1: 2015/10/26(月) 23:17:18.39 ID:MrryScJH0.net
~ 夕暮れの喫茶店 ~

絵里「グハッ!!」ガターッン

希「えりちぃぃぃーーーー!!」

にこ「しっかりしてえりぃ! 大丈夫! 大丈夫だから!」

絵里「……え、な、なにが? ぜんぜん、大丈夫なんですけど・・・」プルプル

希「えりち・・・」ゥゥッ

にこ「どうして・・・どうしてこんなことになってしまったにこぉぉ~~!!」

3: 2015/10/26(月) 23:24:09.51 ID:MrryScJH0.net
~ 数時間前・音の木坂学園 ~

絵里「入るわよ~」ガチャ

希「あれ? まだにこっちだけ?」

にこ「ええ、まだ一年生も二年生も誰も来てないわ」

希「そろいも揃って遅刻とは不届き千万やね」

絵里「何言ってるのよ二人とも。今朝、朝練のあとに海未と花陽が言ってたでしょ?」

にこ「?? なんだっけ?」

希「あ~、えっと、確か・・・」

~回想~

海未「それでは、最後に連絡事項です。今日は、二年生は二者面談があるので、放課後の練習には全員遅れます」

絵里「全員? どうして?」

海未「以前、ライブの関係で三人とも後回しにされていたので、今日になったんです」

希「なるほどな」

5: 2015/10/26(月) 23:29:07.56 ID:MrryScJH0.net
花陽「あ、えっと、すみません・・・一年生も、全員遅れるかもです」

にこ「一年生も? またどうして?」

花陽「実は、この前の身体測定を風邪で休んじゃったので、今日放課後に一人だけ測定してもらうんです」

真姫「音楽の先生に授業で使うピアノ曲を相談したいって言われてて」

凛「凛はちょっとあの・・・」

真姫「補習でしょ?」

凛「にゃ~」

にこ「よく偶然が重なるにこ」

絵里「了解したわ。それじゃ、三年生だけ、先に部室に集まって待ってるわね」

6: 2015/10/26(月) 23:31:52.03 ID:MrryScJH0.net
~ 回想終了 ~

希「って、ことやったっけ?」

にこ「思い出したにこ。どうして誰も来ないと思ってたわ」

絵里「なんで半日で忘れるのよ二人とも・・・」

希「んで、どうする? まだしばらく愛しい後輩が誰もこないってことやね?」

にこ「3年生だけ先に練習を始めるってのもね・・・」

絵里「そうね。ここは無難に、部室の掃除でも・・・」

希「あッ!!」

にこ「にこぉ!」ビクゥ!!

