1: 2012/03/29(木) 21:37:06.44 ID:fktGX4PxO
まどか「ただいまー」

私の名前は『鹿目まどか』
4月から中学3年生になるんだ!

まどか「3学期も終わって、明日からは楽しい春休みだ! 何して遊ぼうかなぁ……」

詢子「ちょっと待ちな、まどか」

まどか「うぐ、お母さま…私めに何か御用で……?」

詢子「今日、終業式だったんだろ? 成績をとやかく言うつもりは無いけど、親の監督責任ってのがあるし……」

詢子「出しな」

まどか「……はい」
Chapter.1  
5: 2012/03/29(木) 21:39:30.96 ID:fktGX4PxO
詢子「……」

まどか「……」

詢子「……塾…行ってみるか?」

まどか「や、やだよそんなの! 塾なんて行ってたら皆と遊ぶ時間が……」

詢子「つっても、もう何週間かでまどかも中学3年生だ。受験だってあるし、いつまでも遊んでるわけには……」

まどか「私、絶対に塾なんて行きたくない!」

詢子「なら、自分で勉強出来るのか? 出来るって言い切れるか?」

まどか「そ、それは……」

詢子「……まぁ、家庭教師でもなんでも、そういうのを探しておくから…」

まどか「もういいっ!」

詢子「あっ、まどか!」

7: 2012/03/29(木) 21:40:21.46 ID:fktGX4PxO
まどか「……」

私だって、このままじゃいけないことは分かってる……
でも……

Prrrr!

まどか「メールだ。誰からだろう……」

ピッ


From:マミさん
件名:終業式、お疲れさま!
本文:いよいよ4月から最上級生ね。
   鹿目さんなら大丈夫だとは思うけど、先パイとしてアドバイスしたいことがあるの。
   少し会えるかしら?


まどか「あれ、マミさんだ」

巴マミさんは私の1つ年上で、勉強から運動まで何でもできる私の憧れの先パイ!
今までも何度も助けてもらったけど、改まってアドバイスって、一体なんだろう?

8: 2012/03/29(木) 21:41:09.03 ID:fktGX4PxO
Prrrr!

