1: 2015/10/20(火) 06:17:17.08 ID:HRE+UNI00.net
穂乃果が雪穂と喧嘩して、真姫ちゃんのお家に家出するお話、短編です
※地の文有り、穂乃果視点
※書き終わっていますので、まとめて投下します
以上よろしければ、このままお進みください
※地の文有り、穂乃果視点
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以上よろしければ、このままお進みください
3: 2015/10/20(火) 06:21:17.69 ID:HRE+UNI00.net
妹っていうのは、どうしてあんなに口うるさいんだろう。
お風呂入りそびれて寝ちゃっただけで不潔ー! とか、穂乃果は朝に入るし、いい匂いするってことりちゃんは言ってくれる。
それに、生徒会長だμ'sだってやる事いっぱいで疲れて寝ちゃうんだから仕方ないじゃん、そのくらいで何さ! とさっき言い返したら。
「そんなの! 私だって受験生だけど、朝お姉ちゃんがお風呂に入れる時間に起こしたり、ご飯終わったら猫舌のお姉ちゃんでも飲める温度でお茶入れたり、
散らかり放題のお姉ちゃんの部屋に足の踏み場を作ってあげたりしてるんだよ⁉︎ 悔しかったら、どれか一個でも満足に一人でしてほしいもんだよ!」
なーんて、ホント、マジレスすぎて返す言葉もないってのはこの事だよねー。
それでも穂乃果はお姉ちゃんだから、μ'sのリーダーだから! と奮い立った。
「なにさなにさ! 雪穂なんて! いっつもありがとうって思ってるに決まってんじゃんバカ! 穂乃果がだらしないせいでごめんね…って、内心思う事だってあるもん!」
決まった。雪穂の瞳を真っ直ぐ見つめる。これ以上の反論はないね、穂乃果の勝ちだよ、雪穂。
「……お姉ちゃん。だったら、ちょっとは行動で示してよ」
「ぐっ……ゆ……ゆ、雪穂のバカー!」
穂乃果は激怒した。かの、えーと、えーと……いいや! 家出するもん! するったらする!
お風呂入りそびれて寝ちゃっただけで不潔ー! とか、穂乃果は朝に入るし、いい匂いするってことりちゃんは言ってくれる。
それに、生徒会長だμ'sだってやる事いっぱいで疲れて寝ちゃうんだから仕方ないじゃん、そのくらいで何さ! とさっき言い返したら。
「そんなの! 私だって受験生だけど、朝お姉ちゃんがお風呂に入れる時間に起こしたり、ご飯終わったら猫舌のお姉ちゃんでも飲める温度でお茶入れたり、
散らかり放題のお姉ちゃんの部屋に足の踏み場を作ってあげたりしてるんだよ⁉︎ 悔しかったら、どれか一個でも満足に一人でしてほしいもんだよ!」
なーんて、ホント、マジレスすぎて返す言葉もないってのはこの事だよねー。
それでも穂乃果はお姉ちゃんだから、μ'sのリーダーだから! と奮い立った。
「なにさなにさ! 雪穂なんて! いっつもありがとうって思ってるに決まってんじゃんバカ! 穂乃果がだらしないせいでごめんね…って、内心思う事だってあるもん!」
決まった。雪穂の瞳を真っ直ぐ見つめる。これ以上の反論はないね、穂乃果の勝ちだよ、雪穂。
「……お姉ちゃん。だったら、ちょっとは行動で示してよ」
「ぐっ……ゆ……ゆ、雪穂のバカー!」
穂乃果は激怒した。かの、えーと、えーと……いいや! 家出するもん! するったらする!
