3: ◆TR2vneJwo2 2023/08/22(火) 17:06:26.41 ID:m2Oj7+Aj.net
ーナイトシティ、ワトソンのBARー


https://youtu.be/lajGmxtcsa4




カラン…


ゴクッ


バーテン「まだ飲むか?」


曜「折角だから貰っとくよ」


トクトク…


バーテン「これで終わりにしとけよ。脳が燃え尽きたネットランナーみたいに、頭から火を噴きたくなけりゃな」


曜「はいはい。ナイトシティでは珍しい良心をお持ちの様で」


バーテン「俺の優し~い心はリズィーのクロームみてぇにピカピカ光ってんのさ」


曜「どの口が言ってんの……誰がキミの車をシックスストリートから取り返してあげたんだっけ?」


バーテン「だからこうやってウチで最高のテキーラをご馳走してやってんだろ?文句言うならニコーラでも飲んでろってんだ」


曜「愛の味なんか知りたくないよーだ」


ゴクッ


曜「はぁ……じゃ行くよ。ちゃんと今週中にエディー払ってよね」


バーテン「何度も言わせんな、俺はピカピカの…」


曜「分かった分かった。リズィーに宜しく」


ウィーン

4: 2023/08/22(火) 17:07:08.86 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「……ったく」ピピッ


<キキーッ


曜「よしよし。キミは良い子だ、ナザレちゃん」


曜「さ、帰ろっか」


ブゥン…!!



<ハロー、ナイトシティ!毎度おなじみスタンだ!


<月日が経つのは早いものだ。だが、相も変わらずコーポはコーポのまま!それ位は分かってるよな、君たち!


<だが知ってるかい?今更お呼びじゃないのに、ミリテクが就業規則を大幅に変えたんだぜ!


<何てったって有給が年10日も取れる様になった上、社員はミリテク製の武器なら55%引きで購入可能って話だ。こりゃあアラサカなんかより余程良いのかもな!


<ハロー、ナイトシティ!
これは幻覚か?ホログラムか?いや、本物の晴れた空だ!諸君、俺の話なんて聞いてないで、外に出て日光を楽しめ!



曜「ホント、良い街だよナイトシティ……」


ブーン…


ーーーーーー
ーーーー
ーー

5: 2023/08/22(火) 17:08:50.95 ID:m2Oj7+Aj.net
ーノースサイド、安アパートー



キキッ


曜「いよっと、良い子にしてるんだよう」


曜「ふぁーあ…ねむっ」



<「YOYO、そこにいるのはヨウちゃんじゃーん!」



曜「あれ、リンちゃんじゃん」


凛「やほやほー!どこか行ってたの?」


曜「ああ、ちょっと仕事を片付けてね。その後1杯やって、今帰ってきたとこ」


凛「そっか。それはお疲れ様にゃ」


曜「どーもどーも」


凛「で、そのお疲れ様なところ申し訳ないんだけどさ…」


曜「え?」


凛「お願い!ちょっとリンのお仕事、手伝ってくれない?」


曜「げ、何をさ…」

6: 2023/08/22(火) 17:09:37.66 ID:m2Oj7+Aj.net
凛「タイガークロウズを頃して逃げ回ってる裏BD売りがいるんだけど、そいつの尋問と始末をワカコさんから頼まれたんだ。でもリン、今武器も何も無くて」


曜「へぇ、尋問と始……今なんて!?武器無し!?何で!!?」


凛「お、お金が無くて売っちゃったんだにゃ…キロシをアップグレードしたくて」


曜「なぁんでそんな状態で仕事なんか受けるのさ!!」


凛「そそそそれはそうなんだけどワカコさんからの頼みだし……お願い!分け前は半分どころか、7割あげるからぁ!」


曜「はぁ……全くもう。どこ?」


凛「標的はカブキのラウンドアバウトにいるって話。リンが捕まえるから、ヨウちゃんには尋問をお願いしたいにゃ。リン、頭良くないから上手くお話出来ないし……」


曜「はいはい、ならさっさと行こ。その感じだと車も無いんでしょ?ほら、乗って」


凛「話が早くて助かるにゃ!ありがとう、ヨウちゃん!」


ブーン…

7: 2023/08/22(火) 17:09:53.59 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「……ん?じゃあどうやってウチまで来たの?」


凛「え?普通に走ってきたにゃ」


曜「スタミナお化けだ……流石リンちゃん」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

8: 2023/08/22(火) 17:14:22.01 ID:m2Oj7+Aj.net
ーカブキ・マーケットー



ザワザワ…


「そこのお姉ちゃん、BDはどう?」


曜「ありがと、でももういいの持ってるから」


凛「ゴジーラ下さいにゃ」


「あいよー」


曜「リンちゃーん?お金無いんじゃないの?」


凛「ご飯食べる位のお金はギリギリあるにゃ。あいや、"あった"にゃ。もう無いです」モグモグ


曜「はぁ……で、どんな奴なの?」


凛「あ、詳細送るね」ピピッ


曜「……ふーん、元ミリテク?んでクビになった後は、タイガークロウズを何人か始末して逃亡中……か。何がしたいんだろ、こいつ」


凛「コーポの考えてる事なんか分かりゃしないし」モグモグ


曜「そりゃそうだ。ほらリンちゃん、食べながらでも探せるでしょ。行くよ」


凛「はーい」

9: 2023/08/22(火) 17:19:09.17 ID:m2Oj7+Aj.net
<ザワザワ…


曜「ねぇ、こいつ知らない?この辺にいるらしいんだけど」ピピッ


露店店員「うーん、見た事ないわ。新参ならすぐ分かるんだろうけど」


曜「そっか、ありがとね」


露店店員「お役に立てなくてごめんなさいね」


曜「良いんだ、気にしないで」


凛「ねぇねぇ、この人知らない?」ピピッ


ジョイトイ「……あ、この人ならちょっと前に遊んだわよ」


凛「ほんと!?どこ行ったか教えて欲しいんだけど」


曜「お、手がかりあった?リンちゃん」


ジョイトイ「流石にタダって訳には行かないわ。それ位分かるでしょ?」


凛「げっ、でも今手持ちが……」


ジョイトイ「あら、100エディーも無いわけ?」


曜「もう……ほら、これでいい?」ピピッ


凛「ごめん、ヨウちゃん…」


ジョイトイ「…確かに。じゃあ、向こうでお話しましょうか。リンちゃんって言うのね?」


ギュッ


凛「え」


曜「え!?」

10: 2023/08/22(火) 17:19:42.47 ID:m2Oj7+Aj.net
ジョイトイ「安心して。ちゃんと"お話"したげるから。正直さっきから可愛いと思ってたのよ」


凛「に、にゃあああぁ……!!」


<スタスタ


曜「…私のエディーで……超役得じゃん……」


露店店員「…お仲間さんが連れてかれて傷心中だろうし、1杯どう?サービスするよ」


曜「はぁ…貰うよ。センツォンはある?」


露店店員「あるわよ。はいどうぞ」


曜「ありがとう。っ、はぁ……」ゴクッ


露店店員「何かのお仕事中だったのね。詳細は聞かないでおくわ」


曜「それがいいよ。まあ私はただのお手伝いだから、少しは自由にやらせてもらうけどね」

11: 2023/08/22(火) 17:20:21.56 ID:m2Oj7+Aj.net
露店店員「自由に、か……サブロウ・アラサカがこの世界に蘇ってから、また世界は息苦しくなったわね」


曜「しかも現状、他のメガコーポ達が前よりも街の利権を奪い合ってる。我こそが打倒アラサカ、ってね。よくやるよ」


露店店員「それでカン・タオが上がってきて…ミリテクは機を伺ってるのかしら。らしくもない」


曜「でもまた戦争を起こそうって気は流石に無いと思うんだ、次こそ地球氏んじゃうもん。Relicの生贄になって勝手に消えてくれりゃあ御の字なんだけど」


露店店員「実際Relicを買っても依代が必要なんだし、独り身の富裕層とかには無用の長物よね。噂じゃあ、親類とかじゃないと適合しないらしいし」


曜「……何ともまぁ、意外とナイトシティはまだ生き残ってるね。やっぱこの街はしぶといや」ゴクッ


露店店員「リチャード・ナイト様々ってとこかしら。またシルヴァーハンドみたいなレジェンドが出て来てくれれば……そうだ、あなたがなってよ」


曜「んー?まぁ、なりたいけどね。ナイトシティのレジェンドには……やっぱり憧れてはいるしさ」

12: 2023/08/22(火) 17:21:38.56 ID:m2Oj7+Aj.net
露店店員「あなたの名前のカクテル、アフターライフで飲ませてよ。あ、不謹慎かしらこれ」


曜「いやいや、それこそナイトシティのソロの本懐だよ」


露店店員「なら良かったわ……あら」


曜「ん?」


露店店員「お仲間さんがツヤッツヤでお帰りよ。新しいクロームでも入れたのかって位」


凛「いやーあはは…ヨウちゃんには申し訳ないけど楽しかったにゃ」


曜「人のお金で遊んでんだからそりゃ楽しんで貰わないと困るねぇ」


凛「と、取り敢えず標的の場所は分かったから!あそこのアパートの3階、404号室だって!」


曜「おっけ、とっとと終わらせよう。じゃあねお姉さん、テキーラありがとね」


露店店員「いーえ、お仕事頑張って。期待してるわよ、傭兵さん」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

13: 2023/08/22(火) 17:22:23.68 ID:m2Oj7+Aj.net
ーカブキ地区のアパート、3階ー



<「……はい、取引後、我が社に不都合な人間は消しました。ええ…」


<「これで私も本社にもう一度……何だと!?は、話が違うじゃないか!!」


<「おい待て!!私がどれだけ苦労してクロウズを消したか分かっ……お、おい!!」



凛「……何か取り込み中みたいだね」


曜「ま、私達にはどうでもいいでしょ。リンちゃん宜しく」


凛「おっけー!」


ガラッ


標的「……ん?!だ、誰だ!?」


シュバッ


曜「ひゅーぅ♪」


標的「は、早ーーー…!!!」


ガシッ!!


凛「つっかまえたにゃ!」


標的「ぐ……っ!!」


曜「はーいそのまま座ってて。この子はサンデヴィスタンも要らない位、そもそもの動きが速いんだ」チャキッ


凛「日々の筋トレの賜物にゃ」

14: 2023/08/22(火) 17:22:56.97 ID:m2Oj7+Aj.net
標的「クソッ、クロウズの回し者だな!?」


曜「ある意味そうだけど……キミ、クロウズを何人か消して逃げたってね」


凛「喧嘩売ってるとしか思えないにゃ。いくらコーポでも、ギャングを敵に回したら面倒って事位分からない?」


標的「……っ!!」


曜「でさ、さっきちらっと聞こえたんだけどさ。何か『取引後』……とか」


曜「何、タイガークロウズはアラサカと手を切ってミリテクと繋がってるの?それが表に出て欲しくないから口封じにキミが出てきた……って事かな?」


標的「……少し違うがそうだ」


凛「おぉ正直。でもただのヒットマンなら消すだけ消してトンズラすれば良かったじゃん。何でこんなとこでジョイトイと遊んだりしてるにゃ」


標的「それは趣味だ」


凛「えぇ…」

15: 2023/08/22(火) 17:23:47.18 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「…えーと、お兄さんはミリテクから来た始末屋さん。で、何かしらの取引?をした後はクロウズを口封じしてサヨナラ……せずにジョイトイと遊んでたりして、結局私達に捕まった」


曜「……これでおっけ?」


標的「……ああ」


凛「マジでなぁにがしてぇんだにゃコイツ」


曜「……そのクロウズとミリテクの取引って何?」


標的「……言えないな」


曜「そりゃそうか」スッ


<ズドォン!!


標的「ぐっ……!!?」


曜「次はどこにしようかな、このままだと治療費が高くつく一方だよ。あ、コーポさんならトラウマ契約してるか」


凛「あったとしても失効してるにゃ」

16: 2023/08/22(火) 17:25:11.66 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「だろうから、とっとと言って。ワカコさんはキミを始末するだけじゃ満足しない。価値のある情報を吐いてもらうよ」


標的「…言えない……っ!!」


<ズドォン!!


標的「ぐおぁっ!!」


凛「ひぇ……」


曜「右腕はしばらく上がらないんじゃない?オーバーチュアの威力、思い知ったでしょ?」


標的「わ、分かった……!!クソッ」


凛「お、言う?」






標的「……我が社が開発中の、新型ICチップの被験者を探していたんだ。取引という訳では無い」


曜「…!」

17: 2023/08/22(火) 17:26:06.38 ID:m2Oj7+Aj.net
凛「新型ICチップぅ!?また七面倒臭い物を作ってるなぁ」


標的「まだ試験段階の物だから、体のいい人間……ギャング共を使ってデータ収集をさせてもらった。裏BDや幾ばくかのエディー、ドラッグを報酬として渡せば人材には困らん」


凛「そうそう、ワカコさんからの情報には、コイツはクロウズのシマで勝手に裏BDやドラッグも捌いてるって書いてあったにゃ。そっか、別に売ってたわけじゃないんだ」


曜「ああ、じゃあ裏BD売りは隠れ蓑って訳か……それで?」


標的「ある程度必要なデータを取り終わった後は"勝手"に……いや、私がギャング共を始末した。口封じまでが私の仕事だからだ。ペラペラと吹聴されても困るのでな」


標的「そしてその後は、お前らの言う通りトンズラする予定だった。報告後に本社が私を回収する……その、ハズだったんだよ!!!」


曜「さっきの話聞く限り、結局首切りされたね」


標的「最初に仕事でミスをしたのは確かに私だ!!この仕事をこなせばもう一度私を本社に復帰させてやると、奴は約束したんだ!!だが……ッ!!!」


凛「ミスした時点で切る気満々だったんだろうねぇ、体のいい駒が出来上がるだけだし」

18: 2023/08/22(火) 17:26:41.37 ID:m2Oj7+Aj.net
標的「……なぁ頼む、私を匿ってくれないか?奴は私を消すつもりだろう」


曜「そう言われても……」


凛「一応、ワカコさんに聞いてみる?」


曜「うーん…...だって始末までが依頼なんでしょ?コーポの癖に世渡り下手っぽいし、役に立たなさそうだしなぁ」


凛「ここは嘘でも『どんな情報も吐く』位言わないと」


標的「頼……」ピタッ


凛「んえ?」


曜「っ、リンちゃん離れて!!」


標的「…っがあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!!???!?」シュー


凛「うぁっぶ!?」


標的「あがぁぁっ!!う゛ああぁぁぁぁぁ!!!?!?」ジタバタ


曜「あーあ焼かれたね、残念だけど遅かった」


ドサッ


標的「」

19: 2023/08/22(火) 17:27:07.56 ID:m2Oj7+Aj.net
凛「もしかしてミリテクのランナーがやったのかにゃ……?」


曜「多分ね。だとしたら私達も離れないとヤバイよ。私達がここでコイツと話してた事くらい筒抜けだろうし」


凛「それもそっか……んもうっ、嫌な事聞いちゃったよ!」ダダッ


曜「……」タタタッ


曜(……新型ICチップ、ねぇ)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

20: 2023/08/22(火) 17:27:53.68 ID:m2Oj7+Aj.net
ージグジグ・ストリート、パチンコ屋ー



凛「……ごめんなさいっ、ワカコさん!!勝手にヨウちゃんに協力をお願いしちゃって」


ワカコ「これがどこの誰とも知らん馬の骨やったら叱っとったけど、ヨウとなら別にええよ。ヨウは仕事出来るからな」


曜「褒められちゃった、てへ」


凛「否定はしないにゃ…それはほんとだもん」


ワカコ「ええかリン、自分の得物やら金勘定はちゃんとせなあかんで。報酬は少し色を付けて送ったるから、まずは武器を買うてきぃや」ピピッ


凛「...え、こんなに!?ありがとうワカコさん!!早速買ってくるねー!」


<タタタッ

21: 2023/08/22(火) 17:28:33.38 ID:m2Oj7+Aj.net
ワカコ「ふん、可愛いもんやな。もう1人孫が増えた感覚や」


曜「あーそれ分かるかも!…あれ、私の100エディー……」ボソッ


ワカコ「お前さんにもちゃんと渡したる。ほら、ご苦労はん」ピピッ


曜「おおう、色つけまくりですな。感謝です!」


ワカコ「……さて、ヨウ。けったいな話になっとるな。ミリテクが何やって?」


曜「うん、何か新型ICチップを作ってるらしいよ。一応チップはまだ試作段階で、データ収集が済んだ被験者のクロウズ達は今回の標的に始末された、と」


ワカコ「新型ICチップなぁ……Relicの後釜でも狙うとるんか、ミリテクのもんは」


曜「チップについてもっと詳しい話を聞く前にネットランナーに殺られちゃって……面目無い」


ワカコ「ええんよ。今となってはヨウがリンの傍におってくれて良かった。リンは仕事も出来るし、大したサイバーウェアが無くても良い動きの出来る子やけど……ちょっとおツムがな」


曜「あはは……否定はしないよ」

23: 2023/08/22(火) 17:29:14.26 ID:m2Oj7+Aj.net
ワカコ「ほんま、サブロウの時代がやっと終わった思たらまだ終わっとらんかったし、ミリテクはアラサカの後釜狙うて新合衆国と目立つ位つるむ様になったし」


ワカコ「ウチらみたいなもんがまだまだ生きにくい街や。そこに変わりはないんやな」


曜「企業もほんと、根強いもんだね」


ワカコ「…とにかく、ヨウは暫くこの辺りから離れた方がええ。今にミリテクの追っ手が来るかも分からんからな」


曜「やっぱそうした方が良いか……リンちゃんは?」


ワカコ「あの子にも暫くウチとこのシマから出ん様に言うとく。元々ここから外にはあまり出ぇへん子やけどな」


曜「え、そうなの?元気いっぱいで走り回ってるのがリンちゃんのイメージだけど」


ワカコ「結局ココが1番落ち着くんやと。まあ、そもそも何処から来たのかも分からん子やからな」


曜「……そっか」

24: 2023/08/22(火) 17:29:55.85 ID:m2Oj7+Aj.net
ワカコ「ほとぼりが冷めたら…そやな、取り敢えず知り合いのフィクサーのとこ紹介したるわ。ひとまず金の心配せん様にな」


曜「何から何までありがとうワカコさん。特にお役に立ててないのに」


ワカコ「そら元はリンに頼んだ仕事やけど、結果ちゃんと始末も出来てるし、デカい情報も持ってきてくれてるやろ。こっちとしては万々歳や」


ワカコ「同じ国から来てるよしみもあるしな。役に立つ間は、しっかり世話したる」


曜「へへっ、感謝致しますっ。お役に立ちやすぜ姉貴」


ワカコ「ん。ほんならエルにコールしとかな……当面の住む所と商いの算段が着いたら、また連絡したるから」


ワカコ「今日は帰り、追っ手には気ぃ付けるんやで」


曜「おっけいワカコさん。とりあえず今はアパートにいるから、何かあったらいつでもコールして」


ワカコ「あいよ、お疲れさん」


曜「よーうろしくー」


<テクテク

25: 2023/08/22(火) 17:30:43.69 ID:m2Oj7+Aj.net
ワカコ「……」


ピピッ


ワカコ「……あぁ、ローグかい?久し振りだね。うん、アラサカの1件以来かね」


ワカコ「実はな、ミリテクの件なんやけど……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

26: 2023/08/22(火) 17:32:13.12 ID:m2Oj7+Aj.net
ーナイトシティ郊外、バッドランズ東ー


https://youtu.be/mwIHSMMhGYk




ミッチ「カナタ、レンチ取ってくれ」


彼方「はいよ~」


ミッチ「ありがとよ……っと」ガチャガチャ


彼方「にしても良い天気だねぇ~。ちょっくらすやぴしてきて良いかい?」


ミッチ「おいおい頼むぜ、せめて整備くらいは終わらせてくれよ」


彼方「明日ナイトシティの方でお仕事だから今の内に寝ときたいんだよぉ」


ミッチ「今の内にってったってまだ昼だぞ」


彼方「久しぶりのナイトシティだから楽しみなのさ~」


ミッチ「そんなに言うんなら、整備よりおつかいでも頼んでやろうか?」


彼方「お?言ってみたまえよ」


ミッチ「ソウルからの指示でな、このブツを運ぶだけだよ。どうせ暇なんだろ、カナタが行ってこい」


彼方「おお願ったり叶ったり。そしたらもうそのまま街行っちゃおっかなー」


ミッチ「おっとそうはさせねぇぞ。まずはこれの整備が終わってからだ馬鹿野郎」

27: 2023/08/22(火) 17:33:03.64 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「うぇー……じゃあ取り敢えずウエス持ってくるよぉ…」コソコソ


ミッチ「お前そのまま逃げるつもりじゃねぇだろうな!?おいカナン、カナン!!」


<ガチャッ


果南「何何、どうしたのさ?」


ミッチ「コイツが整備を完全に終わらせる為に倉庫までついていけ、逃げねぇ様にな」


果南「はぁ、ちょっとカナタ。面倒事に私を巻き込む気なの?」


彼方「やだなぁミっちゃん、逃げやしませんぜカナタちゃんは~」


ミッチ「信用ならねぇんだよ!よし分かった、お前ら2人でこのブツをスネーク族の奴らに届けてやれ。今すぐにな!」


果南「ちょっと待って、何であたしも!?」


ミッチ「お前も今どうせ暇だろ、カナタのお目付け役だよ。頼むぜ」


果南「え~、超めんどくさいんだけど……」


彼方「このままお荷物のお届けだけして、ささっと街の方行こう」


果南「えぇ~でも…」

28: 2023/08/22(火) 17:33:31.92 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「カナンちゃんの好きなワカメピザ奢る」ボソッ


果南「行ってくるねミッチ!!!!」


ミッチ「おお、急に乗り気だな。頼んだぞ」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

29: 2023/08/22(火) 17:34:04.89 ID:m2Oj7+Aj.net
ブーン…



果南「えーと、そのまま真っ直ぐだね」


彼方「おっけ~」


果南「明日ナイトシティで仕事なんだっけ?内容は?」


彼方「いやいや簡単なもんだよ。ダコタさんからの案件でね、ただのアッシーさぁ」


果南「なんだ運転手か。遂にカナタもソロデビューかと」


彼方「ヤだよぉ、カナタちゃんはノーマッドの方が性に合ってるもん」


果南「ふーん。運ぶ相手は?」


彼方「さあ。元コーポだかなんだか……現コーポとかじゃなくてまだ良かったよ」


果南「ちゃんとしたコーポはカナタみたいなノーマッド使わないでしょ。エクセルシオール契約したデラマンがお迎えに来るだけ」


彼方「デラマンちゃんよりカナタちゃんの方が運転は上手いのにねぇ?」


果南「それは無い。3日間飲み続けた酔っぱらいの運転の方がまだマシ」


彼方「それは酷くないかい!?」



<パァンパァン…!!



果南「……ん?」


彼方「なぁんか銃声が聞こえてくるなぁ」

30: 2023/08/22(火) 17:34:52.28 ID:m2Oj7+Aj.net
<ドカァン!!


<「やれ!!奪ってぶっ殺せ!!」



果南「げっ、ラフェンじゃん」


彼方「最悪だぁ……じゃあぶっ飛ばすよぉ!!!」


ブォォォォン!!!!


果南「え?いや早く降りて戦った方がああぁぁぁぁーーーーーーーっ!!?!?!?」


<ドカッグシャァッ


<「何だ!?サイバーサイコか!!?」


ガチャッ


彼方「こらぁ!!カナタちゃんの車が血で汚れちゃったじゃんかぁ!!!」


果南「嘘でしょこの子!?自分でやったんだよね!?!」スチャッ

31: 2023/08/22(火) 17:35:36.43 ID:m2Oj7+Aj.net
スネーク族「アルデカルドスか!?悪いが、手を貸してくれ!!」


彼方「元からそのつもりー!!」チャキッ


パァンパァン!!


ラフェン「ギャアァッ!?」


彼方「コパちゃん頼むぜぇ~ッ!!」


パパパパパ…!!


果南「カナタって本当フルオート主義者だよね…」ジャコンッ


ズドォン!!


ラフェン「ボヘァッ!?」


彼方「弾なんてバラ撒けばバラ撒く程良いのさ。カナンちゃんもいい加減カーネイジから変えた方がいいと思うよ~」


果南「ショットガンが私を呼んでるからしょーがない」


彼方「ショット・ジャンキー……」


ズドォンズドォン!!


ドカァン…!!


ーーーーーー
ーーーー
ーー

32: 2023/08/22(火) 17:36:43.01 ID:m2Oj7+Aj.net
スネーク族「…ありがとう、助かったよ」


果南「良いんだよ。にしても氏屍累々だねぇ。おっ、いいパーツだ」


彼方「あそうそう、ウチからのお届け物だよ~」


スネーク族「何だ、それが目的で来たのか?ラフェン・シヴに襲撃されたと思ったら車が突っ込んできたから、てっきり奴らの援軍かと思ったよ」


果南「ウチのサイコがごめん」


彼方「サイコじゃないもん」


スネーク族「分かった分かった、物は確かに受け取ったよ。あとコレは私達からの礼だ、受け取ってくれ」ピピッ


果南「おお、わざわざ良いのに」


彼方「わーい、明日の足しにしよっと。ありがとー!」


果南「じゃあ……行く?」


彼方「そだね、早速……」


ピーッピーッ


彼方「待った。ダコタさんから連絡だ。ちょっと待ってて」


果南「ほいよ、ごゆっくり。ねぇスネークさん、ここってタバコ売ってるかなん?」


スネーク族「あるよ、それ位タダでやるさ」


果南「おお嬉しいね、叶和圓はある?」

33: 2023/08/22(火) 17:37:13.96 ID:m2Oj7+Aj.net
ピッ


ダコタ・スミス『カナタ、今大丈夫かい?』


彼方「勿論。どしたの?」


ダコタ『明日の仕事だが、少々早まってね。今の内からナイトシティに行って欲しい』


彼方「元々そのつもりだったよー。何かあったの?」


ダコタ『依頼人からの要望だよ。仕事内容は変わらないから安心しな』


彼方「分かったよ。あそうだ、今カナンちゃん一緒なんだけど連れてってもいいかな?」


ダコタ『カナンも一緒なのかい?依頼人からは1人でいいとの事だが…』


彼方「マジでか……まあ仕方ないか」


ダコタ『何か約束でもあるのかい?』


彼方「いや、大した事じゃないからまあ大丈夫。取り敢えず向かうよ」


ダコタ『場所はサントドミンゴ、アロヨのダイナーだ。頼んだよ』


彼方「おっ、りょーかいっ」


ピッ

34: 2023/08/22(火) 17:37:58.56 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「ミリテクが新規に何かを開発してるって噂、知ってる?」スパー


スネーク族「らしいな。まあ私達の様なノーマッドには関係無いだろうがな」


果南「分かんないよ?Relicみたいに、下々が操られる新しい極秘チップが完成してるのかもよ」


スネーク族「また操り人形にさせる為のチップか。まだまだ私達はコーポの駒って事か……」


彼方「お話中ごめんよカナンちゃん。すぐナイトシティに向かわなきゃいけなくなっちゃった」


果南「ありゃ、まあダコタさんが言うなら仕方ないか」


彼方「でも幸か不幸か、予定場所はアロヨのダイナーなんだよね。そこまで一緒に行っちゃお」


果南「えマジ?例のピザあるとこじゃん。ラッキー」


彼方「ちゃーんとついてきてくれたお礼したいしね、行こ行こ」


果南「ん、分かった。ありがとねスネークさん」


スネーク族「良いんだ、そっちこそ命の恩人だからな。何か困った事があったらいつでもコールしてくれ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

35: 2023/08/22(火) 17:38:47.04 ID:m2Oj7+Aj.net
ーヘイウッド、ビスタ・デル・レイー



「この子、見てないかしら?」


ヴァレンティーノズ「いや、知らないな。悪いが」


「どうも。行くわよ、シオリコ」


栞子「はい、エリさん」


絵里「……ここもダメだったか」


栞子「こうなると、最後の手段を使うしかありませんね」


絵里「出来れば使いたくなかったわ。彼女、何吹っ掛けてくるか分かんないし」


栞子「例の事件の首謀者はシルヴァーハンドです。奴の狙いはアラサカに対してですし、ヨリノブ様では無かった」


絵里「そこが救いね。ま、アフターライフの女王なんて聞くくらいだし話は通じると思うわ」



<「ようよう、待てよコーポ野郎!!」

36: 2023/08/22(火) 17:40:22.14 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……何かご用?」


シックスストリート「ご用もクソもねぇよ、お前らコーポ野郎を始末する為に生まれてきたんだよ俺達はよォ!!」


シックスストリート「しかもお前ら……よりによってアラサカか?よし、ちょっと来い。二度と表歩けねぇ面にしてやる」


絵里「……はぁ、無駄な時間ね」


栞子「全くです」


シックスストリート「おぉ!?何も持たねぇで俺らを相手出来んのかよ!しかもたった2人で、なぁ?」


絵里「この子は何もしない。ご心配なく」


シックスストリート「はぁ!?舐めた口聞いてんじゃーーーーー」


ブゥン…


シャキンッ!!


