1: 2015/11/22(日) 15:07:14.03 ID:8531dWLQ0.net
ことり「それじゃ…真姫ちゃん、あーん♪」

真姫「あーん…ってしないわよ、一本貰うわね」

ことり「えー、あーんってやってくれてもいいのに…」

真姫「しない。お菓子ぐらい普通に食べさせなさいよ」

ことり「折角真姫ちゃんの恥ずかしがった顔が見れると思ったのに」

真姫「何残念がってるのよ、全く。…あら、この普通のポッキーじゃないのね」

ことり「うん、今日はなんと…じゃーん、イチゴ味なんです♪」

真姫「ふーん、イチゴ味ね」

ことり「真姫ちゃんイチゴ味は嫌だった? 普通のチョコレートの方がよかったかな?」

真姫「嫌じゃないわよ、美味しいわ。ただちょっと甘かなって思っただけ」

ことり「そっか、確かに普通よりは甘いかもしれないね」

真姫「ことりの好きそうな味よね。私はもっとさっぱりした方が好きだけど」

ことり「ポッキーよりプリッツ派? でも何だか分かるかも」

真姫「プリッツ派、っていうかあまりお菓子食べないから。まぁどっちかって言うとそうかしらね」

2: 2015/11/22(日) 15:08:08.82 ID:8531dWLQ0.net
ことり「プリッツもいいけど、ことりはやっぱり甘いほうが好きかな」

真姫「見てれば分かるわよ。チョコがたっぷりかかったのとか…フラン、だっけ?」

ことり「うん、大好きだよ。実はことりね、あの一袋全部をまとめて…ガブッってかぶりつくのが夢なんだ」

真姫「夢って、ずいんぶん安っぽいわね」

ことり「そんなことないよ。袋開いていざって心に決めても、もったいないなーって」

真姫「それで一本一本食べてるってことね」

ことり「そうなんだよ。でもいつかは思い切ってやりたいな」

真姫「ま、叶うと良いわね」

ことり「うー…でもやっぱりじっくり楽しむほうが…」

真姫「はいはい、存分に悩みなさい…もう一本貰うわね」

3: 2015/11/22(日) 15:09:18.84 ID:8531dWLQ0.net
ことり「うんいいよ。真姫ちゃん、イチゴ味気に入った?」

真姫「気に入ったっていうか、久しぶりに食べたから美味しいって思ったのよ」

ことり「そっか。まだ沢山あるから、どんどん食べて良いよ」

真姫「そんなにはいらないわよ…って沢山あるわけ?」

ことり「うん、沢山…えっと段ボール一箱ぐらいかな。でも少し減ってきたから…」

真姫「何でそんなにあるのよ…そういえばここ最近、なんか皆してポッキー食べてたわよね」

ことり「他にもトッポも…ジャガリコもあるよ。味もより取り見取りです♪」

真姫「そうそう、ポッキーに限らず棒状のお菓子を……何でよ?」

ことり「何でって…あ、そっか。あの時真姫ちゃんいなかったんだっけ」

4: 2015/11/22(日) 15:10:36.83 ID:8531dWLQ0.net
真姫「あの時? 何かあったの?」

ことり「実はね…とその前に、じゃーん! お菓子の詰め合わせボックスオープンだよ」

真姫「本当に箱いっぱい…しかも棒状のお菓子ばっか。何か懸賞で当たったりしたの?」

ことり「懸賞じゃなくてね、みんなで買ったんだ。でも誰の物、ってわけじゃなくて皆で好き勝手に食べて良いってなってるんだけどね」

真姫「何を思ってこんなに…プリッツもあるの?」

ことり「もちろんだよ。えっと確か別に取っておいたのが…あった! はい真姫ちゃん、トマトプリッツ」

真姫「本当にあるのね、頂くわ……じゃなくて、何で皆してポッキー買ってきたのよ。何かの罰ゲーム?」

ことり「罰ゲームじゃなくて、普通のゲーム、かな?」

真姫「ゲーム? お菓子を使って?」

