!」

憂「うん……書き置き見たよ。ありがとうお姉ちゃん」

唯「見たのにここにいるなんて、も~憂ったら! 世話がかかる妹なんだから」

憂「妹……」

妹……。お姉ちゃんはいつだって私に優しかった……。

唯「無事で良かったよぉ……憂」

優しく抱きしめる、

憂「お姉ちゃん……血が」

唯「えっ? ああこれはちょっと擦りむいちゃって」エヘヘ

やっぱり……手遅れなんだね……お姉ちゃん。

534: 2010/10/15(金) 00:22:21.44 ID:BPpZnIIJO
憂「……」

唯「憂~……よしよし」

だから……私も…。

憂「お姉ちゃん……ごめんね」

唯「いいんだよ。謝らなくて」

嫌われてもいいから…。

憂「ううん…違うの。私は…わたしは…!」
唯「憂……?」


536: 2010/10/15(金) 00:23:36.04 ID:BPpZnIIJO
こうするしかないんだ。大好きなお姉ちゃんを守るために。

憂「……ゴメンナサイ……オネェチャン……」


1 お姉ちゃんを刺す
2 お姉ちゃんを刺す
3 お姉ちゃんを刺す
4 お姉ちゃんを刺す
5 お姉ちゃんを刺す
6 お姉ちゃんを刺す
7 お姉ちゃんを刺す
8 お姉ちゃんを刺す
9 お姉ちゃんを刺す

>>537 尚、1~9以外の番号でもお姉ちゃんを刺すを選択

537: 2010/10/15(金) 00:24:02.42 ID:TrOy9zF/0

548: 2010/10/15(金) 00:30:02.31 ID:BPpZnIIJO
グサッ─────

唯「えっ……」

ごめんね……ごめんね……

唯「憂……」

痛いよね……痛いよね……

憂「ごめんね……ごめんね……」

きっと憎んでるよね……私のこと……

唯「……私は憂を信じてるから」

えっ……

そのまま目を瞑るように息を引き取る。

憂「こんなことになっても……信じてる……?」

何で……何で……

憂「わからないよ……お姉ちゃん。わからないおおおっ」

終了条件1 お姉ちゃん刺す

終了条件達成

552: 2010/10/15(金) 00:33:49.94 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──

???

──────────
律「どこだろ…ここ」

桜ヶ丘…じゃないよな?
こんな田舎じゃないし。

律「それにしても……綺麗だな……ここ」

空は赤くて夕焼けみたいで、周りには蛍のような光が舞っている。

わたしはここがどこかわからないままとりあえず歩き始めた。

555: 2010/10/15(金) 00:37:21.90 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──

???

──────────
澪「どこだろ…ここ」

気づけば川原の様な所で素足を水に晒していた。

澪「でも……綺麗なとこ」

こんな世界があったんだ……知らなかった。


律「お~い、澪」

澪「律。律も来てたんだな」

律「ああ、いつの間にかな」

澪「私も。綺麗だよな…ここ」

律「ああ。凄い綺麗だ」

澪「他のみんなも来てるのかな?」

律「かもな」

「りっちゃん~澪ちゃ~ん」

558: 2010/10/15(金) 00:39:40.47 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──

???

──────────
紬「ここは……」

気づいたら田んぼの真ん中で大の字になって眠っていたようだ。

紬「いい風……」

まるで撫でるような……。

ゆっくりと体を起き上げると、そこには何だか懐かしい顔が見えた。

紬「りっちゃん~澪ちゃ~ん」

563: 2010/10/15(金) 00:43:00.28 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──

???

──────────
うーん…。

梓「純……」

ゴツ。

梓「あいたっ」

梓「なんでこんな所に岩が……って……ここどこ?」

梓「純~? どこ~?」

何だか頭がモヤモヤする。私何でここにいるんだっけ……。

梓「忘れちゃった」

胸がいっぱいになるくらい大きく息を吸い込んでみる。

梓「気持ちいい……」

今までこんな気持ち、感じたことなかった。

「お~い梓~」

568: 2010/10/15(金) 00:49:11.19 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──

???

──────────
律「他のやつらは…いないみたいだな」

紬「そうね~。来るのが遅れてるのかも」

澪「待ってたらきっと来るさ」

梓「ですね」

律「綺麗だよな…ここ」

澪「ああ……」
紬「ええ…」
梓「はい…」

梓「まだ覚えてる内に謝っときます。律先輩」

律「いいよ。気にしてないから」
澪「大人げないよな律は」
紬「ね~」
律「ほっとけいっ!」

梓「もう一回、聞いてもいいですか? 澪先輩もムギ先輩も答えてください」

律「ん?」澪「ああ」紬「どうしたの? 梓ちゃん」

570: 2010/10/15(金) 00:52:51.04 ID:BPpZnIIJO
梓「本当に大切なもの同士どうしても比べなきゃならない時……皆さんならどうしますか?」

律「そんなもん決まってるだろ。なあ?」

澪「ああ」

紬「ええ」


全員一緒に、答えた。

律「どっちも助ける」
澪「どっちも助けてみせるよ」
紬「どっちも助けなきゃね」
梓「どっちも助けます!」

そう、例えそれで自分の命がなくなったとしても。

次に……そんな機会があれば。

私達は必ずそうするだろう。

572: 2010/10/15(金) 00:55:15.75 ID:BPpZnIIJO
??? ???
PM──:──:──


???

