深堀「……私は深ぼ…　池田「見学？　見学者なら今キャプテンかコーチが来るからそれまで立ってるし」

深堀「いや、あの…　池田「あーでもコーチもキャプテンも今日は遅くなるんだった」

深堀「池ｄ…　池田「麻雀経験は？　見たところ１年生には見えないし、インハイ終わってから三年生が入るのもおかしい……」

深堀「……」

池田「……」


深堀「……あの…池田「じゃあ試しに打ってみるし！　ルールはわかる？」

深堀「……」

深堀「……わかりました。一局お願いします」

池田「よしっ、カナちゃんの実力見せたげるしっ！！」

――…

池田「華菜ちゃん絶好調だしっ！」

深堀「(……大三元テンパイしてる…)」

池田「ふっふっふ……」
ｽﾁｬ

池田「("白"？場に一枚も出てないしここは……)」

深堀「(……)」
ｸﾞｰ
深堀「(……お腹、空いたなあ…)」

深堀「(……暑い、冷たいソフトクリームが食べたいな…)」

池田「あたしはこの三萬を…」
ﾋﾟﾀｧ……ｯ

池田「！」

深堀「(アイス……白い…冷たいアイスが欲しい……)」

池田「(か、身体が勝手に…っ！？)」
ｽﾁｬｯ

深堀「あっ、ロンです」ﾀﾞｲｻﾝｹﾞﾝ ﾏｼﾏｼ

池田「ニャーーーーーーーッ！！　なぜか白を捨てちゃったし！！！！！」

――…
池田「ま、捲られたし……」

深堀「ありがとうございました」ﾍﾟｺ

文堂「あれ、新入部員です……」
文堂「……か？」

深堀「あっ……文堂…」
深堀「(文堂なら……)」

文堂「……」
文堂「気のせいかな」

深堀「」ｶﾞｸｯ

未春「華菜ちゃん、新入部員さん？」
深堀「(吉留さん……)」ｼﾞ…

未春「……？」
未春「どこかで会ったような気が……気のせいかな」

深堀「……」ﾊｧ

未春「そういえば、売店に新商品のお菓子が……」
深堀「(お菓子！？)」ﾊﾟｱｧｯ

未春「！　こ、この笑顔は……っ」

部員一同『『『(純代スマイル！！！！？)』』』

文堂「あ、あの……もしかして…」
文堂「深堀先輩……なんですか？」

深堀「……」ｺｸ

池田「！　まさかだしっ！！」

未春「この宮永照に神代小薪の清楚さを足したような美人が……あのっ？」

深堀「(……美人？　誰の事だろう…)」

深堀「あ、あの……しばらく部活を休んでごめん…」ﾍﾟｺ

未春「い、いや……大丈夫だよ気にしないで純代ちゃん」

深堀「(みはるん……)」

ｶﾞﾗｯ

福路『今日もよろしくお願いします』ﾆｺ
福路「……あら」

福路「深堀さん。お久しぶりです、しばらく見なかったので心配してました……」

深堀「キャプテン……」ｳﾙ

――…

福路「そうですか……でも、こうしてまた顔を出してくれたのですから。それだけで十分です」ﾆｺ

深堀「キャプテン……」ｸﾞｽｯ

池田「どんな手術を受けたし……」

未春「純代ちゃん、鏡は確認した？」

深堀「……徐々に体重が落ちたから、自分では気がつかないのかもしれない…」

池田「普通気が付くし……貴乃花親方が激ヤセした時よりわかりやすいし…」

文堂「深堀先輩、コルクボードに貼ってある強豪校メンバーの写真……白糸台の宮永照にそっくりですよ」

深堀「……」ﾁﾗ(写真)
深堀「……」ﾁﾗ(鏡)

深堀「……」ﾁﾗ(写真)

