1: 2012/06/23(土) 22:26:02.64 ID:lg9qqzZg0
照「冷たい」

菫「は?」

照「だから、最近菫は私に冷たい」

菫「いや別に……普通だろう。というかなんなんだ急に」

照「私のこと嫌いになったの?」

菫「私の話を聞け。いきなりどうしたんだ」
咲-Saki- 24巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

3: 2012/06/23(土) 22:28:55.51 ID:lr+fvDvP0

照「……あまり構ってくれないから」

菫「そうか? 私は相変わらず手をかけさせられているが」

照「淡とはよく話すのに」

菫「後進の育成は不可欠だろう。私たちが卒業したあと、白糸台を引っ張っていくのは間違いなく淡だからな」

照「でもまだインターハイがある」

菫「私は先を見通してるんだよ」

6: 2012/06/23(土) 22:31:44.78 ID:lr+fvDvP0

照「とにかく。私にも構って」

菫「またそれか……お前そんなキャラだったか?」

照「ギャップ萌え?」

菫「なんで疑問系なんだよ。もういい、練習するぞ」

照「ちょちょちょ」

菫「な、なんだよ」

照「構って」

8: 2012/06/23(土) 22:37:02.60 ID:lr+fvDvP0

菫「いい加減にしろ。淡たちも待ってるんだぞ」

照「また淡……やだ。構って。構ってくれなきゃ打たない」

菫「駄々っ子かお前は。いいから来い」

照「嫌。動かない」

菫「こいつ……。ハァ、わかったよ。負けた負けた」

照「! ……構って」

菫「じゃあ聞くが、構うといっても何をすればいいんだ?」

9: 2012/06/23(土) 22:41:04.83 ID:lr+fvDvP0
照「……」

菫「照?」

照「考えてなかった」

菫「練習するか」

照「待って」

菫「何もないんだろ?」

照「考える。考えるから」

菫「さて練習室に」

照「あーあーあー!!」

菫「うるさいな! なんだよ」

照「思いついた」

菫「思いついたってなぁ……」

照「ん」

12: 2012/06/23(土) 22:44:29.18 ID:lr+fvDvP0
菫「? 手を広げて……なんだ?」

照「菫は鈍感だな。だから麻雀も上手くならない」

菫「おーい淡、今から行k」

照「ごめんなさい。抱きしめて下さい」

菫「あ?」

照「マジ切れ……。抱きしめて」

菫「誰を?」

照「私を」

菫「誰が?」

照「菫が」

15: 2012/06/23(土) 22:51:46.14 ID:lr+fvDvP0
菫「なんでそんなことしなきゃならないんだよ」

照「さっき構ってくれるって言った」

菫「構ってやるとは一言も言ってないが」

照「それで、菫は身長的にちょうどいいから。抱きしめて」

菫「話を聞けよ……。だがまぁ、それくらいなら」

17: 2012/06/23(土) 22:54:11.76 ID:lr+fvDvP0
照「やってくれるの?」

菫「正直もう少しお前のハードルは高いんじゃないかと思っていたからな。ただし、抱きしめたら練習に出るぞ」

照「ああ」

菫「じゃあ……えっと、抱きしめるぞ」

照「来て……」

菫「変な言い方するなよ……ん」

19: 2012/06/23(土) 22:58:04.48 ID:lr+fvDvP0
照「菫、暖かい」

菫「お前けっこう体温高いんだな。冷めてるくせに」

照「ん……、そう」

菫「さて。もういいか?」

照「なんで?」

菫「なんでって、抱きしめただろ」

21: 2012/06/23(土) 23:01:19.86 ID:lr+fvDvP0
照「私はいいと言っていない」

菫「時間がないんだが」

照「完全下校時刻は八時。あと二時間もある」

菫「二時間もこのままのつもりかお前?練習するって言っただろ」

照「いつからするかは言っていない」

菫「お前は……ああもう面倒だな。ほら、離れろ照」

照「嫌」

23: 2012/06/23(土) 23:06:26.20 ID:lr+fvDvP0
菫「いいから離れろ。一軍が二人も練習をサボるなんて後輩に示しがつかん」

照「どうせもうすぐ卒業する」

菫「お前さっきまだインターハイがあるとか言ってなかったっけ?」

照「さあ? 知らない」

菫「鳥頭かお前は」