まどか「今度はさやかちゃんから電話だ」

ピッ

まどか「もしもし。どうしたの?」

さやか『まどか、今マミさんからメール来た? アドバイスが何とか……ってやつ』

まどか「うん、来たよ。私はこれから行ってみるけど、さやかちゃんも?」

さやか『いや…それがさぁ、どうにも塾に行くことになっちゃったんだよね。早速電話して今日から体験入塾だって』

まどか「えっ!? さやかちゃん、塾行くの!?」

さやか『うん……っと、悪いまどか! もう行かなきゃならないから、私の分も聞いてきて! じゃね!』

ブツッ

まどか「……」

11: 2012/03/29(木) 21:43:54.51 ID:fktGX4PxO
―ファストフード店―

マミ「こっちこっち」

まどか「こんばんは、マミさん」

マミ「ごめんなさい。こんなとこまで足を運ばせてしまって」

まどか「マミさんがわざわざアドバイスなんてしてくれるって言うなら、どこだって行きますよ! ところで、さやかちゃんなんですけど……」

マミ「……そう、美樹さんは塾に…」

まどか「私の分も聞いてきてくれ、って言ってました。それで、話って何なんですか?」

マミ「……鹿目さん。ちょっと聞きにくいんだけど、学校の成績はどうだった?」

まどか「!!」

13: 2012/03/29(木) 21:45:36.01 ID:fktGX4PxO
マミ「あまり芳しくなかったようね?」

まどか「は…はい……」

マミ「そんな顔しないで。私もちょうど1年前、今のあなたと同じころに勉強でつまづいたの」

まどか「マミさんが?」

マミ「そう。期末テストは70点がいいとこ、クラスでの順位は中の中、下手したら中の下だったかしら」

まどか「そんな、信じられません。マミさんの通ってる高校って、県でも1、2番目に頭がいいんじゃ……」

マミ「勿論私だって、ただ手をこまねいていた訳ではないわ。私を救ってくれたのが、この――」

QB「やあ! 僕と勉強して、最高の学生生活を送ってよ!」

まどか「――わあっ!?」

14: 2012/03/29(木) 21:46:19.86 ID:fktGX4PxO
QB「驚かせてしまったかな」

まどか「い、今どこから……」

マミ「落ち着いて鹿目さん。彼の名前は『キュウべぇ』。『インキュウべネッセの進研ゼミ』って、聞いたことない?」

まどか「インキュウべネッセの進研ゼミ……? ああ、あの漫画付きのDMですね」

マミ「そうそう。このキュウべぇはインキュウべネッセで働いてる、いわゆる赤ペン先生ってやつなの」

QB「本来ならあまり生徒の前に出てはいけないんだけれど、マミの『どうしてもキミを助けたい』という熱意に押し負けたんだよ」

15: 2012/03/29(木) 21:48:08.84 ID:fktGX4PxO
マミ「ちょ…キュウべぇ! 余計なこと言わないで!」

まどか「マミさん……そこまで私のこと、気にかけてくれてたなんて……」

マミ「……と、とにかくっ! 鹿目さん、『始めるなら今しかない』わ。『今ならまだ間に合う』の」

まどか「でも、家庭学習って途中でだらけちゃって、なかなか続かなかったりしませんか?」

マミ「大丈夫! 進研ゼミなら『1回15分』で『授業のポイントだけを押さえた勉強』が出来るの!」

まどか「15分で!?」

マミ「文字ばっかりのプリントじゃない、分かりやすい解説付きだから、気付けばとっくに15分経っちゃうの」

23: 2012/03/29(木) 21:52:07.78 ID:fktGX4PxO
マミ「さらに一部の教科はスタンダードよりも応用力を鍛えられるハイレベルコースがあるから、『一人ひとりにあった内容で学習出来る』わ」

まどか「それ……本当、ですか?」

マミ「私が保証するわ」

QB「売り込むみたいであまり綺麗じゃないけど、僕も自信を持ってオススメするよ」

まどか「……あの、マミさん…」

マミ「ふふ、もう居ても立ってもいられないって顔ね? 私の話はこんなとこだから、帰ったら家の人に話をしてあげて。善は急げっていうでしょ」

まどか「はい! ありがとうございます、マミさん」

マミ「美樹さんにも教えてあげてね」

まどか「勿論です! おやすみなさい!」

25: 2012/03/29(木) 21:52:54.11 ID:fktGX4PxO
―鹿目家―

まどか「ただいま! ママ、私進研ゼミやりたい!」

詢子「なんだなんだ、藪から棒に。進研ゼミって、あの教材のやつか?」

まどか「そう。今マミさんと話してきたんだけど、進研ゼミなら続けられるよ、絶対に!」

詢子「うーん……やる気になったのは良いけど、どうせ勉強するなら塾で見ててもらった方が効率いいんじゃない? 分かんねーとことか、すぐに聞けるし」

まどか「大丈夫! 進研ゼミも、電話やFAXで専門の先生に直接指導して貰えるんだ。それに、見て!」

28: 2012/03/29(木) 21:54:49.09 ID:fktGX4PxO
詢子「なになに……へえ、受講費が月6,480円で済むのか。1年一括払いなら毎月5,490円……確かにこりゃ安いな」

まどか「でしょ? ねえママ、マミさんに言われたんだけど、『今なら間に合う』んだよ。私は、中学3年生に間に合いたい!」

詢子「……まどかがそこまで言うなんてな。んじゃ、やってみるか?」

まどか「やったあ! ありがとうママ!」

こうして私は、晴れて『進研ゼミ 中学講座』を始めることになったの!

29: 2012/03/29(木) 21:56:15.19 ID:fktGX4PxO
まどか「終わったぁ」

まどか「時間は……わ、15分も経ってない! これなら残りの時間を自由に使えるね!」

まどか「じゃあ、さっきの冊子の続きを……」

Prrrr!

まどか「電話だ」

まどか「もしもし?」

さやか『おいすー……』

34: 2012/03/29(木) 22:01:08.86 ID:fktGX4PxO
まどか「さ、さやかちゃん? なんか元気ないみたいだけど……大丈夫?」

さやか『いやー、やっぱ人間慣れないことはするもんじゃないね。もうボロボロだよ』

まどか「そんなに大変なの?」

さやか『まあね。ところで、マミさんの話ってなんだった?』

まどか「えっと、キュウべネッセの進研ゼミがかくかくしかじかで」

さやか『進研ゼミ? マミさんがねぇ』

35: 2012/03/29(木) 22:01:44.99 ID:fktGX4PxO
まどか「うん。それで、私も始めたんだ」

さやか『へー。まあ、お互い頑張りましょうよ』

まどか「ん……さやかちゃんも、無理しないでね」

さやか『へいへい。じゃーねー』

まどか「……さやかちゃん…」



こうして、2週間後――

36: 2012/03/29(木) 22:06:42.27 ID:fktGX4PxO
和子「みんな、進級おめでとう! 3年生になっても私が担任で、新鮮味がないかもしれないけど、改めてよろしくね」

