1: 2011/11/16(水) 23:23:37.15 ID:wtL9THEH0
絢辻「……な~んて展開、私が許すと思ったの?」

橘「い、いや……それは……」オドオド

絢辻「あら?いいたいことがあるなら、はっきりしなさいよ」

橘「スレタイのようなことは、微塵も思っておりません!」

橘「考えたこともございません!」

橘「絢辻さんは裏表のない素敵な人です!」

絢辻「……そう。それはよっかったわ」

絢辻「……で、橘君は誰が好きなのかしら?」
アマガミ Love goes on!(1) (電撃コミックス)
5: 2011/11/16(水) 23:39:01.99 ID:wtL9THEH0
橘「え?」

絢辻「だから誰が好きなの?ま、愚問だったかしらね」

絢辻「そんなの勿論私に……」

橘「う~ん……やっぱり美也かなぁ」

絢辻「……は?」

橘「僕が好きなのは美也だ。うん、間違いない」

絢辻「妹さんが好きなのはわかったけど、私が聞いてるのはそういうことじゃなくてね」

橘「いや、そういことだけど」

絢辻「ぐぬぬ」

7: 2011/11/16(水) 23:47:51.52 ID:wtL9THEH0
絢辻「橘くん」

絢辻「いくらなんでも、妹さんはよくないわ」

橘「そ、そうかな?」

絢辻「そうなの!バッカじゃないの!?」

橘「で、でも!それは本人達の問題だし」

絢辻「たとえ世の中が許しても、私が許さないわよ!」

橘「そんな横暴な!」

絢辻「……わかった、こうしましょう」

絢辻「今日から私は橘君の妹ね」

橘「……え?」

絢辻「よろしくね、にぃに」

橘「ええええええええええ!?」

12: 2011/11/17(木) 00:01:08.89 ID:VgmdBEyK0
絢辻「あ」

絢辻「……お兄ちゃんの方がよかったかしら?」

絢辻「何て読んだらいいの?」

橘「に、にぃにで!」

絢辻「にぃに!」ニコッ

橘「詞!」

絢辻「つ、詞って//////」

橘「あ、ダメだった?」

絢辻「つ、続けなさい!」

橘「じゃあ、詞?今日はもう帰ろうか」

絢辻「うん、にぃに!」

15: 2011/11/17(木) 00:13:08.55 ID:VgmdBEyK0
橘「ただいまー」

美也「にぃに?おかえり……って、その人誰?」

橘「美也、この人は」

絢辻「純一の妹の詞です!」

美也「……もう。にぃに?今度は何を始めたの?」

橘「う~ん……兄妹ごっこ?」

絢辻「としか言えないわね」

美也「へぇ、兄妹ごっこね」

美也「じゃあ、みゃーは詞さんのことをねぇねって呼べばいいの?」

絢辻「ね、ねぇね!?」

橘「まぁ、そうなるか」

23: 2011/11/17(木) 00:43:47.75 ID:VgmdBEyK0
絢辻「ね、ねぇね……」

美也「だって私のお姉ちゃんでしょ?」

絢辻「お、お義姉ちゃん!?」

橘「あやつ……詞、落ち着いて!姉妹の設定の話だから!」

絢辻「そ、そうだったわね!」

絢辻「うん、ねぇねって呼んでね!」

美也「うん!宜しく、ねぇね!」


絢辻(危うく鼻血が出るところだったわ……)

