1: 2015/11/23(月) 00:21:49.64 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストI】
ある夜、ベッドでササニシキの夢をみる私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
あっ、ごめんなさい、間違えました。
花陽 「いえいえ、どうも」
かよちんクエストI ―完―
ある夜、ベッドでササニシキの夢をみる私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
あっ、ごめんなさい、間違えました。
花陽 「いえいえ、どうも」
かよちんクエストI ―完―
3: 2015/11/23(月) 00:23:02.09 ID:K1B7c7zM0.net
【幕間その一】
謎の声「神さま」
神さま「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
謎の声「すみません、見つかりませんでした。
ちょっと電波がこんがらがってるみたいで」
神さま「ええよええよ。
ほな、しかたないね」
謎の声「どうしましょう」
神さま「ほかの子を主役にしても、ちゃんと物語は進むから、大丈夫だよ」
謎の声「神さま」
神さま「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
謎の声「すみません、見つかりませんでした。
ちょっと電波がこんがらがってるみたいで」
神さま「ええよええよ。
ほな、しかたないね」
謎の声「どうしましょう」
神さま「ほかの子を主役にしても、ちゃんと物語は進むから、大丈夫だよ」
4: 2015/11/23(月) 00:23:27.12 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声「そうなんですか。
何か特別な才能とか、必要ないんですか」
神さま「なーんも必要あらへん」
謎の声「じゃあ、物語の主役になるには、何が必要なんですか」
神さま「その子がたいせつに育ててきた、心がひとつ、あれば十分だよ」
何か特別な才能とか、必要ないんですか」
神さま「なーんも必要あらへん」
謎の声「じゃあ、物語の主役になるには、何が必要なんですか」
神さま「その子がたいせつに育ててきた、心がひとつ、あれば十分だよ」
5: 2015/11/23(月) 00:24:50.08 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声「さすが神さま、何でもご存知なのですね」
神さま「神さまは神さまでも、エセ関西弁の神さまやけどね」
謎の声「さすが八百万の神がいるくらいですから、エセ関西弁の神さまもいらっしゃるのですね」
神さま「スピリチュアルやね」
神さま「神さまは神さまでも、エセ関西弁の神さまやけどね」
謎の声「さすが八百万の神がいるくらいですから、エセ関西弁の神さまもいらっしゃるのですね」
神さま「スピリチュアルやね」
6: 2015/11/23(月) 00:26:06.38 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストII ――悪霊の神々――】
次の日、ベッドであきたこまちの夢をみる私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
すみません、一度ならず二度までも。
花陽 「いえいえ、お気になさらず」
かよちんクエストII ―完―
次の日、ベッドであきたこまちの夢をみる私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
すみません、一度ならず二度までも。
花陽 「いえいえ、お気になさらず」
かよちんクエストII ―完―
7: 2015/11/23(月) 00:30:47.20 ID:K1B7c7zM0.net
【幕間その二】
謎の声「神さま」
神さま「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
謎の声「すみません、また見つかりませんでした。
やっぱり電波がこんがらがってるみたいで」
神さま「ええよええよ。
ほな、しかたないね。
……ただ、あのタイトルだと、ウチらが悪霊の神々みたいやんな」
謎の声「まあ、あの子にはそう思われても仕方ないですよね。
二日連続で不審なテレパシーを送ってしまったわけですから」
神さま「スピリチュアルやね」
謎の声「ていうか、オカルトですよ。
どうしましょう」
謎の声「神さま」
神さま「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
謎の声「すみません、また見つかりませんでした。
やっぱり電波がこんがらがってるみたいで」
神さま「ええよええよ。
ほな、しかたないね。
……ただ、あのタイトルだと、ウチらが悪霊の神々みたいやんな」
謎の声「まあ、あの子にはそう思われても仕方ないですよね。
二日連続で不審なテレパシーを送ってしまったわけですから」
神さま「スピリチュアルやね」
謎の声「ていうか、オカルトですよ。
どうしましょう」
8: 2015/11/23(月) 00:31:57.98 ID:K1B7c7zM0.net
神さま「明日も見つからなかったら、最初の予定とは別の子を主役にしよか」
謎の声「そんな適当で、いいんですか?」
神さま「ええんよ。
誰が主役かっていうのは、たんなる視点の違いやからね。
見方を変えれば、誰もがその人の物語の主役なのだよ」
謎の声「そんな適当で、いいんですか?」
神さま「ええんよ。
誰が主役かっていうのは、たんなる視点の違いやからね。
見方を変えれば、誰もがその人の物語の主役なのだよ」