7: 2015/10/26(月) 23:36:29.85 ID:MrryScJH0.net
絵里「なによ希、急に大きな声出して」

にこ「びびるからやめなさいよ・・・」

希「ウチええこと思いついたんよ。確か、部室の合鍵、なかったんちゃう?」

絵里「そうなの?」

にこ「ああ、前に穂乃果に渡してたんだけど、あの子なくしちゃったのよね」

絵里「先生に知られたら鍵交換ざたね」

希「せっかくやし、この機会に合鍵作りに行くっていうの、どうやろ?」

にこ「あぁ、それいいわね。駅前にカギ屋さんあったと思うわ。そんな時間かからないだろうし」

希「バレる前になんとかせんとね」

絵里「生徒会長としてはちょっと同意できないわね・・・」ムゥ

8: 2015/10/26(月) 23:40:34.32 ID:MrryScJH0.net
希「まぁまぁ、穏便に済むモノを荒立てることもないやん?」

にこ「善は急げよ。さっそく行きましょう」

絵里「私たちが出かけてる内に、誰か来たらどうするの?」

希「書きおきとかして、ドアに貼って行ったら?」

にこ「どうせすぐに帰ってくるし、テキトーでいいわね」カキカキ

絵里「はぁ、まったく希もにこも・・・」

希「はいはい、行こ行こ~~」

にこ「パっと行って、サっと帰ってくれば大丈夫よ」ピタ

・・・パタム、ガチャ

張り紙『ちょっと出かけてくるわ。すぐ戻るから by三年生ズ』

9: 2015/10/26(月) 23:46:14.75 ID:MrryScJH0.net
~ 駅前・鍵屋 ~

絵里「それじゃ、よろしくお願いします」カチャ

鍵屋「あいよ~」

希「どれくらいかかるって?」

絵里「せっかくだし、2本お願いしてきたわ。30分くらいだって」

にこ「あら、ケッコーかかるのね」

希「ウチらの前におばちゃんも並んでたし、そんなもんちゃう?」

絵里「時間までどうする? そのへんを歩いててもいいけど・・・」

希「まぁ、これから練習もあるし、ちょっとお茶するくらいええんちゃう?」

にこ「賛成ね、体力温存しときたいし。あっちに喫茶店があるわ」

希「あ、あそこのビックパフェ! 前から挑戦してみたかったんよ!」

絵里「も~~・・・遊びに来てるんじゃないんだからね」

希「まぁまぁ生徒会長、たまにはええやん。三年生だけで親睦を深めるのも」

にこ「あんたら二人はそれ以上深めてもねぇ・・・」

希「ウチはにこっちのことも愛してるんよ?」ムギュ

にこ「ちょ、やめなさいよこんなところで!」

絵里「はいはい、もぉ・・・行くなら行くわよ。店前でじゃれてたら迷惑でしょ?」

10: 2015/10/26(月) 23:49:27.29 ID:MrryScJH0.net
~ 喫茶店 ~

店員「いらっしゃいませ~、三名様ですか?」

絵里「はい」

店員「では、奥の席へどうぞ~」

希「は~い」テクテク

にこ「にこはちょっとトイレ行ってくるにこ」テクテク

絵里「放課後に外でお茶なんて・・・ちょっと前なら考えられなかったわね」

希「えりちも丸くなったもんやなぁ」ヨッコラショイチ

絵里「希は丸すぎよ」

希「女の子に丸すぎとか言うたらアカンよ?」

絵里「深読みしすぎ!」

15: 2015/10/26(月) 23:53:51.91 ID:MrryScJH0.net
・・・~~♪

希「おっと、凛ちゃんや、もしも~し」

凛『希ちゃん、張り紙みたけど、どこに行っちゃったの?』

希「ちょっとね。あと30分くらいしたら帰るんよ。ちょっと待ってて?」

凛『でも、鍵がないから部室に入れないにゃ』

希「あ~、そっか。そやね。鍵はにこっちしか持ってないもんね・・・」

凛『購買とかでテキトーに待ってたらいい?』

希「そうやね。悪いけどそうしといて?」

凛『わかった。早く帰ってくるにゃ!』

希「はいはい・・・すぐ帰るよ」

16: 2015/10/26(月) 23:58:26.03 ID:MrryScJH0.net
希「ふぅ、やっぱり後輩はカワイイなぁ」

絵里「凛は希になついてるのね」

希「うん。一緒にラーメンとかも食べに行ったりするんよ?」

絵里「へぇ、知らなかったわ」

にこ「ただいまにこ~・・・っと」

・・・~~♪

にこ「もしもし? 花陽?」

花陽『あ、にこちゃん? 部室の張り紙みたんだけど・・・』

希「でも、にこっちと花陽ちゃんのラブラブっぷりには叶わんよ」

絵里「あの二人はねぇ・・・」

店員「ご注文はお決まりですか?」

希「あ、ウチはこのビックパフェを・・・」

絵里「お腹壊さないでね・・・私は珈琲を。にこもいい?」

にこ「あ、ちょっと待って? にこはいちごシェイクにこ! ごめんね花陽・・・」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」

17: 2015/10/27(火) 00:02:25.19 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「うん、だから。すぐに戻るわ。テキトーに待っててくれる?」