──────────

犬屍人「……アガア……」

犬屍人「ウギャウ……」

頭脳屍人「ブルウウウウ……」

羽根屍人「ウキャキャキャ……」




屍人END

588: 2010/10/15(金) 01:03:31.45 ID:BPpZnIIJO
最初に言ったはずだけどな……三日はかかると!!!

とりあえず二番目に書きたかった屍人END書けて良かった。
ネタバレにならない程度で種明かし。
もし一人でも氏んだらこのENDにするつもりだった。
本当は律があそこで澪と合流して純達より長生きする予定だった。
唯、憂は変更なし。
ムギはあそこで追跡者を倒しても……。
梓、純は本当は一番早く氏ぬ予定だったけど律が思わぬ速度でポックリ行った為に代役。

正直これで良かった。これで話が全部繋がる……けど長くなる

590: 2010/10/15(金) 01:06:03.91 ID:BPpZnIIJO
ゲームに沿ったSIRENなのでループ? します
ここから伏線回収、出てこなかった人達が出てきたりもします。

でも腕が痛いのでちょっと休憩させてください

609: 2010/10/15(金) 01:33:30.95 ID:BPpZnIIJO
>>605が真実過ぎる……

641: 2010/10/15(金) 02:30:15.95 ID:BPpZnIIJO
ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ─────

646: 2010/10/15(金) 02:39:15.72 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘高校 地下室
AM00:00:01

???

終了条件1 宇理炎の入手
──────────
相変わらずうるさい音。
八尾の血筋をようやく見つけて生け贄にあげたもののさすがに遠すぎたかしら。
おかげでこの街はめちゃくちゃ……けどまあ仕方ないわね。
目的を達成する為には手段を選ばない…。

そう決めた…あの日から。

「急ぎましょう……時間がないわ」

宇理炎を使って……堕辰子を頃す。

それが私のただ一つの目標……。

650: 2010/10/15(金) 02:47:22.18 ID:BPpZnIIJO
───

「あるとすれば……ここ以外あり得ないわよね」

封印の四つに面した丁度真ん中に当たるこの祭壇……。

「あちら側と繋がってるとすれば……」

カチャリ

「!」

斎藤「そう、そう言うことだよなぁやっぱり」

「あなたは…?」

斎藤「おっと手は上げたまま、お話しようぜお嬢さん」

「あら、嬉しいわね。そんな若く見えるかしら」

相手は猟銃持ちだ、敵うわけがない。ここは大人しく従うことにする。

斎藤「ああ、十分にな。で? 宇理炎をどうするつもりだ?」

「……あなた本当に何者?」

651: 2010/10/15(金) 02:52:21.77 ID:BPpZnIIJO
斎藤「俺は斎藤。琴吹家の執事だ」

「ああ、ムギちゃんの」

斎藤「知ってるのか?」

「ええ。担任だから」

斎藤「担任…? あ、あ~……どっかで見たことあるような」

「口説いてるつもり?」

斎藤「ははっ、残念。先約があるもんで」

「そう、それは残念ね」

斎藤「さあて答えな。宇理炎をどうするつもりだ?」

「ええ、答えるわ……その前にそっちを向いていいかしら? 」

斎藤「ああ、ゆっくりな」

「ふふ、ありがとっ!!!」

シューーーー

斎藤「ぐえっくそっなんだこりゃっ」
「乙女のたしなみよ。じゃあね、ボーヤ」
斎藤「待てよ!!! まだ聞きたいことが山ほど……」

653: 2010/10/15(金) 02:57:45.32 ID:BPpZnIIJO
斎藤「クソッ! あの女……」

何か知ってやがるな……。

斎藤「あ……?」

祭壇の奥にキラキラと青白く光っている。
土足のまま上がり込むとその光の正体と対面した。

斎藤「宇理炎……。あの女持っていかなかったのか? しかしまあ……俺が持ってても仕方ないけどな」

とりあえずそれをしまいこみ、さて、と一息つく。

斎藤「お嬢を探さねーと。しっかしここどこだよ全くよー……」

うんざりする気持ちを抑えつつ、猟銃を肩に掛けながら歩き始めた。

654: 2010/10/15(金) 02:59:36.47 ID:BPpZnIIJO
「行ったみたいね」

一つはあっちに持たせといた方が都合がいいかもしれないわね。

「さて、もう一つを探すとしましょうか」



さわ子「舞台が整う前にね……」


終了条件未達成

656: 2010/10/15(金) 03:14:38.18 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘高校/保健室
第二日
AM6:00:05

平沢唯

終了条件1 学校からの脱出
終了条件2 校長像の破壊
──────────
唯「ん…ここは?」

気づくと見慣れないベッドに横たわっていた。消毒液の香りが鼻を少し刺激する。
白いカーテンで仕切られているのを見て、最初は病院かと思ったけど…次第と頭にある思いが蘇る。

唯「憂……!」

そうだ…私は憂に刺されて…。

唯「あれ? 何ともない」

お腹や胸の辺りを確認してもナイフで刺されたような後はなかった。

唯「それにしても……成長してない…」ガーン

657: 2010/10/15(金) 03:17:50.35 ID:BPpZnIIJO
色々と迷ったけど記憶は若干持ち越しで行きます
じゃないと無限ルー(ry

660: 2010/10/15(金) 03:23:21.78 ID:BPpZnIIJO
唯「憂は……」

──【ギャッギャッギャ】──


──【ッラハギッ】──

──【ビュルルルルルルルル】──

──【バササササササ】──

唯「何か増えてる……というか進化してるよ! 空飛んでるのいたよ!?」

と言ったところで誰も突っ込んではくれないので私はやるべきことをやるべく立ち上がる。

唯「知ってる……私。何をしたらいいのか」

何で? それはまたまたわかんない。けど…。
多分それは間違ってない。それは憂やみんなを助けることに繋がる…!

