社会人の設定です

穂乃果「あー！海未ちゃん人のせいにしたー！」

海未「私は朝から忙しいんです！目覚まし時計の設定くらいしてください！」

海未「毎朝毎朝、私が起こしてお弁当も用意しているんですよ！」

海未「感謝はされど、文句を言われるのは心外です！」

穂乃果「誰もお弁当作ってってお願いしてないですよーだ！」

海未「ああああ！そうですか！では明日から自分で起きて自分でお弁当用意してくださいね！」

穂乃果「わかったよ！そうするもん！海未ちゃんのバカ！」

海未「ちょっと、どこにいくんですか！」

穂乃果「海未ちゃんには関係ないでしょ！」

海未「……っ！そうですか！なら好きにしてくださいっ！」

ﾊﾞﾀﾝ

海未「穂乃果のバカ…！」



30分後

海未「………」ｿﾜｿﾜ

海未「穂乃果…帰ってきませんね」

海未「もうすぐドラマ、始まってしまいますのに」

海未「今週は見逃せないってあれだけほど言ってたのに……」

ﾋﾟｯﾋﾟｯ

海未「録画予約完了…と」

海未「一応です！………一応」

海未「………」ｿﾜｿﾜ

海未「一緒に観ようって約束したじゃないですか」

『先生！急患です！』

海未「………」ﾎﾞｰ

海未(早く帰ってきてください……そうしないと終わってしまいますよ？)

海未(穂乃果………穂乃果…！)

『さぁ、本日の野球速報です。最初は巨人対阪神――――』

海未「…………あ」

海未「気づいたら終わっていました…」

穂乃果「穂乃果……どこへ行ったのですか？」

穂乃果「……もしかすると家の前で不貞腐れて…」

ｶﾞﾁｬ

海未「穂乃果……？いますか…？」

海未「いません………」

海未「…………」

──── ☆────

ｶﾎﾟｰﾝ

海未「………」

海未「あんなに穂乃果と一緒に狭い狭いと騒いでいた浴槽が広く感じるなんて」

海未「………静か、ですね」

海未「…………寂しいです。穂乃果」

ｶﾞﾗｯ

海未「穂乃果……帰っていますか？」

海未「怒りすぎたことは謝罪しますから、出てきてください」

ｶﾁｯ

海未「まだ帰ってきていません」

海未「もしかして……なにか事故に巻き込まれて…？」

海未「い、いえ……いくら間が抜けてるとはいえ穂乃果です。そんなことは……」

海未「きっとことりか凛あたりのところに行っているに違いありません」

ﾋﾟｯﾋﾟｯ

海未「……あ、ことりですか？」

海未「その、穂乃果はそちらに………きていないですか」

海未「いえ、なんでもありません。夜分遅くにすみません」ﾋﾟｯ

海未「まさか……いえ、そんなはずは」

ﾋﾟｯﾋﾟｯ

海未「凛、そちらに穂乃果は――――」

海未「真姫、穂乃果は来ていますか――――」

海未「にこ！穂乃果はいますか！？」

希『え？穂乃果ちゃん？うちで飲んでるよ？』

海未「え……は……希のところにいたんですか…はぁ…」

希『けっこう荒れてるけど、喧嘩でもしたん？』

海未「ええ、まぁ……」

希『じゃあ、はやく迎えにきてほしいなー。他のお客さんに迷惑やし』

希『それにほら』

穂乃果『ぅ絵里ちゃん！もう一杯ちょうだい！』

絵里『ほ、ほのか？そろそろその辺にしないと明日に響くわよ？』

穂乃果『いやー！海未ちゃんが迎えに来てくれるまで飲むもん！』

希『聞こえた？海未ちゃん来るの待ってるみたい』

海未「すみません……」

希『そんなわけで早く来てなー？ほなー』

海未「まったく……絵里たちのところで飲んでるなんて」

海未「迎えに行ったら説教です」

海未「まったく……本当もう………」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「よかったです…無事で…」