花陽『うん。わかった。寄り道しちゃダメだよ?』

にこ「はいはい。わかってるわ。じゃぁね」ピッ

絵里「にこは花陽と仲いいのね」

にこ「そりゃ、花陽はスーパーアイドルにこの一番弟子よ? 当然でしょ?」

希「この前も二人でアイドルショップ行ってきたんやっけ?」

にこ「この前どころか、最近は毎日のように行ってるわね。いつレアモノが入るかわからないもの」

絵里「あんまり寄り道しちゃダメよ?」

~~♪

希「おっと、またウチや」

18: 2015/10/27(火) 00:06:16.51 ID:MvKUIeEe0.net
海未『希、今どこにいるんですか?』

希「うん、ちょっとね。すぐ戻るから大丈夫やで?」

海未『にこや絵里も一緒なんですか?』

希「うん、そうそう。三年生だけで出来ることもないし、合鍵作りにきてん」

海未『ああ、この前、穂乃果がなくしてしまったから・・・』

希「そうそう。30分くらいでできるらしいから、すぐ戻るよ」

絵里「・・・」

にこ「・・・はッ!」

絵里「・・・」ビクゥッ!

希「?? うん、なんでもないよ? それじゃ、また連絡するんよ」ピッ

希「どうしたんにこっち? いきなりビックリするやん」

絵里「・・・」

19: 2015/10/27(火) 00:08:50.07 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「・・・た、大変なことに気づいてしまったにこ」プルプル

希「どうしたん?」

絵里「・・・」

にこ「希、さっきから電話が多いと思わない?」

希「そりゃ、ウチらが勝手に出かけてしまったから・・・」

にこ「そう、そうよね・・・」

希「にこっちが微妙な書き置きするから、みんな首かしげて電話してくるんちゃうの?」

にこ「そう。そうよね・・・」

希「なにかおかし・・・はッ!!」

絵里「・・・」

20: 2015/10/27(火) 00:12:58.35 ID:MvKUIeEe0.net
にこ(気づいたのね・・・希)

希(にこっち・・・こ、この状況は・・・)

にこ(そうよ。にこの書き置きには、こう書いてあるにこ・・・)

『ちょっと出かけてくるわ。すぐ戻るから by三年生ズ』

希(この書き方では三年生の内、誰が書いたかわからへん)

にこ(もっとも、花陽ならにこの字ってわかるでしょうけど・・・)

希(そして、ウチらが今、なにをしてるかもわからへん)

にこ(不審に思った1・2年生は、3年生の内、誰かに確認の電話を入れるにこ)

希(その場合、あの子らは無意識の内に・・・選んでしまう)

にこ・希(3年生の内、一番電話しやすい相手を!!)

22: 2015/10/27(火) 00:18:17.96 ID:MvKUIeEe0.net
希(しかも、2年生は二者面談・・・)

にこ(一年生はバラバラの用事・・・)

希(部室に来るタイミングは、全員バラバラ!)

にこ(このまま行くと・・・一人ずつ、電話をかけてくるわ)

希(一番、電話しやすい、一番親しい3年生に・・・)

にこ(つまり、この状況は・・・)

希(1、2年生による3年生支持率投票も同然やん!)

にこ(言っとくけど狙ったわけじゃないからね!)

希(そんなん当たり前やん! にこっちにこんな策略不可能や!)

にこ(ぬぁんですって!)

希(この偶然が生んだ奇跡的状況・・・そして!)

にこ(・・・そして!)

にこ・希(そして!!)

絵里「・・・」

にこ・希(今だ誰からも電話が来てない人が一名!!!!)

23: 2015/10/27(火) 00:21:46.15 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「・・・」プックリ

希(ああ! 気づいてる! 流石やえりち! この状況に気づいてる!)

にこ(ちょっと! アレ機嫌悪くなってない!)

希(悪いでアレ! ほっぺぷっくりーチカになってるやん!)

にこ(なによソレ! ちょっとコレ大丈夫なの!)

希(そんなんウチに言われてもどないしようもないやん!)

24: 2015/10/27(火) 00:25:49.54 ID:MvKUIeEe0.net
店員「お待たせしました。珈琲と、ビックパフェと、いちごシェイクです」

絵里「ええ、ありがとうございます」ニコッ

にこ(あ、笑った。ちょっと気のせいじゃないの?)

希(いや、あれは営業スマイルやでにこっち!)