<ザシュッ!!


ドシュッ!!!>


シックスストリート「…あ?」


シックスストリート「……クソ、サンデヴィスタンだ」グラッ


<ドサドサッ


絵里「ご名答。そんじょそこらの闇リパーが扱ってる不良品とは訳が違うわ」


栞子「お疲れ様です」

37: 2023/08/22(火) 17:40:57.77 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ありがとう、怪我は無い?」


栞子「ええ……ですがエリさん、あまり使い過ぎない様にして下さいね。ヒグラシ製のマンティス・ブレードはあまり良い噂を聞きませんし」


絵里「分かってるわよ。でも向こうから来るんだからしょうがないじゃない」


栞子「最近入れたばっかりだから使いたいだけでしょう。それでなくともアナタは十二分に強いのですから、多用は控えるべきです」


絵里「そ、そんな事ないわよっ。第一、人ひとりが出来る事なんてたかが知れてるでしょ」


栞子「それは、まあ」


絵里「そんな事より、とにかくアフターライフに向かうわよ。NCARTならすぐでしょ?」


栞子「了解しました。お車でなくて良いのですか?デラマンなら、すぐに呼べますが」


絵里「良いわよそんなの。それにあんまり偉そうにしてたら、またこんなのが喧嘩売ってきそうだし」


栞子「それはそうですが」


絵里「面倒は避ける。これ出世の基本よ」


栞子「興味無い癖に…」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

38: 2023/08/22(火) 17:42:16.22 ID:m2Oj7+Aj.net
ーアフターライフー


https://youtu.be/K3wbeCNQNz8




「ローグさん」


「……通してやりな」


「許可が降りた。通れ」


絵里「どうも、私にも1杯頂ける?」


「俺が給仕に見えるか?コーポさんよ」


絵里「それは失礼」


ローグ「……アラサカの社員が来る所じゃないよ。コーポってのはそんな事も分からないのかい?」


栞子「…」

39: 2023/08/22(火) 17:43:08.57 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「早速で悪いけど、私達は殆どコーポじゃないわ」


ローグ「へえ、どういう意味だい?」


絵里「アラサカに属してるとはいえ、私達の立場は無いに等しいって事よ」


ローグ「それでも私達下々にとっちゃアンタ達は別世界の人間なんだよ。私の前じゃなきゃ今この瞬間にも、アンタ達の頭をぶっ飛ばそうって奴がこの店には大勢いるんだ」


絵里「ご忠告痛み入るわ、でも安心して。そんな怖い事する人はこの子が回路燃やしちゃうから」


栞子「……」ペコッ


ローグ「ふぅん、わざわざアラサカから私を脅しに来たのかい?御足労な事で。それとも私をRelicの生贄に?」


絵里「結果的にそうなってしまったのなら謝るわ。あと、そんな事はしない」


ローグ「はぁ、はいはい……で、用件は?」


絵里「人を探してるの。アナタの情報網ならきっと見つけられると思う」


ローグ「本当にタダの依頼かい?アンタらの事だしね、どうにも裏がありそうで仕方ない」

40: 2023/08/22(火) 17:43:40.23 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「じゃあこう言えば多少は聞こえがいいかしら?」


ローグ「…」


絵里「……私達はアラサカを潰しに来たの。そうよね、シオリコ」


栞子「はい、エリさん」


ローグ「……成程聞きたくなる話だ。アラサカの社員が、アラサカに恨みを持ってるって事かい?」


絵里「長くなるから掻い摘んで話しておく。アナタに嘘は通用しないだろうし」


ローグ「そうしな」

41: 2023/08/22(火) 17:44:32.25 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「1年前、ハナコはどこかのソロを使いヨリノブさんを失脚させた。その後Relicを使いサブロウはヨリノブさんを依代として、蘇ったの」


ローグ「その位は良く知ってる」


絵里「でしょうね」


ローグ「だから何だってんだい?」


絵里「私達は確かにアラサカの社員。でも、あくまでヨリノブさんに仕えていた人間なの。昔からね」


ローグ「所謂タカ派って奴かね…」


絵里「その通りよ。そしてある日、そんな私達の仕える主の自我が消し去られ、サブロウを名乗り出した。この恐怖と屈辱がアナタに分かる?」


栞子「あの時、私達はある理由でナイトシティを離れていました。お近くでお守りする事が出来なかったんです。そしてヨリノブさんは、ヨリノブさんでなくなっていた……」


絵里「私達は、ヨリノブさんを陥れたハナコとサブロウを許さない。だからアラサカに復讐してやろうって思ってるのよ。ローグ」

42: 2023/08/22(火) 17:45:45.79 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「……つまり何か、アンタらはアラサカの社長を消す気なのかい?ヨリノブだかサブロウだか分かりゃしないが」


ローグ「どちらにしろ正気じゃないね。アダム・スマッシャーが10人いてやっと出来る事じゃないか?」


絵里「そう、私達にそこまでの力は無い。ただ、声を上げる事は出来る」


ローグ「声?声だって?だったらリズィーやケリー、アス・クラックスにアラサカ氏すべしと歌わせれば良いじゃないか。声を上げただけでコーポが折れるなら、私らはこの街で老衰で氏ねるだろうさ」


絵里「それもそうね。だから私達はステージ作りに精を出す事にする。歌う人はこの人よ。資料を送るわ」ピピッ


ローグ「…………」


栞子「どうです、ローグさん?」


ローグ「……成程ね。こりゃ世界的スターだ。声を上げてコーポがどうなるかは分からないが、この子が上げたら」


絵里「会社は少し揺らぐ。そこをぶっ叩くのよ」


ローグ「この街にいるのかい、この子は」


栞子「私達が探しているこの方は、必ずこの街にいます」

43: 2023/08/22(火) 17:46:02.24 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「ふむ……ヨリノブ・アラサカの隠し子ね」


ローグ「名は、"スミレ・ヘアンナ"…本名はスミレ・アラサカって所かね」

44: 2023/08/22(火) 17:46:40.58 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「……この子もアンタ達も、探してる事がバレたらタダじゃ済まない。目的の為に氏ぬつもりだね?」


栞子「無論です。もう直に我々はハナコ率いるキジ派の連中に追われるでしょうし」


絵里「こっちは私たちの頭取られてんのよ。奴等を本気でぶっ飛ばさなきゃ、サブロウからハナコへ頭のすげ替えになるだけ。それだけじゃ気が収まらない」


ローグ「おや、語気が変わったね」


絵里「変わるわよ。こうなったらどんな力でも借りて、アラサカを作り替えてやるのよ」


栞子「それがせめてもの、ヨリノブさんへの弔いです」


ローグ「……」


絵里「手を貸して、ローグ」

45: 2023/08/22(火) 17:47:26.02 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「…ハッハッハッハッ!!!!とんだサイバーサイコが現れたもんさ……くくくっ」


栞子「ちょっと、笑い事では無いのですよ!」ガタッ


絵里「シオリコ、待って」


ローグ「お嬢ちゃん、私はね。ジョニーは氏んでモーガンも世俗に興味無し。"アイツ"も氏んじまって、ナイトシティはこのまま自らの重みで潰れるだけだと思ってたのさ」


ローグ「だがまさか……くくっ、アンタらみたいな頭のネジが外れてる所か、ネジ山から潰れちまった人間が出てくるなんてねぇ?こりゃあ長生きはするもんだ、ハハハ…!」


絵里「ふふっ、ネジ山なんざもう無いわよ。キラキラのし過ぎで脳がツルツルでね。店を出たらあなたの名前も忘れてるかも」


栞子「ちょ、エリさんっ!」


ローグ「くくく……よし、どうするかくらいは聞いてやろう。この娘を見つけてどうする気だい。今の所、穴しかない作戦だが」


絵里「ありがとう、ローグさん」


栞子「こちらのチップを」


ローグ「……」カチッ

46: 2023/08/22(火) 17:48:06.12 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『アラサカはもうすぐ、創業記念大パレードを開く。ジャパンタウンのあの時みたいに山車を出してね』


『あの蘇りが行われてから初めてサブロウとハナコは共に、演説の為に公の場に出てくる。この期を逃す訳にはいかない』


『私達はシオリコの力を使って、山車の1つを占拠し全体に演説。スミレ様こそアラサカの正当なる後継者であると』


『勿論本当に後継になるつもりは彼女も、我々もありませんが』


『そんな事をしでかしたらアラサカのセキュリティ部隊が黙ってないよ、どうする気だい』


『そうね、アラサカの部隊数は超厳重。護衛対象がサブロウとハナコなら特に増えるでしょうね』


『でもこちらには、ナイトシティには……500万人いる。コーポ氏すべしを掲げる善良な市民がね。悪いけど利用させてもらうわ、コーポらしく』


『ちょっと待ちな。アンタ、民間人を使う気かい?』


『ふふ、勿論本当の一般人を駆り立てるつもりは無いわよ?でもナイトシティのソロ達が一箇所に集まれば、大混乱を引き起こせる』


『ソレに乗じてサブロウを暗頃する。そうすれば正当後継者のスミレ様がアラサカのCEOに着任出来るって寸法よ。後々の社内のゴタゴタは私たちが何とかする』


『後継者の順番的には、継ぐべきはハナコだろう』


『サブロウと同じよ、ここで始末する。まあ最悪、サブロウさえ始末出来ればハナコなんて取るに足らないわ』

47: 2023/08/22(火) 17:48:35.17 ID:m2Oj7+Aj.net
『街のソロ達はどう集めるつもりだい?まさかチラシやスクリームシートをばら撒くんじゃないだろう?』


『ぶっちゃけそれで良いと思うのよね』


『ふん、やっぱりネジが飛んでるね』


『スミレ様を確保したら、まずアラサカに対する檄文をネットを通じて街の全傭兵に向けお話頂く。アラサカ打倒に手を貸して欲しいと。私がやるからには、もう市民に損はさせないとね』


『来るパレードの日に行動を起こせと街に吹聴すれば、信じる者は信じるでしょう。あとは本当に事を起こせば、自然とついてくる筈です』


『……そもそもアンタらもアラサカだ。アンタらが頂点に立ったとして、また同じ様な世界にするつもりなら』


『アンタらが集めたお仲間に、今度は私が呼びかけてアンタらを破滅させる。そうだね、また水爆でも使ってやるさ』


『私達はどこまで行ってもヨリノブさんの手足ですよ。私達は最初からRelicの様な物で世界を支配なんて、ずっと反対してた側ですから』


『アラサカを継ぐべきヨリノブさんがいない今、ヨリノブさんの実子がアラサカをどうこうすべき。自分の子供を依代にする様な悪魔じゃなくてね』


『…別に、そのままアラサカが消え去っても構わない。寧ろナイトシティにとっちゃ、その方が良いでしょ』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

48: 2023/08/22(火) 17:49:17.67 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……こんな感じだけど、どうかしら?」


ローグ「まだ聞きたい事がある。スミレとやらがこちら側につくのかどうかだ」


ローグ「お前達2人がここに来た目的はスミレの居所を私に聞く為だろう?という事は、スミレ本人はこの作戦自体知らないという事だ。下手したら、自分がスミレ・アラサカかどうかすら知らないんじゃないかい?」


絵里「"あの事件"の時私達はヨリノブさんの指示で東京に飛んだ。自分に何かあった時は、スミレ様をお守りしろと……自分の命を投げうってまで」


絵里「そしてサブロウがヨリノブさんを乗っ取ったのを知ったスミレ様は、私達の目を盗んでナイトシティに飛んだの。書き置きのチップを置いて」



ー『お父さんの仇は私が必ず取る。先に行ってるわ』ー



ローグ「目を離したアンタらのせいじゃないか」


栞子「それに関しては何も言えません。腹を切る覚悟です」

49: 2023/08/22(火) 17:50:08.65 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「シオリコが残った足取りを調べてくれたお陰でナイトシティにいる事は分かってるんだけど……そこからの足取りがどうしても分からないの」


栞子「平たく言うと、護られているかの様な情報の掴めなさです。つまり、匿っている者がいる」


ローグ「機でも伺ってるのかね……」


絵里「本題に戻るわ。アナタにスミレ様の居場所を調べて欲しいの。この街の深い所を知り尽くしたアナタなら分かるはずよ。私達の様な嫌われ者じゃ、調べるにも限界があるのでね」


ローグ「……」


絵里「ローグ」


ローグ「………私が何で動くか、分かるね?」


絵里「ええ、有料なんでしょ?幸いな事にエディーならいくらでも」


ローグ「いや、コーポから金なんざ、幾ら貰ってもダメージにならないだろう?」


栞子「……」


絵里「何をさせたい訳?」


ローグ「今、1つ緊急の案件を抱えてる。これを達成出来たら探してやろうじゃないか。ヨリノブの娘を」


絵里「私達は傭兵じゃないのよ?いいの、それでも?」


ローグ「お嬢ちゃんはコーポにいるだけあってそこそこのネットランナーらしいね。それを活用して貰おうか」

50: 2023/08/22(火) 17:50:43.63 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「何の事は無い、ちょっとした情報収集と……荒事さ。アンタらにとっちゃ日常茶飯事だろう?」


栞子「何故私達がそんな…っ!?」


絵里「シオリコ」


栞子「エリさんも何か言って下さい!!この人は分かってないんです!!どれだけ私達がヨリノブさんに救われていたのか…っ!!」


絵里「ヨリノブさんとスミレ様の為よ。私達が骨を折れば、あの人は浮かばれる」


ローグ「やるのかやらないのか、どっちだい?」


絵里「迷う事無いわ、やるに決まってるじゃない」


ローグ「ふん。アンタ、コーポにしとくにゃ惜しいね」


栞子「……ッ!!」


ローグ「お嬢ちゃんもこの上司をよく見習いな。流石に世渡りが上手い。与えられた仕事は素直にやるもんさ」


絵里「約束して。必ずスミレ様を見つけると」


ローグ「分かってるさ。傭兵やドライバーはこちらで用意する。アンタらは詳細を見て向かうといい」


絵里「やると決まったらとっとと取り掛かるとするわ。急いで人員を呼んでくれる?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

51: 2023/08/22(火) 17:51:45.52 ID:m2Oj7+Aj.net
ーサントドミンゴ、アロヨのダイナー前ー


https://youtu.be/dTQAzy5e6Eo




<えにしん、えにもー...


曜「......頑張ってるなぁ、アス・クラックス」


ピーッピーッ


曜「およ」


ピッ


曜「ほいほい、エル?どしたのさ、お仕事ですかな」


エル・キャピタン『よお曜、その通り依頼だよ。それもお前の得意な奴さ。パシフィカから壮大な海を望みつつ、偵察と攻撃。お前にとっちゃ楽勝だろ?』


曜「つまり単純な肉体労働って奴だね?何なりと言ってくださいな」


エル『もうすぐそこにコーポを乗せたノーマッドの運転手が来る。何かナイトシティをひっくり返しちまう何かを探してるらしいぞ』


曜「渋滞してるなぁ。何でノーマッドがコーポ運んで…まあそれは仕事か。で、ナイトシティがひっくり返るって何さ」


エル『それについてはそのコーポから……いや元か。ローグ経由でこの依頼を俺達に流してきた。ムカつくんだかムカついちゃ駄目か訳が分からねぇよ』


曜「んん?コーポさんはローグに言われて私を?何でローグが私を指名すんのかな。有名になったのかな?」


エル『まあ取り敢えず、そのコーポ野郎に仕事の詳細を聞いて、任せときゃいいさ。ワカコには俺が伝えとく。頼んだぜ』


ピッ


曜「……ん?結局何が何だか分からないんだけど」



<ブォーン…

52: 2023/08/22(火) 17:52:16.23 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「来たっぽいし。考えるのは後でいいや」


果南「お、帰ってきたか」ヒョコッ


曜「うわっ、誰!?」


果南「そっちこそ誰さ。私はあの運転手の友達だけど」


曜「これからそのお友達と同乗者とお仕事なんだ。アナタも?」


果南「私はあのドライバーの付き添いだけど、まあ何かあったら手伝うかなん」


曜「一応同業なんだね」


果南「そ。あ、これも縁だし連絡先教えとくね。アルデカルドスのカナンだよ。運びたい物とかあったらいつでも」ピッ


曜「貰っとくね、私はヨウ。ホントはワトソンの方でソロやってるけど、今は訳あってココに。宜しくね」


果南「ん、こちらこそー」


キキーッ


<ガチャッ


彼方「わざわざサントからカブキまで行くのは面倒だったぜ……お迎えご苦労さまって言ってぇ」

53: 2023/08/22(火) 17:52:55.45 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「え、私に?まあ依頼人だからそうか……ご苦労さま」


彼方「どういたしまして~」グデー


果南「なんでもう疲れてんのさ、これからなんでしょ?仕事は」


彼方「もう1人の同乗者ちゃんがずっとヨリノブ・アラサカの素晴らしさを熱弁してきてさぁ……」


栞子「ノーマッドの方こそヨリノブさんの良さをご理解頂くべきと思ったので、お話したまでですっ!」フンス


彼方「あれはお話じゃなくて演説だよぉ。誰かに語りかけて返答が帰って来てこそのトークでしょ~……」


絵里「えーと、アナタがヨウ?」


曜「そうだよ。コーポさん?」


絵里「まあね。エリ・アヤセよ」


曜「宜しく」


絵里「で……あなたは?」


果南「カナン。カナタの付き添いでここのピザ食べに来ただけなんだけど」


果南「……暫くウチのクランも暇でね。一緒に仕事させてくれない?」

54: 2023/08/22(火) 17:53:24.85 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「え、果南ちゃんも一緒にやる気かい?」


絵里「ノーマッドさんは1人で良いって言ったのに……」


栞子「まあ、報酬に関しては心配しなくても大丈夫ですし」


絵里「……まあいっか。宜しくね」


果南「宜しく。迷惑はかけないからさ」


曜「ねー、ダイナー入っていいかなー?」


絵里「良いわよ。さあ、役者は揃ったわ。まずは腹ごしらえをしつつ、仕事について話させてもらうわね」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

55: 2023/08/22(火) 17:54:03.40 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「……成程、合点がいった。私が呼ばれた理由がね」


絵里「ローグは私達を使って、ミリテクの新型チップについての情報が欲しいらしいわ。その為に訳知りのアナタが選ばれたって訳」


絵里「これからこのメンバーは……何か1人多いけど、ミリテクのコーストビュー支部に乗り込んで情報収集。あわよくば、試作型チップが手に入ったりしたら…万々歳ってとこね」


彼方「何でコーストビューの支部なの~?他にもあるじゃんねぇ」


栞子「ここは最近、ミリテクの幹部が頻繁に出入りしているんです。それも仰々しい装甲車を引き連れて。余程大事な物、ないしは人を運んでいると推測されます」


曜「ふーん……でもコーポさんが直接こんな事するなんて、随分珍しいね?こういうのは私みたいな傭兵に任せて、見晴らしの良いタワーから歌川でも飲んでりゃいいんじゃない?」


絵里「私達2人は半分コーポよ。もう半分がノーマッド」


曜「……何、どういう意味?」


絵里「目的は別にあるの。その目的を果たす為なら傭兵稼業位、コーポにはお茶の子さいさいなのよ」


曜「へー……ん?今軽く喧嘩売った?」


絵里「売ったつもりは無いけどね。コーポだから何かを売るのが性分でつい。5000エディーで買ってくれるなら喜んで売るわ」


曜「あ、何か今すっごいその綺麗な顔面ぶん殴りたくなってきたかも」


彼方「カナタちゃんは別にコーポでも傭兵でも何でも良いけどね~。お仕事に貴賎なしだもん」モグモグ

56: 2023/08/22(火) 17:54:32.53 ID:m2Oj7+Aj.net
栞子「流石カナタさん!広い視野をお持ちなのですね!」キラキラ


果南「何かすんごい気に入られてんじゃんカナタ」ボソッ


彼方「なんでぇ~?」


絵里「さて、私としては正面からカチ込むのも良いと思うけど、もし何か作戦があったらどうぞ。忌憚のない意見を述べて下さいませ」


果南(顔の割に乱暴な作戦だなぁ)


曜「はい。まずアンタをぶっ頃してから、ジグジグの軒先にぶら下げて観光名所にする」


絵里「うーん悪くないけど、その前にアナタを紺碧の外壁に貼り付けて、グラードでそのお腹に風穴を空けるってのはどうかしら?」


曜「めっちゃイイじゃん、私の体に穴が空くだけで紺碧が潰れてくれるんならね。アンタだって紺碧ぶっ壊したらサブロウ・アラサカにセップクを言い渡されるんだろうし、お互いwin-winだ」


絵里「確かにそうね。じゃあ私はジョン・〇ラコック卿を使ってアナタの穴という穴をFu」


彼方「はいはーい、支部の横にある放棄されたビルを破壊してミリテクの方に倒壊させる。その混乱に乗じるとかどうかなー?」


絵里「……成程、良いかもしれないわね。確かにあの辺は建設途中で放棄されたビルが多いし。ただ闇雲に正面突破するよりは成功率は上がるでしょうし」


曜「とするも、破壊の手段が中々難しくない?ロクな銃器じゃ壊れないだろうしさ。中のネット環境が生きてるなら発電盤オーバーロードさせるとかもあるだろうけど」


果南(ナイスだカナタ。空気最悪だったからね)

57: 2023/08/22(火) 17:55:09.54 ID:m2Oj7+Aj.net
栞子「ノーマッドらしい荒々しくも確実な作戦ですね、流石カナタさんです!」


彼方「もうこれカナタちゃんが何言っても肯定してくれるんじゃないかい?ねぇシオリコちゃん、アラサカやめなよ」


栞子「いやです」


彼方「そっかぁ」


果南「あの~私、途中参加なんだけどさ。発言良い?」


絵里「どうぞ。どんな意見も貴重よ」


果南「この前ノーマッドのスネーク族がぶっ壊したカン・タオのAVに、セムテックス爆弾がふんだんに積まれてたらしいんだ」


果南「ちょっとした貸しがあるから、ウチから頼んでみたら幾つか売ってくれるかも……そしたら話は早くないかなん」


絵里「ふむ、それはありがたい話ね。是非貰いたい所だわ」


曜「良いねぇカナンちゃん。でもその後は?」


栞子「報酬については私から交渉します。アラサカの銀行部から幾らかちょろまかしてお渡し出来るかと」


彼方「うんうん……え今なんて?」


栞子「アラサカから少々頂こうかと」


彼方「何でそんなコーポが自分の首絞める様な真似すんのさ!!」


栞子「お気遣い感謝致します。何のことはありませんよ」

58: 2023/08/22(火) 17:55:29.05 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「うーん、私もさっきから気になってたんだよね。アラサカの癖に、アラサカが傷付く事を厭わないのは何でなの?そんなコーポ、見た事ないよ」


絵里「長い話よ。企業も決して一枚岩じゃない、とだけ言っておくわ。今はこの案件に全力を注いで、ヨウ」


曜「……はいはい」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

59: 2023/08/22(火) 17:55:54.75 ID:m2Oj7+Aj.net
ブーン…


絵里「という事で、アルデカルドス・プランを実行するわ。放棄されたビルをぶっ壊してミリテクの支部に物理的に打撃を与える」


絵里「スネーク族からセムテックスを買うにしても我々の懐事情とか考えると全部は頂けないわ。なのでビル内のネット環境を把握し、出来るならオーバーロードさせて爆破……で済ませたいの」


曜「お金無いって世知辛いねぇ~」


絵里「調査した上で必要な分だけを買い上げる。そうすればお金の心配もしなくて良し」


果南「交渉次第では普通にタダでくれるかもよ?」


絵里「ローグからは期限じゃないけど迅速な仕事の完了を求められててね。要はあんまり時間が無いの」


彼方「パパっとビルの偵察、爆破準備、爆破後は施設内の物資強奪。まとめるとこうかい?」


絵里「その通りよチューマ。ビルの偵察が終わった時に爆弾が必要になったら、その時点でカナンとシオリコは交渉に向かって」


果南「おっけいだよー」


栞子「まずはビルのネット環境や設備がどうなっているかの偵察を行います。ひとまず私とカナンさんはこのバンに留まって、皆さんに遠隔から支援をしますね」


曜「私とカナタちゃん、コーポさんと偵察ね。はいはい」

60: 2023/08/22(火) 17:56:24.03 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……ねえヨウ、私達って一応依頼人なのよね。そうでなくても今我々は1つなんだし、名前で呼んでよ」


曜「ナイトシティ住人がどれだけ企業を憎んでるか知っておいた方が良いよ。まあ、私はそこまで興味無いけど」


果南(まーた空気が悪化するなぁ)


絵里「じゃあ何で」


曜「キミ達の目的が知れないからだよ。あのローグが何の思惑も無くコーポと仕事しろなんて言う訳ない。さっき話した限りでも、キミ達が何か隠してるのは分かるし」


曜「大方ミリテクの情報をパクってアラサカに持って帰って、それを基にナイトシティの権力闘争に一手先んじようとかしてんじゃない?ま、だとしたらローグも黙ってないだろうけどね」


絵里「それは無いけど……まあ、無理にとは言わないわ」


曜「あそ」


絵里「……そうねぇ、じゃもう一個だけ言っとくわ、ヨウ」


曜「何さ」


絵里「私達はこの仕事が終わったら、今のアラサカをぶっ壊すつもりよ」


曜「ふーん………はぁッ!?何言ってんのエリさん!?」


絵里「名前、呼んでくれたわね」


曜「あ、いやそれは…」


キキーッ


<新エリア>

ーコーストビュー、放棄されたビルー

61: 2023/08/22(火) 17:57:30.12 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「よっと、到着だよ~」


果南「いつもタイミングが良いね、カナタは」


彼方「ほえ?」


栞子「分かってなかったのですね、さっきまでの空気を…」


彼方「ごめんごめん、ずっとアス・クラックス聞いてた~」


果南「こいつ…」


絵里「ありがとう。やっぱりノーマッドは良い運転するわね」


曜「…やっぱノーマッドもいいなぁ」


彼方「おや、ナイトシティ住民なのに、カナタちゃん達に差別無いのかい?」


曜「このファッキン・コーポと違ってカナタちゃん達は信念があるじゃん。私達もキレイな暮らしは出来てないんだしさ、仲間みたいなもんだよ」


絵里「この薄汚れたストリートキッドと違って私もあなた達に差別は無いわよ。私達も東京でノーマッドしてた訳だし」


曜「東京で…?てか何、やる気?」


絵里「良いわよ、アナタを先に片付けてやっても」


ガタァン!!