28: 2011/11/17(木) 00:53:09.34 ID:VgmdBEyK0
美也「……とはいったけどさ」

美也「ごめん、みゃーはこれから紗江ちゃんの家にお泊まりに行くのだ!」

橘「あ、そうなの?」

美也「うん。だからねぇねには悪いけど……」

絢辻「ううん、気にしないで」

美也「あ、あとね」

美也「何でか知らないけど、お父さんもお母さんも今晩は帰ってこないらしいから」

美也「……にぃに?」

美也「兄妹でエOチなことしちゃダメだよ?」

橘「わ、わかってるよ!」

美也「にしし!じゃあ、みゃーはいってくるのだ!」

バタン

橘「……だってさ」

絢辻「どうする、橘く……にぃに」

29: 2011/11/17(木) 01:06:05.01 ID:VgmdBEyK0
橘「と、とりあえず!詞、ご飯でも食べようか!」

絢辻「う、うん!そうしようか、にぃに!」

橘「え~と、今日のご飯は……」

橘「カ、カレー?」

絢辻「書き置きがあるよ」


書置「頑張ってみゃーが作ったよ!」


橘「何てことだ……」

絢辻「にぃに?顔が真っ青だよ?」

橘「詞」

絢辻「う、うん?」

橘「大変なことになった」

31: 2011/11/17(木) 01:18:50.74 ID:VgmdBEyK0
橘「……ごちそうさまでした」ゲッソリ

絢辻「美也ちゃん……何でカレーを不味く作れるの?」

橘「勘違いしないで欲しいけど、これが我が家の味というわけじゃないよ?」

絢辻「わかってるわ。こんなの毎日食べてたら……」


橘「さて、ご飯も食べたし」

絢辻「次は何するの?」

橘「お風呂にでも入ろうかな」

橘「詞と一緒に」

絢辻「……は!?」

33: 2011/11/17(木) 01:30:51.02 ID:VgmdBEyK0
絢辻「変態!変態ッ!」

橘「詞」

絢辻「な、何よ!?」

橘「兄妹なんだから恥ずかしがらなくていいんだよ?」キリッ

絢辻「高校生にもなって一緒にお風呂に入ってる兄妹なんていないわよ!」

橘「そう、そうなんだよ!」

橘「だから、僕は!」

橘「高校生にもなって、妹とお風呂に一緒に入りたいんだ!」

絢辻「……うわぁ」

35: 2011/11/17(木) 01:36:53.52 ID:VgmdBEyK0
絢辻「そんな男らしくないことを男らしく言って、馬鹿なんじゃないの?」

橘「僕は自分に正直でありたいだけだよ」

絢辻「馬鹿正直なのも考えものね」

橘「うーん……よく考えたら、美也なら頼み込めば一緒に入ってくれそうだな」

絢辻「えっ」

橘「うん、今度美也に頼んでみよう」

絢辻「……わよ」

絢辻「わかったわよ!一緒に入ればいいんでしょ!?」

橘「ほ、本当!?」

40: 2011/11/17(木) 01:50:42.01 ID:VgmdBEyK0
橘「ぼ、僕!お風呂掃除してくるね!」

バタン

絢辻「橘君とお風呂……か」

絢辻「上手いことのせられちゃった気がするけど……」

絢辻「今の私は橘君の妹だから」

絢辻「恥ずかしくない!恥ずかしくない!」

絢辻「だから、鼻血止まってよ!」ダラダラ

絢辻「お風呂入る前からのぼせちゃってるじゃない!」

43: 2011/11/17(木) 01:59:26.20 ID:VgmdBEyK0
ピピピッ

橘「あ、お風呂たまったみたい」

絢辻「じゃあ入ろっか……にぃに」

橘「うん」


脱衣所

絢辻「にぃに……先に入ってて?」

絢辻「私にも……そ、その、準備があるから」

橘「う、うん」

橘「じゃあ、お先に」

45: 2011/11/17(木) 02:07:30.16 ID:VgmdBEyK0
橘(びっくりだよなぁ)ワシャワシャ

橘(自分で言い出したこととはいえ、絢辻さんとお風呂に入ることになるだなんて……)ワシャワシャ

橘(……あとで消されるかな……)シャー

橘(髪の毛は洗い終わったから、次は身体だな)

ガチャ

絢辻「は、入るわよ?」

橘「あ、詞」

絢辻「まだこっち見ないで!」

絢辻「……にぃにの背中、流すね」

47: 2011/11/17(木) 02:19:44.27 ID:VgmdBEyK0
絢辻「ち、力加減はどう?」ゴシゴシ

橘「ちょうどいいよ」

絢辻「そ、そう?よかった」ゴシゴシ

絢辻(こうして見ると……)

絢辻(普段は頼りないのに背中は広いのよね)

絢辻(それに意外と筋肉質だし……)

絢辻「……」ゴクリ

絢辻(……はっ!)

絢辻(私は妹!妹なの!)

絢辻(そんな、にぃにの裸を見て興奮したりしないの!)

絢辻(橘君は……何も感じてないのかな?)

48: 2011/11/17(木) 02:29:21.20 ID:VgmdBEyK0
橘「あ、前は自分で洗うから」

橘「ありがとう、詞」

絢辻「う、うん!」

橘(ちゃっちゃと洗いますか)

