1: 2015/11/25(水) 23:10:18.76 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「今日も練習疲れたぁ」
花陽「そうだね」
凛「だから、三人にラーメン食べに行こう」
花陽(ご飯、ご飯♪)
真姫「私は行かないわよ」
凛「えー、なんで?」
真姫「昨日行ったばかりでしょ」
花陽「そうだね」
凛「だから、三人にラーメン食べに行こう」
花陽(ご飯、ご飯♪)
真姫「私は行かないわよ」
凛「えー、なんで?」
真姫「昨日行ったばかりでしょ」
2: 2015/11/25(水) 23:12:54.82 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「そうだっけ?」
真姫「そうよ」
花陽「じゃあ今日はご飯を」
真姫「昨日あんだけ食べてまた食べるの? 太るわよ」
花陽「はぅ……」
凛「太ったかよちんもぉ、きっとかわいいにゃー」
花陽「うぇぇー」
凛「ぷにぷにぃ~、ぷにぷにぃ~」
花陽「ヤメテェ~!」
真姫「はぁー」
真姫(バカバカしい)
真姫「そうよ」
花陽「じゃあ今日はご飯を」
真姫「昨日あんだけ食べてまた食べるの? 太るわよ」
花陽「はぅ……」
凛「太ったかよちんもぉ、きっとかわいいにゃー」
花陽「うぇぇー」
凛「ぷにぷにぃ~、ぷにぷにぃ~」
花陽「ヤメテェ~!」
真姫「はぁー」
真姫(バカバカしい)
3: 2015/11/25(水) 23:14:11.11 ID:LaNJ4Oq7K.net
真姫「じゃあ私、先に帰るから」
凛「あぁ真姫ちゃ」
「ふぇぇん! ふぇぇん!」
真姫「な、何よ凛! 泣くこと……」
凛「り、凛じゃないよ!」
真姫「じゃあ誰?」
花陽「あ、あそこ!」
凛「ん?」
花陽「小さい女の子が泣いてる」
凛「ほんとだ。凛、ちょっと行って来る」
花陽「り、凛ちゃん!」
タッタッタッタッ
真姫「なに……」
花陽「真姫ちゃんも行こ!」
タッタッタッタッ
真姫「って……もう、待ちなさいよね!」
凛「あぁ真姫ちゃ」
「ふぇぇん! ふぇぇん!」
真姫「な、何よ凛! 泣くこと……」
凛「り、凛じゃないよ!」
真姫「じゃあ誰?」
花陽「あ、あそこ!」
凛「ん?」
花陽「小さい女の子が泣いてる」
凛「ほんとだ。凛、ちょっと行って来る」
花陽「り、凛ちゃん!」
タッタッタッタッ
真姫「なに……」
花陽「真姫ちゃんも行こ!」
タッタッタッタッ
真姫「って……もう、待ちなさいよね!」
4: 2015/11/25(水) 23:16:08.41 ID:LaNJ4Oq7K.net
◆
少女「ふぇぇん、ふぇぇん」
凛「ねぇ」
少女「ふぇぇ?」
凛「どうしたのかな?」
少女「ぐすん……ぐすん」
花陽「はい、ハンカチだよ。これで涙を拭いてね」
少女「……うん」
ゴシゴシ
凛「それで、どうして泣いてたのかな?」
少女「あのね……あのね……えっと」
真姫「はっきり言いなさいよ!」
少女「ふぇぇん、ふぇぇん」
凛「ねぇ」
少女「ふぇぇ?」
凛「どうしたのかな?」
少女「ぐすん……ぐすん」
花陽「はい、ハンカチだよ。これで涙を拭いてね」
少女「……うん」
ゴシゴシ
凛「それで、どうして泣いてたのかな?」
少女「あのね……あのね……えっと」
真姫「はっきり言いなさいよ!」
5: 2015/11/25(水) 23:19:22.54 ID:LaNJ4Oq7K.net
少女「!」ビクッ
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「あっ」
少女「びぇぇぇぇん!」
凛「もうっ! 真姫ちゃん何やってるの」
真姫「ご、ごめんなさい」
少女「びぇぇぇぇん!」
花陽「な、泣き止んでねっ」
凛「あの赤い髪のお姉ちゃんは、怒ってるワケじゃないからね」
花陽「そ、そう。普段からイライラして怒りっぽいだけだからね!」
真姫「ヴェッ!」
凛「よーしよーし、泣き止んでね」
少女「びぇぇぇぇん!」
凛「泣き止まないや」
花陽「頑張って泣き止ませよう!」
真姫(イライラ、怒りっぽい……)
真姫「グスッ」
少女「びぇぇぇぇん! びぇぇぇぇん!」
真姫「ヴェェェェン、ヴェェェェン……」
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「あっ」