62: 2023/08/22(火) 17:58:09.72 ID:m2Oj7+Aj.net
栞子「きゃあぁっ!?な、なんですか!?」


彼方「ごめんよ、クラッチミスっちった」


曜「…っち」


絵里「……さ、行きましょ」


果南(あれ、もしかして分かっててやってんのこの子)


栞子「えー…ごほん!では手筈通り、私とカナンさんはここで皆さんの支援をします」


彼方「何かあった時はシオリコちゃんを頼んだぜ。カナンちゃん」


果南「カナタ程のドラテクは無いけど、逃げ足だきゃ早いからね」


絵里「シオリコを頼んだわ、カナン」


果南「お任せだよー」


曜「ほらさっさと偵察するよー」ガチャッ


彼方「待ってよ~ヨウちゃーん」ガチャッ


絵里「…自由な子達」


ガチャッ


バタンッ


絵里「さて、状況を開始し……」


曜「あっ」





アニマルズ「…ん?何だお前ら」


彼方「めっちゃアニマルズいるうぅぅぅぅぅぅっ!!!?」

63: 2023/08/22(火) 17:58:59.32 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「じゃ!少し離れとくねカナタ!!」ブルゥン!!


栞子「えっ、大丈夫なのですか!?ちょっ、エリさーーーー…………」


<ブーン…


絵里「……マジで逃げ足早いのね」


アニマルズ「お前ら、ここはあたし達アニマルズの場所だよ。許可なく入れる訳にはいかねぇ」


絵里「あー…面倒ね。邪魔するなら殺っちゃおうかしら」


アニマルズ「ほうほう、ずいぶん威勢の良いコーポが来たねぇ!!いいよ、闘り合おうじゃない!!」


彼方「早速鉄火場かぁ…やっぱナイトシティは怖いや」ジャキッ


曜「待った待った、ここはあたしに任せて」


絵里「でも流石にこの数は…」


曜「良いから、コーポさんはデカフェでも飲んで待ってて」


絵里「…っんとに、この子はいちいち」


彼方「まーまー」


曜「ごほん…やっほーライノ!」


彼方「え」


ライノ「あぁ!?……ヨウか?おい、随分久しぶりじゃないかいチーカ!何でこんなとこに?お前、ワトソンの方に住んでんじゃないのか?」


曜「久しぶり!今はちょっと仕事でこっちに来てるんだ。実はさ…」


<ペラペラ

64: 2023/08/22(火) 18:00:22.21 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「…何だ、お友達なのね。ストリートキッドも馬鹿に出来ないわ」


彼方「結構ギャング達に顔広いんだねぇ、ヨウちゃん」


曜「おっけーおっけー!すぐに終わるよ、ハンズには私から伝えとくから!」


<頼んだぜーヨウー!


<ガチャッ、ガチャガチャッ


<ブーン…!!


絵里「ここにいたアニマルズが全員帰ったんだけど」


曜「ちょっとお話してきた。仕事でどうしても使うからここを渡して欲しいって正直にね」


曜「ここは無くなると思うけど、新しい根城は知り合いのフィクサーに頼んで用意してもらう事にしたよ。そう言ったら喜んでどいてくれたさ」


絵里「その…ライノって人とは知り合い?」


曜「殴り合った仲だよ。殴り合いで最強だったライノに、私が"2度目の敗北"をあげた時から仲良しって事」


絵里「…そう、良かったわ」


曜「おやおや、コーポさんビビっちゃった?いやいや仕方ないよねぇあんなゴツいギャングが束になってかかってきたらねぇ???」


絵里「良かったのはあなたの友達を殺さずに済んだからよ。あなたはいけ好かなくても、関係の無い友人を何も考えず殺せる程腐っちゃいないからね」


曜「へーへ、お優しい事で。コーポにゃ珍しい良心をお持ちの様で」


絵里「ヴァレンティーノズのクローム並みに光り輝く良心を持ってるわよ。あなたみたいな根無し草のストリートキッドと違ってね」


曜「…っあ゛ーっ!!もう面倒臭いから殴る!!」

65: 2023/08/22(火) 18:00:54.12 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「はぁいそこまぁでぇよ~」ガシッ


曜「おわっ!!」


彼方「今はお仕事、でしょ?」グググ…


曜「…カナタちゃんって」


絵里「ゴリラアーム、持ってたのね…手袋で分からなかったわ」


彼方「そーだよぉ。ほれ、早く早く」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

66: 2023/08/22(火) 18:01:24.76 ID:m2Oj7+Aj.net
『シオリコです、首尾はどうですか?』


絵里「ちょっと待って、この配電盤を……おりゃっ」カチッ


『……はい、入りました!たった今から、そのビルは私の指揮下です。お疲れ様です!』


『これから全体的な構造を把握します、少しお待ち頂けますか?』


絵里「了解よ」


ピッ


絵里「…という事で、少し休憩ね」


彼方「お、休憩かい?じゃあ失礼して…どっこいしょ」スッ


彼方「…はぁ、良い景色だねぇ」ゴクッ


絵里「わざわざ正座してティアンチャ飲みだすカナタの胆力、好きよ」


彼方「休める時に休まないと仕事なんて出来ないからねぇ」


絵里「耳が痛いわ。ちゃんと働いてた頃の私に聞かせてあげたいくらい」


彼方「やっぱブラックだねぇ、アラサカは」


絵里「まあ、企業なんてそれが普通よ」


彼方「普通な事あるかい…あーホントやだやだ」ズズー


絵里「…あら、ヨウは?」


彼方「もう一個上の階にいるよ、多分フィクサーさんと話してるんじゃないかな」


絵里「そう、ちょっと行ってくるわ」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

67: 2023/08/22(火) 18:02:29.74 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「無理言ってごめんワカコさん、でもこの仕事で例のミリテクの件、進展すると思う」


曜「…確かに。リンちゃんにはね……うんうん。いざ戦いとなったら天才的だけどっ」


絵里「ヨウ?ここにいたの?」


曜「あー……うん、仕事の人。じゃあまた!宜しく頼むねー。はーい、はーい。お疲れ様でーす……」


ピッ


絵里「電話の切り方が日本人ね」


曜「日本から来てるんでね」


絵里「わざわざこんな所で仕事しなくて良いじゃない」


曜「デカい金を掴んで名を上げたいだけだよ。傭兵なんて皆そんなもん。地元は千葉ほどじゃないにしろ、荒れてるもん」


絵里「どこ出身なの?」スッ


曜「何、ニコーラで懐柔する気?……静岡だよ」カシュッ


絵里「へえ…私は新ソ連生まれ東京育ち。両親共に日本人」カシュッ

68: 2023/08/22(火) 18:05:48.67 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「ふーん。じゃあクォーターか何かなんだ」


絵里「そうよー、お祖母様がテクトロニカの人で……そうそう、お母さんはよく昔の日本の事を話してくれたわ」


絵里「20年代の日本では学生達が学校でアイドルをしていたり、世界中にその子達のファンがいたらしいわよ」


曜「信じられないね。今の学校なんて企業の養成所か、政府から見放された無法地帯かのどっちかだもん。私は後者だったし」


絵里「私だってまともに学校なんて行ってないわ。面白くなかったし」


曜「そんな奴が何でアラサカなんて、世界最大の企業にいる訳?」


絵里「私とシオリコがいたノーマッドの総長が、ヨリノブさんだったのよ」


曜「あー…そういう」


絵里「あの人が私達を底辺から引っ張り上げてくれたの。もちろん私達だけじゃなくて、他に何人もね。もう1人の親みたいなものよ」


曜「……へー」

69: 2023/08/22(火) 18:07:05.83 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「…ねぇヨウ、アナタが企業を憎んでるのは分かるけど、それって本当にアナタの本心?」


曜「何が言いたい訳?」


絵里「私が思うに、あなた自身は別に企業がどうなろうが知ったこっちゃない」


絵里「ただ金を稼いでこの街で、傭兵として名を挙げたい。それだけなんでしょ?」


曜「……だったら、何?」


絵里「それでいいのよ。良い信念あるじゃない。金や名声って言う立派な」


絵里「でもね、悪いけど私にも信念位あるの。私達の親代わりだった人を殺されて、平気でいられると思う?」


絵里「想像して。ヨウの本当に大切な人が、見た目はそのまま意識を消されて、中身が別人に置き換わる事を」


曜「……」


絵里「……私はこの仕事を片付けてローグの協力を取り付けたら、現体制のアラサカを完膚無きまでに壊し尽くす」


絵里「正直もう、アラサカがどうなろうと興味無いわ。これはヨリノブさんに向けた、ただの弔いだもの」


曜「……ははっ、狂ってるね」


絵里「カナンやカナタ、そしてアナタさえ良かったら、コレが終わった後も協力して欲しいとは思ってる。皆の腕を見込んでね」


曜「……考えとく。結果的に私の力を使ってコーポにダメージが与えられるなら」


曜「ナイトシティのレジェンド達に、名を連ねられると思うし」

70: 2023/08/22(火) 18:07:55.15 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「もちろん、報酬は色を付けるわよ。好きでしょ」


曜「大好き」


絵里「……ふふ」


ピーッ


『エリさん。シオリコです』


絵里「ええ、首尾は?」


『ビル内の全送電網を確認しました。結果、オーバーロードは可能ですが……』


絵里「足りない?」


『恐らく。なのでこのままバッドランズにカナンさんと交渉へ向かいます。エリさんチームには爆弾設置の際、倒壊に効果的であろう場所を探しておいて欲しいです』


絵里「分かった。そっちは頼んだわよ」


『お任せ下さい。そちらはお願いします』


ピッ


絵里「という事で」


曜「もうひと踏ん張りだ。下の階の柱とかが良いよね?」


彼方「あ、カナタちゃんがある程度目星付けといたよ~」ヒョコッ


曜「仕事はっや」


絵里「……カナタってノーマッドにしておくには惜しいわ。これが終わったらアラサカに来てよ」


彼方「や~だよう。自由気ままが1番だもん」


曜「ま、それは否定しない」

71: 2023/08/22(火) 18:08:24.69 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「カナタがもう目星を付けてくれているのなら、暇になるわね。ならここからミリテクの視察をしておきましょうか」


曜「ほいほい、えーっと……」


彼方「警備兵が……見える限り10位?」


絵里「あそこの倉庫にケンタウロスが入ってくのも見たわ。多く見積っても30かしら。1人あたり10人の計算ね」


曜「あそこの発電機から登って入れそうだ。てか待って、皆頃し確定なの?」


絵里「勿論殺さずに済むならそれでいいわよ。ただ、見つかった後の面倒事を考えるなら」


絵里「全く見つからずに事を終えるか、見つかった時点で皆頃し確定、そのどちらか2つに1つだからね。だってあとあと追いかけられるとかホント面倒だし」


彼方「でも倒壊させた時点でかなり大騒ぎじゃないかい?」


絵里「そっちに注目が行ってる間迅速に情報を収集出来れば、私達の事はバレないわ」


曜「まあ仮に見つかってもバレない様に始末すれば大丈夫でしょ。氏体はゴミ箱とか入れとけば」


絵里「そうゴロゴロと手頃な箱があるかは分からないでしょう?まあでもとにかくバレなきゃ良いわよ、取り敢えずね」


曜「隠密は苦手なんだよねぇ」


絵里「ええ、私もよ」


彼方「何かカナタちゃん不安になってきたぜ……あ、バイクが走ってく」


曜「多分バイクは関係無いと思うであります」


絵里「あの発電機のタイプなら、側面にもうひとつありそうね。2方向から入っても行けそうだわ……」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

72: 2023/08/22(火) 18:08:56.80 ID:m2Oj7+Aj.net
ーバッドランズー



スネーク族「……アラサカと交渉して金を受け取るのか。あとあと何か難癖つけて来るんじゃないだろうな」


栞子「ご安心を。その様な事は致しません」


果南「コーポがこう言ってんだし、大丈夫だとは思うよ」


スネーク族「まあ昨日の今日で急にカナン達が企業側に寝返るとも考えられん……分かった、カナン達の為だ。幾つか渡してやろう」


栞子「有難うございます!」


スネーク族「勘違いするな、お前の為じゃない」


果南「ツンデレって奴かなん?」


スネーク族「やかましい。それで、幾つ必要なんだ」


栞子「まずは現物をお見せ下さい。威力の程を検証したいですし」


スネーク族「曲がりなりにもカン・タオ製だ、充分だろう」スッ


ガチャッ


果南「おおう、沢山あるねぇ。暫くスネーク族は安泰だ」


スネーク族「いくつかは然るべき所に売り、残りは持っておく。そうすればウチのファミリーの為になるだろうからな」


栞子「このタイプなら……そうですね、3つ程頂ければ」


スネーク族「分かった。1つ辺り1000エディーでどうだ」

73: 2023/08/22(火) 18:09:46.65 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「はは、結構取るじゃん」


スネーク族「コーポだぞ。カナンだって、ふんだくれるだけふんだくるだろ」


果南「シオリコちゃんじゃないコーポにはそうするかもね。今は仲間だし」


栞子「ふむ……700では」


スネーク族「750」


栞子「800」


スネーク族「850だ」


栞子「……はぁ、粘りますね」


スネーク族「当然だ。カナン達のお仲間とはいえ、お前はコーポだろう。我々のクランも随分企業には搾取されてきたんでな」


スネーク族「私自身個人的な恨みこそないが、ファミリーの手前だ。分かるだろ」


栞子「そうですか、お気持ちは分かりますよ」






栞子「……エレナさん」


英玲奈「っ!!」

74: 2023/08/22(火) 18:10:25.79 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「へぇ、エレナって言うの?」


英玲奈「……そうだ」


栞子「元ペトロケム技術者のエレナ・トウドウさんですよね?バイオテクニカに首を切られた後は、ノーマッドという事ですか」


英玲奈「……素晴らしい情報網だな。流石は世界最大の企業から来ただけはある」


栞子「その正義感からバイオテクニカの悪事を告発しようとして目の敵となり、当のアナタは今に至っていますが……まだ彼らはあなたを始末したがってるそうですよ」


英玲奈「……」


栞子「ところで話は変わるんですが……これ、750でいかがでしょうか」


英玲奈「……分かった、降参だよ」


栞子「ありがとうございます」


果南「ほー…」

75: 2023/08/22(火) 18:10:59.81 ID:m2Oj7+Aj.net
英玲奈「分かっているな、シオリコ」


栞子「勿論です。これを」ピッ


英玲奈「……確かに」


果南「まあエレナが元コーポだろうと、私達アルデカルドスは仲間だよ」ポンポン


英玲奈「私は今の生活が気に入ってる。出来るなら、このまま二度と企業と関わらず平和に暮らしたいものだったよ」


栞子「ご安心下さい、これからアラサカは空中分解しますから。ノーマッドの皆さんもきっと、満足して下さるでしょう」


英玲奈「…そうか。それはそれは、今のうちに礼を言っとくよ。チューマ」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

76: 2023/08/22(火) 18:11:51.70 ID:m2Oj7+Aj.net
ブーン…


果南「いやあ……驚いたよ」


栞子「何がです?」


果南「エリのお手伝いさん程度の立ち位置かと思ってたけど、立派にコーポだね」


栞子「コーポというよりは、昔取った杵柄でしょうか。経験です」


果南「ああ、東京でノーマッドしてたんだっけ?」


栞子「東京のノーマッドと、この街でのノーマッドは少し意味合いが変わりますが……まあ、似たような物ですね」


果南「末恐ろしいね、シオリコは」


栞子「それ、褒めてますか?」


果南「褒め半分、恐怖半分」


栞子「心外ですっ」


果南「なはは、ウチらも暫く企業とは一線引いてたからさ。実は私も結構怖がってんだよ」


栞子「最初に言った通り、ノーマッドの皆さんは基本的に尊敬しています。エレナさんには半ば脅迫じみてしまいましたが時間もありませんでしたし、何より約束は違えませんから」


果南「私達は約束を破らないし、家族は守る。そこはちゃんと心に持ってる様で安心したよ」


栞子「勿論ですよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

77: 2023/08/22(火) 18:12:34.10 ID:m2Oj7+Aj.net
ーコーストビュー、ビルー



曜「エリさん、タバコある?」


絵里「叶和圓でいいかしら」


曜「上々。ありがと」カチッ


絵里「素直になったわね。お金が沢山入る事が分かったから?」


曜「それもあるけど、ちゃんとエリさんの目的が知れたから安心しただけ」フー


曜「コーポ自ら出向いて他の企業を物理的にぶっ壊すなんて、聞いた事ないもん。それに手を貸せるなんて、正直ちょっとテンション上がるし」


彼方「しかもその後は自分のいる会社すら壊そうとしてるもんねぇ。実はもうサイバーサイコだったりするのかい?」


絵里「かもね。他のサイコとは違って意識がはっきりしてるだけ、その辺の奴等より面倒だと思うわ」


曜「自分で言うなし…」


キキーッ


ガチャッ

78: 2023/08/22(火) 18:13:45.88 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「おまたせ~、交渉成功ですよー」


彼方「おかえりカナンちゃん!」


栞子「皆さんお待たせしました。こちら、例の物です」ドンッ


絵里「お疲れ様。どれどれ……」ガチャッ


曜「おお、随分良い奴だね。ちょっと型は古いけど」


絵里「これでも充分よ。こっちも見積もり出来たし、早速設置してきましょうか」


彼方「了解だぜ~」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

79: 2023/08/22(火) 18:14:09.19 ID:m2Oj7+Aj.net
ー翌日ー



絵里「皆、準備は良いかしら?」


曜「いつでも」


絵里「計画をおさらいするわね、各自チップを」


彼方「ほいほ~い」カチッ

80: 2023/08/22(火) 18:14:52.39 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『シオリコがビルの配電盤を全てオーバーロードさせて設置した爆弾を誘爆、でビルを倒壊させる』


『ミリテク内部が混乱中に私とヨウとカナタは施設内に侵入。シオリコはバンの中から支援、カナンは近くのビル屋上で偵察をお願い』


『任せて。作戦の成否関わらず、帰りは私が運転するから』


『宜しくであります!』


『内部の監視カメラは私が先に偵察して全て機能を停止させました。カメラは気にせず作戦を実行して下さい』


『助かるぜ~、行動中のカメラさんは随分お邪魔だからねぇ』


『ドローンもある筈だし、気は抜けないね』


『内部の情報端末をハッキングしたのですが、今日は定期整備の日です。施設内のドローンは全て整備中なので心配は無用です』


『ラッキー過ぎるぜ……』


『仮に幾つか飛んでいても、私がハックして落としますよ』


『然るべき情報を手に入れた後はカナンのバンで現場を離れ解散。ほとぼりが冷めるまで各自自由に過ごして。報酬はローグを通じて渡すから、アフターライフ集合ね』


『よっし、やりますか』


『最後に1つ』


『イレギュラーな事案が発生しても、対処法は決めないでおく。アナタ達の腕なら、どう行動すればいいかは自ずと分かるでしょ』


『……おっけい』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

81: 2023/08/22(火) 18:15:43.59 ID:m2Oj7+Aj.net
ーミリテク支部、周辺ー



絵里「ヨウ、カナタ、準備は?」


曜「万端ですよー」


彼方「いつでも~」


絵里「皆のチャンネルを繋いでおくわ。聞こえてる?」


『聞こえてるよー。こっちも屋上到着。ミリテクもよく見えてる』


絵里「了解よカナン。シオリコ?」


『聞こえています。では、開始しますね』


絵里「お願いね。2人とも、倒壊を確認したら突入よ」


曜「……」


彼方「ヨウちゃん、怖いの~?」


曜「武者震いに決まってるじゃん」


彼方「流石、それでこそナイトシティのソロだね」


絵里「……ヨウ、カナタ」


曜「ん?」


彼方「なんだい?」


絵里「……氏なないでね」






曜「あっバカ!!」


絵里「は?」

82: 2023/08/22(火) 18:16:22.27 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「こんな時にフラグ建てるおばかさんがどこにいるのさ!!」


絵里「フ、フラ、え?」


曜「あ゛ぁ゛~っもう、ホントそゆとこあるよエリさん」


絵里「え、何がダメなの?え????」



<……ドォン!!!!



彼方「っ!!」


曜「始まった!!」


絵里「まだよ!」

83: 2023/08/22(火) 18:17:03.96 ID:m2Oj7+Aj.net
<ドドドォン!!!!


<グラ……



『爆破は成功です!!後は……!』


<ズォォォォ……ッ!!!


曜「行け、踏み潰せ…!」


絵里「そのまま……っ!!」


彼方「……まずい」


曜「え」



<…ドッガァァァァ……ン!!!!



『……カナンさん、どうなってますか!?』


『……クソっダメだ、ズレてる!!ミリテクに殆ど被害無しだ!!!』


『そんな!?エリさん申し訳ありません、計算を間違えました……!!』


絵里「シオリコのせいじゃない、時間が無さすぎるせいよ。ロクな検証も出来てないんだから…」


曜「早速イレギュラー発生だね…ったく」


彼方「さ、行くよ。被害は軽微でも混乱は混乱。チャンスは今しかない」


絵里「カナタの言う通りね……さぁ、決行よぉ!!!」


https://youtu.be/KmuYEJJQtt4

84: 2023/08/22(火) 18:17:54.80 ID:m2Oj7+Aj.net
ダダダッ


曜「ぃよっと」バシュッ


絵里「強化腱ね!そのまま入って!」


曜「おっけ、早く来てよね!」


<スッ


彼方「カナタちゃんはこっち!ここの排気口から入るから!」


絵里「私はあの非常階段から入る!健闘を祈るわ、カナタ!」


彼方「エリちゃんもね!」ガチャンッ


絵里「さて……」


タタタッ


<被害を確認せよ!怪我人を運べ!!


<何だってんだ、報告しろ!!


<隣のビルから爆発!?あんな放棄済のビルが何で今更爆発すんだよ!!?

85: 2023/08/22(火) 18:18:04.23 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「やってるわね……」


ミリテク「……ん!?おい貴様!!」


絵里「やっば」


ブゥン…!!


ザシュッ!


ミリテク「ぐぅおぉぉあぁ……っ!!」


絵里「静かにしてて」


ドサッ

86: 2023/08/22(火) 18:18:31.77 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里(焦ってサンデヴィスタン起動しちゃった…)


絵里(まあ良いわ。このまま進める所まで……っ!)


タッタッタッ…


【制御室】


ウィーン


絵里「……敵影無し」


絵里「さぁ、何か無いか何か無いか……っ!!」ガサゴソ


『エリさん!』


絵里「ヨウ、どうしたの!?」


『倉庫に、本社から送られてきたケースを見つけた!でも鍵付き!アクセストークンを探さなきゃ!』


絵里「了解よ!カナタ聞こえる!?アクセストークンを探して!」


『……』


絵里「カナタ?……カナタっ!!」

87: 2023/08/22(火) 18:19:04.17 ID:m2Oj7+Aj.net
<ウィーン


ミリテク「誰だ!?」


絵里「まずっ、サンデヴィスタンを……」


絵里(ダメだ、再起動まで1分!!)


ミリテク「こちら警備!不審人物が内部n」


絵里「っ!!」シャキンッ


ザクッ!!


ミリテク「かはっ……!」


ドサッ


絵里「やっぱカタナね……」


<『どうした!?応答しろ!!』


<『……敵が侵入している!!辺りを捜索しろ!!』


絵里「あー……もうっ!!」

88: 2023/08/22(火) 18:20:23.87 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ヨウ、カナタ、聞こえるかしら!?」


『どしたの!?』


『……』


絵里「カナタはまだ応答無しか……聞こえてる体で話すわよ!!」


絵里「…ごめん、見つかった!!基地内が警戒体制に移行したわ!」


『ちょっとエリさぁん!?もう、やっぱこうなるのぉ!?』


絵里「全頃しルート確定よ!!繰り返すわ、皆頃しよ!!!見つけた奴は片っ端から始末して!!」


<いたぞ!!敵だ!!


絵里「ったく、100%先行き不安だわ!」


『半ばエリさんのせいだからねぇ!?』


絵里「分かってる!!」ブゥン…!!


ザシュッ!!


ドスッ!


ジャキィン!!


ーーーーーー
ーーーー
ーー

89: 2023/08/22(火) 18:20:52.92 ID:m2Oj7+Aj.net
<敵は強力なサイバーウェアを所持!!


<行け行け行けぇ!!



ー地下排気路ー


トコトコ


彼方「この上の騒ぎ様、やっぱ見つかってるじゃんか……」


彼方「カナタちゃん強くないからこのまま進んじゃうもんね~。頑張れエリちゃんヨウちゃん」


彼方「……ってか地下だからか通信聞こえないや。皆氏んでないよね?」


トコトコ


彼方「お、出口発見。中は……」


彼方「ネットランナーの部屋か。じゃあ大丈夫だね、えいっ」


ガンッガンッ!!


ガタァン!!


彼方「よっと、お邪魔するぜ~」


ネットランナー「……」


彼方「この子だけか。ダイブ中だね。じゃあお休み」ブチッ


ネットランナー「」

90: 2023/08/22(火) 18:21:40.08 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「さてと、まさかここには情報無いだろうし、この先だろね」


ウィーン


彼方「ここは……テックのお部屋か。何かあるかなぁ」ガサゴソ


彼方「うーん、無駄チップ無駄チップ。いらない物ばっかだねぇ。あ、ヴァトナヨーグルだ、頂きっ」


彼方「メモ、小説、メモ、メモ……こりゃハズレかな」ポイポイッ


彼方「……ん?このチップ……報告書だ」



[報告書:〈LIVE〉の効果と実用について。作成者: כנף.]