9: 2015/11/23(月) 00:32:57.28 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声「なるほど、そういうものですか。
でも、ほんとに特別な才能とか、必要ないんですか」
神さま「なーんも必要あらへん」
謎の声「その子がたいせつに育てた心がひとつ、あればいいんですか」
神さま「せやねん。
それに、今までの話を聞いてると……
その子のもってる心は、すてきな心だと思うな」
でも、ほんとに特別な才能とか、必要ないんですか」
神さま「なーんも必要あらへん」
謎の声「その子がたいせつに育てた心がひとつ、あればいいんですか」
神さま「せやねん。
それに、今までの話を聞いてると……
その子のもってる心は、すてきな心だと思うな」
10: 2015/11/23(月) 00:33:26.33 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声「でもちょっと心配なんです。
その子、ちょっと優柔不断な感じがするんです。
これからの冒険を、耐えきれるでしょうか」
神さま「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
謎の声「どうして?」
神さま「ウチよりえらい神さまも、こう言っとるからね。
『努力するかぎり迷う者、それが人間だ』ってね」
その子、ちょっと優柔不断な感じがするんです。
これからの冒険を、耐えきれるでしょうか」
神さま「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
謎の声「どうして?」
神さま「ウチよりえらい神さまも、こう言っとるからね。
『努力するかぎり迷う者、それが人間だ』ってね」
11: 2015/11/23(月) 00:36:08.83 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声「そのこころは?」
神さま「レベル上げは、ときに辛いこともある、ということやね」
謎の声「経験値を稼ぐだけじゃないんですか」
神さま「ヴァーチャルな世界では、そうやけどね。
アクチュアルな世界では、経験を積むことが、ときに痛みを伴うこともあるの」
神さま「レベル上げは、ときに辛いこともある、ということやね」
謎の声「経験値を稼ぐだけじゃないんですか」
神さま「ヴァーチャルな世界では、そうやけどね。
アクチュアルな世界では、経験を積むことが、ときに痛みを伴うこともあるの」
12: 2015/11/23(月) 00:36:55.44 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストIII ――プロローグ――】
そのまた次の日、ベッドで魚沼産コシヒカリ有機JAS栽培プレミアム米「はなよ」の夢を見る私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
あちゃー。
二度あることは三度ある、とは、よく言ったものですね。
花陽 「残念ながら」
そのまた次の日、ベッドで魚沼産コシヒカリ有機JAS栽培プレミアム米「はなよ」の夢を見る私のもとに、謎の脳トロボイスが聞こえてきた。
謎の声:
ハノケチュン……聞こえますか、ハノケチュン。
花陽 「私はハノケチュンではありませんが」
謎の声:
あちゃー。
二度あることは三度ある、とは、よく言ったものですね。
花陽 「残念ながら」
13: 2015/11/23(月) 00:38:07.69 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
……オーケー、ノープロブレムです。
おめでとうございます、それではあなたが主役です。
花陽 「シュヤクニナッチャッタノォ?」
謎の声:
名前を五文字以内で入力してください。
花陽 「え、入力?
入力って何ですか」
謎の声:
音声入力です。
Siriみたいなもんです。
花陽 「えーと、それじゃあ……『はなよ』でお願いします」
謎の声:
……えーと、残念ながらその名前、もう商標登録されちゃってますね、JA新潟魚沼に。
花陽 「え、商標登録?
商標登録って何ですか」
謎の声:
大人の事情です。
ニックネームとか、ないですか。
花陽 「私のお友だちの凛ちゃんは、私のこと、『かよちん』って呼んでくれます」
謎の声:
オーケー、それでいきましょう。
では最初からやり直しますね。
花陽 「はい」
……オーケー、ノープロブレムです。
おめでとうございます、それではあなたが主役です。
花陽 「シュヤクニナッチャッタノォ?」
謎の声:
名前を五文字以内で入力してください。
花陽 「え、入力?
入力って何ですか」
謎の声:
音声入力です。
Siriみたいなもんです。
花陽 「えーと、それじゃあ……『はなよ』でお願いします」
謎の声:
……えーと、残念ながらその名前、もう商標登録されちゃってますね、JA新潟魚沼に。
花陽 「え、商標登録?
商標登録って何ですか」
謎の声:
大人の事情です。
ニックネームとか、ないですか。
花陽 「私のお友だちの凛ちゃんは、私のこと、『かよちん』って呼んでくれます」
謎の声:
オーケー、それでいきましょう。
では最初からやり直しますね。
花陽 「はい」
14: 2015/11/23(月) 00:38:40.70 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストIII ――オープニング――】
謎の声:
かよちん、かよちん。
Are you Kayo-chin?
花陽 「Yes, I am Kayo-chin」
謎の声:
Oh, really?
では、あなたは選ばれし勇者です。
花陽 「だいぶん恣意的に選ばれた気がしますが」
謎の声:
かよちん、かよちん。
Are you Kayo-chin?
花陽 「Yes, I am Kayo-chin」
謎の声:
Oh, really?
