梢「コメントもこんなにたくさん、ありがとうございます」

花帆「えー、どれどれ？……ふんふんふんふん」

花帆「ホワイトボード、ちっちゃいホワイトボード……ってみんなが！あははっ！」

花帆「そう、あのねっ！今日は梢センパイのお部屋で配信してるんだけど」

花帆「わざわざちっちゃいホワイトボード買ってきて用意してたんだよ？あははっ！」

梢「そうね……やっぱり配信における私のイラスト、というものは一つの彩りでしょう？」

花帆「たしかにたしかに！……ふふっ」

梢「それが自室での配信だから、という理由で欠けてしまうというのは……その、皆さんに申し訳ないと思って、ね」

花帆「そう、そうだよ！みんなの為に用意してくれたんだからねっ？」

花帆「もちろんみんなはこの絵が何かって、わかるよね？ねっ？」

梢「それはもう……当然ですよね？」

花帆「ふんふんふん……お月さま、月、お団子、まぁここら辺はわかるよね」

花帆「あとは……クワガタ、刺股？……スパゲッティ！？」

梢「これは……」

花帆「違う違う！違うんですよ！多分みんなふざけてコメントしてるだけなんですよ！」ｱｾｱｾ

梢「そうなの……？」

花帆「ねー？みんなそうだよね？こっちの左のが梢センパイで」

花帆「その隣のがあたしだよっ！ね？……ほらほら！みんなも分かるって！」

梢「そう、良かった……」ﾆｺｯ

梢「９月も半ばとなりましたので、中秋の名月……には今年はまだ少し早いのだけれども」

梢「それに因んで大きなお月様、とそれを見上げる私と花帆さん……それとお団子をね、描かせていただきました」

花帆「わぁー！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

花帆「みんなどう？どう？上手だよね！あははっ！」

花帆「ふんふんふんふん……みんな月が綺麗ですねって！」

梢「花帆さん……その、もう一度言ってもらえる？」

花帆「えっ？あ、はいっ！月が綺麗ですねっ！」

梢「……氏んでもいいわ」ﾆｺｯ

花帆「きゃっ///この前教えてもらったやつですよねっ？……ちょっとドキドキしちゃった///」

花帆「こほん！///……結構脱線しちゃったけど、今日は雑談配信だよっ！」

花帆「っていうか今日の梢センパイ、なんかこう……近いですね？」

梢「その……今日はカメラを近くに置いているでしょう？」

梢「だから画角に収まる為に……ね？」ﾋﾟﾄｯ

花帆「あっ、なるほど！みんなも近い方がきっと嬉しいですもんね！」ﾋﾟﾄｯ

花帆「ってそうだそうだ！また脱線しちゃった！えへへっ、雑談ですよ！雑談！」

梢「そうね……最近の私たちの間に起きた出来事について話していく、というのはどうかしら？」

花帆「あっ！良いですね！近況報告、みたいな！」

梢「それではまず私から……」ｺﾎﾝ

花帆「はーい！」ﾆｺｯ

梢「この前ようやく懐いてくれた猫さんがいる、ってお話をしたでしょう？」

花帆「あぁ、はい！言ってましたね！」

梢「花帆さんにその話をしていた時に、私があまりにも嬉しそうに長々と話してしまったからかしら」

花帆「あっ！それってまさか……！///」

梢「最初は笑顔で聞いてくれていた花帆さんが、だんだん唇を尖らせてしまって」

梢「ふふっ……あれはヤキモチだったのかしらね、ふふふっ」

花帆「もう……！梢センパイ！///それバラさないで下さいよ……！///」

梢「ごめんなさい……ふふっ、あまりにも可愛らしくてつい、ね」

梢「低い声色で『にゃあ』なんて鳴いて、上目遣いで見つめてくるものだから」

梢「機嫌が直るまでしばらく頭を撫でていたのよね、ふふふっ」

花帆「にゃあー……」ﾑｽｰｯ

梢「ふふっ、そう……丁度こんな様子だったわね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

花帆「にゃー！もう！……次！次の話行きますよ！」

梢「ええ、そうね、そうしましょう」ﾆｺﾆｺ

花帆「じゃあ次あたしですねっ！えーっと、そうだなぁ……」

梢「ほら……この前のお部屋での……」ﾎﾞｿｯ

花帆「えっ？……あー！はい！お泊りの！」

花帆「あのねっ！みんな聞いて聞いてっ！この前、梢センパイをあたしのお部屋に呼んでねっ！」

花帆「パジャマパーティしたんだよ！えっ、羨ましい？えへへっ、良いでしょ良いでしょ！」