彼方「どらどら」カチッ

91: 2023/08/22(火) 18:22:07.18 ID:m2Oj7+Aj.net
[…………まず、LIVEは対象の自我を消去し、我が社のAIによりその行動を完全にミリテクが統制する新型ICチップで……]


[…人格消去までの時間短縮と、対象のサイバーウェアの搭載度により効果が変化してしまう事が当面の課題であり……]


[……試作型チップはコーストビュー支部に移送済、検証の後本社まで返送されたし]

92: 2023/08/22(火) 18:23:38.48 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「AIの名前はウ、ウィンター…読めないや」


彼方「……てか、もうまたそういう…懲りないね、企業はいつもそうだよ」


彼方「こんなもん完成されたら……いや、今は考えてる時じゃないや。貰っとくよ~」


彼方「さてと通信……あっそうだ通じないんだ。上に戻らなきゃ」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

93: 2023/08/22(火) 18:24:23.32 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「だあっ、もう!!多いな流石に!!」パラララ…!


ミリテク「投降しろ!この数では貴様に勝ち目は無いぞ!!」


曜「知るか!!全頃しなんだよ!!くたばれファッキン・コーポ!!!」カチッ


ブンッ


ミリテク「グレネード!!」


ドォン!!


ミリテク「ぐわあぁっ!!?」


曜「よしよし、ちょっと減った!」


チャキッ


曜「っ!!」


ミリテク「横も気にしろよ、ソロ」


曜「……その通りだね」


ミリテク「じゃあな」


曜「クソったれ……っ!!」

94: 2023/08/22(火) 18:25:11.34 ID:m2Oj7+Aj.net
ドスッ


ミリテク「ぐ、おぁ……!!」


曜「……っ、え」


ドサッ


絵里「無事で良かった、間一髪?」


曜「…あと何ミリで私の目まで貫通してたよ、マンティス」


絵里「残念、計算がズレたわ」


曜「減らず口は健在の様で。てか何見つかってーーーーー」



ブゥン…!


<ザシュザシュザシュッ!!!


<ドサッ、ドサドサッ……



曜「ーーーーんのさエリさんは……ん、あ、あれ?ミリテクがいなくなってる……?」


絵里「ただいま、何か言ってた?時間が遅くなってたから聞こえなかったわ」ジャキッ


曜「……サンデヴィスタンにヒグラシのマンティス・ブレード。ホント良いの持ってるね、流石企業」


絵里「これ自費よ。初給料で買ったの」


曜「初任給でそれ買えるの?!……もう、アラサカ入ろうかな」


絵里「歓迎するわ」

95: 2023/08/22(火) 18:25:54.01 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「でもお陰で助かったよ。ケースはここにある。でもアクセストークンが……」


絵里「じゃーん、アクセストークンよ。何か偉そうな奴斬ったら持ってたわ」


曜「その顔でやる事なす事乱暴なのバグでしょ。リパー行った方が良いよ」


絵里「あら、褒めてくれてるの?ありがとっ♪」


曜「……そんなつもり無」


<ドガァン!!


https://youtu.be/ZkEHUqgIvhQ



曜「!!」


ケンタウロス「対象を確認した」ゴゴゴ…


絵里「中ボスのお出ましね」


曜「防弾シールドが面倒だ、エリさんのサンデヴィスタンの出番だよ」


絵里「分かったわ。じゃあヨウ、1分稼いで」

96: 2023/08/22(火) 18:26:29.77 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「アレ相手に1分!?こちとらアイアスしか無いんだよ!?あとグレネード少々と虎の子のオーバーチュアだけだし…」


絵里「再起動まで1分かかるの。それに私銃持ってないし」


曜「それ嘘だよね!?え、カタナとマンティスだけ!?」


絵里「嘘嘘、さっき整備中タレットのマシンガン引きちぎってきたから、支援は任せて!」グッ


曜「頼むよホント……!!」


<ガシャンガシャン…!!


曜「ったく……おらぁ!!」ブンッ


コロンッ


ドカァン!!


ケンタウロス「効かねぇよ!!」ギギギ…


曜「知ってるよ!!」パラララ!!


ケンタウロス「無駄な足掻きは辞めて投降しろ!」ウィーン!!

97: 2023/08/22(火) 18:27:29.45 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ヒートウェーブ、来るわ!!」


曜「伏せてっ!!」


バシュゥン!!


曜「うあっぶ!!」


絵里「あと少しで頭頂部が刈りあがってたわね!」


曜「髪だけで済めばいいけど!」



曜「そっち、1人いる!」チャキッ


ズドォン!!


ミリテク「えぁ」


絵里「ひゅー♪オーバーチュア様々ね。頭どっか行っちゃったわ!」

98: 2023/08/22(火) 18:29:09.41 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「やっぱパワーリボルバーですよ」


ミリテク「ケンタウロスを支援しろ!!」


曜「げっ、雑魚が集まってきちゃったよ!!」


絵里「そっちは任せて!距離を取りながら戦うのよ!!」ドドドドド!!


<ぐあっ!!


<がはあっ!?


<ぎゃっ!!


曜「エリさん、再起動まであとどんくらい!?」


絵里「あと30秒!!」

99: 2023/08/22(火) 18:30:47.83 ID:m2Oj7+Aj.net
<……バシュンッ


曜「長いなぁ……ん?あれ?アイツどこ行った!?」


絵里「…ーーーっ!!?ヨウ、上よ!!」


ヒュー…


曜「……まっず」


ケンタウロス「潰れろ!!!」


絵里「ヨウ!!!」




ガキィン……!!!




曜「……………っ」パチッ


ギギギギ…!!


彼方「ぐぬぬぬぬ……っ!!」


曜「か、カナタちゃん!!」


絵里「良かった、無事だったのね!」

100: 2023/08/22(火) 18:31:32.85 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「もちろん!元気かい、ヨウちゃんエリちゃん……っ!!」グググッ


ケンタウロス「が、外骨格が力で負ける筈が……!?」


彼方「カナタちゃん、スモーは得意だよ!」


ケンタウロス「スモー!?何を言って」


彼方「……うぅおおぉりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」ズザザザザ


ケンタウロス「うおおおおおぉぉぉッ!?」


曜「け、ケンタウロスを押してる……っ!?」


絵里「ナイスタイミング過ぎるわ、カナタ」


ブゥン…


絵里「これで終わりよ、中ボスさん」


ザシュッ……!


……ゥウン


ケンタウロス「」


ガッシャァン!!


曜「うわっ、首飛んで来た」

101: 2023/08/22(火) 18:32:39.01 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「ぜぇ、ぜぇ……運動は嫌いだよぉ」


絵里「助かったわカナタ。力強いのね」


曜「強いとかのレベルじゃない気がする……いくらゴリラアームあるからって」


絵里「さて、お手柄ねヨウ。ケースは入手出来たわ」


彼方「あ、カナタちゃん新型ICチップの報告書手に入れたよ。詳しい内容が書かれてるやつ」


曜「アクセストークンはエリさんが持ってるし、これで終わりだ」


<ブルゥン!!


絵里「!?」


曜「げっ、新手!?」


彼方「いや……」


キキーッ!!


果南「のんびりお話する暇ないよっ!ほら乗って!!」


彼方「ぐったいみん、カナンちゃん!」


栞子「準備は出来てます!急いで!!」


絵里「それもそうねっ、お邪魔するわ!!」


曜「よっと、運転よろしく!!」


果南「全員乗ったかなん?じゃ、行くよ!」


ブゥン……!!


ーーーーーー
ーーーー
ーー

102: 2023/08/22(火) 18:33:17.83 ID:m2Oj7+Aj.net
ブーン…



栞子「……あの、本当に、申し訳ありませんでした!私の計算ミスで……!」


絵里「もうそれは良いのよ、シオリコ。結果こちらの完全勝利だし」


彼方「寧ろズレたお陰で、ケースのある場所がぶっ潰れなくて良かったよ~」


栞子「そう言って頂けるだけで……」


曜「大丈夫だよシオリコちゃん、私もあんま役に立てなかったしさ」


彼方「でも最初にケース見つけたのヨウちゃんだし~?」


絵里「私と合流するまで1人でミリテクを相手し続けたのもヨウじゃない。頑張ったわよ」


曜「お褒めに預かり恐縮です」


彼方「エリちゃんと違って見つかってないしね」


絵里「それは本当にごめんなさい」


果南「んで、皆をどこまで送ればいいかなん?」


曜「出来ればノースサイドの方まで行ってもらえると助かるであります」


絵里「私達はシティ・センターで降ろして欲しいわ。アラサカ社内で色々しないとだし」


栞子「宜しくお願いします!」


果南「おっけー。私とカナタはそのままバッドランズでいいよね?」


彼方「勿論さ~。早く帰って寝たいぜ」

103: 2023/08/22(火) 18:33:53.94 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「2人とも、ケースと報告書を貰っていい?私が責任もって社内に隠しておくわ」


曜「ほいよ~。あ、もしかしてそのままパクって、その後私たちを始末するの?」


絵里「あのね、もう私たちは一蓮托生なのよ?今更アナタ達を切り捨てるわけないでしょ?」


栞子「何度も言いますが、私達は根はノーマッドなのですよ?1度した約束は、必ず守ります!」


果南「言ってたねぇ。ま、信用しても良いんじゃない?」


曜「分かってる。今更エリさんが裏切る様な人間じゃない事くらいね」


彼方「もしここで裏切ったらカナタちゃんのアームでエリちゃん達の頭、ぽんぽんしっとするよぉ?」


絵里「怖い事言わないで……じゃあ」


曜「はい、これね」


彼方「ほいチップ」


絵里「ありがとう。時期が来たら連絡するわ。各自、ほとぼりが冷めるまで待機していてちょうだい」


曜「しばらく寝てよーっと」


絵里「ふふ、アフターライフで会いましょう」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

104: 2023/08/22(火) 18:34:35.77 ID:m2Oj7+Aj.net
ーアラサカ・タワー内ー



アラサカ社員「お、お帰りなさいませ……アヤセ様、ミフネ様」


絵里「戻ったわ。私たちのオフィスを開けといてくれる?」


社員「かしこまりました……ですがどうされたのです、その怪我は!?」


絵里「ヘイウッド辺りを彷徨いてたらシックスストリートに絡まれてね。油断したのよ」


栞子「見た目程酷くはありませんから、ご心配なく」


社員「そ、そうですか……」

105: 2023/08/22(火) 18:35:20.55 ID:m2Oj7+Aj.net
【エリとシオリコのオフィス】



絵里「よっと、ロッカーに入れておいてくれる?」パタンッ


栞子「はい。パスワードは『L、O、V、E』と」ピピッ


絵里「これでOKね……はぁ、疲れたわ」


栞子「東京での日々を思い出す仕事でしたね」


絵里「あの時はいつもこんな感じだったものね。ま、ヨリノブさんが1番暴れてたけど」


栞子「ふふ……バイクで首都高を走っていたエリさんの顔を思い出します」


絵里「……これで本格的に、アラサカへの攻撃準備が進められる」


栞子「そうですね、やっとここまで……」


絵里「……ん?」


栞子「どうされました?」


絵里「いや、PCにメール来てて」


栞子「本当ですね……」

106: 2023/08/22(火) 18:36:00.20 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[役員会議の招集]


[…パレード前に臨時役員会議を開きます。つきましては、エリ・アヤセ、シオリコ・ミフネ両名に参加を……]


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

107: 2023/08/22(火) 18:36:23.71 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……奴ら、動く気かしら」


栞子「ここらで完全にタカ派を締め出す気かも知れません」


絵里「…急がないと。スミレ様も見つかってないんだし」


栞子「ローグに今回の件は報告済です。急ぎ、受け渡し日時の指定をしておきますか?」


絵里「……いえ、足元を見られる訳にはいかないわ。こちらからアクションを起こすのは控えておいて」


栞子「了解しました」


絵里「ローグも馬鹿じゃない。悠長に日を伸ばす様な事はしないでしょ」


栞子「しかしローグは……」


絵里「あなたの嫌いなアラサカを壊そうってのよ。自分の手を汚さず企業にダメージを与えられる機会を、わざわざ手放さない」


絵里「とにかく今は待ちの時間ね。やきもきするだろうけど、仕方ない」


栞子「……はい」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

108: 2023/08/22(火) 18:39:06.07 ID:m2Oj7+Aj.net
ーしばらく後、アフターライフー



果南「……ねえお姉さん、車好き?」


クレア「急ね。えぇ、好きよ?」


果南「ほんと?良かったら、私とバッドランズを走らない?」


クレア「あら、もしかしてナンパ?」


果南「その通り。私のマッキーノでバーッと走ろうよ」


クレア「へえ、BEAST仕様なら走ってあげようかな?」


<私好みのカスタムだけど操作性は抜群でさ……


<じゃじゃ馬だけどそこが可愛いのよね…


彼方「カナンちゃんがナンパしとる…」


ローグ「クレアはああ見えて"気難しい"所のある子だから、誘うならあの子にしっかり手綱を握らせときな」

109: 2023/08/22(火) 18:39:47.71 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「あ、はい、そう伝えときます…」


絵里「ヨウはもう着くって」


ローグ「そうかい。お仲間が揃ったら始めようか……全く」


栞子「…何か仰りたい事でも?」


ローグ「当然さ。アラサカはN54ニュースを見ちゃいけない規則でもあるのかい?WNSニュースだけ見てろって?」


絵里「何それ、そんなの無いわよ。ジリアンは好きだけど」


ローグ「……はぁ」


<テクテク


曜「ごめんごめん、行きにメイルストロームに絡まれちゃって」


彼方「だからかぁ。ズボンの裾、血だらけだよ」


曜「うげげ、気に入ってんのに」


ローグ「お揃いかい。じゃあ座りな、ブツを貰おうじゃないか」


絵里「お待たせしてしまい申し訳ないわ。これ、お土産よ」ドンッ

110: 2023/08/22(火) 18:40:18.43 ID:m2Oj7+Aj.net
栞子「それとこちら、詳しい報告書です」コトッ


ローグ「よくやった。ご苦労だったね」


絵里「彼女達の助けがなかったら今頃、ヒートウェーブで頭ぽんぽんしっとされてたでしょうね」


曜「最初に見つかったのエリさんだもんねぇ」


絵里「しーっ!それは言わないで!」


ローグ「見つかるとか見つからないとかじゃないと思うがね。テレビ点けな」


バウンサー「はい」ピッ

111: 2023/08/22(火) 18:41:06.39 ID:m2Oj7+Aj.net
『……ミリテクのコーストビュー支部で起こった襲撃事件は多数の氏傷者を出し、付随して近隣のビルが施設に向け倒壊。現場は大変な惨状です』


『事件当日、ミリテク内部の監視カメラはハッキングにより全て電源がオフにされていました。その為ミリテクは依然として犯人達の情報収集に遅れを来たしている模様です。定期整備日であった為ドローンによる追跡も不可能で……』


『…これを受けミリテク社の幹部は遺憾の意を表明しており、犯人追求にNCPDと協同してあたると表明を……』

112: 2023/08/22(火) 18:41:48.53 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「よし、バレてないっ」


ローグ「そういう問題かい?ビル一棟丸ごと倒壊させるだけじゃ飽き足らず、施設内の兵隊共を軒並みフラットラインさせるなんて」


曜「やべぇ事してるねぇアタシら」


ローグ「アンタら、それでも企業の人間かい?合理性とやらはどこに行ったんだろうね」


栞子「依頼は受けましたがやり方までは指定されておりませんでしたので」


ローグ「……トラウマ・チーム、いやマックス・タックを呼んでくれ。サイバーサイコシスがいるってね」


彼方「カナタちゃんも賛成するよぉ。よくよく考えなくてもかなりヤバい事しでかしたよねぇ……カナタちゃん達」


曜「今のうちにNCPDに自首しよっか」


絵里「名案ね。でも今はそれより」


栞子「そうです。調べはどうなっていますか?」


ローグ「約束は約束だ。私もとっととアンタらとは縁を切りたいしね」


絵里「あら残念ね、ちょくちょく来ようと思ったのに」

113: 2023/08/22(火) 18:42:14.00 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「今のは聞こえなかった事にするさ……ウチの情報網を使って色々と調べさせてもらった。確かに彼女は組織に守られていたね」


ローグ「その組織の内の一人が話したよ。どうやら彼女は……」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

114: 2023/08/22(火) 18:42:49.75 ID:m2Oj7+Aj.net
ーワトソン、リジーズ・バー前ー



絵里「モックスに守られてたとはね、分からない訳だ」


栞子「ある意味、ヴードゥー・ボーイズより閉鎖的なギャング達ですからね」


曜「あのー……私達、しれっとついてきちゃったけど」


彼方「そう言えば、結局エリちゃん達は何する気なの?人探しだけじゃないよね?」


曜「そうそう…あれ、カナンちゃんは?」


彼方「アフターライフのバーテンさんとドライブ行っちゃったぜ」


曜「い、意外とやり手だ…」


絵里「まあそうね。言われてみれば全部は話してなかったか」


曜「出来れば詳しく話して貰えると助かるかな。一応、フィクサーを通さない案件になる訳だし」


絵里「ええ、これから私達は……」


かくかくしかこ

115: 2023/08/22(火) 18:43:19.06 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「……マジでサイバーサイコじゃん。2人共」


曜「パレードの後、アラサカをどうする気?」


絵里「知らないわ、どうでもいいし。スミレ様がする事について行くだけよ」


栞子「私達はアラサカに仕えていたつもりはありませんし。ヨリノブさんについていってただけです」


絵里「……あなた達には感謝してる。でもこれは、ミリテクの案件なんかとは比べ物にならない位ヤバい仕事よ」


絵里「だから、ここで降りても責めやしないわ。それが普通よ」


曜「……」


彼方「ヤバいのに片足突っ込んじゃったなぁ……」ポリポリ


栞子「…」


絵里「……」

116: 2023/08/22(火) 18:44:28.84 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「…ま、やるよ。乗りかかった船だし」


絵里「ヨウ…っ!」


曜「ただし、報酬はしっかり貰うよ。ローグからは中々貰えたけど、それ以上にね」


絵里「勿論よ!もう氏ぬ程あげるわ!」ギュッ


曜「……///」


彼方「……あ~、ヨウちゃんってばそういう…」ニヤニヤ


曜「え、な、何?」


彼方「はい!カナタちゃん達も参加しますぜ。シオリコちゃんも心配だし、ヨウちゃんエリちゃんの聖霊としてね」


栞子「カナタさん……聖霊?」


絵里「カナタも協力してくれるのね…ホントにありがとう!頼もしい仲間が出来たわ……」


彼方「コーポ、ノーマッド、ストリートキッドが一堂に会するお仕事なんて、参加しない訳には行かないぜ。すやぴしてる場合じゃないよぉ」


曜「勘違いしないでよ、企業の為じゃない。エリさんとシオリコちゃんの為だからね?アラサカがどうなろうとこっちだって興味無いんだから」


絵里「分かってるわよー!素直じゃないんだからヨウは♪」


曜「凄いテンション上がってる……」

117: 2023/08/22(火) 18:45:18.66 ID:m2Oj7+Aj.net
<「……あのー、店の前で屯されるのも迷惑なんすけどー」


絵里「あ、ごめんなさい」


リタ「良いけど。で?入るの入らないの?どっち?」


栞子「お邪魔させて頂きます。というより、我々は人探しで来m」ムグッ


彼方「新しいBDが出たらしいじゃん?わざわざバッドランズから来たんだよぉ」グググ…


曜「え何して……あっ、そうそう!この為に色んな仕事してエディー貯めて来たんだよ、私達」


リタ「それはそれは。でもコーポまで呼んで来るなんて、傭兵にしてはお顔が広いのね?」


栞子「むぐぐ」


絵里「ちょっと前にお仕事で知り合ったのよ。リジーズ・バーのBDは1級品らしいじゃない、是非試させてよ」


リタ「…ま、いいか、どうぞ。当たり前だけど迷惑行為は無しだからね。やったらぶん殴るから」


絵里「勿論よ、その位どんなコーポも弁えてるわ。多分」


<ウィーン

118: 2023/08/22(火) 18:45:55.69 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「ありがとね、お邪魔するよ」


リタ「ごゆっくりー」


テクテク…


栞子「…………ぷはっ、何故!?」


彼方「人探しに来たなんて言ったら入れて貰えないかもでしょ」


曜「入る時くらいはお客を装わなきゃ」


栞子「は、はぁ……」


絵里「真面目な子なの。許してあげて」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

119: 2023/08/22(火) 18:46:31.10 ID:m2Oj7+Aj.net
ーリジーズの地下ー



「……はぁ、編集だる。ちょ、烏龍茶取って」カタカタ


「はいはい。エディターなんだから仕事はちゃんとするものよ。前任者さんはもうナイトシティにいないんだしさ、Y0HAN3(ヨハネ)さん?」


善子「ならスミレも手伝いなさいよ。匿われるだけ?」


すみれ「何よ、ちゃんとリジーズの用心棒として働いてるでしょうが」


善子「迷惑客をもれなく首無し状態でお帰り頂いたり、ゴミ箱にぶち込む奴を用心棒とは言わないと思うわ」


すみれ「……言うったら言うわよ」


善子「言うか!!」


<ウィーン

120: 2023/08/22(火) 18:47:11.86 ID:m2Oj7+Aj.net
善子「!?」ビクッ


すみれ「そこにいてヨハネ。大丈夫」スチャッ


彼方「お邪魔するぜ~。へぇ、リジーズの地下ってこんなんなんだねぇ」


すみれ「ここは関係者以外立ち入り禁止よ。ガードは何してんの?」


曜「ガードの人にはエディーを渡して少し外してもらったよ。勿論危害は加えてないから安心して」


彼方「わざわざここで暴れる程、カナタちゃん達はまだおかしくないからねぇ」


曜「まだ、ね」


すみれ「じゃあ何しに来たってのよ……」


曜「それは…」





すみれ「……あら?」

121: 2023/08/22(火) 18:47:39.15 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……っとにもう、あなたって人は。すぐ飛んでいってしまうんですから」


栞子「良かった、やっと見つけられました…スミレ様」


すみれ「エリ……シオリコも」


善子「え、何?知り合いなの?」


曜「感動の再会らしいから、私達はこっちでお茶でもどう?」


善子「初対面で馴れ馴れしいわね!?」


曜「初めて会った気がしないんだよう」


彼方「ティアンチャ、ヴァトナ・ヨークル、ニコーラ持ってきたよぉ。どれが良い~?」


善子「え、じゃあニコーラ……じゃなくて!」


<説明しなさいよー……!!

122: 2023/08/22(火) 18:48:13.93 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「……ごめん」


絵里「良いんです。お父様がいなくなられて、いてもたってもいられなくなるのが普通ですから」


栞子「ただ、どこにいるか位は言って頂けると助かりましたが……」


すみれ「ロクに場所なんか言ったら追っ手が来るでしょ」


絵里「それはそうですが」


すみれ「てか、ここはアラサカじゃないんだから、敬語辞めてったら辞めて」


絵里「そういう訳には……」


すみれ「東京にいた時みたいでいいから、ね?」


絵里「……だって。シオリコ」


栞子「はい……え、私はこのままでいいですよね?」


すみれ「タメ口のシオリコも見てみたいかも」


絵里「それはダメよスミレ。ここら一帯が酷い事になるわ」


栞子「なりませんよ!?」

123: 2023/08/22(火) 18:48:47.55 ID:m2Oj7+Aj.net
善子「……あー、やっとお迎えが来たのね?」ゴクッ


曜「あの子、ヨリノブ・アラサカの隠し子らしいよ」


善子「知ってるわ。調べさせて貰ったし」


彼方「よく匿ってたね。あんな大きな爆弾を」


善子「世間には私が偽情報をばらまいてたわ。だって『これからアラサカを潰すからそれまで匿って』なんて言うんだもの。余程サイバーサイコかと」


彼方「アラサカにはそういうのしかいないのかな……?」

124: 2023/08/22(火) 18:49:54.66 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「それで、どうする?」


絵里「一応考えていた計画はあるわ。聞く?」


すみれ「当たり前でしょ」


善子「……ちょちょちょ、それって店で出来る話!?ここに迷惑かからないでしょうね?!」


栞子「それは……かかるかもですね」シレッ


善子「勘弁してくれる!?場所を移してくれるかしら!?」


絵里「じゃあ訳知りって事でアナタも連れてくわ、良いわよね?」


善子「は!?……それは、まあしょうがないか」


曜「よし、行こっか」


彼方「エディターさん、お名前は~?」


善子「よしk……ヨハネよ」


曜「……ふーん、本名はヨシコ・ツシマちゃんか」


善子「キロシでスキャンすんな!!」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

125: 2023/08/22(火) 18:50:57.92 ID:m2Oj7+Aj.net
ーカブキ地区、ヨハネの家ー



すみれ「私が演説ね……やれるかしら」


絵里「やって貰わないと困るわ。ヨリノブさんの為にも」


すみれ「冗談。それ位やるったらやるわよ」


栞子「ありがとうございます!それでは、パレードの日にナイトシティの傭兵達を集める為の動画を撮って、各ネットに流しましょう」


善子「あ、それならもうやってるわ。ナイトシティ中に動画をほぼ毎日流してる。勿論ホロマスクでスミレの顔は隠してるから、バレちゃいないと思うわ」ピピッ


栞子「……成程これは。流石、スミレさんは行動がお早いですね」


絵里「シオリコ、皆に送ってあげて」


栞子「はい、これを」ピピッ


彼方「ほいほい?」

126: 2023/08/22(火) 18:55:38.89 ID:m2Oj7+Aj.net
『ナイトシティの全傭兵達に告ぐ』


『来るアラサカ創業記念パレードに集合せよ』


『持てるだけの武器とテック、憎しみを持って』


『そして流れに身を任せ、己の腕を企業にぶつけるのだ』


『繰り返す、来るアラサカの……』

127: 2023/08/22(火) 18:56:16.56 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「…あ、コレ見たよ!何だ、スミレちゃんだったんだこれ?」


彼方「カナタちゃんも見たぜ。またバートモス共同体の胡散臭いメールとかヴードゥー・ボーイズのチェーンメールみたいな迷惑系かと思ってシカトしてたけど」


曜「噂だけど前者は遊園地の占いマシンだったらしいよ。ベス・アイシス曰く」


彼方「ははは、そんな訳あるかい」


すみれ「恥ずかしかったわこれ撮る時。柄にもない喋り方で」


絵里「良いじゃない、貫禄出てるわよ」


栞子「ええ。あとはこれで集まってくれるかどうか……」


すみれ「素性を明かした方が集まるんでしょうけど、中々そうもいかないしね」

128: 2023/08/22(火) 18:56:44.52 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「うーん……分かる者には分かる単語を言うとか?」


すみれ「何よそれ、そんなのある?」


絵里「イカれた個人が動画を流していると言うより、しっかりとした組織が行おうとしてるって意思表示をするのよ」


すみれ「だから何ていうのよ」






栞子「……『鋼鉄の龍』ですか」


すみれ「!」

129: 2023/08/22(火) 18:57:19.49 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「カッコイイ名前じゃん」