では、あなたは選ばれし勇者です。
花陽 「だいぶん恣意的に選ばれた気がしますが」
15: 2015/11/23(月) 00:40:18.69 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
大丈夫です。あなたなら、きっとできます。
花陽 「何をすればよいのですか?」
謎の声:
あなたが入学した高校、ありますね。
花陽 「はい。音ノ木坂学院。
えへへ、このまえ入学式が終わって、いよいよ明日から授業なんですよ」
謎の声:
あそこ、もうすぐ廃校になりますから。
花陽 「ガビーン」
謎の声:
ガビーンて(笑)
大丈夫です。あなたなら、きっとできます。
花陽 「何をすればよいのですか?」
謎の声:
あなたが入学した高校、ありますね。
花陽 「はい。音ノ木坂学院。
えへへ、このまえ入学式が終わって、いよいよ明日から授業なんですよ」
謎の声:
あそこ、もうすぐ廃校になりますから。
花陽 「ガビーン」
謎の声:
ガビーンて(笑)
18: 2015/11/23(月) 00:42:42.86 ID:K1B7c7zM0.net
花陽 「笑ってる場合ではありません、大変なことじゃないですか」
謎の声:
落ちついてください、大丈夫なんです。
かよちんが、音ノ木坂学院を廃校の危機から救ってくれるのです。
花陽 「どうすればよいのですか?」
謎の声:
スクールアイドルを結成すればよいのです。
ほんでもって、ラブライブという大会に出場してごらんなさい。
アレヨアレヨという間に有名になって、ランランランナウェイですよ。
そしたらいつのまにか、廃校しなくてもよくなってますから。
花陽 「ほんとに、そんなにトントン拍子に、コトがはこぶでしょうか」
謎の声:
すべては、かよちん次第です。
謎の声:
落ちついてください、大丈夫なんです。
かよちんが、音ノ木坂学院を廃校の危機から救ってくれるのです。
花陽 「どうすればよいのですか?」
謎の声:
スクールアイドルを結成すればよいのです。
ほんでもって、ラブライブという大会に出場してごらんなさい。
アレヨアレヨという間に有名になって、ランランランナウェイですよ。
そしたらいつのまにか、廃校しなくてもよくなってますから。
花陽 「ほんとに、そんなにトントン拍子に、コトがはこぶでしょうか」
謎の声:
すべては、かよちん次第です。
19: 2015/11/23(月) 00:44:44.74 ID:K1B7c7zM0.net
花陽 「でも私、背も小さいし、声も小さいし……
もっと適役がいるんじゃないでしょうか。
たとえば、さっきまであなたが探していたハノケチュンという方とか。
何かすごく明るくて、元気で、カリスマ性がある感じがしますけど」
謎の声:
たしかにハノケチュンはすばらしい人ですが……
自信をもってください、かよちん。
あなたは選ばれし勇者なのです。
きっとハノケチュンも、あなたのパーティに加わってくれるはずです。
もっと適役がいるんじゃないでしょうか。
たとえば、さっきまであなたが探していたハノケチュンという方とか。
何かすごく明るくて、元気で、カリスマ性がある感じがしますけど」
謎の声:
たしかにハノケチュンはすばらしい人ですが……
自信をもってください、かよちん。
あなたは選ばれし勇者なのです。
きっとハノケチュンも、あなたのパーティに加わってくれるはずです。
20: 2015/11/23(月) 00:45:57.13 ID:K1B7c7zM0.net
花陽 「でも、わかりません。
どうして私なんかが選ばれたのでしょうか。
ていうか選ばれたのって、ただの偶然じゃないですか?」
謎の声:
……
花陽 「それとも、何か私の出生には秘密があるとか……
あ、もしかしたら私のお父さんは、伝説の勇者オルテガだったりして」
謎の声:
いや、かよちんのお父さん、盗賊まがいのワイルドな格好してないでしょ。
花陽 「えーと、それなら、実は私には秘められた才能があるとか」
謎の声:
……
花陽 「……きっとそうなんですよね?」
謎の声:
……ファイトだよ!
花陽 「え、ちょっと待って」
そして気づけば、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
新しい朝とともに、私の冒険が始まったのだ。
どうして私なんかが選ばれたのでしょうか。
ていうか選ばれたのって、ただの偶然じゃないですか?」
謎の声:
……
花陽 「それとも、何か私の出生には秘密があるとか……
あ、もしかしたら私のお父さんは、伝説の勇者オルテガだったりして」
謎の声:
いや、かよちんのお父さん、盗賊まがいのワイルドな格好してないでしょ。
花陽 「えーと、それなら、実は私には秘められた才能があるとか」
謎の声:
……
花陽 「……きっとそうなんですよね?」
謎の声:
……ファイトだよ!
花陽 「え、ちょっと待って」
そして気づけば、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
新しい朝とともに、私の冒険が始まったのだ。
22: 2015/11/23(月) 00:47:01.81 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストIII プロローグ――性格診断――】
謎の声:
……目ざめよ。
花陽 「ムニャムニャ」
謎の声:
……目ざめよ、かよちん。
花陽 「まだアラームは鳴ってませんけど」
謎の声:
冒険の始まりですよ。
謎の声:
……目ざめよ。
花陽 「ムニャムニャ」
謎の声:
……目ざめよ、かよちん。
花陽 「まだアラームは鳴ってませんけど」
謎の声:
冒険の始まりですよ。
23: 2015/11/23(月) 00:48:17.63 ID:K1B7c7zM0.net
花陽 「ムニャムニャ……あと五分寝かせてください」
謎の声:
言い忘れてましたけど、性格診断が必要なんです。
花陽 「なぜですか」
謎の声:
今後のステータス配分のために、参考にしなくちゃいけないんです。
花陽 「ステータス配分?
いったい何ですかそれは」
謎の声:
そういう仕様なんです。
その人がたいせつに育ててきた心が、その人の人生をかたちづくってゆくのです。
ヴァーチャルであるとアクチュアルであるとを問わず、人生とはそういうものなのです。
花陽 「なるほど、そういうものですか」
謎の声:
それでは、これから私がする質問に、順番に答えてください。
花陽 「わかりました」
謎の声:
言い忘れてましたけど、性格診断が必要なんです。
花陽 「なぜですか」
謎の声:
今後のステータス配分のために、参考にしなくちゃいけないんです。
花陽 「ステータス配分?
