1: 2015/10/19(月) 20:28:36.59 ID:+CPokf0H0.net
―生徒会室

穂乃果「ねぇ、海未ちゃんこれもお願い」ガサッ

海未「はい、そこに置いてください」カキカキ

穂乃果「あとこれも…」

海未「あ、ではそれはそっちに…」

穂乃果「これも海未ちゃんのだよね…」

海未「え…それは穂乃果が昨日やるって…」

穂乃果「そう思ってたんだけど穂乃果やること多くって…」

ことり「私でよければやるよ?」

穂乃果「流石ことりちゃん!ありがとう!」

海未「(´・ω・`)」

2: 2015/10/19(月) 20:29:55.34 ID:+CPokf0H0.net
海未「穂乃果、各部からの要望書の回答はどうなってますか?」

穂乃果「あれ、いつまでだっけ?」

海未「今日までに纏めて先生方へ提出ですが…」

穂乃果「まだ一つもやってない…」

穂乃果「海未ちゃんそれ終わったら半分…」

海未「いい加減にしてださい」バンッ

穂乃果「海未ちゃん?」

3: 2015/10/19(月) 20:31:02.61 ID:+CPokf0H0.net
海未「もっと生徒会長としての自覚をもってください!」

海未「私はあなたのお守りではないんですよ!」

穂乃果「うぅ…」

ことり「あの、手伝いなら私がするから…」

穂乃果「ありがとう!ことりちゃん!」

海未(プツン)

4: 2015/10/19(月) 20:32:42.76 ID:+CPokf0H0.net
海未「もう、いいです」ガタッ

海未「どうせ私は怒ることしかできませんから、ここにいても邪魔なだけですよね」

海未「自分の仕事は家でやりますから先に失礼します」

ことり「海未ちゃん…!」

ガラッ


6: 2015/10/19(月) 20:35:13.37 ID:+CPokf0H0.net


真姫「なるほどね、それでカッとなって思わず生徒会室を出てきたと」

海未「はい、穂乃果もいい加減ですし、ことりも穂乃果に甘過ぎます!」

真姫「でもなんでそのまま帰らずに部室に来たのよ」

海未「帰ろうとは思ったのですが前を通ったら電気がついていたので」

真姫「要するに誰かに話を聞いてもらいたかったってことよね」

海未「そんなつもりじゃ…」

真姫「いいのよ別に、でも羨ましいわね」

海未「羨ましい?」

7: 2015/10/19(月) 20:38:26.70 ID:+CPokf0H0.net
真姫「なんでもないわ」

海未「?」

真姫「で、これからどうしたいの?」

海未「しばらく穂乃果とは口を聞くつもりはありません」

真姫「穂乃果が謝ってきたら?」

海未「こ、今度という今度はそう簡単には許すつもりはありません!」

真姫(そう言いつつ今まで許してきたって感じね)

8: 2015/10/19(月) 20:41:09.43 ID:+CPokf0H0.net
真姫「ねぇ海未、面白いものがあるんだけど」

海未「面白いもの?」

真姫「これよ」スチャッ

海未「ヘッドギアというやつですか?」

真姫「ええ、これを着けると色んな疑似体験が出切るの」

海未「疑似体験ですか」

真姫「海未は穂乃果と…それにことりにも不満があるのよね」

海未「はい…」

9: 2015/10/19(月) 20:46:18.01 ID:+CPokf0H0.net
真姫「じゃあ、これを使って穂乃果やことりと幼馴染じゃない世界を体験してみない?」

海未「それはつまり二人が友達じゃないということですか」

真姫「そういうことね」

真姫「大丈夫よ、あくまで疑似体験だし実時間も10分の1程度で済むから」

海未「わかりました、是非の疑似体験とやらを経験してみましょう」

真姫「じゃあちょっと待ってね、これをこうして…」カチカチ

10: 2015/10/19(月) 20:51:23.89 ID:+CPokf0H0.net
真姫「準備オッケーよ」スチャッ

海未「真姫も体験するのですか?」

真姫「これを使う時は何かあってもいいように一緒にその体験をしてフォローしなさいってパパに言われてるの」

海未「では何かあったら真姫に相談ですね」スチャッ

真姫「じゃあいくわよ」スイッチオン

海未「あっ…」カクン

11: 2015/10/19(月) 20:56:15.04 ID:+CPokf0H0.net


海未「…はっ!?」

海未「ここは教室…時間は…もうすぐ始業時間ですね」

海未「これが疑似体験ならすごくリアルですが、そもそも今までのが夢のような気が…」

キーンコーンカーンコーン

ガラッ

穂乃果「セーフ!」

穂乃果「よかったー、まだ先生来てない」

ことり「おはよう穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!おはよう!」

海未「おはようございます」

穂乃果「!」

穂乃果「お、おはようございます園田さん!」

海未「えっ…」

12: 2015/10/19(月) 21:03:48.74 ID:+CPokf0H0.net
海未「どうやら本当に穂乃果とは友達でもなんでもないようですね」

海未「しかし『園田さん』と言われると少しショックです…」

穂乃果(ねぇことりちゃん、園田さんが自分から挨拶してくれたよ!)ヒソヒソ

ことり(うん、私もすごくびっくりした)

