1: 2011/11/06(日) 00:50:32.76 ID:oUmJXFn20
まゆり「えー?オカリン、急にどうしたの?」

岡部「いや、お前も一応年頃の娘だからな。もう少し身だしなみに気をつけてはどうだ?」

まゆり「……。まゆしぃ、そんなに変かなぁ?」

岡部「まぁ、変という訳では無いが。もう少し細くしたほうが良い気がするぞ」

まゆり「うーん、寝る前と朝に処理してるんだけどなぁ」

岡部「なん……だと……?」
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3: 2011/11/06(日) 00:53:40.91 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「ちょ、ちょっと岡部!いきなり女の子に何言ってんだ!」

岡部「い、いや!俺は良かれと思ってだな!」

ダル「そ、それよりまゆ氏。マジで一日2回処理してるん?」

まゆり「そうだよ、ダルくん。まゆしぃはマメなのです」

紅莉栖「え?嘘、ほんとに?」

まゆり「まゆしぃ、ちょっと毛が伸びるの早いかも」

5: 2011/11/06(日) 00:55:42.24 ID:oUmJXFn20
まゆり「うーん。でもオカリンはもうちょっと細い方が好みなのかな?」

岡部「あ、いや、そういう訳でも無いんだが」

まゆり「ちょっと眉毛弄ってくるねー」

紅莉栖「ちょ、ちょっと、まゆり!」

ダル「これはもしや……」

6: 2011/11/06(日) 00:57:48.62 ID:oUmJXFn20
まゆり「じゃじゃーん!細眉まゆしぃなのです!」

紅莉栖「わぁ、素敵ね、まゆり。とってもキュートよ!」

まゆり「えへへ、クリスちゃんありがとー」

まゆり「オカリンオカリン!どうかな?」

岡部「あ、あぁ。可愛い、と思うぞ」

まゆり「うわぁ、何だか照れちゃうよ」

9: 2011/11/06(日) 01:00:20.55 ID:oUmJXFn20
まゆり「それじゃ補習いってくるね。夕方にまた来るよ」

岡部「ああ、気をつけてな」


ダル「……」

岡部「ん?どうした、ダルよ」

ダル「あ、いや、何でもないお。……多分僕の考えすぎだお」

岡部「何だ、引っかかる言い方をするではないか」

紅莉栖「それより岡部!いきなりあんな事言ったらまゆりが傷つくわよ!」

岡部「す、すまなかった。以後は気をつけよう」

ダル「……」

13: 2011/11/06(日) 01:03:33.80 ID:oUmJXFn20
-夕方

まゆり「トゥットゥルー♪差し入れ持ってきたよー」

岡部「おお、まゆりよ。気が利く、では、無い、か……!?」

ダル「や、やはり恐れていた事が起きてしまったお……!!」

紅莉栖「なっ……!?」

まゆり「あ、あれ?皆なんでまゆしぃをじーっと見てるの?顔に何かついてる?」

岡部(眉毛が……)

紅莉栖(元に戻ってる!?)

