1: 2010/10/18(月) 00:01:47.03 ID:qWjAk7mm0
律「いちご連れてきたぞー」
唯「やったあ! 私の勝ちだよ澪ちゃん!」
澪「やっぱりそっちを選んだのか……」
紬「今お菓子出すわね~」
いちご「……ちょっと待って」
2: 2010/10/18(月) 00:02:27.66 ID:qWjAk7mm0
いちご「私、さわ子先生に呼ばれてるって聞いたんだけど」
いちご「どこ?」
澪「……」
律「あれ、そんなこと言ったっけ?」
唯「いちごちゃーんケーキあるよ~」
紬「お茶しましょ~」
いちご「帰る」
律「まあ待て」
5: 2010/10/18(月) 00:04:24.10 ID:qWjAk7mm0
律「どうせな、来ちゃったんだろおい! 楽しんでかなきゃ損だろおーい!」
唯「イエスりっちゃん! ウェルカムいちごちゃん!」
いちご「やめて。私部活あるから」
律「私達だって部活だぜ!」
いちご「これが?」
澪「これからだよ」
いちご「?」
6: 2010/10/18(月) 00:05:52.54 ID:qWjAk7mm0
ガチャ
梓「遅くなってすいません。掃除が長引いてしまって……」
いちご「増えた」
唯「ぁぁあああずうぅにぃやぁぅぉああいおjphにじょzsxdcっfvbっhgんじょみぼぼぼ」
梓「ひゃあああゆいせんぱおおじmlzおぱkfんbfはvsdなjばばばばば」
紬「微笑ましいわー」
いちご「けいおん部の後輩」
律「そう、なかのあずさにゃんだ」
いちご「聞いてない」
10: 2010/10/18(月) 00:08:41.66 ID:qWjAk7mm0
梓「もう、唯先輩ったら……」ハアハア
いちご「……」ジー
梓「……」
梓(何見てんだよ……てか誰)
梓「あ、一年の中野梓です。どうもよろしく……」
梓「パートはギターを担当しています。好きなアーティストは……」
いちご「中野、私を助けなさい」
梓「そりゃできないですね」
11: 2010/10/18(月) 00:10:35.95 ID:qWjAk7mm0
唯「いちごちゃんぎゅー!」
いちご「やめて」
律「写真撮ろうぜ写真!」
紬「もうカメラまわってるわよ」
唯「ほおらぁ、モンブランだよぉ~ 日本語では栗きんとんだよぉ~」
澪「それ、たぶん違うぞ」
いちご「もぐもぐ」
澪「普通に食べてるし……」
律「よろしい、喰いおったぞこやつめ」
12: 2010/10/18(月) 00:13:35.11 ID:qWjAk7mm0
律「それでは本日の放課後ティータイム、インいちごを開始しまーす!」
「意義なし!」「異議なし!」「異議なし!」
いちご「やめて」
澪「おいおい、ちゃんとクラブの活動を忘れるなよ」
梓「先輩、このモンブランおいしいですよ」
いちご「いま食べた」
紬「お味のほうは~」
いちご「意外にクリーミー」
唯「ふむ」
14: 2010/10/18(月) 00:17:36.29 ID:qWjAk7mm0
>>11
二年に変えといて下さい。
梓「ていうか、なんでここにいるんですか――先輩?」
いちご「拉致された」
梓「どんくさいですね。名前は?」
いちご「若王子」
梓「じゃあ若先輩、なんでジャージなんですか?」
いちご「部活の途中だった」
梓「ああ、だから汗臭いんですね。納得しました」
いちご「ちょっと」
15: 2010/10/18(月) 00:20:31.67 ID:qWjAk7mm0
ドンッ
いちご「うあっ」ドサッ
律「今日はさわちゃんがいないから、そこがいちごの席だな」
いちご(痛い……)
いちご「……」
いちご(逃がさないように取り囲んでる……)
いちご(こわい……)
梓「喉が渇きました」ゴクゴク
いちご(私のお茶)
16: 2010/10/18(月) 00:22:31.90 ID:qWjAk7mm0
唯「いちごちゃん、ほらあ~ん」
いちご「もぐもぐ」
紬「お茶もあるのよ~」
いちご「飲まれた」
律「いちご~! ほら、ヒゲッ!」
いちご「つまんない」
澪「遠慮しなくてもいいんだぞ……」
いちご「してない」
梓「どうせだから演奏聞いて行ってください!」
いちご「なにこいつ」
いちご「けいおん部に拉致された……」
17: 2010/10/18(月) 00:24:17.72 ID:qWjAk7mm0
澪「部活は心配しなくてもいいよ。後で話を通しておくから……」
唯「うん、いちごちゃんは一日軽音部員だね!」
いちご「もぐもぐ」
梓「一日じゃすまないかもしれませんけどね!」
律「もう前の部活には参加出来ないかもなー」ケラケラ
紬「うふふ」
いちご「もぐもぐ」
いちご(?)
19: 2010/10/18(月) 00:27:10.23 ID:qWjAk7mm0
いちご「けいおん部って」モグモグ
唯「?」
いちご「おかしいのね」モグモグ
唯「お菓子いよー!」
律「ムギのおかげだな!」
紬「うふふ、楽しんでもらえてよかったわ」
いちご(太りそう……)
澪「なあ、そろそろ……」
21: 2010/10/18(月) 00:29:02.17 ID:qWjAk7mm0
律「あ、いく? いっちゃう?」
澪「じゃあムギ、よろしく」
梓「もぐもぐ」
紬「ふっふっふ……」
紬「実は、いちごちゃんのために用意したお菓子があるの!」
唯「いいなあいちごちゃん!」
いちご「……ありがと?」
25: 2010/10/18(月) 00:31:53.70 ID:qWjAk7mm0
いちご(もう充分食べたのに……)
唯「ねえねえどんなお菓子! お菓子!?」
律「焦るな唯! ここは慎重に隊長の指示を待つんだ!」
紬「そのお菓子とは……」
紬「これよ!」
1.杏仁豆腐 2.ミルフィーユ
3.苺大福 4.苺ラテ
>>30
選択肢によっていちごちゃんの生氏が決まります。
30: 2010/10/18(月) 00:37:31.17 ID:yBvDp6840
3
33: 2010/10/18(月) 00:38:56.29 ID:qWjAk7mm0
>>30『苺大福』
【殺人クラブルート】
34: 2010/10/18(月) 00:41:13.78 ID:qWjAk7mm0
体が硬い。
まるでセメントにでもなったような、冷え冷えとした硬さだ。
足がだるい。こんな日は学校を休み、一日中寝ていたい。
今日の体育は生理だと言って、休んでしまおうか……
いや、たしか先週も同じ理由だった。
肩が痛い。まるで床の上にでも寝ているようだ。
まぶたが重い。私は一体――いつ、布団に入ったのだろう。
昨日はいつ帰宅した――? お風呂は――?
すぐ近くで話し声が聞こえる。
誰かと、誰か。大勢が会話をしている。
いちご(誰――?)
私は、ゆっくりと瞳を開いた。
そこには
まるで覗き込むようにしている、六つの頭があり、
同時に十二の目との視線があった。
35: 2010/10/18(月) 00:43:36.83 ID:qWjAk7mm0
いちご「いやっ!」
情けない叫び声をあげ、私は飛び起きた。
とっさに摺り下がった先に壁はなく、私はベッドから地面へと叩き付けられてしまう。
――痛みのあまり息ができない。照明がまぶしい。
「いちごちゃん、大丈夫?」
混乱する私を誰かが抱え上げ、乱暴に近くの椅子へと腰掛けさせた。
唯「テーブルの上で寝返りうっちゃ駄目だよ」
いちご「…唯……?」
平沢唯。同じクラスのけいおん部の少女だ。
彼女の存在のおかげで、辺りの様子をゆっくりと見渡すことが出来た。
36: 2010/10/18(月) 00:47:11.34 ID:qWjAk7mm0
ここは、けいおん部の部室。
そして先ほどまで私が横たわっていたのはテーブルだ。
田井中律。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
秋山澪さん。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
ことぶきつむぎさん。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
中野あずさ。けいおん部の後輩だ。
こっちを見ている。
知らないけいおん部の後輩がいる。
こっちを見ている。
いちご「な、なに、コレ」
37: 2010/10/18(月) 00:49:13.17 ID:qWjAk7mm0
律「やっと起きたか。いちご」
律が口を開く。
いつも教室で見る様子とは異なり、ただならぬ殺気を感じる。
澪「みんなさ、待ってたんだよ。お前が起きるのを」
秋山さんだ。
こちらもなぜか、とても溌剌として、別人のようだ。
いちご「なに」
いちご「なんの冗談なの」
私が時計を見ると、二十時を過ぎたところだ。部活などとうに終わっている。
既に日は落ち、窓の外は暗い。教室の白熱灯がやけに明るい。
41: 2010/10/18(月) 00:53:48.25 ID:qWjAk7mm0
律「冗談なんかじゃないさ」
しばらくの間をおいて、律は口を開いた。
律「あたしたちはお前に、『復讐』するために集まったんだ」
「復讐……」「復讐だよ」「復讐ね」「復讐です!」「えっと、復讐…?」
部員達が口々に口にする。
復讐……?