深堀「……確かに…」
福路「そういえば深堀さん。新しいお菓子が売店にありましたよ」ﾆｺ

深堀「……」ﾊﾟｱｧｯ

一同『(純代スマイル……やっぱり深堀さんなんだ…)』

福路「そうでした」ﾎﾟﾝ
福路「深堀さん。早速ですが、明日 他校と練習試合の予定が入っています」

深堀「はあ……」

福路「まだ精神的に辛いのなら無理に参加する必要はありませんよ？」

深堀「……」

池田「キャプテン、深堀の腕は鈍ってません！　さっきもあたしを捲って１位でした！！」

福路「まあ……流石ですね深堀さん」ﾆｺ
福路「インハイも終わりそろそろ我が風越麻雀部も新体制へと変わります…」
福路「……アナタ達になら安心して任せられます」ﾆｺ

深堀「キャプテン……」
深堀「…………出ます」

福路「深堀さん」ﾊﾟｧｯ

深堀「食い散らかしてやります」

――…【鶴賀学園】

加治木「……本日はわざわざお越しいただき…(省略」

福路「こちらこそ……(省略」

加治木「お互い部長の任を降りる事ですし、今回は…(省略」
加治木「ええと……そちらのメンバーは大会の時と同じ…」ﾁﾗ

深堀「……」

加治木「……」ﾌｩ
加治木「すぅ……はぁ…」

加治木「……」ﾁﾗ

深堀「？」

加治木「……どうして白糸台の…宮永照が？」

深堀「深堀純代です。深いに掘る…純渡るに時代の代で純代です」

加治木「……失礼した」
加治木「多少……雰囲気が変わったとお見受けしたが」

深堀「多少……はあ…」

加治木「(……練習試合で替え玉？　王者風越がか？？)」ﾌﾑ

――…
加治木「では、最後は私とモモ。風越の部長と……」ﾁﾗ

深堀「……」ｳｽﾞｳｽﾞ

加治木「……深堀さん」
深堀「はい」

加治木「た、卓に着いてくれて良い」

深堀「……」ｺｸ

桃子「どうしたんスか？　先輩らしくないっスよ」

加治木「いや……気のせいか、彼女からは並外れたオーラを感じるんだ…」

桃子「……龍門渕の天江衣と同じものですか？」

加治木「もしかしたら……それ以上の…な」

――…

加治木「(……風越の部長はモモの存在は感じていない…)」
加治木「(……しかし、牌は見えているらしい…流石だな)」

加治木「(深堀さんは……？)」ﾁﾗ

深堀「(いつの間にリーチ宣告したの……５回も振り込んでる…)