少女「びぇぇぇぇん!」
凛「もうっ! 真姫ちゃん何やってるの」
真姫「ご、ごめんなさい」
少女「びぇぇぇぇん!」
花陽「な、泣き止んでねっ」
凛「あの赤い髪のお姉ちゃんは、怒ってるワケじゃないからね」
花陽「そ、そう。普段からイライラして怒りっぽいだけだからね!」
真姫「ヴェッ!」
凛「よーしよーし、泣き止んでね」
少女「びぇぇぇぇん!」
凛「泣き止まないや」
花陽「頑張って泣き止ませよう!」
真姫(イライラ、怒りっぽい……)
真姫「グスッ」
少女「びぇぇぇぇん! びぇぇぇぇん!」
真姫「ヴェェェェン、ヴェェェェン……」
7: 2015/11/25(水) 23:20:27.36 ID:LaNJ4Oq7K.net
◇
凛「そっかぁ。迷子になっちゃったんだね」
少女「うん……」
花陽「怖かったね」
凛「でも、もう大丈夫だよ」
ナデナデ
少女「えへへ」
真姫「元気出たみたいね」
凛「そうだね」
凛「そっかぁ。迷子になっちゃったんだね」
少女「うん……」
花陽「怖かったね」
凛「でも、もう大丈夫だよ」
ナデナデ
少女「えへへ」
真姫「元気出たみたいね」
凛「そうだね」
8: 2015/11/25(水) 23:22:01.26 ID:LaNJ4Oq7K.net
真姫「それで、この娘どうするの?」
花陽「うーん。送ってあげたいのは山々だけど」
真姫「この娘の家の住所、知らないわよ」
凛「じゃあ、交番に行ってみよっか」
真姫「それが無難ね」
凛「よーし、きま……」
少女「あの!」
凛「何?」
少女「まいごになったら、これ、みせなさいって」
真姫「これって……」
花陽「迷子札かな」
花陽「うーん。送ってあげたいのは山々だけど」
真姫「この娘の家の住所、知らないわよ」
凛「じゃあ、交番に行ってみよっか」
真姫「それが無難ね」
凛「よーし、きま……」
少女「あの!」
凛「何?」
少女「まいごになったら、これ、みせなさいって」
真姫「これって……」
花陽「迷子札かな」
9: 2015/11/25(水) 23:23:07.70 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「そうだよ。迷子札だよ」
少女「おかあさんが、いつも、もたせてくれてるの」
凛「そうなんだ。いいお母さんだね」
少女「じまんのおかあさん!」
凛「ねぇ、この娘を家まで送り届けない?」
真姫「そうね。住所だと、ここからそう遠くはないし」
花陽「何より人助けだよね!」
凛「ふふっ、じゃあ決まりだね!」
凛「女の子の家に向けて、出発にゃー」
少女「にゃー」
花陽「おー」
真姫「お、おー……」
少女「おかあさんが、いつも、もたせてくれてるの」
凛「そうなんだ。いいお母さんだね」
少女「じまんのおかあさん!」
凛「ねぇ、この娘を家まで送り届けない?」
真姫「そうね。住所だと、ここからそう遠くはないし」
花陽「何より人助けだよね!」
凛「ふふっ、じゃあ決まりだね!」
凛「女の子の家に向けて、出発にゃー」
少女「にゃー」
花陽「おー」
真姫「お、おー……」
11: 2015/11/25(水) 23:25:15.84 ID:LaNJ4Oq7K.net
◆
凛「んー。いいことをした後は気持ちがいいにゃー」
真姫「ほんとにね」
花陽「真姫ちゃんも誤解が解けてよかったね」
真姫「ほんと酷いわ。花陽、誰がイライラして怒りっぽいですって」
花陽「ご、ごめんね」
真姫「ちょっと傷付いたわよ、マジで」
凛「じゃあ、傷を癒す為にラーメン食べに行こうよ」
真姫「そうね。そうしましょうか」
り・は「やったー」
凛「んー。いいことをした後は気持ちがいいにゃー」
真姫「ほんとにね」
花陽「真姫ちゃんも誤解が解けてよかったね」
真姫「ほんと酷いわ。花陽、誰がイライラして怒りっぽいですって」
花陽「ご、ごめんね」
真姫「ちょっと傷付いたわよ、マジで」
凛「じゃあ、傷を癒す為にラーメン食べに行こうよ」
真姫「そうね。そうしましょうか」
り・は「やったー」
12: 2015/11/25(水) 23:27:12.94 ID:LaNJ4Oq7K.net
花陽「それにしても、迷子札があって良かったね」
真姫「あれ、私もよく持たされてたけど、特に使い道はなかったわ」