復讐だって……?
律はいったい、誰に何を言っているのだろう。
何かの間違い、言い間違いだ。そうに決まっている。
42: 2010/10/18(月) 00:57:07.67 ID:qWjAk7mm0
いちご「私、もう帰る」
いちご「お母さんが心配する」
私は律の目を見て、そう告げてから鞄を探した。
……鞄が無い。
携帯も財布も、全て鞄の中だ。
梓「もしかして、これでも探してるんですか?」
中野がソファーの陰から鞄を取り出し、蹴りよこす。
梓「かえしてあげますよ。中身は棄てましたけど」
43: 2010/10/18(月) 01:00:09.84 ID:qWjAk7mm0
律「相変わらず空気読めねえな梓」
「ここは一旦返さずにおいて焦らせるトコだろうが
梓「あまり無駄口叩かれるとぶっころしますよ」
唯「あずにゃんはそんな汚い言葉つかっちゃ、めっ!」
梓「これでも若い子にしては敬語が上手いって褒められるんですから」
私は落ち着いて先ほどの意味を反芻する。
復讐……彼女たちは復讐するのだ。私に。
連絡手段、逃げ場を断たれた。これから始まることは想像したくもない。
酷く痛い目にあわされるのは明らかだ。逃げ出さないと。
44: 2010/10/18(月) 01:02:13.59 ID:qWjAk7mm0
私が立ち上がろうとすると、後ろから腕を掴まれた
振り向くとけいおん部の後輩の一人がにやにやと笑っている。
いちご「放して。もう帰るから」
律「純、放すんじゃねーぞ」
「とりあえず話しが終わるまではじっとしていてもらいたいからな」
純と呼ばれた後輩が小さく頷き、私の肩を押す。
純「座って下さいよ」
いちご「やだ」
私はなんとか立ち上がろうとした
45: 2010/10/18(月) 01:04:59.13 ID:qWjAk7mm0
律「別に立っててもいいさ。そこは被告席だ」
澪「これは若王子さんの裁判なんだ。復讐のための裁判だ」
唯「私達が判決を下すんだよ! 私達がね!」
皆、真剣な表情で私を見つめている。
思わず走って逃げ出したい衝動に駆られたが、後ろの後輩に
両腕をとられ、身動きができない。
裁判だって……? ばかげている。
そんな思いと同時に、背中を寒いものが駆け抜ける。
紬「判決を申し渡す!」
ことぶきさんが静かに右手をあげた。そして……
46: 2010/10/18(月) 01:08:59.22 ID:qWjAk7mm0
「氏刑!!」
「異議なし!」「意義なし!」「異議なし!」
全員が右手の拳を固めると親指を突き出し、それをぐっと下に下げた。
ジ・エンドだ。
氏――?
氏刑。
私はここで、けいおん部に殺される……?
そんなわけがあるものか。
これは酷い脅しに決まっている。
いちご「もう許して、帰らせて」
51: 2010/10/18(月) 01:12:24.70 ID:qWjAk7mm0
「あ、あの!」
突然背後の後輩の一人が声を上げた。
「わたし、まだ初めてなんで、よくわからないんですけど!」
律「ん? ああ、純ちゃんはまだ仮入部員みたいなもんだもんな」
純と呼ばれた後輩が照れくさそうに頭をかいた。
『鈴木』と書かれたジャージを着ている。
律「まあ、特に決まりは無いけど」
「いちごが逃げるから。見つけて、頃すんだぞ」
「武器、協力、罠、なんでもありだ」
「ただし私から横取りしたら怒っちゃうからな!」
52: 2010/10/18(月) 01:15:22.90 ID:qWjAk7mm0
唯「クラスメイトとするのは初めてだよね、ドキドキするよー」
紬「一応候補は挙がってたのよ。松本さんとか二、三人」
純「佐伯ミカさん……はリストに目立った理由が無いんですけど」
「誰が提案してたんですか?」
澪「ああ、律が頃したがってたんだよ。私怨だな。馬鹿らしい」
律「なにおー!」
目の前で異常な会話が繰り広げられる。
私の頭は、まだこれが現実であるのかどうか、判断を下しかねていた。
紬「若王子さん、なんか聞きたいことある?」
聞きたいこと……? 言いたいことだらけだ。
53: 2010/10/18(月) 01:18:04.76 ID:qWjAk7mm0
いちご「こんなのはもう嫌」
「氏刑とか復讐とか、意味分かんない」
両目から涙がこぼれる。私はただ黙ってけいおん部を見つめた。
律「まーだマジに考えてないわけ? あ?」
紬「まあまあ、ちゃんと説明すればわかってくれるわよ」
ことぶきさんは律にそう告げると、私の方に向き直った。
紬「軽音部はね、別名、【殺人クラブ】って言うの」
55: 2010/10/18(月) 01:20:17.31 ID:qWjAk7mm0
澪「桜高の中の選ばれた殺人集団、エリートなんだ」
紬「軽音部は仮の姿ってわけね。うふふ」
律「毎月、学校生活の邪魔になるやつをぶっ頃してきたんだぞー」
紬「行方不明として扱われているわね」
梓「毎年、新しい人材を確保するのに必氏です」
紬「今年の一年は手強そうね。草食系ばっかりで」
唯「りっちゃんがアルバム見て復活させたんだー」
紬「もともとはさわ子先生の時代からあったらしいのよ。詳しくは知らないけど」
――殺人クラブ、だって。
にわかには、いや、こんな話だれだって信じれるわけがない。
あの軽音部にそんなヒミツがあるなんて。
いちご「……だから」
56: 2010/10/18(月) 01:23:31.06 ID:qWjAk7mm0
いちご「それで」
いちご「何?」
私の問いに、けいおん部が揃ってこちらを見た。
十二の目に射竦められ、私は舌の乾きを感じた。
律「なんだよ、何か言いたいことでもあんのか」
しかし、負けてはいけない。
こんな不条理許されるわけがない。
何より……
いちご「私はなにも悪いことしてない」
いちご「迷惑もかけてない」
いちご「殺され――復讐される理由なんて無い」
58: 2010/10/18(月) 01:25:40.33 ID:qWjAk7mm0
誰も口を開かない。
窓の外には闇が広がり、まるでこの部屋とは別の世界のように見えた。
この学校に残っているのは、もう私とけいおん部だけなのかもしれない。
そんな悪寒と共に、背中にねっとりとした湿りを感じた。
やがて、呆れたようにけいおん部が唸った。
澪「だめだこいつ。救いようがないな」
唯「あー、言っちゃったねえ」
紬「ここでビシッと教えてあげたら? 何がいけないのか」
律「……よし、言ってやろう」
律「私はな、ジュリエットをやりたくなかったんだ」
60: 2010/10/18(月) 01:30:06.44 ID:qWjAk7mm0
……
…………?
