1: 2015/10/25(日) 21:57:26.84 ID:ebA/9wZsK.net
~♪

真姫(放課後一人でピアノ弾いてるのもアレね)

~♪

真姫(部活に入ろうかなぁ)

~♪

真姫(でも何がいいかしら?)

~♪

パチパチ

真姫「!?」

 
「あら、お邪魔だった? でも、とっても良い演奏だったから思わず拍手しちゃった」

 
真姫(えっ、あっ、なんでここにいるの!?)

真姫「り、理事長!?」

理事長「こんにちは西木野さん」

2: 2015/10/25(日) 22:00:22.71 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「えっと、理事長がなんでここに?」

理事長「会議に向かう途中、綺麗なピアノの音色が聴こえて来たから、つい立ち寄ったのよ」

真姫「そ、そうですか」

理事長「うふふ。それより、学校生活には慣れた?」

真姫「まあまあってところですかね」

理事長「クラスメートとは仲良くなれた?」

真姫「そこそこには」

理事長「部活は?」

真姫「やってません」

理事長「やる予定は?」

真姫「ないです」

理事長「残念ね」

4: 2015/10/25(日) 22:03:48.79 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「あのぉ。理事長はどうしてそこまで私のことを聞くんですか?」

理事長「あら、ごめんなさい。貴女のお母様と知り合いだから、つい貴女のことが気になっちゃって」

真姫(そういや、そうね。私自身、面識ないけど)

真姫「はぁ……まぁ、いいですけど」

真姫(なんだかなぁ)

理事長「そろそろ会議だから、私はこれで」

真姫「あっ、理事長」

理事長「何?」

真姫「廃校って、本当なんですか?」

理事長「えぇ、本当よ」

真姫「そうですか……」

理事長「他に用がないなら、私は行くわね」

真姫「はい……」

6: 2015/10/25(日) 22:04:55.65 ID:ebA/9wZsK.net


 
~♪

真姫(アイドルとか良く分からないけど)

~♪

真姫(それで廃校とか阻止出来るの?)

~♪

真姫(まっ、私にはどうでもいいことか)

~♪

理事長「今日は違う曲を演奏してるのね」

真姫「あっ、理事長」

理事長「こんにちは」

8: 2015/10/25(日) 22:06:16.46 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「何か用ですか?」

理事長「用ってワケじゃないけど」

真姫「でしたら、作曲をしてるので……」

理事長「えっ、作曲してるの?」

真姫「あっ」

理事長「へぇー。西木野さん、そういう趣味があるのね」

真姫「趣味じゃないです。ちょっと、先輩に頼まれ……い、いや断りましたけど」

理事長「どっちなんですか?」

真姫「うぅー」

理事長「まっ、いいでしょう。無理に答える必要もありませんしね」

真姫「……ほっ」

9: 2015/10/25(日) 22:08:44.09 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「それでその先輩って言うのは?」

真姫(やっぱり聞くのね)

真姫「二年生の高坂って人です」

理事長「あぁ、穂乃果ちゃんね」

真姫「し、知り合いなんですか?」

理事長「私の娘、ことりの幼なじみよ」

真姫「ヴェェ!」

真姫(そりゃまた意外過ぎるわね)

理事長「そういえば、ことりが穂乃果ちゃんと海未ちゃん……長い髪の毛のしっかりした娘の三人で何かをやってるのは知ってるわ」

真姫「な、何も言わないんですか?」

理事長「何を?」

真姫「廃校阻止の為にアイドルの真似事やってることです」

10: 2015/10/25(日) 22:11:33.80 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「えっ、アイドルやってるの? 初耳ね」

真姫(そこは知らなかったみたいね)

理事長「まぁでも、私からは別に何も言うことはないし、好きにしたらいいと思うわ」

真姫「そ、そうなんですか? 意外ですね」

理事長「意外って?」

真姫「理事長って教育にうるさそうな感じですし」

理事長「そう見える? んー、ことり自身やりたいことがあるなら、私はそれを尊重するわ」

真姫「アイドルでも、ですか?」

理事長「そうよ。親として娘と友達、理事長として生徒の活動を応援するだけよ。それで廃校を阻止してくれたら嬉しいけど」

真姫「ふーん」

真姫(ウチに比べたら自由奔放なのね)

理事長「むしろ私がアイドルやりたいくらいね。なんで穂乃果ちゃんは誘わなかったのかしら? ここにアイドル出来そうなイケてる人がいるってのに」

真姫(ヴェェ……)

11: 2015/10/25(日) 22:13:59.80 ID:ebA/9wZsK.net


 
~♪

真姫(結局ライブは空振り)

~♪

真姫(何がダメだったのかしらね)

~♪

真姫(所詮は真似事ってワケかぁ)

~♪

真姫(これから先輩達はどうするの?)

~♪

真姫(って、なんで私が気にしてるのよ)

!!♪

真姫(別に私には関係なんてないんだし、知ったことなんかじゃないわ!)

