374:◆dWeYTO/GKY 2014/01/11(土) 01:35:54.18 ID:y9EnUtDeo
随分間が空いちゃいました。済みません。

再開します。
【モバマス】安部菜々「オールディーズ?」【前編】
──────────

375: 2014/01/11(土) 01:37:28.22 ID:y9EnUtDeo

P「ま、まゆ? 別に俺の膝なんかを勿体ぶるわけじゃないが、流石にまゆが乗るのはちょっとどうかと思うぞ?」

まゆ「どうしてですかぁ? 他の子は乗ってるのに……」

響子&ゆかり「!?」

P「ね、年少組の事だろ? ほら、まゆはもう大きいんだからさ。な?」

響&ゆ(ほっ…)

まゆ「幸子ちゃんは乗せるのに…」

響&ゆ「!?」

P「さ、幸子はほら、14歳だろ? まゆはそれより二つもお姉さんじゃないか。な? な?」

まゆ「輝子ちゃんは乗せるのに…」

P「う、ぐっ…あ、あー…えーっと! そんな事よりも、まゆも歌いに来てくれたんだろっ?」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(9) (電撃コミックスEX)
376: 2014/01/11(土) 01:39:42.31 ID:y9EnUtDeo

まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」

まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


377: 2014/01/11(土) 01:40:13.88 ID:y9EnUtDeo

まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」

まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


378: 2014/01/11(土) 01:41:08.37 ID:y9EnUtDeo

■佐久間まゆ The Secret Marriage

http://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI


 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました



379: 2014/01/11(土) 01:42:41.44 ID:y9EnUtDeo

■佐久間まゆ The Secret Marriage

http://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI


 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました



380: 2014/01/11(土) 01:54:03.30 ID:y9EnUtDeo
──────────

ちょっと混雑がすごいみたいなので、一旦中断します。。。

>>374-379
投下し直すので、この部分ナシでお願いします。


>>373
サム・クックもいいけど、サッチモのあれは名曲ですね!
誰が歌うのが似合うのかな……クラリスに、音葉さん……敢えて女神ちひろあたりとか?

382: 2014/01/11(土) 13:15:42.15 ID:y9EnUtDeo
そろそろ大丈夫かな……

>>381
輝子は出したいけど、実は輝子が聞きそうな音楽全然分からないんですよね!
アリス・クーパー?さぞめんどくさい美少女……(ぐぐる)…よくも騙したァ!騙してくれたなァ!!
ってぐらいw

オススメありませんかね!

388: 2014/01/12(日) 02:32:06.59 ID:AMAop8wlo
P「ま、まゆ? 別に俺の膝なんかを勿体ぶるわけじゃないが、流石にまゆが乗るのはちょっとどうかと思うぞ?」

まゆ「どうしてですかぁ? 他の子は乗ってるのに……」

響子&ゆかり「!?」

P「ね、年少組の事だろ? ほら、まゆはもう大きいんだからさ。な?」

響&ゆ(ほっ…)

まゆ「幸子ちゃんは乗せるのに…」

響&ゆ「!?」

P「さ、幸子はほら、14歳だろ? まゆはそれより二つもお姉さんじゃないか。な? な?」

まゆ「輝子ちゃんは乗せるのに…」

P「う、ぐっ…あ、あー…えーっと! そんな事よりも、まゆも歌いに来てくれたんだろっ?」

まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」

389: 2014/01/12(日) 02:32:43.07 ID:AMAop8wlo

まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


390: 2014/01/12(日) 02:33:11.29 ID:AMAop8wlo

■佐久間まゆ The Secret Marriage

http://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI


 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました



391: 2014/01/12(日) 02:35:26.16 ID:AMAop8wlo



 払うべき負債も 受け取るべき持参金もなく

 社会や世俗のしがらみも関係ない

 外の世界は 全て消えてしまって

 まゆ達の美しい婚礼を 邪魔するものはありません



 秘密の婚姻 誓いは口にしない

 秘密の婚姻 壊れる事はない



392: 2014/01/12(日) 02:36:29.27 ID:AMAop8wlo



 祭壇に花はなく

 まゆには花嫁衣装もベールもなくて

 誓約に使う聖句もありません



 秘密の婚姻 誓いは口にしない

 秘密の婚姻 壊れる事はない


────
──


393: 2014/01/12(日) 02:38:38.44 ID:AMAop8wlo


P「スティングか。映画で使われた曲もあるのに、渋いの来るなぁ」

ゆかり「綺麗な歌ですね…」 ウットリ

響子「憧れちゃいます…」 ウットリ

P「き、綺麗な歌だけど、綺麗すぎてちょっと怖いんだよな…」

菜々(両方の気持ちが分かる…)

まゆ「どうでしたかぁ?」

P「おお、よかったぞ!」

まゆ「うふ♪ ありがとうございます。それじゃあ…よいしょっと」

P「まてまてまて! なんで膝に乗ろうとする!」

まゆ「?」 キョトン

394: 2014/01/12(日) 02:41:46.10 ID:AMAop8wlo

P「きょとんとされても…」

まゆ「だって、お膝に乗るのはご褒美って事ですよね?」

P「違うよ!? そもそもご褒美になってないというか、ゆかりも響子も乗ってないだろ?」

響子「えっ? あ、はい」

ゆかり「うっかりしてました…」

P「(うっかり?) ほら、な? あのなまゆ、まゆはもう16歳なんだから…」

まゆ「まゆが16歳だから駄目なんですかぁ?」

P「あー、うーん…えーっと…」

響子「ま、まゆちゃんっ! 15歳と16歳の間には大きな差があるんですよっ!」

ゆかり「? そうなんですか?」

395: 2014/01/12(日) 02:43:16.18 ID:AMAop8wlo

P「! 響子の言う通りだ! えーと…?」

響子「ほら、16歳なら結婚出来る! もう大人の女性なんですよっ」

まゆ「!」

P「おお、なるほど…確かに結婚出来る年齢の女性を人前で軽々しく膝に乗せるのは、アイドルとか以前に、社会的にもよくないな」

まゆ「…わかりましたぁ。でも……」

P「でも?」

まゆ「……でも、15歳ならいいんですかぁ? 凛ちゃんや紗枝ちゃんも15歳ですけど」

P「う…ぐっ…」

響子「15歳はいいんです! ね、Pさんっ」

ゆかり「私も15歳まではいいと思います」

P「あ、ああ。15歳はまだ子供だからな!」

菜々(16歳どころか、17歳の卯月ちゃんによじ登られたり、李衣菜ちゃんハグしてかいぐり回したりしてましたけどね…)


396: 2014/01/12(日) 02:44:45.52 ID:AMAop8wlo


~~~~~


凛「よしっ」 グッ

未央「? どったのしぶりん」

凛「…? なんとなく、やりたくなったんだけど、なんでだろ」

卯月「次、凛ちゃんの番だよー」


~~~~~


397: 2014/01/12(日) 02:45:30.75 ID:AMAop8wlo


まゆ「でも、16歳は駄目なんですかぁ?」

 ガチャ

智絵里「あ、あの…おはようございます…」

P「ああ、15歳までだ! 16歳以上は受け入れられない……ん?」

智絵里「」

 バタン

P「わーっ! 待ってくれ智絵里、顔面蒼白でそのまま帰ろうとしないで!」

 ギャーギャー


────

───

──


398: 2014/01/12(日) 02:46:04.14 ID:AMAop8wlo


菜々(結局Pさんが立つ事で膝を封じてしまいました…)

智絵里「そういう事だったんですか…」

P「おう。智絵里も子供みたいに扱われるの嫌だよな?」

智絵里「あの、わたし……わたしも…あの…嫌じゃ…ないです……」

智絵里「あの、でも…ずっと見ていてもらえれば…見捨てないでもらえればそれで…」

P「おう、そこは大人も子供も関係なく、きっちり最後まで見守らせて貰うから安心してくれ」

智絵里「よかった…」 ホッ

響子&まゆ&ゆかり(むっ…)

まゆ「まゆの事も見ていて下さいねぇ」

響子「わ、私もまだまだ失敗とかしちゃうので、お願いしますっ!」

ゆかり「Pさんと新しい事に挑戦し続けたいと思います。だから、これからもよろしくお願いします」

P「なんだ信用無いな…。約束するよ、みんなの事をしっかりプロデュースさせて貰うからなっ」

 キャッキャッ


399: 2014/01/12(日) 02:46:32.00 ID:AMAop8wlo


────

───

──


P「そういえばまゆの歌の話、してなかったな。まゆはどうしてあれを選んだんだ?」

まゆ「まゆ、あの歌大好きなんです♪」

P「そういえば響子とゆかりも気に入ってたみたいだなぁ。女の子の感性だと、琴線に触れるものがあるんだろうか」

まゆ「そうですよぉ。だぁれもいない、静かな、静かな場所で、二人だけで結ばれるんです。うふ♪」

P「なるほどなぁ。結婚するなら、親戚や、友達や、職場の同僚をみんな呼んで、大勢に祝福して欲しいって思っちゃうけど、そういう考え方もあるのか」

響子「それが理想ですけど、現実的じゃないって思うんです。私も親族ぐらいは呼べたらなって思いますけど…」

ゆかり「単純に、二人きりに憧れるというのもあるんです。ライバルが200人近くもいますから、殊更に…」

400: 2014/01/12(日) 02:47:10.42 ID:AMAop8wlo

P「えっ、お、おう…?」

P(ゲームか何かの話かな…)

響子「Pさんは、そう思わないんですか?」

P「えっ? いやその…気を悪くしたらごめんな? 良い歌だし結構好きなんだけど、なんだか心中っぽくて怖くもあるんだよ…」

まゆ「氏を以て永遠に結ばれる、ですかぁ? うふふ、ロマンチックですねぇ♪」

P「ロマンチックじゃないよね!? お願いだから好きな人と生きて結ばれてね!?」

菜々「あ、智絵里ちゃんの歌、始まりますよっ」

 デデデデデデ デデデデデデ デッ

智絵里『お、おんりー…ゆーーーっ!!!!』

 ガタガタッ ドテッ


401: 2014/01/12(日) 02:47:42.50 ID:AMAop8wlo

■緒方智絵里 Only You



 Pさんがいるから 世界が素敵に思えるんです

 あなただけが 暗闇を照らしてくれます 

 あなただけ そう ただあなただけです

 わたしの心を ぬくもりで満たしてくれるのは



 Pさんだけが わたしを変えてくれる

 わたしの真実の 運命の人

 あなたに手を引かれて 分かったんです

 あなたはきっと魔法使い わたしの夢を叶えてくれる ただ一人 わたしの大切なひと



402: 2014/01/12(日) 02:48:26.92 ID:AMAop8wlo


 あぁ… Pさんだけが わたしを変えてくれる

 わたしの真実の 運命の人

 あなたに手を引かれて 分かったんです

 あなたはきっと魔法使い わたしの夢を叶えてくれる ただ一人 わたしの大切なひと

 ただ一人 わたしの大切なひと


────
──


403: 2014/01/12(日) 02:48:56.67 ID:AMAop8wlo


響子「出だしのインパクトが凄かったけど…こうして聞くと素敵な歌ですね」

菜々「出オチに使えるほど強烈で有名な曲ですからね…」

P「…俺も最初、智絵里には似合わないんじゃないかと思った。けど、一所懸命歌う姿を見てたらむしろ智絵里にぴったりな気がしてきたよ」

まゆ「あなただけ……。うふ♪ 歌詞もとっても素敵です」

P「そうだなぁ、歌詞も智絵里にぴったりで…っと、アイドルをこんな目で見ちゃプロデューサー失格だよな」

響&ま&ゆ「!?」

菜々(またこの人は三人を挑発するような事を言って…)

ゆかり「ど、どういう意味ででしょうか? 参考までに伺いたいんですが…」

P「いや、まぁ、いいじゃないか…」

まゆ「よくないですよぉ」

404: 2014/01/12(日) 02:49:38.42 ID:AMAop8wlo

響子「そ、そうです。聞きたいですっ!」

P「ええぇ…。いや、あの、智絵里はさ、真面目さと一途さが良いところなんだけど、それでちょっと思い込みすぎちゃうとこあるからさ」

P「それでついぴったりだなんて言っちゃったけど、これって陰口だし、良くないなぁと反省したんだよ」

ゆかり「ああ…」 ホッ

響子「なんだ…」 ホッ

まゆ「そういう意味ですかぁ…」 ホッ

P「ほんと、友達のこと悪く言ってごめんな…」

智絵里「あ、あの…ど、どう…ですか?」 オドッ

P「お、おぉ! すっごい良かったぞ! 智絵里の新しい一面を見れた気がした!」 ナデナデナデナデ

智絵里「ふぇっ!? あ、あの……うぅ…」

405: 2014/01/12(日) 02:50:26.31 ID:AMAop8wlo

ゆかり「む…」

響子「むむっ」

まゆ「むぅー…」

智絵里「あ、あの…恥ずかしい…です…(////)」

P「あっと、ごめんな。立ってると丁度良い位置に頭が来るから、つい」 スッ

智絵里「あ……」 シュン…

P「智絵里は、なんでオンリーユーなんだ?」

智絵里「えっ!? あ、あの…あの……わたし、ずっと…一番大切で……他に、考えられなくて……」

菜々(歌の話ですよね!?)

P「そうか。まぁ、プラターズは一発屋だと思われてるけど、他にも良い歌あるから、良かったら聞いてみてくれよ」

406: 2014/01/12(日) 02:51:00.31 ID:AMAop8wlo

智絵里「えっ? あの……はい…」

P「まぁ、続けて聞くと流石に飽きるんだけどさ。有名なとこだと、『煙が目にしみる』とか、好きだなぁ」

ゆかり「不思議な題名ですね。どういう歌なんですか?」

P「うん。元々はミュージカル用の歌で、色んな人がカバーしたナンバーでさ。プラターズのはリバイバル・ヒットなんだよ」

響子「煙たいシーンで流れるんですか?」

P「いや、それはよく知らないんだけどさ。原題が『Smoke Gets in Your Eyes』で、はい菜々、訳して」

菜々「えっ!? ええーっと、急に言われると難しいというか、英語なんて昔授業でやったきりだし…」

ゆかり「? 菜々さんの学校では英語の授業がないんですか?」

菜々「あ、あぁーっ! えぇーっと…な、菜々疑いようもなく17歳なんですけどぉ、個人的に苦手なだけと言いますか…」

P(ウサミン星では英語を勉強しないとか言っとけば良いのに…)

407: 2014/01/12(日) 02:51:31.72 ID:AMAop8wlo

響子「えっと、煙はあなたの…目に、入ります…?」

P「おっ、えらいぞ響子。流石だ」

響子「えへへへっ♪」 ズイッ

P「響子の言う通り、原題だと目にしみるってニュアンスはないんだ……どうした響子? 頭でも痛いのか?」

響子「いえ…大丈夫です……」 シュン

菜々(撫でて欲しかったんですね…)

P「? まぁともかく、歌の中で二回、煙が目に入るって言うんだけど、最初と最後で意味が違うんだよ」

まゆ「そのどちらかで、目にしみているんですかぁ?」

P「うん。最初は恋は盲目みたいなニュアンスでさ、恋に舞い上がってるところに、友人達が尋ねるんだよ。『それがホントの恋だって、どうして分かるのさ?』って…」

響子&智絵里&まゆ&ゆかり「「「「本当の恋ですっ!(ですよぉ♪)」」」」

P「お、おう…。でまぁ、次に出てくる時は、恋破れて泣いてるところを、友人達に嗤われてさ。『愛の火が消える時、その煙が目にしみて涙が出るんだ』って返すんだ」

408: 2014/01/12(日) 02:52:02.51 ID:AMAop8wlo

ゆかり「可哀相…」

まゆ「まゆ達の恋が破れるなんてありえないですよぉ。嗤う人達はどうだか分かりませんけど…」

響子「わ、私は笑ったりしませんから! いつでも来て下さいねっ」

智絵里「あ、あの…わたしは……最後にわたしのところに来てくれれば、それでいいですから……」

P「え、いやあの、歌の話だよね……?」


────

───

──


菜々「なんだかんだ言って一緒に帰りましたね…」

P「うん。仲良いよな、趣味が合うのかな」

菜々「そこは間違いないと思いますけど、一緒に帰った理由は違うと思います…」

P「?」


413: 2014/01/18(土) 11:55:20.95 ID:h5++Adw9o

 ガチャッ


あい「やあ、邪魔させてもらうよ」

菜々「あ、おはようございます、あいさん!」

P「おお、おはよう」

あい「ああ、おはよう。Pくんに菜々さん」

あい「なにやら面白そうな事をやってるそうじゃないか。私が混ざっても大丈夫かな?」

P「ああ、もちろん歓迎ですよ!」

あい「フッ、ありがとう。それじゃ、準備をさせて貰うよ」


────

───

──


414: 2014/01/18(土) 11:55:54.69 ID:h5++Adw9o

菜々「やっぱりあいさんはかっこいいですねー、颯爽としてて」

P「あれで可愛いところもあるんだけど、男らしい……というと悪口になっちゃうかな。間合いの取り方が絶妙で付き合いやすいんだよな」

菜々「あ、やっぱりそういうのあるんですか? Pさん、よくあいさんと一緒にいますよね」

P「そうだなぁ」

菜々「……誰かに絡まれてる時と、誰かをからかう時以外は」

P「い、癒しなんだよ!いいだろ!」



415: 2014/01/18(土) 11:56:22.08 ID:h5++Adw9o

■東郷あい When a Man Loves a Woman

http://www.youtube.com/watch?v=Y8raabzZNqw


 男が女を愛したなら 他の全てはどうでもいいのさ

 全てを投げ出す事さえ厭わない

 見つけだしたその宝を 手に入れる為なら



 彼女に欠点があっても まるで目に入らないのさ

 彼女は完全無欠

 もし彼女を悪く言うなら 親友とだって縁を切る



416: 2014/01/18(土) 11:57:07.77 ID:h5++Adw9o



 男が女を愛したら 有り金すべてをつぎ込んだって惜しくはない

 彼女をつなぎとめておく為なら



 男は全ての安らぎを棄てて 雨に濡れながら暮らしたっていい

 それが似合いだと 彼女が言うならば



 さて、ここにいる男は 一人の女に惚れている

 男の持つ物全てを 君に捧げたんだ

 君の愛を繋ぎ止めておきたくて

 だからお願いだ 私につれなくしないでおくれ



417: 2014/01/18(土) 11:57:52.97 ID:h5++Adw9o



 男が女を愛して それが余りに深い時

 彼に酷く 惨めな思いをさせる女がいる



 もし彼女が そんな女だったとしても

 男は最後まで気づかない 何故なら恋は盲目だから



 男が女を愛したら 男は大胆不敵

 他の女には目もくれない



 そう 男が女を愛する時 その時の気持ちは良く分かるよ

 何故ならベイビー 君こそ私の全てだから


────
──


418: 2014/01/18(土) 11:58:24.80 ID:h5++Adw9o


P「すごいパワーだ…パーシー・スレッジの代表曲だな」

菜々「やっぱり楽器やってると肺活量とか違うんでしょうか…菜々も何か始めてみようかな…」

P「メリットはあるだろうけど、どこで練習するんだ? 菜々の部屋は普通のアパートだし、終電早いからこちらでスタジオ借りたりも難しいんだろ?」

菜々「うーん、いっそ都内に引っ越そうかと思うんですけど、今の部屋は愛着あるし、商店街はおまけしてもらえたりするし……って、菜々はウサミン星のお城に住んでるんですっ!」

P「そっすね。あ、あいさんお帰り」

あい「ああ、ただいま。また菜々さんをいじめていたのか? 女性をそんな風に扱うのは感心しないな」

菜々「あいさぁ~ん;;」

P「ち、ちゃうねん! これは愛情表現やねん! な! 菜々!」

菜々「ふぇ!? あああ愛情…!?(//////)」

あい「そういうのはますます感心しないな…」

419: 2014/01/18(土) 11:58:52.31 ID:h5++Adw9o

P「うぐ…すいませんでした…。ところで随分男臭い歌だったけど、あいさんの趣味なのか?」

あい「まあ、そうだね。男の気持ちで歌っているというより、こんな風に愛されたいと思っているのかもしれない」

P「うへ…。じゃああいさん的には、雨の中、外で寝泊まりさせたり、惨めな扱いしたりする感じ?」

あい「そんなわけがないだろう! ……だがそうだな、盲目的に愛されて、盲目的に愛せたら素敵だなと思うよ」

P「なるほど、いわゆるバカップルか」

あい「全く、私も大概、小娘のような願望を持っているな。笑わないでくれよ、Pくん」

P「いや、笑わないさ。しかし、そうか、それがあいさんの恋愛観かぁ」

あい「そんな大仰なものではないよ。ある種の反動かもしれない」

P「反動…? ああ、具体的に誰か相手がいるとか?」

あい「……まあ、そうだね」

420: 2014/01/18(土) 11:59:26.03 ID:h5++Adw9o

P「マジでっ!? ああいや、警戒しないで。あまり大っぴらにされると泣くファンもいると思うけど、あいさんぐらいの歳であいさんほど美人ならいない方が不自然でしょ」

あい「いや心配無用。どうやら私の独り相撲のようだからね」

P「? どんな相手なんです?」

あい「可愛い子と見れば声をかけずにいられないような男性だよ」

P「うわ、最低だなそいつ……。あいさん、自由恋愛を認めるような事を言っておいてなんだけど、そんな奴とは…」

あい「いや、そう捨てたものでもないさ。彼に声を掛けられた子は皆、アイドルという新しい自分を見つけて幸せになっているよ」

P「えっ、同業の人?」

あい「……全く、私の独り相撲だよ。さて、それじゃそろそろ私は行くよ」

P「え、あ、うん。はい。ありがとうあいさん、素敵な歌だったよ」

あい「フッ…ではね」

 バタン


────

───

──


421: 2014/01/18(土) 11:59:59.30 ID:h5++Adw9o


P「うーん、あのあいさんがねぇ…。しかし心当たりがないな、そんな敏腕スカウトマンがお知り合いにいたとは…。なあ、菜々?」

菜々「愛情……愛……うぇへへ…(////)」 クネクネ

P「菜々がおかしい」



 バターン


フレデリカ「ハーイ♪プロデューサー、しるぶぷれー♪」

P「おっ、珍しいな。あとシルヴプレは挨拶じゃないぞ」

フレデリカ「そーなの? じゃ、こまんたれぶー♪」

P「もうそれでいいや。今日はどうしたんだ、ライブ以外は呼びにいかなきゃ来ない勢いのお前が」

フレデリカ「あ、ひどーい! アタシ別にレッスンも撮影も嫌いじゃないんだけどなー?」

P「じゃあなんでだよ…」

422: 2014/01/18(土) 12:00:29.95 ID:h5++Adw9o

フレデリカ「だって、そうすればプロデューサーに会えるでしょ? プロデューサーもアタシに会えて嬉しいでしょ♪」

P「はいはい嬉しいです。で、今日はなんの用事で来たんだ?」

フレデリカ「オールディーズを歌おうって企画に混ざりにきたの。ね、ところで菜々どーしたの?」

P「菜々も人生について真面目に考える歳だからな。大人は色々大変なんだよ」

フレデリカ「ふーん。じゃ、アタシも一曲歌ってくるね♪」


────

───

──


423: 2014/01/18(土) 12:01:09.40 ID:h5++Adw9o


P「聞いといてそれかよ…あの天真爛漫さは流石だな……」

菜々「フレデリカちゃんはやっぱり、フランスの歌とか歌ってくれるんですかねー? 菜々、キュンキュンしちゃいますっ」

P「おお ななよ きが ついたか!」

菜々「だいじょうぶだ… ななは しょうきに もどった! って、何やらせるんですかっ!」

P「別に頼んでないだろ……。あと、フレデリカはフランス語全然分からないらしいぞ」

菜々「もー、なんで歌う前から夢を壊すような事言うんですかぁ!」



424: 2014/01/18(土) 12:01:37.40 ID:h5++Adw9o

■宮本フレデリカ Les Champs-Elysees

http://www.youtube.com/watch?v=oamRCeLNAWA


 気持ちが弾んで 誰かと友達になりたくて 歩いたの

 誰にでもボンジュールって言いたくて

 その「誰か」が キミだった キミとは何でも話したよね

 キミとアタシが仲良くなるには それで充分だったの



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ



425: 2014/01/18(土) 12:02:05.25 ID:h5++Adw9o



 アイドルになってみないか?