絵里「2人は分かる?これが何なのか」


曜「さあ?」


彼方「……あぁ、ヨリノブ・アラサカのノーマッドかぁ」


栞子「その通りです。東京でヨリノブさんが作ったノーマッドが、鋼鉄の龍です。その名前を出せば……」


すみれ「…出すのは構わないけど確実に狙われるわよね。サブロウやハナコ陣営に」


絵里「それなのよねぇ…」


すみれ「あんまり過剰に盛り上げた所でパレードの警備が増えるだけだと思うわ。ただでさえ多いんだろうし、これ以上増えて貰っても困るだけじゃない?」


すみれ「作戦決行前に私達の素性がバレても支障が出るだけだし、あくまでこの動画を流すだけにしときましょ」


絵里「…そうよね、うん。ちょっと早まってたかも。ありがとうスミレ」


すみれ「ええ、見た目の割に超脳筋のアナタの事だから。シオリコや私が諌めないとね」


絵里「」

130: 2023/08/22(火) 18:57:56.90 ID:m2Oj7+Aj.net
善子「……仲良いのね。コーポなんてどいつもこいつも私らみたいなのを下に見てる、腐ったゴミ共って認識だったわ」


彼方「口悪……まあ、コーポの大半はそうだろうね」


曜「この人達は割と私らストリートキッドとかノーマッドに近いよ、実際ノーマッドだったんだし」


絵里「……さて、懸念事項としてはパレード当日に傭兵達が集まるかどうか。それ位な物かしら」


曜(アラサカに歯向かったらどうなるかとかは度外視してんだね)


彼方(そもそもマトモな思考回路持ってたら歯向かおうとか思わないよぉ)


すみれ「山車のハックはシオリコとヨハネがやってくれるんでしょ?」


善子「ええ」


栞子「お任せ下さい、スミレさん」


絵里「山車の物理的占拠はヨウ、カナタ、カナン、私よ。この4人で山車にスミレを連れていく」

131: 2023/08/22(火) 18:58:31.83 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ただ当日、アラサカは私に何の仕事を割り振るかがまだ分からないの。最悪、私は作戦決行時にいないかも。アナタ達の行動が分かればその時点で合流はするわ」


彼方「おっしゃあ~。じゃあカナンちゃんのデート終わらせてやろうかなぁ」


曜「辞めてあげて……頼むよエリさん」


絵里「ええ、任せて頂戴。というかヨハネちゃんだっけ?しれっといてくれてるけど、協力してくれるの?」


善子「ええ。この子曰く、アラサカを慈善企業にするらしいし。面白そうだから協力するわ」


曜「ぶっ!?あっはっは!!ア、アラサカが慈善団体になるの!?マジで笑えるんだけど……っ!」


彼方「街のゴミ拾いとかホームレスの救済とかしてくれる様になるのかなぁ、めっちゃ良いじゃん」


すみれ「人の父親を頃すだけじゃ飽き足らず、意識を消して体ごと乗っ取る様な会社は潰すべきよ。私がその後NGOとかにしてやるわ」


曜「アラサカ(NGO)の字面の破壊力だよね。ぷくく…」

132: 2023/08/22(火) 18:58:57.76 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「分かったわ。ヨハネちゃん、宜しく頼むわね」


善子「ええ。でも私、戦闘能力は皆無だからちゃんと守ってよ?」


曜「私らに任せてよ。同じ出身なんだし?」


善子「いつスキャンしたのよ!!……え?アナタ、沼津?」


曜「そうだよ!学校は?ウラノホシ・ハイスクール?」


善子「えっ、そうよウラノホシよ!!えっ嘘待って、先輩なの!?」


<キャッキャッ

133: 2023/08/22(火) 18:59:29.59 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方「世間は狭いぜ……」ゴクッ


栞子「全くですね……」ゴクッ


絵里「はいはい、作戦を振り返るわよー」


すみれ「パレードの日、皆の協力の下で山車を占拠。演説。混乱。そしてサブロウとハナコの暗殺、ね」


彼方「はーい」


栞子「どうぞカナタさん」


彼方「アラサカ工業団地に忍び込んで先にめぼしい山車をハックするのは無しなの~?」


絵里「お答えします。前に今回やろうとしている事と同様の事案があった為か、団地の警備レベルが紺碧プラザのコードレッドレベルまで上がっています」


絵里「ですので、わざわざ命からがら潜入してハックしなくてもシオリコの技術があれば当日でも大丈夫です。曲がりなりにもコーポだから、内部情報と山車の設計図とかは手に入るしね」

134: 2023/08/22(火) 18:59:55.91 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「はーい」


栞子「どうぞヨウさん」


曜「1人も傭兵が集まらなかったらどうするんですかー?」


絵里「お答えします。終わりよ、皆氏ぬ。ま、アラサカに真正面から戦いを挑んだって事で、アフターライフにカクテルが出来るかもね」


彼方「ひぇ~、まともな神経じゃないねぇ」


曜「なら乗った!"ヨウ"ってカクテル出来て欲しいし!」


彼方「おかしい子がここにもいるよぉ」


曜「またまた、さっきからずっと笑ってるカナタちゃんも大概でしょ?」


彼方「…バレたー?アラサカにアルデカルドスがダメージ与えられるとか、シルヴァーハンドに手を貸したサンチァゴぶりじゃん。腕がなるってもんさ」

135: 2023/08/22(火) 19:01:29.58 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「今ここにいるのは同志よ。打倒、アラサカを掲げたナイトシティの反乱分子達」


絵里「私達はヨリノブさんの遺志を継ぐ……とかそういう訳でもないわ。ただの復讐、弔いの為よ」


栞子「大切な人を消されてしまった、なら消した張本人をこの世から消し去ります。そのせいで私達が消えても、本望です」


絵里「こんな所までついてきてくれたアナタ達には本当に感謝してる。ありがとう」


善子「私も?」


絵里「当然じゃない。あ『もしかしてこれってアラサカの為?』とか考えないでね?全くならないから安心してちょうだい」


曜「ならないねぇ。CEOと後継者丸ごと消そうとしてんだもんね」


絵里「私達はひとつ。という事で、名前を付けたいんだけど」


曜「はい?名前?そんなの大事?」


彼方「大事だよぉ。カナタちゃんも愛車の名前はハルカちゃんだし」


善子「へえ、どういう意味なの?」


彼方「生き別れた妹の名前~」


善子「急に重いのぶっ込んでくるわね……」

136: 2023/08/22(火) 19:02:08.13 ID:m2Oj7+Aj.net
栞子「もしかしてエリさん、名前って」


絵里「そうよ。結束力を高める為にも、カッコイイ名前があった方がテンション上がらない?大衆に広める為じゃなく、まだ内々のね」


曜「何何、もう決めてるの?」


絵里「ええ、アラサカに反旗を翻すコーポとその同志達に」





絵里「新生【鋼鉄の龍】を、ここに発足するわ!!」





彼方「おー」パチパチ


すみれ「父親が作った暴走族チームの名前って思うと…」


栞子「我々はアラサカへの恨みだけで動く、怨嗟の龍です。さあ、ナイトシティをひっくり返しましょう!」


全員「「おーっ!!」」

137: 2023/08/22(火) 19:02:37.98 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「さ、前夜祭でもする?パレードはまだ先だしね」


曜「ピザでも買ってこようか。スコップバーガーの方がいい?」


絵里「ヤキトリが良いわ、一緒に行きましょ」


彼方「おやおや、おデートですかい?おロマンスですなぁ」ニヤー


曜「はぁ!?///ちちち違うし!!?///」


絵里「あら違うの?残念だわ」


曜「へぇっ!?///」


すみれ「アレでナイトシティの傭兵なのよね…皆こんなもん?」


善子「いや…?でも、私の知り合いで占いやってる女の子のボーイフレンドが、あんな風に顔真っ赤にしてデートに誘ってきたりしたって聞いたわ」


栞子「リアルウォーターの様に、純粋な心を持った傭兵の方がいるのですね!」


善子「まあ多分あそこまで男子高校生みたいな感じでは無かったと思うけどね」

138: 2023/08/22(火) 19:03:13.80 ID:m2Oj7+Aj.net
ピーッピーッ


絵里「…ん?」


曜「どしたの?」


絵里「会社からメールが来てて。シオリコも?」


栞子「はい……これは、急ですね」


絵里「…アラサカで臨時役員会議が開かれる。明日らしいわ」


曜「え、大丈夫なの?」


絵里「いよいよ私達、ヨリノブ派への処遇を言い渡すんでしょうね」


栞子「……これで職無しになりますね、私達は」


絵里「ええ、またノーマッドに逆戻りよ。まあ別に良いけど。そっちの方が性に合ってるし」


彼方「大丈夫なの?エリちゃん達、作戦前に消されたりしないかい?」


栞子「私達は一応、やる事はやって働いていましたから。ヨリノブさん亡き後も反抗していた他のタカ派の仲間たちは、殆どクビを切られていましたが」


絵里「明日急に殺されるとかは無いと思うけど、身の安全は保証した方が良いわね。急にインプラント全部停止される事も有り得るだろうし」


栞子「とするも、帰り道に襲われでもしたらパレードまで耐えられるか…」

139: 2023/08/22(火) 19:03:53.23 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「……私達が警備として入ろっか?」


絵里「え」


曜「制服?とかアクセストークンとかは用意して貰いたいけど、それさえあれば横でエリさん達を守れるよ」


彼方「作戦決行前に主力が消えるとか最悪だからねぇ。それにはカナタちゃんも賛成」


絵里「…良いの?」


曜「もちろん」


絵里「アラサカに入るのよ?もしバレたらその場で私たち全員ゲームオーバー〈FLATLINED〉よ?」


彼方「こんな作戦、実行しようとしてるだけでもうゲームオーバーは決まりきってるじゃんか~」


絵里「……」


栞子「…エリさん」


絵里「…ありがとう、2人とも」


すみれ「この街で、随分良い仲間に巡り会えたのね」


絵里「ええ……シオリコ」


栞子「もう手配しました。警備兵の装備を用意させます。アクセストークンについては…」

140: 2023/08/22(火) 19:04:24.70 ID:m2Oj7+Aj.net
善子「偽造するわよ。基となる入館チップとかあればもっと早く出来るけど」


絵里「私のを使って、ヨハネ。どれくらいかかりそう?」カチッ


善子「おおう流石アラサカ、良いテック……そうね、大体2時間くらいかしら」


絵里「急がなくていいから、確実なのをお願いね」


善子「おっけー、任せて」カタカタ


栞子「装備が届き次第、お2人にお渡ししますね。こちらはすぐに用意出来ます」


彼方「ほいほい、彼方ちゃんはいつでもい~よぉ」


曜「頼んだよう、オーバーチュアちゃん」フー


絵里「…」


ギュー


曜「うぇっ!?///何何何!?///」


彼方「どしたのぉ、エリちゃん」


絵里「いや、何となく」

141: 2023/08/22(火) 19:04:59.04 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「…」


絵里「こんな手の込んだ自殺に、手を貸してくれる仲間がいる事……本当に嬉しいの」


すみれ「私からもお礼を言わせて。本当にありがとう」


彼方「へへ、ヨリノブ・アラサカの娘ちゃんからお礼言われちった。人生何が起こるか分からないもんだねぇ」


すみれ「しかし、よくもまあこんな作戦に手を貸す気になるもんだわ。正直、私達だけでやるつもりだったのに」


彼方「ナイトシティは変化し続けてるからね、コーポもノーマッドも関係無いのさ」


彼方「ただ、友達の為だからやるんだよ」


すみれ「…やっぱかっこいいわね。ノーマッドってのは」


彼方「だろ~?」


すみれ「ふふ……さてエリ、そろそろ離してあげた方が良いわよ」


絵里「え、どうして?」

142: 2023/08/22(火) 19:05:39.56 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「……」ユビサシ


曜「………///」プシュー


絵里「顔赤っか!!何で!?ちょっとヨウ、大丈夫!?」


栞子「一体何故こんな…ッ!?スキャンします!!」


すみれ「そうねぇ、(恋の)オーバーヒートじゃない?」


彼方「あーあー、回路ショート中だぁ。誰かヨウちゃんのニューロンを再構築したげてくれ~」


曜「ほぇ~っ……」


善子「大騒ぎして……ねぇ、これどうブリーチしたら良いと思う?教えてシオリコせんせー」


栞子「シ、シオリコせんせー?…そうですね、これはこのコードで攻撃して下さい。マトリックスから変更してしまえば…」カタカタ


善子「…はっや、もう破れたわ。アンタ相当のランナーでしょ?」


栞子「それ程でもありませんよ」フフン


善子「鼻たっか。どうなのスミレ」


すみれ「シオリコは褒めて伸びるタイプよー」

143: 2023/08/22(火) 19:05:59.10 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ヨウ、ヨウ!帰って来てよ!」ブンブン


曜「ケンタウルス座アルファ星の化学魔術師が突撃してきてる~」


彼方(……これがこれからアラサカを潰そうって組織かい…?)


ーーーーーー
ーーーー
ーー

144: 2023/08/22(火) 19:06:22.14 ID:m2Oj7+Aj.net
ーアラサカ・タワー、役員会議室ー



絵里「…2人とも、大丈夫?」


曜(アラサカ装備)「異常無しであります!」


彼方(アラサカ装備)「右に同じくでありますアヤセ様、ミフネ様!」


栞子「だ、大丈夫そうで何よりです…」


絵里「今のアナタ達はヨウでもカナタでも無い。ヨハネが作ってくれた偽装IDの名前を名乗りなさいよ」


曜「だって。アカリちゃん」


彼方「間違えて呼ばない様にしないとね、シュカちゃん」


栞子「飲み込みが早くて助かります、ヨウさ…じゃなかった」


絵里「まあ、そう構えないで。ただの会議だし。どうせ私たちの首切り通達するだけよ」


曜「やだなぁクビを言い渡されるのが分かりきってる会議。胃がおかしくなりそう」


栞子「いつかは必ず来る事でしたし、今更怖がりはしませんよ」


彼方「折角企業入れてもこれだもんね。あーほんとやだやだ」

145: 2023/08/22(火) 19:06:59.78 ID:m2Oj7+Aj.net
<コツコツ…


絵里「!」


ミチコ「おはようエリ。元気?」


絵里「ミチコ。久しぶりね」


曜(随分と派手な人だなぁ)


ミチコ「ニュース見た?ミリテクが大損害よ。全く…」


絵里「あら、ミリテクの心配?ライバル会社が損害を被ってるのなら喜ばしい事じゃない」


ミチコ「……まあ、それもそうね。アナタの言う通りだわ」


絵里「でしょ?」


曜(怖いよぉこの空間。何か今にも誰かの頭に風穴空きそう)

146: 2023/08/22(火) 19:07:32.78 ID:m2Oj7+Aj.net
アラサカ役員「おっと、まだ揃ってないか」


栞子「お座り下さい、もうすぐに開始時刻です」


アラサカ役員「おや、タカ派のミフネさんじゃないか。随分久しぶりだな」


栞子「そうですね、ご無沙汰しております」


アラサカ役員「アンタらがまだいるなんて驚きだよ。我が社の為にならないのに」


絵里「…あ?」


曜「アヤセ様、落ち着いて下さい…っ」


栞子「そう仰らずとも、すぐに消える事になりますから」


栞子(あなたがですが)


アラサカ役員「そうだろうな。何でも今日はサブロウ様が直々に処遇を言い渡されるらしい、楽しみだな?」


絵里「へぇ、ホント楽しみだわ」


絵里(アンタをぶっ頃す時がね、バヘット)

147: 2023/08/22(火) 19:08:06.76 ID:m2Oj7+Aj.net
曜(エリさんもシオリコちゃんもブチギレてるよ…!)


彼方(SAMURAIのマークみたいな鬼が背中から見えるねぇ、あれホログラムかな?)


彼方(……ん?サブロウ直々に来るの?)


<スタスタ

148: 2023/08/22(火) 19:08:40.22 ID:m2Oj7+Aj.net
アラサカ役員「!」


ミチコ「ハナコ、やっと来たのね」


ハナコ「お待たせして申し訳ないわ。始めましょう」


オダ「ハナコ様、こちらへ」


絵里「……」トントントントン


曜「あー…アヤセ様、何か飲まれますか?」


絵里「後でいいわ」


曜「はっ(怖い)」


栞子「ヨリ……サブロウ様がまだ来られていませんが」


ハナコ「父は後から来ます。先に議題の方を進めておく様言われました。まずは報告事項を各部署の長、発言して」


アラサカ役員「信用銀行部としては今回、特筆すべき報告はありません」


アラサカ役員「防諜部です。パシフィカ南東の自由都市内部に派遣した人員からの報告で…」


ーーーー以下、省略

149: 2023/08/22(火) 19:09:11.84 ID:m2Oj7+Aj.net
ハナコ「…了解しました。後は?」


絵里「…」スッ


ハナコ「アヤセさん、報告して」


絵里「アラサカへ武力攻撃を計画していたシックスストリートの派生組織ですが先月、防諜部と協力し完全に根絶しました。今の所懸念される敵対勢力はありません」


ハナコ「ご苦労さま。また1つ不安の種が消えたのは良い事ね」


絵里「全くですね」


ハナコ「他には?」


栞子「そうですね、懸念という訳ではありませんが……ハナコ様はこれをご覧になりましたか?」


ハナコ「何の事かしら」


栞子「スクリーンを下ろしてください」


社員「はっ」


ピピッ


『……ナイトシティの全傭兵達に告ぐ、来るアラサカの創業記念パレードに…』


曜(げっ!?何で自分から…!?)

150: 2023/08/22(火) 19:09:49.44 ID:m2Oj7+Aj.net
ハナコ「これは耳に入っているわ。アナタ達は?」


アラサカ役員「既に防諜部全体で分析していますが、未だ確定的な情報は掴めていません。どこかのサイバーサイコシスのなりかけが行っている事かと」


彼方(やっぱ動いてはいたか。まだバレちゃいないのが幸いだねぇ)


ハナコ「こんな妄言は取るに足らない…と一蹴する訳には行きません。ドク・パラドックスの後追い番組、という訳でも無さそうですし」


ハナコ「何が起こるか分からないからこそ出来る対処がある。パレードの警備を、今の倍にしなさい。もし父に何かあったら、アラサカにとてつもないダメージとなる」


アラサカ役員「はっ、かしこまりました」


彼方(成程ねぇ、敢えて流したなシオリコちゃん。私達はコレと何も関係無いって事を証明する為に)


曜(その代わりにパレードの警備は増えたけどね。ま、致し方ない)


ハナコ「…さて、一通り話したわね。では最後の議題よ」


絵里「…」

151: 2023/08/22(火) 19:10:23.49 ID:m2Oj7+Aj.net
ハナコ「アラサカ社におけるタカ派の者達は……今は2人だけですが。アラサカを解雇します。理由は、分かりますね?」


栞子「…っ」


曜(とうとう言い渡されたか…)


彼方(悲しいもんだ。コーポの人生ってのは)


オダ「おい、何をコソコソ喋っている」


曜「はっ!失礼致しました!!」


絵里「……かしこまりました、ハナコ様」


ハナコ「……だけど」




<コツコツ...




ハナコ「!!」


「今すぐに辞めろと言う訳では無い」


アラサカ役員「っ!!」ガタッ


ミチコ「お爺様…」ガタッ


曜(うひゃー、ついに来たよ大ボスが…!!)

152: 2023/08/22(火) 19:10:58.43 ID:m2Oj7+Aj.net
タケムラ「サブロウ様、こちらへ」


絵里「…お久しぶりです、サブロウ様」


栞子「…」ペコッ


サブロウ「アヤセ、ミフネ……ヨリノブの部下、最後のタカか」


絵里「……」


サブロウ「本来ならばアラサカに仇なす者、不利益となる者は、それなりの処置をして放り出すのが掟だ」


絵里「はっ…」


サブロウ「だがお前達は"ヨリノブ亡き後"もアラサカに忠義を尽くし、今の今まで働いていた。そうだな」


絵里「……無論であります。それがアラサカに、サブロウ様に仕えていた、我々の使命でしたから」


サブロウ「ならば、最後までアラサカ社員としての職務を全うしろ。パレードを必ず成功に導くのが、お前達全員の役目だ」


サブロウ「パレードの山車の1つをアヤセに任せる。一切の抜かりなく、しっかり警備にあたれ。ミフネはアヤセのサポートだ。良いな」


栞子「……はっ。かしこまりました」


絵里「寛大なお心に、感謝申し上げます…!」

153: 2023/08/22(火) 19:11:31.58 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「行け」


絵里「はっ!……シュカ、アカリ。行くわよ」


曜「は、はい…」


彼方「やっとこの息苦しい空間から出られるよ…」ボソッ





タケムラ「待て!」


絵里「!」

154: 2023/08/22(火) 19:12:02.45 ID:m2Oj7+Aj.net
タケムラ「アヤセ、お前達にまだそんな部下がいたとは驚きだな。どこの誰だ、そのボディガード達は」


絵里「何よタケムラさん。ただの私の部下よ、それ以上でも以下でもないわ」


タケムラ「そうか。名乗れ!」


曜「はっ、シュカ・サイトウであります!」


彼方「アカリ・キトウであります。アヤセ様の身辺警護をしています」


タケムラ「所属は?元からアヤセの部下なのか?それともヨリノブと繋がりがあるのか?社員コードを言え!」


曜「え、えっと」


絵里「ちょっと、何が気に食わないわけ?ただの部下だって!よしんばその辺のストリートで雇っていたとしても、アナタに関係あるの!?」


栞子「エリさん!」


タケムラ「そうだとすれば大ありに決まっている!!そこらのゴロツキをこの大事なアラサカの役員会に参加させるなど、以ての外だ!」


オダ(アンタが言うか...)

155: 2023/08/22(火) 19:12:33.36 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「だったらどうするのよ、ここで斬る!?」


タケムラ「そうだな、不穏分子として粛清しても良い!ヨリノブの犬の分際で、まだアラサカの名を汚すつもりか!!」


絵里「っ!」


栞子「...私達は、犬ではありません!!」


曜(シオリコちゃん...)


タケムラ「ならば今の貴様らは何者だと言うのだ!?」


栞子「それは……っ!!」


サブロウ「タケムラ」


タケムラ「…はっ」


サブロウ「行かせろ」


タケムラ「ですが!!」


サブロウ「今この場で、アヤセ達に話す事はもう無い」


タケムラ「…分かりました」


絵里「……失礼致します、サブロウ様」


栞子「っ…!!」

156: 2023/08/22(火) 19:14:11.96 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「シオリコ。行くわよ」


彼方「エレベーターを呼びました、お早く」


<スタスタ...


タケムラ「…申し訳ありません、サブロウ様」


サブロウ「…」


タケムラ「ですが、あのまま行かせて宜しいのですか?」


サブロウ「ハナコ」


ハナコ「はい、お父様」


サブロウ「…警備を3倍にしろ。不測の事態は、許されない」


ハナコ「……かしこまりました」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

157: 2023/08/22(火) 19:14:35.47 ID:m2Oj7+Aj.net
ーノースサイド、曜のアパートー


ザーッ…



カチッ、シュボッ


絵里「…」スー


絵里「ふー…」


<ガシャンッ


曜「……まるで空きチャンネルの、テレビ画面みたいな空色だ」


絵里「何よそれ、何かの言い回し?」


曜「大昔の小説のね。1本ちょうだい」


絵里「ん」


ジジジ…


曜「ふー……パレードまで3日か」


絵里「私たちの命もあと3日かもね」

158: 2023/08/22(火) 19:15:51.65 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「それはそれでいいけど、どうせ氏ぬなら派手に散りたいよ」


絵里「ナイトシティのレジェンドとして?」


曜「そゆこと」フー


絵里「……カナタ達は?」


曜「一旦バッドランズに帰って装備を固めてるよ」


曜「シオリコちゃんとヨs…ヨハネちゃん、スミレちゃんは山車占拠に向けてアラサカのデータベースをハッキング中」


絵里「順調ね。役員会の帰りも追手とか来なかったし。パレードがあるから人員割けなくて忙しいんでしょうね」


曜「…そういや、エリさんはアラサカで何の仕事をしてたの?」


絵里「ヨリノブさんがいた頃は荒事専門というか…アラサカに不利益をもたらすであろう不穏分子の粛清とか」


絵里「ま、普段は書類仕事よ。お陰で腰痛がね……」

159: 2023/08/22(火) 19:16:21.97 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「ヨリノブがいなくなった後は?」


絵里「何でも屋。防諜部の仕事もセキュリティ関係の仕事もやってたわ。というより、たらい回しにされてただけね」


曜「え、そんなにやらされてたの?専門でもないのに、辛いだけじゃん」


絵里「自分達から名乗り出たのよ。復讐も出来ず辞めさせられるなんてたまったもんじゃないからね」


絵里「コーポである内にこの立場を最大限、有効活用出来る様な計画を建てる為にも……時間は必要だったの」


絵里「お陰で上は困ってたでしょうね。早く縁を切りたいだろうに、なまじ仕事は出来てたから。ふふっ」


曜「うわ、バリキャリってやつだ。しかも反抗的っておまけがつく最悪の」


絵里「……それもう氏語じゃないの?」


曜「え、マジでか」

160: 2023/08/22(火) 19:16:45.12 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……で、アナタは他の子達と違って何をしてるのかしら?」


曜「私みたいなテッキーでもランナーでもないただのソロは、仕事当日になって鉄火場に身を投げる事しか出来ないんだよ。頭悪いし」


絵里「ちゃんと計画に則った行動、出来るんでしょうね?」


曜「当ったり前じゃん。そっこーミリテクに見つかったどこかのコーポと違って良い働き出来るもん」


絵里「あーもうまだ言ってる、ホント悪い事ばっか言う口ね。ちゅーして塞いであげましょうか?」


曜「もう充分ですー。じゃ、部屋戻ってるよ」


絵里「はいはい」


<ウィーン

161: 2023/08/22(火) 19:17:01.17 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「…次は、私達が爆弾になるわ」


ザーッ…


絵里「アナタの無念は……私達が晴らす」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

162: 2023/08/22(火) 19:17:19.74 ID:m2Oj7+Aj.net
https://youtu.be/niOPH_cEpq0



ージャパンタウン、アラサカ創業記念パレードー



ワイワイガヤガヤ…


<サブロウはどこだ、まだ来ねぇのか?


<アラサカも変わらないなぁ…


<タケムラ様とオダ様はどこ?新しい公式の供給を求めてるんだけど…


<タケムラとオダに何の供給が出来るってんだ…?