理事長「あらあら、今日は荒っぽい演奏ね」

真姫「理事長ですか?」

12: 2015/10/25(日) 22:15:20.51 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「どうかしたの?」

真姫「別に、なんでもないです」

理事長「穂乃果ちゃん達のライブが上手くいかなかったから機嫌が悪い?」

真姫「わ、私には関係ありません!」

理事長「あの曲、西木野さんが作ったんでしょ」

真姫「ヴェェ! なんで知ってるんですかぁ!?」

理事長「あっ、やっぱりそうなんだ」

真姫「ヴェッ!」

理事長「適当にカマをかけてみたら当たっちゃった」

真姫(ハメられた!)

理事長「ほんとお母さんにそっくりね」

真姫「ヴェェ……」

理事長「まっ、それは置いておきましょう。それで、どうして機嫌が悪いのかしら?」

13: 2015/10/25(日) 22:16:05.89 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「正直……私はどうしたらいいのか、それが分からなくてイライラしてます」

理事長「どうしたら、とは?」

真姫「別に、あの人達のライブの成否がどうなろうと私には関係ありません……つもりでした」

理事長「それで」

真姫「それなのに、なんかこうモヤモヤがあって、それを払拭したいけど出来なくて」

理事長「ふむふむ」

真姫「あぁもう、意味わかんない!って感じです」

理事長「なぁんだ、簡単なことじゃない?」

真姫「えっ」

理事長「そんなに気になるんだったら、西木野さんも一緒にアイドルやればいいじゃない?」

14: 2015/10/25(日) 22:17:50.16 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「なっ、なんでそうなるんですか?」

理事長「だって気になるからモヤモヤするんでしょ?」

真姫「そ、そりゃぁ」

理事長「だったらもう、ねっ?」

真姫「ねっ、と言われましても」

理事長「真姫ちゃあん、おねがぁい」

真姫「ヴェェェェェ!?」

理事長「と、ことりの真似をしてみました」

真姫「はぁ、はぁ、はぁ」

理事長「そんなに鼻息荒くして、私に興味あるの? 貴女より年齢離れてるけど、まだまだ若いイケてるお姉さんよ」

真姫「な、ないです!?」

理事長「あら残念」

16: 2015/10/25(日) 22:21:35.85 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「と、とにかく……その、考えさせてください」

理事長「私との関係?」

真姫「違います! アイドルのことです」

真姫(理事長の相手って疲れるわね)

理事長「そう。なら、ゆっくり考えなさいね。私としては良い答えを期待しますが」

真姫「あっでも、ゆっくりもしてられませんよね」

 
真姫「廃校」

 
理事長「そうね。現実は冷たいわね」

真姫「今から私が三人の仲間に入ったところで、何か変わると思いますか?」

理事長「人数が増えるわね」

真姫「真面目に答えて下さい」

理事長「至って真面目なんですけどね」

真姫「そうには見えませんけどね」

18: 2015/10/25(日) 22:22:47.84 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「とりあえず人数が増えたら、あの娘達が喜ぶのは目に見えてるわ。そしてそれをモチベーションにして、次の行動に打って出るわね」

真姫「例えば?」

理事長「穂乃果ちゃんのことだから、部活動として認めてもらうよう生徒会に掛け合う」

真姫「ですが、現在の生徒会長はお堅く厳しいイメージがあって難しいのでは?」

理事長「そう見える?」

真姫「はい。あれは氷のように凍てつく場所に咲く花って感じですね」

理事長「響きがやらしいわね。そういう趣味なのは理事長として見過ごせませんね」

真姫「意味わかりません!」

19: 2015/10/25(日) 22:23:35.98 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「じゃあその生徒会長も仲間に入れましょう」

真姫「いや、無理過ぎますよ」

理事長「そうかしら? ああいうタイプは仲間に入れるとコロッと変わるモノよ」

真姫「そうなんですか?」

理事長「えぇ。真姫ちゃんと同じく、チョロロンなタイプね」

真姫「わ、私ってチョロイんですか?」

理事長「言ったでしょ。真姫ちゃんはお母さんと良く似てるって」

真姫「ママもチョロイんですかぁ!?」

理事長「もう、チョロチョロね。真姫ちゃんもそうなるから覚悟してなさい」

真姫「ヴェェ」

21: 2015/10/25(日) 22:27:18.13 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「まっ、それをどうするかは真姫ちゃん自身が決めることだから。あんまり強くは言えないわね」

真姫(そりゃそうよ。この私は誰にも縛られないんだからね)

理事長「だけど、だけどね」

真姫「えっ、理事長……何を」

ダキッ

真姫(ヴェッ!!)

理事長「もしも本当に真姫ちゃんが穂乃果ちゃん達とアイドルグループ作って廃校を阻止してくれたら、それは本当に嬉しいかなぁって」

真姫(ヴェ、あっ?)