4: 2015/10/20(火) 06:23:31.13 ID:HRE+UNI00.net
「で、私のとこへ来たわけ?」
「えへへー、お願い真姫ちゃーん」
「嫌よ、めんどくさい。どう考えても穂乃果が悪いしそれ。それに、家出なんてしたら家の人も心配するわよ?」
「あぁ、それは大丈夫。ほら、ここに来る前にお母さんに"今日は真姫ちゃんの家に家出します、明日の夕方には帰ります"って連絡しといたから」
「それって家出って言うの⁉︎ って言うか明日の夕方には帰るんだ。ん……まぁ良いわ。今日一日だけなら付き合ってあげるから、まぁ、入りなさいよ。ちょうどパパとママも居なくて、一人だったし」
「あっ、そうだったんだ。真姫ちゃんもしかして……寂しかったの?」
「んなっ……なわけないでしょ! いいからもう入れば⁉︎ 外で寝たいの⁉︎」
「いやいや! ごめんってば真姫ちゃーん」
真姫ちゃんは、話し方も言葉遣いも大人っぽくて、ホントに年下なのかなって思う時もあるけど、実は思いやりが深くて優しくって照れ屋さんだ。
今だってすたすた、背中を向けて穂乃果の前をぶっきらぼうに歩いているけれど。
「穂乃果、飲み物紅茶しかないけどいい?」
なんて尋ねてくれる。誰よりも優しいのに、誰かに優しくするのが苦手な人。
「ここが客間よ。掃除はしてもらってるから、別になにも不自由ないと思うわ。それじゃ、私は部屋にいるから」
前言撤回。全然優しくなかった。いや、夜に突然来た穂乃果を泊まらせてくれるだけでものすごく優しいんだけど、だけどね? なんか冷たい優しさだよね。あっ、これが冷たい火傷ってこと⁉︎
「えへへー、お願い真姫ちゃーん」
「嫌よ、めんどくさい。どう考えても穂乃果が悪いしそれ。それに、家出なんてしたら家の人も心配するわよ?」
「あぁ、それは大丈夫。ほら、ここに来る前にお母さんに"今日は真姫ちゃんの家に家出します、明日の夕方には帰ります"って連絡しといたから」
「それって家出って言うの⁉︎ って言うか明日の夕方には帰るんだ。ん……まぁ良いわ。今日一日だけなら付き合ってあげるから、まぁ、入りなさいよ。ちょうどパパとママも居なくて、一人だったし」
「あっ、そうだったんだ。真姫ちゃんもしかして……寂しかったの?」
「んなっ……なわけないでしょ! いいからもう入れば⁉︎ 外で寝たいの⁉︎」
「いやいや! ごめんってば真姫ちゃーん」
真姫ちゃんは、話し方も言葉遣いも大人っぽくて、ホントに年下なのかなって思う時もあるけど、実は思いやりが深くて優しくって照れ屋さんだ。
今だってすたすた、背中を向けて穂乃果の前をぶっきらぼうに歩いているけれど。
「穂乃果、飲み物紅茶しかないけどいい?」
なんて尋ねてくれる。誰よりも優しいのに、誰かに優しくするのが苦手な人。
「ここが客間よ。掃除はしてもらってるから、別になにも不自由ないと思うわ。それじゃ、私は部屋にいるから」
前言撤回。全然優しくなかった。いや、夜に突然来た穂乃果を泊まらせてくれるだけでものすごく優しいんだけど、だけどね? なんか冷たい優しさだよね。あっ、これが冷たい火傷ってこと⁉︎
5: 2015/10/20(火) 06:24:39.10 ID:HRE+UNI00.net
「なに一人でぶつぶつ言ってるのよ、ほら、入れば?」
「えーっ! 一人にしないでよ真姫ちゃーん。真姫ちゃんの部屋でおしゃべりして、一緒に寝ようよぉ」
「嫌よ。読みかけの本が今いいとこなの。……って言うかくっつかないで! 暑い!」
「もう十月だよ! 暑くないよ! むしろこの穂乃果のぬくぬくで、真姫ちゃんの一人の夜をぽっかぽかにサポートしちゃうよ⁉︎」
「あなた私をサポートするとか言って、まともにサポートした事なんかなかったじゃない!」
真姫ちゃんは今よっぽど面白い本を読んでるのか、なかなか穂乃果の添い寝案に頷いてくれない……ふふ、甘いよ真姫ちゃん。穂乃果知ってるよ、真姫ちゃんの落とし方。
「そっかぁ……真姫ちゃんは穂乃果と一緒に寝るの恥ずかしいんでしょ? だからそんな事言うんだよねー?」
「んなっ……! そんな事あるわけないじゃない! 良いわよ、添い寝でも抱っこでも、なんでもやってもらおうじゃない!」
「わーい! ありがと真姫ちゃーん」
「だから暑いから離しなさいってばー!」
「えーっ! 一人にしないでよ真姫ちゃーん。真姫ちゃんの部屋でおしゃべりして、一緒に寝ようよぉ」