662: 2010/10/15(金) 03:26:34.15 ID:BPpZnIIJO
武器がないと。もう逃げてばっかりじゃいられない。
机の上にあるので武器になりそうなものは……

1 ハサミ
2 カッターナイフ
3 ロケット鉛筆

>>663

665: 2010/10/15(金) 03:34:44.01 ID:BPpZnIIJO
唯「カッターナイフが一番威力ありそうだよね」ムンズッ

カリ、カリ、と刃を出すと……右腕の傷が痛みだす……って。

唯「あれ? このハンカチ……憂の」

右腕に巻かれてたのは見間違おうものがない憂のお気に入りの白いハンカチだった。

唯「憂……。待っててね。お姉ちゃんがきっと助けてあげるから!」

カッターナイフを握りしめ、保健室を後にする。

遠慮はしない。だってあれはもう人間じゃないんだから。

唯「でも何でカッターナイフ持たなくなったんだろう…」

667: 2010/10/15(金) 03:47:57.79 ID:BPpZnIIJO
「…………」

唯「ん?」

何だろう、これ。

「キョッキョッ…………」

四つん這いになった何かがいきなり飛び掛かってきた!!!

唯「わぁッー!!」

尻餅回避で難を逃れるもその四つん這いの生き物は素早く方向転換し、またこっちに狙いを定めてくる。

唯「なに……これ」

澪ちゃんが見たら魂が飛んで行きそうな程の造型だった。
頭に触覚の様なものが二本生えており、それが益々不気味さを醸し出している。

「ッラハギッ!!!」

唯「このっ!!!」

負けじと反撃! カッターナイフを相手の眉間辺りに突き立てる!というか勝手に突き刺さりに来た!

669: 2010/10/15(金) 03:55:20.74 ID:BPpZnIIJO
「ギイイイイイイイ」

唯「やった…?」

「フクラハギッ!」

そう言った後、体をダンゴムシの様に丸めて大人しくなった。

唯「何か面白い鳴き声…」

急がないと、復活したら厄介だ。

唯「復活…」

そう、私は知っている。
屍人は氏なない。

唯「……」

今はこの感覚に身を委ねることにする。


「ギャッギャッギャ……」

唯「ひいいいいいいいいいいいいいい」

エクソシストの様にブリッジしたままカサカサとこっちに走ってくる。澪ちゃんがとても心配です……。

676: 2010/10/15(金) 04:07:05.37 ID:BPpZnIIJO
唯「上手く巻けたみたい……」

高さは十分、多分これぐらいから落とせば壊れる筈…。

窓を開け、校長先生の銅像の位置を確認する。

唯「う~んこれぐらいかな」

風は無風、天気は曇り空。

唯「角度よーし、んじゃ投下」

パンッ───
パンッ──

唯「わっ、わわっ。何!?」

慌ててしゃがむと視界ジャックを開始。
一つだけ真っ赤な画面の映像が浮かび上がる。

唯「これ…私がいるところ……」

さっきのは飛んでる奴が撃って来たんだ。
油断してた……。

唯「どうにかして倒さないと……けどあっちは銃持ってるし…」

682: 2010/10/15(金) 04:14:03.88 ID:BPpZnIIJO
1 弾切れまで粘って近づいて来たところをほうきで叩き落としてやるぅ!

2 黒板消しとか投げれそうなものをポイポイ投げたら追い返せるかも!?

3 隙を見て、机を校長先生の銅像に落とす

4 ブレインを倒しに行く

>>683

683: 2010/10/15(金) 04:14:45.89 ID:uDTVxLH80
4

689: 2010/10/15(金) 04:24:21.13 ID:BPpZnIIJO
パンッ──

唯「飛べるからって好き勝手やってさ!」

視界ジャックで相手の位置をこまめに確認する。

──【ビュルルルルルルルル】──

唯「あれ…? この屍人だけ全く動いてない……」

何でだろ。

もしかしたらもしかするかもしれない。
言わばボス的のようなもの…!