花陽「迷子になるっていうのが、そんなにないしね」
真姫「あぁいうのは、にこちゃんや穂乃果や凛が持ってこそのモノよ」
凛「酷い言われようにゃ」
真姫「そそっかしいし、目を離したらすぐどっか行きそうだし」
凛「むむむむ」
花陽「まあまあ」
凛「あっでも凛も昔、迷子札のおかげで助かったことあるよ」
花陽「えっ、そうなの?」
凛「うん」
真姫「へぇー」
真姫「あれ、私もよく持たされてたけど、特に使い道はなかったわ」
花陽「迷子になるっていうのが、そんなにないしね」
真姫「あぁいうのは、にこちゃんや穂乃果や凛が持ってこそのモノよ」
凛「酷い言われようにゃ」
真姫「そそっかしいし、目を離したらすぐどっか行きそうだし」
凛「むむむむ」
花陽「まあまあ」
凛「あっでも凛も昔、迷子札のおかげで助かったことあるよ」
花陽「えっ、そうなの?」
凛「うん」
真姫「へぇー」
14: 2015/11/25(水) 23:28:21.92 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「凛が小学一年生の時、ちょっと遠出で買い物に行った帰りに迷ったことがあってね」
花陽「どこへ遠出したの?」
凛「って言っても、今でいう穂乃果ちゃんの家の近くだけどね」
花陽「案外近いね」
真姫「まっ、子供の頃は同じ町内でも知らない場所だったら、なんか遠出した気分になるしね」
凛「冒険に行く感じだよねぇ」
花陽「それで、どうなったの」
凛「えっと、それでね。『帰れない』って不安に駆られてさっきの女の子みたいに泣いちゃってね」
真姫「分かるわ」
花陽「どこへ遠出したの?」
凛「って言っても、今でいう穂乃果ちゃんの家の近くだけどね」
花陽「案外近いね」
真姫「まっ、子供の頃は同じ町内でも知らない場所だったら、なんか遠出した気分になるしね」
凛「冒険に行く感じだよねぇ」
花陽「それで、どうなったの」
凛「えっと、それでね。『帰れない』って不安に駆られてさっきの女の子みたいに泣いちゃってね」
真姫「分かるわ」
15: 2015/11/25(水) 23:29:32.06 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「どうこうして困ってたらね。ある人が助けてくれたの」
真姫「ある人?」
凛「その人はね」
凛「おやどりのおねえさん」
花陽「お、おやどり?」
真姫「おやどり……凛。貴女、鳥に助けられたの?」
凛「ち、ちがうよ。それに『おやどり』ってのは凛が勝手に付けただけだし」
花陽(おやどり、親鳥……)
凛「んじゃ、ラーメン屋に付くまで歩きながら話すよ」
真姫「そうね。私もなんか興味あるわ」
花陽(穂乃果ちゃんの家の近くで親鳥……まさかね)
凛「じゃあ凛ちゃんの昔話、はじまりはじまり」
真姫「ある人?」
凛「その人はね」
凛「おやどりのおねえさん」
花陽「お、おやどり?」
真姫「おやどり……凛。貴女、鳥に助けられたの?」
凛「ち、ちがうよ。それに『おやどり』ってのは凛が勝手に付けただけだし」
花陽(おやどり、親鳥……)
凛「んじゃ、ラーメン屋に付くまで歩きながら話すよ」
真姫「そうね。私もなんか興味あるわ」
花陽(穂乃果ちゃんの家の近くで親鳥……まさかね)
凛「じゃあ凛ちゃんの昔話、はじまりはじまり」
16: 2015/11/25(水) 23:31:08.59 ID:LaNJ4Oq7K.net
◇
りん「えっぐ、ひっぐ……ここどこぉ」
りん(おかあさぁん)
りん「ぐすっ」
「あらぁ」
りん「ぐすん」
「どうしたの?」
りん「ほぇ?」
「もしかして、迷子かな?」
りん「あっ、えっと」
「うふふ、怖がらなくていいわよ」
りん「えっぐ、ひっぐ……ここどこぉ」
りん(おかあさぁん)
りん「ぐすっ」
「あらぁ」
りん「ぐすん」
「どうしたの?」
りん「ほぇ?」
「もしかして、迷子かな?」
りん「あっ、えっと」
「うふふ、怖がらなくていいわよ」
17: 2015/11/25(水) 23:31:56.08 ID:LaNJ4Oq7K.net
りん「えっと、その、まいご……です」
「そう。じゃあ、近くに交番があるから、お姉さんと一緒に行きましょうか?」
りん「あの!」
「なぁに?」
りん「これぇ」
「これ……迷子札ね」