──── ☆────

ｶﾞﾗｯ

絵里「あ、ごめんなさい。今日はもう店仕舞いで……って海未じゃない」

海未「す、すみませっ…はぁ……はぁ…穂乃果は……」

絵里「大丈夫？すごい汗よ。待ってタオル持ってくるわ」

海未「それよりも穂乃果を…」

絵里「ふふ、こっちよ」

希「あ、海未ちゃん。いらっしゃい」

穂乃果「すぅ……すぅ……」

海未「穂乃果……よかった…心配したんですよ…」

海未「まったく……本当に……」ｷﾞｭ

穂乃果「ふへぇ……ふふっ…」

希「だいぶ荒れてたんだけど、ついさっきコロって眠ってしまったんよ」

海未「本当にすみません」

希「ずっとエリちがつかまってたんだけど、翻弄されてるエリち見てて楽しかったなぁ」

絵里「もう、他人事だと思って……はい、海未。これで汗ふいて」

海未「ありがとうございます」

希「さて、海未ちゃんお腹空いてない？お店の余りものでよかったら用意するけど」

海未「そんな…いつも悪いです」

絵里「って言っても……このままじゃ処分しないといけないし」

絵里「たまには私たちの我儘聞きなさいよ」

希「はい、海未ちゃん。とりあえずのお酒」

絵里「こーら、希。最初から飛ばさないの」

絵里「海未は明日も仕事でしょ？希に付き合わなくてもいいわよ」

海未「…いえ、いただきます」

希「おっ、今日はふたりとも積極的やなぁ。これは面白くなりそう」

絵里「ああもう…希ってばぁ。面倒見るのは私なのよぉ…？」

海未「……ということがありましてですね。…ひっく」

希「くすっ。やっぱり」

絵里「穂乃果は何言ってるのかわからなかったけど、やっぱり痴話喧嘩だったのね」

海未「そもそもですね…穂乃果がもう少しまともで……」

希「おや？海未ちゃんグラス空いてるよ？」ﾄｸﾄｸ

海未「………ありがとうございます」ｸﾞｲ

絵里「こらこらこら、やめなさいって」

海未「……うぇりとぉ……のじょみには…いつも感謝……してるんです」

希「くすっ、どういたしまして。また会社の子たくさんつれてお店にきてな？」

海未「もちろんっ……！来るに決まってるじゃ……」ｸﾞﾃﾞｰ

海未「すぴー……」

希「おやすみー」

絵里「もー。穂乃果も海未もあんまり強くないのに、希ったら飲ませるんだから」

希「可愛い後輩のストレス発散もウチらの役目やん？」

絵里「都合のいいこと言わないの。はやく奥の部屋に連れていくわよ」

──── ☆────

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

海未「………ん…」

海未「あれ……ここは…うっ、頭が……」

穂乃果「ん……ふぁー……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

海未「穂乃果…！？」

穂乃果「あれ……ここ希ちゃんのお店……海未ちゃんおはよ…」

海未「穂乃果……ごめんなさい。昨晩はその…言いすぎました」

穂乃果「…………した？」

海未「え？」

穂乃果「9時のドラマ……録画してくれた？」

海未「え……はい」

穂乃果「ふふ、よかったぁ…。一緒に観ようねって約束したもんね」

海未「くすっ………そうですね」

ｶﾞﾗｯ

希「おふたりさんおはよー」

穂乃果「希ちゃん…おはよう」

海未「希……」

希「仲良くおしゃべりしてるとこ悪いけど、急がんでいいん？」

穂乃果「ほぇ？」

希「じ・か・ん」

海未「………」ﾁﾗｯ

ほのうみ「ああああああああああっ！？」

絵里「うーん……いい天気ねぇ」

絵里「今日もたくさんのお客様が来てくれるといいわ」

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

穂乃果「絵里ちゃんどいてどいてー！」

絵里「え？きゃあっ」

海未「絵里、ごめんなさいっ！」

穂乃果「海未ちゃん急いで！電車に乗り遅れちゃうよー！」

希「あ、ふたりともー。お弁当作っておいたから持っていきー」

海未「ありがとうございます希！」

希「きぃつけてなー」

海未「はい、行ってきます！」



ﾎﾉｶ!ｵﾍﾞﾝﾄｳﾓﾗｲﾏｼﾀﾖ!

