理事長「えー……と………………」

ｶﾞﾔｶﾞﾔ
ｵｶｴﾘﾅｻｲﾏｾｰ ｼﾞｭﾓﾝｦｶｹﾁｬｲﾏｰｽ

理事長（すっごく忙しそうだけど……メイドカフェ……？メイド喫茶？って、こんなに混むものなのね）

理事長「じゃなくて………っ！なんで私、こんなこと………こんな服着てるのかしら………///もう、恥ずかしいわ……」

店長「あ、指名入ったみたいだから、行ってあげてー」

理事長「へ！？え、えと……………」

理事長（そんなに似てるのかしら………その、ミナリンスキーさんって人に）

理事長（…………忙しそうだし………とりあえずあそこのお客さん、あの人だけあしらって、後は帰らさせてもらいましょう。それなら迷惑にならないわよね）

理事長「よし…………………………」

客「あ………ミナリンスキーさん」

理事長「お……………………………」

理事長「おかえりなさいませ♡ご主人様ぁ♡」

客「！？」

瞬間ッ！客に動揺走るッ！！
分かる！客には分かるッッ！！！
ただの雇用者である店長とは違い、休日の貴重な時間を割き、食いたくもないオムライスにバカ高い金をわざわざ払う、客には分かるッッッッ！！！！
こいつは………こいつはミナリンスキーではないッ！！！当たり前だ！！！！そりゃ分かるッ！

客「！？！？！？！？」

理事長（…………………………………あ）

理事長（あああ゛あああ～っ///！！）

理事長（恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずか）

しかし理事長にとって幸運だったのは…
ただそれまでだったことッッッッ！！
たしかにミナリンスキーではないとバレた…………肥えた眼は誤魔化せなかった…………しかし！！！
だからといって！！！年増であるとは…………バレなかったのだッッッ！
幸運…………見た目が若い故の幸運……
不幸中の幸いであった…………

客（なんかかわいいからいいや）

理事長「あ、あの…………………」

客「あ、一人です」ﾆｺｯ

理事長「えっ！？………あ、はい……ではこちらへ………………どうぞ………？」

理事長「ではお冷をお持ちしますので、少々お待ちください…………」ｿｿｸｻ

理事長（……うわあ……………私なにやってるのよ………ほんっとーに恥ずかしい……ホントなにやってるの………）

理事長（暑い……こんなに恥ずかしい思いしたの、久しぶり……………）ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

理事長（とりあえずあのお客さんには悪いけど………早くこんなとこは出ていきましょう。店長さん？に事情を話せば…………）

理事長「あの……………」

瞬間ッ！浮かぶッッ！！浮かぶッッッッ！！！あらぬ考え！あらぬ方向へッ！！理事長の考えッッ！！！

理事長（あれ？今のこの状況って…………）

そう……羞恥の余り………理事長は冷静になった
そして今の状況ッ！それを考えたッ！
つまりどういうことか………？私が誰かに間違えられてる……？メイドカフェの誰かに………？そんなそっくりなのか………？メイドカフェの誰かに………？それってつまり…………つまり………

理事長（私、10代くらいに見られてるってこと……………？）

理事長（やだ………………………♡）

店長「あ、注文とったの？」

理事長「……えっ？いやあの…………」

理事長（もしかしてだけど………まだ長居しても大丈夫なんじゃ………？）

理事長（…………私今、異性として見られてるのかしら………そんなの久しぶりね……最近は夫だって………）

理事長（………一応、昔は長いこと喫茶店でバイトしてたし、少しぐらいなら…………）

理事長「あ、注文はとってない…です……」

店長「えっ？ちょっと頼むよー、ミナリンスキーちゃんいっつもドジっちゃうんだから。ちゃんと訊いてからこっち来ないと」

理事長「あ、あはは………つい………」

店長「よろしくねー」






理事長「すみません♡ご注文をお聞きするのを忘れてましたあ♡」

客「あっ、そうだよね。マニュアル変わったのかと思ったよ」

理事長（楽しい………………………）

客（誰なんだこの人）

ことり「…………でね？確かにその日はお家にいたんだよ？なのに…………」

海未「出勤したことになっていたと…」

穂乃果「ちょっとー！怖い話しないでよー！」

ことり「う、うん。確かに怖いかも……いろんな意味で」

ことり「でもその日のことり（理事長）は完璧だったんだって………その………実は普段よりもその日は良かったって、店長が…………」

海未「意味が分かりませんね………」

穂乃果「ホントに意味が分からないね………」

ことり「ん～？？実は出てたのかな～？ことりの勘違い………？」

理事長「あらことり、練習中？」

ことり「………あ、お母さん！ねえねえ、この前の土曜日って、ことりお家にいたっけ？覚えてない？」

理事長「…………………………………」

理事長「…………さあ、出掛けていたし、分からないわ？」





終わり

乙

乙
全然冷静じゃない考えに至る理事長にワロタ