照「私は過去を振り返りはしない」

菫「人をホールドしながら言う台詞じゃないな」

25: 2012/06/23(土) 23:12:06.71 ID:lr+fvDvP0
照「それに、私は満足していない」

菫「抱きしめただろ。まだ何かあるのか?」

照「大アリ。こんなものは構った内に入らない」

菫「つまり時間の無駄だったと」

照「有意義な時間だった。でも足りない」

27: 2012/06/23(土) 23:15:31.91 ID:lr+fvDvP0
菫「お前どうせ何やっても満足しないだろう」

照「やってみないとわからない」

菫「じゃあ次はお前の満足度に関わらずさっさと部活に出ろよ」

照「それで、次だけど」

菫「出ろよ?」

照「はい」

30: 2012/06/23(土) 23:22:19.26 ID:lr+fvDvP0
菫「いいだろう。で、何をすればいいんだ?」

照「ちゅー」

菫「……すまん、よく聞こえなかった」

照「キス」

菫「……あー、何だって?」

照「接吻」

菫「……あのな」

照「マウス ト マウス」

菫「toな。じゃなくて」

照「菫とちゅーしたい。できれば菫から」

34: 2012/06/23(土) 23:27:24.73 ID:lr+fvDvP0
菫「それは冗談で言ってるのか?」

照「本気と書いてマジ」

菫「いや、おかしいだろ」

照「?」

菫「そんな『何が?』みたいな顔されても」

照「何が?」

菫「口に出すなよ。私たちは女同士だろう」

37: 2012/06/23(土) 23:32:48.64 ID:lr+fvDvP0
照「今日びキスくらい同性でもする。それにアメリカでは挨拶」

菫「ここは日本だ。というか、お前私とキスしたいのか?」

照「そうだけど」

菫「お前私のこと好きなの?」

照「自惚れ?」

菫「殴るぞ。どうなんだよ」

39: 2012/06/23(土) 23:36:45.52 ID:lr+fvDvP0
照「それを言えばしてくれるの?」

菫「いや、そういう訳じゃ」

照「約束破るんだ」

菫「いちいちイラつくなお前は。そこら辺は……ハッキリさせておくべきじゃないのか?」

照「好きだよ」

菫「軽っ、じゃなくて、え?」

42: 2012/06/23(土) 23:43:32.75 ID:lr+fvDvP0
照「私は菫のことが好き」

菫「照、おま」

照「美少女インターハイチャンピオンかつ現役女子高生テルテルは菫が好き」

菫「殴るぞ。……本気か?」

照「そうだと言っている。ということで」

43: 2012/06/23(土) 23:49:47.87 ID:lr+fvDvP0
菫「何故目をつぶる」

照「ちゅーして」

菫「いや、だから」

照「菫が好き。だからちゅー。ん」

菫「その理屈はおかしい」

照「早くして」

菫「なんでお前がイラついてるんだよ」

照「早く」

菫「話聞けよ。三回目だぞ」

45: 2012/06/23(土) 23:54:48.21 ID:lr+fvDvP0
照「ちゅーしないと離さない」

菫「力強いなお前。あー……、日も暮れてきたし」

照「問題ない。私は何時間でも待てる」

菫「お前に問題がなくてもこっちには山積みなんだよ」

48: 2012/06/24(日) 00:00:34.34 ID:J+YFx87n0
照「菫がちゅーすれば離す。部活にも出る。ほら」

菫「ほら、じゃなくてな。おかしいだろ色々」

照「人に告白までさせておいて、約束破って逃げるの?」

菫「ぐ……」

51: 2012/06/24(日) 00:03:33.32 ID:lr+fvDvP0
照「早く。首が疲れてきた」

菫「とことん自分本位だなお前は」

照「私のこと、嫌い?」

菫「嫌いじゃないが……」

照「ん」

菫「……」

照「……」

菫「……、ハァ」

52: 2012/06/24(日) 00:09:28.08 ID:urIbeDzX0
照「ん」

菫「一度しかしないからな」

照「わかってる。それでいい」

菫「ふぅ……。……」


ガチャ

淡「弘世先輩? まだ練習に来な……い……」


菫「」

照「淡。邪魔するな」

56: 2012/06/24(日) 00:12:39.08 ID:urIbeDzX0
淡「ひ、弘世先輩が、宮永先輩に……二人って、そういう……」

菫「ま、待て淡。これは照が」

照「菫がしたがってたから」