 最高の仲間と 素敵なファンがいて 楽しく歌って踊るのさ

 キミがそう言うから アタシついていったの

 そして キスするのも忘れるぐらい 夢中になった



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ



426: 2014/01/18(土) 12:02:51.97 ID:h5++Adw9o



 昨日の夜は見知らぬ二人 今朝は連れ立って歩く恋人同士

 熱い一夜にフワフワしながら エトワールからコンコルドまで

 まるでオーケストラ 小鳥たちも愛を歌ってる



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ


────
──


427: 2014/01/18(土) 12:03:33.13 ID:h5++Adw9o



P「まさかのフランス語……。なんか、やたらハマってるのが逆に予想外だな……」

菜々「フレデリカちゃんのイメージにぴったりの、可愛い曲でしたねっ♪ やっぱりシャンゼリゼ通りを歩いたりしたのかなぁ…」

P「いやだから…ああでも、お母さんの実家はあちらだし、分からないな」

菜々「そういえば車のCMでも使われてましたねー」

P「あー、あったなぁ」

菜々「いすゞジェミニでしたっけ」

P「えっ。スズキのラパンだろ?」

菜々「えっ」

P「えっ?」

菜々「……」

P「……」

428: 2014/01/18(土) 12:04:33.41 ID:h5++Adw9o

フレデリカ「くらえ!ブッシュ・ド・ノエル!」 ポヨン

P「ぬわぁぁ!?」

菜々「!?」

フレデリカ「ただいまっ、プロデューサー!」

P「い、いきなり何だよ…」

フレデリカ「菜々と見つめ合ってるから、ピンチ!と思って♪」

P「悪戯ならピンチじゃなくてチャンスだろ……おかえり。綺麗なフランス語だったぞ」

フレデリカ「ホントっ!? 丸暗記だから、意味は全然わかんないんだけどねー♪」

菜々「それはそれですごい気もしますけど…」

フレデリカ「それにしても、シャンゼリゼってどんなところなんだろ。きっと素敵なトコだよねー」

429: 2014/01/18(土) 12:05:01.66 ID:h5++Adw9o

P「ああ、お母さんもこちらにいるもんな。でも、覚えてないだけで一回ぐらい行ったことあったりしてな」

フレデリカ「? シャンゼリゼってフランスでしょ?」

P「なにアタクシ生まれも育ちも日本でございって顔してんだ! 出身フランスってプロフィールに書いたよね!?」

フレデリカ「あ、そっか。んー…でも赤ちゃんだったから全然覚えてないなぁ」

P「里帰りについてったりもしないのか?」

フレデリカ「お爺ちゃんとお婆ちゃんも大体こっちに来ちゃうから」

P「アクティブだな…そりゃ、お母さんもフランス語忘れるわ」

フレデリカ「日本ファンなんだって。そうだ、この歌ってどういう内容なの?」

P「分からないで歌ってたのかよ!」

フレデリカ「うん。ママが若い頃好きだった歌なんだって」

P「ああ……1970年ぐらいだから、フレデリカのお母さんが~っていうと確かにそのぐらいか」

430: 2014/01/18(土) 12:05:32.51 ID:h5++Adw9o

フレデリカ「そーそー。それで、どんな歌なの?」

P「えーっとだな……。なんだか開放的な気分で浮かれてシャンゼリゼ通りを歩いて、たまたま出会った人と挨拶しておしゃべりして仲良くなって…」

フレデリカ「へーっ。アタシとプロデューサーの時と一緒だね」

P「あぁ、そういやそうだったな。いきなり話しかけて来るからびっくりしたよ」

フレデリカ「アタシも、いきなりスカウトしてくるからびっくりしちゃった」

P「続けるぞ。で、相手についてなんかギタキチがいる胡散臭い店に行って、夜通し歌って踊って、あんまり夢中になったのでキスするのも忘れてしまった事であるよ、と」

フレデリカ「そこも一緒!」

P「一緒じゃねえよ!?」

フレデリカ「キスはまだでしょ?」

P「まだって言うのか……まぁ、まだっちゃまだか。ギター弾きの店もまだだな」

431: 2014/01/18(土) 12:06:12.22 ID:h5++Adw9o

P「で、夜通し踊って、朝帰りのシャンゼリゼ通り。昨日まで他人だったのが、今では恋人同士。小鳥たちも愛の歌を奏でている事であるよ、と」

フレデリカ「朝帰りはあったね!」

P「あー…あったな」

菜々「え!?」

P「ん?」

フレデリカ「?」

菜々「どどどどういう事ですか!? 納得のいく説明を要求しますっ!」

P「いや、出先で宿も取れなくて、次の朝イチから現場だから帰れなくてさ。朝までカラオケボックスで凌いだんだよ」

フレデリカ「オール明けでそのまま仕事はきつかったなー」

432: 2014/01/18(土) 12:06:41.73 ID:h5++Adw9o

菜々「よかった……行きずりで朝チュンしてそのまま恋人とか、そういう展開じゃないんですね……」

フレデリカ「そこもまだだねー」

P「まだとか言うな!? 別に将来予定されてるような事はないからね?」

フレデリカ「んー、でも、未来のことは分かんないでしょ?」

P「分かんないけどさ……。あ、ところで話変わるんだが、フレデリカはどんな風に愛さるのが理想?」

フレデリカ「え!」

菜々「は!?」

フレデリカ「そ、そういうこと、本人に聞くかなー普通」

P「(本人…?) い、いやまぁ、変な質問だったか。忘れてくれ」

菜々(あいさんの話を受けて、なんとなく世間話として振ったつもりなんでしょうけど…本当にこの人は…)

433: 2014/01/18(土) 12:07:08.81 ID:h5++Adw9o

フレデリカ「んー」 ジロジロ

P「な、なんだよ…」

フレデリカ「フレちゃんとしては、プロデューサーはもうちょっと俺様ちゃんになってくれると嬉しいかなっ。たまには仕事以外でもリードして欲しい♪」

P「へ? いや、俺がどうこうじゃなくて…」

フレデリカ「でも、そんな風に気に掛けてくれたのは嬉しいよ。それじゃ、期待してるからねっ」

P「え、どういう事? ちょ、待ってくれ!」

フレデリカ「頑張ったら、ご褒美にチューしてあげる♪ それじゃ菜々もまたね♪ せしぼ~ん!」

P「だからそれも挨拶じゃねえから!」


────

───

──


434: 2014/01/18(土) 12:08:45.35 ID:h5++Adw9o

フレデリカ「んー」 ジロジロ

P「な、なんだよ…」

フレデリカ「フレちゃんとしては、プロデューサーはもうちょっと俺様ちゃんになってくれると嬉しいかなっ。たまには仕事以外でもリードして欲しい♪」

P「へ? いや、俺がどうこうじゃなくて…」

フレデリカ「でも、そんな風に気に掛けてくれたのは嬉しいよ。それじゃ、期待してるからねっ」

P「え、どういう事? ちょ、待ってくれ!」

フレデリカ「頑張ったら、ご褒美にチューしてあげる♪ それじゃ菜々もまたね♪ せしぼ~ん!」

P「だからそれも挨拶じゃねえから!」


────

───

──


435: 2014/01/18(土) 12:09:46.27 ID:h5++Adw9o
──────────
>>434重複。
──────────

P「いつにも増して話を聞いてくれなかったな…」

菜々「流石に恥ずかしかったんじゃないですか? 顔赤かったし、最後の方だんだん早口になってましたし…」

P「うーん、考えてみればいきなり恋愛観について聞くなんて、セクハラだよな。悪い事したなぁ、ちょっと気をつけないといかんな」

菜々「他にもっと気をつける事があると思うんですけど……」


439: 2014/01/30(木) 17:28:36.48 ID:M5kZ8a2Co

 ガチャッ

莉嘉「おはよーPくんっ!☆」

 ダダダドカッ

P「ぐぇ」

美嘉「ちょっと莉嘉、なに抱きついてるの!」

P「げほっ、げほっ……だ、抱きついてたのか……鳩尾に頭突きしてたのかと思った…(涙目)」

莉嘉「いーじゃん! ねーねーPくん、今日のア・タ・シ☆ いつもと違くない?」

P「お、おはよう莉嘉。あと美嘉も。……えー……っ…と?」

美嘉「おはよ、プロデューサー。菜々さんも★」

菜々「おはようございまーすっ」

440: 2014/01/30(木) 17:30:04.55 ID:M5kZ8a2Co

莉嘉「えー、分かんないの~? もぉー、もっと良く見てよ。ほら、ねっ? ねっ?」 チラッチラッ

P「え、ええー……。あ、ピアス…? 新しい奴だよな、それ」

莉嘉「うんっ! お姉ちゃんが買ってくれたんだっ☆」

P「お、おう。すごく可愛いぞ」

莉嘉「えへへっ☆ オトナっぽい?」

P「ああ、大人っぽいぞ。…ちょっと大人っぽすぎる気もするけど」

美嘉「アタシと同じのが良いって聞かなくてさー★」 チラッチラッ

P「そうなのか? でも、莉嘉なら自分の稼ぎで買えるんじゃ……」

莉嘉「分かってないなぁ、Pくんは! プレゼントだからいいのにっ」

美嘉「まー、今の仕事始めてからあんまり一緒に出掛けたり出来ずにいるからね。アタシのお金なんだし、別にいいでしょ?」 チラッチラッ

441: 2014/01/30(木) 17:30:37.23 ID:M5kZ8a2Co

菜々(美嘉ちゃんの『自分のピアスも褒めて』アピールがすごい…)

P「あー…それでか」

莉嘉「?」

P「まあ、そうだよな。良かったな莉嘉、お姉ちゃんにプレゼント貰えて」 ナデナデ

莉嘉「うんっ」

P「で、ファミリアツインの歌うオールディーズに期待しちゃっていいのか?」 ナデナデ

莉嘉「うんっ!☆」

菜々(そしてPさんのスルーっぷりがひどい……)

莉嘉「それじゃPくんを夢中にさせちゃうよーっ! いこっ、お姉ちゃんっ☆」

美嘉「う、うんっ。それじゃ期待しててよ、プロデューサー★」



442: 2014/01/30(木) 17:31:41.15 ID:M5kZ8a2Co


 トボトボ


P「あー、美嘉」

美嘉「! ──な、なに?」

P「美嘉のピアスも似合ってるぞ。うん」

美嘉「──っっ!!(////)」


────

───

──


443: 2014/01/30(木) 17:32:10.05 ID:M5kZ8a2Co

菜々「Pさんって、時々ひどくジゴロですよね」

P「え、今ジゴロって言うのか…? っていうか、いきなり酷いな。菜々は時々ひどく毒舌だよな」

菜々「な、ナナの事はいいんですっ! 美嘉ちゃんのピアス、気づかないフリして去り際に褒めたりとか、そういうところですよっ」

P「あー、それかー」

菜々「美嘉ちゃん、すごい嬉しそうでしたね」

P(最初に気づいて、言うタイミングがなかっただけなんだけど黙ってよう…)

菜々「あ、あと。それでか、ってどういう意味なんですか?」

P「ん? あぁ、大した事じゃないんだけどさ……」

菜々「い、言いにくい事なら別に…」

P「そう言う訳じゃないんだが、ぶっちゃけ、あいつらのギャランティってさ、サラリーマンの俺の収入を軽く超えてるわけ」

444: 2014/01/30(木) 17:32:47.01 ID:M5kZ8a2Co

菜々「今やひっぱりだこですもんね、ファミリアツインもそうだし、二人別々でも」

P「だから俺みたいな貧乏人にたからなくても、いくらでも自分で好きな物買えばいいのになあって。思うんだが、事ある毎にやたら寄り道したがって、その度小物ねだられるんだよな」

菜々「え、そ、そうなんですか!?」

P「おう、そうなんです。でもまぁ、プレゼントが嬉しいって事なら、まあ納得かなと」

菜々「ほ、ホントにそれだけだと思ってるんですか!?」

P「え……なにその、二人だけだと思ったら大間違いだ的な宣言…。まあでも、飯とか飲みとか、あとそんな高くない物でよかったら歓迎だぞ。不思議ではあったけど嫌ではなかったし」

菜々「……Pさんてジゴロじゃなくてただの天然ですね」

P「え、ひどくない…?」



445: 2014/01/30(木) 17:34:07.08 ID:M5kZ8a2Co

■ファミリアツイン(城ヶ崎美嘉&莉嘉) Since Yesterday

http://www.youtube.com/watch?v=x7QPBzAJ_io



 目を閉じて 思い出してみて あなたがしまい込んでしまった思い

 今日が終わる時 明日なんて来なければいいって きっと思うから



 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと



 全てが終わった時 あなたがまだそこにいるなら

 あたし言わなきゃいけないかも そう思うと怖いの

 あなたはもう 昔のあなたじゃない って



446: 2014/01/30(木) 17:34:38.90 ID:M5kZ8a2Co

 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと



 もう終わりなのかな 多分そうだね

 叶えたい願い たくさん あったけど

 もう何も欲しくない



 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと


 あたし達の心にあるのはもう 昔の思い出だけだってこと


────
──


447: 2014/01/30(木) 17:35:19.92 ID:M5kZ8a2Co

P「ストロベリー・スウィッチブレイドか。親御さんの趣味かなぁ」

菜々「すごく可愛らしいのに、すごく切ない歌詞ですね……」

 スクッ

菜々「? Pさん、どうしたんですか? 急に立ったりして」

 バターン! バタバタバタドカッ

莉嘉「ねーねーどうだったPくん!」

美嘉「こーら莉嘉! また莉嘉ばっかり!」

P「お、おう、すごくよかったぞ!」

菜々(鳩尾をガードしてる…よほど痛かったんですね…)

448: 2014/01/30(木) 17:36:02.74 ID:M5kZ8a2Co

莉嘉「えへへー☆ でしょーっ? お姉ちゃんと練習したもん!」

P「そういや二人はどうしてあの曲を選んだんだ? ストロベリー・スウィッチブレイドなんて、なかなか聞く機会もないだろ」

莉嘉「ママが好きだったんだって!」

美嘉「丁度流行ってる時は子供だったからー、って悔しがってた」

P「二人が歌ったのは84年リリースの曲だな。菜々なら当時のこと分かるんじゃないか?」

莉嘉「ホント!? 菜々ちゃんいいなー!!」 キラキラ

美嘉「え、流石に生まれてないっしょ。だって菜々さんて確か……」

菜々「わー!わーわー! 84年って、30年前じゃないですか! ホントに生まれてないですっ!」

莉嘉「『ホントに』…?」 キョトン

菜々「な、ナナはホントに永遠の17歳でーすっ!キャハッ♪」

莉嘉「?」

449: 2014/01/30(木) 17:36:41.53 ID:M5kZ8a2Co

菜々「そ、それより! 切ない歌詞ですよねっ。すっごく大人っぽかったですよ!」

莉嘉「ホントっ? あ、でもアタシ英語わかんない…どんな内容なの?」

P「ああ、中学入ったばっかりの英語力じゃ難しいよな。うーん、別れを前にした恋人の歌かな」

莉嘉「なんでっ!? 邪魔するヤツがいるの? それともどっちかが氏んじゃうとか?」

P「いや、そういうんじゃなくてさ、気持ちが離れて関係が終わるんだ。だからどうしようもないんだけど、好きだった頃の思い出はある。それが切ないんだよ」

莉嘉「なんで……。好きだったら、ずっと好きだったらいいじゃん…」

美嘉「そう言う事もあるんだよ。飽きたり、飽きられちゃったりね。莉嘉も大きくなったら分かるかもね」

莉嘉「アタシはだいじょーぶだもんっ! アタシ飽きたりしないし、Pくんをユーワクして、ずーっとトリコにしちゃうもん!」

P「え、なんで俺…? けど、ラジオ(CDドラマね)の時みたいなのは駄目だぞ」

莉嘉「あ、あれはお姉ちゃんの漫画に……」

美嘉(え、駄目なの……?)

450: 2014/01/30(木) 17:37:55.23 ID:M5kZ8a2Co

P「駄目だ。ああいうのは手っ取り早く盛り上がるけど、すぐ冷めて重たくなるテンプレコースだ」

莉嘉「うぅ~~ ……助けてお姉ちゃ~んっ」

美嘉「えっ」

莉嘉「えっ?」

美嘉「あ、あああアタシなら確かにプロデューサーをユーワクするぐらいヨユーだけど…」

莉嘉「ホントっ!? じゃあ教えて! はいこれっ☆」

P「人をこれとか言うな! って、え? 今ここでやるの?」

菜々(どうしていつもコントが始まるんだろう…)

美嘉「よ、ヨユーだけど、プロデューサーにはちょっと刺激が強すぎるかなぁって★ ケモノになって襲われちゃうしっ」 アセッ

P「はあ……そういうのは家でやってくれよ…まあいいか…。よしこい」

美嘉「えっ、えっ」

451: 2014/01/30(木) 17:38:31.99 ID:M5kZ8a2Co

P(…なんかテンパってるな。美嘉って慣れてそうなのに、恋愛ネタと工口ネタ振られると弱いなぁ)

美嘉(ど、どうしよ…漫画は駄目って、どうすれば……) アタフタ

P(美嘉もいつか好きな奴が出来て、誘惑とかするのかな。…いや、こんな綺麗な子なら、黙ってても向こうから来るだろうな。娘を嫁に取られるってこんな気分かなぁ)

美嘉(す、すごい見られてる……。顔、熱い……) アワワワ

P(気まずい……)

P「あー、まだか?」

莉嘉「やばいよお姉ちゃん! Pくん飽きてるよ!?」

美嘉「え、えっ? 待っ…」 ポワンポワンポワン

452: 2014/01/30(木) 17:39:09.42 ID:M5kZ8a2Co



 ──想像上のP「俺達、そろそろ潮時だよな。終わりにしないか?」

   ──想像上のP「今だから言うけどさ。お前、正直重いんだよ」


  ──想像上のP「あーあ、なんでお前みたいなつまんない奴スカウトしちゃったんだろうな……はぁ…」



453: 2014/01/30(木) 17:39:51.19 ID:M5kZ8a2Co

美嘉「や、やだ……」

P(なんだかすごい失礼な想像をされてる気がする)

美嘉「プロデューサー…」 ジワッ

P「!?」

美嘉「ぷ、プロデューサぁ……」 ウルウル

P「み、美嘉っ!」 ギュッ

美嘉「ふぇっ!?」

菜々「はぁぁぁ!?」

莉嘉「やったー!!」

P「だ、大丈夫だぞ! 俺ずっと美嘉のトリコだからなっ。なっ?」 ギュウウゥ

454: 2014/01/30(木) 17:40:49.03 ID:M5kZ8a2Co

美嘉「プロデューサー…──うん……」 ギュッ

莉嘉「ホントにPくんをユーワクしちゃった! やっぱりお姉ちゃんすごいなー☆」 キラキラ

P「落ち着くまでこうしてるからな?」

美嘉「うん…」


莉嘉「……」 キラキラ


P(とはいったものの…)

美嘉「~♪」


莉嘉「………」


P「あの、美嘉……そろそろ落ち着かない?」

美嘉「落ち着くわけないよ……アタシさっきからずっと、ドキドキが止まらない…」

P(えぇ~~…)


莉嘉「…………」 イライラ


莉嘉「もーお姉ちゃんばっかりずるーい! Pくんアタシも! アタシもギュッてするの!」

455: 2014/01/30(木) 17:41:38.21 ID:M5kZ8a2Co

美嘉「へ? あっ…」 パッ

莉嘉「Pくん次アタシ! アタシもー!」

P「悪いな莉嘉、これは一日に二回使うと寿命が十年縮むとても危険な技なんだ」

莉嘉「ううー! ずーるーいー!」 ジタバタ

莉嘉「いーもん! アタシもPくんをやりかた教わったから、今度から自分でユーワクするもん!」

美嘉「り、莉嘉にはまだ早いって★」

莉嘉「早くないもん! 莉嘉だってJCだもん! お姉ちゃんのバカーっ!」


────

───

──


456: 2014/01/30(木) 17:42:40.87 ID:M5kZ8a2Co

P「なんだかんだ言って仲良いなあの二人は」

菜々「喧嘩したと思ったら次の瞬間には仲良くしてますもんね。帰る時も一緒だし」

P「あれが姉妹ってやつなんだろうなぁ。それにしても…なんかホントに寿命が十年縮んだ気がする」 グッタリ

菜々「自業自得ですよっ。いきなり人前で抱き合うとか、何考えてるんですか!?」

P「だってさぁ、美嘉の潤んだ目を見たら体が勝手に……あれがホントのユーワクなんだな…如何なおのこが耐えられようか…」

菜々「かっこつけて言っても駄目ですっ! 街中でやられても抱きしめるんですか!?」

P「ははは、ないない。そんな事したらアイドル生命断たれちゃうからな、美嘉だってこんなしょぼくれプロデューサーからかう為に自分のキャリアを危険に晒したりしないよ」

菜々(既成事実をいつでも作れるって事だと思うんですけど……)

P「まーでも、アイドルが嫁さんとか、全男児の夢だよなぁ。ありえないけどさ」

菜々「え……嘘…ですよね?」

457: 2014/01/30(木) 17:43:14.98 ID:M5kZ8a2Co

P「ん、なんか変な事言ったか?」

菜々「アイドルがお嫁さんはありえないって…」

P「アイドル達が俺なんか相手にしないさ。……職場内結婚とかしてる友達はいるけど、アイドル以外の同僚ってちひろさんしかいないしなぁ」

菜々「そ、そんな事ないと思いますけど……」

P「それ以上いけない。俺も最低限の職業倫理だと胸に刻んで、鋼の決意をしてるんだよ…そうでなきゃ、アイドル全員に恋してると言っても良いような俺だぞ、絶対なんかイタい事やらかしてる」

菜々「う、うわぁ……そういう告白は聞きたくなかった…。それじゃ、アイドルである限りPさんが振り向く事はないと……」

P「まあそうだな…なんかすごい自意識過剰な感じがして嫌だけど」


~~~~~


ちひろ「よしっ」 グッ

鬼「? どったのちっひー」

ちひろ「勝利を確信しました! プロデューサーさんのお嫁さんポジはイタダキです!」

悪魔「次、ちひろちゃんの番だよー」


~~~~~


458: 2014/01/30(木) 17:43:49.92 ID:M5kZ8a2Co

菜々「ぴ、Pさん、それ、絶対誰にも言っちゃ駄目ですからね!?」

P「い、言う訳ないだろそんな情けない事……」

菜々「言ったら引退ラッシュで事務所潰れますからね!? 絶対駄目ですからね!?」

P「フリですかね?」

菜々「フリじゃねーよ!」


────

───

──


459: 2014/01/30(木) 17:44:21.51 ID:M5kZ8a2Co

頼子「あの、おはよう…ございます」

P「ん、おぉ。おはよう、頼子」

菜々「おはようございまーすっ」

P「頼子って隠れた名曲いろいろ知ってそうだよな。これは期待しちゃうな」

頼子「……そんな事ない、から。プレッシャー掛けないで…いじわるな人」

P「はは、すまんすまん。なんとなくイメージでそうなのかなー、とな?」

頼子「……少しは、聞くけど。それだけだから…」

P「聞きはするんだな。隠れた名曲とかそういうのは言葉の綾だからさ、頼子の好きな曲を聞かせてくれよ」

頼子「……うん」 コクリ


────

───

──


460: 2014/01/30(木) 17:46:26.31 ID:M5kZ8a2Co

菜々「頼子ちゃんとは、よく話すんですか?」

P「ん? ああ、そりゃアイドルとコミュニケーション取るのは、プロデュース業の基本だからな」

菜々「それはそうですけど。あまり事務所にいないし、いても難しそうな本を一人で読んでて、話す機会がないから…」

P「普段は美術館とか博物館を廻ってるからな。確かに口数多い方じゃないけど、話してみると面白いぜ。知識欲旺盛で、物知りだから話題豊富だしな」

菜々「そうなんですか? 次に事務所で見たらお話できたらいいなっ♪」

P「古いこともたくさん知ってるから、話合うんじゃないか?」

菜々「な、ナナの知識べつに古くないもん!」



461: 2014/01/30(木) 17:47:51.53 ID:M5kZ8a2Co

■古澤頼子 What a Wonderful World



 木々の緑 花々の赤

 萌え咲きほこる 私と貴方の為に

 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って



 青い空 白い雲

 輝かしい祝福に満ちる昼 優しく侵しがたい闇に覆われる夜

 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って



462: 2014/01/30(木) 17:48:31.16 ID:M5kZ8a2Co

 空に輝く 美しい虹

 道を行き交う人達にも 輝いている


 友人同士が手を取り合い 挨拶を交わす

 言葉にはしないけど 愛してるって 言い合ってるのね



 赤ちゃんの泣き声 この子が大きくなる様を見守ろう

 この子はたくさんの事を学ぶだろう 私なんかが知ってるよりも ずっと多く



 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って

 そう 私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って


────
──


463: 2014/01/30(木) 17:49:06.49 ID:M5kZ8a2Co

P「いいチョイスだな。サッチモの代表曲の一つだ」

菜々「いい曲ですね…。……うーん、他に言葉が出てこない…本当に、いい曲です」

P「68年の曲だそうだ。ベトナム戦争の厭戦ムードもあったんだろうけど、そんなのはどうでもいいって思っちゃうよな」

頼子「……68年はヒットした年…発表はその前年です」

P「おっと、おかえり。そうなのか、流石詳しいな」

頼子「知識として…知っているだけだから」

菜々「それでも凄いですよっ! ナナ、感心しちゃいました♪」

頼子「……ありがとうございます。でも、知識は知識だから……」

頼子「……自分の世界に籠もっていた私を、Pさんが連れ出してくれたおかげで、世界がどんなに美しいかを本当に知る事が出来たんです」

P「そ、そんな持ち上げられるような事はしてないと思うが…」

464: 2014/01/30(木) 17:49:45.03 ID:M5kZ8a2Co

頼子「経験は人生を豊かにしてくれます…本や絵画だけ見ていても、そこに込められた本当の美しさを知るには足りない…」

P「それは一理ある気がするな。そうか、この選曲は、頼子自身の経験にも絡めてあるんだな」

頼子「…貴方がいれば…どこへでも行ける…。Pさんの心…手に入れる事が出来たら、私は何だって出来る…」

P「ははは、頼子は言う事がいちいち詩的だな。よし分かった、今度の日曜でいいか?」

頼子「……うん」

菜々「!?」


────

───

──


465: 2014/01/30(木) 17:51:00.10 ID:M5kZ8a2Co

菜々「…なんだかすごい事言われて軽々しく約束してた気がしたんですけど、大丈夫なんですか?」

P「ん? 何の話だ?」

菜々「心を手に入れる事が出来たら……とか」

P「ああ。蘭子の言い回しと一緒だよ、前々から美術館に行かないかって誘われててさ。展示がもうすぐ終わるから、急かしてくれたんだろ」

菜々「ら、蘭子ちゃんの時と一緒…? た、確かにそう考えればPさんの軽い対応も納得ですけど…」

P「気になってる展示だったからなぁ。週末が楽しみだ…そうだ、菜々も行くか? 何か掴めるかも知れないぞ」

菜々「いいい行きませんよ!? デートに別の女の子誘うなんて何考えてるんですか!」

P「は? デート? ……菜々、ちょっと少女漫画の読み過ぎなんじゃないか?」

菜々(なんでナナがおかしいみたいな話になってるんでしょう……)

P「…まあいいや、菜々が興味ないなら、他の連中にも声掛けてみるかな~っと」



※おまけ:個人的にわりと好きなロッド・スチュアートによる歌唱
http://www.youtube.com/watch?v=8gAq5itf1yM


470: 2014/02/05(水) 21:01:13.65 ID:Nz+0CwUho

 コンコン

P「ん、ノック? はーい?」

 ガチャ

ちひろ「ああ、ここで良かったんですね。おつかれさまです」

菜々「おつかれさまでーすっ」

P「あれ、ちひろさん? 何か問題です?」

ちひろ「あ、いえ。そういうわけではなくて…」

薫「せんせーっ!」

 ボフン!