14: 2011/11/06(日) 01:05:40.31 ID:oUmJXFn20
まゆり「あ、あはは。そんなに見られると何だか恥ずかしいよ」

まゆり「そ、そうそう!お惣菜買って来たんだよ。皆で食べようよ!」

岡部「あ、ああ。それじゃ頂くとしようか」

ダル「オカリン……」

紅莉栖「橋田!今は何も言うなッ!」

まゆり「今日の皆、何だか変だよぉ……?」

18: 2011/11/06(日) 01:09:00.94 ID:oUmJXFn20
-夜

まゆり「あ、もうこんな時間!まゆしぃ、そろそろ帰るね」

岡部「そうか。それじゃ送っていってやる。人質の安全確保は大事な仕事だからな」

まゆり「あ……え、えっと!今日はいいよ。まだそこまで遅い時間じゃないし」

岡部「そうか?それならいいが……気をつけて帰るんだぞ。降りる駅を間違えるなよ」

まゆり「もう、子供じゃないんだから大丈夫だよ。それじゃ、また明日ね、皆」

紅莉栖「またね、まゆり。おやすみなさい」

ダル「まゆ氏、気をつけてねー」


岡部「……」

ダル「……」

紅莉栖「……」

20: 2011/11/06(日) 01:11:34.50 ID:oUmJXFn20
岡部「まゆりの眉毛……見たよな?」

紅莉栖「ええ……残念ながら、ね」

ダル「昼間剃る前と同じくらい太くなってたお」

岡部「ああ……ありえん剛毛ぶりだ……」

ダル「一日二回の処理は伊達じゃ無かったお……」

紅莉栖「それを持ってしても、あの太さなのね……」

21: 2011/11/06(日) 01:15:06.01 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「岡部……まゆりは、えっと、昔からああなの?」

岡部「わからん……だが多分そうだろう。記憶にある限り、いつもあんな感じだったはずだ」

ダル「問題は昔から処理してあの太さだったかどうかだお」

岡部「流石にそこまでは俺には分からん。処理してる所なんて人には見せないだろう」

ダル「使えねー幼馴染だお」

紅莉栖「はいはいダメな幼馴染略してダジミ乙」

岡部「その呼び名だけは勘弁してくれクリスティーナ!」

紅莉栖「……。お前、勘弁してもらう気ないだろ?」

23: 2011/11/06(日) 01:18:37.14 ID:oUmJXFn20
岡部「まぁ人それぞれでもあるから俺達が口を出すような事では無いかもしれんが」

ダル「人を見かけで判断するのは良くない事だお。主に僕とか」

紅莉栖「でも……流石にあそこまでの、その、剛毛だと支障が出るんじゃないかしら?」

岡部「しかし助手よ。女の子にそういう事で干渉するのは良くないと先ほど言ったではないか?」

紅莉栖「それはそうだけど……」

ダル「とりあえず、もう少し様子を見たらいんじゃね?」

岡部「そうする、か」

26: 2011/11/06(日) 01:22:03.57 ID:oUmJXFn20
-翌日

まゆり「トゥットゥルー♪皆おはよう!」

紅莉栖「あらまゆり、おはブフォオオオオオオオオオ!!!」

ダル「ま、牧瀬氏どうしブフォオオオオオオオオオオオ!!!」

岡部「どうした、何事だ騒々しブフォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

まゆり「え、え?皆、どうしたの?」

紅莉栖「い、いえ。何でもないのよ、まゆり!」

岡部「あ、ああ。そうだぞまゆり!ど、どうやらドクペの賞味期限が過ぎていたようでな!」

まゆり「……?」


ダル(眉毛が……爆増量してるお!!)

27: 2011/11/06(日) 01:26:35.47 ID:oUmJXFn20
岡部(ど、どうすればあそこまで太くなれるのだ!?)

紅莉栖(私が知る訳ないでしょ!)

ダル(と、とりあえず同性の牧瀬氏がさり気なく聞くべきだお!)

紅莉栖(そ、そうね)

紅莉栖「あのー……ま、まゆり?」

まゆり「クリスちゃん、何?」

紅莉栖「きょ、今日も眉毛の処理ってしたのかしら?」

まゆり「あー!うっかりしてたよ!目立っちゃうかな?」

紅莉栖「う、ううん?そ、そこまで目立ちはしないと思うけど?」

まゆり「良かったぁ。まゆしぃ、毛が伸びるの早いから」

ダル(オ、オカリン!)

岡部(どうした、ダル)

ダル(あ、あれを!)

岡部(ま、まさか……アレは……!)

28: 2011/11/06(日) 01:30:19.51 ID:oUmJXFn20
ダル(脛毛がバリバリだお!)

岡部(う、腕毛もまずいぞ!)

ダル(よく見ると手毛と指毛もモサモサしてるお!)

岡部(あれ手袋じゃ無かったのか!?)