ﾎﾝﾄｳ!?ﾉｿﾞﾐﾁｬﾝｱﾘｶﾞﾄｰ!

絵里「もう、朝から大変ね」

希「くす、そうやね」

絵里「でもここでこうしていてよかったって思ってるわ」

希「小さいながらもエリちと小料理屋やって」

絵里「週末には花陽や海未たちが会社の子を連れてきて」

絵里「ホント、最初はどうなるかって思ったのにね」

希「ウチの占い当たったやん？」

絵里「そうね」

希「さぁーて、今日はどんなお客さんが来てくれるかなー」

──── ☆────

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

海未「はぁ……やはりこの時間は混みますね」

海未「帰りの時間を少し変えるべきでしょうか……」

海未「いえ、それでは穂乃果との時間がなくなってしまいます」

海未「穂乃果との時間を考えれば、満員電車もなんのその。です」

穂乃果「あれ？海未ちゃん？」

海未「穂乃果ではないですか。奇遇ですね」

穂乃果「そうだね。同じ電車に乗ってるなんて。一緒に帰ろっか？」

海未「はい。今夜は何が食べたいですか？」

穂乃果「うーん………海未ちゃん！」

海未「はいはい。いくら私でも何回も言われると流石に慣れてきます」

穂乃果「残念。そうだなぁ……あ、シチュー食べたいかな」

海未「シチューですね。ではお米ではなくパンにしましょうか」

穂乃果「──── その時に思いっきりお盆をひっくり返しちゃって」ﾃｸﾃｸ

海未「くすっ。もう穂乃果ってば、そそっかしいんですから」ﾃｸﾃｸ

穂乃果「もー、他人事だと思ってぇ」

海未「他人事ですから」

穂乃果「もぅ………あれ、いい匂いだぁ」

海未「そうですね。どこかの家庭はカレーのようですね」

穂乃果「………カレーも捨てがたい」

海未「こら、穂乃果」

穂乃果「えー、いいじゃんカレー」

海未「そうコロコロ考えが変わっていては困ります」

穂乃果「でも入れるルー変えるだけだよ？」

海未「それはそうですが…」

穂乃果「よし、今日はカレーだぁ！」

ことり「あれ？穂乃果ちゃんと海未ちゃんだ」

海未「あら、お久しぶりです。ことり」

穂乃果「ことりちゃん久しぶりだねー」

ことり「3か月ぶりくらいかな？」

海未「確かそうですね。今から帰りですか？」

ことり「うん。そうだけど、今日は希ちゃんのお店に行こうかなって」

穂乃果「希ちゃんのお店………絵里ちゃんの作った筑前煮食べたい」

海未「穂乃果、さっき言ったこと覚えてますか？」

穂乃果「お、覚えてるよぉ……でもことりちゃんともお話ししたいし…」

海未「ことりとお話ししたいのはわかります。ですが、話をコロコロ変えていては私がですね──── 」

ことり「ふふっ、ふたりはいつも変わらないね」

穂乃果「それっていつも穂乃果が怒られてるのっ！？」

海未「待ってください！それだと私が普段から怒ってばっかりみたいじゃないですか！」

ことり「ふふ、そうだねー」

海未「ちょっと、ことり。訂正してください！」

ことり「うーん……そうだねー。ことりと飲み比べして勝ったら訂正してもいいかな？」

穂乃果「ということは…？」

ことり「今から希ちゃんのお店♪」

海未「はぁ…結局こうなるのですね……」

穂乃果「くすっ、楽しみ楽しみー」



ｶﾞﾗｯ

のぞえり「いらっしゃいませー」


おしまい

読んでくれた方いましたらありがとうございました。
次回のぞえり予定

乙！
やっぱ同棲SSはいいなぁ～

乙