いちご「それで」
律「は?」
私は驚くと同時に呆れてもいた。
ジュリエット。文化祭の配役。設定。
これが私を頃す理由? どうも繋がらない。
だいたい、ジュリエット役になったことでなぜ私が殺されねばならないのか
律は、私の態度が気にくわなかったのか、突然椅子を蹴り上げ、激高した。
律「『それで?』じゃねえんだよこのアマッ!」
61: 2010/10/18(月) 01:34:53.41 ID:qWjAk7mm0
律「わかってんのか? お前だって知ってんだろ!」
「私がジュリエットなんて柄か! ああ!?」
「知ってんだよ! お前らが陰で笑ってたこと全部! 氏ねよ!」
「ホントはお前かミカがあそこで演技してるはずだったんだよ!」
私は律の剣幕に圧され、思わず後退った。
律「澪がロミオ!? それだけの理由でアタシがジュリエット? ふざけんじゃねえ!」
「単なる澪の引き立て役! 当て馬じゃねえか!」
「おかげでこっちはクズファンに追い回されて大迷惑だ!」
「……じゃないはず……アタシはあそこに立たないはずだった!」
「お前は……お前らはその責任をとって氏ぬべきなんだよ!」
澪「私のファンをクズとか言うな」
唯「りっちゃんださーい」
律「うるせえ!」
突然、律はスティックを私のお腹に突き出した。
痛みのあまりうずくまった私を、後ろから鈴木が押さえ込んだ。
いちご「っ……!」
紬「いいわよ、そのまま押さえてて」
62: 2010/10/18(月) 01:39:12.59 ID:qWjAk7mm0
ほんの少し開いた口に、ことぶきさんは何か固い物を滑り込ませた。
後ろから鈴木に無理矢理顎を閉じられ、私はそれを飲み込む。
ごくり。
それを見たことぶきさんは、とても満足そうに微笑んだ。
紬「今飲んでもらったのは……毒よ」
毒……!?
紬「別に大丈夫よ。すぐ効いてきたりはしないから」
「胃液で溶けるカプセルだから、今日一日くらい持つはずよ」
64: 2010/10/18(月) 01:42:09.82 ID:qWjAk7mm0
紬「まあ、あと五、六時間ってところかしら」
「あなたの残りの人生は」
得意げな顔をすることぶきさんとは対照的に、
私は顔から血の気が引くのを感じた。
紬「うふふ、ゾクゾクするわね、こういうの」
「今どんな気分なの。怖い? 悔しい? 今日の夜中には氏んじゃうのよ?」
あと、五時間。
冷や汗が止まらない。氏ぬってどういう事だろう。
毒って本物だろうか。やっぱり血を吐いたりするのかな、痛いのかな。
――氏ぬ。氏ぬんだろうか。
紬「でも諦めちゃだめよ。がんばって! ここに解毒剤のアンプルがあるから!」
ことぶきさんは鞄から、黄色い液体の入った小瓶を取り出した。
66: 2010/10/18(月) 01:46:02.49 ID:qWjAk7mm0
紬「どう? ほしい?」
いちご「ほしい」
私は間髪を入れず返答した。
ことぶきさんは微笑んだまま、言葉を続ける。
紬「ちがうでしょ、いちごちゃん」
「ほしい、じゃなくて、もっと言い方があるでしょ?」
紬「いただけませんか、ムギちゃん様。とかね」
いちご「……いただけませんか、ムギちゃん様」
けいおん部は顔を見合わせて笑った。
67: 2010/10/18(月) 01:49:37.65 ID:qWjAk7mm0
いちご「ください」
ことぶきさんの手が小瓶を揺らし、中の液体が跳ねる。
私はそれをじっと見つめていた。
いちご「おねがい、します」
紬「え~。どうしようかな~」
いちご「なんでもしますから」
私は必氏だった。
このままでは氏んでしまうのだ。どうにかして……
ことぶきさんはじっと私の目をのぞき込むと、ぞっとするような笑みを浮かべた。
紬「いやでーす」
68: 2010/10/18(月) 01:52:09.81 ID:qWjAk7mm0
いちご「あっ」
小瓶が落ち、床に当たって砕けた。
中の液体が床にぶちまけられ、浸みて行く。
いちご「酷い……」
あたまが真っ白になり、思わずことぶきさんに飛びかかりそうになる。
それを二人の後輩ががっちりと押さえ込んだ。
澪「あいかわらず可哀想なことをするなあ、ムギ」
律「まあいつものことじゃないか」
71: 2010/10/18(月) 01:58:01.76 ID:qWjAk7mm0
紬「別にあわてなくてもいいのよ、いちごちゃん」
「これと同じ物をこの学校のどこかに隠したから」
紬「まだ五時間近くあるし、ゆっくり探すのもいいんじゃない?」
体を押さえていた手が離れ、私は思わず膝をついてしまった。
けいおん部は入り口への道を作るように別れ、にやにやとこっちを見ている。
律「学校の外に出ようとか考えるなよ。出たらアンプルは処分させてもらうから」
澪「病院や警察は動かないと思え。ムギの親父は凄い権力者なんだからな!」
「急げ」 「急げ」 「急げ」
「急がないと氏んじゃうぞ!」
けいおん部の嫌らしい声援の中、
私はなんとかドアノブに辿り着き、廊下へと転がり出た。
74: 2010/10/18(月) 02:01:18.64 ID:qWjAk7mm0
けいおん部を飛び出した私は無我夢中で走った。
彼女らに追い囃されるまま、走り、走り、走った。
気が付けば私は三年の教室近くまできていた。
私は躊躇無く教室の扉を開け、中に跳び込んだ。
はやる胸の鼓動が通り過ぎるのを待てば、
やがて恐ろしい現実が私の頭に追いついてくる。
私は、数時間以内にアンプルを探さなくてはならない。
そして、律は言った。
「逃げる私を追いかけて頃す」――と。
これからはけいおん部に襲われることも考えて行動しなくては。
争いは避けられないかもしれない。
75: 2010/10/18(月) 02:07:08.63 ID:qWjAk7mm0
さて、
アンプルはどこにあるのだろう。
いちご「どこ行くの」
1.教室 2.保健室
3.図書室 4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>80
80: 2010/10/18(月) 02:09:50.06 ID:vOQI2aSw0
6
81: 2010/10/18(月) 02:14:32.13 ID:qWjAk7mm0
【職員室】
職員室へと辿り着いた。
扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。
中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに……
この扉を開けるには……
いちご「もっと強力な武器が必要」
私は別の場所を探すことにした。
いちご「どこ行くの」
1.教室 2.保健室
3.図書室 4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>85
職員室へと辿り着いた。
扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。
中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに……
この扉を開けるには……
いちご「もっと強力な武器が必要」
私は別の場所を探すことにした。
いちご「どこ行くの」
1.教室 2.保健室
3.図書室 4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>85
85: 2010/10/18(月) 02:25:20.73 ID:p6Y66Uh3O
2
87: 2010/10/18(月) 02:28:10.29 ID:qWjAk7mm0
【保健室】
保健室に辿り着いた。
木を隠すなら森の中。
ここなら、アンプルもありそうな気がする。
ベッドのカーテンが閉まっている。
誰か寝ているのだろうか。まさか……こんな時間に。
いちご「どこ?」
1.薬品棚を調べる
2.机の周りを調べる
3.ベッドを調べる
>>90
もうテンポ良くすませます
保健室に辿り着いた。
木を隠すなら森の中。
ここなら、アンプルもありそうな気がする。
ベッドのカーテンが閉まっている。
誰か寝ているのだろうか。まさか……こんな時間に。
いちご「どこ?」
1.薬品棚を調べる
2.机の周りを調べる
3.ベッドを調べる
>>90
もうテンポ良くすませます
91: 2010/10/18(月) 02:38:22.84 ID:qWjAk7mm0
私はベッドに忍び足で近寄った。
気配。人の気配だ。
何かが、ベッドの上で寝息を立てている。
私はカーテンを音を立てずにくぐり、ベッドの足下に潜んだ。