りん「おかあさんがもっていきなさいって」
「そう。いいお母さんね」
りん「りんのじまんの、おかあさんだよ!」
「うふふっ、凛ちゃんね」
りん「えっ、なんでしってるの?」
「そう。じゃあ、近くに交番があるから、お姉さんと一緒に行きましょうか?」
りん「あの!」
「なぁに?」
りん「これぇ」
「これ……迷子札ね」
りん「おかあさんがもっていきなさいって」
「そう。いいお母さんね」
りん「りんのじまんの、おかあさんだよ!」
「うふふっ、凛ちゃんね」
りん「えっ、なんでしってるの?」
18: 2015/11/25(水) 23:32:51.30 ID:LaNJ4Oq7K.net
「今、自分で『りん』って言ったじゃない」
りん「そうだっけ」
「それと、迷子札に『ほしぞら りん』って書いてあるわよ」
りん「ほんとだ」
「面白い娘ね」
りん「えへへ」
「じゃあ凛ちゃん。お姉さんが凛ちゃんのお家まで送って行ってあげるわ」
りん「いいの!?」
「えぇ。こっからだとそんなに遠くないしね」
ダキッ
「あ、あら?」
りん「ありがとう、おねえさん」
「はいはい。それじゃあ、いきましょうか」
りん「にゃー」
りん「そうだっけ」
「それと、迷子札に『ほしぞら りん』って書いてあるわよ」
りん「ほんとだ」
「面白い娘ね」
りん「えへへ」
「じゃあ凛ちゃん。お姉さんが凛ちゃんのお家まで送って行ってあげるわ」
りん「いいの!?」
「えぇ。こっからだとそんなに遠くないしね」
ダキッ
「あ、あら?」
りん「ありがとう、おねえさん」
「はいはい。それじゃあ、いきましょうか」
りん「にゃー」
19: 2015/11/25(水) 23:34:37.76 ID:LaNJ4Oq7K.net
◆
「凛ちゃんは何年生」
りん「いちねんせい!」
「そう。じゃあ、私の娘の一つ下ね」
りん「おねえさん、こどもいるの?」
「そうよ。ことりっていうの」
りん「ことりちゃん?」
「私に似て可愛いのよぉ」
りん「ふーん……ん?」
ことり……小鳥……お姉さんは小鳥の母親……つまり親
りん「おやどり!」
「は、はい?」
「凛ちゃんは何年生」
りん「いちねんせい!」
「そう。じゃあ、私の娘の一つ下ね」
りん「おねえさん、こどもいるの?」
「そうよ。ことりっていうの」
りん「ことりちゃん?」
「私に似て可愛いのよぉ」
りん「ふーん……ん?」
ことり……小鳥……お姉さんは小鳥の母親……つまり親
りん「おやどり!」
「は、はい?」
20: 2015/11/25(水) 23:36:20.82 ID:LaNJ4Oq7K.net
りん「『ことり』ちゃんのおかあさんだから『おやどり』さん」
「そ、そう……親鳥ねぇ」
りん「チュンチュンチュンチュン、とりさんだね」
「なんか複雑」
りん「あれぇ? でも、こどもがいるならおねえさんじゃなくて、おばさ……」
「いいえ、お姉さんよ」
りん「えっ?」
「私はおばさんって呼ばれる年頃にはね、まだまだ先なのよ」
りん「そうなの?」
「そうよ。凛ちゃんが大きくなっても私は、イケてるお姉さんって呼ばれてるわ」
りん「イケてる……よくわかんないけど、すごいや」
「えっへん」
りん「じゃあ『おやどりのおねえさん』だね」
「そうね。おばさんじゃなくて、お姉さんねぇ」
「そ、そう……親鳥ねぇ」
りん「チュンチュンチュンチュン、とりさんだね」
「なんか複雑」
りん「あれぇ? でも、こどもがいるならおねえさんじゃなくて、おばさ……」
「いいえ、お姉さんよ」
りん「えっ?」
「私はおばさんって呼ばれる年頃にはね、まだまだ先なのよ」
りん「そうなの?」
「そうよ。凛ちゃんが大きくなっても私は、イケてるお姉さんって呼ばれてるわ」
りん「イケてる……よくわかんないけど、すごいや」
「えっへん」
りん「じゃあ『おやどりのおねえさん』だね」
「そうね。おばさんじゃなくて、お姉さんねぇ」
21: 2015/11/25(水) 23:38:08.83 ID:LaNJ4Oq7K.net
◇
?「あっ、ことりのおかあさま」
「あら海未ちゃん。こんにちは」
うみ「こんにちは」
「お出かけ?」
うみ「ほのかのおうちにあそびにいきます」
「ことりも遊びに行くって言ってたわね」
うみ「あの、ところでそのこは?」
「この娘は迷子……」