いったい何ですかそれは」
謎の声:
そういう仕様なんです。
その人がたいせつに育ててきた心が、その人の人生をかたちづくってゆくのです。
ヴァーチャルであるとアクチュアルであるとを問わず、人生とはそういうものなのです。
花陽 「なるほど、そういうものですか」
謎の声:
それでは、これから私がする質問に、順番に答えてください。
花陽 「わかりました」
26: 2015/11/23(月) 00:54:53.05 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
この世でいちばん可愛いのは、誰ですか。
花陽 「凛ちゃんです。
えーと、凛ちゃんっていうのは私の小さい頃からのお友だちで、
元気いっぱいで、それでいて女の子らしいところもあって、
とっても可愛くて、それで……」
謎の声:
わ、わかりました。そのへんでいいですよ。
あなたの凛ちゃん愛は、十二分に伝わりました。
花陽 「凛ちゃんの可愛さには、ぜんぶで26の秘密があるんですけど……
聞かなくてもいいですか」
この世でいちばん可愛いのは、誰ですか。
花陽 「凛ちゃんです。
えーと、凛ちゃんっていうのは私の小さい頃からのお友だちで、
元気いっぱいで、それでいて女の子らしいところもあって、
とっても可愛くて、それで……」
謎の声:
わ、わかりました。そのへんでいいですよ。
あなたの凛ちゃん愛は、十二分に伝わりました。
花陽 「凛ちゃんの可愛さには、ぜんぶで26の秘密があるんですけど……
聞かなくてもいいですか」
27: 2015/11/23(月) 00:55:26.49 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
またこんど、聞かせてくださいね。
それでは次の質問です。
ちょっと近づきがたい雰囲気の、クールで沈着冷静な同級生が生徒手帳を落としたのを見たとします。
あなたは、どうしますか。
花陽 「届けに行きます」
謎の声:
びっくりされたら、どうしますか。
花陽 「謝ります」
謎の声:
何で謝るのですか。
花陽 「よくわかんないけど……謝っちゃうと思うんです。
それでその子と友達になれるのなら、私はいくらでも謝ります」
またこんど、聞かせてくださいね。
それでは次の質問です。
ちょっと近づきがたい雰囲気の、クールで沈着冷静な同級生が生徒手帳を落としたのを見たとします。
あなたは、どうしますか。
花陽 「届けに行きます」
謎の声:
びっくりされたら、どうしますか。
花陽 「謝ります」
謎の声:
何で謝るのですか。
花陽 「よくわかんないけど……謝っちゃうと思うんです。
それでその子と友達になれるのなら、私はいくらでも謝ります」
28: 2015/11/23(月) 00:56:19.99 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
なるほど。その子と仲良くなれるといいですね。
それでは次の質問です。
得体の知れないスクールアイドルが、急に講堂でライブをすると言い出しました。
あなたは、どうしますか。
花陽 「見に行きます」
謎の声:
誰もいなかったら、どうしますか。
花陽 「びっくりすると思います」
謎の声:
それで、見て見ぬふりをして、出て行くのですか。
花陽 「いいえ、ひとりでも、残って応援します」
謎の声:
どうして?
そんなことするの、恥ずかしいでしょ?
花陽 「いいえ。
私、アイドルが大好きですから。
それに、がんばってる人のこと見捨てるのって、すごく悲しい気持ちになりますから」
なるほど。その子と仲良くなれるといいですね。
それでは次の質問です。
得体の知れないスクールアイドルが、急に講堂でライブをすると言い出しました。
あなたは、どうしますか。
花陽 「見に行きます」
謎の声:
誰もいなかったら、どうしますか。
花陽 「びっくりすると思います」
謎の声:
それで、見て見ぬふりをして、出て行くのですか。
花陽 「いいえ、ひとりでも、残って応援します」
謎の声:
どうして?
そんなことするの、恥ずかしいでしょ?
花陽 「いいえ。
私、アイドルが大好きですから。
それに、がんばってる人のこと見捨てるのって、すごく悲しい気持ちになりますから」
29: 2015/11/23(月) 00:56:47.72 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声:
なるほど。あなたに応援してもらえるアイドルは、幸せですね。
それでは、最後の質問です。
みんなで歩くときは、どの位置につきたいですか。
花陽 「うーん……最後尾ですかね」
謎の声:
どうして?
選ばれし勇者というのは、ふつう先陣を切ってを歩くものですよ。
花陽 「私には、そんなふうに目立つの、向いてないと思うんです。
先頭に立つなんて、私のレベルでは無理ですよ。
私にお似合いなのは、いちばん後ろで、ドアをそっと閉める係です」
謎の声:
……
なるほど。あなたに応援してもらえるアイドルは、幸せですね。
それでは、最後の質問です。
みんなで歩くときは、どの位置につきたいですか。
花陽 「うーん……最後尾ですかね」
謎の声:
どうして?