菫「ぶん殴るぞ。おい淡、こいつの言うことは信じるんじゃな」


淡「失礼しましたっ!!!!」ガチャバタン


菫「」

照「失礼なやつめ」

59: 2012/06/24(日) 00:16:34.26 ID:urIbeDzX0
菫「わ、私の……私が……」

照「ところで菫」

菫「淡の目……今までとは全然違う……私を見る目が……」

照「菫」

菫「なんだよ! そもそもお前が」

照「ん」

菫「……何のつもりだ?」

60: 2012/06/24(日) 00:22:04.85 ID:urIbeDzX0
照「ちゅー。してもらってない」

菫「……」

照「邪魔が入ったから仕切りなおし。テイクツー。ん」

菫「……」

照「菫?早くして。練習できなくなる」


菫「……お前なんか、知るか!!」



おわり

61: 2012/06/24(日) 00:22:25.16 ID:R/l+tZOvO

62: 2012/06/24(日) 00:24:29.58 ID:DUoc8Xok0
ん?

68: 2012/06/24(日) 00:41:35.66 ID:urIbeDzX0

照「ツモ」

淡「あちゃー、また負けちゃいましたか」

照「最後、集中力が欠けていたけど」

淡「あ、バレちゃいました? 実はさっきからトイレ行きたくて」

照「行ってよかったのに」

72: 2012/06/24(日) 00:45:53.64 ID:urIbeDzX0
淡「いやさすがに対局中は……。ってことで、行ってきますね」

照「行ってらっしゃ……!?」フワッ

照(淡が横を通った瞬間、すごく良い匂いがした……)

照(……淡の髪の毛嗅ぎたい)

淡「!? ……早く済ませよう」ゾクッ

76: 2012/06/24(日) 00:50:19.97 ID:urIbeDzX0
淡「戻りましたー」

照「おかえり。ところで淡」

淡「なんですか?」

照「淡の髪は……綺麗」

淡「いっ、いきなり何ですか。びっくりした」

78: 2012/06/24(日) 00:55:08.61 ID:urIbeDzX0
照「いきなりじゃない。前から思っていた」

淡「そ、そうだったんですか? えへへ、けっこうお手入れ頑張ってるんで嬉しいです」

照「それで……」

淡「はい?」ニコニコ

照「嗅いでいい?」

淡「え?」

81: 2012/06/24(日) 00:59:57.90 ID:urIbeDzX0
照「淡の髪の毛。嗅いでいい?」

淡「……はい? 先輩、連荘のしすぎで頭が……」

照「おかしくなってない。人を連荘マシーンみたいに言うな」

淡(あ、気にしてたんだ)

照「で、嗅いでいいの?」

淡「え、えぇまぁ……どうぞ?」

84: 2012/06/24(日) 01:02:24.90 ID:urIbeDzX0
照「失礼する」サラッ

淡(宮永先輩の指、細いし長くて綺麗だなぁ……手櫛で梳かれて気持ちいい……)

照「さらさら」

淡(そういえば宮永先輩って妹さんがいるんだよね……たまにお姉ちゃんっぽいところがあって……)

85: 2012/06/24(日) 01:08:09.80 ID:urIbeDzX0
照「じゃあ、嗅ぐ」クンクン

淡(照お姉ちゃん、かぁ……でも私にとっての先輩はお姉ちゃんっていうより……)

照「……やっぱり」

淡「はひっ、何がですか?」

照「この匂い、菫のシャンプーと同じだ」

淡「」


おわり

89: 2012/06/24(日) 01:11:57.01 ID:u0276P5YP
これはまさにあわあわ
乙乙

92: 2012/06/24(日) 01:17:57.70 ID:urIbeDzX0
照「ポッキーゲームをする」


菫「誰と?」

照「菫と」

菫「何で私がお前とそんなこと……」

照「興味がある」

94: 2012/06/24(日) 01:22:47.50 ID:urIbeDzX0
菫「だいたいお前ポッキーゲームがどんなものかわかってるのか?」

照「知らない。だからやってみたい」

菫「ちょっ、ポッキー押し付けるな」

照「ほら」

菫「しかもお前、誘った本人がチョコ側食うなよ」

照「チョコがある方がおいしい」

95: 2012/06/24(日) 01:29:04.91 ID:urIbeDzX0
菫「普通は相手に譲るだ 照「ほらほら」

菫「……あーハイハ 照「早く」

菫(こいつ……まぁいい、わざと素早く食って脅かしてや)