「嫌よ。読みかけの本が今いいとこなの。……って言うかくっつかないで! 暑い!」
「もう十月だよ! 暑くないよ! むしろこの穂乃果のぬくぬくで、真姫ちゃんの一人の夜をぽっかぽかにサポートしちゃうよ⁉︎」
「あなた私をサポートするとか言って、まともにサポートした事なんかなかったじゃない!」
真姫ちゃんは今よっぽど面白い本を読んでるのか、なかなか穂乃果の添い寝案に頷いてくれない……ふふ、甘いよ真姫ちゃん。穂乃果知ってるよ、真姫ちゃんの落とし方。
「そっかぁ……真姫ちゃんは穂乃果と一緒に寝るの恥ずかしいんでしょ? だからそんな事言うんだよねー?」
「んなっ……! そんな事あるわけないじゃない! 良いわよ、添い寝でも抱っこでも、なんでもやってもらおうじゃない!」
「わーい! ありがと真姫ちゃーん」
「だから暑いから離しなさいってばー!」
6: 2015/10/20(火) 06:26:34.91 ID:HRE+UNI00.net
ひとしきり抱きついて真姫ちゃんの感触を楽しんだ後、二人で真姫ちゃんの部屋に入った。
曲作りのお手伝いで来て以来だけど、相変わらずおっきい部屋だなぁ。うちの二階が丸ごと入っちゃいそう。
穂乃果は真姫ちゃんが用意してくれたアイスティーを一口飲んで、ぐるりと部屋を見回す。
真姫ちゃんはと言えば、ほんとに本の続きが気になっていたみたいで、部屋に入るなりテーブルに向かって黙々と読み出した。
三十分か、一時間くらい経った頃だろうか、真姫ちゃんはそれまで落としていた目線をふうっと息を吐きながら上げて、本の背表紙をぱたりと閉じた。
「あれ、真姫ちゃん泣いてるの?」
「……ぐすっ、うん、ちょっと感動しちゃって……って穂乃果⁉︎ な、泣いてない! ちっとも泣いてなんかないわよ!」
「いや、今感動しちゃって……って」
「い、言ってない! そんな事言ってない!」
「ああ……う、うん。わかった。それより真姫ちゃん、何読んでたの?」
「だから、泣いてな……あぁ、これ? みゆき、って漫画よ。花陽が、秋の夜長には切なくてグッときて良いよって貸してくれたの。穂乃果は知ってる? この作品」
「ううん、知らないなぁ。でも、この絵はどっかで……あっ、タッチの人か。どんな話なの?」
「そうね、血の繋がらない妹のみゆきと、付き合ってる彼女のみゆき。ふたりのみゆきの間で主人公が揺れ動く物語、かしら」
「すごく面白そう、なんだか複雑だけど」
「確かに。血の繋がらないとは言え、妹に恋をするわけだし」
曲作りのお手伝いで来て以来だけど、相変わらずおっきい部屋だなぁ。うちの二階が丸ごと入っちゃいそう。
穂乃果は真姫ちゃんが用意してくれたアイスティーを一口飲んで、ぐるりと部屋を見回す。
真姫ちゃんはと言えば、ほんとに本の続きが気になっていたみたいで、部屋に入るなりテーブルに向かって黙々と読み出した。
三十分か、一時間くらい経った頃だろうか、真姫ちゃんはそれまで落としていた目線をふうっと息を吐きながら上げて、本の背表紙をぱたりと閉じた。
「あれ、真姫ちゃん泣いてるの?」
「……ぐすっ、うん、ちょっと感動しちゃって……って穂乃果⁉︎ な、泣いてない! ちっとも泣いてなんかないわよ!」
「いや、今感動しちゃって……って」
「い、言ってない! そんな事言ってない!」
「ああ……う、うん。わかった。それより真姫ちゃん、何読んでたの?」
「だから、泣いてな……あぁ、これ? みゆき、って漫画よ。花陽が、秋の夜長には切なくてグッときて良いよって貸してくれたの。穂乃果は知ってる? この作品」
「ううん、知らないなぁ。でも、この絵はどっかで……あっ、タッチの人か。どんな話なの?」
「そうね、血の繋がらない妹のみゆきと、付き合ってる彼女のみゆき。ふたりのみゆきの間で主人公が揺れ動く物語、かしら」
「すごく面白そう、なんだか複雑だけど」
「確かに。血の繋がらないとは言え、妹に恋をするわけだし」
7: 2015/10/20(火) 06:28:52.11 ID:HRE+UNI00.net
いもうと、という言葉に、不意にずきんと胸が痛くなった。
さっきあれだけやかましく喧嘩して家を飛び出してきたのに、不意に、今何してるかな。なんて思いが浮かんだ。
それにしても、複雑だ。確かに血の繋がらない兄妹の恋物語はなんだかイケないこと、って感じがしてときめくけど。