選ばれし勇者というのは、ふつう先陣を切ってを歩くものですよ。
花陽 「私には、そんなふうに目立つの、向いてないと思うんです。
先頭に立つなんて、私のレベルでは無理ですよ。
私にお似合いなのは、いちばん後ろで、ドアをそっと閉める係です」
謎の声:
……
30: 2015/11/23(月) 00:59:11.84 ID:K1B7c7zM0.net
花陽 「どうですか? 私の性格。
どうせなら、『ごうけつ』とかがいいなあ……」
謎の声:
……
花陽 「まさか、『むっつりスケベ』ですか?
おかしいな、内なる性癖をさらけ出さないように、細心の注意を払って回答したのになあ……」
謎の声:
わかりましたよ、あなたの性格。
花陽 「ほんとですか?
教えてもらっていいですか?」
謎の声:
残念ながら、ナイショです。
花陽 「どうしてですか?」
謎の声:
そういう仕様なんです。
じぶんの心というものは、じぶんじしんにも、よく分からないものなんです。
ヴァーチャルな人生ならいざ知らず、アクチュアルな人生とは、そういうものなんです。
そこまで聞いたところで、私の意識は曖昧模糊とした状態に逆もどりして、
眠っているのか起きているのかわからない状態に……いややっぱりこれって……
どうせなら、『ごうけつ』とかがいいなあ……」
謎の声:
……
花陽 「まさか、『むっつりスケベ』ですか?
おかしいな、内なる性癖をさらけ出さないように、細心の注意を払って回答したのになあ……」
謎の声:
わかりましたよ、あなたの性格。
花陽 「ほんとですか?
教えてもらっていいですか?」
謎の声:
残念ながら、ナイショです。
花陽 「どうしてですか?」
謎の声:
そういう仕様なんです。
じぶんの心というものは、じぶんじしんにも、よく分からないものなんです。
ヴァーチャルな人生ならいざ知らず、アクチュアルな人生とは、そういうものなんです。
そこまで聞いたところで、私の意識は曖昧模糊とした状態に逆もどりして、
眠っているのか起きているのかわからない状態に……いややっぱりこれって……
31: 2015/11/23(月) 01:00:28.44 ID:K1B7c7zM0.net
―――――
【かよちんクエストIII 本編】
花陽 「……夢か」
目が覚める夢をみるなんて、ややこしい話だな。
おかげでもう、こんな時間……え? こんな時間?
花陽 「遅刻しちゃうよお!」
あぶない、あぶない。
新学期だというのに、もうすこしで遅刻しちゃうところだった。
あわてて仕度をして家の外に出ると、もう玄関の前で凛ちゃんが待っててくれていた。
凛 「かよちん、はやくはやくー!」
花陽 「ごめんね、凛ちゃん!」
【かよちんクエストIII 本編】
花陽 「……夢か」
目が覚める夢をみるなんて、ややこしい話だな。
おかげでもう、こんな時間……え? こんな時間?
花陽 「遅刻しちゃうよお!」
あぶない、あぶない。
新学期だというのに、もうすこしで遅刻しちゃうところだった。
あわてて仕度をして家の外に出ると、もう玄関の前で凛ちゃんが待っててくれていた。
凛 「かよちん、はやくはやくー!」
花陽 「ごめんね、凛ちゃん!」
32: 2015/11/23(月) 01:01:19.22 ID:K1B7c7zM0.net
小走りで学校に向かう道すがら、凛ちゃんと色んな話をした。
凛 「ねーかよちん、新しいクラス、どんなクラスかな?」
花陽 「楽しみだね」
凛 「入学式のとき、すっごくキレイな子がいたよね。
なんかこう、クールで沈着冷静! って感じの」
花陽 「そうだね」
凛 「友達になれるといいね」
花陽 「きっと、なれると思うよ」
凛 「どうして?」
花陽 「よくわからないけど、そんな予感がするの」
凛 「ねーかよちん、新しいクラス、どんなクラスかな?」
花陽 「楽しみだね」
凛 「入学式のとき、すっごくキレイな子がいたよね。
なんかこう、クールで沈着冷静! って感じの」
花陽 「そうだね」
凛 「友達になれるといいね」
花陽 「きっと、なれると思うよ」
凛 「どうして?」
花陽 「よくわからないけど、そんな予感がするの」
34: 2015/11/23(月) 01:04:28.85 ID:K1B7c7zM0.net
凛 「うふふ、そうだね。
ねーかよちん、何の部活に入るか、もう決めた?」
花陽 「えーと……言っても笑わない?」
凛 「笑うわけないじゃない」
花陽 「アイドル研究部に、入ってみようかな」
ねーかよちん、何の部活に入るか、もう決めた?」
花陽 「えーと……言っても笑わない?」
凛 「笑うわけないじゃない」
花陽 「アイドル研究部に、入ってみようかな」
35: 2015/11/23(月) 01:04:59.54 ID:K1B7c7zM0.net
かくして、私の物語は、レベル1の状態から幕を開けた。
そのあとの私の冒険については、詳しく語る必要はないだろう。
私の物語は、ハノケチュン……じゃなかった、穂乃果ちゃんの物語を、最後尾から語りなおしたものにすぎないのだから。
そして私は、心のどこかで気づいていたのだ。
どんなにレベルを上げても、私がパーティの先頭を歩くことはできないということを。
そのあとの私の冒険については、詳しく語る必要はないだろう。
私の物語は、ハノケチュン……じゃなかった、穂乃果ちゃんの物語を、最後尾から語りなおしたものにすぎないのだから。