――ベッドの下に潜んでいるのでは、という考えもあったが、杞憂だったようだ。
私は立ち上がると同時に跳ね上がり、
ベッドの上の人物の腹めがけ、勢いよく膝を立てた。
いちご「えい」
唯「うぎゃあ!!」
92: 2010/10/18(月) 02:45:05.63 ID:qWjAk7mm0
ベッドに潜んでいるのは唯だった。
この生きるか氏ぬかの瀬戸際に、なんとのんきなことだろう。
私は枕を唯に馬乗りになり、枕を顔に押し当てた。
唯「っっ……………!!! ……!!」
聞こえない。
私は右手で拳をつくり、唯の胸めがけ振り下ろす。
唯「―――!!」
布団を殴るのと変わらない、味気ない音がする。
しかし感触は違う。対して硬くない胸板を、私の拳が叩き破るのだ。
唯「げ、あ゙あ゙っ! やめ……て…!」
唯が枕を押しのけた。
94: 2010/10/18(月) 02:50:26.32 ID:qWjAk7mm0
唯「いだいよう……やめて……」
私が拳を振り上げると、唯はおとなしくなった。
情報が聞けるかもしれない。
いちご「なんで」
いちご「私を頃すの」
私は高ぶった精神を押さえ、質問した。
唯「う、憂のためだから……」
いちご「うい?」
唯は突然、怒りに燃えた表情を見せた。
95: 2010/10/18(月) 02:59:14.93 ID:qWjAk7mm0
唯「そうだよ! うい、うい、うい!」
唯「いちごちゃんのせいなんだよ! 全部いちごちゃんが悪いの!」
唯は私の下で激しく暴れ始めた。
私はなんとか両手をつかまえると、ベッドの脇に押しつけた。
唯「あの日、憂は私に限定アイスを買ってきてくれるはずだったんだ!」
唯「でも憂、買えなかった! そのせいで私と大げんかしちゃったんだよ!」
「憂、それからずっと悲しそうなんだ! アイスが買えなかったから!」
唯「でもいちごちゃんのカバンについてたあれ、何!?」
「あれ、アイスの箱買ったら付いてくるヤツだよね、知ってるよ!」
唯「いちごちゃんが買っちゃったから、憂は買えずに悲しい思いしたんだ!」
「いいや、いちごちゃんが憂の分とっちゃったに違いないよ!」
唯「ういういういういうい! この人だよ! ほら! 殺さないと!」
「こいつ、またお姉ちゃんへのアイス取っちゃうよー! ういー!」
こいつ、頭がおかしい。
96: 2010/10/18(月) 03:06:45.06 ID:qWjAk7mm0
私は、たしかにそのアイスを買ったかもしれない。
キーホルダー。いちごアイスのマスコット。ハガキ付き、抽選、応募、当選。
ずいぶん昔のことだし、
たかがアイス。時期が来ればまた売り出す。
それを頃しの理由にするこいつ。
私は無性に腹が立ち、思わず両手を放した。
そして、その額に一直線に拳を突き下ろした。
唯「!!!!!!!」
ベッドが軋み、唯は動かなくなった。
どうやら意識を失ったようだ。
99: 2010/10/18(月) 03:16:08.80 ID:qWjAk7mm0
私はベッドのシーツを引きはがすと、それで唯を簀巻きにして
棚の中へと放り込んだ。
その際、唯の制服から果物ナイフが転がり出た。
いちご「こころづよい武器」
私は果物ナイフを手に入れた。
保健室には、結局アンプルは無かったみたいだ。
私は別の場所を探すことにした。
いちご「どこ行くの」
1.教室
3.図書室 4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>105
棚の中へと放り込んだ。
その際、唯の制服から果物ナイフが転がり出た。
いちご「こころづよい武器」
私は果物ナイフを手に入れた。
保健室には、結局アンプルは無かったみたいだ。
私は別の場所を探すことにした。
いちご「どこ行くの」
1.教室
3.図書室 4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>105
105: 2010/10/18(月) 03:19:57.05 ID:Qg/2alAa0
10
107: 2010/10/18(月) 03:24:47.33 ID:qWjAk7mm0
【図書室】
図書室へと辿り着いた。
一年の頃はよく来たが、
最近はクラスの居心地が来ていない。懐かしい香りがする。
ここにアンプルを隠されてはやっかいだ。
1.カウンター辺りを調べる
2.手前の薄い本の棚を調べる。
3.奥の分厚い本の棚を調べる
>>110
図書室へと辿り着いた。
一年の頃はよく来たが、
最近はクラスの居心地が来ていない。懐かしい香りがする。
ここにアンプルを隠されてはやっかいだ。
1.カウンター辺りを調べる
2.手前の薄い本の棚を調べる。
3.奥の分厚い本の棚を調べる
>>110
111: 2010/10/18(月) 03:32:35.19 ID:eqYei8Fo0
2
112: 2010/10/18(月) 03:35:40.15 ID:qWjAk7mm0
私は、薄い本の棚を調べてみることにした。
ここにはファッションや音楽関係の雑誌が置いてある。
しかし、すこし古くさく、読みづらいのであまり読まれてはいない。
しかもここは女子校なのだ。雑誌くらい、みんな持参している。
少し、ほこり臭い。
もしかしてこのあたりは一般生徒も手を付けていないのだろうか。
私は少し不安になった。
けいおん部のメンバーで、図書室に来るような人がいるだろうか。
せいぜい秋山さんくらいだろう。
ここにアンプルがあるとは思えない。場所を間違えたかも――
「うおおおおお――――!!!」
突然、図書館の扉が開かれ
人影が叫び声を上げながら飛び込んできた。
律「りっちゃんだぞおおおおおお――!!」
律だ。律が向かってくる!
115: 2010/10/18(月) 03:42:58.88 ID:qWjAk7mm0
律はカウンターを飛び越えると、ポケットからドラムスティックを取り出した。
いや、違う。あれはアイスピックだ。
律「まてーいちご! こいつでぶつぶつにしてやるー!」
私はとっさに机を転がし、奥の棚の方へと逃げ込んだ。
律「逃げても無駄だぞ! 観念してお縄につけぇーい!」
アイスピックを無造作に振り回しながらゆっくりと障害物を乗り越えた律は
まっすぐこっちへ向かってくる。
いちご「こわい……」
1.本棚の陰に隠れる。
2.身の回りの物で応戦する
3.手持ちの武器で応戦する
>>120
120: 2010/10/18(月) 03:49:22.35 ID:eqYei8Fo0
1
121: 2010/10/18(月) 03:55:09.50 ID:qWjAk7mm0
律「にがさねえぞいちごぉ……」
律は素早く本棚に近づき、私の逃げ道をふさぐいだ。
律「ロール!」
律の両手の突きが私を襲う。背中に鋭い痛みを感じた。
振り返り、応戦しようとしたが、律は既に次の行動を起こしていた。
律「ダブルキック!!」
いちご「うあっ」
私は勢いよく本棚の壁にぶつかり、棚が揺れる。
123: 2010/10/18(月) 04:02:06.16 ID:qWjAk7mm0
私はなんとか脚立に掴まり、立ち上がった。
律「これでおしまいだぜいちご……腹と足、どっちからがいい?」
ニヤリと笑う律を見て、私の憔悴はピークに達した。
とっさに脚立を持ち上げ、律に向かって投げつける。
ガラスが叩き割れ、悲鳴が聞こえた。
律「いてえっ……! てめえ! 何すんだ!」
私は律に駆け寄ると、
いちご「わたしの武器」
『果物ナイフ』を深々と肩に突き刺した。
律「うあっ……てめええええええっ」
125: 2010/10/18(月) 04:07:56.81 ID:qWjAk7mm0
律はまだ立ち上がろうとしている。
私には武器がない。危険だ。
私はとっさに、律の側の本棚に向かい、勢いよく体当たりをくらわせた。
律「あ……やめっ」
棚はゆっくりと傾き、律に日本選抜民話の雨を降らせた。
凄まじい音が響き渡る。
これでは、他の連中に居場所がばれてしまうかもしれない。
素早く調査をすませ、脱出しよう。
126: 2010/10/18(月) 04:14:51.52 ID:qWjAk7mm0
図書室は、マトモに調べることができなかった。
たぶんあそこにアンプルは無いはず、私の直感が告げている。
図書室のカウンターで万年筆を拾った。
インクは出ない。と、いうことは誰かに刺せばいいのだろう。
いちご「ペンは剣より強し」
早くアンプルを見つけなくては……
いちご「どこ行くの」
1.教室
4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>130