絵里「・・・」プックリ

希(ほれ見てみぃ! またほっぺぷっくりーチカに戻った!)

にこ(ちょっとそれ長くない!? 意味あるの!?)

絵里「・・・希もにこも」ボソッ

希・にこ「!!!」ビクゥッ!!!

絵里「信頼されてるのね、後輩に」プックリ

希「ま、まぁ~、そこそこやね」

にこ「な、なめられてるだけかもわかんないわよ?」

25: 2015/10/27(火) 00:30:26.36 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「ふ~ん・・・」プックリ

にこ(ちょっと、アレかなり気にしてるわよ大丈夫?)

希(だ、大丈夫・・・えりち以外と単純やから、誰かから電話かかってきたらすぐ機嫌なおるわ)パク

にこ(そ、そうね・・・きっと真姫ちゃんとかが、空気を察して・・・)

~~♪

にこ「にこぉッ!!」ビクゥッ!!

希「にこぉっち!!!」

にこ「ま、・・・まき、ちゃん・・・」ピッ

真姫『もしもしにこちゃん? 今ドコにいるのよ?』

にこ「に、にっこにっこにぃ~~」プルプル

26: 2015/10/27(火) 00:35:49.25 ID:MvKUIeEe0.net
真姫『なにふざけてるの? バカにしないで』

にこ「え、えへへ・・・ごめんにこ?」

真姫『それで、今ドコ? 希と絵里も一緒にいるの?』

にこ「か、かくかくしかじかで、今、みんなで外にいるにこ・・・」

真姫『ふ~ん、分かったわ。それじゃ、帰ってきたら連絡頂戴。音楽室で待ってるわ』

にこ「そ、そんな感じでお願いするにこ・・・」ピッ

希「・・・」

にこ「ところで真姫ちゃん? どうしてにこに電話したの? 絵里とかじゃなくて・・・」

真姫『え? だって・・・張り紙の字がにこちゃんの字だったから・・・』

にこ(真姫ちゃんに字を見せる機会とかあったかしら・・・)

希「・・・」

真姫『とにかく、早めに帰ってきなさいよね・・・』

にこ「了解にこ・・・」ピッ

にこ・希「・・・」

にこ・希(『絵里』『えりち』はッ!!)

絵里「・・・」ズーン

にこ・希(考える人みたいなポーズしてるぅぅぅ!!!)

28: 2015/10/27(火) 00:40:01.24 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「・・・」ズーン

にこ(希! 希アレは!)

希(『普段の自分を振り返りーチカ』や! 不機嫌通り越して反省モードに入ってる!!)

にこ(それってどうなの!? 大丈夫なの!?)

希(大丈夫や! ま、まだ4人目やん!)

にこ(そ、そう! そうよね! あと二人残ってるわ!!)

希(ウチもにこっちも今のところ二票や!)

にこ(残り二人が絵里に電話してくれたらイーブン! ノーカンね!)

希(残る二人は・・・穂乃果ちゃんと)

にこ(ことり・・・)

希・にこ「・・・」

希・にこ(分かんねぇぇーー!!!)

32: 2015/10/27(火) 00:47:47.29 ID:MvKUIeEe0.net
希(一番読めない二人が残っとるやないか~~い!!)

にこ(お願いよ穂乃果にことり! 絵里に電話してあげてぇ!!)

希(もしこのまま誰からも電話がこなかったら3年生の間に遺恨がのこるんよ!)

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・・」

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・・髪、二つくくりにしようかしら」ボソ

希(ちがァァーーうッッ!!)

にこ(そこじゃない! そこじゃないにこぉ!!)

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・・この珈琲、めっちゃ美味しいにこ?」ボソ

希(アカァァーーンッッ!!)

にこ(落ち着いて! 落ち着いてえりぃぃ!!)

35: 2015/10/27(火) 00:52:54.21 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「はッ!!」ガッターン

希「にこっち!!」

にこ「ちょ、ちょっとトイレに行ってくるにこ!!」スチャ

希「え、でもさっき行って・・・はッ!!」

にこ(ええ、そうよ希・・・)

希(そうか・・・トイレでこっそり、穂乃果ちゃんとことりちゃんに電話するんやね?)