紅莉栖「あ、あはは。よ、良かったら私のを使って処理していったらどうかしら?まだ補習まで時間あるでしょ?」

まゆり「クリスちゃんありがとう!助かるよー」


紅莉栖「岡部……」

ダル「オカリン……」

岡部「皆まで言うな……」

岡部「まゆりの剛毛ぶりは最早」

岡部「日常生活を維持する事すら困難なレベルだ」

30: 2011/11/06(日) 01:33:36.11 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「侮ってたわ……毛深いってあそこまで深いものなのね」

ダル「あれ、下手すると学校で苛められるレベルだお……」

岡部「それは……見逃せんな」

紅莉栖「今日のまゆりを見てわかったわ。普段私達が見ているまゆりは」

紅莉栖「彼女の決氏の努力によって保たれていたのよ」

ダル「もし寝坊とかで処理する時間が無かった時は……考えたくもないお」

岡部「決まったな……」

ダル「……?何が?」

岡部「次の未来ガジェットだ」

34: 2011/11/06(日) 01:39:25.64 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「成る程ね。まゆりの剛毛を解決する未来ガジェットって訳か」

ダル「もし上手くいけば、まゆ氏の問題解決だけじゃなく画期的な新製品になるお!」

紅莉栖「そうね。高性能な処理ガジェットが出来れば一般層への希求力も高いはず。ヒット商品も狙えるわ」

岡部「いや、今回はまゆりに関わる事だ」

岡部「生産性、コスト……次回等どうでもいい」

岡部「まゆりの剛毛さえどうにかなれば、どうなっても構わん!」

ダル「うは……僕らには簡単に言えない事をさらっと言ってのける……!」

紅莉栖「そこに痺れる!」

ダル「憧れるぅ!」

岡部「我が名は鳳凰院凶真!まゆりの剛毛を」

岡部「駆逐するッ!」

39: 2011/11/06(日) 01:45:11.88 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「でも具体的にはどんな物を作るの?」

ダル「牧瀬氏は処理にはどんなの使ってるん?」

紅莉栖「う……それを私に聞く訳?あんまりこういうのって男の人に言いたくないんだけど」

岡部「紅莉栖……頼む。まゆりの為なんだ」

紅莉栖「う、うぁ……わ、わかったわよ、言うわよ!」

紅莉栖「私は、その……腕とか足は専用のカミソリで処理してるわ」

岡部「ふむ、参考になるな」

ダル「眉毛はどうしてるんだお?」

紅莉栖「基本は形を整えて剃るわね。あとは細かいところは抜いてるわ」

岡部「ペンで描いたりはしないのか?」

紅莉栖「ああ。私ああいうの嫌いなの」

ダル「うーん、普通すぎるお……」

紅莉栖「し、失礼だな!お前らが聞きたいっていうから話したんだろ!」

41: 2011/11/06(日) 01:48:13.91 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「あー。でもそういえば」

岡部「む、何か他に使っている物があるのか?」

紅莉栖「ううん。私じゃないんだけど。友達が脱毛クリームとか使ってるって話してた」

岡部「クリームか」

ダル「オカリン。まゆ氏のはもう日頃の処理でどうにかなるってレベルじゃないお」

ダル「そういうクリームとかで一気に毛根氏滅させた方がいいんじゃね?」

紅莉栖「そうね。エステとかより気楽に出来ていいかもしれないわ」

岡部「一理あるな。この方向で進めてみるか」

44: 2011/11/06(日) 01:51:43.22 ID:oUmJXFn20
まゆり「クリスちゃん、ありがとう!カミソリ、新しいの買って返すね!」

紅莉栖「あ、いいのよ。そんなに気にしなくても。代えもまだあるから」

まゆり「そうなんだ。それじゃ帰りにドクペ買って来るね」

紅莉栖「もう、気にしなくていいのに。でもそれじゃお言葉に甘えさせてもらうわね」

まゆり「オカリンの分もちゃんと買ってくるからね。それじゃいってきまーす」

岡部「ああ。ちゃんと補習を受けろよ?居眠りとかするなよ」

まゆり「うん。それじゃねー」

ダル「あの、僕のは」

47: 2011/11/06(日) 01:56:59.13 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「うっ……ううっ……剛毛さえ……剛毛さえ無ければ天使なのに……」