ゴシゴシ シャー

橘「僕は洗い終わったから……」

橘「次は詞の番だね」

橘「背中、流すよ」

絢辻「い、いいってば!」

橘「遠慮しないでよ、妹なんだし」

絢辻「……じゃあお願い」

50: 2011/11/17(木) 02:37:35.99 ID:VgmdBEyK0
橘「痛くない?」ゴシゴシ

絢辻「う、うん!平気!」

橘「そう?」ゴシゴシ

絢辻「……あっ、そ、そこはくすぐったいから……」

橘「ここ?」サワサワ

絢辻「~~ッ!」ビクン

絢辻「な、何でわざわざ触るのよ!?」

橘「ははっ、ごめんごめん」

絢辻「もう、にぃにの馬鹿!」

52: 2011/11/17(木) 02:54:11.71 ID:VgmdBEyK0
寝ます

134: 2011/11/17(木) 17:23:34.12 ID:VgmdBEyK0
保守してもらってたみたいで申し訳ありません
今から頑張ってる書きます

136: 2011/11/17(木) 17:29:38.46 ID:VgmdBEyK0
橘「というわけで、身体は洗い終わったんだけど……」

絢辻「……浴槽の広さを何で考えなかったの?」

絢辻「どう見ても二人じゃ入れないじゃない!」

絢辻「どんなに鈍くてもお風呂掃除してるときに気付くようなもんでしょ!?」

橘「ご、ごめん!」

橘「う、浮かれちゃってて……気付かなかった」

絢辻「もう、脱ぎ損じゃない!馬鹿!」

140: 2011/11/17(木) 17:35:34.31 ID:VgmdBEyK0
橘「でもさ、こう……二人とも体育座りしたら入れないかな?」

絢辻「かなり狭そうね」

橘「うん、お互いの身体が密着しちゃうだろうね」

橘「こう、ピターっと」

絢辻「……密着?ピターっと?」

橘「うん、身動き取れないかも」

絢辻「……」タラーッ

橘「詞!鼻血!鼻血でてる!」

絢辻「え?あ、あら?のぼせちゃったかな?」

144: 2011/11/17(木) 17:42:03.60 ID:VgmdBEyK0
絢辻「わ、私!のぼせちゃったみたいだから!」

絢辻「橘く……にぃに、一人でゆっくりお風呂に入ってよ!」

絢辻「し、失礼します!」

バタバタ…


橘「……ふぅー、危なかった!」

橘「僕の理性があと少しで吹っ飛ぶとこだったよ!」

橘「湯気やら何やらが邪魔してよく見えなかったけど」

橘「絢辻さん…綺麗な身体してたな」

橘「お肌もツルツルで張りがあったし」

橘「……いかんいかん、いかんなぁ!」

148: 2011/11/17(木) 17:55:13.62 ID:VgmdBEyK0
橘「せっかくお湯張ったし、入るか」

チャプン

橘「……そもそもどうしてこうなったんだっけ?」

橘「……僕が好きなのは美也だ!とか言ったせい?」

橘「……ボケたつもりだったのになぁ」

橘「……僕が美也をそういう風に見るわけないじゃないか!」

橘「最近やってるドラマ……キミキスだっけ?あれの主人公じゃないんだからさ」

橘「……兄妹ごっこ終わり!」

橘「なんて、今更言えないよなぁ……」

橘「お風呂に一緒に入っちゃったし」

橘「よし、取り敢えず今晩はやり通そう!」

橘「詞は僕の妹!」

150: 2011/11/17(木) 18:04:28.31 ID:VgmdBEyK0
橘「ふぅ、いいお湯だった」

橘「詞?大丈夫?鼻血は止まっ……このティッシュの山は何!?」

絢辻「……止まらないのよ、鼻血」

絢辻「……私、鼻血で失血氏するのね……」

橘「そ、そんなわけないでしょ!?落ち着いてよ!」

橘「そうだ!氷!氷で冷やそう!」

バタバタ

橘「詞!氷持って来たよ!」

絢辻「あ、ありがとう……にぃに」

橘「と、とりあえず横になって!」

151: 2011/11/17(木) 18:13:21.04 ID:VgmdBEyK0
絢辻「あっ……気持ちいい……」

橘「……冷たすぎない?」

絢辻「うん、大丈夫……」

絢辻「……ごめんね、た……にぃに」

絢辻「面倒だよね?」

橘「な、何を言ってるんだ!」

橘「兄妹なんだから、当たり前じゃないか!」

絢辻「……でも、それは設定の話で……」

橘「どっちにしろ大事な人には変わりないよ!」

絢辻「……にぃに?」

絢辻「鼻血止める気ないでしょ?」

橘「な、なんで!?」

154: 2011/11/17(木) 18:25:37.60 ID:VgmdBEyK0
橘「やっと鼻血止まったね」

絢辻「……うん」

橘「もう大分遅くなっちゃったけど、お家の人には連絡しなくて大丈夫?」

絢辻「あ、その辺は抜かりないから大丈夫よ」

絢辻「……それにさ、にぃに?今の私のお家はここだよ?」ニコッ

橘「そうだね、詞は僕の妹だもんね」

橘「……ってことは今日は泊まってくの?」

絢辻「え?そのつもりだったんだけど?」

156: 2011/11/17(木) 18:34:16.47 ID:VgmdBEyK0
橘「うーん、寝るところどうしようかな」

橘「僕はその辺で適当に寝ればいいか」

橘「よし、布団出してこないと……」

絢辻「あら?そんな必要ないでしょ?」

橘「え?」

絢辻「兄妹なんだから、一緒に寝たらいいじゃない?」ニヤリ

橘「……さ、さすがにそれは問題あるよ!」

絢辻「何でよ!?一緒にお風呂に入ったじゃない!」

絢辻「……私も高校生にもなってにぃにと一緒に寝たいなぁ?」

橘「ぐぬぬ」


161: 2011/11/17(木) 18:53:42.61 ID:VgmdBEyK0
絢辻「それとも、にぃには私のこと嫌いなの……?」ウルッ

橘「……わかったよ!」

橘「詞!一緒に寝るぞ!」

橘「部屋を片付けてくるから、少し待ってて!」

絢辻「はーい」


ガチャッ……バタン……



絢辻「……た、大変なことをしてしまったわ!」

絢辻「お風呂の件をやり返したかったから、ついつい……」

絢辻「私は生きて朝を迎えることが出来るのかしら?」

絢辻「……も、もしも求められたら……」ゴクリ

絢辻「橘君はにぃにだから橘君はにぃにだから橘君はにぃにだから……」ブツブツ

絢辻「よし、腹をくくろう」

166: 2011/11/17(木) 19:05:56.30 ID:VgmdBEyK0
橘「絢辻さんと、僕が一緒に寝る?」

橘「……美也、お兄ちゃん捕まるかもしれない」

橘「ごめんね?でも、仕方ないよね……」

橘「じゃない!」

橘「へ、変な気を起こすなよ、僕……」

橘「さっき自分に言い聞かせたじゃないか!」

橘「詞は僕の妹!」

橘「少なくとも今晩はそうなんだ!」

168: 2011/11/17(木) 19:15:30.85 ID:VgmdBEyK0
橘「詞~?部屋の掃除終わったよ?」

絢辻「あら?早かったわね?」

橘「そんなに散らかってたわけじゃないからね」

絢辻「じゃあ……」

橘「うん、寝ようか」

絢辻「へ、変なことしないでよ!?」

橘「い、妹にするわけないだろ!?ははっ、詞は馬鹿だなぁ」

絢辻「そ、そうよね!」


橘・絢辻(ドキドキが止まらない……)

171: 2011/11/17(木) 19:23:14.74 ID:VgmdBEyK0
橘「ど、どうぞ」ガチャッ

絢辻「お、お邪魔します!」

絢辻「……ここがにぃにのお部屋かぁ」

橘「う、うん」

絢辻「……」ジー

橘「ど、どうしたのさ?詞?」

橘「そんなにお布団が気になるのかい?」

絢辻「い、いや!素敵な模様のお布団だと思って!」

橘「そ、そう!?」

絢辻「そうよ!素敵!」

橘「そっかー、はははっ……」

絢辻(意識しない!意識しない!)

橘(べ、別にお布団を見ててもいいじゃないか!敏感になってるのかな、僕)

176: 2011/11/17(木) 19:37:39.13 ID:VgmdBEyK0
橘「じゃ、じゃあ……」

絢辻「お布団、入ろっか」

橘「うん」

ゴソゴソ

絢辻「狭い……わね」

橘「シングルだからね」

橘「ほら、詞?もっとこっちにこないと」

絢辻「うん……はみ出ちゃうわね」

橘(あ、絢辻さんの体温が伝わってくるぞ!)

橘(そ、それに!何かいい匂いが!)

橘(うちの石鹸、こんな匂いがだったっけ!?)

絢辻(橘くん……)ドキドキ

181: 2011/11/17(木) 19:48:10.66 ID:VgmdBEyK0
絢辻「にぃに……」キュ

橘「あやつ……詞!?何を!?」

絢辻「抱き枕」

橘「え?」

絢辻「普段抱き枕使って寝てるから、落ち着かなくて……ごめんね?」

橘「そ、そうなんだ!僕は平気だから大丈夫だよ?」

絢辻「うん、ありがとう…….にぃに」

橘(うおおおおおおお!我慢だ、我慢!)