P「うおっ…お、おお。薫か」

471: 2014/02/05(水) 21:01:56.80 ID:Nz+0CwUho

薫「うんっ! おはようございまーすっ!!!」

P「はい、おはようございます。っと、薫を案内してくれたんですね」

ちひろ「あ、えぇ、まぁ……」

P「?」

P(他に何かあるのかな……)

薫「せんせぇ!せんせぇ! かおるね、英語のお歌いーっぱい練習したよ!」

P「お、おお、そうか。えらいなー」

薫「えへへ…それじゃ歌ってくるね!」

P「ああ、頑張ってな」

薫「うんっ! いてきまーっ!」

472: 2014/02/05(水) 21:03:05.19 ID:Nz+0CwUho

P「いってらー」


────

───

──


P「…薫は柔らかくていいなぁ。みんな薫みたいだったらいいのに…」

ちひろ「!? ぷ、プロデューサーさん何言ってるんですか!?」

P「へ? ああ、変な意味じゃないですよ…もっと大きい子になると力も強いから、全力で抱きつかれると痛くて…」

菜々(そういえば莉嘉ちゃんに全力で抱きつかれて悶絶してましたね…)


473: 2014/02/05(水) 21:05:08.99 ID:Nz+0CwUho

■竜崎薫 Teacher's Pet

http://www.youtube.com/watch?v=k2c4g2THWHo



 せんせぇのペット!

 かおるね、せんせぇのペットになりたいな!

 ぎゅーってしてもらって ずーっと近くにいたいの!

 (あら Pくん、薫ちゃんが得意な科目は それみたいよ?)



 せんせぇの自慢!

 かおるね、せんせぇの自慢になりたいな!

 デートしてね みんなに見せつけて かおるが一番になりたいの!

 (ウフフ その為には、たくさんお勉強しないといけないわね)


474: 2014/02/05(水) 21:05:38.13 ID:Nz+0CwUho


 かおるね、せんせぇのお口から教わる事は 全部習いたいな!

 まずはね…えへへ お口でキスを教わりたいの!

 (あらあら 本気なの?)



 しゅくだいが出ても かおるだいじょーぶだよ!

 そつぎょーしたら せんせぇのおよめさんになるんだもん!

 (お嫁さん、ねぇ)


475: 2014/02/05(水) 21:06:06.73 ID:Nz+0CwUho


 せんせぇのペット!

 かおるね、せんせぇのペットになりたいな!

 あのね そつぎょーしょーしょを持って帰って ママに見せてあげたいの!

 それにはね せんせぇが かおるの事 奥さんにしますーって書いてあるの!


 そしたらね かおるね

 ずーっとせんせぇのペットでいられるね!

 (それにしても、ふぅん? 先生のペットねぇ…)


 (Pくん この子、貴方が大好きみたいよ?)



────
──


476: 2014/02/05(水) 21:07:16.21 ID:Nz+0CwUho


P「」

ちひろ「」

菜々「……」

ちひろ「あ、あの…プロデューサーさん…? まさか…」

P「ち、違いますよ!? 俺が教えたんじゃありません!」

菜々「本当ですかぁ?」 ジトーッ

ちひろ「あやしいです……」 ジトーッ

P「な、なんですか二人とも、その目は!?」

薫「せんせぇー! どうだった? かおる可愛かった?」

P「か、薫! あの歌は誰に教わったんだ? 自分で選んだんじゃないよな? なっ?」

477: 2014/02/05(水) 21:07:44.18 ID:Nz+0CwUho

薫「えっ? あ、あの……ホントはれーこさんに教わったの……ごめんなさい…」 シュン

P「あンの雌狐が…ッ! 合いの手が聞こえる気がしたのは礼子さんの入れ知恵だからか!」

薫「かおるが自分でさがさないとダメだった? ……せんせぇ、かおるズルしてごめんなさい…」 ジワァ

P「あ、全然駄目じゃないぞ! お歌もすごくよかったし、知らない事を教わるのは良い事だから!」 アセッ

薫「でも…」

P「先生こそ大声出してごめんな? な?」 ナデナデ

薫「せんせぇ怒ってない…?」

P「怒ってないさ! 薫が素敵な歌をうたってくれて、むしろ大喜びだから!」 ナデナデ

薫「えへへ… やったぁ!」 パァァ

菜々(やっぱり口リコンなんじゃ…)

ちひろ(間違いないですね…)


478: 2014/02/05(水) 21:10:00.41 ID:Nz+0CwUho


薫「あのね、せんせぇ」

P「ん? なんだい薫」

薫「このお歌、どういうお話なの?」

P「」

薫「れーこさんがね、これならせんせぇが喜んでくれるって。ないよーはせんせぇに聞きなさいって」

P「そ、そうだな。えーっとだな、1958年のアメリカ映画でだな……。クラーク・ゲーブルっていうかっこいい俳優と、ドリス・デイって人が出てくるんだ」

薫「えーがじゃなくて、かおるが聞きたいのは……」

P「そのドリス・デイがこの歌を歌ったんだよ。曲名も映画と同じ、『先生のお気に入り』でさ」

薫「! そうなんだ! それで? ねぇ、せんせぇそれで?」

P「学校にちゃんと通えなかったけど、叩き上げで世の中の事をよく知ってる新聞記者が、これからは教養がないとダメだって言われて夜間の学校に通い始めるんだが…」

479: 2014/02/05(水) 21:10:30.23 ID:Nz+0CwUho

P「そこの先生が、育ちが良くて教養もある代わりに、世間知らずなお嬢様なんだよ。まるであべこべな二人だから、最初は喧嘩したり、仲が悪いんだ」

薫「喧嘩しちゃうの!? せんせぇの言う事聞きなさいってママに言われてないのかな」

P「いい歳した大人だし、新聞記者ってのは『本当にそれが正しいのか?』って問いかけるのも仕事だからな。……まあでも、色々あって、結局仲良くなるんだよ」

薫「ほんと!? よかったー…」

P「その映画の主題歌が、薫が今歌ってくれた『先生のお気に入り』というわけだ。分かったか?」

薫「うんっ!」

菜々(結局歌の内容は教えてない気がするんですけど……)

ちひろ(薫ちゃん、すっかり丸め込まれて……)


480: 2014/02/05(水) 21:10:58.32 ID:Nz+0CwUho


P「あ、そうだ。ちひろさん?」

ちひろ「なんですか?」

P「他に何か用があったんじゃないですか?」

ちひろ「! え、いえ、その、確かにないわけではないんですけれども……」

P「? あるって事ですよね?」

ちひろ「ま、まぁ大した用事じゃないので…」 モジモジ

P「薫知ってるか?」

薫「あのね、ちひろさんも歌いたいんだって!」

ちひろ「か、薫ちゃん…!?」

P「おぉ、マジですか。歓迎ですよ!」

481: 2014/02/05(水) 21:11:27.59 ID:Nz+0CwUho

ちひろ「で、でも私アイドルじゃありませんし、歌もうまくないし…」

P「ははは、俺も歌わされましたから、全然問題ないですよ。むしろいつもの『エナドリ買わなきゃ貴様を取って食う!』ぐらいのノリでお願いします」

ちひろ「そ、そんな事思ってませんよ!?」

P「冗談ですよ。あんまり言い淀むから、なんかまたすごい告白が来るのかと思っちゃいましたよ」 ハハハ

ちひろ「こ……っ!?」

薫「ちひろさんせんせぇにこくはくするの!?」

ちひろ「ししししませんっ! しないからっ!」

菜々「ま、またって……以前そういう事が…?」

P「ん、おう。あの時のちひろさんの思い詰めた顔、未だに焼き付いてるな」

ちひろ「ああ悪質な冗談はやめて下さい! 薫ちゃんが信じちゃうじゃないですかっ!」

482: 2014/02/05(水) 21:12:29.93 ID:Nz+0CwUho

P「ははは、意地悪すぎましたね、すいません。でも、ちひろさんが計算ミスなんて珍しくて…その後徹夜で対応したのも良い思い出ですよ」

ちひろ「あ、なんだ……。って、それもナイショにして下さいって言ったじゃないですかっ! もうっ!」

菜々「告白ってそういう……」 ホッ

薫「せんせぇ! ちひろさんせんせぇにこくはくしたの!? ちひろさん、せんせぇの奥さんになるの!?」

P「まぁ、されたっちゃされたけど、薫が思ってるような告白じゃないからな。残念ながら奥さんになってくれないんだ」

薫「ほんとっ!? よかったぁ…。あ、でもね、かおるがおとなになるまでなら、奥さんになっててもいいよ!」

ちひろ「ぶっ!?」

P「おっ、じゃあ俺が大人になったら薫が奥さんになってくれるのか? 薫、それは略奪愛って言うんだぞぉ」 ハハハ

菜々「こどm ちひろ「子供に何教えてるんですか!?!?」

菜々(は、早い…!)


483: 2014/02/05(水) 21:12:57.83 ID:Nz+0CwUho


P「ところで話もどすんですけど、ちひろさん何歌ってくれるんですか?」

ちひろ「え、それはですね…その、昔から好きな曲で…」 モジモジ

P「恥ずかしいなら俺も歌いますよ」

ちひろ「そ、そんな……恥ずかしすぎですよ! そりゃ、一緒に歌ってくれたら素敵ですけど…」 ゴニョゴニョ

P「? そんな気負わなくても。アイドルのデビュー曲なんかも、本人が恥ずかしいからって時はよく一緒に歌ってますから」

ちひろ「そ、そうなんですか?」

P「ええ、きっかけはかな子の時なんですが、最近だと智絵里の『風色メロディ』とか、藍子の『お散歩カメラ』とかもやりましたよ」

菜々「そういえばナナの時も、振り付けまで一緒にやってくれて……」

P「歌はともかく振り付けは完璧だと思うんだけどなぁ。なんかみんなにきもいきもい言われるんですよね」

菜々「完璧すぎるからですよ!? 表情まで完璧なんだもん……」

484: 2014/02/05(水) 21:13:45.42 ID:Nz+0CwUho

P「みんなの為にやってるのに……。凛なんか未だに悔しがって恨み言言ってくるんだぞ、あいつの時はやってやんなかったから」

菜々「だからなんだって言うんですか…まぁ、感謝はしてますけど…」

P「そんなわけで、ちひろさんも踏ん切りつかないとかでしたら」

ちひろ「そ、そうですね…っ。一緒に歌うだけなら恥ずかしくないですよね!」

P「ある程度は。で、何歌うんです? ビートルズの『Money』あたり?」

ちひろ「違いますから!!」


────

───

──


485: 2014/02/05(水) 21:14:23.38 ID:Nz+0CwUho


ちひろ『はいっ、プロデューサーさん! マイクですっ』

P『え、いや、たくさんありますから別に……』

ちひろ『だーめーでーすっ。ね、はいっ♪』


薫「ちひろさんすごいうれしそーだねー!」

菜々「あれはもうハイになってますね…きっとPさんとお歌うたいたかったんですね」

菜々(なんでマイク1つで歌うんだろう……なんかもう、スナックのカラオケにしか見えない…)


486: 2014/02/05(水) 21:14:52.93 ID:Nz+0CwUho

■千川ちひろ Wouldn't It Be Nice

http://www.youtube.com/watch?v=lD4sxxoJGkA



 早く時が過ぎればいいって 思いませんか?

 こんな風に待つ必要なんてなくて そして

 二人で世界を共有して 一緒に暮らしたら素敵だなって ね?


 ねえ、プロデューサーさん きっとすごく素敵ですよ

 おやすみなさい って言った後も ずーっと一緒にいるんです



487: 2014/02/05(水) 21:15:19.89 ID:Nz+0CwUho

 一日が始まって 一緒に起きるのって 素敵じゃありませんか?

 一日一緒に仕事をしたのに 帰ったらもっと近くに寄り添うんです

 一晩中ずっと


 幸せな日々を共に過ごすんです

 優しいくちづけの一つ一つが 永遠に続くみたいな

 きっと素敵だろうなぁ



488: 2014/02/05(水) 21:15:47.19 ID:Nz+0CwUho

 もしも私たちがそう望んで そうなりますようにってお祈りしたら

 もしかしたら ねえ、プロデューサーさん? 叶わない事なんてないんじゃないかしら

 私たち結ばれて 幸せな結婚式を挙げるの


 ね、素敵だって思いません?



 なんだかこんな事ばかり話していたら そんな気がしてきちゃいますね

 それしか考えられなくなっちゃう でも、こういう話をもっと沢山したいです

 だって 素敵じゃないですか?


────
──


489: 2014/02/05(水) 21:19:00.90 ID:Nz+0CwUho

P「ふー、やっぱりビーチボーイズはいいなぁ」

薫「せんせぇ、おかえりーっ!」

P「おう、ただいま」

菜々「ちひろさんも、おかえりなさいっ♪」

ちひろ「なんだかお耳汚しで……(//////)」

P「そんな事ないですって! なぁ?」

薫「うんっ! ちひろさんかわいかったー!」

菜々「Pさんとのハモりも息がぴったりで、すごい素敵でしたよっ」

P「はー、ちひろさんが事務じゃなかったら絶対スカウトしてるのになぁ」

ちひろ「またそんないい加減な事言って! あんまりからかわないで下さいよっ(////)……そ、その気になっちゃうじゃないですか…」 ゴニョゴニョ

490: 2014/02/05(水) 21:19:27.92 ID:Nz+0CwUho

P「いやいやいや、いい加減じゃないですって。事情が許すなら、ちひろさんのご実家まで押しかけて土下座してるとこですよ」

薫「せんせぇ、やっぱりちひろさんとけっこんしちゃうの!?」

P「ん? あぁいや、ご家族や保護者の同意なしってワケに行かないからさ。お願いしに行く事はわりとあるんだよ。言われてみれば似てるな」

薫「せんせぇ! かおるも? かおるの時も、かおるをくださいーってどげざした!?」

P「土下座はしなかったなー。っていうか、薫もその時いたろ?」

薫「そうだった……」

P「薫の時はむしろ親御さんが乗り気だったからなぁ。土下座なんて滅多にしないよ」

菜々(滅多に、って事は無いわけではないんですか?) ヒソヒソ

ちひろ(私の知る限り、千秋ちゃんと忍ちゃんの時はご両親の前で土下座したらしいですよ) ヒソヒソ

菜々(ほ、ホントにあるんですね…)

491: 2014/02/05(水) 21:20:14.96 ID:Nz+0CwUho

P「まあでも、ちひろさんの時は土下座しないと駄目そうだなぁ。『お義父さん! ちひろさんをボクに下さい!』…なーんちゃって」 ハハハ

ちひろ「!?──ッッ!?!?(//////)」 カァァァ


────

───

──


P「痛てて……まさか引っぱたかれるとは思わなかった…」

菜々「それで済んだ事に感謝するべきですよ…」

P「そんなに嫌だったのかなぁ、アイドル。実現するかはともかく、ちひろさんもまんざらじゃないと思ってたんだけどなぁ……あんな耳まで真っ赤にして怒るとは」

菜々「怒ってはなかったと思いますよ?…口元にやけてましたし。というかそこじゃない気が…」

P「えっまじ? まー、怒ってたら帰りしなにスタドリ1ダースくれたりしないもんなぁ。照れ隠しかなぁ」

菜々(なんでスタドリ……意外と攻められるともろいんですねちひろさん…)

497: 2014/02/14(金) 03:10:31.41 ID:1YaacClQo

 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”


P「な、なんだ? 子供でも来てるのか?」


 ┣”┣”┣”├”├”├”├”ドドドドドドド……


菜々「通り過ぎていきましたけど…」


 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”

 バーン!!


茜「おっはよーございまーーっす!!」

498: 2014/02/14(金) 03:11:23.93 ID:1YaacClQo

P「あ、あぁ……なるほどそう言う事か…」

菜々「茜ちゃんだったんですね…おはようございますっ」

茜「? 何がなるほどなんですか?」

P「い、いや、何でもない。おはよう茜」

茜「はいっ! おはようございまーすっ!!」

P「うんうん、今日も元気だな。でも廊下は静かにな」

茜「あ、そうでした!! はいっ、全力で気をつけますっ!!」

P「よーし、その意気だ」

菜々「どうして一度通り過ぎて戻って来たの?」

茜「あっ…えへへ…! 走るのに夢中で気づきませんでしたっ!!」

499: 2014/02/14(金) 03:11:55.09 ID:1YaacClQo

P「まあ、前方と足元と車に気をつけてくれればいいよもう。それで、今日はどうした?」

茜「はいっ! オールブラックスを歌いにきました!」

P「オールブラックス…?」

菜々「オールディーズの事じゃないですか?」

茜「あ、そうでした! オールディーズを歌いにきました!」

P「おっ、そうなのか。よし、期待していいかな」

茜「はいっ!!任せて下さい!!!」



500: 2014/02/14(金) 03:12:31.63 ID:1YaacClQo

■日野茜 Macho Man

http://www.youtube.com/watch?v=AO43p2Wqc08


 ボディ! 私のボディ感じたいですか!!

 うううう~~! わくわくしちゃいます!!

 私のボディ触りたくないですか!?

 最強じゃないですか!! もっと良く見て下さい!!!

 まさか…疑ってるんですか!? 私のボディの話ですよ!!

 ほら!もっと良く見て下さい!!!


501: 2014/02/14(金) 03:12:59.48 ID:1YaacClQo


 マッチョマンはみんなの憧れ!

 常に求められるムキムキマッチョボディを作りましょう!!

 それにはまず毎朝ジョギングです!!

 ジムに通っていい汗かきましょう!!

 はぁはぁ…なんだか筋肉がついてきた気がします!!

 マッチョマンなら信じられますね!!

 ついてきて下さい!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!?



502: 2014/02/14(金) 03:13:35.56 ID:1YaacClQo



 ボディ! なんだか体が熱くなってきました!!

 見て下さい! 鍛え抜かれた!この!肉体!!(ペチペチ)

 はぁ…うっとりしちゃいます…

 ひょっとして私のボディ最高じゃないですか!?

 まさしく…神の与えし鋼のボディ!! どこまでも鍛えましょうっっ!!!



503: 2014/02/14(金) 03:14:05.05 ID:1YaacClQo


 マッチョマンは歩き方ですぐ分かります!

 ラガーシャツにヘッドギア! そして筋肉!!

 まさに!王者の!!風格!!!

 マッチョマンなら信じられますね!!

 王者は派手に着飾らないっっ!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!? ファイヤーーーーーッ!!!



504: 2014/02/14(金) 03:14:37.06 ID:1YaacClQo



 ボディ! 私のボディ感じたいですか!!

 さあ行きましょう! わくわくしちゃいますね!!

 ボディ! 好きな食べ物はファンクです!!

 うううう~~何だか体が熱くなってきちゃいました!!!

 熱い!! 筋トレしたい!!!



505: 2014/02/14(金) 03:15:08.20 ID:1YaacClQo



 みんなでマッチョになりましょう!!

 何があっても筋肉さえあれば負けません!!!

 個性! 信念!! 腕力!!! 闘魂!!!!

 まさに生きた鋼っっ!!!!

 彼を信じずして誰を信じると言うのか!!!

 今!リングに立つっ!!神と見紛うその姿ぁぁぁぁぁぁっっ!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!? ファイヤーーーーーっ!!!


────
──


506: 2014/02/14(金) 03:15:41.16 ID:1YaacClQo


菜々「すっごい楽しそうに踊ってましたね」

P「よりによって村人かよ……」

菜々「え、何ですか? ムラービト…?」

P「ビレッジピープルっていうグループの曲なんだよ。直訳して村人」

菜々「あ、あぁ! なるほどっ! でも、どうしてよりによってなんですか?」

P「ビレッジピープルは、ゲイを前面に押し出したグループでさ」

菜々「え、そ、そうなんですか…!? なんで茜ちゃんが…」

P「ゲイってのはそれまで社会からネガティブな認識しか持たれてなかったんだよな。それを面白おかしく茶化す形でグループのイメージに使ったんだよ」

P「真剣にゲイやってる人たちからすれば、馬鹿にされてると感じた部分もあったろうけど、日陰に隠れていたゲイを日なたの存在に押し上げたって側面もあって、そこは素直に評価して良いと思う」

菜々「そんな人たちがいたんですね……ナナ、知りませんでした」

507: 2014/02/14(金) 03:16:14.35 ID:1YaacClQo

P「菜々もヤングマンぐらいは知ってるんじゃないか?」

菜々「西城秀樹さんのですか? 知ってます! ……あ、さすがにナナが生まれる前の歌ですからね? これはホントですからね!?」

P「そこは疑ってないだろ……。あれの歌詞のあらすじ説明できるか?」

菜々「えっ? うーん……なんだかよく分からないけど、YMCAは素晴らしいから元気出せ一緒に行こう、って感じ…?」

P「そう。原曲にあったゲイ的なメッセージを削除してるから、なんだかよく分からない前向きさだけが残ってるんだ」

菜々「そ、そうなんですか? 原曲だと…?」

P「YMCA会館にはシャワーもベッドもあって、いい男達が沢山いるぜ。だからみんなで来いよ!って内容」

菜々「う、うわ……(//////) で、でもますます、どうして茜ちゃんがそんなグループの歌を知っているのか…」


 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”

 バーン!!


茜「どうでしたかっ? 一曲入魂全身全霊で歌い切りましたっ!!」

508: 2014/02/14(金) 03:17:12.03 ID:1YaacClQo

P「遅いと思ったらまた通り過ぎてたのか…。茜はあの歌、誰かに教わったのか?」

茜「はいっ! ラグビー部マネージャー時代、部活の先輩方に教わりましたっ!!」

P「えっ」

茜「思い出すなぁ。よくトレーニングしながらみんなで歌ってたっけ…」

P「せ、先輩方ってみんなそっち系の人だったりするのか…?」

茜「いえ! ほかにも色々歌っていました! クイーンとか、リッキーマーティンとか……いや~懐かしいなぁ! 思えばあれがあったから、アイドルの私があるのかもかもしれませんっ!!」

P(あかん、ガチだ…)

P「ラグビー部とは今でもつきあいがあるのか?」

茜「はいっ! …あっ、いえその……プロデューサーからは気をつけるように言われていたんですけど、オフの時は応援に行ったりしてました…」

P「ああいや、俺の杞憂だったようだからこれからは気にしないでくれていいよ」

509: 2014/02/14(金) 03:17:54.29 ID:1YaacClQo

茜「本当ですかっ!? いや~~、良かった!先輩方には妹のように可愛がって頂いていたので、これで少しでも恩返しができますっ!!」

P「ああ、ごめんな。アイドルになったら変な奴も寄ってくるからと思ったんだが、その先輩方なら茜は大丈夫だ」

茜「あっ、でも、妹と言えば……」

P「? どうした?」

茜「いえその、私がアイドルデビューした後入ってきた部員で、しつこく誘ってくる人がいて……」

P「なんだと!?」 ガタッ

茜「あ、もう解決したんです! 先輩方に相談したら、親身に怒ってくれまして。『俺たちの妹にちょっかい出す奴とノンケは我が部にいらない!』って言ってくれて」

P「お、おう…?」

茜「ノンケってなんでしょう! そういえばアイドルになったばかりの頃、先輩方がプロデューサーがノンケかどうか聞いてきた事があって、一度会わせてほしいと頼まれたんです」

P「ひぃっ!?」 ササッ

510: 2014/02/14(金) 03:19:05.14 ID:1YaacClQo

菜々(どうしてお尻をかばうんでしょう…?)

茜「私としては大賛成だったので、『大事な人だから是非私たちでおもてなししましょう!』って提案したんですけど、『妹の特別な人は可愛がれない』って、それから何も言われなくなりまして…」

 ガバッ

茜「ひゃっ!?」

P「ありがとう…! ありがとう茜! お前は俺と俺の括約筋の恩人だ…!!」 ギュウウ

茜「あ、あの、プロデューサー…? うううう~~~っ(////////)」 カァァァ


 ポッポー


511: 2014/02/14(金) 03:19:32.69 ID:1YaacClQo

茜「な、なんだか熱くなって、胸がドキドキしてきました!!!! か、風邪かもしれないので走ってきます!!」


 バターン

 ┣”┣”┣”├”├”├”├”ドドドドドドド……


────

───

──


512: 2014/02/14(金) 03:20:05.39 ID:1YaacClQo

菜々「茜ちゃん真っ赤でしたね…」

P「ああ、感激のあまり抱きついちゃったけど、不快だったかな…恩人に悪いことしたな」

菜々「もうなんでもいいですけど…」

P「それにしても、茜がいなくなったらやけに静かになったなぁ」

菜々「そうですねー」

 スン

P「んー」 スンスン

菜々「どうしたんですか?」

P「あーいや、菜々、小さい子の世話とかする?」

菜々「え、は? ききき急になんですかっ!? そ、それはナナは花の17歳ですけど、それなりに子供は好きというか…Pさんが望むなら……」

513: 2014/02/14(金) 03:20:43.58 ID:1YaacClQo

P「変な意味にとらないでくれよ? 俺さ、オフに甥っ子の面倒とかよく見させられるんだが、子供の匂い好きなんだよな」

菜々「」

P「なんなのかなぁ、あれ。さすがに事務所の子は女の子だからおおっぴらに言えないし、嗅がないけど、小さい子特有の匂いってなんかあるよな」

菜々「な、なんで急にそんな話を?」

P「いや、さっきからなんかその子供の匂いがする気がして…」

菜々「最後にきた小さい子って言うと、薫ちゃん…?」

P「いや、それが10分ぐらい前からなんだよな」

 ガタガタッ ガサッ

P「え、机の下……し、輝子!?」

輝子「」

菜々(輝子ちゃんが自分の頭と鉢植え抱えてうずくまってる…?)