そして私は、心のどこかで気づいていたのだ。
どんなにレベルを上げても、私がパーティの先頭を歩くことはできないということを。
36: 2015/11/23(月) 01:05:56.25 ID:K1B7c7zM0.net
【幕間その三】
「神さま」
「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
「ええ、見つかりました。
無事に、かよちんが主役になってくれることになりました」
「よかったやん」
「神さま」
「おかえりなさい。
物語の主役は、見つかったかな」
「ええ、見つかりました。
無事に、かよちんが主役になってくれることになりました」
「よかったやん」
37: 2015/11/23(月) 01:06:24.32 ID:K1B7c7zM0.net
「ねえ、神さま」
「何かな」
「たいせつに育ててきた心がひとつあれば、誰でも物語の主役になれるんですよね」
「そうだよ」
「それなら安心です。
かよちんにも、かよちんの心がありました」
「それはよかった」
「何かな」
「たいせつに育ててきた心がひとつあれば、誰でも物語の主役になれるんですよね」
「そうだよ」
「それなら安心です。
かよちんにも、かよちんの心がありました」
「それはよかった」
38: 2015/11/23(月) 01:06:52.61 ID:K1B7c7zM0.net
「それだけじゃありません。
かよちんの物語は、きっとすてきな物語になるにちがいありません」
「どうして?」
「かよちん、とってもすてきな心をもってたんです」
「かよちんは、どんなひとだった?」
「やさしいひと」
かよちんの物語は、きっとすてきな物語になるにちがいありません」
「どうして?」
「かよちん、とってもすてきな心をもってたんです」
「かよちんは、どんなひとだった?」
「やさしいひと」
39: 2015/11/23(月) 01:11:42.12 ID:K1B7c7zM0.net
◆かよちんクエストIII 取扱説明書
――レベル上げという概念について――
文責:小泉花陽
レベル上げとは、しゃぼん玉の大きさを広げることである。
私たちは皆、それぞれのレベルに相応しい大きさのしゃぼん玉の中で生活している。
このしゃぼん玉の大きさをxとすると、xの定義域は次のように表すことができる。
身体 ≦ x ≦ 宇宙
私たちは、このしゃぼん玉の外に出ることができない。
すると、私たちが将来なれるものの選択肢の数(y)は、このしゃぼん玉の大きさ(x)に比例することになる。
――レベル上げという概念について――
文責:小泉花陽
レベル上げとは、しゃぼん玉の大きさを広げることである。
私たちは皆、それぞれのレベルに相応しい大きさのしゃぼん玉の中で生活している。
このしゃぼん玉の大きさをxとすると、xの定義域は次のように表すことができる。
身体 ≦ x ≦ 宇宙
私たちは、このしゃぼん玉の外に出ることができない。
すると、私たちが将来なれるものの選択肢の数(y)は、このしゃぼん玉の大きさ(x)に比例することになる。
40: 2015/11/23(月) 01:12:14.35 ID:K1B7c7zM0.net
しゃぼん玉が宇宙と同じくらい大きい人は、どこにでも行けるので、何にでもなれる。
お望みなら、プリマドンナにもなれるし、宇宙ナンバーワンアイドルにもなれる。
裏を返せば、誰もが、なりたいものになれるわけではないということだ。
お望みなら、プリマドンナにもなれるし、宇宙ナンバーワンアイドルにもなれる。
裏を返せば、誰もが、なりたいものになれるわけではないということだ。
41: 2015/11/23(月) 01:13:25.45 ID:K1B7c7zM0.net
生まれたばかりのころ、私たちのしゃぼん玉は私の身体より外には広がっていない。
そのころの私たちは、ひとりでは何にもできない状態だからだ。
でも歩いたり喋ったりできるようになるにつれて、少しずつしゃぼん玉は大きくなる。
たとえば夕食のあと、おもちゃのマイクを持って、居間で歌を披露したりできるようになる。
「こいずみはなよ、うたいまーす」
私のソロライブに惜しみない拍手を贈りつつ、お母さんは、いつもこう言ってくれた。
「花陽ちゃんは、ナンバーワンのアイドルね」
お母さんは、嘘をついていたわけではない。
というのも、幼いころの私のしゃぼん玉は、私の家の居間と同じくらいの大きさだったからだ。
私は、居間という私の世界の中では、たしかにナンバーワンのアイドルだったのだ。
居間ナンバーワンアイドルだったのだ。
そのころの私たちは、ひとりでは何にもできない状態だからだ。
でも歩いたり喋ったりできるようになるにつれて、少しずつしゃぼん玉は大きくなる。
たとえば夕食のあと、おもちゃのマイクを持って、居間で歌を披露したりできるようになる。
「こいずみはなよ、うたいまーす」
私のソロライブに惜しみない拍手を贈りつつ、お母さんは、いつもこう言ってくれた。
「花陽ちゃんは、ナンバーワンのアイドルね」
お母さんは、嘘をついていたわけではない。
というのも、幼いころの私のしゃぼん玉は、私の家の居間と同じくらいの大きさだったからだ。
私は、居間という私の世界の中では、たしかにナンバーワンのアイドルだったのだ。
居間ナンバーワンアイドルだったのだ。
