智絵里「あ、これ？えへへ……これは、最近発売されたジュースです♪」

かな子「へぇ、美味しそうだね！」

智絵里「うんっ、ん……ぷはぁー」

杏「杏にも一口おくれー」

智絵里「うん、いいよ」ﾊｲ

杏「ん……おー、これはなかなか」ｱﾘｶﾞﾄｰ

智絵里「美味しい？」

杏「うん、けっこーいける」

智絵里「えへへ、良かった♪」

智絵里「じゃあ、今度は杏ちゃんのぶんも買ってきてあげるね？」

杏「へへっ、さんきゅー」

かな子「……」

智絵里「んー、美味しい……♪」

かな子「あのー、私にも一口……」

智絵里「絶対ダメ」

かな子「ええっ！？」

かな子「智絵里ちゃんに強い口調で断られた……」

杏「かな子ちゃん、糖質制限中じゃん」

智絵里「そうですよっ」

かな子「うぅ……でも……」

智絵里「今度、撮影あるんだよね？」

智絵里「一瞬の油断が、やがて自分自身を滅ぼすんだよ」

かな子「う、うん……なんだかメッセージ性が強いよ」

智絵里「隠れてお菓子とかジュースとか、食べたりしてない？」

かな子「た、食べてないよ」

智絵里「ほんと？」

かな子「うん」

杏「こないだ杏の飴食べてたよ」

智絵里「んん？」

かな子「杏ちゃん！？」

かな子「だって、食べきれないっていうから……」

智絵里「それだったら、他の人に渡すとかでもいいし……」

かな子「ううっ」

智絵里「とにかく、ダメ」

かな子「智絵里ちゃんがいつになく厳しいよぉ」

杏「かな子ちゃんのためを思って、でしょー」

かな子「……甘いもの食べたいなぁ」

智絵里「……でも、ちょっとかわいそうだから」

智絵里「はいっ、四つ葉のクローバー」ｽｯ

かな子「わぁ……ありが」

智絵里「を、食べる」ﾊﾟｸｯ

かな子「と……えっ！？」

杏「杏も食べるー」ﾊﾟｸｯ

智絵里「お腹の調子が良くなるんだよ」ﾓｷｭﾓｷｭ（※医学的根拠はありません）

杏「杏も背が伸びた気がする」ﾓｷｭﾓｷｭ（※医学的根拠はありません）

かな子「えぇ……？急に何……？」

智絵里「かな子ちゃんも食べる？」

かな子「わ、私はいいよ……」

智絵里「糖質制限するのって、そんなに大変……？」

かな子「もうね、汗が止まらなくなっちゃうの！」

杏「なにそれ、禁断症状みたい」

かな子「下手したら、レッスンよりも汗かいちゃって……」

かな子「今日も、替えのシャツ５枚持ってきたよ」

杏「運動系の部活かよ」

かな子「逆に、ストレスで食べ過ぎちゃうし……」

かな子「だから最近、スーパーの試食を自粛してて」

智絵里「そんなに？」

かな子「前に、出禁になりかけちゃって……」

杏「……マジで言ってんの？」

かな子「とにかく、しんどくって」

杏「私たちにはわからない感覚だなー」

かな子「お菓子作りも、ついついやりすぎちゃって……」

智絵里「こないだ、765さんに持っていったもんね」

杏「クーラーボックス持って来たから、釣りでも行ったのかと思ったよ」

杏「でもさー」

杏「かな子ちゃん、糖質制限してるときのほうが笑顔が締まってるよ？なんか、キリっとしてる」

智絵里「あ、それはわかります」

杏「あれみたい、天海祐希」

かな子「嘘ぉ？」

杏「ほんとほんと、あれはほぼ課金」

智絵里「その例えはわかるような、わからないような……？」

智絵里「でも、一本筋が通る感じがするよね」

かな子「私には、元からお菓子好きの筋が通ってるよ！太い筋が！」

智絵里「そうなんだけど……そうじゃなくって」

杏「なんかこう、頑張ってる感？」

智絵里「やるぞー！ってかんじ？」

かな子「な、なるほど……？」

杏「ちょっと、笑顔になってみて」

かな子「こう？えへへ」ｷﾘｯ

杏「ほら、ｷﾘｯてしてる」

智絵里「普段はﾆｺｯ、なのにね」

智絵里「でも、あんまりかな子ちゃんらしくないかも……？」

杏「それはまぁ、そだねぇ」

かな子「じゃあやっぱり！」

智絵里「ダメ」

かな子「うわぁぁぁぁん」

杏「智絵里監督、厳しい」

智絵里「だいたい、一口で終わらないし……」

智絵里「かな子ちゃん、あと一口って言ってからその5倍はいくから……」

杏「かな子ちゃん、かっぱえびせんマジで止まらないもんね」

智絵里「あれはちょっと……カルビーさんも、びっくりするんじゃないかな」

杏「というか、カルビーとタイアップしてほしい」

智絵里「『あの三村かな子も止まらなかった！』」

杏「いやそりゃ止まらねーよって」

かな子「やめてー！恥ずかしいよぉ！」

智絵里「かな子ちゃん、違うお菓子のCMやってるよね？」

かな子「うん」

杏「Youtubeでよく流れるやつね」

智絵里「あのCMなんだけど……」

智絵里「……ちょっと、締まりないかな、って」

かな子「え、ほんとに？」

杏「あれはね、ﾆﾍﾗって感じ」

智絵里「あれはちょっと……やばいと思う」

杏「あれ、すごい勢いで食べてない？」

かな子「監督さんがいいよーって言うから、つい食べちゃって……」