130: 2010/10/18(月) 04:18:46.72 ID:jQSbiUaA0
7
131: 2010/10/18(月) 04:22:14.01 ID:qWjAk7mm0
【渡り廊下】
渡り廊下へと辿り着いた。
体育館、講堂への通路だ。ここも校舎内に入るだろう。
こんな所にもアンプルがあるかもしれない。
……体育倉庫の電気が付いている。
1.このあたりを詳しく調べる
2.体育倉庫を調べる
3.嫌な予感がする。他に行こう。
>>135
渡り廊下へと辿り着いた。
体育館、講堂への通路だ。ここも校舎内に入るだろう。
こんな所にもアンプルがあるかもしれない。
……体育倉庫の電気が付いている。
1.このあたりを詳しく調べる
2.体育倉庫を調べる
3.嫌な予感がする。他に行こう。
>>135
135: 2010/10/18(月) 04:32:40.61 ID:1IPmha+GO
1
137: 2010/10/18(月) 04:36:38.02 ID:qWjAk7mm0
私はこの辺りを調べた。
アンプル……らしきものはない。
テニスボールが一つ転がっている。
『テニスポール』を手に入れた。
いちご「使い方次第」
別の場所を調べよう。
いちご「どこ行くの」
1.教室
4.部室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>140
140: 2010/10/18(月) 04:39:36.99 ID:eqYei8Fo0
4
141: 2010/10/18(月) 04:44:32.47 ID:qWjAk7mm0
【部室】
部室に戻ってきた。
やはり、だれもいなくなっている。
意外にも裏をかいたのだろうか。
だれもいないのなら、ここにアンプルは無いのかも……
いや、倉庫内でうごめく人影がある。
いちご「……いるっ」
1.こっそり部室内を調べる
2.こっそり食器棚を調べる
3.倉庫内の人物に襲いかかる
4.倉庫内の人物を牽制する
>>145
部室に戻ってきた。
やはり、だれもいなくなっている。
意外にも裏をかいたのだろうか。
だれもいないのなら、ここにアンプルは無いのかも……
いや、倉庫内でうごめく人影がある。
いちご「……いるっ」
1.こっそり部室内を調べる
2.こっそり食器棚を調べる
3.倉庫内の人物に襲いかかる
4.倉庫内の人物を牽制する
>>145
145: 2010/10/18(月) 04:46:53.33 ID:eS/AJA0/O
3
146: 2010/10/18(月) 04:51:46.18 ID:qWjAk7mm0
私は黙って倉庫内の人物に組み付いた。
澪「うわああああああああっ!」
甲高い声。胸周りの脂肪。秋山さんだ。
澪「律! 律だな! 悪ふざけはやめろぉ!」
暗闇では相手の姿が見えない。
放ったボディーブローは何か固い物に当たり、私の指が痛んだ。
やがて私は秋山さんを倉庫から引きずり出した。
秋山さんの顔は私を見たとたん、恐怖で引き攣った。
147: 2010/10/18(月) 04:57:24.50 ID:qWjAk7mm0
澪「お、お前、こんな事してどうなるかわかっているのか……!」
秋山さんはたどたどしく脅し文句を並べる。
澪「り、律が黙っていないぞ。アンプルの場所だって……」
私は彼女の足下に転がったベースを見た。
さっきはこれを殴りつけたんだ。忌々しい。
澪「おい……きいてんのか……」
いちご「うるさい」
私は秋山さんの左手を逆方向にねじり上げる。
148: 2010/10/18(月) 05:04:56.60 ID:qWjAk7mm0
澪「ひいっ……いたいいたいいたい……ごめんなさい」
惨めなものだ。何が殺人クラブだ。私が叩き潰してやる。
いちご「アンプルは」
澪「いたいいたいいたい……り、律しか知らない……ホントです」
いちご「殺人クラブって」
「何」ギリギリ
澪「わた……しもよく知らない……律に無理矢理……」
どうやら律をあっさり見逃したのは失敗か。
もういちど戻って問い詰めるべきだろうか。
しかし……氏んでいるかもしれない。
アンプル探しのほうが先決かも。
私は考えながら、何気なく秋山さんに尋ねた、
いちご「どうして私を」
「頃すの」
澪「あ゙?」
149: 2010/10/18(月) 05:12:31.93 ID:qWjAk7mm0
突然、彼女の雰囲気が変わった。
スイッチのオン・オフとでもいうのだろうか。
澪「何いってんの? 知らないわけないでしょ?」
何か、黒い、ドロドロした。
自分の見たくない場所から目を背けるような
心の一部に、拗くれた金属が溶け付いたような。
澪「いっつもそうだよ。おまえらはみんな私の邪魔ばかりするんだ」
澪「私の事を何も知ろうとしないくせに。見ようとしないくせに」
澪「えらそうに口答えばっかりしやがって」
澪「私のファンも、けいおん部も、和も、先生も、」
澪「律でさえ、本当の私を見ようとしないんだ」
今までの秋山さんとは違う――そんな印象を受けた。
スイッチのオン・オフとでもいうのだろうか。
澪「何いってんの? 知らないわけないでしょ?」
何か、黒い、ドロドロした。
自分の見たくない場所から目を背けるような
心の一部に、拗くれた金属が溶け付いたような。
澪「いっつもそうだよ。おまえらはみんな私の邪魔ばかりするんだ」
澪「私の事を何も知ろうとしないくせに。見ようとしないくせに」
澪「えらそうに口答えばっかりしやがって」
澪「私のファンも、けいおん部も、和も、先生も、」
澪「律でさえ、本当の私を見ようとしないんだ」
今までの秋山さんとは違う――そんな印象を受けた。
151: 2010/10/18(月) 05:22:15.81 ID:qWjAk7mm0
始めは話しかけるようだった声も、次第にぼそぼそと
ささやくような小さな声になった。
澪「先々月の電車だよ。休日の昼過ぎ」
澪「私はさ、近所の楽器店に一人で買い物に行ったんだよ」
澪「アンプ。家のが聞き取り辛いから、もっと音質いいのを探しに来たんだよ」
澪「駅まで運ぶのは大変な重労働だったさ」
「律がいればすぐに終わっただろうに」
「こんなときに限って家族で野球観に行ってるんだよな。ダメ律」
澪「電車内。混んでたよ。休み馬鹿なガキ共で」
「わたしはアンプを下ろせなかった。すぐ側に密集した中学生がいてよ、頃したくなったよ」
「もし私のアンプが蹴られるなら、そいつをその場で頃してるね」
澪「そこに、おまえがいたんだよ。若王子」
152: 2010/10/18(月) 05:27:30.94 ID:qWjAk7mm0
澪「席にちゃっかり座りやがって」
澪「そういうときは、『澪さんよろしければ、座りませんか』だろ」
澪「私のファンクラブを見習えよ。この……」
澪「あれだよな。お前、目が合わなかったか」
「いや、合った。確実に」
「私だと知ってて、無視したんだろ」
澪「私が話しかけられないと知ってて! 無視したんだろう!」
私は黙ってベースを引きよせる。
これ以上こいつから聞けることは無いだろう。
153: 2010/10/18(月) 05:32:16.63 ID:qWjAk7mm0
澪「おかげで私は筋肉痛だ!」
澪「次の日の練習、唯にまで馬鹿にされた!」
澪「お前のせいで私の貴重な――」
私は言葉を待つことなく、ゆっくりと秋山さんのベースを振り上げた。
秋山さんの目が大きく見開かれ、震える。
いちご「覚悟して」
澪「や、やめろ、やめ」
澪「そうだ、梓と唯の場所を教えるから……」
澪「二人とも待ち伏せしてて、梓は講堂、唯は保険……」
いちご「……」
澪「ひいいいい!」
154: 2010/10/18(月) 05:38:20.57 ID:qWjAk7mm0
澪「せ、せめて顔はやめて……ファンの子が悲しむから……」
精一杯の懇願。いや、この状況では命乞いだ。
いちご「顔以外」
いちご「狙えない」
澪「た、たとえ―――」――――
私は最後の言葉を聞くまでもなく、秋山さんの顔面に
彼女のベースを叩き落とした。
嫌な軋み方をしたベースは、彼女の顔と胸に挟み込まれ
見事に倒立してみせた。
私はその様子をしばらく眺めた後、
こんなグッズでないかなとおもいつつけいおん部を捜索した。
156: 2010/10/18(月) 05:45:57.49 ID:qWjAk7mm0
部室でアンプルは発見できかった……
ソファーの上に、誰かのギターケースが置いてある。
『レスポール』を手に入れた。
いちご「叩き付ける」
いちご「……そういえば」
いちご「壊せるモノがあったかも」
とりあえず寝ます。