ダル「ヒグッ…ヒグッ……神さまは残酷過ぎるお……まゆ氏にあんな仕打ちをするなんて」

紅莉栖「処理後は本当に可愛いのに……どうしてまゆりなの?剛毛は何故まゆりを選んだの!?」

ダル「あんなビフォアアフターはあんまりだお!!」

岡部「これが運命石の選択だとしても……俺は認めん!お前達はどうだ!?」

紅莉栖「認める訳がないわ!」

ダル「そんな世界は糞喰らえだお!」

岡部「その言葉が聞きたかった」

岡部「これより!」

岡部「オペレーションクトゥルーを発動する!!」

64: 2011/11/06(日) 02:26:22.85 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「で、具体的なプランはあるの?」

岡部「ああ、漠然とだがな」

岡部「まず脱毛クリームだが。まゆりの剛毛ぶりから見て市販の物では効果が薄いと思われる」

ダル「確かに。使ったそばから伸びてきそうだお」

紅莉栖「容易に想像出来るのが悔しいわ……」

岡部「そこで市販の物を幾つかサンプルとして我々で試す」

紅莉栖「え?だって市販の製品じゃ効果が期待できないんでしょ?」

岡部「話は最後まで聞け助手よ。せっかちな女は嫌われるぞ」

紅莉栖「お、お前に嫌われた所でどうだっt」

岡部「そして最も効果が高そうな物に改良を施す」

ダル「案外悪くないかもしれないお」

65: 2011/11/06(日) 02:29:49.97 ID:oUmJXFn20
ダル「という訳で皆で実験してみたお」

紅莉栖「結果を見る限りこのデスモータル666とヌケルンジャーXXXが良さそうね」

紅莉栖「ていうか」

紅莉栖「岡部と橋田がツルツルで気持ち悪い」

ダル「ヴィダルサス~ン」

岡部「陰毛もツルツルだ」

ダル「剃毛の良さが何となくわかったお」

岡部「少しスースーするがエアコンの節約になっていいかもしれんな」

68: 2011/11/06(日) 02:33:18.19 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「……。とりあえず。この2つをベースに新ガジェットを試作する、これでいいわね?」

岡部「うむ。化学の範囲になるが……クリスティーナ、いけるか?」

紅莉栖「ま、専門外だけどやってみるわ」

ダル「それじゃ僕はネットで情報収集を担当するお」

紅莉栖「岡部は必要な材料の買出しをお願いね」

岡部「ああ、任せろ」

岡部「待っていろ、まゆり……」

岡部「もうすぐお前もスースーさせてやるからな!」

73: 2011/11/06(日) 02:39:11.47 ID:oUmJXFn20
-夕方

紅莉栖「か、完成したわ……!」

ダル「これが未来ガジェット009号……!」

岡部「毛根抹殺のトラペゾヘドロン……!!」

紅莉栖「ちょっと薬局には置けないような材料も使ったけど効果は抜群よ」

ダル「着けたそばから毛ごと毛根が蒸発してったわけだが」

岡部「構わん!あのまゆりの剛毛を抹頃するにはこれしか方法は無い!」

紅莉栖「岡部。これで私達……まゆりを救えるのよね?」

ダル「牧瀬氏。僕達はベストを尽くしたお」

岡部「俺はお前達を信じている。そしてお前達が作ったこのトラペゾヘドロンもな」

カンカンカンカン トゥトゥトゥトゥトゥットゥル~♪

岡部「来たな、剛毛め!」

76: 2011/11/06(日) 02:44:14.41 ID:oUmJXFn20
まゆり「トゥットゥルー♪オカリン、クリスちゃん、ドクペ買ってきたよー。はい、ダルくんにはダイエットコーラだよー」

