117: 2011/12/09(金) 01:14:16.44 ID:8ULx1qFk0


3 ゆっこ(高校卒業から、もう1年以上たったんだなあ……)

…………………………………………………………


ゆっこ「ふう……」ジャー トントン

ゆっこ(大学受験に見事失敗、かといって就職先も無い……)グツグツ

ゆっこ(お母さんに殺されかけた私を、助手兼家政婦として雇ってくれたのが東雲研究所)

ゆっこ(はかせとなのちゃんには足を向けて眠れない……でも)キュッキュッ

ゆっこ「このままでいいのかなあ……」ボケー

ガチャッ ガララララ

ゆっこ「……お?」

なの「ただいまー……あ、良い匂い」

ゆっこ「あ、なのちゃんおかえりー、ご飯もうすぐ出来るよ」
日常(11) (角川コミックス・エース)
119: 2011/12/09(金) 01:16:44.01 ID:8ULx1qFk0

なの「はい! ……はかせは?」

ゆっこ「研究室にこもってる……まだ実験があるとかで」

なの「そうですか……呼んできますか?」

ゆっこ「いや、いいよ……後で私が届けに行くから」

なの「そうですか? じゃあ、私と相生さんだけで食べちゃいましょうか」

ゆっこ「うん」

………………………

なの「…………」モグモグ

ゆっこ「……なのちゃん、学校の方はどう?」モグモグ

なの「へ? ああ、楽しいですよ」

なの「講義も面白いし、友達もたくさん出来ました」

ゆっこ「そう……そりゃ良かった」

120: 2011/12/09(金) 01:18:24.24 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」ジー

なの「? どうかしましたか?」

ゆっこ「いや、なのちゃん雰囲気変わったな、って……」

なの「……そうですか?」

ゆっこ「うん……なんか大人っぽくなったっていうか」

なの「外見ははかせに修正してもらいましたし……あ」

なの「ねじ付けてませんから……それじゃないですか?」

ゆっこ「……やっぱりそうかな」

ゆっこ「なんで取っちゃったの?……結構、可愛いと思ってたけど」

なの「……やめてくださいよ、相生さんまでそんな……」

なの「ちょっとは愛着があったけど、取ってもらって正解でしたよ」

なの「あの頃は不便だったなー……もう考えられないです」

ゆっこ「………うん、そうだね、ごめん」

121: 2011/12/09(金) 01:20:00.85 ID:8ULx1qFk0

…………………………………

ゆっこ「……はかせ」

はかせ「んー? なに?」ガチャガチャ

ゆっこ「夕飯、持ってきたけど」

はかせ「あー、そこ置いといて。 あとで食べるから」ガチャガチャ

ゆっこ「うん……あ、あのさ?」

はかせ「んー?」ガチャガチャ

ゆっこ「あんまり……ムリしないでね?」

はかせ「……そんな事いってもなー」ガチャン

はかせ「なのの学費まで稼ぐには、もうちょっと頑張らなきゃなんだけど……」

はかせ「今までみたいには行かないよー、色々入用だしね」

ゆっこ「そ、そっか……でも、体は壊さないようにね」

はかせ「ん、ありがと……じゃね」ガチャガチャ

ゆっこ「うん……」

ゆっこ(……大変なんだな、子供を大学行かせるのって)

122: 2011/12/09(金) 01:21:20.58 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「はあ……」タタミタタミ

ゆっこ(この洗濯物が終わったら、寝るか……)

ゆっこ「…………」タタミタタミ

ゆっこ(……勉強、したほうがいいのかな)

ゆっこ(でも、何のために?……私、何がしたいんだっけ……)