にこ(二人に直接お願いして、絵里に電話してもらえば・・・)

希(万事解決ッ! 誰も傷つくことなく大団円っちゅーワケやな! さすにこ!!)

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・」

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・行かなくてもいいんじゃないかしら」

にこ「にこぉ!!」ビ゙クゥ!!

普段の自分を振り返りーチカ「・・・・・行かなくても、いいんじゃないかしら」

ズゴゴゴゴゴ・・・・

にこ「ぁ、ぁ・・・」ダラダラ

希(さ、流石えりちや・・・全部お見通しやで・・・)

37: 2015/10/27(火) 00:57:28.24 ID:MvKUIeEe0.net
普段の自分を振り返りーチカ「・・・さっきも行ったじゃない」

にこ「そ、それはそうだけど・・・」ダラダラ

希(自ら茨の道を突き進むんか! えりち!!)

普段の自分を振り返りーチカ「・・・トイレ近いアイドルなんて、カッコ悪いわよ」

にこ「・・・に、にこぉ・・・」

~~♪

希・にこ・絵里「!!!!!!」

~~♪

希「・・・」

~~♪

にこ「・・・」

~~♪

普段の自分を振り返りーチカ「・・・」

~~♪

普段の自分を振り返りーチカ「・・・とりなさいよ、にこ」

にこ「・・・」ピッ

ことり『あ、もしもしにこちゃん?』

38: 2015/10/27(火) 01:00:59.28 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「にっこ、にっこ、にぃ~~」

ことり『どうしたの? 声震えてるよ?』

にこ「あ、アハハ・・・ちょっとトイレ我慢してて・・・」

希「・・・」


ことり『あ、ごめん、変なタイミングで・・・』

にこ「いえ、いいのよ・・・それより、張り紙の件?」

ことり『うん、どうしたのかなって』

にこ「そ、それは実は・・・合鍵を、作りに来てて・・・」

ことり『あ、この前ハノケチェンがなくしちゃったヤツ?』

にこ「え、ええ・・・そうよ」

ことり『なんだ。どこ行っちゃったのかと思っちゃった』

40: 2015/10/27(火) 01:06:32.52 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「えっと・・・あと、20分くらいで帰るから」

ことり『うん。待ってるね!』

にこ「ところでことり・・・どうしてにこに電話してきたの? え、絵里とかは?」

ことり『あぁ、えっとね。ついでにこの前の衣装のアイディアで、思いついたこと伝えようと思って』

ことり『ほら、にこちゃん、いつも衣装作り手伝ってくれてるし』

希(そっち関係かぁ~~)

にこ「そ、そうね・・・戻ったら詳しく聞くわ。電話じゃなんだし」

ことり『あ、そっか・・・その方がいいね。それじゃ、早く帰ってきてね!』

にこ「了解にこ・・・」ピッ

にこ・希「・・・」

にこ・希(『絵里』『えりち』はッ!!???)バッ

絵里「・・・・・」ニコ

にこ・希(めっちゃ遠い目をしてめっちゃ遠くを眺めてるぅぅーー!!!)

43: 2015/10/27(火) 01:09:57.70 ID:MvKUIeEe0.net
にこ(希! アレは! アレは何!!??)

希(悟りーチカや! アカン! 最終形態やん!)

にこ(なによ悟りーチカって!! どうなるのよ!)

悟りーチカ「なにもかもみな、いとおしいわ・・・」ウフフ

希(こうなるんやぁぁーー!!!)

にこ(帰ってきて絵里ぃぃ!!!)

悟りーチカ「なかよきことは、うつくしいやん? そうにこ・・・」ウフフフフ

希(おしぃぃぃ!! もうちょい!! もうちょい帰ってこい!!)

にこ(微妙すぎて一番おかしなところでとまってるにこぉ!!)