和子「さて! 本日は一時限目のホームルームのあとに、みんなの大好きな進級テストがあります!」

ざわ……

和子「といっても内容は2年生の復習だから、春休み中にしっかり勉強してた人ならなんにも心配ないはずですよね?」

さやか(大丈夫だ。あんだけやったんだから、きっと結果は出る……!)

まどか(ど、どうしよう……大丈夫、だよね…?)




和子「はい、始めて下さい」

まどか(……! この問題…ゼミの中でやった、ような……)

まどか(これも、これも! 全部ゼミでやった問題だ!)

さやか(……なんだよ、これ)

38: 2012/03/29(木) 22:08:55.52 ID:fktGX4PxO
―数日後―

和子「この前の進級テストを返却しまーす。名前順に取りにきて下さい」

和子「――鹿目さん」

まどか「はい」

和子「凄いじゃない。クラスで一番ですよ」

まどか「!」

まどか(きゅ……96点!? 私が!?)

和子「さて。今回のテスト、確かにみんな頑張ったんだな、っていうのは分かりました。それだけに、ケアレスミスで点を落とすのはとてももったいないです」

和子「『3年生からは授業スピードも速くなる』し、勿論勉強の内容も難しくなります。受験に備えて、今から自分で勉強する癖を付けておくといいですよ」

さやか「……」

42: 2012/03/29(木) 22:12:42.50 ID:fktGX4PxO
さやか「まどか、ちょっと」

まどか「?」

さやか「……テスト、どうだった」

まどか「え、ま、まあまあだったけど」

さやか「嘘つかないでよ。クラス最高点だって? 悪いけど、聞こえた」

まどか「ん……」

さやか「ねえ、どうして? まどかだって、2年生まであたしとおんなじくらいだったじゃん」

さやか「あたしは努力したんだ。毎日毎日、行きたくもない塾に通って、寝る時間削っても勉強してた。なのに!」

さやか「……ごめん。ちょっと変になってるかも、あたし」

まどか「さやかちゃん……」

44: 2012/03/29(木) 22:16:33.03 ID:fktGX4PxO
さやか「分かってるんだ。こんな方法で勉強してたって、何の意味も無いって。でも、あたしにはこれしか……」

さやか「……あたしって、ほんとバk――」

まどか「だったら、さやかちゃんも!」

さやか「え……?」

まどか「さやかちゃんも一緒にやろう、進研ゼミ。大丈夫だよ! ちょっぴり遅れたくらい、さやかちゃんならすぐ取り返せるって!」

さやか「まどか……」

45: 2012/03/29(木) 22:18:31.14 ID:fktGX4PxO
まどか「ね。無理して塾なんて行っても、さやかちゃんの為にならないよ。それに――」

まどか「もっとたくさん、さやかちゃんと遊びたいし!」

さやか「……っ、まどかぁ…」

まどか「ちょ、ちょっとさやかちゃん!? なんで泣いて…」



誰だって最初は不安なんだ
それでも、私はこうして最高のスタートを切れた
夢に向かう私の背中を、ほんのちょっとだけ後押ししてくれる――
私の、最高の教材

さあ、次はキミの番だよ!


END

46: 2012/03/29(木) 22:19:29.92 ID:fktGX4PxO
――


QB「これを配ったら魔法少女になってくれるかな。頑張って書いたんだ」

マミ「面白いんじゃない」

QB「そうだろう?」

マミ「まあ、増えるのはベネッセの会員だけでしょうけど」

QB「えっ」



おわり

47: 2012/03/29(木) 22:20:07.40 ID:mqpcVUCa0
受験生スタートダッシュ編だからこれで終わりか
面白かった

48: 2012/03/29(木) 22:22:18.99 ID:yPynvf+q0
夏か秋口当たりになるとそこからマミさんとおなじ高校に入るまでになるよな

49: 2012/03/29(木) 22:23:05.52 ID:L+bv00a30

しかし進研ゼミの塾に対する恨みは相当なものがあるんだな

引用元: QB「インキュゥべネッセの進研ゼミ!」チャチャチャッ