ボリボリボリボリ!!! ブチュッ


菫「……お前、ルール知ってるのか?///」

照「全然?」


おわり

100: 2012/06/24(日) 01:40:49.81 ID:urIbeDzX0
淡「せ~んぱい」

照「……何?」

淡「呼んでみただけですよ?ふふっ」

照「そう」

淡「……先輩♪」


照「淡がおかしくなった」

105: 2012/06/24(日) 01:45:53.42 ID:urIbeDzX0
照「どうしよう」

菫「おかしくなったって、具体的にはどんな感じなんだ?」

照「人がいるときは普段通り。私と二人になると……甘えてくる?」

菫「そりゃわからない筈だな」

照「どうしよう」

菫「あいつはしっかりしてるが高校に上がったばかりだしな、まだまだ甘えたい盛りなんじゃないか?」

109: 2012/06/24(日) 01:54:57.00 ID:urIbeDzX0
照「そうか……」

菫「お前妹さんいるだろ? 同じように接してやったらどうだ」

照「同じようにと言われても、咲が幼かった頃の記憶しかない」

菫「それでいいんじゃないか? 恥ずかしくなったら向こうから止めるだろ」

照「やってみる」

112: 2012/06/24(日) 02:03:24.63 ID:urIbeDzX0
淡「あっ、先輩! どこ行ってたんですか?」

照「えっと、トイレだよ」

淡「そうだったんですねっ、先輩の姿が見えないから心配しちゃいました」

照(ああ、そういえば咲もこんな感じだったな……)

淡「せーんーぱいっ? 起きてますかー?」

113: 2012/06/24(日) 02:11:20.56 ID:urIbeDzX0
照「あ、あぁ、ごめんね。淡」

淡「いいですよっ、それよりお話しましょう!」

照(咲……元気かな)

淡「それでですね……先輩?」

照「な、何?」

淡「またボーっとして……いつもキリッとしてるのに、珍しいですね」

照(お前もな)

115: 2012/06/24(日) 02:17:55.92 ID:urIbeDzX0
淡「続きなんですけど、今日渋谷先輩においしいお茶をもらったんですよ」

照「そうか、良かったな……お茶?」

淡「はいっ! 味もなんですけど、すっごく香りがよくて」

照「……あいつ、茶葉は自分で大事に保管してあるって言ってなかったか?」

116: 2012/06/24(日) 02:26:07.79 ID:urIbeDzX0
淡「そうらしいですね~。それに、いつもお茶葉は自分の鞄に入れてるみたいなんですけど、一缶だけ机に出してあったんですよ」

照「……あいつの性格からして、自分の茶葉を無造作に置いておくとは考えにくいな」

淡「ですねー。だから渋谷先輩のものじゃないかと思ったんですけど、『このお茶葉もらっていいですか?』って聞いたら『いいよ』って言ってくれたので」

119: 2012/06/24(日) 02:29:06.71 ID:urIbeDzX0
照「……ちなみにそのとき渋谷は?」

淡「お茶飲んでましたよー。そういえば渋谷先輩って、お茶を飲んでるとちっともこっち見てくれませんよねー」

照「……ちょっと、用事を思い出した」



照「……ということで、これがその茶葉」

菫「渋谷は何だって?」

120: 2012/06/24(日) 02:34:51.27 ID:urIbeDzX0
照「『これは私の茶葉じゃないです』」

菫「決まりだな」

照「でも、このお茶にどういう効果があるのかはわからない」

菫「確かにな……照、お前飲んでみたらどうだ?」

照「なんで私が」

菫「私はこの後用事があるんだ」

照「……」

122: 2012/06/24(日) 02:41:44.63 ID:urIbeDzX0
淡「んぅ……あれ? 寝ちゃってたみたい」

淡「って誰もいないし……いつから寝てたんだろ」

照「……」

淡「あ、先輩。いたんですか」

照「……先輩?」

124: 2012/06/24(日) 02:44:56.34 ID:urIbeDzX0
淡「? どうしたんですか?」

照「……先輩じゃない。お姉ちゃん」

淡「はい?」

照「あわいー、お姉ちゃんだよー!」ガバァッ

淡「えっ? あ、あわわわわわわ」


淡「先輩がおかしくなった」

おわり

125: 2012/06/24(日) 02:51:26.68 ID:urIbeDzX0
おしまい
あのスレの淡ちゃんの恋が叶いますように


引用元: 照「菫が冷たい」