梢「ふふっ、あのときは楽しかったわね」

花帆「はい！またやりましょうねっ！」ﾆｺｯ

花帆「ふんふんふん……何したの？何やったの？えーっとねぇ……」

花帆「梢センパイに用意してもらったお茶とお茶菓子食べたでしょー？あっ、とっても美味しかったんだよっ！」

花帆「あとは色々お喋りもしてー……オススメのスクールアイドルの動画とか見せてもらってー……」

花帆「あっ！あと映画も見ましたよねっ！」

梢「そうね……でも花帆さん、最後の方には……」

花帆「えっ……？あっ！そう言えば……！」

梢「そう、時間が遅かったのもあって寝てしまったのよね」ｸｽｯ

花帆「この流れ、なんか嫌な予感が……」

梢「皆さんにも詳しくご説明すると……」

梢「隣に座って映画を見ていたんですけど、いつの間にか花帆さんが私にもたれ掛かってきて」

梢「静かに寝息を立てていたので、映画を止めてしばらく眺めていたんです」

花帆「うぅ……///」

梢「そうしたら花帆さんが寝言で、『梢センパイ』って呼んでくれて……ふふっ」

花帆「あっ！ほら！やっぱりあたしの恥ずかしい話だ！///」

梢「恥ずかしいことなんて無いわ、花帆さんの可愛らしいお話を皆さんにも聞いてもらおうと――」

花帆「それはもう大丈夫ですからっ！///」

梢「ふふっ、そうね……そろそろいい時間かしら？」

花帆「もう！……雑談配信のはずだったのに、あたしの暴露配信みたいになっちゃったじゃないですか！///」

花帆「……それじゃあそろそろ終わりにしましょうか///」

梢「ええ、そうしましょうか」ｸｽｯ

花帆「みんな今日の配信はどうだったかな？……ふんふん、ふんふんふん」

花帆「……楽しかった、一日の癒し、ありがとー！」

梢「ありがとうございます」

花帆「……もっと二人の話聞きたかった、また雑談配信するからねっ！」

梢「ええ、そうしましょう」ﾆｺｯ

花帆「それじゃあ今日の配信はこの辺でー！」

花帆「スリーズブーケの、日野下花帆と」

梢「乙宗梢がお送り致しました」ﾍﾟｺﾘ

花帆「みんなっ！次の配信まで、またねー！」ﾌﾘﾌﾘ

梢「ごきげんよう」ﾌﾘﾌﾘ

花帆「あっ！そうそう！この後、With×MEETS AFTER配信もやるからね！」

花帆「時間のある人は、是非見に来てくれると嬉しいなっ！」

梢「よろしければ、見に来て下さい」ﾆｺｯ

花帆「それじゃあ、ばいばーい！……ぽちっ！」


ご視聴ありがとうございました
With×MEETS AFTER開演まで
しばらくお待ちください

――――
――


花帆「ふぅー、一旦お疲れ様です！」

梢「ええ、お疲れ様」ﾆｺｯ

梢「はい、お水どうぞ」ｽｯ

花帆「ありがとうございますっ！」

花帆「……なんか今日の梢センパイ、いつもと雰囲気違いませんでした？」ｺﾞｸｯ

梢「そ、そうかしら……？」

花帆「いつもより妙にテンションが高いというか……あ、もちろんテンションが高いのは良いことなんですけどね？」

花帆「あとはカメラの画角とか抜きにしても、距離感がいつもよりグッと近かったというか……」

花帆「あ、これも別にイヤとかじゃないんですけどね？」

梢「…………」

梢「その、他のユニットの配信を見ていて思ったのだけれども……」

梢「どちらも２年生である綴理と慈が、１年生相手に気さくに接していて」

梢「終始和やか……というか、和気藹々としているじゃない？」

花帆「たしかに？言われてみれば？」ｷｮﾄﾝ

梢「それに比べると配信での私は、まだ少し“堅い”のかと思って……」

花帆「それでさっきあんなに……何て言うんだろ、仲良しアピール？みたいなのしてたってことですか？」

梢「言い方に語弊がある気がするのだけれど///……まぁ、概ねその通りね///」

花帆「えっ、カワイイ……♡」ﾄﾞｷｯ

梢「なっ！///……私は別に可愛くなんて――」

花帆「いやいやいや、これをカワイイと言わずして何をカワイイって言うんですか！」

花帆「梢センパイのこういうところを、もっとみんなにも知ってもらいたいような……」

花帆「独り占めしたいような、複雑な気持ち……」ﾑﾑﾑ

梢「そんなもの独り占めしてくれていて構わないから……///」ｶｧｧ

花帆「あたしはそんなに気にしなくても良いんじゃないかなって思うんですけどね」