絢辻(というのは勿論嘘なんだけど)

絢辻(これくらい、いいよね?)

195: 2011/11/17(木) 20:03:04.61 ID:VgmdBEyK0
橘「じゃあ、お休み」

絢辻「う、うん……おやすみ、にぃに……」


橘(……わかってたけど、眠れないよ!)

橘(絢辻さんは……)

絢辻「……」スヤスヤ

橘(ね、寝てる!?)

橘(やっぱり、僕の意識し過ぎ!?)


絢辻(私は寝てるの!だから余計なことを考えないの!)

絢辻(だって、これ以上何かしたら……)

絢辻(溢れちゃう!)

201: 2011/11/17(木) 20:14:06.77 ID:VgmdBEyK0
橘(もう何時間こうしてるだろう……)

橘(と、時計は?)チラッ

橘(まだ一時間も経ってない!?)

橘(朝まで持つのかな、僕……)

橘(……しかし……)

絢辻「……」スヤスヤ

橘(絢辻さんの寝顔は可愛いなぁ!)

橘(……キスしたい)

橘(が、我慢するから!キスだけで我慢するから!)

橘(寝てるはずだし……ばれないよな?)

橘(ごめんね!)

チュッ

絢辻「……ちょっと?」

204: 2011/11/17(木) 20:18:37.34 ID:VgmdBEyK0
橘「う、うわぁ!」

絢辻「……何してるの?」

橘「お、起きてたの!?」

絢辻「……馬鹿ねぇ、眠れるわけないじゃない?」

絢辻「で、何してるの?」

橘「お、お休みの……キス?」

絢辻「……は?」

橘「ほ、ほら!欧米とかだとやるだろ!」

絢辻「そういうのは布団に入る前にやるものだと思うけど……」

206: 2011/11/17(木) 20:24:38.22 ID:VgmdBEyK0
絢辻「……それにね、にぃに?」

絢辻「いえ、橘君?」

橘「な、何?」

絢辻「キスっていうのは、こういうもののことよ?」グイッ

橘「!?」

絢辻「んんっ……ふっ…」チュッ……チュパッ

橘(あ、絢辻さん!?)

絢辻「……ふぅ」

絢辻「わ、わかった!?今後間違えないように!」

橘「う、うん」

219: 2011/11/17(木) 20:33:04.97 ID:VgmdBEyK0
絢辻「わ、わかったなら、さっさと寝る!」

絢辻「もう変な気を起こさないでね!」

橘「……うん」

橘「今度こそ、お休み。詞」

絢辻「お休み」



絢辻(やってしまった……あ、溢れそう……)

絢辻(こ、こんなこともあろうかと……)ゴソゴソ

絢辻(ポケットティッシュ持ってきててよかったわ)

絢辻(……足りるかな?)

226: 2011/11/17(木) 20:41:22.33 ID:VgmdBEyK0
チュン……チュン……

橘(……うん?もう朝か)

橘(結局……よく眠れなかったな)

橘(絢辻さんは眠れたのかな?)