加治木「(……杞憂だったか)」ﾌｩ

――…
加治木「(……オーラスか)」
加治木「(順位は、私、風越の大将、モモ……そして…)」ﾁﾗ

深堀「(……お腹空いた…)」

加治木「(…………深堀さん)」
加治木「(ラス親は彼女だが……今日の内容を見る限り、捲るだけの地力は無いとみた)」

深堀「(……暑い…)」
深堀「(……あ、大三元テンパってる…)」

深堀「(……冷たい食べ物…)」
深堀「(……中華、冷やし中華が食べたい…)」

ｽﾁｬｯ
加治木「(……"中"か)」
加治木「(場に出ていない以上…まずは一萬で)」
ｽｯ

深堀「(冷やし中華冷やし中華冷やし中華冷やし中華…)」

加治木「！」
ｸﾞｸﾞｯ
加治木「て、手が……っ！？」
ｽﾁｬｯ

深堀「あ、ロンです」ﾀﾞｲｻﾝｹﾞﾝ ﾏｼﾏｼ

加治木「なっ……っっ！？」

加治木「か、風越の大将！　今のは――…ッッ！？」

池田「？　なんのことだし？？」

加治木「ああそうか君が大将だったか」
加治木「風越の……部長。彼女はその…」

福路「？」

加治木「……いや、気のせいかもしれない」
加治木「(そうだ、そうに決まってる……)」

――…

――…５本場

深堀「その冷や奴、ロンです」ﾀﾞｲｻﾝｹﾞﾝ ﾏｼﾏｼ

加治木「……トびだ」ｸｯ

桃子「先輩……っ！」
桃子「先輩が役満に連続で振り込むなんて……何かイカサマでも…」

加治木「ちがう……モモ」ﾁﾗ

深堀「……売店はどこですか？」

加治木「……こちらの敗けだ」ｶﾞｸｯ

――…
福路「本日はありがとうございました」ﾍﾟｺ
加治木「此方こそ……来年も風越には苦しめられそうだ」ﾌｯ

福路「そう言って頂けると彼女達も喜びます」ﾆｺ
加治木「……それと、一つだけ聞きたいのだが」

福路「？　なんでしょうか？？」
加治木「おたくの深堀…」

深堀「はい」

加治木「……さんについて」

加治木「すまない。売店なら角を曲がって……」

……

加治木「……彼女の身になにがあった」

福路「？」
福路「長い間睡眠を取っていたらしいですが……」

加治木「寝ただけ強くなるのならウチの蒲原は今ごろインハイMVPだ」

―――――
蒲原「ワハハックッション」ｸﾁｭﾝｯ
蒲原「ゆみちんのやつが噂でもしてるかなー」ﾜｯﾊｯﾊ

――…数日後

池田「そういえば来週から全国大会ですねキャプテン」

福路「そうね華菜」

池田「清澄の奴ら。勝てますかね……」

福路「彼女達なら全国の大舞台でも活躍出来ると信じています」ﾆｺ

池田「……見に行きたかったなぁ」

福路「……」
福路「実は…」

福路「コーチが全国のレベルを見てこいってチケットを取ってくれているの」

池田「！　本当ですかっ！？」
池田「鬼の攪乱……は、使い方が違うけど見直したしコーチ！」

福路「皆さんはご予定の方、大丈夫ですか？」

吉留「はっ、はい！」
文堂「行きます！」

深堀「……」ｺｸ

福路「……よかった」ﾆｺ

深堀「(他県限定のお菓子……)」

【Ｉ・Ｈ　会場】

ｻﾞﾜｻﾞﾜ…

福路「皆さん、迷子にならないようにしてくださいね」

池田「あたしはキャプテンの傍から離れませんから！」

吉留「すごい人……清澄の人達、ここで打つんだ…」

文堂「私なら緊張で倒れそう……」

福路「……あら」
福路「深堀さんの姿が見当たりませんが…？」

池田「深堀ならインハイ饅頭 買いに行ったし！」

福路「予定の場所で合流出来ると良いのだけど……」

――…

深堀「……」ﾁﾗ

照『……』

深堀「(ベンチに座っていたら白糸台の宮永照が隣に座ってきた……)」

深堀「……」

照「……」

深堀「……」

照「……」ﾁﾗ

深堀「……」

照「(えらい美人だな)」

深堀「……」

照「(この制服はインハイ出場校のものじゃないな……)」

深堀「……」

照「(にしても美人だな)」ﾁﾗ

深堀「？」ﾁﾗ

照「っ」ｻｯ
照「(目が合ってしまった……変な人間に思われたかな…)」

深堀「(……目があった)」
深堀「(なに食べたらこんな綺麗になるんだろう……)」ﾊｧ

照「……」
照「(この場にいるということは彼女も麻雀を打つのだろう)」

照「(魔物を飼っているようには感じないが……)」

深堀「(……あ)」

深堀「(あそこにある売店はもしかして……)」

深堀「("インハイ饅頭"！)」ﾊﾟｱｧｯ

淡『！？』ﾋﾞｸｯ
　　　神代『？』ﾋﾟｸｯ
　姉帯『！！』ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝｯ
　　　　　　　　　　　　薄墨『っ！』ﾋﾞﾋﾞﾋﾞ
　　　　　　咲『！！！』ｻｱｧｧｧｧ