りん「りん! 『ほしぞら りん』だよ! ヨロシクね!!」
うみ「ご、ごていねいに……わたしは『そのだ うみ』です」
?「あっ、ことりのおかあさま」
「あら海未ちゃん。こんにちは」
うみ「こんにちは」
「お出かけ?」
うみ「ほのかのおうちにあそびにいきます」
「ことりも遊びに行くって言ってたわね」
うみ「あの、ところでそのこは?」
「この娘は迷子……」
りん「りん! 『ほしぞら りん』だよ! ヨロシクね!!」
うみ「ご、ごていねいに……わたしは『そのだ うみ』です」
22: 2015/11/25(水) 23:39:17.17 ID:LaNJ4Oq7K.net
りん「うみちゃん!」
うみ「はい、うみちゃんです!」
りん「きれいななまえだね」
うみ「『りん』というなまえも、きれいなひびきです」
りん「ありがとうにゃー」
うみ「『りん』というかんじは、どうかくのですか?」
りん「うーん、よくわかんないや。うみちゃんは?」
うみ「わたしはですね。かいすいよくをするところの『海』と、みらいの『未』で『うみ』です!」
りん「ほへー」
海→うみ
未→み
海+未=
りん「うみみちゃん!」
うみ「はい、うみちゃんです!」
りん「きれいななまえだね」
うみ「『りん』というなまえも、きれいなひびきです」
りん「ありがとうにゃー」
うみ「『りん』というかんじは、どうかくのですか?」
りん「うーん、よくわかんないや。うみちゃんは?」
うみ「わたしはですね。かいすいよくをするところの『海』と、みらいの『未』で『うみ』です!」
りん「ほへー」
海→うみ
未→み
海+未=
りん「うみみちゃん!」
23: 2015/11/25(水) 23:39:50.30 ID:LaNJ4Oq7K.net
うみ「『うみみ』じゃありません! 『うみ』ですぅー!」
りん「うみみちゃん、うみみちゃん」
うみ「ひどいですぅー」
りん「うみちゃん!」
うみ「ひどい……って、なんでですかぁー!?」
「あらあら、微笑ましいわね」
りん「じゃーねー、うみちゃん」
「ことりと穂乃果ちゃんにヨロシクね」
うみ「わかりました」
りん「うみみちゃん、うみみちゃん」
うみ「ひどいですぅー」
りん「うみちゃん!」
うみ「ひどい……って、なんでですかぁー!?」
「あらあら、微笑ましいわね」
りん「じゃーねー、うみちゃん」
「ことりと穂乃果ちゃんにヨロシクね」
うみ「わかりました」
24: 2015/11/25(水) 23:41:38.70 ID:LaNJ4Oq7K.net
りん「うみちゃんておもしろいね」
「あの娘はきっと、面白い娘になるわね」
りん「りんもきっと、またうみちゃんとあいそうなきがする」
「ねぇ、凛ちゃんはお友達いないの?」
りん「んーとね、かよちん!」
「か、かよちん?」
りん「うん。『かよちん』はねぇ、りんの『だいしんゆう』なんだよ!」
「大親友かぁ。それはとっても素敵ね」
りん「うらやましい?」
「えぇ、羨ましいわ」
ニャー
りん「あっ、ねこちゃんだ」
「あの娘はきっと、面白い娘になるわね」
りん「りんもきっと、またうみちゃんとあいそうなきがする」
「ねぇ、凛ちゃんはお友達いないの?」
りん「んーとね、かよちん!」
「か、かよちん?」
りん「うん。『かよちん』はねぇ、りんの『だいしんゆう』なんだよ!」
「大親友かぁ。それはとっても素敵ね」
りん「うらやましい?」
「えぇ、羨ましいわ」
ニャー
りん「あっ、ねこちゃんだ」
25: 2015/11/25(水) 23:42:48.19 ID:LaNJ4Oq7K.net
ニャー
りん「にゃー、にゃー」
「凛ちゃん。猫好きなの?」
りん「だぁいすき!」
「そういえば凛ちゃん。どことなく猫っぽいわね」
りん「そうかなぁ」
「そうよ。もしかして、猫飼ってる?」
りん「ううん。りんは『ねこアレルギー』だから、ねこはかえないの」
「あらぁ。それは大変ね」
りん「でも、いつかはかいたい!」
「そうね。そうなればいいわね」
りん「にゃー、にゃー」
「凛ちゃん。猫好きなの?」
りん「だぁいすき!」
「そういえば凛ちゃん。どことなく猫っぽいわね」
りん「そうかなぁ」
「そうよ。もしかして、猫飼ってる?」
りん「ううん。りんは『ねこアレルギー』だから、ねこはかえないの」
「あらぁ。それは大変ね」
りん「でも、いつかはかいたい!」