唯「動かざること山の如しだね!」

大将は動かないのが常。
わたしは静かに教室を出て、ボス(ブレイン)を倒しに向かった。

691: 2010/10/15(金) 04:34:45.89 ID:BPpZnIIJO
それはすぐに見つかった。
一階の調理室の片隅で何かが蠢いている。
何でこんな簡単に見つかったかと言うと視界ジャックをした時、その人に赤い十字の様な光がしばらくつくのだ。
これにより大体の位置を特定出来る。

唯「それにしても……」

「ビュルルルルルルルル」

唯「まさか……あれに入ってるのかな?」

鍋の蓋が小刻みに上下しているのを見る限り、間違いないだろう……。

唯「何か気持ち悪いのばっかりになったよね…」

誰に言うでもなくそんなことを呟いてしまう。

唯「……よしっ」

意を決して近づく。

唯「クッキング開始だよ!!!」

「!?」

692: 2010/10/15(金) 04:40:23.72 ID:BPpZnIIJO
蛙の卵のような緑色のうねうねの集合体が入った鍋の下にあるガスコンロを一気に強火で点火。

「!!???」

唯「吹きこぼさないように上から強く蓋をしめましょう…!」

鍋の中はどんどん高温になって行き────

「ビュルアアアアアアアアアアアアア」

断末魔かもわからない声が調理室に木霊する。

グツグツグツグツ

唯「美味しくなーれ。美味しくなーれ」

「ピュガ……ガ……」

「」チーン

グツグツグツグツ……

694: 2010/10/15(金) 04:45:01.09 ID:BPpZnIIJO
──【「グギャアアアアアア」】──

──【「フクラハギッ」】──

──【「ウオウエエエアアアアアアアアア」】ドサッ──


唯「はっ!」

唯「やっぱりそうだったんだ。多分だけどこの気持ち悪いのがあの気持ち悪いやつの親玉でこいつを倒すと他のやつも倒れる……!」

そう、つまり頭脳屍人!

唯「それにしても……酷い臭い」

グツグツグツグツ……

火を止めてさっさとあの教室に戻ろう。鍋の中身は…見たら気絶しそうだからやめとこう。

697: 2010/10/15(金) 04:50:12.55 ID:BPpZnIIJO
──

唯「よーしあの羽根もいないぞ!」

唯「改めて! 角度よーし! 風よーし! 投下!!!」

三階から銅像目掛けて机を放り投げる。

ガツーーーーン

ボロ……

机は見事に校長先生の銅像にヒットし、その首をもぎ取った。
校長先生ごめんなさい!

すると……ふっと現れた光の塊が一気に天目掛けて飛んで行った。
そこだけ雲は晴れ、光が差し込んでいる。

唯「まず…一つ」


終了条件達成

769: 2010/10/15(金) 17:54:25.53 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘 大手スーパー 内部本屋
AM6:30:33

田井中律
──────────
律「ん…あれ」

律「ここって……」

わたしが一番最初にいたスーパーじゃん。

律「戻って来た…?」

辺りを見渡しても澪達はいなかった。どうやらここにいるのはわたしだけのようだ。

律「夢…か?」

そう思うのが自然だろう。けど…どうせ夢ならここじゃなくて自分のベッドで目覚めたかったな。
律「……」

片目を閉じ、意識を集中する。

──【ブゥリゥ…】──
──【ッハッヒャア】──

律「ちっ…やっぱり夢とはいかないか」

終了条件1 スーパーからの脱出
終了条件2 頭脳屍人を倒す

772: 2010/10/15(金) 17:58:53.75 ID:BPpZnIIJO
まずはスポーツコーナーで武器になるものを探そう。

律「夢だとしても……次こそはみんなを守る」

その為の力を。

1 木製バット
2 金属バット
3 テニスラケット
4 卓球のラケット
5 ピン球(卓球の玉)

>>774

774: 2010/10/15(金) 17:59:36.44 ID:gDC/5AqB0
2

775: 2010/10/15(金) 18:05:54.72 ID:BPpZnIIJO
律「やっぱりこの中で一番威力がありそうなのはこれか…」

金属バットを迷わず引っこ抜き、大きく振りかぶってみる。

ブンッ

律「うん、いけそう」

野球小僧みたいにそれを肩に担いで駆け出す。
片目を閉じる。

律「こいつらを操っている頭を潰す……」

それが早いってわたしが言っている。
わたしって誰だって? さあ……?

律「いた……」

──【サカナァ……】──

律「あいつがブレインだったのか……」

場所を確認しつつわたしはエレベーターのボタンを押した。

782: 2010/10/15(金) 18:12:41.14 ID:BPpZnIIJO
それと同時に階段で下に駆け降り、様子を見る。

律「なんじゃありゃ……」

四つん這いになった犬のような化け物がエレベーターの前で何かやっている。

律「……あれが成れの果てってわけか」

もしかしたら……私達も……、いや、考えるのはやめよう。

エレベーターの中に入って行く犬の化け物を見た後、

律「上に参りま~す☆きゃはっ」

扉を閉めてやり上のボタンを連打してやった。

律「なんかデジャブ…」

やっぱり夢じゃなかったのかな…あれ。

783: 2010/10/15(金) 18:19:30.49 ID:BPpZnIIJO
律「ってことは……」

──【ブゥリュリュ】──

律「なんか視界が逆さまになってるけど……こいつに見つかったんだっけ」

しゃがみながらその屍人の近くまで行ってみる。

律「うっ」

今度は蜘蛛かよ……。化け物ってレベルじゃないだろこれ。
澪が心配だ……。

律「さてと……」

服がいくつもかかっている銀の掛け棒? みたいなのをしゃがみながら押す。わたしはその服に隠れながら、ゆっくり、ゆっくり、と近づく。

蜘蛛屍人「?」

ピタッ

蜘蛛屍人「……」

ソローリソローリ……

蜘蛛屍人「?」

律「ハァイ」

出っ張ってるメタボ気味なお腹を思いきり金属バットで殴り付けてやった。

784: 2010/10/15(金) 18:26:18.95 ID:BPpZnIIJO
律「よし。後はいるのはいるけどブレインまでの道筋にはいないな」

それでも警戒を怠らず鮮魚コーナーを目指す。
お菓子や野菜に目移りしながら鮮魚コーナーへ。
すると魚をもったまま魚の入ってない緑色のドロドロな水槽を眺めている……魚がいた。
というか頭が魚だ。