　　　　　衣『！？』ﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸ


照『！！！！！』ﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

照「(今の――…っ！？)」ｷｯ

深堀「美味しそう……」ﾊｧﾊｧ

照「……君、今から少し打てないか？」

深堀「……私？」
深堀「……なにかの人違いじゃ…」

照「今、視界に入った限り反応の良かった二人を人数合わせに連れてくる。少し待っていてくれ」

深堀「……はあ」
深堀「(インハイ饅頭……)」

――…

照「待たせたな。仮設されている自動卓があるんだ、そこで打とう」

衣「わーい、楽しそうじゃないか！」

姉帯「よろしくねー」

深堀「(龍門渕の天江衣……)」
深堀「……と、知らない大きい人…」

照「時間が無い。早くして」

深堀「……すみません」

――…東一局

照「(さあ……天江はともかく)」
照「(デカいのとツリ目さんの実力が未知数…様子見といくか)」

衣「ののかと会う前に思わぬ余興……衣の普段の行いが良いからだな」ﾌﾌﾝ

姉帯「白糸台の人と試合前に手合わせ出来るなんてラッキーだけど……」
姉帯「こっちのお姉さんも気になるねー」ﾁﾗ

深堀「(……空腹で倒れそう…)」

――…

深堀「……饅頭…美味しい紅白饅頭……」

姉帯「！」
ｽﾁｬｯ

深堀「その白饅頭、ロンです」ﾀﾞｲｻﾝｹﾞﾝ ﾏｼﾏｼ

姉帯「あ、あれー？　いま鳥さん捨てようとしたんだけどー……」

照「……」

照「(なるほど、食欲が役満へと繋がるとみた……)」

姉帯「(うーん……)」
姉帯「(まだちょっとわからないかなー)」
ｽﾁｬ

深堀「……」
深堀「(お…お腹が痛い……)」ｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

衣「！」
衣「衣の海底が……茶色く濁っていく……！？」
ｽﾁｬｯ

照「……ロンだ」

衣「あ～っ！」

深堀「(……おさまってきた…)」ﾌｩ

照「……」

照「(これも勘だが……腹痛で相手の能力を抑えるのか？)」ﾌﾑ

――…

照「倍満だ」

衣「(海面が汚くて撈月を救い取る気になれない……)」ｽﾞｰﾝ

姉帯「(白糸台の人が止まらないなー……よぉし)」

深堀「(やっぱり勝てない……)」ｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

――…

照「……リーチ」

照「(ツリ目さんの能力は今のところ私に干渉してこないみたいだが……)」

姉帯「とおらば……リーチっ」
ｽﾁｬｯ

照「(追っかけか……此方は役満をテンパイしているが)」ﾁﾗ

深堀「……」
深堀「(最近、食べ過ぎかな……)」

深堀「(ダイエット、始めようかな……)」

照「！？」
照「(なんだ……まるで引き当てられる気がしなくなったっ)」ｽﾁｬｯ

姉帯「(あれー？)」
姉帯「っかしいなあ」ﾎﾟﾘ
ｽﾁｬｯ

照「(な、なんだ……？)」
照「(今の状態の私がツモられないだと……っ？？)」


深堀「(ダイエット……ダイエット…)」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

照「て、手配が……痩せていく…………ッッッ！！」

照「……くっ」
ｽﾁｬｯ

姉帯「あっ、ロン ５２００」
姉帯「(結果オーライかなー？)」ｳｰﾝ

照「(……よし、落ち着け)」
照「(なんとなくわかってきたぞ……)」

照「……もし、ダイエットを考えているのならやめた方が良い」
深堀「！」

照「君は今のままで十分魅力的だ」
深堀「は、はあ」

照「こう……ムラッとくる」
照「だからダイエットはやめるべきだ！」

深堀「わっ、わかりまし…た……」ｱｾ

照「(……よし、嫌な気は吹っ飛んだ…)」
照「(気を取り直して次に行くぞ)」

深堀「……すみません」
照「？　どうかしたか」

深堀「ちょっと、饅頭を買ってきても良いでしょうか？」

照「はっ？」
照「(この子に食事をさせて良いのだろうか……嫌な予感しかしない…)」

深堀「……はい」

衣「ありがとうっ」ﾊﾟｱｧｯ
深堀「……」ｺｸ

照「……」
照「(いつも通りで良いんだ……そうだ落ち着け…)」
照「(配牌も良い……撥撥・白白・中中…ようやく運気が…)」

深堀「あー…」
深堀「……むっ」ﾊﾞｸｯ

深堀「(！！　美味しい　！！)」ｷｭﾋﾟｰﾝｯ!!!!!