橘「…って、僕の枕が血塗れ!?」

橘「そして、絢辻さんがいない!?」

橘「……どういうことなんだ?」

ガチャ

絢辻「あ、起きてたの?」

絢辻「ま、枕ね……その……溢れちゃってさ」

絢辻「ご、ごめんなさい!」

228: 2011/11/17(木) 20:48:33.90 ID:VgmdBEyK0
橘「洗えばいいだけだから、気にしないで」

絢辻「うん……ありがと」

絢辻「パジャマの代わりに借りてたワイシャツも血塗れになっちゃったから」

絢辻「とりあえず、洗濯機に入れて回しといたから」

橘「わかった、あとで干しとくよ」

絢辻「綺麗にならなかったら言ってね?クリーニング代くらいだすからさ」

239: 2011/11/17(木) 21:03:03.16 ID:VgmdBEyK0
絢辻「さて、と」

絢辻「とりあえず、一晩妹をやってみて思ったわ」

絢辻「身体が持たない」

絢辻「……そりゃ橘君も美也ちゃんに惚れるわよね」

橘「いつもこんなことをしてるわけじゃないってば」

絢辻「……時々はしてるのね?」

橘「こ、言葉の綾だよ!」

絢辻「ふふっ、わかってるわ」

絢辻「ちょっと意地悪したくなっただけ」

241: 2011/11/17(木) 21:09:01.76 ID:VgmdBEyK0
橘「それに美也が好きだってのは冗談で言っただけで!」

絢辻「あら?じゃあ、本当に好きなのは誰なの?」

橘「ぼ、僕が好きなのは!」

絢辻「……」ドキドキ

ガチャッ

美也「たっだいまーッ!」

美也「あれ?ねぇね?」

美也「……ははーん?にぃにったら、みゃーがいないことをいいことに……」

美也「もう!兄妹でエOチなことしちゃダメだよって言ったじゃん!」

243: 2011/11/17(木) 21:12:40.38 ID:VgmdBEyK0
橘「し、してないよ!?」

絢辻「そ、そんな!昨日はあんなことまでしたのに!」

美也「えー!?本当にしちゃったの!?」

橘「あ、絢辻さん!?」

絢辻「ひ、酷い!橘君!私とは遊びだったのね!?」

美也「にぃに……」

橘「ご、誤解だよ!?僕は本当になにも……」

246: 2011/11/17(木) 21:24:02.98 ID:VgmdBEyK0
絢辻「……ぷっ」

絢辻「……ふふふっ」

絢辻「はははっ!いい顔見せてもらったわよ、橘君?」ニヤリ

絢辻「美也ちゃん?大丈夫よ?」

絢辻「にぃにはそんな最低な男じゃないから」

美也「なーんだ、みゃーびっくりしちゃったよ!」

絢辻「ふふっ、もしも美也ちゃんがにぃにに手を出されたら、ねぇねに教えてね?」

絢辻「そのときは容赦しないから」ニコッ

美也「あははっ!ねぇねは頼りなるね!」

橘「か、勘弁してよ!」

橘「僕は何もしないよ!」

254: 2011/11/17(木) 21:33:13.59 ID:VgmdBEyK0
絢辻「私、そろそろ帰るね」

絢辻「橘君、美也ちゃん、またね」

橘「うん、また学校で」

美也「また来てね、ねぇね!」

絢辻「うん、今度は一緒に遊ぼうね」ニコッ

美也「約束だよー!」

絢辻「お邪魔しました」

ガチャ


絢辻「……ねぇね、か」

絢辻「嫌な気分ではないわね」

258: 2011/11/17(木) 21:45:00.15 ID:VgmdBEyK0
絢辻「でさ?」

橘「うん?」

絢辻「あの時は美也ちゃんが帰って来たから聞けなかったけど」

絢辻「橘君の好きな人って、結局……」

橘「……うーん、妹かな、やっぱり」

絢辻「橘君?またそういこといって……」

橘「最近裏表のない素敵な妹が出来たからさ」

橘「詞っていうんだけどね」

絢辻「……このシスコン!」

絢辻「ま、私も似たようなものか」

絢辻「にぃに、大好き!」




おしまい

263: 2011/11/17(木) 21:48:26.09 ID:JB38bVBRi


絢辻さん可愛かったわー

274: 2011/11/17(木) 22:15:14.37 ID:VgmdBEyK0
トントントン

美也「にぃに?入るよー?」

ガチャ

美也「あれ?いない?」

美也「ま、いっか!」

美也「にぃにのベッドでゴロゴロしながら漫画でも読もーっと」

美也「……って、にぃにの枕に血!?」

美也「これは事件の臭いがするのだ!」

美也「ねぇねに相談だ!」

277: 2011/11/17(木) 22:20:45.23 ID:VgmdBEyK0
絢辻「え?橘君の枕に血?」

美也「うん!しかも尋常じゃない量の血痕だったよ!」

美也「事件の臭いがするよ!」

絢辻(やばっ……多分、私のだ!)ドキドキ

絢辻「み、美也ちゃん?」

美也「ま、まさか!にぃにの身に何かが?」

美也「の、呪いとか……」ゴクリ

絢辻「美也ちゃん!落ち着いて!」

280: 2011/11/17(木) 22:24:46.91 ID:VgmdBEyK0
絢辻「の、呪いだなんてあり得ないわ!」

絢辻「橘君は呪われる様なことしてないじゃない!」

美也「じゃ、じゃあ……病気!?」


橘「み、美也には……僕が病気なことを知られるわけには……」ゴホッ

橘「口から血が……僕も長くないのかな……」

橘「美也……ごめんよ……」


美也「みたいな!?」

287: 2011/11/17(木) 22:31:33.21 ID:VgmdBEyK0
絢辻「そんなわけないでしょ!」