ことり「うん。この前ね、穂乃果ちゃんと凛ちゃんが『よーし、ポッキーゲームやるぞー』って張り切っててね」

真姫「ポッキーゲームって、それでこんなに買い込んだわけ?」

ことり「そしたら、やるならいっぱい買わないとねって、絵里ちゃんも乗り気で」

真姫「本当に大量に買う必要があったの? 限度を知りなさいよ」

ことり「あはは…三人ともポッキーゲームって名前だけ聞いてきたみたいで、内容知らなくて…」

6: 2015/11/22(日) 15:11:47.81 ID:8531dWLQ0.net
真姫「なるほどね…でも、そのゲームってあんまり楽しくないんでしょ?」

ことり「……え?」

真姫「だって、ここまで買っておいて余らせるくらいだもの。つまらないゲームなんでしょ?」

ことり「あれ…もしかして、真姫ちゃんもポッキーゲーム、知らないの?」

真姫「知らないわよ、私もどっかで聞いたことがあるって程度よ」

ことり「あ、そうなんだ」

真姫「穂乃果と凛が投げ出すってことは、つまらないんじゃなくて、頭使ったり考える系統のゲームだったのかしら?」

ことり「考える…というか心理戦かな?」

真姫「なるほどね…それで一向に勝てずに投げ出したってわけ」

ことり「投げ出しなのは穂乃果ちゃんたちだけだじゃ…うん、まぁそうかな…」

真姫「まぁどちらでもいいわ。おかげでトマトプリッツが食べられるならね」

7: 2015/11/22(日) 15:12:55.43 ID:8531dWLQ0.net
ことり「えっと、真姫ちゃん?」

真姫「ん、何よ?」

ことり「ポッキーゲーム、興味ある?」

真姫「興味ないわけじゃないけど、たしかに皆が知ってて私だけが知らないってのはちょっと癪よね」

ことり「だったら、ことりとやってみる?」

真姫「別にいいけど…二人きりで出来るものなの? 難しいルールとかあるの?」

ことり「ううん、二人で出来てとっても簡単だよ」

真姫「ならいいわ。ことり、教示してよ」

ことり「うん。それじゃあまず、ポッキーを一本用意して…」

真姫「それから?」

ことり「それから…はい、真姫ちゃん、あーん」

真姫「あーん…って、だからやらないわよ」

ことり「違うの、ポッキーの端を咥えるのが準備なんだよ」

真姫「そういうこと…分かったわ。はい、あーん……ふぉれで?」

ことり「そしたらね…ことりがこっち側を咥えて…ふはーほ♪」

8: 2015/11/22(日) 15:13:43.04 ID:8531dWLQ0.net
真姫「ふはーほって…ほっとはって!」

ことり「~♪」

真姫「ほほり…っ! ことり、待ちなさいって!」

ことい「やったー、ことりの勝ちー♪」

真姫「勝ちって、ちょっとちょっとちょっと、待ちなさいよ」

ことり「どうしたの?」

真姫「どうもこうも、準備は聞いたけど、勝敗のつけ方も進め方も何の説明もないじゃないのよ!」

ことり「簡単だからやれば分かるかなって思ったんだけど」

真姫「せめて何をやったら勝ちかぐらいは言いなさいよね。進めようがないじゃないのよ」

9: 2015/11/22(日) 15:15:21.93 ID:8531dWLQ0.net
ことり「えっとね、さっきみたいに二人が端を咥えて」

真姫「それで?」

ことり「合図と同時にそれぞれが食べ進めていって」

真姫「…多く食べたほうが勝ちってわけ? でもそれなら穂乃果たちが有利そうよね」

ことり「勝ちっていうか、先に口を放しちゃったり、ポッキーを折っちゃったりしたら負けになる…のかな」

真姫「それだけ?」

ことり「うん、それだけだよ?」

真姫「心理戦ってさっき言って…ああ、なるほど。いかに相手に折らせようかって手段を講ずるわけ」

ことり「えっと…、そう、なのかな?」