起きてまだあるなら完結までさせます。
おやすみなさい。
187: 2010/10/18(月) 18:30:50.06 ID:qWjAk7mm0
ぼちぼち再会します。
いちご「とにかく」
「探索を続けないと」
二時間ほど経過している。
いちご「どこ行くの」
1.教室
5.会議室 6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>200
200: 2010/10/18(月) 18:51:37.25 ID:pi98ssbPO
5
202: 2010/10/18(月) 18:53:21.26 ID:qWjAk7mm0
【会議室・付近】
会議室の入り口付近に辿り着いた。
ちょうど会議室の扉から、人影が出てきた。
私のクラスの真鍋和さんだ。
こんな時間まで一体何をしているのだろう。
こちらには気付いていない。
私はこれまでの反応から、つい身を隠してしまった。
いちご「どうする」
1.助けを求める
2.やりすごす
>>205
会議室の入り口付近に辿り着いた。
ちょうど会議室の扉から、人影が出てきた。
私のクラスの真鍋和さんだ。
こんな時間まで一体何をしているのだろう。
こちらには気付いていない。
私はこれまでの反応から、つい身を隠してしまった。
いちご「どうする」
1.助けを求める
2.やりすごす
>>205
205: 2010/10/18(月) 18:59:49.34 ID:YwASUhEMO
2
208: 2010/10/18(月) 19:03:26.97 ID:qWjAk7mm0
私は隠れ、彼女をやりすごす事にした。
彼女はけいおん部と親しく、信用が出来ない。
殺人クラブ――おそらく、生徒会や教師も一枚噛んでいるのだろう。
真鍋さんは会議室を出た後、まっすぐ生徒会室に向かっている。
私は彼女が視界から消えるのを確認し、静かに会議室へと忍び寄った。
209: 2010/10/18(月) 19:05:36.33 ID:qWjAk7mm0
【会議室】
会議室に辿り着いた。
早くアンプルを探さないと……。
いちご「怪しい書類」
1.棚を調べる
2.机の上を調べる
3.書類の山を調べる
>>215
215: 2010/10/18(月) 19:19:28.31 ID:3qMLwEc40
2
216: 2010/10/18(月) 19:23:30.31 ID:qWjAk7mm0
私は机の上を調べた。
クラブ関係や年間の活動の記録が放り出されている。
私はそれらをめくり、アンプルを探した。
……特に怪しいモノはない。
突然背後で扉が開く音がして、私はあわてて振り返った。
和「あら、若王子さんじゃない」
「もう完全下校の時間はとっくに過ぎているわよ」
真鍋さんだ。戻ってきたのだろうか。
私が身構えるのもおかまいなしに、彼女はこちらへと進んでくる。
217: 2010/10/18(月) 19:27:58.34 ID:qWjAk7mm0
真鍋さんは書類の山のすぐ側にあった白いファイルを手に取った。
和「それじゃあね」
黙って出て行こうとする真鍋さん。私は……
いちご「ここは一つ」
1.助けを求めた
2.背後から襲った
3.見逃した
>>220
220: 2010/10/18(月) 19:30:03.07 ID:Ehc+6NcDP
3
221: 2010/10/18(月) 19:35:51.26 ID:qWjAk7mm0
私は黙って真鍋さんを見送った。
彼女は無関係なのだろうか。いや、そんなはずがない。
殺人クラブがうろつく校舎内に偶然残っている理由がない。
おそらく、彼女は協力者か何かだろう。
だとすれば、ここに奴らが来るのは時間の問題だ。
いちご「あの白いファイルは」
「調べておくべき」
「だったかも」
アンプルは見つからなかった。
ここにはあまり近寄らない方がよさそうだ。
私は会議室を後にした。
222: 2010/10/18(月) 19:38:15.08 ID:qWjAk7mm0
体が発熱してきたようだ。
毒が回ったためではなく、緊張と興奮のせいだろう。
いちご「いそいで」
1.教室
6.職員室
7.渡り廊下 8.講堂
9.トイレ
>>225
225: 2010/10/18(月) 19:40:37.35 ID:3GPn0kMwO
8
226: 2010/10/18(月) 19:42:31.78 ID:qWjAk7mm0
【講堂】
講堂に辿り着いた。
学園祭などでライブや劇をしていた場所だ。
……ステージに人影が見える。暗くて見えない
いちご「小柄」
1.近づいてみる
2.客席を調べる。
3.二階席から照明を当てる
4.裏の控え室を経由して近づく
>>230
231: 2010/10/18(月) 19:46:35.88 ID:O4eWKYDi0
4
233: 2010/10/18(月) 19:52:47.85 ID:qWjAk7mm0
私は裏に回ると、控え室からステージを覗き込んだ。
一人の少女が険しい表情で客席をにらみつけている。
ギターを構え、マイクに向かうその姿は
まるでこれから彼女のライブが始まるかのような雰囲気を醸し出す。
けいおん部の後輩、中野だ。
今の彼女に不用意に近付くのは危険だろう。
いちご「使える……?」
『テニスボール』
私はテニスボールを全力で投げつけた。
梓「に゙ゃっ!」ポコッ
234: 2010/10/18(月) 19:58:39.78 ID:qWjAk7mm0
私は舞台袖から飛び出し、中野めがけて駆け寄った。
梓「このっ! くらえ!」
中野が大げさな身振りでギターを構える。
私は思わず壇上のスピーカーの陰に飛び込んだ。
何かが空を切り、舞台の端に突き刺さる。
いちご「……!」
こいつ、ギターにクロスボウを仕込んでいる!
中野はポケットから新たな矢を取り出すと、
手慣れた手つきでギターのネックに装着した。
235: 2010/10/18(月) 20:08:22.10 ID:qWjAk7mm0
梓「そんなところに隠れても無駄ですよ! 若先輩!」
中野はけらけらと笑いながら、ゆっくりと近付いてくる。
私はスピーカーを倒し、大きなドラムセットの陰に移る。
梓「おとなしく出てきてくださいよ。できれば機材は壊したくはないので」
「出てきたらちょっとはイイ氏に方させてあげますよ、うひひ……」
梓が円を描くようにステージを横断する。
私は、ステージのカーテンの紐を引き断った。
梓「アレ……にゃああ!」
舞台の天井から重い緞帳が落ちて、中野を覆い潰した。
236: 2010/10/18(月) 20:13:25.94 ID:qWjAk7mm0
なんか中野とか梓とかごっちゃになってる。
梓「………!!! ………!」
ぞもぞと布が動いている。
私はドラムセットのシンバルを抱え、その布の固まりに叩き落とした。
梓「――!」
すさまじい音が響く。うるさい。
もっとマシなモノを探そう。
いちご「重いけど」
私はギターアンプを持ち上げ、布の頭上から再び叩き落とす。
238: 2010/10/18(月) 20:18:32.47 ID:qWjAk7mm0
梓「――ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
何かが潰れるような反応と共に、ギターアンプが振動する。
私は今度はミキサーを持ち上げる。
いちご「……重すぎ」
私は倒れたスピーカーの上に乗り、そこから落とすことにした。
ミキサーが落ちると同時に、ズン、とステージが揺れる。
悲鳴は聞こえない。が、まだ動いている。
私は何度も何度も、中野の上にミキサーを落とした。
240: 2010/10/18(月) 20:25:42.14 ID:qWjAk7mm0
何度繰り返しただろうか。
中野は身動きを止め、おとなしくなった。
緞帳をめくる。
中野は思っていたよりも怪我はなく、別に大丈夫そうだ。
胸ぐらを掴み引き起こすと、突然痙攣をはじめ血の塊を吐いた。
そのまま動かなくなってしまったのでこれ以上の尋問は不可能だろう。
私は中野の体を調べた。
ギターは壊れている。矢は折れてしまっている。
いちご「残念」
特に何も見つかりはしなかった。
243: 2010/10/18(月) 20:28:29.08 ID:qWjAk7mm0
講堂でアンプルらしきものは見つからなかった。
どこか、怪しい場所は無いのだろうか……。
いちご「いそいで」
1.教室
6.職員室
7.渡り廊下
9.トイレ
>>245
245: 2010/10/18(月) 20:29:49.56 ID:czE2LZsdO
いちごの いち!