514: 2014/02/14(金) 03:21:25.78 ID:1YaacClQo

P「い、いつの間に! いたのか輝子!」

輝子「フヒ…い、いましたけど……。10分前からいましたけど…」

P「10分前…? あ、なんだそういう事か」

輝子「く、空気ですけど…空気だから、匂いとかしませんけど…」

P「か、勘違いするな輝子。匂いのない人間なんていないし、輝子のは別にいやな匂いじゃないからな!」

輝子「ほ、ホント? ホントなら、う、嬉しいけど…フヒ」

P「ああ、むしろ好きだ!」

輝子「フヒッ!?」

P「なんかこう、この子の為なら命がけで頑張れるって気になる匂…」

輝子「ヒッ…!ヒャッハーーーー!! そ、それじゃ親友の為にい、一曲ファックしてやるぜぇ!!」 ガタッ

515: 2014/02/14(金) 03:21:55.32 ID:1YaacClQo

P「…子供ってすげえなぁ、これが父親になるって感じかなあ……って、思ったんだが」

菜々「…もう行っちゃいましたよ。絶対最後まで聞こえてないです」

P「うん…」

菜々(それにしても、完全に保護者の心境なんですね…)


────

───

──


516: 2014/02/14(金) 03:22:22.98 ID:1YaacClQo


P「あれ、キノコだよな……?」

菜々「あの鉢植えですか? 並べてますね……」

P「あー、ステージでは流石に持ち込ませなかったからなぁ。ホントはトモダチと一緒に歌ったりしたいんだろうな」

菜々「き、キノコと一緒にライブですか?」

P「ほっとくと、好きな場所に好きな物を持ち込んで一人で遊んでるような子だからな。ライブは気に入ってくれてるし、キノコも一緒にって思うんじゃないか? いや、適当に言ってるけど」


517: 2014/02/14(金) 03:22:55.37 ID:1YaacClQo

■星輝子(&フレンズ) Iron Man


 あいつは心を失ったのか 周りが見えているのだろうか

 木偶みたいに倒れるんじゃなく 歩く事ができるのか

 あれは生きてるのか 生きていないのか

 まさか自分で考える事ができるのか

 今まであいつを放っておいたのに どうして今更構わなきゃならないんだ



 人類の未来の為 時を旅していた時

 あいつは 強大な磁界の力で 鋼の体を手に入れた


 誰もあいつを顧みない

 あいつは世界の見守り 復讐計画を練っている

 じきに実行に移すさ



518: 2014/02/14(金) 03:23:23.45 ID:1YaacClQo



 時は来た アイアン・マンは恐怖を振りまく

 それは墓場からの復讐

 一度は助けた奴らを頃すのさ


 誰もあいつを顧みない

 誰もが目を背け 助けようとしない

 だから今こそ復讐するんだ



 重そうな鉛のトランクには 無残な餌食が詰まってる

 全力で逃げろ 氏ぬ気で逃げろ

 アイアン・マンが蘇った!


────
──


519: 2014/02/14(金) 03:23:51.76 ID:1YaacClQo

菜々「輝子ちゃんて、マイク持つと別人みたいになりますね…すごい迫力」

P「ブラックサバスか。ホントはああいうの、ステージで歌いたいんだろうなぁ」

菜々「あれ、輝子ちゃんの持ち歌ってわりとメタル調多くありません?」

P「それでも、可愛さをわりと前面に出してるからな。歌とトークのギャップが良い、ってファン多いんだよ」

菜々「あぁ……急に『トークはいいよ…』って小さくなっちゃったりする…あれ、Pさんの差し金だったんですか」

P「歌とあのキャラだけで押せるようになったらまた考えるけど、せっかく可愛いからな。ところで気になることがあるんだが…」

菜々「? なんですか?」

輝子『ゴートゥーヘールッ! フヒヒヒフハハッ! アーッハッハッ! どうだP!』

菜々「いつにも増してノリノリですね」

P「あのテンパってる感じがいいんだが、落ち着いて貫禄出てきたらまたプロデュース方針調整するようだろうな。輝子、もう一曲いけるか? …っと」 ミブリテブリ

輝子『アンコールか? ヒヒッ! 仕方ねえな、まだファックされ足りないPの為にもう一曲!』


520: 2014/02/14(金) 03:24:48.45 ID:1YaacClQo

■星輝子(&フレンズ) Neon Knights

http://www.youtube.com/watch?v=nhe1SuBGkiA


 まただ! せっかくいい感じだったってのに!

 まぁ待て落ち着け 良いものはなくならない

 そうだった試しがない 機会はまた訪れる

 何度でも 何度でも 何度でも



 雄叫びを上げろ 勇者の軍勢よ

 通りを闊歩する 血に飢えたリア充どもから 自分自身を救い出すのだ

 騎乗しろ 小さな世界の守護者たち

 傘をかぶった船長のもと 光の海へと旅立つのだ



521: 2014/02/14(金) 03:25:15.63 ID:1YaacClQo

 王冠に指輪 ドラゴンとキング

 呪詛を紡ぎ魔法をかけろ

 神聖で光輝な 夜の祝福を受けて

 鐘の音が呼んでいる



 血染めの天使が 素早く舞い降りる

 真っ直ぐに照らす 光の柱を通って

 おぼろげな姿 自由の体現者

 影から抜け出し 永久に輝く ネオンの騎士!



522: 2014/02/14(金) 03:25:43.43 ID:1YaacClQo

 雄叫びを上げろ 勇者の軍勢よ

 通りを闊歩する 血に飢えたリア充どもから 自分自身を救い出すのだ

 騎乗しろ 小さな世界の守護者たち

 傘をかぶった船長のもと 光の海へと旅立つのだ



 何度でも 何度でも 何度でも

 ネオンの騎士!

 ネオンの騎士!!

 フヒヒヒヒフハハッアッハッハ!!!


────
──


523: 2014/02/14(金) 03:26:13.16 ID:1YaacClQo

P「やっぱり……。なんか声が複数聞こえないか?」

菜々「そ、そんなバカな。で、でも確かに一人で歌ってるはずなのに…」

P「ま、まさかキノコか…!? キノコが共鳴してるのか!?」

輝子「た、ただいま…」

P「おお、おかえり輝子! いきなり一曲増やして悪かったな!」

輝子「い、いや、いい……トモダチだから…フヒ」

菜々「おかえりなさい輝子ちゃん♪」

輝子「フヒッ?」 ビクッ

 カサカサ

P「お、おい! いきなりテーブルの下に潜るな…よっと」 ガシッ

524: 2014/02/14(金) 03:26:44.93 ID:1YaacClQo

菜々(ナチュラルに抱き上げて膝に乗せた!?)

P「あー、うん。やっぱ落ち着くな。菜々は怖くないから大丈夫だ。な?」

輝子「フヒ…お、重くないか? と、トモダチの鉢が二つもあるから…」

菜々(汗もかいてるのに、気にするポイントはそこなんですね…)

P「そう思うなら下ろしくれていいんだぞ。まあでも重くないよ、甥っ子よりはあるかな、ぐらい」

輝子「フヒヒ…なら、いい」

 キノコーノコノコー ホシショウコー ノーフューチャー プロデューサー♪

菜々(キノコ相手に鼻歌交じりで一人遊びを始めた…自宅みたいにくつろいでる!?)

P「なぁ、輝子」

輝子「んー?」

525: 2014/02/14(金) 03:27:13.05 ID:1YaacClQo

P「またシングルLIVEやりたいか?」

輝子「や、やりたい…! け、けど、一人だとトークしないとい、いけないし、乃々とか、幸子と一緒にやるのも、いい」

P「別に142sをもうやらないとかそういう意味じゃないぞ。トークはまぁ、構成次第だし、するにしても内容をあれこれ指定せず自由にやってもらうって方向もある」

輝子「! そ、それは、いい、いいぞ……フフ」

P「よし、じゃあ今度のバレンタインは輝子に任せよう!」

輝子「!?!?!?!?」

P「ははは、そんな目を丸くして喜んじゃって、可愛い奴め!」 ナデナデ

輝子「で、でもね……? ば、バレンタインはき、聞くところによると…」 オロオロ

P「聞いた話なんかどうでもいい! 輝子がこうだと思うバレンタインをファンのみんなに叩きつけてやってくれ!」

輝子「わ、わた………フヒッ」

526: 2014/02/14(金) 03:27:47.19 ID:1YaacClQo

輝子「……」

P「お、早速考えてくれてるのか? 時間があまりないのは確かだけど、別に今じゃなくていいぞ」

輝子「……フフフ…フヒヒヒフハハッ! アーッハッハッ!」

輝子「ドイツもコイツも!バレンタイン!コクハクレンアイ至上主義!ボッチたちが!静かに暮らす権利は!ないのか!!」

輝子「フ…フヒ…フハハハ!なら……この、私が!バレンタインデーを真っっ黒に…染め上げてやる!」

輝子「…っていうの。どう?フヒヒ」


────

───

──


527: 2014/02/14(金) 03:28:32.02 ID:1YaacClQo

P「普通じゃないバレンタインを期待してはいたし、面白いLIVEになりそうで嬉しいんだが、あそこまでとは…過去になんかあったのか?」

菜々「むしろ何もなかったから、とか…?」

P「え、だって、あれって女の子主導のイベントだろ…?」

菜々「そうですけど、やっぱり入りにくい事ってあるじゃないですか。渡す相手がいないと始まらないし」

P「親父さんとかいるじゃん……よし、決めた。今年のバレンタインは俺が輝子に特大ド本命チョコを渡す!」

菜々「は、はぁ!?」

P「海外では男が贈ったりもするらしいし、だったら俺が親友の輝子に本命の友チョコを贈ったっていいだろ?」

菜々「本命の友チョコって意味が分からないんですけど……でも輝子ちゃんを特別扱いしすぎじゃないですか? さっきだって膝に乗せたり」

P「なんかほっとけなくてさ。甥っ子がああすると大人しくなるから、つい…な」 ハハハ…

菜々「女の子扱いしてあげて下さい…。あと、本命って言って一人に贈ったら問題になるんじゃないですか?」

528: 2014/02/14(金) 03:29:01.95 ID:1YaacClQo

P「そ、そう?」

菜々「…下手すると血を見ますよ…」

P「大げさだなぁ(苦笑) でも一理ある。甘い物好きな子や子供はうらやましがるよな。それじゃ全員分用意しよう」

菜々(それはそれで問題になりそうですけど…) チラッ


P「……あ、キノコの話聞くの忘れたな。まあいいか」


菜々(やっぱり今年のバレンタインは血を見そう…)

537: 2014/03/05(水) 02:18:22.14 ID:ZcFb5Gqfo

 ピクッ

菜々「? 今度はどうしたんですか」

P「今度はとかいうな。いや、人の気配がしてさ…」

菜々「え、またですか? …机の下には誰もいませんけど…」

P「いや、部屋の外だな。気のせいかな……」

 スタスタスタ ガチャッ

裕子「ムムム……ムゥー…!」

菜々(裕子ちゃんが何か念じてる!?)

P「なんだまたユッコか…」

裕子「はっ!? 扉が開いてる…! ついに私のさいきっくぱわーが……!」

538: 2014/03/05(水) 02:20:57.02 ID:ZcFb5Gqfo

P「いや、俺が開けたんだが」

裕子「え、えーっと…い、今のは念力は念力でも、プロデューサーにテレパシーを送ってたんですよっ」

P「ふーん。おはようユッコ。今日は何しに来たんだ?」

裕子「すっごい聞き流された!? しかも何しに来たとか言われた!」

菜々(何の音もしてなかったのにプロデューサーが気づいた、って言うのはホントなのに…)

P「いや、だってオフだろ。お遊びでみんなにオールディーズを歌ってもらってるけどさ」

裕子「な、なんだか私の扱いテキトーじゃありません!?」

P「そんなことはないぞー? ただお前、オールディーズとか聞かなそうだから何しに来たのかなと純粋に」

裕子「ふっふっふっ、私だってオールディーズぐらい聞くんです! プロデューサーの為にとっておきのサイキックロックを準備してきてあげましたよっ」

P「おっ、そうなのか? ぞんざいに扱って済まなかったな」

539: 2014/03/05(水) 02:23:01.73 ID:ZcFb5Gqfo

裕子「分かればいいんです!」

P「邪険にしてるわけじゃないんだ。確かに言うことがいちいちインチキっぽくて相手をするのがばかばかしいというのはあるが、反応が面白くてついテキトーな受け答えしちゃうだけなんだ」

裕子「なんだか二重にひどい!? どうしてそんな言わなくて良い事を言うんですか!」


────

───

──


菜々「裕子ちゃんの扱いは菜々が見ても適当だと思いました」

P「いやぁ、可愛くてつい。幸子とかみくも可愛くてつい」

菜々「本人に言ってあげればいいのに…あ、ところでサイキックロックってなんでしょう? 裕子ちゃんらしいですよねっ」

P「あ、うん。それは何となく察しがついてる……ああ、やっぱりな」

菜々「?」


540: 2014/03/05(水) 02:25:07.27 ID:ZcFb5Gqfo

■堀裕子 A Whiter Shade of Pale



※女性ボーカル版。アレンジが新しいので別物かも。
http://www.youtube.com/watch?v=kPQ4FnX6H8s



 僕ら軽くステップを踏んだら 転がってフロアの反対側まで行ってしまった

 なんだか船酔いみたいな気分だ だけどみんながもっとやれって騒いでる

 それがあんまり騒がしいもんだから 天井が吹っ飛んでどこかに行ってしまった

 もう一杯、僕らが大声で注文したら ウェイターがトレーに乗せて持ってきた



 粉屋の打ち明け話がまた長くて すっかり夜が更けちまった

 そんなもんだから 元々青かった彼女の顔は

 もっと青ざめちまった


541: 2014/03/05(水) 02:25:47.72 ID:ZcFb5Gqfo
※A
 彼女は言う 『理由なんてなくても 答えは簡単よ』

 だけど僕は カードに興じながら考えた

 彼女を行かせる訳にはいかない ウェスタに仕える処O達みたいに

 ああ 目は開いてるのに なんだか眠っているような気分だ


※B
 彼女は言う 『半舷休日は家で過ごすの』

 僕らは海の上で揺られてるっていうのに

 だから僕は 彼女を姿見の処まで連れて行き 言ってやった

 『君は人魚なんだ 海の神様に乗っかった』

 だけど彼女が悲しげに微笑んだら 怒りはすぐに萎えちまった


542: 2014/03/05(水) 02:26:39.60 ID:ZcFb5Gqfo


 粉屋の打ち明け話がまた長くて すっかり夜が更けちまった

 そんなもんだから 元々青かった彼女の顔は

 もっと青ざめちまった


※C
 もしも音楽が 愛を育む栄養であるなら 笑い声は栄養の女王様だ

 そしてまた同様に

 もしも裏が 表になるならば 猥雑こそ清潔なんだ

 段ボールみたいに乾いた僕の口が 頭から落っこちそうだ

 だから僕らは急速潜航 ベッドの海へと飛び込んだのさ


※Aパートがないバージョン、Bパートがないバージョンもあるようです。
 Cパートは歌詞紹介では見かけるのですが、入っているバージョンが見つからなかったので、詞だけかも。
 初期の構想だと10分ぐらいあったのを削って、7分とか5分のバージョンにしたらしいので。


────
──



543: 2014/03/05(水) 02:27:34.44 ID:ZcFb5Gqfo

P「……」

菜々「難しい顔してますけど、どうかしました?」

P「ああ、いや…」

裕子「どうでしたかっ! エスパーユッコのサイキックロック!」

菜々「あ、おかえりなさい! 良かったですよっ」

P「うん、歌はよかったぞ。あんなのも歌えるんだなユッコ」

裕子「えへへ…エスパーユッコにお任せ下さい!」

P「でもさ、ひょっとすると…サイキックロックじゃなくて、サイケデリックロックじゃないか?」

裕子「へ?」

菜々「あ、なるほど! それならナナも聞いたことがあります!」

544: 2014/03/05(水) 02:28:33.23 ID:ZcFb5Gqfo

裕子「あ、えーっと… えっ?」

P「サ イ ケ デ リッ ク ロック。知らないか?」

裕子「も、もちろん知ってます! そうとも言うらしいですねっ!」 アセッ

菜々「(知らなかったのね…)サイケデリックロックって、どういうジャンルなんですか?」

P「(知らなかったんだな…)うーん、菜々は、さっきの歌の内容、どう思った?」

菜々「え"っ? ……えぇっと……えーっと…言葉の意味は分かるんですけど、何が起きてるのかさっぱり…でも、なんだか分かるような……」

P「えっ、菜々まさか…」

菜々「あーっ! そうですよ! 飲み会でへべれけになった時、こんな感じです!」

P「ほう、安部さんはそういう経験がおありなんですね」

菜々「あっ……あ、あー! 志乃さんがそうなってるところを見たんですっ」

P「志乃さんに伝えとくわ」

菜々「!?っっ!!?」


545: 2014/03/05(水) 02:30:03.13 ID:ZcFb5Gqfo


P「まぁ、それは置いとくとして」

菜々「じ、冗談ですよね? 言いませんよね?」

P「さあ、どうかな? で、サイケデリックロックなんだが、菜々の言うとおり、酔っぱらって何だか分からない状態をイメージしたロックなんだ」

裕子「そうだったんですか…」

P「正確には酒じゃなくて、LSDを使った時の幻覚症状を体現した音楽、だそうな」

菜々「ナナが生まれるより前に、そういうのが流行ったのは聞いた事があります」

P「ヒッピー文化が流行った時期だな。物質社会へのカウンター……っていうとちょっと外れるけど、意識の拡大みたいなものを急速に求める人達にはすごく良いものに思えたのかもしれない」

菜々「意識の拡大、ですか?」

P「分かるような分からないような表現だよな。でも魔術とかオカルト方面でも、LSDではなくても薬を使って、未知の力を引き出そうみたいな話あるだろ」

裕子「えっと、その、LSDというのを使うと、歌みたくなるんですか?」

546: 2014/03/05(水) 02:30:53.56 ID:ZcFb5Gqfo

P「なるんじゃないか。俺はやった事無いから聞いた話しか出来ないけど……まさか興味あるのか?」

裕子「えっ! いやその、興味という程ではないんですけど、エスパーとして覚醒する近道なのかなーなんて…」

P「LSDってくすりだからな! やるなよ! まず手に入らないと思うけど機会があってもやるなよ!」

裕子「えっ、そうなんですか!? や、やりませんよぅ…」

P「絶対だぞ! やったら絶交だからな!」

裕子「やややりませんってば!」


────

───

──


547: 2014/03/05(水) 02:32:04.03 ID:ZcFb5Gqfo


菜々「ナナ、絶交って言葉久しぶりに聞きました」

P「ああ、うん。良くないとは思うんだがそういうとユッコはやたら聞き分けが良くなるからつい」

菜々「…可哀想だからあまり言わないであげてくださいね」

P「ユッコは妙にちょろいとこあるからキツめに言っとかないと心配でさ……。今後気をつけます」

菜々「裕子ちゃん、過去に何かあったのかしら……。あ、ところで志乃さんに言うって冗談ですよね!?」

P「さあ、どうかな?」

菜々「Pさぁぁんっ!?」





真奈美「漫才の練習ならマイクの前でやったらどうかね?」 コンコン

菜々「へ、あ、真奈美さんっ」

P「あ、ドア開けっ放しでしたか。すいません」

548: 2014/03/05(水) 02:32:46.48 ID:ZcFb5Gqfo

真奈美「いや、通りがかってたまたま聞こえた程度だから、誰かの迷惑という事はないだろうさ」

菜々「真奈美さんはお仕事です?」

真奈美「今終わったところだよ。アイドルの仕事ではなくて、スタジオボーカリスト、だがね」

P「なるほど、おつかれさまです」

真奈美「それにしても…スタジオを一室貸し切って、カラオケ大会のようなものをやるという話だったが、菜々君と二人でやっているのかい?」

P「ああいや、オールディーズ…というか、外国の懐メロを気が向いたら来て歌っていって貰う感じのお遊び企画ですよ」

菜々「スタジオが一杯になっちゃうから、歌ったら帰って貰ってるんですっ。後でCDに焼いて参加してくれた人に配る約束なんです」

真奈美「へぇ、それは興味深いね。私も参加して構わないかな?」

P「あ、いいんですか? お疲れなんじゃ」

真奈美「いいさ。仕事とは逆の歌で気晴らしをしたいんだ」


549: 2014/03/05(水) 02:33:23.46 ID:ZcFb5Gqfo


────

───

──


菜々「仕事とは逆の歌…?」

P「ああ、タイミング的に多分、うちの子の新曲の仮歌じゃないかな。可愛いめの曲が続いたから、違った感じのもやりたいんじゃないか」

菜々「真奈美さん、そんな仕事もしてたんですね」

P「なに他人事みたいに言ってんだ。メルヘンチェンジの仮歌も真奈美さんだぞ」

菜々「えっ! ……えぇっ!?」



551: 2014/03/05(水) 02:35:26.59 ID:ZcFb5Gqfo

■木場真奈美 Holding Out for a Hero

http://www.youtube.com/watch?v=7f_HsjpSVaI




 雄々しき男達は どこへ行ってしまったの?

 神々はどこに?

 危難に立ち向かう 現代のヘラクレスは?

 猛々しい戦馬を駆る 白銀の騎士はいないの?

 夜更けに寝返りを打ちながら 私は夢を見る



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!



552: 2014/03/05(水) 02:36:54.93 ID:ZcFb5Gqfo

 夜半を過ぎて 狂おしい幻想の中

 私が伸ばした手のすぐ先で 手を差し伸べる誰かがいるの

 雷と競って駆け 炎を纏って立ち上がる

 そんな超人に 私は夢中になりたいの



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!



553: 2014/03/05(水) 02:40:04.64 ID:ZcFb5Gqfo
──────────

またちょっと動作が怪しくなってきたので、一旦間を置きます。
Janeからの投下なのですが、更新で投下されておらず、ならばと投下すると二重投稿になるので…
>>551は重複なのでスルーしてください。

554: 2014/03/05(水) 05:11:50.04 ID:ZcFb5Gqfo
大して経ってないけどそろそろいいかな……

──────────

555: 2014/03/05(水) 05:12:43.36 ID:ZcFb5Gqfo

 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに



 山々の頂 天界との境界で

 稲妻が轟き 海を断ち割った処で

 誰かが私を 見つめているはず



 風も 冷気も 雨も突き抜け

 嵐や洪水を物ともせず

 彼が来るのを感じるの 私の血の滾りと同じに 熱く私を求めて!



556: 2014/03/05(水) 05:13:17.00 ID:ZcFb5Gqfo

 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに


────
──



557: 2014/03/05(水) 05:14:07.23 ID:ZcFb5Gqfo

菜々「うわー! うわー! すっごく懐かしいです! ナナ、きゅんきゅんしちゃいました!」

真奈美「喜んで貰えて嬉しいよ。フットルースは菜々君の思い出の映画なのかな?」

P「あ、おかえりなさい木場さん。ボニー・タイラーとは畏れ入りました」

真奈美「物真似以上のものにならないのが悔しいが、昔から好きでね。それに、不純だが、ちょっとした願掛けの意味もあるんだ」

P「ああ、ポリープ切除の一件ですか? ……にしたって、物真似って事はないと思うんだがなぁ」

菜々「あの…何の話をしてるんですか?」

P「これを歌ったボニー・タイラーって歌手はさ、声帯のポリープを切除したんだけど、その後ごたごたもあって、声質が変わっちゃったんだよ」

真奈美「普通なら致命傷だ。だが、彼女はそれを乗り越え、より輝かしいキャリアを築き上げたんだ。あやかりたい、というと少々なさけないな。フフ」

菜々「あ、いえその……フットルースのところから…」

558: 2014/03/05(水) 05:14:50.00 ID:ZcFb5Gqfo

P「あ、菜々はスクールウォーズの方が馴染みがあるのか」

菜々「あ、そうですそうです! 真奈美さんが歌ったのが原曲なんですか?」

P「そうだな。フットルースっていう映画の挿入歌なんだが、日本語版は麻倉未稀さんのが有名かな。あれは間奏のドラムソロにギターを被せてあるとこが特にいいな」

菜々「元はこういう歌だったんですね…」

真奈美「私も麻倉さんのは好きだよ。原曲から入ったから、馴染まない感じはあるがね」

P「ははは、いくつか繋がらなくなる歌詞もあったりしますしね。英語でヒーロー求む!っつってんのに、その直後に日本語で誰もがヒーローって手のひら返したり」

菜々「Pさんは好きなものほどけなしたりいじめたりする癖を何とかした方がいいと思いますっ」

P「性分なんや……」

真奈美「ほう、私も是非、プロデューサー君にいじめて貰いたいね」 ズイッ

P「き、木場さんをいじめるとか無理っすよ。は、はは…」

559: 2014/03/05(水) 05:15:25.88 ID:ZcFb5Gqfo

真奈美「その木場さんというのも他人行儀でよくないな。菜々君のように、呼び捨てて欲しい。さあ、私を征服してくれ、現代のヘラクレス…」

P「いやその俺はヘラクレスなんて柄じゃ…え、ちょ…待っ……」

菜々(真奈美さんがPさんをいじめてるようにしか見えない…)


────

───

──


560: 2014/03/05(水) 05:16:51.01 ID:ZcFb5Gqfo

P「一時はどうなる事かと……」

菜々「あんなたじたじのPさん初めて見ました」

P「だって真奈美さん色々すげぇんだもん…スタイルとか色気とか…」

菜々「Pさんて全方位が弱点ですよね…」

P「…菜々はスクールウォーズのどれを見たんだ? ドラマは30年前だけど…」

菜々「あ、映画があったじゃないですか。映画自体も菜々がまだ子供の頃ですけど、それで知ったんです」

P「あれの主題歌も確かにヒーローか……だけど、アレンジはだいぶ違ったような」

菜々「えへへ、実はハマッちゃって、メイドカフェのお給料でDVD揃えたんですけど、ドラマ版の方ばっかり見てたんです…」

P「……違う」

菜々「へ?」

P「もっとこう、自爆してくれよ! そんな理路整然と言い訳する菜々とか誰得なんだよ!」

菜々「え、ひどくない?」

P「菜々がおたおたしてくれないと癒されないだろ!?」

菜々「な、ナナをからかうの癒しにしないで下さいっ!」



564: 2014/03/12(水) 03:38:26.93 ID:uPVm5A5so

 コンコン

アナスタシア(以後アーニャ)「ドーブラエ ウートラ。おはよう、です」

P「おっ。おはようアーニャ」

菜々「おはようございます、アーニャちゃんっ」

P「あ、えーっと…」

アーニャ「? えと、日本語以外の歌、うたいに来ました」

P「あ、そういう理解なのな」

アーニャ「おかしい、ですか?」

P「ああいや、合ってるよ。言われてみればそういう事だなと気づかされただけでさ」

アーニャ「よかった。私、日本語おかしくないですね」

565: 2014/03/12(水) 03:38:59.58 ID:uPVm5A5so

菜々「アーニャちゃんは、どんな洋楽を聞くんですか?」

アーニャ「ダー。みんなの歌を、よく聞きます。CGプロの、みんなの」

菜々「えっ」

アーニャ「菜々の、メルヘンチェンジも聞きます。ウーサミン ハイっ♪」 ニャンッ

P「(かわいい)えっと、日本語以外の歌だと、どんなのを聞くんだ?」

アーニャ「あー…えと、ナイショ、です」

P「な、内緒?」

アーニャ「それは聞いてのお楽しみ、です」 ニコッ


────

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566: 2014/03/12(水) 03:39:47.10 ID:uPVm5A5so

菜々「アーニャちゃんて、結構お茶目ですよね」

P「うん。まだロシア語で考えちゃう事が多いらしいんだけど、ああやって積極的に喋ってくれるのは嬉しいな」

菜々「で、何を歌ってくれるんでしょうね~」

P「あー、予想だが、『星に願いを』じゃないかなぁと」

菜々「あ、ピノキオですっけ。確かのあさんも好きだとか」

P「ああ、彼女も好きらし……あれ、予想外れたな。スティービー・ワンダーか」

菜々「あ、これ聞いた事あります! なんだっけ……CMソングですよね」



567: 2014/03/12(水) 03:40:22.26 ID:uPVm5A5so

■アナスタシア To Feel the Fire

https://www.youtube.com/watch?v=u-aFRv9bnA8



 見た目では ウダーチャ…幸せそう、です

 誰が見ても分かるほど 愛と夢に満たされていると

 だけど 本当は違いますね?