47: 2015/10/27(火) 01:17:03.33 ID:MvKUIeEe0.net
悟りーチカ「・・・なによ二人とも、さっきから私ばっかり気にして」ハァ

にこ「え、えっと・・・」

希「そ、そんなことないやん?」

悟りーチカ「ひょっとして、私が後輩から電話もらえないこと、気にしてると思ってる?」

にこ「え!? なに!? なにそれにこ!! 電話ッ!!??」

希「あれれ~~なんやろなぁ!? なんのこと言ってんのえりちぃ??」

悟りーチカ「まったく・・・いいのよ別に。そんな小さなこと気にしてないわ。それに」

希(・・・ん?)

にこ(・・・アレ? ひょっとして私たちが気にしすぎ・・・)

悟りーチカ「一人、悪役がいた方が、組織ってまとまるものじゃない? それが私ってだけよ」

希(アカァァァーーン!!)

にこ(悟って行かなくていい極地まで行ってるにこぉぉ!!)

悟りーチカ「いつの世も必要なのよ、世界を平穏にするためには、必要悪が必要なの」

希(めちゃくちゃ必要って言ってるでえりちぃぃ!!)

にこ(まずいわ!! 自分を納得させにかかってるわ!!)

53: 2015/10/27(火) 01:22:27.39 ID:MvKUIeEe0.net
悟りーチカ「いいのよ。私は怖い先輩。お堅い生徒会長よ。それでいいの。そういう役目でいいのよ」ウフフ

にこ「えりぃぃぃ!! 自分を追い込んじゃダメにこぉぉ!!!」

希「いらん業をしょいこまんといてぇ! まだ穂乃果ちゃん! 穂乃果ちゃんがおるやん!」

悟りーチカ「穂乃果だって私のこと嫌ってるハズよ。でもそれが正しいあり方なのよ・・・」ウフフフ

にこ「ってかこれ悟りーチカっていうかいじけりーチカじゃないの!?」

希「どっちでもええやん! それよりこのままやとえりちが再起不能になってまうんよ!」

54: 2015/10/27(火) 01:27:54.40 ID:MvKUIeEe0.net
希(こうなったら最後の手段や!)

にこ(どうしたの希! 目なんか閉じて・・・)

希(スピリチュアルパワーで穂乃果ちゃんにテレパシーを送るんよ! これならえりちにも気づかれんハズ!)

にこ(え、なに? 今なんて言ったにこ?)

希(にこっちはえりちの気を引いてて・・・んッ!!)

希《穂乃果ちゃん・・・穂乃果ちゃん・・・ウチの声が聞こえる?》

希《穂乃果ちゃん・・・穂乃果ちゃん・・・お願い気づいて・・・》

希《・・・・ッ!! つながった!! これが穂乃果ちゃんの思念!!》

穂乃果《アハハ!! 二者面談終わったからパン食べよ~っと!》

希《ベストタイミングや!》

56: 2015/10/27(火) 01:32:17.56 ID:MvKUIeEe0.net
希《穂乃果ちゃん・・・穂乃果ちゃん。ウチの声が聞こえる?》

穂乃果《!! あ、頭の中に声が・・・》

希《ウチや・・・希や・・・今、穂乃果ちゃんの心に直接語りかけてます》

穂乃果《希ちゃん・・・この声、希ちゃんの・・・》

希《穂乃果ちゃん・・・今からウチの言うことをよく聞いてや?》

穂乃果《希・・・ちゃん・・・》

穂乃果《う~ん・・・希ちゃんの声が聞こえるような気がする》

穂乃果《なんだか猛烈に肉まんが食べたくなってきたカモ!》

希「おんどれ乳揉むぞごらぁ!!!」

にこ「ひぃッッ!!」ビクゥッ!!

57: 2015/10/27(火) 01:37:05.82 ID:MvKUIeEe0.net
穂乃果《肉まん肉ま~ん!》

希(・・・っく、失敗やにこっち)

にこ(訳がわからないわ・・・なにがどうなったのよ)

希(声を届けることには成功したけど、メッセージは届けられんかった)

にこ(そ、そう・・・それはスピリチュアルね・・・)

希(・・・っく、ど、どうすればええんや・・・もう穂乃果ちゃんを信じるしか・・・)

悟りーチカ「ダッテカノウセイカンジタンダソーダーススメー」ウフフフ

希(お経みたいに歌ってるやん・・・)

にこ(ねぇ・・・希、ちょっと不安なんだけど・・・)

希(なんやにこっち・・・)

にこ(もし、本当に声だけ届いたなら、穂乃果、なんとなく希に電話したりしない?)