穂乃果(あのクールビューティーで一匹狼の園田さんが自然に…)

ことり(そうだよね、超がつくほど人見知りなのに)

海未(私はそのように思われてるのですね…)

15: 2015/10/19(月) 21:13:11.19 ID:+CPokf0H0.net
先生「はーい、2、3人でグループになってストレッチ!」

穂乃果「ことりちゃーん」

ことり「穂乃果ちゃーん」

海未「…」チラッ

海未(いつもなら穂乃果やことりが名前を呼んでくれるのですが…)スッ

穂乃果(チラッ)

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ううん、なんでもない!」

海未「どうしましょうか…」

先生「園田、またお前一人か」

海未「また!?」

16: 2015/10/19(月) 21:18:10.42 ID:+CPokf0H0.net
先生「園田、いい加減に私とペアじゃなくて他に誰か声をかけろ」

海未(やはりこの世界では私は友達がいないと…)

先生「お前みんなから人気はあるんだから声さえかければ喜んで組んでくれるぞ」

海未「そうなのですか?」

先生「女子校ならではってやつだけどな」

海未「?」

19: 2015/10/19(月) 21:37:49.30 ID:+CPokf0H0.net
―お昼休み


海未(ことりと穂乃果はお昼に行ってしまいましたね)

海未(いつ以来でしょうか、こうやって一人でお昼を食べるのは)

海未(お弁当も何故かいつもより美味しく感じませんね)

海未(これを食べたら真姫に会いに行きましょう)

20: 2015/10/19(月) 21:48:57.46 ID:+CPokf0H0.net
真姫「来たわね」

海未「すいません、屋上まで来てもらって」

真姫「様子は…聞くまでもないわね」

海未「どういうことでしょう」

真姫「すごく寂しそうな顔してるわよ」

海未「そうですか…」

真姫「ほら、言ってるそばから」

海未「す、すいません」

22: 2015/10/19(月) 21:54:31.41 ID:+CPokf0H0.net
真姫「この体験のリミットは今日の放課後までだから」

海未「あと半日…そういえばμ'sはどうなっていますか」

真姫「さっきも部室でみんなとお昼食べてたけど」

真姫「海未以外の8人が今のμ'sよ」

海未「歌詞は誰が?」

真姫「ローテーションみたい」

真姫「曲は同じでも歌詞が違うし8人だからダブルセンターが基本で正直全く別のグループよ」

海未「でも、それで上手くいってるんですよね」

真姫「そこまでは分からないわ」

真姫「希なんかは9人目を諦めてないみたいな感じだったわよ」

真姫「私も海未の歌詞じゃないとやっぱりしっくりこないし」

23: 2015/10/19(月) 22:06:28.81 ID:+CPokf0H0.net
海未「フフッ…」

真姫「な、なによ」

海未「いえ、こんなに喋る真姫を初めて見たもので」

海未「ありがとうございます、真姫」

真姫「あ、後は海未から二人に話しかけてみればいいじゃない」

海未「でも、なんて話しかければ…」

真姫「考えるうちに昼休み終わっちゃうわよ、ほら、穂乃果はたちならもう教室に帰ってるはずだから!」

海未「は、はい、わかりました」

24: 2015/10/19(月) 22:20:13.58 ID:+CPokf0H0.net
ガラッ

海未(二人とも戻っていますね、どのように話かければ…)

海未「あの、ほの…」

海未(しまった、思わず下の名前で呼びそうに…)

海未「ほのぼのして良い天気ですね」

穂乃果「うん、そうだね」

ことり「園田さん、なんだか今日はいつもと雰囲気違うよね、こうやって話かけてくれるし」

穂乃果「うん!今まで席近くてもあまり話してなかったもんね」

穂乃果「今日もね、朝「おはよう」って言ってくれてすごく嬉しかったんだよ」

先生「おーい、授業始めるぞー」

穂乃果「放課後また話そうね園田さん!」

25: 2015/10/19(月) 22:28:35.16 ID:+CPokf0H0.net
海未(二人と友達じゃない私は近くの席の人にすら挨拶が出来なくなってるんですね…)