私の場合は雪穂って妹がいる。ちゃんと、血の繋がった、私よりも良くできた妹。
そんな雪穂ともしも血が繋がっていなかったら……それはとっても寂しいな、と穂乃果は思ったんだ。
「どうしたの穂乃果。もの思いに耽ったような顔して」
「えっ……あぁ、ごめん。今のね、真姫ちゃんの話を聞いて、もしも雪穂と血が繋がってなかったら……って考えてたの」
真姫ちゃんは穂乃果の言葉に目を丸くした後、にやりと笑って、さっきの仕返しとばかり、
「ふぅん……寂しくなっちゃった?」
なんて意地悪な顔をして言う。「んもー!」と言い返しそうになって……ふと思う。真姫ちゃんの言う通りじゃないか。私、今すごく寂しかったんだから。
「そう……そうなの。なんかね、血が繋がってなかったらって思うと、姉妹の絆みたいなものがなくなっちゃいそうな気がして、寂しかった」
「穂乃果……そんなこと、ないわよ。もしも、もしもあなたたちが血の繋がらない姉妹でも、きっと今みたいに素敵な姉妹になってると、私は思うわ」
「素敵な姉妹……? 穂乃果たちが?」
尋ねた声に、真姫ちゃんは優しく微笑んで頷く。いつもは見れない、優しい笑顔。
さっきあれだけやかましく喧嘩して家を飛び出してきたのに、不意に、今何してるかな。なんて思いが浮かんだ。
それにしても、複雑だ。確かに血の繋がらない兄妹の恋物語はなんだかイケないこと、って感じがしてときめくけど。
私の場合は雪穂って妹がいる。ちゃんと、血の繋がった、私よりも良くできた妹。
そんな雪穂ともしも血が繋がっていなかったら……それはとっても寂しいな、と穂乃果は思ったんだ。
「どうしたの穂乃果。もの思いに耽ったような顔して」
「えっ……あぁ、ごめん。今のね、真姫ちゃんの話を聞いて、もしも雪穂と血が繋がってなかったら……って考えてたの」
真姫ちゃんは穂乃果の言葉に目を丸くした後、にやりと笑って、さっきの仕返しとばかり、
「ふぅん……寂しくなっちゃった?」
なんて意地悪な顔をして言う。「んもー!」と言い返しそうになって……ふと思う。真姫ちゃんの言う通りじゃないか。私、今すごく寂しかったんだから。
「そう……そうなの。なんかね、血が繋がってなかったらって思うと、姉妹の絆みたいなものがなくなっちゃいそうな気がして、寂しかった」
「穂乃果……そんなこと、ないわよ。もしも、もしもあなたたちが血の繋がらない姉妹でも、きっと今みたいに素敵な姉妹になってると、私は思うわ」
「素敵な姉妹……? 穂乃果たちが?」
尋ねた声に、真姫ちゃんは優しく微笑んで頷く。いつもは見れない、優しい笑顔。
8: 2015/10/20(火) 06:30:44.20 ID:HRE+UNI00.net
「ええ。私はひとりっ子で、兄妹もいないから。いつもね、穂乃果やにこちゃんの話を聞いて……
その、羨ましいな。って思うのよ。楽しそうだな、私にも妹や弟がいればなって」
真姫ちゃんが私たちを羨ましがるなんて、と思ったけれど、それ以上に、私たちの事を素敵な姉妹だと言ってくれた事がなんだか嬉しかった。
そして、それと同じくらい、つまらない事で喧嘩して家を飛び出してきた自分が、恥ずかしかった。
「喧嘩したり、仲違いしたりしても、その度に仲直りして絆は強くなっていく。それはきっと、
兄弟や姉妹じゃないと生まれない絆だと、私は思うの。そういうの、良いなって……って、私らしくないわね」
そこまで言うと、照れくさそうに髪の毛をくるくる、真姫ちゃんははにかんだ。
「真姫ちゃん……ありがとう。今日の事、雪穂には、ちゃんと謝らなきゃね」
「そうね、きっとそれで、あなた達はまた仲良しになっていくのよ。それが、一番良いと思う。後、ご飯の後のお茶くらいは自分で入れなさい?」
「それは……だって雪穂の入れてくれたお茶が一番美味しいんだもん」
「まったく……ちゃんと仲直り出来るのかしら。そうだ、穂乃果。今日私の家に泊まる事、雪穂ちゃんには言ってあるの?」
「あっ……お母さんにしか言ってないや……」
「もう……あなたって人は……さすがに今夜はもう遅いから、今日は泊まっていっても良いけど、今からでも連絡くらいしときなさいよ」
「そうだね……わかった」
穂乃果は携帯を取り出して、雪穂の名前を探す。私と同じ名字で、よく似た顔をした、大切な妹の名前。
それを見つけると、緑の発信ボタンに手をかけようとした……けど、寝てるといけないしメールにしようと、隣のメールのマークを押す。