杏「私、あの半分のペースでもまだきついよ」

智絵里「とにかく、速いんだよね」

かな子「そうかなぁ」

智絵里「ちゃんと噛んでるの？」

かな子「噛んでるよ」

智絵里「じゃあ……噛むのが速いのかな」

杏「すごいアゴ」

かな子「語弊があるよ」

かな子「私、結構我慢してるんだけどなぁ」

智絵里「いいことだと思うけど……」

かな子「でも、我慢は体に毒なんだよ！」

智絵里「それ、こないだも言ってたよ」

かな子「でも、ほんとに健康にも悪いから……」



かな子「だから、今からプレゼンをするね」ｽｯ

杏「！？」

智絵里「！？」

ﾋﾟｯ　ｶﾞﾗｶﾞﾗ

智絵里「えっ、スクリーン使うの……？」

かな子「私は、どうしても甘いものが食べたい！」

杏「うわ、ガチだ」

かな子「八神マキノちゃんに監修してもらいました」

智絵里「ほんとに？」

杏「何で釣ったんだ」

かな子「どうも、スティーブ・かな子です」

智絵里「キャラ作りまで……」

杏（パソコンにステッカーめっちゃ貼ってある）

かな子「今回ご覧いただきたいのはこちら」

かな子「これ、何のグラフかみなさんおわかりですか？」

かな子「総選挙の得票数？アニバーサリーライブの動員数？ちっちっ」ｸｲｸｲ

かな子「これは、なななんと！炭水化物の制限量と、それに伴って発症する恐れのある病気との相関を示しています」

杏「流れるように説明してくる」

智絵里「いつの間に練習したんだろう……」

かな子「過剰な炭水化物の制限は、集中力の低下、目まいや吐き気、疲労の蓄積」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

かな子「さらには肝臓、腎臓などの機能の低下のリスクさえあるのです」

かな子「実際、ニューヨーク大学のランゴンメディカルセンターにおいて、このようなデータが発表されています」

智絵里（なんだか、怖い……）

かな子「１日あたり200～400グラムの炭水化物は、ほぼ全ての管理栄養士が摂るべきと認めている」

かな子「これは、１日の食事の45～65%の量に相当します」

杏（やば、資料ばっかで寝そう）

かな子「一般的には、炭水化物の制限によるダイエット方法が認知されていますが」

かな子「その一方で、やり過ぎには注意です」

かな子「規則正しい食習慣を身に付けることで、真の健康体になることができます！」

智絵里「……いや、規則正しくはないような？」

杏「かな子ちゃんが野菜食べてるところ、ほとんど見たことないよね」

かな子「静粛に！」

かな子「つまり、１日の食事の半分が炭水化物でも全く問題ない、ということです！」

かな子「ですから……つまり、その……なんというか」

かな子「……お菓子が、食べたいなぁ」

智絵里「あっ……スティーブさんが抜けちゃった」

杏「かな子ちゃんに戻った」

かな子「おーかーしーたーべーたーいー！」

智絵里「困ったなあ……」

杏「うーん」

かな子「これだけプレゼンしてもダメ……？」

杏「たしかに、完璧な理論武装ではあった」

智絵里「理路整然としてたかな子ちゃん、ちょっと……怖かったです」

かな子「炭水化物を摂取しないと氏んじゃうの！」

かな子「だから、私はスイーツを食べる！」ｷﾘｯ

かな子「どう？」ｷﾘｯ

智絵里「……そこまで言うなら」

杏「いやいや、ダメでしょ」

かな子「杏ちゃん！」

杏「炭水化物ならお米とかで十分だし」

杏「そんなこと言って、結局つらい現実から逃げたいだけじゃん、ね」

かな子「ううっ」ｸﾞｻｯ

杏「……かな子ちゃん」



杏「私たちは、アイドルだよ」

杏「みんな、頑張るかな子ちゃんを応援したいんだよ」

杏「アイドルなんだから、ファンのみんなに笑顔を届けなくちゃ」

杏「そのためなら、どんな辛いことだって頑張らなくちゃ」

かな子「……うん……」

杏「それに、辛いだけじゃないよ」

杏「乗り越えたら、きっと良い結果が待ってる」

杏「だから、私たちは頑張れるんだよ」

杏「ね？」

杏「天海祐希、目指そう？」

かな子「……うん」

智絵里「……かな子ちゃん？」

かな子「……わかった！私、がんばる！」ｷﾘｯ

杏「よく言った！」

かな子「私、天海祐希さんになるよ！」ｷﾘｯ

智絵里「いい笑顔だね……！」

ｶﾞﾁｬ

モバP「おいーっす」

智絵里「あっ、プロデューサーさん、お疲れ様です」

かな子「プロデューサーさん！私」

モバP「ごめんかな子、今度の撮影の仕事、キャンセルになったから」

かな子「！？」

モバP「だから、糖質制限解除していいよ」

智絵里「！！？」

杏「！！？」

かな子「…………」

智絵里「……か、かな子ちゃん」

かな子「……じゃあ、スイパラ行きましょう！」ﾆﾍﾗ

杏「うわぁ」

以上です
レス番号ミスってすいません
キャンディアイランドかわいい

乙
目の前でジュース飲まれてるのは可哀想だな
制限解除のかな子はどれくらい食うのか