曜「……ホロ・桜より、本物の桜が見たいや」


ピーッ

163: 2023/08/22(火) 19:17:58.81 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里『皆、聞こえてる?』


曜「聞こえるよー」


彼方『ばっちしだよぉ』


果南『同じくー』


栞子『こちらも位置についています』


善子『いつでも』


彼方『デートは楽しかったかい?カナンちゃん』


果南『身持ちが固くてね。でも遊ぶだけならって感じかなん』


曜「何の話してんのさ…」


絵里『……良いかしら?山車はもう動き出してる。私が乗ってる山車は前から3番目、鳳凰の山車』


絵里『その真後ろ、お社型の山車がハナコとサブロウの乗った山車。間違えて乗り込んだりしないでよ?』


曜「それはそれで面白そうだね。アフターライフ印のイグノーベル賞貰えるよ」


善子『もうノーベル賞はこの世に無いわよ。ヨウが新しく作るってんなら…』


曜「それは勘弁。スミレちゃんはどう?」


絵里『私のいる山車に潜り込ませたわ。土壇場だったけど、山車1個を任されたから融通は効いたわ。ラッキーね』

164: 2023/08/22(火) 19:18:37.90 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「りょーかい……こっちはいつでも」


絵里『約5分後にメインストリートを通過する。迅速な占拠の為に、各自予定位置周辺のアラサカ兵を処理するのよ』


栞子『ヨハネさんと共同で偽の通報をばらまいています。少しの間ですが警備は手薄になるでしょう』


曜「はいよっ、お陰で楽になる!」タタタッ


彼方『隣の民間人がアラサカかもしれないし気をつけてよぉ。あ、さっき1人殺ったぜ』


果南『こっちも同じく。調べたらNCPDだったけど邪魔だったからぶん殴って黙らせたよ』


善子『荒々しいわね…』


曜「……おっ、スナイパー発見。殺っとくね」


絵里『頼んだわ。気をつけるのよ』


曜「勿論。よっと…」ヨジヨジ

165: 2023/08/22(火) 19:18:56.74 ID:m2Oj7+Aj.net
スナイパー「…通りに不審な動きをした人物がいる、その男を確保しろ」


曜「…………っ!」


グッ!!


スナイパー「がっ!?」


グググ…!!


スナイパー「あ、が……っ!!」


曜「……ふっ!」


ゴキッ!!


スナイパー「」


ドサッ


曜「…静かにしてて」

166: 2023/08/22(火) 19:19:24.54 ID:m2Oj7+Aj.net
ピッ


曜「スナイパー1人排除。これでどうかな?」


果南『これで皆の予定地点周りの兵は、いなくなったかなん?』


栞子『カナタさんの方にあと2人と言った所ですね。片方はランナーなので、黙らせて貰えるとこちらとしてはかなり助かります』


彼方『あいよ~、殺っとくねぇ』


絵里『…もうすぐメインストリートが見えるわ。カナタの始末が完了すれば、後は私の乗る山車を待つだけ』


絵里『意思表示として、なるべく派手に乗り込んで。そうね、何なら人質役は任せてよ』


善子『片やアラサカのCEO、一方は首切りが確定してるただの社員。人質の価値なんか無いでしょ』


絵里『ふふっ、それは確かに』

167: 2023/08/22(火) 19:19:51.03 ID:m2Oj7+Aj.net
彼方『……おっけ、殺った!位置に着いたよ、カナタちゃん準備よし!』


曜「こっちも。いつでもおっけーだよ」


果南『げっ、ドローンだ。ぶっ壊していい?』


絵里『出来るなら無視ね。それか、ハックしてフレンドリーモードにしてくれる?そうすれば助けになr』


果南『ごめんアタシ頭悪いしデーモンも持ってないや』


絵里『えぇ…』


栞子『カナンさんの位置は…あの辺ですね?私がハックしておきます。少し隠れていて下さい』


果南『ごめん、頼んだシオリコちゃん。ドローンが消えたら私も位置に着くよ』


絵里『分かったわ、各自山車を待って』


曜「…」

168: 2023/08/22(火) 19:20:18.37 ID:m2Oj7+Aj.net
<ワイワイガヤガヤ


<…おい、来たぞ!アラサカの山車だ!


<でっけぇ金魚だな…


<タケ×オダを見せて頂戴!!


<何言ってんだお前



曜「あー見えた見えた、何で神社が飛んでんのさ…イミワカンナイ」

169: 2023/08/22(火) 19:20:56.13 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「さて、鳳凰の山車は……」


曜「…あれだ!見えた!!」


彼方『こっちも確認したよ!』


果南『アレだね、OK見えてる!!』


絵里『全員……行けるわね?』


善子『シオリコ、出番よ!』


栞子『やっています……』


曜「…っ」


栞子『……行けました!!』



<ゴォォ………ン…!!




<…な、何だ!?山車が止まったぞ!?


<橋の目の前で止まんじゃねぇよ!!



曜「…開始っ」スチャッ

170: 2023/08/22(火) 19:21:17.26 ID:m2Oj7+Aj.net
パァンパァン!!


<ドカァン!!


ズドドドド!!>


市民「何だ!?銃声だ!!」


市民「爆発音まで聞こえるわよ!?」

171: 2023/08/22(火) 19:21:49.05 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


ーお社型の山車ー



タケムラ「何事だ!?報告しろ!」


アラサカ兵「何者かによってアヤセ様の乗る山車が攻撃を受けています!!」


タケムラ「私とオダはサブロウ様とハナコ様を、山車内部へお連れする!アヤセには迅速に賊を対処する様伝えろ!」


アラサカ兵「はっ!アヤセ様、応答して下さい!!」ピーッ


オダ「ハナコ様、お早く!」


ハナコ「え、ええ」


タケムラ「サブロウ様も!」


サブロウ「…」


オダ「…おい何をモタモタしてる、早くドアを開けろ!!」


アラサカ兵「そ、それが開かないんです!!ランナーによるハッキングと思われます!!」


ーーーーーー

172: 2023/08/22(火) 19:22:00.92 ID:m2Oj7+Aj.net
ージャパンタウン近く、モーテルー


善子「……リジーズのテッキー、舐めないでよね」


栞子「助かります、ヨハネさん!山車の制御で手一杯だったので…」


善子「止めてるだけで充分だとは思うわよ…?」

173: 2023/08/22(火) 19:22:26.12 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


オダ「どうなってる、これでは四方丸見えの展望台に立ち往生だ!!」


タケムラ「落ち着け、幸い後方は壁だ。左右と前方だけを気にしろ!おい、サブロウ様とハナコ様を後方までお連れするんだ!せめて貴様らで壁を作れ!!」


アラサカ兵「はっ!こちらへ!!」


タケムラ「オダ、我々2人でこの三方向に注視せねばならない。確実にお2人をお守りするんだ。誰が乗り込んでこようと始末する」


オダ「俺は賊を始末しに行った方が…」


タケムラ「お前がココを離れたら、誰がお二人をお守りするんだ?いくら俺でも、同時にお守り出来る程器用では無いぞ」


オダ「…了解。アダムもいないんだ、仕方ない」


ーーーーーー

174: 2023/08/22(火) 19:23:04.29 ID:m2Oj7+Aj.net
ー鳳凰の山車ー



曜「どいてどいて!!当たっても知らないよぉ!!」パァン!!


アラサカ兵「奴だ!!撃ち殺せ!!」チャキッ


<スタッ


アラサカ兵「!?」


果南「よっ、兵隊さん。上からお邪魔するよん」


アラサカ兵「し、侵入されーーーー」


果南「お静かにっ!!」ブンッ


バキッ!!


アラサカ兵「ごはァッ!?」


彼方「おりゃおりゃおりゃあ!!グレネード祭りだよぉ!!」ポイポイッ


ドカァンドカァン!!


アラサカ兵「ぎゃああっ!!?」


アラサカ兵「クソっ、囲まれてるぞ!!アヤセ、貴様も戦え!!分かっているのか、真後ろがサブロウ様のーーー」


絵里「戦うわよ。分かってる」


チャキッ


アラサカ兵「お、お前」


パァン…!!


アラサカ兵「」ドサッ


絵里「あなた達とね」

175: 2023/08/22(火) 19:24:05.73 ID:m2Oj7+Aj.net
<「おうりゃあっ!!」ドガッ!!


ガッシャァン!!


果南「ふうっ、こんなもんかなん!?……お、エリじゃん。もしかして私が一番乗り?」


絵里「その様ね。次は…」


<ウィーン


曜「何か外の皆、頭が弾け飛んでるけど…アレ、カナンちゃんがやったの?」


果南「いぐざくとりぃだよ」


曜「ひえ…」


<スタッ


彼方「お邪魔するよぅ。おや、皆お揃いだねぇ」


絵里「ええ、これで演者は揃ったわね。本番を始めましょう」


果南「そうだ、スミレちゃんは?」


絵里「そこのゴミ箱の中よ」


<ガタッ


曜「えぇ……?」

176: 2023/08/22(火) 19:24:33.47 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「き、昨日の内に物凄い磨いといたから綺麗なハズよ?」


<ガチャッ


絵里「ね?そうよね?」


すみれ「…ゴミの気分を味わえる貴重な体験よね」


絵里「ほ、他に手が無かったんだもの…許して」


すみれ「良いから、やるわよ」


絵里「了解。シオリコ?」


栞子『聞こえています。ホロを山車の上に投影します!』


善子『マイクの準備よし!いつでもいいわよ!!』


絵里「OKね。すみれ、マスクとマイクを」


すみれ「…」スチャッ


曜「さて、どうなるかな。ナイトシティ」


彼方「良くも悪くも変わるぞぉ」


果南「後はスミレちゃんを氏ぬ気で守らないとね」


栞子『…ホロの用意が出来ました!いつでも可能です、スミレさん!』


絵里「スピーカー、最大音量!」


彼方「がってん!!」ピッ


すみれ「……」

177: 2023/08/22(火) 19:25:00.99 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


市民「よく分かんねぇヤツらが、山車を占拠しやがった」


市民「…なぁ、お前もあの動画見たよな?もしかしたら、あのマスク野郎なんじゃねぇのか?」


市民「複数いただろ、本人は高みの見物と洒落こんでんだろうよ。わざわざ現場に来る訳ねぇさ」


市民「しかし、アラサカに面と向かって歯向かうクソバカがまだいるのか?ったく、シルヴァーハンドじゃあるめぇし」


<ブゥン…!


市民「何だ?!ホロが…!!」


市民「……おい待てよアイツ、あのマスク野郎じゃねぇか!!」

178: 2023/08/22(火) 19:25:20.56 ID:m2Oj7+Aj.net
タケムラ「…まさか、あの…!」


オダ「我々がここを離れる訳にはいかない!あの動画の発信元を探し、見つけ次第殺せ!!」


アラサカ兵「了解!」


ーーーーーー

179: 2023/08/22(火) 19:25:52.44 ID:m2Oj7+Aj.net
『…聞こえてる?アラサカ、そしてナイトシティ』


『私達はやったわよ。予告通りにね』


『随分と警備いたけど、まあ取るに足らないわ。アラサカ如き』


市民「何て事言いやがる…!?」


市民「アイツ本気だぞ!!」


『どうしてこんな事をしてるか、アナタ達なら分かるわよね?』


『アラサカによる支配の被害を受けたのは何も街の人間だけじゃないでしょ。企業もノーマッドもストリートキッドも、国も政府も何もかも全てよ?』


『…いい加減彼等は、私達は……うんざりなのよ』

180: 2023/08/22(火) 19:26:44.27 ID:m2Oj7+Aj.net
傭兵「…」


市民「…おいアンタ、もしかして傭兵か?やる気なのか?」ボソッ


傭兵「…さあ、今は分かりません」


『聞こえてるわね、アラサカ。街の怨嗟の声が。私達の恨みの籠った悲鳴が』


『私達はその恨みを糧に、アナタ達に戦いを挑む。生半可な気持ちじゃあこんな事は出来ないし、やろうとも思わない』


『でも聞いて、ナイトシティ。我々は1つよ。私達が力を合わせればらアラサカと言うバケモノを斬り捨てられる!!』


市民「…お前は、誰なんだ!?」


市民「何なんだお前達は!?俺達と、この街をどうする気だよ!?」


『……私達の名前は』スッ


スチャッ…


市民「マスク取ったぞ!!」


市民「女だったのか…!」




『……鋼鉄の龍』




タケムラ「!!!」


サブロウ「…」

181: 2023/08/22(火) 19:27:22.28 ID:m2Oj7+Aj.net
オダ「ヨリノブの作ったノーマッドと同じ名だな、奴は何だ!?」


ハナコ「誰なの、あの子は…?」


すみれ『私はスミレ・ヘアンナ…本名は、スミレ・アラサカ』


傭兵「あぁ、成程……合点が行きました」


市民「は!?何が!?」


傭兵「つまり彼女は」


すみれ『分かる人は分かると思うわ。サブロウの依代にされた、ヨリノブ・アラサカの娘よ』


市民「ヨ、ヨリノブ・アラサカの…!?」


ハナコ「兄さんの、隠し子…!?」

182: 2023/08/22(火) 19:27:49.43 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ『ナイトシティ、私は何もアラサカの社長になりたいとかじゃない。当たり前だけどそんな事に興味無いの』


すみれ『私の大切な人を頃すどころか、あまつさえ体を奪う悪魔の様な所業を平然と行う、この会社をぶっ壊したいだけ!』


すみれ『別に全てが終わったあとも生き延びたいなんて思ってないわ。じゃあ何がしたいかって!?』


すみれ『今ここで私達全員が立ち上がれば、ジョニー・シルヴァーハンドも出来なかったアラサカの壊滅が成し遂げられる!!』


<ザワッ…!!


すみれ『ヨリノブ・アラサカの娘として進言するわ。お祖父さん』


サブロウ「…」


すみれ『ナイトシティから、完全に消え去りなさい!!』


すみれ『もし、それが聞き入られないのであれば……私達とナイトシティが今この瞬間、立ち上がるわ』


傭兵「……」


すみれ『返答を聞く。サブロウ・アラサカ』


タケムラ「戯言を。貴様の様な下郎に、サブロウ様が話す事など無い」

183: 2023/08/22(火) 19:28:33.46 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「…どけ、タケムラ」スッ


タケムラ「なっ、いけませんサブロウ様!!前に出ては…っ!!」


<ザワッ!!


市民「サブロウだ!!出てきやがった!!」


サブロウ「……スミレ、ヨリノブの娘…我が孫よ。聞こえているな」


すみれ『っ……その体で孫とか言うんじゃないわよ!!』


サブロウ「私はこの国に限りない利益をもたらした。感謝こそされど、恨まれる筋合いは無い」


すみれ『よっく言うわ…!!圧政に圧政を重ね、街の人々を恐怖で抑え付け続けたアナタ達が、感謝されるですって!?』


すみれ『全てのコーポはイカれてなくとも、イカれてるのは企業よ!!アナタ達が街を傷付けてるのが分からないの!?』

184: 2023/08/22(火) 19:29:34.50 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「定まっていないな、スミレ。やりたい事はヨリノブの復讐か?街を救う英雄になりたいのか?どちらが本心だ」


サブロウ「お前の目的はアラサカのナイトシティ撤退だが……本音の所は、我々の命だろう」


すみれ『…ええそうよ。当然でしょ!?お父さんを助けないでRelicの餌食にしたハナコも、当たり前の様に生き返ったアンタも、氏んでもらうわ!!』


すみれ『アナタ達に要求する事はナイトシティからの撤退!!聞き入れられないのであれば、この場で全員始末するだけ!!』


ハナコ「…」


サブロウ「その後はどうする?」


すみれ『…は?!』


サブロウ「我々がこの場から消え、お前はここに残るだろう。それで、一体何が成ったというのだ?スミレ」


サブロウ「善良な市民を焚き付け兵とし、我々を狙わせるとはな。何と言おうと貴様にもアラサカ家の血が流れている様だ」


すみれ『どの口が…ッ!!』


サブロウ「ヨリノブは我が社を裏切った。だが自らの行動を悔い改心し、その体を渡してくれた……お前の怨みは、お門違いなのだ、スミレ」


サブロウ「何もせず静かに暮らしていれば何も起きなかった物を…"銀腕"と同じく、お前にも慎ましさが無いな」

185: 2023/08/22(火) 19:30:31.93 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ『サブロウ……!!!』


すみれ『ナイトシティ!聞こえたわね!?奴等はここに、まだ君臨し続けるつもりよ!!』


すみれ『これ以上故郷を荒らされて良いの!?気付かない内に自分のふるさとを破壊されても良いの!?』


すみれ『今しかないのよ、ナイトシティ!!戦って、立ち上がるの!自分達の足で!!』


市民「…」


市民「お前の気持ちは分かるがよ…」


市民「相手は世界最大の企業だ。俺達がどうしたって…」


傭兵「……ふむ…」


すみれ『…っ!!』


サブロウ「『虎を画きて狗に類す』とは、よく言った物だ。お前達のクーデターは、もう動く事も無い」




サブロウ「……二度あることは三度あるな、ヨリノブ」

186: 2023/08/22(火) 19:30:49.66 ID:m2Oj7+Aj.net
スタスタ…


タケムラ「お手を煩わせてしまい申し訳ありません、サブロウ様」


サブロウ「…」


タケムラ「…あと二分で増援が到着する、山車を動かすな」


オダ「了解」

187: 2023/08/22(火) 19:31:17.09 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


栞子『一旦、動画を切ります……』


すみれ「何で動かないのよ…ナイトシティ……!」


絵里「突然の事で対応出来てないだけよ。市民は当然アラサカを恨んでるけど、まだ迷ってる」


曜「…どうする、無理やり入って始末してくる?この山車は占拠こそ出来たけど、市民にはまだ足りてないっぽいし」


絵里「勿論そうしたいけど、タケムラさんとオダ君は一筋縄で行かないわ。完全に意識がこっちに向いてちゃ、攻撃しようにも対処されるし」


絵里「考えはあるけど…まずはナイトシティに、動いて欲しいわ。混乱の為にも」


彼方「しかもあと二分で増援だってね。いよいよ氏が見えてきたよぉ」


果南「どうする、スミレちゃん……辞める?」


すみれ「……っ!シオリコ!!」


栞子『はっ、もう一度投影します』


ピッ

188: 2023/08/22(火) 19:31:42.65 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ『……今この場で行動を起こせば、私達は救われる!企業に二度と搾取されない、私達があの時夢見たナイトシティになる……いや、するのよ!!』


市民「…だが、相手は……」


すみれ『ステージは出来た。後はアナタ達が登って演奏してくれれば、ライブは始まる!!』


すみれ『声を上げて!戦える者は、武器を持って!!私達が、必ず成し遂げる!!』


市民「…」


タケムラ「負け犬の遠吠えだな、貴様らはもう終わりだ。今にもアラサカの兵が、山車ごと踏み潰す」


すみれ『だからお願い、立ち上がって……ナイトシティ……!!!』


<ザワザワ…

189: 2023/08/22(火) 19:32:19.78 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


https://youtu.be/VOXOdflScCY



ピーッ…


『…これはウチの、個人的な依頼になるけどな』


『アンタらなら分かるやろ。こんな一生に一度お目にかかれるか分からん大花火。参加せな、男が廃れるっちゅうもんや』


『……聞こえとるな、虎鉤衆』


『この喧嘩、手ェ貸したれや』


ピッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

190: 2023/08/22(火) 19:32:53.57 ID:m2Oj7+Aj.net
市民「……?」


市民「どうした?」


<…ブォォン…


市民「…何か聞こえないか?」


<ブォォン…!!


市民「今度は何だ!?」


<ギャイィン!!


市民「ヤイバだ……!!ヤイバが、群れをなして走ってきやがった!!」


<「イィヤッホオォウ!!」


<「轢き殺されたくなきゃ退いてなァ!!」


<「虎鉤衆のお通りだよォッ!!」


市民「……た、タイガークロウズだァッ!!!」

191: 2023/08/22(火) 19:33:17.47 ID:m2Oj7+Aj.net
タイガークロウズ「ヒャァハハハハァッ!!!アラサカ、ぶっ壊す!!!!」ブォンッ!!


凛「よーーーーうちゃああぁぁぁん!!!リンも混ぜるにゃああああっ!!!!」ブォォン!!


曜「リ、リンちゃん!?」


彼方「え、知り合い!?」


曜「…うん、友達!エリさん、クロウズが来た!!山車に攻撃してるよ!!」


曜(ナイス過ぎるよワカコさん、リンちゃん…!)


彼方「そっか、ナイトシティに奇跡は起きないって聞いたけど…あるもんだねぇ!」


絵里「大チャンスよ、スミレ!」


すみれ「クロウズ…ええ、今が好機よ!!」


すみれ『タイガークロウズに続く!!私達は攻撃を続行する!!』


すみれ『撃て!!壊せ!!爆破しろ!!アラサカを、ナイトシティから壊滅させるのよ!!」


タイガークロウズ「命令すんじゃねぇ!!でも今だけは聞いてやるよォ!!!!!」

192: 2023/08/22(火) 19:33:48.92 ID:m2Oj7+Aj.net
傭兵「へぇ」スチャッ


傭兵「まさか動くとは。ナイトシティ」チャキッ


傭兵「モックスの暴動を超えるか」ジャキンッ!!


<ドカァン!!


ズドドドドッ!!>


<パァンパァン!!


タイガークロウズ「お前らもどうだ!?1口乗っても良いんじゃねぇか!?」


市民「嘘だろ……マジでやるのかよ!?」

194: 2023/08/22(火) 19:34:13.39 ID:m2Oj7+Aj.net
アラサカ兵「ぜ、全方位から攻撃を受けています!!左右にはタイガークロウズ、前方は占拠された山車を足がかりに、傭兵達が…!!」


オダ「まずい、山車を後退させろ!!アヤセにもこちらに合流する様伝えるんだ、早く!」


アラサカ兵「連絡がつきません!!恐らく賊に…!!」


タケムラ「弱卒め…ッ!!」


アラサカ兵「タケムラ様!」


タケムラ「何だ!?」

195: 2023/08/22(火) 19:37:06.13 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーー


善子『残念。後ろの山車も動かないわよ』


栞子『山車を制御しているランナーは、全てこちらが始末しました。これで山車は全て、私達の支配下です!!』


ーーーーーーー


アラサカ兵「後方の山車もハッキングされている為、立ち往生です!!ここで立ち止まらずを得ません!!」


タケムラ「まずいな…傭兵もギャングも動き始めるとは」


オダ「市民が動いてないのが幸いだ。タケムラさん、奴等は」


タケムラ「無論だ!全て殺せ!!」


<タイガークロウズ「おお!?見えたぜアラサカ!!」ブゥンッ!!


<タイガークロウズ「元気そうね、サブロウ!!」ブルォンッ!!


タケムラ「黙ってろ!!」パラララッ!


<タイガークロウズ「ヒャハハァッ!当たらねぇよ!!」

196: 2023/08/22(火) 19:37:51.85 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「今しかない、登っちゃおう!!」


絵里「スミレ、アナタはここにいなさい」


すみれ「はぁ!?何でよ、私も」


彼方「ウチの大ボスに氏なれても困るぜ、スミレちゃんさえ生きてれば、もう勝ちみたいなもんさ。街の人達じゃなくとも、彼等は動き始めたんだからねぇ」


曜「アラサカに直接ダメージを与えられたんだもんね。カナンちゃん、スミレちゃんをお願い出来る?」


果南「…しょーがない、分かった。私も行きたいけど譲るよ、ヨウ!」


絵里「スミレ、良い子にしてるのよ」


すみれ「…っ」


絵里「ヨリノブさんとアナタの為にも、そう簡単に氏なないから安心して」


<ガシャァン!!


曜「!?」


傭兵「失礼致します。ヨリノブの娘は、どちらにいらっしゃいますか?」


曜「……ウ、ウミさん!?もうここまで来たの!?外のアラサカ兵は...!」


海未「始末しました。おやヨウ、あなたもいたのですか」

197: 2023/08/22(火) 19:38:22.90 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「丁度いいや、この子がスミレちゃん!守ってあげられる?」


海未「…分かりました。ところで依頼主は?」


絵里「ヨウの知り合いかしら?一応私よ」


海未「傭兵仲間です。命の価値は高くつきますよ。エディーをお忘れなく」


絵里「ちゃっかりしてるのね。勿論よ」


海未「どうも。さ、行ってください」


果南「ナイトシティの傭兵さんがついてくれるなら心強いや」


彼方「行ってくるよカナンちゃん、また後で!」


果南「おっしゃ、行ってきな!!」


https://youtu.be/hLwyq4Lrupw



ーーーーーー
ーーーー
ーー

198: 2023/08/22(火) 19:38:50.50 ID:m2Oj7+Aj.net
ーお社の山車ー



ザシュッ!!


タイガークロウズ「ゴハッ!!」


オダ「ったく次から次へと、キリがない!!」


タケムラ「あと少しで援軍が来る、耐えるんだ!!」


ドカァン!!


タケムラ「うおっ…!」グラッ


<ギャアァッ…!!


オダ「どうやら入ってこられた様だな、迎え撃て!」


<ウィーン


曜「お邪魔しまー…げっ、あの時のボディガード!」


彼方「ひえぇ、やっぱ強そー…」

199: 2023/08/22(火) 19:39:19.43 ID:m2Oj7+Aj.net
オダ「…その声、アヤセの部下か!?」


タケムラ「という事は…!!」


絵里「…ええ、お久しぶりね。タケムラさん、オダ君」


タケムラ「やってくれたな、アヤセ。アラサカ創業史上、最悪の事件を起こしてくれた様だ!!」


絵里「スミレに代わって、ヨリノブさんに代わって、アナタ達を頃しに来たわ。サブロウ、ハナコ!!」


サブロウ「…そうか、お前が」


絵里「っ!!」スチャッ


オダ「まずい、サブロウ様ーーーーー……!!!」


パァン!!

200: 2023/08/22(火) 19:40:02.04 ID:m2Oj7+Aj.net
ハナコ「……っ!」


サブロウ「……」





ガクッ


タケムラ「…サブロウ様、お怪我は」ポタッ





サブロウ「無い。よくやった」


タケムラ「身に余る光栄であります」


絵里「っち……タケムラは私が抑える、かかって!!」


彼方「おりゃあ!!!」ガシッ


オダ「小癪な…っ!!」シャキィン!!


彼方「うわ、マンティス・ブレード!!」


オダ「兵共は早くお二人を後方に下げろ!!お前らを斬ったとしてもこちらは関知しない!」


アラサカ兵「は、はっ!!」


彼方「余所見してる暇あるのぉッ!?」ドカッ!!


オダ「ふん、時代遅れなゴリラアームだな…!」


彼方「うるさいやい!舌噛んじゃえ!!」

201: 2023/08/22(火) 19:40:27.30 ID:m2Oj7+Aj.net
ツカツカ


絵里「…そんなんで、サブロウのボディガードが務まるの?」


タケムラ「ヨリノブの犬が、ここまでやるとはな」ポタポタッ


絵里「私達は犬じゃないわ」


タケムラ「ならば…」


絵里「…龍って言ったでしょ」シャキィン!!


ドスッ…!!


タケムラ「っぐ…!」

202: 2023/08/22(火) 19:40:49.36 ID:m2Oj7+Aj.net
オダ「タケムラさん!!」


彼方「だーかーら、余所見すんなって!!」ブンッ


ドガァッ!!


オダ「ぐあッ!!」ベキッ


アラサカ兵「まずいぞ、あの2人が押されてる…!!」


曜「ねー、やばいねー」シュルッ


アラサカ兵「ああ……何だお前!!?」


曜「私ってば何のサイバーウェアも持って無かったんだけど、この前買ったんだよね。お金入ったし」


ザクッ!!