希(・・・)

希(しまったぁぁぁーーー!!)

にこ(ばかぁぁぁーーー!!!)

59: 2015/10/27(火) 01:40:08.18 ID:MvKUIeEe0.net
希(アカン!! 詰んでしもたぁぁーー!!!)

にこ(ちょっとどうにかしなさいよぉぉーーー!!!)

希(どうにもならんやぁぁーーん!!!)

にこ(にこにだってどうしようもないわよぉぉーー!!!)

希(こうなったらパフェやけ食いやぁぁーー!!)ガツガツ

にこ(現実逃避してんじゃないわよこのスピデ・・・)

~~♪

三人「!!!!!」

60: 2015/10/27(火) 01:43:09.44 ID:MvKUIeEe0.net
~~♪

にこ「・・・・」

~~♪

希「・・・」

~~♪

悟りーチカ「・・・」

~~♪

りーチカ「・・・」

~~♪

リーチカ「・・・」

エリーチカ「・・・」

えりーち「・・・」

えりち「・・・」

絵里「・・・ウッ」パァァ

希・にこ「ほのかぁぁぁーーー!!!」ガッターン!!

63: 2015/10/27(火) 01:47:48.00 ID:MvKUIeEe0.net
にこ「信じてわ!! にこは信じてたわ穂乃果ぁぁl!!!」

希「さすが奇跡のスクールアイドルやぁ!! ウチは一生ついていくで!!」

絵里「も、もう! 二人とも! 座りなさいよ。お店の人に迷惑よ?」

希「えりちこそ! 早く電話でたらんかい!! リーダーのご指名やで!!」

にこ「やっぱり最後に頼れるは絵里なのよ! 羨ましいわねもぅ!」

絵里「な、なによもぅッ! 大げさね二人とも・・・電話のひとつくらいで」

~~♪

絵里「穂乃果も、もう、しつこいんだから・・・仕方ないわね」

希「はよ! はよでんかい!」

にこ「穂乃果をまたせるんじゃないわ!」

絵里「わ、分かったわよもう! 出るわよ」ピッ

絵里「はい? もしもし穂乃果?」

穂乃果『あれ? 絵里ちゃん? あ、ごめん! 間違えちゃった!』

絵里「グハッ!!」ガターッン

希「えりちぃぃぃーーーー!!」

66: 2015/10/27(火) 01:51:56.85 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「ぐッ・・・ふッ・・・・」プルプルプル

にこ「しっかりしてえりぃ! 大丈夫! 大丈夫だから!」

絵里「……え、な、なにが? ぜんぜん、大丈夫なんですけど・・・」プルプル

希「えりち・・・」ゥゥッ

にこ「どうして・・・どうしてこんなことになってしまったにこぉぉ~~!!」

希「なんでやぁぁぁ!!! えりちがなにをしたって言うんやぁぁ!!!」

穂乃果『も、もしもし? もしもし絵里ちゃん大丈夫!? すごい音したけど・・・』

絵里「大丈夫よ・・・この世の痛みは全て女神の自費によって救済され・・・そして」

希「あかぁぁーーん! 悟りーちかに戻っとるぅ!!」

にこ「どうして!! どうしてトドメを刺したの穂乃果ぁぁぁ!!!」

67: 2015/10/27(火) 01:55:19.22 ID:MvKUIeEe0.net
穂乃果『え? 何? 何? ちょっと行きつけのコンビニに肉まんあるか確認しようと・・・』

希「アンタよぉそれでえりちと間違えたなぁ!!」スチャ

穂乃果『・・・確認しようと考えてたら希ちゃんの番号が出てきちゃって・・・ちがうちがうって思って』

希「おんどれ乳もげるまでワシワシすんどごらぁ!!」

穂乃果『焦ってたら絵里ちゃんの番号が出てきちゃったみたいなんだけど・・・・』

穂乃果『アハハ! なんだが変な感じだね!』

にこ「変にもほどがあるにこぉ!!」

69: 2015/10/27(火) 01:59:39.60 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「いいのよ・・・もういいの・・・なにもかもなつかしいわぁ・・・」シクシク