 見た目はニェプラーヴダ…偽り、本当を暴かれるのを恐れている



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 ドゥシァ…魂が、大きな声で答えてくれるはず、です

 プラーミァ えと、炎です 暖かい 暖めてくれる炎

 あなたはそれを求めているはず


568: 2014/03/12(水) 03:40:56.58 ID:uPVm5A5so


 笑顔 本当は笑っていませんね?

 私の前では 明るく振る舞っていると うまく騙せているつもりでも

 だから 抱きしめて 暖めます

 あなたが不安にならないように



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず


569: 2014/03/12(水) 03:41:55.24 ID:uPVm5A5so


 だから 私も本当を言います

 それがあなたの あなたを暖める あー…スイッチだから

 それが私のプラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず



 激しく煽らない方が 炎はよく燃えます

 ラケータ、あー…ロケットの技術者でなくても そんなの当たり前です


570: 2014/03/12(水) 03:42:43.82 ID:uPVm5A5so


 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず


571: 2014/03/12(水) 03:43:38.14 ID:uPVm5A5so



 あなたを暖めるプラーミァ あなたはそれを求めているはず



※ホントは弱音を吐く内容ですが、逆に弱音を吐かれる側を動作主にアレンジしました。

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──


572: 2014/03/12(水) 03:44:26.20 ID:uPVm5A5so

P「うーん、すごいのを知ってるなぁ」

菜々「ロシアでも、スティービー・ワンダーは有名なんですねー」

P「世界的に有名なアーチストだし、冷戦後だから知っててもおかしくないとは思うんだけどさ。今の曲、日本のCM用に書き下ろされて、日本盤にしか収録されてないんだよ」

菜々「そうなんですか?」

P「まぁ、お母さん経由なんだろうなぁ。確か99年の曲だから、アーニャはまだロシアで生まれたてってとこだな」

菜々「日本に戻ってきた時に買ってお土産にしたりとか、そういう感じかもしれないですねっ」

P「嫁入り道具だったりしてな」

アーニャ『プロデューサー』

P「っと、なんだろ?」

アーニャ『もう一曲、いいですか? 今度はロシアの歌、うたいます』

P「おーっ、勿論良いぞ! っと」 ミブリテブリ

アーニャ『? にゃん?』 ニャンッ

P「ちげぇよ! OKのハンドサインだよ!」



573: 2014/03/12(水) 03:45:44.77 ID:uPVm5A5so

■アナスタシア Polyushko Pole


※自分が聞いたVer.にわりと近いアレンジ
http://www.youtube.com/watch?v=Ys74j8UnXxo





574: 2014/03/12(水) 03:46:18.18 ID:uPVm5A5so


 乳のような朝霧。

 それが見渡す限り、故郷の草原を覆っている。

 少女は一人、小高い丘の上で待っていた。


 太陽が昇る頃、蹄の音がかすかに聞こえてきた。

 光が霧を追い散らしていく。それまで白に沈んでいた草原が、朝日に照らされ輝く。

 露に濡れた草を踏みしめて、50ほどの騎馬が往くのが見えた。

 騎兵は兵である事を表す最低限は満たしているものの、その装いは概ねばらばらで不揃いだ。

 その中にモバPの姿を認めて、少女は今更ながら胸を締め付けられるような悲しみを覚えた。


575: 2014/03/12(水) 03:46:56.09 ID:uPVm5A5so


 愛用の長銃を背負い、自分が編んだマフラーに深く顎を埋めて、遠く前を見据えている。

 男の心に、もう自分がいないように思えて。

 男がもう、ここには帰ってこないような気がして。

 少女は流れる涙をぬぐう事も忘れ、戦に赴く英雄達を見つめた。



 おい。モバP。

 横を駆けていた友の呼びかけに、はっとして顔を上げる。

 友はその髭面に渋い表情を浮かべていて、それで男は、自分もまたひどくしかめ面をしていた事に気づいた。

 友が黙って遠く左前方を指さす。そちらに首を巡らすと、丘の上に人影が見えた。

 麦粒ほどの大きさだが、狩りで鍛えた男の目には、それが愛する少女だと分かった。

 彼女の髪は貴婦人達が身を飾る銀細工よりも繊細で、瞳は宝石よりも美しい。

 彼は無骨で、風流など分からぬ男だったが、本気でそう思っていた。


576: 2014/03/12(水) 03:47:41.61 ID:uPVm5A5so


 彼女は、美しい銀髪が草原を渡る風で乱れるのも、青い瞳が涙で曇るのもそのままに、ただこちらを見つめている。

 愛する女の、端正な顔立ち。それを悲しみに歪ませたのは自分だ。

 アーニャ、どうか泣かないでおくれ。祖国のため、故郷のため、家族のため。愛するもののために、自分は戦に往くのだから。

 そして笑って、手を振っておくれ。君が愛してくれる男の、晴れの門出なのだから。


 男の理屈と知りながら、そう願う事しか出来なかった。

 未練を振り払うように、愛銃を高く掲げて、女に最後の挨拶を送る。

 猟兵の誇りであったはずのそれが、今は酷く重く、みすぼらしい物に思えた。



577: 2014/03/12(水) 03:48:16.40 ID:uPVm5A5so



 故郷の村から南西に20里。二つの川が交わる低地に、友軍が結集していた。

 その数はせいぜい師団規模。敵の東進を阻むには心許ないが、中央から援軍が来るまでは、それでどうにかしのぐしかない。


 モバP達猟兵の小隊は、急造の歩兵大隊に編入された。

 数で勝るとはいえ、相手にとってここは敵地。進軍はゆっくり這うように、それでも確かに前進してくる。

 斥候を出して地形を探り、別働隊を出して安全を確かめながら。



 隊の耳目・手足となって縦横に駆け回りながら、彼は、その気配を肌で感じていた。

 いつもと異なる、灰色の霧。絡みつき、押しつぶすような重たい霧。敵意が霧の形をなして、木々の間に立ちこめている。

 犬を連れて来るべきだったな。彼は弱音を漏らした。

 シブーリンなら、忠実な彼の猟犬ならば、敵が潜む茂みを正確に嗅ぎ当てる事が出来たのに。



578: 2014/03/12(水) 03:48:58.71 ID:uPVm5A5so


 だが、とモバPはかぶりを振る。言ったところで仕方ない事だ。

 ここで侵略の意図を挫けなければ、故郷は目と鼻の先。懐かしい草原も、住み慣れた村も、愛するアーニャも、みな蹂躙されてしまうだろう。

 だから、と彼は覚悟を決める。だから、大好きなアーニャ。どうか見ていておくれ。

 我らは敵へと突撃する。

 轡を並べ、隊伍を組み、疾風の如く突撃するのだ。


 君のために今、僕は命懸けで走るのだ。



 夕陽に照らされて、草原が赤く燃えている。

 まるで戦火のよう。

 星々が夜の静寂をもたらし、赤い世界を西の空へと追いやっていく。

 あの人を連れて行った戦も、こんな風に追い払ってくれればいいのに。

 私にバーバ・ヤガーのような魔法が使えれば、星々に頼んで、そうするのに。

 少女は丘に佇み、そんな事を考える。

 そうすれば、あの人は帰ってくる。故郷の草原を駆けてくる。

 思い出のこの丘で私を抱きしめて、私に求婚してくれる。


579: 2014/03/12(水) 03:49:28.22 ID:uPVm5A5so



 少女はそうして待っている。

 男は帰らない。




※長くなっちゃいましたが内容はだいぶ盛りました。
 色んなバージョンがあるのですが、概ね「故郷の草原。赤軍兵士が出征する。見送りの女達は泣いて見送る。赤軍兵士は強くてかっこいい。勇敢に戦う」って内容のようです。


────
──

580: 2014/03/12(水) 03:50:51.54 ID:uPVm5A5so


P「ポーリュシカ・ポーレ。愛しき草原よ、か。あちらの旋律ってなんかいいよなぁ」

菜々「これはロシア民謡でしたっけ?」

P「ああ、有名な曲だけど、そうなのかな。軍歌としても使われて、色んな詞がついたらしいけど」

アーニャ「ニェット、違います。元はスィムフォーニヤ…交響曲で、一部がヴァイナーピェスニャ(軍歌)として歌われるようになりました」

P「あっ、そうなのか。適当言ってごめんな」

菜々「あ、いえ、いいんですけど……」

アーニャ「私も、オリガさんの歌しか知らなかったので驚きました」

P「えっ、向こうで聞いたりしなかったのか?」

アーニャ「流れていたと思うんですけど、日本に来るまで意識しなかったので」

P「やっぱり、日本だとロシアのものが恋しくなったりするのか?」

アーニャ「ダー。ロシアにいた頃は、日本の物ばかり好きでした。けど、日本に来てからは、ロシアの物が気になります」

P「そういう事って、あるよなぁ。俺も離れてみたら地元が恋しく思える時があるよ」

581: 2014/03/12(水) 03:51:19.20 ID:uPVm5A5so

アーニャ「……ところで、プロデューサー。私、二曲歌いました」

P「ん? あ、あぁ、どちらも良かったよ。ありがとな」

アーニャ「はい。それで?」

P「それで…って?」

アーニャ「撫でては、くれないのですか?」

菜々「な、なんでっ!?」

アーニャ「いつもみくの話を聞いて、羨ましいと思っていました」

P「そ、そうなのか……。まぁ、そのくらいならおやすい御用だけど…」

アーニャ「のあと二人で」

P「えっ」


────

───

──


582: 2014/03/12(水) 03:51:57.72 ID:uPVm5A5so


P「ふう…」 ナデナデ

アーニャ「♪」

菜々(アーニャちゃん、嬉しそう…)

P「前からちょっと思ってたけど、アーニャって天然なとこあるよな」 ナデナデ

アーニャ「ニェット。私は天然ではありません」

P「えっ、即答で否定なのか」 ナデナデ

アーニャ「はい。日本に来て最初に…あー、転校した学校で教わりました」

P「学校で教わるのか……?」 ナデナデ

菜々「まさか。友達に教わったんですよね?」

アーニャ「ダー。私は、あざといと、言われました」

583: 2014/03/12(水) 03:52:26.51 ID:uPVm5A5so

P「えっ?」

アーニャ「好かれたくてやるのはあざとい言います。私はあざといです」 フンス

菜々「うーん、気を引いて、何かしてもらう為にするならあざといのかもしれないですど、ただ好かれたいだけならあざといとは言わないと思いますよ」

アーニャ「なら、やっぱりあざといです。だって、撫でて欲しいですから」 フンス スピスピ

P「あっと手が止まってた。やっぱりアーニャって天然だなぁ」 ナデナデ

アーニャ「違います。私はあざといです」 プクー

菜々(あざといって、ホントは悪口なんだけど……)


────

───

──


584: 2014/03/12(水) 03:53:00.42 ID:uPVm5A5so


菜々「アーニャちゃんには、あざといの意味教えてあげないんですか?」

P「あー、まぁ、追々なー。まあでも、アーニャが流行らせたら、『あざとい』がほめ言葉になるかもしれないぞ」

菜々「そういう事がないとは言いませんけど…」


 ガチャッ


由愛「…あ、あの…おはよう…ございます…」

P「あれ、由愛? 一人で来たの?」

由愛「は、はい…あの…ママが……いえ…」

菜々「おはようございます、由愛ちゃんっ♪」

 ススス…

菜々「(Pさんの影に隠れちゃった!?) あ、あれー…?」

585: 2014/03/12(水) 03:53:30.21 ID:uPVm5A5so

P「大丈夫だぞ、菜々さんは優しいし、絵も描いたりするからきっと仲良くなれるぞ。な?」

由愛「は、はい…」

菜々「な、なんで知ってるんですか!? って、ナナが同人誌描いてたのは高校生の頃だし、コピー本をちょっと刷っただけで全然……」

P「えっ、マジで? いや、むしろそこまでやってるとは知らなかったんだが…」

菜々「は、謀りましたね!?」

P「自爆しただけじゃん…」

菜々「んもぉー、なんでPさんはいつもそう…んもぉー!」

由愛「……」 クスッ

P「おっ、笑った」

由愛「!」 フルフル

586: 2014/03/12(水) 03:53:57.91 ID:uPVm5A5so

P「いいんだぞ。菜々さん面白いだろ? 仲良くなったら、もっと面白いぞ。な?」

菜々「な、ナナお姉さん、由愛ちゃんとお友達になりたいなっ」

由愛「あ、あの……」 オドッ

菜々「す、スケッチブック、どんな絵を描いてきたのかなっ。ナナも見ていいですか?」

由愛「…っ!」 ススススッ

由愛「う、歌って…きます…」

 トテテテッ


────

───

──


587: 2014/03/12(水) 03:54:37.35 ID:uPVm5A5so

菜々「なんだか悲しくなりました……」

P「少なくとも四歳差の会話ではなかったと思う。十歳は離れていた」

菜々「な、ナナは17歳ですっ! 由愛ちゃんとは四歳差ですっ!」

P「うーん、事務所内で仲の良い子も増えてきてるんだが、やっぱり誰か間に立ってくれないと尻込みしちゃう感じなんだよな」

菜々「大体Pさんにべったりですよね」

P「えっ、やっぱそうなの? 他のちびっこと一緒に寄ってきてるとかじゃなくて」

菜々「うーん…事務所にPさんがいない時は、一人でお絵描きしてますね。みんなといる時も、一歩引いて眺めてる感じで。楽しそうではあるんですけど」

P「そうか…つまらなそうにしてるとか、いじめられてるとかではないよな?」

菜々「ナナが見る限り、そういう事はないですね。加奈ちゃんとか巴ちゃんとは仲良くしてるみたいですし、だんだん馴染んでいくんじゃないかなぁ、とは」

588: 2014/03/12(水) 03:55:04.20 ID:uPVm5A5so

P「乃々みたいに攫って放り込んで~って訳にもいかないし。時間を掛けるしかない、か」

菜々「乃々ちゃんなら平気って考えがまずおかしいんですからね!?」

P「いやぁ、乃々は芯の強い子だよ。その証拠にほら、あんなに既成事実で周囲を固められても、アイドルやめたいなんて言い続けられるんだぞ」

菜々「うわぁ…乃々ちゃんが絶対望んでない信頼の仕方……。でも、その子に合ったやり方をちゃんと考えてるんですね」

P「そりゃまぁ、それが仕事だからな。一人として同じ子はいないし、手塩に掛けない子もいないよ」



589: 2014/03/12(水) 03:55:32.33 ID:uPVm5A5so

■成宮由愛 Clair



 ねえ、クレア 誓って言うけど

 君を初めて見た時 僕の中で何かが始まった気がしたんだ

 僕には見当もつかない何かがね


 それでね

 次に会った時には 僕らがもう仲良しだって分かったよ

 そうならないなんて 考えられなかったんだ


 なんて言えばいいのかな うまく言葉にできないんだけど


 君が僕を見上げて 微笑んでくれたら

 ああ、言葉って無力なものだね

 人の言う事なんてどうでもいい

 僕にとって、君は子供以上の存在なんだ

 ああ、クレア クレア


590: 2014/03/12(水) 03:56:16.51 ID:uPVm5A5so

 ねえ、クレア 最高の一時って、考えた事ある?

 もし一つ選ぶとしたら それは君だよ

 君と過ごして その仕草の全てが最高なんだ


 ああ、なのにどうして 君と「またね」をしなきゃいけないのか

 いい歳をして、僕は泣いてしまうんだ

 君と別れる度 氏んでしまいそうなくらい、悲しくて


 こんな事があったら最高だろうな

 君が僕にこう言うのさ

 『あの…私、レイおじさんとパ、パ、パートナーになりたいです』

 『けっ、結婚してくれませんか? 私と…』

 あぁ、クレア…


591: 2014/03/12(水) 03:56:43.82 ID:uPVm5A5so

 ねえ、クレア こんな事を言ったよね。

 『なんてことを!』

 『ベッドに戻ろう。ね?』

 『もう遅いんだから。分からないかな?』

 『夜中にたくさん飲んじゃ駄目だよ』

 『分かったよ。ちょっとだけ待ってくれるかい?』

 そうやって、君をあやしながら 自分のリズムを取り戻すんだ。

 どんな仕事を残してたっけな

 君は全く手が掛かるよ 寝付くまでは特にね

 だけど君がいなくなると 人生が遠ざかってしまったように感じるんだ

 あぁ、クレア…


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──


592: 2014/03/12(水) 03:57:48.22 ID:uPVm5A5so

P「ギルバート・オサリバン。72年のナンバーだったかな」

菜々「アローン・アゲインの人ですよね。そんな時代のアーティストだったんですねっ」

P「ああ、プロデューサーとトラブってた期間があって失速しちゃったけど、ヒットを連発するすごいシンガーソングライターだったんだ」

菜々「なんだか、ちょっと不安になる内容でしたけど……あの、歌に出てくるクレアって、小さな女の子なんですか?」

P「ああ、らしいよ。実在の人物で…」

由愛「も、もどりました…」

P「おかえり! チョイスも歌も良かったぞ!」

菜々「可愛かったですよっ♪」

由愛「あ、あの…ありがとう……えへへ、嬉しいです。あ…そうだ」

 ゴソゴソ

由愛「絵…描いてみたんです、歌の。み、見て、くれますか?」

593: 2014/03/12(水) 03:58:54.23 ID:uPVm5A5so

P「おっ、いいのか? どれどれ…」

菜々「な、ナナも! ナナも見て良いですかっ?」

由愛「……ん…う、うん…」 コクリ

菜々「ありがとう、由愛ちゃんっ! わぁ、上手!」

P「これがクレアちゃんだよな。金髪だけど、由愛に似てるな。可愛いなぁ」

由愛「っ…(//////)」

菜々「すごく楽しそう。クレアちゃんとレイおじさんは本当に仲が良いんですねっ」

P「レイおじさんてのは、オサリバン本人の事なんだよな。オサリバンの本名はレイモンドって言うんだ。……このレイおじさん、どっかで見た気がするな…」

菜々(どっかでというか、どう見てもPさんと由愛ちゃんがいちゃついてる絵なんですけど…)

P「あ、ひょっとして俺? なーんて、流石に図々しいか、すごいイケメンだし」 ハハハ

594: 2014/03/12(水) 03:59:23.16 ID:uPVm5A5so

由愛「そ、そう……」 コクリ

P「マジで! いやー、嬉しいなぁ、こんなかっこよく描いて貰えて。クレアの時、オサリバンは26歳だから年齢も近いな」

菜々「そういえばクレアちゃんも実在のモデルがいるそうですけど、由愛ちゃんぐらいの年頃だったんですか?」

P「クレアってのは、オサリバンのプロデューサー、ゴードン・ミルズの末娘の名前だそうだ」

菜々「も、モデルとかじゃなくて本人なんですか…何歳差だったんです?」

P「んー、オサリバンが46年生まれで当時26歳、ミルズがその11歳年上ってのは知ってるんだが、娘は何歳だったんだろな…」

由愛「さ、3歳です」

P「ん?」

由愛「あの、クレアちゃんの歳…」

P「お、おぉ、そうなのか。じゃあ例えるなら、由愛がちょうどオサリバンの半分の13歳だから、俺の一歳半の息子に由愛が愛を囁く感じかな…」

595: 2014/03/12(水) 04:00:07.32 ID:uPVm5A5so

由愛「!?」

菜々「そう聞くとわりと凄まじい内容ですね…」

由愛「え……あ、その……」 フルフル

P「ど、どうした? どこか痛いのか?」

由愛「こ、子供って…?」 ウルウル

P「ん、あぁ、たとえ話だよ。そんな感じかなって。ホントはいないんだけどさ」

由愛「よかった…子供じゃ嫌です…私が、ママに…」

P「えっ、なにが」

由愛「わわ…えと、なんでも…ないです」


────

───

──


596: 2014/03/12(水) 04:00:34.59 ID:uPVm5A5so

菜々「結局あんまりお話できなかったです…」

P「まー、だんだん仲良くなれるんじゃないか。俺の事も最初は怖いと思ってたみたいだし」

菜々「それが今では、随分愛されてるんですねPさんっ」

P「おう。求婚されちゃったらどうしよ…なんて」

菜々「皮肉ですからね!? そ、そういえばギルバート・オサリバンとクレアちゃんてホントに結婚したんですか?」

P「いや、してないよ。つか、流石にあれじゃないか、ちっちゃい女の子に可愛いねーって言うのをちょっと歌で大袈裟にしてみただけなんじゃないか」

菜々「なんだか急に夢のない話になりましたね…」

P「だって、考えてもみろ? 菜々より23歳年下って何歳だ、そりゃ小さくて可愛いだろうけど、結婚したいとか真面目に考えるか?」

菜々「た、確かにナナの歳と……って、マイナス6歳です! ナナは17歳だから、23歳年下はマイナス6歳でまだ生まれてないですから!」


603: 2014/03/22(土) 04:21:31.24 ID:+qOmUjAlo

 ガン ガコン! ドンガラガッシャーン


P「な、なんだ!?」

菜々「すごい音がしましたけど……」

P「わ、分からん……一体何が…」

 ガチャ

歌鈴「ふえぇっ、またやっちゃった……。なんで何にもないのに転ぶの……」 ガチャガチャ

P「歌鈴? 何やってるんだ…」

歌鈴「こんな所Pさんに見られたら……ふぇっ、ぴぴぴPさんっ?」

P「あ……あー、分かった。すっ転んで周りにあったもの全部ぶちまけちまったんだな」

歌鈴「はうぅ…ごめんなさい。その通りですぅ…」

604: 2014/03/22(土) 04:22:09.65 ID:+qOmUjAlo

P「あらら……片付けるか。突き当たりにロッカーがあるから、箒とちり取り持ってきてくれるか?」

歌鈴「あ、は、はいっ」 トテテッ

P「落ち着いてゆっくりなー」

歌鈴「あ、は……きゃーっ!?」 ドンガラガッシャーン

P(むしろどうやって転んでるんだろう…)


────

───

──


605: 2014/03/22(土) 04:22:58.41 ID:+qOmUjAlo

歌鈴「うぅ…結局菜々さんにも手伝ってもらっちゃって…」

菜々「いいのいいの、困った時はお互い様ですよっ♪」

P「おやすい御用だよ。歌鈴が怪我でもしたらそっちの方が大変だからな」

歌鈴「はうぅ、わたしがドジなせいでご心配かけてばっかりで…」

P「いや、むしろ役に立てて嬉しいんだ。歌鈴にはいつも元気を貰ってるから、そのお返しだと思ってくれよ」 ナデナデ

歌鈴「はわわわっ!? あ、あのっ?」 アワアワ

菜々(歌鈴ちゃんが見てて気の毒なぐらいテンパってる…)

歌鈴「わ、わ、わたしっ! Pさんを元気にしてあげられてますかっ!?」

P「勿論だ! 俺だけじゃない、歌鈴のステージを見た人はみんな元気になるぞ」

歌鈴「ふええっ!? わ、が、がんばりましゅっ!」

 ダダダダッ


P「……ハワイでのライブの時は、別の元気も貰っちゃったぞぅ。着替えの時は気をつけような」 ボソッ

菜々「怒りますよ!?」



606: 2014/03/22(土) 04:23:55.28 ID:+qOmUjAlo

■道明寺歌鈴 Wait for Me


607: 2014/03/22(土) 04:24:27.88 ID:+qOmUjAlo

 『今夜』が終わっちゃいます…

 魔法にかかっていられる時間も もうじきお終いなんですね

 Pさんは わたしに 素敵なものをたくひゃんっ…

 (噛んだ…) たくさん、くれました でも…っ!

 ……でも 出来る事なら ご無理でなければでいいんですけどっ

 もう一度だけ チャンスを下さい!


 待って…下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ どうしても!

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



608: 2014/03/22(土) 04:24:56.96 ID:+qOmUjAlo

 はわっ!? むむ無理にとは言いません!

 Pさんの望まれるように し、して下さいっ

 ただ、その…… もし、すごく才能のある女の子を見つけた時 Pさんは…どうするのかなって

 歌鈴は 一人じゃ何も出来ない子だから Pさんのプロデュースが必要だから

 わたし一人残されたら 全部なくなっちゃうんじゃないか…って 怖いんです


 待って下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ どうしても!

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



609: 2014/03/22(土) 04:25:55.50 ID:+qOmUjAlo

 わたし達はまだ 何も生み出していませんけど

 わたし達が過ごした時間は きっと無駄じゃないはずですっ

 色々失敗して、わたし…また 沢山ご迷惑お掛けしちゃうと思うんですけど

 どうか許してほしいんです!

 そしていつか Pさんに頼るだけじゃなくて Pさんに必要とされる女の子になってみせます!