律「魚が好きすぎて魚になっちゃったのか……」

体は人型だから魚人? とりあえずあれがブレインってことは間違いないらしい。

律「ゆっくり……バレないように……」

頭脳屍人「ギョ!!」

律「あっ」

785: 2010/10/15(金) 18:30:56.16 ID:BPpZnIIJO
頭脳屍人「ギョギョギョ!!!!!」

律「おいコラ逃げんな!」

頭脳屍人「ギョギョギョ!!!!!」

律「待てーーー!!!」

魚頭の怪物を追い回すわたしって一体……。


「ウア!」「ッラハギッ!」「フォッフォッ」

追いかけて走り回っている間に他のやつらに見つかりまくりだよ……ったく。

律「どうするか…」

1 あくまでもあの魚頭を叩き潰す
2 みんなまとめてかかってこい!!!
3 ブレインを放置してスーパーを脱出する

>>787

787: 2010/10/15(金) 18:33:45.61 ID:ctSH37Wr0

791: 2010/10/15(金) 18:36:51.64 ID:BPpZnIIJO
>>790
大体そうだけど未達成でも物語は進む。
ただ結末は変わる。

793: 2010/10/15(金) 18:39:32.64 ID:BPpZnIIJO
律「クソッ! さすがにこれ以上囲まれたらまずい! 迂回してスーパーから出よう!」

陳列棚を縫うように進み何とか出入口から脱出。

律「あの魚め! 覚えとけよ!!!」


終了条件未達成

794: 2010/10/15(金) 18:40:41.36 ID:BPpZnIIJO
律「クソッ! さすがにこれ以上囲まれたらまずい! 迂回してスーパーから出よう!」

陳列棚を縫うように進み何とか出入口から脱出。

律「あの魚め! 覚えとけよ!!!」


終了条件1 達成

797: 2010/10/15(金) 18:49:34.53 ID:BPpZnIIJO
交番
「ウヒャッヒャッヒャッヒャ」

飛び込むと同時に思いきり体を捻り込み、両腕にありったけの力を込める──

律「よぉ」

「ウヒャ!?」

ゴスゥンッ──

バットを思いきり後頭部から叩き込む。その勢いで机に顔がめり込み出来損ないのコント番組みたいな様になった。

律「なんか頭に羽根生えてら」

知ったこっちゃないけど。

ジリリリ……ジリリリ……
律「…………」

ガチャン

律「悪いな、射殺される前に撲頃したよ」

「もしもし!? その声もしかして律!?」
律「えっ……もしかしてその声……」

「ウヒャッヒャッヒャッヒャ」
律「ちっ、追ってきたか!」

798: 2010/10/15(金) 18:54:51.37 ID:BPpZnIIJO
パァンッ───

律「ッ~。銃持ってるやつもいんのかよ! やっぱりあの魚潰しとくんだったな…」

「もしもし!? どうなってるの!? 無事なの!?」

律「悪い、話してる場合じゃないみたいだ」
「律!!!」

律「じゃあな、和」

電話を切ると警察官から素早く拳銃を抜き取り不慣れな手つきで構える。

律「氏地ってやつか……」

律「上等!!!」

生き残るんだ……!!!
わたしは!!!
──────────

802: 2010/10/15(金) 19:04:57.62 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘 琴吹邸
AM7:00:00

琴吹紬

終了条件1 琴吹邸からの脱出
終了条件2 斎藤を倒す
──────────
紬「ん…」
……またここ。

紬「せっかくいい夢見てたのに」
夢……なのかしら?

紬「……うっ」

自室の扉を出ようとする、

紬「すると斎藤がエントランスの二階から銃を構えていて、私はここから脱出した」

その映像が、さっき見えた内容。

紬「何なのかしら……これ」

益々わけがわからない……。
紬「……どうしよう」
1 素直にここから脱出する。
2 斎藤を倒す為に動く

>>803

804: 2010/10/15(金) 19:11:50.71 ID:BPpZnIIJO
紬「……斎藤を倒しましょう」

最後の記憶……私を頃したのは……間違いなく斎藤だった。
それに唯ちゃんも……よくわからないけどあれは夢じゃない。
今私がなんでまたここにいるのかわからないけど……またあの未来に行くわけにはいかない。

紬「その為に……封印を解く。あれと戦うために」

あれ? それは……なに?