絢辻「今日も元気に梅原君とサッカーしてたわよ!」

美也「で、でも!じゃあ、あの血は一体なんなの!?」

絢辻「鼻血……じゃないかと私は思うんだけど」

美也「鼻血ぃ~?」

美也「鼻血であんなことになるわけないよ!」

絢辻「わ、悪かったわね!」

美也「え?」

絢辻「あ、何でもないのよ。ふふふっ」

290: 2011/11/17(木) 22:35:31.31 ID:VgmdBEyK0
絢辻「と、とにかく!」

絢辻「もしかすると美也ちゃんには言い辛い事情があるのかもしれないし」

絢辻「私から橘君に聞いて、あとでこっそり美也ちゃんに教えるね?」

美也「うん、わかった」

美也「ねぇね、にぃにを宜しくね?」

絢辻「うん、任せて!」



絢辻「……さて、あの馬鹿をどうしてくれようか」

294: 2011/11/17(木) 22:40:10.05 ID:VgmdBEyK0
絢辻「橘くーん」ニコッ

橘「あ、絢辻さん!?」

絢辻「今、時間あるかな?」ニコニコッ

橘「う、うん」

橘(け、名状し難い寒気が……)ブルッ

絢辻「じゃあ、ちょっとお話したいことがあるんだけどな~?」

橘「何なりと……」

295: 2011/11/17(木) 22:45:59.44 ID:VgmdBEyK0
絢辻「……何で枕を洗ってないのよ!この馬鹿!」

絢辻「美也ちゃんに余計な心配させちゃってるじゃない!」

橘「枕?」

絢辻「そう、枕!」

絢辻「鼻血で血塗れにしたままってどういうことなの!?」

橘「絢辻さん?」

絢辻「な、何よ?汚したのは悪かったと思ってるけど」

橘「血塗れ枕、なんだけどさ」

橘「実は……」

橘「洗う前に気付いたらなくなってたんだ」


299: 2011/11/17(木) 22:51:17.60 ID:VgmdBEyK0
絢辻「……どういうこと?」

橘「そのままの意味だよ」

橘「枕を洗おうと思ってたら、血塗れの枕がなくなってて」

橘「かわりに新品の枕が置いてあった」

橘「しかも、血塗れになったのと同じヤツ」

絢辻「……何でそんな不気味なことを黙ってたの?」

橘「洗う手間が省けたから別にいいかな~って」

絢辻「……橘くん?」

絢辻「もうちょっと自分の身に起こってることを真剣に考えなさい!」

303: 2011/11/17(木) 22:59:44.16 ID:VgmdBEyK0
絢辻「誰かがこっそり枕を交換してるとしか思えないじゃない!」

橘「あ、でもさ」

橘「昨日、僕が寝る時には血塗れじゃなかったよ?」

絢辻「え?美也ちゃんが血塗れ枕を見つけたのは昨日の夜のことだから……」

絢辻「橘君の家に誰かが潜んでた!?」

橘「えぇ!?」

絢辻「何よ……本当に事件じゃない」

橘「ぼ、僕、どうしよう!」

絢辻「とりあえず、現場に行ってみましょう」

309: 2011/11/17(木) 23:09:05.42 ID:VgmdBEyK0
~橘自室~

橘「枕が……」

絢辻「血塗れ、ね」

橘「どういうことなんだろう……?」

橘「誰かが交換してるとして」

橘「何が目的なんだ?」

絢辻「橘君?あの日のこと……兄妹ごっこしたときのこと、誰にも話してないわよね?」

橘「も、勿論だよ!」

絢辻「それに私達の関係は、端からみたら前と変わってないように見えるはず」

橘「人前ではイチャイチャしてないからね」

絢辻「つまり……犯人は『知ってるぞ』と言いたいのかしら?」

313: 2011/11/17(木) 23:15:08.32 ID:VgmdBEyK0
絢辻「……私の考えが正しければ、犯人はまだ近くにいるはず」

橘「ち、近くに!?」

絢辻「……いいことを考えたわ」

絢辻「橘君、目を瞑ってもらえる?」

橘「う、うん」

橘(な、何をするつもりなんだろう……)

絢辻「橘くん?」

絢辻「あ、愛してるわ」キュッ

橘「え?」

チュッ…

317: 2011/11/17(木) 23:20:05.18 ID:VgmdBEyK0
絢辻「んん……はぁ……ふっ」チュパッ

橘(あ、絢辻さん!?急に何を!?)

絢辻「つ、強く抱きしめて?」

橘「うん」ギュッ

絢辻「きょ、今日はね、橘く……純一に……」

絢辻「わ、私の大事なものをあげようと思って!/////」カーッ

絢辻「は、初めてだから……」

絢辻「や、優しくしてね?」

橘「あ、絢辻さん!?」

絢辻「詞って呼んでよ……純一?」

橘「つ、詞っ!」ギュッ

絢辻「あっ……もっと強く……」



?「ダメーーっ!」

324: 2011/11/17(木) 23:27:28.06 ID:VgmdBEyK0
絢辻「はい、釣れた」

橘「え?」

?「ダメったら、ダメ!私の前でそういうことはさせないよ!」

橘「き、君は……?」

?「わ、私は……」

絢辻「名前くらい教えてくれてもいいじゃない?」

?「りさ……」

上崎「私の名前は上崎裡沙!今までずっと橘君を見てました!」

橘「上崎……?」

上崎「お、覚えてない?中学校も一緒だったんだよ!?」

橘「そんな子もいたような……ごめん、思い出せないよ」

上崎「ううん、橘君は悪くないよ!」

上崎「悪いのはその女なんだから!」

絢辻「え?私?」

326: 2011/11/17(木) 23:33:15.18 ID:VgmdBEyK0
上崎「あなたみたいな女がいるから、橘君の記憶から私が消えていっちゃうんだよ!」