 だから待って下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



────
──


610: 2014/03/22(土) 04:28:39.78 ID:+qOmUjAlo

P「ホール&オーツ、80年頃だったかな。80sポップを聞くなら、個人的には外せないデュオだなぁ」

菜々「素敵な歌ですよね。歌鈴ちゃんの歌も素敵でしたっ♪」

歌鈴「あの、戻り…ふぇっ!?」

P「お。お帰り、良かったぞ!」

歌鈴「あ、あのでも、噛んじゃったりしたし…」

P「ああ、序盤な。立ち上がりの不安定さは課題だけど、歌鈴は何事も一所懸命で見ていて本当に元気になるよ」

歌鈴「そ、そんな事…わたしなんて、ドジでドベなのに…(//////)」 カァァ

P「こら」 チョップ

歌鈴「はぅ!?」 ビクッ

P「ファンの皆さんもそう言ってくれてるんだ。謙虚なのは良いけど、あんまり言うと皆の気持ちを否定することになっちゃうぞ?」 ナデナデ

611: 2014/03/22(土) 04:29:12.71 ID:+qOmUjAlo

歌鈴「は、はわっ!? あのっ、ええっ!?(//////)」 アワアワ

P「あとな、歌鈴はドジでもドベでもないよ。ただつい、他人のペースに合わせようとしちゃうんだよな。優しいから」 ナデナデ

菜々(良い事を言ってる気がするけど、歌鈴ちゃんあんなテンパって聞こえてるのかな…)

P「杏ぐらい図太く、藍子ぐらいマイペースにやってみろ。大変だと思ったら、待って貰えばいいんだ」 ナデナデ

歌鈴「あわわわ…Pさんがまた撫でっ…な、なんで!?(//////)」 ハニャフニャ

菜々(聞こえてなさそう…)

P「それこそWait for me~ってな。みんな歌鈴の事が大好きなんだから、喜んで待つさ!」 ポフポフ

歌鈴「へ、ぴ、Pさんも、そう思うんですかっ!?」

P「ああ、勿論!」

歌鈴「ふええっ、え、えええっ!?(//////)」


────

───

──


612: 2014/03/22(土) 04:29:42.75 ID:+qOmUjAlo

菜々「Pさんて、歌鈴ちゃんの事ずいぶん買ってるんですね」

P「まあ、あの子の場合は申し訳なさもあってなー」

菜々「申し訳なさ、ですか?」

P「歌鈴のポテンシャルは実際すごいよ。けど、変則スロースターターだろ? どうしても用意してやれる舞台が限られちゃってさ」

菜々「あ……確かにこう、調子を上げながらお客さんと一緒にステージを盛り上げていく役ですね」

P「真面目で前向きだけど、だから余計に、って感じなんだろうな。ま、そんなわけでさ、歌鈴が100%を出し切れる場を用意してやれない~って申し訳なさ」

菜々「な、なるほど…」

P「…ま、それだけじゃないけどさ」 ボソッ

菜々「へ?」

P「あいや、なんでもない。さっきも言ったけど、マイペースでやる度胸がつけば、もっと輝けると思うんだよな」

613: 2014/03/22(土) 04:30:54.02 ID:+qOmUjAlo

菜々「ああ、ドジでもドベでもない~、ですか」

P「うん。ドベの意味は実は知らないんだが、ドジの方はさ。実際他人のペースに合わせられる人間ばかりじゃないだろ」

菜々「そうですね…」

P「藍子もデビュー直後にスケジュールミスった事があってさ、その時の話だが、可哀想なぐらい慌てて、失敗しまくったんだよ」

菜々「そ、そんな事があったんですか?」

P「あの時の藍子が可愛くてなぁ。またあの顔が見たいんだけど、あの時ぐらいスケジュール詰め込んだら慌ててくれるかなぁ」

菜々「ちょっと!?」


 バタバタバタ ガチャッ


菜々「あ、あれ。歌鈴ちゃん?」

614: 2014/03/22(土) 04:31:25.65 ID:+qOmUjAlo

歌鈴「すすすいませ~ん! 忘れ物しちゃって…」

P「忘れ物なんてあったか?」

歌鈴「あのっ、このぐらいのポシェットなんですけど…」

P「いや、見てないな……いつも持ってる奴だよな? 今日は来た時から持ってなかった気がするけど」

歌鈴「ふぇっ!? そ、そういえば先週忘れて帰っちゃったから、今日は最初から持ってこない事にしたんでした~ふぇぇぇん!お騒がせしてごめんなさ~いっ!」


 ガチャッ バタバタバタ ガン ガコン ガッシャーン! フエェェエェエェ!?


菜々「……」

P「……」

菜々「あ、あの、言いにくいんですけど、歌鈴ちゃんてホントにドジじゃないんでしょうか…」

P「…自信なくなってきた」


────

───

──


615: 2014/03/22(土) 04:31:52.91 ID:+qOmUjAlo

菜々「あ、Pさん。そろそろ…」

P「ん、おぉ。そうだな」

菜々「今日は色々歌ってもらっちゃいましたね~」

P「ああ。宣材に使えそうなのもあったけど、それ以上に色々収穫だったな」

菜々「収穫、ですか?」

P「ああ、まあ。仕事だとどうしても、武器になると分かってるところばかり使う事になるからな。プロデュースを続けていく上で、女の子の希望とか適性を知る良い機会にさせて貰ったよ」

菜々「趣味の職権濫用じゃなかったんですね…」

P「いやほとんど趣味だ」 キリッ

菜々「言い切った!?」

P「菜々はまだ時間大丈夫か? 良かったら、菜々も一曲歌っていかないか?」

616: 2014/03/22(土) 04:32:44.92 ID:+qOmUjAlo

菜々「へ? 終電にはまだ時間ありますけど…いやでも、ナナは準備とかしてないですよ」

P「(終電て言っちゃったよ…)じゃ、俺からリクエストする」

菜々「いいですけど……どうせマイウェイとか、そういう系ですよね」

P「マイウェイ良い歌なのに……まあ、違うけど。ほらこれ、知ってるだろ?」

菜々「!! こ、これ…!」

P「いいか?」

菜々「はいっ! ウサミンパワーでいっちゃいますっ」



617: 2014/03/22(土) 04:33:38.93 ID:+qOmUjAlo

■安部菜々 Overnight Success

http://www.youtube.com/watch?v=RcX5ahXbU-M




618: 2014/03/22(土) 04:34:07.18 ID:+qOmUjAlo

 ミミミン ミミミン ミミ ミミミン ミミミン ミミ ミミミン ミミミン ミミ ウ・サ・ミーン

 探せばきっとある あなたの中の秘められたパワー

 あなたが強く願うなら 勝利は必ず微笑むはず

 夢に向かって走り出したら 振り向かず 立ち止まらないで


 光があなたを 眩しく照らすわ

 さあ出番よ あなたの時が動き出す

 感じる 期待に胸がドキドキするでしょ

 あなたの望みは 今、高みに達する!


 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!



619: 2014/03/22(土) 04:34:55.06 ID:+qOmUjAlo

 山だって動かせるわ あなたが心からそう信じて挑むなら

 海だって泳ぎきってみせる だから自分を信じて!


 誰にも邪魔はさせない 一歩一歩着実に夢へと向かうの

 叶う日が今日じゃないなんて そんなの分からないでしょ?

 感じる 期待に胸がドキドキするでしょ

 あなたの望みは 今、高みに到達する!


 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!


620: 2014/03/22(土) 04:35:23.77 ID:+qOmUjAlo

 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!


────
──


621: 2014/03/22(土) 04:35:54.14 ID:+qOmUjAlo

菜々「戻りましたっ!」

P「おー、お帰り菜々。さすが、芸達者だなぁ」

菜々「ナナ、この歌、大好きで……。いつか素敵なアイドルになって、フラッシュダンスみたいにステージに立ぢだいっで…」 ズビビッ

P「な、菜々? 泣いてるのか?」

菜々「ごめっ……なさい……っ。何だかっ……感極まっぢゃっで…」 グズグズ ズビビッ

P「は、はぁ…?」

菜々「ずっど…夢見でだがら……。Pざんに見つけでもらっで……よかった…本当に…ナナは幸せでず……」 グスッ ズズビッ

P「まあ待て落ち着け。菜々は歌をうたっただけで、まだトップに上り詰めてもいないし、アニメの主役にもなってないからな?」

菜々「……はっ!?そうでした!」 ズビーッ

P「あと確かにPVはなんか彷彿とさせる物があるがオーバーナイトサクセスとフラッシュダンスは無関係だ」

622: 2014/03/22(土) 04:36:48.41 ID:+qOmUjAlo

菜々「はぅっ!?」

P「まあでも良い歌だよな。84年だから、この歌もひょっとすると前年のフラッシュダンスを受けて作られたのかもしれない。ソニーのCM用に書かれたものだからな」

菜々「えっ、ソニーなんですか? じゃあ、日本国内向けに作られた…?」

P「ソニー自体は、ウォークマンとか世界的ヒット商品を持ってて、既に世界のソニーだったけどな。……って、こういう話題は菜々の方が詳しいか」

菜々「もう! 菜々が生まれた時にはウォークマンはもうCDが主流でしたから! カセットテープの時代なんて知りませんからねっ」

P(17歳設定でも間違ってないのかもしれないけど、17歳が言う台詞じゃないよな…)


────

───

──


623: 2014/03/22(土) 04:37:19.84 ID:+qOmUjAlo

 ガサガサヨッコイショッ

菜々「…っと。それじゃ、ナナは帰りますっ。Pさんはまだこちらに?」

P「ん、俺はもうちょっと」

菜々「…あまり根を詰めないで下さいね?」

P「いや、今日は別に仕事してないから…。何かすごい沢山宝物を手に入れた気分でさ、もうちょっと何かして帰りたいんだ」

菜々「……」 ジーッ

P「な、なんだよ……」

菜々「Pさん、本当に嬉しそうだなーって♪ それじゃお先に失礼しますね、ご主人様っ! キャハッ♪」


────

───

──


624: 2014/03/22(土) 04:38:13.00 ID:+qOmUjAlo

P「…………」

P「…行ったかな」


P「よーっし、それじゃ時間いっぱい、スタジオを独占して歌いまくってやるぜぇーっ!!」

 ガチャ

P「ひぁぁあぁっ!?」

茄子「こん・ばん・わ♪ ふふっ、何だか楽しそうですねぇー♪」

P「な、なんだ、茄子か…」

茄子「はいっ、茄子ですよ~! プロデューサーお一人ですか?」

P「ああ、さっきまで菜々がいたんだけどね。それにしても、変な時間に来たなぁ」

625: 2014/03/22(土) 04:38:40.51 ID:+qOmUjAlo

茄子「本当は最初に来たかったんですけど、ちょっと用事が出来てこんな時間になっちゃいました。でも、そういう事なら却ってらっきーでしたね♪」

P「ラッキーなのか…? まあいいや、データ落とす前で良かった。オールディーズを歌おう!の誘いに来てくれたんだろ?」

茄子「はい♪ 私が用意してきたのはイエスタデイ・ワンスモアなんですけど、どなたかもう歌っちゃいましたか?」

P「おー、確かにもう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

茄子「おおー♪ らっきーでしたねっ!」


626: 2014/03/22(土) 04:39:08.75 ID:+qOmUjAlo

■鷹富士茄子 Yesterday Once More

https://www.youtube.com/watch?v=YTaWayUE5XA




627: 2014/03/22(土) 04:39:42.54 ID:+qOmUjAlo

 若い頃 ラジオを聞くのが習慣だったんです

 好きな曲がかかるのを 期待しながら

 もし本当にかかったら ニヤニヤしながら 一緒に歌っちゃったりもして♪


 そんな幸せな時代から さほども経っていないのですけど

 私のお気に入りの曲々は どこに行っちゃったのかしら?

 そんな風に首を傾げていたら 戻ってきたんです!

 昔からのお友達 私の大好きな音楽達が♪


628: 2014/03/22(土) 04:41:22.89 ID:+qOmUjAlo

 優しい シャラララ~♪ も

 格好良い ウォウウォウ♪ も

 あの頃のまま 輝いていて

 素敵な シンガリンガリン♪ も加わって

 一緒に歌い出すの 素敵でしょ?


 あっ ここも好きです

 歌の女の子が 彼を思って泣くパート

 何度聞いても 涙が出てきちゃいます

 昔と同じに あの日々がもう一度来たみたいに




629: 2014/03/22(土) 04:41:51.49 ID:+qOmUjAlo

 それはとっても 幸せな日々だったはずなのに

 思い出すと 涙が出るのは何故でしょう?

 本当に何もかも 変わってしまった気がします


 昔大好きだったあの歌 この歌

 歌詞も全部覚えていて 今でも全部歌えます

 懐かしいメロディは 今も変わらずどれも素敵で

 過ぎた時を 優しく巻き戻してくれます


630: 2014/03/22(土) 04:42:18.07 ID:+qOmUjAlo

 優しい シャラララ~♪ も

 格好良い ウォウウォウ♪ も

 あの頃のまま 輝いていて

 素敵な シンガリンガリン♪ も加わって

 一緒に歌い出すの 素敵でしょ?


 全ての思い出が 鮮やかに蘇って

 その一つ一つに 私はまた泣いてしまうんです

 あの時のように

 昔と同じに あの日々がもう一度来たみたいに


────
──


631: 2014/03/22(土) 04:43:05.43 ID:+qOmUjAlo

茄子「如何でしたか、プロデューサー? 茄子のイエスタデイ・ワンスモア♪」

P「……」 グスッ

茄子「え、ぷ、プロデューサー?」

P「い、いや、何でもないんだ……やっぱいいよなぁ、この歌。いつ聞いても泣けてくる…」

茄子「あ、はい♪ 私も大好きなんです♪」

P「それにしても……茄子…ごめんなぁ、俺なんかがスカウトしぢゃっで…」 グスグス

茄子「ちょ、ちょっと? プロデューサーさんっ!?」

P「茄子の幸運ならもっと良い人生があっだはずなのに……」

茄子「そ、そんな事……私いま、幸せですからっ」 オロオロ

P「なーんて。ふう……堪能した。あ、歌があまりに良くて涙が出たのはホントだぞ」

茄子「は、え、もしかしてからかったんですか~! もぉー、正座です、ちょっとそこに正座して下さいっ!」


632: 2014/03/22(土) 04:43:42.00 ID:+qOmUjAlo

────

───

──


茄子「反省しましたか?」

P「はい…」

茄子「ホントにびっくりしたんですから、冗談でもやめて下さいっ!」

P「いやその、俺があれ聞くと自然と泣けてくるのはホントで、茄子の歌がまたうまかったから余計に……」

茄子「だからって、涙が出たからヘコんだフリして私をからかうなんてやりすぎですっ」 プクー

P「(かわいい)はい、反省します…」

633: 2014/03/22(土) 04:45:41.77 ID:+qOmUjAlo

茄子「私をスカウトした事、後悔しているみたいに言われて、私がどんなに悲しかったか…プロデューサー分かりますかっ?」

P「はい、その、はい……」

茄子「私、今の暮らしが幸せなんです。プロデューサーと一緒にアイドル活動をさせて頂いて、ファンの皆様を笑顔に出来る、そんな日々をくれたプロデューサーに本当に感謝しているんです」

茄子「それは、歌みたいな感傷的な気持ちになる事もありますけど、後悔なんてしてませんから、プロデューサーも冗談でもあんな事は言わないで下さいっ」

P「はい、二度と言いません……心から反省しております」

茄子「本当ですか?」 ジィーッ

P「はい…」 チヂコマリ

茄子「……」 ジィィーーッ

P「………」 ビクビク


茄子「じゃ、許してあげますっ♪」 ニコッ

634: 2014/03/22(土) 04:46:15.03 ID:+qOmUjAlo

P「……」

P「はぁぁぁ、よかったぁぁ~~」

茄子「プロデューサーに出会えて、こうしてご一緒できて、茄子は本当に幸せ者です。ありがとうございますっ♪」 ペコリ

P「え、あ、おう。こちらこそ、茄子みたいな素敵な子をプロデュース出来て幸せです。ありがとうございます」 ペコリ

茄子「ふふっ♪」

P「はははっ」


────

───

──


P「茄子は怒ってる顔も可愛いけど、本当に怒ると割と怖いんだな……」


640: 2014/03/25(火) 01:32:16.25 ID:ykDHz2Tso
>>639
どどんまい!
よほど人気のSSならともかく、このスレなら誰かの迷惑になる事はないはず!


ささいな訂正
>>625
誤:
P「おー、確かにもう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

正:
P「おー、もう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

そして更新

──────────

641: 2014/03/25(火) 01:33:12.33 ID:ykDHz2Tso
P「よし、茄子も帰したし、今度こそ俺様の一人舞台だ!」

P「一仕事する前に早速……っと」

P「よし、一曲目はこれだ!」



642: 2014/03/25(火) 01:34:41.27 ID:ykDHz2Tso

■モバP Your Song



643: 2014/03/25(火) 01:36:02.94 ID:ykDHz2Tso

 あー、すいません 大した事じゃないんですけど

 顔に出てました? うわ、参ったなぁ……

 その… 例えば俺にすごい貯金があったとして

 いやまぁ、ホントはないんですけど

 大きな家を買いたいな、って 二人一緒に暮らせるような



 例えば俺が芸術家だったら ……あーいや、やっぱナシで

 もうちょい現実的な線で

 怪しげなドリンクを売る事務員だったりとかして……


 いや、すいません だったらもっと何かあったのに …って話は置いといて

 本当につまらない物なんですけど

 歌を作って贈るのが 俺の精一杯なんです

 そう 今俺が歌ってる、この歌



644: 2014/03/25(火) 01:37:06.48 ID:ykDHz2Tso

 人に言ってもいいですよ

 “これは私の歌なんです”って

 素朴で簡単な歌かもしれないけど

 どうにか形にしてみました


 恥ずかしいんで さらっと聞き流してほしいんですけど

 ええと この部分なんですけどね

 “あなたといるから 俺の人生は素晴らしいんです”




645: 2014/03/25(火) 01:37:37.55 ID:ykDHz2Tso

 屋根に上って 苔を蹴飛ばしながら

 気にくわない詞に ×をつけたりして

 だけど この歌を書いてる間 すごくいい日和でしてね

 あなたみたいに 歌を愛してくれる人の為の歌

 そんな事を思いながら この歌を作ったんですよ


 あー その、すいません ど忘れしてしまって

 えーっと、ほら いつも見てるのに……



646: 2014/03/25(火) 01:40:02.19 ID:ykDHz2Tso



楓「プロデューサー」 ガチャッ

P「はひゃあぁん!?」 ビックゥ!

 ツカツカツカ ガシッ

P「え、か、楓さん!? ちょ、顔、掴まないで…」

楓「ほら、よく見て下さい。プロデューサー」 グググッ

P「ち、ちょっと…近い近い近い! あと酒くさい! 酔ってるんですか!」

楓「どっちも正しいです。私の目、青と碧、両方あります」 ググググッ

P「え、聞いてたんですか…って!わ、分かった! 分かりましたから! どっちも合ってます! だから離れて、これ以上はまずい!」


647: 2014/03/25(火) 01:40:31.27 ID:ykDHz2Tso

 パッ


楓「はい、それじゃ続きをどうぞ」 ニコッ

P「は、はぁ……」

楓「あ、youのところは楓でお願いします♪」 ニコニコ

P「え、えぇ~…」

P(楓さんの前で歌うとか、気まずいなぁ…) チラッ

楓「~♪」 ワクワク

P(すっごい上機嫌だ…ええい、ままよ!)



648: 2014/03/25(火) 01:41:52.60 ID:ykDHz2Tso


 それが青なのか碧だったか 忘れてしまって


 まあいいや とにかく何かって言うとですね

 楓さんの瞳は この世で一番魅力的だ って言いたいんですよ


 人に言ってもいいですよ

 “これは私の歌なんです”って

 素朴で簡単な歌かもしれないけど

 どうにか形にしてみました


 恥ずかしいんで さらっと聞き流してほしいんですが

 そう この部分なんですけどね

 “楓さんがいるから 俺の人生は素晴らしいんです”


649: 2014/03/25(火) 01:43:26.32 ID:ykDHz2Tso


 ホント、気にしないで 忘れてくれて良いんですけど


   “あなたがいるから 俺の人生は素晴らしいんです”


────
──



650: 2014/03/25(火) 01:44:02.59 ID:ykDHz2Tso

P「うわー緊張した…」

楓「……」 スー スー

P「寝てるし……この二十五歳児は本当に自由だな…。楓さん、風邪引きますよ、ほら」 ユサユサ

楓「んん……ふゃ……」

P「起きて下さい。潰れるならご自分の部屋でお願いしますよ」 ユサユサ

楓「ん……はれ、ぷろりゅーひゃー。わらひのうたは終わったんれすかぁ?」

P「はいはい。Your Songは歌い終わりましたから、起きて下さい」

楓「んふふっ♪ プロデューサーから見てyouは私だから、やっぱり私の歌ですね」

P「今はそれで良いですから……。さ、立てますか。部屋まで送ります」


────

───

──


651: 2014/03/25(火) 01:46:14.29 ID:ykDHz2Tso

P「女子寮まで歩いていけるっていうのは、良いような悪いようなだな…。もうちょっと遠ければタクシー呼ぶんだけど…」 テクテク

楓「ふふっ♪ 夜の散歩も素敵ですね」 フラフラ

P「フラフラじゃないですか、どんだけ飲んだんですか…」

楓「散歩、散歩…… !」 ピタッ

P「どうしました? 急に立ち止まって」

 シュッシュッ

P「ど、どうしたんですか? 急にシャドーみたいな…」

楓「コマンドさんぽ。ふふふっ♪」

P「その動きはボクシングです。ああほら、そんな頭振ったら気持ち悪くなりますよ」

楓「もっとあなたのソバット~♪」 ダキッ

652: 2014/03/25(火) 01:47:13.98 ID:ykDHz2Tso

P「うわぁ抱きつかないで! 人に見られでもしたらホントまずいですから! ちょ、体重掛けないで、ちゃんと立って下さいよもう!」

楓「プロデューサー、手繋ぎましょう。ね?」 ニコニコ

P「それもどうなんですか…」

楓「プロデューサーにチャランボ~♪」

P「もはや駄洒落になってないですよ。……まぁ、抱き合ってるよりいいか」

楓「はいっ」 テノヒラ

P「はい、これでいいですか」 ギュッ

P(手、小さいな。やわらかくてしっとりしてる…)

P「っと、いかんいかん」 ブンブン

楓「?」

653: 2014/03/25(火) 01:48:18.75 ID:ykDHz2Tso

P「あいや、今日は格闘技で攻めるんですね」

楓「アヤちゃんに教わりました。ふふふっ♪」 ニコニコ

P「なんでそんな上機嫌なんですか…。じゃ、行きましょう。誰かに見られる前に」


 テクテク テクテク


楓「~♪ It's a little bit funny~♪」

P「あ、Your Songですか? 楓さんからしたら、さっきの俺の歌なんかお耳汚しでしたよね」

楓「違いますよ?」

P「そう言って頂けると、嬉しいです」

楓「Your Songじゃなくて、My Song……かえでのうたです♪」

P「まだ言ってたのか! 恥ずかしいから、人には言わないで下さいよホント…」

楓「みんなに話していいよ~って、プロデューサー言いましたよね」 ニコニコ

P「あれは歌の歌詞ですって!」


654: 2014/03/25(火) 01:49:34.05 ID:ykDHz2Tso


────

───

──


 ガチャッ

P「ふう、すっかり遅くなってしまった…」

P「まさか寮の前で一悶着あるとはなぁ。迂闊に部屋までとか言った俺も悪いんだが…」

P「あれは分かってやってるのか、分かってないのか…」

P「っと、そろそろここ閉めないとな時間だな。あー、おかげで『雨にぬれても』も『雨に歩けば』も『雨に歌えば』も『悲しき雨音』も歌えなかったな…」

P「まあいいさ、歌うだけならどこでもできる! よし、事務所に戻って仕事するか」


655: 2014/03/25(火) 01:51:20.78 ID:ykDHz2Tso

────

───

──


 カタカタ カタカタ カチッ カチッ カタカタ

 ヨーシヨシヨシ ケイヒノ シリョウハ カンセイダ!

 ソレジャ マンヲジシテ キョクノセイリヲ シマスカネ…ット


 フムフム アノコハ コンナウタモ イケルンダナ ソレジャ ユニットヲ コンナフウニシテ……

 コレハイイナ エイギョウニ モッテッテミヨウ

 アーァ チヒロサン デビューシテ クレナイカナァ

 カタカタ カタカタ カチッ カチカチッ カタカタ

 …… ……… …………


────

───

──


656: 2014/03/25(火) 01:52:39.63 ID:ykDHz2Tso

 チュンチュン チュンチュン

P「ん……もう朝か」

P「すっかり事務所を私物化してしまった。ちひろさんにまた怒られるな…」


P「ふあぁ……!っと」 ノビー

P「んじゃ、腹もペコちゃんだし、みんなが来る前に軽くコンビニで食料でも調達してきますかね……っと」


────

───

──


657: 2014/03/25(火) 01:54:00.20 ID:ykDHz2Tso

 アザーシター

P「はー、良い天気だなぁ。公園通って帰るか」

 テクテク

P「この時間帯は人もいないなぁ。事務所がいつもうるさいから、これはある種の癒しだな」

P「お、人発見。……仲いいなぁ、ご夫婦かなぁ」

P「……」 テクテク

P「………」 テクテクテク

P「♪~」 ハナウタ

P「っと、つい歌が出てしまった。……ま、この時間なら人もいないしいいか」

P「♪~ ♪~」

 テクテク


???「……」 コソッ


658: 2014/03/25(火) 01:57:27.39 ID:ykDHz2Tso

■モバP Some Kind Of Blue

https://www.youtube.com/watch?v=F1pQUwS7BM4



659: 2014/03/25(火) 02:01:04.19 ID:ykDHz2Tso

 晴れた日に、歩く二人  恋人みたいに 仲睦まじく

 思わず振り返って 彼らが話す様を見つめる

 その仕草の一つ一つが 君との事を思い出させる


 僕らはずっと一緒さ そう信じて疑わなかった

 二人が別れる事なんて 夢にも思わなかったんだ

 いま僕は 誰もいない我が家へ帰る

 沈んだ気持ちで 夜を過ごす為に


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 君に別れを告げられた あの時からずっと

 僕はどうにも ブルーなままなんだ



660: 2014/03/25(火) 02:01:35.75 ID:ykDHz2Tso

 ベッドに寝転がって ただ天井を見つめてる

 ドアを開けて 出て行った君の事 考えながら

 今のこの気持ちは とても言い表せないよ

 ここで育んだ愛が もうどこにもないなんて


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 僕の知らないところで 君は違う生き方を決めてしまった

 だけど今でも好きなんだ だから気持ちが塞ぐんだ


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 君に別れを告げられた あの時からずっと

 僕はどうにも ブルーなままなんだ


────
──


661: 2014/03/25(火) 02:02:26.81 ID:ykDHz2Tso

P「フンフーン…っと、歌い終わって丁度事務所か」

P「この時間帯ならではの楽しみだが、傍から見たら完璧変な人だよなぁ」


 カツカツカツカツ


P「しっかし、一人は気楽だけど、みんながいないとやっぱ寂しいなぁ~、なんて」 タハハ…

凛「おはよ、プロデューサー」

P「うわああああああ!?」 ビックゥ!