衣「！！」ﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸ
姉帯「！？」ﾋﾞｸﾝｯﾋﾞｸﾝｯ
照「っ！！！！」ﾋﾞｸﾝｯﾋﾞｸﾝｯﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸﾝｯﾋﾞｸﾝｯ

照「……くっ…！」ﾀﾗｯ
照「(今のは……)」ﾁﾗ

深堀「……」
深堀「…………あ」
深堀「天和アガリです。あと大三元も」

照「『天和大三元』だと！？　それに…」
照「……撥白中はこちらの手牌に…」ﾁﾗ

照「！？」
照「な、無くなっている……………ッッッ！！？」ｶﾞﾀｯ

――…
衣「こ、衣がハコにされるだと……」

姉帯「やー、強いね」

照「……」ﾌｩ
照「良い……対局だった」ｷﾘｯ

深堀「ありがとうございました」ﾍﾟｺ

姉帯「おねーさんどこの学校？」
深堀「……私の学校は予選で落ちてるから…風越女子高校という学校」

姉帯「そうなんだー個人戦には出るの？」

照「風越……？　ああ、咲の高校が下した…」
照「天江なら知っているだろう。予選の対戦校だからな」

衣「風越？」
深堀「……？」

衣「風越にはいなかったぞ」

深堀「えっ」
衣「えっ」

深堀「(……存在感が皆無って事か…)」
深堀「(それもそうだよね……)」ｼｭﾝ

照「……」

照「そういえば、名前を聞いていなかったな」

深堀「……深堀純代です。深淵にボーリング…純粋過ぎる時代の代で純代です」

照「深淵にボー…なんだって？」
照「……まあいい」ｺﾎﾝ

照「純代か。良い名前だ」ﾆｺｯ

深堀「はあ……」

照「どうだ？　今度白糸台に来てみては。歓迎するぞ」

深堀「私なんかが行ってもお邪魔になるだけで……皆さんの練習相手にもなりません」

照「天江衣をトばしておいてよく言うな」
照「とりあえず良いウォーミングアップになったよ」

照「私の事は照で良い」
照「これからよろしく」

ｷﾞｭｯ

深堀「……よろしくお願いします」ﾍﾟｺ

深堀「(お腹減ったな……)」

――…数週間後

『すーみーよっ！』

深堀「……ああ」

照「来たぞっ打とう！」ﾆｨ
深堀「毎週来てますね……」

照「純代がｳﾁに来ないからだろう」
深堀「……」

照「それに、今日は新しいお菓子を持ってきたんだ」
ｶﾞｻｯ

深堀「！！」ﾊﾟｱｧｯ

照「」ﾄﾞｷｯ
照「さ、最近 純代が丸くなってきて益々魅力的だな……やはりダイエットはするべきでなかった」

深堀「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

モブ『白糸台の宮永照が遊びに来るなんて……』

コーチ『良い練習相手じゃないか。金もかからんし』

コーチ「お前らも全国のレベルをその身で体感しろ」
コーチ「オラ池田ァアアァアアアアアッッッ！！！」

池田「どうしてあたしだけ名指しだしっ！？」ﾋｲｨｯ

――…

照「今日の勝率は五分五分ってところか」

深堀「はあ」

照「純代が丸くなるに連れて能力が弱まっている気がする…」
照「……純代を元の痩せた状態に戻せばまた強くなる…が、戻したくないというジレンマ……」

深堀「……」ﾊﾟｸ

照「しかし、今の純代でも十分全国に通用するレベルだ」ﾆｺ

深堀「……ありがとうございます」ﾍﾟｺ

照「それで、この後ある人に声をかけて私と純代の四人で麻雀を打つ段取りになっている」
照「楽しみだな……どんな対局になるか…」

深堀「……照さん」
深堀「その、声をかけたメンバーというのは…？」

照「？」
照「ああ――…」

照『……妹の咲と、小鍛治プロだ』ﾆｯ


　　　　　＜了＞

これから照と深堀さんの道場破りならぬＩ・Ｈ 出場校破りの旅が始まります――…

その中からスカウトしたメンバーで ある大会に出るのは先のお話……
ということで乙です。

乙

面白かった乙です！
またかいてくださいね！