ダル「まゆ氏……ちゃんと僕の分まで……」

まゆり「当然だよー。皆で乾杯しようね」

ダル「うっ……うっ……まゆ氏、今助けてあげるからね……」

まゆり「え、えぇえ?ダルくん、どこか痛いの?」

紅莉栖「まゆり……橋田は気にしなくていいわ」

岡部「ああ、そうだぞ、まゆり。それより、お前にプレゼントがある」

まゆり「うわー、オカリンありがとう!なにかな、なにかな?」

岡部「うむ、実は最近女子高生の間で大人気の脱毛クリームを用意したのだ?」

まゆり「え……?えええー……!?」

79: 2011/11/06(日) 02:46:47.84 ID:oUmJXFn20
岡部「一日に何回も処理をするのは大変だろう?これを使えばそんな悩みともサヨナラだ」

ダル「効果は僕達が保障するお!」

まゆり「う、うん……ありがとう……」

紅莉栖「……」

岡部「さぁ、早速試してみてはどうだ、まゆりよ」

まゆり「あ、あはは。帰ったら試してみるね。ありがとうオカリン」

81: 2011/11/06(日) 02:50:27.70 ID:oUmJXFn20
まゆり「私、そろそろ帰るね」

岡部「ん?今来たばかりでは無いか?」

まゆり「ごめんね。今日は家の用事があるんだ。顔だけ出しに来たから」

岡部「ああ、そうだったのか。送っていこう」

まゆり「大丈夫だよ、まだ日も出てるし」

岡部「分かった。それじゃまた明日な。しっかりクリームを使えよ」

まゆり「うん、折角オカリンのプレゼントだもんね」

まゆり「それじゃまた明日」

紅莉栖「まゆり、私も帰るから途中まで一緒に行きましょ」

まゆり「え?でもまゆしぃは一人で平気だよ」

紅莉栖「いいからいいから、ね?」

まゆり「……うん」

85: 2011/11/06(日) 02:52:21.32 ID:oUmJXFn20
-帰路

紅莉栖「……」

まゆり「……」

紅莉栖「……」

まゆり「……」

紅莉栖「……」

まゆり「……」

紅莉栖「……」

まゆり「クリスちゃん……」

紅莉栖「……何?」

まゆり「私……そんなに毛深いのかな?」

93: 2011/11/06(日) 02:59:06.06 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「……」

まゆり「昨日オカリンが眉毛の話した時からね。何か皆が気を使ってるなーって思うの」

紅莉栖「……まゆり」

まゆり「心配してくれるのは……凄く嬉しいんだ」

まゆり「オカリンもダルくんも優しいから」

まゆり「まゆしぃの事、気遣ってくれてるんだよね」

まゆり「でも……まゆしぃ、そんなに変なのかな……」

まゆり「ううん……ホントは分かってるんだ。友達に聞いても、一日に何回も処理してる子なんていないもん」

まゆり「でも……オカ、リンに……綺麗、に、見て、もらいたい、から……」

まゆり「大変、だけ、ど……まゆしぃ、頑張ってたんだよ?それ、でも、やっ、ぱり、変だった、んだ、ね」

まゆり「うっ……うううっ……クリスちゃん……なん、でまゆしぃは……こんな、なの?」

紅莉栖「まゆり……」

98: 2011/11/06(日) 03:04:19.39 ID:oUmJXFn20
まゆり「まゆしぃ……ヤだよ……こんな自分が……嫌だよぉ!」

紅莉栖「まゆり……泣かないで……」

まゆり「ヤだよ……怖いよ……」

まゆり「何時か皆が……こんなまゆしぃを嫌いになっちゃうんじゃないかって……」

まゆり「オカリンに……嫌われたくないよぉ……」

紅莉栖「岡部も橋田も、そんな事でまゆりを嫌いになんてならないわ。安心して、まゆり」

まゆり「そう思ってても……怖いのが胸から消えてくれないんだよ……」

まゆり「きっと……オカリンも、まゆしぃが毛深いから……毛深いまゆしぃが嫌いだから……こんなクリーム……」

紅莉栖「……」

102: 2011/11/06(日) 03:08:06.78 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「まゆり」