紬「……わからないことが多すぎるわ」

それでも前に進むしかない。

どうあがいても絶望だとしても

807: 2010/10/15(金) 19:21:59.31 ID:BPpZnIIJO
視界ジャック、

──【紬お嬢様……早く出てきてクダサイヨ】──

紬「斎藤…」

このまま出れば間違いなく撃たれる。そこで誘導することにする。

紬「携帯は駄目でも…内線は生きてるはず」

自分の部屋に設置されている電話で内線を押し、お父様の書斎にかける。書斎はエントランス二階の側にあるので斎藤まで聴こえる筈。

prrrrr prrrrr

視界ジャックで確認。

──【ウウ!?】──

電話に気づいたのか一目散で書斎に入って行く。
どうやら屍人は音に鋭く反応するみたいだ。目からは血を流してるだけあって視力は悪いのかも。
その間に自室を出るて、キッチンに向かう。

809: 2010/10/15(金) 19:29:26.86 ID:BPpZnIIJO
紬「武器がいるわ…」

斎藤を倒せる武器…。武器庫に行けば拳銃も手に入るのだろうけど…。
他にも屍人がいるかもしれないし…危険かもしれないわね。
慎重に考えないと。

1 出刃包丁
2 果物ナイフ
3 危険を承知で武器庫へ
4 フライパン

>>811

811: 2010/10/15(金) 19:30:29.40 ID:ghvNWbaN0
4

824: 2010/10/15(金) 20:01:59.04 ID:BPpZnIIJO
紬「フライパンにしましょう!」

琴吹家のフライパンは炒めものに煮物、パンだって焼けちゃうんだから!

紬「銃弾だってへっちゃらよ」

フライパンを持ってキッチンから出る。

斎藤は……

──【琴吹家は……オワリダ……】──

書斎でまだ何かやってるみたい。後ろから殴りかかれば……。

階段を上がり、ゆっくりと書斎に近づく。
都合よく書斎の扉は開いたままだ。
開けたら閉める、それが基本。
いくら化け物になったって言ってもこれぐらいが出来ないなんて、琴吹家執事失格よ、斎藤。
肉眼で斎藤の後ろ姿を捉えた。

826: 2010/10/15(金) 20:10:07.26 ID:BPpZnIIJO
今だっ!
紬「ええいっ」

パコン

斎藤「うぐぅ」
怯んだ! もう一撃!
紬「このっ!」
パコン
斎藤「があ……」
紬「これでとどめよ!」

バァン───

紬「あっ……っ……」
脇腹の肉が吹き飛ぶ、
紬「負け…………な…………」
カチャリ……
フライパンで……防御……。

バァン──

紬「ぐぶっ……」

銃弾はフライパンを突き抜けて紬の頭に突き刺さる。
血が吹き出し、天を仰ぐように仰向けで倒れ込んだ。
斎藤「お嬢様……くひゃひゃひゃ……こっちはいいでしょお?」

終了条件未達成

832: 2010/10/15(金) 20:20:33.71 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘 澪宅
AM9:44:44

秋山澪

───────────

澪「律……もう…ダメだぞ。みんな見てるんだから…」ムニャムニャ

澪「そんなことないよ……律の髪も綺麗だよ」ムニャムニャ

澪「カチューシャつけた律も好きだけど……外した律も……好き」ムニャムニャ

澪「はっ!!! 私何を言って……」

澪「ここどこ…? 律? ムギー! 梓~」

…………

澪「夢……だったのかな」

目を瞑る。

──【ミオチャアン……】──

澪「ひいいいいっ! 夢じゃないいいっ」

終了条件1 秋山家からの脱出
終了条件2 梓を倒す

838: 2010/10/15(金) 20:26:18.86 ID:BPpZnIIJO
澪「と、とにかくここから出ないと」

どこまでが夢でどこまでがあったことかわからないけど……。

澪「行こう、守られるんじゃなくて守るんだ!」

大切なものを!

この決意はちょっとやそっとのことじゃ揺らがない!!!


トス……トス……トス……

澪「(マ、ママだ!!! もう上がってきた!!! 早く隠れないと!!!)」

どこに隠れよう…?

1 クローゼット
2 ベッドの下
3 屋根裏
4 迎え撃つ
5 寝たフリ

>>840

840: 2010/10/15(金) 20:28:01.75 ID:M1207+8R0

851: 2010/10/15(金) 20:32:29.95 ID:BPpZnIIJO
澪「よ、よし! クローゼットに隠れよう!」

ベッドの下は前隠れたしな。

そそくさと服をかき分け中に潜り込む。

澪「……」ドキドキ

キィィィ……

澪ママ「ミオチャアン……」

澪「」ポカーン

ママが……唇お化けに…………。

澪『あはははは~』
澪「」

魂が抜けていく…………

澪ママ「ミオチャアン……オトモダチキテルワヨー」

857: 2010/10/15(金) 20:38:43.01 ID:BPpZnIIJO
澪ママ「ミオチャアン~ドコニイルノ~?」

澪「」

澪ママ「カクレンボカシラー?」

澪「」

澪ママ「ウフフ……カクレテモムダヨー」

ゴオオオオッ

ベッドを叩き折る。

澪ママ「オカシイワネ~イルトオモッタノニ」

掛布団の下に枕が噛んでいて膨らみ、それを澪だと思い込んでいたようだ。

澪ママ「ミオチャンどこイッタノカシラ……オトモダチがキテルノニ」

いないと思ったのかそのまま唇の化け物は澪の部屋を出ていく。一方澪は、

澪「」チーン

まだクローゼットの中で気絶していた。

869: 2010/10/15(金) 20:46:06.59 ID:BPpZnIIJO
澪「……ここは?」

真っ暗だ。私は何をしてたんだろう。

澪「クローゼットの中に入って寝るなんて余程疲れてたんだなぁ。律に笑われちゃうよ。顔洗いに行こっと」

ママにもおはようの挨拶しなきゃ。

部屋を出て、階段を降りる。
緩やかなカーブを描きながら下りリビングに出る。

澪「」

唇のお化けが羽根が生えたお化けと一緒にテレビを見ている。

あれ? 寝ぼけてるのかな?