アラサカ兵「」ドサッ


曜「良い調子だ。モノワイヤーちゃん」

203: 2023/08/22(火) 19:42:04.63 ID:m2Oj7+Aj.net
オダ「ぐっ…クソ、兵が…!!」


彼方「はい動かないでオダちゃん、もう片方のマンティスも折っちゃうよ!!」


曜「取り敢えず、これで山車内部の警備兵は全員始末出来たよ」


絵里「占拠完了ね。後はこの2人を殺せば、全て終わり」


サブロウ「…」


ハナコ「お父様…!」


曜「動かないで、ハナコさん」


絵里「お世話になりました、サブロウ様」スチャッ


サブロウ「やるならば、速やかにやれ。アラサカの人間ならば分かっているな」


絵里「その位よく分かってーーーー」






<「エリ!!!」

204: 2023/08/22(火) 19:42:23.09 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「っ!?」


すみれ「はぁっ、はぁ…!」


海未「申し訳ない、説得に負けました。エディーは半分で構いません」


果南「でも1人で行かせるより、3人で来たよ。なら大丈夫でしょ?」


絵里「…出来れば連れてきて欲しくは無かったわよ、危険だし」


海未「せめてもの謝罪として、外のアラサカ兵は始末しておきます。ここには1歩たりとも入れません」


絵里「感謝するわ。全てが終わったあと、また会いましょう」


海未「ええ、ご武運を」


<タタタッ

205: 2023/08/22(火) 19:42:51.26 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「…ごめん、エリ。でもこいつらは、私がやらなきゃいけない!!」


絵里「……」


チャキッ


すみれ「…これは」


絵里「ヨリノブさんのリバティ。アナタに返すわ」


すみれ「……っ」


絵里「やって。スミレ」


サブロウ「…お前達が、鋼鉄の龍か。ヨリノブの遺志を継ぐ」


すみれ「その通りよ。サブロウ!!」


曜「…」


絵里「…スミレっ!!」


すみれ「…っ!!!」チャキッ





サブロウ「……遅かったな」スクッ


すみれ「え」

206: 2023/08/22(火) 19:43:50.88 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「どうした、やらないのか。スミレ」


彼方「いや、どっち…!?Relicにそんな機能は……!」


果南「うーわ、性格悪…!」


すみれ「……なんっ、で…!」カタカタ


絵里「ち、違うわスミレ!!こいつはヨリノブさんじゃない、サブロウよ!!」


サブロウ「元気なのは良い事だ」スタスタ


ハナコ「…兄、さん?」


絵里「……違う、違うって…!!」





ヨリノブ『少し遅かったな、スミレ』ポンッ


すみれ「え、あ……」


ヨリノブ『迎えが来てしまった。祭りはお開きだよ』





<ゴオォォォォ…!!


<Beep Beep!!


曜「やっば、AVとドローンの群れだ…」


すみれ「…」ヘタッ

207: 2023/08/22(火) 19:44:21.54 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「…ハナコ。タケムラ、オダ」


ハナコ「は、はい」


オダ「はっ…」


サブロウ「戻るぞ」


タケムラ「宜しいのですか…ごほっ!」


サブロウ「可愛い孫がじゃれてきただけだ。後の事は考えておく」


すみれ「…っ」


サブロウ「さらばだ、スミレ」


<ザザザザッ


アラサカ兵「サブロウ様、AVの用意が出来ました。お乗り下さい」


サブロウ「ああ」


アラサカ兵「ハナコ様もお早く」


ハナコ「ええ…」


オダ「…ここは退くぞ、タケムラさん」スッ


タケムラ「クソ、大失態だ……っ!」


<ゴォォォォ…!!

208: 2023/08/22(火) 19:45:13.63 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーー


市民「…終わったのか?」


市民「氏んじゃいないな、サブロウもハナコも」


市民「失敗って事か…」


市民「いや、意思表示にはなっただろ!?今まで俺達があそこまで、アラサカの喉元に短刀を突き付けられた事があったか!?」


市民「お前がやった訳じゃねぇだろ!!」


?「…R1NA(リナ)ちゃん、あの金髪の人とグレーの髪の子は?」


『えーと調べるね……エリ・アヤセとヨウ・ワタナベ。アラサカ反抗作戦の為だけに結託したストリートキッドとコーポ。他の情報はまだ無いや』


『…ネタ探しの為だけに、パレード行ったの?危険だから離れた方がいいよ、リリーちゃん』


?「……ヨウ×エリ……いや、エリ×ヨウかな…?」ブツブツ


『…これだもん』


ーーーーーーー

209: 2023/08/22(火) 19:45:50.04 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……スミレ」


すみれ「…ごめん、なさい……」


絵里「…いいの、仕方ないわ」



『終わってません!!』



彼方「…シオリコちゃん」


栞子『私があのAVをオーバーロードさせ、墜落させます!』


善子『ばっ、アラサカ製のAVがそんな簡単なICEな訳ないでしょ!?神経焼き切れるわよ!?』


栞子『そんな事は分かってます、でもやるしかないんです!!』


善子『でも、もう奴等はジャパンタウンを離れてるのよ!?このモーテルからシグナルが届くわけ……』


果南「だったら爆速で車用意してそっち迎えに行くよ。まだやる気なんだね?」


栞子『当然です!!何も終わってないし、変わっちゃいないんですから!!』


果南「分かった、呼ぶね。あとは……」ピーッ

210: 2023/08/22(火) 19:46:46.50 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「…」


栞子『……スミレぇッ!!』


すみれ「っ!?」


栞子『私は……アラサカのデータベースに侵入し、ヨリノブさんの最後を見ています!!』


すみれ「…それって」


栞子『ハナコはアラサカに絶望し切ったヨリノブさんにRelicを差し、彼をこの世から消し去った…!!悪魔に命と体を奪われたんです!!』


栞子『あんなのを見て……忘れる事が出来ると思いますか!?スミレさん!!』


すみれ「…っ」


栞子『…アナタが止まっても、私はやります。着いてきたければ来て下さい。カナンさんの車に乗って』

211: 2023/08/22(火) 19:47:14.45 ID:m2Oj7+Aj.net
<ブオォンッ!!


キキーッ!!


曜「おわぁっ!?」


凛「…どうせ終わりじゃないんでしょ、乗ってく!?ヨウちゃん!!」


曜「リンちゃん…!」


絵里「…スミレ、私も行くわ。来る?」


すみれ「……えぇ。ここまで来てくれたアナタ達に報いなきゃ…」


彼方「報いるとか良いって。スミレちゃん達が好きだからやってるだけ。それは最初から変わってない」


果南「仲間の事は最大限尊重する。辞めるなら辞めるし、やるならやる。道は任せてよ」


すみれ「……」


曜「ここまで来たんだ、ついてくよ」


すみれ「ありがとう、皆…シオリコ、お願い」


栞子『…はい』


ピッ

212: 2023/08/22(火) 19:47:37.23 ID:m2Oj7+Aj.net
市民「ヨリノブの娘…」


すみれ『手短に済ますわ。私達は、奴らを追う。付いてくる人に命の保証は出来ない』


すみれ『でももし生き延びたのなら……アラサカのいないナイトシティで、私が全員にアフターライフで1杯奢るわ』


<ザワザワ…


すみれ『私達は行く。ありがとう、ナイトシティ』


ピッ


絵里「言うじゃない、スミレ」


すみれ「シオリコにあそこまで言われちゃあね…」


絵里「ふふ…そこのアナタ、ヤイバを貸してくれる?」


凛「今もう1台呼ぶよ。ヨウちゃんと乗って行ってにゃ」


<キキーッ


彼方「はっや、もう来たよ」

213: 2023/08/22(火) 19:48:46.67 ID:m2Oj7+Aj.net
凛「ただ、このリンのカスタム・ヤイバはピーキー過ぎて……アンタには無理かもね」


絵里「…こちとら元暴走族よ?余裕よこんなの」


凛「そもそもコーポの……あ、エリ・アヤセって言うんだっけ?アンタの手助けとかあまりにも嫌過ぎるにゃ」


曜「あ、あの~…」


凛「ヨウちゃんの友達じゃなかったら、今頃レーザーで頭かっ飛ばしてるよ」


絵里「ゴタゴタ言わないでとっとと貸しなさいよ。無駄口が過ぎるわね、子猫ちゃん」


凛「……アヤセエェェェェ!!!」


絵里「さんをつけなさいよ、ネコスケ野郎!!!!」


曜「何してんのこの子ら」


彼方「仲良しなんだねぇ」

214: 2023/08/22(火) 19:49:10.87 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「スミレちゃん、車もう来るから!準備出来たら行くよ!」


すみれ「ありがとう……じゃあ、さっきの大失態の挽回をさせてもらうわ」


すみれ「皆!私達の為に、氏んでくれる!?」


曜「よっしゃぁ!!行くよ皆!!」


凛「……え、リン氏ぬの!?」


彼方「どうせもれなく全員氏ぬぜ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

215: 2023/08/22(火) 19:49:39.91 ID:m2Oj7+Aj.net
ーナイトシティ上空、シティセンター方面ー



アラサカ兵「タケムラ様、動かないで!」


タケムラ「アヤセめ、深く刺しおって…!!ぐっ…!」


オダ「それで済んで良かったな、タケムラさん」


タケムラ「お前は特に怪我などないだろう!!」


オダ「ある、マンティスが片方折られた。あの女とんでもない怪力だ。ゴリラアームだけの力じゃない」


タケムラ「…恐ろしいな」


ハナコ「過ぎた事を言い争わないの。今はアラサカの株価が落ちまくってる事を憂慮して」


タケムラ「クーデター自体は失敗したと見ても、結果アラサカはダメージを受けてしまっています。甚大な被害だ」


オダ「くそっ、スマッシャーがいない事を悲しむ日が来るとはな。あの場で全員始末出来なかったのが悔やまれる」


ハナコ「とにかく、社の建て直しを急ぐわよ」


オダ「はっ」


タケムラ「奴らの出処を調べ上げ、完膚無きまでに叩き潰さねばならん!!」


アラサカ兵「動くなと!!」グイッ


タケムラ「ぐあぁっ!?」

216: 2023/08/22(火) 19:50:23.00 ID:m2Oj7+Aj.net
<ピーピーピー!!


オダ「何だ!?」


パイロット『後方より、多数のバイクが来ます!!先程のタイガークロウズと傭兵達かと……!!』


タケムラ「来たのか、馬鹿め!!戦闘ドローンを全て起動しろ!!」


オダ「社まで全速力だ、急げ!!!」


パイロット『はっ!各ユニットに次ぐ、全ドローンを展開しろ!!』


ーーーーーー
ーーーー
ーー

217: 2023/08/22(火) 19:50:49.90 ID:m2Oj7+Aj.net
ブオォン!!


曜「離さないでよエリさぁん!!」


絵里「当たり前でしょ!!カナタ、リン!?」


彼方「バイクは随分久しぶりだよ!!カナンちゃん!?」


凛「風が気持ちいいにゃああああぁぁぁっ!!!」


果南『私のBEASTならそんじょそこらの弾は跳ね返す!!シオリコとスミレ、ヨハネは任せて!!』


絵里「頼んだわよ!!」


<ゴォォォッ!!


<Beep Beep!!


彼方「来た!!ドローン!!!」


タイガークロウズ「任せろやァ!!!テメェら撃ちまくれェッ!!!」ジャキッ


凛「にゃははァッ!!ズオを喰らえぇぇええぇぇっ!!!!」ドギャァン!!


<ズドドドドッ!!


ガシャァンッ!!>


ビュンッ


絵里「ぅあっぶなぁ!?ドローンめ、体当たりを仕掛けてくるわ!!身を低くするのよ!!」

218: 2023/08/22(火) 19:51:43.03 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「このバイクでこれ以上身を低くしたら地面とキスだよぉ!!!」


彼方「はいキャッチ!!そしてリリースッ!!」ブンッ


<ガァン!!


果南『すっご、ボーリングじゃん』


絵里「まずい、もうアラサカ・タワーに着く!!兵が待ち構えてるハズよ!!」


曜「でもこれじゃあ…シオリコちゃん!?」


善子『シオリコは現在進行形でICEを壊そうとしてる!!私も手伝ってるけど、時間が足りなさ過ぎるわよ!!』


すみれ『エリ、奴等の進行方向を逸らせられない?!』


絵里「やってはいるわ!!でも、ドローンの壁が…!!」


タイガークロウズ「そもそも物理的に届かねぇだろうが!!ヨウの強化腱があっても、あの本丸の高度が下がってくれねぇと!!」


彼方「ダメージが入れられないよぉ!!」

219: 2023/08/22(火) 19:52:12.39 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーー


パイロット『間もなくアラサカ・タワーです。緊急着陸準備に入ります!』


タケムラ「急げ!!サブロウ様やハナコ様に被害が出ては敵わん!!」


サブロウ「…久方ぶりだ」


タケムラ「今なんと、サブロウ様…?」


サブロウ「嫌な予感がするな」


タケムラ「っ!?」


https://youtu.be/bhF3O1xCBW4



ーーーーーー

220: 2023/08/22(火) 19:52:44.66 ID:m2Oj7+Aj.net
ピッ


果南『…着いた?後はよろしく、分かるっしょ?』


絵里「カナン!?何か言った!?」


果南「んー?あぁ、お助けキャラにね」


ピピッ


『オープンチャンネル繋がったか!?お前らが主犯格だな?!』


曜「え!?え!?誰!?」


『全く面倒事に巻き込みやがって!仲間の危機なら助けねぇ訳にはいかねぇだろ!!』


果南『聞こえたね、カナタ!』


彼方「…ははっ、迷惑かけるね!!皆!!」

221: 2023/08/22(火) 19:53:54.16 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


パイロット『…まずい、タワー周辺に民間人の群衆が…!!』


ハナコ「何ですって...?!」


市民『流せ!!SAMURAIの曲を、街中に響かせろ!!!』


市民『壁を作れ!!コーポ共をタワーに入れるな!!』


市民『俺達がシルヴァーハンドになるんだ!!!』


オダ「邪魔だな、退かせろ!!」


パイロット『しかし民間人だけではありません!!あ、あれは…!!』


タケムラ「何だ、誰がいる!?」


パイロット『…"バシリスク"です!!』


ーーーーーー

222: 2023/08/22(火) 19:54:36.20 ID:m2Oj7+Aj.net
ーアラサカ・タワー周辺ー



アルデカルドス「来たぞ!!アラサカのAVだ!!」


スネーク族「ドローンは撃ち落とせ!!」


英玲奈「ファミリーの意地を見せろ!!道路を塞ぎ、アラサカの増援を防ぐんだ!!民間人に攻撃はするなよ!!」


ソウル「助かる、スネーク族!」


英玲奈「友の為だ!雑魚共はこちらで抑える!!お前達は始めろ!!」


ソウル「ありがとよ!!撃て、ミッチ!!」


ミッチ「言わなくても何が言いたいか分かるさ!!ったく、横にはエレナに乗って欲しかったぜ!!」カチッ


英玲奈「すまんが私は企業兵じゃなくてな!そんなのに乗ったら脳が焼ける!」


ズドドドドド!!!


ーーーーーー
ーーーー
ーー

223: 2023/08/22(火) 19:55:07.95 ID:m2Oj7+Aj.net
<ドガァン!!


<ガシャァン…!!


絵里「…やった、ドローンがほぼ堕ちたわ!!」


曜「カナタちゃん、これって…!!」


彼方「ノーマッドの皆が助けに来てくれた!!タワーの周りをバシリスクとが固めてる、AVはルート変更せざるを得ないはずだよぉ!!」


タイガークロウズ「あまりにもナイス過ぎるだろ!!!今がチャンスだ、撃ちまくれ!!!」


凛「それリンのセリフ!!!」


<ズドドドドッ!!


<ドォン ドォン!!!


栞子『突然の事に、油断しましたね…!!』


パイロット『…まずい、AVのスラスターがハッキングされました!!高度、下がります!!』


ハナコ「ちょっと、これ以上下がったら墜落するわよ…!!」


絵里「そら来た、好機よ!!」


善子『シオリコ、血出てるわよ!!』


栞子『っぐ…!!すみません、道を作るだけで終わりそうです…!』


絵里「充分よ、シオリコ!あとは休んで!!」

224: 2023/08/22(火) 19:55:39.96 ID:m2Oj7+Aj.net
<…ウィーン


タケムラ「おい、後部ドアが開いたぞ!!」


パイロット『バシリスクによる射撃の衝撃でAV内部のランナーが気絶!!スラスターと共にドアもハックされました!!』


オダ「バカか、今開いたら…ッ!!」


タケムラ「お二人を後部から離せ!!残った兵で肉壁を築くんだ!!」


タイガークロウズ「中が見えたぞ!!」


彼方「エリちゃん!!!」


絵里「ええ!ヨウ、ちょっと行ってくるわ!肩借りる!!」


曜「分かった、乗ったら跳ぶよ!!」


果南『落っこちて来ないでよ!?』


曜「大丈夫だ……よっ!!」


バシュンッ!!

225: 2023/08/22(火) 19:56:10.08 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「ナイス!奴等の顔がはっきり見える!!」


曜「もう、いっ、かいっ!!」


バシュンッ!!


絵里「ありがとっ!生きててよ!?」タンッ


曜「分かってるーーーーー………!!!」


ガシッ


タケムラ「…アヤセ!!」


絵里「いよっと…お久しぶり、タケムラさん」

226: 2023/08/22(火) 19:56:37.93 ID:m2Oj7+Aj.net
タケムラ「貴様」


ヴゥン…!


絵里「兵の壁なんて小癪ね…!!」ザクッ


ドシュッザシュッ!!


絵里「AV乗った、雑魚は始末した、後は…!!」


ドスッ!!


絵里「…さよなら、タケムラさん」


ガシッ!!


絵里「っ!?」


オダ「………ーーーーーーっ!!!!」


絵里「サンデヴィスタンに追い付かないでよ…っ!!」


…ゥウン!!


タケムラ「…っ」ドサッ


ハナコ「タケムラ!!」

227: 2023/08/22(火) 19:56:56.44 ID:m2Oj7+Aj.net
オダ「掴んだぞ、アヤセ!!」


絵里「っ、離しなさいよ!!」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

228: 2023/08/22(火) 19:57:50.78 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「…っと!!」ガシャンッ


果南「ヨウ!?」


曜「へへ、乗車完了かなん!?」


果南「フロントガラスに着地する事を乗車とは言わないよ!!それより…!」


曜「うん、エリさんが上で戦ってる!タケムラは手負いだし、後はオダさえ何とか出来れば…!!」


善子「ヨウ!?何してんのアンタ!?」


曜「ヨシコちゃん、やっほー!しかし、こっちからじゃ何ともできないなぁ」


凛「スマートウェポンだから当たりはするけど、ダメージはしょぼいにゃ!!」


果南「……エリがいるから墜落させるのは流石にダメか…!」


曜「それは流石に」






絵里『良い!!落として良いから!!』


彼方「それは…!」

229: 2023/08/22(火) 19:58:30.53 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里『氏は覚悟してる!!こうなりゃ氏なば諸共よ!!』


曜「はぁ!?ちょっと、それは違うでしょ!!」


絵里『やって!!!』


果南「…ミッチ!ソウル!落としちゃえ!!」


曜「ばっ、カナンちゃん!!」


ミッチ『良いのか、仲間がいるんだろ!?』


彼方「でも、その仲間からの願いなの!!ここでやらなきゃ悔いが残る!!」


ソウル『だが……ッ!!』


善子『アルデカルドスとスネーク!そっちにアラサカの別働隊が向かってるわ!!シグナルを補足した!!』


栞子『ドローンは落としてますが……あと、私がどれくらい持つか…ごほっ!!』


善子『こっちもそろそろAVの制御を取り返されそうよ!あぁもう頭割れそう…!!』


ミッチ『マジかよクソッ、時間がねぇって事だな!!』

230: 2023/08/22(火) 19:59:03.40 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里『分かって、ヨウ!!ナイトシティでこれだけの事をして、誰も氏なないなんて虫が良過ぎるでしょ!?』


曜「それでも……いやだよ!!」


すみれ『……エリ!!!』


絵里『すみれ!?どうしたの!?』


すみれ『タケムラは!?』


絵里『氏んでるかどうかは分からないけど今は息してないわ!!てか確認出来ないし!!』


すみれ『そっちに行く!!オダを抑えて!!』


絵里『はぁ!?……分かったわよ、何とかするわ!!』


すみれ「ヨウ、お願い出来る?」


曜「…行く気だね、スミレちゃん」


すみれ「2度も跳んだら今度は道路に叩きつけられるかもしれないけど…お願い!!」


すみれ「私たちの誰も、きっと氏なない様にするから!!」


曜「……私の事は、タダのジャンプ台だと思ってくれていい!エリさんをお願い!!」


すみれ「ええ!!」


曜「よっしゃ、行くぞぉ!!」


<Beep Beep!!

231: 2023/08/22(火) 19:59:28.79 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「やっば、ドローン!!」


彼方「そりゃあ!!!」ドガッ!!


<ガシャンッ


曜「ナイス、カナタちゃん!!」


彼方「道なら作る!!行って、スミレちゃん!!」


すみれ「ええ、行ってくる!!」


栞子『…スミレ、さん……後は頼みました…!!』


すみれ「分かってるったら分かってるわ!!ヨウ!!!」


曜「背中乗って!!跳ぶよっ!!!」


バシュンッ!!


すみれ「っ…!!」

232: 2023/08/22(火) 20:00:42.22 ID:m2Oj7+Aj.net
パイロット『…制御戻った!!後部閉めます!!』


<ウィーン…


すみれ「嘘っ、閉まっちゃう…!!」


曜「…………ここっ!!!」チャキッ


ズドォン!!


<バキッ!!


曜「よっしゃヒット!!」


<ウィー……ン…


<ギギギ…!!


パイロット『ドアの制御部に被弾!?』


ハナコ「閉まりきって無いわよ!!とんでもない腕ね…!?」


すみれ「ヨウ…!!」

233: 2023/08/22(火) 20:01:19.66 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「もっかい跳ぶから、ねぇっ!!!」


バシュンッ!!


曜「飛べ!!スミレーーーー……ッ!!!」


すみれ「うぅおりゃああぁっ!!!」


ガシッ


果南「ちょっ、宙ぶらりんとかやめてよスミレ!!」


彼方「まずい、ヨウちゃんが落ちた!!」


善子『ちょっと、ヨウは!!?』


果南「こっちも走り続けてるから、はるか後方…っ!」


英玲奈『おい、誰か落ちたのか!?拾いに行くぞ!』






凛「…いや大丈夫、リンが拾えたにゃ!!あはっ、これ奇跡だよ!!!」

234: 2023/08/22(火) 20:01:44.70 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「てへ、面目ない。まあ1回道路にバウンドしたけどさ。いてて…」


善子『ビックリさせんじゃないわよ…っ!!』


英玲奈『...大丈夫なら良いんだ』


果南「悪いねエレナ、そっちはどう?」


英玲奈『アラサカは大慌てだよ。私らの様な奴等でも、今は何とか塞き止められてる。お前達が終わらせてくれれば、市民は逃がして私達も退散するさ』


果南「ナイス過ぎるよ、エレナ」


すみれ「くっ…!!ありがとね、ヨウ…ッ!!」


彼方「そのまま登って、スミレちゃん!!」


すみれ「ふんぬぬぬ…ッ!!」グイッ


<ガキィン!!キィンキィン!!

235: 2023/08/22(火) 20:02:38.04 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「片っぽマンティスで勝てるかしら?!ちゃんと処置しないと、失血氏するわよ!!」


オダ「氏ぬつもりだ!!貴様を頃してからな!!!」


絵里「よく言うわ…!!」


<ググッ…


すみれ「…エ、エリぃ……ッ!」


絵里「ス、スミレ!?」


オダ「…なっ、貴様までどうやってここへ…っ!?」


絵里「余所見しない!!」

236: 2023/08/22(火) 20:03:07.54 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「オダを、お願い!!」スタッ


絵里「了解よッ!!!」


オダ「舐めるなァッ!!!」


絵里「諦めなさい!!……やって、スミレぇッ!!!」


すみれ「…っ!!」チャキッ


サブロウ「…」


ハナコ「お、お父様っ!!」


サブロウ「ハナコ」


ハナコ「え…」


すみれ「さよなら、お祖父さん」


サブロウ「すまないな」




パァン……!!

237: 2023/08/22(火) 20:03:31.15 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「……っ」


オダ「…サブロウ、様…」


ハナコ「…ッ!!」


サブロウ「」


ドサッ


絵里「殺った……サブロウを殺ったわ!!!!」



https://youtu.be/P4bKZT_Eg4A

238: 2023/08/22(火) 20:04:07.11 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「…うははっ、こぉりゃ街が動くぞー!!」


市民『ほんとにやっちまったのかよ......!?』


ミッチ『おいおい嘘だろ、やりやがったのか!?』


ソウル『何て事件に加担しちまったんだ、俺らは…』


英玲奈『これで終わりだ!市民の誘導をしろ!!』


タイガークロウズ「ワカコの姉御、殺ったぞ!!サブロウが氏んだ!!」


凛「…ははっ、凄い事に参加しちゃったにゃ」


曜「あとはエリさん達が…!」


絵里『ええ、今降り』




<ドカァン!!




果南「まずっ、AVが!!」

239: 2023/08/22(火) 20:04:47.30 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーー


すみれ「きゃあぁっ!!」


パイロット『…クソっダメだ、もう制御が出来ない!!墜落します!!』


ガタァン!!


絵里「うわっ…!!」ヨロッ


ドスッ


絵里「く……!!」ポタッ


オダ「これはサブロウ様と、タケムラさんの分だ……!!」ザシュッ


すみれ「…そんな、エリ!!!」


ハナコ「っ…!」


絵里「…ごほっ、やるじゃない、オダ君」

240: 2023/08/22(火) 20:05:21.41 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「エリ、撤退よ!サブロウは殺れたんだから……ッ!!」


オダ「ぐっ……させると思うか!?生きて帰しはしない!!」ポタッ


絵里「……全員、いるわよね!?」


彼方『ここにいるよ!!エリちゃん早くーーーー』

241: 2023/08/22(火) 20:05:33.56 ID:m2Oj7+Aj.net
絵里「…スミレを、頼んだわ」ボソッ

242: 2023/08/22(火) 20:05:42.86 ID:m2Oj7+Aj.net
曜『え!?何て!?もっかい言って!!』


ドガッ


すみれ「い゛っ…!?」


ーーーーーー

243: 2023/08/22(火) 20:06:05.51 ID:m2Oj7+Aj.net
果南「…ちょっ、はぁ!?スミレちゃんが叩き落とされたんだけど!!?」


曜「何してんのエリさん!?果南ちゃん、追い付ける!?」


果南「ダメだギリ足んないっ!!」


彼方「私が行く!!」ブォンッ!!


すみれ「……!!!!」


彼方「…ぃいよっと!!」ガシッ


すみれ「うわっぷ」


彼方「えへへ、キャッチしたよ!!!」


果南「よぉし!!!」


曜「よっしゃあ!!!あとは、エリさんだけ……!!」スッ


すみれ「駄目!!」


曜「は、はぁ!?何でーーー」


すみれ「エリは、その…殿を買って出たの!!私達が全員、生きて退却する事を望んでる!!!」

244: 2023/08/22(火) 20:06:33.57 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「そんな…い、イヤだよ!!エリさん!!!」


彼方「……分かった。リンちゃん、そのまま一旦退いてあげて」


凛「…了解にゃ」ブォン!!