246: 2010/10/18(月) 20:36:29.15 ID:qWjAk7mm0
【教室】
教室に辿り着いた。
私は、教室棟を調べてみることにした。
しかし、この広さでは隅々まで調べることは出来ないだろう。
階を絞って慎重に調べるとしよう。
三年の教室へとやってきた。
見慣れた景色。特に代わり映えはない。
しばらく捜索を続けたが、アンプルは見つからなかった。
……割り箸が床に落ちている。
『割り箸』を手に入れた。
いちご「角は凶器」
次に【教室】を探索する時は、別の階にいくことにしよう。
教室に辿り着いた。
私は、教室棟を調べてみることにした。
しかし、この広さでは隅々まで調べることは出来ないだろう。
階を絞って慎重に調べるとしよう。
三年の教室へとやってきた。
見慣れた景色。特に代わり映えはない。
しばらく捜索を続けたが、アンプルは見つからなかった。
……割り箸が床に落ちている。
『割り箸』を手に入れた。
いちご「角は凶器」
次に【教室】を探索する時は、別の階にいくことにしよう。
248: 2010/10/18(月) 20:41:17.07 ID:qWjAk7mm0
そろそろ四時間が経過する。体は大丈夫だろうか……
いちご「いそいで」
1.教室
2.職員室
3.渡り廊下
4.トイレ
>>250
250: 2010/10/18(月) 20:43:02.62 ID:vOQI2aSw0
3
251: 2010/10/18(月) 20:47:50.32 ID:qWjAk7mm0
【渡り廊下3】
特にもう、調べる所はない。
そういえば、さっきは付いていたはずの体育倉庫の電気が消えている。
中にいた誰かは、移動したんだろうか。
いちご「もしかしたら」
アンプルはあの中にあるのかもしれない。
私は体育倉庫を調べてみることにした。
253: 2010/10/18(月) 20:53:47.20 ID:qWjAk7mm0
【体育倉庫】
暗い。何も見えない。
私は手探りで中へと進む。
カビの臭いと特有のじめじめとした空気が鼻につく。
私は電気のスイッチへと手を伸ばした。
いちご「――!!」
なにか、正体の知れない感触がある。
これは、人間だ! 誰かがまだこの中に潜んでいたんだ!
素早く腕を絡みとられ、私はマットの上へと押し倒されていた。
暗闇に半月沢庵が二つ浮かび上がる。
ことぶきさんだ。
258: 2010/10/18(月) 21:04:00.30 ID:qWjAk7mm0
いちご「は、はなせ」
私は全力でことぶきさんを押しのけようとした。
しかし、恐ろしい力で両腕を押さえ込まれ、締め上げられてしまう。
いちご「い、やああ」
痛みのあまり悲鳴をあげる。
ことぶきさんは一旦私の手を放すと、本気で私の頬を叩いた。
パン、という渇いた音と共に、頬に焼け付く痛みを感じる。
ことぶきさんは何も喋らず、そのまま私の体を押さえ込む。
私は涙をこらえて抵抗するが、再び頬を叩かれた。
いちご「……い、痛い!」
突然胸に鋭い痛みを感じた。
ことぶきさんが刃物で、私のジャージを切り裂いたのだ。
闇の中で半月沢庵が笑みを浮かべる。
260: 2010/10/18(月) 21:11:19.08 ID:qWjAk7mm0
ことぶきさんが破れた服に手をかける。
暗闇の中で再び刃物が光った。
このままでは、殺されてしまう!
なんとかして反撃しなくては!
いちご(私は……)
1.刃物を奪い取ろうとする。
2.体をよじって抜け出す
3.ポケットをさぐる
>>265
265: 2010/10/18(月) 21:14:12.46 ID:UlV/Ydg6O
3
266: 2010/10/18(月) 21:19:52.43 ID:qWjAk7mm0
私は、片手をよじって自由にし、ポケットをさぐった。
いちご「キーアイテムは……」
『割り箸』が入っていた。
私は、割り箸を掴むと、
空中に浮かぶ沢庵の隙間に突き出した!
紬「!!?」
一瞬、体が自由になった。
私はその隙に体の下から抜け出し、ことぶきさんと対峙しする。
268: 2010/10/18(月) 21:26:43.53 ID:qWjAk7mm0
暗闇の中、二つの沢庵がぽっかりと浮かぶ。
私の手には割り箸。彼女には刃物。
このままでは間違いなく氏ぬ。それもマトモじゃない氏に方で。
私がゆっくりと近付くと、なぜかことぶきさんは後退った。
いちご「……?」
…………
いちご「そうか」
暗闇。
私には彼女の位置が判るが、彼女には私が見えていないのだ。
彼女は今まさに、電気のスイッチを入れようとしている。
させるか!
私は割り箸を二つに割り、闇に浮かぶ沢庵に向かって夢中で突き刺した。
273: 2010/10/18(月) 21:36:27.76 ID:qWjAk7mm0
ずぶり。
両手に嫌な感触が響く。
同時にこの世の物とは思えない、恐ろしい絶叫が響き渡る。
私は思わず耳を塞ぎ、後退った。
いちご「うあ……」
むき出しの肩を、銀色に輝く刃物が襲う。
ことぶきさんはめちゃくちゃに刃物を振り回しながら、こちらへと突き進んでくる。
半月沢庵の下から水滴が光をきらきらろ反射させ、
まるで沢庵が泣いているように見える。
私は姿勢を低くして、ことぶきさんに体当たりをくらわせた。
背中にまた痛みを感じる。
私は体育倉庫から飛び出すと、扉を閉め、入り口を封鎖した。
274: 2010/10/18(月) 21:40:17.98 ID:qWjAk7mm0
体中が痛い。頭もくらくらする。
着ているジャージもズタズタだし、惨めなものだ。
渡り廊下、体育倉庫でアンプルを探すことは出来なかった。
あそこにあったのなら、あきらめよう。
……あきらめるって、何を?
もうそろそろ、刻限が近い。
いちご「……ん」
1.教室
2.職員室
3.トイレ
>>280
280: 2010/10/18(月) 21:43:35.39 ID:5qqL7Plq0
2
282: 2010/10/18(月) 21:47:36.36 ID:qWjAk7mm0
【職員室】
再び職員室へと辿り着いた。
扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。
中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに……
この扉を開けるには……
いちご「使えるかも知れない」
私は『レスポール』を振りかぶった。
職員室の窓が叩き割れる。
誰か、周囲の人間に聞こえたかもしれない。
私はすばやく職員室に忍び込んだ。
再び職員室へと辿り着いた。
扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。
中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに……
この扉を開けるには……
いちご「使えるかも知れない」
私は『レスポール』を振りかぶった。
職員室の窓が叩き割れる。
誰か、周囲の人間に聞こえたかもしれない。
私はすばやく職員室に忍び込んだ。
284: 2010/10/18(月) 21:53:32.10 ID:qWjAk7mm0
教職員のテーブル隙間を、私は慎重に歩く。
職員室は意外にも乱雑で、散らかっている。
これはけいおん部が荒らしたからだろうか。だとすればここに……
アンプルがあるかも知れない。
私は慎重に探し歩いた。
そして………
いちご「あ」
いちご「あった……」
山中先生の机の上。
その小瓶は、置いてあった。
286: 2010/10/18(月) 21:58:19.89 ID:qWjAk7mm0
「うわああああああああああああっっ!!」
同時に、後ろから叫び声が聞こえる。
振り返れば、けいおん部の鈴木が向かってくる。
やはりあの音は聞かれていたのだろう。
鈴木はトイレのモップを振りかぶり、突き進んでくる。
いちご「決断ね」
1.アンプルを置いて、鈴木を先に倒す。
2.アンプルを先に飲み干す。
3.アンプルを持って逃げる。
>>290
290: 2010/10/18(月) 22:01:13.80 ID:4Uwcrekx0
2
299: 2010/10/18(月) 22:07:16.85 ID:qWjAk7mm0
私は素早く、アンプルを飲み干した。
……味がしない。 偽物ならどうしよう。
そんな考えを、突然の頭への一撃が吹き飛ばす。
いちご「……つ」
純「あ、あれ?」
鈴木は再びモップを振り上げ、打ちかかってきた。
私はそれを受けとめると、鈴木の手から奪い取った。
301: 2010/10/18(月) 22:13:50.89 ID:qWjAk7mm0
純「あ、かえせ……」
私はゆっくりとモップを回す。
そして飛び込んできた鈴木の腹に突き立てる!