まゆり「……」

紅莉栖「確かに、まゆりは人より毛深いのかもしれない」

紅莉栖「ううん、こんな誤魔化した言い方は卑怯よね」

紅莉栖「ええ、まゆりは毛深いわ」

紅莉栖「でもね」

紅莉栖「だからこそ岡部も、橋田も、このクリームを作ったのよ」

まゆり「……やっぱり……毛深いまゆしぃの事、嫌い、なんだ……」

紅莉栖「そうじゃないの。聞いてまゆり」

104: 2011/11/06(日) 03:12:13.95 ID:oUmJXFn20
紅莉栖「あいつらがこのトラペゾヘドロンを作ったのはね」

紅莉栖「まゆりが嫌いだからじゃないわ。むしろ逆なの」

紅莉栖「毛深いせいでまゆりが苛められたり困ったりするんじゃないかって」

紅莉栖「二人とも凄い心配してたんだから」

まゆり「本、当に……?」

紅莉栖「そうよ」

紅莉栖「二人とも、まゆりが心配で、まゆりの為だけに」

紅莉栖「自分を被験体にしてまでこれを作り上げたの」

まゆり「オカリン……ダルくん……」

紅莉栖「岡部なんか腕にも足にも使ったから最終的には陰毛で試してたんだから」

まゆり「えへへ……おかしいね……えへへ……」

紅莉栖「うん!やっぱりまゆりは笑顔が一番可愛いわ」

まゆり「クリスちゃん……ありがとう」

108: 2011/11/06(日) 03:14:47.95 ID:oUmJXFn20
まゆり「家に帰ったら、早速試してみるね」

紅莉栖「ええ。そうしてみて。あ、塗りすぎはダメよ。結構強いクリームだから」

まゆり「うん、わかったよ。それじゃまた明日ね、クリスちゃん!」

紅莉栖「ええ。おやすみなさい、まゆり」


まゆり「オカリン……」

まゆり「まゆしぃ……オカリン達のためにも」

まゆり「ツルツルになるよ!」

115: 2011/11/06(日) 03:21:49.66 ID:oUmJXFn20
-ラボ

紅莉栖「おい。分かったか、お前ら」

岡部「いや、何ていうか、その」

ダル「っとーにサーセンしたッ!」

紅莉栖「土下座如きで傷ついたまゆりの心が癒えると思ってんの?あ?」

岡部「いえ、とんでもないです」

紅莉栖「クリーム渡すにしても言い方とか渡し方とかタイミングとかあるだろ?え?」

岡部「クリスティーナさんの」

紅莉栖「クリスティーナ?」

岡部「紅莉栖さんの仰るとおりです」

紅莉栖「じゃあ何でそうしなかった訳?あ?」

ダル「いや……その……」

紅莉栖「明日のクリームの効き目はともかくとして。また同じような事したら……わかるよな?」

岡部「はい」

ダル「はい」

120: 2011/11/06(日) 03:30:08.32 ID:oUmJXFn20
-翌日

カンカンカンカン

岡部「来たな!」

紅莉栖「まゆり……!」

ダル「ゴクリ……!」

まゆり「トゥットゥルー♪皆おはようなのです」

岡部「腕毛!」

ダル「足毛!」

紅莉栖「視認範囲に敵影無し!」

ダル「勝った!第三部完!」

岡部「ん?まゆりよ。何故帽子をそんな深く被っているのだ?」

125: 2011/11/06(日) 03:32:54.70 ID:oUmJXFn20
まゆり「え?えっと、その、何でもないよー?」

岡部「碌に顔も見えないくらい深いでは無いか」

紅莉栖「まさか……」

まゆり「そ、その……」

岡部「そんな被り方では前もちゃんと見えないだろう」

まゆり「わ、笑わない……?」

岡部「当然だとも」

まゆり「……」

ダル「ブフォオオオオオオ!!!」

紅莉栖「やっぱりぃぃいいいいい!!」

岡部「ま、まゆりの眉毛が……」

岡部「無いッ!!」

129: 2011/11/06(日) 03:37:53.53 ID:oUmJXFn20
まゆり「あ、あのね!あのクリームとっても凄くって」