ゆっこ「…………」タタミタタミ

………………………………………

ガチャッ

ゆっこ「あ……なのちゃん?」

なの「? ……どうしたんですか?」

ゆっこ「あ、勉強中? ……ごめんね」

なの「いえ、別にいいですよ……相生さん?」

なの「……なんか、顔色悪いですよ最近……疲れてるんじゃないですか?」

ゆっこ「そ、そうかな……」

123: 2011/12/09(金) 01:23:57.97 ID:8ULx1qFk0

なの「んー……そうだ」ポム

なの「ちょっと休みとったらどうですか? ほら、明日祝日ですし」

ゆっこ「休み? い、いいよ別に……そんな、大したことしてないし」

なの「いえ、家事だって大変ですよ? 無理しないで、しっかり休むことも大事です」

ゆっこ「そうかな……」

なの「そうですよ! ……じゃあ、はかせに話しておきますね」

ゆっこ「うん……」

…………………………………

はかせ「じゃあ、大学行ってくるねー」

ゆっこ「はい、いってらっしゃい」

ゆっこ(はかせが講義かあ……想像つかないや)

なの「じゃあ、私もそろそろ行ってきますね」

ゆっこ「え?なのちゃんも?……今日祝日じゃ……」

なの「あー……サークルの活動で」

ゆっこ「そ、そっか……いってらっしゃい」

124: 2011/12/09(金) 01:25:19.59 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」

ゆっこ「みんな居なくなっちゃった……」

ゆっこ「………あ、メールだ……みおちゃんから」

ゆっこ「うわー……またノロケかいな」

ゆっこ「あーもう無視しちゃお……ったく、笹原先輩はどうしたんだっての」ポイス

ゆっこ「あー……暇だなあ」

ゆっこ「散歩でも行ってくるか……」

125: 2011/12/09(金) 01:27:17.78 ID:8ULx1qFk0

公園


ゆっこ「…………」ピュールルルー♪

ゆっこ「……はあ」

ゆっこ「なーんもやることがない……」

ゆっこ「鳩に餌でもやるか……」ポイッ


クルルッ ポッポッ ボーッ クック


ゆっこ「…………」ポイポイ


クルルル バサバサバサバサッ


ゆっこ「…………」

127: 2011/12/09(金) 01:28:52.59 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ(あー……)

ゆっこ(なんか……あれだな……)

ゆっこ(どうなりたいとか、そういうのは昔からなかったけど)

ゆっこ(それでも……こうはなりたくない、って状態に……)


ゆっこ(今……なっちゃってるなあ……)


ゆっこ「…………」

ゆっこ「……はあ」

ゆっこ「私……なんのためにここまでやって来たんだろ」

128: 2011/12/09(金) 01:30:02.27 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ(……学校とか……何学んだっけ?)

ゆっこ(英語なんて話せないし……部活もやってないし)

ゆっこ(そういえば、私って全然趣味ないし……)

ゆっこ(……結果とか、なんにも残してないし)

ゆっこ(唯一できた友達も……みんな忙しいし)

ゆっこ(あれ……? なんだろこれ……)

ゆっこ(……何やってきたんだ私?)

ゆっこ「……あー、だめだだめだ、こんな暗くなってちゃ……」

ゆっこ「……ん? おお、雑誌だ」

ゆっこ「最近全然読んでないなー……どれどれ」

129: 2011/12/09(金) 01:31:52.17 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」ペラッ

ゆっこ(うわ……最近の流行ってこういうのなの? わかんないなあ……)ペラッ

ゆっこ(……え? あの遊園地って潰れたんだ……やばっ、ちょっと涙でそう)ペラッ

ゆっこ(? ……総理が……なんかしたんだ、へー……)ペラッ

ゆっこ(……心霊相談の……ああ、あの寺か……)ペラッ

ゆっこ(……時の人、かあ……ん?)


ゆっこ「あれ?……これどっかでみたことあるな」

131: 2011/12/09(金) 01:33:49.90 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……お笑い芸人……」

ゆっこ「あ、やっぱりうちの学校出身だ!」

ゆっこ「でも……誰だっけこれ? 思い出せないなあ……」

ゆっこ「えーっと……なになに?」

ゆっこ「あえてつっこみを工夫せず、『えー!?』だけで勝負する姿勢が逆にバカうけ……」

ゆっこ「リボンをうさぎの耳に見立てる一発芸も可愛いと評判……」

ゆっこ「相方の計算されつくしたボケも味があって最高!……」

ゆっこ「アンナカノジョー……」

132: 2011/12/09(金) 01:35:46.22 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……あー!!」

ゆっこ「これ……安中さんと中之条じゃん!」

ゆっこ「うわあ……モヒカンでも坊主でもないから全然わかんなかった……」

ゆっこ「…………」

ゆっこ「お笑い、かあ……」

ゆっこ(……そういえば、ツッコミに青春をかけてた時期もあったっけ)

ゆっこ(楽しかったなあ……最近ツッコんでないな)

ゆっこ(まあ、もしそっちの道に進んでても、この二人みたいには行かないだろうけど)

ゆっこ(……そもそも、私ってなんでそんなキャラになったんだ?)