凛「うるさい。大声出してどうしたの?」

P「だ、誰もいないと思ってたからさ…。俺を驚かすの流行ってるのか? 昨晩からもう三度目なんだが……」

凛「知らないけど、プロデューサーが勝手に驚いたんだよ。私がすぐ後ろにいるのに全然気がつかないんだもん」

P「だからって、至近距離で急に話しかけないでくれよ…俺が東郷さんだったら大変な事になってたぞ」

662: 2014/03/25(火) 02:03:28.01 ID:ykDHz2Tso

凛「どうしてあいさんが出てくるの?」

P「ああいや、違う東郷さんなんだが…って、いつから俺の後ろに?」

凛「プロデューサーが歌い出したあたりから」

P「き、聞いてたのか!?」

凛「うん。プロデューサーが一人でよく歌ってるのはみんな知ってるけど、外ではもうちょっと控えた方がいいよ? 危ない人だと思われるよ」

P「あ、危ない人とか言うな! ところで、朝一にしたって早い時間だが今日はどうしたんだ?」

凛「早く来ちゃいけない?」

P「いや、いいけどさ。凛なら一人で事務所入れるし」 ガチャガチャ

凛(プロデューサーがいない時は、来ないけどね) ボソッ

663: 2014/03/25(火) 02:06:42.79 ID:ykDHz2Tso

P「おし、入ってくれ。…なんか言ったか?」

凛「別に。Let Me Be There(傍にいさせて)だよ」

P「気にするなって意味なら、どっちかというとLet it be(そのままでおk)だぞ」

凛「……ばか」

凛「プロデューサーが一人で寂しいって言うから、来てあげたんだよ」

P「き、聞いてたのか!?」

凛「(ハァ…) 歌い出したあたりから後ろにいたって言ってるじゃん」

P「くそ……俺の孤高のイメージが…」

凛「そんなもの始めからないから。……まあ、私がいてもある種の青(some kind of blue)にしかならないけどね」 ドヤッ

664: 2014/03/25(火) 02:14:07.76 ID:ykDHz2Tso

P「……」

凛「……」

P「えっと、今のは凛のイメージカラーの蒼になぞらえて「ある種の青」って言ってみた、という話?」

凛「か、解説しないでよ……ばか(////)」 カァァ



 バタバタバタバタ バターン!



みく「Pチャァァアン!?」

P「うおっ、みくも早いな。おはよう」

みく「あっ、おはようにゃ。凛チャンもおはようにゃ♪」

凛「おはよ、みく」

みく「ってそうじゃないにゃ! Pチャンちょっとそこに座るにゃ!」

665: 2014/03/25(火) 02:15:12.76 ID:ykDHz2Tso

P「なんだよ……。はい、これでいいですか前川さん」 ギシッ

みく「前川さんはやめるにゃ! ……よいしょっと」

P「おい! 朝っぱらから膝に上るのはやめなさい! なんなんだ一体!」

みく「なんなんだはこっちのセリフだにゃ! またのあにゃんに変な事したのね! なんだかよく分からないかつらとか衣装を着せられて大変だったにゃ!」

凛「待って、朝じゃなきゃいいの?」

P「あ? あぁー、まぁ、ちょっとな。のあさんへこんでたか?」

みく「見損なうにゃ! のあにゃんはPチャンにセクハラされたぐらいでへこむようなヤワな芸歴はしてないにゃ! 新しいネタ作りにつきあわされただけにゃ!」

P「セクハラしてねえよ。っていうか、みくは何について抗議しに来たんだ?」

みく「抗議? みくはPチャンに約束を守ってもらいにきただけだけど?」 キョトン

P「あ?」

666: 2014/03/25(火) 02:16:25.86 ID:ykDHz2Tso

みく「とぼける気かにゃ! にゃん・にゃん・にゃん結成の時の約束にゃ! のあにゃんのボケにとことんついてく代わりに、みくを甘やかす約束にゃ!」

凛「何それ聞いてないんだけど」

みく「ほら、さっさとナデナデするにゃ!」

P「約束を盾に人に何かを強要するとか、失望しました。みくにゃんn…」

みく「それはもういいにゃ!」 フシャー!


────

───

──


667: 2014/03/25(火) 02:18:23.49 ID:ykDHz2Tso

凛「」 ウズウズ

みく「昨日はそんな事があったのかにゃー…」

P「みくにも声掛けたんだけどなぁ。みくにゃんがどんな歌うたってくれるか楽しみに待ってたのになぁー」 ナデナデ

みく「みくは洋楽なんか聞かないし歌わないのにゃ」

P「そっか、みくは英語苦手か」 ナデナデ

みく「(ギクッ)み、み、みくは猫チャンだからぁ。猫チャンは英語なんて話さないに決まってるのにゃ!」

P「まぁそう言わず。ミック・ジャガーとか挑戦してみたらどうだ?」 ナデナデ

みく「フシャー! テキトーすぎるにゃ!」 フシャーッ!

凛「ねえ、みく」

みく「ん? 凛チャンどうしたにゃ?」

668: 2014/03/25(火) 02:18:55.85 ID:ykDHz2Tso

凛「プロデューサー迷惑そうだし、そろそろ降りた方がいいんじゃないかな」 ウズウズ

みく「えっ、Pチャンみく迷惑かにゃ?」

P「いや、始業には時間あるし、特別迷惑って事はないが…」 ナデナデ

凛「重そうだし」

みく「お、重くないし! ……ははーん、さては凛チャン、やきもち妬いてるにゃ?」

凛「や、妬いてないし。プロデューサーが甘すぎるからみくの非常識さを指摘してあげてるだけだから」

みく「なんとでも言うがいいにゃ、Pチャンの膝は譲らないのにゃ。ご主人様のお膝に乗るのは猫チャンだけなのにゃ~♪」 フフン

P(俺の知る限り、小型犬やイグアナやキノコも乗るけどな)

凛「……」

凛「プロデューサー。今度よろしくね」

669: 2014/03/25(火) 02:19:35.45 ID:ykDHz2Tso

P「ん?」

凛「男の人の部屋に入るの、プロデューサーが初めてだから。笑ったりしないでね」

みく「!?」

P「は、何言って……あ、上映会がどうこうって奴か! あれは加蓮が言ってるだけで…」

凛「こんなんじゃお礼にならないかもしれないけど、夕ご飯、作るね」

P「話聞けよ!」

みく「どういう事にゃ! Pチャンどういう事にゃ!? 凛チャンばっかりずるいにゃ!」

P「凛ばっかりじゃないから! 違うから!」

みく「凛チャン以外も部屋に入れてるにゃ!? 何故みくは呼ばれないにゃ、最初に呼ばれて然るべきはずだにゃ!」

凛「気にする事ないよみく。絆って、時間だけじゃどうにもならないものだから。まゆの受け売りだけどね」 フッ

670: 2014/03/25(火) 02:21:45.03 ID:ykDHz2Tso

みく「なんにゃ!」 フシャーー!

凛「やるの?」 ウゥゥーー ワンッ


 マーーーオ

 ウゥゥーーーーー

 マーーーーーオ!

 ウゥゥゥーーーーーー バウッ!

 ギャフベロハギャベバブジョハバ


P「お前ら……俺の机で喧嘩するのやめろよ…」

671: 2014/03/25(火) 02:22:33.00 ID:ykDHz2Tso

ちひろ「おはようございまーすっ。あら、凛ちゃんとみくちゃん、今日も仲良しですね」 クスクス

P「おはようございます、ちひろさん。……まったく、ブルーになる暇もないですよ」 ハハハ

ちひろ「いつもの事じゃないですか」

P「いつもの……まぁ、そうですね」 フッ

みく「うっわPちゃんがかっこつけてるにゃ」

凛「うん。全然似合わないからやめた方がいいよ」

P「俺が迂闊な事言ったとたん共闘していじるのもやめろよ!?」




 おしまい

672: 2014/03/25(火) 02:39:41.28 ID:ykDHz2Tso
──────────

以上になります。

ウサミンにオーバーナイトサクセスを歌わせつつ、みくにゃんにミック・ジャガーを勧めるオチにしようというのは前々から決めてました。
それだけで五ヶ月も引っ張るってすごいね!呆れました!

最後の楽しみにしてたので、だらだら言い訳させてもらっていいですか!

自分でスレを立ててSSを書いたのは初めてだったので、ひとまず最後まで書けて良かったです。良い勉強になりました。
ラブソングが多い都合、思い人としてPがいた方が良いだろうと考えたんですが、今思うとアイドルだけだしてその場にいないPの事をあれこれ言う形でも良かったななんて。

ビジュアルに恵まれすぎてやりたい事が出来ない、というのあさんの苦悩は(自分の創作ですけど)もうちょっとうまく書ければなぁと心残りなのでいつかリベンジするかもです。
あと思いついたのが遅すぎて出来なかったんですが、ケイトあたりに日本のオールディーズで『おぼろ月夜』あたりを歌って欲しかった。心残りなのでいつか(ry
キャラの一人称、呼称も後から色々気がついたりして心残りなので(ry


そんなこんなでまた何か思いついたらスレを立てたりするかもですが、その時はまたよろしくお願いします!
ありがとうございました!

679: 2014/03/28(金) 02:10:31.52 ID:AxNHg0Zso
~エピローグ~

──某所 郊外


 テクテク テクテク


莉嘉「ねーお姉ちゃん、まだー?」

美嘉「……来ちゃった♪ …これだと軽い女だと思われるかな…。本日はお日柄も良く…うぅ、流石にそれはないよね……」 ブツブツ

莉嘉「うー…! お姉ちゃんっ!!」

美嘉「は、はい! 好きですっ!★」 ビクゥ

莉嘉「へ?」

美嘉「えっ? あ、いやその……なんだ莉嘉か…(////)。急に大声出さないでよ、恥ずかしいじゃない。どうしたの?」

680: 2014/03/28(金) 02:12:03.26 ID:AxNHg0Zso

莉嘉「お姉ちゃんが返事してくんないからじゃん…。ねーPくんの家まだー?」

美嘉「そろそろのはずだけど…あ、見えた。あれかな」

莉嘉「ホントっ!? あ、ねえねえ、莉嘉変じゃないかな。ちゃんと可愛い?」

美嘉「うん、超キマってる。マジ可愛いよ★」

莉嘉「えへへへ☆ Pくんちに初めてのお呼ばれだもんね。Pくん喜んでくれるかなー♪」

美嘉「大丈夫、きっと喜んでくれるって!」

莉嘉「へー、Pくんこんなところに住んでるんだね☆ まあまあだけどちょっと地味かなー」

美嘉「こーら、そんな事言わないの。素敵なメゾネットでしょ。…じゃ、行くからね」

莉嘉「うんっ!☆」


 ピンポーン

681: 2014/03/28(金) 02:12:54.04 ID:AxNHg0Zso

美嘉(莉嘉は見てあげたけど、あたしは変なとこないよね……?) ミダシナミチェック

P『はーい、どなたですか?』 ワイワイガヤガヤ

美嘉「(何だか騒がしい…?)あ、その、城ヶ崎です! プロデューサー?」

P『ん、あぁ、美嘉か。今開けるから、ちょっと待ってな』

 バタバタ ガチャッ

美嘉「あ、あのっ! 本日はお招き頂き誠に…」 カチンコチン

P「おう、いらっしゃい、ちゃんと変装してきてくれたな。まぁ、上がってくれよ」

美嘉「う、うんっ」

莉嘉「おじゃましまーすっ☆ …ん?」

P「はいお上がり下さい、っと。どうした?」

682: 2014/03/28(金) 02:13:23.35 ID:AxNHg0Zso

莉嘉「んー、なんでもない?」

P「? ならいいけど。ふう、どっこいしょっと」

美嘉「(なんだか疲れてる…?) あ、あの、プロデューサー。これ、ママから…いいって言ったんだけど」

P「え…」

美嘉「?」

莉嘉「ウチの近くのケーキ屋さんでね、ちょー美味しいんだよ☆ いっつもすぐ売り切れるの!」

P「あ、あぁ。ありがとう、ごちそうさま。親御さんにもよろしく伝えてくれよ」

美嘉「…ひょっとして迷惑だったり?」

P「い、いや、そう言う訳じゃないんだが、手ぶらで来てくれって言ったのにみんなやたら色々持ってきてくれてなー」 ハハハ…

美嘉「みんなって、そんなに……?」 ギョッ

683: 2014/03/28(金) 02:14:28.27 ID:AxNHg0Zso

美嘉(すごい数の靴…下駄箱から溢れてる!?)

P「まあでも、ありがたく頂くよ。ケチをつけてごめんな。さすがに桃華が持ってきた箪笥と鏡台は運転手さんに持って帰って貰ったんだけどさ」

美嘉「は!? それってまるで…」


 Pサンマダー?

 プロヴァンスノ カゼヨ!

 ハヤク キナサイヨ! レイナサマヲ イツマデ マタセル ツモリ!?


P「わーったよ! 今行くから!」

P「…取り敢えず上がってくれ。流石にスリッパが足りなかったから、そのままで。いいよな?」


 パタパタ ドタドタ

684: 2014/03/28(金) 02:16:19.39 ID:AxNHg0Zso

紗南「やっと戻ってきた。じゃ、クエ貼るよー?」

蘭子「漆黒の魔刃の前にひれ伏すがいい!(私は太刀でいきます!)」

麗奈「アタシはヘビーにするわ! みんなまとめて吹き飛ばしてあげる! アーッハッハッ!…ゲホゲホ」

莉嘉「あーっ☆ いいなー、アタシもやりたい!」

P「おっ、じゃあ莉嘉に選手交代だ」

紗南「えーっ? まだ二戦しかやってないのに…」

麗奈「レイナサマに恐れをなして逃げるつもりね!」

P「だってどう考えても俺が一番下手じゃん……。ゲームだけやってるわけにいかないから、な?」

蘭子「異界への召喚は定めなれば(他のお客さんの相手もしないといけないし、仕方ないですね…)」

紗南「まぁ、仕方ないかー。じゃ莉嘉ちゃん! 一狩り行こうぜっ!!」

685: 2014/03/28(金) 02:17:16.00 ID:AxNHg0Zso

莉嘉「うっしゃー☆ 狩るぞー!」

麗奈「あ、ちょっとP、レイナサマに飲み物買ってきなさいよ」

紗南「コーラとオレンジでよければそこの小さい冷蔵庫にいつも入ってるよ」

蘭子「! 汝は魔術師の塔の全てを熟知するか!?(プロデューサーのお宅の事詳しいんですね!)」

P「もうすっかり勝手知ったる他人の家だな…。はぁ……」


P「…んじゃ美嘉、来て早々で悪いんだが、ここ頼めるか?」

美嘉「へ? ま、任せといてよ★」

P「じゃ、俺ほか見てくるから……それにしてもゆかりはこの状況でよく眠れるな」

美嘉「うん?」

ゆかり「……」 スー スー

686: 2014/03/28(金) 02:21:25.71 ID:AxNHg0Zso

美嘉(ソファで爆睡してる……。大物だわ…あたしPさんの家ってだけで心臓バクバクなのに…)

P「ま、疲れてるんだろ。そっとしといてやってくれ」


美嘉(隙を見て二人きりに……なんて思ってたけど、とてもじゃないけど無理だわこれは…。まぁいいか、子供は好きだし) ストン


ゆかり「んん……Pさん……」 モゾモゾ

美嘉「プロデューサーなら庭……って、寝言?」

ゆかり「ん……Pさん見つけた……むにゃ…」 クンクン

美嘉「!?」

美嘉(そ、そういえばここはPさんの家、掛けてある毛布は当然Pさんの毛布…!)

ゆかり「んん……Pさぁん…うふふ……むにゃ…」 スヤスヤ

687: 2014/03/28(金) 02:22:02.34 ID:AxNHg0Zso

美嘉「……」 オズオズ

美嘉(あ、あたし今すごい事しようとしてる……) ドキドキ



 茜「うわーっ! すごいですねぇーー!!!」



美嘉「すすすすごくないよ!? あたし何もしてないから!」



 茜「ここからだと河川敷が良く見えますね!! 土手を走っている人もいて!」



美嘉(に、庭で話してるのか……) ホッ



688: 2014/03/28(金) 02:22:35.27 ID:AxNHg0Zso

茜「ううう…見ていたら居ても立ってもいられなくなりました! 私もちょっと走ってきます!!」

P「は? おいやめろ! 地元ならまだしも騒ぎになったらどうする!」

茜「その時は気合いで切り抜けます!! ううううー!ボンバー!!!」 ダッシュ!

P「なんでも気合いで片付けんな! ちょ、待って! お願い!」


P「あいつはなんで暇があれば走りたがるんだ…自分が有名人て自覚ないのか! ああもう、スニーカー出して来なきゃ…」

真奈美「私が追おう」

P「あー…済みません木場さん。お願いできますか」

真奈美「いいとも。君は家主らしく、でんと構えていたまえ。君に頼って貰えるなら、無理を押して邪魔させて貰った甲斐があったというものだ」 タッ

 タッタッタッタッ


689: 2014/03/28(金) 02:23:04.53 ID:AxNHg0Zso

P「ふう…木場さんがたまたま庭に出ていてくれてよかった…」

桃華「全く騒がしいですわね…」

P「うん、桃華が今当然のように座ってお茶してる椅子とテーブルは持って帰ってくれるんだろうね?」

桃華「? 何故そんな事をする必要がありますの?」 キョトン

P「何故そこで不思議そうな顔が出来るのか…箪笥だの鏡台だの、嫁入り道具かっつーの」

桃華「無論そのつもりですわ」

P「そうか、俺が嫁入りする機会があったらありがたく使わせて貰うよ」

桃華「うふふ、おかしなPちゃま。Pちゃまの場合は婿入りですわよっ」

 ピンポーン

P「冗談じゃなければその通りだな。…っと、また誰か来たのかな。はーい?」

690: 2014/03/28(金) 02:23:35.72 ID:AxNHg0Zso

 バタバタバタバタ


桃華「…Pちゃまさえよければ、わたくしこのままここに嫁ぐつもりでしたのに」 ボソッ




P「はーいはい、っと」

 ガチャ

藍子「あ、こんにちは、Pさん」

P「おっ、藍子か。よし、手ぶらで来てくれたな」

藍子「あの、なんだか凄い人数みたいですけど…」

P「ああ、すまんな。なんかうちにどーしても来たいって言うからさ…」

藍子「えっ? どうして分かったんですか?」

691: 2014/03/28(金) 02:24:09.59 ID:AxNHg0Zso

P「えっ?」

藍子「え、あ……そうではなくてっ(//////)」 アセッ

P「? で、アイドルがそういうのまずいだろって思ったんだが、あまり突っぱねるのも悪いしさ。ならいっそ大勢一気に呼んじまえば、逆にスキャンダルにもなりにくいだろと」

藍子「そうだったんですか…あの、そう言う事なら私、このまま帰った方が……」

P「駄目だ、帰らないでくれ!」 ガシッ

藍子「ひゃっ!? あ、あのっ?」 ドキッ

P「藍子が帰ったら困るんだ…」

藍子「そ、それって、その、どういう…?」 ドキドキ

P「部屋のキャパ以上に、明らかに俺のキャパを越えている。藍子みたいな良識枠が必要なんだ…頼む…っ」

藍子「あ、そういう……だからさっきから乃々ちゃんがぴったりくっついてるんですね?」

692: 2014/03/28(金) 02:24:39.60 ID:AxNHg0Zso

P「ん?」

乃々「」 ギュゥゥ

P「お、おわぁ!? の、乃々!? いつの間に!」

乃々「あ、あの…帰りたいんですけど……。こんなに人がいるなんて、もりくぼは心が折れそうなんですけど…」

P「強制じゃないのに何故来たし…」

乃々「藍子さんと扱いが全然違うんですけど…もりくぼじゃ頼りにならないって分かってますけど、流石に傷つくんですけど…」

P「わ、悪かったよ…。それじゃ、特別に俺の部屋に隠れてていいから。そこなら誰もいないから。な?」

乃々「そ、それならなんとか頑張れそうです…」

P「よ、よし。二階の大部屋にみんな集まってるから、藍子はそちらに行っててくれるか」

藍子「あ、はい。分かりました」

693: 2014/03/28(金) 02:25:07.61 ID:AxNHg0Zso


 パタパタ


亜季「良いでありますか。ミリタリーの基本は明快なリアリズム、目標を策定したら、それを達成する上でのあらゆる障害と無駄をそぎ落とし、ただひたすらに効率を追求したものなのです!」

フレデリカ「うんうん、あたしそーゆーの得意♪」

亜季「それはよかった! それではコーナーでの索敵における基本についてレクチャーするでありますっ」

P「お前ら人んちの階段で何やってんだ」

亜季「サー! フレデリカ殿にCQBの基本をレクチャーさせて頂いておりました! サーッ!」 ビシッ

フレデリカ「さーっ♪」

P「そうか…」

藍子(ますます疲れた顔に…!?)

694: 2014/03/28(金) 02:25:49.73 ID:AxNHg0Zso

亜季「プロデューサー殿も如何でありますか! 海外遠征の折など、いつ銃を取って身を守る必要に迫られるとも限りませんっ!」

P「いや、俺は亜季が酔うと教え魔になると学んだだけでお腹いっぱいだよ……。フレデリカは飲んでないだろうな?」

フレデリカ「お酒? 飲まない飲まない♪ 飲んで、ないっ!(キリッ) っとくらぁー♪」 ケラケラ

P「そんなテンプレな酔っぱらいがいるか…いや、むしろ酔っぱらいだからやるのか?」 ズイッ

フレデリカ「さーどうかなー? ……えっ、ちょ、近……」 ドキッ

 スンスン

P「…よし、飲んでないな」

フレデリカ「……」 ポー

フレデリカ「はっ? 息の匂いかいだの!?(//////) 不意打ちなんてヒドイ! えOち! サイテー!」 プンスカ

P「はいはい。じゃあ危ない事と法に触れる事だけはしないように。頼むぞ軍曹」

695: 2014/03/28(金) 02:26:18.46 ID:AxNHg0Zso

亜季「サーッ! 自分の吐息は確認しないでありますか! はぁーっ」

P「うわ酒くさ…お前は明らかに酔ってるだろ! っていうか成人してるから問題ないだろ!」

亜季「然様でありますか! それではフレデリカ殿、続けます。よく映画などでは壁に背をぴったりつけて向こう側の情報を得ようとしがちですが…」

フレデリカ「あ、待って! 吐息の交換はもっとロマンチックだってママが…もぉーっ!」

 ギャーギャー!