真姫「単純だけどおくが深いってわけね……本当に深いの?」

ことり「あはは…」

真姫「まぁどちらにせよ、ポッキーゲームが何たるかは分かったわ」

ことり「たぶん分かってないかも……どうする、真姫ちゃん? もう一回やって見る?」

真姫「んー、遠慮しておくわ。ルールが分かった、と言ってもあまり面白そうじゃないし」

10: 2015/11/22(日) 15:16:49.46 ID:8531dWLQ0.net
ことり「そっか、残念」

真姫「楽しみながら食べるのもいいけど、やっぱり美味しいものは味わって食べないと」

ことり「それもそうだね。もう一本食べる?」

真姫「ええ、頂くわ…久しぶりに甘いお菓子も、やっぱりいいもんね」

ことり「真姫ちゃんに気に入ってもらえてよかった。 あ、でもこのまま終わっちゃうと、真姫ちゃんが一番弱いってことになっちゃうね」

真姫「弱いって、さっきのゲームのこと?」

ことり「うん」

真姫「最弱って…穂乃果や凛が投げ出したんだから、二人が一番弱いんじゃないの?」

ことり「ううん、実はね、ことりは一回も勝てなくて一番負けちゃったの」

真姫「本当に? 以外ね。ことりなら全勝してそうだけど」

ことり「だから一番弱かったことりに負けた真姫ちゃんが、一番弱いってことになっちゃうんだけど」

真姫「……」

ことり「でも、普通に食べた方がいいもんね。だから、普通に」

真姫「…ちょっと待って、聞き捨てならなないわね」

ことり「どうしたの?」

真姫「投げ出した穂乃果より弱い、っていうか部の中で一番弱いって言うのはいい気がしないわね」

ことり「でも面白そうじゃないってさっき」

真姫「撤回よ、もう一度勝負しなさい、ことり」

ことり「うん、真姫ちゃん相手ならことりはやってもいいよ」

11: 2015/11/22(日) 15:18:54.43 ID:8531dWLQ0.net
真姫「でもその前に…ちょっと作戦を練るわ。ルール進行が明確になった以上、しっかり考えれば負けるはずがないわ」

ことり「作戦を練るって、そんなに考える事無いような気が…」

真姫「勝つなら考える、当然でしょ? ……動いたら自分から折って負けになってしまうのなら」

ことり「そんなに深く悩まなくてもいいんじゃないかな?」

真姫「私が暫定最弱と聞いて黙っていられわいじゃない? ……面白い顔をして笑わせるとか? でも他に手が何か」

ことり「…真姫ちゃん、気づいてくれないんだね」

真姫「ん? 何がよ?」

ことり「ううん、なんでもない」

真姫「……そっか、こうすればいいのかしら? …よし、策は決まったわ。いざ勝負よ、ことり」

ことり「ことりはいつでも準備オッケーだよ」

真姫「いいわね。それじゃ用意をして…」

12: 2015/11/22(日) 15:20:21.51 ID:8531dWLQ0.net
ことり「…あ、でもね、真姫ちゃん」

真姫「何よ?」

ことり「真姫ちゃんが一生懸命考えてもね、たぶん無駄だと思うな」

真姫「ずいぶん煽るじゃない」

ことり「だってことりは…ことりは真姫ちゃんだけには、絶対に負けないから」

真姫「はぁ? やる前からなに言ってるのよ。御託はいいからさっさと始めるわよ」

ことり「うん、それじゃあ真姫ちゃん、はい、あーん」

真姫「あーん……いいはほ、ははってひなはい」

ことり「それじゃあ、ことりも……ふはーほ♪」

13: 2015/11/22(日) 15:25:07.28 ID:8531dWLQ0.net
終了

21: 2015/11/22(日) 16:15:45.69 ID:cPkeM1Di0.net
ここからだろうが!

引用元: ことり「真姫ちゃん、ポッキー食べる?」 真姫「いただくわ」