澪「」ゴシゴシ

澪「」

…………。階段を上り、クローゼットに戻ると閉め、私はまた気絶した。

878: 2010/10/15(金) 20:53:08.78 ID:BPpZnIIJO
澪「あれ……ここは?」

暗いな……って何回もやったよ!

澪「げ、げ、げ、現実を受け止めなきゃ……」ガクブル

澪「うう……うっ……」

駄目だ……怖すぎる。こんなの私じゃなくても卒倒するよ!

澪「このままここに引きこもろうかな…」

澪「そうだ! イルクーツクに行こう!」

澪「律と一緒に行くんだ! 楽しいだろうな~」

澪「イルクーツクって海とかあるのかな? わかんないや。けどあるならまたみんなで泳ぎたいな~」

澪「最近エリザベス触ってないな…」

1 エリザベスを弾く
2 そんなことをしてる場合じゃない

>>880

880: 2010/10/15(金) 20:54:51.30 ID:ctSH37Wr0

885: 2010/10/15(金) 21:00:37.29 ID:BPpZnIIJO
澪「そんなことしてる場合じゃない!」

みんなと約束しただろう……あの光る世界で。大切なものを守る為って!

澪「今この世界で生きてる人を私が救うんだ…!」

まずはみんなと合流しよう。学校に行けば誰かいるかも。
先に律の家かな? とりあえずここを脱出しないと!

澪「あの唇お化けと羽根お化けを倒すんだ……!」

武器になるようなもの……。

1 ギターケース
2 エリザベス
3 MDコンポ
4 椅子
5 ふでペーンFUFU
6 私の甘い歌詞で卒倒させてやる!

>>886

886: 2010/10/15(金) 21:02:00.89 ID:GhwFH4EIO
6

902: 2010/10/15(金) 21:12:24.12 ID:BPpZnIIJO
澪「私の歌詞で卒倒させてやる!!!」

勢いよく階段を駆け降りる!

ガタンッ

澪ママ「」
羽根屍人「」

音に反応して階段の方を振り向く二匹。

澪「屍人。こっちにおいでと呼びかける。綺麗な世界があるからと」

澪「でも中々聞いてくれない…。おめめからちょっぴり赤い涙」

澪ママ「」
羽根屍人「」

澪「唇が大きくなったり、羽根が生えたり、みんな違うよ愉快だよ」

澪「パタパタパタパタ、私も大空を飛んでみたいなどこまでも」

澪ママ「」
羽根屍人「」

澪「(即興にしては良くできたな!)」えへんっ

912: 2010/10/15(金) 21:25:01.39 ID:BPpZnIIJO
澪ママ「こっちにオイデエエエエエエエエエエエエエ」

羽根屍人「ププ……」
澪「駄目だったみたい」

バササササササ

羽根がついた屍人が私の肩を掴む。

澪「えっ……あっ」

澪ママ「遊びにイクノ? 気をツケテネ」

ママが裏口を開け、そのまま裏口から外へ。
羽根屍人「ププ……」
どんどん……どんどん地上から遠ざかって行く。

澪の「高い……」

ここから落ちたら……。見上げる、私を掴みあげてるものの顔を見てみる……と、それは。
梓「ミーオ先輩」

澪「あ、梓……?」

その瞬間手を離され、私は一瞬だけ空の旅を満喫した。

ドシャッ──

終了条件未達成

926: 2010/10/15(金) 21:41:42.88 ID:BPpZnIIJO
桜ヶ丘 大手スーパー交番前
第二日
AM7:00:00

───────────

律「1.2.3.4.5……あ~やめたっ!!!」

敵の数を数えていたが多すぎて嫌になる。

交番に立てこもりながら銃で応戦するも上手く狙いが定まらず、当たらないことの方が多い。
それも当たり前だ、どこの世界に銃を撃つのが上手い女子高生がいると言うんだ。

パァンッ──
パァンッ──

律「ひっ」

交番の壁がすり減る。

律「……どうする、一か八か突撃するか…」

どうするっ…!

930: 2010/10/15(金) 21:46:36.60 ID:BPpZnIIJO
1 一か八か突っ込む
2 きっと誰かが……誰かが助けに来てくれるはず! それを信じて待つ!

>>932

932: 2010/10/15(金) 21:47:52.55 ID:ghvNWbaN0
2

938: 2010/10/15(金) 21:55:56.00 ID:BPpZnIIJO
律「きっと誰かが……誰かが助けに来てくれる……」

でも……誰が?

律「くっ……」

こんな場所に?

律「それでもぉ……」

来てくれるわけないじゃん。
わたしが誰かを助けても、みんなはわたしを助けてくれない。そんなこともわかんないのかよ?

律「違うっ…! 違うっ…! きっと来てくれる!!!」
約束したんだ…!
わたしは仲間を信じる!
わたしは、思いきり仲間の名前を叫んだ。

1 澪
2 唯
3 ムギ
4 梓
5 和
6 憂ちゃん
7 純ちゃん
8 さわちゃん
9 トンちゃん

>>941

941: 2010/10/15(金) 21:57:38.68 ID:/45q+bN/O
2

943: 2010/10/15(金) 22:04:47.18 ID:BPpZnIIJO
律「唯ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」


交番に木霊する声、それに…………。


唯「りっちゃん!!!!!!!」


答えてくれた!!!