P「じゃ、藍子は悪いけど大部屋の方頼むな」

藍子「あ、分かりました…」


696: 2014/03/28(金) 02:26:46.72 ID:AxNHg0Zso

P「そして乃々、ここが寝室だから……って、なんで人がいるの!?」

周子「うおー、Pさんマニアックだなぁ。Pさんと付き合う人は色々大変だねー」 カチカチ

P「おっおい!? なに人のPC勝手に見てんだ! っていうかどうやって…その手のやつは全部メモリに退避してたのに……って、あれ、電源入ってない…」

奏「ええ、別に何も見ていないわ。けど、間抜けは一人見つかったようね」

P「はっ!?」

千秋「“その手のやつ”があるのね?」

P「き、汚いぞ! 大体ここには入るなって…」

千秋「あ る の ね?」

P「う、あ、あります……いいじゃないかちょっとぐらい……」 チヂコマリ

697: 2014/03/28(金) 02:27:16.29 ID:AxNHg0Zso

千秋「見せなさい」

P「な、なんでそこまでしなきゃいけないんだよ…あ、お前も酔ってるのか千秋」

千秋「見せなさい」

P「大人組は誰彼見境なく飲ませやがって全く…千秋も成人してるからいいけど慣れてないんだからほどほd」

千秋「見 せ な さ い」

P「ひぃ!?」

奏「おお怖い…。これはPさんも観念するしかないみたい」 クスクス

周子「千秋さんマジだねー。頼もし~♪」 ケラケラ

P「お前ら笑ってないで助けろよ! 乃々頼む! たまにはお前が矢面に立ってくれ!」 クルッ

乃々「む、むーりぃー……いやわりと本格的にむりなんですけど……た、助け…」 ガクガクブルブル

698: 2014/03/28(金) 02:27:44.24 ID:AxNHg0Zso

奏「女の情念を甘く見たPさんが悪いんだし、仕方ないわよね」

周子「ていうかあたしも見たいし?」

奏「私もそれが本音だけどね♪」

P「ひどいぞお前ら!?」


────

───

──


699: 2014/03/28(金) 02:28:18.97 ID:AxNHg0Zso

P「」 シクシクシク

周子「ま、公開処刑は免れたんだからよかったじゃーん♪」 バンバン

奏「もうそれに近い状況だと思うけどね」 クスクス

P「お前らもなんだか浮かれすぎだぞ! 酒とか飲んでないだろうな!」

周子「飲んでないって。これただのオレンジジュースだしー?」

P「ちょっと貸しなさい!」 パッ

周子「あっ」

 ゴクゴク

P「うん、普通のオレンジジュースだな…」

周子「また間接キスだねー。Pさんそんなにあたしとキスするの好きかなぁ」

700: 2014/03/28(金) 02:28:50.95 ID:AxNHg0Zso

P「ブッ! ああああアホか! ていうか思春期の中学生か! ま、まぁ、酒じゃないみたいだからいいけど、あんまり悪ふざけしてると怒るからなっ」

奏「……ねえPさん?」

P「ん? なんだ奏」

奏「私の飲み物は確認しないの?」

P「え、あー…まあいいだろ」

奏「フェアじゃないわ…… (ゴクッ) さぁ、私のも味見して頂戴」 ズイッ

P「なんでわざわざ直前に飲んで見せるの!? か、奏の事は信用してるから! じゃあそういうことで!」

奏「あんっ…もう! 間接ぐらいいいじゃない! ちょっと、待ちなさい!」



701: 2014/03/28(金) 02:29:33.37 ID:AxNHg0Zso

P「おっ、乃々はここに退避してきてたのか」

乃々「も、もりくぼにはあの場に居続けるなんて無理なんですけど……少女漫画のレベルを超えているんですけど……」

P「あーまぁ、少女漫画はないけどそこにある漫画は読んで良いから。……あれ、俺のベッド誰か寝てる?」

乃々「知らないんですけど…もりくぼが来た時にはもうこうなってましたし」

P「誰だよまったく…」 バサッ

杏「Zzz……」 スヤスヤ

P「あ、杏!? こいつ、来ないって言ってたのに……おい杏起きろ! 俺の最後の聖域まで侵すな!」 ユサユサ

杏「んん…うるさい…」 バシッ

杏「Zzz……」

P「こ、こいつ……! ……はぁ…もういいよ」 パサッ

乃々「も、毛布掛けてあげるんですね…」

P「まぁ、さすがにないと風邪引くからな……はぁぁ…なんでこんな事になったのか…」

 トボトボ



702: 2014/03/28(金) 02:30:08.11 ID:AxNHg0Zso

友紀「Pさーん、つまみまだー?」

P「お前くつろぎすぎだろ…あぐらはやめなさい。って、あー!? 俺のシングルモルトのコレクションが!?」

礼子「ちょっと格好つけすぎじゃないかしら」 ゴクゴク

志乃「男らしい趣味だと思っちゃう年頃なのね」 ゴクゴク

P「楽しみにしてたのに……大人は遠慮してくれって言いましたよね!? 来るならせめてアルコールは自重して、人に勧めたりもしないようにって言いましたよね!!」

瑞樹「確かに言われたわね」

早苗「でも、従うとは言ってないわ!」

礼子「遠慮は遠慮したわ」

志乃「遠慮をやめて深慮した結果よ」

P「こ、この大人げない大人どもは……」

703: 2014/03/28(金) 02:32:05.61 ID:AxNHg0Zso

ちひろ「あ、あの……やっぱり私達はお暇した方が…」 オズッ

あい「ご近所にも迷惑だろうし、せめて分別が残っている者だけでも帰った方が良いのではないだろうか?」

P「お、俺一人でこのドランクモンスターどもを相手しろと!?」

あい「そ、それを言われるとつらいな…」

ちひろ「せめて私達はノンアルコールで行きますね…」

P「あ、ちひろさんはくれぐれもそうして下さい。ちひろさんまで酔ったら本当に俺は氏ぬかもしれない」

ちひろ「ど、どういう意味ですか!?」

P「酔ったちひろさんは鬼や悪魔が可愛く見えるレベル」

あい「そ、そこまでなのかい、ちひろさんは…」

ちひろ「そんな事ありませんからぁ! ち、違いますよね? そういえば酔った自分って全然記憶に……」

704: 2014/03/28(金) 02:32:33.81 ID:AxNHg0Zso

P「…って、あれ? 楓さんも来てませんでした?」

友紀「? あれ、さっきまでいたよー?」

P「おかしいな……お手洗いかな…」

藍子「あ、あの……楓さんなら…」

 ガシッ

P「おわぁー!?」 ズデーン

早苗「きゃっ!?」

藍子「て、テーブルの下に…」

楓「ふふふ、油断していると足元をすくわれますよ」 ノソノソ

P「い、いきなり人の足首掴むとか……子供か! すいません早苗さん、大丈夫でしたか?」

705: 2014/03/28(金) 02:33:02.15 ID:AxNHg0Zso

早苗「もぉー、ほろ酔い姿のお姉さんが色っぽすぎてつい襲いかかっちゃったのね。もう逮捕だわ♪ ていうかシメる♪」 ガシッ

P「ちょ、放して下さい! ていうかどこがほろ酔いですか! どう見ても泥酔でしょう!」

瑞樹「ちょっとP君。今明らかに私の方を避けて倒れたわよね。それについて納得のいく説明を要求するわ」

P「か、川島さんに怪我させたらまずいと思って……早苗さんはこういうの慣れてるイメージが…」

早苗「やだもう、壊れちゃうような事をするつもりだったのねっ! でもあたしも初めてだから優しくして欲しいわ♪」

P「話をややこしくしないでください! ああもうこの酔っぱらいは!」

志乃「こんな風紀の乱れた男性が私達のプロデューサーだったのね」

礼子「ちょっとそこに正座しなさいな」

P「悪のりはやめて下さいよ!」

瑞樹「いいえP君、そこに正座よ。従わないとどうなるか…分かるわね?」

P「ひぃっ!?」 カシコマリッ

706: 2014/03/28(金) 02:34:19.43 ID:AxNHg0Zso

楓「!」

楓「♪♪~~」 ノソノソ

P「あなたはいかにも『良い事思いついた!』って顔で膝に乗ってこないで下さい! 全然良い思いつきじゃないですからね!?」

友紀「さぁーバッターボックスのP、2アウト2ストライクと追い込まれました! ここはどうにかランナーを帰したいところ!」 ケラケラ

P「うるさいよお前!」 ナミダメ



美優「あの…簡単につまめる物を用意しました……えっ? ど、どうしたんですか?」

友紀「おー待ってました! ここで期待の助っ人、美優さんに交代です!」

P「た、助かった……! 美優さん後お願いしますっ」

美優「あ、はい…? あの、えっ?」

707: 2014/03/28(金) 02:35:02.15 ID:AxNHg0Zso

菜々「ナナからも、ウサミン特製! お酒によく合うおつまみでーすっ! キャハッ♪」

P「安部さん、今日はオフだからスーパー十七歳解禁でもいいですけど子供組に何か言われたら自分でフォローしてくださいね」

菜々「はうっ!? だ、大丈夫ですよっ! ナナは永遠の17歳だから、ジュースに見える飲み物しか飲みませんっ」

藍子(全然大丈夫に聞こえない…)


────

───

──


708: 2014/03/28(金) 02:35:41.40 ID:AxNHg0Zso

P「だ、駄目だ…これ以上は身が保たない…一旦書斎に退避……」

涼「おーっ、Pさん結構いいギター持ってるね」

P「あー、まぁ形だけな? いじる暇も無くてこいつらには可哀想な事をしてるなぁ」

夏樹「じゃ、あたしらが弾いてもいいかい?」

P「ああ、いいぞ。弦ならそこの二段目に入ってるから」

李衣菜「あっずるい! 私には駄目って言ったくせに!」

P「だりーなの時はエレアコだったからなぁ、時間も遅かったし。今日は昼間だし、ご近所にあらかじめ話通してあるからな」

李衣菜「うぅ……あの時は知らなかったんですよぅ」

P「おう。アンプの存在もあの時は知らなかったな」

涼「それでロックとか言ってたのかよ…。夏樹…あんた苦労してるな…」

709: 2014/03/28(金) 02:36:12.92 ID:AxNHg0Zso

夏樹「まあまあいいじゃないの。李衣菜も弾いてみたいのあったら言いなよ、音合わせてやるから」

李衣菜「うんっ! Pさん、私これ欲しい!」

P「弾くだけな!? あげるあげないの話はしてないよね!?」

涼「あたしはこれ、っと。軽く合わせてみようぜ」

P「アンプの使い方は……まぁ大丈夫だよな。あまり大音量にはしないようにな?」

李衣菜「はーいっ♪」

P「……あまり大音量にはしないようにな?」

夏樹「ああ、了解」

涼「心配しなさんなって」

李衣菜「なんで聞き直したんですか!?」

710: 2014/03/28(金) 02:36:43.07 ID:AxNHg0Zso

 パタパタ



P「…ん、頼子達は読書か」

頼子「うん…賑やかなのは、苦手…だから……」

P「そうか。何か気に入った本とかあったか?」

頼子「それは……まだ、読み始めたばかり…だから……」

P「そりゃそうか。この棚のは大体読み終わってるから、借りてって構わないからな」

頼子「大丈夫…読むだけでいいから……。…盗みたいものは、あるけど……その方法を、調べたいの……」

P「物騒な物言いだなぁ。まぁ、仕事の本もあるから、読めば俺のプロデュースのノウハウなんか簡単に盗めちゃうかもな」



711: 2014/03/28(金) 02:37:27.35 ID:AxNHg0Zso

P「……で、そちらはみんなして何見てるんだ?」

日菜子「むふふ…日菜子と同い年のPさん…。新しい教室……隣同士になって、教科書を見せて貰ったのがきっかけで二人は……むふふふ…」

智絵里「あ、あの……日菜子ちゃん、ほ、他のページも……」

芽衣子「最後の学生名簿見ようよー。Pさんの地元、あたしが行った事ない場所だったらいいなー♪」

留美「その校舎は確か○○県の……いえ、その写真だけだと絞り込めないわね。もっと情報を…」

P「うおぉ!? おお俺の卒業アルバム!? や、やめて! 公開処刑やめて!」 バッ

日菜子「あっ、Pくん……今日は私服なんだね」

P「いつも私服だ! 戻ってこい日菜子!」

日菜子「あ、あれ…。また日菜子の妄想でしたぁ。むふふ…」

智絵里「あ、あの……ごめんなさい、Pさん…私……」

712: 2014/03/28(金) 02:37:55.58 ID:AxNHg0Zso

P「い、いや、いいんだ。俺もみんなの昔の写真とか見たくなるし、実際親御さんに見せて貰ったりしてるから」

智絵里「み、見捨てたり、しませんよね? 見捨てないでください…見捨てないで……」

P「さ、最近言わなくなったから安心してたのに!? しないから、見捨てたりしないからな! 智絵里の方がもう嫌だって言うぐらい最後までプロデュースするから! な!」

芽衣子「もーっ、卒アルぐらいいーじゃん。Pさんの地元いい加減教えてよー。どんなとこ? 山の方? 海の方? 珍しいものとかある?」

P「ふつーのとこだよ! ふつーのとこ!」

留美「引っ越していないなら中学……小学校のアルバムでもご実家の住所は載っているはずだわ…」 ガサゴソ

P「ちょっと和久井さん!? 卒アルはホント恥ずかしいんでもう勘弁して下さいよ!?」



713: 2014/03/28(金) 02:38:25.10 ID:AxNHg0Zso

P「はぁぁぁ……もう駄目、ちょっと外の空気吸おう……」

 カラカラ

輝子「キノコ~ノコノコ~♪ デストロォォォォイ♪」 ゴソゴソ

P「おっ、輝子はここにいたのか」

輝子「フヒ……ひ、人混みは苦手…だから…」

P「別に今日は強制じゃなかったんだがなぁ。伝わってなかったか?」

輝子「だ、大丈夫……。トモダチだからな…と、トモダチの家に行きたいのは、常識…。む、むしろ、住みたい…」

P「友達の家には普通住まないけどな。あと鉢植えをそんなに並べてどうするつもりなんだ」

輝子「と、トモダチ…だからな。友情をお…おすそわけ……フヒヒ」

P「俺が貰っても枯らしちゃうぞ…」

輝子「だ、大丈夫……。私が、定期的に、様子を、見に来る」

P「机だけじゃなくて俺の部屋にも入り浸る気か。…まぁ、輝子なら静かだし別にいいか……」

714: 2014/03/28(金) 02:38:52.63 ID:AxNHg0Zso

小梅「Pさん、Pさん……!」 トコトコ

P「ん、小梅もベランダにいたのか。凄い良い笑顔だけど、何か面白いものでもあったのか?」

小梅「う、うんっ……。あ、あの、ね。こ、ここ、と通り道になってて…」 キラキラ

P「うん? 通り道…?」

小梅「そ、そう…あ、あっちから…せ、線路の方に……み、み、水が近くにあるから…だと、思うんだけど…」 キラキラ

P「あまり聞きたくないけど心当たりはあるんだよな……夏場とか寝てると気配がさぁ…。何の通り道があるんだ?」

小梅「れ、霊の! な、夏場はま、窓…あ、あ、開けて、風通り良くすると…入ってくる事があるから…」 ニコニコ

P「そうか…電気代は掛かるけどエアコンに頼る事にするよ」

小梅「あ、あのね、ぴ…Pさん。夜までいていい?」 キラキラ

P「夜になったら霊が通るのか?」

715: 2014/03/28(金) 02:39:23.24 ID:AxNHg0Zso

小梅「う、うん…い、今も大勢いるけど、ぴ、Pさんのおうちにも入ってるけど…も、もっと増えると思う…ね、い、いいでしょ?」 キラキラキラ

P「そうか、今もいるのか……。おーい、ユッコ! ユッコいるかー?」

裕子「はーいっ! エスパーユッコ参上!」 ヒョコッ

裕子「どうしました? 何かお困りですかっ?」

P「この辺霊の通り道になってるらしいんで、ちょっとサイキック除霊で何とかしてくれないか?」

裕子「ひっ!? れれれ霊ですか!?」

P「うん、流石にうちの中を徘徊されたら困るからな。あ、“あの子”は小梅の友達だから駄目だぞ、“あの子”以外な」

小梅「す、すごい……! あ、で、でも…でもね、き、気づいてないだけで、迷ってる霊も、い、いるから、余りい、いじめないであげて欲しいな…あ、あまり追い詰めると、あ、危ない、し…」

裕子「そそそそんな事を言われましてもですね」 ガクガクブルブル

P「よし、じゃあユッコ、我が家の対霊外交政策は任せたぞ。俺はちょっと台所を見てくる」

裕子「ぷぷぷプロデューサー!? ま、待って! 行かないで下さいぃ!」



716: 2014/03/28(金) 02:39:52.68 ID:AxNHg0Zso

 パタパタパタ



千枝「響子さん、レタス、こんな感じでいいですか?」

響子「うんっ、良い感じ! それじゃ、大皿に並べてくれるかな。まゆちゃんの方はどうっ?」

まゆ「刻み終わったわ。それじゃ、私も包む方に回るわね」

響子「うん、お願いします! 千枝ちゃん、レタスが敷けたら次はこれねっ。ええと次は…」

P「おーっ、なんだかうまそうなものが出来つつあるなぁ」

響子「あ、Pさんっ! そろそろ料理が出るから、座ってて下さい」

薫「せんせぇ! かおるもお料理手伝ったよ! ほらこれ!」

P「おっ、これはサラダに載せるのか? うん、うまそうだな。薫はえらいなぁ」

717: 2014/03/28(金) 02:40:34.52 ID:AxNHg0Zso

千枝「あ、それじゃ薫ちゃん、最後の仕上げだね」

P「千枝と薫の合作か。千枝もありがとな」

千枝「えへへ…。なんだかお姉ちゃんと妹が出来たみたいで嬉しいですっ」

響子「混ぜたり並べたりじゃ、おうちでお手伝いしてる子には役不足だったかもですね。流石に火と刃物は任せる訳にいかなくて…」

P「なるほど慣れたもんだなぁ。みんなのお母さんみたいだぞ」

響子「あ…えへへへっ♪」

まゆ「Pさぁん…」

P「おっ、まゆは何やってるんだ? 餃子か?」

まゆ「ごめんなさいPさん……まゆ、台所を頼むって言われたのに……この場で一番お姉さんなのに…」

P「えっ、ど、どうしたの? 一体何があったんだ? 話しながら手を休めないのは偉いが、顔も見れないと心配なんだが…」

718: 2014/03/28(金) 02:41:02.90 ID:AxNHg0Zso

まゆ「まゆはたくさん料理を作った事も、大勢で作った事もなくて……Pさんの期待に答えられませんでした…・」

響子「わ、私はたまたま大家族で慣れてただけだから! まゆちゃんが包丁仕事してくれたからここまで早く出来たんだから! ねっ」

P「あぁ、なんとなく分かったわ。そっか、料理をするって一言で言っても色々あるんだな…。すまんまゆ! 俺が無知だった!」

まゆ「そんな、Pさんが謝る事なんてないんですよぉ」

P「思えばまゆが作ってくれる料理って、一人分から二人分ぐらいだったもんなぁ。響子がいいママなら、まゆはいい奥さんて事だな」

一同「「「「!?!?!?」」」」

P「だから元気だせ、な!」

まゆ「良い奥さん、ですかぁ? うふふふ、まゆ、すごく元気になりましたぁ♪」

P「おっ、やっとこっちを向いてくれたな。何作ってるんだ?」

まゆ「餃子ですよぉ。由愛ちゃんとありすちゃんも手伝ってくれているんです」

719: 2014/03/28(金) 02:41:39.48 ID:AxNHg0Zso

ありす「橘です。家事の事で皆さんには負けていられませんから」 テキパキ テキパキ

由愛「……! ……!」 セッセ セッセ

P「二人静かだと思ったら黙々と作業をしていたのか…なかなか手際がいいな、なんだか鬼気迫るものがあるが」

まゆ「メニューを考えたのは響子ちゃんなんですよぉ」

響子「あ、はい。大勢で、お酒を飲まれる方もいるならこういうのがいいかなって…。でも、何味の餡を作るかはみんなで考えましたし、私一人で考えたわけじゃ…」

P「なるほどな。ともかく餃子は大好物だから期待してるよ。あ、ニンニクとか入れた?」

響子「あ、いえ、基本入れなかったんですけど……」

まゆ「Pさんの為に、入れた餡も作りましたよぉ」

P「おっ、まじか。みんな、ありがとな! ……ところでもう何人かいなかったっけ?」

響子「あ、デザート係って事で、そちらはかな子ちゃんにお任せしちゃいました」



720: 2014/03/28(金) 02:42:35.45 ID:AxNHg0Zso

P「お、なるほど。こっちで作ってたのか」

かな子「あ、Pさん! えへへ、火が塞がってるから、フルーツパンチを作ります♪」

P「ほー、缶詰のフルーツじゃなくて、ちゃんと皮向いて切り分けてるのか」

かな子「はいっ♪ あ、缶詰も使うし、気が抜けちゃうので、仕上げるのは最後ですけど」

茄子「プロデューサー♪ ほたるちゃんも頑張ったんですよ、ほらっ」

P「おー、綺麗にむけたな。ナイフうまく使えたか?」

ほたる「あ、はいっ。私、私が触ると良くない事が起きるって言われて…やらせて貰えなかったから…私……」 ポロポロ

P「うわ、わ、な、泣くな! 泣かないで! 変な事聞いて悪かった! ごめんな!」

茄子「違いますよ、ほたるちゃんは悲しくて泣いてるんじゃないです。ねっ?」 ギュッ

ほたる「私……私、嬉しくて……ごめんなさい…」

721: 2014/03/28(金) 02:43:03.01 ID:AxNHg0Zso

かな子「嬉しい時も、涙が出ちゃうんだよね。私もそうだから、大丈夫だよ」 ナデナデ

歌鈴「わ、わたしもそうだから。ほたるちゃんが謝る事ないよっ」 アワアワ

P「かな子と歌鈴は泣きすぎだろう…」

歌鈴「はうっ!?」

かな子「あぅ…ごめんない…」

茄子「もう、プロデューサーだってよく泣いてるじゃないですかっ」

P「お、俺はプロデューサーだからいいの!」

茄子「むぇーー☆プロデューサーちゃんはめっめ!ほたるちゃんはカコとハピハピすぅ☆」

ほたる「あ、それきらりさんの……うふふ」 ニコッ

茄子「あ、笑った! うふ♪ ほたるちゃんは笑顔が一番可愛いにぃ♪」


722: 2014/03/28(金) 02:43:43.64 ID:AxNHg0Zso

────

───

──


P「…しかし料理ぐらい出来るようになった方がいいだろと思うんだが、そんなに不幸な事があったのか? ちょっと切ったりやけどするぐらいなら、むしろ経験だと思うんだが」

ほたる「あの……一度無理を言ってキッチンに立たせて貰ったんです。そうしたら近所で落雷があって、一斉に停電してしまって…」

ほたる「うちはガスじゃなくて全部電気だったので、何も出来なくなってしまって…」

P「そ、そんな事があったのか…あるもんなのか……」

茄子「思いがけない事はよくありますよ~」

P「茄子もあるのか?」

茄子「あ、私の場合は嬉しい偶然ですけど…以前卵をパックごと落として駄目にしてしまって」

723: 2014/03/28(金) 02:45:02.74 ID:AxNHg0Zso

P「茄子って意外と抜けてるよな」

茄子「もう!なんですか! …それで、買いに出ようとしたら、偶然お隣さんが卵を買いすぎたからとお裾分けしてくれたんです」

歌鈴「思いがけない事と言えば、わたしもありました。電子レンジでゆで卵を作れると聞いて、試したんですけど、爆発して大変な事に…」

P「それはただのドジだ!」

歌鈴「はわっ!?」

かな子「卵をホイルで包んで、お水に入れて作るんだよ。そうしないと爆発しちゃうから」

P「さすがかな子は知ってるか。かな子はなんか無いのか、思いがけないエピソード」

かな子「わ、私ですか!? えっと、私はもう、思いがけない事ばっかりで…毎日がサバイバルです…」

P「そう聞くと凄まじいな……」



724: 2014/03/28(金) 02:45:48.60 ID:AxNHg0Zso

響子「Pさん、そろそろ料理が出るので、お二階の方にお願いしますっ」

P「おっ、了解。じゃ、かな子達も区切りがついたら集まってくれな」

一同「「「はーいっ」」」


P「お前ら腹減ったろ。そろそろゲームは切り上げて上に集合なー」

 ハーイ! マチクタビレタゾ!

P「桃華も中に入ってたか」

桃華「風が出てきたからですわ。Pちゃまがちっとも迎えにきて下さらないから、痺れを切らしたというのもありますけれど」

P「そりゃすまんな。んじゃ、行くぞー」



725: 2014/03/28(金) 02:46:18.03 ID:AxNHg0Zso

 パタパタ ドタドタ



美嘉「そういえばPさん、今日って何のパーティだったの?」

P「ん? あー……なんだっけ…?」


奈緒「なんだっけじゃないだろ!?」

P「あ、そうだそうだ。元々は奈緒のお勧め作品の上映会をしようって話だったんだよ」

未央「プロデューサー遅いぞっ! もう映画一本見ちゃったよ」

卯月「とっても可愛かったですよっ!」

凛「卯月はジブリ好きだよね」

卯月「えっ、うん。好きだけど…おかしいかなぁ?」

726: 2014/03/28(金) 02:46:46.52 ID:AxNHg0Zso

未央「むしろすごく普通で、しまむーっぽい!」

卯月「えぇーっ?」

加蓮「Pさんここ座って! 私の隣!」 バンバン

凛「プロデューサーの席は真ん中だよ。そう決めてあったでしょ」

美嘉「なんか…凄まじいね……」 タハハ…

P「お前ら完璧にアニメ見る気しかないな」

未央「最初にお掃除したよ!」

卯月「頑張りました!」

P「おう、その節は大変助かりました」 フカブカ

未央「いえいえどういたしまして」 フカブカ

卯月「またのご利用をお待ちしておりますっ」 フカブカ

727: 2014/03/28(金) 02:47:16.47 ID:AxNHg0Zso

凛「だって、プロデューサーが料理させてくれなかったんじゃん」 ムスッ

P「いやだって、凛があんなに台所仕事が出来ないとは……。料理以前に、刃物を渡す時は柄の部分を相手に向けるんだぞ」

卯月「見ててドキドキしちゃった! 修羅場ってこういう感じなのかなって!」

未央「プロデューサーを頃して、私も氏ぬ! ぐさーっ!」 グサー

卯月「きゃーっ♪」 バターン

凛「しないから!」

加蓮「えー、凛はやりそうなタイプだよね」

奈緒「加蓮…お前も人の事言えないだろ…」

加蓮「えー? 私はPさんの事信じてるし? 旦那様の事を包む優しい奥さんタイプだし」

奈緒「いーやお前はPさんを刺すタイプだね」

P「なんで毎回刺されるのは俺なんだ……」

728: 2014/03/28(金) 02:47:44.46 ID:AxNHg0Zso

みく「PチャンPチャン、ちょっと注目にゃ!」

P「ん? 今までどこにいたんだみく」

アーニャ「あーにゃんです。ダー」 ニャンッ

みく「みくにゃんだにゃ♪」 ニャンッ

のあ「新田美波でございます」 ニャンッ

みく「なんでにゃ! 打ち合わせどおりにやるにゃ! 大体そのネタは『みなみ』しかあってないにゃ!」

P「人んちまで来て何やってんだよ…」

みく「ていうかみくが毎回オチという風潮おかしいのにゃ!」

のあ「それは違うわみく。フィナーレは誰にでも出来るものではない…それは言うなれば、信頼の証明よ」

みく「え、そ、そうなのかな…」

729: 2014/03/28(金) 02:48:12.89 ID:AxNHg0Zso

のあ「みく…」

みく「のあにゃん……」

のあ「人の心は本人にも分からないもの。それでも、ボケたのに突っ込まれないというのは、悲しい事よ」

みく「ボケだったのかにゃ! 折角良い事言ったと思ったのに、ボケだったのかにゃ!?」

アーニャ「プロデューサー、面白かったですか?」 クイクイ

P「いや、かなり面白いけど……」

アーニャ「じゃあ、ナデナデして下さい」

みく「ぶるすこにゃー!?あーにゃんばっかりずるいにゃ!」

のあ「あーにゃんばっかりずるいにゃ」

みく「のあにゃんは真似するにゃ!」

730: 2014/03/28(金) 02:48:42.81 ID:AxNHg0Zso

P「もう何が何だか……めまいがしてきた…」

のあ「皆が思い思いの音を奏でていても、出来上がるものがハーモニーをなすならば、それは音楽なのよ。貴方ならそれが分かるはず……私達の、プロデューサーなのだから」

P「のあさん……。そうだな、こんな日も、ずっと後になって、オールディーズみたいな懐かしい思い出になるのかもしれないな」

のあ「P……。ボケたのに突っ込まれないというのは、悲しい事よ」

P「今のもボケなのかよ!?」



   こんどこそおしまい

731: 2014/03/28(金) 02:51:13.56 ID:AxNHg0Zso
──────────

今度こそ本当におしまいです。
ちゃんみおにちゃんと「しまむー」呼びさせておきたかっただけなんですが、長々と失礼しました!

それじゃ今度こそhtml化依頼してきます!

次は90年代アニソンで立てようと思います!嘘です!
ありがとうございました!

引用元: 安部菜々「オールディーズ?」

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