まゆり「そ、それで眉毛にも試そうと思って!」

まゆり「そしたら……ちょっと失敗しちゃって……」

まゆり「形を整えようとまた別のとこ弄ったりしてたら……」

まゆり「眉毛全部に……塗っちゃったのです……」

紅莉栖「塗りすぎ気をつけてって……言ったのに」

まゆり「あうう……ごめん、なさい……」

岡部「……」

ダル「これは……中々ショッキングだお……」

まゆり「折、角……オカ、リンが作っ、てくれ、たのに……まゆしぃ……失敗しちゃ、って……」

岡部「まゆりよ」

岡部「だからどうしたというのだ!」

132: 2011/11/06(日) 03:41:54.82 ID:oUmJXFn20
まゆり「え……?」

紅莉栖「岡部……?」

ダル「オカリン……?」

岡部「フッ、何を心配しているかと思えば……」

岡部「まゆりよ!眉毛など書けば問題無かろう!」

岡部「むしろモデル等はすっぴんでは殆ど眉毛などないぞ?」

岡部「つまり、まゆりはモデルに近づいたと言えるでは無いか!」

紅莉栖「岡部、アンタ!」

ダル「流石オカリン!そこに痺れる!憧れるゥ!」

岡部「まゆりよ!自分を卑下する事等ないッ!」

岡部「今!お前は十分に可愛い!」

まゆり「オカリン……」

134: 2011/11/06(日) 03:46:39.68 ID:oUmJXFn20
岡部「それでも心配ならば眉ペンを買ってきてやる!」

岡部「だから、その……」

岡部「い、何時までもそんな情けない顔をするな!!」

岡部「お、お前はやっぱり、その……笑っている顔が一番、その……ぃぃ」

まゆり「オカリン……」

まゆり「うんっ!まゆしぃも皆がニコニコ笑顔の方が好きだもん!」

まゆり「だから、オカリンの為にもまゆしぃ、笑顔でいるね!」

岡部「べ、べべべべ別に俺がお前の笑顔を見たいという訳では無くてだな!!」

ダル「あーはいはい」

紅莉栖「ツンデレ」

ダル&紅莉栖「乙」

137: 2011/11/06(日) 03:50:01.74 ID:oUmJXFn20
まゆり「それじゃ補習いってくるね!」

岡部「ああ、気をつけてな」

まゆり「いってきまーす!トゥットゥルー♪」


岡部「まゆりが元気になったようで良かった」

ダル「い、何時までもそんな情けない顔をするな!!」

紅莉栖「お、お前はやっぱり、その……笑っている顔が一番、その……ぃぃ」

ダル「プギャーwwwwww」

紅莉栖「ワロスwwwwwワロスwwwww」

岡部「……」

142: 2011/11/06(日) 03:55:16.79 ID:oUmJXFn20
ダル「はい、その」

紅莉栖「調子に乗ってすいまえんでした;;」

岡部「……」ビキビキ

ダル「しかしトラペゾヘドロン大成功だったお」

紅莉栖「そうね。半信半疑ではあったけど、まゆりのあの剛毛をああもすんなり解決するなんてね」

岡部「ああ。正に改心の出来だったな」

紅莉栖「これならラボのヒット商品間違い無しよ!」

ダル「レシピも抑えてあるし量産いけるお」

岡部「まあ、まゆりと同じ様な悩みを持つ人の手助けになるかもしれんしな」

岡部「販売するつもりは無かったが考えを改めてもいいかもしれん」

紅莉栖「人の心配するマッドサイエンティストとか」

岡部「な、何だ!文句あるのか!?」

紅莉栖「ううん、無いわ。むしろ見直した」

144: 2011/11/06(日) 04:00:49.69 ID:oUmJXFn20
岡部「おい、ダル。体温計を持ってこい。助手が熱を出したようだ」

紅莉栖「ちょ、おま!人が折角見直してやったっていうのに!!」

ダル「あーはいはい。痴話喧嘩は他所でやってほしいお」

紅莉栖「ふざけんな!何で私が!このッ!このッ!!」