理事長「なんにも出来ない大人でごめんなさいね」

真姫(あぁ……)

理事長「本当に、ごめんね」

真姫「ふにゃ~」

22: 2015/10/25(日) 22:33:26.04 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「真姫ちゃん、大丈夫?」

真姫「だ、大丈夫です」

理事長「いきなり抱き着いてごめんね」

真姫「べ、別にいいですよ」

真姫(かなり焦ったわ)

理事長「ふふっ」

真姫「そ、それでその」

理事長「ん?」

真姫「あ、あとアイドルの件、考えてあげても……いいかなって」

理事長「やっぱり真姫ちゃんチョロイわ」

真姫「チョロイ言わないで!」

理事長「はいはい」

真姫「あっ、でも」

理事長「?」

24: 2015/10/25(日) 22:35:54.94 ID:ebA/9wZsK.net
真姫「一人で行くのに躊躇いが」

理事長「だったら友達を誘うか、アイドルに興味ある娘を見つけないとね」

真姫(そんな人いるかしら)

理事長「でも、穂乃果ちゃん達なら一人で行っても歓迎してくれるわよ」

真姫(だといいけど)

『理事長先生。至急、職員室まで』

理事長「それじゃあ行くわね」

真姫「あっ、はい」

理事長「……そうだわ」

真姫「?」

理事長「ここに来る前に掲示板のアイドルのポスターに興味持ってた生徒がいたわ」

真姫「本当ですか!?」

理事長「えぇ。しかも真姫ちゃんと同じ一年生よ」

真姫(私と同じクラスの人間?)

理事長「じゃあ、後は頑張って」

真姫「はい」

27: 2015/10/25(日) 22:37:30.52 ID:ebA/9wZsK.net


 
真姫(ウチのクラスにアイドル好きな生徒っていたっけ?)

真姫(なんか猫口調でうるさい人はいるけど)

 
「かーよちん。まだ見てるにゃ?」

 
真姫(そうそうこんな感じ)

 
「ほんと、かよちんはアイドルが好きなんだね」

 
真姫(ん? アイドル……)

28: 2015/10/25(日) 22:40:07.44 ID:ebA/9wZsK.net
花陽「ちょ、ちょっと気になっただけだよぉ」

凛「うんうん。かよちんは昔からアイドルが好きなのは凛が一番よく知ってるよ」

 
真姫(確かあの二人は……誰だっけ?)

 
花陽「でもこの前、三年生の先輩にアイドルに興味あるって不機嫌そうに言われたよ」

凛「そんな不機嫌な先輩がいるの?」

花陽「うん。ちょっと怒られちゃったけど」

凛「そんな先輩、凛が注意すればビビって逃げるよ。それでどんな先輩?」

花陽「えっと、背は低めでツインテールで」

凛「早速、乗り込むにゃ」

花陽「えぇー!?」

29: 2015/10/25(日) 22:42:22.92 ID:ebA/9wZsK.net
真姫(なんか近付き難い雰囲気ね)

真姫(でも、ここは勇気を出して行くわよ)

 
凛「覚悟するにゃー!」

真姫「ねぇ」

凛「ん?」

花陽「あれ、西木野さん?」

真姫「そうよ」

凛「誰?」

花陽「り、凛ちゃん。ウチのクラスの西木野さんだよぉ」

凛「いたっけ、そんな人?」

真姫(なんかムカつくわね)

 

 
真姫「ねぇ、アイドルに興味ってある?」

30: 2015/10/25(日) 22:45:38.28 ID:ebA/9wZsK.net


 
~♪

真姫(今日は快調ね)

~♪

真姫(次の新曲はこうしましょう)

~♪

理事長「こんにちは」

真姫「あっ、理事長」

31: 2015/10/25(日) 22:50:39.16 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「作曲の方はどう?」

真姫「順調ですね」

理事長「そう。次の曲も楽しみにしてるわね」

真姫「期待してくれて構いませんよ。最高のモノを作りますから」

理事長「よく言うわね」

真姫(私は天才真姫ちゃんですから)

理事長「それにしても真姫ちゃん、明るくなったわね。やっぱり、アイドル研究部に入ったおかげ?」

真姫「どうでしょうか、んー」

理事長「私はそう思うわ」

真姫「確かにそうかも」

真姫(どうせつまらないと思ってた高校生活。少しは楽しめてるかな)

真姫(まさかアイドルの真似事と言ってた自分がアイドルになるなんて夢にも思わなかったし)

32: 2015/10/25(日) 22:53:55.22 ID:ebA/9wZsK.net
理事長「それと真姫ちゃん」

真姫「はい?」

理事長「廃校を免れたのもμ'sのおかげよ。本当、真姫ちゃんにも感謝してるわ。ありがとうね」

真姫「べ、別にそんなワケじゃ、ないんですからね」

理事長「まっ、ツンデレ」

真姫「ヴェ、ヴェェ!!」

理事長「真姫ちゃんのお母さんもツンデレだったわ。やっぱり遺伝ってするのものなのね」

真姫「ヴェー!」

理事長「ふふふっ」
 

 
私って別にそこまでチョロくないし、ツンデレでもないわよ。

そうじゃないっていつか理事長に証明させる--

と、理事長の前で私は心に誓ったのであった。
 

 
おしまい

33: 2015/10/25(日) 22:58:36.86 ID:d5GGqwdR0.net

りじまきいい

34: 2015/10/25(日) 23:02:34.90 ID:hqW1CbJJ0.net
おっつん

引用元: 真姫「理事長と音楽室」