42: 2015/11/23(月) 01:14:27.90 ID:K1B7c7zM0.net
もちろん私たちは、経験値を貯めて、レベルを上げて、しゃぼん玉を少しずつ大きくすることができる。
居間ナンバーワンアイドルは、僭越ながら、ご近所ナンバーワンアイドルになれるかもしれない。
畏れ多いことではあるが、ひょっとしたら、町内ナンバーワンアイドルにもなれるかもしれない。
しかし残念ながら、しゃぼん玉は、どこまでも大きくなるわけではない。
ステージの上にプリマドンナが一人しかいないように、宇宙の中に宇宙ナンバーワンアイドルは一人しかいないのだ。
居間ナンバーワンアイドルは、僭越ながら、ご近所ナンバーワンアイドルになれるかもしれない。
畏れ多いことではあるが、ひょっとしたら、町内ナンバーワンアイドルにもなれるかもしれない。
しかし残念ながら、しゃぼん玉は、どこまでも大きくなるわけではない。
ステージの上にプリマドンナが一人しかいないように、宇宙の中に宇宙ナンバーワンアイドルは一人しかいないのだ。
43: 2015/11/23(月) 01:14:59.03 ID:K1B7c7zM0.net
そして残念ながら、私はその選ばれし一人ではない。
44: 2015/11/23(月) 01:16:26.72 ID:K1B7c7zM0.net
みんなのおかげでスクールアイドルにはなれたけど、心のどこかで、私はそのことに気づいていたのだ。
だけど、私は……
だけど、私は……
45: 2015/11/23(月) 01:18:08.30 ID:K1B7c7zM0.net
【かよちんクエストIII エピローグ――そして伝説へ――】
卒業式の日、ひとあしさきに部室に来て打ち上げの準備をしていると、謎の声が聞こえてきた。
ん? この声……いつかの夢の中で、聞いたことがあるような……
謎の声:
花陽ちゃん。
花陽 「……どうしたの、ことりちゃん」
謎の声A:
がんばっているかね。
花陽 「えへへ、どうでしょう」
謎の声A:
わたしたちは、ずっと見てきたのだよ。
花陽ちゃんが、ずっと、ずっと、がんばってきたこと。
花陽 「ありがとう。
おかげで、こんな私でも、ちょっとだけレベルが上がったかも」
卒業式の日、ひとあしさきに部室に来て打ち上げの準備をしていると、謎の声が聞こえてきた。
ん? この声……いつかの夢の中で、聞いたことがあるような……
謎の声:
花陽ちゃん。
花陽 「……どうしたの、ことりちゃん」
謎の声A:
がんばっているかね。
花陽 「えへへ、どうでしょう」
謎の声A:
わたしたちは、ずっと見てきたのだよ。
花陽ちゃんが、ずっと、ずっと、がんばってきたこと。
花陽 「ありがとう。
おかげで、こんな私でも、ちょっとだけレベルが上がったかも」
46: 2015/11/23(月) 01:18:52.72 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声B:
ちょっとどころか、すごい進歩よ。
これだけレベルが上がれば、転職も認められるわぁ。
花陽 「……今度は絵里ちゃんだね。
その言葉は嬉しいけど……私は転職しなくてもいいよ。
なりたいアイドルには、もうなれたから」
謎の声B:
そうかしら。
でも今度は、アイドルとして、プリマドンナになってみたくない?
花陽 「プリマドンナ?」
ちょっとどころか、すごい進歩よ。
これだけレベルが上がれば、転職も認められるわぁ。
花陽 「……今度は絵里ちゃんだね。
その言葉は嬉しいけど……私は転職しなくてもいいよ。
なりたいアイドルには、もうなれたから」
謎の声B:
そうかしら。
でも今度は、アイドルとして、プリマドンナになってみたくない?
花陽 「プリマドンナ?」
47: 2015/11/23(月) 01:19:22.27 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声C:
宇宙ナンバーワンアイドルということよ
花陽 「にこちゃん、でも私には無理だよ。
一番になったり、先頭に立ったりするのは……」
謎の声C:
何を言ってるのよ。
あなたが、次期アイドル研究部部長なのよ」
花陽 「え? どういうこと?
だって、私のほかに、もっとふさわしい人が……」
宇宙ナンバーワンアイドルということよ
花陽 「にこちゃん、でも私には無理だよ。
一番になったり、先頭に立ったりするのは……」
謎の声C:
何を言ってるのよ。
あなたが、次期アイドル研究部部長なのよ」
花陽 「え? どういうこと?
だって、私のほかに、もっとふさわしい人が……」
48: 2015/11/23(月) 01:20:13.66 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声D:
ファイトだよ!
花陽 「穂乃果ちゃん!
私の代わりに部長を引き受けてよ!
生徒会長との掛け持ちなんて、穂乃果ちゃんにかかれば簡単でしょ?
だってこの物語の主役は、穂乃果ちゃんの……」
謎の声D:
花陽ちゃんの物語の主役は、花陽ちゃんだよ。
今までも、これからも、ずーっとね。
花陽 「無理だよ、私なんかには……」
ファイトだよ!
花陽 「穂乃果ちゃん!
私の代わりに部長を引き受けてよ!
生徒会長との掛け持ちなんて、穂乃果ちゃんにかかれば簡単でしょ?