絢辻「……何をいってるのあなたは?言ってることがよくわからないんだけど?」

絢辻「ねぇ?橘君?私ってそんなに悪い女かな?」

上崎「と、とにかく!橘君は私が守るの!」

上崎「悪いんだけど、二人には別れてもらうよ!」

上崎「橘君!早くその女とサヨナラしちゃってよ!」

橘「えぇ!?そんな……」

絢辻「……サヨナラしたいの?」

328: 2011/11/17(木) 23:39:14.31 ID:VgmdBEyK0
橘「サヨナラなんてしたくないよ!僕が好きなのは絢辻さんだ!」

絢辻「もうっ!面と向かっていわれると恥ずかしいんだからね?///」

橘「でも僕は絢辻さんが好きだ!」

絢辻「私も橘君が好きよ?」

上崎「うるさい、うるさ~い!」

上崎「橘君……すっかり騙されちゃってるんだね?」

上崎「私が助けてあげるから、安心してね?」

絢辻「へぇ?どうやって?」

331: 2011/11/17(木) 23:46:03.18 ID:VgmdBEyK0
上崎「橘君?この写真を見て?」スッ

橘「こ、この写真は……」

絢辻「あら?これ私じゃない」

上崎「この女は橘君の彼女面してるけど、裏ではそんなことをしてるんだよ?」

橘「援助交際……?」

絢辻「私ってそんなことしてたんだ?知らなかったわ」

上崎「橘君とキスしたその唇は、お金の為に見ず知らずのおじさんとキスした唇なんだよ!?許せないよね!?」

橘「そ、そんな……ショックだ……」

絢辻「……」

橘「こんな粗末な写真で僕が騙されると思われてただなんて……」

上崎「!?」

336: 2011/11/17(木) 23:54:16.46 ID:VgmdBEyK0
橘「裡沙ちゃん?」

橘「この写真は、僕と絢辻さんが一緒に帰ってるところを隠し撮りでもしたんだよね?」

上崎「……」

橘「この絢辻さんの鞄についてる人形、僕がゲーセンで取ってあげたヤツなんだ」

橘「恥ずかしいし、キャラじゃないからって、次の日からつけてもらえなかったけど」

橘「それに、このおじさん……」

橘「僕の秘蔵のお宝本『実録!女子◯生のイケない課外活動』シリーズに出てくる名物おじさんじゃないか!」

上崎「!?」

絢辻「へぇ、そっちは気付かなかったわ」

橘「僕の目は誤魔化されないぞ!」キリッ

上崎「……ばれちゃったか!さすが橘君だね!」

342: 2011/11/18(金) 00:04:40.37 ID:In2WcDAm0
絢辻「ばれちゃった、じゃないわよ?」

絢辻「あなた……どうするつもり?」

上崎「ほ、他にも橘君を助ける方法はあるよ!」

絢辻「へぇ?どんな?」

上崎「が、学校で二人のことをばらしてやるんだから!」

上崎「不順異性交遊ってヤツだね!」

上崎「さすがに写真を提出されたら学校側も黙ってられないはずだよ!」

上崎「それに二人の写真を掲示板に貼り付けてやるんだから!」

絢辻「そう……」

絢辻「じゃあ、橘君?さっきの続きしよっか?」

橘「え?」

絢辻「どうせバレるんなら、ってヤツね」

絢辻「上崎さんだっけ?」

絢辻「あなたはそこで指でも咥えて見てれば?」

347: 2011/11/18(金) 00:11:04.09 ID:In2WcDAm0
上崎「ひ、開きなおるの!?」

絢辻「開き直らせたのは、あなたじゃない?」

絢辻「……ね?橘君?優しくしてね?」

橘「……うん」

上崎「ダメだよ、ダメ!」

上崎「そんなのズルいよ!」

絢辻「あーあ、私も橘君も誰かさんのせいで退学かもね?」

上崎「!?」

絢辻「つらいわー、ここまで積み重ねてきたもののがあるからなー」

上崎「私は……私は……」

上崎「ひどいよ!」ウルウルッ

上崎「うわーん」

354: 2011/11/18(金) 00:19:29.72 ID:In2WcDAm0
上崎「私だってぇ!私だってぇ!」

上崎「橘君のことは……好きだし!」

上崎「美也ちゃんにねぇねって呼ばれたいよぉぉ!」

上崎「ズルいよぉ!私の欲しいものを全部持ってっちゃうなんて!」

上崎「ううっ……」

橘「……裡沙ちゃん?」

橘「ありがとう」

上崎「……えっ?」

橘「やり方は……その、よくないけど、僕のことを思ってやってくれてたんだろ?」

橘「その……裡沙ちゃんの気持ちには応えられないけど……」

橘「友達にはなれると思うんだ」

橘「それに」

橘「美也とだって、仲良くなれると思うよ?」

橘「だから、ね?泣かないで?」

357: 2011/11/18(金) 00:24:08.77 ID:In2WcDAm0
絢辻「橘君」

橘「え?」

絢辻「あなたは思ってたよりも、残酷な人なのね」

絢辻「それが私に向かないことを祈ってるわ」

絢辻「相手のことを思うならね、こういう時は変に優しくしない方がいいのよ」

絢辻「……上崎さん?」

上崎「……はい」

絢辻「今回のことは不問にしてあげる」

絢辻「もし変なことをやろうもんなら……」

絢辻「私の人生をかけて、あなたを潰すわよ?」

絢辻「わかった?」

絢辻「……だから、今日はもう帰りなさいな」

上崎「はい……」

上崎「すみませんでした……」

361: 2011/11/18(金) 00:32:51.82 ID:In2WcDAm0
絢辻「これにて解決、ね」

橘「うん……」

絢辻「何よ?浮かない顔しちゃって?」

橘「僕がもうちょっと早くあの子に気付いていたら、こんなことにはならなかったのかなって」

絢辻「……そんなことを気にしても仕方ないわ」

絢辻「……今日は私も帰るから」

絢辻「今は一人になりたいでしょ?」

絢辻「明日は元気に学校に来てね?約束よ?」

絢辻「じゃあ……またね」

364: 2011/11/18(金) 00:44:33.89 ID:In2WcDAm0
橘「おはよう!絢辻さん!」

絢辻「あら?元気ね。いいことだわ」ニコッ

橘「うん、一晩押入れに引き篭もってスッキリしたから」

絢辻「お、押入れ!?」

橘「あれ、いってなかったっけ?僕は何かあると押入れに篭る男なんだぜ?」キリッ

橘「それに約束だしね、絢辻さんとの」

橘「破ったら……残りの人生をかけて潰されるかもだし……」ブルブル

絢辻「ちょっと!流石にそれは酷いんじゃない!?」

橘「うわ!怒った!」

絢辻「な、何よ!」

ワーワーキャーキャー

上崎「私……決めたよ」

上崎「とりあえず友達から、だよね!」

上崎「こ、声かけてみなきゃ!」

おしまい

370: 2011/11/18(金) 00:47:32.90 ID:jeECtq5O0

387: 2011/11/18(金) 01:15:58.96 ID:In2WcDAm0
七咲「先輩?」

橘「七咲か?どうした?」

七咲「美也ちゃんから聞いたんですけど……」

七咲「なんか、橘先輩が血塗れで大変だとかって」

七咲「大丈夫なんですか!?呪い説やら病気説やら色々噂を聞くんですが……」

橘(美也に報告するの忘れてた!何だか話が大きくなってないか!?)

橘「あー、七咲?その件については……」

七咲「先輩にもしものことがあったら……私は……」

391: 2011/11/18(金) 01:22:02.59 ID:In2WcDAm0
橘「だからね、七咲?そのことは」

七咲「先輩に呪いはないと思うんですが……」

七咲「……病気?病気なんですか?」

七咲「それも血塗れになるなんて……何でそんなに酷くなる前に私に教えてくれなかったんですか!?」

七咲「私……覚悟は出来てますから!本当のことを教えて下さい!」

橘「……だからね、七咲?僕は病気じゃないよ?」

橘「ただ鼻血が止まらないだけで……」

橘(僕がじゃないけど)

394: 2011/11/18(金) 01:25:12.84 ID:In2WcDAm0
七咲「鼻血が……?」

橘「うん、興奮すると止まらないんだ」

橘(絢辻さんがだけど)