鈴木「ぐえっ!」
腹をおさえてうずくまる鈴木を蹴り、一回転させる。
私に棒競技で勝てるとでも思っているのか。
鈴木の後頭部にモップを押し当てると、そのまま激しく擦る。
純「い、いだっ、汚、やめてっ」
もう一度鈴木を蹴ると、こんどは仰向けでモップを押し当てる。
純「ひぃ……」
いちご「お顔、磨いてみない?」
305: 2010/10/18(月) 22:21:22.91 ID:qWjAk7mm0
純「お、お願いします! 許してください!」
鈴木は泣き出した。
純「私、クラブになんて入りたくなかったんです!」
「でも梓が、一年が少ないからどうしてもって……」
「ほんとは、ジャズ研を続けたかったんです! ほんとです!」
「両親を人質にとられてて……しかたなかったんです!」
なんだかけいおん部――いや、殺人クラブにも複雑な事情があるようだ。
もしかしたら、選択によってはだれも傷つかない道があったかもしれない。
まあ……
いちご「私には関係ないけど」
312: 2010/10/18(月) 22:26:17.79 ID:qWjAk7mm0
鈴木の顔が蒼白に変わっていく。
純「見逃してください! 見逃してください!」
純「許して……」
いちご「やだ」
私は鈴木の襟首を掴み、引き起こす。
暴れる体を蹴りつけ脅し、高く吊り上げる。
そして、勢いよく助走をつけ、
扉の割れていない方へと叩き付けた。
絶叫、衝撃、破壊音。
窓ガラスが飛び散り、鈴木の体は廊下へと消える。
私はそれを確認したあと、窓から校庭へと飛び降りた。
314: 2010/10/18(月) 22:31:10.13 ID:qWjAk7mm0
終わった。全て終わったんだ。
夜空には満点の星が輝く。
校庭の時計を見れば、ちょうど三時近くを過ぎた頃だった。
もう、六時間もたった。私は生きている。
ふらつく足と頭、目線。
体のあちらこちらが痛む。
これからどうすればいいんだろう。
警察……病院……?
全てが無意味に感じてくる。
私は、ゆっくりと歩き続ける。
316: 2010/10/18(月) 22:35:09.45 ID:qWjAk7mm0
目の前に、校門が見える。
……そして。
そこに、『彼女』は立っていた。
腕を組み、私が来るのを待ち構えていたように。
「ずいぶんと、やってくれたわね。若王子さん」
私はゆっくりと顔を上げ、驚愕する。
いちご「山中先生……」
さわ子「そう。私よ」
319: 2010/10/18(月) 22:41:34.03 ID:qWjAk7mm0
さわ子「殺人クラブはね、私の代で出来たものだったのよ」
さわ子「あのころは凄かったわ。警察や学校なんて目じゃない」
さわ子「誰にも負けない、最強のエリート集団。殺人クラブ!」
さわ子「……あなたのような優秀な生徒が現れ、クラブを解散させるまではね」
山中先生は右手にナイフを握っている。
それを左手で愛おしそうに撫で、目は爛々と輝いている。
さわ子「どう……? 若王子さん」
さわ子「私と殺人クラブ、やってみない?」
さわ子「あなたなら、優秀な部長になれるわよ」
322: 2010/10/18(月) 22:47:28.67 ID:qWjAk7mm0
いちご「馬鹿」
私は校門に向かって歩き続ける。
いちご「氏んでも、お断り」
さわ子「強情。仕方がないわね。」
さわ子「殺人クラブはまた眠るわ。新たな世代までね」
山中先生は、ナイフを構え、私と向かい合った。
いちご「あなたは、あたまが変」
さわ子「褒め言葉として受け取るわ。天才なんて、凡人には理解されないものよ」
324: 2010/10/18(月) 22:53:59.65 ID:qWjAk7mm0
さわ子「そろそろ、終わりにしましょう」
場の空気が変わる。
私は、足下がぐらりと傾くのを感じた。
さわ子「もうボロボロじゃない。私に勝てるとでも思っているの!」
いちご「チャンスは一瞬」
1.格闘で挑む
2.武器を使う
3.逃げる
4.殺人クラブに入るという
最終選択 >>333
333: 2010/10/18(月) 22:57:40.95 ID:ijrFGgu+0
4
341: 2010/10/18(月) 23:05:05.84 ID:qWjAk7mm0
私は、自分の愚かさに後悔した。
新生殺人クラブ。その成立を約束すれば、
少なくともこの場で殺されることはない。
いちご「私を、殺人クラブに……」
最後の言葉は、鮮血と共に。
赤く染まった視界で、彼女の笑顔が見えた。
バッドエンド
345: 2010/10/18(月) 23:07:40.87 ID:qWjAk7mm0
さわ子「もうボロボロじゃない。私に勝てるとでも思っているの!」
いちご「チャンスは一瞬」
1.格闘で挑む
2.武器を使う
3.逃げる
4.殺人クラブに入るという
最終選択 >>350
350: 2010/10/18(月) 23:09:57.56 ID:O4eWKYDi0
2なのか?
354: 2010/10/18(月) 23:11:31.61 ID:qWjAk7mm0
私は、山中先生のナイフに全神経を集中させた。
そして、直前で、かわす。
再び攻撃を加えようとする山中先生に向かい、
私は、肩に『万年筆』を突き刺した。
さわ子「ああああっ!」
私は山中先生の手からナイフを奪い取り、構える。
山中先生はがっくりと膝をつき、私を睨む。
さわ子「私の負けよ……頃しなさい」
いちご「やだ」
私は、言葉に力を込め、ゆっくりと言い放つ。
いちご「あなたは、頃す価値もないから」
356: 2010/10/18(月) 23:16:51.13 ID:qWjAk7mm0
さわ子「くううううううう……」
山中先生は、肩から万年筆を引き抜いた。
さわ子「私のクラブ……私の場所」
さわ子「呪ってやる……呪い頃してやる……」
山中先生は、万年筆を振り上げ、
それを自分の耳に深く突き刺した。
山中先生の目がぐるりとまわり、白目を向いた。
さわ子「…………わたしの………けい……おん……ぶ」
彼女は、倒れた。
359: 2010/10/18(月) 23:23:10.57 ID:qWjAk7mm0
彼女が命を絶つことは、予測出来なかったわけではない。
しかし、私にはそれを止めることができなかった。
……疲労していたから?
……氏闘の後だったから?
私は、たとえ余裕があったとしても彼女を止めただろうか。
いちご「あなたも、また」
「けいおん部から離れられない、かわいそうな人なのよ」
彼女たちの行き先はどこだろう。
また、地獄で部活を続けるのだろうか。
私は、山中先生の体から携帯を見つけ、警察に連絡をした。
360: 2010/10/18(月) 23:30:04.79 ID:qWjAk7mm0
私は、警察に全てを伝え、電話を切った。
眠い。頭が痛い。
もうまぶたを開けていられない。
私は、目をつぶった。同時に、この学校での様々な思い出が駆け巡る。
体が硬い。地面の固さが直接伝わってくるようだ。
こんな日は、学校を休み、一日中寝ていよう……
薄れ行く意識の中、
私の頭にパトカーのサイレンの音が鳴り響いた。
おわり。
364: 2010/10/18(月) 23:35:25.94 ID:czE2LZsdO
他のお菓子選んでたらどうなってたんだい?
366: 2010/10/18(月) 23:36:25.87 ID:NaELAFwB0
>>364
同じ展開ですよ
同じ展開ですよ
367: 2010/10/18(月) 23:36:32.11 ID:6Djzf0OAO
初めの安価担当がしっかりしていれば・・・!
370: 2010/10/18(月) 23:38:49.42 ID:qWjAk7mm0
一番好きなキャラは純ちゃんですが、
なかなかトイレに行けず、イベントで登場になりました。
掃除用具入れから飛び出してくるイベントだったのですが……
和ちゃんは生徒会、殺人クラブとは別チームです。
生徒会は殺人クラブを容認している設定でした。
学怖の好きなキャラクターは福沢だったりします。
あんまり氏亡イベントは用意しませんでした。
【教室】で一年の教室まで調べる
【図書室】でカウンターを調べる
【職員室】をけいおん部員が三人以上生存で侵入する。
【会議室】で和を襲う
【講堂】で正面から近付く
これくらいです。
バトルシーンの選択肢では、だいたい一つぐらいバッドエンドがあります。
371: 2010/10/18(月) 23:38:57.87 ID:pi98ssbPO
なんというwwww
373: 2010/10/18(月) 23:40:50.79 ID:qWjAk7mm0
こんなふざけたお話にお付き合いいただいて、
まことにありがとうございました。
皆さんの貴重な時間が
これからはもっとより良いことのために使われるよう、願っています。
引用元: いちご「けいおん部に拉致された…………」
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