ゆっこ「…………」

ゆっこ「……ああ」


ゆっこ「麻衣ちゃんが、いつもボケてきたから……」

136: 2011/12/09(金) 01:38:25.52 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」

ゆっこ(……なんだろ)


ゆっこ(すっごく、麻衣ちゃんに会いたい……)


ゆっこ(昔みたいに、麻衣ちゃんがボケて、私がツッコんで……)

ゆっこ(そう、できたら……できたら……!)

ゆっこ「……っ!」ガサガサ

ゆっこ「あー、携帯わすれた……」

ゆっこ「……そういえば、麻衣ちゃんの大学ってこの辺だったような……」

ゆっこ「……久々に走るか!」


ダッ!

139: 2011/12/09(金) 01:40:39.52 ID:8ULx1qFk0

タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ…

ゆっこ「はあっ、はあっ……」

ゆっこ(よく……考えたら……)

ゆっこ(そんなに……近くないような……)

ゆっこ(っていうか……電車使ったほうがいいような……)

ゆっこ(そもそも……下宿じゃん……)

ゆっこ「そら遠いわ!……はあっ、はあっ……」

ゆっこ「あーっ! なんか良いなあ、こういうの!」


通行人「ひっ……」ビクビク

141: 2011/12/09(金) 01:42:04.16 ID:8ULx1qFk0

麻衣の大学


ゆっこ「はあっ……はあっ……」ヘロヘロ

ゆっこ「やっとついた……」ヘタッ

警備員「…………」ジロッ

ゆっこ「ひっ!……ちょ、ちょっと用事があるなあ……なんつって……」ソロソロ

ゆっこ「…………」

ゆっこ(……入れた……)

142: 2011/12/09(金) 01:43:30.69 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」スタスタ


ワイワイ キャイキャイ


ゆっこ(へえ……大学ってこうなってるんだ……)キョロキョロ

ゆっこ(私浮いてるかな……なんか思ったより人多いし)

ゆっこ(や、やっぱり、講義とかってよくわからないシステムだったりするのかな?)

ゆっこ(怖い……大学怖いよ……)グスッ

ゆっこ(……そ、そうだ……麻衣ちゃんを探さなきゃ)キョロキョロ

ゆっこ(どこらへんに居るのかな? ……ちょうどお昼時だし、学食とか?)

143: 2011/12/09(金) 01:44:53.22 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「…………」

ゆっこ(……でも、学食ってどこにあるの?)

ゆっこ(そもそも、学食ってあるのか……?)

ゆっこ(大学だし、なんかこう……すごいものがあるんじゃないの?)

ゆっこ(……どうなんだろう……)

ゆっこ「…………」

ゆっこ(もうやだ……)

ゆっこ(! ……あの中庭的なところで一休みしつつ考えよう)

145: 2011/12/09(金) 01:48:04.56 ID:8ULx1qFk0

中庭的な所


ゆっこ(ふう……ここは人も少ないし、落ち着くなあ……)

ゆっこ(最近の、なんていうの? リア充? ……ああいう人たち怖いんだもん……)

ゆっこ(……大学、行かなくて正解だったかもしれない……)

ゆっこ「……ん? あれ……」ダッ


タッ タッ タッ タッ タッ


ゆっこ「ね、ねえ!」

麻衣「………?」

ゆっこ「……麻衣ちゃん?」

麻衣「……ゆっこ?」

146: 2011/12/09(金) 01:49:56.99 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「え、えっと……きちゃった」テヘッ

麻衣「…………」

ゆっこ(……何やってんだ私……)