「そうね。そうなればいいわね」
26: 2015/11/25(水) 23:43:37.54 ID:LaNJ4Oq7K.net
◆
りん「あっ、あそこがりんのおうちだよ」
「そうなの?」
りん「わーい。いっくにゃー」
ドテッ
「大丈夫!?」
りん「いったぁー」
「怪我はない!?」
りん「えへへ、だいじょぶ」
「よかったわ」
りん「りん。これくらいではなかないよ!」
「強いのね」
りん「でも、さっきはないちゃったけどね。てへっ」
りん「あっ、あそこがりんのおうちだよ」
「そうなの?」
りん「わーい。いっくにゃー」
ドテッ
「大丈夫!?」
りん「いったぁー」
「怪我はない!?」
りん「えへへ、だいじょぶ」
「よかったわ」
りん「りん。これくらいではなかないよ!」
「強いのね」
りん「でも、さっきはないちゃったけどね。てへっ」
27: 2015/11/25(水) 23:44:14.50 ID:LaNJ4Oq7K.net
「じゃあ、インターホン押すわね」
ピーンポーン♪
『はーい』
りん「おかあさーん。りんだよぉ」
『凛? ちょっと待っててね』
ガチャ
ママ「おかえ……」
りん「おかあさーん!」
ダキッ
ママ「えっ」
りん「おかあさん、おかあさーん」
ママ「ど、どうしたの?」
「あらあら。お母さんに会えたのがよっぽど嬉しかったのね……って当然か」
ピーンポーン♪
『はーい』
りん「おかあさーん。りんだよぉ」
『凛? ちょっと待っててね』
ガチャ
ママ「おかえ……」
りん「おかあさーん!」
ダキッ
ママ「えっ」
りん「おかあさん、おかあさーん」
ママ「ど、どうしたの?」
「あらあら。お母さんに会えたのがよっぽど嬉しかったのね……って当然か」
28: 2015/11/25(水) 23:45:09.74 ID:LaNJ4Oq7K.net
ママ「あの、どちら様ですか?」
りん「おかあさん、あのね。りんね……まいごにね、なっちゃったの」
ママ「そうなの? どうりで遅いと思ったわ」
りん「でもね。このおねえさんにたすけてもらったんだよ!」
ママ「そうなんですか?」
「えぇ、まあ」
ママ「それはそれは、娘がご迷惑をおかけしました」
「いえ、迷惑だなんて」
ママ「あの、この娘、泣いて貴女に迷惑かけたりしませんでしたか?」
りん「おかあさん、あのね。りんね……まいごにね、なっちゃったの」
ママ「そうなの? どうりで遅いと思ったわ」
りん「でもね。このおねえさんにたすけてもらったんだよ!」
ママ「そうなんですか?」
「えぇ、まあ」
ママ「それはそれは、娘がご迷惑をおかけしました」
「いえ、迷惑だなんて」
ママ「あの、この娘、泣いて貴女に迷惑かけたりしませんでしたか?」
29: 2015/11/25(水) 23:45:46.77 ID:LaNJ4Oq7K.net
「いいえ。泣いていませんでしたよ」
りん「えっ」
「凛ちゃんはとっても強い娘だから、そう簡単には泣かないわよね」
りん「う、うぅ……」
「ねっ」
りん「……うん!」
「はい。いい笑顔です」
ママ「あの、何か御礼を……」
「あっ、いえ。そういうのはちょっと」
ママ「そうですか」
「それでは私はこれで」
りん「えっ」
「凛ちゃんはとっても強い娘だから、そう簡単には泣かないわよね」
りん「う、うぅ……」
「ねっ」
りん「……うん!」
「はい。いい笑顔です」
ママ「あの、何か御礼を……」
「あっ、いえ。そういうのはちょっと」
ママ「そうですか」
「それでは私はこれで」
30: 2015/11/25(水) 23:47:13.43 ID:LaNJ4Oq7K.net
ママ「何から何まで、ありがとうございます」
りん「ありがとうございます!」
「はい。じゃあね、凛ちゃん。バイバーイ」
りん「またあおうね……おやどりのおねえさーん」
「はーい」
りん「きっと……きっとだよ!」
凛「てなコトがあったんだよ」
花陽「イイハナシダナァ」
真姫「ホントニネェ」
りん「ありがとうございます!」
「はい。じゃあね、凛ちゃん。バイバーイ」
りん「またあおうね……おやどりのおねえさーん」
「はーい」
りん「きっと……きっとだよ!」
凛「てなコトがあったんだよ」
花陽「イイハナシダナァ」
真姫「ホントニネェ」