花帆「梢センパイは配信を見てくれてるみんなにも……何て言うのかな」

花帆「真面目？……誠実って感じだから、堅く見えちゃうってだけで」

花帆「みんなはそんな梢センパイの良いところを、ちゃんとわかった上で見てくれてると思いますよ！」

梢「花帆さん……」ｼﾞｰﾝ

花帆「それはそれとして！仲良しアピール大作戦は楽しそうなのでやりましょう！」

梢「珍妙な名前を付けないでほしいのだけれど……///」

花帆「まぁまぁ、任せておいて下さい！」

花帆「あたしと梢センパイがどれだけ仲良しさんか、みんなにたくさん見てもらいましょう！」

花帆「そろそろ始まりますよっ！」ﾆｺｯ

梢「本当に大丈夫かしら……///」

――――
――


花帆「みんなー！ただいま！」

梢「ただいま戻りました」ﾆｺｯ

花帆「With×MEETS AFTERへ、ようこそー！」

梢「うーん……皆さん、おかえり、おかえりなさい、……と、ふふっ、ありがとうございます」

花帆「ありがとう！ただいまっ！」

花帆「ふんふんふん……手が、手繋いでる、ってコメントが！」

梢「…………///」

花帆「ふっふっふ……気づいちゃった？えへへっ！AFTERは手を繋ぎながらスタートしました！」ｷﾞｭｯ

花帆「どうして？何かあったの？って……聞かれてますよ梢センパイ！」

梢「そっ、それは……///」

花帆「んー……内緒みたいっ！えへへっ！それじゃあせっかくだし、このままスクショタイムいくよー！」

梢「手はこの辺りが良いかしら……？」

花帆「そうですねっ！この辺で！」ｷﾞｭｯ

花帆「みんな今だよっ！パシャパシャ～！」

梢「どうでしょう、上手く撮れたでしょうか……？」

花帆「今日のスクショは、あたしたちも見返したいから」

花帆「SNSで感想と一緒にアップしてくれると嬉しいな！えへへっ、よろしくね！」ﾆｺｯ

梢「なるほどね……」ﾎﾞｿｯ

花帆「あっ！違うポーズも見たい、って！」

梢「そうね……どうしましょうか」

花帆「……えいっ！」ｷﾞｭｯ

梢「かっ、花帆さん！？///」

花帆「えへへっ、ハグしちゃった♡」ｷﾞｭｩｯ

梢「その、気恥ずかしいのだけれど……///」ｷﾞｭｯ

花帆「ほら！みんなっ！早くスクショだよ！」

梢「……もう良いかしら///」

花帆「ふんふん……撮れた、バッチリって！」

花帆「あははっ！楽しかったー！」ﾊﾞｯ

梢「そうね、たまにならこういうのも悪くないわね」ｸｽｯ

花帆「はいっ！またやりましょうね！えへへっ！」

梢「……◯◯さん、今日はいつにも増して、仲が良さそうで微笑ましかった」

梢「……！ありがとうございます、楽しんで頂けたのなら幸いです」ﾆｺｯ

花帆「えーっと、◯◯さん、確かに今日ははっちゃけて見えた、ふふっ、本当？」

花帆「何か良いことでもあったの？って……うーん、やっぱり話しちゃおっか！」

花帆「それはね、さっき梢センパイが――」

梢「ちょっ、花帆さん！？それはっ……！」ﾊﾞｯ

花帆「きゃっ！？力ずくはズルいです……って、わわっ！」ﾄﾞｻｯ

梢「ご、ごめんなさい……！怪我はしていないかしら？」ｵﾛｵﾛ

花帆「下がクッションなので……それは大丈夫なんですけど///」

梢「花帆さん……？」ｷｮﾄﾝ

花帆「……流石に恥ずかしいので、降りてもらって良いですか？///」

梢「そっ、そうよねっ！……いつまでも覆い被さったままだったわね///」ﾊﾞｯ

花帆「もう……梢センパイは力が強いんですから、気をつけて下さいねっ///」

花帆「ってゴメンゴメン！コメント見れてなかったね……ふんふんふん」

花帆「……バッチリ撮れたよ、スクショ完了、ってみんな！今のはダメだよ！？///」

梢「…………///」

花帆「梢センパイもニコニコしてないで、何か言って下さいよっ！///」

梢「そうね……皆さん程々に///」ﾆｺﾆｺ

花帆「なんか凄い嬉しそうだし……！」

花帆「もう……そろそろ終わり！終わりね！」

梢「本日もご視聴いただき、ありがとうございました」ﾌﾘﾌﾘ

花帆「みんなさっきのスクショはSNSにアップしちゃダメだからねっ！約束だよっ？」

花帆「じゃあまたねっ！……ぽちっ！」


本日の配信は終了いたしました
ご視聴ありがとうございました


おわり

続きはベッドでかしら

ちゅってしろ