希「えりちぃ!」ガバッ

にこ「ぅぅ・・・」

穂乃果『ほんとにね、ちょっと前までは、絵里ちゃんに間違い電話するなんて、思ってもなかったよ』

絵里「ええ、そうね穂乃果・・・」

穂乃果『私たち、ほんの少し前まで、顔を合わせれば緊張しちゃう仲だったのにね』

絵里「ええ。そうね・・・」

71: 2015/10/27(火) 02:03:45.67 ID:MvKUIeEe0.net
穂乃果『ウフフ、なんだかおかしいね・・・ちょっと間違えたら絵里ちゃんに電話がつながっちゃうなんてさ』

絵里「・・・」

穂乃果『それだけ穂乃果たち、身近な存在になっちゃったってことだよね!』

絵里「・・・ええ、そうね・・・」

穂乃果『あ、そっか・・・ということは、これから勉強で困ったら絵里ちゃんに電話すればいいんだ!』

絵里「・・・もう、馬鹿いわないの」ウフフ

穂乃果『えぇ~~教えてくれないのぉ~~』

絵里「一回許したら、穂乃果ってばひっきりなしにかけてくるでしょ?」クスッ

穂乃果『アハハ! そうかも!』

73: 2015/10/27(火) 02:09:16.81 ID:MvKUIeEe0.net
絵里「甘えたこと言ってないで、自分で勉強しなきゃダメよ?」

穂乃果『も~~、絵里ちゃんは厳しいなぁ』

絵里「もうすぐ帰るから、教室で宿題でも済ませて、待ってなさい?」

穂乃果『え~・・・そんなすぐには終わらないよ・・・はッ! 海未ちゃんだ!』

絵里「どうしたの?」

穂乃果『実はすでにその件で海未ちゃんから逃げてて・・・ひぃ!』ガタゴトッ!!

海未『こら穂乃果待ちなさい! あ、もしもし絵里ですか? いつまでかかってるんですか! あ、ちょ!』

凛『絵里ちゃん早く帰ってきてぇ~~!! 海未ちゃんが帰ってくるまで勉強会とか言い出して大変なんだにゃ!』

75: 2015/10/27(火) 02:13:04.29 ID:MvKUIeEe0.net
真姫『え? 何? エリー? ほんと早くしてよね! この子たち私と海未じゃ手に負えないわ!』

花陽『は、花陽はちゃんとしてるからね! 絵里ちゃん誤解しないでね!』

ことり『ちゅんちゅん、もう、ハノケチェンの電話にみんなで悪戯しちゃメッ! ごめんね絵里ちゃん』

絵里「・・・」

絵里「・・・なんてことないわぁ・・・」ウルウル

76: 2015/10/27(火) 02:17:47.74 ID:MvKUIeEe0.net
希「・・・えりち」ムギュ

にこ「・・・絵里」ナデナデ

絵里「すぐ、帰るから・・・ウッ みんな待ってなさいよ・・・ウゥッ!」

1年生・2年生ズ『は~~い!!!』

絵里「ゥゥ・・・ッゥゥ・・・」グスグス

希「・・・行こうか、えりち」

にこ「ほら、グズってんじゃないわよ」

絵里「・・・・ぅん」

希「帰ろう! ウチたちのカワイイ後輩たちの元へ!!」スチャ

にこ「あの大切な仲間のもとへ!!」シュタ

絵里「待っててね! みんな! すぐに行くから!!」バッ

ズダダダダダダ・・・

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~ 音の木坂学園 ~

海未「で、合鍵とやらは?」

希・にこ・絵里『・・・・・・あッ』


終わる

83: 2015/10/27(火) 02:31:30.58 ID:W2956KAdd.net
よくこんなシチュエーション思いつくなと感心した
乙!

引用元: 希「大変なことに」にこ「なってしまったにこ・・・」絵里「・・・」