だってこの物語の主役は、穂乃果ちゃんの……」
謎の声D:
花陽ちゃんの物語の主役は、花陽ちゃんだよ。
今までも、これからも、ずーっとね。
花陽 「無理だよ、私なんかには……」
49: 2015/11/23(月) 01:22:34.09 ID:K1B7c7zM0.net
謎の声E:
無理なんかじゃないですよ。
あなたこそが選ばれし伝説のアイドルなのです、花陽。
花陽 「海未ちゃん!
ちょっと待って、でも私、まだ心の準備が……」
謎の声E:
大丈夫です、私たちがサポートしますから。
ずっと先頭に立つのは難しくても、かわりばんこなら、怖くないでしょう?
さあ、伝説の勇者の従士たちよ、カモン。
花陽 「え? え?」
そこでドアが開いて、凛ちゃんと真姫ちゃんがしずしずと登場した。
無理なんかじゃないですよ。
あなたこそが選ばれし伝説のアイドルなのです、花陽。
花陽 「海未ちゃん!
ちょっと待って、でも私、まだ心の準備が……」
謎の声E:
大丈夫です、私たちがサポートしますから。
ずっと先頭に立つのは難しくても、かわりばんこなら、怖くないでしょう?
さあ、伝説の勇者の従士たちよ、カモン。
花陽 「え? え?」
そこでドアが開いて、凛ちゃんと真姫ちゃんがしずしずと登場した。
50: 2015/11/23(月) 01:22:59.84 ID:K1B7c7zM0.net
凛 「チャーララー、ララララー」
(花陽に王冠をかぶせる)
真姫 「ララララー、ラーララー」
(花陽にマントを着せる)
花陽 (これ勇者じゃなくて、王様やないかい)
(花陽に王冠をかぶせる)
真姫 「ララララー、ラーララー」
(花陽にマントを着せる)
花陽 (これ勇者じゃなくて、王様やないかい)
51: 2015/11/23(月) 01:24:13.75 ID:K1B7c7zM0.net
エセ関西弁の神さま:
かよちん……聞こえるやんな……かよちん……
花陽 「はい」
エセ関西弁の神さま:
みんなの言うとおりやね。
かよちんクエストIIIはこれでおしまいやけど、続編でも、かよちんの物語は絶賛公開中やからね。
花陽 「私に、できるかな?」
エセ関西弁の神さま:
大丈夫。
花陽 「おうじゃのけんも、ゆうしゃのたても、もってないのに?」
エセ関西弁の神さま:
大丈夫、大丈夫。
たいせつに育ててきた心がひとつあれば、それだけで十分だよ。
花陽 「ありがとう」
かよちん……聞こえるやんな……かよちん……
花陽 「はい」
エセ関西弁の神さま:
みんなの言うとおりやね。
かよちんクエストIIIはこれでおしまいやけど、続編でも、かよちんの物語は絶賛公開中やからね。
花陽 「私に、できるかな?」
エセ関西弁の神さま:
大丈夫。
花陽 「おうじゃのけんも、ゆうしゃのたても、もってないのに?」
エセ関西弁の神さま:
大丈夫、大丈夫。
たいせつに育ててきた心がひとつあれば、それだけで十分だよ。
花陽 「ありがとう」
52: 2015/11/23(月) 01:26:14.06 ID:K1B7c7zM0.net
凛 「だから、自信をもって、胸を張ってね」
花陽 「うん」
真姫 「先頭に立つ資格が無いなんて、思っちゃだめよ」
花陽 「うん」
凛 「だって、かよちんの心は……」
花陽 「ありがとう、でも、教えてもらわなくても大丈夫だよ」
真姫 「どうして?」
花陽 「そういう仕様だからね。
じぶんの心というものは、じぶんじしんにも、よく分からないものなんだよ。
よーし、それでは卒業祝いの打ち上げ、はじめよう!」
花陽 「うん」
真姫 「先頭に立つ資格が無いなんて、思っちゃだめよ」
花陽 「うん」
凛 「だって、かよちんの心は……」
花陽 「ありがとう、でも、教えてもらわなくても大丈夫だよ」
真姫 「どうして?」
花陽 「そういう仕様だからね。
じぶんの心というものは、じぶんじしんにも、よく分からないものなんだよ。
よーし、それでは卒業祝いの打ち上げ、はじめよう!」
53: 2015/11/23(月) 01:28:44.76 ID:K1B7c7zM0.net
なまえ :かよちん
せいかく :やさしいひと
そうび :やさしいこころ
四月から始まるかよちんクエストIVに、乞うご期待!
せいかく :やさしいひと
そうび :やさしいこころ
四月から始まるかよちんクエストIVに、乞うご期待!
54: 2015/11/23(月) 01:29:30.69 ID:K1B7c7zM0.net
【次の日の朝、小泉家、台所】
花陽母 「ゆうべは、おたのしみでしたね」
花陽 「!!?」
おわり
花陽母 「ゆうべは、おたのしみでしたね」
花陽 「!!?」
おわり
56: 2015/11/23(月) 01:32:44.16 ID:O7E2mYPc0.net
なんか良かった
乙
乙
57: 2015/11/23(月) 01:42:09.17 ID:8y1ENEtG0.net
おつー
不思議な雰囲気でよかった
不思議な雰囲気でよかった
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