ダル「ちょ!それトラペゾ試作品2号と3号ッ!!」

紅莉栖「え?」

岡部「」ベチャッ

ダル「」ベチャッ

紅莉栖「」

146: 2011/11/06(日) 04:03:57.57 ID:oUmJXFn20
-夕方

まゆり「トゥットゥルー♪ただいまー!今日はね、お土産にジューシーからあげNo1を買ってきたのです」

岡部「……」

ダル「……」

紅莉栖「あ、あはは……」

まゆり「何でオカリンもダルくんも夏なのにニット帽被ってるの?」

岡部「それはな……」サッ

ダル「牧瀬氏のせいで……」サッ

紅莉栖「あはははは……だ、だから何度も謝ったじゃない?」

まゆり「ブフォオオオオオオオオオオ!!!」

岡部&ダル「……」ツールッツルー♪

149: 2011/11/06(日) 04:07:23.53 ID:oUmJXFn20
まゆり「オ、オカリンとダルくんが……お坊さんになっちゃった!?」

岡部「……」

ダル「……」

紅莉栖「ちょ、ちょっとした手違いがあったのよ!」

岡部「ほぉぅ?」

ダル「ちょっとした手違い?」

紅莉栖「すいまえんでした;;」

岡部「フ……フゥハハハハハ!笑え!笑えよ!!」

岡部「そうさ!俺も!ダルも!!もはや完璧なまでにハゲだ!」

岡部「ああ!もう坊さんにでもなるしかない!!」

まゆり「オカリン……」

まゆり「まゆしぃは……オカリンがお坊さんになっても大好きだよ」

岡部「まゆり……」

151: 2011/11/06(日) 04:10:39.30 ID:oUmJXFn20
まゆり「だから、そんな悲しそうな顔しないで。オカリン」

まゆり「オカリンが悲しそうだと。まゆしぃも悲しいよ」

岡部「……」

ダル「オカリン……」

岡部「フ……」

紅莉栖「岡部……?」

岡部「フゥハハハハハハ!まゆりよ!俺が?悲しそうだと!?」

岡部「勘違いも良い所だな!ハゲた程度でこの鳳凰院凶真がへこたれるとでも!?」

岡部「むしろここから!強力育毛剤を開発し!世界の発毛産業を乗っ取ってやろうでは無いか!」

まゆり「オカリン!」

152: 2011/11/06(日) 04:14:48.71 ID:oUmJXFn20
岡部「さぁダルよ!しょげている暇は無いぞ!すぐに発毛剤の情報収集だ!!」

ダル「オーキードーキー!」

岡部「ククク!これから忙しくなるぞ!まゆりよ!お前も嫌というほどこき使ってやるからな!」

まゆり「うん!まゆしぃはオカリンの役に立てて嬉しいのです!」

紅莉栖「ふふふ。私が手を出す余地は無さそうね」

岡部「おい」

紅莉栖「はひ」

岡部「流れにのってバックレられると思うなよ」

紅莉栖「すいまえんでした;;」

岡部「あと当面の費用は全部助手の自腹な」

紅莉栖「」

154: 2011/11/06(日) 04:18:33.64 ID:oUmJXFn20
こうして鳳凰院凶真達の新たなる戦いが始まった

すでに市場にはアデザンス、ミートネイチャー、カーブ21等の強敵が待ち構えている

彼らが育毛界の支配構造を塗り替えられるかどうか

それは運命石だけが知っている

しかし私は信じている

互いを信じる心を持つ彼らならば

きっと毛根線の収束すら乗り越えられると

そう

今まさにうっすらと生えてきている椎名まゆりの眉毛のように

155: 2011/11/06(日) 04:19:28.50 ID:oUmJXFn20
 トゥットゥル~♪
おーわり♪読んでくれてありがとう♪


157: 2011/11/06(日) 04:30:59.11 ID:gTiUQz7LO
乙るっつる

158: 2011/11/06(日) 04:37:18.70 ID:wG4wfLaB0
おっつるー♪

引用元: 岡部「まゆり……流石に眉毛が太すぎないか?」