七咲「な、なんですか!?その漫画みたいな体質!?」

橘「そ、そうはいわれても……実際にそうなんだから仕方ないじゃないか」

七咲「そんなの始めて聞きましたよ!」

七咲「……それは立派な病気なのでは?」

橘「う~ん、確かに病気かも」


絢辻「へっきし!」

絢辻「なんだか……私の知らないところで馬鹿にされてる気がする……」

395: 2011/11/18(金) 01:30:22.91 ID:In2WcDAm0
七咲「……治しましょう」

橘「え?」

七咲「多分なんですが」

七咲「先輩の症状は心理的なものが原因だと思うんです!」

七咲「だから興奮しても鼻血がでないように訓練すれば、そのうち回復すると思うんです!」

橘「成る程。一理あるね」

橘「でも、どうやって訓練するの?」

七咲「私が……」

七咲「私が一肌脱ぎます!」

橘「えぇ!?」


397: 2011/11/18(金) 01:34:31.73 ID:In2WcDAm0
橘「ひ、一肌脱ぐだって!?」

七咲「私……以前から常々先輩のお役に立ちたいと思ってました」

七咲「今、こんな機会に恵まれるなんて!私は幸せです!」

橘「い、いや……だから、七咲?」

七咲「任せて下さい!必ず!先輩の奇病は治してみせますから!」

橘「……どうするの?」

七咲「とりあえず、放課後プールに来て下さい」

399: 2011/11/18(金) 01:41:43.36 ID:In2WcDAm0
放課後・プール

橘「七咲に言われたから来たけど……」

塚原「ああ、来た来た」

橘「塚原先輩!」

塚原「七咲から話は聞いてるよ……ふふっ、かなりの面白体質らしいね」

塚原「私も橘君の病気治すのには協力したいし……」

塚原「それにね、実は」

森島「あ、橘くーん!」

橘「森島先輩!?」

森島「何か面白い病気なんだってね?何でそんなこと今まで黙ってたのよ!このっこのっ!」ニヤニヤ

橘(だって、面白体質なのは僕じゃないし)

塚原「……ってわけで、はるかも協力してくれるってさ」

塚原「橘君?」

塚原「水泳部はあなたの味方だから」

塚原「今日はゆっくり見学していってね?」

403: 2011/11/18(金) 01:51:22.43 ID:In2WcDAm0
橘「今僕はー」

橘「校内の男子生徒が夢見る楽園に来ていまーす」

橘「ここの眺めは絶景でーす」

橘「それに……」

森島「こ、こんなポーズはどうかな?///」

橘「僕を少しでもハァハァさせるべく、あの森島先輩が僕の横でグラビアポーズをとってまーす」

橘「あ、いいですね!そのポーズ!」

森島「橘君はこういうのにグッとくるんのね!参考になるわ!」

橘「本当のことを言ったら殺される気がしてきたよ……」

橘「鼻血なんか出ないって……今更言えないよ!」

森島「こんなのはどうかな?///」

橘「最高じゃないか……」

405: 2011/11/18(金) 01:58:51.46 ID:In2WcDAm0
塚原「どう?ハァハァしてる?」

橘「塚原先輩!」

塚原「橘君は幸せものよね」

塚原「こんなこと、普通に考えたらあり得ないわ」

森島「あ!ひびきちゃんもポーズとってみようよー!」

塚原「え?……ええ」

塚原「こ、こんなの……どうかな?///」

橘「こ、これは……!」

森島「わお!ひびきちゃん、だいたーん!」

橘「た、大変いいものを見せてもらいました……」

塚原「もう……恥ずかしい……///」

408: 2011/11/18(金) 02:11:41.82 ID:In2WcDAm0
塚原「……橘君?」

橘「は、はい!」

塚原「今、かなり我慢してるのよね?」

橘「え、えぇ……まぁ」

塚原「はるか、例のヤツ」

森島「りょうかーい!」

森島「にゃんにゃーん!ごろにゃーん!!」ギュッ

橘「ちょっ!?森島先輩!?」

森島「どうだ~?参ったか~?」グイッグイッ

橘(も、森島先輩の何だか柔らかいものが……僕に触れてて……)

橘(そ、それに水着だから直に肌が触れてて……)

橘(ぼ、僕は……もう……)

ブーッ……バタッ

塚原「……は、鼻血が凄い勢いで!」

森島「あちゃ~、やりすぎちゃったかな?」

414: 2011/11/18(金) 02:24:44.96 ID:In2WcDAm0
橘「……は!?」

橘「……ここは……保健室?」

橘「僕……確かプールサイドで気を失って……」

七咲「……先輩?気が付いたんですか?」

橘「……七咲?」

七咲「……せ、先輩……生きててよかった!」

七咲「先輩……私は……せ、先輩!」ダキッ

七咲「もしも先輩が目を覚まさなかったら、どうしようって……私、私!」グスン

七咲「よかった!目を……覚ましてくれて!」ギュッ

橘「七咲……」

橘(ん?何か視線を感じるぞ?)

絢辻「……」ジーッ

橘「!?」

417: 2011/11/18(金) 02:29:16.64 ID:In2WcDAm0
橘(ど、ドアの隙間から絢辻さんが覗いてる!?)

絢辻「……」ジーッ

絢辻「……」ニコッ

橘「!?」ゾクゾクッ

スタスタスタ……

橘「あ、待って!」

七咲「せ、先輩!急に動いちゃダメです!」ギュッ

橘「七咲!?」

七咲「もうちょっと……このままでいて下さい」ギュ~

橘「……後で謝ろう」


421: 2011/11/18(金) 02:34:42.56 ID:In2WcDAm0
橘「あ、絢辻さん!」

絢辻「あらぁ?何かしら?橘先輩?」

橘「その……すみませんでした」

絢辻「嫌ねぇ?別に怒ってなんていないわよ?」ニコッ

橘「すみませんでした!」

絢辻「……鼻血吹いて倒れたんですって?」

橘「……うん」

絢辻「無様ね」

橘「……返す言葉もございません」

424: 2011/11/18(金) 02:41:17.93 ID:In2WcDAm0
絢辻「私も鼻血吹いて倒れるような体験してみたいな~?」

橘「……はい」

絢辻「……皮肉でいってるんじゃないわよ?」

絢辻「別に浮気ってわけでもあるまいし」

絢辻「今回の件は……私から」

絢辻「そうね、失血氏させる勢いで鼻血を溢れさせたら不問にするわ」

絢辻「ま、せいぜい頑張ってくださいな」

橘「よ、よし!僕頑張っちゃうぞ!」


……こうして沢山の血が流されることとなった


おしまい

425: 2011/11/18(金) 02:43:14.36 ID:dt1g/YFli


絢辻さんかわいいなぁ

427: 2011/11/18(金) 02:50:17.80 ID:In2WcDAm0
寝ます

429: 2011/11/18(金) 02:58:06.56 ID:uxUGie5g0
乙~
やっぱり絢辻さんは可愛いなあ



引用元: 橘「絢辻さんとはサヨナラしてきたッ!」