ゆっこ「あー……麻衣ちゃん、それ何食べてんの?」

ゆっこ「やっぱり、こう……大学的なもの?」

麻衣「……コンビニのサンドイッチ」

ゆっこ「あ、そう……おいしい?」

麻衣「……まあまあ」

ゆっこ「そう……」

149: 2011/12/09(金) 01:52:24.81 ID:8ULx1qFk0

麻衣「…………」

ゆっこ「…………」

ゆっこ(ど、どうしよう……意外と会話が続かない)

ゆっこ(なんでかな……うーん……)

ゆっこ(……あ、そうだ)

ゆっこ「ねえ麻衣ちゃん……なんでここで食べてるの?」

麻衣「………?」

ゆっこ「いや、友達とかと一緒に食べないのかなって……」

麻衣「…………」

150: 2011/12/09(金) 01:55:57.89 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……えっと……」

麻衣「……いつも、一人で食べてる」

ゆっこ「え?……そうなの?」

ゆっこ「だって……メールでは毎日100人以上の友達に囲まれて楽しくやってるって……」

麻衣「……ボケなんだけど」

ゆっこ「わかりづ……らくはないけどわかりたくねーよ!」ビシッ

ゆっこ「……本当?」

麻衣「……駄目?」

151: 2011/12/09(金) 01:58:02.13 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「い、いや駄目じゃないけど……なんで?」

麻衣「……面白くないから」

ゆっこ「え?……何が?」

麻衣「……ボケてもツッコんでこないし、いつでも笑っていないと疎まれるし」

麻衣「飲み会ばっかりだし、いつも似たような話題だし……」

麻衣「……大人数でも、面白くないから」

ゆっこ「……そう、なんだ……」

152: 2011/12/09(金) 01:59:19.20 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……えっと、ご一緒しても……いい?」

麻衣「……いいよ」スッ

ゆっこ「えっ?……おにぎり、くれるの?」

麻衣「…………」コクッ

ゆっこ「ありがとう! さすが麻衣ちゃん、気が利くなー」

ゆっこ(……そういえばまだお昼食べて無かったっけ)

ゆっこ(ああ……美味しい)ムシャムシャ

麻衣「…………」

ゆっこ「…………」

153: 2011/12/09(金) 02:01:15.06 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……そうだ」

ゆっこ「麻衣ちゃんって、これからじゅ……講義、とかあるの?」

麻衣「……無いよ、祝日だから」

ゆっこ「あ……そういえばそうだったね」

ゆっこ「あれ? じゃあなんで来てるの?……サークルとか?」

麻衣「……入ってない」

ゆっこ「じゃあなんで?」

麻衣「……図書館」

ゆっこ「ああ……なるほど」

麻衣「ゆっこは……バイト無いの?」

ゆっこ「研究所のこと? ……今日は休み」

麻衣「……そう」

154: 2011/12/09(金) 02:02:34.29 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「……あのさ」

麻衣「………?」

ゆっこ「麻衣ちゃんの部屋、行ってもいい?」

麻衣「……いいよ」

ゆっこ「本当? 一回見てみたかったんだよねー大学生の部屋」

麻衣「……じゃあ、行こう」スクッ

ゆっこ「あ、待ってよ!」タタッ


…………………………………………

158: 2011/12/09(金) 02:04:21.96 ID:8ULx1qFk0

麻衣の下宿


麻衣「…………」ガチャガチャ

麻衣「……どうぞ」キイ…

ゆっこ「おじゃましまーす!」ワクワク

………………………………

ゆっこ「……………」

麻衣「はい、お茶」コトッ

ゆっこ「……ま、麻衣ちゃん……」

麻衣「………?」

ゆっこ「なにこの……三十三間堂みたいな部屋」

160: 2011/12/09(金) 02:07:00.78 ID:8ULx1qFk0

麻衣「……都会は狭い」ズズー

ゆっこ「そういう問題じゃないよ! ……なんか予想はしてたけどさ……」

ゆっこ「もっとこう……いかにも大学生な部屋とか期待しちゃうっつーか」

麻衣「………?」ズズー

ゆっこ「でも……なんか、安心しちゃった」


ゆっこ「……麻衣ちゃんは、麻衣ちゃんのままなんだね」


麻衣「…………」

161: 2011/12/09(金) 02:08:51.16 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「全然変わってないっていうか……これぞ麻衣ちゃんっていうか」