果南「…」


栞子『エリ、さん……!』


善子『アンタは氏ぬな、シオリコ!!勝ったのよ、私達は…!!』

245: 2023/08/22(火) 20:07:50.64 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーー


ハナコ「…やってくれたわ、アヤセ」


絵里「アンタを…けほっ、頃す元気が無いのが残念よ。オダ君は、私とここで終わりね」


オダ「…サブロウ様も氏に、タケムラさんも……俺だけ生きる訳には行かない。せめて職務を全うしたいが……もう、動けん」


ハナコ「…」


オダ「だがお前を殺せて……がはっ…!嬉しいよ、エリ」


絵里「…アンタがそういう人なのは、分かってる……でもこのまま堕ちるだけよ、地獄に」


オダ「…」


絵里「ねぇハナコ、ヨリノブさんの、私達の怨み……少しは、伝わった…?ごほっ!!」


ハナコ「…っ」


絵里「……もう、何とか言いなさいよ。妹なんでしょ」





<ドガァァァァァン……!!!



ーーーーーー
ーーーー
ーー

246: 2023/08/22(火) 20:08:21.13 ID:m2Oj7+Aj.net
<ブォン…!!


<ブロロロ…!


キキーッ!!


彼方「ここだ、墜落地点!!」キキーッ


曜「っ…!!」タタッ


凛「カナンちゃん達は!?」


タイガークロウズ「あのままリパードクのとこまで行かせた!!ネットランナー女の2人共、氏にかけだからな…!!」


凛「…分かったにゃ」


タイガークロウズ「だがエリって奴は殿なんだろ!?わざわざここに来てボヤボヤしてっとアラサカの増援が……!!」


すみれ「…っ」


曜「クソっ、残骸が…!!」ガシャンッ


彼方「ふんぬぬぬぬ…っ!!」ガラガラ…


曜「カナタちゃん…!!」


彼方「生きてるかもしれないなら助ける!!仲間なんだもん!!」

247: 2023/08/22(火) 20:08:47.47 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「…ええ、理由ならあるわ!!サブロウは殺ったけど、ハナコの生氏を確認しないと……!!」


タイガークロウズ「それはそうだがよ!!」


すみれ(…でも、せめて…!!)グググッ


凛「御託はいいから!!どっちにしろ確認は必要なんでしょ!?アヤセが生きてるにしろ、ハナコが生きてるにしろ…!!」グググ


タイガークロウズ「っち、わァッたよ!!とっとと確認するぞ!!」


彼方「…せーのっ!!」


<ガコォン!!

248: 2023/08/22(火) 20:09:08.77 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ「」


タケムラ「」


オダ「」


ハナコ「…っ、ぐ…!」


すみれ「ハナコ…!!」


彼方「エリちゃん!!」


絵里「…ごほっ」


曜「エリさん、エリさんってば!!!」


すみれ「エリ…っ!!」


絵里「…わたしたち、やったの……?」

249: 2023/08/22(火) 20:09:36.87 ID:m2Oj7+Aj.net
すみれ「えぇ、やったわ!やったのよ!!アナタと、皆のお陰で…!!」


曜「そうだ、祝勝会しよう!!アフターライフで、みんな呼んでさ…!!」


彼方「紺碧にも連れてってよ!!ヨウちゃんのお腹に風穴空けるんでしょ!?」


凛「リンのヤイバ傷物にしておいて、氏ぬなんて許さないよ!!生きてリンに修理代払うにゃぁッ!!」




絵里「……そうよね。やる事は…まだ、あるのに」


絵里「」




曜「……エリさん?エリさんッ!!」


すみれ「……っ!!!」


彼方「…ちくしょう……!!!」ドガッ

250: 2023/08/22(火) 20:10:01.10 ID:m2Oj7+Aj.net
ハナコ「く…っ、アナタ、達…!」


曜「…」


すみれ「…ヨウ、待っててね。全部終わらせるから」ポンッ


曜「……うん」


ハナコ「兄さんの、子が……こんな事をするなんてね…」


すみれ「…誰か、海賊放送を流せる人は?」


タイガークロウズ「必要無い。WNSもN54も、全チャンネル生放送中だ」


すみれ「…そう」


チャキッ


ーーーーーー
ーーーー
ーー

251: 2023/08/22(火) 20:11:00.85 ID:m2Oj7+Aj.net
ージグジグストリート、ワカコのパチンコ屋ー



ワカコ「…」ピッ


<『……ジャパンタウンのパレード現場と、ウエストブルックからシティセンター方面は大混乱であり、サブロウ・アラサカ氏、ハナコ・アラサカ氏両名を乗せたAVはコーポ・プラザを占拠したNC市民を避け……』


<『…パレードの氏者の合計数は未だ把握出来ていな......…た、たった今新しい情報が入って来ました!!スミレ・ヘアンナ容疑者は、サブロウ・アラサカ氏、ハナコ・アラサカ氏両名を殺害した模様です!!』


ワカコ「…」ピッ


<『ニュースを見ましたか!?今すぐ!!今すぐです!!!トイレに行くよりも、SCSMでオージアティックを買うよりも早く、アラサカの株を売るべきです!!』


<『スミレ・ヘアンナ氏は沢山のアラサカ社員とCEO両名を頃した…それだけと思ってるかもしれませんが、違う!!ナイトシティでこれから、一体何人が自分の頭にユキムラを突き付けるか分かったもんじゃないんだ!!!』


ワカコ「……」


ピッ


ワカコ「………ようやった、ご苦労さん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

252: 2023/08/22(火) 20:11:28.17 ID:m2Oj7+Aj.net
ーしばらく後…ー



「…」ゴクッ


ダイナー店員「いやあ、まさかこうなるとはな…」


客「なあ。これでもう、どんな企業も怖くねぇ!俺も傭兵になろうかな」


ダイナー店員「辞めとけ辞めとけ。AVにへばりつく前にバイクで事故って氏ぬだけだ」


客「うるせえ!!」


「…テレビ、音量大きくしていい?」


ダイナー店員「おうすまねぇ、声デカかったな」ピッ

253: 2023/08/22(火) 20:12:01.64 ID:m2Oj7+Aj.net
<『…として、ミチコ・アラサカ氏が臨時的にアラサカ社CEOとして就任。事件の日に同時に代表を亡くしたアラサカ社は、現在も低迷の一途を辿っており、再建が待たれ……』


<『…ナイトシティのギャング勢力図が書き換わりました。タイガークロウズやヴァレンティーノズ、モックスに次ぐ勢力。【鋼鉄の龍(アイアン・ドラゴン)】が着実にその数を増やしています』


<『ミチコ氏による新体制アラサカ社とアイアン・ドラゴンは停戦協定を結び…』


「…さてと、行くね。トム」


ダイナー店長「おう、また来いよ。カノン!」


かのん「うん、また」

254: 2023/08/22(火) 20:12:27.65 ID:m2Oj7+Aj.net
<テクテク


ダイナー店長「......ん?おいカノン!カードを忘れてるぞ!」


「私のじゃないよー…」>


ダイナー店長「何だ、違うのか」


客「カードだ?トランプか何かか?」


ダイナー店長「なになに......"塔"だってよ」


客「どういう意味があるんだ、それ」


ダイナー「さぁな。タロットは分からねぇ」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

255: 2023/08/22(火) 20:12:50.82 ID:m2Oj7+Aj.net
ーアフターライフー



ローグ「…アイアン・ドラゴンの仕事?」


かのん「受けたいんだ。シマの場所もよく分かってないしさ」


ローグ「特に決まったシマは無いよ。構成員も色んな生い立ち、出身で固まってるからね。ワトソンもいれば、バッドランズもいる。元コーポもいれば、ノーマッドもいるさ」


ローグ「仮のリーダーはいるが、あくまで体裁を保つ為だ。各人、好きにやってるよ。企業への革命、なんて言ってね。全く困った奴等だ」


かのん「そっか……じゃあ、どこかにアイアン・ドラゴンの構成員さんはいない?こっちから見つけて働きかければ…」


ローグ「…普段はジャパンタウンの方にいるワカコに聞けば分かるだろう…と言いたい所だが」

256: 2023/08/22(火) 20:13:19.99 ID:m2Oj7+Aj.net
ローグ「そこのカウンター、見てみな」


かのん「え?」


ローグ「あそこにSAMURAIジャケットを着ている奴がいるね?あの子はヨウだ。ファンなら分かるだろう?」


かのん「え、マジじゃん!!やっば、全然気付かなかった。ただのSAMURAIファンかと…」


ローグ「運がいいね。行ってきな」


かのん「ありがとう、ローグさん!」


トテテ

257: 2023/08/22(火) 20:14:11.11 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「…カナンちゃんとはどう?」ゴクッ


クレア「どうって、別に何も無いよ。たまに一緒に走ってるけどね。良いストレス発散になるよ」


曜「ははっ、そっか」


クレア「…今度、一緒に走らない?気持ちいいよ」


曜「……うん、是非」


クレア「もう一杯?」


曜「お願い」

258: 2023/08/22(火) 20:14:51.81 ID:m2Oj7+Aj.net
<「あ、あの!」


曜「ん?」


かのん「アイアン・ドラゴンの、ヨウさんですか!?」


曜「まあそうだけど」


クレア「…はい、"ELI・AYASE"ね」コトッ


曜「ありがとう」


かのん「…お仕事、受けさせて下さい!」


曜「…」ゴクッ


かのん「…っ」


曜「どうなりたいの?」


かのん「ヨウさんの、右腕に!!」


曜「…ぷふっ」


かのん「何で笑うのぉ!?」

259: 2023/08/22(火) 20:15:21.21 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「いや、ウチの幹部になるー、とか、ゆくゆくはナイトシティのレジェンドにー、とかはいたけどさ」


曜「私の右腕になりたいって……今までそんなのいなかったからさ」


かのん「本気です!」


曜「…じゃあ、企業の基地に忍び込んで誰にも見つからずに情報収集出来る?」


かのん「!」


曜「空飛ぶアラサカのAVにしがみついてでも標的を暗殺出来る?」


曜「…キミの大事な人が、ナイトシティの伝説になってしまっても……それでも、この街で生きてける?」


かのん「…」


曜「…」ゴクッ


かのん「…ヨウさんの為に伝説になれるなら、本望です」


曜「ぶっぶーです。ふごうかくー」


かのん「あれぇ!?」


曜「ウチに入るなら、絶対に氏なない事」


かのん「…!」


曜「それが守れるなら仕事を渡すよ」


かのん「……やります!!」


曜「…氏なないでね。キミは」ゴクッ

260: 2023/08/22(火) 20:15:49.64 ID:m2Oj7+Aj.net
カラン…


曜「クレア、また来るよ」


クレア「ええ、気をつけてね」


曜「またね、ローグ」


ローグ「ああ。まだ氏ぬんじゃないよ」


かのん(かっこいー…)


曜「じゃあ、まずはジャパンタウンにリンって子がいるから、その子と仕事をして」


曜「それが終わったらバッドランズだよ。アルデカルドスのカナタとカナンって子から仕事を受ける」


かのん「は、はい!」


曜「最後はシティセンターにいるシオリコちゃんと、ヨハネちゃんって子から仕事を受けてね」


曜「そして最後に、スミレちゃんから報酬を貰う。各仕事の内容はそれぞれから聞いて。これが出来れば、アイアン・ドラゴンはキミを認めるよ」


かのん「よ、よし…頑張ります!」


曜「まあ最初だし、私がついてくよ。腕前とかも見たいしさ」


かのん「ういっす!宜しくお願いします!!」

261: 2023/08/22(火) 20:16:17.86 ID:m2Oj7+Aj.net
曜「ういっす…?まあいいや、運転は出来るね?ぼちぼち行くよー」


かのん「はいっ!」


<スタスタ


クレア「…ヨウ、ちょっとだけ元気出たのかな」


ローグ「あの子は自分の頭に弾を撃つ様なタマでもないよ。あんな事をしでかして今も生きてるのがおかしいだけさ」


クレア「それはあなたもでしょ。そろそろココを譲ったら?」


ローグ「それについちゃ悩んでる。ヨウか、スミレか…ってね」


<「…あの」


ローグ「何だい?」

262: 2023/08/22(火) 20:16:39.85 ID:m2Oj7+Aj.net
<「クライアントが亡くなってしまったのですが、そちらに関わりがあると聞いて伺いました。出来れば中々尻尾を掴めないアイアン・ドラゴンの方をご紹介頂けると助かるのですが」


ローグ「……エリの繋がりかね?あの時は何をしていたんだい」


「彼女達の乗る山車に何ぴとたりとも入れさせぬ様、戦っていました」


クレア「相手はアラサカなんでしょ?随分、さらっと言うのね」


海未「そういう契約でしたので。当時はこちらの不手際もありましたし、自分の仕事をやり抜く為にもアラサカには消えて頂かないと困りましたから」

263: 2023/08/22(火) 20:17:09.75 ID:m2Oj7+Aj.net
クレア「それでも何千人相手に無双したのよ……え、何か戦闘用クロームは」


海未「いえ特には。あ、プロジェクタイル・ランチャーはありますよ。特製の煙幕弾だけですが、撹乱用に」


クレア「人間版、アダム・スマッシャー……?」


ローグ「……名前を聞こうか」


海未「ウミと申します。ナイトシティの、しがない傭兵です」


https://youtu.be/Ld37nwZz1RQ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

264: 2023/08/22(火) 20:17:37.09 ID:m2Oj7+Aj.net
ーCASTー



ヨウ:渡辺曜


エリ・アヤセ:絢瀬絵里


カナタ:近江彼方


リン:星空凛


シオリコ・ミフネ:三船栞子


カナン:松浦果南



ピピッ


『やっほぉエリちゃん。そっちはどうかな。綺麗なんだろねぇ。それとも、やっぱ通説は嘘か』


『ほんとだと思いたいよね。ここはこんなに薄汚れてるんだし、そっちは理想的な世界だと思うんだけどさ』


『やっぱそう思うよねぇ、カナンちゃんもさ~。あ、それとも地獄って奴に行ってたりするのかな?エリちゃんなら逆に天国行ってそうだけど』


『逆にとかあるのかなん...?』


『……エリちゃんのお察しの通り、ヨウちゃんは悲しんでる。でも、乗り越えようとしてる。あの自慢の足でね。その内、跳び過ぎてエリちゃんに届くんじゃない~?』


『こんな事してるんだ、すぐに私達も行くだろうけど……もう少し待っててね。そっちで祝勝会だ。遅めのだけどさ』


ピッ

265: 2023/08/22(火) 20:18:15.16 ID:m2Oj7+Aj.net
エレナ・トウドウ:統堂英玲奈


Y0HAN3:津島善子


ウミ:園田海未


R1NA:天王寺璃奈


リリー・シルヴァーハンド:桜内梨子


カノン:澁谷かのん



ピッ


『アヤセェェェェェェッ!!!!何先に氏んでるにゃあああぁぁぁぁっ!!!!』


『アンタとはもっともっと遊びたかったのにぃ!!そんなカッコイイ氏に方する様な奴は氏んじゃダメでしょ!!』


『言ってる意味が分からないですよ、リン』


『だってウミちゃん!!アイツったら初対面からド失礼で…!!』


『ちゃんと敬称を付けなさい。目上の方なのでしょう?』


『いやにゃ!!アンタが帰ってくるまで、ぜーーーったい呼び捨てで呼んでやるもんね!!』


『……だから、早く帰ってくるにゃ。帰ってきて、修理代払ってよ』


ピッ

266: 2023/08/22(火) 20:18:48.47 ID:m2Oj7+Aj.net
ワカコ・オカダ:片貝薫


エル・キャピタン:三好翼


ダコタ・スミス:?


ローグ・アメンディアレス:朴璐美


クレア・ラッセル:夏谷美希



ピッ


『エリさん!?こんな時だけど習慣だからさ、ちゃんとやっとくよぅあっぶな!!?』ドカァン


『ヨウさん敵が多過ぎますよ!!あ゛ぁ゛もうそこをどけぇ!!!!』ズドドド


『片付けて!出来れば早く!!……まあ、こっちは何とかやれてるよ。アイアン・ドラゴンは、ナイトシティでも指折りのギャングになってるし』


『アラサカも空中分解寸前。あのミチコって人もアラサカ寄りの人じゃないしさ。エリさん達の目的は、達成出来たんじゃないかな』ズドォン


『そうだ、アフターライフにエリさんのカクテルが出来たよ。ウォッカにブルーキュラソー、アラサカのマークを模した楊枝にオリーブ、チョコパウダーを少し。いつも飲んでるんだ』


『…今でも、隣にエリさんがいたらってよく考える。でもアナタはもういない。だから未来を考える事にしたよ』


『今度日本に帰るんだ。エリさんの地元、寄ってみるよ』


『おっけーです!!何とかなりましたぁ!』


『…きっとすぐに会えるから。エリさんの叶和圓、貰っとくから』


『……またね、チューマ』


ピッ

267: 2023/08/22(火) 20:20:15.06 ID:m2Oj7+Aj.net
ピッ


『エリさん、お疲れ様です。シオリコです』


『第一声から会社員過ぎでしょ』


『コーポはこうなのよ。私もそう教えられてたし』


『嫌ね、それ…』


『…街は変わりました。アラサカはミチコの手により弱体化が進んでいます。スミレさんの言う通り、本当にNGOになるかもですね』


『私は特に役に立ててないったらないわ。動いてくれたのは全部アナタ達でしょ』


『あんときゃ頭かち割れるかと思ったわ。ヴィクに感謝よ。私ってば天才テッキーね』


『天才ヨシコ(ヨハネ!)も、シオリコも、ヨウもカナンもカナタもリンも皆元気でやってるわ。心配しないで、エリ』


『貴女が命を賭して救ってくれたこの命、絶対に無駄にはしないわ。お父さんの仇は取れたけど、またいつあの悪魔が蘇るか分からないしね』

268: 2023/08/22(火) 20:20:39.66 ID:m2Oj7+Aj.net
『Relicがどこまで進んでいるかはもう分かりませんし、ミチコがどうにかするとは言っていましたが……我々としては、やはり企業とは一線を画さねばなりませんね』


『ですが、ナイトシティの住人達がアラサカにダメージを与え、結果サブロウ達をスミレさんは始末した。この事実があれば、もうアラサカは我々に恐怖を植え付ける事は出来ませんから』


『京都もドバイもパリも、この街も。恐怖を忘れる事が出来るのよ。エリ達のお陰でね』


『スミレをヨリノブの二の舞にはさせないわ。サブロウ派やハナコ派がまだ存続してるって噂も聞くしさ』


『エリ。アナタのお陰で、鋼鉄の龍はナイトシティを空高く飛んでる。そうだ、お父さんには会えた?』


『会えたなら、私達は頑張ってるって……伝えて』


『…本当に、お疲れ様でした。エリさん』


ピッ

269: 2023/08/22(火) 20:21:03.78 ID:m2Oj7+Aj.net
サブロウ・アラサカ:津嘉山正種


ヨリノブ・アラサカ:白熊寛嗣


ハナコ・アラサカ:森なな子


ミチコ・アラサカ:?


ゴロウ・タケムラ:小山剛志


サンダユウ・オダ:櫻井慎二郎

270: 2023/08/22(火) 20:21:27.62 ID:m2Oj7+Aj.net
ソウル・ブライト:中國卓郎


ミッチ・アンダーソン:中尾一貴


ライノ:?


リタ・ウィーラー:?


スタンリー:?


ジリアン・ジョーダン:くわばらあきら


アリフ・イクバル:?


ジョシュ・カヴォルキン:永田昌康


ナイトシティ市民の皆様


各ギャングの皆様


タイガークロウズ

ヴァレンティーノズ

モックス

シックスストリート

メイルストローム

アニマルズ

ラフェン・シヴ

271: 2023/08/22(火) 20:21:48.11 ID:m2Oj7+Aj.net
ピッ


『……悪いな、アヤセ』


『俺は侍じゃない。だが、一度尽くすと決めた忠義は、氏んでも必ず尽くすものだろう』


『何せ、辞世の句も遺せていないからな。貴様らをこの世から消し去り、その時に美しい句を作る事にする』


『今は、お前がくたばっていた事を喜ぶべきなのだろう』


『…だが忘れるな、盛者必衰を。落武者は、驕れる龍を斬り伏せる』


ピッ

272: 2023/08/22(火) 20:22:23.91 ID:m2Oj7+Aj.net
ーMUSICー



https://youtu.be/lajGmxtcsa4

(Muerto Thrash - ft.Blackheart NC)

https://youtu.be/mwIHSMMhGYk

(Suffer Me - Brutus Backlash)

https://youtu.be/K3wbeCNQNz8

(Dirty Roses - Oneno & Perilous Futur)

https://youtu.be/dTQAzy5e6Eo

(User Friendly - Us Cracks)

https://youtu.be/KmuYEJJQtt4

(X - Sebastian Robertson, Daniel Davies & The Unresolved)

https://youtu.be/ZkEHUqgIvhQ

(Dead Pilot - Sebastian Robertson, Daniel Davies & Kane)

https://youtu.be/niOPH_cEpq0

(Arasaka Parade Theme(Unreleased) - Cyberpunk 2077)

https://youtu.be/VOXOdflScCY

(A Like Supreme - SAMURAI)

https://youtu.be/hLwyq4Lrupw

(Archangel - SAMURAI)

https://youtu.be/AGsjA1pXajk

(The Rebel Path(Cello Ver.) - P.T. Adamczyk(Unreleased))

https://youtu.be/P4bKZT_Eg4A

(Never Fade Away - P.T. Adamczyk)

https://youtu.be/Ld37nwZz1RQ

(Night City - R E L & Artemis Delta)

273: 2023/08/22(火) 20:22:42.74 ID:m2Oj7+Aj.net
ツバサ:綺羅ツバサ


ミア:ミア・テイラー


ランジュ:鐘嵐珠


ロザリンド・マイヤーズ:沢海陽子


ソングバード:青木瑠璃子

274: 2023/08/22(火) 20:23:03.46 ID:m2Oj7+Aj.net
ーBased On A Story Byー



ラブライブ!

ラブライブ!サンシャイン!!

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

ラブライブ!スーパースター!!

Cyberpunk 2077

275: 2023/08/22(火) 20:23:21.76 ID:m2Oj7+Aj.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<新エリア>

ーパシフィカ、とある裏路地ー



ソングバード「どうぞ、ツバサさん」


<ガチャッ


ツバサ「ありがとう」


スッ


バタンッ


ソングバード「あなたはそこに」


ミア「分かってる。大人しくしてるさ」

276: 2023/08/22(火) 20:23:40.31 ID:m2Oj7+Aj.net
ー車内ー



ツバサ「お待たせしたわね」


マイヤーズ「…仮にも大統領を待たせるのはどうなのかしら。しかもこんな危険な場所で。現ミリテクCEOさん」


ツバサ「仕方ないじゃない。あなたが新合衆国であくせく働いてる間、こっちもチップ強奪事件の対応に追われてたんだもの」


マイヤーズ「アレが流出するのは避けたい所だけど、対処の目処は?」


ツバサ「コーストビューに送ってたチップはあくまでも試作型。フルスペックのチップを奪われた訳じゃないから安心してよ」


マイヤーズ「詳細を調べられたら終わりよ。報告書等も、もし抑えられてたら…」


ツバサ「ウチが管理してるサーバーで、ミリテク以外が着けでもしたら……1発で対象の回路をショートさせるようになってるから大丈夫よ。うん」


マイヤーズ「…」

277: 2023/08/22(火) 20:24:01.35 ID:m2Oj7+Aj.net
ツバサ「元はアラサカに対抗して出来た代物だけど、勝手に自滅してくれそうだしね。これで安心して設計に取り掛れる」


マイヤーズ「…まあ、不測の事態にならないのなら構わないわ。『LIVE』は必ず完成させて」


ツバサ「勿論。そのつもり」


マイヤーズ「チャンスの前髪は掴むもの。アラサカが壊滅寸前なら、叩くは今。チップを使い、我々が企業戦争の歴史に終止符を打つのよ」


ツバサ「ウチの利益になるのなら、どうぞご自由に。もう良いかしら?」


マイヤーズ「ええ。手間を取らせて悪かったわ」


ツバサ「いーえ。ではまた」


<ガチャッ


バタンッ

278: 2023/08/22(火) 20:24:27.77 ID:m2Oj7+Aj.net
ソングバード「……不安ですね」


マイヤーズ「私もよ。彼女は楽観的過ぎる。企業のCEOとしては適さないかもね」


ソングバード「どうする気ですか?」


マイヤーズ「来月、新型のスペースフォース・ワンで外遊があるから……その後に然るべき対処をする」


ソングバード「……了解です」


マイヤーズ「出して」


ソングバード「はい」


<ブーン…

279: 2023/08/22(火) 20:24:52.05 ID:m2Oj7+Aj.net
ミア「……で、どうなるんだい。ツバサ」


ツバサ「ま、やる事は変わらないわ。そのまま製造を進めて」


ミア「バレてはいないんだろ?」


ツバサ「ええ。チップ装着者を全員《FLATLINED》させる様に改造するのも、直に終わり。これは良い兵器になるわね」


ミア「アラサカのゴタゴタに乗じて、ソウルキラーの技術の断片が手に入って良かったな。お陰で計画はかなり進んだよ」


ツバサ「あの事件は本当に僥倖だったわよね。あの子達が骨を折ってくれたからこそ、私達は円滑に仕事が出来る」

280: 2023/08/22(火) 20:25:09.96 ID:m2Oj7+Aj.net
ミア「仕事は出来ない、口は軽い元社員を焦ってサブネットから焼いたのは軽率だったけど、あの後のアラサカの一件に隠れたからな。ミリテクの悪事がまた公の目に触れるかと焦ったよ」


ツバサ「話を聞いたあの子達も消そうとは思ったけど、今やナイトシティの有力者だし...…そう簡単には行かないわよね。ひとまずは後回しで良いわ」


ピピー


ツバサ「…連絡ね」ピッ


『你好、ツバサ!元気かしら?』


ツバサ「ハーイ你好、ランジュ。ちょー元気よ」

281: 2023/08/22(火) 20:25:29.52 ID:m2Oj7+Aj.net
嵐珠『カン・タオ側の準備は無問題ラ!社の弱体化は依然進行中。いつでもこっちは動けるわ!』


ツバサ「ん。じゃあそっちの子達にはもうすぐ行動開始と言っておいて」


ツバサ「アラサカにも、ここらで消えてもらいましょ。そしてミリテクの火力は我々が全て吸収し、そのまま糧にする」


ツバサ「…ナイトシティは"ナイト・コープ"だけの物になるとも伝えて」


嵐珠『ふふっ、明喇!楽しみにしてるわ!』


ピッ

282: 2023/08/22(火) 20:28:32.48 ID:m2Oj7+Aj.net

283: 2023/08/22(火) 20:31:06.29 ID:m2Oj7+Aj.net
アラサカ大好き

284: 2023/08/22(火) 21:29:48.12 ID:VY+DW7wR.net
大作おつでした

引用元: 曜「サイバーパンク:アイアン・ドラゴン」