32: 2015/11/25(水) 23:48:29.07 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「うーんでも、あれっきり『おやどりのおねえさん』とは会ってないなぁ。忙しいのかな?」
真姫「ねぇ花陽。凛が会った親鳥さんって」ボソボソ
花陽「間違いなく、あの人だよね」ボソボソ
真姫「しかも『うみみちゃん』のオマケつき」ボソボソ
花陽「凛ちゃん。気付いてないのかなぁ」ボソボソ
凛「元気にしてるのかなぁ」
花陽「あのね、凛ちゃ」
「あら皆さん、お揃いでお帰りですか?」
凛「あっ、理事長」
真姫「ねぇ花陽。凛が会った親鳥さんって」ボソボソ
花陽「間違いなく、あの人だよね」ボソボソ
真姫「しかも『うみみちゃん』のオマケつき」ボソボソ
花陽「凛ちゃん。気付いてないのかなぁ」ボソボソ
凛「元気にしてるのかなぁ」
花陽「あのね、凛ちゃ」
「あら皆さん、お揃いでお帰りですか?」
凛「あっ、理事長」
33: 2015/11/25(水) 23:49:22.11 ID:LaNJ4Oq7K.net
理事長「こんなところで会うなんて、奇遇ですね」
凛「理事長は何やってるんですか?」
理事長「ちょっと買い出しにね」
花陽「学校の方はいいんですか?」
理事長「大丈夫よ。それより、貴女達は何処へ?」
真姫「これから三人でラーメン屋へ」
凛「いいことしたので、それの祝杯にゃ」
理事長「あら、いいことって何かしら?」
凛「理事長は何やってるんですか?」
理事長「ちょっと買い出しにね」
花陽「学校の方はいいんですか?」
理事長「大丈夫よ。それより、貴女達は何処へ?」
真姫「これから三人でラーメン屋へ」
凛「いいことしたので、それの祝杯にゃ」
理事長「あら、いいことって何かしら?」
34: 2015/11/25(水) 23:50:01.85 ID:LaNJ4Oq7K.net
花陽「ま、迷子の女の子を送り届けただけです」
理事長「まぁ。それは素晴らしいわ」
凛「困ってる人を助けるのは当然です」
理事長「でも、よく送り届けれたわね」
真姫「その女の子、お母さんから迷子札を持たされていたので」
凛「それを頼りに送り届けました」
理事長「そう、迷子札ね……ふふっ」
花陽「理事長?」
理事長「あっ、いえね。以前、私も同じようなことをしたことがあるのよ」
凛「へー、理事長が」
理事長「まぁ。それは素晴らしいわ」
凛「困ってる人を助けるのは当然です」
理事長「でも、よく送り届けれたわね」
真姫「その女の子、お母さんから迷子札を持たされていたので」
凛「それを頼りに送り届けました」
理事長「そう、迷子札ね……ふふっ」
花陽「理事長?」
理事長「あっ、いえね。以前、私も同じようなことをしたことがあるのよ」
凛「へー、理事長が」
35: 2015/11/25(水) 23:51:30.42 ID:LaNJ4Oq7K.net
理事長「私が助けた女の子も、お母さんから迷子札を持たされていてね。家まで送り届けたわ」
凛「シチュエーションもなんか凛達と似てますね」
理事長「そうね。それにその女の子、星空さんみたいな猫っぽい感じだったわ」
凛「すごいにゃ、すごいにゃ」
花陽(どう見ても……)
真姫(間違いないわよねぇ)
理事長「どんなことがあっても泣かない強い娘だったわ」
凛「凛も強いよ!」
理事長「しかも私はその女の子になんて呼ばれてたと思う?」
凛「なんですか?」
理事長「それはね……」
理事長「おやどりのおねえさん」
凛「シチュエーションもなんか凛達と似てますね」
理事長「そうね。それにその女の子、星空さんみたいな猫っぽい感じだったわ」
凛「すごいにゃ、すごいにゃ」
花陽(どう見ても……)
真姫(間違いないわよねぇ)
理事長「どんなことがあっても泣かない強い娘だったわ」
凛「凛も強いよ!」
理事長「しかも私はその女の子になんて呼ばれてたと思う?」
凛「なんですか?」
理事長「それはね……」
理事長「おやどりのおねえさん」
36: 2015/11/25(水) 23:53:22.41 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「えっ」
花陽(やっぱり)
理事長「ことりのお母さんだから親鳥……かわいいセンスがあると思わない?」
凛「う、うん」