その、羨ましいな。って思うのよ。楽しそうだな、私にも妹や弟がいればなって」
真姫ちゃんが私たちを羨ましがるなんて、と思ったけれど、それ以上に、私たちの事を素敵な姉妹だと言ってくれた事がなんだか嬉しかった。
そして、それと同じくらい、つまらない事で喧嘩して家を飛び出してきた自分が、恥ずかしかった。
「喧嘩したり、仲違いしたりしても、その度に仲直りして絆は強くなっていく。それはきっと、
兄弟や姉妹じゃないと生まれない絆だと、私は思うの。そういうの、良いなって……って、私らしくないわね」
そこまで言うと、照れくさそうに髪の毛をくるくる、真姫ちゃんははにかんだ。
「真姫ちゃん……ありがとう。今日の事、雪穂には、ちゃんと謝らなきゃね」
「そうね、きっとそれで、あなた達はまた仲良しになっていくのよ。それが、一番良いと思う。後、ご飯の後のお茶くらいは自分で入れなさい?」
「それは……だって雪穂の入れてくれたお茶が一番美味しいんだもん」
「まったく……ちゃんと仲直り出来るのかしら。そうだ、穂乃果。今日私の家に泊まる事、雪穂ちゃんには言ってあるの?」
「あっ……お母さんにしか言ってないや……」
「もう……あなたって人は……さすがに今夜はもう遅いから、今日は泊まっていっても良いけど、今からでも連絡くらいしときなさいよ」
「そうだね……わかった」
穂乃果は携帯を取り出して、雪穂の名前を探す。私と同じ名字で、よく似た顔をした、大切な妹の名前。
それを見つけると、緑の発信ボタンに手をかけようとした……けど、寝てるといけないしメールにしようと、隣のメールのマークを押す。
9: 2015/10/20(火) 06:31:34.47 ID:HRE+UNI00.net
ゆきほへ。
さっきは、いっぱいどなっちゃってごめんね。
いつもありがとう。私も、もう少しちゃんとしなきゃね。
今日は、真姫ちゃんの家に泊まるよ。明日の夕方には帰るからね。
寝てるとこ起こしちゃったらごめんね。おやすみ、ゆきほ。
さっきは、いっぱいどなっちゃってごめんね。
いつもありがとう。私も、もう少しちゃんとしなきゃね。
今日は、真姫ちゃんの家に泊まるよ。明日の夕方には帰るからね。
寝てるとこ起こしちゃったらごめんね。おやすみ、ゆきほ。
10: 2015/10/20(火) 06:32:36.94 ID:HRE+UNI00.net
送信ボタンを押して、ふうっと息を吐く。すると真姫ちゃんは、んーっと伸びをした。
「そろそろ私たちも寝ましょうか」
と、ベッドの方へ背を向けて歩いていく。その背中はこれ以上何も言わない、そんな優しさが溢れているような気がして、うれしかった。
穂乃果も後に続いた。今日はさみしがりやなその背中を、添い寝と抱っこでいっぱいぬくぬくしてあげるんだから。
「そろそろ私たちも寝ましょうか」
と、ベッドの方へ背を向けて歩いていく。その背中はこれ以上何も言わない、そんな優しさが溢れているような気がして、うれしかった。
穂乃果も後に続いた。今日はさみしがりやなその背中を、添い寝と抱っこでいっぱいぬくぬくしてあげるんだから。
11: 2015/10/20(火) 06:33:21.00 ID:HRE+UNI00.net
お姉ちゃんへ。
わたしのほうこそ、ごめんね。
西木野さんに、迷惑かけちゃダメだよ?
気をつけて帰っておいでね、おやすみ。
わたしのほうこそ、ごめんね。
西木野さんに、迷惑かけちゃダメだよ?
気をつけて帰っておいでね、おやすみ。
12: 2015/10/20(火) 06:37:05.09 ID:HRE+UNI00.net
さて、以上でございます
真姫ちゃんは素直じゃないけど誰よりもあったかい心を持っている女の子だと思います
雪穂はきっと、お姉ちゃんから連絡が来るのを、ずっと待っていた、良くできた子だと思うのです
それではまたどこかで
真姫ちゃんは素直じゃないけど誰よりもあったかい心を持っている女の子だと思います
雪穂はきっと、お姉ちゃんから連絡が来るのを、ずっと待っていた、良くできた子だと思うのです
それではまたどこかで
13: 2015/10/20(火) 06:51:08.96 ID:eSGzIkI5a.net
乙やで
引用元: 穂乃果「ゆきほ」
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