麻衣「…………」

ゆっこ「……みんな、変わっちゃったよね」

ゆっこ「はかせはもう子供じゃないし、なのちゃんは本当に普通の女の子だし」

ゆっこ「みおちゃんはもう片思いじゃないし、あん……あんなか?さんは有名人だし」

ゆっこ「私だけ……何も変わってないなって、思ってさ」

ゆっこ「そしたらなんか……不安になっちゃって」

ゆっこ「いままで……何やってきたんだろう、ってさ」

麻衣「…………」

165: 2011/12/09(金) 02:11:54.17 ID:8ULx1qFk0

ゆっこ「なんか、ごめんね……変なこと言って」

麻衣「……変わる必要なんて無いよ」

ゆっこ「……へ?」

麻衣「私も……変わるつもりは無いし」

麻衣「ずっとこのままでも……いいよ」

ゆっこ「……でも、寂しくない?」


麻衣「……ゆっこがいるから」


ゆっこ「あ……」

168: 2011/12/09(金) 02:13:50.23 ID:8ULx1qFk0

麻衣「皆変わっても……ゆっこだけは変わらない」

ゆっこ「麻衣ちゃん……」

麻衣「今まで何をやってきて、何を残したのか……不安になる?」

ゆっこ「…………」

麻衣「私は……ゆっこと会って、遊んで……今も、そばに居る」

麻衣「……それだけで十分」

ゆっこ「……っ!」

169: 2011/12/09(金) 02:18:19.79 ID:8ULx1qFk0

麻衣「別に、たくさん友達ができなくても……」

麻衣「有名にならなくても、恋人ができなくても、成長しなくても、なりたい自分になれなくても」


麻衣「一生の親友に出会えたから……それでいいよ」


ゆっこ「……ぐすっ……もう、こんなによく喋る人だったっけ?」

麻衣「……ゆっこも、そんなに泣き虫じゃなかった」

ゆっこ「……えへへ」

麻衣「ふふっ……」

ゆっこ「……私も……麻衣ちゃんに会えて良かった」


ゆっこ「……ありがとう」


………………………………………………

171: 2011/12/09(金) 02:20:31.39 ID:8ULx1qFk0

研究所


チュンチュン…


ゆっこ「あー!! 今日もいい天気だね!」ガララッ

ゆっこ「ほら、なのちゃん、はかせ! スーラマッパギー!!」

なの「ふわあ……おはようございます……」

なの「なんか、元気一杯ですね? ……疲れがとれましたか?」

ゆっこ「ううん! むしろ全身筋肉痛で立ってるのが精一杯だよ!」

なの「え!? な、何でそうなるんですか!?」

ゆっこ「そりゃー走ったからね! もう全力疾走したから……痛っ! 足つったー!」

なの「あ、あはは……まあ、元気そうで良かったです……」

阪本「……ったく、若いのはいいねえ……」ヨロッ

なの「あ、阪本さん……立って平気なんですか?」

172: 2011/12/09(金) 02:21:40.59 ID:8ULx1qFk0

阪本「うるさくて寝てられっかよ……おい」

ゆっこ「痛ー……ん? 何?」

阪本「お前も気を付けろよ?……いつまでも若いままじゃないんだからな」

ゆっこ「じじ臭いよ阪本さん! いつまでも若いつもりでいなきゃ!」

阪本「あーはいはい……いってて、ガキに改造してもらうかな、もう……」

ゆっこ「あはは、それがいいよ……私、もう年取るの諦めたんだ」

阪本「……? なにいってんだ?」

ゆっこ「……いくら時間が立っても、ずっと変わらないものだってあるよ」

ゆっこ「年をとっても、歩けなくなっても、氏んで灰になっても……私は私のままだから」



ゆっこ「この日常は……いつまでも続くよ、きっと」



阪本「……ああ、そうかもな」


終わり

173: 2011/12/09(金) 02:22:20.26 ID:UniDktmkO

174: 2011/12/09(金) 02:22:28.97 ID:wIHIgTAzO
おつ

: みお「そういえばさ、ゆっこってあだ名誰がつけたの?」 他