外だ!!!

律「唯!!!」

パァンッ──

律「っと!」

どうやら狙われてるらしい。
すぐさま交番内に戻り唯の視界をジャック。

そこから見えるのは屍人の大群。恐らく唯は物陰からこっちを見ているのだろう。

律「唯!!!」

唯「りっちゃん!? 無事だったんだね!」

律「なんとかな!」

950: 2010/10/15(金) 22:14:00.91 ID:BPpZnIIJO
律「話は後だ!!! そっちで何とか銃を持ってる屍人を何とか出来ないか!?」

唯「わかった!!! やってみるよ!!!」

頼もしい唯の声。ここに来てから唯に会うのは初めてなのに自然と意志疎通出来た。
それにしても懐かしい気がする……、最後に会ったのは多分昨日?のことなのに……。


唯「こっちだよ!!!」

手を振って屍人達に陽動をかけているようだ。その声に釣られ屍人の何人かが唯に向かって行く。

律「あっ……逆に唯が危ないんじゃ!」

と思ったが唯は上手く曲がり角を利用して屍人達を巻いていく。

律「頼りになるぜ唯!」

それしても知ってる人の目線を盗み見るって……何か照れるな。ドキドキするっていうか、あっ~もうっなんでもないっ!

953: 2010/10/15(金) 22:23:53.12 ID:BPpZnIIJO
律「この数なら!」

交番を一気に飛び出す。

「ウアアアアアアアアア」

律「そいやっ!」

金属バットで首をへし折る。

「ギュルルルルルルルル」

律「この近さなら外れる方が珍しい!!!」

パァンッ──

「ギイイイイイイヤアアアアアア」

律「いける……!」

けど相手にしてる時間が惜しい。銃を持った屍人が唯を追ってったんだ、のんびりしてたら唯が危ない!

片目で唯の視界をジャックしながらその後を追った。


終了条件1 唯を救出する

957: 2010/10/15(金) 22:36:31.49 ID:BPpZnIIJO
唯「大体撒いたみたいだけど……」

──【ひっひっひ……マテェ……】──

唯「一人ついて来てる……、銃を持ったやつが」

そして行き止まり……、隠れられそうな場所は一つだけ……。武器はカッターナイフ……。

どうしよっか。

1 真っ向勝負! 倒してやる!
2 嫌だけどゴミ箱に隠れよう

>>958

958: 2010/10/15(金) 22:37:03.58 ID:ghvNWbaN0
2

961: 2010/10/15(金) 22:52:47.57 ID:BPpZnIIJO
「ひっひっひ……どこだぁぁぁぁ?」

裏路地の行き止まりの場所で銃を持った屍人がウロウロ何かを探している。

「ひ~ひっひっ……どこだぁ~」


律「こっちだよ」

ガンッ

「ごお…………」

バットで殴られ昏倒する屍人。

律「ふぅ、これで大体片付いたな」

片目を閉じ視界ジャック。

律「(ふふ)」

青いポリバケツの蓋をゆっくり開く。

律「わぁっ! 屍人だぞ~~~!!!」

唯「きゃ~やめて~た~すけ~て~」

律「ってもっと驚けよつまんな~い」

唯「りっちゃんがわたしの視界をジャックしてるみたいに私も見てたんだよぉ」

965: 2010/10/15(金) 22:58:40.88 ID:BPpZnIIJO
律「/// 唯のえOち!」

唯「ほえ?」

唯に胸を隠すようにして照れて見せる律。

律「わたしのちっちゃい~とか思ってたんだろ! わ~視界にさえ映らないや~って!」

唯「思ってないよぉ~っと」

ポリバケツから出てニコりと律に笑いかける唯。

律「ほんとにぃ!?」

唯「ほんとほんと。りっちゃんこそポリバケツに入って震えてるわたしを見て笑ってたんじゃないの!?」

律「なわけないだろ! …………すっごい心配だった。変わってやりたいぐらい」

唯「えっ……あ、ありがと///」

律「さて、話したいことはお互いにいっぱいあるだろ」

唯「うん、何から話そうか……」

終了条件達成

966: 2010/10/15(金) 23:02:15.50 ID:BPpZnIIJO
カイジ見ながらだったからwwwwww
すまない

風呂いって眠気覚ましてくる

次スレもVIPで同じスレタイに数字なしで頼みます。
多分携帯じゃ立てれない&パソ規制中だから誰か任せた。
更に1にこのスレ貼ってくれると終了条件達成

963: 2010/10/15(金) 22:56:06.22 ID:307BuqxTO
バイハザ1とサイレンはどっちが怖いの?

970: 2010/10/15(金) 23:07:51.10 ID:V3xXbT+0O
>>963
俺はSIRENのが怖いと思うが、
SS版バイオ1の初っ端にガラス突き破って来る犬や
GC版のリサトレヴァーも捨て難い

971: 2010/10/15(金) 23:09:22.98 ID:Y4a59zWO0
バイオもSIRENも怖いとかっていうとかはないなー
怖いなら零とかだな

972: 2010/10/15(金) 23:11:47.97 ID:3dRTAcjhO

引用元: 唯「サイレンが鳴ってる・・・」