理事長「それにその時の女の子、ことりの一つ下だから、貴女達と同じ年頃ね」
真姫(そりゃそうでしょうよ)
理事長「あと、変に期待してるワケじゃないけど、その女の子が『また会おうね』って言ったの……今も楽しみに待ってるわ」
凛「!」
理事長「まぁもしかしたら、もう会ってるかもしれないけどね」
花陽(やっぱり)
理事長「ことりのお母さんだから親鳥……かわいいセンスがあると思わない?」
凛「う、うん」
理事長「それにその時の女の子、ことりの一つ下だから、貴女達と同じ年頃ね」
真姫(そりゃそうでしょうよ)
理事長「あと、変に期待してるワケじゃないけど、その女の子が『また会おうね』って言ったの……今も楽しみに待ってるわ」
凛「!」
理事長「まぁもしかしたら、もう会ってるかもしれないけどね」
37: 2015/11/25(水) 23:56:24.71 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「……」プルプル
理事長「あの迷子の仔猫ちゃん。今はどうしてるかしらね」
凛「……グスッ」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「あの理事長、その女の子なら……」
凛「はい。きっと元気にしてると思います」
花陽「凛ちゃん!」
真姫「凛!」
凛「もしも、もしも……上手くは言えないと思うけど、その女の子が会いに来たらこう言うかもしれません……」
凛「『おやどりのおねえさん、久しぶりだね』って」
凛「あくまで憶測ですけどね。あ、あはははは」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「凛……」
理事長「えぇ、そうだといいわね。きっと、いつまでも待ってるから……ねっ」
凛「はい!」
花陽「イイハナシデスゥ」
真姫「スピリチュアルネェ」
理事長「あの迷子の仔猫ちゃん。今はどうしてるかしらね」
凛「……グスッ」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「あの理事長、その女の子なら……」
凛「はい。きっと元気にしてると思います」
花陽「凛ちゃん!」
真姫「凛!」
凛「もしも、もしも……上手くは言えないと思うけど、その女の子が会いに来たらこう言うかもしれません……」
凛「『おやどりのおねえさん、久しぶりだね』って」
凛「あくまで憶測ですけどね。あ、あはははは」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「凛……」
理事長「えぇ、そうだといいわね。きっと、いつまでも待ってるから……ねっ」
凛「はい!」
花陽「イイハナシデスゥ」
真姫「スピリチュアルネェ」
38: 2015/11/25(水) 23:59:46.55 ID:LaNJ4Oq7K.net
凛「さっ、二人とも。ラーメン食べに行くにゃ! もう凛はお腹が空いて仕方がないにゃ!」
花陽「お、押さないでぇー」
真姫「ちょっとお!」
凛「理事長。さようなら」
理事長「はい。また明日、元気に登校して来てね」
凛「はーい」
花陽「ねぇ凛ちゃん。よかったの?」
凛「何が?」
真姫「さっきのことよ。なんなら明日に」
凛「いいのいいの、なーんにも問題なしにゃー」
もう凛は迷子にはならないにゃ
だからいつか必ず--
真っすぐ、貴女に会いに行きますからね
おしまい
花陽「お、押さないでぇー」
真姫「ちょっとお!」
凛「理事長。さようなら」
理事長「はい。また明日、元気に登校して来てね」
凛「はーい」
花陽「ねぇ凛ちゃん。よかったの?」
凛「何が?」
真姫「さっきのことよ。なんなら明日に」
凛「いいのいいの、なーんにも問題なしにゃー」
もう凛は迷子にはならないにゃ
だからいつか必ず--
真っすぐ、貴女に会いに行きますからね
おしまい
39: 2015/11/26(木) 00:03:30.51 ID:cW4noWWJ0.net
いいね
40: 2015/11/26(木) 00:06:36.83 ID:tdXJAEZj0.net
感動した
引用元: 凛「理事長と迷い猫」
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