海未(そんな悪い子に育ってしまったのでしょうか)

海未(…)

海未(いえ、違いますよね)

海未(たぶん、毎日声をかけたくて、でも中々勇気が出なくて)

海未(臆病なままだったのですね…)

26: 2015/10/19(月) 22:32:00.59 ID:+CPokf0H0.net
キーンコーンカーンコーン…

穂乃果「終わったー!」

ことり「練習行く?」

穂乃果「うん!でもその前に…」

穂乃果「ねぇ、園田さん、私たちと一緒に…」

海未「はい、スクールアイドル、やりましょう」

穂乃果「えっ、あれ?ことりちゃん園田さんに話した?しかも満面の笑みで引き受けてくれたよ!?」

ことり「私は言ってないよ?でも園田さんが入ってくれると嬉しいな」

ことり「これであんな衣装やこんな衣装を…」

海未「お、お手柔らかにお願いします」

27: 2015/10/19(月) 22:47:40.73 ID:+CPokf0H0.net
海未「穂乃果、ことり、もしこの後にオドオドした私に戻ったら今みたいにもう一度誘ってください」

ことり「私たちの名前…なんか園田さん…うん、海未ちゃんに呼ばれるとしっくりくる…」

海未「やっぱり私は二人がいないとダメだということが分かりました」

海未「ごめんなさい、何言ってるかわからないですよね」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はい」

穂乃果「なんとなくだけど、穂乃果からもありがとう」

穂乃果「それとね、これからもよろしくね!」


プツン

28: 2015/10/19(月) 22:50:51.80 ID:+CPokf0H0.net
海未「ん…」

真姫「起きた?」

海未「はい…結構疲れますね」

真姫「負担は小さくないわね」

真姫「で、どうだった?二人と違う関係の世界は」

海未「ギリギリでしたが、最後に話しをすることが出来ました」

海未「それとついでにアッチの私をμ'sに入れておきました」

真姫「疑似体験なのに?」

海未「例え擬似的な世界でも放っておけなくて」

海未「でも、何もしなくてもそのうち同じような結果になっていたでしょう」

30: 2015/10/19(月) 22:56:05.82 ID:+CPokf0H0.net
真姫「それはそうと生徒会室の電気、まだついてるわよ?」

海未「今時間は…19時前ですか」

海未「ちょっと、戻りますので部室の戸締まりお願いします」

真姫「ええ、頑張ってね」

海未「はい!」

31: 2015/10/19(月) 23:03:47.27 ID:+CPokf0H0.net
ガラッ

海未「すいません、戻りました…って…」

穂乃果「あっ、海未ちゃん…」

海未「ほとんど終わってる…予算案も要望書も…」

ことり「穂乃果ちゃん、頑張ったもんね、泣きそうになりながら『海未ちゃんに嫌われるーって』」

穂乃果「ことりちゃん!それ言わないでよー」

海未「そう思う前に次からはキチンと片付けてください」

32: 2015/10/19(月) 23:12:49.24 ID:+CPokf0H0.net
海未「でも、ごめんなさい、いきなりひどいこと言って飛び出してしまって」

穂乃果「私もちょっと海未ちゃんに甘えすぎてたし」

ことり「ことりも…」

穂乃果「だからね、さっきことりちゃんと早く片付けて海未ちゃん家に謝りに行こうって」

ことり「それで今度は海未ちゃんのお仕事を手伝おうって話してたんだよね」

海未「二人ともそこまで…」

穂乃果「でも海未ちゃん帰ってきてくれたしここでやっちゃう?」

ことり「うん!三人でやればすぐに終わるよ!」

33: 2015/10/19(月) 23:16:11.86 ID:+CPokf0H0.net
海未「では、今日は二人に甘えさせてもらいますね」

穂乃果「まかせて!」

ことり「終わったら久しぶりに三人でご飯食べにいこっか」

海未「いいですね、家に連絡しておきます」

穂乃果「よーし!やるぞぉー!」

海未(色々ありますが…この二人とはこれからずーっと一緒ですよね!)


おしまい

35: 2015/10/19(月) 23:24:02.37 ID:zQAT61KId.net

やっぱことほのうみが至高

36: 2015/10/19(月) 23:24:21.68 ID:7dd2DWUE0.net

やっぱり幼馴染組の友情はいいな

引用元: 海未「もし穂乃果とことりと幼馴染じゃなかったら」